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1 園芸市場情報 平成 3 年 12 月号 発行 : 千葉県農林水産部流通販売課首都圏マーケティングセンター住所 : 東京都大田区東海 大田市場事務棟 4F 電話 : F A X: 月の相場見通しは?! 野菜類は 入荷量は前年を上回り 相場は前年を下回るか! 果実類は 入荷量は前年を上回り 相場は前年を下回るか! 花きは 入荷量は前年を下回り 相場は前年並か! < 今月の写真 > * 千葉県秋冬野菜販売出陣式 開催! * 11 月 6 日 ( 火 ) 東京都中央卸売市場大田市場において 千葉県秋冬野菜販売出陣式 を千葉県 全国農業協同組合連合会千葉県本部 ( 公社 ) 千葉県園芸協会 千葉県野菜園芸組合連合会 ちば エコ農業 生産者協議会の主催で開催しました 大田市場が開場して 3 年目の節目となる本年は JA グループ千葉の 17JA の組合長等が参加する 中 千葉県滝川副知事及び全農千葉県本部林運営委員会会長から 長年の御愛顧に対する感謝と 今後一層の御利用に向けた御挨拶の後 会場一丸となり鬨の声を挙げました 用意した 3 種類の試食 各 4 食も瞬く間に配り終え 来場した買参人からは うまい! もう一つ! といった声も聞かれました 本県産の 美味しく新鮮 な秋冬野菜は 来年 6 月までの長期にわたり首都圏に出荷されます 皆様 今シーズンも一層の愛顧をお願い申し上げます 滝川副知事の いざ出陣! の掛け声に 関係者全員で えい えい おう と鬨の声を上げ 本シーズンの秋冬野菜の販売開始を買参人の皆様にお知らせしました

2 園芸市場情報 平成 3 年 12 月号 C O N T E N T S( 目次 ) Ⅰ 青果情報 11 月 ( 中旬まで ) の経過東京都中央卸売市場の主要の入荷量と価格 12 月の見通し今月の青果物特集 ねぎ 1 項 Ⅱ 花き ( 切花 ) 情報 11 月 ( 中旬まで ) の経過 ( 販売経過 別経過 ) 12 月の見通し ( 輪菊 ストック ) 1 月の入荷量と単価の経過 確定値 6 項 Ⅲ 千葉県内市場における園芸品の市況概況 1 月の青果物と花き 7 項 Ⅳ やっちゃば閑話 鉄道いろいろ 8 項 Ⅴ 首都圏掲示板 アボカドは関東でも栽培可能? 熱帯果樹研修会が開催されました千葉県フェアを開催中です全国花き品評会シクラメン部門が開催されました 12 月 8 日は 有機農業の日 です 9 項 用語解説 園芸市場情報に使用する主な用語解説 急騰 : 前日に比べ大幅に価格が上がる (3 割程度以上 ) 変動の 平年並 :± 2% 以内 強い : 前日に比べ1 % 程度以上価格が上がる 幅を やや :± 3~ 5% 強保合 : 前日に比べ5 % 程度以上価格が上がる 示す かなり :± 6~15% 保合 : 前日とほとんど同じ価格 用語 大幅 :±16% 以上 弱保合 : 前日に比べ5 % 程度以上価格が下がる 弱い : 前日に比べ1 % 程度以上価格が下がる 急落 : 前日に比べ大幅に価格が下がる (3 割程度以上 ) まちまち : 産地 品種により 価格の騰落が異なること

3 Ⅰ 青果情報 1 1 月下旬 ~11 月中旬までの経過気象全国的に平均気温が高い地点が多く 本州では降水量が少なく 日照が多い傾向であった 気温は 九州 中国 四国地方の一部を除き 全国的に平年より高く 北海道 関東甲信 東海では特に高くなった 降水量は 東北南部から九州北部までの広い範囲で平年よりもかなり少なかった 日照は 北海道では少なかったが 全国的に多い傾向で 特に九州 四国地方で多くなった 野菜類 入荷量 相場 東京都中央卸売市場への入荷は 高冷地産 北海道 東北産から関東産 西南暖地産に徐々に切り替わった 好天が続いたため 台風 24 号の影響を受けたも回復傾向となった 主産地が関東産 愛知県産に切り替わった だいこん キャベツ類 は 前年を上回る入荷量だった 北海道産が少なかった ばれいしょ類 たまねぎ は 前年を下回る入荷量だった 野菜全体では 1 月下旬から11 月中旬の入荷量は129,198t( 前年比 1.2%) と前年並だった 11 月上旬から潤沢な入荷となったため 多くので前年の価格を下回った 特に 前年が高かった ほうれんそう レタス類 こまつ菜 などは前年の5 割程度になるなど 価格が大幅に下回った 一方 入荷量が少なかった トマト ばれいしょ類 たまねぎ の価格は前年を上回った 野菜全体では 1 月下旬から11 月中旬の価格は 243 円 ( 前年比 96.5%) と前年をやや下回った 果実類 入荷量 相場 みかん類 かき類 りんご類 を中心に出回った 日本なし類 みかん類 かき類 は生育が進み 入荷や品種の切り替えが前倒しになった 入荷量が漸減していく 日本なし類 かき類 は前進出荷の影響で前年を下回った いちご類 は 11 月以降 天候に恵まれたことから生育が良く 入荷量が増えている 果実全体では 1 月下旬から 11 月中旬までの入荷量は 41,528t( 前年比 89.2%) と前年をかなり下回った 価格は みかん類 は極早生種の切り上がりが早まり 一時入荷量が少なく また食味が良く引き合いがあったことから 価格は前年をかなり上回った 果実全体では 1 月下旬から 11 月中旬までの価格は 316 円 / kg ( 前年比 17.6%) と前年をかなり上回った 1

4 東京都中央卸売市場における入荷量と価格平成 3 年 1 月下旬 ~11 月中旬 入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比 野菜総量 44, , , , うち外国産 ( 単位 :t % 円 /kg) 1 月下旬 11 月上旬 11 月中旬 1 月下旬 ~11 月中旬合計 開市日数本年 8 日 前年 8 日開市日数本年 7 日 前年 7 日開市日数本年 7 日 前年 7 日開市日数本年 22 日 前年 22 日 , 果実総量 13, , , , うち外国産 1, , , , 主要一覧 ( 都中央全体 ) ( 野菜 ) ( 単位 :t % 円 /kg) 1 月下旬 11 月上旬 11 月中旬 1 月下旬 ~11 月中旬合計 入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比 だいこんにんじんはくさいキャベツ類ほうれんそうねぎレタス類きゅうりなすトマトピーマンさといもばれいしょ類たまねぎ生しいたけかぼちゃさやえんどうかんしょかぶごぼうこまつ菜こねぎ糸みつばしゅんぎくにらセルリーカリフラワーブロッコリーサラダなパセリチンゲンサイエンダイブミニトマトいんげんえだまめやまといも根しょうがマッシュルーム 4, , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , ,

5 ( 果実 ) みかん類 ( 極早生みかん ) ( 早生みかん ) かんきつ類 りんご類 ( ふじ ) いちご類 ( とちおとめ ) メロン類 ( アールスメロン ) くり すいか類 ( すいか大玉 ) ( こだますいか ) 日本なし類 ( なし ( 新高 )) ぶどう類 かき類 1 月下旬 11 月上旬 11 月中旬 1 月下旬 ~11 月中旬合計 入荷量 前年比 価格 前年比 入荷量 前年比 価格 前年比 入荷量 前年比 価格 前年比 入荷量 前年比 価格 前年比 4, , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , , 主要一覧 ( 都中央千葉県産 ) ( 野菜 ) 1 月下旬 11 月上旬 11 月中旬 1 月下旬 ~11 月中旬合計 入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比 だいこんにんじんキャベツ類ほうれんそうねぎレタス類きゅうりなすトマトピーマンさといもかんしょかぶこまつ菜しゅんぎくサラダなパセリミニトマトいんげんえだまめやまといも 1, , , , , , , , , , , , , , , , , , , ( 果実 ) 1 月下旬 11 月上旬 11 月中旬 1 月下旬 ~11 月中旬合計 入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比入荷量前年比価格前年比 メロン類 ( アールスメロン ) 日本なし類 ( なし ( 新高 )) 注 ) 斜体で表示したは 季節的に入れ替えをします 前年比 1% 以上 資料 : 東京青果物情報センター速報 は単位に満たないもの -は数値の発表がないもの 前年比 1% 以下 3

6 2 12 月の見通し 野 関東と九州 四国の西南暖地が中心産地となる 好天が続いているため だいこん キャベツ類 などは引き続き潤沢な入荷が見込まれる 一時 入荷が少なかった にんじん トマト も生育の回復により 平年並の入荷を見込む 野菜全体では 入荷量は前年を上回る見込み 価格は だいこん キャベツ類 はくさい レタス など前年が高かったでは 前年を大幅に下回ることが見込まれる トマト きゅうり などの果菜類も前年は下回る見込み 野菜全体では 前年 平年を大きく下回る見込み 果 菜 実 みかん類 りんご類 かき類 の出回りが主体となる 気温が高めに推移しているため みかん類 は前進出荷しており 台風の被害のあった前年と比べると 安定した入荷が見込まれる りんご類 は台風の影響で下位等級の発生があるものの 玉肥大は良好である 価格は 主力の みかん類 で早生種の入荷が順調に続き 中生や普通種以降の出回りも重なり 入荷量が少なく高かった前年を下回る見込み 果実全体では 入荷量は前年を上回り 価格は前年を下回る見込み 入荷量 (t) 前年比 平年比 単価 ( 円 /kg) 前年比 平年比 だいこん にんじん キャベツ類 ほうれんそう ねぎ きゅうり トマト かんしょ 増加 減少 備考 ( 県内産地の生育状況等 ) 主産地は千葉 神奈川県 台風の影響があったが その後の好天で生育は回復傾向 入荷量は少なかった前年を大幅に上回り 平年並の見込み 主産地は千葉県 夏季の高温 乾燥 台風 24 号の影響があったが 回復傾向 入荷量は少なかった前年をやや上回り 平年並の見込み 主産地は愛知 千葉県 9 月の天候不順 台風の影響は その後の好天により回復傾向 入荷量は前年及び平年をやや上回る見込み 主産地は群馬 茨城県 好天で生育が前進した反動で 入荷が一時減る 入荷量は少なかった前年を大幅に上回り 平年を大幅に下回る見込み 主産地は千葉 埼玉県 台風の影響が等階級内容に残るも 生育は回復傾向 入荷量は少なかった前年をやや上回り 平年並の見込み 主産地は宮崎 千葉県 越冬作の各産地で 生育は概ね順調 入荷量は前年及び平年並の見込み 主産地は熊本 愛知県 猛暑や 9 月の天候不順から回復し 生育は概ね順調 入荷量は少なかった前年をやや上回り 平年をやや下回る見込み 主産地は千葉 茨城県 千葉県は貯蔵作業が終るが 下位等級の発生がやや多い 入荷量は前年及び平年並の見込み 凡例, 平年並 :±2% やや高, やや低 :±3~5%,, かなり高, かなり低 :±6~15% 大幅高, 大幅低 :±16% 以上 4

7 3 今月の青果物 ねぎ 12 月入荷予測 5,96t( 前年比 15.1% 平年比 97.5%) 主要産地のねぎの入荷量 ( 東京都中央卸売市場 ) 産地 29 年 12 月入荷量 29 年 12 月シェア率 12 月価格予測 千葉 1,414 t 25.8 % 強保合 保合 強保合 茨城 98 t 17.9 % 埼玉 919 t 16.8 % 群馬 74 t 13.5 % 今後の競合産地の動向は? 千葉県は 12~4 月までの ねぎ の入荷量が 東京都中央卸売市場で第 1 位となっている主要な産地です 都中央卸売市場には 11 月までは青森県 秋田県等の東北産が その後は千葉県 茨城県等の関東産が入荷し 産地が切り替わります 前年の 12 月は 台風の影響により 下位等級比率が高かったものの 価格は野菜全体の高値基調の影響もあり 平均価格で 346 円 /kg( 平年比 12%) と高値でした 本年は 関東の各産地で台風 24 号による葉折れや倒伏等の被害があり 生育の遅れが見られました その後の好天により 生育は回復傾向にあり 12 月上旬は細物の発生も予想されますが 12 月後半にかけては太物が増量する見通しです 全体では 12 月の入荷量は前年をやや上回り 平年並の見込みです 価格は 高かった前年は下回りますが 平年は上回る見込みです 入荷量 (t/ 旬 ) 2,5 全国 単価 ( 円 /kg) 6 12 月市況予測 入荷量 (t/ 旬 ) 月 11 月 11 月 12 月 12 月上旬中旬下旬上旬中旬 入荷量 (t/ 旬 ) 月 11 月 11 月 12 月 12 月上旬中旬下旬上旬中旬 入荷量 (t/ 旬 ) 月 11 月 11 月 12 月 12 月上旬中旬下旬上旬中旬 3 円 ( 前年比 88.7% 平年比 15.6%) ( 上旬 ) ( 中旬 ) ( 下旬 ) 千葉 12 月下旬 1 月上旬 茨城 12 月下旬 1 月上旬 埼玉 12 月下旬 1 月上旬 1 月中旬 1 月中旬 1 月中旬 1 月下旬 1 月下旬 1 月下旬 2 月上旬 2 月上旬 2 月上旬 単価 ( 円 /kg) 6 2 月中 2 月下旬旬 単価 ( 円 /kg) 6 2 月中 2 月下旬旬 単価 ( 円 /kg) 6 2 月中 2 月下旬旬 , 1,5 1, 5 11 月 11 月 11 月 12 月 12 月 12 月 1 月上旬中旬下旬上旬中旬下旬上旬 1 月 1 月 2 月 2 月 2 月中旬下旬上旬中旬下旬 入荷量 (5 カ年平均 ) 29 年入荷量 3 年入荷量 単価 (5 カ年平均 ) 29 年単価 3 年単価 入荷量 (t/ 旬 ) 月 11 月 11 月 12 月 12 月上旬中旬下旬上旬中旬 群馬 12 月下旬 1 月上旬 1 月中旬 1 月下旬 2 月上旬 単価 ( 円 /kg) 6 2 月中 2 月下旬旬

8 Ⅱ 花き ( 切花 ) 情報 11 月 ( 中旬 ) までの経過 台風被害の影響が残り入荷量は少なかったものの ブライダル 葬儀等の業務需要鈍く 厳しい販売状況となった 販売経過 ( 東京都中央卸売市場大田市場 ) 項目 経 過 入荷量 相場 動向 入荷量は台風被害の影響等が残り 平年をやや下回った 単価は平年並となった 大きな需要の無い時期で 菊類が平年をかなり下回った 東日本 北日本は高温が続き 生育が前進化 また 年末需要期は台風被害の影響が引き続き残るため 供給量が不安定となる懸念がある 別経過 経 過 ストック 輪菊 ガーベラ 大田花き FAJ 大田花き 山形県中心の入荷であったが 中旬から千葉県が始まった 中旬は天候が良く入荷量がまとまり販売は苦戦した 葬儀需要滞り 入荷数量も増えたため相場低迷 中旬に徐々に回復した 静岡県は台風被害から回復傾向で 出荷量は徐々に増え 中旬から前年並の入荷となった 12 月の見通し 世田谷花き 輪菊 FAJ x ストック 大田花き 見通し 台風や夏の高温の影響もあり昨年よりも 1~2% 入荷は減る見込み 単価は前年並の見込み 年末需要に向けて数量増加見込みだが 沖縄県の出荷は不安定 ディスバッド系主体に動き活発になる 各産地生育順調で安定的な数量になる 販売面では上中旬は厳しいが 年末に向けて動きが活発になる 1 月の入荷量と単価の経過 確定値 大田花き 25, 2, 15, 1, 5, 1 月上旬 1 月中旬 1 月下旬 11 月上旬 11 月中旬 11 月下旬 12 月上旬 12 月中旬 12 月下旬 ( 千本 ) 平年入荷量前年入荷量本年入荷量平年単価前年単価本年単価 ( 円 ) 花き流通情報連絡協議会資料より作成平年値は過去 3 カ年の平均 6

9 Ⅲ 千葉県内市場における園芸品の市況概況 青果物 H3.1 月累計 (H3.1~H3.1 月 ) 入荷量前年比単価前年比数量前年比単価前年比 野菜 21, , だいこん 3, , にんじん 1, , はくさい 2, , キャベツ 3, , ねぎ , トマト , きゅうり , ばれいしょ 1, , たまねぎ 2, , レタス , 果実 5, , みかん 1, , かき類 1, , グレープフルーツ , なし類 , ぶどう類 , , いちご類 , , , すいか類 , メロン類 , バナナ , りんご , その他 , 花き 青果物合計 27, , H3.1 月累計 (H3.1~H3.1 月 ) 入荷量前年比単価前年比数量前年比単価前年比 切り花 1, , きく , バラ カーネーション , 枝物 鉢物 , その他 花き合計 - は 数値の発表がないことを示す 1, , 平成 3 年 4 月 1 日から市川市地方卸売市場が民営化され調査対象外となった 単位 :t 円 /kg 単位 : 千本 ( 千鉢 ) 円 / 本 ( 鉢 ) 県内公設卸売市場実績 は主なもの 数値の は入荷はあるが単位に満たないことを示す 7

10 Ⅳ やっちゃば閑話 鉄道いろいろ 地下水問題など幾多の困難を乗り越え 1 月 11 日豊洲市場が開場しました 豊洲市場は敷地面積約 4ha で このうち青果棟の敷地面積は約 13ha と青果部門も移転前の築地市場より規模が拡大しています 豊洲市場青果棟の大きな特徴は完全閉鎖型である点で 産地からのトラック便の着荷 ~ 卸売場 ~ 仲卸 ~ 小売への発送まで一貫して外界と隔離された室内空間で青果物が取り扱われます コールドチェーンの確立により鮮度維持の向上が期待され 豊洲市場の開場は今後 青果物の商流に少なからず影響を与えると思われます さて 現在の青果物の物流はトラック便に依るところが大きいですが 移転した築地市場にかつて輸送用の鉄道が乗り入れていたことを御存じでしょうか 築地市場を上から見ると弧を描いていることがわかりますが この弧に沿って鉄道のレールが敷設されていました 築地市場内の駅は 東京市場駅 といい 1935 年 ( 昭和 1 年 ) の築地市場開場と同時に開業し 1984 年 ( 昭和 59 年 ) に廃止されるまで農水産物の流通の一端を担っていました ところで 今日のわが国の鉄道は電気を動力としていのものが大半です しかし 鉄道の黎明期には石炭や石油 電気以外のさまざまな動力による鉄道路線が存在していました まずは 馬が動力の 馬車鉄道 です そもそも 鉄道のルーツはイギリスでレール上を走らせた馬車だとされています レール上を走行するので普通の馬車より乗り心地が良く 多くの人や物を輸送することができました さらに変わったものでは 人車 がありました 人車とは 読んで字のごとくで 人が貨車を押す力を動力とする鉄道です よほどキワモノかと思えばそうでもなく 小田原と熱海を結んだ豆相人車鉄道は 延長およそ 25Km の立派な交通手段でした 芥川龍之介の短編 トロッコ も この豆相人車鉄道が軽便鉄道へと切替えられる工事現場を舞台とした小説です また かつては千葉県にも 庁南茂原間人車軌道 ( 庁で正しい記載です ) という人車が存在し 現在の長南町 ~ 茂原市を結び 1925 年 ( 大正 14 年 ) まで公共交通機関として運行されていました そして 極め付けの変わり種鉄道は 犬車 です 犬車が利用されたのは四国や九州などの山間部で 山から切り出した木材を麓の里まで運搬するための森林鉄道で活躍しました 狭く急勾配の山道では犬達の脚力が頼りだったのです もっとも 犬車が使われるのは空の貨車を山の上に上げるまでで 木材を積載した帰り路は犬も木材の上に乗って山道をくだったそうです 現在 物流業界の人手不足は深刻で 特に 市場での荷卸しの待ち時間が長く 手積み 手降ろし等の荷役作業が大きな負担になる農産物は ドライバーからは敬遠される輸送品の一つだと言われています 流通コストの上昇に直結し 農産物の販売戦略にも影響を及ぼしうる物流業界の動向には 引き続き注視していかなければなりません 厳しい現実もありますが 一昔前の微笑ましい鉄道に少時思いを馳せて ひと休みするのもいいのではないでしょうか 8 ( 狐の茶袋 )

11 Ⅴ 首都圏掲示板 アボカドは関東でも栽培可能? 熱帯果樹研修会が開催されました 11 月 17 日 ( 土 ) 大田市場事務棟の大ホールで日本熱帯果樹協会主催のトロピカルフルーツセミナーが開催されました 当日は協会員の生産者のほか市場関係者も参加し 温帯地域におけるアテモヤ アボカド等の亜熱帯性果樹の栽培の可能性を探りました アテモヤは 森のアイスクリーム といわれる濃厚な甘味が特徴の果樹です まだ知名度は高くありませんが 国内では沖縄県や三重県などで栽培されており 大田市場にも出荷されています 一方のアボカドは 食材として日本の食卓に定着していますが 流通しているものはほとんどが輸入品です アボカドの輸入量は 右肩上がりで増加しており 217 年の輸入実績は数量で 6,635t 金額で 23 億円と 1 年前の 27 年と比較して数量で 2.3 倍 金額で 3 倍になっています アボカドは品種によっては 千葉県でも露地栽培が可能です 着果率の向上などクリアしなければならないハードルはありますが 安定的な生産ができれば国産アボカドの需要は大きいと思われます 当日展示された三重県産アテモヤ ( 左 : ピンクス マンモス 中 : バーニッキー 右 : ヒラリーホワイト ) アテモヤの果肉 ( 糖度は 3 度近くになります ) 参加者が持ち寄った国産アボカド ( 左から スチュワート ハス ピンカートン 福徳利 ) 9

12 千葉県フェアを開催中です 11 月から2 月の千葉県の秋冬野菜潤沢期に 量販店において千葉県フェアを開催しています 本年は新たに12~1 月もフェアを開催し 継続的な本県産農産物の取り扱いを目指して取り組んでいます 今年は 11 月後半になるにつれ野菜価格が下落していき 量販店でも全体的に野菜の価格が安い状況でした フェアでは 試食 調理方法の紹介を行うことで 大根やキャベツをまとめ買いして行くお客様もいて 品出しが間に合わない程売れ行きは好調でした 市況は厳しい状況ですが 品質の良い本県産野菜は消費者に喜ばれています 千葉県野菜の集中陳列 売り場の棚を広く使い販売していただきました 全国花き品評会シクラメン部門が開催されました 11 月 28 日水曜日 フラワーオークションジャパンにて全国花き品評会シクラメン部門が開催され 生産者が丹精込めて栽培したシクラメンが 市場に集まりました 栄えある農林水産大臣賞に輝いたのは 群馬県産のウインクホワイト5 号鉢でした シクラメンは 葉を外側にし 花を真ん中に集める 葉組み 作業を行った商品が一般的ですが 今回初めて全体的に花を咲かせた品種が受賞しました 近年 このようなタイプのシクラメンが比較的高い単価で取引きされる傾向にあり シクラメンのイメージが変化しつつあります 農林水産大臣賞受賞品 特別賞受賞品 1

13 12 月 8 日は 有機農業の日 です 有機農業推進法 の成立した日である12 月 8 日は 有機農業の日 という記念日が制定されています 最近は 一般のスーパーでも有機農産物コーナーが設置されたりと 有機 オーガニックは以前より身近な存在になりましたが 全国の耕地面積に占める有機農業の取組面積はわずか.5%( 千葉県は同.6%) と 諸外国に比べて日本の有機農業の取組は依然として低い水準です 有機農業の取組拡大のためには 安定した栽培技術の確立とともに コストを抑えた効率的な販売と販路の確保が不可欠です 現在 市場で取り扱われる有機農産物の数量は多くありませんが 有機農産物のように 特徴があり少量生産 といった商品に対応できる市場もあります 既存の物流網と卸売市場の機能を活用した市場出荷に取り組むことは これからの有機農産物販売の選択肢のひとつではないでしょうか 大田市場に出荷されている各地の有機農産物 11