2016年度 病院年報(第30号)

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1 国立研究開発法人 国立精神 神経医療研究センター NATIONAL CENTER HOSPITAL OF NEUROLOGY AND PSYCHIATRY 2016 年度病院年報 ( 第 30 号 ) ANNUAL REPORT 2016 緑の風薫る病院 高度な医療をやさしく提供します 2017 年 10 月発行

2 序 文 急速に秋が深まってまいりました 2016 年度の国立精神 神経医療研究センター病院の年報をお届けいたします 当院は1940 年に 傷痍軍人武蔵療養所 としてスタートし 1945 年 12 月からは 国立武蔵療養所 となり さらに 1986 年 10 月から 国立精神 神経センター武蔵病院 として 精神疾患 神経疾患 筋疾患及び発達障害 を所掌するナショナルセンターとして新たな出発をいたしました 病院年報も翌年よりスタートし この2016 年度版は記念すべき第 30 号となりました この間に2010 年からは独立行政法人 2015 年からは国立研究開発法人国立精神 神経医療研究センターとなり 病院といたしましても これまで以上にセンター内の研究所等と密に連携し 新たな治療法開発を含めより良い診療を皆さまにお届けできるよう 励んでいるところでございます このなかで毎年様々な取り組みを進めておりますが 2016 年度の特筆すべきものとしては 日本医療機能評価機構 の病院機能評価の更新 臨床検査室の ISO15189 の認定取得 てんかん地域診療連携体制整備事業全国拠点機関 の採択 第 1 回医療連携講演会 の開催が挙げられます 詳細はトピックスをご覧いただきたいと思いますが 二つの認定は当院診療の質の担保を外から見える形にすべく 職員一同協力して達成することができました てんかんは当院の主な診療科 部門がすべてかかわる看板分野の一つです この診療機能をさらにブラッシュアップし 地域の拠点施設 学会 患者会等と協力し 国民の皆さまにより良いてんかん診療を提供できる仕組みを作る拠点となることはまさに当院がすべきことであり この採択は大変うれしいものでした 医療連携講演会 の開催については これまでナショナルセンターであることが強調されすぎて十分進められなかった地域との連携を見えやすい形で一歩を踏み出すことができたことを大変うれしく思っています 病院の体制としても2016 年度は院長 副院長ともが当院に10 年以上在籍した医師が就任するという大きな変化がありました これは当然のことのようにも思えますが当院では初めてのことで これまでは院長はじめ病院幹部が数年ごとに外部から着任する形で これまでの流れを理解して長期計画を立てることが困難な部分がありました 内向きにならないよう 流動性を高めることに留意しつつ 当院の問題点を見直しより良い組織に脱皮していきたいと思います その第 1 歩としての2016 年度の年報をご覧いただき 今後もご支援ご鞭撻賜りますよう お願い申し上げます 2017 年 10 月吉日 病院長村田美穂

3 病院の理念 研究所と一体となって診療と研究に取り組み 精神 神経 筋疾患と発達障害の克服を目指します 基本方針 1. 研究成果を医療に生かします 2. 高度な医療を優しく提供します 3. 人材を育て 情報を全国に発信します

4 目 次 トピックス 1 Ⅰ 病院概要 1 病院の概要 7 2 病院の沿革 8 3 施設の概要 10 4 病院が担う政策医療 12 Ⅱ 病院運営 1 組織 17 2 職員配置状況 19 3 経常収支 20 4 施設整備状況 21 5 主要医療機器整備状況 22 6 放射線診療部保有機器構成 23 7 年間主要行事 出来事 24 Ⅲ 統計 1 医事統計 27 2 疾患別統計 34 Ⅳ 業務状況 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 45 2 司法精神科 ( 第二精神診療部 ) 51 3 神経内科 53 4 小児神経科 56 5 脳神経外科 58 6 総合外科 60 7 総合内科 62 8 外来部 64 9 遺伝カウンセリング室 手術 中央材料部 放射線診療部 臨床検査部 身体リハビリテーション部 精神リハビリテーション部 医療連携福祉部 薬剤部 看護部 栄養管理室 臨床研究推進部 91

5 20 医療安全管理室 院内感染防止対策委員会 療育指導室 アドボカシー委員会 医療情報室 教育 研修室 臨床研究推進委員会 筋疾患センター てんかんセンター 多発性硬化症センター パーキンソン病 運動障害疾患 (PMD) センター 地域精神科モデル医療センター 睡眠障害センター 統合失調症早期診断 治療センター 111 Ⅴ 研修 教育 1 研修医 レジデント チーフレジデント 専門修練医 研修 見学等受け入れ状況 看護部教育研修実施報告 医療安全研修会 141 Ⅵ 研究 1 病院研究発表会 各科研究会 研究業績 研究補助金 190 Ⅶ その他 1 会議及び委員会一覧 209

6 トピックス

7 トピックス 1 病院機能評価更新 病院長村田美穂 2011 年 11 月に 当院も遅ればせながら 日本医療機能評価機構 の病院機能評価の認定を受けました それから早 5 年が経過し 2016 年は認定更新の年となりました 2011 年の初回審査時は 2010 年 9 月の新病棟への引っ越し 電子カルテ導入をうけての受審準備でした このときは病院でのマニュアル等システム作りに評価の重点が置かれていましたので 病院全体が一丸となって病院内の体制改善に努力しましたが 実際には看護部門 事務部門の大変な努力のうえに勝ち得た認定でした 今回は 2015 年 6 月の病院幹部会で更新受審が決定 さっそく準備が始まりました 定期的に 受審検討会 を開催し その間に直近に受審した施設の経験を聞く勉強会の実施や 自己評価での現状分析を行いました さらに各種病院機能改善セミナーに出席し実際の受審に際してのプロセスや審査状況の確認 3 月にはコンサルタントに依頼し事前調査を実施 4 月は評価機構の事前評価も受け 9 月末日受審に向けての最終準備に入りました この間に 今回の審査では マニュアル等の整備は当然で むしろ病院のスタッフ全員がそのマニュアルの意義を理解したうえで 多職種連携を進め 患者さんにより良い医療を安全に提供する それが実際にできていることを評価されるものであることが理解できました 通常業務に加えてこの機能評価受審の準備をすることは大変なことではありましたが 目指すところはまさに当院がより良い医療をしようと日々努力している点と合致しており この準備は我々のレベルアップ 患者さんへのサービス向上につながるのだということを合言葉に頑張ってきました これまで当院ではそれぞれの部門は誇るべき医療をしているものの 職種をまたいだ横のつながりがやや不十分である点がありましたが この改善は機能評価で強く期待される点でありました 2016 年度に入ってからは 前回のように看護部 事務部門頼りではこの受審は乗り越えられない 医師がまず動く必要があること 多職種の情報共有と連携が必要であることを認識し より一層病院職員が一丸となれたように思います それぞれの病棟で医師が中心になり ケアプロセス面接の対策を進めました この準備はまさに多職種が一人の患者さんを中心にいかに連携してよい医療をするかという点になりますので 日ごろの診療のなかで各部署が個別にしていたことが有機的につながるようになり 日常診療の上にも大変良い影響を受けました このような中で 9 月 29 日 30 日の審査当日を迎えました 当日はそれぞれがこれまでの準備の成果を示し そのうえサーベイヤーからの理解あふれるフォローをいただいたりもして 何とか無事に審査は終了しました 私達がむしろ当然と思ってしてきた公開講座などにも高い評価をいただけたことはうれしいことでした 11 月 22 日には特に指摘事項はないとの中間報告が入り 1 月 4 日に最終結果が通知され 無事更新が認定されました 最終報告書では 診療の質向上に向けた取り組み 栄養管理機能 医療観察法における入院の管理 電気けいれん療法 精神科における 患者 家族への退院支援 の項目で S 評価を受ける等高い評価を受けました 病院職員全員の 2016 年度の成果です 1

8 トピックス 2 臨床検査室の国際規格である ISO15189 の認定を取得しました 臨床検査部長吉田寿美子 RML01290 当検査室の認定番号はRML01290です ISO15189の審査には 臨床検査室の質と能力向上に必要な事項が規定されており 品質管理と技術管理に大別されます 両者を何度も見直し改善することで 臨床検査の質を高めると共に インシデントやアクシデントも低減できます 医療にとって正確で信頼できる臨床検査は不可欠です ISO15189の認定は 臨床検査室の質と技術が国際規格に適合すると第三者機関から保証された証であり 大変名誉なことであります ISO 認定は 誰かが頑張れば取得できるというものではありません スタッフ全員の技量や能力 そして徹底した情報の共有と問題解決プロセスの明確化が求められます ラグビーで言えば スクラムトライ で得た認定です one for all, all for one のラグビー精神も共有できるようになったと感じます また認定後も 毎年の外部審査や 4 年ごとの更新審査を受けます 取得だけでなく 維持 更新にも相当な努力を要します ISO15189 認定取得は出発点です 国際規格に適合した検査室であるとの誇りを持って 今後も職員一丸となって正確で質の高い臨床検査を提供できるように精進して参ります 2

9 トピックス 3 てんかん地域診療連携体制整備事業全国拠点機関 てんかんセンター長須貝研司 厚生労働省は 平成 27 年度から国の政策としててんかん地域診療連携体制整備事業 ( モデル事業 ) を開始し 都道府県に対する公募により8 県におけるてんかん地域診療拠点機関を選定した 全国拠点機関はそのトップとして各てんかん診療拠点機関で得られた知見を集積し 分析し てんかん診療地域連携体制モデルを確立すると共に 都道府県 各診療拠点機関への技術的支援を行うものとして28 年度に公募され 当センターが採択された 1. わが国のてんかん対策の現状と課題 上記モデル事業の実態把握と効果の検証のため 全国てんかん対策連絡協議会を開催した 厚生労働省担当課 日本てんかん学会 8 県のてんかん診療拠点機関 民間てんかん病院代表 全国てんかんセンター協議会 患者団体日本てんかん協会の各代表と 当センター実務担当者が一堂に会した てんかん地域診療連携体制の現状と背景 実際 工夫 効果 課題に関する報告書を作成し 厚生労働省 地方厚生 ( 支 ) 局 8カ所 自治体衛生主管部 104カ所 てんかん協会本部 支部 48カ所 全国てんかんセンター協議会 (JEPICA) 加盟施設 34カ所 ( 自施設を除く ) 全国てんかん対策連絡協議会委員のうち自施設とJEPICA 施設を除く7ヵ所 計 202カ所に送付した 8 地域拠点機関は各地域の特性に応じてモデル事業を展開し てんかん診療連携協議会の設置 自施設の診療機能の向上 一次 二次医療機関への教育研修による地域の診療レベルの向上 地域社会へのてんかんの普及啓発 患者の相談窓口設置 等を行っていた この事業のよかった点は 医療 保健 行政一体となった診療連携協議会により特に行政との意思疎通改善 一次 二次施設への研修の増加 患者 学校 就労窓口等への普及 啓発活動の増加 自施設の機能アップと患者増加が得られ 地域保健計画の土台形成がなされたことであり モデル事業に終わらず全国展開すべきという意見が強かった 問題点と対策は 地域診療連携には二次診療施設と専門医の偏在が全国的にだけでなく地域拠点施設のある県でも大きな問題であり 地域拠点施設があっても遠方の二次施設のレベルアップや遠方の一次診療医の参加は困難であった 遠隔医療システムによる症例検討会 web 講演会が期待される 普及 啓発の講演会も遠方からの参加は困難であり 新聞 ラジオの利用が期待された 相談窓口であるコーディネーターの職務の内容と人員確保困難が課題であった 2. 地域におけるてんかん診療連携を行政でも推進するため 全国てんかん診療ネットワークの地区別の二次診療以上の登録専門診療施設名簿と全国てんかんセンター協議会の施設名簿を全国 550 カ所の保健所に送付した てんかん診療全国拠点機関として 1) てんかん地域診療連携体制の調査 提言 2) 高次てんかん診療の向上と情報発信 2) 専門医養成とプライマリケア医研修 3) メディカルスタッフ 保健行政関係者研修 4) 市民への啓発活動 5) てんかん地域診療連携ネットワークの形成 が責務であり 当センターの各部門と協力していっそう努力したい 3

10 トピックス 4 初めての連携の会開催 副院長三山健司 2016 年 5 月 10 日初めての医療連携講演会が教育研修棟で開催されました 当院は 国立精神 神経センター武蔵病院 の時代から 残念ながら医療連携の分野には十分な力を注ぐことができないまま診療を続けており ご紹介を頂いている医療機関からも 敷居の高い病院 との不評を買うことが多い状況でした そのため 2010 年独立行政法人化の年に 新病棟移転とともに 病院医療連携福祉部内に医療連携室が立ち上げられました 医療連携の分野に関するその後の努力で 医療機関からの紹介受け 逆紹介に関しては実績を積み上げ 連携医療機関の数も徐々に増加してきました しかしながら 普通の病院では当たり前の 連携医療機関との会 は 開催の必要性は理解しているものの その後もなかなか開催できないままとなっていました 2016 年病院の体制変更をきっかけとして 5 月にはどうしても開催しようとの決意のもとに準備を進めました 他の医療機関同様 講演 + 情報交換会 の形で開催することとしました 演題については 医療機関も含めてすべての職場で求められており 当センターの専門領域でもある ストレスチェック に関連するものとして 当センター内のCBTセンターの堀越先生 田島先生にお願いして 復職支援に関する講演を頂くこととなりました 当日は やはり ストレスチェック に関心が強かったせいか 初回にもかかわらず 23 区も含めた東京都内ばかりでなく 千葉県 神奈川県内からも含め22 医療機関から45 名の方にご参加頂きました また参加者の職種も医師 ソーシャルワーカーばかりでなく 看護師 薬剤師 心理士 事務職など多職種の皆様にお集り頂きました 情報交換会でも連携を密にすべく 顔の見える関係 を構築できるよう当院職員も多数参加し夜遅めの時間帯にもかかわらず話し合いに花を咲かせることができました ご参加頂きました皆様に感謝申し上げます 本来年 2 回の開催を目指しておりましたが 準備不足で 2016 年度中は1 回しか開催できませんでした そのため 2017 年度以降は確実に年 2 回開催できるよう準備を進めております 今後の会につきましても皆様のご参加をお待ち申し上げております 4

11 Ⅰ 病院概要

12 Ⅰ 病院概要 1 病院の概要 医療機関名 国立研究開発法人国立精神 神経医療研究センター病院 所在地 東京都小平市小川東町 TEL 交通機関 西武新宿拝島行又は西武遊園地行にて萩山駅 ( 南口 ) 下車 徒歩 5 分 JR 中央線国分寺駅乗換西武多摩湖線青梅街道駅下車 徒歩 5 分 JR 武蔵野線新小平駅下車 徒歩 15 分 病 床 数 医療法病床 :474 床 収容可能病床 :466 床 一 般 :266 床 一般 :260 床 精 神 :208 床 精神 :206 床 病棟数一般病棟 : 5 棟精神病棟 : 4 棟医療観察法病棟 : 2 棟 管轄保健所多摩小平保健所 ( 北多摩北部保健医療圏 ) 診療科目 指定医療機関 内科 心療内科 精神科 神経内科 消化器内科 循環器内科 小児科 外科 整形外科 脳神経外科 耳鼻いんこう科 リハビリテーション科 放射線科 麻酔科 歯科 ( 入院患者のみ ) 精神保健及び精神障害者福祉に関する法律 戦傷病者特別援護法 原子爆弾被爆者に対する援護に関する法律 ( 一般疾病医療 ) 児童福祉法 覚醒剤取締法 生活保護法 心神喪失者等医療観察法 ( 指定入院医療機関 指定通院医療機関 ) 障害者自立支援法 各種医療保険 施設基準 看護配置 看護師 入院患者 7 人に対し 1 名 ( 一般病棟 ) 入院患者 10 人に対し 1 名 ( 精神病棟 ) 入院患者 7 人に対し 1 名 ( 障害者病棟 ) 看護補助者 急性期看護補助体制加算 75 対 1 脳血管疾患等 運動器 呼吸器の各リハビリテーション料 Ⅰ 障害児 ( 者 ) リハビリテーション料 精神作業療法 精神科ショート ケア ( 大規模 ) 精神科デイ ケア ( 大規模 ) 他 特色研修指定病院 臨床指定修練病院 養護学校名称 : 東京都立小平養護学校武蔵分教室 (1979 年 4 月設置 ) 小学部 3 学級 中学部 2 学級 高等部 2 学級 環 境 都心の西方約 30Km 小平市の北西に位置し 周辺一帯は 昔の武蔵野の面 影を残し自然に恵まれた環境である 診 療 圏 診療圏は 一般 精神及びデイ ケアについては 東京 23 区西部地区及び 北多摩地区を主とするが アルコール 薬物依存症 てんかんなどは 東京 地区全域 関東近県の及び 神経難病は全国に及ぶ 敷地 198,001 m2 ( 神経研究所 精神保健研究所を含む ) 建 物 建面積 35,094m2 ( 神経研究所 精神保健研究所を除く ) 延面積 73,589m2 ( 内訳 ) 病棟 診療部門 33,771m2 その他 39,818m2 7

13 Ⅰ 病院概要 2 病院の沿革 当院は 第二次世界大戦前に傷痍軍人療養所として出発 戦後 国立武蔵療養所 と改称 1986 年に国立精神 神経センターに統合され 国立精神 神経センター武蔵病院 となった 2008 年に 国立精神 神経センター病院 に名称変更 2010 年独立行政法人化に伴い 独立行政法人国立精神 神経医療研究センター病院 となり 同年 9 月新病棟が開棟 電子カルテが導入された ここでは当院開設以来の歴史を振り返りつつ2016 年度の新たな動きを紹介する 1940 年 12 月 傷痍軍人武蔵療養所 日中戦争の激化の中で傷痍軍人の援護治療を行うため 1940 年 12 月 11 日に我が国初の国立精神療養所として 傷痍軍人武蔵療養所 が現在の地に定床 300 床で開設され 1942 年 800 床に増床された 1945 年 12 月 国立武蔵療養所 1945 年 12 月に厚生省所管の 国立武蔵療養所 と改称 広く国民に開放 女子患者も収容することになった 1955 年以降 若干の整備がなされ 1964 年には 基本整備計画 のもと 国立精神療養所の基幹施設として 1,000 床を目標に近代化整備が開始された この近代化整備構想は 国立武蔵療養所を精神疾患一般の治療と社会復帰の拠点として発展させるのみでなく 専門病棟を整備し さらに将来 研究部門も併設して我が国初の脳神経疾患の総合施設とし 神経疾患の病因解明と治療法の開発に寄与しようとするものであった 国の重症心身障害児対策の推進に基づき 1972 年に新たに重症心身障害児病棟 80 床の増床が行われた また 1978 年 1 月には精神 神経 筋 発達障害の疾患研究を目的とした研究所として 国立武蔵療養所神経センター が設置され これに伴い筋ジストロフィー症などの神経 筋疾患の専門病棟として120 床が増築されて 合計 1,000 床の病床を持つこととなった 1984 年 10 月に精神と神経のセンター設立構想が公表され 国立精神衛生研究所も加わることが決定され 1986 年 9 月 厚生省設置法の一部を改正する法律の施行に伴う関係政令により 国立高度専門医療センター としてがんセンター 循環器病センターに続いて 国立精神 神経センター が整備された 1986 年 10 月 国立精神 神経センター武蔵病院 所掌事務は 精神疾患 神経疾患 筋疾患及び精神薄弱その他の発達障害に関し 診断及び治療 調査研究並びに技術者の研修を行い 並びに精神保健に関し 調査研究及び技術者の研修を行うこと とされ 1986 年 10 月 1 日 新設の運営部と武蔵病院 ( 国立武蔵療養所の病院部門 ) 神経研究所( 国立武蔵療養所神経センター ) 精神保健研究所 ( 国立精神衛生研究所 ) からなる国立精神 神経センターが発足 1987 年 4 月 1 日に国立国府台病院が加わり センターは 運営部 2 病院 2 研究所の5 部門構成となった センター病院として再発足した武蔵病院は その機能を高めるため 病棟の集約を行い ほぼ全病棟に 2 名以上のスタッフ医師を配置するとともに 看護基準を高め 医療の充実を図った また CT MR 装置を設置し ポジトロン CT 棟の建設 サイクロトロンの導入が行われた 1995 年度にPET SPECTが導入され 1998 年度にMEG 棟 (MEG 治験管理室) が整備された さらに遺伝子診断その他最先端の診断方法を開発 導入し センター病院としての体制が整えられた 1999 年度には 4-1 病棟に精神科救急のための施設を整備した 2004 年 3 月に研究所 3 号館が完成し 2005 年 3 月に精神保健研究所が小平キャンパスに移転した さらに同年 7 月には 心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律の定める指定入院医療機関として 全国で初めての医療観察法病棟 (8 病棟 ) が完成し 9 月より患者受け入れを開始した 2008 年 3 月時点の 精神科病棟は7 病棟 ( 医療観察法病棟 1 棟を含む ) 一般病棟は6 病棟 ( 重心 2 筋ジス1 神経難病 1 一般 2) であった 同年 4 月に国府台病院が国立国際医療センターに移管され 当院の名称は 国立精神 神経センター病院 に変更された 翌年に予定されていた新病院棟へ移行する準備として 2009( 平成 21) 年 6 月末には精神科病棟のうち4-3 病棟 ( アルコール依存症 ) が 9 月末には4-4 病棟 ( 社会復帰 ) が集約され 精神科病棟は精神保健福祉法病棟 4 棟 医療観察法病棟 1 棟 計 5 病棟となった 消化器内科医師の補充など 総合診療基盤の拡充が図られた 2010 年 4 月 独立行政法人国立精神 神経医療研究センター病院 2010 年 4 月の国立高度医療センターの独立行政法人化に伴い 独立行政法人国立精神 神経医療研究センター病院 8

14 Ⅰ 病院概要 となった 法人としては中期目標 中期計画が定められ 諸規定 就業規則等が整備された またセンター全体で敷地内禁煙が実施された また当センターと病院のホームページが刷新された 4 月 4 日に 2 番目の医療観察法病棟 9 病棟 ( 身体合併症にも対応 ) が開棟した 8 月に新病院棟が完成 9 月 25 日に新棟への移転が実施された 医療観察法の二病棟 ( 計 68 床 ) 以外に入院中の全患者がこの日移動した 移転の翌日 26 日の正午から電子カルテの運用が開始され 外来は9 月 27 日 28 日の2 日間休診し 29 日から新棟にて外来診療が開始された 開棟後気づかれた不具合も多く改善が必要となった 新病院にふさわしい高度専門的医療を展開するために 同年 11 月に医療福祉連携部に医療連携室 研究所と連携して診療科横断的 専門的診療を行う仕組みとして専門疾病センターが次々と発足した 2011 年に入り 3 月 11 日に東日本大震災が発生 一時的なエレベーターの停止等はあったが幸い患者 職員 建物には被害はなかった 福島県 福島県立医大 厚労省と連携して 2011 年 4 月 ~ 6 月末まで福島県いわき市の避難所を中心に被災者支援を行った (1 週単位で12 チーム ) 岩手県宮古市等の支援にも参加した 精神科患者の身体合併症医療について東京都と4 月に契約が成立し7 月から患者受入が始まった 医療機能評価機構の機能評価受審で 2011 年 6 月 28 日 ~30 日の3 日間訪問審査 一部改善を必要としたが 11 月 4 日付で認定を受けた 厚生労働省独立行政法人評価委員会でのセンターの2010 年度業務実績の評価は 戦略的かつ重点的な研究 開発の推進 にS 評価 ( 中期計画を大幅に上回る ) その他 12 項目に A 評価 ( 上回る ) 1 項目に B 評価 ( 概ね合致 ) を受け独法化初年度としては概ね高い評価であった 2012 年 6 月に人工呼吸器停止 モニター停止により筋疾患で療養中の患者さんが死亡される事故が発生した 医療事故調査委員会が組織され中間報告書と医療事故防止対策が策定されるとともに 病院を挙げて継続的に対策を協議し実施している また 病院の施設基準では 精神科病棟 4 病棟 ( 計 140 床 ) が 10 対 1 の看護基準を取得 医療観察法を除く精神科病棟は平均在院日数が40 日以下となり 急性期治療を目的とする病棟であることが明確化された また 障害者病棟が7 対 1 の看護基準を取得した さらに医師主導治験では 多発性硬化症を対象とする OCH-NCNP1 の臨床試験が開始され この試験で当院はFIH(First in Human: 初めて人に ) 投与もできる体制を整えた また 臨床研究を円滑に実施することを目的に 病院臨床研究推進委員会が発足した 病院経営面では 2012 年度は経常損益 4 千万円の黒字 ( 前年度 3 億円の赤字 ) で初めて黒字となった 2013 年度より精神科病棟 (4 北病棟 ) にて精神科救急入院料病棟 ( スーパー救急病棟 ) を立ち上げ 年間を通して厳しい基準をクリアした 7 月 2 番目のFIHとして神経研究所で開発されたNS065/NCNP01を用いた筋ジストロフィーに対する治験が開始された 臨床試験 治験の活性化に伴い 10 月 治験管理室の機能を拡充する方向で組織改編 臨床研究推進部が立ち上がった 2014 年度は 7 月 1 日に教育研修棟が開棟 図書館やユニバーサルホール等が整備された 日本人科学者として初めて 樋口輝彦理事長がゴールデン クレペリン メダル (Golden Kraepelin Medal) を受賞 日本のみならず アジアにおいても初めての受賞となった 2015 年 4 月 国立研究開発法人国立精神 神経医療研究センター病院 2015 年度独立行政法人の制度の変更があり 当センターは 国立研究開発法人 となり 当院も 国立研究開発法人国立精神 神経医療研究センター病院 へと名称変更となった 年度内の主な出来事は SPECT 装置 2 台体制 臨床心理室の業務 サービス体制拡充 行動制限等最適化システムの当センター精神保健計画研究部によって開発された新たなシステム 精神医療の見える化プロジェクト (Psychiatric electronic clinical observation:peco) への移行 訪問看護の担当部門が 指定訪問看護ステーション国立精神 神経医療研究センター訪問看護ステーション として独立等があった 2016 年度の主な出来事は以下の通り 上記 2011 年に認定された病院機能評価の期限が来た為 病院一丸となり取組み 更新が認定された 中央検査部が臨床検査室の国際規格であるISO15189の認定を取得した 専門疾病センターであるてんかんセンターが てんかん地域診療連携体制整備事業における全国拠点機関に選ばれた またこれまで開催したことのなかった 連携医療機関との会 を初めて開催した 当院の専門領域の一つである 認知症 においても これ迄未参画だった東京都の 認知症疾患医療センター 事業に 二次医療圏の基幹型認知症疾患医療センターである西東京市の山田病院と連携する形で 地域連携型認知症疾患医療センター として参加 地域に貢献し始めた 9

15 Ⅰ 病院概要 3 施設の概要 1) 主要建物 2017 年 3 月 31 日現在 建物名称 構造 建面積 ( m2 ) 延面積 ( m2 ) 備考 病棟 診療棟 RC- 5 F 9,315 26,624 1F 神経内科外来 小児外来脳神経外科 総合内科 整形外科 消化器科リハビリテーション 救急外来 放射線診療部医事課 医療福祉相談室栄養管理室食堂 カフェ 売店 2 F 精神科外来 治験病棟臨床検査部 薬剤部 歯科 心理検査 眼科病棟 3 F 医局 手術室 病棟 4 F 病棟 庭園 5 F 病棟 第 6 病棟 S-1F 1,845 1,734 病棟 エネルギーセンター S-1F 中央館 RC- 3 F 2,113 6,477 事務部 医局 看護部 作業療法棟 RC- 1 F 1,123 1,123 武蔵分教室 デイケア棟 RC- 1 F 療育指導 レクレーションセンター S-1F 閉鎖 1 号館 RC- 4 F 912 3,564 閉鎖 2 号館 RC- 3 F 862 2,656 1 F 図書館 2 F ゲノム解析センター 3 F 医局 7 号館 RC- 3 F 779 2,421 1 F 看護部等 2 F 臨床試験ネットワーク事務局等 3 F CBTセンター 8 号館 RC- 1 F 2,401 2,451 病棟 (1 部 2F) 9 号館 RC- 1 F 2,429 2,462 病棟 (1 部 2F) SPECT 棟 RC- 1 F その他の施設 8,948 13,722 研究部門除く 庁 舎 計 32,903 65,302 研究部門除く 宿舎 RC-4F5 棟 1,110 4,092 看護師宿舎 RC-3~8F 950 4,058 3 棟 その他の施設 8 8 宿 舎 計 2,068 8,158 合 計 34,971 73,460 2) 病棟別病床数 医療法病床 474 床 ( 一般 266 床 精神 208 床 ) 収容可能病床 466 床 ( 一般 260 床 精神 206 床 ) 一般病棟 : 5 棟 精神病棟 : 4 棟医療観察法病棟 : 2 棟 2017 年 3 月 31 日現在 病棟名区分性別病床種別 医療法病床 収容可能病床 2 階南病棟 神経内科 筋ジストロフィー 男 女 一般 階北病棟 神経内科 男 女 一般 階南病棟 脳神経外科 小児神経 男 女 一般 階北病棟 神経内科 消化器外科 内科 男 女 一般 階南病棟 精神科 閉鎖 男 女 精神 階北病棟 精神科 ( 急性期 ) 閉鎖 男 女 精神 階南病棟 精神科 開放 男 女 精神 階北病棟 精神科 ( 亜急性期 ) 閉鎖 男 女 精神 病棟 重症心身障害 男 女 一般 小 計 病棟 医療観察法 男 女 精神 病棟 医療観察法 男 女 精神 小 計 合 計

16 < センター内地図 > 六小通り 外来者専用 駐車場 研究所 2号館 1号館 屋根付き通路 外来者専用駐車場 専用駐車場 職員駐車場 駐車料金精算機 駐輪場 タクシー乗場 特殊診療棟 AED設置場所 ポスト 公衆電話 レストラン コンビニエンスストア ATM タリーズコーヒー 正門 外来者専用 駐車場 機能訓練棟 り 萩山通 6台 病棟 萩山公園前 8病棟 外来者専用 駐車場 3台 分教室 洗濯棟 小平市プール 外来者専用 駐車場 K棟 保育所 N棟 9病棟 職員駐車場 外来者専用 駐車場 クラスター IBIC棟 研究棟 TMC棟 エネルギー センター 療育 指導棟 ゴミ置場 研究所4号館 営繕棟 6病棟 SPECT棟 外来者専用駐車場 (2F) 診療棟 ATM 総合受付 4台 外来者専用駐車場 名木百選 桐 コスモ ホール 3階 中央館 管理棟 小型実験 動物研究施設 MRI棟 職員駐車場 総合実験動物 研究施設 教育研修棟 1F図書館 ユニバーサル ホール 7号館 認知行動療法 センター3階 MEG棟 2号館 研究所3号館 1Fセミナールーム ATM 動物画像 解析施設 研究所 本館 地図上マークの説明 青梅街道駅北 至青梅街道 職員駐車場 研究所入口 至新小平駅 国立精神 神経医療研究センター NCNP 国立研究開発法人 B棟 新B棟 I棟 小平市グラウンド A棟 新C棟 新A棟 J棟 C棟 北側通用門 至萩山駅 職員 駐車場 H棟 グラウンド Ⅰ 病院概要 3 建物配置図 11

17 Ⅰ 病院概要 4 病院が担う政策医療 センターの使命は 病院と研究所が一体となり センターが担う政策医療分野である精神疾患 神経疾患 筋疾患及び発達障害の克服を目指した研究開発を行い その成果を基に高度先駆的医療を提供するとともに 全国への普及を図ることにある 当院は 神経研究所 精神保健研究所と連携して 精神 神経 筋疾患及び発達障害分野の疾患の病因 病態の解明 診断 治療法の開発や人材育成 モデル的医療の開発 政策提言等を実施し 4 分野の疾患に係る高度専門医療機関として 先駆的な役割を果たしている 1) 診療精神疾患領域については 統合失調症 うつ病等の気分障害 神経症 認知症 アルコール 薬物などの物質依存症等の疾患を対象に それぞれの分野についての専門外来や専門疾病センターを設置するとともに 入院医療を提供し 高度の専門医療を実施している また 日本で最初に開棟した医療観察法病棟では 国内最大の68 床を有し 唯一の身体合併症医療に対応し 全国 26 指定入院医療機関の牽引役として 裁判所 検察庁 保護観察所と強力な連携を行っている さらに 2013 年度からは 認知行動療法 (CBT) センターと病院の臨床心理室が連携し CBTを提供する体制を構築している 神経 筋疾患については パーキンソン病 脊髄小脳変性症等神経変性疾患や多発性硬化症 ジストニア てんかん 認知症 筋ジストロフィーやミオパチー等に係る高度の集学的専門医療を提供している パーキンソン病や不随意運動症に対しては深部脳刺激療法 難治性てんかんに対する定位脳手術等の外科的治療も適切な適応決定ののち 多数例の手術を実施している また重症心身障害児 ( 者 ) の病棟では遺伝子診断を含めた総合的な機能評価を実施し その評価結果に基づいた各機能障害に対する専門的治療を実施している なお 2016 年まで 7 つの専門疾病センターが活動を行い 専門外来をはじめ 診断科横断的に また研究所とも協力しながら新たな診断 治療法の開発にまで取り組んでいるが 2017 年度は新たに 気分障害先端治療センター 嚥下障害リサーチセンター 認知症センター 薬物依存症治療センター の 4 つを設置した 2) 臨床研究脳とこころの科学研究が重要視され また昨今は橋渡し研究や臨床研究の重要性がますます増している 当院内では精神 神経疾患研究開発費による研究班が数多く発足しており 特に臨床応用に資するものや 患者 QOL 向上に直結する研究が行われている また 両研究所とも密接な連携のもとに共同研究等を行っており 研究所に所属する医師等が病院で臨床業務に 逆に病院の医師等が研究所の研究に参加するといった 診療 研究の垣根のない交流により 臨床研究を推進させている 一方で 死の谷 を越え 研究成果を臨床現場まで繋げるためには シーズを生み出す高い研究技術 十分な医療管理技術 バランスの良い組織力 そして開発戦略等が必要である そこで トランスレーショナル メディカル センター (TMC) で 研究所が産出してきた先端的医療のシーズを病院のニーズへ橋渡し 実際に医薬品や診療技術として実用化するための専門人材の育成を行うとともに 臨床研究推進部が医師主導治験を含む病院における臨床研究実施を 臨床研究支援部が治験の実施を支援している また 脳病態統合イメージングセンター (IBIC) は GMP 基準に適合しており 様々な臨床研究や 治験を実施している 12

18 Ⅰ 病院概要 3) 教育研修 2004 年度から開始されている卒後臨床研修については 協力型病院として 5 施設からの初期研修医 29 名を受け入れた また後期研修医 56 名についても全国から専門医を目指しつつ臨床研究を行う志を持った優秀な医師が集まっている その他 診療科サマーセミナーやNIRS( 光トポグラフィー ) 包括的暴力防止プログラム (CVPPP) 等の外部向けの研修も積極的に行い 我が国における医療 福祉の質を向上させた 4) 情報発信当該分野における病因 病態の解明や標準的な治療法については 各種ガイドラインを精神 神経疾患研究開発費を利用して 作成 普及しているところである また ホームページや市民公開講座等で研究成果を公開することにより 患者を含めた国民に保健医療情報を広く発信している 13

19 Ⅱ 病院運営

20 Ⅱ 病院運営 1 組織 1 組 織 水 2017年3月31日現在 澤 英 洋 岡崎 光俊 三 山 健 司 村 田 美 穂 六 精神先進医療科医長 司法精神科臨床研究センター長 副 セ ン タ ー 長 実 態 分 析 室 長 専門医療推進室長 メディカル ゲノムセンター 髙橋 祐二 岩崎 真樹 水澤英洋 事務取扱 脳 病 態 統 合 イメージングセンター 副栄養管理室長 栄 養 主 任 認 知 行 動 療 法 センター 上 級 専 門 職 外 来 部 長 水澤英洋 事務取扱 岩崎 真樹 RI 検 査 主 任 17

21 Ⅱ 病院運営 1 組織 身体リハビリテーション部長 村田美穂 身体リハビリテーション科医長 身体作業療法士長 言語聴覚士長 ( 作業療法主任 ) 身体作業療法主任言語療法主任 精神リハビリテーション部長平林直次 精神リハビリテーション科医長 ( 併 ) 精神作業療法士長 臨床心理室長 副精神作業療法士長 ( 作業療法主任 ) 第一精神作業療法主任第二精神作業療法主任第一心理療法主任第二心理療法主任 三山健司 医療連携室医長 医療連携係長在宅支援係長 ( 欠 ) 臨床研究推進部長 臨床研究 治験推進室長 ( 併 ) 副臨床研究 治験推進室長 ( 併 ) 小牧宏文 研究管理 調整室長 ( 併 ) 副研究管理 調整室長 ( 欠 ) 臨床研究 治験主任 臨床研究 治験推進係長 研究管理 調整係長 副看護師長 専門職 田島芳夫 町屋晴美 薬歴管理主任 看護師長 専門看護室長 副 看 護 師 長 副 看 護 師 長 クラスター病棟師長 18

22 Ⅱ 病院運営 2 職員配置状況 2 職員配置状況 1) 部局別職員数 2017 年 3 月 31 日現在 部局等 役院技副院長 部長 室長 事務職医療職 ( 二 ) 医療職 ( 三 ) 福祉職基本給等基本年俸 医療職 ( 一 ) 長療合部課そ副部医医部そ部副看副看准指等長能看護看導 の計院計の計部護護計児祉会会童事事保相年室師護室業業師指育談専専計導室門員俸長長他職長長長師長他長長長長師師長員士長職長 1 計総 1 室長 技師長主任 主任 医療福医療社医療社養介助職門員上級専門職総務部研究所事務室 総 務 部 長 1 1 総 務 課 人 事 課 計 企画経営企画経営課 企画医療研究課 部計 財務経理部査室 病院医 事 室 財務経理部長 財 務 経 理 課 計 医 療 情 報 室 病 院 長 1 1 副 院 長 専 門 職 第一精神診療部 第二精神診療部 神経内科診療部 監 小児神経診療部 脳神経外科診療部 総 合 内 科 部 総 合 外 科 部 外 来 部 手術 中央材料部 放射線診療部 臨 床 検 査 部 身体リハビリテーション部 精神リハビリテーション部 医療連携福祉部 教育 研修室 臨床研究推進部 医療安全管理室 薬 剤 部 看 護 部 計 合 計 ) 診療科別職員数 区分総長病院長副院長部長医長医師 上級専門修練医 専門修練医 チーフレジデントレジデント非常勤医師計 精 神 科 内 科 1 1 外 科 神 経 内 科 心 療 内 科 1 1 消 化 器 科 1 1 循 環 器 科 1 1 小児神経科 整 形 外 科 1 1 脳神経外科 身体リハビリテーション科 精神リハビリテーション科 歯 科 1 1 臨床検査科 放 射 線 科 麻 酔 科 合 計

23 Ⅱ 病院運営 3 経常収支 ( 国立精神 神経医療研究センター全体分 ) 3 経常収支 ( 国立精神 神経医療研究センター全体分 ) ( 単位 : 千円 %) 年度区分 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 経常収益 (A)=(b)+(c) 14,060,767 14,027,104 15,407,193 15,208,119 15,379,236 業 務 収 益 (b) 8,619,990 9,074,282 10,321,098 10,630,230 10,998,806 医 業 収 益 (a) 7,396,821 7,588,507 7,908,783 8,132,850 8,299,063 研 修 収 益 35,185 42,847 37,837 32,371 36,964 研 究 収 益 1,187,984 1,442,928 2,374,477 2,464,989 2,662,748 教 育 収 益 その他業務収益 その他経常収益 (c) 5,440,777 4,952,822 5,086,095 4,577,889 4,380,430 経常費用 (B)=(f)+(g) 14,355,104 14,248,729 15,855,380 15,580,624 15,452,136 業務費用 (f)=(d)+(e) 14,305,917 14,205,503 15,799,182 15,539,048 15,387,764 医 業 費 用 (d) 7,376,790 7,445,245 7,997,170 8,050,646 7,932,093 給 与 費 3,872,239 3,985,925 4,287,875 4,421,902 4,481,899 材 料 費 1,289,078 1,239,509 1,353,527 1,449,700 1,411,021 委 託 費 526, , , , ,217 設備関係費 1,274,806 1,318,579 1,373,283 1,260,845 1,110,492 研究研修費 2,020 1,350 1,292 1, 経 費 411, , , , ,637 医業外費用 (e) 6,929,127 6,760,258 7,802,011 7,488,403 7,455,670 給 与 費 3,453,340 3,561,702 3,948,961 3,726,058 3,722,460 材 料 費 345, , , , ,507 経 費 2,636,092 2,322,965 2,608,452 2,477,495 2,627,098 減価償却費 494, , , , ,605 その他経常費用 (g) 49,187 43,226 56,199 41,575 64,372 医業収支差額 (a-d) 20, ,262 88,388 82, ,970 医 業 収 支 率 (a / d) 収支差額 ( A - B ) 294, , , ,504 72,900 収 支 率 ( A / B ) 注 : 計数は 各々の四捨五入によっているのため 端数が合計と一致しないものがある 20

24 Ⅱ 病院運営 4 施設整備状況 4 施設整備状況 No 名称構造建築年次備考 1 2 号館 RC-3F F 図書館 2 F ゲノム解析センター 3 F 医局 2 宿舎 A 棟 RC-4F 宿舎 B 棟 RC-4F 宿舎 C 棟 RC-4F 号館 RC-4F H 29.1 閉鎖 6 中央館 RC-3F 号館 RC-3F F CBT センター 8 宿舎 H 棟 RC-4F 宿舎 I 棟 RC-4F 宿舎 J 棟 RC-3F 宿舎 K 棟 RC-3F 特殊診療棟 RC-2F 作業療法棟 S-1F 機能訓練棟 RC-2F 作業療法棟 RC-1F 冷房機械棟 RC-1F MR 棟 RC-1F ポジトロン CT 棟 RC-2F MEG 棟 RC-2F F 治験管理室 1 F 外来 医事課 放射線診療部 薬剤部 2 F 臨床検査部 3 F 運営局 医局 看護部 20 8 号館 RC-1F 一部増築 H 22.6 竣工 21 ハートフルレジデンス RC-8F 増築部分 H 19.3 竣工 22 9 号館 RC-1F 保育園 S 病棟 診療棟 RC-5F 第 6 病棟 S エネルギーセンター S 教育研修棟 RC-4F SPECT 棟 RC-1F

25 Ⅱ 病院運営 5 主要医療機器整備状況 5 主要医療機器整備状況 取得年月日品名数量単位金額供用先 総合生理検査システム PrimeVitaPlus 1 式 133,920,000 臨床検査部 光トポグラフィー測定装置 ETG-4000P 1 式 9,288,000 臨床検査部 病理検査システム (EXpath 4 ) 1 式 16,740,000 臨床検査部 超音波膀胱内尿量測定装置システム BVI 式 678,240 2 北病棟 超音波膀胱内尿量測定装置システム BVI 式 678,240 3 北病棟 生体信号計測用装置 BSLBSC-W/M 1 式 740,880 第一精神診療部 D 電極位置計測装置 1 式 718,200 第一精神診療部 SSVEP 脳波計測装置 SSVEP-LED 装置 S 3 1 式 1,198,800 身体リハビリテーション部 脳波キャップ EasyCap 64ch EC80-# 1 式 567,550 第一精神診療部 ウェアラブルドライ電極脳波計 BR 8 Plus 1 式 727,920 第一精神診療部 電動式解剖用のこぎり 974-NS 3 1 式 622,080 臨床検査部 液体窒素保存容器 LS 式 721,440 神経内科診療部 誘発電位筋電図測定装置 MEE 式 10,692,000 脳神経外科診療部 GPU コンピューティング用サーバー BT 式 999,540 第一精神診療部 多人数同時検鏡用顕微鏡エクリプス Ni-U 1 式 1,929,960 臨床検査部 TV 会議システム Polycom Group500EEIV-12x 式 1,485,000 脳神経外科診療部 リアルタイム濁度測定装置 Loopamp EXIA 1 式 999,000 臨床検査部 脊椎外科用手術フレームラジオルーセントスパインテーブル 式 1,247,400 総合外科部整形外科 インピーダンス測定機 MSd 台 2,160,000 臨床研究推進部 ポータブル脳波計 CC-125A 1 式 4,268,160 小児神経診療部 脳波用ヘッドセット AE-120A 1 式 1,598,400 小児神経診療部 除細動器 TEC 台 3,024,000 医療機器中央管理室 セントラルモニタ PU-611R 1 式 1 式 9,234,000 医療機器中央管理室 22

26 Ⅱ 病院運営 6 放射線診療部保有機器構成 6 放射線診療部保有機器構成 室名装置名取得年月 04 骨密度測定室 ( 骨塩定量装置 ) ホロジック QDR Explorer W 2006 年 7 月 02 一般撮影室島津 RAD speed Pro 2010 年 9 月 05 一般撮影室 GE Discovery XR 年 3 月 03 X 線 TV 撮影室 (X-TV 装置 ) 01 CT 撮影室 (CT 装置 ) アンギオ撮影室 ( 連続血管撮装置 ) 手術室 ( 外科用イメージ ) 歯科撮影室 直接撮影 CR 装置 移動型 日立 CUREVISTA 2010 年 9 月 シーメンス SOMTOM Sensation Open 2007 年 2 月 フィリップス Allura Xper FD 年 9 月 シーメンス SIREMOBIL Compact LX 2007 年 3 月 朝日 MPX 年 2 月 朝日 MX-60N 2004 年 2 月 モリタ MAX-FM 1989 年 3 月 朝日 KX - 60L 日立シリウス 130HT 2007 年 2 月 日立シリウス 130HT 2007 年 2 月 日立 シリウス Ubiquitas 2009 年 3 月 CALNEO U 2010 年 9 月 CALNEO MT 2010 年 9 月 FCR Speedia 2010 年 9 月 FCR5000 PLUS 2002 年 12 月 FCR 年 2 月 FCR VEROCITY 2004 年 2 月 07 MRI 撮影室シーメンス MAGNETOM Verio 2010 年 9 月 06 MRI 撮影室フイリップス Achieva 3.0T TX 2010 年 9 月サイクロトロン装置住友重機 MH 年 3 月 02 PET-CT 室 (PET-CT 装置 ) SPECT 室 1, SPECT 室 2 (SPECT-CT 装置 ) シーメンス True Point Biograph16 シーメンス SymbiaT 6 GE Discovery NM/CT 年 9 月 2010 年 9 月 2015 年 7 月 23

27 Ⅱ 病院運営 7 年間主要行事 出来事 7 年間主要行事 出来事 新規採用者オリエンテーション ( 1 日 4 日 ) 職務発明審査委員会 一般社団法人日中文化経済交流発展基金会見学 職務発明審査委員会 厚生労働省社会 援護局長視察 職務発明審査委員会 消防 防災訓練 職務発明審査委員会 消防 防災訓練 厚生労働省医政局長視察 職務発明審査委員会 東京都特別支援学校養護教諭研究会見学 第 3 回 NCNPメディア塾 職務発明審査委員会 内閣官房健康 医療戦略室長視察 病院機能評価更新審査 (~30 日 ) 厚生労働省社会 援護局長視察 厚生労働省障害福祉部長視察 職務発明審査委員会 関東弁護士会連合会人権擁護委員会見学 動物慰霊祭 職務発明審査委員会 職務発明審査委員会 厚生労働省情報セキュリティ監査 (~21 日 ) 職務発明審査委員会 総務省行政管理局独立行政法人評価担当管理官視察 職務発明審査委員会 職務発明審査委員会 24

28 Ⅲ 統 計 1 医事統計 2 疾患別統計

29 Ⅲ 統計 1 医事統計 医事統計 年度診療科別 1 日平均患者数 ( 入院 ) < 在院患者数 > 2016 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 年度平均 精神科 ( 一般 ) 精神科 ( 医療観察 ) 小児神経科 神 経 内 科 脳神経外科 外 科 整 形 外 科 消化器内科 循環器内科 心 療 内 科 リハビリ科 合計 < 入院患者数 > 2016 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 年度平均 精神科 ( 一般 ) 精神科 ( 医療観察 ) 小児神経科 神 経 内 科 脳神経外科 外 科 整 形 外 科 消化器内科 循環器内科 心 療 内 科 リハビリ科 合計 < 退院患者数 > 2016 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 年度平均 精神科 ( 一般 ) 精神科 ( 医療観察 ) 小児神経科 神 経 内 科 脳神経外科 外 科 整 形 外 科 消化器内科 循環器内科 心 療 内 科 リハビリ科 合計

30 Ⅲ 統計 1 医事統計 医事統計 2 診療科別 1 日平均患者数 ( 外来 ) 2014 年度診療科名実績 2015 年度実績 2016 年度 ( 月 ) 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月計 総合内科 心療内科 精神科 神経内科 消化器内科 循環器内科 小児神経科 外科 整形外科 脳神経外科 リハビリ科 放射線科 歯科 合計 ( 延患者数 ) 合計 (1 日平均 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ( 初診 ) ( 再診 ) ,388 6,319 ( 初診 ) , , ,244 ( 再診 ) 9,153 8,562 9,494 8,933 9,206 9,150 9,069 9,306 9,101 9,120 8,878 9, , , ,563 ( 合計 ) 9,690 9,026 10,033 9,485 9,760 9,652 9,552 9,800 9,626 9,586 9,395 10, , ( 初診 ) ( 再診 ) ( 合計 )

31 Ⅲ 統計 1 医事統計 医事統計 3 ( 入院 ) 診療科別年間診療点数 ( 入院 ) 2016 年度 内訳 ) 特掲 診 療 科 基 本 特 掲 福祉サービス費 総 合 計 A 類 B 類 C 類 D 類 精神科 ( 一般 ) 114,647, ,332, ,980, ,660, ,286, ,470, ,914, 精神科 ( 医療観察 ) 118,553, , ,115, , , , , 小児神経科 103,511, ,954, ,150, ,616, ,099, ,539, ,584, ,731, 神 経 内 科 106,607, ,824, ,532, ,964, ,474, ,790, ,599, ,959, 脳神経外科 9,048, ,333, ,381, , ,150, ,553, ,748, 外 科 1,696, ,828, ,525, , , , ,299, 整 形 外 科 2,382, ,510, ,892, , , , ,825, 消化器内科 807, , ,267, , , , , 循環器内科 20, , , , , 心 療 内 科 93, , , , , , , リハビリ科 77, ,533, ,611, , , ,490, 合 計 457,447, ,399, ,682, ,530, ,930, ,208, ,072, ,187, 医事統計 4 ( 外来 ) 診療科別年間診療点数 ( 外来 ) 2016 年度 内訳 ) 特掲 診 療 科 患者延べ数 基 本 特 掲 総 合 計 A 類 B 類 C 類 D 類 精神科 ( 一般 ) 59, ,966, ,035, ,002, ,565, ,321, ,307, ,841, 小 児 神 経 科 14, ,491, ,460, ,952, ,411, , ,454, , 神 経 内 科 25, ,575, ,169, ,745, ,853, ,033, ,966, ,316, 脳神経外科 3, ,260, ,393, ,654, , , , , 外 科 , , , , , , , 整 形 外 科 1, , , , , , , , 消化器内科 , , , , , , , 循環器内科 1, , , , , , , 心 療 内 科 2, , , ,219, , , , , リハビリ科 4, , ,916, ,105, , , ,852, 放 射 線 科 , ,479, ,560, , ,470, , 総 合 内 科 , , , , , , , 歯 科 1, , , ,197, , , , , 合 計 116, ,322, ,445, ,768, ,320, ,828, ,997, ,299,

32 Ⅲ 統計 1 医事統計 医事統計 5 夜間 休日外来急患状況一覧 ( 診療科分類 ) 2016 年度救5 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 月 合計 一ヶ月平均 北 0 名 3 南 9 名 3 北 4 名 4 南 0 名 4 北 8 名 5 南 1 名 5 北 1 名 2 北 0 名 3 南 8 名 3 北 4 名 4 南 2 名 4 北 9 名 5 南 1 名 5 北 1 名 6 病棟 1 名 2 北 1 名 3 南 8 名 3 北 3 名 4 南 0 名 4 北 10 名 5 南 0 名 5 北 2 名 2 北 3 名 2 南 1 名 3 北 5 名 3 南 7 名 4 北 7 名 4 南 3 名 5 北 3 名 5 南 0 名 2 北 1 名 2 南 1 名 3 北 4 名 3 南 4 名 4 北 6 名 4 南 4 名 5 北 0 名 5 南 0 名 2 北 2 名 3 北 9 名 3 南 10 名 4 北 8 名 4 南 1 名 5 北 2 名 2 北 0 名 3 北 2 名 3 南 9 名 4 北 7 名 4 南 0 名 5 北 1 名 2 北 1 名 3 北 2 名 3 南 8 名 4 北 5 名 4 南 0 名 5 北 2 名 2 北 2 名 2 南 1 名 3 北 2 名 3 南 11 名 4 北 4 名 4 南 4 名 5 北 1 名 2 北 1 名 2 南 1 名 3 北 4 名 3 南 5 名 4 北 3 名 4 南 3 名 5 北 1 名 2 北 3 名 2 南 1 名 3 北 6 名 3 南 7 名 4 北 7 名 4 南 3 名 5 北 2 名 2 北 0 名 2 南 0 名 3 北 2 名 3 南 6 名 4 北 9 名 4 南 2 名 5 北 4 名 診療内訳搬送状況時間帯転帰入院診療急科精外数来患者総神小脳リハビリそ救警そ深日準入帰転精神小脳そ入院病棟4 月 外の急のの神経児科他車察他夜勤夜院宅送神経児外他30

33 Ⅲ 統計 1 医事統計 診療科別患者数及び平均在院日数 ( 過去 3 年 ) 医事統計 6 ( 医療観察病棟及び重心病棟を除く ) 診療科 2014 年度 2015 年度 2016 年度 精神科 小児神経科 神経内科 脳神経外科 外 科 整形外科 消化器内科 循環器内科 心療内科 リハビリ 平均在院患者数 新入院患者数 1,175 1,141 1,084 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 1,831 1,895 1,825 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数 平均在院患者数 新入院患者数 平均在院日数

34 Ⅲ 統計 1 医事統計 医事統計 7 在院期間別入院患者数 ( 対象 : の在院患者 ) 区 分 14 日 未満 精神一般精神科医療観察一般疾患 一般診療科筋ジストロフィー重症心身障害合計 1 ヶ月未満 2 ヶ月未満 3 ヶ月未満 在院期間 3 ヶ月 ~ 6 ヶ月 6 ヶ月 ~ 1 年 1 年 ~ 3 年 3 年 ~ 5 年 5 年 ~ 10 年 10 年合計以上 患者数 ( 人 ) 比率 (%) 27.8% 22.6% 29.6% 8.7% 8.7% 1.7% 0.0% 0.0% 0.0% 0.9% 100.0% 患者数 ( 人 ) 比率 (%) 0.0% 6.8% 0.0% 1.7% 8.5% 35.6% 37.3% 6.8% 3.4% 0.0% 100.0% 患者数 ( 人 ) 比率 (%) 47.2% 18.3% 16.9% 4.2% 0.7% 1.4% 0.0% 0.0% 1.4% 9.9% 100.0% 患者数 ( 人 ) 比率 (%) 11.5% 15.4% 0.0% 0.0% 3.8% 3.8% 11.5% 7.7% 7.7% 38.5% 100.0% 患者数 ( 人 ) 比率 (%) 16.7% 0.0% 1.7% 0.0% 1.7% 0.0% 1.7% 0.0% 3.3% 75.0% 100.0% 患者数 ( 人 ) 比率 (%) 27.9% 14.9% 14.7% 4.2% 4.5% 6.5% 6.5% 1.5% 2.0% 17.4% 100.0% 医事統計 8 ( 人 ) 年齢別入院患者数 ( 対象 : の在院患者 ) 区分 6 歳以下 精神科一般診療科 年齢 7 歳 ~ 15 歳 ~ 20 歳 ~ 30 歳 ~ 40 歳 ~ 50 歳 ~ 60 歳 ~ 70 歳 ~ 14 歳 19 歳 29 歳 39 歳 49 歳 59 歳 69 歳 79 歳 80 歳以上合計 精神一般 医療観察 一般疾患 筋ジストロフィー 重症心身障害 合計

35 Ⅲ 統計 1 医事統計 医事統計 9 初診患者の居住地域別患者数 (2016 年度初診料算定患者より ) 都道府県 市区町村 神科神脳経神経内診 療 科 児神率精比 小他の診経科外科療科科都道府県 市区町村 神脳経神経内診 療 科 児神率精比 小他の診神経科外科科科東京都 小 平 市 % 東村山市 % 東久留米市 % 西東京市 % 清 瀬 市 % 武蔵村山市 % 北多摩北部保健医療二次医療圏小計 % ( 各科における上記地域の割合 ) 29.5% 21.8% 16.6% 13.5% 30.4% 東大和市 % 立川市 % 小金井市 % 国分寺市 % 国立市 % 八王子市 % 昭島市 % 調布市 % 府中市 % あきる野市 % 日野市 % (23 区以外 ) 福生市 % 三鷹市 % 武蔵野市 % 狛江市 % 羽村市 % 青梅市 % 多摩市 % 町田市 % 稲城市 % 西多摩郡 % 諸島 % 東京都 (23 区以外 ) 小計 1, % ( 各科における上記地域の割合 ) 52.9% 39.5% 33.9% 34.9% 50.7% 東京都 ( 23 区 ) 葛飾区 % 江戸川区 % 江東区 % 港区 % 荒川区 % 渋谷区 % 新宿区 % 杉並区 % 世田谷区 % 京 都 ( 23 区 ) 療中科東 野 区 % 練 馬 区 % 板 橋 区 % 豊 島 区 % 目 黒 区 % 文 京 区 % 品 川 区 % 中央区 % 千代田区 % 北区 % 墨田区 % 足立区 % 台東区 % 大田区 % 東京都 23 区小計 % ( 各科における上記地域の割合 ) 15.3% 17.6% 15.5% 9.9% 17.5% 東京都小計 1, % ( 各科における上記地域の割合 ) 68.2% 57.2% 49.4% 44.8% 68.3% 関区山 梨 県 % 埼 玉 県 % 神奈川県 % 千 葉 県 % 栃 木 県 % 東地茨城県 % 群馬県 % 関東地区小計 % 北海道地区 % 東 京 都 東北地区 % 以 外 北陸地区 % 中部地区 % 近畿地区 % 中国地区 % 四国地区 % 九州地区 % 東京都以外 小計 % ( 各科における上記地域の割合 ) 30.7% 42.7% 49.9% 54.2% 21.6% 海 外 % その他 ( 不明 不定 ) % ( 人 ) ( 人 ) (%) 合 計 2,503 1, % 33

36 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 1 精神科外来新患患者数 疾 患 名 年度 症状性を含む器質性精神障害 精神作用物質使用による精神および行動の障害 統合失調症 統合失調症型障害および妄想性障害 気分感情障害 神経症性障害 ストレス関連障害および身体表現性障害 生理的障害および身体要因に関連した行動症候群 成人の人格および行動の障害 精神遅滞 心理的発達の障害 小児期 青年期に通常発症する行動および情緒の障害 てんかん その他 合 計 2,831 2,787 2,646 2,610 2,480 疾患別統計 2 神経内科外来新患患者数 疾 患 名 年度 パーキンソン病 その他のパーキンソン症候群 ジストニア 脊髄小脳変性症 運動ニューロン疾患 小 計 多発性硬化症 筋疾患 末梢神経障害 脳血管障害 認知症 その他 小 計 合 計 1,514 1,654 1,827 1,874 1,750 34

37 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 3 小児神経科外来新患患者数 疾 患 名 年度 筋ジストロフィー症 ( 高 CK 血症含む ) その他の筋疾患 脊髄性筋萎縮症 末梢神経障害 脊髄小脳変性症 脳変性疾患 不随意運動症 脱髄疾患 代謝異常症 ( ミトコンドリア病を含む ) 脊椎 脊髄疾患 先天奇形 ( 脳奇形を含む ) 水頭症 神経皮膚症候群 染色体異常 神経感染症 脳症 脳炎 てんかん 熱性けいれん 精神発達遅滞 運動発達遅滞 脳性麻痺 ( 重複障害を含む ) 脳血管障害 頭痛 頭部外傷 脳腫瘍 自閉症 注意欠陥多動性障害 広汎性発達障害 神経症 心因反応 他の小児精神疾患 言語発達遅滞 学習障害 睡眠障害 睡眠時無呼吸 夜尿症 大頭 遺伝カウンセリング 顔面神経麻痺 その他 計 ( 再来新患を含む ) 35

38 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 4 脳神経外科外来新患患者数 疾 患 名 年度 てんかん 頭痛 めまい 脳血管障害 頭部外傷 脳腫瘍 慢性硬膜下血腫 パーキンソン病 不随意運動症 認知症 正常圧水頭症 トゥレット症候群 その他 計 疾患別統計 5 身体リハビリテーション科外来処方件数 疾 患 名 年度 筋疾患 ,066 パーキンソン病関連疾病 SCD MSA MND 末梢神経疾患 MS CVD 脳性麻痺 整形外科疾患 その他の神経疾患 その他の小児疾患 廃用症候群 嚥下障害 その他 計 636 1,190 1,783 2,164 2,358 延べ処方件数 (2013 年度より ) 36

39 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 6 遺伝カウンセリング室遺伝カウンセリング件数 ( 保険診療 ) 疾 患 名 年度 デュシャンヌ型筋ジストロフィー ベッカ- 型筋ジストロフィー 福山型筋ジストロフィー 脊髄性筋萎縮症 球脊髄性筋萎縮症 筋強直性ジストロフィー ハンチントン病 1 計 疾患別統計 7 精神科新入院患者数 疾 患 名 年度 症状性を含む器質性精神障害 精神作用物質使用による精神および行動の障害 統合失調症 統合失調症型障害および妄想性障害 気分感情障害 神経症性障害 ストレス関連障害および身体表現性障害 生理的障害および身体要因に関連した行動症候群 成人の人格および行動の障害 精神遅滞 心理的発達の障害 小児期 青年期に通常発症する行動および情緒の障害 てんかん その他 合 計 1,183 1,354 1,212 1,182 1,125 疾患別統計 8 神経内科新入院患者数 疾 患 名 年度 パーキンソン病 その他のパーキンソン症候群 ジストニア 脊髄小脳変性症 運動ニューロン疾患 小 計 多発性硬化症 筋疾患 末梢神経障害 脳血管障害 認知症 その他 小 計 合 計 1,566 1,656 1,843 1,905 1,838 37

40 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 9 小児神経科新入院患者数 疾 患 名 年度 筋ジストロフィー その他の筋疾患 末梢神経疾患 脊髄小脳変性症 小脳失調症 脳変性疾患 不随意運動 ジストニア 脱髄疾患 代謝異常症 ( ミトコンドリア ) 脊椎変形症 脊髄疾患 先天奇形 ( 関節拘縮 ) 水頭症 神経皮膚症候群 染色体異常 神経感染症 脳炎後遺症 てんかん 精神運動発達遅滞 脳性麻痺 脳血管障害 脳腫瘍 小児交互性片麻痺 小児精神疾患 ( 自閉症 ) 神経症 心因反応 学習障害 睡眠障害 その他 ( 頭痛 胃腸炎 ) 合 計 1,006 1,254 1,430 1,520 1,709 疾患別統計 10 脳神経外科新入院患者数 疾 患 名 年度 機能性疾患 : 難治性てんかん 機能性疾患 : パーキンソン病 不随意運動症 脳血管障害 : 虚血性脳血管障害 ( 脳梗塞など ) 脳血管障害 : 他の脳血管障害 ( 脳出血 AVM) 脳腫瘍 頭部外傷 慢性硬膜下血腫 水頭症 その他 合 計

41 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 11 臨床検査部遺伝子検査診断室遺伝学的検査件数 疾 患 名 年度 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 Duchenne 型 / Becker 型筋ジストロフィー 福山型先天性筋ジストロフィー 肢帯型筋ジストロフィー 1C 型 肢帯型筋ジストロフィー 2A 型 顔面肩甲上腕型筋ジストロフィー 眼咽頭型筋ジストロフィー Emery-Dreifuss 型筋ジストロフィー 筋強直性ジストロフィー 1 型 筋強直性ジストロフィー 2 型 X 連鎖性ミオチュブラーミオパチー 縁取り空胞を伴う遠位型ミオパチー 正常酸マルターゼのリソゾーム性糖原病 (Danon 病 ) ミトコンドリア病 (MELAS,MERRF,CPEO,Leigh 脳症等 ) 球脊髄性筋萎縮症 (Kennedy 病 ) 歯状核赤核淡蒼球ルイ体萎縮症 (DRPLA) セントラルコア病 類縁疾患 悪性高熱症感受性 脊髄性筋萎縮症 REMUDY によるジストロフィン遺伝子 DNA 分離 その他の疾患 研究 保存用 合計 ( のべ数 ) 疾患別統計 12 身体リハビリテーション科入院患者処方件数 疾 患 名 年度 筋疾患 368 1,032 1,051 1, パーキンソン病関連疾病 458 1,125 1,264 1,198 1,115 SCD MSA MND 末梢神経疾患 MS CVD 脳性麻痺 整形外科疾患 その他の神経疾患 その他の小児疾患 廃用症候群 嚥下障害 その他 合 計 1,814 4,789 5,051 5,127 4,546 延べ処方件数 (2013 年度より ) 39

42 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 13 栄養管理室栄養食事指導実施数 疾患名 個人指導集団指導 在宅訪問指導 個人指導集団指導 在宅訪問指導 個人指導集団指導 在宅訪問指導 個人指導集団指導 在宅訪問指導 個人指導集団指導 入院外来件数入院外来入院外来件数入院外来入院外来件数入院外来入院外来件数入院外来入院外来件数入院外来 在宅訪問指導 腎臓病 肝臓病 糖尿病 胃潰瘍 高血圧症 心臓病 痛風 脂質異常症食 貧血症 肥満症 アレルギー 形態調整食 31 5 健康教室 その他 合計

43 Ⅲ 統計 2 疾患別統計 疾患別統計 14 手術統計 手 術 内 訳 年度 脳神経外科 側頭葉てんかん焦点切除術 前頭葉てんかん焦点切除術 中心回焦点切除術 1 3 後頭葉てんかん焦点切除術 頭頂葉てんかん焦点切除術 側頭葉後頭葉てんかん焦点切除術 2 4 多葉切除術 大脳半球離断術 脳梁離断術 頭蓋内電極留置術 迷走神経刺激術 視床下核刺激術 2 2 視床 CM/Pf 刺激術 淡蒼球 Gpi 刺激術 視床 Vim 核刺激術 視床 Vim 核凝固術 1 1 刺激装置留置 交換術 脳腫瘍生検術 ( 定位的 ) 2 脳腫瘍生検術 ( 開頭 ) 1 脳腫瘍摘出術 硬膜下血腫洗浄術 のう包切除術 3 シャント術 その他 小 計 外科 PEG 腫瘤切除 IVH ポート 切開排膿 4 ヘルニア根治術 虫垂切除 胆摘術 2 1 気管切開 内痔核結紮術 2 1 腹腔鏡下胆嚢摘出術 消化管腫瘍切除 噴門形成 開腹胃瘻造設術 1 開腹ドレナージ 1 1 胸腔鏡下ブラ切除術 肝腫瘍切除 1 イレウス解除 6 4 経皮胆嚢ドレナージ 1 乳腺 直腸脱 その他 小 計 筋 神経 皮膚生検小児神経科 神経内科 小 計 整形外科脊椎手術 観血的整復固定 人工関節置換 筋腱延長術 デブリードマン 関節手術 その他 ( 脊髄刺激装置埋込術等 ) 小 計 歯科全麻下抜歯 歯科治療 全麻下腫瘍切除 1 1 その他 1 小 計 その他 ( 神内 気切 喉頭気管分離など ) 7 小 計 7 計 精神科 mect 血漿交換

44 Ⅳ 業務状況

45 Ⅳ 業務状況 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 1) 概要 (1) 目的精神科の診療目標は 統合失調症 気分障害 認知症 依存症 睡眠障害 発達障害など精神障害の高度先進的な診療を行い 臨床研究を推進することにある (2) 主な業務内容精神科の診療は 精神科外来 精神保健福祉法による一般精神科病棟 (4 南 4 北 5 南 5 北の 4 個病棟 ) および医療観察法による医療観察法病棟 (8 および 9 病棟 ) に区分されるが連携して運営されている このうち精神科外来と一般精神科 4 個病棟を記載する 精神科では 疾患ごとに専門診療グループを構成し 専門外来 - 入院治療 - 精神科リハビリテーション - 臨床研究を分担している 2010 年 9 月末の新病院移転後は 病診連携 病病連携を推進し 新規の外来および入院患者を増やすことにより 病態解明研究や治療法の開発などの臨床研究を強化することを目標としている 更に 精神科病棟における短期入院 ( 平均在院日数の短縮化 ) による診断 治療方針の策定と治療 措置入院の後方転送受け入れなどによる精神科地域救急医療への参画 精神障害者の身体合併症医療の受け入れを重点課題としている 精神保健指定医の付加的業務として 厚生労働省の精神保健監査指導と東京都の精神鑑定を分担している レジデント等の臨床教育と精神保健指定医および専門医資格取得にむけての指導も重要な業務である 精神科外来 1) 実績精神科外来患者は1 日平均 名 新患患者は1 日平均 10.2 名である ここ数年の再来患者数の減少は当センター精神科が独法化を機に急性期を中心とした診療体制に移行すべく 治療目標達成後や症状や治療法が固定している患者様に地域の医療施設に転院をお願いしてきた成果と考えられるが 当センターのミッションの達成のために新規の患者の受け入れに務めている 新患枠は 一般新患 専門外来 医療連携の3 種類で病院連携枠を通して医療連携推進に努めている 専門外来は従来のてんかん うつ病 統合失調症 睡眠障害 物忘れ ( 認知症 ) 薬物依存 ( アルコールを除く ) 修正型電気けいれん療法(mECT) 認知行動療法の合計 8 種類で 臨床研究も同時に行っている 一般 専門ともに予約から実際の診察まで日時を要するが 連携枠は早ければ2-3 日で遅くとも1 週間程度で対応するように努力している 2016 年度の新患延べ人数は2,503 名 ( 院内紹介も含むので医事統計と異なる ) で 最も多いのがF3 気分障害 22% 次いでF4 神経症性障害が20% G40 てんかんが16% F2 統合失調症 統合失調型障害および妄想性障害 13% F0 症状性を含む器質性精神障害 11%( 表 1) の順であった 他院からの新患紹介率は77.66%( 医療連携室の直接調査なので医事統計と異なる ) で 認知症 てんかん 睡眠障害のセカンドオピニオンは合計 11( てんかん :10 睡眠障害:1 ) 件であった 院内他科とのリエゾン診療は平成 25 年度から緩和ケア専門看護師とも連携し 緩和ケアにも寄与している 週 1 回のラウンドは外来医長 1 名 精神科レジデント医師 1 名 精神科専門看護師 1 名 臨床心理士 1 名 ソーシャルワーカー 1 名の計 5 名で行い 常時 15 名強のリエゾン患者を診療している 治験を含む臨床研究においては 治験の実施件数の半数以上を外来で実施した 治験以外の臨床研究面では両研究所と連携を図り臨床研究の推進に積極的に寄与した ( 神経研究所疾病研究第 3 部 ; 統合失調症や気分障害の髄液検査など 精神保健研究所成人保健研究部 ;PTSDなど 精神保健研究所精神生理研究部 ; 睡眠障害 ) 6NCバイオバンク事業も軌道に乗り2016 年 3 月末で登録数が1,300を超えた 2) 特徴各専門外来が充実し 各専門外来または研究所と連携して臨床研究を推進している点と難治統合失調症患者へのクロザピン適応や mect の適応に関してワーキンググループや委員会を設置して多職種で検討の上実施している点が大きな特徴と言える 3) 展望外来と病棟が連携して精神科急性期診療の強化を図りつつ 医療研究センター病院の使命としての高度専門医療や治験を含む臨床研究をより一層推進する 45

46 Ⅳ 業務状況 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 表 1 精神科外来新患統計 ICD-10 国際疾病分類 (2006) による精神科新患の診断名疾患名 人数 % F0 症状性を含む器質性精神障害 F1 精神作用物質使用による精神および行動の障害 F2 統合失調症 統合失調型障害および妄想性障害 F3 気分 ( 感情 ) 障害 F4 神経症性障害 ストレス関連障害および身体表現性障害 F5 生理的障害および身体的要因に関連した行動症候群 ( 除睡眠障害 ) F6 成人のパーソナリティおよび行動症候群 F7 精神遅滞 ( 知的障害 ) F8 心理的発達の障害 F9 小児期 青年期に通常発症する行動および情緒の障害 G40 てんかん その他 不明 合 計 2, 精神科入院病棟 1) 実績 2010 年 9 月 25 日の新病棟に移転後 精神科 4 病棟 140 床体制での診療体制となっている 患者のプライバシーの確保とアメニティの向上 入院治療環境の改善を目指して全室個室で運営されている 140 室中 保護室 (16 床 ) 準保護室(8 床 ) 無菌室(2 床 ) および個室 15 床 ( 平成 床増 ) の合計 41 床 (29.2%) は特室料金が不要である また 生活保護および非課税世帯の患者は特室料が免除されている 特室の有料での利用状況は 平成 28 年度末月 (H29.3) の実績で 税抜き3000 円室 (73 室 )84.0% 7000 円室 (22 室 )41.5% 円室 (4 室 )30.8% であった 4 病棟がそれぞれ専門外来と連携し 専門的な治療を展開している ( 表 1) 平成 23 年 7 月から 東京都精神科患者身体合併症医療事業に第 II 型 ( 平日昼間に身体疾患を併発した都内の精神科病院の入院中の精神科患者に対する医療 ) で参画している 平成 24 年度は平均在院日数の短縮により10:1 看護基準が達成された また平成 25 年 4 月から 4 北病棟は精神科救急入院料病棟 ( いわゆるスーパー救急病棟 ) として運営を開始した 平成 26 年 2 月から 4 南病棟を閉鎖病棟とした この目的は精神科病棟全体が急性期化 救急化することに伴い 入院体制をより充実させることにある 表 1 精神科入院病棟別機能と平均入院数 年間入院数 平均在院日数 病 棟 名 機能 入院数 / 病床数新入院数平均在院日数 4 南 ( 閉鎖 ) てんかん, 急性期治療 31.6/ 北 ( 閉鎖 ) 精神科救急, 急性期治療, 措置入院 32.1/ 南 ( 開放 ) 気分障害, 神経症性障害, 睡眠障害 32.5/ 北 ( 閉鎖 ) 急性期治療, 鑑定入院 32.3/ 小 計 128.4/ 精神科 4 病棟全体では 1 年間の新入院数は 1141 名 平均在院日数は 39.6 日 (2014 年度より+ 1.4 日 ) となった ( 表 1) 平均在院患者数は128.4 人 ( 病床利用率 92.1%)( 表 2-1) 2015 年度と比較して年間入院数は-57 人 ( 表 2-2) 平均在院日数は+1.4 日であった ( 表 2-3) 長期在院患者の転院を進め 急性期型への転換により長期入院患者は減少している 在院期間 1 年以上の患者は1 名 (0.9%) である ( 表 3) 診療時間外の外来受診者は292 人であり このうち67 名が入院している 東京都精神科患者身体合併症医療事業に第 II 型 ( 平日昼間に身体疾患を併発した都内の精神科病院の入院中の精神科患者に対する医療 ) を昨年度より継続している 東京都福祉保健局障碍者施策推進部精神保健 医療課からの依頼 ( 東京都ルート ) は24 件であった 精神科 46

47 Ⅳ 業務状況 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 病院 クリニック等からの合併症診療依頼などは医療連携福祉部経由などの東京都ルート以外が 22 件あり 総依頼件数は 46 件であった このうち 実際に当院で入院治療したのは 35 件であった 身体疾患の受け入れ診療科は 外科 6 件 整形外科 2 件 脳外科 1 件 循環器科 1 件 消化器内科 7 件 神経内科 15 件 小児科 3 件 手術件数は6 件であり 主要な疾患は 消化管出血 胃潰瘍 胆石症 脱肛 水頭症 骨折 パーキンソン 血便 悪性腫瘍 ( 乳癌 大腸がん ) の外科治療 鼠径ヘルニア などであった 医療研究センター病院として臨床研究を推進するために 4 個病棟が 多職種が協力して専門性を持った治療チームを構成することを目標として診療活動を行っている. 各病棟の活動はのちに記す 病棟 外来を基盤として 多くの臨床研究を行っている 神経研究所疾病研究第 3 部 トランスレーショナルメディカルセンター (TMC) バイオリソース管理室とは 統合失調症や気分障害に関する研究 (4 北 5 南病棟 ) 難治性気分障害を対象とする治療反応性予測因子に関する研究 (5 南病棟 ) 脳脊髄液バイオマーカーに関する研究( 全病棟 ) を行っている 精神保健研究所社会復帰部とは 難治性精神疾患の社会復帰に関する研究 (4 北 ) をモデル事業として行っている 6NCバイオバンク事業にも参加している ( 全病棟 ) 表 2 1 精神科入院病棟の平均入院患者数の推移 病棟名 1 日平均入院患者数 南 (1-4) 北 (4-1) 南 (3-1) 北 (4-2) / / / / / / 計 表 2 2 精神科入院病棟の年間入院数の推移 病棟名 1 年間の入院数 南 (1-4) 北 (4-1) 南 (3-1) 北 (4-2) / / / / / / 計 表 2 3 精神科入院病棟の平均在院日数の推移 病棟名 平均在院日数 南 (1-4) 北 (4-1) 南 (3-1) 北 (4-2) / / / / 計

48 Ⅳ 業務状況 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 表 3 精神科入院患者在院期間別推移 在院期間 <3m m m-1y y y y y >=20y total 年以上 % ) 特徴と展望現在は 4 北が精神科救急入院料病棟として 他の 3 病棟が 10:1 看護基準で運営されている 新病棟で電子カルテが導入され先進的医療を行うハードウエア環境が整った 精神保健研究所 神経研究所 TMC CBT センターと連携した臨床研究も実績を上げつつある 今後は 医療研究センター病院の実績を上げるために 目標とする臨床研究課題を選定し推進する体制を組む必要がある 4 南病棟 1) 概要 (1) 目的 4 南病棟は 精神科疾患患者を対象とした急性期 ~ 亜急性期閉鎖病棟としての機能を担っているが 特にてんかん患者の専門的治療を行うことに特徴がある (2) 主な業務内容 1 てんかんに関する高度専門医療 H29 年 3 月 1 日現在 てんかん専門医 3 名が在籍している 2 長時間ビデオ脳波検査によるてんかんの精密診断 3 急性期および亜急性期の精神科患者一般の入院治療 精神科救急対象でない患者で閉鎖病棟が適している患者を主に受け入れている 4 外部からの精神科疾患と身体疾患の合併症治療依頼の受け入れ 5 脳波判読に関する相談の受付 6 一般精神科レジデントの研修 7 他院よりのてんかん研修医師の受け入れ (3) スタッフ紹介病棟医長 ( 渡辺裕貴 ; 精神科医長 ) 常勤医師( 渡邊さつき ; 精神科医師 ) 病棟師長( 山口しげ子 看護師長 ) 副病棟師長 2 名 その他レジデント医師 看護師 看護助手 クラークなど 各数名 ~ 十数名 その他の職員名については Ⅶその他 2 職員名簿 を参照 2) 実績 (1)2016 年度の入院患者数は 309 人であった 主な疾患内訳は てんかん 192 名 (62%) 統合失調症および近縁疾患 42 名 (14%) 感情障害および近縁疾患 19 名 (6%) 器質性精神障害 16 名 (5%) である (2) てんかん専門病棟として 長時間ビデオ脳波同時記録を年間 109 件施行した (3) 多職種チーム医療の推進を行っている 週 1 回の多職種病棟カンファレンスを行っている (4) 週に 1 回のてんかん発作ビデオカンファ ( 病棟 ) 週に 1 回のてんかんセンター各科合同カンファレンスを行っている 3) 特徴と展望本病棟は国内でも唯一の閉鎖病棟 保護室を有する精神科てんかん専門医療施設である そのため 精神症状を有するてんかん患者や精神疾患との鑑別を要する患者 行動面に問題を有する難治てんかん患者に対する 主に関東圏を主とした外部 広域からの診療要求が多い てんかん患者には 解離性障害やうつ病の合併が多く 主病名が てんかん であるため これらは統計上には表れないが 特に解離性障害に関する治療経験が多い また 毎年 外部の精神科や神経内科の医師などが てんかんの専門的診療技術を学ぶ目的で当病棟へ数か月程度の臨床研修を受けている ナショナルセンター病院としての当院の使命として国内の医療レベルの向上への貢献となるため 今後も他の医療施設からの研修は受け入れていくとともに 高度な専門医療レベルを提供したいと考えている 48

49 Ⅳ 業務状況 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 4 北病棟 1) 実績入院総数は昨年度 230 名のところ 今年度 277 名と若干増加し 平均在院日数 42.9 日と 昨年度 45.4 日に比べ若干延長した 稼働率は 91.3% と昨年度の 92.9% より低下したが 依然として高い水準を維持した 平均在院日数は若干延長しているものの 全国的な救急 急性期病棟のデータに比較すると依然として短く 比較的早期での自宅退院を積極的に行っていることを反映している 入院時の入院形態は 措置入院 26 名 (9.4%) 応急入院 2 名 (0.7%) 医療保護入院 163 名 (58.8%) 任意入院 80 名 (30.3%) 鑑定入院 2 名 (0.7%) と 医療保護入院が昨年度 146 名から 163 名に増加し 応急入院が 8 名から 2 名に減り 任意入院が昨年度 55 名から 80 名に増加していた その理由として 先般の精神保健福祉法の改正により医療保護入院に必要な要件が緩和され 応急入院の必要性が低下し 応急入院数が低下したことや 患者や家族が精神科の入院治療の必要性をより理解してきていることなどが考えられた 2) 特徴と展望当病棟は 統合失調症を中心に精神疾患全般の急性期治療を専門的に担当する ハイケアユニット 8 床と一般個室病床 27 床を合わせた計 35 床の高規格閉鎖病棟である 地域の精神科救急システム いわゆるマクロ救急のうち措置入院の受け入れを担当し 地域や当院通院患者のミクロ救急における入院治療を担当する役割も担っている 入院直後から 多職種による最適な治療の提供 行動制限の最少化 退院後の生活を視野に入れたソーシャルワークなどに積極的に取り組み 早期の退院を目指したチーム医療を展開している また それらの精神科急性期医療と並行して 当センターのミッションである臨床研究 (tdcs を用いた認知症の BPSD への介入研究など ) や治験を積極的に推進し センター内の各研究所 部門が行っているバイオバンクや PECO(Psychiatric Electronic Clinical Observation) 等の各種事業や臨床研究にも協力している 昨年度は 救急入院料の算定に必要な基準を十分に満たし 地域の精神科救急に引き続き貢献したと考えられるが 今年度も 現在の取り組みをさらに強化し 精神科救急及び急性期医療の発展に寄与することを目指している 5 南病棟 : うつ ストレスケア病棟 1) 実績 2016 年度は 新入院患者数が279 名 1 日平均患者数が32.5 名 病床利用率は92.9% 平均在院日数が42.2 日と前年度とほぼ同様の運営であった うつ症状 ( 気分障害 ) 検査入院パッケージ (6 泊 7 日以上 ) が21 名 光トポグラフィー 睡眠検査入院プログラム (1 泊 2 日 ) が9 名であり合計 31 名が検査入院した 転棟を含めた入院患者の内訳は 平均年齢が44.3 歳 入院時診断は気分障害圏 (F3)165 名 ( %) 統合失調症圏(F2)32 名 ( %) 不安障害圏 (F4)29 名 ( %) 睡眠障害(F5)26 名 ( %) パーソナリティおよび行動の異常 (F6)12 名 (4.3%) その他 15 名 (5.4%) であった 修正型電気けいれん療法 (mect) は249 回の治療回数であった 検査入院を除く全例を多職種カンファレンスで検討して治療方針を決定し情報を共有した 2016 年度は検査および診断確定に加えて治療導入まで入院で行うことが増加した こうした多様なニーズに対して効率的に病床が利用された結果 平均在院日数を短く保てたと考えられる 2) 特徴と展望 5 南病棟は 35 床全室個室 ( 保護室 4 床含む ) の男女混合開放病棟である うつ ストレス関連障害を対象とした専門的な診断と治療を行う病棟として診療 研究 教育を行っている 看護方式はモジュール型プライマリーナーシングである 入院患者の年代は幅広く 病状 病識 セルフケアレベルなど患者毎の状態に応じた治療を提供している 毎週多職種カンファレンスを開催し 専門的な視点からの診断 治療計画を作成する多職種チーム医療を実践している 具体的な治療としては エビデンスに準拠した標準的な薬物療法 個別 集団認知行動療法 (CBT) 作業療法 運動療法に加え リラクゼーションとしてのヨガを実施し リラックスした状態で治療を受けられるようなプログラムとなっている また 経頭蓋磁気刺激 (TMS) や認知トレーニングなどの最新の臨床研究も行っている 2016 年度は運動療法や認知トレーニングなどプログラムのバリエーションを増やした 今後は 質の高い医療を保つことに加え 治験や臨床研究の推進 非薬物療法の普及などを進め 臨床と研究 教育が高い次元で融合できる病棟へ発展させていくことが目標である 49

50 Ⅳ 業務状況 1 精神科 ( 第一精神診療部 ) 5 北病棟 1) 概要 (1) 目的 5 北病棟は 精神科疾患患者を対象とした急性期 ~ 亜急性期閉鎖病棟としての機能を担っている (2) 主な業務内容 1 急性期および亜急性期の精神科患者一般の入院治療 2 入院での臨床研究や治験への参加 3 認知症を含む老年期精神障害の検査 評価 4 クロザピン治療導入 5 修正型電気けいれん療法 ( 外部からの依頼を含む ) 6 精神科疾患と身体疾患の合併症治療 ( 外部からの依頼を含む ) 7 刑事鑑定入院と医療観察法鑑定入院 8 医療観察法通院処遇中の患者の精神保健福祉法による入院治療 2) 実績 (1)2016 年度の入院患者数は 271 人であり 内訳は 統合失調症 51% 気分障害 19% 発達障害 3% パーソナリティ障害 4% 認知症 6% 薬物依存症 2% その他 15% であった また 身体合併症患者は 1 人 鑑定入院は 9 人であった 合併症手術 5 件 ECT のべ 265 件 (2) 多職種チーム医療の推進を行っている 実績として多職種病棟カンファレンス 多職種による病棟集団療法を各々毎週行った (3) 月 1 回の退院促進会議の開催 (4) 初期研修医師を 10 名 ( 各 1 か月 ) 受け入れた (5) 看護学生の実習の受け入れを 15 回 (70 名 ) 行った (6) 抗精神病薬の二重盲検試験の治験のべ 8 回行った 3) 特徴と展望閉鎖病棟での診療分担は原則として 4 北病棟が救急を担当し その他の急性期患者の治療を 5 北病棟が担っている 5 北病棟はこれまでクロザピン治療 身体合併症治療 鑑定入院などの特殊業務も担いつつ 幅広い精神神経疾患の入院治療を行ってきた 2015 年度からは当院の最先端の脳画像検査 (MRI 脳血流 SPECT MIBG シンチ DAT スキャン 脳波 ) や脳脊髄液検査等を駆使して 認知症を中心とした老年期精神疾患の評価 検査入院を開始している また 2015 年度から引き続き入院中の患者を対象に二重盲検試験の治験を行っている 毎朝医師 看護師の全員が参加し 全患者に関するカンファレンスを行っている さらに多職種による協働が不可欠であるため 毎週医師 看護師 作業療法士 心理士 薬剤師 ソーシャルワーカーが一堂に会してカンファレンスを行うとともに 症例に応じた個別化した対応を行うように努めている また 次世代を担うレジデントの教育は重要な使命であり 精神保健福祉法に基づいた幅広い精神疾患患者の診断 治療を行いつつ 精神保健指定医や精神科専門医の取得のための教育を行っている また 学会での症例報告や 英文誌への症例論文発表も始めている 今後も治験や IBIC や各種疾患センター 研究所と連携した臨床研究をさらに促進し 国立研究開発法人の高度専門ナショナルセンターとしての機能を強化していく 50

51 Ⅳ 業務状況 2 司法精神科 ( 第二精神診療部 ) 2 司法精神科 ( 第二精神診療部 ) 1) 概要 (1) 目的司法精神科の目的は 重大な他害行為を起こし 医療観察法による入院処遇または通院処遇の対象となった精神障害者に必要な入院医療または通院医療を提供し社会復帰を促進することである (2) 主な診療機能医療観察法病棟には8 病棟と9 病棟があり 両病棟とも34 床 ( うち保護室 1 床 ) からなる 9 病棟は 2010 年 4 月 4 日 我が国で初めての身体合併症対応機能を持つ医療観察法病棟として開設された また 当院は2011 年 5 月 20 日指定通院医療機関としての指定を受け 小平市及び東村山市の住民を対象として 社会復帰調整官や地域関連機関と連携し 通院医療を提供している なお clozapine 内服中の場合 地域を限定せず 通院医療を提供している また 2015 年度より厚生労働省から重度精神疾患標準的治療法確立事業を受託し 全国の指定入院医療機関をネットワーク化し 行政や研究に利用可能な基礎的データの収集体制の構築を進めた (3) スタッフ構成第二精神診療部長 ( 平林直次 ) 8 病棟 : 病棟医長 ( 田口寿子 ) 医師 2 名 レジデント 1 名 看護師長 ( 大迫充江 ) 看護副師長 3 名 看護師 39 名 作業療法主任 ( 杉山智美 ) 作業療法士 2 名 心理療法士主任 ( 鈴木敬生 ) 心理療法士 2 名 医療社会事業専門職 ( 島田明裕 9 病棟と兼務 ) 精神保健福祉士 1 名 9 病棟 : 病棟医長 ( 大森まゆ ) 医師 2 名 レジデント 1 名 看護師長 ( 髙野和夫 ) 副看護師長 3 名 看護師 39 名 作業療法主任 ( 村田雄一 ) 作業療法士 1 名 心理療法士 3 名 精神保健福祉士 2 名 通院多職種チーム : 医師 2 名 ( 併任 ) 専門看護師 1 名 ( 併任 ) 心理療法士 1 名 ( 併任 ) 作業療法士 1 名 ( 併任 ) 精神保健福祉士 2 名 ( 専任 1 を含む ) 2) 実績 (1) 入院および通院対象者の概要入院対象者の診断名 対象行為 事件地 退院数については病棟別 男女別に一覧表に示した 8 病棟及び 9 病棟の年間入院数はそれぞれ 16 名 18 名 ( 転入 5 名 ) 退院数はそれぞれ 16 名 ( うち転出 2 名 ) 16 名 ( うち転出 8 名 ) であった 両病棟の入院対象者の診断内訳は F2: 30 名 (88.2 %) であり 統合失調症が最多で F0 F6 F8 が各 1 名ずつであった また 通院対象者については 2015 年度より継続中の 3 名に新規通院対象者 1 名を加え 4 名の対象者に通院医療を提供した すべて治療抵抗性の統合失調症であり clozapine 内服中であった 2016 年度医療観察病棟入院数 8 病棟 9 病棟 入 院 数 男 女 男 女 新規入院 転院 4 1 うち合併症転院 2 計 年度入院者事件地別内訳 8 病棟 9 病棟 事 件 地 男 女 男 女 東京 北海道 千葉 福島 1 山梨 1 2 長野 1 和歌山 1 計 年度入院者対象行為別内訳 8 病棟 9 病棟 対象行為 男 女 男 女 殺人 1 2 殺人未遂 傷害 傷害致死 1 放火 2 6 強盗 1 強制わいせつ 2 計 * 9 病棟の女性 1 名が殺人未遂と傷害を重複で行った 51

52 Ⅳ 業務状況 2 司法精神科 ( 第二精神診療部 ) 2016 年度医療観察法病棟退院数 8 病棟 9 病棟男女男女退院 うち処遇終了 1 1 転院 2 8 計 年度入院者診断別内訳 8 病棟 9 病棟 男 女 男 女 主診断副診断主診断副診断主診断副診断主診断副診断 F0 1 F F F3 F4 F5 F6 1 1 F7 2 1 F8 1 1 F9 計 (2) 医療の内容薬物療法や m-ect に加え 多職種チームによる各種の治療プログラム ( 疾病教育および服薬心理教育 物質使用障害プログラム 内省プログラム 作業療法など ) を実施した また CPA-J と呼ばれるケアマネジメントや 対象者の外出 外泊を活発に行うことにより退院を促進した 9 病棟においては 身体合併症を持つ 2 名の対象者を転入受け入れ 2 名とも身体症状が改善し 依頼元の指定入院医療機関に再転院した (3) 各種の会議医療の質や地域連携を確保する組織体制として 治療評価会議 ( 週 1 回 ) 運営会議 ( 月 1 回 ) 倫理会議 ( 原則月 1 回 ) 外部評価会議 ( 年 2 回程度 ) 地域連絡会議 ( 年 1 回程度 ) を実施した また 通院医療に関しては拡大通院多職種チーム会議 ( 月 1 回 ) を開催した 3) 特徴と展望我が国初の医療観察法病棟である 8 病棟に加え 我が国で唯一の身体合併症医療の提供可能な 9 病棟をあわせると我が国最大の指定入院医療機関であり 引き続き指定入院医療機関の中心的役割を果たすことが期待される また 重度精神疾患標準的治療法確立事業を通して 全国規模での入院医療の実態把握や研究の遂行が期待されている 52

53 Ⅳ 業務状況 3 神経内科 3 神経内科 1) 概要 (1) 目的 神経内科はパーキンソン病等の神経変性疾患 多発性硬化症等の神経免疫性疾患 筋ジストロフィー等の筋疾患を診療の柱としているが 他にも極めて多様な疾患の診療を行っているナショナルセンターとして 国内外のこれらの難治性疾患を多数例診療し 診断困難例における確定診断を行うと共に 新たな治療法開発や治療法の均てん化に貢献することを目指している さらに 神経内科をめざす若い医師の後期研修及び 神経内科専門医資格取得後の subspecialityの研修により より高度な神経内科医療の人材を育てる 当院で開発された医療技術 情報を国内に広めることも重要な目的の一つである また 神経内科医療においては医療スタッフのみならず 患者 家族が疾患について正確に理解することも極めて重要であり この患者 家族教育も当科の業務の一つとしている (2) 主な業務内容 1 外来診療病棟総回診日である水曜日を除く毎日午前午後で 新患外来 1-2 診 再来診療 5-6 診 及びセカンドオピニオン外来を行っている 常勤スタッフ全員と 併任医師である神経研究所山村隆部長 西野一三部長 佐藤和貴朗室長 青木吉嗣医師が担当した セカンドオピニオン外来については 神経内科部長及び医長と山村部長が担当した 特に他科との連携を緊密にして診療成果の向上と患者の利便性を図る目的で 筋ジストロフィー外来として 毎月第 4 火曜日に神経内科 小児科 リハビリテーション科 整形外科の専門医が待機し同じ時間内に診療を行い また脳深部刺激術後のパーキンソン病患者は脳外科と神経内科が同一受診日に両科が緊密な連絡の上で診療を行う等の工夫をしている 2 入院診療 2 南病棟は小児科と混合で筋ジストロフィー患者を中心とする自立支援法に基づく入院患者など比較的長期の入院や筋疾患のレスパイト入院を 2 北病棟はパーキンソン病等変性疾患を中心に障害者病棟の入院を 3 北病棟では内科系 外科系との混合病棟で緊急入院を含む急性期対応と多発性硬化症および筋疾患を中心とした病棟として 3 つの病棟を分けて運営している なお 2 南病棟は2014 年 9 月より治験ユニットを新設した 神経内科関連の治験もこの2 南病棟の治験ユニットを使用している 病棟担当スタッフは患者の安心感と各スタッフの専門性を生かすために長期的なローテーションとし レジデントは教育のために6-12ヶ月で担当病棟を交代し より多くの患者 疾患を経験できるように配慮している 2014 年度より 神経研究所山村部長らが開発した多発性硬化症治療薬 OCHの医師主導治験がMS 患者を対象としたSTEP2を荒木学専門職 岡本智子医長を中心に開始され 2015 年度も継続した その他 2012 年 3 月より開始したパーキンソン病関連疾患の評価及びリハビリのためのプラグラムであるブラッシュアップ入院は軌道に乗り 遠方にお住まいの患者さんも年に1 回の専門施設での評価指導を希望されることも増えている リハビリテーション科と共同で行っている小脳失調症早期リハビリテーションプログラム ( 入院 ) も順調に進み 目に見える効果をあげており 患者会からの問い合わせも増えている 2016 年度よりてんかんセンターに神経内科常勤医一名が加わり てんかんの診断 治療目的の入院も増えている 3その他当科では学会等での発表 医師 コメデイカル向けの研究会での教育講演のほか 患者会や公開講座等での講演を積極的に行っている ( 業績ページ参照 ) パーキンソン病 運動障害疾患センター (PMDセンター) 及び 多発性硬化症センターの診療部門は神経内科が中心となり院内各科との強い連携のもとに活動を進めている 53

54 Ⅳ 業務状況 3 神経内科 (3) スタッフ構成 神経内科診療部長 : 髙橋祐二 医長 : 大矢寧 坂本崇 岡本智子 森まどか 山本敏之 塚本忠地域連携室長の他スタッフ5 人で構成されている 平成 28 年度はレジデント10 人で構成された 2) 実績 (1) 外来患者数とその内訳 1 日平均外来患者数は医事統計 2に示すように98.5 人 新患 6.3 人と順調に増加している 外来患者は都全域 埼玉県 神奈川県など近隣の都府県のほか 広く日本中から来院されている ( 医事統計 9 参照 ) 外来新患の疾患別内訳は表 1に示すように パーキンソン病をはじめとする神経変性疾患 多発性硬化症を初めとする免疫性疾患 筋ジストロフィーを主体とする筋疾患を中心として 極めてバリエーションにとみ しかも神経内科の専門的医療を必要とする分野の患者が非常に多い 有病率から考えると非常に多くの患者が当院に集まっており 神経系の国立高度先進医療センターとしての役割を充分に担っており また国民からの期待が高いこともこの数字が物語っていると考えられる セカンドオピニオン外来当科ではセカンドオピニオン目的の新患が多く 説明に1 時間以上を要することも多いため 2006 年 8 月からセカンドオピニオン外来を開設した 主な疾患としては 多発性硬化症 視神経脊髄炎 パーキンソン病 多系統萎縮症 筋萎縮性側索硬化症 脊髄小脳変性症 大脳皮質基底核変性症であった (2) 入院患者数とその内訳上記のように3 病棟をそれぞれの機能に合わせて運営している さらに ベッド数の制約上通常の担当病棟で対応できない場合には 他の関連する病棟に入院を受け入れるなど 綿密な連携と協力にうえに運営された 3 階北病棟は内科 外科 整形外科 リハビリテーション科等との混合病棟であり パーキンソン病の肺炎での入院等は内科との併診とすることで より良い全身管理さらに神経内科治療 リハビリテーションへの移行をより適切に行うことができた また 整形外科との連携により 痙縮に対するバクロフェン髄注療法 (ITB) 下肢疼痛緩和のための脊髄刺激療法 (SCS) を積極的に導入し 治療効果を得ている 1 日平均在院患者数は106.8 人 1 日平均新入院は5.0 人であった 1 日平均在院患者数が昨年度 (101.7 人 ) と比較して増加している 診断困難患者の紹介数増加 きめ細やかな薬剤調整 合併症に対する積極的な加療の結果であると考えられる ( 医事統計 6 参照 ) 神経内科の新入院患者総数は2016 年度は1838 名であった 一方で 平均在院日数は21.4 日と昨年とほぼ同様であった ( 医事統計 6 参照 ) 疾患別入院患者数は表 1 に示すとおりである 外来新患同様 パーキンソン病 多発性硬化症 筋疾患を中心にパーキンソン症候群 脊髄小脳変性症 運動ニューロン疾患 末梢神経障害などが多く 割合はほぼ例年通りであった 3) 特徴と展望当科の特徴は神経内科疾患のうち いわゆる神経難病に特化し 神経変性疾患 神経免疫性疾患 筋疾患について広く国内全域の患者を対象にしていることで この分野ではわが国で最も多くの患者を診療している 患者を中心に内科 外科 リハビリテーション科 脳外科 整形外科 精神科等関連科との連携の上に診療を進めているのも当科の特徴である さらに 臨床観察の中から パーキンソン病の腰曲がり 首下がりなど姿勢異常の病態解明と新規治療法 54

55 Ⅳ 業務状況 3 神経内科 の開発を進めた 免疫性疾患については神経研究所との強い連携により 引き続き新規治療法の開発 臨床研究を進めていく 遺伝性神経疾患については積極的に遺伝子検査を行い 診断精度の向上に貢献している 現在筋ジストロフィーについては 患者登録制度 Remudy を小児科 筋疾患センター 患者会との連携で進めている パーキンソン病及びその関連疾患は当院のみで1200 例以上診療しているため 当院の患者について 患者登録を開始した また パーキンソン病の治験 臨床研究推進のために パーキンソン病患者さんの組織であるパーキンソン病臨床研究支援チーム (Team JParis) を開始した 治験 臨床研究に興味のある患者さんに治験等に関して正しい知識を持っていただくとともに 症状評価により 新たな臨床研究等とのマッチングを行う組織である その他の筋疾患や神経変性疾患等 いわゆる希少疾患については当科が中心になり 患者会との連携で all Japanの体制で患者登録システムの構築を進めている 2014 年度より開始したパーキンソン病運動症状発症前コホート研究はパーキンソン病等における神経保護薬 (Disease Modifying therapy) 開発を進める基盤となる重要な研究であるが お金も人手も必要である 病棟業務が多忙を極める中で臨床と並行して進めることには困難も伴うが 非常に重要な研究であり NCNPが中心となって行う価値がありかつ 行うべき研究として 神経内科スタッフ レジデント さらにNCNP 内各部署のスタッフのご協力のもとに 進めていく 2015 年度より日本医療研究開発機構 (AMED) の未診断疾患診断プロジェクト (IRUD) が発足し 当科より8 家系 19 検体を登録した 稀少難病疾患の診療 研究に貢献する体制が構築された 医師 コメデイカル等への研修とともに 患者家族教育に積極的にかかわり ナショナルセンターとしてよりよい神経難病医療を推進していきたい 表 1 疾患別統計 疾患別統計 2 神経内科外来新患患者数 疾患別統計 8 神経内科新入院患者数 疾 患 名 年度年度疾患名 パ ー キ ン ソ ン 病 パ ー キ ン ソ ン 病 その他のパーキンソン症候群 その他のパーキンソン症候群 ジ ス ト ニ ア ジ ス ト ニ ア 脊 髄 小 脳 変 性 症 脊 髄 小 脳 変 性 症 運動ニューロン疾患 運動ニューロン疾患 小 計 小 計 多 発 性 硬 化 症 多 発 性 硬 化 症 筋 疾 患 筋 疾 患 末 梢 神 経 障 害 末 梢 神 経 障 害 脳 血 管 障 害 脳 血 管 障 害 認 知 症 認 知 症 そ の 他 そ の 他 小 計 小 計 合 計 1,514 1,654 1,827 1,874 1,750 合 計 1,566 1,656 1,843 1,905 1,838 55

56 Ⅳ 業務状況 4 小児神経科 4 小児神経科 1) 概要 (1) 目的 広い小児科分野の中で とくに小児神経学 ( 成人で言えば 神経内科と精神科の両方を包含する ) を専門とする部門が小児神経科である 1 小児神経学に関するわが国最高峰の高度専門的医療を提供することが当科の使命である その実績により日本全国から多くの患者さんをご紹介いただいている また 2 優れた小児神経科医を育成すること 3 小児神経学における新しい知見を広く発信することも当科の重要な責務である (2) 主な業務内容診療に関しては 1 小児における難治性てんかんの診断と治療 2 神経筋疾患 ( 特に筋ジストロフィー ) の診断と治療 3 中枢神経変性 代謝性疾患などの稀少疾患の診断と治療が 最も主要な業務である 他にも発達障害を含め小児神経学に関する全ての診療に対応している 研究活動として小児神経学に関する多くの論文発表 学会発表を国内外で行っている 教育活動は レジデント医師の教育 研修を行うほかに 全国で講演活動を行い 年に 1 回 NCNP 小児神経セミナー を開催して全国の多くの若い小児科医師に講習を行い 小児神経科医療に関連した診断 治療マニュアルなどを発行してきた (3) スタッフ構成小児神経診療部長 : 佐々木征行 ( 全体を統括 ) 主任医長: 須貝研司 ( 重症心身障害病棟 (6 病棟 ) 医長 てんかんセンター長兼任 ) 医長: 中川栄二 ( 外来部長兼任 ) 小牧宏文( 障害者 ( 主に筋疾患 ) 病棟 (2 南病棟 ) 医長. 臨床研究推進部長および筋疾患センター長兼任 ) 齋藤貴志 ( 一般小児神経科病棟 (3 南病棟 ) 医長 ) 医師: 石山昭彦 ( 一般小児神経科病棟 (3 南病棟 ) および障害者病棟 (2 南病棟 : 主に筋疾患 )) 医師: 竹下絵里 (3 南病棟および 2 南病棟 ) 医師: 本橋裕子 ( 重症心身障害病棟 (6 病棟 )) その他のスタッフについては Ⅶその他 2 職員名簿 の小児神経診療部の項目を参照 2) 実績平成 28 年度の小児神経科一日平均在院患者数は108.2 人で過去最高を記録した これらは以下の3 個病棟の小児神経科の合計入院患者数の平均である (1) 一般小児神経科病棟 (3 南病棟 ) この病棟は 小児神経科 脳外科 神経内科および睡眠疾病センターが主に使用している 平成 28 年度の年間を通した病床利用率は 平均在院患者 40.2 人 (80.5%) で平成 27 年度 38.9 人 (77.7%) よりも1.3 人 (2.8%) 増加した まだ十分に高いとは言えないものの毎年確実に増加している 新入院患者数は当院最多 ( 平成 28 年度は年間 1,500 人で前年比 95 人増 ) で 平均在院日数は当院最短 ( 平成 28 年度の最終 3か月は8.1 日 ) である この病棟は多様な疾患を受け入れている 入院患者は日本全国から紹介されるだけでなく 一部は国外からも紹介される.1 難治性てんかんの内科的治療 手術適応検査および脳外科的治療 そしてその術前 術後管理と術後長期定期評価 2 筋疾患の診断治療および定期評価 3 難治で希少な疾患を含む小児神経疾患の診断治療と緊急時の対応 ( とくにけいれん重積 肺炎などの急性期治療 ) を行った ハイケア病室 (HCU) を持ち てんかん術後を初めとした重症患者の集中治療の役割も担っている 小児神経科では外来 入院いずれにも難治な進行性疾患患者が多く 年々重症化も進んでいる 筋疾患では非侵襲的陽圧換気療法 (NPPV) を積極的に取り入れ 気管切開患者も含めて 30 名以上で在宅人工呼吸療法を行っている 筋疾患患者のNPPV 導入 定期評価や 重症心身障害児を中心としたレスパイト入院も積極的に受け入れた てんかんの治験入院も積極的に 56

57 Ⅳ 業務状況 4 小児神経科 受け入れている また筋ジストロフィーの治験入院は主に 2 南病棟を利用した (2) 障害者病棟 (2 南病棟 ) 主な対象は神経筋疾患の長期契約入所者である これに加えて重症心身障害の契約入所者の一部も当病棟で受け入れた この他に短期での契約入院受け入れも行った 神経内科と合わせて平成 28 年度平均病床利用率は41.5 人 (83%) であった 平成 27 年度 (41 人 82%) と比較して1% の増加を示した 本病棟では平成 26 年度後半より治験用病室が利用開始となった 平成 28 年度の新規入院数は276 人となり 平成 27 年度 209 人 ( 平成 26 年度 124 人 ) より67 人増加した 平成 27 年度に引き続き 平成 28 年度も筋ジストロフィーなどの治験入院が大きく増加した (3) 重症心身障害病棟 (6 病棟 ) 重症心身障害児 ( 者 ) が契約入所している病棟である 60 床での運営となっている 長期契約入所者の新たな契約は抑えている 平成 28 年度は60 床のうち9 床をレスパイト用病床として 主に在宅重症心身障害児 ( 者 ) のレスパイトなどの短期入院に活用した 短期入院は 平成 28 年度は455 人で27 年度の441 人より14 人増加した 短期入院では 小児神経科だけでなく外科 整形外科 歯科などの検査治療入院なども受け入れている 特に他の施設で受け入れ困難な人工呼吸器使用者を常に2 名ずつ受け入れた 平成 28 年度の年間を通した一日平均入院患者数は59.4 人で病床利用率は99.0% と非常に高率で維持されている (4) 外来小児神経科の専門外来を行った 初診は全て予約制である 再来も基本的に全て予約制である 平成 28 年度の 1 日平均外来患者数は 61.1 人で 平成 27 年度の 59.0 人に比べて 2.1 人の増加であった 新患の7 割以上は紹介患者で 日本全国から紹介される 大学病院や全国の主要病院から紹介を受けることが多いのが特徴である 初診時に筋疾患センター てんかんセンターを指名される患者も多く 専門センターが活用されている 外来担当医は 常勤医師 8 名に加えて 埜中征哉名誉院長には筋疾患外来を 神経研究所の後藤雄一部長には主に遺伝相談を 精神保健研究所の稲垣真澄部長には学習障害 発達障害外来を担当していただいた 常勤医師は週に2 日から4 日を外来日としている レジデント医師は 交代で外来での予診聴取や急患対応などを行った 3) 特徴と展望入院病床は 一般小児神経科病棟 障害者 ( 筋疾患 ) 病棟 重症心身障害病棟に分けてはいるが 入院対象は各病棟で重なり合っており それぞれの病棟が有機的に効率よく利用された 研究活動も活発に行った 平成 28 年度に刊行された論文は英文だけで20 編に登る 国際学会および国内学会での発表も活発に行った てんかんの診断と治療 脳外科手術標本を材料とした研究 筋疾患の診断と治療 ( 特にDuchenne 型筋ジストロフィーの治験 ) 先天性遺伝性疾患の診断と治療に関する研究 発達障害での薬物治療の治験などが中心で 当センター神経研究所や当院脳神経外科あるいは放射線診療部との共同研究が多い またセンター外の多くの施設とも共同研究を行っている 国内随一の小児神経科専門部門として 今後も充実した診療および研究を継続していきたい 57

58 Ⅳ 業務状況 5 脳神経外科 5 脳神経外科 1) 概要 (1) 主な業務内容 当部門では 難治性てんかんや パーキンソン病 ジストニア トウレット症候群などの運動異常症を中心に 機能的脳神経外科領域で高度な専門医療を行っている 一般脳神経外科領域においても 特発性正常圧水頭症や 慢性硬膜下血腫などの外傷性疾患 髄膜腫等の良性脳腫瘍について対応している 病棟業務としては 毎朝の30 60 分間の診療ミーティング 週 3 日の定期手術枠を活用した手術 木曜の総回診があり 更に手術室看護師を交えた術前カンファレンスを週 1 回行っている また 包括医療が必要な難治の神経疾患が主体であるため 他部門のスタッフを交えた多職種カンファレンスを積極的に行っており 小児神経科 精神科 神経内科 リハビリーテーション科 臨床検査部と合同で毎週月 木にてんかんマネージメントカンファレンスを行っている 手術症例については 月 1 回放射線診療部と病理部門を交えて術後 CPCカンファレンスを行っている さらに チーム医療の質を高める目的で 病棟に新たに配属される看護師を対象に 脳神経外科学一般 てんかん外科 脳深部刺激療法などをテーマに勉強会を行っている また 市民あるいは医師を対象とした講演会やセミナーをスタッフが担当している (2) スタッフ 2016 年度は 昨年から引き続き高橋章夫 ( 医長 ) 金子裕 開道貴信( 医長 ) 池谷直樹の4 名のスタッフで診療が始まったが 5 月に新たに岩崎真樹が診療部長として着任した 5 月いっぱいで高橋医師と開道医師がそれぞれ渋川医療センターと奈良医療センターに異動され 6 月以降は岩崎 金子 池谷の3 名体制となった 一時期 診療に余裕のない状態が続いたが 10 月より木村唯子医師が新たなスタッフとして着任した 木村医師は 自治医科大学と都立神経病院でトレーニングを受けた定位機能神経外科学会認定医であり 今後のDBS 診療に発展が期待される 10 月以降の入院患者については 池谷 木村 金子医師が主治医として診療にあたり 小児は小児神経科医も連携して診療活動を行っている 金子医師はビデオ脳波モニタリング 頭蓋内脳波記録 脳機能マッピングなどの病棟における神経生理検査を担当するとともに 脳磁図検査室長も併任しており 脳磁図を用いたてんかん焦点診断や誘発反応検査に加え 高度な脳機能の解析 診断を行っている また 7 月 5 日から9 日にかけて 東北大学医学部 6 年生の高橋揚子さんを脳神経外科高次臨床修練の一環として受け入れ 実習してもらった 2) 実績 (1) 外来 2016 年度の外来新患患者数は昨年度よりは減少し 一昨年の水準であった 医師交代の影響があったと思われるが てんかん患者数はほぼ横ばいで 正常圧水頭症などその他の患者が減った形である ( 医事統計 1) 地域別新患数をみると 東京都以外の地域が半数以上を占めており( 医事統計 1) 広く全国各地より当科に患者が紹介されていることがわかる (2) 病棟新入院患者数も外来と同様の傾向で てんかん患者数は昨年並みだったが 不随意運動疾患とその他の入院が減少の要因となった ( 医事統計 1) 3) 特徴と展望脳神経外科は 主に難治性てんかん 運動異常症などの機能的疾患に対して 関連各科と共同で最新の神経科学に基づいた高度な外科的治療を行っており その件数は国内でも有数である 58

59 Ⅳ 業務状況 5 脳神経外科 脳機能画像を駆使して行う乳幼児のてんかん外科は 国内外で高い評価を受けている とりわけ当院が主導している乳児期の重篤なてんかん性脳症に対する早期外科治療は 発達予後を含む長期成績が優れていることが明らかになり 全国および海外からも患者が紹介されてきている また根治手術の対象にならない小児難治てんかんについては 従来の脳梁離断術に加え 迷走神経刺激療法を積極的に取り入れている 成人を含む学童期以降の患者については 発作抑制だけではなく 機能温存を重視した新たな手術戦略を提唱し 成果を上げつつある 運動異常症については パーキンソン病 本態性振戦 ジストニアの他 特に脳性麻痺後の不随意運動やトウレット症候群などの希少な難治疾患に対し 高精度の脳深部刺激療法を行っている 神経内科との連携を深め 外来診療のみならず手術においても協力体制を築くべく努力をしている 特発性正常圧水頭症と遅発性ジストニアについても積極的に外科的治療に行っており 当科と神経内科 精神科の3 科が共同で包括的治療に取り組み 患者の日常生活能力の改善に貢献している 正常圧水頭症については 新たに腰椎くも膜下腔腹腔シャント術 (LPS) を導入した 今後 関連臨床科や研究所と連携しながら 神経難病における革新的な外科治療戦略を確立し 新しい知見を世界に向けて発信していくことが 我々に課せられた重要な責務であろう 59

60 Ⅳ 業務状況 6 総合外科 6 総合外科 1) 概要 (1) 目的総合外科は 2010 年 4 月の独立行政法人化に伴い外科 整形外科 皮膚科 泌尿器科 婦人科 眼科 耳鼻いんこう科 歯科の各科が協力して 精神 神経 筋疾患および発達障害患者等の診療にあたることを目的として発足した (2) 主な業務内容常勤医が配置されているのは 外科 歯科 整形外科で 皮膚科 眼科 耳鼻いんこう科については他院からの診療応援による非常勤医による診療体制であった 泌尿器科及び婦人科については医師が確保できていない (3) スタッフ構成総合外科部長 ( 三山健司 ) その他については以下の各科のスタッフ構成を参照 外科 1) 概要 (1) 目的日常の 外来での外傷 熱傷等から 入院での手術の適応となる疾患までの対応 (2) 主な業務内容消化器疾患 ( 食道 胃 肝 胆 膵 脾 結腸 直腸の疾患 ) 乳腺 甲状腺疾患 小児外科疾患 深部静脈血栓 下肢静脈瘤 ヘルニア 痔核 体表疾患 気胸などを主な診療対象疾患とし 緊急手術を含めて 各診療ガイドラインに沿った標準的な診断 治療を行っている 更に院内の褥創の症例に対応すべく 認定看護師と共に定期的な褥創回診を施行している (3) スタッフ構成総合外科部長 ( 三山健司 ) 外科医長 ( 豊田宏之 ) TMC 併任医師 1 名 他非常勤医師 1 名 2) 実績医事および手術統計に見る通り 外来患者数微減 外科で入院の患者数微増 ( 他診療科に入院中に手術施行し 術後は副主治医として担当する患者も多数ある ) 手術数は 2011 年度より参加した東京都の 精神科患者身体合併症医療事業 からの手術症例減少に伴い 他医療機関との連携体制の整備にもかかわらず減少傾向であった 3) 特徴と展望国立精神 神経医療研究センター病院の外科として 他の病院では対応しにくい 精神 神経疾患の患者の外科治療にも積極的に取り組んでいる それらの患者については 他医療機関との連携 ( 紹介 ) の体制を整え 東京都の 精神科患者身体合併症医療事業 以外の医療機関との連携体制も整備し手術適応の患者を受け入れている TMC 併任医師 週 2 日勤務の非常勤医の協力も得て 患者サービス拡充に努めている 整形外科 1) 概要 (1) 目的当院利用患者の一般的整形外科疾患の対応及び難病 肢体不自由に対する整形外科的アプローチを行う目的で設置された (2) 主な業務内容当院において 1 当院かかりつけ患者の一般整形外科外来診療 2 院内で発生した急性整形外科疾患への対応 3 院内コンサルテーション対応 4 整形外科疾患の装具診 5 障害者スポー 60

61 Ⅳ 業務状況 6 総合外科 ツ診療などを行っている (3) スタッフ構成整形外科医長 ( 松井彩乃 ) 非常勤医師村山医療センターより定期 1 名脊椎診 ( 筋ジス外来 ) 筑波大学整形外科より定期 3 名股関節診 脊椎 上肢各 1 名不定期 1 名 ~ 適時依頼北里大学整形外科より定期 1 名不定期 1 名脊椎 2) 実績 (1) かかりつけ患者の一般的整形外科疾患診断治療平成 28 年度 ( 平成 28 年 4 月 ~ 平成 29 年 3 月 ) までに外来患者延べ 1,203 人 ( 予約外受診含む ) の外来診療を行った 手術症例は 44 件であった (2) 院内で発生した急性整形外科疾患への対応院内での転倒等による外傷に対して必要な診断処置を行った (3) コンサルテーション対応平成 28 年度 ( 平成 28 年 4 月 ~ 平成 29 年 3 月 ) までに病棟往診 ( 以下延べ人数 )336 人 筋ジス外来 50 人 股関節外来 157 人, 脊椎外来 69 名, 上肢外来 85 名, 北里大学脊椎外来 50 名の院内コンサルテーション診療を行った (4) 整形外科疾患の装具診小児の麻痺性尖足や成人の外反母趾 偏平足等に対し 延べ 637 件の装具診察を行った (5) 障害者スポーツ診療院外活動として東京都多摩障害者スポーツセンターでの月 1 回の医療相談 東京都主催の障害者スポーツ大会の会場待機などを行った 3) 特徴と展望東京都精神科身体合併症事業における診療依頼数は診療報酬点数改正により減少した. 神経難病における専門性の高い手術について 大学病院講師が非常勤医師として来院し, 当院での手術治療を行う症例が徐々に増加している 今後の課題として常勤医増員と診療の効率化, 事務作業の代行が課題である 歯科 1) 概要 (1) 目的および主な業務内容当院入院中の精神 神経 筋疾患および発達障害患者に対して原疾患による臨床症状に配慮した歯科 口腔外科領域の治療および専門的口腔ケアによる予防を行うことである (2) スタッフ紹介歯科医長 ( 福本裕 ) 看護師 1 名他歯科技工士 1 名 2) 実績 1 日平均患者数は 8.0 人 ( 前年度 7.8 人 ) 患者 1 人 1 日当たり診療点数は 点 ( 前年度 点 ) と患者数は増加したが 診療点数は減少傾向にあった 全身麻酔症例は 前年度より減り 7 名で その内訳は 歯科治療 6 名 口唇腫瘍摘出術 1 名であった 3) 特徴と展望咀嚼機能の分析 口腔細菌叢の検討などの臨床研究を通して 精神 神経 筋疾患および発達障害患者の生活の質の向上を図っていきたい 61

62 Ⅳ 業務状況 7 総合内科 7 総合内科 1) 概要 (1) 目的総合内科は 2010 年 4 月より新たに新設された診療科で 消化器内科 循環器科 心療内科で構成されている 総合内科の目的は それぞれの診療科の特色を生かした診療を行うとともに 他科診療患者の内科疾患の診療を行うことである (2) 主な業務内容消化器内科 循環器内科 心療内科の外来診療及び入院患者への対応を行っている 同時に総合内科外来を担当し 糖尿病 肺炎 尿路感染症などの専門領域以外の内科疾患に対応している また NCNP 職員の内科診療 産業医の業務を担当している 心療内科と消化器内科が連携して過敏性腸症候群 (IBS) の専門外来を行っている 外来患者を対象とした禁煙外来を行っている 栄養サポートチーム 呼吸サポートチームに参加して 栄養障害 呼吸障害のサポートに関わっている (3) スタッフ構成総合内科部長 : 瀬川和彦 その他については以下の各科スタッフ構成を参照 (4) 特徴と展望過敏性腸症候群専門外来では 専門的知識を有する消化器内科医及び心療内科医が診断 検査 治療を行っており 希望者には認知行動療法を紹介している 消化器内科 1) 概要 (1) 目的消化器内科の目的は1すべての消化器疾患に対応し 診断 治療を行うこと 2 消化器疾患の中でも特に過敏性大腸症候群や機能性ディスペプシアに代表される機能性消化管障害や クローン病 潰瘍性大腸炎といった炎症性疾患を専門として質の高い診療を行い これらの臨床 基礎研究の情報を発信することである (2) 主な業務内容外来診療として 新患 再来の診療を行っている 入院が必要な患者に対しては 主に 3 階北病棟に入院とし 治療を行っている また他科からの内科系診療依頼に対しては 原則として元の診療科との併診という形で診療にあたっている 上部 下部内視鏡検査 腹部エコーを行っている (3) スタッフ構成消化器内科医長 : 有賀元 非常勤医師 : 大和滋 2) 実績 1 日当たりの平均入院患者数 1.0 均外来患者数新患 0.1 名 再診 3.4 であった 疾患の内容としては 潰瘍性大腸炎 クローン病などの炎症性疾患 過敏性腸症候群 機能性ディスペプシアなどの機能性消化管障害 逆流性食道炎 胃十二指腸潰瘍 直腸潰瘍 S 状結腸軸捻転 大腸ポリープ 胃癌 大腸癌 膵腫瘍 肝腫瘍 呼吸器感染症 尿路感染症などであった 上部 下部内視鏡検査の実施件数は増加しており 大腸ポリープ切除などの内視鏡治療も施行している 腹部エコーの件数も増加しており 内科診療に貢献している 3) 特徴と展望消化器内科の特徴は 一般的な消化器疾患の診療に幅広く対応しつつ 中でも機能性消化管障害と炎症性腸疾患に焦点をあて 専門性の高い診療を行うことである これらの疾患は ストレスにより増悪する ストレス関連疾患 とされるが その病態は十分に解明されておらず 臨床の場では治療に難渋することも多い これらの疾患に関する情報を発信することは 当センターのミッションに合致するものと思われる 62

63 Ⅳ 業務状況 7 総合内科 循環器科 1) 概要 (1) 目的当院で診療中の患者の循環器系の症候 疾患について診断を行い 院内でできる診療を行うとともに高度の診療が必要な場合は適切な医療機関へ紹介する (2) 主な業務内容 2 回 / 週の循環器科外来を行うとともに 入院患者のコンサルテーションには適宜対応している 循環器系の検査として心エコーを実施している 12 誘導心電図 ホルター心電図 血管エコーの判読を行っている 虚血性心疾患については当院で精査ができないため 疑われる患者については希望する医療機関へ紹介している (3) スタッフ構成総合内科部長 : 瀬川和彦 2) 実績 1 日当たりの平均入院患者数 0.0 名 平均外来患者数新患 0.1 名 再診 4.2 名であった 主な対象疾患は 高血圧 脂質異常症 不整脈 心不全などである 3) 特徴と展望筋ジストロフィー患者 ( 特にデュシェンヌ型 ベッカー型 福山型筋ジストロフィー 筋強直性ジストロフィー ) の心筋障害について 定期的に心エコー検査を行い 心機能障害がある場合は治療を行っている また筋ジストロフィーの臨床治験に関わる心機能検査を担当している 筋ジストロフィーの心筋障害に対する臨床経験を積みながら 新しい知見を発信していくことが当センターのミッションと考えている 心療内科 1) 概要 (1) 目的各診療科が診療する患者の身体の症候 疾患のなかで 発症契機や症状の進展に心理社会的ストレスが関わっているケースについて ストレスと症状との関わり ( 心身相関 ) の理解が必要で一般的治療のみでは治りにくい患者を診療することを目的としている (2) 主な業務内容診療内科の治療対象となる代表的疾患として 過敏性腸症候群 本態性高血圧症 緊張型頭痛 疼痛性障害があり 外来及び入院にて治療を行っている まお 摂食障害は人格障害や他の精神障害を合併して問題行動を起こす場合が多く 原則として外来診療とし 必要に応じて他の医療機関へ紹介している (3) スタッフ構成心療内科医師 : 富田吉敏 精神保健研究所心身医学研究部 : 安藤哲也 2) 実績 1 日当たりの平均入院患者数 0.1 名 平均外来患者数新患 0.1 名 再診 9.2 名であった 主な対象疾患は 緊張性頭痛 過敏性腸症候群 慢性疼痛などの心身症 不安障害 身体表現性障害 摂食障害などであった 臨床心理士による心理療法 自律訓練法 リラクゼーション法の指導も行った 3) 特徴と展望心身症をはじめとするさまざまなストレス関連疾患を診療 研究の対象とする 中でも過敏性腸症候群で通常の治療で十分な改善がみられない症例を対象に 精神保健研究所心身医学研究部と共同で認知行動療法 ( ビデオ教材を併用した対面の個人認知行動療法 ) の効果研究を実施している 63

64 Ⅳ 業務状況 8 外来部 8 外来部 1) 概要 (1) 目的 当センター病院では 各分野の専門医を配置し 他の医療機関からの紹介を積極的に受けて 高度で専門的医療を提供できるように努めている 一般外来においても それぞれの病気に応じた高度で専門的医療の提供に努めているが 疾患によっては その病気を専門とする医師が担当することで より高度で専門的治療を提供できることがあるため 専門外来 セカンドオピニオン外来と専門疾病センターを設けて診療を行っている 専門疾病センターではその疾患を専門とする医師が高度専門的診療を行う点では専門外来と同じであるが 当センターでは いくつかの病気について 診療科や専門分野を超えたチームにより高度専門的診療を行う体制を組んで診療を行っている 必要に応じて他科 他の専門分野や研究所の協力を得て より掘り下げた高度専門的診療を行っている また 研究所と協力して新しい診断法 治療法の開発に取り組んでいる こうした専門疾病センターにより 1 つの診療科だけでは対応が難しい病気に診療科を超えて取り組み また治療法が十分確立していない疾患に対して研究所と連携して先駆的治療を試みることも可能となっている 臨床研究 治験による外来診療では 精神 神経 筋疾患における革新的な治療法を開発するために 各診療科と臨床研究推進部との協力により国際共同治験 早期探索的臨床治験 医師主導治験を積極的に行っている 専門看護師 認定看護師による専門外来では 摂食 嚥下障害認定看護師 皮膚 排泄ケア認定看護師 慢性呼吸器疾患看護認定看護師 緩和ケア認定看護師 認知症看護認定看護師による専門外来指導を行うことでより細やかな診療援助や在宅での療養支援を行っている (2) 主な業務内容 1 専門外来としては てんかん うつ病 精神科デイケア 学習障害 自閉症 てんかん外科 脳バンク 睡眠障害外来 mect 専門外来 ( 紹介制 ) 薬物依存症外来 飲みこみ外来 IBS 外来 統合失調症専門外来で各疾患に対する専門外来診療を行っている 2 専門疾病センターとしては 多発性硬化症センター 筋疾患センター てんかんセンター パーキンソン病 運動障害疾患センター 地域精神科モデル医療センター 睡眠障害センター 統合失調症早期診断 治療センター 気分障害先端治療センター 認知症センター 嚥下障害リサーチセンターで複数の診療科に及ぶ専門外来診療を行っている (3) スタッフ構成外来部長 : 中川栄二 遺伝カウンセリング室 : 後藤雄一室長 杉本立夏にて構成されている 2) 実績 (1)2016 年度の業績 ( 表 1 表 2 ) 過去 5 年間の外来診察数では年度ごとに多少の増減はあるものの大きな変動はなく 新患数 再来新患数とも横ばいの状況である 64

65 Ⅳ 業務状況 8 外来部 2012 年 ~ 2016 年外来患者内訳 2012 年初診 2012 年再診 2013 年初診 2013 年再診 2014 年初診 2014 年再診 2015 年初診 2015 年再診 2016 年初診 2016 年再診 合計 6, ,641 6, ,580 6, ,064 6, ,244 6, ,913 新患数と再来数の推移 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 初診 6,334 6,402 6,388 6,319 6,187 再診 112, , , , ,913 合計 118, , , , ,100 ( 人 ) 表 1 新患数と再来数の推移 120, ,000 80,000 60, , , , , ,913 40,000 20, ,334 6,402 6,388 6,319 6, 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 初診 再診 診療科別 1 日平均患者数 ( 外来 ) 精神科 神経内科 小児神経科 脳神経外科 その他診療科 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 ( 初診 ) ( 再診 ) ( 人 ) 表 2 診療科別 1 日平均患者数 ( 外来 ) 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度精神科神経内科小児神経科脳神経外科その他診療科 ( 初診 ) ( 再診 ) 3) 特徴と展望病院と研究所の各部門が協力しながら 適切な診断と丁寧で親切な診療の提供を心がけながら質の高い外来診療を引き続き行っていきたい 65

66 Ⅳ 業務状況 9 遺伝カウンセリング室 9 遺伝カウンセリング室 1) 概要 (1) 目的遺伝子検査は精神 神経疾患の病因検索に不可欠の検査法となってきており その際に遺伝子や遺伝に関する情報を患者およびその家族に正確に説明することが不可欠である しかし これらは日常診療の中でおこなうことは困難であり 専門のスタッフが時間をかけて行う遺伝カウンセリングが必要である ( 2 ) 主な業務内容保険適用されている遺伝子検査前後の遺伝カウンセリングに加えて 発症前診断や出生前診断に関する相談 一般的な遺伝に関する相談などを行っている また 臨床遺伝専門医をめざす医師や遺伝カウンセラーの教育も行っている ( 3 ) スタッフ構成遺伝カウンセリング室長 : 後藤雄一 ( 臨床遺伝専門医 責任指導医 ) 臨床遺伝専門医 : 中川栄二 清水玲子 ( 指導医 ) 石山昭彦 竹下絵里 認定遺伝カウンセラー : 杉本立夏 小松有希子 ( 研究生 ) 顧問 : 埜中征哉 ( 名誉院長 ) 2) 実績 2016 年度の遺伝カウンセリングの実数は初診 35 件 再診 66 件であった 保険適用の遺伝病学的検査前後のカウンセリングはそれぞれ 48 件と 42 件であった 総数は 191 件であり 前年度には及ばないものの 遺伝カウンセリング再診数は過去最多となった 遺伝カウンセリング診療実績 遺伝カウンセリング診療実績 自診療カウンセリング再診 3,000 円 ,000 円 (2010 年改正 / 税別 ) 初診 6,000 円 10,000 円 (2010 年改正 / 税別 ) 遺伝学的検査カウンセリング ( 保険収載 ) 検査前無料 検査料 3880 点 診療費徴収開始 認定遺伝遺伝カウンセラー採 学的検査に対する検査前後の対応 カウンセリング料値上げ認定遺伝カウンセラーの常勤採 検査後 500 点 3) 特徴と展望一般社会や患者家族からの遺伝医学の発展への期待は高まっており 遺伝カウンセリング室では発症前診断や保因者診断を含む多岐に渡る相談に対して スタッフミーティングや院内カンファレンスで検討しながら個々の状況に合わせた支援を行っている また 遺伝医療に携わる医療従事者に対する教育も重要と考えており 医療従事者を対象とした NCNP 遺伝カウンセリングセミナー を 2012 年より毎年開催している 66

67 Ⅳ 業務状況 10 手術 中央材料部 1 10 手術 中央材料部 1) 概要 (1) 目的各科による手術が安全に確実に遂行されることを目的に 人員 機材 環境を常に良好な状態に管理 維持している 手術 中央材料部は 手術室 中央材料室 ME 室からなる 病院の中核機能の一つとして 各科が手術を行い ( 手術室 ) 医療器材の洗浄 滅菌 管理 供給を行い ( 中央材料室 ) 医療機器の点検 管理 指導 運用等を行っている(ME 室 ) (2) 主な業務内容手術室では 脳神経外科では 主にてんかん パーキンソン病などに対する機能的脳外科手術を 外科 整形外科では合併症 ( 精神 神経 筋疾患 ) を有する患者の手術を 神経内科及び小児神経では筋生検 神経生検を 歯科では全身麻酔下の歯科治療を行っている また 血管造影検査 全身麻酔下の修正型電気けいれん療法 (mect) を行っている mectは ECT 委員会の承認を受けた重症うつ病 双極性障害 及び統合失調症に対して行われている 中央材料室は医療器材の洗浄 滅菌 管理を行い 病院全体に供給を行っている ME 室では臨床工学士によるME 機器の管理 点検 整備を行い 正しく機器が使用されるように指導を行い 病院全体の効率的なME 機器の運用を図っている また医師の指示のもと血漿交換を行っている (3) スタッフ構成部長 ( 岩崎真樹 : 脳神経外科診療部長併任 ) 麻酔科医( 中井哲慈 ) 手術室 中材師長( 田代正春 ) 看護師 6 名 臨床工学士 2 名 ( 安田聖一ほか1 名 ) 技術補助員 1 名 2) 実績 (1) 手術室 2016 年度に実施された手術件数は計 287( 前年 287) 件で 内訳は脳神経外科 138(126) 件 外科 37(43) 件 整形外科 44(31) 件 神経内科 24(37) 件 小児神経科 30(41) 件であった 全麻下の歯科治療は7(9) 件であった mectは総数 665(716) 件で その一部は触法病棟にて行った 血管造影検査は3(22) 件であったが 全例脳血管撮影で てんかん外科症例に対するワダテストが行われた mectを除く全身麻酔の総数は227(228) 件であった 手術症例については基本的に術前カンファランスと麻酔スタッフによる術前訪問を行ない 週 1 回手術室及びMEスタッフがミーティングを行い 業務の円滑な遂行を図っている (2) 中央材料部スーパーソニック洗浄装置 ジェットウォッシャーによる洗浄を行い 低温プラズマ滅菌器 オートクレーブによる滅菌 手術器械の組み立てを行っている (3)ME 人工呼吸器 輸液ポンプ 除細動器などのME 機器の点検整備を行うほか 784(694) 件の血漿交換療法を行った (4) 手術部会毎月定例の手術部会を開催し 各科 各病棟と前月までの症例に対して検討を行い リスクの洗い出しと対策の立案を行っている 67

68 Ⅳ 業務状況 10 手術 中央材料部 3) 特徴と展望当院における手術は 精神 神経 筋疾患を合併した患者に対して行われることが多い 脳神経外科手術としては てんかん パーキンソン病 トゥレット症候群などに対する機能的脳外科手術及び認知症外来からの正常圧水頭症の手術が行われている 乳幼児てんかんの症例数が多いのが当施設の特徴である てんかん外科を中心に手術件数は増加傾向にある 外科においては精神 神経筋等に合併症を有する患者の経皮的胃瘻造設 IVHポート埋込 腫瘍切除 開腹によるイレウス解除 逆流防止手術 腹腔鏡 胸腔鏡手術等が行われている 整形外科においても 合併症を有する患者の整形外科手術として 脊椎手術 大腿骨等の骨折手術 人工骨頭置換 筋腱の延長術などが行われている 近年は 脊椎手術と脊髄刺激装置植え込み術が積極的に行われている また 神経内科 小児神経により筋生検 神経生検が多数行われているが 遺伝子診断の発達によって症例数はやや減少傾向にある 歯科では重身病棟の患者を中心に全身麻酔下での歯科治療 抜歯を行っている 精神 神経筋の合併疾患によって認知機能や身体機能が低下している患者はリスクが大きいため 術前の関係スタッフによる調整を綿密にして安全な周術期管理を目指している 症例により MEやリハビリスタッフが術前から関与することも多い また放射線科スタッフ 検査 病理 輸血のスタッフの積極的な支援を受けている mectはect 委員会の承認を受けた重症のうつ病 双極性障害 統合失調症の患者に全身麻酔を導入してから行っている ECTユニットは手術室に隣接して配置されており 安全かつ快適な治療環境の維持に努めている 触法病棟の対象症例については 触法病棟でmECT が施行されることが多いが その場合麻酔医が出向いて麻酔管理を行っている ME 室では 院内の医療機器への点検 整備の更なる改善に努めている 神経疾患患者に対する血漿交換療法件数は増加傾向にある 中央材料室と連携して 衛生材料のディスポ化 効率的運用に努めている 機能的脳神経外科やリスクのある神経 筋疾患患者の外科手術 mectなど 当院の手術 中央材料部は専門性の高い手技を中心に扱っており 今後もその特徴を伸ばしていきたいと考えている 68

69 Ⅳ 業務状況 11 放射線診療部 1 11 放射線診療部 1) 概要 (1) 目的 放射線診療部は画像検査の安全な遂行と正確な画像診断を担うため設置された (2) 主な業務内容 1 単純写真 CT MRI 核医学 超音波などの画像の撮影 2 撮影された画像の読影と診断 3 画像を用いた研究 4レジデントの教育を行っている (3) スタッフ構成医師は放射線診療部長 ( 佐藤典子部長 ) 他 6 名 ( うちレジデント4 名 ) 診療放射線技師は診療放射線技師長 ( 宮城賢治技師長 ) 他 10 名 2) 実績 (1) 体制 2016 年度は MRI(3T)2 台 CT(40 列 )1 台 SPECT-CT2 台 PET-CT1 台 X 線検査装置 血管撮影装置 X 線 TV 装置 超音波装置 骨塩定量検査装置などの体制で臨んだ (2) 検査実績放射線診療部全体として2015 年度と同等の業績であった 主要な検査であるMRI PETで増加した PET 検査の増加については サイクロトロン合成薬を使用した臨床研究と治験での検査数 237( 前年度 73 件 ) が大きく増加した また 院外からの紹介検査も総数 363( 前年度 225) 件 内訳はMRI 249(136) 件 核医学 108(82) 件となり 前年度より増加している 2012 年度 ~ 2016 年度放射線診療部検査人数推移 検査項目 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 C T 検 査 M R 検 査 エックス線検査 血 管 撮 影 エックス線 TV ポ ー タ ブ ル SPECT 検 査 P E T 検 査 超 音 波 検 査 骨塩定量検査

70 Ⅳ 業務状況 11 放射線診療部 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 CT 検査 MR 検査 核医学検査 (SPECT+PET) 1, 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 3) 特徴と展望診療と同時にMRIを中心とした研究も行っており多くの実績を残している 他施設からの研究生が在籍し 共同研究も盛んに行っている 2014 年 1 月よりパーキンソン症候群とレビー小体型認知症における黒質線条体ドーパミントランスポーターの分布を反映した画像が得られる ダットスキャン静注 を用いた SPECT 検査の受け入れも継続して行っている ダットスキャンにおける多施設共同臨床研究は結果の解析を行い学会等にて報告している状況である また 近い将来に向け高度先端医療を全国に発信する事を目標に 最新放射線医療機器の画像解析や診断技術等の臨床研究分野でのスキルアップに積極的に取り組んでいる 70

71 Ⅳ 業務状況 12 臨床検査部 1 12 臨床検査部 1) 概要 (1) 目的臨床検査部は診療部門に精度の高い検査結果を迅速に提供すると共に様々な研究活動への貢献や協力体制の確立を目指して 日々業務に取り組むことを目的としています (2) 主な業務内容 1 検体部門 : 尿一般検査 糞便検査 穿刺液検査 血液検査 生化学検査 免疫検査 輸血検査 微生物検査 TAU βアミロイド検査 2 病理部門 : 病理診断 細胞診断 病理解剖 電子顕微鏡 ブレインバンク 3 生理部門 : 心電図検査 筋電図 ( 誘発 ) 検査 脳波 ( 誘発 ) 検査 呼吸機能検査 超音波検査 睡眠ポリグラフ (PSG MLST 簡易 PSG) 脳磁図(MEG) 長時間脳波ビデオ記録検査 光トポグラフィ- 検査 重心動揺検査 聴力検査 嗅覚検査 4 遺伝子部門 : 遺伝学的検査 MGC 検体受付 筋バンク ( 凍結筋 DNA 培養細胞 ) (3) スタッフ紹介臨床検査部長 : 吉田寿美子 臨床検査部医長 : 齊藤祐子 遺伝子検査診断室医長 : 後藤雄一 (MGCセンタ- 長等併任 ) 睡眠障害検査室医長: 亀井雄一 MEG 検査室医長 : 金子裕 ( 脳神経外科併任 ) 他医師 2 名 臨床検査技師長 : 内野厳治 検査技師 22 名 技術職員 2 名 心理療法士 2 名 事務 3 名 2) 実績臨床検査部検体部門は 栄養管理部門と合同で行っている病棟ラウンドによって検体件数が増加傾向を示していたが 生化学検査 1 件当たりの検査件数の見直しや保険適応外検査支出先 ( 病院から依頼先診療部門 ) の変更や検査依頼の変動により 検体件数前年比 0.97% と若干減少した ( 表 1) 病理部門では 解剖数が12 件 ( 院内 9 件 院外 3 件 ) 解剖率( 解剖数 / 死亡退院患者数 x100) が64% であり 全国でも低下の一途をたどる解剖率 (2014 年度 1.8%) と比較しても高い水準を維持している 微生物検査室では 感染対策管理加算 Ⅰ+Ⅱ 取得のためICTメンバーとして 年 6 回の地域連携カンファレンスおよび 年 2 回の病院相互ラウンドを実施している また 1 週間に1 回の病棟ラウンドおよび1ヶ月に1 回の各部門のラウンドにも加わり ICTメンバーの一員として院内感染防止に努めている 生理部門では 終夜睡眠ポリグラフ検査は 昨年度は8 枠 / 週であったが H28 年 9 月から 24 枠 / 週を隔週で実施する体制に変更した 具体的には 水曜日 ~ 月曜日に連続で実施する 土 日の検査を実施することで 平日働いている人でも検査を受け易くなった また 土 日入院を受け入れることにより 3 階南病棟の稼働率アップにも貢献した 検査件数は精密 PSG 367 件 MSLT 51 件と増え 簡易 PSG 107 件であった 脳磁図 (MEG) 検査は年間 183 件の検査を実施しており 関東圏内の大学病院 てんかん専門病院などからの依頼も引き受けている 2017 年 2 月に液体ヘリウムのリサイクル型の検査機器に更新し 週を通しての運用が可能になった また長時間ビデオ脳波検査も年間 1,888 件実施している 2017 年 3 月からはてんかん診療全国拠点機関として認定され 診療点数が飛躍的に増加することになった うつ症状鑑別診断補助としての 光トポグラフィー検査 件数は147 件と診療報酬算定可能ながら前年度比 68% にとどまった 遺伝子検査診断室では MGCゲノム診療開発部と連携して筋病理診断と遺伝子診断の統合 71

72 Ⅳ 業務状況 12 臨床検査部 表 1 表 2 病理検査件数の年次別推移 年 度 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 組 織 検 査 数 細 胞 診 検 査 件 数 電 子 顕 微 鏡 件 数 解 剖 数 解 剖 率 52% 50% 36% 11% 64% 外 部 委 託 解 剖 数 表 3 臨床検査件数の年次別推移 年 度 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 一般検査件数 72,311 71,309 75,622 72,749 75,888 穿刺液検査件数 血液検査件数 137, , , , ,187 生化学検査件数 362, , , , ,216 免疫検査件数 36,025 38,323 39,697 36,554 34,353 微生物検査件数 8,041 9,207 8,238 8,359 8,632 検体検査小計 616, , , , ,964 生 理 検 査 1 22,973 23,035 30,022 27,906 24,909 その他の生理検査 2 43,828 41,432 50,195 54,442 54,580 生理検査小計 66,801 64,467 80,217 82,348 79,489 総 検 査 件 数 683, , , , ,453 1: 心電図 脳波 筋電図 超音波 聴力 重心動揺 光トポグラフィー PSG MEG 検査 2: 1 以外の生理検査 遺伝子検査件数の年度別推移 年 度 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 総 依 頼 件 数 1,327 1,352 1,388 1,499 1,514 筋 病 理 診 断 受 付 数 遺 伝 子 診 断 受 付 数 保険適応 遺伝学的検査 自費診療の 遺伝学的検査 的筋疾患診断を提供しており 院内外からの依頼総数は1,514 件と年々増加している 当室は それらの検体の受付関連業務や 血液からのDNA 調製の大半を担い また各種の遺伝学的検査 170 件を実施した そのうち 院内の保険適用検査は39 件 DMD 遺伝子 79エクソン全シークエンス解析をはじめとする自費診療検査は14 件の実績であった ( 表 3 疾患別統計 11) 3) 特徴と展望臨床検査部の特徴は 生理部門の神経生理学検査であり 脳波 脳誘発 筋電図 誘発筋電図 長時間ビデオ脳波 脳磁図 (MEG) 睡眠障害(PSG MSLT) 検査が数多く実施されている 特にMEG 検査は 時間周波数解析や空間フィルターなどの新技術をいち早く取り入れて質の高い医療を提供している 2014 年 4 月より保険収載となった光トポグラフィー検査は 日本一の検査件数を誇り 他施設に先駆けて臨床検査技師が検査と1 次判読を行い 医師による2 次判読で判定するシステムを取り入れている その知識や技術の普及と啓発を目指し 2016 年 5 月 21 日に 平成 28 年度第 1 回光トポグラフィー講習会 ( 参加者 24 名 ) 2016 年 11 月 12 日に 平成 28 年度第 2 回光トポグラフィー講習会 ( 参加者 26 名 ) を検査部主導で開催した 光トポグラフィー検査の診療報酬算定に関する施設基準に 国立精神 神経医療研究センターが実施している所定の研修を終了した常勤の医師が 1 名以上配置されていること が盛り込まれており この検査での指導的役割は重要なものとなっている また 今年度より下肢超音波検査導入 PSG 検査枠増枠及び実施日の集束を図り病室の効率的運用を関連部門と協力して体制を構築した 睡眠障害センターと共催で 2016 年 11 月 5 日に 不眠症の認知行動療法セミナ-ベーシックコース ( 参加者 39 名 )2016 年 11 月 6 日に 不眠症の認知行動療法セミナ-アドバンスコース ( 参 72

73 Ⅳ 業務状況 12 臨床検査部 加者 15 名 ) を開催した 2017 年 3 月 16 日にはISO15189 認定を取得し 国際的にも認められる検査結果を臨床側に提供でき 次年度より国際標準検査管理加算を取得する体制を確立した 病理部門では 1997 年にネットワーク型の脳バンク Research Resource Network(RRN) を立ち上げ 凍結組織を含めたリソースを研究や教育目的のため外部施設へ提供を可能としていた さらに2006 年には パーキンソン病および関連神経疾患の生前同意登録に基づく脳バンク としての運用を開始した 2010 年からは 対象疾患を全神経疾患と非精神 神経疾患まで拡大し 現在の登録者数は246 名となっている すでに登録者 26 例の剖検が実施され 脳バンクシステムが有効に活用されている また 2011 年 10 月に開設された現 MGC 棟内に 脳フリーザー室 脳ホルマリン保存室 を設置し ブレインバンクの試料を一括管理している 2015 年度からバイオバンクの傘下にブレインバンクが位置づけられ さらにオールジャパンでのブレインバンクの運営に向けてグランドデザインの構築を行った 遺伝子検査診断室は MGC ゲノム診療開発部 神経研究所 ( 疾病研究第一部 疾病研究第二部 ) と連携して 神経 筋疾患について筋病理検査や遺伝子検査を組合せた統合的診断を提供している 他施設からの積極的な受け入れ ( 全体の8 割以上 ) により ナショナルセンターとして神経 筋疾患の全国的な診断センターおよびバイオリソース拠点 ( 筋レポジトリー ) の役割を果たしている その中で当室は MGC 検体受付窓口業務 DNAサンプル調製 保険診療及び実費診療のものを中心とした遺伝学的検査などを担当している さらに 治験推進のための 神経 筋疾患患者登録サイトRemudy の構築 運営にも参画してきた 今後の展望として ルーチン業務の拡大 迅速で正確な報告体制 研究協力の強化 を3 本柱として臨床に貢献出来る臨床検査部を目指している 臨床からの要望を柔軟に対応できるスタッフ育成にも力を入れている また ISO15189 認定を取得したことにより 今後 国際治験等の検査を取り入れて貢献していきたい 73

74 Ⅳ 業務状況 13 身体リハビリテーション部 13 身体リハビリテーション部 1) 概要 (1) 目的 身体リハビリテーション部の目的は 精神 神経 筋疾患 発達障害に関するリハビリテーションを実施するとともに 新規リハビリテーション技術の開発と臨床応用ならびに全国への普及を図ることである (2) 主な業務身体リハビリテーション部の臨床業務は 高度専門リハビリテーション医療を提供することであり 理学療法 作業療法 言語聴覚療法から構成される またリハビリテーションに関する研究 教育 研修業務を行う (3) スタッフ紹介身体リハビリテーション部長 : 村田美穂 身体リハビリテーション科医長 : 小林庸子 医師 : 早乙女貴子 理学療法士長 : 佐藤福志 作業療法士長 : 粟沢広之 言語聴覚療法主任 : 織田千尋 他のスタッフについては Ⅶその他 2 職員名簿 の身体リハビリテーション部を参照 13-1 身体リハビリテーション科当科は入院患者に対するリハビリテーションサービスの充足を目標に 2011 年度から順次スタッフが増員され 2016 年度は理学療法士 21 名 作業療法士は2 名増員され13 名 言語聴覚士は 1 名増員されていたが中途退職となり3 名の体制に戻った 診療業務量の確保と効率化に加え リハビリテーションを入院目的の一部とした 他科の入院サービスの多様化 他部門との連携 治験や研究への協力 神経筋疾患のリハビリテーションに関する国内での情報共有と発信等に昨年以上に力を入れることができた 入院患者については 神経内科 小児神経科を主とした院内他科からのコンサルテーションに対応し 各科主治医やMSWと連携し 患者及び家族への指導や環境調整に関する助言にも力を入れた 前年に引き続き パーキンソン病に対するLSVT BIG,LOUD パーキンソン病関連疾患のブラッシュアップ入院 SCD 早期集中リハビリテーション入院で 集中的なリハビリテーションのメニューを提供してきた 外来では 他科主治医からのコンサルテーション患者のリハビリ導入や助言 入院でのリハビリテーション対応のフォローアップ 地元施設との連携や申し送り 介護保険や地域サービスを探しにくい若年の筋疾患患者のフォローアップを中心に対応をしている パーキンソン病を対象としては 介護保険非該当の方に対して外来集中リハビリテーションを行っている 2016 年度は特に筋ジストロフィーの3つの企業治験に対して 理学療法士が治験プロトコール作成や研修に協力したこと 7 月にユニーバーサルホールでLSVTBIG LOUD 認定講習会を行い パーキンソン病のリハビリテーション普及に寄与したことが 代表的な活動である スタッフの熟練度と増員に伴い 診療効率が改善し 総診療報酬は35,670,340 点 ( 前年度比 106.5%) スタッフ1 人あたりの診療実績も前年度に引き続き維持し 目標値を達成している 昨年同様 理学療法士 作業療法士の病棟担当制を継続し 各科主治医及び病棟スタッフとの連携 効率化を図ってきた 昨年度に引き続き MDCTNの研究としての筋疾患の運動評価の検討 筋疾患治験の運動機能評価を行っており 当科の人件費に対する検討方法も定着してきた 筋疾患のいくつかの治験に対して治験担当理学療法士による運動機能評価項目の決定や評価方法の研修への関与が開始となった 74

75 Ⅳ 業務状況 13 身体リハビリテーション部 理学療法 1) 概要 (1) 目的当院入院 外来患者の理学療法を手段とした身体 生活機能およびQOLの維持改善 及び 関連領域のリハビリテーション手段の開発と普及 2) 実績 2016 年度は 4 月に産休から 1 名復帰し 21 名となったが 7 月に 1 名退職となり 20 名体制となった 診療報酬は 20,091,375 点 (2014 年度 19,920,495 点 )( 評価料 指導料含まず ) 理学療法士 1 日一人当たりの実施単位数は 平均 18.6 単位 (2015 年度 18.2 単位 ) 2010 年度から関わり始めた治験 臨床研究における運動機能評価の業務は 今年度 7 件であった (2015 年 5 件 ) 企業からの依頼により 評価手順書の作成 評価者研修会の開催などにも関わった 年間の治験業務にかかわった時間数は 年間全体で967 時間 (2900 単位相当 ) であった 治験業務でのセンターへの貢献の他 筋ジストロフィー市民公開講座への協力 病棟の依頼による排痰機器 移乗介助方法の勉強会を行った また 呼吸サポートチーム (RST) 回診 NST 褥瘡回診 病棟カンファレンスに参加した 3) 特徴と展望筋疾患 パーキンソン病関連疾患に加えて センター内の横断疾病センターを中心に 理学療法の役割を果たす体制を確立していく 身体作業療法 (2) 主な業務内容当院入院 外来患者に対する理学療法の提供 ( 主に運動機能 呼吸機能の評価 維持 改善 セルフマネージメントの助言 など ) 及び理学療法に関する研究 教育 研修 1) 概要 (1) 目的当院入院 外来患者の作業学療法を手段とした身体 生活機能およびQOLの維持改善及び 関連領域のリハビリテーション手段の開発と普及 特に 日常生活 社会生活に関連する動作 家族の状況 家屋や地域サービス環境 意欲などについての援助 (2) 主な業務内容当院入院 外来患者に対する作業療法の提供 ( 主に上肢 日常生活動作 生活環境等の評価 維持 改善 セルフマネージメントの助言など ) 及び作業療法に関する研究 教育 研修 2) 実績当部門は 2014 年度には 11 名体制であったが 入院及び外来患者への実施量が少なかったこと 土曜 祝日出勤の必要性が高くなったことにより 2016 年 4 月に 2 名増員した 今後の更なるサービス量の充実及び増収を目的に 2017 年度に向けて1 名増員するために求人活動を行った 年間の診療報酬は 11,270,450 点となり 2015 年度の 9,039,585 点と比べ 2,230,865 点の増収となった この大幅な増収は 2 名の増員及び休業から復帰した職員の影響も大きい また 年間 225 日計算での新たな数値目標も達成した 取り組みとしては 年代別の筋ジストロフィー患者 家族向け治療プログラム (MD 倶楽部 ) 75

76 Ⅳ 業務状況 13 身体リハビリテーション部 の継続 第 14 回及び第 15 回筋ジストロフィー市民公開講座にて 講演 実技指導 医療相談などを実施した また 国立障害者リハビリテーションセンター研究所や産業技術総合研究所の分担研究として 神経筋疾患による進行性の重度運動障害者に対する BMI 機器の導入 維持手法の構築と QOL への影響に関する研究 及び 重度肢体不自由者支援のための適応的ジェスチャインタフェースの研究 を開始した 3) 特徴と展望作業療法の特徴は 筋ジストロフィー 重症心身障害 ( 児 ) パーキンソン病 多発性硬化症 さらには小児難治性てんかん術後を含め 小児神経領域 神経内科領域 脳神経外科領域を対象としており 今後 さらに 心身両面に配慮した包括的リハビリテーション体制の強化が期待されている 言語聴覚療法 1) 概要 (1) 目的当院入院 外来患者の言語機能 発声発語器官の機能 摂食 嚥下機能の評価および訓練 機能改善につながる訓練法の開発 情報の発信 (2) 主な業務内容当院入院 外来患者に対する言語聴覚療法 ( 言語機能, 発声発語器官の機能, 摂食 嚥下機能の評価及び訓練 ) の提供 及び言語聴覚療法に関する研究 教育 研修 2) 実績 2016 年度は 6 月で言語聴覚士 1 人が退職し 織田主任 佐藤 中山の3 人態勢に戻った 業務実績としては 部門で目標としている単位 ( 年間勤務日数を225 日として計算した場合 1 人 18 単位 / 日 ) を達成することができた また臨床では 神経筋疾患の摂食嚥下障害や音声障害 構音障害に対し 種々の訓練プログラムを実施した LSVT LOUDも継続して実施し 参加した患者さますべてに改善が認められた 学会発表や論文執筆など 研究や情報発信にも力を入れる一方で 実習生を受け入れ 新たな言語聴覚士育成のためにも力を尽くした 3) 特徴と展望筋疾患 パーキンソン病関連疾患に対する言語聴覚関連の評価法の確立および訓練法の開発を行い 当院から外に向けて情報を発信していく 患者様の言語症状および嚥下症状の改善に役立つ臨床および研究に これからも力を注いでいきたい 76

77 Ⅳ 業務状況 14 精神リハビリテーション部 14 精神リハビリテーション部 1) 概要 (1) 目的精神リハビリテーション部の目的は 精神障害者に対するリハビリテーションを実施するとともに 精神保健研究所と連携し 新規リハビリテーション技術の開発と臨床応用ならびに全国への普及を図ることである (2) 主な業務精神リハビリテーション部の臨床業務は 精神に関する高度専門リハビリテーション医療を提供することであり デイケア 精神科作業療法 臨床心理検査及び心理療法 医療観察法病棟におけるリハビリテーション業務から構成される またリハビリテーションに関する研究 教育 研修業務を行う (3) スタッフ構成精神リハビリテーション部長 : 平林直次 精神リハビリテーション科医長 : 坂田増弘 デイケア師長 ( 外来併任 ): 武田裕美 精神作業療法士長 : 大島真弓 臨床心理室室長 : 今村扶美 各部署のスタッフ構成は デイケア ( 看護師 5 名 作業療法士 2 名 心理士 2 名 精神保健福祉士 1 名 ピアスタッフ 2 名 ) 作業療法 ( 精神保健福祉法病棟 3 名 医療観察法病棟 5 名 訪問看護ステーション 2 名 ) 臨床心理室 ( 臨床心理士 19 名 医師 1 名 ) であった 精神科デイケア部門と精神科入院作業療法部門を合わせて 精神リハビリテーション部として運用することで 利用者の入院 外来の別や病期に関わらず 最適なリハビリテーションプランを継続的に提供することが可能な体制を構築している また 多職種による多面的なリハビリテーションの実現のため 臨床心理室 医療福祉相談室 薬剤部 栄養管理室といった病院各部門との協力体制を築いている 当科は病院の 1 部門であると同時に 専門疾病センターである 地域精神科モデル医療センター の臨床活動を 訪問看護ステーション (PORT: Psychiatric Out-Reach Team) とともに担っている 入院に頼らない地域生活中心の医療の実現のため 利用者の日常生活技能の向上および就労支援 復職支援に力を注いでいる 精神リハビリテーション科 デイケア 1) 概要 (1) 目的デイケアの目的は 個別性の高いケアマネジメントと 医療的意義の明確な治療プログラムを提供し 精神症状の改善 日常生活 社会生活能力の改善を図り 限定された期間で社会復帰を実現することである また もうひとつの目的は 入院部門や外来部門 訪問看護部門 地域の医療 保健 福祉機関との連携を通して 我が国におけるデイケアモデルを構築し 広く普及することである (2) 主な業務内容主な臨床業務は 1 治療プログラムの提供 2 個別のケアマネジメント 3 院内他部門や他施設との連携の促進等である また 厚生労働科学研究班の多施設共同研究への参加や 多職種の学生実習の受け入れ等を行っている 2) 実績多施設共同の就労支援研究に継続して取り組むとともに 地域精神科モデル医療センターの臨床部門のひとつを構成し より機能を高めたデイケア診療の実現に引き続き取り組んだ 多職種チームによるストレングスモデルを用いたケアマネジメントの導入 家族心理プログラムの継続 他部門との連携強化と 就労への取り組みとその発表を行った また 多職種チーム医療に関する年 1 回のワークショップを 昨年に引き続き主催し 日本各地からの参加者を得た ピアスタッフは業務内容を拡大した 受付スタッフを再配置しピアスタッフも関わることで対応強化を図った 復職支援室では 認知行動療法センターと協力し 認知行動療法と職場連携による復職支援プログラムの効果検討 の研究準備を行なった 77

78 Ⅳ 業務状況 14 精神リハビリテーション部 1 日通所者数は年間平均 63.4 名 そのうち 1 日利用のデイケアは年間平均 23 名 半日利用のショートケアは年間平均 40 名であった また デイケアからの一般企業への就労者数は 36 名で 復職者数は 18 名であった 2016 年度デイケア業務統計 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 平均合計 デ イ ケ ア 診 療 日 数 デ イ ケ ア 換 算 ( 人 ) 復職支援デイケア診療日数 復職支援デイケア換算 ( 人 ) 月間実利用者数 ( 人 ) 日 平 均 利 用 者 数 デイケア デイケア ( 新規加算 ) のべ人数 ショートケア ショートケア ( 新規加算 ) 入院中体験デイケア インテイク 面接 担当多職種面接 担当者面接 地域ケア会議 就労 就労支援 復職 退職 就労後訪問支援 定着支援 ( 電話 メール ) 企業含む 就労訓練 実習 面接 見学等 同行 ) 特徴と展望当院のデイケアの特徴は 1 エビデンスに基づく治療プログラムの導入 2 社会参加を実現するシステムの構築 3 個別のケアマネジメントの強化による個人目標の設定とケアプランの作成といった 利用者の地域生活の質の向上に資する医療的機能の高さにある また 上述の臨床実践や研究活動 研修活動を通して 我が国におけるデイケアの将来像を示すことが求められている 精神科作業療法 1) 概要 (1) 目的精神科作業療法の目的は 健康的な側面 潜在能力に着目し精神症状の安定 改善 コミュニケーション 適応力 生活技能の向上を図り 個別のニーズに応じ家庭復帰 復学 復職を支援 援助することである (2) 主な業務内容主な臨床業務は 精神保健福祉法病棟及び医療観察法病棟における入院作業療法の実施 外来作業療法の枠組みを利用したデイケアへの導入である また 多職種チーム会議やケア会議に参加し 治療計画やケア計画の評価 作成を行う 研究 教育業務も重視し 各種の研究に参加し 多職種 多施設からの見学 研修を受け入れている 2) 実績 2015 年同様 入院作業療法担当者の専任制を継続し デイケア担当作業療法士との連携の強化に努めた 訪問看護ステーションと入院作業療法の強化を図り 土曜日の作業療法実施を継続している 土曜の件数は 1,655 件 訪問看護は 1,441 件となった 医療観察法病棟では 外出 外泊時の地域訪問作業療法を継続的に実施した 施設外からの研修 臨床実習 見学を積極的に受け入れた ( 表 :2016 年度精神科作業療法実施件数参照 ) 78

79 Ⅳ 業務状況 14 精神リハビリテーション部 精神リハビリテーション部精神リハビリテーション科精神科作業療法 2016 年度実績 訪問看護ステーション 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合計 OT 訪問件数 入院作業療法 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 合計 稼働日数 実施患者数 算定件数 土曜実施件数 個別 OT 処方率 デイケア移行ケース ) 特徴と展望精神科作業療法には 入院早期からの 退院後の生活への円滑な移行と就労を視野に入れた治療展開が求められている また 多職種チームの中で 作業療法士には 利用者の健康的な側面 潜在能力に着目した評価と動機づけに関わる役割が期待されている 今後さらなる発展と全国への普及が期待される 臨床心理室 1) 概要 (1) 目的臨床心理室の目的は 心理検査および心理療法の実施 開発 普及である (2) 主な業務臨床心理室は 臨床心理室 デイケア 医療観察法 の 3 部門で業務を行っており 常勤 10 名 非常勤 9 名が所属している 臨床心理室は心理検査および個別 集団心理療法 デイケアは集団力動を中核とした治療に加え就労や復職 ( リワーク ) の支援 医療観察法病棟は個別心理療法 心理検査および集団療法を主な業務としている 他にすべての部署で教育および研究活動を行っている 2) 実績臨床心理室で施行した心理検査実施総数は 4,463 件である また CBT センターと協同して 個別認知行動療法を 1,099 件実施したほか 2013 年 10 月からは集団認知行動療法を開始し 2016 年度は 3 つのグループを運営して延べ 336 件実施した デイケアは 一日のデイケアと半日のショートケアがあり 多職種チームで集団プログラムを提供し 定期的に個別面接および多職種チーム面接を行いながら社会復帰に向け目標設定を行っている 年間延べ 3,650 人に対してグループ活動を行い 741 件の個別面接と 1,332 件の多職種面接を行ったほか 年間延べ 180 人の心理実習生を受け入れた また 復職 ( リワーク ) 支援は 認知行動療法を用いた集団プログラムと個別面接の他に 職場とのコーディネート面談を実施し スムーズな社会復帰を目指している 医療観察法病棟で行った個別面接は年間 2,036 件である 5 つの集団療法を運営し 参加者は年間延べ 1,461 人であった その他に外出 外泊の付き添いが年間で 36 件であった 3) 特徴と展望心理療法士の対象とする疾患は精神科だけでなく 神経内科 小児神経科 脳外科 心療内科など多岐にわたっている 2005 年に医療観察法が施行されてからは 精神疾患に加え触法行為のために社会復帰がより困難になっている患者に対し 心理士が臨床心理学的援助に取り組んでいる 2012 年からは 各部門の心理士が連携し 外来において個別および集団認知行動療法を実施するようになり 実績を挙げている 2014 年度からは 心理検査のご本人向け所見の作成 ( 有料 ) を開始しおり 2016 年度は 238 件の依頼に応じた 心理士に対する潜在的なニーズは高いと思われるため 外来や病棟における心理的援助をより拡充することが期待されている 79

80 Ⅳ 業務状況 14 精神リハビリテーション部 能 発達検2016 年度臨床心理室心理検査統計 人格検査知査新版 TEGⅡ/ 小児エゴグラム BDI- Ⅱ 描画 (HTP バウム他 ) MMPI( 三京房新版 ) PF スタディ SCT (K SCT 精研式 ) テスト名 \ 年度 ロールシャッハ テスト POMS SDS YG 性格検査 STAI CMI グッドイナフ人物画知能検査 W AIS - Ⅲ WISC - Ⅳ MMSE(Mini-Mental State) ビネー式知能検査 ( 田中 鈴木 ) レーヴン色彩マトリックス検査 AQ 長谷川式簡易痴呆診査スケール K ABC WISC- Ⅲ STRAW PARS CES- D コース立方体組み合せ検査 CAARS PVT( 絵画語い発達検査 ) ( 新版 )SM 社会生活能力検査 新版 K 式 CBCL SCTAW JART ITPA WPPSI フロスティッグ視知覚発達検査 Conners DN- CAS 大脇式精薄児用知能検査 FDT( 親子関係診断検査 ) 他記銘力検査 ( 三宅式など ) WMS-R SLTA( 標準失語症検査 ) リバーミード AVLT K WCST Y- BOCS COGNISTAT MMS 記憶検査 CAT( 標準注意検査法 ) FAB( 前頭葉機能検査 ) クレペリン検査 ( 横田式短縮版 ) WAB 失語症検査 BADS( 遂行機能 ) Reyの図 ベントン視覚記銘検査 ベンダー ゲシュタルト テスト MEDE CAS( 標準意欲評価法 ) CBT 検査 保険点数 80 点その他 保険点数 280 点その他 保険点数 450 点その他 その他 合計 のADHD-RS そ2016 年度デイケア心理療法士業務統計個別電話相談 928 個別面接 741 アウトリーチ 31 心理教育 396 集団集団療法 412 グループ活動 3, チーム支援その他家族心理教育 多職種チーム面接ケア会議 1, 就労者数 22 心理実習 研修生受け入れ 180 デイケアとしては チーム支援と就労支援に特に力を入れている 就労支援については 就労後の定着支援や職場での困りごとの電話相談も行っており また個別面接も随時行っている アウトリーチやケア会議をすることで手厚い支援を継続している また 家族心理教育を定期的に開催し 家族への支援も行った 2016 年度医療観察法病棟心理療法士業務統計個別集団プログラムその他心理面接 2,036 物質使用障害プログラム 51 (685) 心理検査 76 SST 28 (151) 内省プログラム 72 (262) CBT 入門 26 (131) メタ認知トレーニング 20 (232) 会議192 運営会議 治療評価会議地域ケア会議 261 担当多職種チーム会議外出 外泊の同伴 裁判所提出書類作成 102 研究活動等 36 ( ) 内の数値は 累計患者数 80

81 Ⅳ 業務状況 15 医療連携福祉部 15 医療連携福祉部 訪問看護ステーション 1) 概要 (1) 目的 医療連携福祉部は 他の医療機関との連携を推進し 患者の受療と生活の支援を通じて 高度な医療を優しく提供する という当院の理念を日常診療において実践することを目的とする (2) 主な業務内容在宅支援室は退院に困難を有する患者の退院調整 退院支援と退院後の支援 医療連携室は予約取得業務を扱うとともに他の医療機関との患者紹介 逆紹介等を通じて病診 病病連携を推進し 医療福祉相談室は患者相談等に従事しアドボカシーにも寄与する (3) スタッフ構成医療連携福祉部長 : 三山健司 ( 副院長 ) その他は以下の各スタッフ構成を参照 在宅支援室 1) 概要 (1) 目的在宅支援室は 精神 神経 筋 発達障害の在宅支援を担うために設置されている (2) 主な業務内容 1 精神障害者の退院調整におけるケースマネジメント 2 一般科関連の退院調整を実施している (3) スタッフ構成在宅支援室長 塚本忠 ( 医師 ) 退院調整副看護師長 花井亜紀子 在宅支援室担当医療社 会事業専門員 1 名 アウトリーチチームの医師としては 坂田増弘精神リハビリテーション科医長 その他医師 1 名 レジデント1 名が併任 2) 実績 (1) 一般科関連の退院調整 2016 年度は入院時に病棟看護師が退院困難要因の抽出 ( スクリーニング ) し 主治医 看護師 リハビリテーション科 地域関係機関と連携し退院調整を行った その結果 退院調整実績は 548 件であった 3) 特徴と展望長期在院患者の退院促進後の生活支援と状態悪化時の危機介入などの支援を展開してきた 今後は よりスムーズな在宅移行に向け 院内の退院調整のシステム化を再度評価することと 病棟看護師の退院支援における教育に力を入れていきたい 医療連携室 1) 概要 (1) 目的他の医療機関 福祉機関との連携業務及び患者の予約取得業務に携わる 81

82 Ⅳ 業務状況 15 医療連携福祉部 (2) 主な業務内容 1 他の医療機関 福祉機関から紹介された患者の予約に関する業務 2 紹介元への返書 ( 診療情報提供書 ) 管理 3 病院内から依頼された 連携医療機関の検索業務 4 近隣医療機関および当院への複数回の患者紹介があった医療機関に 当院の 連携医療機関 としての登録を促し 医療連携ニュース を作成し配布 5 当院から他医療機関の予約取得や 他院への診療情報提供書の送付 6 予約センター に入る 患者( 及びその関係者 ) からの電話による予約の取得業務 7 東京都精神科患者身体合併症医療事業対応 (3) スタッフ紹介医療連携室長 : 塚本忠 ( 医師 ) 医療連携係長: 谷本和則 その他 非常勤事務員 ( 連携 予約各 4 名 ) 連携業務の内容が複雑であり非常勤事務員が定着しづらく予約取得業務にさえ支障が出るなどの問題がある 2) 実績連携医療機関の登録数は2016 年度に 6 機関増加し 392 医療機関となった 2016 年 4 月からの1 年間の予約取得状況 精神科患者身体合併症医療受入数を別表にまとめた 2016 年度月別医療連携室の実績 新患予約取得診療科別統計医療機関から連携室経由 / 予約センター経由 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 精神科 62/149 63/141 75/135 75/147 88/157 80/142 91/168 98/145 70/133 68/143 96/ /125 神経内科 38/100 40/119 44/111 39/106 52/104 49/104 47/104 44/93 36/72 51/79 51/97 70/69 小児神経科 16/56 10/50 19/52 18/77 24/60 18/62 16/65 19/47 20/52 15/48 21/78 39/38 脳神経外科 3/10 4/8 7/9 9/17 6/14 4/12 8/10 4/9 0/15 6/5 10/15 11/4 心療内科 0 0/1 2/4 1/0 2/0 1/1 0/3 1/0 1/15 2/3 0/2 3/5 循環器科 0/ / / /0 1/0 消化器内科 0/2 0/1 1/0 0/1 3/1 0/1 0 0/5 1/1 0 0/1 1/0 総合内科 1/3 0/2 0/2 0/2 1/5 0/1 0/3 0/3 0/1 0 0/2 0/3 リハ科 0/ / 外科 1/2 2/0 4/2 3/0 0 1/1 3/1 2/2 0 1/0 3/1 2/0 整形外科 /0 1/0 0 1/0 0 放射線科 合 計 121/ / / / / / / / / / / /244 転帰 医療機関から連携室経由 / 予約センター経由 通 院 65/184 60/182 68/180 77/199 96/190 68/165 77/204 87/158 76/153 75/138 98/ /132 初診時に入院申込 26/43 25/46 41/33 27/54 36/48 30/43 34/37 33/30 22/39 28/39 41/39 39/41 他院 他科へ紹介 4/ 7 5/6 3/10 2/13 6/7 4/11 5/7 3/9 3/4 3/8 1/4 10/4 終診 15/43 13/42 27/41 23/33 21/45 29/55 28/51 27/50 15/40 17/45 23/49 47/31 キャンセル 変更 11/47 16/46 13/51 16/51 18/52 22/50 21/55 19/59 14/43 20/48 20/51 32/36 連携室 予約センター再来予約取得 / その他問い合わせその他 555/ / / / / / / / / / / /1245 セカンドオピニオン外来予約 合計 精神科 小児神経科 神経内科 脳神経外科 合計 精神科患者身体合併症医療受入数 合計 依頼数 承諾 中止 お断り 外国人受入 合計 問合せ 入院 外来

83 Ⅳ 業務状況 15 医療連携福祉部 3) 特徴と展望ナショナルセンターとしての当院の使命である 精神 神経 筋疾患 発達障害の克服のための研究 高度医療を遂行する ためには 当院の臨床研究対象である疾患患者の確保が必須であるが そのためには当院と日頃から付き合いのある医療機関 ( 保健所 学校などの ) 福祉関係との連携が欠かせない 他医療機関から 患者の紹介 Fax を受けた際には 15 分以内を目標として予約取得している ( 即日の受診 入院希望に関してはこの限りではない ) 今年度からこれ迄医事室が担当だった予約取得業務の担当となり 担当者の所属先も異動した 当院での連携医療機関登録制度として 医療連携ニュース の発行 連携医証の発行などをおこなった 今後は 連携医療機関との懇親会の企画 講習会やCC CPC への登録医の参加の実現化を目指しながら 連携内容を充実させていく予定である 今年度はようやく通常の病院並みに連携医療機関との連携講演会を開催することができた 医療福祉相談室 1) 概要 (1) 目的医療福祉相談室では 精神保健福祉士および社会福祉士 ( 医療ソーシャルワーカー 以下 SW) が福祉の立場から患者さんとご家族が抱える心理的及び社会的問題を解決して生活の安定をはかり 多職種チームの一員として 高度専門医療が有意義な人生につながるように支援を行っている (2) 主な業務内容入院関係では 神経内科 小児神経科 脳外科 内科 外科などの一般病棟 2つと 神経難病病棟 筋ジストロフィー病棟の障害者病棟 2つ 重症心身障害者病棟 1つ 精神保健福祉法の精神病棟 4つ 医療観察法の精神病棟 2つの合計 11 病棟を担当している それぞれの特殊性を持ちながらも入院相談 退院時の地域調整 転院調整などを行っている また 地域の医療機関や保健所等からの入院依頼や 精神科患者の修正型電気けいれん療法 (mect) の受け入れ相談窓口を担当している また 重症心身障害児者については障害者総合支援法によるショートステイの受け入れ調整窓口も担当している 小児神経科領域については 児童福祉機関や学校との連携も多い 外来関係では アウトリーチを含めた在宅療養の支援や 就労 介護 経済的相談などの心理社会的な生活支援 精神科デイケアと薬物依存グループワークでの支援 未受診者等からの受診に関する面接 電話相談を担当している 前掲の医療観察法領域は 退院支援と通院での地域定着支援を通じて 法務省の社会復帰調整官や地域の保健医療 福祉等の関係機関の担当者と連携している また 患者さんやご家族などからの苦情や要望を受け止め 各部署の責任者による対応を依頼し よりよい権利救済がはかれるようにアドボカシー委員会の事務局を担当している 外来受付のボランティア活動をしている家族会むさしの会と月例で意見交流会を持ち コーディネーターをしつつ患者家族ならではの発想を病院運営に活かせるように外来委員会等でフィードバックしている (3) スタッフ構成第二医療社会事業専門職 : 島田明裕 他 常勤 14 名 非常勤 6 名 精神保健福祉士 20 名 社会福祉士 9 名 83

84 Ⅳ 業務状況 15 医療連携福祉部 2) 実績 2016 年度の相談者 ( 実人数 )11,824 人 内訳 : 入院患者 5,762 人 外来患者 6,080 人 相談内容 : 退院転院 5,962 件 受診受療 4,311 件 社会参加等 2,193 件 心理社会的問題 3,790 件 経済的問題 1,555 件 アドボカシー取扱件数 22 件 ( 前年度 13 件 ) 3) 特徴と展望医療福祉相談室の特徴は SWが福祉職として医療チームに参加することにある 医療福祉相談室は社会福祉の立場から患者様の抱える経済的 心理的 社会的問題の解決 調整を援助し 患者様本人の価値観で生活を安定させ 納得して満足のいく人生を送ることができるように支援するものである 今後 この本質に焦点をあてたSW 業務の標準化や均てん化の使命を果たしていきたい 訪問看護ステーション 1) 概要 (1) 目的 2015 年 5 月 1 日にセンター内に 指定訪問看護ステーション国立精神 神経医療研究センター訪問看護ステーション として設置 (2) 主な業務内容看護師 作業療法士 精神保健福祉士での多職種アウトリーチを実施している (3) スタッフ構成施設長 : 三山健司 ( 病院副院長 ) 管理者 : 富沢明美 他 看護師 常勤 4 名 非常勤 1 名 非常勤作業療法士 2 名 2) 実績 2016 年度の訪問総数は 6126 件であり 病欠者が出た中でもほぼ目標を達成した 訪問看護ステーションとして年間 62,000,000 円余りの収入を上げた また病院から当訪問看護ステーションへの指示書の発行などで病院に対しても約 58,000 点の収益に貢献した 発足前に比べ 訪問件数で60% 増 収入で約 2.5 倍となっている 3) 特徴と展望支援の特徴としては 入院当初からの病棟と連携体制を組んでいる 入院に至った課題を共有 退院後の生活に向けての関係構築 支援計画を立案し 退院後の訪問看護において 地域生活における自己実現の支援を実践している 84

85 Ⅳ 業務状況 16 薬剤部 16 薬剤部 1) 概要 (1) 目的医療チームの一員として他職種スタッフと連携し医療の質向上 医療安全の確保 効率的な薬物療法実施のため薬剤師の専門性を活かし患者本位の医療に貢献する (2) 主な業務薬剤部の業務は 調剤 抗がん剤の無菌的調製 服薬指導 医薬品情報管理 感染管理 安全管理等々多岐にわたっている 外来は院外処方せん発行率 89.6%(2016 年度 ) と 院外処方を推進している 入院患者には くすりへの理解を通じて患者自身が積極的に治療へ参加できるよう服薬指導を行っている また ICT( 感染対策チーム ) や NST( 栄養サポートチーム ) などのチーム医療に薬剤師が参画し より良質な医療を提供している (3) スタッフ構成薬剤部長 ( 田島芳夫 ) 副薬剤部長 2 名 ( 栗井良卓 山岸美奈子 ) 主任薬剤師( 白井毅 大竹将司 ) 常勤薬剤師 4 名 非常勤薬剤師 4 名 調剤助手 2 名 ( 平成 29 年 3 月末現在 ) 2) 実績 (1) 調剤業務当院は 統合失調症や気分障害などの精神疾患 パーキンソン病などの神経内科領域の疾患 多発性硬化症などの神経難病 重症心身障害 重症てんかん等の患者が多く 処方内容が複雑なため調剤に当たっては細心の注意が必要となる また 疾患の特性から摂食嚥下障害のある患者が多く 薬剤部では 調剤の効率化と薬剤の適正使用の観点から 錠剤を粉砕せず服用の直前に微温湯で懸濁させ投与する簡易懸濁法を推進している (2) 薬剤管理指導業務近年 多職種協働のチーム医療が求められている 当院でも感染管理 栄養管理 医療安全管理チームなどへ薬剤師が積極的に参加しその専門性を活かした業務を行っている 後発医薬品の使用促進等により 患者入院時持参薬についても 後発医薬品が増えており 医師 看護師が識別できないものも多くなっているため 薬剤師が薬学的管理を行うことで規格違い 用法用量違い 不適切な使用による医療事故やインシデントの未然回避に貢献している 今後 薬剤部内の業務効率化を積極的に行い 全ての入院患者に対し服薬指導が実施可能な体制を目指していく 表 年度薬剤部業務統計 年 度 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 注射処方せん枚数 入院注射処方せん枚数 16,053 16,381 16,925 16,227 18,624 外来注射処方せん枚数 7,688 7,567 7,969 7,843 7,283 入院 58,246 62,026 70,189 78,240 75,915 処 方 せ ん 枚 数 外来院内 5,145 5,229 9,089 9,820 8,768 外来院外 71,683 71,821 74,726 74,415 75,874 * 院 外 処 方 せ ん 発 行 率 93.30% 93.20% 89.20% 88.30% 89.60% 調 剤 料 入院 ( 点 ) 1,061, , , , ,602 外来 ( 点 ) 46,546 43,643 40,134 35,805 33,441 調剤技術基本料請求件数 入院 ( 件 ) 3,939 4,011 3,600 3,509 3,911 外来 ( 件 ) 3,306 3,181 3,029 2,699 2,488 院内製剤加算請求件数 実施患者数 3,802 3,954 4,814 4,982 4,790 請求患者数 3,802 3,954 4,675 4,443 4,269 薬剤管理指導料 請求件数内訳 1. ハイリスク薬管理 5,561 4,782 6,277 6,939 4,877 請求件数内訳 2.1 以外 1,948 2,095 2,633 2,115 2,052 * 請求件数 ( 上記内訳の合計 ) 7,509 6,877 8,910 9,054 6,929 ( 麻薬加算件数 ) 退 院 時 薬 剤 情 報 管 理 指 導 料 件 数 1,408 1,645 2,035 2,125 1,903 無菌製剤処理料 無菌製剤処理料 1 総実施件数 無菌製剤処理料 2 総実施件数 薬剤師が行った提供件数 4,597 4,757 9,089 9,822 8,768 薬剤情報提供料 ( 件数 ) 請求件数 2,589 2,548 2,460 2,286 2,267 ( 手帳記載加算件数 ) 後発医薬品使用 後発医薬品使用体制加算 1 請求件数 2,742 3,662 3,747 3,908 3,867 (3) 医薬品管理薬事委員会では 当院で採用する医薬品の臨床的及び薬学的な評価 医薬品の採用及び整理 在庫医薬品の適切な管理と使用方法等その他薬事全般について審議している 2016 年度は 11 回開催され 後発医薬品への切替えも薬剤部主導で積極的に行っている 85

86 Ⅳ 業務状況 16 薬剤部 院内採用医薬品 1,083 品目 (2017 年 3 月末現在 ) のうち後発医薬品は 326 品目となっている 後発医薬品の採用率は 数量ベースで 78.4% であった 抗精神病薬クロザピンや新規抗てんかん薬サブリルのように 使用にあたって投与量や検査の有無などの使用管理が求められている医薬品にも対応し調剤を行っている 麻薬 毒薬 覚せい剤原料 向精神薬は 薬剤師不在時間帯の施錠管理をはじめとして厳正に管理している また ゼプリオン水懸筋注など重篤な副作用が報告されている医薬品については患者検査値等について薬剤師がチェックをした上で調剤に当たっている (4) 薬学学生実習医療技術の高度化や医薬分業の進展によって 高い資質を有する薬剤師が求められるようになり薬学教育は2006 年から6 年制となった 実践的な能力を養うため病院薬局と調剤薬局のそれぞれで11 週間の実務実習が2010 年より行われることとなり 国家試験を受けるためにはこの実務実習の履修が必須となっている 当院でも2010 年から薬学部の学生を受け入れている 今後は 学生の受入数を増やし近隣の大学とも協力し有能な薬剤師を世に送り出していきたいと思っている 表 年度薬学部実習生受入状況 第 1 期 第 2 期 第 3 期 実 習 期 間 5 月 8 日 ~7 月 21 日 9 月 4 日 ~11 月 17 日 1 月 9 日 ~3 月 26 日 明治薬科大学 帝京平成大学 1 1 城 西 大 学 1 3) 特徴と展望 2016 年度の医薬品購入額は 8 億 1080 万円であった ( 図 1) 医薬品購入費は ここ数年の新規治療薬の使用量増加に伴い増加傾向だったが 平成 28 年度の医薬品購入費は前年度と大きな差はみられなかった 採用薬の後発医薬品への切り替えが 医薬品購入費の抑制につながっていると考えられる 購入医薬品の特徴としては 従来から使用されているマイオザイム点滴静注用 免疫グロブリン製剤 ボツリヌス毒素製剤 ソルメドロールに加え タイサブリ点滴静注やコパキソン皮下注用といった多発性硬化症治療に使用する注射剤が購入額の上位を占めていた また 中枢神経用薬が購入費全体の約 30%( 図 2) を占めており そのうちの 4/3 が精神神経用薬 抗てんかん薬および抗パーキンソン病治療薬であり 当院の特徴が現れていた ( 図 3) 図 1 年間医薬品購入金額 図 年度医薬品購入割合 ( 薬効別 ) 図 年度中枢神経用薬 ( 薬効別 ) 8% 14% 28% 中枢神経系用薬生物学的製剤 2% 3% 17% 43% 精神神経用剤抗パーキンソン剤抗てんかん剤その他の中枢神経系用薬催眠鎮静剤, 抗不安剤その他 代謝性医薬品 24% 26% 末梢神経系用薬その他 17% 18% 薬剤師の増員が認められ 2014 年度より薬剤師は常勤 10 名 非常勤 3 名の 13 名となった 引き続きより多くの患者にかかわり 患者自身が医薬品を理解し積極的に薬物治療を行えるよう患者を指導し アドヒアランスの向上に努めていきたい また 医薬品の適正使用と医療安全の確保にも引き続き積極的にかかわっていく所存である 86

87 Ⅳ 業務状況 17 看護部 17 看護部 1) 概要 (1) 目的看護部は 病院の基本理念に基づき 患者の生命の尊厳と権利を尊重し 創造的で科学的根拠に基づいた先駆的な看護と心に寄り添った看護を提供するとともに 看護の実践を集積して臨床研究を推進し 精神 神経看護を国内外に情報発信することを目的とする (2) 主な業務内容看護部は看護の質向上を図るための人材育成 チーム医療の推進 安全なケアの提供を各看護単位及び各種委員会の活動により実施している また 目標患者数確保や入院基本料を維持するための病床管理 経費節減など病院経営へも積極的に参画している (3) スタッフ構成看護部長 : 町屋晴美 副看護部長 : 西村武彦 五十嵐美和看護職員は下記参照 2) 実績 (1) 看護職員の状況 2016 年 4 月は 看護師 380 名 ( 常勤 272 名 非常勤 8 名 ) 療養介助専門員 11 名 療養介助員 9 名 看護助手 13 名 ( 常勤 3 名 非常勤看護助手 10 名 ) でスタートした 4 月の採用者は 37 名 ( 新卒 31 名 既卒 6 名 ) 既卒者の1 名は 国立病院機構より転勤異動者であった 退職者は43 名 退職理由の内訳は進学 1 名 他医療機関への就職 21 名 健康上の理由 1 名 定年 2 名 家族の介護 1 名 転居 3 名 家事専念 5 名 育児専念 5 名 その他 4 名であった 図 1 看護師総数 (4/1 現在 ) 図 2 採用者 退職者の推移 336 看護師総数 (4/1 現在 ) 既卒採用者数 (4/1 付 ) 新卒採用者数 (4/1 付 ) 退職者数 (3/31 付 ) (2) クリニカルラダー申請及び承認の実績看護師の教育はクリニカルラダー方式を取り入れ 1 段階から 4 段階まで段階的に教育を行っている 看護師 1 段階 2 段階 3 段階 4 段階 合 計 申 請 総 数 実 績 総 数 達 成 率 91.7% 100.0% 90.9% 86.7% 92.2% (3) 学会発表 学 会 区 分全国学会国際学会地 方 会研 究 会施 設合 計 発 表 者 8 8 座 長 1 1 研 修 講 師 (4) 研修参加状況 主催区分厚生労働省 NHO 本部 国立看護大学校看護協会東京都その他合計 NHOグループ 参加者数

88 Ⅳ 業務状況 17 看護部 (5) 専門看護師 認定看護師有資格者数精神看護専門看護師 2 名 慢性疾患看護専門看護師 1 名 感染管理認定看護師 1 名 摂食嚥下障害看護認定看護師 1 名 皮膚排泄ケア認定看護師 1 名 慢性呼吸器疾患看護認定看護師 1 名 緩和ケア認定看護師 1 名の 8 名が それぞれの分野で活躍している また 新たな認定看護師の育成として 日本看護協会の認知症看護認定看護師養成研修を 1 名修了している また 神奈川県立保健福祉大学実践研修センター感染管理認定看護師教育課程に 1 名合格し 2017 年度受講予定である (6) 看護学生の受け入れ後進の看護師を育成するために 職員の教育とともに看護学生の実習を受け入れている 実習校は看護系大学 5 校 看護専門学校 3 校を受け入れ 様々な実習に対応している また 効果的な実習指導を行うために 計画的に実習指導者講習会を受講しており 2016 年度は8 名が研修修了し 院内で研修修了者は 76 名となっている 基礎看護学実習小児看護学実習精神看護学実習統合看護学実習応用看護学実習政策医療看護学実習 受け入れ学校数 延べ人数 ( 人 ) (7)2016 年度の看護部の概要 1 院内認定看護師制度として 院内口腔ケア認定看護師 に加え 新たに 院内呼吸器ケア認定看護師 と 院内行動制限最小化認定看護師 を設定した 初年度は院内口腔ケア認定看護師 7 名 院内行動制限最小化認定看護師 4 名が認定を受けた 2 認知症疾患医療センター開設に伴い 専従看護師 ( 看護師長 ) を1 名配置した 3 専門看護師 認定看護師がそれぞれの専門分野における専門的知識 技術を教育するための臨床教育研修を30 回開催し延べ358 名が受講した 4 静脈注射の教育 研修を実施し35 名の認定者を輩出し 認定者は延べ187 名となった 5 包括的暴力防止プログラム (CVPPP) トレーナー養成研修を6 月 20 日 ~23 日 10 月 18 日 ~21 日の2 回開催し 計 55 名の修了者を輩出 さらに フォローアップ研修を開催し 20 名が受講した 6 メッセンジャーを総務部から看護部所属とし 業務 労務の管理をおこなうことにした 7 医療サービス検討委員会での取り組みは13 部署で14 題の取り組みがされ3 月 1 日に報告会を開催した 3) 特徴と展望看護部では 2014 年度より育成を開始している院内口腔ケア認定看護師は 認定看護師の補助的役割や病棟で教育的な活動を行い 看護の質向上にむけた院内認定看護師制度を推進して3 年目である 2015 年度は 院内呼吸器ケア認定看護師と院内行動制限最小化認定看護師の制度構築にむけた準備を行い 2016 年度に運用を開始した また 院内認定看護師制度を看護協会の認定看護師を目指すようなキャリアアップモデルとして位置づけている 更に 平成 28 年 7 月 1 日より 東京都認知症疾患医療センターに認定 専従看護師 1 名 専任看護師 1 名を配置し活動を開始した 病院経営面において 看護単位毎に設定された目標患者数を達成することや入院基本料算定要件を満たすための取り組みを実施している 精神科病棟は 精神科救急病棟と精神科入院基本料 10:1の病棟で構成されており 急性期に特化した機能を持つ 入院基本料の算定要件を維持するために ベッドコントロール会議で算定要件の実績をモニターすることを必須としている 2016 年度において 平均在院日数が43 日 ( 前年度 39.7 日 ) 病床利用率が90.5%( 前年度 92.1%) と2015 年度と比較し1.6ポイント減少した 今後さらに病床利用率を上げるためには 病床数や診療科等の検討に加え 認知症への対応など 地域のニーズを取り入れた病棟運営を検討した 一般病棟 7:1 算定病棟においては 平成 29 年度 病床数再編にかかる診療科等の見直しや重症度の高い患者を積極的に受け入れている また毎日ベッドコントロール会議を開催し 障がい者病棟を含めた病床管理により算定基準維持に努めているが 病床利用率が88.8%( 前年度 87.6%) と若干上回ったが低く 病床利用率を上げるための方策として 次年度の病棟再編の方向性を模索し進めていく必要がある 看護部が健全な病院経営に貢献するためには 病床利用率の向上と経費節減に積極的に取り組んでいくことが求められる その為に適正な人員配置や 効率性 安全性を考慮した業務改善及び看護方式の検討が今後の課題となる 88

89 Ⅳ 業務状況 18 栄養管理室 18 栄養管理室 1) 概要 (1) 目的栄養管理室が担う業務は 入院 ( 外来 ) 患者様に食事サービスと医療サービスを適切に提供することであり これにより患者様への貢献及び病院の評価を高め経営改善に資する一助となすと私達は考えている (2) 主な業務内容大別すると食事サービスと医療サービスである 食事サ - ビスは 患者様個々の症状と嗜好に合わせた食事や選択性をもたせたメニュー等により満足される食事を提供することであり 食事環境として適切な食器の使用や食堂での喫食 衛生面に配慮し 安心 安全な食事提供も患者様に満足される要素である 医療サービスは 適切に精度管理された治療食の提供や栄養食事指導 入院栄養管理計画やカンファレンスに参加してコ メディカルとして栄養サポートチ - ム 褥瘡対策チ - ム 臨床検査部 栄養管理室合同ラウンドチ - ム 作業療法の一環としての家事技能プログラム 健康教室プログラム等のチ - ム医療に参画することと考えている (3) スタッフ紹介今泉博文 ( 栄養管理室長 ) 鷲尾貴江 ( 副栄養管理室長 ) と他 4 名の管理栄養士と調理師 4 名が総合内科部に属し 運営している 2) 実績 (1) 全般 2016 年度において栄養管理室の組織改変があった 第一主任が副栄養管理室長の役職名に変更となった また 業務委託内容に変更があり濃厚流動食等の一部の食品を除き給食材料の購入に関わる事項が業務委託となった (2) 入院時食事療養関係 2016 年度入院時食事療養総数 399,894 食 ( 内特別加算食総数 132,333 食 ) で 特別食の比率が 33.1% で前年度 40.5% に対して 7.4% 下降した これは 診療報酬改定により濃厚流動食が対象から外れたものである デイケア食においては 廃止された 平成 28 年度診療報酬改定の栄養関係の概要について 1 特別食加算対象食従来の特別食に新たに てんかん食 が加わった 経腸栄養剤製品 ( 農協流動食 ) については医薬品との給付額の均等を図る観点から見直された 2 栄養食事指導の対象外来及び入院 在宅患者訪問栄養食事指導の対象に がん 摂食 嚥下機能低下 低栄養 の患者に対する栄養食事指導が新設となった 3 外来及び入院栄耀食事指導料 130 点 初回 260 点 (30 分以上 )2 回目以降 200 点 (20 分以上 ) 入院中 2 回を限度とする (3) アレルギー除去食対応関係 2016 年度においては 登録アレルギ - コメントで最も多かったのは 卵アレルギ - で 全体の 15% を占め エビ カニ ピ - ナッツ そば等であった また 複合するアレルギ - 除去食が年々増加してきている (4) 栄養食事指導関係全体の個人栄養食事指導件数を疾患別にみると 脂質異常症 35% と最も多く 次いで 糖尿病 20% 心臓病 9% と多かった 外来患者では 脂質異常症が半数強を占め 糖尿病 肥満症 を合わせて 74% であった 入院患者では 脂質異常症 心臓病 糖尿病 肥満症で 50% を占めた また 2016 年度個人栄養指導算定件数 2,249 件 個人栄養指導非算定件数件 610 件で総合計 2,859 件を達成した (5) 管理栄養士臨地実習受託関係学生の実習指導等に関しては 養成施設と実習受け入れ施設双方の連携が求められるが 実務経験者として 後進である管理栄養士 栄養士を目指す学生に指導を行うことは 先輩としての責務と考える 89

90 Ⅳ 業務状況 18 栄養管理室 東京農業大学 和洋女子大学 城西大学 十文字学園大学 人間総合科学大学 文教大学 国際学院埼玉短期大学の 7 養成大学を受託し 延べ臨地実習人数 430 名となった (6) 栄養サポートチーム (nutrition support team:nst) 栄養サポートチーム (NST) は管理栄養士 内科 外科医師 看護師 薬剤師 臨床検査技師 理学療法士により構成され 主治医からの依頼および血液検査による著明な低栄養状態の患者に介入し 食事の総カロリーや種類 内服薬 点滴の内容等につき助言を行った 週 1 回 NST 回診を行い 2016 年度においては 依頼件数 133 件 ラウンド件数 133 件 基礎代謝量測定件数 395 件であった NST 勉強会は 4 回開催した (7) 臨床検査部 栄養管理室合同ラウンドチ-ム定期生化学検査 心電図検査 腹部エコ- 検査の実施推進による生活習慣病等を含む身体疾患と精神 神経疾患の改善をめざすとともに チ-ム医療における栄養管理からのアプロ- チによる患者の入院から退院までとその後の通院 在宅までのト-タル支援の一助になるために臨床検査部 栄養管理室合同ラウンドチ-ムを発足した 対象は当院入院患者で スクリ-ニングにより検査項目 AST ALT γ -GTP UA BUN CRE K GIu HbA1c T-CHO TG HDL-C LDL-Cに対し異常値あるいは 入院時検査が実施されていない患者のリストを作成する そのリストを基に病棟師長と主治医に対して 各種提案を実施して その内容を電子カルテの掲示板へ入力とした 合同ラウンド病棟は 重度心身障害者病棟を除く全病棟とした なお ラウンド実施者は 臨床検査部長 ( 精神科医長 ) 総合内科部長( 循環器科医長 ) 臨床検査技師長 栄養管理室長の4 名で実施した 2016 年度における実績は下記のとおりである 1 ラウンド実施件数 46 件 2 ラウンド時提案件数 462 件 3 病名登録 ( 病名確定 )238 件 4 追加検査提案件数 ( 血液検査 生理検査含む )242 件 5 食事変更提案件数 95 件 6 栄養指導提案件数 509 件また 臨床検査部 薬剤部 栄養管理室合同ラウンドチ-ム ( 外来患者バ-ジョン ) においては 糖尿病と高脂血症治療薬を処方されている患者リストから 血液検査と栄養指導有無を確認後外来主治医に各種提案を電子カルテの掲示板に入力を実施した 2016 年度実績は各種提案掲示板入力実施患者数 227 件であった 3) 特徴と展望栄養管理室は 当院の対象疾患である精神疾患 神経難病 筋疾患等で不規則になりがちな生活習慣および栄養管理上の諸問題に対してチ-ム医療を基本とし 貢献していきたい 総合内科部栄養管理室入院時食事療養数等入院 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度食事療養数合計 ( 食 ) 482, , , , , , , , , ,894 加算特別食 ( 食 ) 95, , , , , , , , , ,333 特別食加算率 19.7% 22.7% 28.9% 34.5% 43.3% 45.3% 42.9% 40.9% 40.5% 33.1% デイ ナイトケア 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度 デイケア食 ( 食 ) 8,968 7,314 7,934 9,705 13,941 13,941 9,889 8,254 7,902 ナイトケア食 ( 食 ) 栄養管理実施加算状況 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度栄養管理実施加算件数 149, , , , ,078 管理栄養士臨地実習受託状況 2007 年度 2008 年度 2009 年度 2010 年度 2011 年度 2012 年度 2013 年度 2014 年度 2015 年度 2016 年度延べ実習人数

91 Ⅳ 業務状況 19 臨床研究推進部 19 臨床研究推進部 1) 概要 (1) 目的病院における臨床研究の強化を図るために 臨床研究推進部が 2013 年に設置された 臨床研究推進部は 臨床研究 治験の実施の支援などに関わる臨床研究 治験推進室と 多施設共同研究事務局支援などに関わる研究管理 調整室の 2 室から構成される (2) 主な業務内容 1 臨床研究 治験推進室臨床研究コーディネーター (CRC) による 臨床研究 治験に参加した患者へのサポート 製薬会社への対応 臨床試験審査委員会の事務局業務 治験薬の管理業務 関係資料の保管 管理など 2 研究管理 調整室 NCNP 内に設置される多施設共同臨床研究中央事務局の支援 病院臨床研究推進委員会事務局の業務など (3) スタッフ紹介臨床研究推進部長 : 小牧宏文 ( 医師 ) 1 臨床研究 治験推進室長 : 中村治雅 ( 医師 ) 副臨床研究 治験推進室長 : 山岸美奈子 ( 薬剤師 ) 臨床研究 治験推進係長 : 藤生江理子 ( 看護師 ) 臨床研究 治験推進主任 : 吉安美和子 ( 薬剤師 ) 臨床研究コーディネーター :13 名 ローカルデータマネージャー 1 名 事務 :5 名 2 研究管理 調整室長 : 小牧宏文 ( 併任 ) 研究管理 調整係長 : 五郡直也 ( 看護師 ) 事務 :2 名 2) 実績 (1) 治験などの実施件数および症例数 2016 年度の治験実施状況は 総契約課題数 69 件 実施症例数 217 例 ( うち国際共同治験 96 例 ) 医師主導治験については 2 件 (2016 年度新規 1 件 ) 実施した また First in Human 試験の企業治験を 1 件実施した (2) 患者および国民への治験の啓発 2017 年 3 月に治験市民講座 統合失調症の診断と治療の最前線 を開催し 治験に関する普及啓発に努めた (3) NCNP 主幹の多施設共同臨床研究の支援多施設共同臨床研究の 2 つの中央事務局の支援を実施した (4) 臨床研究などへの支援臨床研究ネットワークや多施設共同研究の事務局業務 多施設共同臨床研究スタディーマネジメントなどを担っている 3) 特徴と展望企業治験に限らず 研究所で見出したシーズをヒトに初めて投与する早期探索的臨床試験や医師主導治験も支援するなど 精神 神経 筋 発達障害領域の研究開発を推進する役割を担ってきた 引き続き臨床研究 治験の円滑かつ効率的な運営 実施支援 ならびに多施設共同臨床研究の推進を目指していきたい 91

92 Ⅳ 業務状況 20 医療安全管理室 20 医療安全管理室 1) 概要 (1) 目的医療安全管理室は 平成 16 年に組織横断的に院内の医療安全を担うため設置された (2) 主な業務内容 1 医療事故情報の収集分析 2 事故調査と対策の立案 3 教育研修 4 予防活動 5 医療機器安全管理 および 6 医薬品安全管理 (3) スタッフ構成医療安全管理室長 ( 瀬川 和彦 総合内科部長 ) 医療安全管理係長( 梅津 珠子 看護師 長 ) 医療安全管理係( 近藤 保代副看護師長 ) 感染管理認定看護師( 小澤慎太郎副看 護師長 ) 医療機器安全管理責任者( 安田聖一臨床工学技士 ) 医薬品安全管理責任者( 高 崎 雅彦 薬剤部長 ) 2) 業務実績 (1) 医療事故件数と対応 2016 年度に報告されたヒヤリハットの件数は 3565 件で その内訳は多い順に薬に関すること 転倒転落 食事に関することであった アクシデントの件数は 27 件で その内訳は多い順に転倒転落 チューブ管理 怪我 であった 2016 年度は チューブ管理に関するアクシデントが 2015 年度と同じ 6 件だったが それ以外は全て減少している チューブ管理の中で 特に胃瘻チューブが抜去されることについては 入院時と 1 週間に 1 回のチェック機能を定着させた ヒヤリハット報告数は 2015 年度と比較し 876 件増加したが アクシデントは 21 件減少した これは患者影響レベル 0 でも積極的な報告があったことで 事象の共有と対策によってインシデントレベルで治まっていると評価できる (2) 医療安全のための委員会の開催 医療安全管理委員会を 毎月開催した リスクマネージメント部会は月 1 回 (8 月以外 ) 開催した 医療事故防止を目的に転倒転落 内服 医療機器 チューブ管理 患者間違いの 5 つのワーキンググループに分けリスクマネージメント部会の活動をした (3) 医療安全対策予防及び周知ヒヤリハットニュースを 20 回発行し 日本医療機能評価機構や PMDA から発信された医療安全情報もタイムリーに院内へ配信し周知した 医療安全研修を 44 回実施した ( 詳細は V 研修 教育を参照 ) 3) 特徴と展望当院における医療安全管理の特徴は 対象疾患である精神疾患 神経難病 筋疾患等で生じやすい医療安全上の課題に対応して発展してきた 主に転倒転落 怪我 自殺についてである 転倒転落に関しては 入院時過去 1 年間の転倒歴や対策について 電子カル掲示板で情報共有ができる確認方法で転倒転落防止に努めた また環境面では 緩衝マットや離床センサーなど必要な備品の調査を行い必要数購入し 怪我を防止する対策に力を入れた ベッドサイドで使用するオーバーテーブルについても 手元でロック操作ができるより安全なタイプに変更したことにより ロックのかけ忘れやつまずいて転倒に繋がる危険度を低減できた 2017 年度は 転倒転落に対する適切なアセスメントと予防を実践するため 経験値の差があっても同じ対策が導きだせる方法について検討する また 適切なアセスメントのもと自殺予防対策を行うため 自殺リスクアセスメントシートを見直した 2017 年度に活用し評価していく 医療安全対策の標準化を推進するとともに 医療安全の質の向上を目的に NC 病院間で医療安全相互チェックの実施がされ 改善計画のもと継続的に課題の達成に向けて医療安全の質向上を目指す 92

93 Ⅳ 業務状況 21 院内感染防止対策委員会 21 院内感染防止対策委員会 1) 概要 (1) 目的当院における院内感染症 ( 疑いを含む ) の発生を未然に防止するとともに 感染症が発生した場合は その対応を 迅速かつ適切に行うことにより速やかに終息を図ることを目的とする (2) 主な業務内容当院の院内感染に関する 1 調査及び防止対策の立案 2 防止対策の実施及び指導 3 職員の教育及び研修 4 情報収集及び広報 5 マニュアル作成 6 その他必要と認められる事項を行う (3) スタッフ構成財務経理部長 ( 中澤敏和 ) 総務課長( 平田敏昭 ) 医事室長( 西沢智明 ) 医事専門職( 谷口和則 ) 入院 外来係長 ( 山谷浩 ) 院長 ( 村田美穂 ) 副院長 感染防止推進部会長( 三山健司 ) 各診療部長 5 名 薬剤部長 ( 田島芳夫 ) 栄養管理室長( 今泉博文 ) 臨床検査技師長( 内野厳治 ) 感染対策担当薬剤師 1 名 臨床検査技師 ( 細菌検査担当 )1 名 看護部長 ( 町屋晴美 ) 副看護部長 ( 西村武彦 五十嵐美和 ) 医療安全管理者 1 名 感染管理認定看護師 1 名 2) 実績 (1) 感染症対応 2016 年度に対応した代表的な感染症事例はデイケア水痘事例 (12 名の接触者対応発生 ) 療育指導室と栄養管理室での流行性耳下腺炎事例であった 職員のワクチン接種が徹底されていなかったことも要因だったため 当センター病院内における4 種ウイルス性疾患の感染防止対策基準を 総務課と連携し構築した 針刺し事例は29 名が対象 ( 針刺し6 名 粘膜曝露 6 名 咬創 5 名 引っ掻き11 名 その他 1 名 ) (2) 感染管理のための委員会の開催院内感染防止対策委員会は毎月開催し 規定 マニュアルを 32 項目改訂した 感染防止推進部会と看護部感染対策委員会は月 1 回同日に開催 全部署への感染対策活動の周知 実践を目的に開催し 院内ラウンド 感染症対策教育を行った (3) 感染対策及び周知 ICT ニュースを 26 回 その他感染症関連情報を 44 回発信した (4) 感染対策研修全 34 回研修を実施 参加者累計は 2619 名だった その内 全職員対象の研修を 2 回開催し 共に合格率 100% であった また ICT として初めて医師向けの研修を実施した (5) 診療報酬に対する取り組み感染管理対策加算 Ⅰ に対する取り組みとして 公立昭和病院と連携し 加算 Ⅱ の 5 施設対象に地域連携カンファレンスを年 6 回開催 ( うち主催は 2 回 共催が 2 回 ) 感染防止対策地域連携加算に対する取り組みとして 公立昭和病院 多摩北部医療センターと 相互ラウンドを実施 (6) 感染対応関連物品の見直し 3 種類の物品見直しを実施 ( 環境清拭除菌クロス サージカルマスク シールドマスク ) 総計で年間 2,470,220 円削減が見込まれる 3) 特徴と展望当院における感染対策の特徴として 免疫抑制剤の使用や神経難病 筋疾患等の影響による易感染患者や 理解力 認知力の低下が著しい精神疾患患者といった対象者の特性を常に考慮して対応する必要性が挙げられる 易感染患者の存在は感染症の単発事例のみならず 院内でのアウトブレイクを引き起こすリスクが高いと考えられる そのため当院においては 感染症発生時の迅速かつ適切な対応を行う上で こういった現状を常に考慮しなければならない 精神疾患患者に対しては セルフケア能力の低下が引き起こす感染症発生のリスクも大きいため 患者教育が非常に重要になる これまでも病棟のリンクスタッフを中心に 精神科病棟においては手洗い指導を毎年実施しており効果を上げている 今後も継続しアウトブレイクの予防に努める必要がある 院内の感染対策は 発足後 13 年目を迎えたICTが中心となり活動している 感染症対策に関してのリーダーシップはICTが担っている 今年度は病院機能評価受審を控えていたため 現場へのラウンド中心にリンクスタッフは活動していた 次年度はラウンドに加え 今年度向上した感染対策レベルの維持 向上を目標としてリンクスタッフが活動できるよう注力していきたい 93

94 Ⅳ 業務状況 22 療育指導室 22 療育指導室 1) 概要 (1) 目的児童福祉法における 医療型障害児入所施設 での契約及び措置による重症心身障害児 肢体不自由児 ( 進行性筋ジストロフィー症 ) 障害者総合支援法における 療養介護 での契約による重症心身障害者 進行性筋ジストロフィー症者の方への日中活動支援を行うと共に 利用契約児 者様やご家族様の悩み事や 各種制度の相談など 長期契約者様の福祉部門を担当する部署となる (2) 主な業務内容医療と福祉そして教育が連携しながら行うことを基本とし サービス等利用計画に基づいて作成された個別支援計画に基づき 専門性を生かした利用契約児 者の成長発達の促進や QOL の向上 さらに自己実現への支援を行っている その中で児童指導員は 利用契約者の活動に必要不可欠な社会資源の利用と 行政機関 院内各部門 利用契約者家族 後見人 地域社会等との連絡調整や相談を通して支援を行っている また サービス管理責任者 児童発達管理責任者として個別支援計画作成の中心的役を果たしている 保育士は 日中活動支援の中心となり 療育活動や様々な行事を通して生活経験の拡大を図るとともに 心身の安定と体調に配慮しながら生活範囲の拡大や生活支援を行っている また サービス管理責任者 児童発達管理責任者として個別支援計画作成の中心的役を果たしている (3) スタッフ紹介小児神経診療部長 ( 佐々木征行 ) 療育指導室長 ( 今井雅由 ) 主任保育士 ( 鈴木志保子 ) 児童指導員 3 名 保育士 ( 常勤 4 名 非常勤 4 名 ) 2) 実績 (1) 医療型障害児入所施設 療養介護 ( 重症心身障害児 者 ) 身体的機能 年齢 能力に配慮した生活リズムの獲得 嚥下機能の改善と摂食支援 姿勢保持を考慮した車椅子作製等の ADL 支援 生活空間の拡大 社会や地域 人との交流を目的とした誕生会 季節行事 バス遠足 グループ活動を実施した また残存機能の維持や感受性の維持向上を目的とした集団療育や個別支援を実施する中で QOL 向上につながる支援を実施した (2) 医療型障害児入所施設 ( 進行性筋ジストロフィー症児 ) 学習支援や趣味の活動への支援 社会や地域 人との交流をバス遠足や外出活動 季節行事を実施 また精神面への支援 自己実現を目的とした個別活動への支援を行った (3) 療養介護 ( 進行性筋ジストロフィー症者 ) 利用者の多くが人生の中途で病気となり在宅での生活が困難となって入院に至っている為 利用者御自身の自主性を尊重し 療養介護生活の拠点として 豊で文化的な生活が送られるよう余暇活動の支援や行事を実施した また医療 看護と連携しながら外出支援を実施した 3) 特徴と展望個別支援計画に基づき 成長発達を促すこと QOL の向上に向けたサービスを提供していくことが大きな特徴である 今後とも障害福祉制度変革に対応する中で 院内各部門との連携及び院外各機関と連絡調整を図りながら対応していきたい 特に 平成 30 年 3 月末までの有期限措置であった医療型障害児入所施設と療養介護が一体的に実施できる特例措置が恒久化したことに伴い 入所者の年齢や状態に応じた適切な日中活動の提供 が成文化された事に対しては 実績の積み重ねの中で 更なる構築を図っていきたいと考える また高度専門医療センターとしての情報発信も重要な役割と考える 94

95 Ⅳ 業務状況 23 アドボカシー委員会 23 アドボカシー委員会 1) 概要 (1) 目的アドボカシー委員会は 患者さんと家族からの苦情 要望 その他の相談をうけて 病院としてその権利擁護等を図るために組織された 事務局は医療福祉相談室である 2008 年 8 月 1 日より 当院利用者 ( 患者さんと家族 ) 等の苦情 要望 相談 医療安全に関する問題に対応するために総合相談室運営委員会が組織され 医療なんでも相談窓口 が設置された 2011 年 4 月 1 日より 医療福祉相談室が窓口となった 2011 年 7 月 1 日に 当院のアドボカシー機能 ( 患者の権利擁護機能 ) をより強化するために総合相談室運営委員会を廃止し アドボカシー委員会がスタートした (2) 主な業務内容アドボカシー委員会は月 1 回開催される 患者 家族の相談等は医療福祉相談室が受け止める ただし 患者 家族は直接に医事室他の部門に申し出ることを妨げない 医事室での対応 および ご意見箱 による投書を含めて アドボカシー委員会で対応を協議し 適切で整合性ある対応をはかっている なお 相談内容によって医療安全管理が必要な場合には 医療福祉相談室長は受付 報告書を医療安全係長に報告している また 苦情それ自体は適法な主張であるが 暴行脅迫等犯罪的な態様や内容をともなう場合は違法性を帯びてくる その場合には 迷惑行為防止対策委員会との連携をはかっている (3) スタッフ構成 (2016 年 4 月 1 日 ) 委員長 ( 岡﨑光俊特命副院長 ) 委員は外来部長 ( 中川栄二 ) 看護部長 ( 町屋晴美 ) 副看護部長 ( 五十嵐美和 ) 医療安全管理係長 ( 梅津珠子 ) 外来師長 ( 武田裕美 ) 医事室長 ( 西沢智明 ) 総務係長 ( 窪田満 ) 医療社会事業専門職 ( 島田明裕 ) 2) 実績 2008 年以降の医療なんでも相談窓口と 2011 年度以降の医療福祉相談室で受けた苦情要望の件数は 以下のとおりである 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 計 2008 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 年度 ) 特徴と展望医療福祉相談室が医療なんでも相談窓口を引き継いで以降 苦情要望の件数は減少した 精神保健福祉士および社会福祉士 ( 医療ソーシャルワーカー 以下 MSW) が受容傾聴しつつ整理していくと 相談者の言いたい内容が解きほぐされていく MSW は 医療を受ける権利などの生存権や自由権等を擁護して生活の安定を図ることを目指しており 単に不満を聞いていわゆるガス抜きをして終了させることはない 当院の アドボカシー委員会 システムも院内の苦情解決機構として有効に機能している なお 平成 24 年度の診療報酬改定で 患者サポート体制充実加算 が新設された 全国的にもアドボカシー委員会の業務標準化と均てん化が求められていることから 当病院での実践を全国に発信できるように質を高めていきたい 95

96 Ⅳ 業務状況 24 医療情報室 24 医療情報室 1) 概要 (1) 目的 当院で稼働中の病院情報システム ( 電子カルテシステム オーダリングおよび部門システム ) の運用 管理を行う部署である (2) 主な業務内容電子カルテシステムをはじめとする病院情報システムの運用管理 利用者からの操作問い合わせ 障害連絡対応 システム改善に向けた課題 要望案件の対応 診療データ二次利用による診療および臨床研究支援などの業務を行っている (3) スタッフ構成医療情報室長 : 波多野賢二 ほか業務委託オペレータ 2 名 2) 実績 (1) 病院情報システムの運用平日日中は業務委託オペレータ2 名による体制で 利用者から電話やメールで寄せられる操作に関する問い合わせ 障害連絡等への対応を行っている それに加え システム運用維持に欠かせない利用者管理 サーバ ネットワークおよび端末管理 マスタメンテナンス等の業務を実施している 2016 年度は 全システム停止につながるような大きなトラブルの発生もなく メンテナンス作業等による若干の停止を除き ほぼ全日のシステムの連続稼働を果たした (2) システムの環境整備と改善に向けた取り組み利用者から寄せられる システムに関する問題点 改善が望まれる要望は システム課題として進捗管理し 逐次システムベンダと協議を重ね対応を進めている 2017 年 9 月に予定されているシステムの全面更新に向けて 1 月よりシステム更新プロジェクトが立ち上がり 当室でプロジェクトの事務局業務 病院各部門およびベンダとの各種調整業務に当たっている (3) 情報システム利用者研修毎年 4 月の新採用者オリエンテーションにおいて 集合講義形式の研修を実施している 研修では 端末の操作方法に加え 診療情報セキュリティについて利用者への周知を行っている (4) データ二次利用による診療 臨床研究支援医療研究センターの病院部門として 病院情報システムに日々蓄積される診療データを二次利用し 診療 病院業務 に加えセンターで実施される臨床研究を支援する取り組みを行っている 臨床研究支援に関しては 個別の研究に対しデータ提供を行うことに加え 疾患レジストリやバイオリソースデータベース等の臨床研究情報システムと電子カルテシステムの情報連携の環境開発を進めている 3) 特徴と展望精神神経領域の高度先進医療と疾患研究を担う当センターのミッションに対し 情報技術の面から貢献することが当室の役割である 電子カルテを含むフルパッケージの病院情報システムの運用を担いつつ 研究部門との情報連携も担当する部署としては マンパワーも利用できるリソースも大変限られているのが現状であるが 可能な範囲で目標達成に向け努力していきたい 96

97 Ⅳ 業務状況 25 教育 研修室 25 教育 研修室 1) 概要 (1) 目的 各科における初期 後期臨床研修医への教育を円滑に行うために 病院としての体制の構築 支援を行うことを目的としている (2) 主な業務内容主な業務内容は 初期臨床研修医を協力型病院として受け入れること 後期臨床研修医受け入れのために レジデント教育プログラムの作成 レジデントリクルート レジデント採用の選考などである (3) スタッフ構成教育 研修室長 ~ 大和滋 ( 総合内科診療部長 ) ~ 有馬邦正 ( 第一精神診療部長 特命副院長 副院長 ) ~ 中込和幸 ~ 岡﨑光俊 ( 第一精神診療部長 特命副院長 ) 2) 実績 (1) 初期臨床研修医の受け入れ初期臨床研修医の教育に関して 当センターは協力型病院に指定されており 基幹型病院である災害医療センター 公立昭和病院 東京北医療センター 多摩北部医療センターの4 施設から精神科 28 名を受け入れた (2) 後期臨床研修医の受け入れ平成 28 年 10 月から11 月にかけて合計 2 回の後期臨床研修医採用試験を実施した 平成 29 年度の新規採用レジデント チーフレジデント 上級専門修練医総数は 精神科 7 名 神経内科 4 名 神経病理 1 名 小児神経科 5 名 司法精神医学 3 名 リハビリテーション科 1 名で合計 25 名であった 平成 28 年 3 月時点でレジデント 45 名 チーフレジデント 4 名 上級専門修錬医 3 名であった 3) 特徴と展望精神神経領域の専門医を育成することは当センターの重要なミッションである また 当センターで専門教育を受けた医師らが全国で活躍することは医療の均てん化に繋がる レジデントの教育は各科に任せられている状況であるが 当室としては 当センターの特徴を生かし 全体としてのシステムの改善 研修環境の整備などに取り組んでいきたい 97

98 Ⅳ 業務状況 26 病院臨床研究推進委員会 26 病院臨床研究推進委員会 1) 概要 (1) 目的 平成 24 年度に NCNP 発のシーズによる医師主導 First in human 試験が開始され 平成 25 年度にも新たな First in human 試験が開始された その他にも多くの侵襲を伴う介入研究が 当院で行われるようになった 病院臨床研究推進委員会は これらの臨床研究のさらなる推進のため 安全性の確保と実施体制の問題を解決することを目的とする (2) 主な業務内容当該研究の安全性 当院での実施体制 ( 実施するために必要な手順 必要な準備などの助言を含む ) の検討 (3) スタッフ構成委員長は 岡崎特命副院長が務めている 村田院長 三山副院長 佐々木特命副院長 小牧臨床研究推進部長 町屋看護部長 小川企画医療研究課長の計 7 名で委員を構成し 五郡研究管理 調整係長が事務を担当している 2) 実績原則的に毎月第 4 金曜日 8 時から 9 時まで開催された 平成 28 年度は 審議事項として 6 件 報告事項として10 件が取り上げられ 安全性 実施体制に関する検討が行われた 3) 特徴と展望臨床研究に関する法制化等 臨床研究を取り巻く昨今の趨勢に対応できるように NCNP 内の関係部署と連携していく 98

99 Ⅳ 業務状況 27 筋疾患センター (Muscular Disease Center) 27 筋疾患センター (Muscular Disease Center) 1) 概要 (1) 目的 筋疾患の診療を包括的に行う 多部門多職種が連携した診療 研究チームである 当センターは 数十年にわたる筋疾患の診療 研究の実績を有しており また40 年以上にわたり運営されてきた筋ジストロフィー研究班でも中心的な役割を担ってきた 筋疾患センターは それらの経験をもとに 集学的な手法を用いて 筋疾患の医療の進歩に貢献していくことを目的としている (2) 主な業務内容多部門連携の診療体制の構築 専門外来 ( 小児神経診療部 神経内科診療部 身体リハビリテーション部 整形外科など ) 症例検討会 市民公開講座 トランスレーショナルリサーチを念頭におき病院 研究所 トランスレーショナル メディカルセンターなどが密に連携しグループを構築し 臨床研究 治験を強力に推進している (3) スタッフ構成筋疾患センター長 ( 小牧宏文 ) 小児神経診療部( 小牧宏文 佐々木征行 石山昭彦 竹下絵里 本橋裕子 ) 神経内科診療部( 大矢寧 森まどか 髙橋祐二 ) 身体リハビリテーション部( 小林庸子 岩田恭幸 ) 外科( 三山健司 ) 飲みこみ外来( 山本敏之 ) 歯科( 福本裕 ) メディカルゲノムセンター 遺伝カウンセリング室 ( 後藤雄一 竹下絵里 杉本立夏 ) 臨床研究推進部 ( 小牧宏文 中村治雅 太幡真紀 ) トランスレーショナル メディカルセンター( 小牧宏文 中村治雅 木村円 竹内芙美 ) 神経研究所( 武田伸一 西野一三 青木吉嗣 ) 2) 実績 (1) 診療日本全国から筋疾患の診療の紹介をうけている 日本の筋病理診断センターとしての役割を担っており 神経研究所疾病研究第一部 メディカルゲノムセンターと病院が連携し 最新の知見に基づく正確な診断を提供している 毎月第 4 火曜日に専門外来を開設している またその時間にあわせて家族 患者間のコミュニケーション 自立活動をはかるためのプログラムも行っている 咬合不全 口腔ケアなどの問題に対する歯科治療を提供している 安静時エネルギー消費量などをもとに客観的な評価による栄養相談を提供している のみこみ外来による誤嚥などの飲み込みの問題に対して正確な評価と対応を検討している 経口摂取のみで栄養維持が困難となった場合など 胃ろうの造設 管理を行っている 筋疾患に対して適切な整形外科的対応を提供している 筋疾患をもつ麻酔にはいくつかの注意点があるが 病態に応じた適切な麻酔を提供している 当院通院患者 家族が主体となって運営している筋ジストロフィー家族会の運営をサポートしている 患者会主催の患者相談会 患者家族対象とした外部講演会 患者会誌などへの医療情報提供を行っている (2) 合同臨床検討会 (Clinical myology conference)( 詳細はⅤ 教育 研究を参照 ) 研究所 ( 疾病研究第一部 ) 病院( 神経内科診療部 小児神経診療部 身体リハビリテーション部など ) との合同の臨床カンファランスを実施している (3) 論文 講演原著論文 総説 講演など多くの実績がある 重複するので 各科の業績を参考のこと 99

100 Ⅳ 業務状況 27 筋疾患センター (Muscular Disease Center) (4) 市民公開講座 医療の均てん化を目標に年 1 回開催している 今年度は 7 月 2 日に当センターで開催し 132 名 の参加者のもと 講演 実技指導 医療相談などを行った (5) 臨床研究 筋疾患を対象とした多くの治験を実施してきている 各部門が連携し 筋疾患の臨床試験を含む先進医療を開発していくための体制作りを2007 年より行っている 治験に向けた準備の一環として 筋ジストロフィー研究班を通して筋ジストロフィー患者登録システム (Remudy) の運営管理を担っており ジストロフィン異常症 GNEミオパチー 筋強直性ジストロフィー 先天性筋疾患を対象に2000 名を超える患者登録が得られている 米国小児医療センターを中心とした筋ジストロフィー臨床研究グループ (CINRG) の正式メンバーとなり エクソンスキップの治験などを推進していく基盤体制作りを行っている ヨーロッパの神経筋疾患臨床研究グループ (Treat-NMD) との連携を積極的に行っている アジア オセアニア筋学センターならびに世界筋学会で中心的な役割を果たし 先端医療情報の交換を積極的に行っている 研究所と病院内のみでなく 規制当局や製薬企業などとも積極的に意見交換を行っている Treat- NMD Newcastle 大学との共同研究で ジスフェルリノパチー臨床アウトカム研究を行っている デュシェンヌ型筋ジストロフィーにおける心臓イベントの発生と予防に関する国際共同研究を行っている ベッカー型筋ジストロフィーと精神疾患の臨床研究を精神科 臨床検査部 神経研究所 トランスレーショナル メディカルセンターなどと共同で実施している 筋ジストロフィー臨床試験ネットワーク (MDCTN) を2012 年 12 月に発足させ 当センターでネットワーク事務局を運営している 3) 特徴と展望筋疾患センターは多部門が有機的に連携した診療 ならびに研究活動を展開している 当センターの特徴を生かし 診療 臨床研究 トランスレーショナルリサーチの推進が図れていると考えている MDCTNとRemudyが連携することで 医師主導治験や企業治験の実施可能性調査 ならびに患者組み入れに貢献した 今後は国が推進しているクリニカル イノベーション ネットワーク構想を見すえ 当センターが筋疾患における研究開発に今以上に寄与できる体制の実現を目指していきたい 100

101 Ⅳ 業務状況 28 てんかんセンター 28 てんかんセンター 1) 概要 (1) 目的てんかんは 乳幼児 小児から成人 高齢者に至る様々な年令層に発症する非常に多い神経疾患であり ( 全国 100 万人 ) てんかん医療の発展には 乳幼児から高齢者までの幅広い年令層を対象とする幅広い診療科横断的な対応と 病態解明のための神経科学研究 社会医学的対応が不可欠である 当てんかんセンターは てんかんの診断 治療 研究 教育及び社会活動に関わる包括的な医療 研究事業を全センター的に推進するために設立され センター内の各部門の協力の下 小児神経科 精神科 脳神経外科 神経内科のてんかん専門医 14 名 ( 指導医 6 名 ) を中心に 乳児から高齢者まであらゆる年代に対応し 診断から薬物治療 外科治療までの高度なてんかん専門医療を行い 早期の適切な治療を行っててんかんによる脳障害の発生を未然に防ぎ 小児では発達障害の改善と予防 成人では生活の自立と就労等 QOL 向上を目指し また研究所と連携しててんかんの原因や病態の解明を目指している さらに 厚生労働省てんかん地域診療連携体制整備事業のてんかん診療全国拠点に採択され 全ての人によりよいてんかん医療を目指している (2) おもな事業内容 1 難治てんかんの診断と治療 リハビリテーション 2 てんかんに関する基礎および臨床研究の推進 3 多施設共同研究 臨床治験の推進 4 新規治療技術の開発 5 てんかん専門医及びメディカルスタッフの育成 6 てんかんの社会啓発 7 地域診療ネットワークの構築 8 国内外の学会及びてんかん診療施設との協力活動 等を行い 今年度から 9 てんかん地域診療連携体制整備事業全国拠点事業が加わった (3) スタッフ構成てんかんセンター長 : 須貝研司 ( 小児神経科主任医長 ) 小児神経科 : 佐々木政行 ( 部長 ) 中川栄二 ( 外来部長 ) 齋藤貴志( 医長 ) 石山昭彦( 医師 ) 竹下絵里( 医師 ) 脳神経外科: 岩崎真樹 ( 部長 ) 金子裕 ( 医師 ) 池谷直樹( 医師 ) 木村唯子( 医師 ) 精神科: 岡崎光俊 ( 部長 ) 渡辺裕貴( 医長 ) 渡邊さつき( 医師 ) 村田佳子 曾根大地( 上級修練医 ) 神経内科: 金澤恭子 ( 医師 ) 放射線診療部: 佐藤典子 ( 部長 ) 木村有喜男( 医長 ) 病理部: 齋藤裕子 ( 医長 ) 佐野輝典( レジデント ) リハビリテーション部: 小林庸子 ( 医長 ) 早乙女貴子( 医師 ) 看護部 : 山口容子 (3 南師長 ) 山口しげ子 (4 南師長 ) 長浜千秋 ( 看護師 ) 検査部 : 近野さつき ( 脳波検査技師 ) 医療福祉部: 漆畑眞人 ( 室長 ) 心理室: 稲森晃一 ( 心理士 ) 疾病研究二部 : 伊藤雅之 ( 室長 ) 病態生化学: 星野幹雄 ( 部長 ) 田谷真一郎( 室長 ) 早瀬ヨネ子( 研究員 ) 知的障害研究部: 稲垣真澄 ( 部長 ) 加賀佳美( 室長 ) IBIC 画像研究部 : 花川隆 ( 部長 ) 2) 実績 (1) 診療平成 28 年 1 月 ~12 月におけるてんかんの外来新患数は合計 819 名 ( 小児神経科 332 脳神経外科 180 精神科 307) 新入院患者数は合計 990 名 ( 小児神経科 624 脳神経外科 130 精神科 236) てんかん外科手術件数は 89 件 ( うち小児 62 件 ) であった ビデオ脳波モニタリングの症例数は合計 545 名 ( 小児神経科 372 脳神経外科 51 精神科 115 神経内科 7) のべ件数は 1661 件 ( 小児神経科 907 脳神経外科 181 精神科 546 神経内科 27) であった 手術検体 46 件を病理および研究所に提出した 1500 小児科脳外科精神科 てんかん外来新患数 1500 小児科脳外科精神科 てんかん新入院数

102 Ⅳ 業務状況 28 てんかんセンター 皮質切除多葉 半球離断脳梁離断頭蓋内電極留置迷走神経刺激 手術件数 (2) 教育毎週 症例検討会 手術症例検討会 てんかん朝ゼミを各 1 回 術後症例検討会 (CPC) を月に 1 回開催し 診療内容の向上とレジデント教育を行った これらの検討会を他施設へもオープンにし 施設外医師への教育も行った 当センターレジデント出者 2 名がてんかん専門医に合格した 看護師 1 名が全国てんかんセンター協議会てんかん診療ツール作成委員として参画した (3) 研究 1) 診療情報の解析 ( 小児 精神 脳外 放射線 ) 2) 手術検体の病理学的 遺伝子学的研究 ( 病理 疾病研究二部 脳外 ) 3) 脳磁図解析 ( 脳外 小児 精神 ) 4) 発達 行動解析 ( 小児 知的障害部 ) 5) 病院部門の筆頭原著論文は PubMed 掲載論文数 7 本 医学中央雑誌掲載論文数 4 本 6) てんかん関連データベースの作成 :2005 年 4 月 ~2017 年 3 月の小児神経科新患 それ以前からの通院患者 新病院開設の 2010 年 9 月末 ~ 2017 年 3 月までの 3 南病棟入院の小児神経科患者から 重複を除いててんかん けいれん性疾患 熱性けいれんを示すもの 3660 名の臨床情報を入力 2011 年 1 月 ~2016 年 10 月までのてんかんセンター新患台帳 5457 名 ( 小児神経科 1873 脳神経外科 1139 精神科 2445) 入院台帳 4506 名 ( 小児神経科 2474 脳神経外科 674 精神科 1358) を作成 (4) 社会活動 政策への貢献てんかん地域診療連携体制整備事業のトップである全国拠点機関に採択され 全国てんかん対策連絡協議会を開催し てんかん地域診療連携体制の現状と背景 実際 工夫 効果 課題 に関する報告書を作成 配布した 地域におけるてんかん診療連携を行政でも推進するため 全国てんかん診療ネットワークの地区別登録施設名簿と全国てんかんセンター協議会の施設名簿を全国 550 カ所の保健所に送付した 厚労科研費による希少難治てんかんレジストリ研究班で扱った 27 の疾患のうち 22 の難治てんかんが指定難病となり その中の 3 疾患を難病センター web サイトで担当した てんかんの普及 啓発のため 一次診療の底上げのため一次診療を行う医師向けにてんかんセミナー 重症心身障害医療に関わる医療関係者向けと歯科医師 歯科衛生士にてんかんの講演を行い また患者 家族がわかりやすいように 役立つようにてんかんセンターのホームページを改定した 日本てんかん学会 関連学会の様々な委員会活動に委員長 委員として参加し また 日本のてんかん学会 小児神経学会 神経学会の 4 つのてんかん関係ガイドライン作成に参画した 3) 特徴と展望当施設は 小児神経科 脳外科 精神科 神経内科の全臨床領域のてんかん学会専門医を 14 名 ( うち 指導医 6 名 ) 擁し てんかんに対する高度診断機器を備え 乳幼児から高齢者まで幅広い年齢層の難治性てんかんに対応し 乳幼児てんかんの外科治療からてんかん性精神病合併など 多施設では治療困難な症例に対応できることであるが 神経研究所 精神保健研究所をはじめ センター内各部門との連携を深めることで臨床研究 基礎研究を推進し 多くの政策提言などの社会的貢献を果たせる施設に成長することが課題である また てんかん診療全国拠点機関として 1) てんかん地域診療連携体制の調査 提言 2) てんかん高次診療の向上と情報発信 2) 専門医の養成とプライマリケア医師の研修 3) メディカルスタッフ 保健行政関係者の研修 4) 一般市民への啓発活動 5) てんかん地域診療連携ネットワークの形成 を行う必要がある 102

103 Ⅳ 業務状況 29 多発性硬化症センター (Multiple Sclerosis Center) 29 多発性硬化症センター (Multiple Sclerosis Center) 1) 概要 (1) 目的 多発性硬化症センターは 国立精神 神経医療研究センターで多発性硬化症および関連疾患 ( 視神経脊髄炎など ) の臨床と研究にかかわる部門が連携し 最先端のレベルの診療と臨床研究を包括的に行う NCNP は多発性硬化症の基礎研究では国際的に見ても最先端のレベルにあるが その学術的成果を臨床レベルの向上 新規治療法の開発につなげることを目的とする (2) 主な業務内容多部門の医師 研究者が参加する診療カンファレンス 招聘講師によるMS カンファレンス 海外著名研究者による特別講演などの開催を行う他 患者団体と共催で開催するシンポジウムやフォーラムの企画 実行 患者 家族 医療関係者を対象にした医療講演会の実施 NCNP における患者向け講演会 医療相談会 啓蒙的書籍の原稿執筆などを担当する また NCNP 神経研究所で得られた治療 診断技術のシーズを元に行うトランスレーショナルリサーチと臨床研究で中核的な役割を担う いずれもMS の医療レベルの向上に直結するものである (3) スタッフ構成多発性硬化症センター長 ( 山村隆 ) 病院神経内科医師( 岡本智子 * 林幼偉 荒木学) 病院精神科 ( 野田隆政 ) 病院放射線科( 佐藤典子 ) 病院小児科( 齋藤貴志 ) 神経研究所免疫研究部 (* 佐藤和貴郎 大木伸司 門脇淳 小野紘彦 金澤智美 土居芳充 大迫美穂 竹脇大貴 蓑手美佐子 松岡貴子 Ben Raveney 木村公俊 池口亮太郎 佐久間啓)* 運営幹事 2) 実績 (1) 診療全国各地から診療やセカンドオピニオンの紹介をうけている 近年我が国で承認された新薬 外来ステロイドパルス療法 血液浄化療法 ( 免疫吸着療法 ) 免疫抑制療法など 全国的に見れば充分には普及していない治療法の経験が豊富にある また視神経脊髄炎 (NMO) に対する新規治療として 関節リウマチ治療薬トシリズマブ ( 抗 IL-6 受容体抗体 ) の適応外使用も実施し 世界中から注目されている (2) カンファレンス MS 診療カンファレンス ( 各 分 ) は年間約 30 回実施し 招聘講師によるMS カンファレンス ( 各 2 時間 ) を3 回開催した (3) 論文マウス腸管上皮にMSの動物モデルEAEを抑制する新たなリンパ球を発見し (Kadowaki et al. Nature Comm 2016) このリンパ球が腸内細菌や野菜の成分に反応する事を証明した 成果は新聞 インターネットなどで広く紹介され 腸内環境の改善によるMS の予防や治療との関連で話題になっている またMS 病態における腸内細菌の役割や MSの病態や新規治療に関する英文 和文の総説を20 編以上発表した (4) 講演シンポジウム特別講演やワークショップ講演 ( 日本内科学会 神経治療学会 日本微小循環学会 日本臨床免疫学会 Sendai Conference FOCIS 2016 千里ライフサイエンスセミナーなど ) に加えて 医師対象の講演会 患者教育講演会などでMS センターのメンバーが数多くの講演を行った 103

104 Ⅳ 業務状況 29 多発性硬化症センター (Multiple Sclerosis Center) (5) 多発性硬化症講演会開催国立精神 神経医療研究センターにおいて 患者および関係者を対象とした第 8 回多発性硬化症 / 視神経脊髄炎講演会 医療相談会 (2016 年 4 月 24 日 ) 第 9 回多発性硬化症 / 視神経脊髄炎講演会 (2016 年 12 月 4 日 ) を開催し 多発性硬化症センターの活動の紹介 新規医療の紹介等を行った (6) 専門外来 MS の診療経験が豊富な医師 5 名 ( 山村 岡本 林 荒木 佐藤 ) が担当し MS やNMO の診療にあたった MS 新患外来は週に5 枠を設けた他 再診枠も充分に確保した MS は再発時の対応が重要なために 症状悪化時の予約外診療は平日の診療時間内であれば受け付けている (7) 治験抗インターロイキン6 受容体抗体のNMO に対する適応拡大を目指した臨床研究および NCNP で開発されたMS の新規治療薬 OCH の医師主導治験を実施した また企業治験についても MS 関係薬剤 3 治験 NMO 関係薬剤 3 治験に参加した (8) 基盤研究 MS とNMO の鑑別診断を容易にし 個々の病態の特徴を明らかにするための免疫学的研究を実施した フローサイトメーターを用いた研究では MS/NMO で増加しているリンパ球の解析等において 国際的にも高い水準の研究を進めた またMSの個別化医療を進めるために 血液試料や糞便試料の収集を進めた 3) 特徴と展望多発性硬化症 (MS) や視神経脊髄炎 (NMO) の診断技術や治療法は日夜進歩している 病院と研究所を横断する組織である多発性硬化症センター ( 略称 MS センター ) では 基礎と臨床のスタッフが参加する会議を定期的に開き MS の基礎 トランスレーション研究 臨床研究をシームレスに展開している なおMS センターでは狭義のMS に限らず 免疫異常が関与し同じ方法論を応用できる疾患 NMO や慢性炎症性脱髄性多発神経炎 (CIDP) なども取り扱っている 我が国の多発性硬化症患者数は1980 年には1,000 人程度であったが現在は 15,000 人を超え 将来は5 万人に達すると推定されている 急速な疾病構造の変化に伴い 国民から求められる神経内科医療研究の内容は変貌を遂げていることは事実であり その中で多発性硬化症診療の重みは大きくなってきている また神経系免疫系細胞 ( ミクログリア等 ) が神経疾患で果たす役割の重要性が益々明らかになってきており 当センターが免疫治療や免疫病態解析のエキスパート集団である特徴を活かして 国立精神 神経医療研究センターの発展に貢献できる可能性が広がっている 多発性硬化症センターが期待に相応しい評価を受けて 成長 発展することを目指して行きたい 104

105 Ⅳ 業務状況 30 パーキンソン病 運動障害疾患センター (Parkinson disease & Movement Disorder Center: 略称 PMD センター ) 30 パーキンソン病 運動障害疾患センター (Parkinson disease & Movement Disorder Center: 略称 PMD センター ) 1) 概要 (1) 目的 パーキンソン病 運動障害疾患センター ( 以下 PMDセンター ) は パーキンソン病 進行性核上性まひ 大脳皮質基底核変性症 多系統萎縮症 脊髄小脳変性症 ハンチントン病 ジストニアなどすなわち運動障害疾患 (Movement Disorder) を対象に 1 国立精神 神経医療研究センター病院及び研究所の総力を挙げて その疾病だけなく その疾病をもつ一人の人間である患者さん一人ひとりに適切な 最高の医療を提供する 2 新しい治療法 診断法を開発する 3 患者さん ご家族 医療関係者 国民全体に PMD に関して正しい知識をもっていただけるよう また研究開発にご協力いただけるよう 公開講座 出版物 ITなどを通じて情報を発信する ことを目的としている (2) 主な業務内容神経内科 リハビリテーション科 脳外科 精神科等の診療科や 看護部 検査部 遺伝カウンセリング室等の多部門連携の診療体制の構築 院内及び神経研究所との連携で新たな治療法や早期診断法の開発などの臨床研究や基礎研究を進める さらに 国内外の医療スタッフの研修 患者を始め国民全体へのPMDに関する教育を進めている (3) スタッフ構成 PMDセンター長 ( 村田美穂 ), 神経内科 ( 髙橋祐二, 塚本忠, 坂本崇, 山本敏之, 向井洋平 斎藤勇二 ), リハビリテーション科 ( 小林庸子 ), 脳外科 ( 岩崎真樹 木村唯子 ), 精神科 ( 野田隆政 亀井雄一 ), 臨床検査部 ( 斉藤祐子 ), 遺伝カウンセリング ( 後藤雄一, 佐藤有希子 ), 看護部 ( 三好智佳子 ), 薬剤部 ( 北浦円 ), 神経研究所 ( 和田圭司 北条浩彦 皆川栄子 ) CBTセンター ( 堀越勝 ) をコアメンバーに各診療科や 検査部 看護部 リハビリテーション部のスタッフが参加している 2) 実績 (1) パーキンソン病の姿勢障害 ( 腰曲がり ) の分類 新規治療法の開発とその臨床応用腰曲がりを分類し その責任筋へのリドカイン筋注とリハビリテーションによる治療法を開発したがより簡便に臨床応用できるように 評価法決定のための評価指標および 上腹部型と腰部型の鑑別のための評価方法の簡略化を達成した (2) パーキンソン病関連疾患の評価入院システム ( ブラッシュアップ入院 ) の実践と解析今年度の入院は 70 人 累積 287 人 のべ 372 人で 2 回目 49 人 3 回目以上 36 人であった ブラッシュアップ入院患者のデータから 2 週間のリハビリとその後 2 回の指導で 6か月後まで有意な運動症状の改善が維持できることを示した (3) パーキンソン病の鬱 不安を対象としたCBTの開発我われが開発したパーキンソン病のうつ 不安を対象としたCBTの効果についての論文を発表した (Shinmei I, et al. Neuropsychiatric disease and treatment. Neueropsychiatr Dis Treat. 2016; 12: ) 現在 RCTを進行中である 患者家族対象のCBTも開発中である 105

106 Ⅳ 業務状況 30 パーキンソン病 運動障害疾患センター (Parkinson disease & Movement Disorder Center: 略称 PMD センター ) (4)J-PPMI 研究 AMEDその他の研究費を用いてREM 睡眠行動障害 (RBD) 患者を対象にパーキンソン病運動症状発症前コホート研究を開始した 当院のほか国内 4 か所の施設との共同研究であるが PMDセンターが核になり NCNPの様々な部署の協力を受けて進めた 本研究はパーキンソン病運動症状発症前の臨床的 画像的 血液脳脊髄液等のバイオマーカーとその変化を明らかにして 病態解明と神経保護薬開発の基盤となることを目指すものである 2016 年 3 月までにNCNPで37 例研究全体で74 例の登録となった (5)LSVT BIG LSVT LOUD の講習会開催パーキンソン病のリハビリテーション法として高い評価を得ている LSVT BIG LSVT LOUD の講習会を米国から講師を招聘して開催した (6) 多職種による一般啓蒙書の発行 2008 年に初版をだした やさしいパーキンソン病の自己管理 ( 医薬ジャーナル社 ) の改訂第 3 版を出版した PMD センター構成員によるそれぞれの職種の立場から患者さん家族に向けた啓蒙書である 3) 特徴と展望 PMDは現在わが国で16 万人程度の患者がいるパーキンソン病を除いてはほとんどが1000- 数万人程度の希少疾患である 当センターでは1300 人程度を診療しており単一施設としてはわが国で最も多いと考えられ この実績を生かした臨床的な分類 新たな治療法 ケアの方法論の開発 さらに病態解明 治療法開発のための基礎研究を進めていること その成果を基にした医療関係者向けの研修 患者家族向けの教育を進めていることが特徴である さらに PMDセンターでは対象疾患の臨床データや検査結果 血液 脳脊髄液 DNAなどを収集し患者に理解と協力を求めている この一環として 生前同意に基づくブレインバンク (link: を推進している 本センターが対象とする疾患では心理的要因が症状に及ぼす影響が強いことも明らかになっており さらにパーキンソン病のうつ 不安 睡眠障害やジストニアに対するCBTの開発を進める リハビリテーションについては パーキンソン病ではより早期の導入と習慣化 脊髄小脳変性症ではリハビリテーションプログラムの確立を目指す 今後 パーキンソン病認定看護師 パーキンソン病認定薬剤師などの院内認定システムの確立や 院外の在宅支援スタッフに対する研修なども進めていきたいと考えている 106

107 Ⅳ 業務状況 31 地域精神科モデル医療センター 31 地域精神科モデル医療センター 1) 概要 (1) 目的 地域精神科モデル医療センターは 統合失調症 双極性障害 重症うつ病など重度の精神障がいを持つ人の地域生活支援を目的とした センター多部門が連携する実践 研究チームである 具体的には 利用者の地域生活を可能にする早期退院支援 急性期ケースマネジメント 在宅訪問 ( アウトリーチ ) デイケアにおける多職種によるリハビリテーション 生活支援 就労支援などの効果的な実践の開発を通し 精神障がい者に最良のサービスを提供することを目的としている (2) 主な業務内容当センターは センター病院精神リハビリテーション部 訪問看護ステーション 精神保健研究所社会復帰研究部の3 部門が核となり連携して活動を実施している 内容としては 入院早期から退院を意識したサービスの提供やケースマネジメントの実施 病棟スタッフとリハビリテーションスタッフとの円滑な連絡体制の構築 地域滞在を実現させる多職種アウトリーチ活動の実施 あるいはデイケアでのケースマネジメントや就労支援などの提供があげられる その活動においては 病院第一精神診療部 医療相談室 薬剤部 管理栄養部など多部門の協力を得ている (3) スタッフ構成地域精神科モデル医療センター長 : 坂田増弘 ( 病院精神リハビリテーション部 ) 病院 : 平林直次 岡崎光俊 武田裕美 大島真弓訪問看護ステーション : 富沢明美社会復帰研究部 : 藤井千代 佐藤さやか 山口創生 2) 実績 (1) 主たる活動精神障がい者の地域生活を支援にするために 下記の活動を実施した 1 訪問看護ステーション PORT として ACT( 包括的地域生活支援 ) に準じる 24 時間週 7 日のサービスの提供を継続した スタッフの状況: 常勤換算 7.4 人を維持 看護師 ( 常勤 4 非常勤 1) 作業療法士( 病院併任 2) に加えて 病院医療相談室のPSW1 名が参加 年間訪問件数: 前年度 (H27)5193 件から 今年度 6126 件に増加 2 デイケアにおける個別支援 就労支援の強化 均てん化の試み スタッフ数常勤換算で12.4 名のうち ピアスタッフ2.4 名 ( 非常勤 3 名 ) を引き続き配置 就労支援専門員 ( 常勤看護師 1 名 非常勤 PSW1 名 ) を継続して配置し 集団プログラムも併用した 個別援助付き雇用の就労支援サービスを提供 多職種チーム(MDT) によるケースマネジメント ストレングスモデルの採用と デイケアスタッフのアウトリーチ ( 訪問 ) 活動も含む就労継続を支える生活支援を実施 一般企業への新規就労者は34 名で 4 年連続で30 名を超える水準を維持 年 1 回デイケア主催での多職種チーム医療に関するワークショップを開催 全国 40 施設より参加者を得た 107

108 Ⅳ 業務状況 31 地域精神科モデル医療センター (2) 合同臨床検討会および運営会議 ( 詳細はⅤ 教育 研究を参照 ) ケースカンファレンス ( デイケア 訪問看護ステーション各々毎週 1 回 ) 訪問看護ステーション運営ミーティング ( 毎週 1 回 ) デイケア運営会議( 月 2 回 ) デイケア在籍者レビュー( 月 1 回 ) 臨床チームリーダーミーティング ( 毎週 1 回 ) を実施した (3) 論文 講演原著論文 総説 講演など多くの実績がある 重複するので 各科の業績を参考のこと (4) 臨床研究 1 ACT 支援における認知行動療法 (CBT) の効果 研究構造化されたアウトリーチ支援の一形態である ACT( 包括的地域生活支援プログラム ) チームにおける認知行動療法 (CBT) の実行可能性と効果について明らかにすることを目的とした多施設共同研究に 訪問看護ステーション PORT が参加している 研究のプロトコールに従い 介入群として訪問活動の中で個別認知行動療法が実施できる体制を整え 6 名の利用者のエントリーをみている 年度末に研究の中間評価が行なわれた ( 平成 26 年度厚生労働科学研究費補助金障害者対策総合研究事業 ( 精神障害分野 ) 精神障害者の地域生活支援の在り方とシステム構築に関する研究研究代表者 : 伊藤順一郎 ) 3) 特徴と展望 核となる3 部の強力な連携の下 病院と研究所の情報交換や勉強会に留まらず 診療報酬改定や総合福祉法見直し等の厚生労働行政に資する臨床 研究活動を継続 政策提言を行うことを重視している 医療機関による重症精神障がい者の就労支援 訪問看護ステーションによる家族支援 アウトリーチ活動と組み合わせた認知行動療法など新たな臨床的課題に対応する研究活動のプラットフォームとして運営していく 集団リハビリテーションプログラムと個別ケアマネジメントを両立させる医療型( 通過型 ) デイケアのシステム構築を目指し 現状でデイケアスタッフのマンパワーが 利用者の支援にどのように分配されているかを明らかにするとともに 利用者を支援ニーズに基づいて層別化し 濃厚な支援を提供する対象者の数や期間を限定して計画的に支援を提供するシステム整備を行う デイケアのみならず PORTにおいても就労支援機能の強化を目指す レジデントおよび 他施設から医師を受け入れることを想定しての研修プログラムを整備する 108

109 Ⅳ 業務状況 32 睡眠障害センター (Sleep Disorders Center) 32 睡眠障害センター (Sleep Disorders Center) 1) 概要 (1) 目的 睡眠障害に対して 診療科や専門分野を超えたチームにより高度専門的医療を行うとともに 研究所と協力して新しい診断法 治療法の開発に取り組むことを目的として設置された (2) 主な業務内容総合的医療の提供 臨床研究の推進 情報発信と教育 である (3) スタッフセンター長 ( 亀井雄一 ) 精神診療部( 野田隆政 山田麻紀 渡邊さつき 都留あゆみ ) 神経内科診療部 ( 村田美穂 向井洋平 ) 歯科( 福本裕 ) 臨床検査部( 吉田寿美子 内野巌治 竹内豊 木村綾乃 鈴木みのり ) 看護部( 宇都宮智 山口容子 坂本岳之 井澤美智子 ) 薬剤部 ( 原恵子 ) リハビリテーション部( 浪久悠 ) 精神保健研究所 精神生理研究部( 三島和夫 肥田昌子 北村真吾 元村祐貴 綾部直子 ) 神経研究所 疾病研究第三部( 功刀浩 ) 神経研究所 疾病第四部 ( 皆川栄子 ) 2) 実績 (1) 総合的医療の提供精神疾患 神経疾患のPSG 検査を多数実施している PSG 検査は 昨年度までは週 8 枠で実施していたが H28 年 9 月から週 12 枠とし しかも土曜日 日曜日も検査を受け入れる体制に変更した ( 隔週 ) また PSG 検査を連携医療機関から 医療連携室を通して直接予約できるような体制をとった その結果 PSG 検査件数は増加し また土 日検査を実施することにより 3 階南病棟の病床稼働率のアップにも貢献した 少数例ではあるが 小児神経疾患のPSGを実施し 診断と治療に貢献した 概日リズム睡眠障害に対する高照度光治療を中心とした入院による時間生物学的治療プログラム ( 入院病棟 5 南病棟 ) を行った ( 延べ17 名 ) 生体リズム測定に基づく入院治療プログラムは 日本でも当センターのみが実施している試みである 看護師 臨床心理士 薬剤師が中心となり5 南病棟において不眠に対する集団 CBT を週 1 回開催した (2) 臨床研究の推進 パーキンソン病に併存する不眠症に対する認知行動療法の開発と展開に関する研究 ( 主任研究者 : 村田美穂 ) において パーキンソン病患者を対象とした 自分でできるCBT-I を作製し 有効性を検討した 睡眠医療プラットホーム (Research Platform for Advanced Sleep Medicine; PASM) を用いて実施する臨床研究ネットワーク 運用システム リソースの構築に関する研究 ( 主任研究者 : 三島和夫 ) では ユーザビリティを向上させた結果 新規で PASM を利用した新規患者が倍増した PASM 上のオンライン診断で睡眠障害と診断された方が 診療 検査 治療可能な最寄りの睡眠医療機関を容易に検索できるように 睡眠医療機関マップを作製しPASMのトップページにアップした 不眠症のQOLを評価する新たなQOL 尺度 (QOL-I) を作成し検証した その結果 高い信頼性と妥当性が確認され 睡眠問題によって引き起こされる日中の機能障害の評価に有用であることが示唆された 薬剤部と共同で ベンゾジアゼピン系薬物を多剤併用している患者に対し 薬剤師による冊子を用いた教育的介入が ベンゾジアゼピン系薬剤の多剤併用を抑制できる可能性が示された 109

110 Ⅳ 業務状況 32 睡眠障害センター (Sleep Disorders Center) (3) 情報発信と教育 日本睡眠学会認定医療機関として レジデント教育 睡眠専門医育成 症例検討会 ( 週 1 回 ) レクチャー ( 月 1 回 ) などを行った 症例検討会とレクチャーはオープンなものとし 多職種 からの参加があった さらに メンバーによる市民公開講座や教育講演などの啓発活動を 31 回行った 11 月には不眠症に対する認知行動療法セミナーを開催し CBT-I を実施できる人材育成を行った 今年度は CBT-Iを今後開始する人向けのベーシックセミナーと 現在 CBT-Iを実施しており より良いCBT-Iの実施を希望している人向けのアドバンスセミナーの2つのセミナーを実施した 3) 特徴と展望睡眠障害は様々な診療科にまたがる疾患であるが 診療する医療機関の多くは睡眠時呼吸障害であり 不眠症 過眠症 概日リズム睡眠障害などを専門的に診療できる医療機関は非常に少ない また 精神 神経疾患に併存する睡眠障害は 診断 治療の上で大きな問題となるが これも専門的に診療できる医療機関はほとんどない 当センターは すべての睡眠障害に対して 多部門の連携のもと最新の検査 治療が可能であることが特徴である 特に 概日リズム睡眠障害 過眠症 不眠症の非薬物治療 精神 神経疾患に併存する睡眠障害などの他施設では治療困難な睡眠障害に対応できるのが大きな特徴である 今後 診療と研究をより有機的に融合させ 新たな臨床研究や基礎研究の結果を臨床応用する試みなどを推進していきたい さらに 最新の情報を発信するとともに 睡眠医療に関するスペシャリストの育成にも力を注いでいきたい 110

111 Ⅳ 業務状況 33 統合失調症早期診断 治療センター 33 統合失調症早期診断 治療センター 1) 概要 (1) 目的 統合失調症早期診断 治療センター (Early Detection and Intervention Center for Schizophrenia:EDICS) は 統合失調症の臨界期である顕在発症後約 2 年以内の患者を対象に 専門外来での検査 診断及び初期治療を行うこと レジストリを構築することにより 画像 髄液 心理検査等のデータ収集し 縦断的なフォローアップにより 社会機能的転帰の予測指標の抽出及び 転帰改善のための治療アプローチの開発 登録患者に対し定期的な情報提供を行うこと 患者手帳を用いて心理教育を行うこと等を目的として 2013 年 12 月に設立された (2) 主な業務内容 1 統合失調症専門外来 2 約 3か月間を目安とした初期治療 3 患者手帳を用いた精神科専門看護師による心理教育 (4 回 1クール ) 4 患者レジストリの制作と運用 5 集積されたデータの解析と公表 (3) スタッフ構成中込和幸 ( 精神保健研究所長 ) 住吉太幹( トランスレーショナル メディカルセンター情報管理 解析部長 ) 岡崎光俊 吉村直記 池澤聡 竹田和良 蟹江絢子 柴岡三智 東麻衣 松井眞琴 福田優菜 ( 病院第一精神診療部 ) 熊地美枝 佐伯幸治 ( 看護部 ) 菊池安希子( 司法精神医学研究部 ) 藤井千代( 社会復帰研究部 ) 根岸典子( 医療連携福祉部 ) 原恵子( 薬剤部 ) 芦田紗綾香 萩谷久美子 米田恵子 小澤幸世 高橋真梨( 臨床研究推進部 ) 2) 実績 (2016 年 4 月 ~ 2017 年 3 月 ) (1) 専門外来 156 件 (2) 初期治療 52 件 (3) レジストリ登録 27 件 (4) フォローアップ受診 19 件 (5) 患者手帳を用いた心理教育 9 件 (6) 統合失調症勉強会の開催 6 回 3) 特徴と展望統合失調症早期診断 治療センターは 病院看護部 医療相談室 薬剤部 栄養科 リハビリテーション部 研究所 バイオバンク事業などと協働し 多職種による早期の治療的介入 心理教育 治験や臨床研究 最近のトピックス等の情報提供等を行うことにより 最も効果が期待できる統合失調症臨界期に対する包括的な専門医療を提供している 今後 広報活動を積極的に行い レジストリへの登録をさらに増やし データの蓄積および解析を行っていくとともに 認知矯正療法等 心理社会的治療方法の開発を進めていく 111

112 Ⅳ 業務状況 113

Microsoft PowerPoint - 参考資料

Microsoft PowerPoint - 参考資料 参考資料 1 精神疾患を有する総患者数の推移 ( 単位 : 万人 ) 400 392.4 350 300 258.4 302.8 323.3 320.1 250 200 150 100 204.1 170 223.9 267.5 290 287.8 361.1 外来患者数 入院患者数 50 0 34.1 34.5 35.3 33.3 32.3 31.3 H11 H14 H17 H20 H23 H26

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