弁護士 八代 徹也 先生

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1 最近の主要労働判例 命令 (2015 年 7 月号 ) 2015 年 7 月 8 日 経団連労働法制本部 1. 労働判例から ( 重要判例は ) [ 労災 ] 品川労働基準監督署長事件 東京地裁 ( 平 ) 判決速報 2241 号会社の納会での急性アルコール中毒死について業務起因性が認められなかった例勤務先主催の納会で飲酒し 急性アルコール中毒死した夫の妻が 労災保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭料の支給を請求したが 労働基準監督署長が不支給処分をしたため その取消しを求めた 裁判所は (1) 納会が 参加者が勤務扱いを受けることを前提とする会社主催の行事であるとして 業務遂行性を認めたが (2) 急性アルコール中毒は納会における飲酒行為が原因であり 飲酒の強要などによることなく お前ちょっとはやいよ など上司に飲酒の速さを指摘されて自制を促されていたにもかかわらず わずか2 時間余りのうちに 350 ミリリットルの缶ビール2 3 本に加え 1.8 リットルの日本酒 1 本の大半をひとりで飲み切るという態様が 納会の目的を逸脱した過度の飲酒行為であることは明らかであるとして 業務起因性を否定し 不支給処分には違法性が認められないとして 原告の請求を棄却した [ 雇止め ] 国際自動車事件 東京地裁 ( 平 ) 判決速報 2241 号定年後の再雇用が認められなかった例会社と雇用契約を締結してタクシー運転手として稼動し 64 歳の定年を迎えた原告が 再雇用を拒否されたため 地位確認請求等を求めた事案 裁判所は 定年後も継続するとの労使慣行はなかった 黙示の合意の不成立 定年退職後の雇用継続に対する期待が合理的であったとはいえないとして 原告の請求を棄却した [ 試用期間 解雇 ] 有限会社 X 設計事件 東京地裁 ( 平 ) 判決速報 2241 号試用期間中の解約権行使が無効とされた例原告は 平成 23 年 2 月 25 日 被告との間で期間の定めのない労働契約を締結し 3 月 1 日から稼働したが 被告代表者は同年 5 月 25 日 契約を終了させる意思表示をしたため 解雇等の効力を争い 労働契約上の権利を有することの確認等を求めたもの 1

2 裁判所は ハローワークに提出した求人票の記載等から平成 23 年 3 月 1 日から5 月 25 日までの期間は試用期間であり 被告の意思表示は 留保解約権の行使であるとした上で 被告の主張する原告の業務遂行能力および勤務態度のいずれの点においても 解約権を行使する客観的に合理的な理由が存在するとは認められないとして 原告の請求を認容した [ 解雇 ] 甲社事件 東京地裁 ( 平 ) 判決速報 2242 号内部告発を理由とする解雇が無効とされた例高齢者等に弁当を配達する配食サービス業者 ( 甲社 被告 ) の厨房スタッフ ( 原告 パートタイマー ) の通報に基づいて S 保健所が甲社の店舗に抜き打ちで立ち入り検査を行った 会社は このスタッフを 通報者はお前だと判った 即刻辞めてもらいたい として即時その場で解雇したため このスタッフが解雇の無効を争った事件 内部告発を理由とする本件解雇の有効性が争点となった 裁判所は 本件解雇を懲戒解雇としたうえで (1) 原告の行った具体的な通報内容には その存在が認められなかった部分が多くあるものの その根幹部分である被告の衛生状態について問題がある あるいは被告の従業員の食品衛生に対する意識が低いという点については 少なくとも原告がそのように信じるについて相当な理由がなかったとまではいえない (2) また 通報の目的についても 私怨を晴らす目的があったとまでは認めることができず 食中毒を発生させないという公益を図る目的があったといえ さらに (3) 手段または態様についても 行政機関に対する通報に留まっていることも勘案すれば相当性を欠くとまではいえず 以上を総合的に考慮すれば 解雇は客観的に合理的な理由であるとは認められないとして無効とした [ 労災 うつ病 ] 長崎労働基準監督署長事件 長崎地裁 ( 平 ) 判決速報 2242 号うつ病の発病およびそれに伴う自殺に業務起因性があるとされた例この事件は 夫が大学病院に勤務中 ( 事務職 ) に自殺したことにつき 妻である原告が 長崎労働基準監督署長に対し 夫の自殺 ( 平成 21 年 4 月 ) は業務に起因するうつ病によるものであるとして 労災保険法に基づく遺族補償給付及び葬祭給付の支給を請求したが 不支給処分をうけたため その取消しを求めたもの 裁判所は 厚生労働省の認定基準 ( 厚生労働省労働基準局長通達 心理的負荷による精神障害の認定基準について ) に従って判断した そして夫のうつ病の発病時期は 平成 21 年 3 月下旬ないし同年 4 月上旬であり 1か月 (30 日 ) 当たりの時間外労働の合計時間は 平成 21 年 1 月までは0~2,30 時間程度であったが 同年 2 月から増加を続けて同月 24 日 (1 月 26 日 ~2 月 24 日分 ) 以降は恒常的に 5,60 時間を超えるようになり 同年 4 月 4 日 (3 月 6 日 ~4 月 4 日分 ) 以降は恒常的に 100 時間を超えるようになったことなどから 2

3 発病 ( 平成 21 年 3 月下旬ないし4 月上旬 ) 前おおむね6か月の間の業務による心理的負荷の強度は 強 であると認められるとして 夫の本件疾患の発病及びそれに引き続く本件自殺は 業務に起因するものであると認めるのが相当と判断し 労災不支給処分を取消した [ 解雇 ] Y 事件 最高裁第一小法廷 ( 平 ) 判決速報 2243 号セクハラ発言等のセクハラ等を理由とする懲戒処分等が有効とされた例この事件は 男性従業員 ( 管理職 ) が複数の女性従業員に対して性的な発言等 ( もうお局さんやで など ) のセクシュアルハラスメント ( 以下 セクハラ ) 等をしたとして 会社が男性従業員を出勤停止処分にし 降格したため 男性従業員らが処分は無効であるとして争ったもの 第 1 審大阪地裁は 出勤停止処分は客観的に合理的な理由があり また セクハラ行為等の悪質性及びこれによる被害の程度 男性従業員らの役職 会社のセクハラ行為防止の取組み等に照らせば 社会通念上相当と認められるから有効だとし 男性従業員らの請求を棄却した 第 2 審大阪高裁 ( 原審 ) は 1 男性従業員らの行為は 出勤停止等の懲戒事由に該当するが 2 女性従業員から明確な拒否の姿勢を示されておらず このような言動も本人から許されていると誤信していたこと等を考慮すると 懲戒解雇の次に重い出勤停止処分を行うことは酷にすぎるとして 出勤停止処分等を無効とし 男性従業員らの請求を認めた 最高裁は 1 男性従業員らの行為が懲戒事由に該当するとした高裁の判断は是認できるが 2 出勤停止処分が酷にすぎるとして無効と判断したこと は是認できないとした その理由として 職場におけるセクハラ行為は 被害者が内心で不快感や嫌悪感等を抱きながらも 職場の人間関係の悪化等を懸念して 加害者に対する抗議 抵抗ないし会社に対する被害の申告を差し控えたりちゅうちょしたりすることが少なくないと考えられるから 仮に明白な拒否の姿勢を示されておらず そのような言動も同人から許されていると誤信していたとしても そのことをもって有利に斟酌することは相当ではない また この会社は 職場におけるセクハラの防止を重要課題と位置付け セクハラに関する研修への毎年の参加を全従業員に義務付けるなど セクハラ防止のために種々の取組を行っていた 男性従業員らは研修を受けていただけではなく 管理職として セクハラ防止のために部下職員を指導すべき立場にあったにもかかわらず 多数回のセクハラ行為等を繰り返したものであって その職責や立場に照らしても著しく不適切であり 会社から事前の警告 注意を受けていなかったとしても 男性従業員らに有利に斟酌できない 以上から 懲戒処分として重きに失し 社会通念上相当性を欠くということはできないとして 会社の処分 ( 出勤停止処分 降格処分 ) を有効とした 本件判決については 石井妙子弁護士の時言 ( 判例評釈 ) の抜粋を 実務に役立つ法律 3

4 知識 に掲載したので ご参照ください 2. 労働委員会命令から ( は重要命令 ) ( 東京都労委命令 ) 市進事件 ( 平成 25 年不第 118 号事件 ) 平成 27 年 6 月 25 日会社が行った 労働組合支部執行委員長への授業数削減 組合員 1 名に対する再雇用拒否及び書記長に対する雇止めについて いずれも組合員に対する不利益取扱い及び組合への支配介入に当たるとして 救済された例 東陽ガス事件 ( 平成 25 年不第 78 号事件 ) 平成 27 年 6 月 25 日会社と雇用契約 業務委託契約を締結した配送員である組合員を労働組合法上の労働者と認めた上で 会社の事業廃止 解散及びそれに伴う組合員との雇用契約等の解除は 組合員への不利益取扱い又は組合運営への支配介入に当たらないとして 棄却された例 日本瓦斯事件 ( 平成 25 年不第 81 号事件 ) 平成 27 年 6 月 25 日東陽ガスの唯一の委託元である日本瓦斯に対し 東陽ガスの配送員で組織される組合が団体交渉を求め 拒否された件について 日本瓦斯は労働組合法上の使用者に当たらず 団体交渉拒否には正当な理由があるとして 棄却された例 ( 神奈川県労委命令 ) タマル工業事件 ( 平成 25 年不第 16 号事件 ) 平成 27 年 6 月 30 日神奈川シティユニオン ( 組合 ) が タマル工業に対して団体交渉要求書を送付したところ 拒否された件について 当該労働者が労働組合に加入した後速やかに団交を申し入れている本件のような場合には 団交事項が生じてから団交申入れまでに相当な期間が経過している場合であっても 労働組合の団体交渉権が消滅することはないから 本件団交申入れが合理的期間以内になされたものではないことから 団交拒否には正当な理由があるとする会社の主張には採用できず 会社が団交に応じなかったことは正当の理由のない団交拒否に当たり 不当労働行為であると認定された旨を記載した文書を組合に手交しなければならないとされた例 3. 実務に役立つ労働法の知識 セクハラ発言を理由とする懲戒処分と降格 ( 労働経済判例速報 2243 号 Y 事件最高裁第一小法廷 ( 平成 27 年 2 月 26 日 ) の石井妙子弁護士の時言から抜粋 下線は事務局による ) 4

5 ( 本件は ) 発言 のみのケースに対する懲戒処分としては, 比較的重い処分であり 降格も含め相当な経済的不利益も生じているが 最高裁は この懲戒処分を有効とし 処分が有効である以上 降格も有効と判断した その昔であれば, このような発言も 女性が我慢せざるをえなかったり あるいは被害を申し出ても, 目くじらたてるほどではないとされたりしたであろう また さほど昔でなくとも そんなに嫌がられているとは思わなかった いきなり重い懲戒処分は不当だ という言い訳がまかり通ったかもしれない 実際 原審 ( 大阪高裁 ) は, 懲戒処分及び降格は無効であるとしていた しかし, そのような言い訳は通用しないというのが 今回の最高裁の判断である セクハラについて 被害者から明確な拒否の意思表示があるとは限らないこと ノーと言われないから大丈夫と思わないこと といった点は各企業の研修やパンフレットで必ず言及されていると言って過言でなく 今や常識というべきである 拒否されなかったから許されていると思ったというのは 酌量対象にもならない この点 本件判決の判断は 当然である また 警告 注意なしに いきなり重い処分をした点について 本件判決は 上告人 ( 会社 ) がセクハラ防止を重要課題として 研修等数々の取組みをしており 管理職としては 当然 会社の方針や取組を認識すべきであったこと セクハラ発言が第三者のいない状況で行われ 被害申告を受ける前の時点では 会社がセクハラ行為を認識して警告や注意を行う機会がなかったことから この点も加害者に有利に斟酌することはできないとした 本件事情のもとでは 首肯しうる判断である ただし, この点については, 管理職の地位にあったことのほか 企業の日頃の取組がどうだったかが決め手である 本件はマスコミでも大きくとりあげられ 報道等の影響で セクハラ処分基準を見直した ( 処分を加重した ) 企業も少なくないと思われるが 防止策が伴わずに処分の重さだけをまねるのは危険である 以上 5

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