日本皮膚科学会雑誌第128巻第5号

Size: px
Start display at page:

Download "日本皮膚科学会雑誌第128巻第5号"

Transcription

1 P-1 P-4 4 次元で理解する表皮の恒常性を維持するしくみ 久保亮治 慶應義塾大学医学部皮膚科 我々の身体の表面は 角化重層 平上皮である表皮により覆われてい る 表皮を構成するケラチノサイトは 基底層でのみ分裂増殖し 分化 して基底層を離れた細胞は 有棘層 顆粒層を経て 最終的に角化し 最後は垢となって剥がれ落ちていく この過程において 顆粒層でただ 一度だけ 周りの細胞との間にイトジャンクションによるバリアを 形成する イトジャンクションバリアの外側では 細胞と細胞との隙 間を角質細胞間脂質や様々な抗菌ペプチド プロテアゼ プロテア ゼインヒビなどが埋め尽くすと共に 細胞自体が角化することに よって 頑丈な角質のバリアが形成される 日々 細胞が新陳代謝して 入れ替わっていく中で 角質のバリアとイトジャンクションのバリ アは常に一定に保たれ続けている 表皮がダイナミックに変化しなが らも一定の構造を保ち続けるしくみを 4 次元的に理解する アトピ性皮膚炎患者の皮膚内神経 3 次元構造の可視 化と表皮内神経線維の定量 傳田澄美子 堤 も絵 北畑裕之 熊本淳一3 後藤真紀子 山 研志4 相場節也4 長山雅晴3 傳田光洋 資生堂グロバルイノベションセン 千葉大学大学院理学研 究院 北海道大学電子科学研究所3 東北大学病院4 アトピ性皮膚炎 AD 患者の痒みの原因として 皮膚内の神経線維の増 加や表皮ケラチノサイトと神経の相互作用が示唆されている 本研究では 健常者および AD 患者の背部皮膚の神経線維と基底膜を免疫染色し 2 光 子顕微鏡で 3 次元構造を観察した 厚さ 100 ミクロンの皮膚切片を用いて 皮膚断面からライ撮影した表皮内神経線維を 2 次元画像にして定量し た また 1 立方 mm 大の皮膚片を用いて角層側からライ撮影し 神経 線維の 3 次元画像を構築し定量した 表皮内の神経線維 1 本当たりの長さ は健常者よりも AD のほうが長いが 表皮内の神経線維の密度は AD で有 意に低かった AD の真皮では太い神経線維が観察されたが 基底膜を通過 した線維の数は AD で低かった また 表皮直下の毛細血管は AD におい て長く曲がりくねった特徴的な構造が観察された 我々の結果は AD の痒 みの原因は必ずしも神経密度の増加ではないことを示唆している P-2 P-5 エクリン汗腺の構造と動態観察による発汗制御メカニズ ムの解明 3 室田浩之 谷 佐起 山賀康右 小野慧美 田村 淳 菊田順一 近江雅人4 月田早智子 石井 優3 関口清俊5 片山一朗 大阪大学医学系研究科皮膚科 大阪大学医学系研究科分子生体情報学 大阪大学 医学系研究科免疫細胞生物学研究室3 大阪大学医学系研究科保健学専攻医用光 学4 大阪大学ンパク質研究所マトリクソム科学 ニッピ 寄附研究部門5 発汗の異常は様々な皮膚疾患の病態に関わる 発汗異常のメカニズムを解明す るためにはエクリン汗腺の構造と機能を合わせて評価する必要がある 私たち は in vivo in vitro における汗腺の構造と動態を観察してきた エクリン汗腺 は分泌部と導管部で構成され 分泌部周囲は神経と毛細血管が独特の分布様式 を示す エクリン汗腺の動態観察ではアセチルコリンに伴い分泌部の活動が確 認できる 汗腺周囲の血流は一過性に増加したのち発汗とともに急速に減少す ることは 汗の由来が血液で 発汗に血流の自律神経調節が関わる可能性を示 唆している エクリン汗腺は表皮と連続する管状上皮であり 特有の上皮バリ ア機構を有する 汗腺器官内腔の上皮細胞間バリアを形成する claudin-3 の密 着構造は種を超えて保存されていた 本では上述した内容を中心に汗 腺研究の成果を供覧し 発汗と皮膚疾患の関わりについて考察する 界面活性剤の皮膚残留性と in vitro 経皮試験に関する 研究 渡邉幸夫 東 直行 小野田崇宏 平野陽子 塩谷和音 松本 恵 上田豊甫 明星大学理工学部生命科学 化学系生体物質送達学 日本医科大学 多摩永山病院皮膚科 近年 皮膚への刺激の少ない洗浄剤への関心が高まっている 洗浄剤に よる皮膚刺激性は 洗浄剤が皮脂膜を過度に破壊し 皮膚バリア機能の 低下に界面活性成分が皮膚に残留することなどにより引き起こされて いると考えられる 本研究では 市場に流通している洗浄剤に広く用い られているアニオン界面活性剤を用いて 皮膚残留性について評価を 行った アニオン界面活性剤として 親水基にカルボン酸を有するラウ リン酸 K 硫酸を有するラウリル硫酸 Na 酸化エチレンを付加重合さ せた硫酸を有するラウレ硫酸 Na をそれぞれ用いた 残留性は in vitro 用拡散セルプレトのラボキンに塗布した後 500 ml の水を 用いて洗浄を行い FTIR! ATR 法によって評価した その結果 ラウ リル硫酸 Na とラウレ硫酸 Na には皮膚残留性が認められたが ラウ リン酸 K は皮膚残留性が認められなかった P-3 P-6 O14-5 表面プラズモン共鳴イメジングセンサを利用した即時 型アレルギ診断法 IL! 25 と IL!33 は Il1rn!/!マウに生じた乾癬様皮膚炎を 抑制する 柳瀬雄輝 川口智子 石井 香 秀 道広 広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚科学 即時型アレルギ疾患に罹患する患者は年々増加傾向にあり 原因と なるアレルゲンをより低侵襲的 迅速 正確に同定するための新しい 診断法が求められている これまで我々は 金薄膜表面の細胞由来屈折 率分布を可視化可能な表面プラズモン共鳴イメジング SPRI セン サを独自に開発し マト細胞やヒト好塩基球をはじめとする個々の 細胞応答を無標識 リアルイムに可視化することに成功した 本発 表では SPRI センサと患者血液から好塩基球を分離 搬送 刺激可能 なマイクロ流体チップを組み合わせ 分離した好塩基球のアレルゲン 刺激応答を 1 枚の検査チップ上で検出可能なアレルギ診断法を紹介 する また 新鮮な血液が得られない場合の代替法として マルチウェ ル型 SPRI センサとヒト IgE 受容体発現細胞株を組み合わせること で 好塩基球 肥満細胞を活性化し得る IgE 抗体の有無を 超微量保 存血清から判定できるアレルギ診断法も紹介する 沼田貴史1, 吉崎隆道 山口幸子 原田和俊 大久保ゆかり 須藤カツ子3 坪井良治 中江 進 東京医科大学皮膚科学分野 東京大学医科学研究所シテム疾患モ デル研究センシテムズバイオロジ研究分野 東京医科大学 動物実験セン3 目的 尋常性乾癬の病変部では IL!25 と IL!33 の発現が亢進するが その詳細な 機序は不明である 方法 乾癬様皮膚炎を自然発症する IL!1 receptor antagonist deficient Il1rn!/! マウを利用した Il1rn!/!マウと Il25!/!Il1rn!/!マウ および Il33!/!Il1rn!/!マウの耳介皮膚を比較し IL!25 と IL!33 が乾癬様皮膚炎 に与える影響を評価した 結果 Il1rn!/!マウの耳介皮膚では Tnfa Il1b Il 12 Il17a Il22 Il23 と Il33 の mrna レベルが wild!type マウと比較して 上昇し FACS 解析では浸潤する免疫細胞数が増加した Il25!/!Il1rn!/!マウお よび Il33!/!Il1rn!/!マウの耳介皮膚では Il1rn!/!マウと比較して Il22 と Il23 の mrna レベルが上昇し 病理像解析ではより強い表皮の肥厚がみられた 結 論 IL!25 と IL!33 は Il1rn!/!マウの耳介皮膚に生じた尋常性乾癬様皮膚炎での IL!22 と IL!23 の増加と表皮の肥厚に対して抑制的に働くことが示唆された 1173

2 P-7 P-10 混合植物エキによる加齢に伴う表皮菲薄化の抑制アプ ロチ 温度 湿度変化による Caspase14 の揺らぎが角化状態 を悪化させる 岩野英生 森山麻里子 陳 玉倩3 呂 梨萍3 沈 柏村3 森山博由 澤木茂豊 株式会社テクノブルライフサイエン総合研究所 近畿大学薬学 総合研究所先端バイオ医薬研究室 JOURDENESS International Group Co., Ltd.3 ヒト皮膚の加齢による形態的な変化のひとつに 表皮の菲薄化が挙げられる ま た加齢により表皮細胞の分裂速度が低下する事も報告されており 両者には密 接な関係があると考えられる 今回我々は ヒト表皮三次元構築モデルを用いて 混合植物エキの表皮層の厚さに与える影響を調べたところ 混合植物エキ 添加により 表皮層が有意に厚く構成されることが判明した さらに免疫染色に て表皮基底細胞の増殖マカ Ki67 や未分化マカ p63 の発現の程度 を調べると混合植物エキ添加により発現亢進の傾向が確認された これらの 結果により 本混合植物エキは 表皮細胞の増殖性 未分化性を維持すること ができ 表皮層を厚く維持できる効果を持つことが判明した よって本混合植物 エキをキンケア剤に配合する事により 加齢による表皮細胞の分裂低下を 抑制し 老徴の一つである表皮菲薄化を抑制出来る可能性が示された 宮井雅史 村田大知 益子あかね 資生堂グロバルイノベションセン 肌は 温度や湿度などの外部環境の変化にさらされており バリア機能 や保湿機能に大きな影響を与えている 実際に日本のように季節変化 があるような場所では 季節性の肌荒れが生じやすいことがわかって おり 空調の効いた室内では肌が荒れやすい人も多い 私たちは 表皮 モデルを用いた温度 湿度条件を変化させた実験を行い 変動する遺伝 子をマイクロアレイ解析で探索した この中から Caspase14 に着目し た Caspase14 は 温度が低下すると発現量が低下し 温度が上昇する と発現量が増加した また Filaggrin Calpain! I も変動因子として見 出した これらの因子は 過去の私たちの研究結果から肌の保湿能に重 要な NMF 産生と脱核 バリア機能形成に重要な因子群として報告し ている これらの結果は 温度や湿度といった外部環境変化は Caspase14 の発現量を不安定化させ NMF 産生と脱核を乱すことで 肌状 態を悪化させる可能性があることを示唆している P-8 O14- P-11 O14- Lactococcus lactis JCM 5805 経口投与による皮膚免疫 賦活化および黄色ブドウ球菌感染予防効果 環状ホファチジン酸によるヒト正常皮膚リンパ管内皮 細胞の管腔形成促進機構 亮平 藤井敏雄 谷澤かみゆ 山田小百合 松岡悠美 金内 理 キリン株式会社R D本部健康技術研究所 千葉大学医学部皮膚 科 背景 我々は Lactococcus lactis JCM 5805 プラズマ乳酸菌 が Plasmacytoid 樹状細胞を活性化し 抗ウイル作用を示す効果を見出した 本試験では プラズマ乳酸菌の皮膚免疫への影響を調べた 方法 BALB/C マウに対し て プラズマ乳酸菌を 1 mg/日の容量で 2 週間混 投与し Staphylococcus aureus MW2に対する皮膚の感染防御作用および免疫系に与える影響を解析 した 結果 考察 S. aureus の経表皮感染実験において プラズマ乳酸菌群 で感染部位の S. aureus の増殖が抑制され 病理組織では表皮肥厚などの項 目で皮膚炎の改善を認めた さらに 皮膚所属リンパ節 SLN の樹状細胞 DC 活性化や皮膚の Tj 遺伝子 Cldn1 Zo1 や AMP 遺伝子 Defb1 S 100a8 の発現亢進を確認した 以上の結果から プラズマ乳酸菌は SLN の DC を活性化し 皮膚のバリア機能や抗菌作用を増強することで S. aureus への感染防御および皮膚炎を軽減する効果を有することが示唆された 奥山勝揮 水野晃治 佐藤 隆 東京薬科大学大学院薬学研究科生化学教室 目的 現在 リンパ浮腫に対する有効な治療法は確立されておらず リンパ管形成促進因子の探索が求められている 本研究では ガン浸潤 抑制作用などの多彩な生物活性を有する脂質メディエの環状ホ ファチジン酸 cpa に着目し リンパ管形成に対する cpa の作用 を検討した 方法 正常ヒト皮膚リンパ管内皮細胞 HDLEC 及びリ ゾホファチジン酸 LPA 受容体をノックダウンした細胞をコラ ゲンゲル上に播種し cpa 含有または不含コラゲンゲル内で培養 し 管腔形成を継時的に観察した 結果 HDLEC において cpa 処理群では対照群と比して管腔形成の促進が認められた また HDLEC において LPA6 をノックダウンしたところ cpa により増強 する管腔形成が抑制された 考察 HDLEC において cpa は LPA6 を介してその管腔形成を促進するものと示唆される 本研究成果より cpa がリンパ浮腫の改善に繋がるものと期待される P-9 P-12 Lactococcus lactis JCM 5805 含有食品摂取が健常な成 人皮膚へ及ぼす効果 脂肪酸結合ンパク質 FABP5 の過剰発現による炎症と 尋常性ざ瘡の関係性 藤井敏雄 藤友 崇 亮平 加藤悠希子 澤井典子 松岡悠美3 植松 智4 金内 理 キリン株式会社健康技術研究所 DeNAライフサイエン 千葉 大学医学部皮膚科3 千葉大学大学院医学研究院 医学部粘膜免疫 学4 方法 健常な 歳の男女 70 名を募集し プラセボ対照二重盲検並行群間 比較試験を実施した 被験者は Lactococcus lactis JCM 5805 プラズマ乳酸菌 約 1000 億個含有カプセル または対照カプセルを 8 週間経口摂取した 結 果 考察 肌細菌叢解析の結果 占有率が摂取前後で有意に変化した菌種数は プラズマ群が対照群より約 1/10 と少なくなっていた また 主要菌種である Staphylococcus epidermidi s が 対照群において低下する傾向がみられる一方 プラズマ群では摂取期間前後で維持された 毛根遺伝子発現解析の結果 プラ ズマ群では摂取前後でイトジャンクション遺伝子 CLDN1 CLDN12 ZO1 抗菌性ペプチド遺伝子 BD3 が有意に増加し また TGFB1 が有意に発現低下 した 以上からプラズマ乳酸菌摂取が 健常人の皮膚における恒常性を維持す る効果があること 皮膚の遺伝子発現に作用することが示唆された 1174 枝亜希子 桜井哲人 松熊祥子 株 ファンケル総合研究所 FABP5 は生体に存在する脂肪酸結合ンパク質で 皮膚では角化や 増殖 分化の亢進等に関わり アレルギ性皮膚炎や乾癬で高発現する ことが知られている 我々は 角層のンパク質から皮膚の特長を示す バイオマカの研究を進める中 尋常性ざ瘡の重症度に応じて角層 の FABP5 が高いことを認めた FAPB5 は 脂肪酸が多い脂腺細胞で は 分化とともに増加することが知られているが 皮脂由来の炎症と FABP5 の関係性を示す研究はない そこで 表皮角化細胞に対して脂 肪酸の添加とともに LPS 刺激を与え FABP5 の発現量を評価した結 果 濃度依存的に FABP5 の過剰発現が確認された また 炎症の指標 となるペルオキシソム増殖剤活性化受容体 PPAR 等の増加が認め られた このことから FABP5 は 皮脂過多と炎症惹起により発現が 増加し 尋常性ざ瘡の重症化に寄与していることが示唆された

3 P-13 O14-7 P-16 O14-8 メチルパラベンの感覚刺激における皮膚での代謝活性の 役割 アトピ性皮膚炎角層中で検出されるフィンゴ脂質の 病態への関与 二ノ宮理恵 西島貴史 坂口 斉 近藤靖児 青島正浩3 戸倉新樹3 花王株式会社安全性科学研究所 近藤皮膚科クリニック 浜松医 科大学医学部皮膚科3 志村七子 長澤輝明 久保田芳樹 武蔵弥菜 田中一則 山口葉子 株式会社ナノエッグ医薬品研究開発部 目的 メチルパラベン MP は広い抗菌ペクトルを有する優れた防 腐剤として様々な医薬品や化粧品に配合されているが 感覚刺激を誘 発することが知られている MP の感覚刺激の発現には感覚神経受容体 TRPA1 の関与などが示唆されているが 皮膚での代謝との関連性は明 らかではない そこで MP の感覚刺激と皮膚代謝の関連性を明らかに するために検討を行った 結果 MP とその代謝物パラヒドロキシ安息 香酸 PHBA の感覚刺激をティンギング試験により比較したとこ ろ MP に比べて PHBA の感覚刺激は極めて弱かった また MP は TRPA1 を活性化したが PHBA は活性化しなかった さらに MP に感 覚刺激を感じる敏感肌と感じない健常肌の代謝活性を比較したとこ ろ 敏感肌群の約半数では MP 代謝能が低下していた 考察 皮膚に おける MP 代謝能の低下が感覚刺激発現の一因であると示唆された P-14 P-17 アトピ性皮膚炎のデ駆動型研究を推進する臨床マ ルチモダルデ収集管理シテムの構築 1, 1, アトピ性皮膚炎 AD 患者の角層では フィンゴ脂質の一種であ る Sphingosylphosphorylcholine SPC が増加していることが知られ ているが その理由は不明であった AD 患者の皮膚内では 神経伝達 物質 Acetylcholine ACh も増加していることから 我々は両者の関 連性を検討した ACh は Acetylcholinesterase AChE により分解さ れるが ACh の AChE 結合部位の構造は SPC 分子中にも存在するこ とから SPC は AChE に直接作用し ACh 代謝に影響を及ぼしている 可能性を考えた Ellman s assay において SPC は一定濃度以上で指数 関数的に AChE 活性を可逆的に阻害した 以上の結果から AD 患者 皮膚内で観察される高い ACh 濃度は SPC による AChE 活性阻害が 一つの要因と示唆された 崎晃一 川崎 洋 川上英良 桜田一洋 角田達彦 海老原全 天谷雅行 理化学研究所科学技術ハブ推進本部医科学イノベションハブ推進 プログラム 慶應義塾大学医学部皮膚科学教室 アトピ性皮膚炎 AD は多因子疾患であり 患者ごとに複雑で多様な病態 を呈する 近年 AD 病態の理解を深めるために 多角的且つ大量に臨床デ を収集し統合解析するデ駆動型研究が求められている しかし 現状 のデ収集管理工程は研究者の手動による作業が多く 大量デ解析を 阻んでいる 今回我々は慶應義塾大学病院内に 電子カルテデの抽出 加工 転送自動化パイプラインを構築した このパイプラインはデを解 析に適した形に整形する機能と 同一患者に付与された複数の研究用 ID を 一つの匿名化 ID に自動変換する機能を有する これにより のべ 14,265 人 91 項目 約 50 万件のデが短時間で処理され 人的負担の軽減や デの再現性と品質の向上が得られた 加えて 患者試料の分析から得ら れたオミクデ等を付加して統合管理する仕組みを構築した 本シテ ムは AD のデ駆動型研究を推進する上で重要な基盤となる P-15 アトピ性皮膚炎モデルマウにおける抗コリン薬の 治療効果解析 敏感肌患者のための新しいキンケア素材 長澤輝明 菊地晶子 三宅章彦 久保田芳樹 河村公雄 山口葉子 株式会社ナノエッグ医薬品研究開発部 皮膚のバリア機能は角質細胞とその隙間を埋めている細胞間脂質 そ して最外層を覆っている皮脂から構成されている 敏感肌ではバリア 機能が低下し外部からの刺激に対して過敏な状態になっているため 界面活性剤 アルコル 防腐剤 色素や香料などに暴露されることで 強い炎症になることが想定される 一般にバリア機能改善のために 細 胞間脂質の一成分であるセラミドや保湿成分を界面活性剤で乳化し補 充する方法が主流である 我々は細胞間脂質と皮脂の構成成分を単独 ではなく 健常な皮膚の組成比に近づけて混合し 細胞間脂質本体 皮 脂本体として構成して塗布することが有効と考えた また 細胞培養培 地もケラチノサイトの増殖を促し バリア機能改善を助けるのではな いかと予想した 本研究では化粧料に用いる界面活性剤やアルコル 防腐剤等を含まない組成で作製した疑似細胞間脂質 疑似皮脂及び細 胞培地の皮膚への効果を検討したので報告する P-18 加水分解卵殻膜は抗線維化的な III 型コラゲンとデコ リンに富む弾性のある真皮乳頭層を与える 跡見順子 清水美穂 藤田恵理 佐野将英 栗本大嗣 山澤 開 跡見友章 村上義彦3 吉村浩太郎4 長谷部由紀夫5 東京農工大学工学府材料健康科学寄附講座 帝京科学大学医療科学 部理学療法学科 東京農工大学工学府応用化学専攻3 自治医科大学 アトピ性皮膚炎 Atopic Dermatitis AD は増悪と寛解を繰り返す 難治性の疾患であり 病因には様々な原因が提唱されている 中でも 形成外科4 株式会社アルマド5 皮膚バリア機能の崩壊が増悪因子として指摘されており 皮膚の恒常 老化の最初の徴候は顔の皮膚に現れ それは寿命や慢性疾患と相関するが 性異常が疾患に深く関与していることが推測される AD 患者では皮 重要視されていない 健康な若い皮膚は 真皮は III 型コラゲンとデコリ 膚内のアセチルコリン Acetylcholine ACh 濃度が高いことが報告 ンが豊富な真皮乳頭を形成する これまで人工リマに可溶化卵殻膜を されている ACh は自律神経だけでなく リンパ球や表皮ケラチノサ 結合したディッユで培養したヒト皮膚線維芽細胞 HDF では III 型コラ イトでも産生されており ケラチノサイトにおいては分化に関与して ゲン デコリン MMP2 等の若い真皮乳頭層を促進する遺伝子を誘導し ヘ いることが知られている そこで我々は ACh の病態への関与を解析 アレマウ背部皮膚への塗布は同じ遺伝子セットを誘導し ヒトの顔の するため ダニ抗原誘発 AD モデルマウ NC/Nga を用いて 抗コ しわと腕の弾力性を改善することを見出した 皮膚若返り機序が不明の III リン薬の治療効果の解析を行った その結果 ニコチン型あるいはム 型コラゲンの特性を in vitro で評価したところ III 型コラゲン I 型コ カリン型共に抗コリン薬は治療効果を示した 以上から 抗コリン薬は ラゲン比が のゲルが最も高い弾性 p 0.05 を示し HDF におい AD 治療薬の候補となることが期待される て高いミトコンドリア活性と III 型コラゲン発現を示した アジアで受け 継がれた 生活の知恵 は 健康寿命延伸への健康戦略を提供する 久保田芳樹 長澤輝明 武蔵弥菜 志村七子 山口葉子 株式会社ナノエッグ医薬品研究開発部 1175

4 P-19 O14-6 P-22 小児アトピ性皮膚炎予防関連因子に関する疫学研究 久保良美 金澤伸雄 稲葉 豊 三木田直哉 古川福実 神人正寿 吉原重美3 福田啓伸3 カマルゴ カルロ4 和歌山県立医科大学皮膚科 高槻赤十字病院 獨協医科大学小児 科3 ハバド大学医学部4 皮膚科疾患に対する High speed art scanner 高速芸術 用キャナ の有用性の検討 加藤恒平 沢田泰之 竹下八菜 高橋道央 山本亜美 天野真希 角希里子 山崎まりな 東京都立墨東病院 目的 2010 年に児童を対象としたアンケト調査で 乳児期の 噛み与 え による唾液接触が 児童のアトピ性皮膚炎リクを低下させる可能 性が示唆された 久保良美 他 日本予防医学会雑誌 2015 そこで更に 大規模アンケト調査を実施し 乳児期の噛み与えや他の因子とアトピ 性皮膚炎発症の関連性を調べ そのメカニズムの解明と 新しい予防法の 開発に繋げることを目的とする 方法 石川県の小中学生 1718 名とその 保護者を対象とするアンケト調査を実施する ISAAC 調査票によりア トピ性皮膚炎を判定し 乳児期の噛み与え 妊娠期からの生活習慣 環 境などとの関連を調査 解析する 結果 解析の結果 アトピ性皮膚炎 症状と噛み与え 妊娠期のトレ 授乳状況 口腔衛生知識の間に有意 な関連性を認めた 考察 妊娠期や乳児期のこれらの因子を更に詳しく調 べることにより 小児のアトピ性皮膚炎の発症予防へ繋がると考える 皮膚科の診断において 目視が非常に重要である しかし その場で全 てを解決することは難しく 実際には症例検討や臨床経過を追うため 病変を写真に残し診療に活用している そのため 実臨床に近い画像を 撮影することが求められる しかし 人体 病変共に平坦でなく カメ ラでピントが万遍なく合った 立体的な画像を撮影することは難しい 一方 近年 絵画などをデジル保存するために High speed art scanner 高速芸術用キャナ を用い 精密且つ立体的な画像が撮影され ている 人体 皮膚病変においても High speed art scanner により 従来のカメラよりも実際に近い色で立体的に撮影できることを確認 し 症例を提示する 実物に近い画像が保存できることで 医療従事者 の学習がはかどり 診断能力向上に寄与しえる 更には 施設を超えた 情報共有が即時に可能となり カンファレンによる症例検討 遠隔医 療への利用も期待できる P-20 P-23 当科における過去 5 年間の転移性皮膚悪性腫瘍の臨床 的検討 神崎綾乃 原田和俊 入澤亮吉 神田泰洋 白井浩平 加藤雄一郎 新井 崇 前賢一郎 坪井良治 東京医科大学病院皮膚科 転移性皮膚悪性腫瘍は 原発腫瘍が進行していることが多いため一般 的に予後不良である 転移性皮膚悪性腫瘍に対しては生検以外に手術 適応となることは少なく 原疾患に対する化学療法や転移巣に対する 放射線療法などが一般的に行われている しかし 転移性皮膚悪性腫瘍 による疼痛や腫瘍からの出血 滲出液 悪臭などが問となり 患者や 家族の QOL は低下することが多い そのため当科では患者の症状緩 和を目的として 切除可能な転移性皮膚悪性腫瘍は積極的に切除する 方針をとっている 本発言では 2013 年から 2017 年までの 5 年間に当 科で外科的切除を行った転移性皮膚悪性腫瘍 38 件 33 症例 について まとめた 原発巣の癌種は 悪性黒色腫 7 例 肺癌 5 例 乳癌 5 例 有 棘細胞癌 4 例 食道癌 4 例 尿路上皮癌 2 例 腎細胞癌 2 例 肝細胞癌 1 例 前立腺癌 1 例などであった 腫瘍の大きさ 切除後の生存期間に ついても検討した P-21 O14-3 Dermatophytoma は 1998 年に Roberts によって報告された爪白癬症 の難治型である 臨床像は白色円形あるいは線状の領域であり 直接鏡 検では菌糸あるいは胞子の菌塊が確認される 後に線状型に楔形が含 まれるようになり 線状を帯状と表現する報告も出ている 内服 外用 抗真菌薬ともに治療抵抗性であり 化学的あるいは物理的デブリドマ ンが有効であるとされている 爪白癬に対するダモコピ所見は spike longitudinal striation などが報告され 外傷性爪甲剥離症との感 受性 特異性の違い示されている 白色円形領域型 dermatophytoma 2 例 3 病変に対してダモコピを施行し既報告の爪白癬ダモ コピ所見とは異なる 近位側に山脈様の辺縁 が観察できた 今後 特異性が確認できれば 爪甲の研削など治療の工夫が必要な患者を鑑 別できる可能性があると考えた 皮膚筋炎患者の筋炎と間質性肺炎の評価における FDG! PET の有用性について 怜 蕁麻疹の臨床経過が長期に及ぶと 繰り返す瘙痒 膨疹により患者の生 活の質 Quality of Life QOL はしばしば著しく低下する そのよう な症例では QOL 低下状況もふまえた緻密な治療計画の策定が望まれ るが 診察時には症状が出現していない場合も多く 短時間の外来診察 のみをもって患者の QOL 障害の程度を正確に把握することは容易で はない 近年 海外の診療ガイドラインにおいて 患者の QOL 障害を 客観的かつ簡便に把握する質問票として Chronic Urticaria Quality of Life Questionnaire CU!Q2oL が推奨されるようになった 今回我々 は CU! Q2oL を原著者の許諾を得て日本語に翻訳し 検討 微修正を 加えた上で逆翻訳をおこない 原著者と最終調整し日本語暫定版を作 成した 現在 日本人患者に試用し その信頼性と妥当性の検証を行っ ている 1176 福山國太郎 関西労災病院皮膚科 P-24 O14-4 蕁麻疹の QOL 調査票の日本語版確立の試み 岡本真由美 森桶 聡 入福令子 田中暁生 亀頭晶子 齋藤 横林ひとみ 秀 道広 広島大学皮膚科 白色円形領域型 dermatophytoma のダモコピ 所見 藤原千紗子 茂木精一郎 原健一郎 口徹也3 平澤裕美3 小平明果3 朝永博康3 対馬義人3 石渕裕久 石川 治 群馬大学大学院医学系研究科皮膚科学 群馬大学大学院医学系研究 科呼吸器 アレルギ内科 群馬大学大学院医学系研究科放射線診 断核医学3 皮膚筋炎患者では 筋炎や間質性肺炎の有無や程度 悪性腫瘍の有無を確認するこ とが治療や予後を考える上で重要であり 診断後早期に MRI や CT によって全身 の評価を行うことが望ましい 本研究では 筋炎や間質性肺炎の有無 重症度の評 価における FDG!PET の有用性を明らかにすることを目的とした 当院通院中の 皮膚筋炎患者 21 例において 悪性腫瘍の検索で行われた FDG!PET/CT の SUVmax 値を用いて CT の間質性肺炎と MRI の筋炎との相関を調べた その結果 肺の HRCT コアと SUVmax 値の間には有意な正の相関関係がみられた r= p 筋炎に関しては 13 例では MRI で確認された筋炎部位に一致 して FDG の集積がみられ 3 例では MRI で筋炎が指摘されなかったが FDG の集積がみられた 皮膚筋炎患者において FDG!PET 検査は 悪性腫瘍の検索だ けではなく 間質性肺炎と筋炎の有無 重症度の評価に有用と考えた

5 P-25 P-28 ダモコピで均一青色色素沈着を示したが青色母斑 ではなかった 6 症例 Bowen 病と鑑別を要する脂漏性角化症のダモコ ピ所見 皆川 茜 代田志保 佐野 佑 三宅知美 高沢裕子1, 古賀弘志 木庭幸子 奥山隆平 信州大学皮膚科 北アルプ医療センあづみ病院皮膚科 均一青色色素沈着は青色母斑に特徴的なダモコピ所見だが 他 の疾患でも時に観察されるので供覧する 症例 1 72 才女性 腹部の 7.5 ミリ脂漏性角化症 病変内にはメラニン沈着とともにメラノサイト が増加していた 症例 2 50 才男性 背部の 6 ミリ aneurysmal fibrous histiocytoma 病変内には出血やシデロファジが多数観察された 症 例 3 83 才男性 眉間の 4.2 ミリメラノマ皮膚転移 メラニンを含む 腫瘍細胞が真皮で結節状に増加していた 症例 4 19 才女性 上腕の 3.6 ミリ石灰化上皮腫 症例 5 13 才女性 大 の 3.4 ミリ石灰化上皮 腫 2 症例ともメラニンを含む陰影細胞が観察された 症例 6 67 才女 性 示指後爪郭の 9.6 ミリ pencil!core granuloma 異物肉芽腫の周囲に はグラファイトが沈着していた メラニンやヘモジデリンなどの色素 を含む結節性病変では均一青色色素沈着を示す可能性がある 貞安杏奈 渡邉荘子 石崎純子 田中 勝 藤林真理子 伊東慶悟3 安齋眞一3 東京女子医科大学東医療セン皮膚科 同病理診断科 日本医 科大学武蔵小杉病院皮膚病理診断室3 脂漏性角化症の典型的ダ モ コ ピ 所 見 は multiple milia!like cysts や comedo! like openings である 一方 Bowen 病でみられる ダモコピ所見は whitish network や glomerular vessels white scale などである これらの所見が見られない場合 しばしば両者は臨 床およびダモコピで鑑別が難しい 当科において Bowen 病と 鑑別を要した脂漏性角化症は病理組織学的に hyperkeratotic type clonal type irritated type の 3 型であり acanthotic type はなかった Hyperkeratotic type の脂漏性角化症では ダモコピで辺縁に glomerular vessel がみられるとき Bowen 病と鑑別を要する Clonal type では淡褐色の背景に褐色の globules と glomerular vessel が目立 つと Bowen 病が疑われる Irritated type では glomerular vessels などの多彩な血管構造がみられるときに Bowen 病と鑑別を要する P-26 P-29 表在性皮膚脂肪腫性母斑における超音波検査所見の特徴 基底細胞癌の臨床像とダモコピ像における色 か たちの特徴について 中山純里 渡邉恒夫 松野寛子 高田彩永 篠田貢一 野久 謙 伊藤弘康 清島 満 水谷陽子 清島真理子 岐阜大学医学部附属病院検査部 岐阜大学医学部附属病院皮膚 科 はじめに 表在性皮膚脂肪腫性母斑 NLCS は 真皮内で異所性の成熟脂肪細胞 の増殖を特徴とする過誤腫性病変である 今回 8 例の NLCS について超音波検査 US 所見の特徴を検討したので報告する 対象 2009 年 2017 年に術前 US を施行し 病理検査で NLCS と診断された 8 例 US 所見 8 例中 6 例は形状整で境界不明瞭な低 高エコの腫瘤であり 後方エ コについては全例が消失または減弱であった これは境界明瞭で後方エコ不変 を示す脂肪腫の US 所見とは異なった 病理所見 腫瘤内は膠原線維束に割り込むように増殖した成熟脂肪細胞が見られ 皮下脂肪組織内に皮膚付属器の混在がみられる症例が多かった これらの病理学的 所見が US による境界不明瞭や後方エコの消失 減弱に反映されると考えられ た 結語 NLCS 8 例の US 所見について脂肪腫との相違点を中心にまとめた 生長久仁子 安藤純実 坂井浩志 大阪警察病院皮膚科 青色母斑 刺青のように 真皮内に黒色の色素を有する病変は 青色 を呈する この 青色 は 色相 彩度 明度の指標で表すと比較的彩 度が低く比較的明度が高い橙色である このような色調を呈するのは 周辺組織の透過度が低く そのような周辺皮膚組織を透見して黒色の 色素を観察しているためであると考えている 一方 基底細胞癌におい て真皮内の黒色の胞巣は明瞭な 黒色 を呈する この 黒色 は比較 的彩度が低く比較的明度が低い橙色である このような色調を呈する のは 周辺組織の透過度が高く 周辺皮膚組織からあまり影響を受けず に色素を観察しているためであると考えられる 基底細胞癌の間質は 透過度が高いため真皮内胞巣 樹枝状血管の色調 輪郭が明瞭に観察さ れると考えた P-27 肌毛細血管の数密度の画像処理による認識方法の検討 永山勝也 小川真也 九州工業大学情報工学部 目的 微小循環による健康状態の指標として 毛細血管の数密度が考 えられる 例えば糖尿病 高血圧や動脈硬化による毛細血管の減少 肌 の健康状態と毛細血管数の関連性など 血管数密度の正確な評価は重 要である 課 マイクロコプで取得した画像から 従来の目視 による手動認識では 測定者により数がばらつき また労力の問が あった 一方自動化するには 気泡や色素などを誤認識したり 血管部 を多めにあるいは少な目にカウントするなど 自動化は困難であった 方法と結果 血管を最初に自動カウントして 誤認識した分は手動で 修正が出来る半自動方式を検討した まず気泡や色素沈着部分はマ ク処理を行い 次に血管の誤認識は足したり減らしたり画面上で修正 操作可能とした 以上により測定の労力を低減しかつ正確な手法を試 行できた 本手法は 様々な疾病やその処置の評価 更に肌の健康状態 への評価へも 将来適用が期待される P-30 かゆみと掻破の組織変化 表皮損傷から まで 孔性皮膚症 今山修平 今山修平クリニック ラボ かゆみは重要な症状であり それがもたらす掻破は物理的に組織を損傷 する にもかかわらず病理教書にはほとんど記載がない そこで掻破が もたらす組織変化を検討したところ 表皮内に留まる掻破では露出細胞が乾燥して凝固壊死に陥るが 近傍 の細胞も外力負荷を受けて異角化/個角化/棘融解すなわち分化の中断/ 加速がみられ その後の増殖加速を反映して有棘細胞の大小不同/多核 化と局所的な角化亢進すなわちマウンドがみられた 真皮が露出する掻破では 血漿による被覆と共に大量の好中球が遊走 して損傷細胞/異物/菌が処理され 乾燥凝固した痂皮下の湿潤環境で表 皮が再伸長した 3 さらに掻破が反復すると 凝固物が爪でそぎ落されて膠原線維束が毛 羽立ち それを 回した再生表皮を 孔 perforation する像を呈した 掻破が惹起する組織変化は 角層再構築 による露出部被覆 を最優先 した修復機転と考えると理解しやすい 1177

6 P-31 親水性リマによる微小塞栓症の臨床病理学的検討 佐々木健太 中川智絵 飯沼 晋 菅野恭子 本間 大 山本明美 木谷祐也 旭川医科大学皮膚科学講座 旭川医科大学循環器内科 P-34 カルシトリオル/ベメゾンジプロピオン酸エ テル配合ゲル剤の国内第 III 相臨床試験 中川秀己 江藤隆史 東京慈恵会医科大学 東京逓信病院 84 歳 男性 大動脈弁狭窄症に対して当院循環器内科 心臓外科で経 カテテル的大動脈弁植え込み術を施行された 術後 2 日目から乏尿 腎機能の急激な悪化を認め 血液透析を施行された 同時期に両足趾か ら足底にかけて多発する点状紫斑が出現したため コレテロル結 晶塞栓症を疑われ当科を初診した 組織では真皮内の血管内に淡い好 塩基性の異物を認め カテテルデバイの親水性リマコティ ングによる微小塞栓症と診断した 親水性リマによる微小塞栓症は近年血管内カテテル治療後のま れな合併症として各科領域から報告されている 皮膚だけでなく他臓 器の塞栓症の原因としても注目されている 血管内カテテル治療後 に点状紫斑やリベドが出現した場合にコレテロル結晶塞栓症との 鑑別が重要である 配合外用薬の登場により 尋常性乾癬の治療選択肢の幅が広がった し かし 被髪頭部では 塗りづらさやべたつき感などの使用感が悪いため 外用アドヒアランが低下し 十分な治療効果が得られないと考えら れている そのため カルシトリオルとベメゾンジプロピオン 酸エテルを主成分とする新規の配合ゲル剤 Cal/BDP ゲル が開発 された 今回 日本人尋常性乾癬患者を対象に Cal/BDP ゲルと Cal/ BDP 軟膏の有効性と安全性を比較するため 多施設共同 無作為化 非盲検 並行群間比較 第 III 相臨床試験を実施した 患者を無作為に Cal/BDP ゲル群 101 例 および Cal/BDP 軟膏群 105 例 に割り付 け 頭部と体部の 2 つの部位で標的病変を選び 各治験薬を 1 日 1 回 4 週間連続塗布した 標的病変に対する 4 週時の全般改善度 主要評価 項目 および被験者による使用感 塗りやすさ べたつき感 等につい て評価したので その結果について報告する P-32 P-35 O10-7 陰部症状のある乾癬患者を対象としたイキセキズマブ 国外第 3b 相無作為化プラセボ対照二重盲検試験 板倉仁枝 Caitriona Ryan Alan Menter3 Lyn Guenther4 Andrew Blauvelt5 Robert Bissonnette6 Fan Yang Alison Bleakman Eli Lilly Co. St. Vincent s Univ HP Menter Institute3 Guenther Research Centre4 Oregon Med Center5 Innovaderm Research6 局面型皮疹を有する乾癬患者のうち陰部に症状のある患者を対象に イキセキズマ ブ IXE の有効性 安全性を検討した 被験者 149 例に対し二重盲検導入期間 12 週間 に 初回 IXE160mg を投与後 IXE80mg を 2 週に 1 回 Q2W 投与 又は PBO を Q2W 投与した 主要評価項目である 12 週時 spga!genitalia 0 達成率は IXE 群 73 で PBO 群 8 に対し有意に高かった 12 週時の陰部痒みの指標である gen!itch NRS 達成率及び性的活動頻度の指標である SFQ!item 2 0 達成率も IXE 群は PBO 群に対し有意に高かった これらの指標では 1 週又は 2 週時から PBO 群に対し IXE 群で有意に高かった 12 週までの有害事象の頻度は IXE 群 56 PBO 群 45 死亡例はなく 重篤な有害事象は IXE 群にみられなかった IXEQ2W 投与は PBO と比べ主要評価項目を含む有効性指標において有意な効果 を示し その効果は早期から認められた 安全性は これまでの IXE 第 3 相試験の 結果と同様であった P-33 ヘパリン類似物質外用泡状プレの外来薬物治療に おける使用状況の実態調査 米良真理 日本調剤株式会社教育情報部 目的 外用剤の後発医薬品使用促進には患者の使用感は無視できな い ヘパリン類似物質には先発薬 後発薬含め多様な剤形が存在する それらの使用感にどのような違いがあるか に新たに発売され た新剤形の外用泡状プレに着目し 他剤形との使用感等を比較し た 方法 !12 に日本調剤の薬局を利用した患者でヘパリン類 似物質外用泡状プレを継続使用中の患者を対象にアンケト調査 を行った 結果 アンケトは 107 名から回収した 回収率 時点 別の医薬品を使用していた患者 73 名のうち 名/72 名 が 使用感等が異なる と回答した また 全体のうち 名/106 名 が 今後も継続して使用したい と回答した 考察 外用剤の使用感は個人差が大きいが 各剤形の特徴を踏まえて 個々の患者背景に応じた剤形を選択することも重要ではないだろう か 現在アンケトを継続実施中であり当日は最終結果を報告する 1178 日本人乾癬患者を対象としたイキセキズマブ IXE の 臨床試験 UNCOVER!J 休薬及び再投与の評価 梅澤慶紀 板倉仁枝 森崎洋二 明石直嗣 Hany ElMaraghy3 佐伯秀久4 東京慈恵会医科大学 日本イライリリ株式会社 Eli Lilly and Company3 日本医科大学4 目的 日本人乾癬患者を対象に IXE の休薬 再投与時における経過と再投与の 有効性を評価した 方法 単群非盲検試験である UNCOVER!J の 78 例中 IXE 投与開始 52 週後に PASI75 を達成していた 70 例に 52!100 週まで休薬を行い 休薬期に再燃 PASI50 した被験者に IXE80mg を 4 週に 1 回最長 192 週まで 再投与した 結果 52 週時 76 週時 休薬 24 週後 100 週時 休薬 48 週後 の PASI75 達成率 NRI 以下同様 は PASI90 達成率は PASI100 達成率は であった 休薬期での再燃率は 87 再燃までの期間 中央値 は 143 日であった 再燃後 再投与 12 週以内での PASI 75 は 85 PASI90 は 68 PASI100 は 25 であった 有害事象 重篤な有害 事象の頻度は休薬期で 56 4 再投与期で であった 死亡例は認 めなかった 結論 休薬した被験者で約半数の患者が休薬後 4!5 ヶ月目に再燃を 認めた 再燃後も IXE 再投与により 12 週以内で皮疹の改善を認めた P-36 TNF 阻害薬治療歴がある乾癬性関節炎患者でのイキセ キズマブ海外第 3 相試験 SPIRIT!P2 24 週 中條 航 森田明理 岡田正人3 板倉仁枝 森崎洋二 Lisa Kerr4 David H Adams4 Catherine L Shuler4 Chin H Lee4 日本イライリリ株式会社 名古屋市立大学大学院 聖路加国 際病院3 Eli Lilly and Company4 目的 TNF 阻害薬で効果不十分 TNF!IR 又は不耐性の乾癬性関節炎 PsA 患者でイキセキズマブ IXE の有効性及び安全性をプラセボ PBO と比較する 方法 PBO 対照二重盲検期間 24 週間 PsA 患者 363 例を PBO IXE 80 mg 初回投与 160 mg 2 週間隔投与 Q2W 及び 4 週間隔投与 Q4W に無作為化 し ACR20 達成率 24 週時 主要評価項目 PASI75/90/100 改善率を評価した 成績 各 IXE 群で PBO 群と比べ 24 週時の ACR20 達成率 Q4W 53.3% Q2 W 48.0% PBO 19.5% 及び PASI75/90/100 改善率 Q4W 55.9/44.1/35.3% Q2W 60.3/50.0/27.9% PBO 14.9/11.9/4.5% は有意に高かった 有害事象及び 重篤な有害事象の発現割合に各 IXE 群と PBO 群で顕著な差はなかった 結論 生物学的製剤治療歴がない PsA 患者 SPIRIT!P1 試験 と同様 TNF!IR の PsA 患者への IXE 投与で臨床的意義のある疾患の改善が認められた IXE 群 で予期しない安全性上の所見は認められなかった

7 P-37 O10- P-40 O10-6 抗フラクルカイン抗体のアトピ性皮膚炎マウモデ ルにおける治療効果 当科におけるアプレミラト導入症例の治療効果と QOL の検討 石井直人 中谷智哉 西岡恵理 小川嘉奈 今井俊夫 株式会社カン研究所 ヒト化抗フラクルカイン FKN モノクロナル抗体である E6011 は 単球やマクロファジ リンパ球等の炎症組織への接着と移行を阻 害する抗体医薬であり 関節リウマチ クロン病 原発性胆汁性胆管 炎を対象に臨床第 2 相及び 1/2 相試験が進行中である 本研究では マ ウ皮膚炎モデルを用いて抗 FKN 抗体のアトピ性皮膚炎適応可能 性を検証した オキサゾロン溶液若しくはダニ抗原含有軟膏を NC/ Nga マウに連続的に塗布することでアトピ様皮膚炎を誘導した ところ 皮疹部において CX3CR1 陽性のリンパ球やマクロファジの 浸潤が認められた 抗マウ FKN 抗体を治療的に投与することで 皮 膚炎重症度のみならず 経皮水分蒸散量を指標にした皮膚バリア機能 の悪化に対して顕著な改善効果が認められた 以上の結果から 抗 FKN 抗体が新規メカニズムによるアトピ性皮膚炎治療薬として期 待される 高橋 文 阿部名美子 飛田璃恵 松本由香 平野宏文 小林知子 坪井良治 大久保ゆかり 東京医科大学皮膚科学分野 新規経口薬のアプレミラトは 免疫系細胞のホホジエテラゼ PDE 4 の活性を抑制することで細胞内 camp を上昇させ 多くの炎 症性サイトカインの分泌を抑制するとされており 既存薬で効果不十 分であった患者にも効果が期待される 東京医科大学病院皮膚科にお いて 2017 年 10 月末までにアプレミラトを導入した症例は 34 例で あった 男女比は 平均年齢 57 歳 34! 83 歳 尋常性乾癬 27 例 関節症性乾癬 7 例であった 今回 皮疹の重症度 PASI コア DLQI Skindex16 GHQ28 を用いた QOL 評価 VAS を用いた痒みや 疼痛評価により治療前後の臨床的検討を行った 開始時の PASI コ アの平均値は ヶ月後 4.8 であったが PASI50 を達成した症例は 6 例あった 開始時の DLQI の平均値は ヶ月後に 2.7 まで改善し た 副作用で中止した症例は 1 例であった 前治療の種類や併用治療に よる臨床効果の差異についても検討し報告する P-38 O10-8 当科におけるニュモシチ肺炎予防に ST 合剤を 投与した症例の有害事象に関する検討 西川絢子 加藤 威 寺村和也 藤本徳毅 田中俊宏 滋賀医科大学皮膚科 ニュモシチ肺炎 PCP は AIDS 悪性腫瘍などの基礎疾患や 免疫抑制剤やテロイドの投与を背景に発症する 生存率 の 重篤な疾患である PCP に対しては Sulfamethoxazole Trimethoprim ST 合剤の予防効果が報告されており 皮膚科領域でもテロイド内 服や免疫抑制剤の投与が長期にわたって必要となる症例に頻用されて いるが 有害事象を生じることも多い 注意を要する有害事象の 1 つと して顆粒球減少や血小板減少などの血液障害があり 同剤のイン ビュフォムでは顆粒球減少の頻度は 0.1 血小板減少は 0.01 と報告されているが 実際の臨床で見られる頻度はそれよりも多い様 に思われる そこで今回我々は 当科において 2010 年 7 月から 2017 年 10 月までの期間に ST 合剤を PCP の予防に投与した症例に関し て 血液異常を含めた有害事象を生じた頻度等に検討を行った P-41 顔の皺治療における OnabotulinumtoxinA の安全性と 忍容性 3 4 Jean Carruthers Mitchell F Brin Koen De Boulle Steven Liew Alexander Rivikin5 Yan Wu6 Irina Yushmanova Terry I Boodhoo Kathy Zhuang Elisabeth Lee University of British Columbia, Canada Allergan plc, USA Aalst Dermatology Clinic, Belgium3 Private Practice, Australia4 Private Practice, USA5 Peking University First Hospital, China6 目的 目尻の皺 CFL および CFL+眉間の皺 GL に投与した onabotulinumtoxina ONA を評価した 方法 ONA の 15 試験 N=3946 の安全性デを統合した 無作為化二重盲検プラ セボ対照 DB の 11 試験 n=3338 において 2394 人に GL n=665 CFL n= 1324 CFL+GL n=405 に ONA を投与した 結果 DB 試験の被験者は白人 59.9% アジア人 33.6% および女性 85.1% であっ た DB 試験における有害事象の全発現率は ONA 群とプラセボ群は同程度であり 北米またはヨロッパ より アジアの試験 % の方が低かった ONA 群とプラセボ群の重篤な有害事象の発現率は CFL の場合 各々 1.4% 1.5% も CFL+GL の場合 2.7% vs 2.3% も同程度であった 考察 本解析により 顔の皺治療のための ONA の安全性と忍容性が確認された P-39 O10-3 P-42 O10-4 薬剤血管外漏出に対するテロイド局注療法 及びその クリティカルパの有効性と問点の検討 中等症から重症の局面型乾癬を対象 Risankizumab 第 3 相試験 IMMhance の有効性 安全性成績 牧野公治 山本春風 榮 達智 冨永啓史3 福本佐百合3 熊本医療セン皮膚科 熊本医療セン腫瘍内科 熊本医療 セン看護部3 当院は救命救急センも有する地域がん診療連携拠点病院であるた め 抗癌剤のみならず昇圧剤など血管外漏出すると重大な皮膚損傷を 来す薬剤の使用頻度が多い 発生時は皮膚科診察結果ないし医療安全 管理マニュアルに沿って対応するが 特に休日 夜間や主治医の経験 が浅い場合などは不十分な対応により重症化する危険もはらむ そこ で 2012 年 10 月から血管外漏出クリティカルパを稼動させた すな わち漏出部位に リンデロン 注 4mg キシロカイン 注 1%2ml 生食 2ml を速やかに局注し デルモベト 軟膏 1 日 2 回塗布と生食湿布 1 日 3 回交換を継続しながら経過を見るという一連の手順を一括オ ダできるようにした またアントラサイクリン系抗悪性腫瘍剤の血 管外漏出治療剤サビン の保険適応に伴い 適用条件の改訂も行っ た 2017 年 10 月までにパを適応した約 800 例について 有効性や問 点を検討した 五十嵐敦之 A. Blauvelt K. A. Papp3 M. Gooderham3 P. Lacour4 S. Philipp5 R. G. Langley3 C. Leonardi3 J.! S. Tyring M. Bukhalo J. J. Wu J. Bagel E. H. Frankel D. Pariser M. Flack J. Scherer Z. Geng Y. Gu A. Camez5 E. H. Z. Thompson NTT東日本関東病院皮膚科 米国 カナダ3 フラン4 ドイ ツ5 インロイキン!23 IL!23 は乾癬の病態に重要なサイトカインである ヒト化 IgG1 モノクロナル抗体 Risankizumab RZB は IL!23 p19 に特異的に結合し IL!23 を阻害する 本試験は 16 週のプラセボ対照期間とその後のランダム化治療 中止と RZB 再投与期間からなる 主要評価項目は投与 16 週の PASI90 と PGA 0/ 1 である 日本人 14 例を含む 507 例が体重 100kg 未満 vs100kg 超 および TNF 阻害薬使用経験による層別ランダム化 4 で RZB 150mg またはプラセボ を投与 0 4 週 した 被験者背景 平均 は 年齢 49.2 歳 体重 92.0kg 男 性 70.2% 乾癬性関節炎の既往 34.7% TNF 阻害薬使用経験 36.5% PASI 20.2 BSA 26.1 であった 学会にて投与後 16 週までの成績を発表する 1179

8 P-43 O10- P-46 日本人の成人アトピ性皮膚炎患者を対象とした JTE! 052 軟膏 Janus kinase 阻害剤 の第 II 相試験 アトピ性皮膚炎における患者と医師の治療選択の優先 順位に関する検討 根本 治 中川秀己 五十嵐敦之3 海野敬修4 永田 健4 廣仁会札幌皮膚科クリニック 東京慈恵会医科大学皮膚科学講 座 NTT東日本関東病院皮膚科3 日本たばこ産業株式会社医薬事 業部4 中等症又は重症の日本人成人アトピ性皮膚炎患者 327 例を対象に プラセ ボを対照としたランダム割付評価者盲検群間比較法により JTE!052 軟膏を 1 日 2 回 4 週間皮膚塗布した際の有効性及び安全性を検討した また参照群 としてクロリム軟膏 0.1 群を非盲検下で設定した 主要評価項目であ る最終評価時の m!easi コア変化率 LS Mean は JTE!052 軟膏 及び 3 群でそれぞれ 及び 72.9 であり プラセボ群の 12.2 に比し有意に低下した p 全群 クロリム群での m!easi コア変化率 Mean は 62.0 だった また JTE!052 群では他の有効性評価項目においても有意な改善が認められた JTE!052 群の有害事象発現率はプラセボ群と同程度で JTE!052 群で発現頻 度が最も高い有害事象は鼻咽頭炎 3.4 だった 以上 JTE!052 軟膏がア トピ性皮膚炎に対する新たな外用治療選択肢となる可能性が示唆された 大久保ゆかり 藤田浩之 有馬和彦 S. Fifer3 出宮ウェン 東京医科大学皮膚科 サノフィ株式会社 CaPPRe3 背景 アトピ性皮膚炎 AD の標準治療は保湿剤およびテロイ ドやクロリム外用が広く普及しているが 治療のゴルおよび治 療選択の優先順位は患者により異なり また医師の認識と必ずしも一 致するとは限らない 目的 方法 中等症 重症の AD 患者 300 名および AD 患者を治療 する医師 100 名を対象にウェブ調査を実施し 患者と医師それぞれの 治療選択において重視する項目の得失評価を行った さらに人口統計 および治療情報も定量的調査により収集し 潜在クラモデル Latent Class Model LCM を用いてデを分析し 治療選択の違いを明ら かにした 結果 考察 本研究は AD の治療選択時に患者および医師が示すそ れぞれの優先順位を検討した初めての調査である 結果を基に患者の 希望を正しく理解することは AD 患者の治療アドヒアランおよび 治療成績の向上に寄与すると期待される P-44 P-47 O4-5 局面型乾癬患者を対象としたグセルクマブ GUS 国内 第 3 相臨床試験における部分集団解析 低フルエンピコ秒レザ治療によって肝斑は増悪す る可能性がある 森田明理 宮代昌彦 杉浦由加子 小林久謹 岡崎正晃 日川 後藤良祐 名古屋市立大学大学院医学研究科 ヤンセンファマ株式会社 方法 中等症から重症の日本人乾癬患者 192 例を GUS 50mg 群 n= 65 GUS 100mg 群 n=63 プラセボ群 n=64 に無作為に割り付け た いずれの群も 週時の 3 回の投与後 16 週時の PASI90 達成率及び IGA コア 0 又は 1 の達成率を評価した 主要評価項目 また 種々の部分集団において GUS が一貫して有効性を示すか否かを 検討するため あらかじめ定められたベライン時の人口統計学的 特性 年齢 性別 体重 疾患特性 PsA の有無 罹病期間 重症度 前治療別に主要評価項目の部分集団解析を実施した 結果 GUS 投与群はプラセボ群に比較して PASI90 達成率及び IGA 0/1 達成率は有意に高かった また ベライン時の重症度 PsA 合併の有無 生物学的製剤既治療の有無などいずれの部分集団におい ても GUS 投与群はプラセボ群に比し一貫して高い有効性を示した 結論 GUS はいずれの部分集団においても有用性が示唆された P-45 Famciclovir の再発性単純疱疹患者に対する早期短期治 療の有用性についての第 III 相臨床試験 安元慎一郎 加藤俊之 福田博章 川島 眞3 安元ひふ科クリニック マルホ株式会社 東京女子医科大学皮膚 科3 再発型単純疱疹治療の第一選択は経口抗ウイル薬であり 海外では再発の前 駆症状発現後 直ちに経口抗ウイル薬を服用する早期短期治療が標準となっ ているが 本邦では早期短期治療は確立していない 今回 直近 1 年間で 3 回以上の再発歴を有する単純疱疹 口唇 性器ヘルペ 患者を対象に Famciclovir を 1 回 1000mg 250mg 錠 4 1 日 2 回 1 日間投 与する早期短期治療の有用性を検討した 結果 病変部位が治癒するまでの時間の中央値は Famciclovir 群 4.7 日 プラ セボ群 5.7 日であり プラセボ群に対する本剤のハザド比 95% 信頼区間 お よび p 値は p であった 副作用発現率は Famciclovir 群 5.3% プラセボ群 1.5% であり 重篤な副作用は認められなかった Famciclovir の早期短期治療は プラセボと比較し治癒までの日数を有意に短 縮したことから 本邦においても再発型単純疱疹の新たな治療選択肢となり得 ると考えられた 1180 西健一郎 西形成外科 目的 Q イッチ YAG レザを比較的低フルエンで頻回に照射 する治療をレザトニング LT と呼び 肝斑に有効と流行する に至ったが この方法は治療を繰り返している間は色調軽減効果があ るものの治療を止めると高率に再発し 肝斑増悪や難治性白斑形成の 危険があることが明らかになった 最近では ピコ秒レザにより美 容治療を受けた患者に LT と同様の副作用例が増えている 同法の危 険性を考察したい 方法 2015 年 11 月から 2017 年 11 月の間に当院 で美容目的の低フルエンピコ秒レザ治療を受けた患者の中から 肝斑増悪した患者を調べた 結果 同期間に 213 人 のべ 875 回 の 治療を行ったが そのうち少なくとも 11 人に肝斑の増悪を認めた 考 察 者は 肝斑があればなるべくピコ秒レザを照射しないように しているにも関わらず多くの肝斑増悪例を出してしまった 肝斑患者 に積極的に照射した場合の危険性は非常に高いと考えられる P-48 O4-6 乳房外パジェット病へのドセキセル無効例における パクリキセル投与についての検討 加藤めぐみ 乗松雄大 西牧美幸 永井幸司郎 吉野公二 がん 感染症セン都立駒込病院皮膚腫瘍科 目的 進行期乳房外パジェット病に対する化学療法は未だ確立されて おらず 薬剤の選択については各施設の判断によるところが大きい 本 邦の多施設後ろ向き研究では 1st line としてドセキセルの有効性が 報告されているが 2nd line 以降の薬剤について検討されたものがな い 今回 当科で 2nd line としてパクリキセルを使用した症例を検討 した 方法 2008 年 1 月 2017 年 12 月までに当施設で経験したドセ キセル無効例にパクリキセルを使用した症例を後方視的に検討し た 結果 ドセキセルを 1st line で 20 例 2nd line でパクリキセ ルを 8 例に使用 パクリキセルの治療効果は SD2 例 PD5 例 判定 困難 1 例であり パクリキセル投与中の全生存期間は 239 日であっ た 結論 ドセキセルからのキサンイッチの効果は不明であっ たが ある一定の効果が得られており 有事外事象も軽度であった

9 P-49 P-52 O4-7 美容皮膚科でよく遭遇する陥凹性瘢痕と非炎症性赤みに はブクラデシンナトリウム軟膏が有効である 余剰分層植皮片を用いた 採皮創への戻しチップ植皮の 有効性と当科における手法の工夫について 寺田伸一 医療法人社団茉悠乃会船橋ゆかりクリニック 目的 皮膚潰瘍に対する外用薬であるブ ク ラ デ シ ン ナ ト リ ウ ム DBcAMP 軟膏は 上皮再生を促進することから 表皮や真皮が菲薄 化した病態にも適応があると推測した 方法 レザによる母斑除去痕やニキビ痕の陥凹性瘢痕や赤み 萎 縮性皮膚線条である赤みが残る肉割れを対象とした DBcAMP 軟膏 を就眠前 1 回塗布した 評価は三次元皮膚色調解析器を使用した 結果 母斑除去後 2 週間でびらんが残る除去痕に対して DBcAMP 軟膏を開始 上皮化完了後も塗布を続けると 凹みと赤みが改善した ニキビ痕の平均陥凹体積が男性 48.1mm3 n=11 面 女性 28.6mm3 n=14 面 改善率で分類した改善度ランク 平均 が男性 2.9 女性 3.4 であり 陥凹体積が少ない女性の方が改善しやすい傾向であった 肉割れも 2 3 ヶ月塗布を続けると 赤みの改善が観察された 結語 DBcAMP 軟膏はほくろ除去痕 ニキビ痕 肉割れに有効であ ることが示唆された P-50 酒さに対するメトロニダゾル外用 院内製剤 の 有効性 古橋卓也 宇塚千紗 小田隆夫 春日井市民病院 酒さ及びその類縁疾患である酒さ様皮膚炎では 既存の外用 内服では 効果に乏しく 一般皮膚科医として治療に難渋する難治性疾患の一つ であり また その患者の QOL を著しく低下させる メトロニダゾ ル外用はニトロイミダゾル系抗真菌薬を含むが 酒さの病態である 自然免疫異常を是正する可能性が考えられており 院内製剤の場合 20 g で 100 円程度と非常に安価 安全性も高いことが報告されている 当 院での 5 例の経過について報告する 患者は 5 名 男 1 名 女 4 名 平 均年齢 68.6±8.3 歳 の酒さまたは酒さ様皮膚炎の患者で 全ての患者 において有効性が認められた 症例 4 で丘疹の数について経過を追っ たところ 治療前 22 か所から治療後 3 か所に改善 部位別に統計解析 し有意に改善していた p 0.0 数字だけでなく詳細な臨床写真を提 示する P-51 O4- 尾松 淳 山田大資 沼尻宏子 河合 徹 大垣 三枝良輔 宮川卓也 浅野善英 佐藤伸一 東京大学皮膚科 淳 船水 薫 分層採皮創に対する治療は各施設において様々な方法が取られてい る 当科ではこれまで電動ダマトムで採皮後 5000 倍希釈アドレ ナリン含有ガゼで止血し キチン創傷被覆材やアルギン酸カルシウ ム創傷被覆材を貼付する方法を従来行っていた しかし 術後の疼痛が 強く 処置時の恐怖感が生じたり 高齢者においては術後の ADL 低下 をきたしたりする場合もあり難渋していた 採皮創の治癒促進する方 法の一つとして 採皮の際に生じた余剰皮膚をチップ状にし 採皮創へ の戻し植皮を行う方法がある 同手法については 過去の報告で上皮化 までの期間 質感が改善することが示されているが 当科で開始したと ころ 上記に加えて全症例において術後疼痛が殆どなくなることが判 明し 術後 QOL の向上がみられた 今回 この戻しチップ植皮の有効 性と当科における手法の工夫について報告する P-53 O4- 肘にセンチネルリンパ節が同定された悪性黒色腫の検討 陣内駿一 並川健二郎 水田栄樹 鹿毛勇太 中野英司 武藤雄介 高橋 聡 堤田 新 山 直也 国立がん研究セン中央病院皮膚腫瘍科 悪性黒色腫はセンチネルリンパ節 以下 SLN 理論の成り立つ代表的 な皮膚悪性腫瘍で 現在 SLN 生検は標準的な手技となっている 当院 では RI 法 色素法に加え 2007 年 4 月から蛍光法を併用して SLN の同 定を行っている 頸部 腋窩 鼠径といった代表的な所属リンパ節以外 にも肘や膝窩 それ以外の interval node といわれる異所性のリンパ節 の存在も明らかになってきた 前腕より末梢に生じた悪性黒色腫では 多くの症例で SLN は同側の腋窩に同定されるが まれに肘に同定され ることがある 肘 SLN について その頻度は % と報告に幅が ある また 肘 SLN に至るリンパ経路や原発部位についての知見は限 られている そこで今回われわれは 肘に SLN が同定された悪性黒色 腫について その頻度やリンパ経路や原発部位の特徴を明らかにする ため 当院で 3 者併用法で SLN 節生検を行った上肢原発の悪性黒色腫 について集計し 検討を行ったので報告する P-54 進行期悪性黒色腫の治療中に抗 PD!1 抗体から 抗 CTLA!4 抗体に投与変更した例の予後予測因子の検討 漢方薬の変更を契機にうっ血性心不全が増悪したアト ピ性皮膚炎患者の 1 例 武藤雄介 堤田 新 並川健二郎 高橋 聡 鹿毛勇太 陣内駿一 中野英司 水田栄樹 北野滋久 山 直也 国立がん研究セン中央病院皮膚腫瘍科 国立がん研究セン 中央病院先端医療科 市山 進 帆足俊彦 木村徳宏 山瀬 綾 江崎英子 平馬直樹3 周東佑樹4 船坂陽子 佐伯秀久 日本医科大学付属病院皮膚科 日本医科大学付属病院循環器内 科 日本医科大学付属病院東洋医学科3 日本医科大学大学院医学研 究科内分泌糖尿病代謝内科学分野4 当院では BRAF 阻害剤が適応とならない進行期悪性黒色腫に対して抗 PD!1 抗体を第一選択とし 治療抵抗例や重篤な有害事象の出現等で投与困難な場合 には次治療として Ipilimumab を選択肢の一つとしているが 有害事象の出現 より必ずしも投与は容易ではない 今回 当院で経験した抗 PD!1 抗体から Ipilimumab へ順次投与した 30 例について 臨床検査所見や全身状態を評価す ることで投与を行う患者の選択ができないか後ろ向きに検討した その結果 Ipilimumab 投与直前の PS absolute lymphocyte ALC が生存期間と相関し ていた Grade3 以上の免疫関連有害事象は下痢 腸炎 30 肝障害 23 を認 め 臨床効果については PR6.7 SD6.7% であった 今回の我々の検討でも既 報と同様に抗 PD!1 抗体後の Ipilimumab の投与は臨床的メリットは限られて いた 後治療の Ipilimumab の投与前に上記項目 PS ALC を考慮すること が患者選択に寄与するかもしれない 今後 前向きに検討していきたい 30 代男 アトピ性皮膚炎患者 6 年前から他院で漢方治療を受けていた 昨 年から軽度労作時呼吸困難を自覚 皮膚症状が悪化し本年 9 月から抗菌薬の内 服併用が開始された 10 月当院東洋医学科紹介受診 新規の漢方薬 甘草 4g/ 日 を開始した 2 日後から顔に浮腫が生じ全身に拡大 9 日後当該漢方薬を中止 したが改善なく当院循環器内科受診 うっ血性心不全を認め入院しルプ利尿 薬内服を開始した K 排泄亢進があり K 保持性利尿薬内服開始 画像上副腎腫 瘍なし 皮膚症状に対して抗ヒミン薬内服 テロイド外用強化を開始 心不全 皮膚症状 血液 画像所見はいずれも改善傾向となった 漢方薬の変 更を契機に急激な心不全の増悪が生じており 甘草に含まれるグリチルリチン 酸の代謝産物がコルチゾルの不活性化を阻害し 過剰となったコルチゾル がアルドテロン様作用を示したことが一因となった可能性が考えられた 1181

10 P-55 P-58 重症 難治性アトピ性皮膚炎 AD 患者に一人で向き 合うために どうすれはよいか 乾癬様皮疹を伴った NFKB2 遺伝子変異による分類不能 型免疫不全症の 1 例 岸本和裕 竹田綜合病院皮膚科 永井 諒 今井康友 山西清文 兵庫医科大学皮膚科学 AD 患者の診療には多大な時間と労力を要する 1 数年 数十年に及 ぶ AD の治療歴の聴取 2 AD の病態 検査 治療法の説明 3 持参 したノトに記載された質問に対する回答や生活指導 そして 患者が 診療内容に納得すれば連日全身処置を行う 以上 3 時間要 以前はこ れを一般外来の合間に行っていた 当然 外来診療はフリズし 一日 のエネルギを使い果たしてしまう だからと言って 福島県の医療事 情では他施設へ紹介するという逃げ道はない そこで 1.は看護師が聴 取した問診に不足部分を付け足す 2.は小学高学年であれば理解でき る教材を作成し 患者が自己学習する これで 1.と 2.はかなり短縮で きる 3.には時間を惜しまず対応するが 2.の教材に記載してある内容 は該当ペジを参照してもらえば済む 全身の処置は指示内容に従い 看護師が行う 以上の工夫により 一人医長 外来診療という制限付き の環境下でも AD 患者に十分な対応が可能である 29 歳女性 幼児期より軽度の皮疹 爪萎縮 乏毛を生じ 学童期に気 管支喘息 ACTH 単独欠損症 低ガンマグロブリン血症を指摘され ヒドロコルチゾン内服 フルチカゾン吸入で加療されていた 24 歳頃 から皮疹が増悪 拡大し 近医で乾癬として治療を受けていたがテロ イド ビミン D3 外用薬が奏効せず 生物学的製剤導入目的に当院乾 癬外来を紹介受診した 初診時 全身に鱗 性紅色丘疹 浸潤性紅斑が 播種状あるいは融合して網状に分布 脱毛は汎発性で 翼状爪を伴って いた 紅斑の皮膚生検で角層 表皮肥厚 錯角化 顆粒層の消失 液状 変性 真皮血管周囲の炎症細胞浸潤を認めた エクソム解析の結果 NFKB2 遺伝子に c.2557c T ヘテロ変異を検出した この変異によっ て NF! κb p100 の Arg853 に終止変異が生じ ハプロ不全に至ると推 測した 以上より 自験例を分類不能型免疫不全症 CVID10 と診断 した P-56 P-59 AD 患者のテロイド外用剤治療における W/O 型製剤 の患者満足度およびアドヒアランの検討 痔疾薬に含まれる複数の成分による接触皮膚炎症候群の 1例 馬岡 愛1, 欠田成人 津田憲志郎1, 近藤 誠 東山文香 水谷 仁 半田智春3 石井惠玲3 吉原成朗3 山中恵一 三重大学大学院医学系研究科皮膚科 市立四日市病院皮膚科 バ イエル薬品株式会社3 テロイド外用剤治療中のアトピ性皮膚炎 AD 患者を対象に軟膏 製剤から油中水型 W/O 型 製剤へ変更後のかゆみ VAS 重症度 SCORAD EASI 患者満足度 TSQM!9 アドヒアラン MMAS! 8 を評価した 対象は秋冬期間 Period 34 例 春夏期間 Period 22 例であった 本研究は三重大学臨床研究倫理審査委員会より承認 され 全ての対象者から文書による同意を得た VAS SCORAD EASI は両期間で変更後から有意に低下 変化量はともに Period 2 の方が大 きかった TSQM! 9 の 効果 全般満足度 は Period 2 で変更後か ら有意に上昇 変化量はともに Period 2の方が有意に大きかった MMAS!8 は変更前後において有意な変化は無かった W/O 型製剤へ の変更により VAS 患者満足度 AD 重症度の改善がみられ 特に春 夏期間で顕著であった P-57 金製剤による全身性金属アレルギ 長谷川道子 田村敦志 伊勢崎市民病院皮膚科 53 歳女性 近医にて関節リウマチ疑いで初診 2 日前の夕より金製剤が 投与された 翌朝より頸部に皮疹が出現 昼には皮疹の拡大 発熱のた め近医を再診 金製剤中止の指示とセレミン 1 錠が処方された そ の後も皮疹拡大と発熱が続き当院を受診した 初診時体温 37.8 顔面 を含む全身に紅斑あり 紅斑は間擦部に強くみられ 頸部では紅斑上に 帽針頭大の小水疱が集簇していた 26 歳時 ピア装着後より金属ア レルギを自覚し 金の指輪で指が腫脹した既往があった 金製剤によ る全身性金属アレルギと診断し プレドニゾロン 3mg/日内服で軽 快した かつては破損した水銀体温計の蒸気吸入により全身症状を伴 う同様の皮膚炎がみられることがあったが 電子体温計の普及で現在 では稀である 金製剤投与による全身性金属アレルギの報告は極め て稀であるが 水銀と同様に激しい症状を伴うことから 投与にあたっ ては十分な問診が必要と思われた 1182 西村真帆 葉山惟大 照井 日本大学 正 47 歳の男性 2017 年 3 月に裂肛に対して市販のプリザ S 軟膏を使用 したところ 同日から肛門周囲に瘙痒感を伴う皮疹が出現し その後体 幹 四肢にも皮疹が拡大した 皮疹出現 6 日後に軟膏の使用を中止し たが皮疹は増悪し 発熱と顔面の腫脹も出現したため当科を受診した 診察時 頸部 体幹 四肢に小豆大から母指頭大の紅斑が多発し 紅斑 上には帽針頭大の水疱が集簇していた 前年もプリザ S 軟膏の外用を きっかけに全身に水疱を混じる紅斑が多発したという既往があったこ とから外用薬による接触皮膚炎症候群を疑った 皮疹軽快後に成分 パッチテトを施行した 72 時間後と 96 時間後判定の結果 フェニレ フリン塩酸塩 5%pet.が+++ ジブカイン塩酸塩 1%pet.が++ ジフェン ヒドラミン塩酸塩 20%pet.が++と陽性所見を得た 以上の結果からプ リザ S 軟膏中のフェニレフリン塩酸塩 ジブカイン塩酸塩 ジフェン ヒドラミン塩酸塩による接触皮膚炎症候群と診断した P-60 不織布中の酸化防止剤による接触皮膚炎の 1 例 服部淳子 加藤則人 益田浩司 峠岡理沙 上田幸子 荒川真保 京都府立医科大学皮膚科 10 才 男児 脳動静脈奇形手術後 2 日目から躯幹の前面に融合性の紅 斑が出現した 生来健康で 術前までは定期内服薬なし 中毒疹の疑い で当科を紹介された 体幹前面に境界明瞭な紅斑を認めたため 接触皮 膚炎を疑い 精査を行った パッチテトで手術中に手術台のカバと して使用されていた不織布に強陽性を示した 不織布はリエチレン を主原料としていた 原料による成分別パッチテトを行ったところ 酸化防止剤である Irganox1076 が陽性であった 不織布中の酸化防止 剤による接触皮膚炎を起こしたまれな症例を経験したので報告する

11 P-61 P-64 アトピ性皮膚炎における疾病負荷と治療満足度に対す る患者と医師の認識の相違 成人アトピ性皮膚炎患者に対する Dupilumab の国際 共同第 III 相試験 SOLO 日本人部分集団解析 中原剛士1, 藤田浩之3 本山聡平3 出宮ウェン3 有馬和彦3 古江増隆 九州大学大学院医学研究院体表感知学講座 九州大学大学院医学研 究院皮膚科学分野 サノフィ株式会社3 片岡葉子 椛島健治 秀 道広3 加藤則人4 佐伯秀久5 川島 眞6 藤田浩之7 有馬和彦7 G. Pirozzi7 M. Ardeleanu8 大阪はびきの医療セン 京都大学 広島大学3 京都府立医科大 学4 日本医科大学5 東京女子医科大学6 サノフィ7 リジェネロン8 背景 アトピ性皮膚炎 AD の症状は 日常活動の制限 対人関係へ の憂慮 うつ病 不安 自殺念慮 生産性の低下など 様々な疾患負荷を 引き起こす 患者の生活の質の向上につながる治療に向け AD 患者の疾 患負荷や治療満足に対するより深い理解とコミュニケションが求めら れている 目的 方法 AD 患者 300 名と医師 200 名を対象にウェブ調査 を実施し AD 患者の疾患負荷 治療満足度および疾患負荷と患者治療満 足度に関する患者と医師の認識の相違を検討した また治療満足度に関し ては AD と他疾患を比較検討した 結果 考察 AD 患者は様々な疾病負 荷を有し 治療満足度は全般的に低い傾向を示した また 疾病負荷と治 療満足度に対する患者 医師間の認識の相違が存在した AD の治療では 症状の改善に加え 患者の訴える疾病負荷に対する理解とその改善に向け た支援が患者の生活の質と治療満足度を高めることが示唆された 背景 中等症から重症のアトピ性皮膚炎 AD 患者を対象としたヒト抗 IL!4Rα 抗体 dupilumab DUP 単剤による第 III 相国際共同無 作 為 二 重 盲 検 試 験 NCT 名 のうち 日本人 106 名 での有効性 安全性を検討した 試験方法 外用療法で効果不十分の成人 AD 患者に DUP 300mg 毎週 qw n=35 隔 週 q2w n=36 または偽薬 n=35 を 16 週間皮下投与 無作為化 した 結果 16 週時の医師全般評価コア 1 ほぼ消失 達成率は DUP 群 qw 28.6%/q2w 19.4% vs 偽薬群 2.9% EASI!75 は同 51.4%/25.0% vs 0% 瘙痒コア 4 点以上の改善は 同 27.6%/25.0% vs 0% といずれも DUP 群で高かった 有害事象の発現率は群間で大差 なかったが 注射部位反応 DUP 群計 10/71 例 偽薬群 1/35 例 と結膜炎 同 8/71 例 2/35 例 が DUP 群に多かった その他副次評価項目の結果も供覧する 結論 日本人 AD 患者においても 国際共同試験の全体集団と同様に DUP の有効性と 安全性が確認された P-62 O2-4 P-65 O2-6 アトピ性皮膚炎教育入院による臨床症状及び疾患関連 因子の変動の解析 成人アトピ性皮膚炎患者に対する Dupilumab の国際 共同第 III 相試験 CHRONOS 日本人部分集団解析 向所純子 猪又直子 白田阿美子 小田香世子 金岡美和 大川智子 渡邉裕子 侯 建全 河野克之 相原道子 横浜市立大学皮膚科 目的 本邦では成人アトピ性皮膚炎 AD 患者の教育入院の有用 性を評価した報告は少ない 本研究では 教育入院が皮膚症状や血液検 査心理社会的因子に与える影響について解析した 方法 2013 年! 2017 年に当院に AD 教育入院を受けた AD 患者 25 名を対象とし SCORAD 血液検査 TARC IgE LDH DLQI Skindex 29 STAI GSES コアについて入院前後の変化を比較検討した 結果 評価項 目の平均値を比較すると SCORAD は入院前 54.0 後 26.0 と改善を 認めた p 0.00 血清 TARC pg/ml 入院前 7697 後 4233 DLQI 入院前 10.5 後 4.0 IgE LDH 評価ツルの値も改善した また 喘息 アレルギ性鼻炎の既往者で SCORAD の改善率が低く ペット 飼育者では改善率が高い傾向にあった 考察 教育入院によって AD の皮膚症状のみならず QOL や心理状態に関する因子も改善する傾向 が示され AD の治療の一環として有用であることが示唆された P-63 O2-5 シクロリン効果不十分 不耐容のアトピ性皮膚炎 に対する Dupilumab 海外第 III 相試験 CAFÉ 有馬和彦 藤田浩之 B. Shumel N. Graham G. Pirozzi サノフィ リジェネロン 背景 中等症から重症の成人アトピ性皮膚炎 AD 患者でシクロリン CsA 効果不十分例 不耐容例若しくは同薬使用が推奨されない患者を対象 とした 16 週間の海外第 III 相偽薬対照無作為化二重盲検試験 LIBERTY AD CAFÉ NCT にてヒト抗 IL!4Rα 抗体 dupilumab DUP の有効性 安全性を検討した 試験方法 対象 AD 患者に DUP 300mg 毎週 qw 隔週 q2w または偽薬 を TCS 併用下に 16 週間皮下投与 無作為化 した 結果 16 週時の EASI!75 医師全般評価コア 1 ほぼ消失 達成率及び瘙 痒コア 0!10 の 4 点以上の改善率はいずれも偽薬群よりも DUP 群におい て高かった DUP の忍容性は良好であった 単剤試験である SOLO1 2 試験 NCT NCT の併合結果の部分集団解析においても同様の 結果が得られた 結論 CsA 効果不十分例 不耐容例若しくは同薬使用が推奨されない成人患 者において TCS 併用の有無を問わず DUP の有効性と安全性が確認された 江藤隆史 今福信一 五十嵐敦之 藤田浩之 有馬和彦 X. Zhu5 G. Pirozzi4 B. Shumel5 東京逓信病院 福岡大学 NTT東日本関東病院3 サノフィ4 リ ジェネロン5 背景 中等症から重症のアトピ性皮膚炎 AD 患者を対象としたヒト抗 IL!4Rα 抗体 dupilumab DUP のテロイド外用薬 TCS 併用による第 III 相国際共同無作為二重盲検試験 NCT 名 中 日本人 117 名 での有効性 安全性を検討した 試験方法 外用療法効果不十分の成人 AD 患者に DUP 300mg 毎週 qw n=47 隔週 q2 w n=16 または偽薬 n=54 を TCS 併用下 52 週まで皮下投与 無作為化 した 結果 16 週時の医師全般評価コア 1 ほぼ消失 達成率は DUP 群 qw 28.2%/q2w 15.0% vs 偽薬群 3.7% EASI!75 は同 63.8%/62.5% vs 22.2% 瘙痒コア 4 点以上の改善は同 45.5%/ 40.0% vs 18.9% といずれも DUP 群で高かった 有害事象発現率は群間で大差なし 注射部位 反応 DUP 群 8/63 例 偽薬群 0/54 例 と結膜炎 同 3/63 例 0/54 例 が DUP 群に多かっ た 52 週時の結果も供覧する 結論 日本人でも 国際共同試験の全体集団と同様 TCS 併用下での DUP の有効性と安全性 が確認された P-66 O2-7 パッチテトパネル S の D7 以降の反応について 鈴木加余子 横井 彩 久野千枝1, 松永佳世子1, 矢上晶子 藤田保健衛生大学医学部総合アレルギ科 藤田保健衛生大学医学 部アレルギ疾患対策医療学 目的 パッチテトパネル S の D7 以降の陽性反応について検討す る 対象 2017 年 1 月 1 日 9 月 30 日までにパッチテトパネル S を貼付した 133 例中 1 カ月後判定を行った 69 例 結果 D7 判定時の 陽性反応が持続する pesistent reaction を生じたアレルゲンとその陽 性反応持続率は硫酸ニッケル 10.0% 2/20 金チオ硫酸ナトリウム /15 であった late reaction を認めたアレルゲンとその頻度 は 金チオ硫酸ナトリウムは /54 p! t!ブチルフェノルホ ルムアルデヒド樹脂は 2.9% 2/68 香料ミック 1.5% 1/67 であっ た 結論 Late reaction がパッチテトによる感作なのか 既感作の 個体に陽性反応が遅れて惹起された遅発型陽性反応なのかについて は 今後も検討が必要である 上記のデに対象期間を延長して報告 する 1183

12 P-67 P-70 中等症 重症アトピ性皮膚炎成人患者の長期前向き観 察研究 組み入れ時患者背景の解析 SSCI! Net 医療機器等 家庭用品等による皮膚健康障害 2016 年度のまとめ 加藤則人 佐伯秀久 片岡葉子3 江藤隆史4 手良向聡5 高木弘毅6 M. Ardeleanu7 E. Rizova6 有馬和彦6 京都府立医科大学 日本医科大学 大阪はびきの医療セン3 東京逓信病院4 京都府立医科大学生物統計学5 サノフィ6 リジェ ネロン7 矢上晶子 鈴木加余子 松永佳世子 藤田保健衛生大学坂文種報徳会病院総合アレルギ科 藤田保健衛 生大学医学部アレルギ疾患対策医療学 中等 重症アトピ性皮膚炎 AD の疾病負荷は大きい これら患者を対象に長期 2 年間 の治療経過実態を明らかにする目的で 多施設共同前向き観察研究を開始 した IGA 3 中等症以上 で治療強化が必要な成人患者 300 名から 概ね 3 か月 毎に再燃回数 疾患活動性 QOL を含む患者報告アウトカム 治療状況などを収集 する 今回は組み入れ時患者背景や直前に使用していた治療薬を報告する 平均年 齢 35.4±10.5 歳 60.7% が男性 71.7% が 20 年以上の罹患歴を有し EASI コア平 均 25.2±15.4 罹患面積平均 50.6±24.1% 瘙痒コア 0!10 平均 6.5±2.2 であった 直前の治療薬として 86.7% がテロイド又はカルシニュリン阻害外用薬 63.3% が保湿外用薬 6.0% が経口免疫抑制薬 3.0% が経口テロイド薬を処方されてい た 本研究は既存治療が AD 患者にもたらす効果や安全性 各種疾病負荷などに関 する貴重なリソになると期待される 臨床試験登 UMIN 一般社団法人 SSCI! Net は化粧品 医薬外用品および家庭用品などに よる皮膚障害事例を収集し 得られた情報を産官学で迅速に共有し 健 康被害のリクを最小化することを目的としたネットワクである 今回 2016 年度に収集した化粧品 医薬外用品以外の事例を報告する 登された総件数 539 件中 化粧品 医薬外用品以外は 105 件で アレ ルギ性 87 件 非アレルギ性 18 件であった 装身具 装飾品 医療 用 一般用ゴム手袋など多岐にわたる家庭用品の登があった 治療 に 30 日以上要した事例は 42 件 同一製品で 3 件以上の登があった 製品は 1 件 医療用ゴム手袋であった 日常生活の中で接触している製 品が予期せず皮膚障害を起こすこと また 4 割の事例が治療に時間を 要していることが明らかとなった 原因製品は消費者の要望や流行に より刻々と変わる SSCI! Net は 皮膚の健康被害の早期解決に有用で あり 今後 より多くの皮膚科医の理解と協力を得たい P-68 P-71 成人アトピ性皮膚炎患者に対する Dupilumab の国際 共同第 II/III 相試験併合日本人安全性解析 藤田浩之 加藤則人 佐伯秀久3 五十嵐敦之4 江藤隆史5 川島 眞6 大槻マミ太郎7 有馬和彦 高木弘毅 M. Ardeleanu8 サノフィ 京都府立医科大学 日本医科大学3 NTT東日本関東 病院4 東京逓信病院5 東京女子医科大学6 自治医科大学7 リジェ ネロン8 意識消失発作を繰り返し プリックテトで診断した 納豆アレルギの 1 例 新倉冬子 徳田安孝 奥山隆平3 独立行政法人国立病院機構まつもと医療セン皮膚科 皮膚科徳 田医院 信州大学医学部皮膚科3 背景 中等 重症のアトピ性皮膚炎 AD 患者を対象としたヒト抗 IL!4Rα 抗体 dupilumab DUP の有用性と忍容性が国際共同第 II 相 AD!1021 NCT N=380 第 III 相 SOLO1 NCT N=671 CHRONOS NCT N=740 試験にて示された 方法 日本人部分集団にて テロイド外用の有無 試験週数を問わず DUP 300mg 毎週 qw n=9 隔週 q2w n=6 及び偽薬 n=97 に無作為化された 3 群の併合安全性解析を実施 結果 治験薬投与期間中 有害事象 AE の発現率は群間で大差なし 頻度の高い AE は鼻咽 頭炎 各群で同様 DUP qw 31.9% q2w 21.0% vs 偽薬 26.8% と AD 増悪 偽薬群で高率 同 6.6% 25.8% vs 48.5% だった 注射部位反応 同 16.5% 6.5% vs 1.0% と結膜炎 同 9.9% 12.9% vs 4.1% が DUP 群に多かったが概ね軽症 中等症だった 結論 日本人 AD 患者において DUP の特段の安全性上の懸念はなく 全体集団と同様に忍容 性は良好であった 48 歳女性 マリンツ歴 18 年 クラゲ刺症 10 回以上 初診の 3 ヶ 月前 朝食で納豆を食べた数時間後にだるくなって気を失い しばらく して目が覚めた 3 4 年前から朝食後に体調が悪くなって意識を失う ことが 20 回位あった テレビ番組で クラゲに刺されて納豆アレル ギになる という話を知り 自分も納豆アレルギかもしれないと 思い精査を希望して当科を受診した MAST36 でダイズ特異的 IgE はクラ 0 納豆のプリックテトを施行し 15 分後は直径 1mm の膨 疹 ヒミン 7mm がみられたが 60 分後には膨疹消失 5 時間後 に直径 4mm の膨疹がみられ 陽性と判定した 検査中に蕁麻疹や呼吸 苦 血圧低下などはみられなかった 納豆アレルギと診断し 納豆禁 止 リガンマグルミン酸含有製品を避けること クラゲ刺症も避け るよう指導した 発作時に備え抗ヒミン薬とエピペンを携帯し 現 在まで再発はない P-69 P-72 当院でパッチテト PT を実施した職業性接触皮膚炎 のまとめ 伊藤 崇 関東裕美 鷲崎久美子 田中博子 石河 東邦大学医学部皮膚科学講座 大森 晃 背景 職業性皮膚障害の中で接触皮膚炎は出現頻度が高く 7 8 割を 占めるという 就業的な面以外にも 日常生活や精神衛生面で支障をき たす場合もあり 原因物質の確認と可及的速やかな職場対応が望まれ 原因の特定と生活指導に PT は有用である 目的 当院における職業 性接触皮膚炎症例の職種別の頻度と原因アレルゲンの動向を把握す る 方法 2004 年 1 月から 2017 年 11 月までの期間に PT を実施し 職業性接触皮膚炎と診断した 87 例について 職種 体質 PT 陽性ア レルゲンを検討した 結果 87 例の内訳は男 53 例 女 34 例でその平 均年齢は男 42.5±15.0 歳 女 32.2±12.1 歳であった 職種はメッキ作 業 金属部品製造 化学系工業従事者 27 例 調理 飲食関係 15 例 理 容 美容師 14 例 医療従事者 8 例 建築 塗装業 6 例 清掃業 5 例 自動車整備工 4 例 研究職 2 例 その他 6 例であった 結論 職種は 当院の地域性を反映し 小規模工場就業者が高い傾向であった 1184 Lupus erythematosus tumidus を伴った遺伝性血管性 浮腫の 1 例 本田理恵 松村 裕 伊藤周作 中村謙介 堀内孝彦3 日立総合病院皮膚科 日立総合病院救急集中治療科 九州大学病 院別府病院内科3 38 歳男性 21 歳頃より右前腕に日光曝露で増悪する皮疹があり 2 年前 から拡大してきたため受診した 5cm 大の浸潤を触れる紅斑で 組織学 的に表皮の変化はなく 真皮全層のムチン沈着と血管 付属器周囲に 炎症細胞浸潤を認め Lupus erythematosus tumidus と診断した 遮光 とテロイド外用を継続している また 皮疹出現と同時期より 月 1 回程度の頻度で四肢 陰部のむくみが出現し数日で軽快することを繰 り返していた 血液検査で C4 7mg/dl C1 インヒビ活性 27 と低 下していた 家族に同症はなく 遺伝子解析で C1INH 遺伝子の exon 8 に変異を認め HAE と診断し トラネキサム酸の予防内服を開始し た 42 歳時に顔面の腫脹と呼吸苦で受診 44 歳 46 歳時にも四肢の浮 腫と呼吸苦 腹痛で受診され いずれも HAE による発作と判断し C1 インアクチベの投与で速やかに軽快した HAE は低補体血症に 関連した自己免疫疾患を合併するといわれており 考察を加える

13 P-73 P-76 Non!episodic angioedema with eosinophilia の 1 例 岩倉理世 渡辺圭子 柳原茂人 大磯直毅 川田 近畿大学医学部附属病院皮膚科 暁 32 歳 女性 当科初診 2 週間前より両下 に浮腫を生じた 発熱 咽 頭痛 咳嗽など感冒様症状を呈した後 急激に下 浮腫が増悪し歩行困 難となった 全身に痒みを伴う浮腫性紅斑も生じた 精査加療目的で紹 介受診となった 初診時 両眼瞼腫脹 四肢に non pitting edema 全 身に地図状に癒合する浮腫性紅斑を認めた 好酸球分画は 18% と上 昇 臨床症状 病理組織学的所見より non episodic angioedema with eosinophilia と診断した 入院の上プレドニゾロン 20 mg/日の内服で 症状は速やかに軽快した Gly m 4 が主要アレルゲンと考えられた ソイプロテイン 飲料初回摂取後のアナフィラキシの 1 例 浜岡 大 大塚晴彦 山野 希 井上友介 足立厚子 森山達哉 兵庫県立加古川医療セン皮膚科 近畿大学農学部応用生命化学 科応用細胞生物学研究室 44 歳 男性 春季花粉症と豆乳や果物による口腔アレルギ症候群の病歴が あるが 豆腐 煮豆など他の大豆製品の摂取は無症状である 2017 年 5 月ソ イプロテイン飲料初回摂取後に 顔面発赤腫脹 鼻閉 呼吸困難を呈した プ リックテトではソイプロテイン飲料 1 と豆乳が 3+ メカより供与さ れた成分別プリックテトでは脱脂大豆ンパク 1 溶液が 2+を示した ImmunoCAP では ダイズはクラ 0 ハンノキ属がクラ 3 Bet v 1 がクラ 4 Phl p12 プロフィリン はクラ 0 Gly m 4 がクラ 3 ダイズ貯蔵 ンパクである Gly m5 と Gly m 6 はクラ 0 患者血清を用いた ELISA 抑 制試験では Gly m4 への反応はソイプロテイン飲料で濃度依存性に抑制され た 以上より ソイプロテイン飲料に対する患者の主要アレルゲンコンネ ントは Bet v 1 関連 Gly m 4 と診断した シラカンバやハンノキ花粉症患者で は 豆乳のみならず脱脂大豆ンパク含有製品にも注意が必要である P-74 P-77 O2- Omalizumab が著効した難治性コリン性蕁麻疹の 1 例 山崎葵衣 谷崎英昭 大塚俊宏 黒川晃夫 織田好子 福永 淳 森脇真一 大阪医科大学皮膚科 神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科 学分野 27 歳 女性 幼少時にアトピ性皮膚炎の既往がある 2 年前の夏季に 散歩をした際 紅色丘疹が出現したのを契機に入浴時や食事時にも全 身に紅色丘疹が出現するようになった 抗ヒミン薬の増量等で加 療するも軽快しなかったため 神戸大学にて精査した結果 汗アレル ギ陽性のコリン性蕁麻疹と判明した 日常生活への支障を来してい たため Omalizumab の投与を開始したところ 4 日後には完全に症状 が消失した 以後投与間隔を 4 週から 6 週にあけるも現在までコント ロル良好である Omalizumab は 2017 年 3 月に難治性の特発性慢 性蕁麻疹に対して効能が追加された 一方で I 型アレルギでは説明 できない蕁麻疹に対する有効性も報告されつつあり その効果発現機 序については未だ不明な点も多い 今回 Omalizumab が著効したコリ ン性蕁麻疹の 1 例を経験したため 文献的考察を加えて報告する Human seminal plasma allergy の 1 例 原田直江 鼻岡佳子 石井 広島大学皮膚科 香 秀 道広 舌下免疫療法などによる即時型アレルギの免疫寛容の誘導過程で は しばしば抗原特異的 IgE の低下に先行して特異的 IgG4 が上昇す ることが知られている 食物アレルギでは これまで主に小児の食物 アレルギ患者において積極的に原因食物を摂取すると同様の経過を 取ることが報告されているが 成人の食物アレルギにおける原因食 物の積極的な摂取と特異的 IgG4 の関係に関する知見は乏しい 今回 我々は 成人の加水分解小麦含有石鹸使用後の小麦アレルギ患者 7 例における 小麦製品の摂取または制限による血中グルパル 19S 特異的 IgG4 の推移を検討した 7 例のうち 5 例において 小麦製品の 摂取により IgG4 が上昇ないし高値で推移し 小麦製品の除去 制限 により低下ないし低値で推移した 残り 2 例では明らかな関連を認め なかった 成人における食物アレルギにおいても 積極的な原因食物 摂取は特異的 IgG4 の上昇を通して免疫寛容を誘導する可能性があ る 足立厚子 大塚晴彦 山野 希 浜岡 大 井上友介 一角直行 兵庫県立加古川医療セン皮膚科 いっかく皮膚科 症例は 25 歳女性 既往はアレルギ性鼻炎 第 2 子出産後里帰りし 帰宅した 1 か月後と 1 か月半後の 2 回 夫との性交渉 10 分後に顔全体 の腫脹 鼻汁 くしゃみ 呼吸苦 胃痛 膨疹が出現 コンドムの使 用はない 血清総 IgE は 319IU/ml ImmunoCAP は ヤケヒョウヒダ ニがクラ 4 ギおよび犬のフケがクラ 3 ハンノキ属および Gly m 4 がクラ 2 ラテックはクラ 0 であった プリックテトにて 精液の 100 倍希釈にて 3+を示し Human seminal plasma allergy と診 断した 犬上皮との交叉反応の報告に基づきイヌ Can f 1 Can f 2 Can f 3 Can f 5 の ImmunoCAP を測定したところ 自験例はヒト PSA と交 差反応の報告がある Can f 5 arginine esterase のみがクラ 3 と強陽 性 ヒト精漿もクラ 1 と陽性であった 以上より患者は出産後実家里 帰り中に牡犬 Can f 5 に感作され 産後初めての性交渉でヒト精漿に交 差反応を起こしアナフィラキシを起こしたと診断した P-75 O2- 加水分解型小麦アレルギ患者の小麦摂取と IgG4 の 関連 P-78 皮膚描記法 デルモグラフィズム について 田中麗子 麻亜子 和田康夫 赤穂市民病院皮膚科 皮膚描記法 dermographism は 紅色皮膚描記症と白色皮膚描記症 に大別される このうち紅色皮膚描記症を系統立って記述したのが T. Lewis である 皮膚を引っ掻いたときに生じる 3 つの連続した反応 す なわち 局所の血管拡張 紅暈 3 局所の浮腫は ルイの 三重反応として知られる ルイは 蕁麻疹患者の背部を強く引っ掻く と共に 近傍にヒミンのプリックを行い 皮膚に生じる反応を比較 した 1 分半後 掻破に一致した線状暗赤色斑 周囲にびまん性の紅暈 がみられた ヒミンのプリック部位にも紅暈を認めた 3 分半後 掻破部 プリック部の両者で 紅暈は赤みを増し境界は鮮明で膨疹も一 番厚くなった 40 分後 膨疹は赤さが薄れ幅広く境界不鮮明となり 紅暈は消退していた デルモグラフィズムやルイの三重反応の歴史 的な業績を紹介すると共に 病的意義や臨床的意義を述べる 1185

14 P-79 横浜市立大学皮膚科に紹介受診された蕁麻疹患者 110 例の臨床的特徴の解析 佐野沙織 猪又直子 岩田潤一 中尾恵美 鈴木亜希 相原道子 横浜市立大学皮膚科 背景 大学病院専門外来へ紹介される蕁麻疹患者を解析した報告は少 ない 方法 2016!2017 年に蕁麻疹が疑われ当科に紹介受診した 110 例の病型や治療経過を解析した 結果 院外紹介患者は 85 例 院内紹 介患者は 25 例であった 院外紹介患者の検討では初診時年齢が 1! 86 歳 平均 37.3 歳 男女比は と女性に多かった 罹病期間は平均 35.9 か月で紹介状診断名は蕁麻疹が 38 例 44.7 と最多であった 初診時の病型診断は慢性蕁麻疹が 51 例 60 で最も多く次にコリン 性蕁麻疹 19 例 22.4 機械性蕁麻疹 8 例 9.4 であり 11.8 は 複数の病型を合併していた 処方された抗ヒミン薬は 0!7 種 平均 2.4 種 で 4 例で 6 種以上であった 補助的治療薬は 39 例 45.9 テロイドは 23 例 27.1 で内服歴があり シクロリン投与例 はなかった 結語 紹介前に病型診断された例は半数にとどまり 多 くはセカンドライン治療まで施行され紹介されることが判った P-80 日本人遺伝性血管性浮腫 HAE の発作予防と治療に C1! INH を静脈内投与した第 III 相非盲検試験 福永 淳 森田栄伸 宮城 敬3 江藤和範4 清水 晶5 加々美新一郎6 山本英子7 Moshe Vardi8 Tom Tang8 秀 道広9 神戸大学皮膚科 島根大学皮膚科 ハトライフ病院血液内科3 苫小牧市立病院消化器内科4 群馬大学皮膚科5 国保旭中央病院アレ ルギ 膠原病内科6 豊橋市民病院消化器内科7 Shire, USA8 広 島大学皮膚科9 目的 日本人成人 1 型/2 型遺伝性血管性浮腫 HAE の発作に対する長期的発 作予防と急性発作治療のため C1 インヒビ製剤 C1!INH Shire を定期 的に投与し その安全性と有効性を検討した 方法 C1!INH 1000 U を 3 4 日毎に 12 週間静脈内投与し 試験開始前の 12 週間と比較した試験期間中の血 管性浮腫発作回数と有害事象を評価した 結果 全 8 名 女性 75% 平均年齢 ±SD 38.4±7.27 歳 が試験を完了した 1 月あたりの発作回数 平均±SD は 3.38±2.523 回から 1.83±1.503 回に減少し 半数の患者で 50% 以上回数が減少 した 死亡及び有害事象による中止はなかった 傾眠が 1 件発現し 試験薬と 関連ありと判断された 考察 C1!INH 1000 U 静脈内投与は 良好な忍容性と 有効性を示し 日本人成人 HAE 発作を予防する臨床上の有用性が認められた P-81 O2-8 入浴剤による contact anaphylaxis の 1 例 鷲尾 健1,4 藤井翔太郎 正木太朗1,4 堀 雅之 松原康策 小倉香奈子3,4 織田好子4 福永 淳4 神戸市立西神戸医療セン皮膚科 神戸市立西神戸医療セン 小児科 神戸市立医療セン西市民病院皮膚科3 神戸大学大学院 医学研究科内科系講座皮膚科学分野4 症例は 7 歳男児 既往歴としてアトピ性皮膚炎とアレルギ性鼻炎あり 食物 アレルギとしてカシュナッツ摂取にてアナフィラキシの既往があり 乳性 飲料飲用時に口腔違和感を生じたことがある 現病歴はゆず入り入浴剤で入浴時 より全身のそう痒と膨疹が出現し その後咳嗽 呼吸苦を来し小児科に緊急搬送 されアドレナリン筋注を受けて回復後 原因検索目的に皮膚科に紹介となった プリックテトでは柚子の果皮の線維 カシュナッツ ピチオとペクチン に強い反応を示した 好塩基球活性化試験においてもゆず カシュナッツ ペ クチンのいずれも陽性反応が観察された 自験例を柚子に含有されるペクチンが 原因の入浴剤による contact anaphylaxis と診断した ペクチンはカシュナッ ツ ピチオとの交叉が示唆されており 乳酸菌飲料や入浴剤にも含まれる場 合があるため カシュナッツアレルギ症例では注意が必要である 1186 P-82 遺伝性血管性浮腫 1 型と慢性蕁麻疹を合併した 1 例 大桑槙子 福永 淳 堀内孝彦 錦織千佳子 神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学研究室 九州大学病 院別府病院免疫 血液 代謝内科 20 歳代 女性 1 年前からそう痒を伴う紅斑や膨疹が出現するように なった 父親が遺伝性血管性浮腫 1 型 HAE1 型 と診断されており 精査目的に当科紹介となる 本人は血管性浮腫や腹痛発作の既往はな い 血清 C4 C1!INH 活性 定量低値 C1!INH SERPINGの Exon 8 にアミノ酸置換を伴う 1 塩基置換を認め HAE1 型と診断した HAE では前駆症状として痒みを伴わない輪状紅斑が出現することがあるが 本症例では抗ヒミン剤が有効な痒みを伴う膨疹が自発的に繰り返 すため慢性蕁麻疹と診断した 両疾患の合併例は非常に稀であり調べえ た限り報告はない 両疾患は発症機序が異なり HAE ではブラジキニン が 慢性蕁麻疹では主にヒミンが関与するため血管性浮腫発症時の 対応が大きく異なる 慢性蕁麻疹には血管性浮腫を合併する場合があ り 本症例で血管性浮腫症状出現時の病態の鑑別は容易ではないと想定 され 今後の対処法について考えさせられた症例であった P-83 経皮感作食物アレルギに関するアンケト調査結果 中村政志1, 矢上晶子3,4 鈴木加余子3,4 松永佳世子1,3 藤田保健衛生大学医学部アレルギ疾患対策医療学 ホユ株式 会社総合研究所 藤田保健衛生大学医学部総合アレルギ科3 藤田 保健衛生大学総合アレルギセン4 目的 近年 加水分解コムギ含有石鹸による小麦アレルギの事例を きっかけに 経皮感作を機序とした食物アレルギが注目されている よって我々は AMED の研究事業として 経皮感作食物アレルギの実 態把握を目的にアンケト調査を実施した 方法 加水分解コムギ含有 石鹸による小麦アレルギの診療実績がある 270 の医療施設を対象に グルパル 19S 以外の化粧品原料が原因と考えられる食物アレル ギ 化粧品以外で経皮感作が疑われる食物アレルギ に関するア ンケトを行った 結果 コチニル色素 トウモロコシ 大豆 オトムギ などを使用した化粧品による発症事例があった 職業性 に 魚 甲殻類 小麦 卵などを扱い 発症した事例があった 結論 特に湿潤状態やバリア機能が低い皮膚において 特定の物質が頻回に皮 膚に曝露されると経皮感作が成立する傾向があり 注意が必要である P-84 O2-3 加水分解コムギ型小麦アレルギに対する抗 IgE 抗体 長期療法の効果 医師主導多施設共同研究 千貫祐子 秀 道広 鼻岡佳子 福永 淳3 岡部貴裕4 森田栄伸 島根大学医学部皮膚科 広島大学大学院医歯薬保健学研究科皮膚 科 神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科3 おかべアレル ギクリニック 北九州市4 背景 これまでの研究で 加水分解コムギ型小麦アレルギ HWP 型 患者 12 名に対してオマリズマブ 150mg を 3 回皮下投与し 加水分 解コムギに対する好塩基球の反応性が一時的に低下することを示し た 目的 HPW 型患者に対するオマリズマブの長期投与効果を検討 する 対象と方法 HWP 型患者 12 名を対象に 気管支喘息における 投与換算量に基づくオマリズマブ投与を 1 年間継続し その後 6 ヶ月 間経過観察を行なった 小麦蛋白質添加による CD203c 発現が 10% 以下になった時点で小麦摂取制限を解除した 結果と結論 プロト コルを完遂できた 11 名のうち 8 名は小麦摂取制限を全解除でき 3 名は部分解除にとどまった オマリズマブの長期投与により小麦摂 取が可能となり 投与後多くは略治した

15 P-85 超音波ゲルによる接触蕁麻疹の 1 例 臼居駿也 加畑大輔 横田日高 日本赤十字社福井赤十字病院皮膚科 接触蕁麻疹は皮膚や粘膜から浸透した物質で接触部に膨疹を生じる蕁 麻疹の 1 つである 今回我々は超音波ゲルによる接触蕁麻疹の 1 例を 経験した 症例は 20 代男性 初診の 8 か月前に超音波ゲルを体幹に塗 布した際に 塗布部位に一致してそう痒を伴う紅斑が出現し 自然消退 した さらに 初診 1 か月前にも超音波ゲルを体幹に塗布し 同様のエ ピソドを繰り返したため 当科を受診した 実際に使用したゲルの オプンパッチテトで膨疹が出現したため 超音波ゲルによる接触 蕁麻疹と診断した 製造会社からゲルの成分を取り寄せ クロズド パッチテトを施行したところ メチルパラベンにのみ膨疹が出現し たため 原因成分はメチルパラベンと考えた 超音波ゲルは皮膚科を含 め多くの診療科で使用され 一般的には有害事象は少ないと考えられ ている その中で 接触蕁麻疹を生じることは稀であり 文献的考察を 加えて報告する P-86 O11- 多型慢性痒疹における Narrow! Band UVB 療法 西原克彦 藤山幹子 増永泰枝 増田香奈 宇都宮亮 石川真奈美 難波千佳 白石 研 村上正基 佐山浩二 愛媛大学医学部皮膚科学教室 多型慢性痒疹は治療に苦慮することが多いが 当院では最近全身 NB! UVB 療法を施行し良好な結果を得ている そこで最近 5 年間の症例を 集計し 他の治療法と比較検討した 患者 58 例のうち テロイド外 用のみで治療困難であった 32 例に NB!UVB 照射 15 例 テロイド 内服 8 例 シクロリン内服 9 例 の治療を行った NB! UVB は 2.44 回/週で平均 59.7 日間照射を行い 総照射量は平均 16.5J/cm2 であった 照射した 15 例中 1 例は脱落したが 14 例で症状が改善し う ち 11 例は照射終了 6 か月後もテロイド外用のみで治療可能であっ た 6 か月以内に再燃がみられた 3 例においても NB!UVB を再度照射 し その後 6 か月はテロイド外用のみで治療可能となった 一方 テロイド内服 8 例 シクロリン内服 9 例の平均内服期間は 352 日 485 日であり 内服中止後 6 か月以内にそれぞれ 4 例 3 例で内服の再 開が必要となった NB!UVB 療法は併用治療の第 1 選択となりうる P-87 O11-5 認知症患者における痒みの疫学調査 江畑俊哉 福田亮子 高瀬義昌3 谷口奈央4 竹村公利5 ディディエ ルクレルク5 ジョエル ヴァリオ5 ミシェル ンセ5 生駒晃彦5,6 ちとふな皮膚科クリニック 株式会社ベネッセイルケア た かせクリニック3 セントケア ホルディング株式会社4 ネレ キンヘル/ガルデルマ5 マルホ株式会社6 認知症における痒みの実態はよく知られていない 今回 介護施設または在宅でケア を受けている 185 人の認知症患者において痒みの疫学調査を行った 本人による現 在の痒みの有無とその強さの評価 尺度は NRS 介護者による掻破行動と掻破痕の 観察結果を比較検討し 皮膚乾燥の程度と掻破との関連も求めた 痒みの有症率は 自己評価では 36.8% であったが 介護者による評価では約 50% に掻破痕が観察され た 認知症の進行にともない痒みの自己評価が困難になっていた 痒みがないと答え た患者の 30% 以上では掻破が観察された 70% 以上の患者は乾燥皮膚を伴い 皮膚乾 燥の程度と掻破との間に相関がみられた 以上より 認知症患者の痒みの評価には 本人による主観的評価だけでは不十分で 客観的な評価を加える必要があること 皮 膚の乾燥は認知症患者の痒みにおいて重要な因子であることが示唆された P-88 O11-7 難治性慢性掻痒に対するカプサイシン外用の有用性の 検討 赤羽根郁枝 水野弘子 下西佳代子 前野卓也 宮田美穂 仁杉直子 医療法人仁愛会ミュズ皮膚科ペインクリニック ムサシ薬局 背景 カプサイシンは赤唐辛子の刺激性主成分で急性期には血管拡張 や局所の刺激が起こるが 慢性投与でサブン P を枯渇させ 閾 値を上昇させることで疼痛や掻痒を軽減するといわれている 本邦で は神経障害性疼痛に対するカプサイシン外用の治験が進んでいる 一 方 掻痒に対する治験は未だ開始段階にない 目的 難治性慢性掻痒 に対するカプサイシン外用の効果を検討した 方法 基礎疾患がなく 内服 外用および光線療法に抵抗を示した当院に通院中の 5 名に対し て カプサイシン外用を開始 2 4 週間毎に VAS Visual Analog Scale にて掻痒の重症度を評価 患部の写真撮影を行った 結果 開始時の VAS は 7.8±0.84 治療 3 カ月後には 4.8±1.1 となった 考 察 掻痒の軽減はカプサイシン塗布によって NMDA レセプを介 したサブン P の刺激が脱感作されたものと考えられる 今後 至適濃度を検討し更なる治療効果が期待される P-89 過去 5 年に当科を受診した慢性痒疹患者 177 例の 検討 好塩基球の組織浸潤を含めて 乾 惠子 稲澤美奈子 宇賀神つかさ 並木 東京医科歯科大学皮膚科 剛 横関博雄 慢性痒疹の発症機序は不明とされているが近年好塩基球の関連が指摘 されている 治療はテロイド外用が第一選択となるが難治例も多い 本研究では 2012 年から 2017 年に東京医科歯科大学皮膚科を受診した 慢性痒疹患者 177 例を対象として 病型 性差 年齢 基礎疾患 治療 そして好塩基球浸潤について検討した 慢性痒疹患者 177 例の内訳は 結節性痒疹が 106 例 男 50 例 女 56 例 平均 57.5 歳 慢性多形痒疹 が 71 例 男 46 例 女 25 例 平均 69.5 歳 だった 結節性痒疹のうち 外用加療のみでの改善は 54% 57 例 49 例の難治例のうち 33 例で紫 外線療法を追加し 76% 25 例 で症状の改善が得られた 多形慢性 痒疹のうち 外用加療のみでの改善は 53% 38 例 33 例の難治例の うち 28 例で紫外線療法を追加し 78% 22 例 で症状の改善が得られ た これらの症例で好塩基球の組織浸潤等について検討した P-90 当科で経験した悪性腫瘍を伴う多形慢性痒疹における 原疾患の治療と皮膚症状の経過に関する検討 山本亜美 角希里子 山崎まりな 天野真希 高橋道央 竹下八菜 加藤恒平 沢田泰之 東京都立墨東病院皮膚科 症例 1 75 歳男 1 年前より全身に瘙痒を伴う紅色丘疹が多発 多形慢 性痒疹と診断 食道癌切除後 3 ヶ月で消退 症例 2 83 歳女 3 年前よ り全身に瘙痒を伴う紅斑が多発 多形慢性痒疹と診断 上行結腸癌切除 後 6 ヶ月で消退 症例 3 71 歳男 半年前から全身に瘙痒を伴う浸潤を 触れる不整形紅斑が出現 多形慢性痒疹と診断 肺癌切除後 3 ヶ月で消 退 症例 4 69 歳男 5 年前より全身に瘙痒を伴う紅斑が出現 胃癌を 切除するも皮膚症状が改善せず 7 ヶ月後に胃癌の再発を認めた 再度 の胃癌切除後 3 ヶ月で軽快 多形慢性痒疹と悪性腫瘍との関連は一般 的に良く認知されているが 原疾患の治療後 皮膚症状の治癒 軽快ま での期間についての検討は少ない 今回 当科で経験した悪性腫瘍を伴 う多形慢性痒疹の経過から 原疾患の治療と皮膚症状改善に要する期 間を中心に 皮膚症状の経過に関して検討する 1187

16 P-91 O11-6 P-94 TLR3 シグナル阻害作用を有するイソチオシアネトの 止痒作用評価 森山正樹 今野光洋 芹澤香奈子 湯沢夏美 眞嶋悠幾 林 鈴木知比古 戒能美枝 東レ株式会社医薬研究所創薬薬理研究室 幾雄 瘙痒症の治療標的として自然免疫シテムが注目されている 中でも TLR3 は 遺伝子破壊マウを用いた研究から痒みに重要な役割を持 つことが示されている 本研究では ヒミン非依存性の痒みに対す る TLR3 阻害薬の効果を検証するために 2 種類のイソチオシアネ ト ITC を用いて検討した まず 細胞評価系にて検討したところ いずれの ITC も PIC 誘発の TLR3 シグナルを阻害した 続いてマウ を用いて止痒作用を検討したところ いずれの ITC も PIC 誘発の 引っ掻き行動を抑制した さらに 1 つの ITC はクロロキン誘発の急性 の痒みも抑制した 最後に アトピ性皮膚炎病態モデルマウにおい て慢性瘙痒に対する止痒作用を検討した その結果 いずれの ITC も経口単回投与において有意な止痒作用を示した 以上の結果より TLR3 は急性および慢性の瘙痒における重要なメディエであ り 瘙痒疾患において有望な治療標的分子になると考えられた 和田尚子 内 博史 古江増隆 九州大学皮膚科 63 歳男性 左頬部原発悪性黒色腫 pt4bn3m1c stage IV に対し DTIC 8 コ施行後 PD となりペムブロリズマブの投与を開始した 8 コ後までに再発巣 転移巣は著明に縮小したが 17 コ後よ り紅斑 水疱が出現した 抗 BP180 抗体の上昇と病理組織検査により 水疱性類天疱瘡 BP と診断 また ペムブロリズマブ開始前の保存 血清では抗体価の上昇は認められず ペムブロリズマブによる水疱性 類天疱瘡と診断した 興味深いことに 皮膚転移巣に一致して出現した 水疱の上皮化とともに転移巣が消失し また転移リンパ節の腫瘍細胞 に 17 型コラゲンの発現が認められた 本症例ではペムブロリズマブ により自己反応性 B 細胞が活性化し抗 BP180 抗体が産生されたと考 えられ ペムブロリズマブによる治療効果への影響が示唆された P-92 P-95 慢性に経過する痒疹患者における血中オトキシン オピオイドの検討 急性腎不全をきたしたアロプリノルによる薬剤性過敏 症症候群 DIHS の 1 例 石川貴裕 宗次太吉 端本宇志 佐藤貴浩 防衛医科大学校皮膚科 ペムブロリズマブにより水疱性類天疱瘡を発症した 1例 痒疹は痒みの強い痒疹丘疹からなる難治性の皮膚疾患である 痒疹患 者の痒みは一般に治療抵抗性でその制御に苦慮するが 痒みの機序は いまだ不明な点が多い 今回は痒疹における中枢性の痒み なかでも lysophosphotidic acid LPA 内因性オピオイドの関与について検討 した 対象患者は慢性に経過 6 週間以上症状が持続 している 20 歳以上の痒疹患者 18 名 コントロル群は痒みを呈する疾患のない患 者または健常人 19 名とした 腎透析患者や肝障害を有する患者は除外 した 平均年齢はそれぞれ 71.5 歳 69.3 歳であった LPA の指標とし て血中オトキシンを またオピオイドとして β エンドルフィン ダイノルフィン A を ELISA 法で測定した その結果 オトキシ ン β エンドルフィン値は痒疹患者群で有意に高かった ダイノル フィン A は差がなかった 痒疹のかゆみには LPA または内因性オピ オイドが関与している可能性が考えられた P-93 O11-8 後天性反応性 孔性膠原線維症 自験例 16 例の集計 石川真郷 山本俊幸 福島県立医科大学皮膚科学講座 後天性反応性 孔性膠原線維症 acquired reactive perforating collagenosis ARPC は比較的稀な疾患で これまでにまとまった臨床病 理学的検討は少ない 今回我々は 当教室で過去 11 年間に経験した ARPC 16 例を臨床病理学的に検討したので その結果を報告する 年 齢は 44 歳から 83 歳にわたり 18 歳以上を対象 性別は女性 9 例 男 性 7 例と女性例が若干多かった 併存する疾患は 糖尿病が 11 例と最 多で 慢性腎不全が 4 例 慢性心不全と B 型肝炎ウイルキャリアが それぞれ 3 例 全身性エリテマトデと皮膚筋炎がそれぞれ 1 例で あった 重複あり 病理組織における angiogenic cytokines の関与も 検討中である 1188 瀬戸山絢子 山口 卓 吉岡はるな 大森 澤田雄宇 岡田悦子 中村元信 産業医科大学皮膚科 俊 春山護人 72 歳 男性 約 1 ヵ月前からアロプリノルを含む数種類の内服を開 始し 2 週間後に両下 に皮疹が出現したため内服を自己中断した そ の後も全身に紅斑が拡大し 40 台の発熱 肝逸脱酵素が 700U/l 以上 と上昇 白血球数 好酸球の増多 異型リンパ球の出現 炎症反応の上 昇と軽度腎機能障害を認めたため緊急入院した 初診時 顔面を含む略 全身に粟粒大から拇指頭大までの浮腫を伴った紅斑が播種しており 粘膜疹 リンパ節腫大はなかった DIHS と考え PSL40mg/day の内服 を開始すると同時に 血清クレアチニン 5.45mg/dl と急激に増悪した ため緊急血液透析を開始し 計 7 回実施し離脱した アロプリノルに よる DLST は陽性であり HHV!6 の再活性化を確認した DIHS にお ける腎障害はときに致死的になることもあるが 早期の血液透析導入 によって腎機能が回復し 良好な経過を示した例を報告する P-96 O15-4 当科で造影剤の皮膚テトを施行した症例の検討 吉田幸代 峠岡理沙 益田浩司 加藤則人 京都府立医科大学皮膚科 京都府立医科大学皮膚科で 2013 年 1 月から 2017 年 10 月までの間に 造影剤使用後に皮膚および呼吸器症状などが出現し 当科で皮膚テ トを施行した症例の検査結果を集計した 症例数は 28 例 男性 11 例 女性 17 例 で 年齢は 39 歳から 86 歳で中央値は 64.5 歳であった 即 時型アレルギを疑った症例に対してはプリックテト 皮内テト を施行し 13 例中 2 例で陽性反応を認めた また遅延型アレルギを 疑った症例については皮内テトおよびパッチテトを施行し 15 例中 4 例で陽性反応を認め 4 例すべての症例で皮内テトが陽性 う ち 3 例は同時にパッチテトを施行し 1 例で陽性であった これら造 影剤の皮膚テトを施行した陽性例 6 例および陰性例 22 例について 各皮膚テトの結果と臨床像 検査時期などについて検討を行った

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果

2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果 2015 年 11 月 5 日 乳酸菌発酵果汁飲料の継続摂取がアトピー性皮膚炎症状を改善 株式会社ヤクルト本社 ( 社長根岸孝成 ) では アトピー性皮膚炎患者を対象に 乳酸菌 ラクトバチルスプランタルム YIT 0132 ( 以下 乳酸菌 LP0132) を含む発酵果汁飲料 ( 以下 乳酸菌発酵果汁飲料 ) の飲用試験を実施した結果 アトピー性皮膚炎症状を改善する効果が確認されました なお 本研究成果は

More information

2018 年 10 月 4 日放送 第 47 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 / 第 41 回皮膚脈管 膠原病研究会シンポジウム2-6 蕁麻疹の病態と新規治療法 ~ 抗 IgE 抗体療法 ~ 島根大学皮膚科 講師 千貫祐子 はじめに蕁麻疹は膨疹 つまり紅斑を伴う一過性 限局性の浮腫が病的に出没

2018 年 10 月 4 日放送 第 47 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 / 第 41 回皮膚脈管 膠原病研究会シンポジウム2-6 蕁麻疹の病態と新規治療法 ~ 抗 IgE 抗体療法 ~ 島根大学皮膚科 講師 千貫祐子 はじめに蕁麻疹は膨疹 つまり紅斑を伴う一過性 限局性の浮腫が病的に出没 2018 年 10 月 4 日放送 第 47 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 / 第 41 回皮膚脈管 膠原病研究会シンポジウム2-6 蕁麻疹の病態と新規治療法 ~ 抗 IgE 抗体療法 ~ 島根大学皮膚科 講師 千貫祐子 はじめに蕁麻疹は膨疹 つまり紅斑を伴う一過性 限局性の浮腫が病的に出没する疾患であり 多くは痒みを伴います 日本皮膚科学会の 2011 年版の蕁麻疹診療ガイドラインでは 蕁麻疹及び血管性浮腫を

More information

第76回日本皮膚科学会東京支部学術大会 ランチョンセミナー4 213年2月16日 土 京王プラザホテル 東京 座 長 日本大学医学部皮膚科学教室 教授 照井 正 先生 講 演1 アトピー性皮膚炎の多様な病態 角層バリア障害 フィラグリン遺伝子変異 から内因性アトピーまで 名古屋大学大学院医学系研究科皮膚病態学分野 教授 秋山 真志 先生 講演2 アトピー性皮膚炎に対する外用療法 ステロイド外用薬による

More information

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 (

汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について ポイント 厚生労働省の難治性疾患克服事業における臨床調査研究対象疾患 指定難病の 1 つである汎発性膿疱性乾癬のうち 尋常性乾癬を併発しないものはインターロイキン 36 1 受容体拮抗因子欠損症 ( 平成 29 年 3 月 1 日 汎発性膿疱性乾癬のうちインターロイキン 36 受容体拮抗因子欠損症の病態の解明と治療法の開発について 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 皮膚科学の秋山真志 ( あきやままさし ) 教授 柴田章貴 ( しばたあきたか ) 客員研究者 ( 岐阜県立多治見病院皮膚科医長 ) 藤田保健衛生大学病院皮膚科の杉浦一充 ( すぎうらかずみつ 前名古屋大学大学院医学系研究科准教授

More information

ず一見蕁麻疹様の浮腫性紅斑が初発疹である点です この蕁麻疹様の紅斑は赤みが強く境界が鮮明であることが特徴です このような特異疹の病型で発症するのは 若い女性に多いと考えられています また スギ花粉がアトピー性皮膚炎の増悪因子として働いた時には 蕁麻疹様の紅斑のみではなく全身の多彩な紅斑 丘疹が出現し

ず一見蕁麻疹様の浮腫性紅斑が初発疹である点です この蕁麻疹様の紅斑は赤みが強く境界が鮮明であることが特徴です このような特異疹の病型で発症するのは 若い女性に多いと考えられています また スギ花粉がアトピー性皮膚炎の増悪因子として働いた時には 蕁麻疹様の紅斑のみではなく全身の多彩な紅斑 丘疹が出現し 2016 年 7 月 14 日放送 第 45 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 7 パネルディスカッション 4-4 花粉皮膚炎のアップデート 東京医科歯科大学大学院皮膚科 教授横関博雄 はじめに近年 スギ花粉症患者に呼吸器症状 消化器症状 咽頭症状 発熱なども見られることが良く知られスギ花粉症は全身性疾患の一つと考えられています また スギ花粉症の患者に合併してスギ花粉が皮膚に接触することが原因と思われるスギ花粉皮膚炎と呼ばれている皮膚症状が見られることもあります

More information

Microsoft PowerPoint - 新技術説明会配付資料rev提出版(後藤)修正.pp

Microsoft PowerPoint - 新技術説明会配付資料rev提出版(後藤)修正.pp 食品の抗アレルギー活性評価に利用できる マウスモデルの紹介 農研機構食品総合研究所 食品機能研究領域主任研究員 後藤真生 農研機構 は独立行政法人農業 食品産業技術総合研究機構のコミュニケーションネームです 国民の 1/3 はアレルギー症状を自覚している 1 アレルギー症状なし (59.1%) 皮膚 呼吸器 目鼻いずれかのアレルギー症状あり (35.9%) 医療機関に入院 通院中 (58.2%) (

More information

saisyuu2-1

saisyuu2-1 母斑の例 早期発見対象疾患 専門機関への 紹介ポイント る 1歳頃の始語 ママ マンマ等のことばの出始め を経て 有意味語が増えているか 早い児であれ ば 二語文 パパ カイシャ等 が出てくる 簡単ないいつけ ことばでの指示 に従えるか 平成16年度に 1歳6か月児健診から二次精査を経て三次精査機関に紹介された38例のうち 両 側に中等度以上の難聴は3例 7.9 滲出性中耳炎も3例 7.9 聴力正常22例

More information

考えられている 一部の痒疹反応は, 長時間持続する蕁麻疹様の反応から始まり, 持続性の丘疹や結節を形成するに至る マウスでは IgE 存在下に抗原を投与すると, 即時型アレルギー反応, 遅発型アレルギー反応に引き続いて, 好塩基球依存性の第 3 相反応 (IgE-CAI: IgE-dependent

考えられている 一部の痒疹反応は, 長時間持続する蕁麻疹様の反応から始まり, 持続性の丘疹や結節を形成するに至る マウスでは IgE 存在下に抗原を投与すると, 即時型アレルギー反応, 遅発型アレルギー反応に引き続いて, 好塩基球依存性の第 3 相反応 (IgE-CAI: IgE-dependent 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 端本宇志 論文審査担当者 主査烏山一 副査三浦修 森尾友宏 論文題目 Protective Role of STAT6 in Basophil-Dependent Prurigo-like Allergic Skin Inflammation ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > 痒疹とは激しい瘙痒を伴った丘疹や結節を主症状とする頻度の高い皮膚疾患であり, 糖尿病や慢性腎不全,

More information

2015 年 3 月 26 日放送 第 29 回日本乾癬学会 2 乾癬本音トーク乾癬治療とメトトレキサート 名古屋市立大学大学院加齢 環境皮膚科教授森田明理 はじめに乾癬は 鱗屑を伴う紅色局面を特徴とする炎症性角化症です 全身のどこにでも皮疹は生じますが 肘や膝などの力がかかりやすい場所や体幹 腰部

2015 年 3 月 26 日放送 第 29 回日本乾癬学会 2 乾癬本音トーク乾癬治療とメトトレキサート 名古屋市立大学大学院加齢 環境皮膚科教授森田明理 はじめに乾癬は 鱗屑を伴う紅色局面を特徴とする炎症性角化症です 全身のどこにでも皮疹は生じますが 肘や膝などの力がかかりやすい場所や体幹 腰部 2015 年 3 月 26 日放送 第 29 回日本乾癬学会 2 乾癬本音トーク乾癬治療とメトトレキサート 名古屋市立大学大学院加齢 環境皮膚科教授森田明理 はじめに乾癬は 鱗屑を伴う紅色局面を特徴とする炎症性角化症です 全身のどこにでも皮疹は生じますが 肘や膝などの力がかかりやすい場所や体幹 腰部や下腿などが好発部位になります 被髪頭部 顔面 臀部 爪などは 難治な部位ですが 被髪頭部では頭部乾癬として

More information

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問

3. 安全性本治験において治験薬が投与された 48 例中 1 例 (14 件 ) に有害事象が認められた いずれの有害事象も治験薬との関連性は あり と判定されたが いずれも軽度 で処置の必要はなく 追跡検査で回復を確認した また 死亡 その他の重篤な有害事象が認められなか ったことから 安全性に問 フェキソフェナジン塩酸塩錠 6mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにフェキソフェナジン塩酸塩は 第二世代抗ヒスタミン薬の一つであり 抗原抗体反応に伴って起こる肥満細胞からのヒスタミンなどのケミカルメディエーターの遊離を抑制すると共に ヒスタミンの H1 作用に拮抗することにより アレルギー症状を緩和する 今回 フェキソフェナジン塩酸塩錠 6mg

More information

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお

2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎にお 2019 年 3 月 28 日放送 第 67 回日本アレルギー学会 6 シンポジウム 17-3 かゆみのメカニズムと最近のかゆみ研究の進歩 九州大学大学院皮膚科 診療講師中原真希子 はじめにかゆみは かきたいとの衝動を起こす不快な感覚と定義されます 皮膚疾患の多くはかゆみを伴い アトピー性皮膚炎においてはかゆみが診断基準の基本項目にもあげられる重要な要素となっています 執拗なかゆみの持続により 集中力の低下や不眠が生じ日常生活に悪影響を及ぼし

More information

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医

佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生年月日 住所 M T S H 西暦 電話番号 年月日 ( ) - 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 ( ) - 家族構成 ( ) - ( ) - ( ) - ( ) - 担当医情報 医 佐賀県肺がん地域連携パス様式 1 ( 臨床情報台帳 1) 患者様情報 氏名 性別 男性 女性 生 住所 M T S H 西暦 電話番号 氏名 ( キーパーソンに ) 続柄居住地電話番号備考 家族構成 情報 医療機関名 診療科 住所 電話番号 紹介医 計画策定病院 (A) 連携医療機関 (B) 疾患情報 組織型 遺伝子変異 臨床病期 病理病期 サイズ 手術 有 無 手術日 手術時年齢 手術 有 無 手術日

More information

アトピー性皮膚炎におけるバリア異常と易湿疹化アトピー性皮膚炎における最近の話題に 角層のバリア障害があります アトピー性皮膚炎の 15-25% くらい あるいはそれ以上の患者で フィラグリンというタンパク質をコードする遺伝子に異常があることが明らかになりました フィラグラインは 角層の天然保湿因子の

アトピー性皮膚炎におけるバリア異常と易湿疹化アトピー性皮膚炎における最近の話題に 角層のバリア障害があります アトピー性皮膚炎の 15-25% くらい あるいはそれ以上の患者で フィラグリンというタンパク質をコードする遺伝子に異常があることが明らかになりました フィラグラインは 角層の天然保湿因子の 2011 年 8 月 4 日放送第 40 回日本皮膚アレルギー 接触皮膚炎学会 1 会長講演 Ⅰ 型アレルギーから観る蕁麻疹 アトピー性皮膚炎の病態と治療 広島大学大学院皮膚科教授秀道広 はじめに アレルギーの関与する皮膚疾患には 蕁麻疹 アトピー性皮膚炎の他 接触皮膚炎 薬疹などがあります これらはいずれも多くの人にとっては何の害もなく むしろ有用ですらある外来物質に対し 特定の個体が過敏性を持ち

More information

減量・コース投与期間短縮の基準

減量・コース投与期間短縮の基準 用法 用量 通常 成人には初回投与量 (1 回量 ) を体表面積に合せて次の基準量とし 朝食後および夕食後の 1 日 2 回 28 日間連日経口投与し その後 14 日間休薬する これを 1 クールとして投与を繰り返す ただし 本剤の投与によると判断される臨床検査値異常 ( 血液検査 肝 腎機能検査 ) および消化器症状が発現せず 安全性に問題がない場合には休薬を短縮できるが その場合でも少なくとも

More information

とが多いのが他の蕁麻疹との相違点です 難治例ではこの刺激感のために日常生活に支障が生じ 重篤な随伴症状としてはまれに血管性浮腫 気管支喘息 めまい 腹痛 嘔気 アナフィラキシーを伴うことがあります 通常は暑い夏に悪化しますが 一部の症例では冬期の運動 入浴で皮疹が悪化することがあり 温度差や日常の運

とが多いのが他の蕁麻疹との相違点です 難治例ではこの刺激感のために日常生活に支障が生じ 重篤な随伴症状としてはまれに血管性浮腫 気管支喘息 めまい 腹痛 嘔気 アナフィラキシーを伴うことがあります 通常は暑い夏に悪化しますが 一部の症例では冬期の運動 入浴で皮疹が悪化することがあり 温度差や日常の運 2017 年 6 月 1 日放送 第 80 回日本皮膚科学会東部支部学術大会 3 ミニシンポジウム2-3 病型分類別のコリン性蕁麻疹の治療方針 神戸大学大学院皮膚科 講師福永淳 はじめにコリン性蕁麻疹は 1924 年に Duke によって初めて報告された疾患で 運動や緊張などの発汗刺激に伴い発症する刺激誘発型の蕁麻疹です 熱い食物 辛い食物の摂取 精神的緊張でも皮疹が出現することがあります 日皮会蕁麻疹診療ガイドラインでは

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション 第 21 回京都乳癌コンセンサス会議 テーマ HER2 陰性再発乳癌の抗がん薬治療 アンケート集計結果 1 回答いただいた御施設 (50 音順 ) 大阪赤十字病院 大津赤十字病院 加藤乳腺クリニック 関西医科大学附属枚方病院 菅典道クリニック 京都医療センター 京都市立病院 京都第一赤十字病院 京都大学医学部附属病院 倉敷中央病院 公立八鹿病院 沢井記念乳腺クリニック 滋賀県立成人病センター 静岡県立がんセンター

More information

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を

解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を 解禁日時 :2019 年 2 月 4 日 ( 月 ) 午後 7 時 ( 日本時間 ) プレス通知資料 ( 研究成果 ) 報道関係各位 2019 年 2 月 1 日 国立大学法人東京医科歯科大学 国立研究開発法人日本医療研究開発機構 IL13Rα2 が血管新生を介して悪性黒色腫 ( メラノーマ ) を進展させるしくみを解明 難治がんである悪性黒色腫の新規分子標的治療法の開発に期待 ポイント 難治がんの一つである悪性黒色腫

More information

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社

オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社 オクノベル錠 150 mg オクノベル錠 300 mg オクノベル内用懸濁液 6% 2.1 第 2 部目次 ノーベルファーマ株式会社 Page 2 2.1 CTD の目次 ( 第 2 部から第 5 部 ) 第 2 部 :CTD の概要 ( サマリー ) 2.1 CTD の目次 ( 第 2 部から第 5 部 ) 2.2 諸言 2.3 品質に関する概括資料 2.3.I 諸言 2.3.S 原薬 ( オクスカルバゼピン,

More information

ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年

ランゲルハンス細胞の過去まず LC の過去についてお話しします LC は 1868 年に 当時ドイツのベルリン大学の医学生であった Paul Langerhans により発見されました しかしながら 当初は 細胞の形状から神経のように見えたため 神経細胞と勘違いされていました その後 約 100 年 2015 年 10 月 1 日放送 第 64 回日本アレルギー学会 1 教育講演 11 ランゲルハンス細胞 過去 現在 未来 京都大学大学院皮膚科教授椛島健治 はじめに生体は 細菌 ウイルス 真菌といった病原体などの外来異物や刺激に曝露されていますが 主に免疫システムを介して巧妙に防御しています ところが そもそも有害ではない花粉や埃などの外来抗原に対してさえも皮膚が曝露された場合に 過剰な免疫応答を起こすことは

More information

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor

ヒト慢性根尖性歯周炎のbasic fibroblast growth factor とそのreceptor α μ μ μ μ 慢性化膿性根尖性歯周炎の病態像 Ⅰ型 A D Ⅱ型 E H Ⅰ型では 線維芽細胞と新生毛細血管が豊富で線維成分 に乏しく マクロファージ リンパ球や形質細胞を主とす る炎症性細胞の多数浸潤を認める Ⅱ型では Ⅰ型よりも線維成分が多く 肉芽組織中の炎 症性細胞浸潤や新生毛細管血管の減少や Ⅰ型よりも太い 膠原線維束の形成を認める A C E G B D F H A B E F HE

More information

通常の単純化学物質による薬剤の約 2 倍の分子量をもちます. 当初, 移植時の拒絶反応抑制薬として認可され, 後にアトピー性皮膚炎, 重症筋無力症, 関節リウマチ, ループス腎炎へも適用が拡大しました. タクロリムスの効果機序は, 当初,T 細胞のサイトカイン産生を抑制するということで説明されました

通常の単純化学物質による薬剤の約 2 倍の分子量をもちます. 当初, 移植時の拒絶反応抑制薬として認可され, 後にアトピー性皮膚炎, 重症筋無力症, 関節リウマチ, ループス腎炎へも適用が拡大しました. タクロリムスの効果機序は, 当初,T 細胞のサイトカイン産生を抑制するということで説明されました 2012 年 9 月 27 日放送 第 62 回日本皮膚科学会中部支部学術大会 3 スイーツセミナー 4-2 タクロリムス軟膏を用いたアトピー性皮膚炎の皮疹改善と QOL 向上 浜松医科大学皮膚科 教授戸倉新樹 アトピー性皮膚炎の治療アトピー性皮膚炎の治療には, 外用療法, 内服療法, 光線療法の3つがあります. 重症度, 年齢, 各病院や医院での設備, 患者さん本人の希望などに応じて治療を選択していくことになります.

More information

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ

前立腺癌は男性特有の癌で 米国においては癌死亡者数の第 2 位 ( 約 20%) を占めてい ます 日本でも前立腺癌の罹患率 死亡者数は急激に上昇しており 現在は重篤な男性悪性腫瘍疾患の1つとなって図 1 います 図 1 初期段階の前立腺癌は男性ホルモン ( アンドロゲン ) に反応し増殖します そ 再発した前立腺癌の増殖を制御する新たな分子メカニズムの発見乳癌治療薬が効果的 発表者筑波大学先端領域学際研究センター教授柳澤純 (junny@agbi.tsukuba.ac.jp TEL: 029-853-7320) ポイント 女性ホルモンが制御する新たな前立腺癌の増殖 細胞死メカニズムを発見 女性ホルモン及び女性ホルモン抑制剤は ERβ 及び KLF5 を通じ FOXO1 の発現量を変化することで前立腺癌の増殖

More information

平成14年度研究報告

平成14年度研究報告 平成 14 年度研究報告 研究テーマ 多嚢胞性卵巣発症に関する遺伝性素因の解析 - PCO の解析 - 北海道大学大学院医学研究科 助手菅原照夫 現所属 : 北海道大学大学院医学研究科 医学部連携研究センター サマリー 多嚢胞性卵巣 (PCO) は生殖可能年齢の婦人の 5 10% に発症する内分泌疾患である 臨床症状は 月経不順 多毛 肥満 排卵障害が主な特徴であり 難治性の不妊症の主な原因である

More information

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル

ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル ロペラミド塩酸塩カプセル 1mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロペラミド塩酸塩は 腸管に選択的に作用して 腸管蠕動運動を抑制し また腸管内の水分 電解質の分泌を抑制して吸収を促進することにより下痢症に効果を示す止瀉剤である ロペミン カプセル 1mg は 1 カプセル中ロペラミド塩酸塩 1 mg を含有し消化管から吸収されて作用を発現する このことから

More information

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを

シプロフロキサシン錠 100mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを シプロフロキサシン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにシプロフロキサシン塩酸塩は グラム陽性菌 ( ブドウ球菌 レンサ球菌など ) や緑膿菌を含むグラム陰性菌 ( 大腸菌 肺炎球菌など ) に強い抗菌力を示すように広い抗菌スペクトルを有し 上気道感染症 尿路感染症 皮膚感染症などに有効なニューキノロン系の合成抗菌剤である シプロキサン 錠

More information

頭頚部がん1部[ ].indd

頭頚部がん1部[ ].indd 1 1 がん化学療法を始める前に がん化学療法を行うときは, その目的を伝え なぜ, 化学療法を行うか について患者の理解と同意を得ること ( インフォームド コンセント ) が必要である. 病理組織, 病期が決定したら治療計画を立てるが, がん化学療法を治療計画に含める場合は以下の場合である. 切除可能であるが, 何らかの理由で手術を行わない場合. これには, 導入として行う場合と放射線療法との併用で化学療法を施行する場合がある.

More information

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or

33 NCCN Guidelines Version NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 非ホジキンリンパ腫 2015 年第 2 版 NCCN.or 33 NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) 2015 年第 2 版 NCCN.org NCCN Clinical Practice Guidelines in Oncology (NCCN Guidelines ) (NCCN 腫瘍学臨床診療ガイドライン ) の Lugano

More information

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32

10,000 L 30,000 50,000 L 30,000 50,000 L 図 1 白血球増加の主な初期対応 表 1 好中球増加 ( 好中球 >8,000/μL) の疾患 1 CML 2 / G CSF 太字は頻度の高い疾患 32 白血球増加の初期対応 白血球増加が 30,000~50,000/μL 以上と著明であれば, 白血病の可能性が高い すぐに専門施設 ( ) に紹介しよう ( 図 1) 白血球増加があれば, まず発熱など感染症を疑う症状 所見に注目しよう ( 図 1) 白血球増加があれば, 白血球分画を必ずチェックしよう 成熟好中球 ( 分葉核球や桿状核球 ) 主体の増加なら, 反応性好中球増加として対応しよう ( 図

More information

性黒色腫は本邦に比べてかなり高く たとえばオーストラリアでは悪性黒色腫の発生率は日本の 100 倍といわれており 親戚に一人は悪性黒色腫がいるくらい身近な癌といわれています このあと皮膚癌の中でも比較的発生頻度の高い基底細胞癌 有棘細胞癌 ボーエン病 悪性黒色腫について本邦の統計データを詳しく紹介し

性黒色腫は本邦に比べてかなり高く たとえばオーストラリアでは悪性黒色腫の発生率は日本の 100 倍といわれており 親戚に一人は悪性黒色腫がいるくらい身近な癌といわれています このあと皮膚癌の中でも比較的発生頻度の高い基底細胞癌 有棘細胞癌 ボーエン病 悪性黒色腫について本邦の統計データを詳しく紹介し 2012 年 12 月 6 日放送 第 111 回日本皮膚科学会総会 5 教育講演 20-1 皮膚腫瘍の最新疫学データ 筑波大学大学院皮膚科 講師藤澤康弘 はじめに皮膚癌は国立がん研究センターがとりまとめている全国集計データでも年々増加の一途をたどっており なかでも高齢者の患者の増加が目立ちます 日常の皮膚科診療でも遭遇する機会が今後も増え続けることから その発生状況を知っておくことは役に立つと思います

More information

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4

10038 W36-1 ワークショップ 36 関節リウマチの病因 病態 2 4 月 27 日 ( 金 ) 15:10-16:10 1 第 5 会場ホール棟 5 階 ホール B5(2) P2-203 ポスタービューイング 2 多発性筋炎 皮膚筋炎 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:4 10001 P1-089 ポスタービューイング 1 関節リウマチの治療 :DMARDs NSAIDs 4 月 26 日 ( 木 ) 13:20-14:40 - ポスター 展示会場ホール E B2 階 ホール E 10002 P2-041 ポスタービューイング 2 関節リウマチの治療評価と予測 2 4 月 27 日 ( 金 ) 12:40-14:00 - ポスター 展示会場ホール E B2 階 ホール

More information

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6>

<4D F736F F D2089BB8A7797C C B B835888E790AC8C7689E6> 2012 年 4 月更新作成者 : 宇根底亜希子 化学療法看護エキスパートナース育成計画 1. 目的江南厚生病院に通院あるいは入院しているがん患者に質の高いケアを提供できるようになるために 看護師が化学療法分野の知識や技術を習得することを目的とする 2. 対象者 1 ) レベル Ⅱ 以上で各分野の知識と技術習得を希望する者 2 ) 期間中 80% 以上参加できる者 3. 教育期間 時間間 1 年間の継続教育とする

More information

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd

5_使用上の注意(37薬効)Web作業用.indd 34 ビタミン主薬製剤 1 ビタミン A 主薬製剤 使用上の注意と記載条件 1. 次の人は服用前に医師又は薬剤師に相談することあ医師の治療を受けている人 い妊娠 3 ヵ月以内の妊婦, 妊娠していると思われる人又は妊娠を希望する人 ( 妊娠 3 ヵ月前から妊娠 3 ヵ月までの間にビタミン A を 1 日 10,000 国際単位以上摂取した妊婦から生まれた児に先天異常の割合が上昇したとの報告がある )

More information

1)表紙14年v0

1)表紙14年v0 NHO µ 医師が治療により回復が期待できないと判断する 終末期 であると医療チームおよび本人 家族が判断する 患者の意志表明は明確であるか? いいえ はい 意思は文書化されているか? はい 患者には判断能力があるか? 医療チームと患者家族で治療方針を相談する 患者の意思を推量できる場合には それを尊重する はい はい 患者の意思を再確認する はい 合意が得られたか? はい いいえ 倫理委員会などで議論する

More information

娠中の母親に卵や牛乳などを食べないようにする群と制限しない群とで前向きに比較するランダム化比較試験が行われました その結果 食物制限をした群としなかった群では生まれてきた児の食物アレルゲン感作もアトピー性皮膚炎の発症率にも差はないという結果でした 授乳中の母親に食物制限をした場合も同様で 制限しなか

娠中の母親に卵や牛乳などを食べないようにする群と制限しない群とで前向きに比較するランダム化比較試験が行われました その結果 食物制限をした群としなかった群では生まれてきた児の食物アレルゲン感作もアトピー性皮膚炎の発症率にも差はないという結果でした 授乳中の母親に食物制限をした場合も同様で 制限しなか 2018 年 3 月 22 日放送 第 41 回日本小児皮膚科学会 2 シンポジウム 3 アレルギーマーチの予防の可能性 国立成育医療研究センター アレルギー科医長大矢幸弘 アトピー性皮膚炎とアレルゲン感作生後 1~2 ヶ月頃に何らかの湿疹病変を生じる乳児は多いですが アトピー性皮膚炎と診断するには脂漏性皮膚炎や間擦部のカンジダ性皮膚炎 あるいはおむつかぶれを含む接触性皮膚炎などとの鑑別診断が必要となります

More information

抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら

抗ヒスタミン薬の比較では 抗ヒスタミン薬は どれが優れているのでしょう? あるいはどの薬が良く効くのでしょうか? 我が国で市販されている主たる第二世代の抗ヒスタミン薬の臨床治験成績に基づき 慢性蕁麻疹に対する投与 2 週間後の効果を比較検討すると いずれの薬剤も高い効果を示し 中でもエピナスチンなら 2011 年 3 月 3 日放送第 26 回日本臨床皮膚科医会総会 3 主催セミナー 5より 皮膚科診療における抗ヒスタミン薬の限界と可能性 広島大学大学院皮膚科教授秀道弘はじめに皮膚科診療において 痒みを伴う疾患の数は多く 本邦における皮膚科患者数の上位 20 疾患のうち 9 疾患が痒みを伴い それらの疾患患者数は全体の 56.6% に該当します 中でも蕁麻疹 アトピー性皮膚炎は患者数が多く その病態ではヒスタミンが重要な役割を果たします

More information

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2

ータについては Table 3 に示した 両製剤とも投与後血漿中ロスバスタチン濃度が上昇し 試験製剤で 4.7±.7 時間 標準製剤で 4.6±1. 時間に Tmaxに達した また Cmaxは試験製剤で 6.3±3.13 標準製剤で 6.8±2.49 であった AUCt は試験製剤で 62.24±2 ロスバスタチン錠 mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにロスバスタチンは HMG-CoA 還元酵素を競合的に阻害することにより HMG-CoA のメバロン酸への変更を減少させ コレステロール生合成における早期の律速段階を抑制する高コレステロール血症治療剤である 今回 ロスバスタチン錠 mg TCK とクレストール 錠 mg の生物学的同等性を検討するため

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 )

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 小川憲人 論文審査担当者 主査田中真二 副査北川昌伸 渡邉守 論文題目 Clinical significance of platelet derived growth factor -C and -D in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > platelet derived growth factor (PDGF 血小板由来成長因子)-C,

More information

汎発性膿庖性乾癬の解明

汎発性膿庖性乾癬の解明 汎発性膿疱性乾癬の病因の解明 名古屋大学大学院医学系研究科 ( 研究科長 髙橋雅英 ) 皮膚病態学杉浦一充 ( すぎうらかずみつ ) 准教授 秋山真志 ( あきやままさし ) 教授らの研究チームは 国内 11 施設との共同研究で汎発性膿疱性乾癬の 8 割以上の患者の病因がインターロイキン 36 受容体阻害因子の欠損であることを解明しました 汎発性膿疱性乾癬は厚労省の難治性疾患克服研究事業における臨床調査研究対象疾患

More information

皮疹が出現するメカニズムは不明のものが多いのですが 後天性魚鱗癬を除き 腫瘍細胞が産生する TGF-aや EGF により表皮細胞の増殖が誘導されることが一因であろうとの推測がなされています Leser trélat 兆候は 有名な病態であり 実際 多くの症例が報告されています 最近は皮膚科以外の診療

皮疹が出現するメカニズムは不明のものが多いのですが 後天性魚鱗癬を除き 腫瘍細胞が産生する TGF-aや EGF により表皮細胞の増殖が誘導されることが一因であろうとの推測がなされています Leser trélat 兆候は 有名な病態であり 実際 多くの症例が報告されています 最近は皮膚科以外の診療 2011 年 1 月 6 日放送第 109 回日本皮膚科学会総会 14 教育講演 26 全身と皮膚 より 内臓悪性腫瘍を検索すべき皮膚疾患 獨協医科大学越谷病院皮膚科教授片桐一元はじめに内臓悪性腫瘍を検索すべき皮膚疾患について述べさせていただきます 皮膚病変から内臓悪性腫瘍を見いだすことは皮膚科診療の醍醐味の一つと言えます また その反面 見落とすことは患者さんにとって大きな不利益となります 本日紹介させていただく疾患には私も未だ経験しえていない疾患も含まれ

More information

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63>

<4D F736F F D B A814089FC92F982CC82A8926D82E782B95F E31328C8E5F5F E646F63> - 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読み下さい - 効能 効果 用法 用量 使用上の注意 等改訂のお知らせ 抗悪性腫瘍剤 ( ブルトン型チロシンキナーゼ阻害剤 ) ( 一般名 : イブルチニブ ) 2016 年 12 月 この度 抗悪性腫瘍剤 イムブルビカ カプセル 140 mg ( 以下標記製品 ) につきまして 再発又は難治性のマントル細胞リンパ腫 の効能追加承認を取得したことに伴い

More information

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http

脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date URL http 脳組織傷害時におけるミクログリア形態変化および機能 Title変化に関する培養脳組織切片を用いた研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 岡村, 敏行 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2009-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/124054 Right Type Thesis or

More information

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k

試験デザイン :n=152 試験開始前に第 VIII 因子製剤による出血時止血療法を受けていた患者群を 以下のい ずれかの群に 2:2:1 でランダム化 A 群 (n=36) (n=35) C 群 (n=18) ヘムライブラ 3 mg/kg を週 1 回 4 週間定期投与し その後 1.5 mg/k 各位 2018 年 5 月 21 日 ヘムライブラ の 2 本の第 III 相国際共同治験の成績を世界血友病連盟 (WFH)2018 世界大会で発表 中外製薬株式会社 ( 本社 : 東京 代表取締役社長 CEO: 小坂達朗 ) は 血友病 A 治療薬ヘムライブラ [ 一般名 : エミシズマブ ( 遺伝子組換え )] について 第 III 相国際共同治験である HAVEN 3 試験 (NCT02847637)

More information

がん登録実務について

がん登録実務について 平成 28 年度東京都がん登録説明会資料 2-1 がん登録届出実務について (1) 1. 届出対象 2. 届出候補見つけ出し 3. 診断日 4. 届出票の作成例示 東京都地域がん登録室 1 1. 届出対象 1 原発部位で届出 2 入院 外来を問わず 当該腫瘍に対して 自施設を初診し 診断あるいは治療の対象 ( 経過観察を含む ) となった腫瘍を届出 3 届出対象となった腫瘍を 1 腫瘍 1 届出の形で届出

More information

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検

一次サンプル採取マニュアル PM 共通 0001 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May EGFR 遺伝子変異検 Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital 6459 8. その他の検体検査 >> 8C. 遺伝子関連検査受託終了項目 23th May. 2017 EGFR 遺伝子変異検査 ( 院内測定 ) c-erbb/egfr [tissues] 基本情報 8C051 c-erbb/egfr JLAC10 診療報酬 分析物 識別材料測定法

More information

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル

図 B 細胞受容体を介した NF-κB 活性化モデル 60 秒でわかるプレスリリース 2007 年 12 月 17 日 独立行政法人理化学研究所 免疫の要 NF-κB の活性化シグナルを増幅する機構を発見 - リン酸化酵素 IKK が正のフィーッドバックを担当 - 身体に病原菌などの異物 ( 抗原 ) が侵入すると 誰にでも備わっている免疫システムが働いて 異物を認識し 排除するために さまざまな反応を起こします その一つに 免疫細胞である B 細胞が

More information

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号

資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 <その他分野 ( 消化器官用薬 解毒剤 その他 )> 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号 資料 3 1 医療上の必要性に係る基準 への該当性に関する専門作業班 (WG) の評価 < 代謝 その他 WG> 目次 小児分野 医療上の必要性の基準に該当すると考えられた品目 との関係本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル ( 要望番号 ;II-231) 1 医療上の必要性の基準に該当しないと考えられた品目 本邦における適応外薬ミコフェノール酸モフェチル

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a mur 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 松尾祐介 論文審査担当者 主査淺原弘嗣 副査関矢一郎 金井正美 論文題目 Local fibroblast proliferation but not influx is responsible for synovial hyperplasia in a murine model of rheumatoid arthritis ( 論文内容の要旨 ) < 要旨

More information

Microsoft PowerPoint - 指導者全国会議Nagai( ).ppt

Microsoft PowerPoint - 指導者全国会議Nagai( ).ppt 大阪府豊中保健所 永井仁美 コッホ現象を診断したら 市町村長は ( 中略 ) 医師がコッホ現象を診断した場合 直ちに被接種者の居住区域を管轄する市町村長へ報告するよう協力を求めること ( 平成 7 年 月 7 日厚生労働省健康局長通知 ) 市町村長 都道府県知事 厚生労働大臣に報告 BCG による皮膚病変の推移 BCG 接種制度変更 森亨, 山内祐子.BCG 副反応としての皮膚病変の最近の傾向. 結核

More information

スライド 1

スライド 1 1/5 PMDA からの医薬品適正使用のお願い ( 独 ) 医薬品医療機器総合機構 No.6 2012 年 1 月 ラミクタール錠 ( ラモトリギン ) の重篤皮膚障害と用法 用量遵守 早期発見について ラミクタール錠は 用法 用量 を遵守せず投与した場合に皮膚障害の発現率が高くなることが示されている ( 表 1 参照 ) ため 用法 用量 を遵守することが平成 20 年 10 月の承認時より注意喚起されています

More information

<4D F736F F D DC58F4994C5817A54524D5F8AB38ED28CFC88E396F B CF8945C8CF889CA92C789C1816A5F3294C52E646

<4D F736F F D DC58F4994C5817A54524D5F8AB38ED28CFC88E396F B CF8945C8CF889CA92C789C1816A5F3294C52E646 患者向医薬品ガイド トレムフィア皮下注 100mg シリンジ 2018 年 11 月更新 この薬は? 販売名 一般名 含有量 (1 シリンジ中 ) トレムフィア皮下注 100mgシリンジ Tremfya Subcutaneous Injection 100mg syringe グセルクマブ ( 遺伝子組換え ) Guselkumab(Genetical Recombination) 100mg 患者向医薬品ガイドについて

More information

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています くすりのしおり内服剤 2014 年 6 月作成薬には効果 ( ベネフィット ) だけでなく副作用 ( リスク ) があります 副作用をなるべく抑え 効果を最大限に引き出すことが大切です そのために この薬を使用される患者さんの理解と協力が必要です 商品名 : バルサルタン錠 20mg AA 主成分 : バルサルタン (Valsartan) 剤形 : 淡黄色の錠剤 直径約 7.2mm 厚さ約 3.1mm

More information

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類

未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類 未承認薬 適応外薬の要望に対する企業見解 ( 別添様式 ) 1. 要望内容に関連する事項 会社名要望された医薬品要望内容 CSL ベーリング株式会社要望番号 Ⅱ-175 成分名 (10%) 人免疫グロブリン G ( 一般名 ) プリビジェン (Privigen) 販売名 未承認薬 適応 外薬の分類 ( 該当するものにチェックする ) 効能 効果 ( 要望された効能 効果について記載する ) ( 要望されたについて記載する

More information

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ

イルスが存在しており このウイルスの存在を確認することが診断につながります ウ イルス性発疹症 についての詳細は他稿を参照していただき 今回は 局所感染疾患 と 腫瘍性疾患 のウイルス感染検査と読み方について解説します 皮膚病変におけるウイルス感染検査 ( 図 2, 表 ) 表 皮膚病変におけるウイ 2012 年 12 月 13 日放送 第 111 回日本皮膚科学会総会 6 教育講演 26-3 皮膚病変におけるウイルス感染検査と読み方 川崎医科大学皮膚科 講師山本剛伸 はじめにウイルス性皮膚疾患は 臨床症状から視診のみで診断がつく例もありますが ウイルス感染検査が必要となる症例も日常多く遭遇します ウイルス感染検査法は多種類存在し それぞれに利点 欠点があります 今回は それぞれのウイルス感染検査について

More information

161 家族性良性慢性天疱瘡

161 家族性良性慢性天疱瘡 161 家族性良性慢性天疱瘡 概要 1. 概要家族性良性慢性天疱瘡 ( ヘイリー ヘイリー病 ) は 常染色体優性遺伝を示す先天性皮膚疾患で 生下時には皮膚病変はなく青壮年期に発症することが多い 腋窩 陰股部 頸部 肛囲などの間擦部に小水疱やびらん 痂皮を形成するが より広範囲に皮膚病変を形成することもある 通常 予後良好な疾患であるが 夏季に悪化し 紫外線曝露や機械的刺激 二次感染が増悪因子になることがある

More information

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習

症例報告書の記入における注意点 1 必須ではない項目 データ 斜線を引くこと 未取得 / 未測定の項目 2 血圧平均値 小数点以下は切り捨てとする 3 治験薬服薬状況 前回来院 今回来院までの服薬状況を記載する服薬無しの場合は 1 日投与量を 0 錠 とし 0 錠となった日付を特定すること < 演習 ABC-123 臨床試験進行または再発胃癌患者に対するプラセボを対照薬とした無作為化二重盲検比較試験症例報告書 治験実施計画書番号 P123-31-V01 被験者識別コード 割付番号 治験実施医療機関名 ご自分の医療機関 お名前を記載して下さい 症例報告書記載者名 症例報告書記載者名 治験責任医師 ( 署名又は記名 押印 ) 治験責任医師記載内容確認完了日 印 2 0 年 月 日 1 症例報告書の記入における注意点

More information

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた

助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のた 助成研究演題 - 平成 23 年度国内共同研究 (39 歳以下 ) 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 東京大学医学系研究科重症心不全治療開発講座客員研究員 ( 助成時 : 東京大学医学部附属病院循環器内科日本学術振興会特別研究員 PD) 加藤尚子 私は 重症心不全の集学的治療確立のための QOL 研究 という題目で ファイザーヘ ルスリサーチ振興財団より助成をいただきました 本日はその結果を報告したいと思います

More information

4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色

4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色 4氏 すずき 名鈴木理恵 り 学位の種類博士 ( 医学 ) 学位授与年月日平成 24 年 3 月 27 日学位授与の条件学位規則第 4 条第 1 項研究科専攻東北大学大学院医学系研究科 ( 博士課程 ) 医科学専攻 学位論文題目 esterase 染色および myxovirus A 免疫組織化学染色の皮膚筋炎における診断的有用性 論文審査委員主査教授呉 繁夫 教授青木正志 教授相場節也 論文内容要旨

More information

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー

( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 米田博 藤原眞也 副査副査 教授教授 黒岩敏彦千原精志郎 副査 教授 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パー ( 様式乙 8) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 米田博 藤原眞也 副査副査 黒岩敏彦千原精志郎 副査 佐浦隆一 主論文題名 Anhedonia in Japanese patients with Parkinson s disease ( 日本人パーキンソン病患者における幸福感の喪失 ) 学位論文内容の要旨 目的 パーキンソン病 (PD) において 気分障害は非運動症状の中でも重要なものであり

More information

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ

ン (LVFX) 耐性で シタフロキサシン (STFX) 耐性は1% 以下です また セフカペン (CFPN) およびセフジニル (CFDN) 耐性は 約 6% と耐性率は低い結果でした K. pneumoniae については 全ての薬剤に耐性はほとんどありませんが 腸球菌に対して 第 3 世代セフ 2012 年 12 月 5 日放送 尿路感染症 産業医科大学泌尿器科学教授松本哲朗はじめに感染症の分野では 抗菌薬に対する耐性菌の話題が大きな問題点であり 耐性菌を増やさないための感染制御と適正な抗菌薬の使用が必要です 抗菌薬は 使用すれば必ず耐性菌が出現し 増加していきます 新規抗菌薬の開発と耐性菌の増加は 永遠に続く いたちごっこ でしょう しかし 近年 抗菌薬の開発は世界的に鈍化していますので

More information

< F B A838B93EE8D70959B8DEC A E786C73>

< F B A838B93EE8D70959B8DEC A E786C73> 1 テラ コートリル軟膏オキシテトラサイクリン塩酸塩 ヒドロコルチゾン気持ちが悪い未知非重篤不明疑われるテラ コートリル軟膏オキシテトラサイクリン塩酸塩 ヒドロコルチゾン胃痛未知非重篤不明疑われる 2 テラ コートリル軟膏 オキシテトラサイクリン塩酸塩 ヒドロコルチゾン 赤黒くかぶれた 既知 非重篤 不明 否定できない 3 テラ コートリル軟膏 オキシテトラサイクリン塩酸塩 ヒドロコルチゾン 接触性皮膚炎

More information

cell factor (SCF) が同定されています 組織学的に表皮突起の延長とメラノサイトの数の増加がみられ ケラチノサイトとメラノサイトの増殖異常を伴います 過剰のメラニンの沈着がみられます 近年 各種シミの病態を捉えて その異常を是正することによりシミ病変の進行をとめ かつシミ病変の色調を薄

cell factor (SCF) が同定されています 組織学的に表皮突起の延長とメラノサイトの数の増加がみられ ケラチノサイトとメラノサイトの増殖異常を伴います 過剰のメラニンの沈着がみられます 近年 各種シミの病態を捉えて その異常を是正することによりシミ病変の進行をとめ かつシミ病変の色調を薄 2015 年 1 月 15 日放送 第 113 回日本皮膚科学会総会 9 教育講演 35-1 顔面のシミの病態と鑑別診断 日本医科大学皮膚科准教授船坂陽子 はじめに一般にシミと呼称される疾患で 高い頻度でみられるのが日光性黒子です 老化に加え慢性の日光曝露が発症要因です 一方 急な紫外線曝露の影響が大きい色素斑として雀卵斑があげられます 両頬を中心として生じ 緩解増悪を繰り返す難治性の色素斑が肝斑で

More information

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関

( 続紙 1 ) 京都大学 博士 ( 薬学 ) 氏名 大西正俊 論文題目 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( 論文内容の要旨 ) 脳内出血は 高血圧などの原因により脳血管が破綻し 脳実質へ出血した病態をいう 漏出する血液中の種々の因子の中でも 血液凝固に関 Title 出血性脳障害におけるミクログリアおよびMAPキナーゼ経路の役割に関する研究 ( Abstract_ 要旨 ) Author(s) 大西, 正俊 Citation Kyoto University ( 京都大学 ) Issue Date 2010-03-23 URL http://hdl.handle.net/2433/120523 Right Type Thesis or Dissertation

More information

ルギー性接触皮膚炎症候群と診断されました 欧州医薬品庁は昨年 7 月にケトプロフェン外用薬に関するレヴュー結果を公表し 重篤な光線過敏症の発症は10 0 万人に1 人程度でベネフィットがリスクをうわまること オクトクリレンが含まれる遮光剤が併用されると光線過敏症のリスク高まることより最終的に医師の処

ルギー性接触皮膚炎症候群と診断されました 欧州医薬品庁は昨年 7 月にケトプロフェン外用薬に関するレヴュー結果を公表し 重篤な光線過敏症の発症は10 0 万人に1 人程度でベネフィットがリスクをうわまること オクトクリレンが含まれる遮光剤が併用されると光線過敏症のリスク高まることより最終的に医師の処 2011 年 9 月 1 日放送第 74 回日本皮膚科学会東京支部学術大会 2 教育講演 2 外用剤による接触皮膚炎の現況 東京医科歯科大学大学院皮膚科教授横関博雄 はじめに接触皮膚炎の原因抗原の中では医薬品の頻度が高く 特に抗菌薬や非ステロイド系消炎薬 (NSAIDs) の外用薬によるものの頻度が高いと考えられています これらの外用薬が湿疹や潰瘍病変に使用された場合には 症状の悪化 難治化といった形をとるため

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 大道正英 髙橋優子 副査副査 教授教授 岡 田 仁 克 辻 求 副査 教授 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent trans ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 大道正英 髙橋優子 副査副査 岡 田 仁 克 辻 求 副査 瀧内比呂也 主論文題名 Versican G1 and G3 domains are upregulated and latent transforming growth factor- binding protein-4 is downregulated in breast

More information

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値

あった AUCtはで ± ng hr/ml で ± ng hr/ml であった 2. バイオアベイラビリティの比較およびの薬物動態パラメータにおける分散分析の結果を Table 4 に示した また 得られた AUCtおよび Cmaxについてとの対数値 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK の生物学的同等性試験 ( 口中溶解後 水なし投与 ) バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにモンテルカストナトリウムは アレルギーのメディエーターの 1 つであるロイコトリエン (LT) の受容体の内 cyslt1 受容体を遮断する抗アレルギー薬である 今回 モンテルカストチュアブル錠 5mg TCK とキプレス チュアブル錠 5mg の生物学的同等性を検討するため

More information

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる 化粧品用コラーゲンの原料 現在は 魚由来が中心 かつては ウシの皮膚由来がほとんど BSE 等病原体混入の危険 人に感染する病原体をもたない アレルギーの問題は未解決 ( むしろ問題は大きくなったかもしれない ) アレルギーを引き起こす可能性 医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では

More information

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として

D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体 (S- 体 ) のみを含有するプロトンポンプ阻害剤である ネキシウム (D961H の日本における販売名 ) 錠 20 mg 及び 40 mg は を対象として 第 2 部 CTD の概要 一般名 : エソメプラゾールマグネシウム水和物 版番号 : 2.2 緒言 ネキシウム カプセル ネキシウム 懸濁用顆粒分包 本資料に記載された情報に係る権利はアストラゼネカ株式会社に帰属します 弊社の事前の承諾なく本資料の内容を他に開示することは禁じられています D961H は AstraZeneca R&D Mӧlndal( スウェーデン ) において開発された オメプラゾールの一方の光学異性体

More information

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe

( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 教授 森脇真一 井上善博 副査副査 教授教授 東 治 人 上 田 晃 一 副査 教授 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independe ( 様式甲 5) 学位論文内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 主査 森脇真一 井上善博 副査副査 東 治 人 上 田 晃 一 副査 朝日通雄 主論文題名 Transgene number-dependent, gene expression rate-independent rejection of D d -, K d -, or D d K d -transgened mouse skin

More information

日本内科学会雑誌第98巻第12号

日本内科学会雑誌第98巻第12号 表 1. 喘息の長期管理における重症度対応段階的薬物療法 重症度 長期管理薬 : 連用 : 考慮 発作時 ステップ 1 軽症間欠型 喘息症状がやや多い時 ( 例えば 1 月に 1 ~2 回 ), 血中 喀痰中に好酸球増加のある時は下記のいずれか 1 つの投与を考慮 吸入ステロイド薬 ( 最低用量 ) テオフィリン徐放製剤 ロイコトリエン拮抗薬 抗アレルギー薬 短時間作用性吸入 β2 刺激薬または短時間作用性経口

More information

恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島

恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 東京都港区三田 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島 恩賜第 42 回社会福祉法人財団済生会中央治験審査委員会 会議の記録の概要 開催日時 平成 28 年 1 月 13 日 ( 水 )15:30~17:17 開催場所 出席委員名 108-0073 東京都港区三田 1-4-28 三田国際ビル 21 階 社会福祉法人 恩賜財団済生会本部事務局中会議室 豊島聰 ( 出席 ) 委員長林茂樹 ( 出席 ) 副委員長 市場みすゞ ( 出席 ) 漆原尚巳 ( 出席

More information

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用

(3) 摂取する上での注意事項 ( 該当するものがあれば記載 ) 機能性関与成分と医薬品との相互作用に関する情報を国立健康 栄養研究所 健康食品 有効性 安全性データベース 城西大学食品 医薬品相互作用データベース CiNii Articles で検索しました その結果 検索した範囲内では 相互作用 販売しようとする機能性表示食品の科学的根拠等に関する基本情報 ( 一般消費者向け ) 商品名蹴脂粒食品の区分 加工食品 ( サプリメント形状 その他 ) 生鮮食品機能性関与成分名キトグルカン ( エノキタケ抽出物 ) 表示しようとする機能性本品はキトグルカン ( エノキタケ抽出物 ) を配合しており 体脂肪 ( 内臓脂肪 ) を減少させる働きがあります 体脂肪が気になる方 肥満気味の方に適しています

More information

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63>

<4D F736F F D F4390B38CE3816A90528DB88C8B89CA2E646F63> 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 論文審査担当者 論文題目 主査 荒川真一 御給美沙 副査木下淳博横山三紀 Thrombospondin-1 Production is Enhanced by Porphyromonas gingivalis Lipopolysaccharide in THP-1 Cells ( 論文の内容の要旨 ) < 要旨 > 歯周炎はグラム陰性嫌気性細菌によって引き起こされる慢性炎症性疾患であり

More information

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを

1. 医薬品リスク管理計画を策定の上 適切に実施すること 2. 国内での治験症例が極めて限られていることから 製造販売後 一定数の症例に係るデータが集積されるまでの間は 全 症例を対象に使用成績調査を実施することにより 本剤使用患者の背景情報を把握するとともに 本剤の安全性及び有効性に関するデータを 薬生薬審発 0525 第 3 号薬生安発 0525 第 1 号平成 30 年 5 月 25 日 都道府県各保健所設置市衛生主管部 ( 局 ) 長殿特別区 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬品審査管理課長 ( 公印省略 ) 厚生労働省医薬 生活衛生局医薬安全対策課長 ( 公印省略 ) トファシチニブクエン酸塩製剤の使用に当たっての留意事項について トファシチニブクエン酸塩製剤 ( 販売名 : ゼルヤンツ錠

More information

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規

られる 糖尿病を合併した高血圧の治療の薬物治療の第一選択薬はアンジオテンシン変換酵素 (ACE) 阻害薬とアンジオテンシン II 受容体拮抗薬 (ARB) である このクラスの薬剤は単なる降圧効果のみならず 様々な臓器保護作用を有しているが ACE 阻害薬や ARB のプラセボ比較試験で糖尿病の新規 論文の内容の要旨 論文題目アンジオテンシン受容体拮抗薬テルミサルタンの メタボリックシンドロームに対する効果の検討 指導教員門脇孝教授 東京大学大学院医学系研究科 平成 19 年 4 月入学 医学博士課程 内科学専攻 氏名廣瀬理沙 要旨 背景 目的 わが国の死因の第二位と第三位を占める心筋梗塞や脳梗塞などの心血管疾患を引き起こす基盤となる病態として 過剰なエネルギー摂取と運動不足などの生活習慣により内臓脂肪が蓄積する内臓脂肪型肥満を中心に

More information

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに

ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに ピルシカイニド塩酸塩カプセル 50mg TCK の生物学的同等性試験 バイオアベイラビリティの比較 辰巳化学株式会社 はじめにピルジカイニド塩酸塩水和物は Vaughan Williams らの分類のクラスⅠCに属し 心筋の Na チャンネル抑制作用により抗不整脈作用を示す また 消化管から速やかに吸収され 体内でもほとんど代謝を受けない頻脈性不整脈 ( 心室性 ) に優れた有効性をもつ不整脈治療剤である

More information

課題名

課題名 急性期重度嚥下障害患者に対する完全側臥位法の有効性 研究責任者氏名長尾恭史 岡崎市民病院リハビリテーション室 副主任 共同研究者脳神経内科小林靖歯科口腔外科長尾徹看護局西嶋久美子 西暦 2017 年 6 月 15 日版数 1 目次 1. 実施計画の経緯 ( 背景 )... 1 2. 目的... 1 3. 研究対象者について... 1 3-1 選択基準... 1 3-2 除外基準... 1 3-3 中止基準...

More information

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す

日本標準商品分類番号 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制す 日本標準商品分類番号 872491 カリジノゲナーゼの血管新生抑制作用 カリジノゲナーゼは強力な血管拡張物質であるキニンを遊離することにより 高血圧や末梢循環障害の治療に広く用いられてきた 最近では 糖尿病モデルラットにおいて増加する眼内液中 VEGF 濃度を低下させることにより 血管透過性を抑制することが示されたが 血管新生に対するカリジノゲナーゼの影響を評価した報告はない そこで今回 網膜血管新生に対するカリジノゲナーゼの役割を同定するため

More information

2011 年 9 月 29 日放送第 74 回日本皮膚科学会東京支部学術大会 6 教育講演 4-1( 膠原病 ) 皮膚限局型エリテマトーデスの病型と治療 埼玉医科大学皮膚科教授土田哲也 本日は 皮膚限局性エリテマトーデスの病型と治療 についてお話させていただき ます 言葉の問題と病型分類エリテマトー

2011 年 9 月 29 日放送第 74 回日本皮膚科学会東京支部学術大会 6 教育講演 4-1( 膠原病 ) 皮膚限局型エリテマトーデスの病型と治療 埼玉医科大学皮膚科教授土田哲也 本日は 皮膚限局性エリテマトーデスの病型と治療 についてお話させていただき ます 言葉の問題と病型分類エリテマトー 2011 年 9 月 29 日放送第 74 回日本皮膚科学会東京支部学術大会 6 教育講演 4-1( 膠原病 ) 皮膚限局型エリテマトーデスの病型と治療 埼玉医科大学皮膚科教授土田哲也 本日は 皮膚限局性エリテマトーデスの病型と治療 についてお話させていただき ます 言葉の問題と病型分類エリテマトーデスの理解を難しくしている大きな要因として 言葉の問題があります 最初に 皮膚エリテマト-デス (cutaneous

More information

95_財団ニュース.indd

95_財団ニュース.indd NO. 95 平成 21 年 7 月 1 日発行 No.95 日本リウマチ財団ニュース 表 1 ACR-EULAR 関節リウマチ診断基準 分類基準 試案 eular 2009, 岡田正人 訳 上を診断とするかはこれから決 score 0 22 34 定され また この項目と点数 0 6 印象も受けるが 時代とともに PIP,MCP,MTP, 手関節 4箇所以上非対称性 4箇所以上対称性 10

More information

学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot

学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of ot 学位論文要旨 牛白血病ウイルス感染牛における臨床免疫学的研究 - 細胞性免疫低下が及ぼす他の疾病発生について - C linical immunological studies on cows infected with bovine leukemia virus: Occurrence of other disea s e a f f e c t e d b y cellular immune depression.

More information

2015 年 4 月 16 日放送 第 78 回日本皮膚科学会東部支部学術大会 3 シンポジウム1-1 Netherton 症候群とその類症 旭川医科大学皮膚科教授山本明美 はじめに Netherton 症候群は魚鱗癬 竹節状の毛幹に代表される毛の異常とアトピー症状を3 主徴とする遺伝性疾患ですが

2015 年 4 月 16 日放送 第 78 回日本皮膚科学会東部支部学術大会 3 シンポジウム1-1 Netherton 症候群とその類症 旭川医科大学皮膚科教授山本明美 はじめに Netherton 症候群は魚鱗癬 竹節状の毛幹に代表される毛の異常とアトピー症状を3 主徴とする遺伝性疾患ですが 2015 年 4 月 16 日放送 第 78 回日本皮膚科学会東部支部学術大会 3 シンポジウム1-1 Netherton 症候群とその類症 旭川医科大学皮膚科教授山本明美 はじめに Netherton 症候群は魚鱗癬 竹節状の毛幹に代表される毛の異常とアトピー症状を3 主徴とする遺伝性疾患ですが 本症と臨床的に共通点が多い 比較的最近 注目されるようになった疾患に severe dermatitis,

More information

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer (

学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 学位論文の内容の要旨 論文提出者氏名 佐藤雄哉 論文審査担当者 主査田中真二 副査三宅智 明石巧 論文題目 Relationship between expression of IGFBP7 and clinicopathological variables in gastric cancer ( 論文内容の要旨 ) < 要旨 > Insulin-like growth factor ( 以下 IGF)

More information

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年

タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg 医薬品リスク管理計画書 (RMP) の概要 有効成分 タペンタ 錠 100mg 製造販売業者 ヤンセンファーマ株式会社 薬効分類 821 提出年月 平成 30 年 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る医薬品リスク管理計画書 本資料に記載された情報に係る権利及び内容の責任はヤンセンファーマ株式会社にあります 当該情報を適正使用以外の営利目的に利用することはできません ヤンセンファーマ株式会社 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠 50mg タペンタ 錠 100mg に係る 販売名 タペンタ 錠 25mg タペンタ 錠

More information

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の

CQ1: 急性痛風性関節炎の発作 ( 痛風発作 ) に対して第一番目に使用されるお薬 ( 第一選択薬と言います ) としてコルヒチン ステロイド NSAIDs( 消炎鎮痛剤 ) があります しかし どれが最適かについては明らかではないので 検討することが必要と考えられます そこで 急性痛風性関節炎の [web 版資料 1 患者意見 1] この度 高尿酸血症 痛風の治療ガイドライン の第 3 回の改訂を行うことになり 鋭意取り組んでおります 診療ガイドライン作成に患者 市民の立場からの参加 ( 関与 ) が重要であることが認識され 診療ガイドライン作成では 患者の価値観 希望の一般的傾向 患者間の多様性を反映させる必要があり 何らかの方法で患者 市民の参加 ( 関与 ) に努めるようになってきております

More information

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd

BA_kanen_QA_zenpan_kani_univers.indd その他 B 型肝炎 15% C 型肝炎 68% 41 706 168 66 19 12 肝 には の か 脂肪肝 の で る () という も りま の く い 肝 の肝細胞のなかに 脂肪の く がこ なにたまっ いま 類洞 正常な肝臓 腸管からの栄養や不要物が流れていく 肝細胞 正常な肝臓 脂肪肝の始まり 類洞 腸管からの栄養や不要物が流れていく 類洞 過剰な脂質 糖質の流入 肝細胞 肝細胞のなかに中性脂肪がたまり始める

More information

094.原発性硬化性胆管炎[診断基準]

094.原発性硬化性胆管炎[診断基準] 94 原発性硬化性胆管炎 概要 1. 概要原発性硬化性胆管炎 (PSC) は 肝内外の胆管の線維性狭窄を生じる進行性の慢性炎症疾患である 胆管炎 AIDS の胆管障害 胆管悪性腫瘍 (PSC 診断後及び早期癌は例外 ) 胆道の手術や外傷 総胆管結石 先天性胆道異常 腐食性硬化性胆管炎 胆管の虚血性狭窄 floxuridine 動注による胆管障害や狭窄に伴うものは 2 次性硬化性胆管炎として除外される

More information

ある ARS は アミノ酸を trna の 3 末端に結合させる酵素で 20 種類すべてのアミノ酸に対応する ARS が細胞質内に存在しています 抗 Jo-1 抗体は ARS に対する自己抗体の中で最初に発見された抗体で ヒスチジル trna 合成酵素が対応抗原です その後 抗スレオニル trna

ある ARS は アミノ酸を trna の 3 末端に結合させる酵素で 20 種類すべてのアミノ酸に対応する ARS が細胞質内に存在しています 抗 Jo-1 抗体は ARS に対する自己抗体の中で最初に発見された抗体で ヒスチジル trna 合成酵素が対応抗原です その後 抗スレオニル trna 2013 年 12 月 26 日放送 第 112 回日本皮膚科学会総会 7 教育講演 25-4 皮膚筋炎の特異自己抗体と病型分類 筑波大学皮膚科教授藤本学 筋炎に特異性の高い新たな自己抗体膠原病において自己抗体の出現は大きな特徴のひとつで 診断のみならず病型分類や治療方針の決定に重要な役割をもっています 関節リウマチ 全身性エリテマトーデス 全身性強皮症などの膠原病では 疾患特異的自己抗体が大多数の例で陽性になります

More information

蕁麻疹や血管性浮腫なら新しい皮膚科学|皮膚病全般に関する最新情報を載せた皮膚科必携テキスト

蕁麻疹や血管性浮腫なら新しい皮膚科学|皮膚病全般に関する最新情報を載せた皮膚科必携テキスト Urticaria, prurigo and pruritus 章蕁麻疹 痒疹 皮膚瘙痒症 ようしんそうよう蕁麻疹, 痒疹, 皮膚瘙痒症は, 瘙痒を主体とする炎症性の皮膚疾患群であり, これらを便宜上 1 つの章にまとめて解説する. この疾患群の共通性は, 臨床的な強い瘙痒だけであり, 発症機序や臨床像, 病理所見に共通性があるというわけではない. 蕁麻疹および血管性浮腫 urticaria and

More information

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果

審査結果 平成 23 年 4 月 11 日 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年 11 月 11 日 [ 審査結果 審査報告書 平成 23 年 4 月 11 日 独立行政法人医薬品医療機器総合機構 承認申請のあった下記の医薬品にかかる医薬品医療機器総合機構での審査結果は 以下のとおりで ある 記 [ 販 売 名 ] ミオ MIBG-I123 注射液 [ 一 般 名 ] 3-ヨードベンジルグアニジン ( 123 I) 注射液 [ 申請者名 ] 富士フイルム RI ファーマ株式会社 [ 申請年月日 ] 平成 22 年

More information

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた

1)~ 2) 3) 近位筋脱力 CK(CPK) 高値 炎症を伴わない筋線維の壊死 抗 HMG-CoA 還元酵素 (HMGCR) 抗体陽性等を特徴とする免疫性壊死性ミオパチーがあらわれ 投与中止後も持続する例が報告されているので 患者の状態を十分に観察すること なお 免疫抑制剤投与により改善がみられた 適正使用に欠かせない情報です 必ずお読みください 使用上の注意 改訂のお知らせ 注 1) 処方箋医薬品 ATORVASTATIN TABLETS AMALUET COMBINATION TABLETS 注 1) 処方箋医薬品 PRAVASTATIN SODIUM TABLETS 注 1) 注意 - 医師等の処方箋により使用すること PITAVASTATIN CALCIUM TABLETS 2016

More information

PowerPoint プレゼンテーション

PowerPoint プレゼンテーション アトピー性皮膚炎患者を対象とした鶏冠由来食用ヒアルロン酸 ECM E の有効性についての多施設共同並行群間二重盲検比較による経口投与食品試験 林博道 (1 1), 浦川徹 (1 2), 呉成浩 (2), 吉田均 (3 1), 安藤晃禎 (3 2), 木許泉 (4) アダプトゲン製薬株式会社代表取締役 (1 1) プロジェクトマネージャー (1 2) 三本木クリニック院長兼臨床試験責任医師 (2) 医療法人メドック健康クリニック院長兼臨床試験責任医師

More information

1 検 討 経 過 及 び 目 的 について 平 成 2 4 年 12 月 に 調 布 市 立 小 学 校 で 発 生 し た 食 物 レ ル ギ ー 死 亡 事 故 を 踏 まえ, 調 布 市 で は, 食 物 レ ル ギ ー 事 故 の 再 発 防 止 に 向 け て 調 布 市 食 物 レルギ

1 検 討 経 過 及 び 目 的 について 平 成 2 4 年 12 月 に 調 布 市 立 小 学 校 で 発 生 し た 食 物 レ ル ギ ー 死 亡 事 故 を 踏 まえ, 調 布 市 で は, 食 物 レ ル ギ ー 事 故 の 再 発 防 止 に 向 け て 調 布 市 食 物 レルギ 福 祉 健 康 部 食 物 レルギー 対 策 ワーキングチーム 検 討 結 果 報 告 書 福 祉 健 康 部 食 物 レルギー 対 策 ワーキングチーム 平 成 26 年 3 月 1 検 討 経 過 及 び 目 的 について 平 成 2 4 年 12 月 に 調 布 市 立 小 学 校 で 発 生 し た 食 物 レ ル ギ ー 死 亡 事 故 を 踏 まえ, 調 布 市 で は, 食 物 レ ル

More information

第3章 調査のまとめ

第3章 調査のまとめ 第 3 調査結果のまとめ 1 アレルギー疾患のり患状況 都内の児童施設に通う子供の各アレルギー疾患のり患状況は ぜん息 4.4% アトピー性皮膚炎 4.1% 食物アレルギー 5.3% アナフィラキシー 0.4% アレルギー性鼻炎 1.5% アレルギー性結膜炎 0.6% であった 今回の調査結果は 先行研究である横浜市 1) の報告にほぼ近似していたが 食物アレルギーの有病率に関しては 横浜市 1)

More information

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12

別紙様式 (Ⅱ)-1 添付ファイル用 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12 本資料の作成日 :2016 年 10 月 12 日商品名 : ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 安全性評価シート 食経験の評価 1 喫食実績 ( 喫食実績が あり の場合 : 実績に基づく安全性の評価を記載 ) による食経験の評価ビフィズス菌 BB-12(B. lactis)( 以下 当該成分 ) を含む当社製品 ビフィズス菌 BB( ビービー ) 12 ( 以下 当該製品 ) に関する評価

More information

検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a

検査項目情報 6475 ヒト TARC 一次サンプル採取マニュアル 5. 免疫学的検査 >> 5J. サイトカイン >> 5J228. ヒトTARC Department of Clinical Laboratory, Kyoto University Hospital Ver.6 thymus a thymus and activation-regulated chemokine 連絡先 : 3764 基本情報 5J228 ヒトTARC 分析物 JLAC10 診療報酬 識別 材料 023 血清 測定法 052 化学 生物発光イムノアッセイ (CLEIA) 結果識別 第 2 章 特掲診療料 D015 19 TARC 第 3 部 検査 第 1 節 検体検査料 第 1 款 検体検査実施料 ( 免疫学的検査

More information

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について

Microsoft Word - ①【修正】B型肝炎 ワクチンにおける副反応の報告基準について 資料 1 B 型肝炎ワクチンの副反応報告基準について 予防接種法における副反応報告制度について 制度の趣旨副反応報告制度は 予防接種後に生じる種々の身体的反応や副反応が疑われる症状等について情報を収集し ワクチンの安全性について管理 検討を行うことで 広く国民に情報を提供すること及び今後の予防接種行政の推進に資することを目的としている 報告の義務 予防接種法第 12 条 1 項 ( 参考資料 1)

More information

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132>

<4D F736F F D2082A8926D82E782B995B68F E834E838D838A E3132> 医薬品の適正使用に欠かせない情報です 必ずお読み下さい 効能 効果 用法 用量 使用上の注意 改訂のお知らせ 2013 年 12 月 東和薬品株式会社 このたび 平成 25 年 8 月に承認事項一部変更承認申請をしていました弊社上記製品の 効能 効果 用法 用量 追加が平成 25 年 11 月 29 日付にて 下記の内容で承認されました また 使用上の注意 を改訂致しましたので 併せてお知らせ申し上げます

More information

kari.indb

kari.indb 十分に理解しておくことが望ましい C 知っておくことが望ましい B 概略理解しておくことが望ましい 認定内科医 総合内科専門医 Ⅰ 知識 344 1 形態 機能 病態生理 1 反応 2 抗原 アレルゲン 3 免疫グロブリン 4 免疫担当細胞 5 補体 6 に関与する化学伝達物質 ヒス タミン ロイコトリエン PF 7 サイトカイン/ケモカインとその受容体 接 着分子 8 組織適合抗原 HL Class

More information

線に及ぶ 4 パッチテスト 光パッチテストで多数の陽性物質が検出されるが それらの抗原によるアレルギー反応は直接原因ではない 5 病理組織学的に湿疹 皮膚炎群の所見を示し 時に真皮内に異型リンパ球の浸潤がみられる などです なお 現在までに本疾患の原因は解明されていません 慢性光線性皮膚炎の臨床像次

線に及ぶ 4 パッチテスト 光パッチテストで多数の陽性物質が検出されるが それらの抗原によるアレルギー反応は直接原因ではない 5 病理組織学的に湿疹 皮膚炎群の所見を示し 時に真皮内に異型リンパ球の浸潤がみられる などです なお 現在までに本疾患の原因は解明されていません 慢性光線性皮膚炎の臨床像次 2018 年 3 月 1 日放送 第 116 回日本皮膚科学会総会 17 教育講演 56-3 慢性光線皮膚炎の病態および診断 治療 金沢赤十字病院皮膚科部長川原繁慢性光線性皮膚炎の概念本日は 慢性光線性皮膚炎の病態 および診断と治療についてお話しいたします 初めに 慢性光線性皮膚炎の概念について述べます 古くから好発年齢が高齢であり 原因不明で難治性の光線過敏症が知られており 多くの研究者によって

More information

64 は認められなかった 術前に施行したIVIgの効 きた 特に 小児例では血漿交換は肉体的侵襲が 果が明らかでなかったため 2月20日より単純血 大きく Blood Accessも難iしいことから1 IVIg 漿交換を施行した 第1回施行直後より 開瞼3 mmまで可能となり 眼球運動も改善 3回目終了 が推奨されてきている11 12 後より水分経口摂取開始 4回目終了後には人工 呼吸器から離脱が可能となり著明な改善効果を認

More information