ひな形利用の手引 本手引では 提供するひな形の種類と適用範囲 利用者 利用方法について説明する 1. 背景 目的本資料は情報システムに係る調達を行う際 調達仕様書作成の参考となる ひな形 を提供する 官公庁の情報システム調達では 民間の調達と異なり 調達の中立性 公平性を意識しなければならない また

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1 情報システム調達のための技術参照モデル (TRM) 平成 25 年度版 調達仕様書ひな形編 1 ひな形利用の手引 2 システム開発調達仕様書 <ひな形 > 3 運用管理支援調達仕様書 <ひな形 > 4 機器賃貸借及び保守調達仕様書 <ひな形 > 2014 年 10 月作成 2015 年 3 月更新 経済産業省商務情報政策局情報処理振興課 独立行政法人情報処理推進機構

2 ひな形利用の手引 本手引では 提供するひな形の種類と適用範囲 利用者 利用方法について説明する 1. 背景 目的本資料は情報システムに係る調達を行う際 調達仕様書作成の参考となる ひな形 を提供する 官公庁の情報システム調達では 民間の調達と異なり 調達の中立性 公平性を意識しなければならない また 人事ローテーションサイクルが短く 担当職員の IT に関する知識 経験が十分でなくとも調達活動を行わなければならない状況がある このような状況においては やみくもに過去の調達仕様書を流用することや 関連事業者に丸投げに近い調達仕様書作成が行われることも少なからずあり 結果として本来の業務目的を達成できない 過剰な機能や性能 あるいは実勢とかけ離れたコストで調達するといったシステムが見受けられる 本編で提供するひな形は 情報システム担当経験が少ない職員でも項目毎の説明やサンプルを参考に業務内容の記載に注力することにより 応札事業者に要求事項を漏れなく適ひ切に伝えることを可能とし 延いてはこうした失敗を避けることを目的としている さらに 全体構成が標準化されることで 事業者の適切な理解と発注側のレビュー効率化も図ることができる 2. 提供するひな形の概要 (1) ひな形の種類以下の 3 種類を提供する ただし 事例をベースに提供していることから 構成や記載方法について必ずしも統一していることを保証するものではない 1 システム開発調達仕様書 <ひな形 > 業務システムを新規に構築する場合 ( 再構築を含む ) の 開発フェーズにおける役務調達に係る調達仕様書ひな形である 2 運用管理支援調達仕様書 <ひな形 > システムの運用管理支援における役務調達に係る調達仕様書ひな形である 3 機器賃貸借及び保守調達仕様書 <ひな形 > システムの機器賃借並びに保守に係る調達仕様書ひな形である (2) ひな形の適用範囲調達仕様書に記載すべき内容はシステム規模や調達の形態 調達する局面により変わる 提供するひな形が適合する調達は およそ表 2.1 中の黒枠で囲った範囲である 想定している調達形態は独自開発 ( 再構築を含む ) であり ベンダー提供のパッケージシステム 1

3 に関わる調達やサービス提供等の調達は対象としていない システム規模 ( 調達予算規模 ) の想定は中 小規模である これは大規模システム (80 万 SDR 以上 ) であれば 調達活動のための専門支援事業者を別途調達することも可能であるが 中 小規模ではそのような支援を得ることなく職員単独で調達仕様書を作らなければならない場合が多いためである 表 2.1 調達仕様書テンプレートの提供範囲 企画フェース 要件定義フェース 開発フェース 保守 運用フェース 全体計画策定支援 調達支援 ( 要件定義等 ) 調達支援 ( フ ロシ ェクト管理支援等 ) システム構築 ( 設計 開発 ) 機器調達付帯作業 運用管理支援ヘルフ テ スク機器賃貸借 保守 (HW/SW/ システム基盤 ) IDC 設備調達付帯作業ネットワーク調達 3. 利用者の想定 (1) 想定利用者は中央官庁または地方自治体等の職員とする そのため 調達の中立性 公平性を意識した記載としている (2) 職員は 対象業務の目的や内容を理解していることを前提とする 着任直後等でこれらの理解が十分でない場合 前任者や上司等から適切に業務知識の伝承を受ける必要がある (3) 情報システム担当経験は 1~2 年程度を想定する また情報システムに関する知識については IT パスポート試験 ( 経済産業省が認定する情報処理技術者試験 ) 合格者レベルか あるいは容易に合格可能な能力をもつことを想定する 4. ひな形利用の留意点 (1) 一つのひな形で全ての調達を網羅することは困難である したがって対象とする調達が 表 2.1 の適用範囲に含まれるか あるいは自身のスキルにより利用可能となるかについて 第一に確認されたい (2) ひな形文書ファイル利用に際して 以下に留意されたい 1 記載項目の順序は原則として変更しない 該当しない場合には 項目を削除するのではなく その項目が該当しない旨を明記する 2 記載事項を大きく分類すると 職員が責任を持って加筆 変更する部分と 定型文として利用する部分がある ひな形の利用においてこの区別は大切である 加筆 変更が必要な項目には < 考え方 > による解説 選択が必要な項目には 印と選択肢が付されている 2

4 3 職員が加筆 修正する部分は 職員が業務目的 業務知識に基づき 責任を持って記述する また 現行事業者だけでなく 適切なスキルを持つ新たな事業者も理解できるよう意識する 4 定型部分は所属組織で共通に提示すべき内容や条件等であり 各府省 自治体において必要な加筆 修正を行った上で承認され 共通に使用すべき部分である これらは原則として個別の調達毎に変更する必要はなく 単に引用すればよい 5 なお 各ひな形の冒頭に別途 < 利用に当たっての考え方 > が記されている場合 その解説や指示にも留意されたい (3) 調達仕様書の素案完成後 以下により調達仕様書の精度を高められたい 1 所属部署の識者または CIO 補佐官のレビューを受ける 2 本素案を基に複数の事業者に下見積りを依頼し 予算規模の把握と同時に事業者のそご理解に齟齬が生じないか確認する 過大な解釈 過小な解釈は起こりがちなので注意が必要である 5. 記載事項の利用に際して (1) ひな形の提供ファイルの構成本編で提供するひな形には PDF 版と Microsoft Word 版の 2 種類がある 1 ひな形ファイル (PDF 版 ) は 調達仕様書のサンプルを提供することに加え 各節に < 説明 > 記入例 < 考え方 > の構成で ひな形利用者への解説を記載している 利用者は記載項目の意図や記述のレベル 記載量等を理解の上 目的とする要求事項を検討 記述されたい 2 Microsoft Word 版は調達仕様書作成のひな形ファイルとして加筆 変更可能とすることを意図しており < 説明 > < 考え方 > の解説箇所を削除したものである すなわち 目次 各節の表題 記入例 で構成され 特定事例の調達仕様書のたたき台として概ね完結している (2) 解説箇所の説明ひな形ファイル各節に記載の < 説明 > 記入例 < 考え方 > 印について説明する 1 < 説明 > では 当該箇所 ( 各節 ) に記載すべき要点または留意点を挙げている 仕様書全体で必要事項が網羅されるよう考慮してあるので 記載は各節の説明の範囲にとどめ 一カ所に記載しすぎないことも大切である 選択肢が示されている場合は 調達内容によって記載そのものの有無や説明内容を選択しなければならない また 印が記載されている内容については システムの規模や特性等に応じた選択肢が示されている 事業者に提示する時点では 印を全て解消しておかなければならない 2 記入例 では < 説明 > だけでは具体的なイメージが湧かない可能性を考 3

5 慮し 具体的事例におけるサンプルを示している 記載内容のイメージや意図 説 明量等について参考にしていただくが あくまでも例示であることに留意し 定型 部分以外 記入例の内容をそのまま残してはならない 記載事項の詳細については必要に応じて TRM 本体も参考にされたい 3 < 考え方 > では < 説明 > や 記入例 だけでは意図が分かりにくい場合 や 調達事案により記載内容が大きく変わることが予想される節において 想定される選択肢等について説明を付記している これらの判断は情報システムの高度な知識や経験も必要となる場合があるため 不明な点は CIO 補佐官等に相談または確認することを勧める (3) ひな形における記述例 ( 運用管理支援調達仕様書 <ひな形 >より ) 2.1 背景及び目的 < 説明 > 当該調達案件が必要とされる背景と目的を簡潔に記載する 背景については 当該調達の運用の対象となる情報システムの開発経緯を記載する 目的については 行政サービスの改善 高度化 業務プロセスの改革 ( リエンジニアリング ) 適用するシステム技術の革新 運用環境や体制の統合 合理化等 本調達案件での期待効果や狙いなどを記載する 技術参照モデル 役務調達編 2.4 運用 参照 記入例 背景 次期 **** システム ( 以下 対象システム という ) においては 現在 段階を行っており 平成 年 月までの間に運用テストを終了し 平成 年度中に 現行の **** システム ( 以下 現行システム という ) から対象システムに移行を行う予定である 平成 年度においては に **** システムを設置して 平成 年 月までの間に本格稼動前に本番環境における最終動作確認を実施する予定である 目的 本調達においては 平成 年度の現行システムから対象システムへの移行及び本番稼動を行うに当たり その運用管理支援業務 ( 以下 運用管理支援業務 という ) を調達対象とするものである 対象システムにおける運用管理支援業務は 問題対応やトラブル検出 切分け 解決の迅速化等の 安定稼動の実現 構成情報の確実な管理や利用実態に応じたリソース配分の実現等の 継続的な最適運用の実現 及び運用管理オペレーションのセンター集中や業務と並行した運用保守の実現等の 運用負荷 コストの低減 を基本方針として実施することとする < 考え方 > 本システムに対してこれまで関与していない業者であっても理解できる様に 詳細で十分な説明をすること 以上 4

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