先進的林業機械緊急実証・普及事業

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1 先進的林業機械緊急実証 普及事業取組み説明資料 MAN YARDER 4000-JAPAN LIFTLINER 4000 WOODLINER 3000 による集材の効率化 前田商行株式会社 1

2 1. 事業の背景 課題 2 1 事業体と地域の森林 林業の概況 前田商行株式会社 創業 : 昭和 23 年前田木材工業 ( 株 ) 昭和 47 年に社名を前田商行 ( 株 ) に変更 資本金 :1,200 万円 本社 : 三重県南牟婁郡紀宝町鵜殿事務所 : 和歌山県新宮市船町 社員数 : 男性 4 名女性 1 名 年間素材生産量 :H25 年度実績 5,000m3 H26 6,000m3( 予定 ) 森林作業道開設実績 :H24 2,200m H25 3,300m H26 5,000m( 予定 ) 主な保有機械 : ハーベスタ 1 台 タワーヤーダ 3 台 フォワーダ 3 台 集材機 2 台グラップルローダ 3 台 トラック 2 台 自走式搬器 2 台 所有森林面積 :552ha( 会社 + 個人 ) 概要 熊野川流域において素材生産業を中心に林業を営んでおり 早くから機械化を図り 素材生産のコスト削減に取り組んでいる 熊野川流域は急峻な地形であるため 早くから架線集材が発達した地域であり タワーヤーダ等の高性能林業機械も早い時期に導入している 効率的で安全な作業を目指して 作業手順や機械の改良を行っている

3 1. 事業の背景 課題 3 1 事業体と地域の森林 林業の概況

4 1. 事業の背景 課題 4 1 事業体と地域の森林 林業の概況

5 1. 事業の背景 課題 5 1 事業体と地域の森林 林業の概況

6 1. 事業の背景 課題森林の概況 6

7 1. 事業の背景 課題森林の施業概況 7 高森高山線 赤 : 平成 26 年度作設作業道黒 : 平成 25 年度作設作業道青 : 平成 24 年度作設作業道茶 : 既設

8 1. 事業の背景 課題 8 1 事業体と地域の森林 林業の概況

9 1. 事業の背景 課題 9 1 事業体と地域の森林 林業の概況

10 1. 事業の背景 課題 10 2 素材生産活動における従来システム タワーヤーダの課題 2tの集材能力を有しているが 大径材に対して能力が不足 従来機はタワー高とスパン長の不足で十分な架線の高さを確保することができない 大径化した立木は 全木で集材できず林内で造材を行う場合が多く 生産性を落としている 3tの能力を持つウッドライナー 3000も所有しているが タワーヤーダの強度と能力が不足しているため組み合わせて使用することができない バイオマス発電施設へ効率的に未利用材を供給していくためには全木集材が必要である 作業道から離れた林地では間伐材を搬出できずに切り捨てとなっている区域も多く 地域資源を十分活用できていない

11 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 機械の名称 MAN YARDER JAPAN 型式 Y43 01 メーカー名 KONRAD 生産国オーストリア導入方法代理店等を通じて購入購入価格全長 8552mm 全幅 2500mm 全高 3680mm 重量 23.6t エンジン出力 320kw 最大積載量 0 kg 最高速度などキャレッジ巻き上げ6.5m/ 秒タワー高さ : 12.2m 主索ウインチ最大直引力 : 110kN 使用主索 :IWRC 8xP WS(26) 径 22mm 主索巻量 :800m 引寄索ウインチ最大直引力 : 38kN 引寄索径 :12mm その他機械の性能引寄索巻量 : 600m リードロープウインチ直引力 : 12kN リードロープ径 :7mm リードロープ巻量 : 1,200m 控索直引力 : 9kn 控索径 :20mm 控索巻量 : 60m 4 11

12 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 12

13 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 13 機械の名称 LIFTLINER 4000 型式 LL3 96 メーカー名 生産国 導入方法 KONRAD オーストリア 代理店等を通じて購入 購入価格 全長全幅全高重量エンジン出力最大積載量 1650mm 630mm 1030mm 950kg 100kW 40kN 11mm/85m 最高速度など その他機械の性能 主索クランプ機能

14 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 14

15 2. 導入した機械及び作業システムの詳細林業機械の改良点 改善点 15 MAN YARDER 4000-JAPAN 改良内容改良の原因 理由改良の効果 ショートホイールベースの 3 軸 6 輪駆動トラックの選定 作業道上での走破性を確保するため 土構造の作業道でも走行が可能であった 320kW の高出力エンジンの選定 搬器速度および牽引能力の向上 メインライン直引力 38kN 最大速度 6.5m/s を実現 タワーの延長架線高の確保タワー高 12.2m を実現 主索に 8 ストランド鋼芯ロープ (22mm) を使用 上げ荷と下げ荷でそれぞれ専用搬器を使用するため 下げ荷で使用するウッドライナー 3000 用の主索ロープを装備する必要があるため 主索巻き量の増量集材範囲の拡大最大スパン 750m 下げ荷では主索 1 本で架設可能となり架設作業の大幅な省力化が可能となった 中折れ式タワーの採用 車両全高を道路運送車両法の基準内に抑えるため 全高 3.68m を実現 タワーの前方への張り出しが無くなり 全長が 8.55m に短縮されたため 回転半径が小さくなって狭い場所での走行性が改善された 前後の軸重バランスが改善され ほぼ均等荷重となった Liftliner 4000 改良内容改良の原因 理由改良の効果 本線脱線防止装置メインライン断線時の搬器暴走防止用クランプを集材時固定クランプとしても使用できるようにした 本線からの脱線を防止するため横取り 荷あげ時の搬器揺動を防止するため スプリングによる可動式脱線防止装置が付くことにより本線の脱着も容易になる実証試験では当機能は使用しなかったが 横取りの方向決めを確実に行う効果がある

16 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 16 機械の機能説明 : アウトリガーとセンターリガー

17 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 17 機械の機能説明 : タワーの中折れ機能

18 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 18 機械の機能説明 : トラックベースでのタワーのチルト機能

19 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 19 機械の機能説明 : スカイラインのテンション機能

20 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 20 機械の機能説明 : メーンラインの乱巻きセンサーと距離センサー

21 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 21 機械の機能説明 : 他社 YARDER との主索作業範囲の比較 他社 YARDER a: 作業範囲

22 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 22 機械の機能説明 : ガイラインのテンション機能

23 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 23 機械の機能説明 : 上げ荷用控え索基本角度

24 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 24 機械の機能説明 : 下げ荷用控え索基本角度

25 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 25 機械の機能説明 : コントロールボックスとリモコン

26 2. 導入した機械及び作業システムの詳細 26 機械の機能説明 : リフトライナーの転落防止機能と本線クランプ機能

27 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察ウッドキーパー ( 落下防止柵 ) の開発 27 丸太の落下を防止 サイクルタイムが短縮 オートチョーカーの荷外し効率アップ 先山の危険軽減 2 3 本掛け時の荷外し効率アップ ハーベスタの作業効率アップ

28 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察先柱用繊維スリングの製作 28 先柱取り付けワイヤーの軽量化 先山の労働軽減 特注ヘビーラウンドスリング ( 重量 :10.4kg 長さ :8m 破断荷重 :50t) 先柱の控え索 : ラッシングベルト ( 長さ :4+15m 破断荷重 :5t)

29 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察リードロープの鋼線を繊維ロープに交換 29 引き回し索の軽量化と時間短縮 引き回し時の労働軽減 ダブルで牽引可能になり作業時間が短縮 繊維ロープ太さ :8mm 破断強度 :72kn 重量 :3.3kg/100m

30 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察長尺ラッシングベルトと木登りセットの導入 30 サポート索の軽量化と時間短縮 Tree climbing unit

31 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察中継リモコンの導入 アンテナの延長 急傾斜におけるリモコン電波の圏外対応 電波が届き 操作可能 31

32 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察枕木の導入 路面傾斜における対応 タワーが垂直に立ち 負荷軽減 32

33 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察自走式搬器ウッドライナーの活用 下げ荷集材 勾配のない集材が容易 本線のみの架設により時間短縮 3t 吊り能力により効率アップ 33

34 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察オートチョーカーでのワイヤー使用の問題点 34 改良内容改良の原因 理由改良の効果 ワイヤーをチェーンに交換ワイヤーに癖がつく ( キンク ) 荷外しの際 外れない時がある 荷掛けがしづらい ワイヤーの加締めをチェーン専用金具に交換 ワイヤーの交換時 ワイヤー加工メーカーにオートチョーカーを送り 加締め加工を依頼する必要がある チェーンは癖がつかない 荷外しの際 外れやすい 針が出ないため扱いやすく安全 チェーン交換時 作業員で交換可能 搬器移動時 ワイヤーはよく揺れる チェーンは揺れにくい ワイヤー加工メーカーの加締めをオートチョーカーに合わせる調整加工が必要 加締めの調整加工不要 ( 専用金具仕様 ) 金具の引掛りがなくなり 荷外しのトラブルが少ない ワイヤー使用の問題点 オートチョーカーとの接触 曲げによりワイヤーが痛む

35 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察オートチョーカーのワイヤーをチェーンに交換 35 改良内容改良の原因 理由改良の効果 ワイヤーをチェーンに交換ワイヤーに癖がつく ( キンク ) 荷外しの際 外れない時がある 荷掛けがしづらい ワイヤーの加締めをチェーン専用金具に交換 ワイヤーの交換時 ワイヤー加工メーカーにオートチョーカーを送り 加締め加工を依頼する必要がある チェーンは癖がつかない 荷外しの際 外れやすい 針が出ないため扱いやすく安全 チェーン交換時 作業員で交換可能 搬器移動時 ワイヤーはよく揺れる チェーンは揺れにくい ワイヤー加工メーカーの加締めをオートチョーカーに合わせる調整加工が必要 加締めの調整加工不要 ( 専用金具仕様 ) 金具の引掛りがなくなり 荷外しのトラブルが少ない ワイヤーをチェーンに交換

36 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察トゥルーパルス 360R の導入 間伐における線道の踏査で方位角が急傾斜地でも測量可能 測量の時間短縮 36

37 3. 新しい作業システムの活用に向けた考察ハーベスタのチェーン自動目立て機の導入 37 目立ての効率化 刃の大きさが揃う 切り口がきれい 労働軽減

38 4. 事業の普及への取り組み講習 講師依頼一覧 38 1 林業関係企業 2 森林組合 3 行政 依頼者依頼内容実施日時開催場所備考 先進的林業機械における作業システム現場視察についてタワーヤーダシステム先進地視察研修について タワーヤーダ等を活用した先進的作業システムの現地検討会開催について H H H 一般社団法人講師派遣について H 東京都 5 販売業者森林組合連合会 Woodliner 取扱 運用指導講師依頼 H ~15 H ~21 6 販売業者 Woodliner 導入指導講師依頼 H ~17 7 公益財団法人タワーヤーダ及び自走式搬器の研修について H 森林管理局 9 一般社団法人 10 森林組合 先進的な架線による現地研修会の実地について 架線作業システム高度技能者育成事業に係る現地見学視察について ( 現地見学のお願い ) タワーヤーダシステム先進地視察研修について H H H 販売業者 LiftLiner 現場視察受入依頼について H 行政 県営 ( 有 ) 林施業検討現地見学会の開催について H 販売業者 Woodliner 架設講習等の講師依頼について H ~13 14 林業活性化センター搬出間伐現地視察に係る協力依頼について H 和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場 和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場 島根県依頼者様指定場所高知県依頼者様指定現場 和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場 和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場 和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場 和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場高知県依頼者様指定現場和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場和歌山県新宮市南桧杖前田商行 ( 株 ) 現場 タワーヤーダとリフトライナーの組合せによる効率的搬出システムタワーヤーダシステムの路網整備 作業方法 安全性向上の取組等 新型のタワーヤーダと搬器を活用した作業システムについての説明 6W トラック搭載タワーヤーダと高性能搬器の導入による長スパン揚荷集材の効率化 Woodlinerの運用について必要な知識 技術の講習 研修を行う Woodlinerの運用について必要な知識 技術の講習 研修を行うタワーヤーダ ( コンラッド製 ) およびリフトライナーによる集材自走式搬器による集材その他架線系作業システムに全般についての研修 先進的架線作業地研修会 トラック搭載式タワーヤーダ高性能搬器の導入による長スパン 上げ荷集材の効率化 タワーヤーダシステムの路網整備 作業方法 安全性向上の取組等 LiftLiner 現場視察 前田商行施業現場における施業方法の見学 Woodliner 架設 中間サポートの架設等について 作業者の研鑚を深めるためタワーヤーダとウッドライナーと組み合わせた効率的な搬出間伐タワーヤーダ ウッドライナーの集材作業作業道開設作業の見学 タワーヤーダ作業及び作業道開設見学につ 15 林業関係企業いて H ロングリーチハーベスタ作業実演 16 独立行政法人 MAN YARDER 4000-JAPANの視察 H ~30 ロングリーチハーベスタの作業実演 17 林業技術普及協会 森林講座 の講師依頼 H 三重県津市文化会館 大型タワーヤーダを使用した搬出間伐の効率化 18 一般社団法人 平成 26 年度林野庁委託事業 架線作業システム高度技能者育成事業 の研修教材で和歌山県西牟婁郡上富田町架線作業システム高度技術者育成事業試験 H27.2.3~5 あるテキストを作成するに当たり その内容指導方法など和歌山県林業試験場的運用検討会について 19 一般法人新たな架線集材システム検討会 H 和歌山県広川町下津木地内和歌山県田辺市カ ーテ ンホテルハナヨ 低コスト林業に向けた架線集材の自動化

39 5. 今後の取り組み課題稼働実績表 39 H25 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月計 原木市場 (m3) バイオマス (t) バイオマス (t) 係数 出材積 (m3) 勤務人数 人工数 H25 年 2 月よりタワーヤーダ稼働 H25 年 10 月 ~H26 年 3 月バイオマス運賃補助あり H26 年度 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月計 原木市場 (m3) バイオマス (t) バイオマス (t) 係数 出材積 (m3) 勤務人数 人工数 出勤日数の 1 人当たりの材積 稼働日 造材積 稼働日当の 1 人の材積 H26 年 5 月よりグリーンワーカー研修のため 1 名不在期間あり H26 年 9 月より新人 1 名入社

40 5. 今後の取り組み課題 40 強度があり軽く伸びないラッシングベルトの製作 ( 目標長さ :4+25m 破断荷重 :10t ) オートチョーカー用強度があり軽いチェーンの製作 大型機械を支持する強固な 3.5m 作業道網の整備 (H27 28 年度各 5,000m 作設予定 ) 雨による軟弱路面の整備 排水対策 フォワーダ小運搬の省略 現状では雨が降ると運材トラックがタワーヤーダまで到達できない 走破性の高い運材トラック導入の必要性 ティンバートラック 4 輪駆動 6 4BL

41 資料. 昨年の実証における作業システムの評価結果 41 表 -1 実証試験地架設概要 従来システム 新システム 単位 樹種 スギ スギ一部ヒノキ 支間斜距離 m 支間傾斜角 度 平均集材距離 m 平均胸高直径 cm 平均単木材積 m 3 表 -2 実証試験結果 従来システム新システム単位 サイクル数 作業時間 時間 作業人数 2(3) 2 人 平均サイクルタイム 4 分 30 秒 8 分 06 秒 集材本数 本 集材幹材積 m 3 造材材積 m 3 サイクル当たり荷かけ量 m 3 労働生産性 (6 時間換算 ) 幹材積 m 3 / 人日 造材積 m 3 / 人日

42 本数本数 本数本数 資料. 昨年の実証における作業システムの評価結果搬出木の径級分布と荷かけ本数 42 従来型作業システム 本吊り 本吊り 林内造材 ~10 ~10 ~20 ~20 ~30 ~30 ~40 ~40 ~50 ~50 胸高直径 (cm) (cm) 新型作業システム 本吊り 本吊り 本吊り 林内造材 ~10 ~10 ~20 ~20 ~30 ~30 ~40 ~40 ~50 ~50 胸高直径 (cm) (cm)

43 資料. 昨年の実証における作業システムの評価結果 タワーヤーダ比較集計表 43

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