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1 第 1 回航空機関連分野技術に関する施策 事業評価検討会資料 6-3 (1/2) 小型民間輸送機等開発調査 事業評価用資料 平成 21 年 12 月 7 日 財団法人日本航空機開発協会

2 第 Ⅰ 章目次 - P-X C-X 民間転用 1. 事業の目的 政策的位置付け Ⅰ 事業目的 政策的位置付け Ⅰ 国の関与の必要性 Ⅰ-1 2. 研究開発目標 Ⅰ 研究開発目標 Ⅰ 全体の目標設定 Ⅰ 個別要素技術の目標設定 Ⅰ-4 3. 成果 目標の達成度 Ⅰ 成果 Ⅰ 全体成果 Ⅰ 個別要素技術成果 Ⅰ 特許出願状況等 Ⅰ 目標の達成度 Ⅰ 事業化 波及効果 Ⅰ 事業化の見通し Ⅰ 波及効果 Ⅰ 研究マネージメント 体制 資金 費用対効果等 Ⅰ 研究開発計画 Ⅰ 研究開発実施者の実施体制 運営 Ⅰ 費用対効果 Ⅰ 変化への対応 Ⅰ-63

3 1. 事業の目的 政策的位置付け航空機産業は 先端技術や高度な素材 部品のシステム統合 ( 摺り合わせ ) を行い 他産業を含めた広い技術波及をもたらすものであり 多大な部品点数と広い裾野産業を有することから雇用吸収力も大きい等の特色を持ち 産業政策上極めて重要な産業である また 安全保障上も重要な技術基盤となる そのため 各国とも積極的な開発支援に取り組んでおり 我が国においても航空機産業の自立的発展基盤の確保及び一層の高度化推進の観点から 我が国主導の航空機開発の実現を図ることが重要な課題であり その一環として小型民間輸送機等開発調査事業を実施するものである 1-1 事業目的 政策的位置付け小型民間輸送機等開発調査は 機体 エンジンの完成機開発能力の獲得 を目的とし 国の補助事業として実施されている これにより 我が国航空機産業の生産 技術基盤を強固なものにすると共に 戦略的な研究開発を通じて 我が国航空機産業の基盤技術力の強化を達成することとなる また 航空機産業の持つ軽量化技術 全機インテグレーション技術 低コスト化技術等の関連技術は その波及効果によって環境をはじめ 情報 材料等の他産業分野の発展に寄与することが期待されている 1-2 国の関与の必要性航空機産業は その時代の最先端の技術をシステム統合するハイテク産業であることから 広範かつ高度な技術力を有する限られた国においてのみ自国産業として成立が可能であり又 技術的困難性に加え 巨額の開発 販売コスト 長期の開発期間及び 資金の回収期間を必要とし 開発 事業コストが極めて高いという特徴がある また 防衛産業 技術基盤としての側面を有しており 安全保障の観点からも維持 育成が重要である このため各国は 航空機産業を戦略産業として位置付け 直接 間接に積極的な支援を行っている 欧米では 冷戦崩壊後の軍事支出縮減傾向に伴い 防衛依存度が低下する一方 民需分野における技術の更なる高度化 機体開発費の高騰等を背景として 企業体力 技術開発力の強化を目指した大規模な合併や買収による企業統合に進展している その結果 中 大型機分野 ( 大手エアライン機 ) では米国と欧州の巨大メーカー 2 社が市場を2 分している状況である また 小型機分野 ( リージョナル エアライン機 ) では 90 年代の激しい競争を経て カナダ及びブラジルの有力企業が急激に成長した 航空機用エンジンについては 欧米の有力企業が市場の 7 割を占めている状況である Ⅰ-1

4 即ち 世界の航空機市場では これら尐数の大企業が激しい国際競争を展開しているところである 加えて 欧米等先行諸国のみならず ロシア及び 中国をはじめとしたアジア諸国においても航空機産業を強化する動きが見られ 今後一層の競争激化が見込まれており 今後 10 年のうちに世界の航空機産業の地勢図が固まると懸念される このような状況の下 各国 企業は リスク回避の観点から国際共同開発方式が世界的趨勢になっている航空機開発市場において 開発プロジェクトを主導し又は 高いレベルで参画していくために 一層の高度な技術力やリスク分担能力を獲得することが課題となっている 以上のような航空機産業の特徴及び背景を踏まえ 他の先進国と比べて後発である我が国航空機産業が 先行諸国と伍しつつ途上国の追い上げにも対応し得る基盤技術力を強化していくためには 技術の優位性を確保し 我が国主導の機体開発の実現を目指すことが必要である そのため 中核的要素技術力の保持 機体 エンジンの完成機開発能力の獲得 及び 国際共同開発への参画 に対し官民が一体となって取り組むことが必要である Ⅰ-2

5 2. 研究開発目標 2-1 研究開発目標市場動向調査や防民スペックの差異を踏まえた機体構想検討等を行うことにより 防衛省機の民間転用を効率的に行い 我が国主導の低コストでの国産民間機開発を実現するとともに 将来的に我が国として実績の乏しい型式証明の取得 販売 プロダクトサポート等につながる経験蓄積を図ることを目標として事業を実施している 2-2 全体の目標の設定平成 14 年度から防衛省で開発中の次期固定翼哨戒機 (P-X) を活用した 100~150 席クラスの官需機活用民間航空機 ( 以降 YPX と称する ) を開発対象としたフィジビリティスタディを開始した 平成 18 年度からは同じく防衛省で開発中の次期輸送機 (C-X) を活用した民間貨物輸送機 ( 以降 YCX と称する ) を開発対象に加えてフィジビリティスタディを行っている 目標 指標 ( 事後評価時点 ) 官需機活用民間航空機 YPX 及び YCX に関して 市場要求を調査 確認すると共に その機体構想 要素技術 型式証明の取得 事業性等の調査検討を行い 当該航空機の開発開始の可能性を確認する 目標 指標 ( 中間評価時点 ) 官需機活用民間航空機 YPX 及び YCX に関して 市場要求を調査 確認すると共に その機体構想 要素技術 型式証明の取得 事業性等の調査検討を行って 当該航空機のプロジェクトの成立性を評価する 設定理由 根拠等 100~150 席クラスの旅客機市場及びオーバーサイズ貨物市場のニーズが見込まれており 現在防衛省において開発中の国産大型官需機の成果を活用することにより効率的な民間航空機の開発が可能となる Ⅰ-3

6 2-3 個別要素技術の目標設定 '1( YPX 要素技術市場調査機体計画適用可能技術の調査研究 (YPX 及び YCX 共通 ) 総合調査研究 (YPX 及び YCX 共通 ) 目標 指標 ( 事後評価時点 ) 世界のエアライン等及びその動向を調査して 市場要求等を確認すると共に 目標とする市場が存在することを確認する 目標機体の市場設計要求を設定し それに基づく機体構想計画をまとめる 目標とする機体構想を実現するために必要な適用技術に係わる研究を実施する プログラムの事業計画 事業性 それに係わる必要事項について検討し評価する 目標 指標設定理由 根拠等 ( 中間評価時点 ) 世界のエアライン目標とする市場の等及びその動向を存在の確認と マー調査して目標とすケットニーズの把る市場の存在の可握は最も重要なも能性を確認するとのである 共に 市場要求等を調査して機体計画等に反映する 目標機体の市場設ニーズに合致した計要求を見直し そ魅力ある機体計画れに基づく機体構を行う必要がある 想計画をまとめる 目標とする機体構魅力ある機体を実想を実現するため現するために 革新に必要な適用技術的な技術 将来を見に係わる研究を実据えた技術研究が施する 必要である プログラムの事業技術的な面のみで計画 事業性 それなく 事業としてのに係わる必要事項成立性が重要であについて検討する る Ⅰ-4

7 '2( YCX 市場調査 機体計画 要素技術 目標 指標 ( 事後評価時点 ) 世界の貨物エアライン等及びその動向を調査して 市場要求等を確認すると共に 目標とする市場が存在することを確認する 目標機体の市場設計要求を設定し それに基づく機体構想計画をまとめる 目標 指標設定理由 根拠等 ( 中間評価時点 ) 世界の貨物エアラ目標とする市場のイン等及びその動存在の確認と マー向を調査して目標ケットニーズの確とする市場の存在認は最も重要なもの可能性を確認すのである ると共に 市場要求等を調査して機体計画等に反映する 目標機体の市場設ニーズに合致した計要求を見直し そ魅力ある機体計画れに基づく機体構を行う必要がある 想計画をまとめる Ⅰ-5

8 3. 成果 目標の達成度 3-1 成果 全体成果平成 14 年度から YPX を開発対象として 市場動向調査 機体仕様 機体各部構想の検討 基礎評価試験及び 事業計画検討等のプログラム調査研究を実施している また 要素技術及び 設計 / 製造プロセスに関する適用可能技術の調査研究等も実施しており 具体的には機体仕様設定 / 概念設計 機体構造 機体システム 機体組立等に関する検討も実施した 更に 近年の経済危機や燃料高騰の状況を踏まえて 目標機体仕様についても COC 低減ターゲットを大きなものに代えて それを実現できる機体計画に見直しを行った 平成 18 年度からは YCX を開発対象に加えて主体的に検討を進め その市場動向調査 要求仕様の検討 貨物室内仕様案の検討 搭載貨物の検討等について検討を実施した オーバーサイズ貨物市場はニッチな市場ではあるが通常貨物よりも大きな伸びが予測されており また市場ニーズに合致するように様々な貨物室仕様等の検討を実施した 個別要素技術成果 '1( YPX 要素技術成果の概要市場調査世界的な経済危機により旅客市場は落ち込んでいるが 長期的には年率 5% 弱の伸びを示すものと予測されており YPX クラスの市場についても今後 20 年間で約 9400 機の新規需要が見込まれている その中で YPX の販売機数については約 800 機程度見込めるものと予想している 市場のニーズとしては 燃料の高騰 経済危機等の影響から燃費 / 運航コストの良い機体が望まれている 機体計画市場の要求を鑑みて YPX の形態としては 5 列座席の胴体で 100 ~150 席クラスの双発エンジン搭載の機体を設定した また 市場要求に応えるためにも 販売機数を確保するためにもファミリー化が必須であり 胴体長さについては基本型とストレッチ型とシュリンク型の3 種類 また長距離バージョンを2 機種加えて 全体で5 機種とするファミリー化を考えた 更に近年のニーズに合わせて COC 低減目標を 20% に引き上げて それを実現可能な機体構想について検討を行った Ⅰ-6

9 要素技術適用可能技術の調査研究 'YPX 及び YCX 共通 ( 総合調査研究 'YPX 及び YCX 共通 ( 成果の概要開発時の機体に盛り込むべき 空力設計 構造設計 システム設計並びに製造組立技術に関わる各種研究を実施した 事業化に向けて その前提 事業立上げのシナリオ 開発計画等の初期の事業計画について検討を実施した また 型式証明取得のための検討や COC 低減に関わる調査検討やメンテナンスコスト低減に関わる調査検討を実施した '2( YCX 市場調査 機体計画 要素技術 成果の概要航空貨物市場については 旅客よりも伸びが大きいと予測されており 中でもオーバーサイズ貨物市場はニッチな市場ではあるが更なる伸びが予測されている 現状のオーバーサイズ貨物機としては新規開発の計画がなく 今後の新規の貨物機が期待されている 市場ニーズを盛り込んで機体構想を設定 見直しを行うと共に 様々な搭載貨物の検討 また貨物室のオプション装備についても検討を実施した YPX '1( 旅客予測 ( 財 ) 日本航空機開発協会では年毎の最新データに基づき需要予測を毎年実施しており 小型民間輸送機等の市場予測はこの需要予測をベースに実施している 以下は 平成 20 年度の調査結果についてまとめる 世界のエアラインが運航している 20 席以上のジェット機 ( 貨物専用機は除く ) を対象として 今後 20 年間 (2007~2027 年 ) の航空旅客及び航空機の需要予測を行った 需要予測は 世界を 10 地域 ( 北米 中南米 西欧 東欧 中東 アフリカ 日本 中国 その他アジア オセアニア ) に分け 地域毎に 過去の実績をベースに経済成長と航空運賃の将来見通しから航空旅客を予測し この旅客需要を輸送するために必要な機材を予測するマクロ的手法で実施している Ⅰ-7

10 世界の航空旅客輸送量 (RPK: 有償旅客キロ ) は 過去 20 年間年平均 4.8% で 伸びてきたが 今後 20 年間は平均 4.9% で成長し 2027 年には 11 兆 7320 億人キ ロと 2007 年の 2.6 倍の旅客規模となる ( 図 ) 有償旅客キロ '10 億人 キロ ( 年 1740 実績 年平均伸び率 '%( 北米 欧州 アジア / 太平洋 その他 (CIS 含む ) 世界合計 世界の航空旅客予測 2007 年 ' シェア ( (13%) 1127 (25%) 1287 (29%) 1443 (32%) 予測 2027 年 ' シェア ( 世界合計 その他 (CIS 含む ( 1901 (16%) アジア / 太平洋 3593 (31%) 欧州 3251 (28%) 北米 2986 (25%) 図 世界の航空旅客予測 地域別にみると現在三大市場の内 北米と欧州は 今後 20 年もほぼ過去と同じ年平均伸び率 3.7% および 4.7% を続けるが 世界平均の伸びより低いため その市場シェアは北米が 32% から 25% へ 欧州が 29% から 28% に縮小する 一方 アジア / 太平洋は 中国 東南アジアの経済発展を背景に 年平均 6.0% と大きな伸びを示し そのシェアを現在の 25% から 31% へ拡大して 世界最大の市場に成長する Ⅰ-8

11 '2( 機材需要予測過去 20 年間で航空旅客輸送量が 2.6 倍の 4 兆 4750 億人キロとなる間 世界の航空会社で運航される 20 席以上のジェット旅客機は 2.3 倍の 15,900 機 (2007 年末 ) に増加した 20 年後の 2027 年には旅客が現在の 2.6 倍の 11 兆 7320 億人キロになるのに対して ロードファクターの向上や 一機当たりの年間飛行距離の伸びにより機材の生産性が向上し 運航機材は 2.3 倍の 36,600 機となる ( 図 ) 機数 ジェット機の運航機材構成予測 実績 予測 CISを除く A 席以上 席 777 A 席 767 A350 A 席 A DC8,707 DC10,MD11 L A330 A A300 A321 A320,MD80/MD , / 残存機 新規需要 A319/A /800 C-Series , A318 ARJ21,SSJ100, MRJ ERJ170/190, CRJ700/900/ 席 席 席 717, , /200/500,TRIDENT,DC9S 328JET,ERJ135/145,CRJ 席 BAC111,F28/F70/F100,DC 図 ジェット機の運航機材構成予測 運航機材をサイズ別に見ると 現在 7,280 機と最も多い 120~169 席クラスが 2027 年に於いても引き続き 13,200 機の大量の機材を必要とし 次いで 100~119 席の 5,000 機である ( 図 ) 99 席以下のリージョナル ジェット機の市場では 経済性の良いジェット機の出現で ターボプロップ機からの代替需要と メインラインの低需要路線の移行や新規開拓路線の需要がある 20~59 席クラスでは CRJ や ERJ による市場拡大が一段落し 現在の 1,900 機から 1.3 倍の 2,400 機に増加が鈍り 現在開発中の機材が主体の 60~99 席クラスは 1,300 機から 4.1 倍に増加して 5,100 機となる メインラインの最小機材と考えられる 717 や派生短胴型の A318 や の 100~119 席クラスは Bombardier が C-Series Boeing/Airbus もリージョナル ジェット機の拡大を阻止する目的もあって効率の良い小型機を検討しており 経済 Ⅰ-9

12 性の良い機体が出現すれば 現在の 1,100 機が 2027 年において 4.4 倍の 5,100 機となる 細胴型の最大サイズである 170~229 席クラスは 大量に運航されている下のクラスの市場を大型化する機材として 現在は 1,300 機程度であるが 2027 年には 3,100 機 (2.4 倍 ) となる 広胴型では 767 クラスの 230~309 席は現在 1,500 機 777 や A340 の 310~399 席クラスは 1,100 機あるが 今後 国内幹線や国際線用の主力機として大きな伸びを示し 2027 年には 4,100 機 (2.8 倍 ) 3,000 機 (2.8 倍 ) となり 両クラス共 経済性の良い新機材で既存 747 路線の代替や新しい長距離路線の開拓で伸びが大きい を含む超大型機の 400 席以上のクラス市場は 太平洋線やアジア- 欧州間の高需要路線で運航されるが 現在の 500 機が 700 機 (1.2 倍 ) と それほど大きな増加は見込めない 機数 サイズ別ジェット機運航機数および需要予測 細胴機 広胴機 CIS を除く 合計運航機数 2007 年末 : 15,929 機 2027 年末 :: 36,628 機 年需要機数 : 29,528 機 新規需要 8000 リージョナル ジェット機 残存機 席 席 席 席 席 席 席 400 席以上 図 サイズ別ジェット機運航機数および需要予測 Ⅰ-10

13 '3( YPX 需要予測 YPX の販売機数を計算するために YPX の機種を次の様に想定した 機種 座席数 (2-クラス) 航続距離 就航年 YPX 席 2,800 nm 2021 年 YPX 席 2,800 nm 2019 年 YPX 席 2,300 nm 2020 年 販売予測に大きく影響するファクターとして 1 旅客の伸び 2 機材の大型化あるいは小型化の傾向 3 日本の販売力 4 競合機の出現動向 が考えられる 今回の予測に当たっては 1~3については下記の通りとし 4については既存機種 および Embraer170/175/190/195 SSJ ARJ MRJ C-Series 等の出現を考慮する 1 旅客の伸び 4.9% 2 機材サイズの変化過去 10 年の傾向 3 日本の販売力ボンバルディアの 80% ( 日本国内のみ 100%) 4 競合機の出現動向 A318 A /700 CRJ700/900 Embraer170/175/190/195 等既存機種の全て SSJ95 EIS 2009 ARJ21 EIS 2010 ARJ21Str. EIS 2011 MRJ EIS 2013 CSeries110 EIS 2013 CSeries130 EIS 2014 A320X EIS X EIS 2019 上記条件での計算結果は以下の通りとなった 席クラスの販売機数は全体で 9,391 機となり その内 YPX が 年の9 年間で8% の 796 機を占める 主要な販売先は北米に次いで 欧州とアジア / 太平洋となっている ( 図 ) Ⅰ-11

14 地域別 YPX( 席 ) クラス販売機数 ( 年 ) ただし YPX 販売期間 ( 年 :9 年間 ) YPX 以外 (8595 機 ) YPX ( 796 機 ) 合計 (9391 機 ) 販売機数 北米 欧州 日本 アジア / 太平洋 その他 図 YPX 販売機数需要予測 Ⅰ-12

15 '4( YPX エアライン調査 エアライン調査として 欧州 北米 アジア オセアニア及び国内エアラインを毎年訪問し YPX の現況を提示して 100 席クラス機及び YPX に対する要求仕様及びコメントを頂いた 調査結果概要 ( 表 ) 及び 年度別訪問社数 ( 表 ) を下表に示す 表 エアライン調査結果概要 コメント 全般 新規機材採用にあたり 最も重要なのは経済性と考えている AL が多い 北米では trans continental 能力がある ER バージョン (3,200NM) が好まれる 航続距離座席数速度シートピッチ アジアでは ER バージョンは長すぎ ベーシックバージョン (2,300NM) で十分という意見が多い 欧州では ER バージョンは長すぎ 欧州域内の運航ではベーシックバージョン (2,300NM) または 1,600~2,000NM の航続距離で十分という意見多い エアバス ボーイングは A320/737 の後継機を 150~200 席クラスにシフトさせると考えられるため 100~150 席を狙うのは良い ストレッチ機とシュリンク機のどちらを好むかは各 AL により異なるが ファミリー構想は好評であった 巡航速度は多少速くしても時間短縮には効果が小さいので マッハ 0.79 で十分との意見が多い エコノミー席のシート ピッチは 32 インチあれば十分という意見が多い 欧州では スリムシートを採用すれば 31 インチでも良いという意見あり OHB を大きくして欲しいという要望が強く キャリーバッグを人数分収容できる YPX の大型 OHB は好評であった OHB LCC から OHB を大きくするとターンアラウンドタイムが長くなるので良くないという意見もあり キャビンクロスセクション 機内配置は現状で特に問題なし ビジネス 4 列 エコノミー 5 列の席配置で良いという意見が多いが 一部エコノミーでも 4 列や 6 列を希望する意見もあり シート幅 通路幅は 現状で特に問題なし 座席配置 短 中距離路線でも YPX-11 の single class 123 席でトイレ 2 個は少なく 3 個必要との指摘あり 中距離路線では 機内エンターテインメントシステム (EIS) は不要との意見が多いが 差別化のため全席に In-seat- Video を搭載するという AL もあり ギャレーは ただの食事サービスを止めているので必要性小さいという意見と 2-3 時間の路線でも hot meal が必要であり ギャレーの配慮が必要との両者の意見あり 貨物室 経済性 貨物室には人が入って作業するので 高さがあったほうが良いとの意見が多い バルクタイプで良いが 作業性向上のためスライディングカーペットが必要という指摘が多数あり 現有機に対し COC20% 向上の目標は非常に良い 北米の AL2 社から ETOPS は不要だが over water capability が必要との意見あり その他 アジアの AL から ETOPS が必要との意見あり 複合材の修理方法について不安を抱いている AL がある 最新技術を盛り込んだ新型エンジンを期待されているが YPX 用のエンジンとして新規開発できるかが疑問 Ⅰ-13

16 表 YPX エアライン調査年度別訪問社数 欧州 北米 アジア オセアニア 国内 合計 平成 14 年度 8 社 5 社 - 2 社 15 社 平成 15 年度 9 社 8 社 8 社 2 社 27 社 平成 16 年度 10 社 6 社 6 社 2 社 24 社 平成 17 年度 8 社 6 社 8 社 2 社 24 社 平成 18 年度 8 社 8 社 10 社 2 社 28 社 平成 19 年度 9 社 8 社 7 社 2 社 26 社 平成 20 年度 6 社 6 社 9 社 2 社 23 社 Ⅰ-14

17 '5( 機体計画ア. 機体構想開発中の次期固定翼哨戒機 (P-X) は公表された写真等から 胴体の巾は民間航空機に活用するとすれば 5 列座席の民間機に相当すると推定される 5 列座席の民間機 ( 例えば DC-9/MD-80/MD-90 シリーズ ) の機体サイズは 70~160 席 (2 クラス仕様 ) である 販売機数をある程度確保するにはファミリー化が必須となり これらを勘案し 3つの機体でファミリーを構成するものとし 対象とする機体サイズを 100~150 席機 (1 クラス仕様 2 クラス仕様換算では 90~140 席機に相当 ) と設定し これを YPX と称することとした これらに加え 機材需要予測結果や機体仕様を決めるためのエアライン調査結果等の諸要求を盛込み YPX の主要諸元としてまとめた ( 表 ) 表 YPX 主要諸元 Ⅰ-15

18 機体計画の作業の流れを図 に示す 本作業は 前年度に設定された機体に対するエアライン評価及び 下記の調査研究 試験結果を反映し 毎年見直しを行っている 機体構想検討の一環として 全機構想検討, 基本仕様の検討 エンジン概念設計等の機体仕様設定に関する調査研究も行ってきた YPX の全機構想検討では CFD による主翼設計 デジタルモックアップによる客室内配置検討等を実施した 事業企画 耐空性審査要領 市場調査 航空機製造実績 市場要求 製造要求 適用技術 低コスト化 軽量化 高度化 市場設計要求形態解析用プログラム 'CAD) 主要形態性能値 形態設定のための要素 室内配置 / 装備配置 / 構造様式 各種要求への適合性評価 競争力解析 民間輸送機形態の設定 図 機体計画作業流れ図 Ⅰ-16

19 YPX の基本機体構想を以下に示す ターゲット市場 図 基本構想 図 ファミリー化構想図 三面図 図 客室断面形 図 客室配置 図 官需機活用範囲 図 Ⅰ-17

20 Ⅰ-18 図 YPX のターゲット市場

21 Ⅰ-19 市場 : 互いに広がりつつあるリージョナルジェット機市場と大手エアライン用ジェット機市場の 両方の重なり合う部分を狙う '100~150 人クラス ( 競争力 : 中核的要素技術の開発成果等を取込み 省エネルギー且つ先進性を有し 国際競争力のある機体とする 低コスト化 : 開発中の官需機の開発成果を活用し 短期間の開発 / 低コストを目指す ファミリー化 : 胴体短縮 / 延長型のファミリー化機体を検討し 運用の柔軟性 共用性のメリットを活かす Ad. Al / Composite Airframe Composite Wing Optimum Design Advanced Avionics Future Electric Sys More Space O 2 Rich Air Composite Tail 20% lower Cash Operating Cost More comfortable cabin Future Flight Control Sys Inert Fuel Tank Sys New Engine 図 YPX の特徴

22 Ⅰ-20 S e a ts (S in g le c la 多くの顧客の幅広い要求にこたえるために 高いコモナリティを有したシリーズ機 ' ファミリー機 ( を前提とした開発が重要である YPX では 3 種の機体サイズ及び それらの長距離型を検討している なお どの機体をどのような順序で開発するかについては 今後の市場動向調査等により決定する YPX-16 ' シュリンク ( 93 席 (2 クラス仕様 ) 105 席 (1 クラス仕様 ) Y P X -1 8 (s tre tc h) YPX-17 ' 基本モデル ( 120 Y P X -1 7 (ba s e line ) Y P X -1 7 E R 113 席 (2 クラス仕様 ) 125 席 (1 クラス仕様 ) 100 Y P X -1 6 (s hrink) Y P X -1 6 E R YPX-18 ' ストレッチ ( 135 席 (2 クラス仕様 ) 148 席 (1 クラス仕様 ) 80 1, , , , ,5 0 0 R a nge (nm) ファミリー間で主翼 尾翼 胴体断面形は 同一形状 コックピット システム機器 ' 大部分 ( 等も共通とし 高いコモナリティメリットを確保する 図 ファミリー機構想

23 Ⅰ-21 YPX-17 Seats (1 Class) 125Y Range [nm] 2,300 Maximum Takeoff Weight [kg] 52,850 Maximum Takeoff Thrust [kg] 9, m 34.3 m Takeoff Field Length (S/L, 30, MTOW) [m] 1,500 Landing Field Length (S/L, 30, MLW, Wet) [m] 1,660 Wing Area(trap) [m2] m(ypx - 16 シュリ ) 34.4 m(ypx - 17 基本モ ) 図 YPX 三面図

24 Ⅰ-22 図 客室断面図

25 図 客室配置図 Ⅰ-23

26 Ⅰ-24 構造の活用可能率 : 約 10~15% 主翼外翼部桁間 胴体上面 水平尾翼 垂直尾翼 装備品活用可能率 : 約 35% ( 活用部位 : ) 図 客室断面図

27 イ. 基礎評価試験機体構想検討の一環として 基礎評価試験 ( 客室モックアップ試験 基礎風洞試験 ) を実施した 客室のエンジニアリング モックアップ ( 部分実大モデル ) を製作し 快適性や作業性に関する評価を行うとともに データの整備を行った 基礎風洞試験 ( 高速及び低速 ) を実施し 離着陸時特性及び巡航特性を明らかにするための空力データを取得した 成果は (1) 機体構想へ活用されている 実施された試験項目を下表に示す 表 YPX 基礎評価試験一覧表 実施年度 作業名称 担当会社 H17 官需機を活用した民間機の全機風洞試験 KHI H17 官需機を活用した民間機の客室モックアップ試験 KHI 風洞試験模型 キャビンモックアップ Ⅰ-25

28 YCX '1( YCX 需要分析 YCX が適した特殊大型貨物の市場 (HOM) は一般貨物市場に比べて小さく 特殊である そのため 需要を予測するのは難しいが 以下の 2 つの方法で需要の予測を試みた (1-1) 旅客機型貨物機の需要分析一般貨物市場のマクロ予測 ( 旅客機の市場予測と同様な手法 ) により 旅客機型 ( ジェット ) 貨物機の予測を行った (1-2) 特殊大型貨物機の需要分析運航中の特殊大型貨物機に 市場の成長率を見込んで必要機材の予測を行った Ⅰ-26

29 (1-2) 旅客機型貨物機の需要分析ア. 貨物予測 CIS を除く世界のエアラインが運航している貨物専用ジェット機を対象として 今後 20 年間 (2008~2027 年 ) の貨物輸送量及び貨物機の需要予測を行った 過去 20 年 CIS を除く世界の貨物輸送量は年平均 5.6% で伸びて 2007 年には 1,586 億トンキロになった 今後の GDP の成長率 (3.1%) 及び貨物運賃の低減 (-2.0%) 予測に基づく 年の世界の貨物輸送量は 年平均 5.6% で伸び 2027 年には現在の 2.9 倍の 4,670 億トンキロになると予測される ( 図 ) 有償 Ton-km'10 億 ( 世界の貨物輸送量の予測 実績 予測 予測機関 予測期間 年平均伸び率 JADC(2008) % Boeing(2007) % Airbus(2007) % 年平均伸び率 5.6% 年平均伸び率 5.6% 年 1992 年 1997 年 2002 年 2007 年 2012 年 2017 年 2022 年 2027 年 暦年 図 世界の貨物輸送量の予測 Ⅰ-27

30 イ. 機材需要予測旅客機型貨物専用ジェット機は 現在 (2007 年末 )1,705 機が運航されているが 今後 10 年で 1.5 倍の 2,557 機 20 年後には 2.2 倍の 3,719 機となる 小型機 中型細胴機は 2007 年の 1.7 倍の増加となるのに対し 中型広胴機 大型機は 2007 年の 2.5 倍となり 広胴機の運航機数の増加が著しい ( 図 ) 機数 旅客機型貨物専用ジェット機の運航機数予測 (CIS を除く ) 実績 予測 大型機ペイロード65ton 以上 (747, MD-11 等 ) 暦年末 YCX が該当するクラス 中型広胴機ペイロード30~65ton (767, A300 等 ) 中型細胴機ペイロード30~50ton (757, DC-8 等 ) 小型機ペイロード30ton 以下 (737, DC-9 等 ) 図 旅客型貨物専用ジェット機の運航機数予測 (CIS 除く ) Ⅰ-28

31 2008~2027 年の貨物機の需要は 3,117 機となるが 旅客機からの改造貨物機で 2,250 機が賄われ 2027 年までに必要となる新製貨物機は 867 機と尐ない 新製貨物機の内訳は 小型機が 0 機 (0%) 中型細胴機が 7 機 (2%) 中型広胴機が 269 機 (27%) 大型機が 591 機 (56%) で 中型以下は殆ど中古改造貨物機で補われ 大型機の方に新製貨物機の需要が多い ( 図 ) 機数 ~2027 年合計 貨物専用ジェット機の販売予測 (CIS を除く 旅客形貨物機のみ ) 1000 改造貨物機 : 新製貨物機 : 合計 : 2,250 機 867 機 3,117 機 YCX が該当するクラス 大型機ペイロード 65ton 以上 (747, MD-11 等 ) 中型広胴機ペイロード 30~65ton (767, A300 等 ) 中型細胴機ペイロード 30~50ton (757, DC-8 等 ) 小型機ペイロード 30ton 以下 (737, DC-9 等 ) 改造貨物機 新製貨物機 小型機 中型細胴機 中型広胴機 大型機 機材サイズ 図 貨物専用ジェット機の販売予測 (CIS 除く旅客方貨物機のみ ) Ⅰ-29

32 '1-2( 特殊大型貨物機の需要分析ア. 貨物予測特殊大型貨物機の 2001 年から 2007 年までの運航機数は約 280~340 機でそのうち約 200~260 機が Il-76 である その他旧東側諸国の機材は An-124 が 19~26 機 An-225 が 1 機 西側の機材は C-130/L-100 が 40~50 機 SC5/Guppy/B747LCF が各 1 機程度 Beluga が 5 機となっている ( 図 ) 特殊大型貨物機の運航機数の変遷 L100/C130 IL76 SC5 AN22 AN225 AN124 A Beluga B747LCF Guppy 機 数 年 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 2007 年 図 特殊大型貨物機の運航機数の変遷 特殊大型貨物の輸送量は 今後とも経済成長に伴い 旅客機 半導体などの製造が増加するとともに国際分業が更に進み大型製造部品 大型製造装置等の輸送が増加し また発展途上国の経済成長や資源確保のため 交通機関の整備されていない地域の開発が更に進むと考えられる 従って 特殊大型貨物機も 通常の旅客機ベースの貨物専用機と同等かそれ以上の成長が見込めると考えられる RTK の成長率は Air Cargo World 誌 ( 2007 年 4 月 ) に記載された約 7% のほか Volga-Dnepr を訪問時の 8% 程度とのコメント等があるが ここでは旅客機の床下貨物室を含めた貨物全体の成長率の予測値である 5.6% と ACW 誌の 7% の範囲で予測するものとする Ⅰ-30

33 2007 年 2008 年 2009 年 2010 年 2011 年 2012 年 2013 年 2014 年 2015 年 2016 年 2017 年 2018 年 2019 年 2020 年 2021 年 2022 年 2023 年 2024 年 2025 年 2026 年 2027 年 イ. 機材需要予測現在運航中の機材の大部分は機齢 15~30 年の Il-76 である 今後 20 年の間に Il-76 L-100 を中心に退役し 運航機数は約 35% 程度まで減尐すると予測される ( 図 ) 機 数 特殊大型貨物機の運航機数予測 Hercules Il-76 SC.5 Belfast An-22 An-225 An-124 A ST LCF Guppy 図 現在運航中の特殊大型貨物機の退役による運航機数予測 この退役分と需要増加分が新規特殊大型貨物機の需要となる なお 特殊大型貨物機の予測は Il-76 と C-130/L-100 を含めるか否かの 3 ケースについて行った その理由は以下のとおりである L-100/C-130: 貨物扉は B747 より小さいがランプ扉付の西側で代表的な機種 Il-76 : 貨物扉の高さは B747 より大きいが 幅は狭い また 旧東側諸国で最も多く運航され また定期運航にも使われており 必ずしも大型扉 ランプ扉を必須としていない運航も含まれていると考えられる Ⅰ-31

34 予測結果は以下の通りである ( 表 ) 表 特殊大型貨物機需要予測 ケース L-100 Il-76 主要運航機種 2007 年 2027 年までに 2027 年運航機数退役する機数運航機数 A 不含 不含 An ~102 B 含 不含 An-124 L ~215 C 含 含 An-124 L-100 Il ~ 年までの新規需要機数 54~ ~ ~665 ケース A は厳しすぎ ケース C は甘すぎ ケース B とケース C の間のどこかが 妥当であると考えられる 従って 特殊大型貨物機の販売機数 190 機程度と予測す る Ⅰ-32

35 '2( YCX エアライン等調査エアライン調査として 世界各地及び国内のエアライン フォワーダー ブローカー等を訪問し YCX の現況を提示して要求仕様及びコメントを頂いた 調査結果概要及び 年度別訪問社数を下表に示す 表 エアライン等調査結果概要 コメント 全般 大きな貨物室断面積を生かして Outsized Cargo の輸送に適しているとの意見が多い 南米では高地空港が多いため 高地での運航能力が評定となりやすい 飛行性能 不整地離着陸能力については あれば望ましいという意見と 不具合及び重量増加の原因となりうるので必要ないとの意見があった 航続距離については C-17 並であり OK という意見と 最大ペイロードで米国東海岸からヨーロッパ本土まで あるいは米国西海岸から日本までノンストップでいける能力がほしいという声がある グランド設備が十分でない所もあるため クレーン装備は良いオプションである ただ クレーンの能力については現状の計画よりも高い能力が望ましいという意見もある ペイロードは IL-76 に近く 貨物室の高さは An-124 に相当するため 両者のマーケットをカバーできる 貨物室 Outsized Cargo は重量密度が大きいものもあるので 貨物室の床強度に配慮すべきとの意見がある '747F の要求値は 400lb/ft 2 であるが もっと高い床強度があったほうがよい ( 馬などを輸送する場合を考えて 貨物室内に人員のための座席 酸素等を装備するオプションも考慮して欲しい ダブルデッキ搭載システムは一般に好評であった 経済性 大きな貨物室と双発エンジンで燃費性能も良く魅力ある機体である 燃料消費率は 5ton/h 以下との要求を出したオペレータがあった 'IL-76TD-90 は 6~7ton/h) Volga-Dnepr や Polet Airlines では 今後のオーバーサイズ貨物の伸びは年率 8~10% と予想している 西側の TC を取得した機体 高効率の最新の機体の登場を期待している その他 Crew Rest は必要である リース等により機体購入のリスクを軽減できるような枠組みを望むオペレータが複数ある 最大ペイロードの増加や胴体の延長を望む声もあった 欧州 中東 アフリカ 表 年度別訪問社数 北米アジア国内合計 平成 18 年度 6 社 3 社 - 3 社 12 社 平成 19 年度 7 社 5 社 5 社 6 社 23 社 平成 20 年度 7 社 4 社 社 Ⅰ-33

36 '3( 機体の特徴と用途防衛省が現在開発中の次期大型輸送機 (C-X) を活用した民間貨物輸送機 (YCX) は 以下の特徴を有する C-X からの改修は最小限 ランプ扉と大型の貨物室( 搭載可能な貨物サイズは 747 以上 ) ランプ扉からの貨物搭載方式( 地上支援設備が不要 ) これらの特徴を活かし YCX の狙う市場は 特殊大型貨物市場 (HOM:Heavy Outsized cargo Market) を主要な狙いとし 以下の用途に適する 大型機械 ジェットエンジン 石油採掘機械等の空輸 地上輸送が困難な内陸地への空輸 人道支援や災害派遣活動 消火活動や研究機 Ⅰ-34

37 14.2 m '4( 機体諸元 性能 YCX の機体仕様 性能等を図 及び図 に示す 主要諸元 最大離陸重量 : ton 運用空虚重量 : 60.8 ton 最大ペイロード重量 : 37.6 ton 運用高度 : 12,200 m'40,000 ft( 巡航速度 : 0.8 Mach 離陸距離 : 2,300 m'7,500 ft( 着陸距離 : 2,400 m '7,900 ft( エンジン : CF6-80C2 2 (baseline) 貨物室 : m'+ ランプ長 5.5m( 4 m 4 m 44.4 m 43.9 m 図 三面図及び主要諸元 :YCX 東京 Max Payload 12 ton Payload Ferry ペイロード Ferry 12 ton 37.6 ton (Max Payload) 航続距離 10,000 km (5,400 NM) 8,900 km (4,800 NM) 5,600 km (3,000 NM) In range definition, reserves as per MIL-C-5011A : C-X ATA rules : Boeing s freighters 図 航続性能 Ⅰ-35

38 '5( 貨物室仕様市場調査結果等にもとづいて貨物室仕様に対するエアラインの要求を整理した結果 YCX の貨物室仕様に関しては 大型貨物等の特殊なミッションへの対応性は重視されるが 一般の規格貨物 ( コンテナやパレット ) への対応も同時に望まれるという要望が多かった YCX の競合他機の貨物室仕様を調査した結果 以下のことが分かった 旅客機型機(747F 767F 等 ) は 規格貨物を大量に搭載することに適している ランプ ロード機(An-124 IL-76 C-130 等 ) は 特殊大型貨物の搭載に適しており 搬送支援装置 ( 機内クレーン ウインチ等 ) が充実している 大型貨物機では 車輌積載時の貨物密度を高めるために二段ラックを使用する また 貨物の二段搭載及び機内クレーンの運用例として 以下の例について調査した 規格品の自動車用二段ラックを用いた 747 による自動車の二段搭載 An-124 専用の自動車用二段ラックを用いた自動車の二段搭載 An-124 及び IL-76 の機内クレーン YCX の仕様検討に反映すべき要求事項は エアラインの要求レベル 改修程度 その他の情報を考慮して それぞれの要求の採否を判定した 開発コンセプトとして C-X 開発成果を最大限活用しながら 競合機に対して十分な市場性を確保するために必要な改修を実施することを意識して採否の判定を実施した 採否の判定結果及び競合他機の仕様調査結果に基づいて YCX 貨物室の改修案として民間貨物搭載能力の追加 二段式貨物搭載方法 機内クレーンの追加について検討した Ⅰ-36

39 ア. 民間貨物搭載能力の追加民間貨物搭載能力を追加するための機体改修案を検討するにあたり 母機 C-X ならびに他の貨物機の仕様を考慮しながら 想定される民間貨物の種類 配置と数量 貨物拘束装置 貨物床改修方法について検討した 航空機で輸送される民間貨物の大半を ULD( 民間パレット コンテナ ) が占めることから エアラインが求めるのは一般的な ULD の搭載能力である ULD 以外で YCX への搭載を想定している民間貨物は YCX の搭載能力を生かした大型の民間車輌ならびに大型貨物である 製品が高価で 迅速な輸送が要求される大型貨物の例として GE90 に代表される大型航空機用エンジンがある 検討の結果から ULD 搭載のための貨物床の改修案を以下の通り設定した 収納式の 125 幅のガイドを追加する 取外し可能かつ可倒式の 2 幅センター ガイドを追加する 取外し可能かつ可倒式の 4 幅センター ガイドを追加する 取外し可能かつ可倒式の ULD 用ロックを追加する これらの ULD 拘束装置を収納式または取外し式とすることで 民間車輌及び不定形貨物を搭載する時に用いる貨物床の平床化に対応する 民間車輌の搭載は 地上まで下ろしたランプ扉と補助ランプを用いて自走させて機内に搬入する 搬入の際に問題となるのは 車輌と機体との干渉 特に機体貨物室天井及び貨物室後端の干渉である 本検討では 長さ 重量ともに YCX の最大搭載能力に近いセミトレーラーの搭載について検討した結果 YCX に搭載可能であることを CATIA を用いて検証した 不定形貨物の搭載検討として GE90 に代表される大型航空機エンジンの搭載についても搭載性を確認した 検討の結果得られた規格貨物搭載図 民間車輌搭載例 特殊大型貨物搭載例を図 ~-10 に示す LD-3 コンテナ x x 125 パレット x 7 図 規格貨物搭載例 Ⅰ-37

40 図 民間車輌搭載例 ( セミトレーラー ) 図 特殊大型貨物搭載例 ( 大型航空機エンジン ) Ⅰ-38

41 イ. 二段式貨物搭載方法二段式貨物搭載方法の検討は 二段目に搭載する貨物 二階床に要求される剛性 強度 二階床の機体への固定方法 効率的な運用方法 等を考慮しながら検討を進めた 検討の結果 二段搭載が想定される貨物は自動車及び規格貨物であり その搭載方法として 747 及び An-124 で採用されている二段ラック式を選択した 運用性を考慮して 二段ラックを前後に三分割して車輪をつけること 貨物を二段目に持ち上げるためのリフトを追加することも仕様として設定した 二段ラックを用いた搭載例を図 に示す LD-3 コンテナ x 23 LD-3 コンテナ x 30 二段ラック ' 固定式 ( 二段ラック ' リフト内蔵 ( 搬入用タイヤ ' 収納式 ( 96 x 125 パレット x 7 96 x 125 パレット x 13 図 二段貨物搭載例 Ⅰ-39

42 ウ. 機内クレーン機内クレーンの仕様を検討するにあたり クレーンを使用する代表的な貨物 想定する機内クレーンの使用方法 クレーンに要求される懸吊能力 機体への固定方法 効率的な運用方法 等を考慮しながら検討を進めた 機内クレーンの機能は トラック等から直接貨物を懸吊して貨物室内に搬入することであり 機内クレーンが必要な貨物は主として不定形貨物及び海上コンテナである 想定する能力は 最大搭載重量の 1/3 が懸吊できる An-124 最大搭載重量の 1/5 が懸吊できる IL-76 の例を考慮して 最大搭載重量の 1/4 強である 10 ton に設定した ランプ扉の後に駐車したトラックから直接貨物を懸吊するためには クレーンがカーゴ扉の下を通過する必要がある これを考慮してクレーン用レールの配置を考慮した結果 海上コンテナの懸吊に必要な 2.8 m のクレーン下高さが確保できる目処が得られた 図 に機内クレーンの構想図を示す 図 機内クレーン構想図 Ⅰ-40

43 適用可能技術の調査研究 開発が計画される航空機に適用する新技術は 図 に示すステップを踏んで評価され採用されていく 小型民間輸送機等開発調査の中では ニーズやシーズから調査研究すべき新技術を設定し 新技術への要求明確化や課題抽出などの基礎的研究を主に推進している この結果 供試体や試行による技術確認を含むより高度な研究が必要と判断された研究の幾つかは 経済産業省が別途推進する中核的要素技術の研究に引継がれ 実機適用へ向けた調査研究が実施されている 尚 将来予定されている実機開発プログラムでは 実機適用に際して認証や試験データが必要となる新技術に対しては 実機レベルの試験を行い 型式証明の取得を念頭においた設計 / 製造 / メンテナンス等のためのデータ取得を行うことになる 調査研究項目の設定にあたっては 将来小型民間輸送機への適用有効性 技術的成立性 他分野での技術動向等の観点から本事業での研究の必要性の高い項目を選択した 将来の小型民間輸送機に対する主要なニーズとしては 経済性向上 安全性向上 乗客満足度向上 環境負荷軽減が挙げられる これまでの調査研究では 民間輸送機に特に強く求められる項目である経済性向上に寄与する研究 つまり 機体重量軽減 省エネルギー化 設計コスト低減 製造コスト低減等に関する研究を重点的に実施してきた 要素技術と設計 / 製造プロセスに分けてこれまでに調査研究を実施してきた項目を表 に示す これら一連の成果は官需機活用民間航空機の機体構想 ( 機体仕様 / 機体各部構想 ) の検討に取り込んでいる 今後も将来機への適用可能な技術の調査研究を継続して実施し 実機開発段階で小型民間輸送機への有効性 成立性を判断した上で実機への適用の可否判断を行う計画である 図 ~-5 に平成 19 年以降の適用可能技術の研究概要を示す Ⅰ-41

44 Ⅰ-42 図 実機への新技術適用フロー

45 Ⅰ-43 表 適用可能技術調査研究実施項目

46 Ⅰ-44 図 平成 19 年度適用可能技術調査研究成果概要 (1/2)

47 Ⅰ-45 テーマ担当日付訂符 の研ねら究開い発 今後の課題 成果概要及び 航空機へのウィングレット適用の際には 空力性能と構造質量を総合的に評価して設計を行うことが不可欠である さらにウィングレットに作用する空力荷重等によっ て発生する主翼弾性変形の影響も同時に評価しておく必要がある 官需活用民間機へ適用可能な技術の研究として ウィングレットによる主翼変形量 重量影響 空 力性能の評価モデルを構築し 主翼 - ウィングレット一体での空力 - 構造最適設計手法を構築し ウィングレット適用による性能改善効果を評価する 成果概要 今後の課題 弾性変形を考慮したウィングレット最適設計手法の研究 1. CFD(Euler) と主翼構造モデルを連成させることで 空力性能 重量影響および主翼空弾変形を考慮したウィングレット効果評価モデルを構築した 2. 構築した評価モデルを基に 主翼 - ウィングレットの空力 - 構造最適設計を行う手法を構築した 設計変数としてウィングレットスパン キャント角 取 付角および主翼捩り角分布を考慮 最大離陸質量を評価指標とすることで空力 - 構造のトレードオフを行った 最適化手法には応答曲面法を採用 し最適解探索 設計空間分析の効率化を図った 3. 本研究の手法により小型民間機の主翼 - ウィングレット形状の最適化を行った結果 ウィングレットを装着した最適化形状ではウィングレット無し形 状と比較し 350kg の最大離陸質量削減 9 カウントの巡航抵抗低減が得られた 1. ウィングレット翼型 主翼端 ~ ウィングレット間のトランジションセクション等の形状を最適化することで空力干渉を抑える設計を可能にする 2. 粘性流を模擬可能な解析コードを性能評価に適用し 設計の信頼性を向上することが必要である 富士重工業株式会社 成 CFD と主翼構造モデルを連成させたウィングレット 評価モデル Baseline winglet MTOW[kg] 評価モデルを多分野最適設計 ' MDO:Multi-Disciplinary Optimization( へ発展最適化手法の小型民間機主翼 ウィングレット設計適用 離陸質量 350kg 削減 ' ウィングレット無し形状比 ( 巡航抵抗 9ct 低減 ' ウィングレット無し形状比 ( 果 Optimum winglet 主翼空弾変形を考慮したウィングレット評価応答曲面法による主翼 - ウィングレットの最適設計主翼 - ウィングレット最適化形状 図 平成 19 年度適用可能技術調査研究成果概要 (2/2)

48 Ⅰ-46 テーマ 機体諸元策定に係る最適化手法の研究 担当日付訂符 三菱重工業株式会社 研究開発ねらいの 成果今概後要の及課び題 全機機体計画の一環として行われる機体諸元策定作業における最適化手法について研究する 全機機体計画にあたっては, 機体の諸元をパラメトリックに振り, 最適な機体諸元を探し出す作業が行われる これはかなり大きな作業量となり, 多大な工数や作業期間が必要となっているのが現状 高性能な機体とするため, 機体計画の段階で機体諸元パラメータをあまねく振り少しでも性能に優れた機体を探し出す必要があり, このために計算機を駆使しつつ機体諸元パラメータを自動的に最適化する手法を確立する必要がある ' 近年, 遺伝的アルゴリズムを用いた最適化手法の発展が目覚しく, その適用を試みる ( 成果概要 今後の課題 1. 遺伝的アルゴリズム 'Genetic Algorithms,GA( を利用した機体諸元自動最適化手法を構築した 2. 当該手法を単目的最適化問題に適用し, 妥当な最適化結果を得た 3. 機体諸元策定最適化が短時間で実施可能となる見通しを得た 1. より高度な問題への適用を狙い, 当該手法の多目的最適化問題への適用を試みる 1. 最適化手法の検討 最適化手法として, 勾配法と遺伝的アルゴリズム 'GA( を調査し,GA を採用した 2. 機体諸元策定プログラムと最適化プログラムの結合 機体諸元策定プログラムと最適化プログラムとを結合し, 自動的に最適な機体諸元が得られる手法を構築した 図 1 GA イメージ図 成 果 3. 最適化計算の試行と評価 YSX クラス ' 席 ( の既存機 Boeing を比較対象として機体諸元最適化を実施した 最適化は以下の条件で試行した 計算は 1 世代あたり 16 個体とし,300 世代目まで計算した 下記以外の設計パラメータ値は,Boeing と同様とした 目的関数 ; 離陸重量 ' 最小化 ( 設計変数 ; 最大エンジン推力 / 主翼面積 / 主翼アスペクト比 / 主翼後退角 / 主翼根翼厚比 / 尻擦角 / 離陸時フラップ舵角制約条件 ; 離陸滑走距離 / 燃料タンク容積 / 上昇率 'VLOF,V2( / 縦転倒角 / 横転倒角 / ヒ ッチ ロール ハ ウンタ リー / 主脚スパン位置 / 主脚ストラット長 計算結果として得られた最適解は既存機 Boeing の諸元に十分近く, 本研究の最適化手法により, 妥当な最適解が得られる見通しを得た 本研究の手法で最適解を得るために要する時間は約 1 日 ' 従来手法では約 1 ヶ月 ( であり, 大幅な工数削減効果が得られることも確認した 図 2 最適化計算結果 ' 進化過程 ( B 最適解 図 平成 20 年度適用可能技術調査研究成果概要 (1/2) 図 3, 表 1 最適解 vs B

49 Ⅰ-47 テーマ担当日付訂符 ねらい 研究開発の 成果概要及び今後の課題 機体へのウィングレット適用の際には 空力性能と構造質量の増加を総合的に評価して設計を行うことが不可欠である さらに ウィングレットに作用する空力荷重等によって発生する主翼弾性変形の影響を評価しておく必要がある 本研究では 官需活用民間機へ適用可能な技術として 昨年度構築した主翼 ウィングレットの空力 構造最適設計手法に対し ウィングレット捩り角等の設計変数および構造モデル ウィングレット衝撃波の抑制条件を追加し 本手法による主翼 ウィングレットの設計精度および設計品質をさらに向上させる 成果概要 今後の課題 弾性変形を考慮したウィングレット最適設計手法の研究 ' その 2( 1. ウィングレット最適設計モデルの検討として ウィングレットと主翼の空力干渉によって発生する衝撃波緩和を実現可能な形状自由度を得る為 ウィングレット設計変数を昨年度の 3 変数から 7 変数へ多変数化した 又 ウィングレット空力性能 - 構造質量のトレードオフ 及び 形状成立性の検討を可能にする為 ウィングレット簡易構造モデルを構築した 2. 最適設計手法の高度化として ウィングレット設計変数の多変数化に応じて 最適化プロセスの一部 ' 実験計画法 応答曲面モデル 及び 最適解探索法 ( を更新した 又 主翼 - ウィングレット内舷側インターセクション部における衝撃波と境界層の干渉による剥離現象を抑制する条件 ' 衝撃剥離抑制条件 ( を最適化プロセスにおける制約条件として設定した 更に ウィングレット評価プロセスにおいて ウィングレット簡易構造モデルを用いた形状成立性検討 及び 重量感度評価を行った 3. 最適設計効果の検証として 今年度構築した手法を適用した主翼 - ウィングレット形状の空力 - 構造最適設計を行った結果 今年度の最適解は 昨年度最適解を上回るウィングレット性能を達成した ' 対 H19 最適解 : 最大離陸質量 -284kg 巡航時抵抗 -4counts/ 対ウィングレット無し形状 : 最大離陸質量 -634kg 巡航時抵抗 -4% 全機抵抗 ( 又 最適形状に対し Navier-Stokes 解析を実施し 衝撃剥離抑制条件の設定により衝撃波による境界層剥離の懸念が大幅に低減されることを確認した 1. 主翼構造モデルを簡易梁モデルから有限要素法モデルに更新し 本最適設計手法の更なる実用性 及び 汎用性を獲得する必要がある 2. 主翼 -ウィングレット評価にロバスト性を考慮し 設計技術として発展させる必要がある 富士重工業株式会社 成 昨年度構築した主翼 ウィングレットの空力 構造最適設計手法に対し 以下の作業を実施した ウィングレット評価モデルを検討 ' 設計変数多変数化等 ( 図 1 最適化手法を高度化 ' 衝撃剥離抑制条件設定等 ( 図 2 上記内容を手法に適用した最適設計の効果を検証 図 3 TOW[kg] 結果 以下の事項を確認した 昨年度最適解を上回るウィングレット性能を達成 対 H19 最適解 : 最大離陸質量 -284kg 巡航時抵抗 -4counts 対ウィングレット無し形状 : 最大離陸質量 -634kg 巡航時抵抗 -4% 全機抵抗 衝撃剥離のリスクが大幅に低減 <Cp>* 最適解 (a) 最適化結果 -H20 最適形状 - '1G 巡航形状 :M=0.8, CL WB =0.57( Cp 果 (H20 最適形状 ) -1.2 (H19 最適形状 ) (a) 評価関数 ( 最大離陸質量 ) (b) 制約条件 ' 衝撃剥離条件 ( (b) 衝撃剥離の抑制 - ウィングレット内舷側 Cp 分布の比較 - 0 図 1. ウィングレット設計モデルの検討 - 設計変数多変数化 - 図 2. 最適設計手法の高度化 - 応答曲面の様子 - 図 3. 最適設計効果の検証 図 平成 20 年度適用可能技術調査研究成果概要 (2/2)

50 3-1-3 特許出願状況等平成 20 年度までに実施してきた成果の学会または雑誌への発表件数は 17 件 特許出願件数は 1 件である 発表状況を表 に 特許出願状況を表 にまとめる Ⅰ-48

51 Ⅰ-49 表 学会または雑誌による発表状況 (1/2) No. タイトル発表 / 掲載時期 航空機主要構造の自動位置決め技術開発 構造 空力最適化主翼に対する主翼構造質量推算 航空機概念設計時における簡易ターボファンエンジン重量及び性能推算について 将来航空機に適用する新技術の開発について 航空機主翼構造部品 NC プログラム用モデル自動修正システムの開発 6 VM 技術による低コスト組立手法の研究 7 民間機開発に関わるプロジェクト管理手法の動向 8 低コスト設計生産プロセスの研究 9 10 航空機主要構造の自動位置決め技術開発 機内空調 / 燃料タンク防爆システムの研究 11 トリムを考慮した小型民間機主翼の構造 空力最適化 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2003 年 10 月 8 日 ~10 日 2004 年 3 月 2004 年 10 月 8 日 ~10 日 2004 年 10 月 8 日 ~10 日 発表先寄稿雑誌 学術会議の名称等 担当会社 作業年度 第 41 回飛行機シンポジウム KHI H14 年度 第 41 回飛行機シンポジウム FHI H14 年度 第 41 回飛行機シンポジウム KHI H14 年度 第 41 回飛行機シンポジウム 第 41 回飛行機シンポジウム FHI H14 年度 第 41 回飛行機シンポジウム MHI H14 年度 第 41 回飛行機シンポジウム JADC H11 年度 ~14 年度 第 41 回飛行機シンポジウム FHI H14 年度 ( 社 ) 日本航空技術協会 航空技術 2004 年 3 月号 KHI H14 年度 JADC からの外注作業 作業内容 低コスト主要構造結合法の研究 ( その 3) 主翼重量推算プログラムの高度化 ( その 3) 設計エンジン概念設計技術の研究 ( その 2) 設計デジタル データを活用した設計製造プロセスの研究 VM 技術による低コスト組立手法の研究 全機統合技術向上にかかるソフトウエア調査 デジタル データを活用した設計製造プロセスの研究 YSX 低コスト主要構造結合法の研究 ( その 3) 第 42 回飛行機シンポジウム KHI H15 年度省燃費先進空調システムの研究 第 42 回飛行機シンポジウム FHI H15 年度 主翼重量推算プログラムの高度化 ' その 4(

52 Ⅰ-50 表 学会または雑誌による発表状況 (2/2) No. タイトル 発表 / 掲載時期 12 Aero-Structural Wing Optimization for 2005 年 small Civil Airplane 6 月 6 日 ~9 日 13 先進防氷システムの研究 / 非ブリード防氷 2005 年システムのフィジビリティスタディ 10 月 12 日 ~14 日 発表先寄稿雑誌 学術会議の名称等 35 th AIAA Fluid Dynamics Conference and Exhibit 担当会社 FHI 作業年度 H15 年度 JADC からの外注作業 作業内容 主翼重量推算プログラムの高度化 ' その 4( 第 43 回飛行機シンポジウム KHI H16 年度先進防氷システムの研究 14 燃料タンク防爆システムの研究 2005 年 10 月 12 日 ~14 日 第 43 回飛行機シンポジウム KHI H16 年度燃料タンク防爆システムの研究 15 塗膜表面材改質による着氷特性の影響 2006 年 10 月 18 日 ~20 日 第 44 回飛行機シンポジウム FHI H17 年度 胴体着氷低減を目的とした防氷技術の研究 16 フラップスケジューリングによるミッション性 能の最適化 2007 年 10 月 10 日 ~12 日 第 45 回飛行機シンポジウム FHI H18 年度 フラップスケジューリングによるミッション性能の最適化 ' その 2( 17 弾性変形を考慮したウィングレット最適設計手法の研究 2008 年 11 月 20 日 ~21 日 第 22 回飛行機シンポジウム国際セッション FHI H19 年度 弾性変形を考慮したウィングレット最適設計手法の研究

53 Ⅰ-51 表 特許出願状況 No. タイトル出願国 / 出願年権利の確定 担当会社 作業年度 JADC からの外注作業 作業内容 1 航空機の電源システム日本 /2005 年特開 新明和 H16 年度将来電源システムの研究

54 3-2 目標の達成度本事業では 平成 14 年度から YPX を開発対象として 市場動向調査 機体仕様 機体各部構想の検討 基礎評価試験及び 事業計画検討等のプログラム調査研究を実施している また 要素技術及び 設計 / 製造プロセスに関する適用可能技術の調査研究等も実施した 更に 近年の経済危機や燃料高騰の状況も踏まえて 目標機体仕様についても COC 低減ターゲットを見直してそれを実現できる機体計画に見直しを行っている 平成 18 年度からは YCX を開発対象に加えて主体的に検討を進め その市場動向調査 要求仕様の検討 貨物室内仕様案の検討 搭載貨物の検討等について検討を実施した オーバーサイズ貨物市場はニッチな市場ではあるが通常貨物よりも大きな伸びが予測されており また市場ニーズを反映した貨物室仕様等を検討することができた '1( YPX 要素技術 目標 指標 成果 達成度 ( 中間評価時点 ) 市場調査 世界のエアライン 世界的な経済危機により旅客市場 達成 等及びその動向を は落ち込んでいるが 長期的には 調査して目標とす 年率 5% 弱の伸びを示すものと予 る市場の存在の可 測されており YPX クラスの市場に 能性を確認すると ついても今後 20 年間で約 9400 機 共に 市場要求等を の新規需要が見込まれている 調査して機体計画 燃料の高騰 経済危機等の影響か 等に反映する ら燃費 / 運航コストの良い機体が 望まれている 機体計画 目標機体の市場設 近年のニーズに合わせて COC 低減 達成 計要求を見直し そ 目標を 20% に引き上げて それを れに基づく機体構 実現可能な機体構想について検討 想計画をまとめる を行った 適用可能技術 目標とする機体構 開発時の機体に盛り込むべき 空 達成 の調査研究 想を実現するため 力設計 構造設計 システム設計 ( YPX 及び に必要な適用技術 並びに製造組立技術に関わる各種 YCX 共通 ( に係わる研究を実 研究を実施した 施する Ⅰ-52

55 要素技術 目標 指標 成果 達成度 ( 中間評価時点 ) 総合調査研究 プログラムの事業 事業化に向けて その前提 事業 達成 ( YPX 及び 計画 事業性 それ 立上げのシナリオ 開発計画等の YCX 共通 ) に係わる必要事項 初期の事業計画について検討を実 について検討する 施した また 型式証明取得のた めの検討や COC 低減に関わる調査 検討やメンテナンスコスト低減に 関わる調査検討を実施した Ⅰ-53

56 '2( YCX 要素技術 目標 指標 成果 達成度 ( 中間評価時点 ) 市場調査 世界の貨物エアラ 航空貨物については 旅客量より 達成 イン等及びその動 も伸びが大きいと予測されてお 向を調査して目標 り 中でもオーバーサイズ貨物市 とする市場の存在 場はニッチな市場ではあるが更な の可能性を確認す る伸びが予測されている 現状の ると共に 市場要求 オーバーサイズ貨物機としては新 等を調査して機体 規開発の計画がなく 今後の新規 計画等に反映する の貨物機が期待されている 機体計画 目標機体の市場設 市場ニーズを盛り込んで機体構想 達成 計要求を見直し そ を設定 見直しを行うと共に 様々 れに基づく機体構 な搭載貨物の検討 また貨物室の 想計画をまとめる オプション装備についても検討を 実施した Ⅰ-54

57 4. 事業化 波及効果 4-1. 事業化の見通し事業化に向けて事業計画のスタディを行い 以下のような事業計画 ( 案 ) を検討しした 事業化前提国内企業が主体の日の丸飛行機の開発による事業展開とする つまり 国内での最終組立および飛行試験 JCAB での T/C 取得 (FAA での Validation) セールスやサポート事業の独自展開を事業化前提とする 事業立ち上げシナリオ標準シナリオでは あまり多くはないローンチ受注 ある程度の運航実績ができてから受注 / 販売が伸び始めるという事業を想定とする スケジュール検討事業化決心を経て事業主体を設立 その事業主体が顧客であるエアラインに対して ATO を行い ローンチカスタマー契約を得てローンチに至る ローンチを受けて T/C 申請を行い 設計 初飛行 飛行試験 T/C 取得 初号機納入という流れでの事業スケジュールを作成した ( 図 参照 ) 人員計画セールスおよびサポート業務で必要となる人員数を年度単位で見積もった セールス業務の人員は EIS の数年前からローンチカスタマー候補捜しやセールス調査の為に必要であり ローンチ後は本格的なセールス活動を順次に世界各地域へと展開していく中で増員していく サポート業務の人員は EIS の数年前から整備 & 運航マニュアル作成の為に必要であり EIS 後は世界での運航機材数の増加に従って順次増員していく 受注 / 販売計画緩やかに量産を立ち上げることとし 1 年目 12 機 2 年目 48 機 以後は年間 96 機の受注 / 販売が継続するという計画とした Ⅰ-55

58 Ⅰ-56 年度 開発 / 製造 事業化検討設計飛行試験量産販売 201X-8 201X-7 201X-6 201X-5 201X-4 201X-3 201X-2 201X-1 201X 201X+1 201X Feasibility Study 事業化決心 事業主体設立 ATO T/C 申請 詳細仕様策定 仕様 確定 レイアウト図 製造図 設計 試験 治工具製作 / 量産工場建設 飛行試験機製造 初飛行 初号機納入 量産機製造 セールス 市場調査 販売計画 / 体制検討 販売体制立ち上げ ローンチカスタマー契約 セールス拠点稼働 販売活動 T/C 取得 実機飛行デモンストレーション プロダクトサポート サポート計画 サポート体制検討 プロサポ体制立ち上げ 整備 運航詳細仕様 ' ドラフト ( サポート用ソフトウェア & 設備開発 トレーニングセンター稼動 マニュアル製作 & 維持 デリバリーセンター稼動 パイロット / 整備士へのトレーニング 補給 / 運行 / 整備支援 / フィールドサービス 要素技術研究 採用技術選定 適用要素技術研究 適用要素技術認証用試験 / 製造方法確立 新技術商品化完了 改良型機 / 後継機適用要素技術研究 図 4-1-1: 事業スケジュール

59 4-2 波及効果開発調査事業で得られた個別成果は さまざまな分野に波及している その一例を図 に示す 波及効果については 個々の技術成果のみならず これに携わったメンバーが様々な分野で活躍しており これらのメンバーを通じて開発事業の成果の波及効果が計られていると考える ちなみに財団法人日本航空機開発協会及び民間航空技術サービス株式会社にて 本事業に携わった人数のみでも延べ 60 名余りとなる Ⅰ-57

60 空力設計 / 解析技術 解析技術 Ⅰ-58 胴体着氷低減防氷技術 機体胴体外板表面を改質することで氷の付着を防ぐ技術 官需機を活用した民間機の全機構想の検討 燃料タンク防爆システムの研究 数値解析シミュレーション 'CFD( を活用した 窒素富化カ スを用いた燃料タンク内不活性化による防爆システムの設計ツールの整備とその高精度化 中央翼タンク タンク空間内酸素分布 架線ビーム ( 試適用 ) 風力ブレード ( 試適用 ) 新幹線 Southwest Windpower HP より リニアモーターカー先頭車両 ' 将来 ( 高速鉄道車両の空力設計 / 解析 航空機 / 鉄道車両客室内の温湿度 流速 炭酸ガス等の空間分布 図 研究成果の波及分野

61 5. 研究開発マネージメント 体制 資金 費用対効果等 5-1 研究開発計画 本事業は 2-1 項の研究開発目標を達成すべく 年度毎に計画をたてて実施してきた 全体実施計画を図 に 開発調査作業の主要な流れを図 に示す 平成 14 年度から 防衛省で開発中の次期固定翼哨戒機 (P-X) を活用した 100 ~150 席クラスの YPX の開発を目指した開発調査を開始し 平成 18 年度からは 同じく防衛省で開発中の次期輸送機 (C-X) を活用した YCX の開発を目指した開発調査を主体的に実施してきた 項目 H14/2002 H15/2003 H16/2004 H17/2005 H18/2006 H19/2007 H20/2008 H21/2009 市場調査 '4-1-1( YPX YCX ' 米 欧 亜エアライン調査 市場動向調査等を各年度継続的に実施 ( 旅客予測 / 機材需要予測 / エアライン調査 販売予測 貨物量 機材需要予測 / 貨物エアライン等調査 ' 米 欧 亜エアライン調査 市場動向調査等を各年度継続的に実施米 欧 亜貨物エアライン等調査 市場動向調査等を各年度継続的に実施 ( ( 販売予測 機体計画 '4-1-2( YPX 基礎評価試験 市場設計要求 機体構想検討 YCX 機体構想検討 ' 貨物室オプション装備の検討 搭載貨物の検討 貨物室火災等級要求等の検討 ( 適用可能技術の調査検討 '4-1-3( 適用可能技術の調査研究 '6 件 ( '7 件 ( '6 件 ( '5 件 ( '2 件 ( '2 件 ( '2 件 ( '3 件 ( ' 安全性 経済性 環境 乗客満足度 開発 / 製造等に関する研究を各年度実施 ( 総合調査研究 '4-1-4( 事業計画検討 事業化評価 事業費 ' 百万円 ( 補助金 ' 百万円 ( (189) (95) 図 作業年度展開 Ⅰ-59

62 Ⅰ-60 旅客予測 エアライン調査 市場調査 機材需要予測 市場設計要求 販売予測 機体計画 適用可能技術の調査研究 機体構想検討 適用可能技術の調査研究 事業計画検討 総合調査研究 事業化評価 実機開発段階へ 図 全体作業の流れ

63 5-2 研究開発実施者の事業体制 運営 小型民間輸送機等開発調査は 経済産業省からの補助事業であり これまでの機体開発等に多くの経験を有する財団法人 日本航空機開発協会 が企画開発及び設計を行うものである 下図に事業体制を示す 経済産業省 補助事業 ( 財 ) 日本航空機開発協会 (JADC) モニタリング評価委員会 分科会 企画分科会 技術 生産分科会 市場分科会 ワーキング グループ 全機統合 製造ワーキング グループ 市場調査ワーキング グループ 事業化ワーキング グループ 三菱重工業 川崎重工業 富士重工業 日本飛行機 新明和工業 株式会社 株式会社 株式会社 株式会社 株式会社 図 事業体制 小型民間輸送機等開発調査を円滑且つ 確実に実施するため図 の流れで事業を運営する 各年度の事業は 企画分科会において審議 了承された計画に基づいて実施する 開発調査を円滑に進めるための組織として 技術 生産分科会 / 市場分科会 / ワーキング グループを設置し 詳細作業計画の立案 作業実施及び 報告書作成等の本研究開発作業を実施している 作業結果は企画分科会において審議 了承され 毎年度末に外部有識者による評価を実施 ( モニタリング評価委員会 ) し 次年度以降の計画へ反映している Ⅰ-61

64 企画分科会 作業計画了承 技術 生産分科会 / 市場分科会 / ワーキング グループ 詳細作業計画の立案 ワーキング グループ作業及び 外注会社作業の実施 技術 生産分科会 / 市場分科会 / ワーキング グループ 報告書作成 企画分科会 作業結果大要の了承 モニタリング評価委員会 事業成果をモニター / 評価 図 事業運営フロー概要 5-3 費用対効果旅客機 大型輸送機の開発には膨大な開発費と期間が必要となるが 官需機をベースに民間転用することによって 防衛省で開発された技術やデータ また生産のための製造設備の活用が可能となり より効率的な開発が実行できると考えられる Ⅰ-62

65 5-4 変化への対応マーケットの成長 環境への関心の高まりや燃料価格の変化など 社会情勢の変化に伴う航空機に対するニーズの変化を調査 検討し機体形態にフィードバックすることで 社会により幅広く受け入れられる機体開発を目指している また 先進の航空機関連技術研究を行って取り入れることにより 競合他機に対する優位性を確保すべく計画している Ⅰ-63

66 第 Ⅱ 章 US-2 民間転用 第 1 回航空機関連分野技術に関する施策 事業評価検討会資料 6-3 '2/2(

67 第 Ⅱ 章 US-2 民間転用 1. 事業の目的 政策的位置付け Ⅱ 事業の目的 Ⅱ 政策的位置付け Ⅱ 国の関与の必要性 Ⅱ-2 2. 研究開発目標 Ⅱ 研究開発目標 Ⅱ 全体の目標設定 Ⅱ 個別要素技術の目標設定 Ⅱ-5 3. 成果 目標の達成度 Ⅱ 成果 Ⅱ 全体成果 Ⅱ 個別要素技術成果 Ⅱ 特許出願状況等 Ⅱ 目標の達成度 Ⅱ 事業化 波及効果 Ⅱ 事業化の見通し Ⅱ 波及効果 Ⅱ 研究開発マネジメント 体制 資金 費用対効果等 Ⅱ 研究開発計画 Ⅱ 研究開発実施者の実施体制 運営 Ⅱ 資金配分 Ⅱ 費用対効果 Ⅱ 変化への対応 Ⅱ-93

68 1. 事業の目的 政策的位置付け 1-1. 事業目的 航空機産業は 先端技術や高度な素材 部品のシステム統合 ' 摺り合わせ ( を行い 他産業を含めた広い技術波及をもたらすものであり 多大な部品点数と広い裾野産業を有することから雇用吸収力も大きい等の特色を持ち 産業政策上極めて重要な産業である また 安全保障上も重要な技術基盤となる そのため 各国とも積極的な開発支援に取り組んでおり 我が国においても航空機産業の自立的発展基盤の確保及び一層の高度化推進の観点から 我が国主導の航空機開発の実現を図ることが重要な課題である 小型民間輸送機等開発調査は 機体 エンジンの完成機開発能力の獲得 を目的とし 国の補助事業として実施されている これにより 我が国航空機産業の生産 技術基盤を強固なものにすると共に 戦略的な研究開発を通じて 我が国航空機産業の基盤技術力の強化を達成することとなる また 航空機産業の持つ軽量化技術 全機インテグレーション技術 低コスト化技術等の関連技術は その波及効果によって環境をはじめ 情報 材料等の他産業分野の発展に寄与することが期待されている 1-2. 政策的位置付け 防衛省では 新型救難飛行艇を開発し 現在では次期輸送機と次期固定翼哨戒機の開発を行っている また 経済産業省では 防衛調達等を通じた航空機産業の高度化が重要と位置付け 防衛省機及び防衛省機開発で蓄積した技術の有効活用を図るために 防衛省機民間転用のための調査 研究を 航空機分野の技術戦略マップで策定し これに基づき事業を実施している ' 図 参照 ( また 関連する施策方針等を以下に示す 防衛調達等を通じた航空機産業の高度化 ' 平成 21 年度技術戦略マップ 2009 より ( 効率的な研究開発や生産に向けたインセンティブ等を通じて我が国の航空機産業 技術基盤の維持 育成にも資する防衛調達 研究開発が実現するよう 引き続き関係省庁と連携することが重要である 防衛機の民間転用を円滑化するための制度整備等について 関係省庁と連携することが重要である Ⅱ-1

69 図 航空機分野の導入シナリオ 1-3. 国の関与の必要性 航空機産業は その時代の最先端の技術をシステム統合するハイテク産業であることから 広範かつ高度な技術力を有する限られた国においてのみ自国産業として成立が可能であり又 技術的困難性に加え 巨額の開発 販売コスト 長期の開発期間及び 資金の回収期間を必要とし 開発 事業コストが極めて高いという特徴がある このため各国は 航空機産業を戦略産業として位置付け 直接 間接に積極的な支援を行っている 欧米では 冷戦崩壊後の軍事支出縮減傾向に伴い 防衛依存度が低下する一方 民需分野における技術の更なる高度化 機体開発費の高騰等を背景として 企業体力 技術開発力の強化を目指した大規模な合併や買収による企業統合に進展している その結果 中 大型機分野 ' 大手エアライン機 ( では米国と欧州の巨大メーカー 2 社が市場を2 分している状況である また 小型機分野 ' リージョナル エアライン機 ( では 90 年代の激しい競争を Ⅱ-2

70 経て カナダ及びブラジルの有力企業が急激に成長した 航空機用エンジンについては 欧米の有力企業が市場の 7 割を占めている状況である 即ち 世界の航空機市場では これら尐数の大企業が激しい国際競争を展開しているところである 加えて 欧米等先行諸国のみならず ロシア及び 中国をはじめとしたアジア諸国においても航空機産業を強化する動きが見られ 今後一層の競争激化が見込まれており 今後 10 年のうちに世界の航空機産業の地勢図が固まると懸念される このような状況の下 各国 企業は リスク回避の観点から国際共同開発方式が世界的趨勢になっている航空機開発市場において 開発プロジェクトを主導し又は 高いレベルで参画していくために 一層の高度な技術力やリスク分担能力を獲得することが課題となっている 以上のような航空機産業の特徴及び背景を踏まえ 他の先進国と比べて後発である我が国航空機産業が 先行諸国と伍しつつ途上国の追い上げにも対応し得る基盤技術力を強化していくためには 技術の優位性を確保し 我が国主導の機体開発の実現を目指すことが必要である そのため 中核的要素技術力の保持 機体 エンジンの完成機開発能力の獲得 及び 国際共同開発への参画 に対し官民が一体となって取り組むことが必要である また 機体 エンジンの完成機開発能力の獲得 に当たっては 防衛省における新型機開発で蓄えられた技術を民間転用することにより 効率的な民間機の開発を推進することが可能である 現在 防衛省は 新型救難飛行艇を開発し 更に次期輸送機と次期固定翼哨戒機の開発を行っている その中で 新型救難飛行艇は 救難捜索のみならず 離島の医療支援 保全活動 森林火災消火等の用途に転用することにより 国家 国民の安全保障や国際的な災害支援活動への貢献が期待される飛行艇である 従って 今後は 新型救難飛行艇に関しては 民間転用研究から実証機の研究等 国家プロジェクトとしての早期の計画推進が日本の国際貢献において必要と考える Ⅱ-3

71 2. 研究開発目標 2-1. 研究開発目標 世界では 乾燥した気候に起因する森林火災が多発大規模化する傾向にあり 火災の季節には連日のように消防機による航空監視および消火活動が行われている また 周囲を海に囲まれている我が国では 飛行艇は 海難事故における捜索救難や離島における急患輸送に使用されている 我が国の救難飛行艇は 耐波性 外洋着水能力 長距離飛行能力などの優れた性能を有しており 民間転用することにより 航空消防 離島における国民生活の利便性の向上 国土保全 国際緊急援助活動などの用途に活用することができる また 航空機産業の自立的発展基盤の確保および一層の高度化推進の観点から 我が国主導の航空機開発の実現を図ることが重要であり 防衛省機である救難飛行艇の民間転用に必要な課題を抽出 検討し 民間飛行艇の実現可能性を検討する 2-2. 全体の目標設定 救難飛行艇の民間転用機開発に向けて 市場要求の調査検討 防衛省機の民間転用 方法の検討を行うとともに 民間転用機の機体構想 システム研究 事業性等の機体成立 性について検討する 全体目標 設定根拠等を表 に示す 目標 指標 ' 事後評価時点 ( 飛行艇の民間転用に向けて 防衛省機の民間転用プロセス 民間転用機の耐空性 機体構想 要素技術 事業性等の調査研究を行い 民間転用機としての飛行艇の技術的成立性の確認 事業性の評価を行う 表 全体の目標目標 指標 ' 中間評価時点 ( 市場要求調査により飛行艇の用途 需要を検討し 開発対象とする飛行艇の用途を想定するとともに 機体の技術的成立を検討する また 民間転用に要求される法的基準等を調査し明確にする 更に 飛行艇の特殊マーケットにおける事業の概要を検討する 設定理由 根拠等消防飛行艇を始めとして ニッチではあるが世界には飛行艇マーケットが存在している また 防衛省機の民間転用についても米国等で例が存在するが 我が国では民間転用の基準 例等が無く 本研究によって民間転用機開発のプロセス及び可能性を研究するが必要である Ⅱ-4

72 2-3. 個別要素技術の目標設定 前項の全体目標を達成するために 以下のような項目について 表 のように個別 の目標を設定した 要素技術機体構想の検討民間転用プロセスの検討耐空性の検討消火技術の検討事業化計画検討 表 個別要素技術の目標 目標 指標 目標 指標 ' 事後評価時点 ( ' 中間評価時点 ( 設定した飛行艇の 飛行艇の各種用 用途について詳細 途について機体 に検討する 構想を検討する 民間転用プロセスの 防衛省機の民間 提言をまとめる ま 転用に関する現状 た 開発費回収負担 の規定を調査す について検討する る 消防飛行艇の民間 防衛省機の民間 耐空性への適合性 耐空性基準への について検討する 適合性を調査し 適否を検討する 最適な消火活動を 各国の消火方法 行うための消火シス 他機例を調査し テムと運用方法を研 運用方法の評価 究する 手法を検討する 民転飛行艇の事業 民転飛行艇の事 化計画と事業性の 業化構想を作成 評価を行う する 設定理由 根拠等市場ニーズの把握と それを実現する方策を明らかにするため 国内で防衛省機が民間転用された前例がないため 海外における規定を調査する必要がある US-2 の民間耐空性基準への適合性を明らかにするため 空中消火に対する知識 ノウハウを取得するため 民間転用飛行艇の事業化の見通しを得るため Ⅱ-5

73 3. 成果 目標の達成度 3-1. 成果 全体成果 (1) 市場調査及び需要 欧州及び北米地域では森林火災が多発し ヘリコプターや固定翼消防機を使用した航空消防活動が活発に行われている また 東南アジア地域では 火災の他 輸送船舶 漁船操業等で過密な海峡や海域を有し 海上監視 遭難者救助等が重要である 市場調査では 飛行艇の主要ユーザーである欧米とともにユーザーの可能性の高い東南アジア オーストラリアについて 飛行艇の用途 需要 ユーザー要求等を調査した 消防機について 森林火災の状況 消防機の運用現状 動向等を調査し 消防機の需要を検討した 消防飛行艇の需要としては 欧州各国の消防飛行艇の装備機数 更新時期及び新規ユーザー等から考慮し 2010~2020 年の間に約 130 機と想定されるが 今後とも 温暖化による気象変化や各国の対応状況などを引続き調査し 需要を予測する必要がある (2) 機体構想 機体構想について これまでの市場調査をもとに検討を行った結果 実現の可能性の高い用途として 1 消防飛行艇 2 多目的飛行艇 3 旅客飛行艇が挙げられ これらの各用途に対し機体構想の検討を実施した 消防飛行艇については CL-415 の代替機として考えると 現状の CL-415 と同等以上の性能を有していることが必要である また 市場調査によると 火災の大規模化 消火活動の効率化のため より大容量の水搭載能力が求められている 多目的飛行艇については 離島医療 国土保全および海洋監視の 3 つの任務に振り分け 各任務に適した機器を搭載して運用する 離島医療に関しては 機内レイアウトを検討し 高度医療を実施するための仕様を設定した 旅客飛行艇については 首都圏と離島間に飛行艇を運行することが考えられるが 莫大な開発費を回収するための十分な販売機数を確保することは困難である (3) 民間転用プロセス 軍用機からの民間転用基準および民間転用事例を調査した結果 米国 カナダにおいて民間転用基準があることが判明した 海外では軍用機などを民間転用する際には 軍の技術資料を活用し 耐空性審査の一部を省略することが可能になっている Ⅱ-6

74 (4) 耐空性基準 / 新耐空性基準 耐空性基準の民間転用基準について海外の事例を調査した結果 消防飛行艇のような特殊用途機に対しては Restricted Category' リストリクテッドカテゴリー ( を適用していることが判明した カナダでの消防機に対する基準を精査し US-2 を消防飛行艇に改造する際 影響の大きい項目を明確にした 耐空性基準の適合性の検討では 耐空性審査要領 T 類 'H18 年現在 ( と US-2 に関する一般に公開されている書などを元に適合性検討を行った その結果 適合は全体項目数の約 40% であり TC' 型式証明 ( の証明においては 防衛省技術資料の活用は非常に有効であると考える STOL' 短距離離着陸 ( 耐空性基準について海外の事例を調査した結果 FAA' 米国連邦航空局 ( に一部制定途中の基準が存在するのみであった US-2 を民間機として転用するためには 民間機の耐空性基準に適合していることを証明する必要があるが 耐空性基準は 航空機の安全性向上等のために 毎年見直しや新基準の追加等の検討が行われている その中で 新たに制定された電気配線の安全性に関する耐空性基準について調査を行った (5) 消火技術 機体構想では フランスの要求仕様から US-2 消防飛行艇の消火システムを検討した また 他の消防飛行艇との比較から US-2 消防飛行艇は他の消防飛行艇 'CL-415 Be-200( より優れた性能を有していることが確認できた 放水シミュレーションにより 高度を変化させた場合の大量投下した消火水の地上における散布密度を計算した その結果 大量の消火水を散布可能な US-2 消防飛行艇は CL-415 より高々度で放水しても良好な散布密度が得られ より安全な運用の可能性が確認された (6) 事業構想 US-2 消防飛行艇のローンチカスタマーとしてフランス内務省防災局を想定し フランス国防省装備庁 'DGA( と機体製造会社との関係を整理し 初号機納入までの開発日程を作成し 各種検討のマイルストーンを明確にした CL-415 の退役が始まる 2018 年に初号機を納入するためのマイルストーンとしては 2014 年までに事業化を決定し 契約を締結する必要がある 尐数機のプロダクトサポートの事例情報を収集し 一般的な組織体制および WBS の一般モデルを構築した US-2 の運用地 ' 南仏 ( や開発 配備スケジュール プロダクト サポート スキーム等の条件から リソースの合理化とリスクを低減させる方向で US-2 固有の組織体制および WBS のモデルを構築した Ⅱ-7

75 個別要素技術成果 (1) 市場調査及び需要 ア. 森林火災と消防飛行艇の需要欧州地中海沿岸諸国では乾燥した気候に起因する森林火災が多発し 特に 4 月から 10 月にかけては小規模な火災を含めると ほぼ毎日のように森林火災が発生している また 米国やカナダの北米地域においても大規模な森林火災が多発しており これらの森林火災に対しては航空機を用いた空中消火が実施されている 航空機を用いた空中消火は ヘリコプターに比べて 搭載水量が多く大規模火災に対して有効なため 欧州 北米などで活用されている 特に 欧州およびカナダ東部においては 主に 水上を滑走しながら水を取り込める飛行艇を用いた空中消火が行われている 本章では 森林火災の多発している欧州における火災状況および欧州主要国の消防機の現状 運用要求 需要見通しなどについて調査結果をまとめる ( ア ) 世界の森林火災の状況 世界の森林火災の状況については データの採取されていない国を除き国連レポートで 知ることができる 国連食糧農業機関 ' FAO ( によるレポート Forest Fire Statistics によると 10 年平均の森林火災面積は カナダ アメリカ ロシアで百万 ha 以上 であり 次に火災の多い地中海諸国は十万 ha 前後である また 日本は 更に 2 桁尐ない 数千 ha である ' 図 及び表 参照 ( その他の国では 正確な統計数値はないが FAO レポート GLOBAL FOREST FIRE ASSESSMENT には インドネシアにおいて 1997 年から 1998 年にかけて約 5 百 万 ha が焼失し メキシコでは 1998 年にエルニーニョ現象による記録的な干ばつのため約 85 万 ha を焼失したなどが記載されている また 南米においてもアルゼンチン チリなどで毎欧州 北米および日本における森林火災面積及び発生件数 年数十万 ha 以上の森林火災が発生しているが これらの国では 10,000,000 60~90% 10,000,000 が焼畑などの人 為的原因によるものである 1,000,000 火災面積 [ha/ 年 ] 100,000 10,000 1,000 火災面積 [ha/ 年 ] 10,000, ,000, ,000 10,000 カナダ 1, ア ロ 火災面積欧州 北米および日本における森林火災面積及び発生件数 [ 件 / 年 ] ス ポ イ カ 火災件数 火災面積 10,000,000 1,000, , メカシアペロルスポタイザカリギフラポークロウブクトル日ルリナアメイシトペルリタフザシリランーラロアクルラルガ本コダリアイトリフシンラアラガカンガアスコカンガアスャスンチイリンチイリルルタドドアアナアナアン出展 : 仏伊, 希, 西, 葡 -Forest Fires in EC Report No.7(1990~2006 平均 ) 出展 : 仏, 伊, 希, 西, 葡 -Forest Fires in Europe 2006, EC Report No.7(1990~2006 平均 ) 日本 - 防衛白書 (2001 年 ~2006 日本 - 防衛白書その他 - 国連 (2001 FAO年レポート ~2006,FOREST 年 ) FIRE STATISTICS その他 - 国連 FAOレポート,FOREST FIRE STATISTICS 図 欧州 北米および日本における森林火災面積および発生件数 ギ フ ポ ク ウ 火災件数 ブ 10,000 1, ト 日本 1,000, ,000 10,000 1,000 火災件 10 数 [ 件 / 年 ] 火災件数 Ⅱ-8

76 項目 年 表 日本における林野火災の動向 H13 H14 H15 H16 H17 H18 H19 被災面積 (ha) 1,773 2, ,568 1, 火災件数 3,007 3,343 1,810 2,592 2,215 1,576 2,157 損害額 (k\) 1,120,216 1,447, , , , , ,590 ( 出典 : 消防白書 ) ( イ ) 西欧における森林火災の状況 西欧各国では地中海を中心として 春から秋にかけて乾燥し森林火災が多く発生している この地域の森林火災は 森林と人間の生活環境が近く 作物 人家などへの被害が発生しやすいことから 緊急を要する問題であり 早くから航空機を使用した監視および消火消防活動が導入されている 欧州における森林火災は 6~10 月がシーズンであり 特にスペイン ポルトガル ギリシャ等の地中海沿岸で危険性が高い 欧州委員会共同研究センターが毎年発行している森林火災レポートから 森林火災上位 5 カ国 ' ポルトガル スペイン イタリア フランス ギリシャ ( の森林火災の発生件数および火災面積の推移を図 図 に示す ポルトガルでは 近年 森林火災の発生件数が増加し多くの森林を焼失しているが フランス イタリア ギリシャでは 発生件数及び火災面積ともに減尐し ほぼ一定のレベルに抑えられている また スペインでは 発生件数は多いものの火災面積は一定のレベルに抑えられている これは フランス スペイン イタリア ギリシャでは航空消火等の消火活動が成果を上げているが ポルトガルにおいては十分な消火活動ができていないためと考えられる 欧州では消防飛行艇 陸上消防機 またヘリコプターを使用した航空消防が行われているが 搭載水量と消火効率から多くの消防飛行艇が使用されている 消防飛行艇を所有するフランス スペイン イタリアおよびギリシャにおける森林火災と消防機導入の推移を図 に示す 図から消防機の増加に対して火災面積が減尐する傾向を見ることができ 森林火災に対して消防機の導入が効果を上げていることがわかる なお 消防飛行艇を所有しないポルトガルでは 火災シーズンに消防飛行艇の短期リースを行い またスペインとの相互支援協定による消防機等の派遣 またその他の国からの救援などで 森林火災に対応しているが 十分な効果を上げていないことが窺える しかし 欧州では 近年 2000 年 ' スペイン イタリア ギリシャ ( 2003 年 ' フランス イタリア ポルトガル ( 2005 年 ' スペイン ポルトガル ( 2007 年 ' イタリア ギリシャ ( と大規模森林火災が発生しており 消防機導入の効果はあるものの気候条件等によっては消火活動が間に合わない状況が発生している Ⅱ-9

77 [ 件 ] 発生件数 90,000 80,000 70,000 60,000 50,000 40,000 PORTUGAL SPAIN ITALY FRANCE GREECE TOTAL 西欧主要各国森林火災件数の推移 30,000 20,000 10,000 0 出典 :Forest Fires in Europe 2007, Report No8, European Commission 図 西欧主要各国の森林火災件数の推移 [ha] 焼失面積 1,000, , , , , ,000 西欧主要各国森林火災面積の推移 PORTUGAL SPAIN ITALY FRANCE GREECE TOTAL 400, , , ,000 0 出典 :Forest Fires in Europe 2007, Report No.8, European Commission 図 西欧主要各国の火災面積の推移 Ⅱ-10

78 火災面積 (ha) 発生件数 (1/10 件 ) 機数 ( 機 ) 火災面積 (ha) 発生件数 (1/10 件 ) 機数 ( 機 ) 火災面積 (ha) 発生件数 (1/10 件 ) 機数 ( 機 ) 火災面積 (ha) 発生件数 (1/10 件 ) 機数 ( 機 ) 250, , ,000 火災面積発生件数陸上機 + 飛行艇陸上機 フランス , , ,000 スペイン , ,000 火災面積発生件数飛行艇 , , , ,000 イタリア , ,000 火災面積発生件数飛行艇 , , , ,000 火災面積発生件数陸上機 + 飛行艇陸上機 ギリシャ , , , 図 西欧主要各国の森林火災と消防機数の推移 Ⅱ-11

79 ( ウ ) 世界の消防機現在 世界では 航空消防の中心となる中型固定翼の飛行艇と陸上機を合わせると 230 機以上が運用されている 各国の主要な消防機の保有状況 ' 確定発注機数を含む ( は表 に示すとおりである 消防飛行艇を運用している欧州と北米における中型以上の固定翼消防機は 223 機であり また その内の 61% の 137 機が消防飛行艇であり 航空消防における飛行艇の重要度が窺える また 欧州では 89%'86 機 ( カナダでは 61%'49 機 ( が消防飛行艇であり 特に欧州における消防飛行艇の割合が高い これは 欧州では森林火災の発生が地中海沿岸地方の比較的平野部に集中しており 飛行艇が吸水するための湖水 河川 海等の吸水ポイントが多いためと考えられる 現在 欧州各国とも古くなった CL-215 および CL-215T 消防飛行艇の CL-415 消防飛行艇への更新が進んでおり 更新状況は フランス '100%) イタリア'78%( ギリシャ'43%( スペイン '13%) である また 2007 年及び 2008 年には 欧州各国が相次いで CL-415 消防飛行艇を発注した 発注状況は イタリア '4 機 ( スペイン'2 機 ( クロアチア'2 機 ( であり 2009 年までに導入される予定である 米国においては 46 機の中型固定翼消防機の使用が確認されているが 主に 多数存在する軍用機や民間機の中古機が消防機に改造され使用されている 消防飛行艇については 僅かに CL-215 を保有する他 火災シーズンに数機がリースで運用されている 従って 消防飛行艇においては CL-415 の生産国であるカナダでの販売が困難なことが予想されることから 主として消防飛行艇を消火活動に使用している欧州が主要なマーケットとして考えられる 地域 国名 表 世界の消防機の保有状況 DHC8 Q400 L188 Erectra Convair 580 DC CL215 CL215T CL415 Be-200 飛行艇 S-2FT S-2T DC6 DC4 P-3 P2V 合計 5.3kl 5.3kl 6.1kl 12kl 10kl 3.3kl 4.5kl 11.4kl 7.9kl 11.4kl 8kl 45.4kl 11.4kl 9.3kl フランス 陸上機合計 合計 スペイン 欧州 イタリア ギリシャ クロアチア 小計 カナダ 北米 アメリカ 小計 アジア タイ マレーシア 小計 ヘ ネス エラ その他 ロシア 小計 合計合計 ( 注 ) 数字は 確定発注された機数を含む 単発エンジンの小型消防機及びヘリコプターは含まない ( 例 : ギリシャ :PZL M-18(2.2kl) 20 機 加 :AT-802(3kl) 11 機 米国 :AT-802/M 機等 ) CL-415 については イタリアは MP 型 3 機 ギリシャは MP 型 1 機 GR 型 8 機を含む マレーシアは MP 型 米国の数値は 政府 州政府等の所有機及び 2008 年に政府との契約実績のある機数を示した また 米国では C-130 に搭載する MAFFS( モシ ュラー型消火タンクシステム )8 セットを有する カナダの Martin Mars, ロシアの Be-12 等の旧型飛行艇はわずかであり更新需要も望めないため含めていない Ⅱ-12

80 ( エ ) 世界の消防飛行艇 現在 世界で調達可能な消防飛行艇および US-2 消防飛行艇の比較を以下に示す こ れより US-2 飛行艇は特に搭載水量 耐波性が優れていることがわかる 項目 新明和工業 ( 日本 ) US-2( US-2 消防飛行艇消防型改修時 ) ホ ンハ ルテ ィア社 ( カナタ ) CL-415 ヘ リエフ社 ( ロシア ) Be-200 推進系統 4 発プロペラ 双発プロペラ 双発ジェット 運用開始 年 2001 年 販売数 ( 07/3) - 60 機 5 機 全長 33.3m 19.8m 32.1m 全幅 33.2m 28.6m 32.8m 最大離陸重量 47.7ton 19.9ton 37.2ton 最大航続距離 2,300km 2,300km 3,600km 巡航高度 3,000m 2,400m 7,900m 巡航速度 480km/h 280km/h 610km/h 着水可能波高 3m 1.2m 1.2m 搭載水量 15ton 6ton 12ton ( オ ) 消防飛行艇の需要欧州における主な消防機 'CL-215 CL-215T CL-415 S-2T( の導入状況と今後の需要予測を図 に示す 消防機の需要は CL-415 の機体規模の場合で 2010 年から 15 年間で約 130 機であり US-2 消防飛行艇が市場に投入されると想定される 2015 年から 10 年間では約 80 機と考えられる なお 需要予測の考え方は次の通りである 現在 フランス スペイン イタリアおよびギリシャが各々約 20 機の消防機を所有しているが 各国とも追加装備の計画は無く 今後は維持と更新が行われると考えられる 従って 更新時期としては CL-215/T が寿命により 2010 年から 2015 年にかけて更新され その後 初期に導入された CL-415 の更新が開始され また S-2T についてはフランス調査の結果 2020 年頃更新されるものとした また 欧州では 前記の 4 カ国の他にも森林火災被害の大きい国があり 更に ポルトガル トルコ等 火災シーズンに消防飛行艇の短期リースを行っていた国々が購入に切り替える計画を打ち出している等の新規導入の可能性を考慮し 新規需要についても検討した 新規需要は 欧州の森林火災の比較的多い国において 既に消防機を導入している 5 カ国とその他の国との森林火災の規模比 '60~70%( から 消防機を所有しない国における消防機の必要機数を約 60 機と想定し 2030 年までに順次導入されるものとした Ⅱ-13

81 機数 欧州における主要消防機需要予測 新規需要 ポルトガル トルコ等を想定火災規模 (5 カ国合計の約 60~70%) 80 クロアチア キ リシャ 60 更新機数 イタリア 40 スヘ イン 20 フランス 年 主要消防機 : 中型消防機 (CL-215,415,S2T) を示す. 耐用命数 20 年. 新規需要 : ホ ルトカ ル等比較的大規模火災の国を想定. 火災規模 (4 カ国合計の約 60~70%) より推定. 図 欧州における主要消防機の需要予測 ( カ ) 航空消防と消防飛行艇の動向世界の森林火災と航空消防および消防飛行艇の動向については以下のとおりである 今後も大規模な森林火災が発生し 各国において消防飛行艇の重要性の評価 導入検討が行われるものと考えられ 今後も欧州に限らず広く市場調査を継続する必要がある a 年代に入って 欧州 米国 また オーストラリアにおいて 頻繁に大規模な森林火災が発生している このような森林火災の大規模化は 地球温暖化による乾燥化 高温化等が影響していると言われており 今後もこのような大災害の発生が予想される b. 米国では 中古陸上機を改造した安価な消防機が航空消防の中心であり 消防飛行艇のニーズが低いと考えられていたが 2007 年の森林火災の結果 消防飛行艇の必要性を見直す動きがあり 連邦政府 各州政府の動向に注意する必要がある c. 欧州 米国の森林火災においては 各国から相互支援が行われているが 消防機の不足が顕在化している d. 欧州委員会では 大規模災害に対して効果的に対処するため EU を統合した防災体制の検討を実施しており 航空消防についても統合化体制 設備等の検討が行われている Ⅱ-14

82 イ. 国際航空消防カンファレンス近年 欧州 米国等 世界の森林火災 ' または原野火災 ( の増加 大規模化に伴い各国で航空消防の重要性が見直されている このような状況の中で 本年度 航空消防にテーマを絞った世界で初めての国際カンファレンスがスタートし 第 1 回がギリシャ アテネ市で また第 2 回がアメリカ アナハイム市で開催されたため US-2 消防飛行艇の民間転用研究を紹介するとともに 世界における航空消防の現状及び動向について調査を行った ( ア ) 第 1 回航空消防カンファレンス概要欧米を中心に 22 カ国から航空消防関係者 ' 国連 欧州委員会防災事務局 各国消防局 航空隊 民間運用者 メーカー ( が参加し 消防と航空消防に関する運用 管理 安全性 国際協力等について 各国の状況の紹介 パネルセッションによる討議 及び消防機についてメーカーによる紹介が行われた 発表とパネルセッションは合計 28 件あり 議長 ' 国連世界火災モニタリングセンター部長 ( による基調講演 21 世紀の原野火災と国際協力の動向 とギリシャ イタリア スペイン 米 カナダ等の固定翼消防機を運用する主要国の他 ロシア オーストラリア 南ア 韓国が発表し 世界的に航空消防の関心の深さが窺えた 本会議では 近年の森林火災の深刻化に伴う各国の航空消防の対応と航空消防のあり方について活発な議論があり 国際協力の必要性と実行上の問題点が認識され 継続して航空消防会議を実施して行くことの重要性が確認された 日程 : 平成 20 年 10 月 21 日 ' 火 (~22 日 ' 水 ( ギリシャ アテネ 主催 共催 :GFMC( 世界火災モニタリングセンター ) ISDR( 国連防災戦略 ) IAWF' 国際原野火災協会 ( 後援 :Bombardier Beriev PZL Mielec Scorpion SOREM Evergreen Supertanker Service 新明和工業 発表 :28 件 ' 表 1.2-1(' 欧米 オーストリア ロシア 南アフリカ 韓国 日本 他 ( 議長 :Prof. Dr. Johann G Goldammer 'GFMC センター長 ( 司会 :Rear Admiral Terry Loughran CB FRAeS( 英海軍退役尐将 英国航空学会員 ) 参加 :22 カ国 約 200 名 ' 欧米 オーストリア ロシア 南アフリカ 韓国 日本等 ( ( イ ) 第 2 回航空消防カンファレンス概要米国を中心に約 250 人の航空消防関係者が参集し 航空消防に関する運用 管理 安全性 国際協力等について 各国の状況の紹介 パネルセッションによる討議等が行われた 発表は 2 件のパネルセッションを含み 24 件あり 特に米国の航空消防の特長として 固定翼機の運用と安全性 UAV を用いた監視モニタリング技術等について紹介が行われた また Black Saturday として報じられたオーストラリアのブッシュファイアについて オースト Ⅱ-15

83 ラリアの NAFC'National Aerial Firefighting Centre( が緊急報告を行った 全体としては 近年の森林火災の大規模化傾向と地球温暖化との関連が指摘され 将来に向けて 相互支援を可能とする航空消防体制の重要性が強調された会議となった 本会議は 引続き 2009 年に 第 3 回がオーストラリアで また第 4 回がイタリアで開催される予定である 日程 : 平成 21 年 2 月 19 日 ( 木 )~20 日 ( 金 ) 米国カリフォルニア州アナハイム市 主催 共催 :GFMC( 世界火災モニタリングセンター ) ISDR( 国連防災戦略 ) IAWF' 国際原野火災協会 ( 後援 :Bombardier 社 Erikson Air-Crane 社 他 発表 :24 件 ' 表 1.2-2(' 欧米 オーストリア ブラジル 日本 ( 議長 :Chief. Del Walters ' カリフォルニア州 CALFIRE( 司会 :Rear Admiral Terry Loughran CB FRAeS( 英海軍退役尐将 英国航空学会員 ) 参加 : 約 250 名 ' 欧米 オーストリア ロシア ブラジル 日本等 ( ( ウ ) 発表内容概要 航空消防カンファレンスにおける 発表内容概要を図 にまとめる I. 森林 ' 原野 ( 火災環境 森林火災は気候に影響され 大規模森林火災は 各国で 2~3 年毎に発生するため 毎年いずれかの国で大規模火災が発生している 離村による森林の荒廃と自然志向で山際や山中で生活する人の増加が森林火災リスクと消火活動を増大させている 森林火災発生地域は 地球温暖化により乾燥化が進み 更に 森林火災の多発 大規模火災の発生が予想される ロシア 豪州では 森林火災に顕著な増加傾向が見られる II. 各国の航空消防の状況 一部 ' 仏 伊 西 希等 ( の消防機体制が整備された国においても 大規模火災には対応できない 火災シーズンには 航空消防部隊を国内に展開し 監視飛行と初期消火で鎮火を図っているが 多数発生すると対応できない 航空消防部隊を持っていない国は 他国の航空消防運用会社とシーズン契約を行い対応している 消防関連予算は尐なく パイロットへの負荷の増加等 厳しい条件での運用を強いられている 航空消防は住宅地にも行われている III. 国際協力活動の現状 大規模災害を自国で対応できない場合 国際協力を要請 EC の相互支援窓口 :Community Mechanism for Civil Protection 各国は 支援要請により 救援部隊 ' 消防機等 ( を派遣 イタリアの航空消防の国際協力体制例 : CL 機 24 時間待機 3 時間以内のディスパッチ 欧州での費用負担 : 支援国は機材派遣経費 人件費等 依頼国が現地での経費を提供 欧州外の国への支援費用 取決めがなく支援時に調整 IV. 国際協力の課題 協力体制の整備国際支援要請が集中すると 十分な支援が出来ない 2007 年夏 キ リシャとイタリアの大火災で各国が支援中 フ ルカ リアとアルハ ニアの支援要請が発生 対応できなかった 統一言語 国際協力実施基準 費用負担 責任 ' 事故 2 次災害等 ( 依頼国との調整 ' 消火作業実施方法等 ( V. 国際協力の動向 欧州地域で共同防災体制が構築されると考えられる 欧州委員会では 災害支援活動を迅速に実施するため 消防機を含んだ防災体制の組織及び運用構想を検討中 共同防災体制では 進出距離が長く 大搭載量の中 / 大型消防機の装備が必要となる 図 航空消防カンファレンスにおける発表内容 Ⅱ-16

84 ウ. 多目的飛行艇の市場調査 ( ア ) 東南アジアにおける海上監視の必要性東南アジア諸国では 各国の海域における海賊による襲撃事件やテロの脅威が重大な課題となっている また マラッカ シンガポール海峡とその周辺海域は 日本を含めた世界のエネルギー輸送 交易における重要なルートであり 日本においても海賊や武装強盗は重要な問題である 近年 東南アジア各国では 海上保安体制の強化や共同監視活動などに取り組んでおり 海賊の減尐などの実績を上げつつあるが 未だに多数の海賊による襲撃事件が発生しており 監視活動の強化が要求されている また 日本も 各国の海上保安組織に対する支援や共同演習などの活動を通じて 東南アジアの海上保安体制の強化に貢献している a. 東南アジアにおける海賊の状況船舶を襲撃する海賊および武装強盗による襲撃事件の発生状況については 国際商業会議所 ' International Chamber of Commerce: ICC ( の下部組織である国際海事局 'International Maritime Bureau: IMB( が 毎年報告書 'PIRACY AND ARMED ROBBERY AGAINST SHIPS( を発行している 本報告書から 世界およびアジア地域における海賊などの船舶への襲撃事件の発生状況を 表 ~ 表 および図 に示す 本数値は 実際に海賊などが乗船にまで至った被害事件 '2006 年 : 全体の約 3/4( と 乗船を防いだ未遂事件 '2006 年 : 全体の約 1/4( を含んでいる 世界の傾向としては 2000 年をピークとして襲撃件数は減尐しており 2006 年には世界全体で 239 件 アジアでは世界の約 60% の 141 件が発生している また アジアの中では 東南アジアの襲撃事件が減尐しているが 2004 年に一時減尐した南アジアでの襲撃事件が増加しており 東南アジア各国の対策が進む一方で 襲撃事件が対策の遅れている地域に移動していることを示している 襲撃事件は 約 6 割が停泊中 約 4 割が航行中に発生している また 襲撃には ナイフや銃器などの武器が使用され 人質 身代金要求 障害 殺人など危害も多数発生し 乗組員への脅威となっている 海賊などの武装形態を表 に示す 表 世界の船舶に対する襲撃事件の発生状況 地域 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 東アジア 東南アジア ( 内マシ海峡 ) (21) (30) (46) (19) (16) 南アジア その他 合計 Ⅱ-17

85 ( イント 全体 ) 年海賊発生 年海賊発生 図 アジア地域における地域毎の海賊などによる襲撃事 表 襲撃被害の内容 種類 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 ( 内アシ ア ) 乗込 (99) ハイジャック (8) 発砲 (1) 未遂 (33) 記録無し 合計 (141) 表 襲撃時の船舶の状況 船舶の状況 2005 年 ( 内アシ ア ) 2006 年 ( 内アシ ア ) 着岸中 23 (17) 15 (11) 錨泊中 150 (88) 135 (80) 航行中 102 (53) 88 (50) 未確認 1 (.0) 1 (.0) 合計 276 (158) 239 (141) Ⅱ-18

86 表 海賊などの武装形態 種類 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 ( 内アシ ア ) 銃器 (23) ナイフ類 (53) その他の武器 (5) 記録無し (60) 合計 (141) b. 日本関連船舶の海賊被害日本関連船舶に対する海賊などによる被害は 1999 年 ' 全世界で 39 件 ( をピークに減尐し 2004 年からは 10 件以下にまでになったが 2006 年においても なお 8 件 ' 東南アジアでは 7 件 ( の被害が発生している ' 表 参照 ( 表 日本関連船舶の海賊被害件数 地域 2002 年 2003 年 2004 年 2005 年 2006 年 東南アジア その他 合計 ( 出典 : 国土交通省ホームページ ) 海賊は武装化が進み 襲撃内容も 停泊中の被害が主であったが航行中の被害も増加 傾向にある 被害内容としては ハイジャック 誘拐 捕縛 金品強奪などである Ⅱ-19

87 ( イ ) 東南アジア各国の調査 a. マレーシア (a) 概要マラッカ海峡など 東南アジアにおける海賊対策のための国際的な監視活動開始など 監視用航空機のニーズが高まっている H17 年度は 東南アジア調査においてマレーシアの海上法令執行庁 'MMEA:Malaysian Maritime Enforcement Agency(( 注 ) を調査し 飛行艇を含めた監視用航空機の導入を検討していることが判明した 今年度は MMEA および空軍に対して US-2 飛行艇の詳細説明を実施するとともに 調達方法 要求仕様 運用体制などについて調査した MMEA 空軍とも US-2 飛行艇の能力を高く評価しており 各種議論が行われた ( 注 ) MMEA マレーシでは 内閣府直轄の海上法令執行庁 ' MMEA:Malaysian Maritime Enforcement Agency( が マラッカ シンガポール海峡における船舶への襲撃や違法漁船などを取り締っている MMEA は 海軍 警察 漁業担当部門 通関などに分散されていた海上警備機能を統合した組織であり 日本の海上保安庁の協力の元 2005 年 5 月に設立し 2005 年 11 月 30 日より本格的に活動を開始した なお 活動開始に伴い MMEA には海軍から警備艇と乗員が移管されたが 航空機については ヘリコプター 飛行艇などの導入が検討されている (b) 訪問先 マレーシア海上法令執行庁 'MMEA('Putrajaya 市 平成 18 年 7 月 7 日 ( マレーシア国防省 'Kuala Lumpur 市 平成 18 年 7 月 7 日 ( (c) 調査結果 調達 運用体制 航空機の調達については MMEA が要求元であることを確認した ヘリコプターの場合は購入可能だが 固定翼機については 購入できない場合 パイロットを含めたウェット リース ' 民間運用委託 ( も考えられている その場合 監視員は MMEA である 購入またはリース調達の場合の運用は MMEA では固定翼航空機の運用ができないため 空軍に運用委託される可能性がある 飛行艇の導入にあたっては ODA を考えているとのことであり ODA の可能性についても検討が必要である 需用 運用要求 MMEA では 海賊の他 違法漁船 廃油の不法投棄船舶などの監視も重要な任務であり 飛行艇については 長時間監視や着水し不法投棄船舶の現行犯逮捕などが要 Ⅱ-20

88 求される 装備としては 監視 識別 写真撮影 着水しボートによる船舶への乗り込みを可能とすること 通信については UHF 通信 VHF 通信および衛星通信 ' 民間型 ( を要求 但し 衛星通信は必須ではない 民間型式証明については MMEA または空軍における運用のため不要である マレーシアには航空消防体制はないが 消防任務は インドネシアの森林火災消火を支援し飛来するヘイズ低減する国際貢献活動 ヘイズ観測などに有効であり 副次任務として要求される 海上監視と消火能力を併せ持つ多用途飛行艇の導入が計画されている 運用する場合 機体は最低 2 機必要である マレーシアは マレー半島およびボルネオ島の間に離島を有しており 潜在的な旅客のニーズがあるものと考えられる b. インドネシア (a) 概要インドネシアでは 海軍 海上警察 沿岸警備隊の 3 組織が海上警備活動を行っている 海上警察と沿岸警備隊は諸島間や 12 海里内の警備を担当し 海軍は 12 海里以遠の警備を担当している また 任務としては 沿岸警備隊は救難活動など 海上警察は法令執行である 現在 海上警察を再編する次期沿岸警備隊が計画されており 日本も海上警察に対して海上警備訓練 巡視艇供与などの支援を行っている 従って インドネシアについては海上警察に対して US-2 飛行艇の説明と要求などの調査を行った インドネシアにおいても US-2 飛行艇の能力に期待する意見が出されたが 海上監視 救難および森林消火が可能な多目的飛行艇が要求されるため 対応について検討が必要である (b) 訪問先 ア. インドネシア海上警察 'Indonesia Marine Police('Jakarta 平成 18 年 12 月 14 日 ( (c) 調査結果 調達 運用体制 警察組織下には 森林警察 航空警察 海上警察があり 海上の警備は海上警察が行っている インドネシア警察としての航空戦力は回転翼機が中心である 海上警察は航空機を保有していない 航空警察で ヘリ 40 機 固定翼機 12 機 'CASA, セスナなど ( を保有している インドネシアとしては US-2 飛行艇の導入は ODA による日本政府の援助が前提とな Ⅱ-21

89 らざるを得ない 従って 飛行艇のユーザーは軍でなく 警察である 需用 運用要求 インドネシアでの飛行艇の用途は 第一に捜索 救難 次に消防である インドネシアには捜索 救難局があり そこから任務の指示がくる 海上警察が飛行艇を保有した場合 捜索 救難局からの指示により消火活動を行う インドネシアの警備範囲は非常に広く航続距離の長い機体は非常に良いが 飛行艇としては 捜索救難と消防との兼務が必要である 消防用に燃料タンクが削減され航続距離が短縮されても 基地の展開で対応可能である インドネシアは 700 万平方 Km の海域があるので これをカバーする必要がある 基地としては パレンバン周辺 イリアンジュラ周辺 ジャカルタ周辺の3 箇所が考ええられる 本来は民間用の型式証明が必要であるが 自衛隊での運用実績と援助であれば型式証明なしでの運用をインドネシア内で調整するつもりである スカイトラックは型式証明なしで運用している 一般事項 2003 年から 2006 年の間 インドネシアの海難事故は全世界の 28% を占めていたが 現在では 12% に下がった 上層部からの指示により飛行艇 1 機の導入計画を策定中である また 森林火災も多く発生しており 航空機による消火活動が必要となっている 平成 18 年 10 月末から 12 月中旬まで Be-200 を短期リースし スマトラとカリマンタンの森林火災で運用した 'Indonesia International News Agency, Dec. 15, 2006 付記事 ;Be 機が 10 月 31 日到着し 12 月中旬までスマトラとカリマンタンで消火活動を実施した 費用 5.2M US$ 飛行時間 301Hr 放水量 4852t ( アメリカからも警察にアプローチがり 巡視船 15 隻の支援があった c. フィリピン (a) 概要フィリピンは多数の島から構成される島嶼国であり 海軍と沿岸警備隊 'Philippine Coast Guard PCG( が 海賊 海上テロなどの警備を行っている PCG は 日本の海上保安庁の支援により 2000 年に海軍から分離 独立し 現在 近代化計画を実施中であり 海上警備などに使用する機材の充実を図っている 海軍は テロ対策として Coast Watch Program を計画しており 新機材に対する関心の高さが感じられた (b) 訪問先 フィリピン沿岸警備隊 (PCG:Philippine Coast Guard)(Manila 平成 18 年 12 月 13 日 ) フィリピン海軍 (Manila 平成 18 年 12 月 13 日 ) Ⅱ-22

90 (c) 調査結果 調達 運用体制 基本的に PCG は近海 海軍はその外側を警備する PCG はヘリコプター 2 機とアイランダー 2 機を海上警備と捜索救難に使用している また 近代化計画では ヘリコプター 8 機が予定されている 飛行艇についても興味はある 本機を導入する上で ファンディング パイロット養成 支援設備の建設などが問題と考えられる 需用 運用要求 海上警備 捜索救難 テロ対策が主な任務である フィリピンでは 石油のたれ流しが問題であり 中和剤の空中散布も実施したい PCG で使用するためには 民間基準を満足している必要がある Coast Watch Program では 機雷探査が重要な任務に位置付けられており 飛行艇を使用した機雷探査および機雷掃海が考えられる 海軍としては 捜索 救難が主目的であるが 哨戒任務を行うために自機防御機能が必要 一般事項 平成 18 年 12 月の安倍総理大臣とアロヨ大統領の共同声明の中で フィリピンの周辺地域における災害対策 'Disaster Management( が重要課題とあげられた 日本の ODA 案件としては PCG 向けに 海上保安のためのコーストガード通信システム強化計画 が進行中である また 新規要請案件として 多目的艦艇を要請中である フィリピンでは 装備向上が検討されており 近代化の一環として飛行艇の導入の可能性も考えられるため 今後 資料を分析し飛行艇の位置付けについて提案することが重要と考える 平成 17 年にボンバルディアがマニラ湾で飛行艇のデモを実施し 提案も行ったが 予算上の問題で実現しなかった Ⅱ-23

91 エ. 離島地域における飛行艇の活用日本国内には 6,847 を数える島々が広い海域にわたって点在し うち 法指定の有人離島は 310 島を数え 72 万人以上の人々が居住している これら離島地域は日本の領域 排他的経済水域の確保 保全をはじめとして 大陸棚諸資源や各種エネルギーの開発 農水産品の供給地 伝統文化 歴史的遺産などの維持保存 自然環境 生態系の保全 都市住民に対する 癒しの空間 の提供など 国家的な役割を担っている しかし 多くの有人離島では都市部に比べ人口減尐 尐子高齢化の進行が顕著であるほか 一次産業を中心とした産業の低迷などの問題を抱えている また 日常生活においても交通手段の制約 医療 福祉サービス水準の低さ 自然災害を受けやすい環境などの制約が生じている 一方 現在 海上自衛隊の救難飛行艇として運用されている飛行艇 US-1A は 海難救助活動への実績があるほか 小笠原諸島と本土間の急患輸送を担っており 島民の安全確保に寄与している この US-1A の後継機として運用試験が行われている飛行艇 US-2 は 離着水時の操縦性改善 患者輸送環境の改善 洋上救難能力の向上などの機能向上が図られている 飛行艇 US-2 は海上での離発着が可能なため 空路がない島にも出動が可能 ヘリコプターに比べ航行距離が長く 速度が速いなどの特性 優位性を有している 以上を踏まえ 離島地域における飛行艇 US-2 の活用方策について 離島地域が果たしている役割への貢献 人口規模の小ささや地理的条件などから派生する制約の解決を図るといった観点から 検討した 離島地域の役割 制約の整理 離島地域が果たしている役割と抱える制約を整理した US-2 の活用効果が高いと見込める離島の抽出 US-2 の特性を整理し 離島地域での活用可能分野を検討した 離島地域への1 旅客輸送 2 医療の分野において US-2 の活用可能性が高いと見込める離島を 地理的条件 交通条件 医療条件などのデータ面から抽出した 小笠原諸島での空路に対するニーズ調査東京都小笠原諸島のケーススタディを中心として 1 旅客輸送 2 医療 の面における空路に対するニーズの調査を行った 検討に当たっては 小笠原諸島への現地調査 ヒアリングを行った Ⅱ-24

92 ( ア ) 離島地域の役割 制約全国の離島地域は離島振興法 小笠原諸島振興開発特別措置法 奄美群島振興開発特別措置法 沖縄振興特別措置法の 4 法に指定されており そのうち平成 16 年 4 月 1 日の住民の居住が住民基本台帳で確認された離島は 310 島 市町村数は 69 市 46 町 25 村 '140 市町村 ( 人口は 725,000 人である 各法指定離島の島数 市町村数 人口を表 に記す 表 各法指定離島の島数 市町村数 人口 島数市 町 村 数人口 ( 人 ) 離島振興法指定離島 市 33 町 11 村 460,332 小笠原諸島振興開発特別措置法指定離島 2 1 村 2,339 奄美群島振興開発特別措置法指定離島 8 1 市 9 町 2 村 129,524 沖縄振興特別措置法指定離島 40 4 市 4 町 11 村 132,806 合 計 市 46 町 25 村 725,001 ' 注記 : 人口は平成 16 年 4 月 1 日の住民登録人口 出典 :2005 離島統計年報 ( a. 離島地域の役割離島地域は我が国の人口の1パーセントにも満たないが 我が国に果たしている役割は大きい 表 に 離島地域の 地理的特性 自然特性 文化特性 の3 特性に基づき 離島地域が我が国に果たす役割を記す 表 離島地域が我が国に果たす役割 分 野 役 割 離島の 地理的特性 に基づく役割 領土の確保 領海 経済水域の確保 海の保安 治安維持 食料の確保 供給 離島の 自然特性 に基づく役割 生物 生態系保全 環境浄化 維持 レクリエーション 保養の場 離島の 文化特性 に基づく役割 伝統文化の保存継承 体験学習 実験 研究の場 b. 離島地域の制約離島地域は我が国における国家的役割を担っているが その位置的 地理的条件や人口規模の小規模性から 交通 医療 福祉 災害に関して制約 問題点を抱えている これらを表 に記す Ⅱ-25

93 分野交通医療 福祉災害 表 離島地域が抱えている制約制約 問題点制約のある交通条件 ' 限られる航路便数 旅客定員 外海離島での長い航路時間 欠航の発生 限られる空路のある島 ( 医療 福祉サービス水準の低さ ' 病院 診療所がない島の存在 常勤医師のいない島の存在 巡回医療体制の不足 高度 専門医療の不足 救急医療体制の構築が困難など ( 台風や津波 火山噴火など自然災害を受けやすい環境 ( イ ) 飛行艇の活用効果が高いと見込める離島の抽出 a. US-2 飛行艇の特性の整理 US-2 飛行艇は表 に示すように 特性 優位性を有していると共に 制約 問 題点も抱えている 表 US-2 の特性 優位性と制約 問題点特性 優位性制約 問題点 水面での離発着が可能 専門的な操縦技術 飛行場がない離島にもアクセス可能 高額な機体価格 飛行場の整備コストが不要で空港建設に伴 燃料のコスト高う環境負荷を回避できる 型式証明に要するコスト ' ヘリコプターと比較した ( 速度の速さと航続 ' 船舶や大型旅客機と比較した ( 限られ距離の長さる物資 旅客の搭載能力 荒波での着水能力 医療分野でのヘリコプター活用の普及 STOL'Short Take Off and Landing( 能力 現状では 自衛隊機の医療分野への ' ヘリコプターと比較した ( 物資 旅客の搭載活用には急患輸送に限られる能力の大きさ 海難救助 海洋調査支援 艦艇 巡視船への緊急輸送などが可能 消防飛行艇への転用が可能 b. 離島での活用可能性分野 離島地域が果たしている役割と制約 問題点 ならびに US-2 飛行艇の特性から 離島地 域の振興方策において 飛行艇の活用可能な分野は次のようなことが考えられる Ⅱ-26

94 旅客輸送での活用 エコツアーなど離島観光での活用 離島での研究 会議 視察などの移動手段としての活用 医療分野での活用 海難救助での活用 災害時での救援活動への活用 消火活動での活用 領土 領海保全における監視活動での活用 密航 密輸 密漁監視活動での活用 c. 飛行艇の活用効果が高いと見込める離島の抽出前項で整理した US-2 飛行艇の活用可能性分野を踏まえ US-2 飛行艇の活用効果が高いと見込める離島を抽出した 抽出に当たっては 飛行艇の運用体制 収益性などは考慮せず 離島の交通条件 医療条件などの定量的なデータのみによって作業を行った 検討分野は1 本土 ~ 離島間旅客輸送 2 離島 ~ 本土間急患輸送 3 離島地域での巡回診療とした 抽出結果は以下に記す 旅客輸送の改善効果が見込める島 小笠原諸島 ' 父島 母島 ( トカラ列島 ' 宝島 小宝島 悪石島 平島 中之島 口之島 ( 大隅諸島 ' 黒島 竹島 ( 隠岐島 島前 ' 西ノ島 中ノ島 知夫里島 ( 奄美 加計呂麻諸島 ' 加計呂麻島 請島 与路島 ( 離島医療への活用効果が見込める島 小笠原諸島 ' 父島 母島 ( 与那国島 ' 沖縄本島への搬送という条件付 ( トカラ列島 ' 宝島 小宝島 悪石島 諏訪之瀬島 平島 中之島 口之島 ( 三島村 ' 黒島 竹島 硫黄島 ( Ⅱ-27

95 ( ウ ) 小笠原諸島での空路に対するニーズ調査 a. 旅客ここでは 前項で 旅客輸送において US-2 の活用可能性が高いと見込める離島小笠原諸島 ' 父島 母島 ( をケーススタディ地区として捉え US-2 活用を含めた空路に対するニーズを調査した 調査に当たっては 1 小笠原の交通条件の整理 2 高速交通体系整備検討の経緯調査 3 空路に対するニーズの聞き取り調査を行なった (a) 小笠原の交通条件小笠原 ' 父島 母島 ( は本土東京から 1,000 kmと遠く離れているが空路はなく 定期航路 ' おがさわら丸 ( のみの交通条件で 非常に不便な交通体系となっている ' 図 参照 ( おがさわら丸 : 週 1 便の運航 船は出航日まで父島に停泊 本土から島 25 時間 30 分 2 時間強 東京 竹芝父島母島 5 泊 6 日 島から本土 東京 竹芝 父島 2 時間強 母島 午後 3 時 30 分に着いた船 が翌日 午前 10 時に出航 10 泊 11 日 図 東京 ~ 小笠原間の交通体系模式図 (b) 高速交通体系整備検討の経緯小笠原諸島では これまで高速交通体系の整備について 空路 3 案および超高速船 ' テクノスーパーライナー ( の検討が行われたが いずれも頓挫した そうした経緯の下 現在では東京都が空路 4 案 ' 水上飛行提案 (US-2 活用案 ) を含む ( を示しており 平成 18 年度は関連調査が実施されている 平成 18 年度においては 小笠原村は住民に対して空路の必要性などを記した村の広報で情報伝達しているが 空路 4 案の詳細な情報は示していない Ⅱ-28

96 平成 19 年度以降は 国の指針に基づき パブリック インボルブメント 'PI( を通じた住民など の合意形成を図っていく予定となっている (c) 空路に対する島側のニーズ空路に対する島側のニーズ調査は 小笠原村役場総務課企画政策室 小笠原村役場産業観光課 小笠原観光協会 小笠原母島観光協会に聞き取り調査を行なった 主な調査結果を以下に記す 住民のための高速交通手段の確保暮らしの利便性や緊急時への対応などの面から基本的に空路開設は住民から強く求められている 暮らしの利便性 ' 教育 文化 レジャー 買物 親族 親戚 友人との交流 冠婚葬祭など ( 安全性' 医療 福祉 ( 仕事の利便性' 出張 商用など ( 緊急時への対応手段などの確保のために 空路は住民から強く求められている 小笠原返還時からの住民の悲願ともいえる 小笠原の交通条件を十分に理解した上で 小笠原の自然環境に惚れ込んで移り住んだ住民の中には 空路はいらない 関係ない と思っている人もいる 観光面におけるニーズ観光面においても 観光客の自由なスケジュール確保 入り込みの平準化対策 観光客増が期待されている 環境容量の面から大型機の就航は望まない 小笠原観光のベースはエコツーリズムであり 平成元年に事業化されたホエールウォッチングを契機に観光客数が増加した 平成 2 年に約 2 万 3 千人の観光客数でピークに達し 以下 横ばいから近年は減尐傾向にある 島別では 父島は減尐傾向で 母島ではほぼ横ばい 近年の小笠原の観光客数は年間 1 万 6 千人程度 延べ宿泊者数は約 6 万人 観光客は夏場に集中しており 観光客の平準化対策も必要 父島では若く 時間に余裕があり 海でのアクティビティを好む人が客層の中心で リピーターも多い 母島では山の自然を好む中高年層も多い 小笠原観光の活性化のため 従来の客層とは異なる層を増やしたい意向で 修学旅行の誘致や 旅行会社と組んだ中高年を対象としたパッケージ旅行を開発している最中である 空路が開設されれば 旅行客が自分で自由にスケジュールを組むことができ 短期滞在者が出てくる可能性もあるが 逆に今より長期に滞在する旅行客が増える可能性もある こうした 旅行客の利便性確保が 空路への基本的な期待である 自然と観光振興の調和 小笠原は世界自然遺産登録地の候補地でもあり 島の規模 ' 面積 ( も大きな島ではな Ⅱ-29

97 いため 環境容量保全の面から大規模な航空機 ( ジェット機クラス ) は求められていない 小笠原観光の基本は 来訪者に島固有の自然環境にふれあってもらうこと しかし同時に その自然環境を維持 保全していかなければ小笠原の観光は成り立たない 小笠原父島 母島は大きな島ではなく 環境容量は限られ 過度の入り込みは困るので 大型飛行機の就航は望まない 30~50 人程度のものであれば ちょうどよい b. 医療ここでは 飛行艇の医療への活用効果が見込める小笠原諸島 ' 父島 母島 ( をケーススタディ地区として捉え 地域の医療飛行艇に対するニーズを調査した 調査は 小笠原村診療所 東京都福祉保健局医療政策部救急災害医療課へ聞き取り調査を行なった 主な調査結果を以下に記す (a) 医療の改善のための航空路の確保小笠原の医療の根本的な改善のためには航空路の開設が必須 航空路の確保そのものが小笠原の医療の大幅な改善に役立つ 本土の病院で診療を受ける必要が生じた場合 現状のおがさわら丸を利用した場合の 10 泊 11 日という本土滞在期間の経済的負担がなくなる 時間的にも病気を抱えた上での 25 時間 30 分の船旅が大幅に短縮され 肉体的負担が解消される また おがさわら丸の就航日まで待つこともなくなる 本土から医者を招聘して実施する専門診療も 1 日単位で医者のスケジュール調整が可能になることから 大幅な改善が見込める 小笠原の診療所にも医師はいるが 本土への往来や医師の交代などにより 一時的に無医地区になる 飛行艇を交通機関として考えればこうした状況も解消できる (b) 飛行艇による巡回診療飛行艇は小笠原の巡回診療に有効 伊豆諸島 小笠原諸島の救急医療体制は できうる手段の中で最良の状態である 最も遠い小笠原諸島にも飛行艇に出動してもらっており 夜間搬送も可能になった 伊豆諸島 小笠原諸島の場合は 各島に診療所があるので 必要な初期治療は診療所で行える ' 八丈町には病院がある ( 巡回診療については 以前は都が主導で都立広尾病院 自治医大の派遣チームをつくって実施していたが 現在は各島への補助事業へと移管し 町村毎に必要な専門医を決めて 都立広尾病院 自治医大などへ依頼 実施している 小笠原で飛行艇が巡回診療に活用できるとしたら 巡回できる回数も増えて非常に有効であると思う 加えて 飛行艇を活用して 巡回診療を行う医者を自衛隊の医官がフォローしてくれるような体制ができればありがたい Ⅱ-30

98 (2) 機体構想の検討 消防飛行艇 多目的飛行艇 旅客飛行艇のそれぞれに用途を振り分け 機種別の機体 構想をとりまとめる ア. 消防飛行艇今後予想される整備 補給体制の一元化による 運用コスト低減を目的とした 1 機種での森林火災監視任務および森林火災消火任務の両任務対応ができる機能を仕様に盛り込む またイタリア ポルトガルの市場調査では消防以外の任務として 捜索 救難 物資の輸送などの多用途化のニーズもある そのため 消火システムの構成に関しては顧客ニーズに合わせた消防活動を実施できるように3ケースに分けた仕様を想定する 以下にその具体的仕様を明記する 標準型 消火活動を主任務とし より多くの消火用水を搭載できるようにした仕様 与圧胴体型与圧室を装備し 捜索 救難 物資輸送など 多用途にも使える仕様 標準型をベースに床上に設置している床上タンク 泡剤タンクなどを取り除き 消火システム全体を床下に納める 消火システムが床下に有るため スペースの有効活用できる ただし消火用水の搭載量が標準型に比べ尐なくなる 航続距離型燃料搭載を優先して航続距離を延ばした仕様 標準型をベースに前方艇底タンクに水ではなく燃料を入れる燃料タンクに置き換え 捜索 救難 物資輸送など 多用途に使える ' 与圧室がないため 高々度を飛ばない想定 ( 消火システム構成の違いによる各消防飛行艇の仕様および共通の仕様を次に示す ( ア ) 消火システム構成の違いによる各消防飛行艇の仕様 項目 標準型 与圧胴体型 航続距離型 最大搭載水重量 約 15ton 約 10.7ton 約 8.8ton 最大泡剤搭載重量 約 0.9ton 約 0.7ton 約 0.5ton 与圧胴体 無 有 無 最大搭載燃料重量 約 10.9ton 約 10.9ton 約 14.4ton 航続距離 約 2,300km 約 2,300km 約 3,050km Ⅱ-31

99 ( イ ) 共通飛行性能 特性 仕様項目 緒元 1 巡航速度 370km/h 以上 2 *1 取水距離 ' 取水中も良好な方向制御が可能 ( 2,000m 以下 3 放水速度 ' 低高度でも放水が可能 ( 185km/h 以下 4 STOL 性能 有 5 最大離陸重量 最大着陸重量と等しいこと *1. 取水距離 : 進入高度 50ft 越え 取水 上昇高度 50ft 越えまでの距離 ( ウ ) 共通機体構造 仕様項目 1 空中消火作業に耐えうる機体強度 剛性を有する ( エ ) 共通諸系統 仕様項目 1 2 マンクルーシステム ( オ ) 共通消火用装備品 仕様項目 1 水または延焼阻止剤を搭載可能開閉式取水スクープを装備 2 ' 海 湖および河川にて取水可能 ( 3 水上滑走動圧を利用した取水システムを装備 4 制限重量を超えないための取水量制御システムを装備 5 現有地上設備と同規格の給水口を装備 6 複数放水ドアおよび開度制御などを装備 7 泡消火剤タンクおよび泡消火剤混合システムを装備 ( カ ) 共通電子装備品 仕様項目 1 航空管制および母基地と通信可能な無線機を搭載 2 他の航空機および地上の消防隊などと通信可能な無線機を搭載 3 遠距離通信用の無線機を搭載火災現場への進出および母基地への帰投を安全に行うために 4 必要な航法機器を搭載 Ⅱ-32

100 消火システムの機内レイアウトを図 図 に示す 通路 ' 幅 80cm( 床上水タンク 泡消火剤タンク 消火システム制御パネル オーバーフローダクト オーバーフローダクト 床上水タンク A 泡消火剤タンク 床下水タンク 放水ドア A 取水スクープ 図 標準型消火システムの機内レイアウト 隔壁 前方 フレーム 放水扉 フレーム フレーム キール チャイン 図 床下タンク構造様式 'A-A 断面 ( Ⅱ-33

101 イ. 多目的飛行艇 多目的飛行艇の各用途 離島医療 国土保全 海洋監視に十分と考えられる性能 特性 を有することとして 以下の共通仕様が挙げられる 共通飛行性能 特性 仕様項目 緒元 1 航続距離 約 4,500km 以上 2 巡航速度 約 480km/h 以上 3 巡航高度 約 6,000m 以上 4 与圧室 有 5 高耐波性 波高 3mの海面へ着水可能 6 STOL 性能 有 共通電子装備品仕様項目 1 航空管制および母基地と通信可能な無線機を搭載 2 他の航空機と通信可能な無線機を搭載 3 遠距離通信用の無線機を搭載離島への進出および母基地への帰投を安全に行うために必 4 要な航法機器を搭載 る また 各用途 離島医療 国土保全 海洋監視に特化した個別の仕様を次頁以降で述べ ( ア ) 離島医療 離島医療を実施するために必要な各種医療機器は 既に運用実績のあるドクターカー ドクターヘリに搭載する医療機器を参考に 以下の医療機器 設備を選定し搭載する Ⅱ-34

102 a. 飛行艇に搭載する医療機器医療機器名 1 ベッドサイドモニター 2 低圧持続吸引機 3 パルスオキシメーター 4 血液ガス分析装置 5 輸液ポンプ 6 シリンジポンプ 7 除細動装置 8 解析心電計 9 人工呼吸器 *1.pH: 血液の酸度の指標 *2.Po 2 : 血中酸素分圧 *3.Pco 2 : 血中炭酸ガス分圧 機器説明 血圧計 パルスオキシメーター 心電 計などのデータを同時にモニタリング する 口腔内または鼻腔の嘔吐物や血液な どの吸引を行う バッテリ内臓で持ち運び可能 プローブを指先や耳などに付けて 無侵襲に脈拍数と経皮的動脈血酸 素飽和度 (SpO 2 ) をモニターする 血液中の ph *1 Po *2 2 Pco *3 *4 2 電解質 およびヘモグロビン *5 ヘマトクリット *6 の測定が短時間で可能 振動による影響が尐ない電動式で移 動中も輸液の量をきめ細かく調節可 能 センサーにより気泡の検出も確実 に行える 流入速度や注入量を設定することで 正確に輸液を注入 / 回収することが可 能 傷病者の心室細動時に一時的に電 気ショックを与え正常な心拍機能を行 わせる装置 心臓で起きている様々な電気的興 奮 あるいは電気現象を記録する装 置 傷病者の呼吸の代替もしくは補助を する生命維持装置 *4. 電解質 : 血液中の Na Ca Cl Ca のイオン濃度 *5. ヘモグロビン : 赤血球に含まれる血色素の量 *6. ヘマトクリット : 血液中に占める赤血球の容積比率 Ⅱ-35

103 医療機器名 10 超音波診断装置 11 ショックパンツ 12 自動心肺蘇生装置 13 IABP' 大動脈内ハ ルーンハ ンヒ ンク 装置 ( 機器説明周波数の高い超音波を体に照射して跳ね返ってきた信号を画像にする装置 心臓 肝臓 腎臓などの診断が可能 出血性ショックの傷病者に対し 空気圧によって血管を圧迫し下半身への血流を制限することにより循環血液の中央化を図り 血圧を保持 上昇させる 骨折骨盤 大腿骨骨折時の止血効果または固定に用いられる 飛行中 揺れる機内でも一定のリズムで心臓マッサージが可能 長時間心臓マッサージを行う医療者にかかる負担を軽減 大動脈と呼ばれる心臓から出る太い血管内に風船を入れ 心臓の仕事量を減らす事の出来る装置 14 PCPS' 人工心肺装置 ( 血液が外気と接する事のない閉鎖回路を用い 静脈からカニューレと呼ばれる管を介して血液を導き 血液を全身に送る遠心ポンプと 静脈血を酸素化する膜型人工肺を経てカニューレから動脈へと送る装置 15 ポータブル X 線診断装置 X 線により人体を切開することなく体 内の様子を診断可能 Ⅱ-36

104 b. 飛行艇に搭載する医療用諸設備医療用諸設備名防振機能付手術用ベッド ' スライド可能 ( 医用資機材収納棚酸素ボンベ輸液ビンホルダー減菌カーテンクレーンおよびクレーン用天井レール収容 2 段ベッド折畳み収納型患者洗浄ベッド汚水タンク そして これらの医療機器を使用し治療行為を実施するには 以下の医療関係者の搭乗 が必要であり そのため 4 名分の座席を設置する c. 飛行艇に搭載するその他設備 医師 '1 名 ( 看護師 '1 名 ( 検査技師 '1 名 ( 救急救命士 '1 名 ( その他設備医師 看護師 検査技師 救急救命士 4 名分の座席 これらの医療機器 諸設備を機内に搭載する 図 に離島医療の機内レイア ウトを示す 飛行艇内を前部と後部の 2 つに分け 前部を医療設備搭載スペースとしての処 置室 後部を処置前の患者洗浄を行う洗浄室と設定する Ⅱ-37

105 出入口 洗浄室 前方 処置室 図 医療機器の機内レイアウト 患者の収容は 機体左側後方の出入り口に設けられたクレーンを用いて行う クレーンは機内の処置室までつながっており 患者は洗浄室を通り そのまま処置室へ収容できる 処置室には手術用ベッド 1 台と収容用の 2 段ベッドを設置し最大 5 人の患者を収容することが可能である また与圧室を設けることにより 機内は飛行中でも地上と同じような気圧を維持できるために 患者の精神や肉体的な負担を軽減することができる また与圧室のために従来の飛行艇やドクターヘリでは行えなかったシリンジポンプ 輸液ポンプを用いた持続的な薬剤投与が可能になる d. 処置室のレイアウト飛行艇の処置室には病院並みの高度な医療機器を搭載することにより 急性腹症や骨折などの外科的処置が行えるようになる そのため 処置室を常に衛生的で清潔な状態に保つための減菌カーテンで覆う 手術ベッドは手術が行いやすいように 左右にスライドさせて移動できるようにし さらに手術ベッドに防振機能装置を設置することで飛行中のベッドの揺れを軽減することが出来る ベッドを中央に移動させれば 空いたスペースに折り畳み収納型の座席の設置が可能なので 飛行中でも医療スタッフは患者の観察を行うことができる 処置室はこれまでのドクターカーやドクターヘリと違い広いスペースが使用できるため 医療スタッフの移動もスムーズになり より治療の効率が向上する 図 に処置室の詳細レイアウトを示す Ⅱ-38

106 医用資機材収納棚 15. ホ ータフ ル X 線診断装置 10. 超音波診断装置 クレーン用レール 9. 人工呼吸器 手術ヘ ット 11. ショックハ ンツ 収容 2 段ヘ ット 8. 解析心電計 クレーン酸素ホ ンヘ 12. 自動心肺蘇生装置 7. 除細動装置 21. 輸液ヒ ンホルタ ー 13.IABP 1. ヘ ット サイト モニター 2. 低圧持続吸引機 5. 輸液ホ ンフ スライト 用レール 防振機能装置 14.PCPS 折畳み収納型座席 3. ハ ルスオキシモニター 4. 血液カ ス分析装置 6. シリンシ ホ ンフ 図 処置室レイアウト e. 洗浄室のレイアウト減菌された処置室へ運ぶ前に患者の傷口消毒や付着した汚染物を除去する必要がある そのために洗浄できる設備を処置室の手前に設ける 洗浄室を想定したエリアには出入り口ドアがあるため 患者洗浄用のベッドは折畳めて移動できるようにする これにより 通常は出入り口付近での物資などの搬入作業や乗員の乗り降りの妨げとならないようにする また 洗浄時の汚水を一時的に貯めるタンクを設ける Ⅱ-39

107 ( イ ) 国土保全 機体要求の項で明確にしたグループ 1 の資機材 および作業要員の輸送が行えることが 必要である そのことを踏まえると 以下の仕様が必要となる 仕様項目グループ 1 の資機材搭載が可能な 5 トン以上の搭載能 1 力を有する 2 資機材固定のためのプロビジョンを有する 3 20 人以上の作業要員の輸送が可能 4 高耐波性ゴムボートを搭載 ' 機内展開可能なもの ( 物資および人員を輸送する際の各種レイアウトなど 図 に国土保全の機内 レイアウトを示す 簡易座席 着脱式座席 物資 人員輸送時 搭載ボート搬出入口 物資輸送時 搭載ボート搬出入口 人員 物資混載時 搭載ボート搬出入口 図 人員および物資の搭載パターン Ⅱ-40

108 ( ウ ) 海洋監視機体要求事項で明確にした海洋監視が行えることが必要である そのことを踏まえると 以下の仕様が必要となる 仕様項目 1 FLIR' 赤外線暗視装置 ( 装備 2 監視用レーダー装備 3 4 名分の捜査員座席 RWR' レーダ警戒装置 (,MAW( ミサイル接近警報装 4 置 ),ECM' 電波妨害装置 (, ミサイルかく乱装置 低視認性塗装への変更, 燃料タンク防爆化 図 に不審船からの攻撃に対して 回避するために必要な仕様例を示す 図 低視認性塗装例 図 に海洋監視の機内レイアウトを示す 監視員座席 海洋監視用機器の搭載エリア 搬出入口 レーダ 無線操作 員座席図 海洋監視レイアウト Ⅱ-41

109 ウ. 旅客飛行艇 機体要求事項で明確にした滑走路のないまたは短い離島への旅客 貨物輸送 特に羽 田 ~ 小笠原間で安全な飛行が可能となる仕様を以下に示す ( ア ) 飛行性能 特性 仕様項目 緒元 1 航続距離 約 4,500km 以上 2 巡航速度 約 480km/h 以上 3 巡航高度 約 6,000m 以上 4 与圧室 有 5 STOL 性能 有 ( イ ) 諸系統 装備品仕様項目 1 2マンクルーシステム乗客員数 約 40 名 2 ' 現 US-2 での搭乗可能な最大人数 ( ( ウ ) 電子装備品仕様項目 1 航空管制と通信可能な無線機を搭載他の航空機と通信可能な無線機を搭載 2 '1 機あたり2 台の無線機を搭載 ( 3 遠距離通信用の無線機を搭載 4 運行を安全に行うための航法機器を搭載 5 耐空性審査要領が要求する旅客用装備を搭載 6 その他 旅客の快適性のために必要な装備を搭載 Ⅱ-42

110 図 に旅客飛行艇の機内レイアウトを示す 非常口 ラバトリー ギャレー 客室乗務員用座席 座席 通路 非常口 貨物 出入口 ' 非常口兼用 ( 図 旅客飛行艇レイアウト Ⅱ-43

111 エ. まとめおよび今後の課題 今後 より具体的な詳細設計を行い成立性などを検証していく必要がある 以下に各機 体ごとに記述する ( ア ) まとめ a. 消防飛行艇航空消防の先進国である フランスを代表例として運用構想を検討 現在は森林火災監視および森林火災消火をそれぞれ別機体にて実施しているが 今後の運用変更も考慮に入れ両任務を1 機種で対応するのが望ましいと考える また 既存の基地 設備およびシステムを最大限活用し 効率的な運用を行い コスト低減につなげる 機体仕様としては現状の CL-415 と同等以上の性能を有していること そして森林火災監視および森林火災消火の両任務を 1 機種で対応でき 大容量放水が可能な仕様が必要である b. 多目的飛行艇 (a) 離島医療通報より1 時間以内で到達できる範囲内において ドクターヘリでは対応できない遠距離の離島を対象に飛行艇を運行し 医療支援を行う 高度な医療行為が可能な各種医療機器を搭載し 患者の輸送環境に適した機内環境を提供できる与圧システムが必要である (b) 国土保全現在の排他的経済水域 'EEZ( 保持のために 沖ノ鳥島へ飛行艇を運行し 船舶より効率的な経済活動を実施する 沖ノ鳥島での保全作業に適した資機材や作業員の輸送ができる必要がある (c) 海洋監視 日本近海での不審船対策として監視パトロールを実施する そのため遠距離からも監視 できるような海洋監視装備が必要である c. 旅客飛行艇 首都圏と航空機による直行便を持たない離島に対し飛行艇を運行し 離島振興を図る それに伴い旅客輸送に必要な装備 安全システムが必要である Ⅱ-44

112 ( イ ) 課題 a. 消防飛行艇項目 課題 概要 運用 多用途化 イタリア ポルトガルでの消防以外の任務 ' 捜索 救難など ( にも活用できる運用構想の明確化 要素技術 消火システム消火水タンクなどの詳細設計機体挙動放水後の機体の挙動確認 機体仕様 機動性航空消防に必要な機動性の確保低コスト化機体価格の低減 b. 多目的飛行艇 (a) 離島医療項目 課題 概要 運用 滑走路や揚陸用の滑走路の強度確認 スロープの設置など 更なるスロープの問題調査が必要 機体仕様 医療機器の確定 他装備品との電磁干渉の確認 (b) 国土保全項目 課題 概要 運用 船舶との共用運行 重量物運搬のための船舶との役割分担の明確化 機体仕様 搭載資機材の確定搭載資機材に合わせた床面補強 (c) 海洋監視項目 課題 概要 運用 不審船からの攻撃対処方法 不審船からの攻撃回避方法の検討 機体仕様 不審船からの攻撃回避装備 不審船からの攻撃回避装備の検討 c. 旅客飛行艇項目 課題 概要 運用 採算性 商用ベースとしての採算性の確認 機体仕様 安全確保 旅客輸送として安全が確保できるかどうかの実施計画が必要 Ⅱ-45

113 (3) 民間転用プロセスの検討軍や防衛省向けに開発された航空機の民間転用に関する規則と実例について 国内および海外の調査を実施した 国内では 防衛省が開発した航空機を民間転用した例は過去になく そのための規則も見当たらない 一方 米国やカナダには軍や防衛局が開発した機体を民間で運用する実例があり そのための規則も存在する ア. 日本日本国内には 後に述べる FAA' アメリカ航空局 ( や TCCA( カナダ航空局 ) の規定にあるような 軍や防衛省の要求に沿って製造 運用承認されたことを根拠として その航空機に民間承認を与える規定は定められていない ただし 民間承認審査の際 防衛省での開発時の技術資料の再活用について阻むものではないと考え その可能性を航空局に聞き取り調査を行い 以下のような回答を得た 調査項目民間承認審査の際 防衛省での開発時の技術資料の再活用について 回答下記条件が満たされれば 可能であるとの見解を得た 防衛省技術資料を活用する場合 技術資料に関する責任は機体会社 ' 型式証明申請者 ( が有する 試験結果に対して トレーサビリティとコンフォーミティ ' 試験要件との整合性 ( が立証できること Ⅱ-46

114 イ. 米国 米国の航空規則体系における軍用機の民間転用に関する記載を以下に示す FAR Part21 Certification Procedures for Product and Parts FAR Issue of type certificate: restricted category aircraft FAR Issue of type certificate: surplus aircraft of the Armed Forces Order C Type Certification Order Restricted Category Type Certification ( ア ) FAR Issue of type certificate: restricted category aircraft FAR では リストリクテッドカテゴリー航空機の型式証明の発行 が規定されている 特に (a) 項と (a)(2) 項では 米国軍の要求に沿って製造 かつ運用承認され その後 特殊目的のために改修された型の航空機であること を申請者が示したとき 特殊目的運用のためのリストリクテッドカテゴリーの型式証明が申請者に与えられる と規定される FAR Issue of type certificate: Restricted category aircraft (a) An applicant is entitled to a type certificate for an aircraft in the restricted category for special purpose operations if he shows compliance with the applicable noise requirements of Part 36 of this chapter, and if he shows that no feature or characteristic of the aircraft makes it unsafe when it is operated under the limitations prescribed for its intended use, and that the aircraft (1)( 略 ) (2) Is of a type that has been manufactured in accordance with the requirements of and accepted for use by, an Armed Force of the United States and has been later modified for a special purpose. (b)( 以下略 ) Ⅱ-47

115 ( イ ) FAR Issue of type certificate: surplus aircraft of the Armed Forces FAR では 軍の払下げ航空機の型式証明の発行 が規定されている 米国内で設計 製造され 米軍によって運用承認されて払下げ機と宣言され かつ適切な証明要求に適合することが証明されれば 各カテゴリーの航空機の型式証明を与えられる と規定されている ただし US-2 については払下げ機の民間転用は検討の対象としていない ( そのため 詳細な調査は省略する ) FAR Issue of type certificate: surplus aircraft of the Armed Forces (a) Except as provided in paragraph (b) of this section an applicant is entitled to a type certificate for an aircraft in the normal, utility, acrobatic, commuter, or transport category that was designed and constructed in the United States, accepted for operational use, and declared surplus by, an Armed Force of the United States, and that is shown to comply with the applicable certification requirements in paragraph (f) of this section. (b)( 以下略 ) ( ウ ) Order C Type Certification ここでは 型式証明の発行の手続きが記されている その第 6 章中の次の 4 項に に関して 詳細な解釈が記述されている (i) 6-2. Type Certification in Restricted Category, (ii) 6-3. Type Certification of Civil-Derived Aircraft (Restricted Category), 21.25(a)(1) (iii) 6-4 Type Certification of Military-Derived Aircraft (Restricted Category), 21.25(a)(2) (iv) 6-5. Establishing New Restricted Category Special Purposes, 21.25(b)(7) 'i(6-2. Type Certification in Restricted Category, 項では リストリクテッドカテゴリーの航空機は 特別目的の運用に限って型式証明が発行され 民間由来の航空機または軍用由来 (military-derived) の航空機があることを記している a. Civil-Derived Aircraft ( 略 ) b. Military-Derived Aircraft FAR 21.25(a)(2) で 軍用由来の航空機を 米軍の要求に基づき製造され 運用が承認された航空機と定義している また リストリクテッドカテゴリーとして満足のいく十分な運用実績を有していることを要求している なお この十分な運用実績として Order Restricted Type Certification に 具体的な期間が記載されている c. ( 以下略 ) Ⅱ-48

116 'ii( 6-3 Type Certification of Civil-Derived Aircraft (Restricted Category) ( 略 ) 'iii( 6-4. Type Certification of Military-Derived Aircraft (Restricted Category) 6-4 項は 米軍由来のリストリクテッドカテゴリー型式証明の発行に関する手続きについて記述されている a. Type Certification Requirements. この規定が米軍機にのみ適用される基準であって 米国以外の軍隊の機体には適用されないことが記述されている 米軍機のリストリクテッドカテゴリーへの転用に当たっては 当該型式の軍用機が リストリクテッドカテゴリーの型式証明を取得するのに十分な運用実績がなければならないとしている また 当該米軍機は米国外で生産されたものでも適用されるが 米軍の払下げ航空機であり 同 order の 6-2(c) ~ 6-2(j) の要求も満足しなければならないとしている b, c.( 略 ) d. Aircraft Modification 軍用由来の機体の改修について記述されている 特殊な運用のために改修を行う場合は民間の耐空基準に従って行う必要があり FAA はこれを承認しなければならないとされている e. Required Data 申請者が提示しなければならないデータが示される 必要データを以下に示す - 航空機の完全な改修記録 - 元の認識板 ' 米軍払下げ機の場合 ( - 技術指示書 - 消耗部品の現状リストを含む修理取扱説明書 -フライト マニュアル - 構造修理取扱説明書 -パーツカタログ - 該当する耐空性改善通報または軍における同様の書類 - 航空機 エンジンおよび装備品のための ICA 以上 9 種類の書類が必要で 航空機はこれらのデータに適合している必要があるとされる f.( 以下略 ) Ⅱ-49

117 ( エ ) Order Restricted Category Type Certification ここでは 米国での FAA によるリストリクテッドカテゴリーの型式証明の発行の方法が記される 特に Order8110.4C Type Certification を補完し に基づくリストリクテッドカテゴリーの型式証明の責任や手続きを詳細に記すものである (i) Chapter4 Type Certification of Military-Derived Aircraft in Restricted Category, FAR21.25(a)(2) 4-2.Type Certification Requirements All Aircraft a.( 略 ) b. Military-Derived Aircraft 軍用由来の航空機は 米国軍の払下げ航空機か または FAA の製造承認に基づき 原製造者 ( もしくはそのライセンサー ) によって製造される新造機であることが示されている c.( 略 ) d. Satisfactory Service History 軍用航空機が民間のリストリクテッドカテゴリー認証が考慮されるためには 米国軍による十分な運用実績が必要であり 納入から型式証明の申請日までに最低 10 年間の運用が必要である e.( 以下略 ) Ⅱ-50

118 ( オ ) 米国の民間転用機例 米国における軍用機の民間転用の実例を調査した a. 軍用機 C-130 シリーズの民間転用例 C-130 シリーズはロッキード マーティン社が開発した戦術輸送機 1954 年に初飛行し 1956 年に米軍配備が開始された (a) L-382 C-130A~ から改造した ロッキード マーティン社が改造した (b) HP-C-130A C-130A から改造 ホーキンズ& パワー社が米空軍 C-130A 払下げ機を改造した 消防機として運用する際は積下ろし可能なタンク システムを装備する (c) L-100 貨物輸送機 C-130A~ から改造 ロッキード マーティン社が改造した (d) HC-130H / C-130AEW C-130A~から改造した HC-130H はロッキード マーティン社が C-130AEW はロックウェル インターナショナル社がそれぞれ改造した b. 軍用機 P-3 シリーズの民間転用例 P-3 シリーズはロッキード マーティン社が開発した対潜哨戒機 1958 年初飛行し 1962 年に P-3A として米軍配備が開始された (a) P-3A 消防機 対潜哨戒機 P-3 から改造した エアロ ユニオン社が米軍対潜哨戒機 P-3A 払下げ機を改造した Ⅱ-51

119 c. 軍用機 S2 の民間転用例 た S2 はグラマン社が開発した艦載哨戒機 1952 年に初飛行し 1954 年に配備が開始され (a) 消防機 Firecat コンエアー社が艦載哨戒機 S2 の払下げ機を改造した d. 軍用機 C-17 の民間転用機 ( 開発中断中 ) C-17 はボーイング社が開発した軍用輸送機 1991 年に初飛行した (a) MD-17 ボーイング社が C-17 をベースに 民間輸送機として開発を開始した FAA にトランスポート カテゴリーの型式証明が申請されたが 現在はプロジェクトが中断されている STOL 性能を有しており 審査基準の補完のため 特別要件が発行された Ⅱ-52

120 ウ. カナダ カナダの航空規則体系における防衛機の民間転用に関する記載を以下に示す また カナダでは 運輸省に置かれた Aeronautical Act が民間航空局と軍を統合し監督している Subpart 11 - Approval of the Type Design of an Aeronautical Product Issuance of a Type Certificate AC Certification of Large Aeroplanes in the Restricted Category, Used for Special Purpose Operations ( ア ) CAR Issue of type certificate ここでは 型式証明の発行 が規定される 特に (5)(b)(ii) 項では 防衛局の要求に沿って製造 かつ運用 承認され その後 特殊目的のために改修された型の航空機であること を申請者が示したとき 特殊目的運用のためのリストリクテッドカテゴリーの型式証明を大臣が発行する と規定されている Issue of Type Certificate (5) The Minister shall issue a type certificate in respect of an aircraft in the restricted category for special purpose operations within the meaning of section of the Airworthiness Manual if the applicant demonstrates that (a) ( 略 ) (b) the aircraft (i) ( 略 ) (ii) is of a type manufactured in accordance with the requirements of, and accepted and used by, the Department of National Defence and has been modified for a special purpose operation. ( イ ) AC Certification of Large Aeroplanes in the Restricted Category, Used for Special Purpose Operations ここでは 特殊目的運用のリストリクテッドカテゴリー航空機の認証要求について記される 3.0Background の章の後半で 当該航空機が 国防省の要求に沿って製造され 運用承認され かつ 特別目的運用のために改修された型式であれば 型式証明が発行されると CAR511.11(5)(b)(ii) は述べる と規定される また AC の Appendix A に 消防用航空機の証明のための追加要求が記載されている Ⅱ-53

121 ( ウ ) カナダにおける軍用機の民間証明取得体制カナダでは 運輸省に置かれた Aeronautical Act が民間航空局と軍を統合し監督している 民間航空局と軍組織が並行して存在しており 軍用機に対して民間航空基準が必要な場合 軍での運用実績および軍の証明があれば 民間航空局もそれを受け入れることができるため 民間転用が可能となっている ' 承認手順については図 参照 ( 軍用機の S2 を消防機に転用した手順については 本組織が統括し 機体はミルスペックをベースに耐空性を承認し 消防用改修は TCCA が STC を発行した ( カスケード社聞き取り調査結果 ) AA (Aeronautical Act) Ministry of Transport TCCA Military Civil Certification (Additional Restricted Operation) Use of Military Spec (Only Aircraft used in Canada) Verification 図 カナダの航空機の管理組織および民間転用機の承認手順 エ. まとめ防衛省機 US-2 を民間転用することを目的に 関連する航空規則の調査を行なった 米国 カナダでは 軍用機などの民間転用に関する規則が定められ 軍での設計 製造 運用実績を考慮して民間での耐空性審査の一部を簡略化する制度があることを確認した 日本では 防衛省に承認されたことを根拠として その航空機に民間承認を与える規定は定められていない ただし 防衛省で実施の試験結果のトレーサビリティとコンフォーミティ ' 試験要件との整合性 ( が立証できれば 民間承認審査の際に防衛省開発時の技術資料の再活用が認められ得ることを確認した Ⅱ-54

122 (4) 耐空性の検討消防機などの特殊な運用を目的とする航空機に関する規則について国内および海外の調査を実施した 国内では特殊用途機に対する規則は見当たらない 一方 海外では消防機を含む特殊用途機に対する規則が存在する また US-2 の特長の一つである STOL に関する基準についても調査を実施した ア. 米国米国の航空規則体系では特殊用途機に関する記載は以下の 3 つがある FAR Issue of Type Certificate : restricted category aircraft Order8110.4C Type Certificate Order Restricted Category Type Certificate FAR Part21 Certification Procedures for Product and Parts FAR Issue of type certificate: restricted category aircraft Order C Type Certification Order Restricted Category Type Certification FAR では リストリクテッドカテゴリー航空機の型式証明の発行 が規定されている 特に (a) 項と (a)(2) 項では 米国軍の要求に沿って製造 かつ運用承認され その後 特殊目的のために改修された型の航空機であること を申請者が示したとき 特殊目的運用のためのリストリクテッドカテゴリーの型式証明が申請者に与えられる と規定されている Order8110.4C の第 6 章には リストリクテッドカテゴリー航空機の型式証明の発行手続きが記されており また Order は Order8110.4C を補完し に基づくリストリクテッドカテゴリーの型式証明の責任や手続きを詳細に記すものである 各規定の詳細は '3( イ. 項に示す Ⅱ-55

123 イ. カナダカナダの航空規則体系における特殊用途機に関する記載を以下に示す Subpart 11 - Approval of the Type Design of an Aeronautical Product Issuance of a Type Certificate AC Certification of Large Aeroplanes in the Restricted Category, Used for Special Purpose Operations CAR (5)(b)(ii) 項では 防衛局の要求に沿って製造 かつ運用 承認され その後 特殊目的のために改修された型の航空機であること を申請者が示したとき 特殊目的運用のためのリストリクテッドカテゴリーの型式証明を大臣が発行する と規定されている また AC では 特殊目的運用のリストリクテッドカテゴリー航空機の認証要求について記されている AC の詳細は '3( ウ.( イ ) 項参照 ウ. 日本耐空性基準への適合性検討日本の航空規則体系では現在のところ特殊用途機に関する規則は存在しない なお 耐空性基準 US-2 を防衛省機から民間転用するにあたって 必要となる改修項目 作業規模を算出し事業性検討に資することを目的に 防衛省機 US-2 の民間耐空性基準への適合性検討を行なった 耐空性基準は 耐空性審査要領 飛行機輸送 T 類 'H18 年現在 ( とした 適合性検討は 耐空性審査要領の各項目ごとに ジェーン年鑑などで得た各種機体情報および推定したミルスペックの設計要求事項を基に 適合可能性の検討を実施した 従って 詳細な適合性については 防衛省技術資料による検討が必要である 適合性検討の概要を表 に示す 適合性検討の結果 適合可能性のある項目数は全体の約 40% である 表 耐空性審査要領 T 類との適合性検討概要 項目 項目数 例 総数 373 適合可能性有 141 艇体 エンジン プロペラ 艇体 消火系統など 不適合 57 最小操縦速度 与圧室 高揚力装置など 適用外 48 非常着水装置など 要検討 125 鳥衝突 ' 風防以外 ( 安全性など Ⅱ-56

124 エ. 海外の STOL 基準米国では STOL 性能を有する民間航空機 MD-17 が計画され その審査に用いられる特別要件が発行された また VTOL 性能を有する航空機 BA609 が計画され その審査に適用される新たな基準案が議論されている これについて調査した ( ア ) STOL 機または VTOL 機に関する基準 STOL 機または VTOL 機に関する米国の基準 ( 基準案含む ) およびその特徴を表 に記す MD-17SC(Special Condition) は STOL 性能を有する MD-17 を対象に設定された特別要件である MD-17 では エンジン推力による揚力増強効果を考慮した失速速度を新たに定義し 離着陸性能の評価に用いている FAR PART XX は STOL 機のみならず 計画中の BA609 など VTOL 機を含めたパワード リフト機全般を対象に設定された基準案である FAR PART XX では 機体特性に合わせた最低飛行速度を型式証明の申請者が設定し 離着陸性能の評価に用いている 表 米国の STOL VTOL に関する基準 Ⅱ-57

125 ( イ ) MD-17SC および FAR PART XX MD-17SC および FAR PART XX では 離陸 着陸 操縦性およびトリムについての要求が FAR PART 25 と異なる 離着陸に関する基準の相違は 失速速度に関する基準の相違が主な理由である 操縦性とトリムに関しては 失速速度の見直しにより拡大した飛行速度範囲を全てカバーするための付帯的な相違である MD-17 SC および FAR PART XX の FAR PART 25 との相違点を図 に示す 次項に MD-17SC および FAR PART XX の (1) 失速速度 (2) 離陸速度要求 (3) 着陸速度 風に対する安全余裕要求を記す *1: エンジン推力による揚力への寄与を考慮した パワーオン状態における失速速度 *2:STOL 性能を実現するために 積極的に変更される項目 *3: 他項目の変更に伴う基準の不足を補完するために 付帯的に変更される項目図 MD-17 SC および PART XX の FAR PART25 との相違点 Ⅱ-58

126 オ. 新基準の動向 ( 耐雷 耐 HIRF に関する新基準 ) 近年米国では 航空機の耐環境性 ( 耐雷性 耐 HIRF 性など ) が議論されており 安全性向上のため FAA では新たな基準制定の動向にある 関連する新基準案や AC 案を調査した ( ア ) 耐雷関連耐空性基準の調査 1990 年代に耐雷に関する FAA の耐空性基準が新規追加され 'FAR ( 関連する AC や関連民間規格も多数発行された また 同じ時期に軍用規格でもそれまでの規格を廃止し 前述の民間の規格文書を参照する形で新規格が発行された これらは US-2 開発当時には考慮されていないものと考えられ 設計基準や適合性証明を見直す必要性が高いと考えられる そのため US-2 に適用されたと推察される ( 開発当時の ) 軍用スペックと現在有効な民間スペック (2006 年 12 月時点 ) の差異を調査 比較することで 設計 試験の見直しが必要となるかどうかを検討した 最新民間スペックと US-2 開発当時の軍用スペックの相違点を表 にまとめる US-2 を民間機転用する場合に必要となる作業としては まず 新しい民間スペックに従った US-2 の被雷ゾーンを定義する必要がある 被雷ゾーンの差異や各ゾーンの雷環境の差異により US-2 の現状の設計では要求を満足しない場合は必要に応じ設計の見直しがなされなければならない 適合性の証明にあたり 試験により民間要求への適合性を証明する場合は FAA の認証を得た試験計画に基づいた試験を行う Ⅱ-59

127 表 耐雷関連耐空性基準の比較 Ⅱ-60

128 ( イ ) 耐 HIRF 関連耐空性基準の調査 HIRF( 高強度放射電磁界 ) とは 航空機が通常の運用時に遭遇する可能性のある電磁波の強度 'V/m( を定義したものである 近年の航空機は電子化が進む一方 レーダーや放送局など 強い電磁波を発する送信機の数が増えてきており 航空機に搭載された電気 電子システムが電磁波 ' すなわち HIRF( により故障 或いは誤作動を起こし 飛行安全に悪影響を及ぼす可能性が増しており 実際に HIRF による事故や誤動作が確認された事例も発生している そのため 現在の型式証明取得には HIRF に対する耐性が要求されている 欧米で HIRF に関する規則制定の活動が始まったのは 1987 年からで 現在の HIRF が定義されたのは軍用機 民間機共に 1997 年である US-2 の開発当時には HIRF の規定が存在していなかったため US-2 民間機転用における HIRF 規則適合性検討については 新規に検討する必要がある 表 に HIRF を規定している米国政府機関の規則の一覧を示す 表の左側には 民間航空機用の規則を 右側の列には軍用機用の規則を示した これらの規則では 航空機の電気 電子システムが定められた電界強度に曝されても悪影響を受けないことが要求されている 民間航空機の HIRF に関しては FAA の AC 20-HIRF(2006 年時点ではドラフト版 ) に記された方法に従って HIRF 規則に適合していることを示せば耐空性証明の認可を得ることができるとされている FAA の HIRF に関する正式な規則は 2006 年時点ではまだ制定されていないが FAA は 1987 年から個々の機体に対して HIRF に関する特別要件を発行し その中で HIRF 環境を定義し その環境に適合することを要求している HIRF 適合性証明の実例としては 現状はすべてこの特別要件が適用されている また 機体全体を使った HIRF 試験については日本国内では実績がないが 海外ではそれを専門に行う会社 (QinetiQ 社 ' 所在地 :Farnborough, UK( と BAE SYSTEMS 社 ' 所在地 :Warton, UK() が存在する Ⅱ-61

129 表 HIRF に関する民間規則と軍用規則の比較 Ⅱ-62

130 カ. まとめ ( ア ) 消防機の耐空性基準日本 米国 カナダの消防機など特殊目的運用に関わる規則を調査し その耐空性基準は 特殊目的運用のための安全性を十分に確保することなどとされるが 具体的には日本 米国 カナダ各国によって異なることを確認した その中ではカナダの耐空性基準が 消防機の耐空性基準を比較的詳細に規定していることを確認した ( イ ) 耐空性基準への適合性検討 US-2 を防衛省機から民間転用するにあたって 必要となる改修項目 作業規模を算出し事業性検討に資することを目的に 防衛省機 US-2 の民間耐空性基準への適合可能性検討を行なった ただし データ開示がなされていない現状では その根拠資料を公開文献としたため 詳細な適合性については 防衛省技術資料による検討が必要である 今回の適合性検討結果から 適合可能性のある項目数は全体の約 40% である ( ウ ) STOL 耐空性基準米国には STOL 機または VTOL 機に関する基準 ( 基準案含む ) として MD-17SC(Special Condition) と FAR PART XX があり MD-17SC は STOL 性能を有する MD-17 を対象に設定された特別要件であり エンジン推力による揚力増強効果を考慮した失速速度を新たに定義し 離着陸性能の評価に用いていることを確認した FAR PART XX は STOL 機のみならず 計画中の BA609 など VTOL 機を含めたパワード リフト機全般を対象に設定された基準案であり 機体特性に合わせた最低飛行速度を型式証明の申請者が設定し 離着陸性能の評価に用いていることを確認した ( エ ) 新基準の動向 ( 耐雷 耐 HIRF に関する新基準 ) 耐雷に関する FAA の耐空性基準が 1990 年代に新規追加され 'FAR ( 関連する AC や関連民間規格も多数発行された また 同じ時期に軍用規格でもそれまでの規格を廃止し 前述の民間の規格文書を参照する形で新規格が発行された US-2 開発当時の耐雷に関する軍用基準と民間基準には要求の相違があり 民間転用時には十分な検討が必要である HIRF に関する規則制定の活動が欧米で始まったのは 1987 年からで 現在の HIRF が定義されたのは軍用機 民間機共に 1997 年であり また 一般に軍用基準の方が高い電解強度が定められている しかしながら US-2 開発当時にはまだ基準が存在していなかったため 民間転用時には民間転用時には新規に検討を行う必要がある Ⅱ-63

131 (5) 消火技術の検討 ア. 他機例調査 消火システムの検討にあたり 既存の消防機の消火システムを調査した 代表例を表 に示す 表 消防機の消火システム例 CL-415 Be-200 S2T 搭載水量 'l( 6,130 12,000 3,400 取水 ' 給水 ( 能力 時間 :12 秒 時間 :14 秒 給水時間 :120 秒 速度 :75kt 距離 :1,340m 速度 :100kt 距離 :1,450m システム概要 4 分割タンク 4 枚ドアコンピュータによる放水制御 不詳 3 つの放水パターンを選択可能 イ. 消火システム構想設計 ア. 項で設定した要求仕様に基づき 消火システムの構想設計を行った ( ア ) システム概要 US-2 消防飛行艇の消火システムは取水系統 放水系統 泡剤混入系統 水タンク系統及び制御系統からなる 取水 放水の手順等はフランス航空消防隊における消防飛行艇 'CL-415( の運用方法をベースにした 設定した運用方法に基づき取水 放水系統機能を設定し システム構成 主要構成機器を検討した 消火システムの諸元 ' 案 ( を表 に示す また図 に消火システムの概要図を 図 にシステム系統図を示す 表 US-2 消防飛行艇消火システム諸元 ' 案 ( 項目諸元備考 最大搭載水量 15 ton 床下タンク : 12 ton 床上タンク : 3 ton 取水速度低速取水 :30kt ( 安全性高 ) 高速取水 :70kt ( 取水時間短 ) 取水スクープ m 2 2 箇所 ' 艇底下部 左右に一箇所ずつ ( 放水扉 8 枚 ' 前 4 枚 後 4 枚 ( 放水モード一斉放水 ' 前タンク 後タンク 前後同時 ( 一定流量放水 ' 前タンク 後タンク 前後同時 ( 消火活動を主任務とし より多くの消火用水を搭載する 低速取水 :PS-1 による取水実績有り高速取水 :CL-415 と同様な高速滑走での取水取水距離 :740m 合計取水距離 '50ft 越え (:1450m 強度確保のため 前後 左右の各タンクに 2 枚ずつとする ドア開放速度最大でドアを開放する ドア開放速度を制御して流量制御を行う 前タンクドア 後タンクドアは 4 枚一組で開閉 Ⅱ-64

132 オーバーフローダクト 4 前方床上タンク泡剤混合装置 2 後方床上タンク 取水配管 ' 後方タンク用 ( 泡剤タンク 2 FWD L/H 通路 ' 幅 80cm( 上面 ' 床上 ( 取水配管 ' 前方タンク用 ( UPR オーバーフローダクト 4 泡剤混合装置 2 FWD 前方床上タンク 泡剤タンク 2 床面 後方床上タンク 前方床下タンク 取水配管 放水ドア開閉アクチュエータ 8 後方床下タンク 取水スクープ開閉アクチュエータ 2 放水ドア開閉リンク 放水ドア 8 側面 取水スクープ 2 床上タンクオーバーフローダクト 取水配管 泡剤タンク 放水ドア 8 取水スクープ 2 混合装置 2 FWD L/H 床下タンク 床面 底面 UPR L/H 放水ドア 8 ステップ 図 消火システム概要図 断面 放水ドア開閉リンク 放水ドア開閉アクチュエータ 8 Ⅱ-65

133 コラム / ホイール放水 SW 制御パネル取水スクープ開閉 SW 機体データ 燃料重量 機速 ' 対水速度 ( 取水量制限のため 水タンク (15000m 3 ) 水量計 ( 前タンク 後タンク ) 放水モード選択 SW サイドゲージ ' 前タンク 後タンク ( 泡剤濃度設定 SW 泡剤混合 SW 取水量設定 SW 非常放水ドア開閉 SW 非常取水スクープ閉 SW 消火システム コントロール ユニット 泡剤混合システム 泡剤タンク (1350m 3 ) 液量計 取水配管 統合計器 (ND) 設定取水量 取水スクープアクチュエータ 取水スクープ 2 水量 ( 前タンク 後タンク ) 取水スクープ CLOSE 検知センサ 重量確認 OK/EXCESS 泡剤残量 放水ドアアクチュエータ 放水ドア 8 泡剤設定濃度放水ドア OPEN/CLOSE 放水ドア CLOSE 検知センサ 取水スクープ OPEN/CLOSE 図 システム系統図 Ⅱ-66

134 ( イ ) 機能概要 消火システムの取水 放水機能の概要を表 及び表 に示す a. 取水機能 最大離水重量超過防止のため 取水系統は目標取水量を超過しないロジックを持つ ものとする 故障等により目標取水量を超過した場合は警報を出すものとする 取水量設定 取水スクープ OPEN 取水 取水量 = 設定量 取水スクープ CLOSE 取水量 設定値 離水 表 取水機能概要 チャート手順備考 非常取水スクープ CLOSE 取水量設定 SW より取水量を入力する ' 手動 ( 最大離水重量を越えないように制限する ' 自動 ( 取水スクープ開閉 SW により取水スクープを開く ' 手動 ( 水量計により取水量を計測 ' 自動 ( 取水量が設定値に達したらスクープ閉じる ' 自動 ( スクープの開閉状態をセンサで検知し制御パネル上に表示する ' 自動 ( 故障によりスクープが閉じない場合は非常スクープ閉 SW により閉じる ' 手動 ( 取水量が設定値を越えていないかをシステムが判断する ' 自動 ( 越えていなければ OK を制御パネルに表示する ' 自動 ( 越えている場合は EXCESS を制御パネルに表示する ' 自動 ( OK の表示を確認し離水を行う ' 手段 ( 最大取水可能量を計算するため燃料系統より残燃料データを取り込む スクープの閉時間は 1.5sec とし その間の最大流入量 1ton を見込んで閉コマンドを出すものとする 水量計故障時における代替確認手段としてタンクにサイドゲージを設ける 停止 放水ドア OPEN 放水 水上非常放水 ' 取水量が設定値を越えた場合 ( EXCESS を確認したら水上滑走を停止する ' 手動 ( 水上で放水 SW により放水ドアを開くことで喫水線の位置まで放水を行う ' 手動 ( 最大重量時 ' 燃料満載 ( における喫水線までの放水後の離水の可否 重量的に離水が不可能であれば ポンプ等による排出の検討を行う必要あり Ⅱ-67

135 b. 放水機能 放水モードを選択した後に放水 SW により水を放水するものとする システムがタンク内水量をモニタし放水が終了するとドアが自動で閉じるものとする 泡剤濃度設定 泡剤混合 放水モード選択 表 放水機能概要 チャート手順備考 泡剤濃度設定 SW により泡剤濃度を設定する 泡剤混合 SW により水タンクに泡剤を投入する ' 手動 ( 放水モード選択 SW により放水モードを選択する ' 手動 ( 泡剤混合装置は水量計とインターフェースをとり水量に応じて適量を投入する 放水モードは 一斉放水 一定流量放水 及びタンクの選択 ' 前 後 BOTH( ができるものとする 一定流量制御はドア開速度の切替により実現する 放水ドア OPEN 非常放水ドア OPEN 放水放水ドア CLOSE 上昇 CLOSE 確認 放水 SW により放水を開始する ' 手動 ( 故障により放水ドアが開かない場合は必要に応じて非常放水ドア開閉 SW により放水を行う ' 手動 ( 統合計器の水量表示により放水が行われていることをモニタする ' 目視 ( 放水が終了すると放水ドアが閉じる ' 自動 ( 上昇する ' 手動 ( 統合計器のドア状態表示により放水ドア CLOSE を確認する ' 目視 ( 放水 SW は操縦桿に設ける 放水ドアアクチュエータは油圧ラインを二重化 ' 通常油圧系統と非常油圧系統 ( し故障に対応する 非常放水ドア開閉 SW により放水途中でドアを閉じることができるようにする 完了 非常放水ドア CLOSE 非常放水ドア開閉 ' ドア CLOSE しない場合 ( 故障等によりドア CLOSE しない場合は非常放水ドア開閉 SW によりドアを閉じる ' 手動 ( Ⅱ-68

136 ウ. 機体性能の検討 ( ア ) 機体性能の考え方 US-2 消防飛行艇の性能のうち 飛行性能 離着陸 / 離着水等の一般性能は US-2 と同等であるとし 放水性能 取水性能は公刊資料から推定する 以降に取水性能の放水性能の推定結果を示す ( イ ) 取水性能 US-2 消防飛行艇の取水プロシージャを図 に示す また 他機との取水性能比較を表 に示す 取水量については CL-415 の 6ton に対し US-2 消防飛行艇は 15ton であり 2.5 倍の取水量を持つ 50ft 接水 取水 (15ton) 740m 取水完了 離水 50ft 1450m 取水距離 '50ft 越え ( 図 US-2 消防飛行艇の取水プロシージャ 表 取水性能比較 US-2 消防飛行艇 CL-415 Be-200 取水量 15ton 6ton 12ton 取水距離 ' 接水 ~ 取水完了 ( 740m 410m 不詳 取水距離 '50ft 越え ( 1,450m 1,340m 1,450m 取水時間低速取水 :48s 高速取水 :21s 12s 14s 滑走速度低速取水 :30kt 高速取水 :70kt 75kt 100kt Ⅱ-69

137 総放水量 (ton) ( ウ ) 放水性能 US-2 消防飛行艇の 1 日 '8 時間 ( 当りの総放水量 放水回数を推算した 図 に US-2 消防飛行艇と CL-415 の放水性能比較を示す これより US-2 消防飛行艇は CL-415 に対し 2 倍以上の放水性能を持つことがわかる US-2 CL 時間 (min) 消火時間 :8hr 基地 - 火災区域 :74km 火災区域 - 取水区域 :9.3km 図 放水性能比較 エ. 運用方法の検討 ( ア ) 諸外国における消火活動の現状 各国の消火活動体制 ' 消防機の種類 他部隊との連携 消火活動時間 ( を以下に示す a. フランスの現状 フランスでは 監視 初期消火用の小型陸上機 ' S-2F( 防火帯用の中型陸上機 'DHC-8( 直接消火用の飛行艇 'CL-415( が運用され 近年では焼失面積が減尐し効果 を上げている 特に 監視 初期消火飛行を重要視し力を入れている 各機体の役割を表 に示す 表 各機体の役割 機種名主任務副次任務備考 CL-415 直接消火 GAAR 防火帯作成 Tracker S2F GAAR ' 遅延剤搭載 ( 直接消火 防火帯作成 Dash-8 防火帯作成 GAAR 資機材および人員の搬送 ヘリコプター 急患搬送 救急隊 救急資機材の搬送 監視 連携 捜索救難'SAR( 消火活動 日没から夜明けまで放水禁止 ' 夜間移動は可能 ( 1 人あたり放水は 1 日に 60 回まで 日没から夜明けまで放水禁止 1 人あたり放水は 1 日に 60 回まで 日没から夜明けまで放水禁止 1 人あたり放水は 1 日に 60 回まで Ⅱ-70

138 フランスの基本的な航空消防戦術を図 に示す S2F による監視飛行において火災を発見した場合 火災が小規模の内に初期消火を行うことができる ' 左図 ( ある程度の大きさになった火災は基本的に Dash-8 で防火帯を延焼部片側側面部に敷設し CL-415 で反対の側面部付近から延焼部を削り取っていくように直接消火を行う ' 右図 ( 延焼方向 延焼方向 遅延剤 遅延剤 :S2F の軌道 :Dash-8 の軌道 :CL-415 の軌道 図 フランスの航空消防戦術 泡剤または水 : 遅延剤を散布した場所に泡剤や水を散布すると遅延剤が洗い流されてしまうためそれぞれ違う場所に散布する b. アメリカの現状アメリカの航空消防では大型消防機による延焼防止を目的とした大規模な間接消火が主体となっている これはこの地域がもつ特徴や気象条件などによって火災の発見および初期消火が困難になっている結果であると考えられる 地域の特徴として以下のことが挙げられる 国土が非常に広くカバーしなければならないエリアが広い 人口密度が低い 雷が発生しやすい地域で 落雷が原因で火災が同時多発的に発生することがある 人口が尐ない内陸部で野火が発生した場合 火災が発見されにくい アメリカ航空消防における航空機の種類と役割を以下に示す Ⅱ-71

139 c. 航空消防におけるキーファクター 消火活動を調査した結果 国によって消防戦略に違いはあるものの 消火活動に使用す る機体の種類とその役割については下表に示す通りである 機体の種類 役割 備考 消火システムを備えた飛行艇 直接消火 主に欧州で運用 消火システムを備えた陸上機 防火帯作成監視 初期消火 監視 初期消火は主にフランスで実施 消火システムの無い陸上機 ' 小型 ( 火災エリアの管制消防機の誘導 ヘリコプター 直接消火防火帯作成火災エリアの管制消防機の誘導 消防機での消火が困難な場所等での消火活動 また 火災の現場においては地上部隊 ' 消防車等 ( も出動しており これら地上部地との 連携も消火戦術上重要である 消火活動の概念図を以下に示す 以上のことを踏まえ 航空消防におけるキーファクターを以下に示す (a) 消防 = 予測 監視 消火戦術統計や気象条件などのデータから火災発生地域をできる限り正確に予測し 監視によって早期に火災を発見することで被害を最小限に抑えることができる また 初期消火後も実績に基づいた適切な戦術を用いることで効果的な消火活動を行うことができる Ⅱ-72

140 (b) 即応性出火してから何分以内で消火活動を開始できるかという即応性も 被害の大きさに影響する フランスでは 10 分以内の初期消火が延焼防止に効果的で尐ない消火剤での消火が可能であるとしている (c) 連携大規模な林野火災では消火は航空消防部隊のみで成し遂げられるものではなく 地上部隊との連携が必須である 実績に基づく戦略および戦術を用いると共に 他の消防部隊と密に連絡をとりあい的確な連携をとりつつ消火活動を行うことが重要である (d) 有効散布密度消防機には目的に応じて最適な放水 ' 下図参照 ( を行う能力が求められる Ⅱ-73

141 ( イ ) 放水方法の検討現在フランスで行われている消火方法は 火災地域が山地や渓谷といった起伏の多い地形であるため 低高度での激しい運動を伴う放水を行っている このことがフランス航空隊において事故損耗率が高い原因の1つであると考えられる このため US-2 消防飛行艇では高高度からの放水を想定し 安全性を確保する ' 図 参照 ( 90kt 高い安全性 30m 105kt 6ton 15ton 80m ' ( 散布密度解析により最適な放水条件を決定する 図 高高度からの放水イメージ ( ウ ) 散布密度解析高高度からの放水の妥当性を確認するため CFD による放水シミュレーション解析モデルを構築し 解析モデルの検証のため 消火タンク模型を製作し風洞内で水を投下し散布密度を計測する試験 ' 風洞放水試験 ( を実施した ' 図 図 参照 ( 解析 試験 図 風洞放水試験 図 試験と解析の比較 Ⅱ-74

142 (6) 事業計画 る 欧州の中でも 航空消防の先進国であるフランスでの運用を想定し 事業計画を検討す ア. 開発計画 US-2 はすでに防衛省機として開発された機体であるため民間転用における主な開発項目は以下のものである 型式証明 (TC) の取得 標準機 ' グリーン形態 ( から各用途 ' 消防, 多目的, 旅客 ( への機体改造本項では US-2 民間転用開発に関連する TC 取得方法について調査 検討をする ( ア ) TC 取得までのフロー TC 取得までの関連作業のフローを図 に示す TC 取得および関連作業 装備品メーカーの作業 事業化決定 設計検査認定の申請 US-2 民間転用事業主体 TA SA の申請 TC の申請 審査対象 基準の設定 設計検査認定の取得 整備士資格の準備 操縦士資格の準備 TA SA の取得 製造検査認定の申請 TC 審査 製造検査認定の取得 試作機の製造 TC 取得 操縦士資格の設立 図 TC 取得までの関連作業のフロー ( イ ) 消防飛行艇の審査基準の考え方 TC 審査の前に US-2 消防飛行艇の審査基準を設定する必要があるが その基準としては 耐空性審査要領 T 類をベースに FAR PART25 に示されている STOL に関する暫定基準および STOL に関する MIL 規格と CAR PART V に示されている消防機に関する基準を組み合わせることが考えられる 消防飛行艇の審査基準の考え方を図 に示す Ⅱ-75

143 日本 USA CANADA EU 防衛省消防飛行艇 (US-2) の審査基準消防機に該当しない項目 耐空性 FAR CAR EASA SD-24 審査要領 PART V PART21 PART 25 T 類 Sub Part 25 CS-25 T 類ベース の基準 STOL に関する暫定基準 STOL に関する MIL 規格 STOL に関する基準 消防機に関する基準 消防機に関する基準 図 消防飛行艇の審査基準の考え方 ( ウ ) TC 取得方法 TC は 最初 必要最低限の飛行ができる形態 ' グリーン形態 ( で取得する グリーン形態の TC 取得後に 消防飛行艇などの派生型機を TC 設計変更として取得する 消防飛行艇を例に TC 取得の概要を図 に示す TC 申請 TC 取得 ステップ 1 : グリーン機 1 飛行機としての必要最小限の機能 / 性能 2BLC システム 32 マン クルー TC 設計変更申請 TC 取得 ステップ 2 : 消防飛行艇 1 消火システム 図 消防飛行艇の TC 取得方法 Ⅱ-76

144 ( エ ) フランスにおける TC 取得の検討 フランスで運用するために必要な証明は 型式証明 と DGA の安全証明 の 2 つに大 別される ' :DGA= フランス国防省装備庁 ( 型式証明の取得方法を図 に示す 1 相手国で取得 EASA 消防機基準 ( 新たに策定 ) 要 2 自国で取得消防機向け耐空性審査要領 ( 新たに策定 ) 要 基本部位 輸送機の基準審査 基本部位 輸送機の基準書類審査 ( 防衛省技術データを活用 ) 新基準の設定が非常に困難 新基準の設定が非常に困難 改造追加 追加型式証明 又は消防機カテゴリの基準審査 改造追加 追加型式証明 又は消防機カテゴリの基準解析保証 又は審査 欧州 日本 図 欧州および日本における型式証明取得方法 DGA の安全証明の取得方法を図 に示す 防衛省基準 DGA 基準 削除 救難装備 与圧系統等 US-2 救難飛行艇 変更なし 機体構造 ( 中部胴体以外 ) 操縦系統 推進系統等 防衛省技術資料による書類審査 改造 構造 ( 中部胴体 ) 等 解析保証 又は通常審査 ( 一部防衛省技術資料活用 ) 追加 消火システム ( タンク 取水 / 放水システム ) 通常審査 図 DGA における安全証明取得方法 Ⅱ-77

145 イ. 設計 製造計画の検討 フランス国防省の安全証明を取得する場合の開発日程を検討した 08 年度のフランス 調査結果を反映した開発日程を図 に示す 項目 H H H H H H H H H H H H フランスの機体更新計画 DGA/ 内務省調整 DGA/ 内務省調整 DGA/ 内務省調整 RFI RFP 機種選定 契約 納入 / 運用開始 機体更新 フィージビリティスタディ (JADC) ビジネス プラン 事業性検討 仕様調整 RFI 回答 / プロポーザル作成 価格 納期 ( サフ コン / ヘ ンタ ー ) 耐空証明取得方法 フ ロサホ (MRO 会社 ) RFI 回答 回答 予備検討 フ ロホ ーサ ル RFP フ ロホ ーサ ル 選定 開発 /DGA 審査 設計 製造 資材手配 設計 部品製造 / 組立 審査 DGA 申請 初飛行 安全証明取得 図 開発日程 ウ. 販売計画の検討 ( ア ) 販売予測 フランスの更新計画において それぞれの機体について以下の調査結果を得た CL-415 更新は 2018~2020 年以降 ' 維持整備コストの上昇を考慮して決定される ( S2F 2015 年から退役を開始 2012~2013 年に RFP 発出 Dash-8 配備されて間もないため更新の予定は当面なし Ⅱ-78

146 調査結果を踏まえ フランス主要航空消防機の更新予想を図 に示す 機種 導入機数 契約 導入時期 稼動機数 CL CL CL CL CL-415 合計 S2F S2F S2F S2F 合計 11 9 Dash Dash-8 合計 2 2 図 フランス主要航空機の更新予想 ( イ ) 販売方法 フランス調査の結果 フランスの調達方法として 直接購入 ドライリース ウェットリース の 3 種類の販売方法が考えられる それぞれの販売方法を図 に示す フランス ' 相手国 ( が直接購入内務省防災局 ' 運用 ( 調達要求フランス国防省装備庁 販売契約 機体製造会社 商社 販売 リース '2 種類 ( 内務省防災局 ' 運用 ( 調達要求フランス国防省装備庁 リース契約 機体製造会社販売商社リース会社 図 販売方法 : リース契約の種類によって体制が異なる ドライリース : 機体のみをリースする ウェットリース : 機体のリースに加え運航と整備も行う またフランス調査において EC による調達 / 融資についても示唆された Ⅱ-79

147 エ. プロイダクトサポート US-2 民間転用機のプロダクトサポート組織の検討 US-2 固有の前提条件等を考慮しながら US-2 に適した組織体制やリソース それらの年次変動等を考察することを目的とした作業を実施した ( ア ) 機体の運用事業性検討 ( マーケティング等 ) の成果から US-2 の運用地に関する基本条件は以下の通りである 運用拠点: フランス内務省防災局消防航空隊 ( 南仏 ) 運用機数: 12 機 ( 現有機の CL-415 のリプレイス ) 現地サービス拠点: 仏国内の MRO プロバイダ等の活用 ( イ ) プロダクト サポート スキームフランス航空隊の Dash-8 Q-400MR は 販売後の保証期間中は製造会社である Cascade 社が整備までを実施した その後の整備作業も Cascade 社が 12 年間の長期整備契約を受注した フランス航空消防隊は本スキームについて良い評価を下しており 今後の機体についても同様のスキームを採用することを考えている これを踏まえた整備体制を図 に示す 機体メーカ 補給支援 ( 委託契約 ) フ ロタ クト サホ ート契約 技術支援 ( 契約 ) 図 想定するプロダクト サポート スキーム Ⅱ-80

第 Ⅲ 章 需要予測 Ⅲ-1

第 Ⅲ 章 需要予測 Ⅲ-1 第 Ⅲ 章 需要予測 Ⅲ-1 第 Ⅲ 章需要予測 Ⅲ- 1 1. 日本航空機開発協会 (JADC) 予測 Ⅲ- 3 2. ボーイング社予測 Ⅲ- 4 3. エアバス社予測 Ⅲ- 5 4. ボンバルディア社予測 Ⅲ- 6 5. エンブラエル社予測 Ⅲ- 7 6. 各社予測比較 Ⅲ- 8 (1) ジェット旅客機 Ⅲ- 8 (2) 小型機 Ⅲ- 9 (3) 貨物専用機 Ⅲ-1 7. ビジネスジェット機予測

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