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1 1 アルデヒドデヒドロゲナーゼ活性を 増強する医薬組成物の開発 Elucidation of the drug activating aldehyde dehydrogenase 広島大学医歯薬保健学研究院 治療薬効学研究室 教授 小澤 孝一郎 広島大学医歯薬保健学研究院 治療薬効学研究室 講師 細井 徹

2 2 レプチンの生理作用 脂肪組織より循環血液中に分泌 脳 ( 視床下部 脳幹部 ) に作用 摂食量抑制 体重増加抑制作用 抗肥満 摂食抑制エネルギー消費亢進 レプチン 視床下部 脳幹部 JAK2 P P STAT3 STAT3 の活性化 レプチン STAT3 P 抗肥満遺伝子 脂肪細胞

3 3 レプチンは抗肥満薬として使用可能か? 使用不可能 肥満患者にレプチンを投与してもほとんど効果がなかった ( しかも 肥満者のレプチンの血中濃度は高かった ) では なぜ効果がなかったか? レプチン抵抗性

4 4 肥満の原因 : レプチン抵抗性のメカニズム レプチンが効かない 体重減少作用が惹起されない 肥満

5 5 仮説 : 小胞体ストレスがレプチン抵抗性 ( 肥満 ) の原因ではないか? 小胞体ストレス! 小胞体ストレス : 細胞内に不良品タンパク質が蓄積した状態 レプチン抵抗性 正常タンパク質 異常タンパク質 肥満 生活習慣病

6 6 小活 抗肥満因子としてレプチンが発見されたが 肥満の病態ではレプチン抵抗性 ( レプチンが効かない ) の状態であることがわかってきた 私達は その原因として小胞体ストレスが関わっている可能性を見出した 小胞体ストレス レプチン抵抗性 肥満 抑制する薬物 対症療法ではなく 根本的治療薬として有効 生活習慣病

7 7 Flurbiprofen の新たな薬理作用 Flurbiprofen Flurbiprofen 不良品タンパク質の凝集 小胞体ストレス プロピオン酸系非ステロイド性抗炎症薬 (NSAIDs) アルツハイマー型認知症の予防効果 ( マウスレベル ) アルツハイマー病に小胞体ストレスが関与 レプチン抵抗性 肥満

8 Flurbiprofen のタンパク質凝集抑制効果 リゾチームの粒子密度分布 DLS(Dynamic Light scattering) による検討結果 Relative intensity(%) Lysozyme R h of Lysozyme (nm) Before Heat After Heat 広島大学総合科学研究科環境自然科学講座田中晋平先生との共同研究 Relative intensity(%) Lysozyme+Flurbiprofen 20 Before Heat 16 After Heat R h of Lysozyme (nm) 8

9 9 Flurbiprofen の結合タンパク質同定 1 1. リガンドの固定化 OH HN OH O O O Me F COH HO K 2 CO 3, DMF OH HN OH O O O OH F CH 3 COH 2. リガンド固定化 FG ビーズとタンパク質抽出液との反応 結合反応 磁気分離 洗浄 磁石 標的タンパク質の単離 ( 溶出 ) 3. 解析 (SDS-PAGE 銀染色 )

10 Flurbiprofen 結合蛋白質の同定 2 マウス肝臓 Flurbiprofen の標的タンパク質 nanolc-ms/ms 解析 固定化リガンド (Flu: mm) 293T lysate と Flu 固定 & 非固定化 FG ビーズと反応 アルデヒドデヒドロゲナーゼ (ALDH2, ALDH1B1) ALDH2 Flurbiprofen は ALDH2 に特異的に結合する ーー + + Flu immobilized cont. sirna ALDH sirna cont. sirna ALDH sirna ALDH sirna : ALDH2&ALDH1B1 sirna 10

11 11 Flurbiprofen による ALDH 活性への影響 ALDH (Relative activity) ** 活性上昇 0 Cont Flu Effect of flurbiprofen on ALDH activity. Cell lysate was treated with flurbiprofen (Flu: 100μM) for 1 h in HEK293 Ob-Rb. We measured amount of NADH. **P<0.01, n=3. Flurbiprofen は ALDH 活性を上昇させた

12 12 小活 Flurbiprofen はアルデヒドデヒドロゲナーゼと直接結合し その活性を上昇させる Flurbiprofen はタンパク質抗凝集抑制作用を有している

13 13 アルコールの代謝 アルコールアルコールアルデヒド酢酸 経口摂取 アルコール脱水素酵素 (ADH2) 肝臓 アルデヒド脱水素酵素 (ALDH2) 筋肉 心臓 二酸化炭素水 アセトアルデヒドは毒性が強く 悪酔いの原因となる

14 14 アルデヒドデヒドロゲナーゼ (ALDH2) アルデヒドをカルボン酸に代謝する酵素 Human ALDH2: ALDH ファミリー (19 種類 ) のうちの一つ アルデヒド代謝活性は最も強い 517 アミノ酸 N 末に 17 アミノ酸のミトコンドリアターゲッティング配列 組織発現 : ユビキタスに発現 特に肝臓に多く 心臓や脳にも比較的発現多い ALDH2 の変異体 : 487 番目のアミノ酸配列 G が A に変異し活性低下 東アジアでの出現頻度 35-45%

15 15 ALDH2 と疾患 ALDH2 変異体のヒトに与える影響は無害かそれほど大きな害を及ぼさないと考えられていた しかし 近年 ALDH2 と病気の関連について報告がなされ ALDH2 の重要性が再認識されつつある 糖尿病 神経変性疾患 ( アルツハイマー病 パーキンソン病 ) 癌 循環器疾患 疼痛 骨粗鬆症 老化 ALDH2 活性化薬は上記疾患の治療薬として有効となる可能性が考えられる

16 16 ALDH2 阻害薬 アルコール依存症の治療薬 嫌酒薬 投薬後 アルコールを摂取すると アルデヒドの蓄積により頭痛 悪心などの副作用を示すため アルコールを嫌悪するようになる ダイジン (Daidzin) : イソフラボン類 ALDH2 触媒部位に結合 可逆的阻害剤 IC50~80nM ジスルフィラム (Disulfiram):FDA 認可薬 ALDH2 の Cys302 をカルバミル化 不可逆的阻害剤

17 ALDH2 活性化薬 従来の薬物と今回明らかにした薬物の比較 Alda-1 (Chen CH et al., Science, 2008, 321: ) ALDH2の触媒活性を上げる E487K ALDH2 変異体に対しても活性化作用を有する Flurbiprofen (Hosoi T et al., EMBO Mol Med, 2014, 6, ) ALDH2の触媒活性を上げる 現在 使われている薬物であり安全性が確立されている 17

18 18 Flurbiprofen の想定される用途 以下の疾患の治療薬としての可能性を有している 糖尿病 神経変性疾患 ( アルツハイマー病 パーキンソン病 ) 癌 循環器疾患 疼痛 骨粗鬆症 老化

19 19 Flurbiprofen の抗肥満効果 Flurbiprofen 体重増加抑制効果 不良品タンパク質の凝集 小胞体ストレス 体重 (g) 普通食普通食 +Flu 高脂肪食高脂肪食 +Flu レプチン抵抗性 肥満 週 4 週齢の C57BL/6CrSlc 雄マウスに通常食または高脂肪食を与え 飲料水に flurbiprofen(flu) を混ぜて 8 週間飼育し 体重を測定した 高脂肪食摂餌による肥満に対して flurbiprofen は抗肥満効果を示した

20 20 脂肪蓄積に対する flurbiprofen の影響 :CT スキャン解析 Leptin: 0.5mg/kg;twice in a day(total dose for 24h period,1.0mg/kg), Flu( Flurbiprofen):10mg/kg/day n = 7-8per group. マウスに通常食または高脂肪食を摂餌させ 水またはflurbiprofen 10mg/kg/dayで8 週間飼育したのちの 脂肪量をCTスキャンを用いて解析 Flurbiprofen は その他の組織の体積には影響を与えず 脂肪を特異的に減少させ 肥満を改善することが示唆された

21 21 企業への期待 Flurbiprofen の薬理作用の基礎検討を共同 で行える企業 治験 臨床試験を行うことのできる企業との 共同研究 私達の研究成果に基づき製品化を一緒に行 える企業

22 22 本技術に関する知的財産権 発明の名称 : アルデヒドデヒドロゲナーゼ の活性を増強するための医薬組成物 出願番号 : 特願 出願人 発明者 : 広島大学 : 小澤孝一郎 細井徹

23 23 お問い合わせ先 広島大学 産学連携コーディネーター 田井潔 TEL FAX ktai@hiroshima-u.ac.jp

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