児島湾口部ノリ養殖漁場におけるあかぐされ病の発生

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かおりえいさか
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54 岡山水試報 24 54 59 2009 児島湾口部ノリ養殖漁場におけるあかぐされ病の発生清水泰子草加耕司杉野博之 Epidemic of Red Rot Disease of Nori spp.

1 54 岡山水試報児島湾口部ノリ養殖漁場におけるあかぐされ病の発生清水泰子草加耕司杉野博之 Epidemic of Red Rot Disease of Nori spp. in a Cultivation Farm at the Entrance to Kojima Bay Yasuko Shimizu, Koji Kusaka and Hiroyuki Sugino キーワードあかぐされ病ノリ養殖遊走子あかぐされ病はアマノリ類の葉状体に赤さび色の病斑枚中の感染率を算出したが生じる病気で原因菌は卵菌綱フハイカビ目の遊走子の検出を Park ら5)及び愛知県6)による PCR 法以下あかぐされ病菌であるで行ったまず不用物を取り除くため海水500m を10 spp.養殖では一般的だがしばしば爆発 μmのナイロンメッシュ Sefar Inc HD10 で濾過した的に蔓延し品質低下や藻体の流失などの被害が発生す後孔径３μmのポリカーボネイトフィルターミリポる菌体は分枝する糸状でノリ細胞を貫通して伸長ア TSTP04700 で再び濾過して遊走子をフィルター上する遊走子嚢を形成し無性生殖を繰り返して増殖すに回収しフィルターごと600μ チューブに収容し 50 るが特に低塩分のとき成長と増殖が活発になる環 μ の TE バッファーを加え 90 で20分間熱処理した境変化などに応じて有性生殖を行い卵胞子を形成してチューブの口にフィルターを挟んで3,000rpmで30秒間海底泥中で越夏し秋季に再びノリ葉体に感染する遠心しフィルターから処理液を分離した処理液の原近年本病の流行を事前に察知する方法として海水中液と１/10 希釈液それぞれ１μ を鋳型として PCR との遊走子を蛍光抗体法や PCR 法で検出する技術が開 Nested PCR を行い原液と希釈液のどちらか一方ま発され実用化されてきた岡山県海域でも度々被害をたは両方が陽性となった場合に遊走子が検出されたとみ出してきた本病について遊走子の早期検出が病気発生なした PCR には TaKaRa Ex Taq Hot Start Version を予察するものとなり得るか検討するため 2006 ｾ07年タカラバイオ株式会社 RR006A を用い 1st PCR の度漁期に児島湾口部ノリ養殖漁場において遊走子の分布プライマーには TGTGTTCTGTGCTCCTCTCﾝ3ｾ及びと葉体への感染を調査した CCCAAATTGGTGTTGCCTCCﾝ3ｾ 5)を開発者の許可をノリ 1) 2) 3) 4) 5) 材料と方法ｾ06年度漁期調査ｾ06年10月16日からｾ07年２月14日の得て使用し Nested PCR には CTGTTATGGTGGTT 岡山市 ⑪ 間に図１に示した児島湾口部の16定点で海水中のあかぐされ病菌遊走子の有無を24回調査した基本的に午電子 ASTD687 で各点の塩分を測定したまた葉体が観察に十分な長さに伸長した11月30日以降感染率調査を開始し調査点に隣接する養殖セットから採取した瀬戸内市 ⑩ ⑫ 前中に調査を行い各点の表層水１を船上から直接採取して試料とした採取時に CompactﾝCTD アレック ⑬ ⑧ ⑭ ① ⑤ ⑨ ② ③⑥ ⑦ ⑮ ④ ノリ養殖漁場犬島 ⑯ ① ⑯ 2006年度調査点２km ノリ葉体を肉眼と光学顕微鏡で観察し病斑の有無を確認した病斑が１か所以上あれば感染個体とみなし 50 農林水産部水産課黒島図１ｾ06年度漁期調査点小豆島

55 TGCCGATGﾝ3ｾ及び AACCATTTGCCCAGCCATTGC で漁場の端から東方向に約20m間隔で９点採水したﾝ3ｾを使用した各点の表層１m層及び３m層から採水した海水500m 6) 集中調査ごく狭い範囲の遊走子の分布に与える潮流を前述と同様の方法で処理したまた西端から１つの影響を調査するためｾ07年３月９日に児島湾口部南側

処理労力を考慮し点数は変えずに調査範囲のみ拡大しながらｾ08年１月10日までに17回の調査を行った各調査点で干ノリ養殖漁場調査範囲潮汐の向き上２km 潮時あるいは干潮から上げ潮に向かう時間帯に表層小豆島下上 ① ② ③ 採水点 ④ ⑤ ⑥ ノリ養殖セット ⑦ ⑧ ⑨ 葉体採取セット図２ｾ06年度集中調査場所水を１採取し 500m を前述の方法に従って遊走子の検

2 55 TGCCGATGﾝ3ｾ及び AACCATTTGCCCAGCCATTGC で漁場の端から東方向に約20m間隔で９点採水したﾝ3ｾを使用した各点の表層１m層及び３m層から採水した海水500m 6) 集中調査ごく狭い範囲の遊走子の分布に与える潮流を前述と同様の方法で処理したまた西端から１つの影響を調査するためｾ07年３月９日に児島湾口部南側置きに３つのセットで葉体を採取し前述と同様に感染の長洲漁場で集中調査を行った図２に示した区画西端率を算出した当日の上げ潮時下げ潮時の２回採水を行ったｾ07年度漁期調査岡山市ｾ07年度漁期調査点と漁場の通称を図３に示したｾ06年度に海水から遊走子が最初に検出さ瀬戸内市れた児島湾口部南側の海域に設定した35点で 11月５日下からモニタリング調査を開始した開始後は処理労力を考慮し点数は変えずに調査範囲のみ拡大しながらｾ08年１月10日までに17回の調査を行った各調査点で干ノリ養殖漁場調査範囲潮汐の向き上２km 潮時あるいは干潮から上げ潮に向かう時間帯に表層小豆島下上 ① ② ③ 採水点 ④ ⑤ ⑥ ノリ養殖セット ⑦ ⑧ ⑨ 葉体採取セット図２ｾ06年度集中調査場所水を１採取し 500m を前述の方法に従って遊走子の検出に供した 11月22日に８点で葉体調査を開始し採水調査範囲の拡大に従って場所を変更しながら13点まで増やしたただしこの時の感染率の算出には葉体30枚を供した CompactﾝCTD で塩分を測定し葉体調査と同様に遊走子調査範囲の拡大に従って採水点周辺の８点から13点に調査点を増やした 11/5 12/25 1/7 ばら松北竹の子北ばら松長洲東竹の子南もさき 12/27 1/4 PCR 調査点塩分調査点感染割合調査点数ばら松２点ばら松北１点もさき２点長洲４点長洲東１点竹の子北１点竹の子南１点図３ｾ07年度漁期調査点と漁場の通称長洲 1/10

6 59 った２か年とも病勢が非常に弱かったことから遊走３) 川村嘉応横尾一成東條元昭 1999 ノリ養殖におけるアカ子量も少なかったと考えられ病勢の強い場合の感染速グサレ病菌の生活環に関する研究ﾝ１有明海の海底泥中からの度はさらに速いと推測されたアカグサレ病菌の分離平成11年度日本水産学会日本農学大会本調査から病気の初動と拡大の傾向が明らかになっ水産部会春季講演要旨集 15 たが病勢が強い場合の状況については調査期間中に４) H. Amano, K. Sakaguchi, M. Maegawa, and H. Noda, 確認することが出来なかった遊走子の検出と葉体の感 1996 The Use of a Monoclonal Antibody for the Detection of 染確認がほぼ同時であったが本調査では養殖に影響を Fungal Parasite, 与えないほど弱い病勢でも罹病とみなしたためとも考え Rot Disease, in Seawater from られる今後は病勢が強い場合の遊走子の分布や遊走子濃度と葉体感染の時間的関係を調査する必要がある謝 sp., the Causative Organism of Red, ﾝ560 ５) C. Park, M. Kakinuma and H. Ａmano, 2001 Detection of the red rot disease fungi 辞 Cultivation Farms. reaction, spp. by polymerase chain, ﾝ199 本調査を行うにあたりプライマー配列の使用を許可６) 愛知県 2004 DNA 解析等を利用した病原菌の検出技術開発していただいた株式会社白子のりに感謝いたしますまあかぐされ平成15年度先端技術等地域実用化研究促進事業報た多回に渡ってノリ葉体を提供していただいた牛窓町漁業協同組合朝日漁業協同組合岡山市漁業協同組合鉾立漁業協同組合小串漁業協同組合胸上漁業協同組合の皆様に感謝いたします文７) 杉野博之清水泰子野坂元道 2007 平成18年度ノリ養殖概況岡山水試報ﾝ161 ８) 福永剛 2006 ノリ漁場におけるあかぐされ病菌遊走子の分布福岡水技セ研報 16 35ﾝ39 献１) 日本水産学会編 1973 水産学シリーズ２９) 岩本俊樹難波洋平高木秀蔵 2008 平成19年度岡山県沿岸のりの病気恒星社厚生閣 147pp ２) 新崎盛敏 1947 アサクサノリの腐敗病に関する研究日水誌 13 74ﾝ90 告書愛知水試 5ﾝ10 海域の海況及び水質岡山水試報 23 45ﾝ47 10) 服部克也蒲原聡原田靖子柿沼誠年と 2005年における愛知県内ノリ養殖漁場海水中のあかぐされ病遊走子の PCR 法による検出結果水産増殖ﾝ487

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CW3_AZ259A01.indd 薬に関するセルフチェック確認チャレンジ!! 医薬品の正しい使い方医薬品と健康についての学習はいかがでしたか学習後に再度薬に関するセルフチェックの確認のためにチャレンジしてみてくださいなおの数字は冊子の各章に対応しています病院などで出される薬は ① といい医師歯科医師による ② ラッグストア等でも買える薬は ③ といい ② が必要です一方薬店ドは不要ですが