平成 26 年度中小企業等産業公害防止対策調査 廃鉛バッテリー等有害廃棄物の効果的な国内処理方策に関する調査 報告書 要約版 平成 27 年 2 月 九州経済産業局

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1 平成 26 年度中小企業等産業公害防止対策調査 廃鉛バッテリー等有害廃棄物の効果的な国内処理方策に関する調査 報告書 要約版 平成 27 年 2 月 九州経済産業局

2 1. 調査の背景と目的及び実施概要 P1~P4 調査の背景と目的 廃鉛バッテリーは鉛や酸について 環境への放出による健康影響や環境汚染の恐れがあるが 素材のほとんどがリサイクル可能で かつ高度な技術を必要としないため リサイクル原料として世界各地で利用 近隣諸国の鉛需要の高まりを背景に 近年は国内の廃鉛バッテリーの大半が輸出 輸出に伴う廃鉛バッテリーの拡散 国内の鉛バッテリー処理能力低下など 廃鉛バッテリーの適正処理のための課題が存在 国内外の環境汚染の防止を図るための 国内における適正処理方策の検討が喫緊の課題 廃鉛バッテリーの回収から最終処分の実態の解明と 不法投棄等による鉛等の有害物質の漏洩リスクを低減するための流通プロセスの構築 廃鉛バッテリーの最終処分の方法等を調査 研究 調査の実施概要 市場規模 法規制 コスト 鉛バッテリーの回収システム 最終処分の実態など文献調査 アンケート調査 ヒアリング調査により実施 有識者や専門家からなる検討委員会を開催 文献調査 鉛バッテリーの市場規模 法規制 コスト調査 アンケート ヒアリング調査 廃鉛バッテリーの回収システム 最終処分の実態調査 コスト調査 廃鉛バッテリーの国内資源循環に役立つ廃鉛バッテリーの流通プロセスや効果的な処理方策を検討 検討委員会 廃バッテリーの流通プロセス 効果的な処理方策の検討 報告書及び報告書要約版の作成 1

3 2. 廃鉛バッテリーの市場規模調査及び法規制等 P5~P25 鉛バッテリーについて 1 用途 特徴 二次電池 ( 充電可能な電池 ) 自動車用が中心 安価で高いリサイクル性 2 人体影響や環境汚染リスク 鉛や希硫酸に 人体や環境汚染の恐れあり ( 通常の使用では問題なし ) 鉛生産に関する世界の動向 鉛地金生産量 1,119 万トン (2013 年 ) 主要国動向 1 中国鉛地金生産量 400 万トン以上 ( 世界最大 ) 鉛廃棄物の排出管理の国内法等は整備済み ただし適正ルートでのリサイクル率に課題 ( 現状 30% と推定 ) 3 リサイクル 鉛やプラスチックなどを資源化 売買による取引が主体 適正処理のための 自主取組み (SBRA 自主取組み 2012 年 7 月 ~) 4 再生バッテリー 性能を回復させて再使用する鉛バッテリー 業界団体や統一基準はなし 2 米国 3 韓国 鉛地金生産量 120 万トン 2014 年より全量再生鉛 ( 鉱石使用なし ) となる見通し 鉛地金生産量 50 万トン生産能力増強により 再生鉛の原料調達を強化中日本で発生する廃鉛バッテリーの唯一の輸出先 鉛バッテリーの市場規模と廃鉛バッテリーの発生状況 全国における概況 鉛バッテリー 生産 -30,445 千個 260,873 鉛量トン ( 生産動態統計年報 (2013)) 需要 -25,505 千個 ( 自動車用 (2013 年 ))( 電池工業会 ) 鉛地金 生産 - 約 25 万トン ( 日本鉱業協会 (2014)) 廃棄量 自動車用 18 万トン その他 8 万トン (2013 年 本調査推計 ) 廃鉛バッテリーの適切な処理と移動に関わる関連法規制 自主規制 九州における概況 廃棄量 自動車用 18,000 トン その他 8,000 トン ( 全国比約 10%( 推定 )) 輸出量 輸出量 22,177 千 kg( 使用済み一次電池 蓄電池 )( 貿易統計 ) 福岡県内の 3 港 ( 門司 戸畑 博多 ) 及び志布志港の 4 港で九州全体の 9 割 廃棄物処理法バーゼル条約毒物及び劇物取締法鉛中毒予防規則 廃棄物として排出する場合 容器及び電極は産業廃棄物の 廃プラスチック類 金属くず 電解液は特別管理産業廃棄物の 廃酸 に区分廃棄物としての該当性は 性状 排出状況 通常の取扱い形態 取引価値の有無及び占有者の意思 を総合的に勘案し判断 有害廃棄物の輸出入に関する許可や事前通告などを規定 廃鉛バッテリーはバーゼル条約に基づく有害廃棄物 鉛化合物及び希硫酸 ( 条件あり ) が同法による規制対象物質に規定希硫酸については同法の 製剤 の適用条件により対象外となる場合あり 環境省では同法の有害物質として取扱いを行う旨を通知 鉛製錬など鉛業務における 労働者の環境と安全を守るためにとるべき措置を規定鉛バッテリーや鉛バッテリーの部品の製造 修理 解体をする工程の作業場についての必要な措置を規定 2

4 3. 廃鉛バッテリーのの排出実態 調査概要 業種 小区分 発送数 ( 件 ) 回収数 ( 件 ) 製造業者 金属 機械 部品 食品 窯業 土石 トラック 物流倉庫業 産業機械のリース レンタル業 7 3 その他 - 2 合計 業種別保有台数の内訳の傾向 金属 機械 部品 食品 窯業 土石 業種 トラック 物流倉庫 種類別保有台数の内訳の傾向 機器の種類自動車産業車両 据置機器 傾向保有状況は多様であり 保有機器の比率と事業内容との間の関係は明らかでない自動車部品を製造する事業者に産業車両や据置機器を多く使う事業所あり それ以外では自動車が中心で 事業所あたりの保有台数も少なめ品目による業種内の差異が大きい ( 弁当を扱う事業者では自動車のみ 一方飲料品や冷凍食品を扱う事業者では産業用車両の比率が高い など ) 全体的に自動車が高比率で事業者間のばらつきが小さい 建設業で自動車のみ コンクリート二次製品製造業でも自動車が高比率トラック物流を行う場合は自動車及び産業車両 倉庫のみの場合は産業車両のみ 傾向業種間の保有状況のバラつきが小さい製造業では機械 部品 食品で大量に保有する事業者がみられ 製品のサイズが小さく大量生産で生産と物流が分離されている事業所で保有台数が多い 工場を持つ事業所で保有しており バックアップ電源などで使用されるとみられる 排出実態 排出経路 向けアンケート調査結果 種類 排出先 自動車用 自動車販売店や整備業者 ( 整備工場 ) 産業車両用 フォークリフト販売店 据置機器用 非常用電源メーカー 電装業者 の状況による回収業者へのヒアリング調査結果 排出先選定理由 1 利便性 ( 引取りや整備 点検時の引渡し ) を重視するとみられるが 同時に売却価格を重視する事業者も多いとみられる 2 環境対策を重視する事業者は全体として少数 P26~P44 廃鉛バッテリーの買取りを行う新規事業者の参入により 従来からの排出先を変更する動きがみられる による廃鉛バッテリーの処理の依頼先 自動車用 自動車販売店 自動車整備業者 ( 整備工場 ) 自動車解体 ガソリンスタンド 中間処理 リース業者 買取業者 ( 廃棄物処理法上の許可を持たない事業者含む ) 産業車両用 据置機器用 フォークリフト販売店 バッテリー再生業者 買取業者 ( 廃棄物処理法上の許可を持たない事業者含む ) 非常用電源メーカー 電装業等 バッテリー再生業者 買取業者 ( 廃棄物処理法上の許可を持たない事業者含む ) 中間処理 3 商社

5 4. 廃鉛バッテリーの回収者の回収及び引渡し実態 P45~P69 調査概要 発送数及び回収数 業種 発送数 ( 件 ) 回収数 ( 件 ) 自動車リサイクル業 自動車ディーラー 自動車販売店 整備工場 24 バス タクシー業等 ( バス タクシー 40 9 業 その他旅客業 ) 中間処理業 その他 - 3 合計 受渡し量 業種 件数 ( 件 ) 回収量 (t/ 年 ) 総計平均 自動車リサイクル業 自動車ディーラー 自動車販売店 整備工場 バス タクシー業等 中間処理業 26 12, 計 90 13, 中間処理業者の回収及び引渡し 中間処理業者を経由し商社や製錬業者へ引渡し 業種 ( 件 ) 自動車リサイクル業 (7) 7 2 自動車ディーラー (26) 26 1 自動車販売店 整備工場 (24) 23 2 自動車 バス タクシー業等 (9) 8 1 産業車両 中間処理業 (26) その他 (3) 21 据置機器 回答件数 ( 件 ) 業種別廃鉛バッテリー回収品目 非鉄金属商社 ( 国内販売のみ ) 非鉄金属商社 ( 輸出あり ) 二次製錬業者 中間処理業者 特別管理産業廃棄物の許可を持つ業者 一次製錬業者 その他 回答件数 ( 件 ) 回収者の回収及び引渡し実態結果 業種業中間処理業自動車ディーラー自動車販売店 整備工場 バス業自動車リサイクル業フォークリフトディーラー鉛バッテリーを搭載した据置機器の販売店と使用者 結果 価格を重視 新規参入による引渡し先の移行がみられる種類を限定せず幅広く回収 中間処理後は適正処理が行われる自動車メーカーによる環境対策方針に基づく適正処理を実施特定管理産業廃棄物の事業許可を持つ事業者や中間処理業者などを選ぶ 自動車ディーラーと比較して価格を重視する傾向自動車修理 販売店と排出先は類似し 処理先の安全性を重視基本的には価格を重視 非鉄金属商社や製錬業者等へ売却顧客の車両の保守 点検等で回収し 環境対策を重視した売却据置機器のメーカーのネットワークによる回収が中心であるとみられる 中間処理業の廃鉛バッテリーの引渡し先 輸送 保管に関する汚染防止対策 保管 運搬方法 国内リサイクルによるリサイクル状況 分別保管 パレットの使用 コンクリート ステンレス床などによる汚染対策 全体的には価格を重視した引渡しが行われる傾向が強い 国内の処理は十分な環境対策のもと実施されている 鉛 : 一次製錬 二次製錬による鉛地金化 希硫酸 : 無害化処理 プラスチック: 有価売却など資源化 4

6 5. 廃鉛バッテリーの売却価格及び再生コスト 廃鉛バッテリーの売却価格 ヒアリング調査先における売却価格 ( 平成 26 年 10 月 ~12 月調査 ) 業種 価格 ( 円 /kg) 引渡し先 自動車リサイクル業 80~140 程度 中間処理業 90 程度 100 未満 非鉄金属商社 ( 推定 ) フォークリフトディーラー 輸出向けの半額程度 ( 海外 中間処理業 との比較は事業者推定 ) 自動車販売店 整備工場 200 程度 ~300 未満 バッテリー等非鉄回収業者 無償 総合リサイクル業 バス業 50 電装業 自動車ディーラー 40( 変動あり ) 中間処理業 30~40 非鉄商社 製造業 無償 総合リサイクル業 ヒアリングで確認された価格傾向 ( ) 1 廃鉛バッテリーが売却される場合 適正処理を重視した場合と 価格差を重視した場合とで価格差が存在 2 現在の引渡し価格の範囲は無償 ~300 円 /kg 程度 3 価格差は少なく見積もった場合で 10 円 /kg 程度 P70~P78 複数の事業者への引渡しなど 様々な要因により変化 あくまで本結果による一例 廃鉛バッテリーの再生 リサイクルコスト コスト構造 自動車用バッテリーの再生事業は バッテリーリサイクル事業と類似したコスト構造である フォークリフト用バッテリー再生事業は 納入後に顧客サポートを行う点など バッテリーリサイクル事業と異なるコスト構造を持つ 買取 業 買取 ( 交換用 ) 設備費 顧客開拓保守 点検等 再生処理 30~50 再生バッテリー業 再生事業についてはコスト構造を表記 数字は新品 ( 国産 ) を 100 とした場合の価格の目安 再生バッテリー事業 ( フォークリフト用バッテリー ) のコスト構造のイメージ 50 新品 ( 海外 ) 100 新品 ( 国産 ) 再生バッテリー ( 自動車用 ) 再生バッテリー使用者 ( ) バッテリーリサイクル 再生バッテリー事業とバッテリーリサイクル事業のコストの違い ( バッテリーの使用者 ) は 新品バッテリーと比較した再生バッテリーの価格の安さがメリットとなる 鉛バッテリーのリサイクルシステム全体でみた場合 再生バッテリーの普及による総コストの根本的な差はなし 再生バッテリー ( 兼等 ) 自動車販売店等 再生バッテリーの流れ 中間処理 バッテリーメーカー 中間処理 バッテリーメーカー 廃鉛バッテリーの流れ 製錬 製錬 再生バッテリー ( 産業車両 据置機器用 ) バッテリーリサイクル事業と再生バッテリー事業の引渡しの流れ ( 左 自動車用 右 産業車両 据置機器用 ) 再生バッテリーの使用者 バッテリーリサイクル 再生バッテリーの流れ 中間処理製錬 再生バッテリー 専業 受託生産 兼バッテリー販売等 バッテリーメーカー 中間処理 バッテリーメーカー 廃鉛バッテリーの流れ 製錬 廃鉛バッテリーの買取価格には が廃鉛バッテリーの処理に対して重視する内容による価格差が存在する 再生バッテリーの導入によりにはコスト削減効果が見込めるが バッテリーのリサイクルシステム全体では総コストに大きな差はない 5

7 6. 廃鉛バッテリーの回収システムと最終処分の実態 P79~P88 引渡し先を選定する理由による回収システムの違い 環境対策を重視する場合 マニフェストの発行が行われ 廃棄物処理法に基づく事業許可を持つ事業者により適正処理が実施される 価格を重視する場合 マニフェストは発行されず 現在は輸出向けの買取価格が高いため輸出されるケースが増えると推定 バッテリーの種類による回収システムの違い 自動車の回収システムは関係する事業者が最も多様である 産業車両用 据置機器用バッテリーは 機器メーカー等の影響力が大きく 全体として環境汚染リスクを考慮した回収とリサイクルが行われる 廃鉛バッテリーの回収システム 資源の流れ 廃鉛バッテリーの引取り先 ( 回収者 ) マニフェストあり マニフェストなし 適正処理重視 マニフェストなし 価格重視 自動車用 ( マニフェストあり ) 産業車両用 据置機器用 ( マニフェストあり ) 自動車用 ( マニフェストなし 適正処理 ) 産業車両用 据置機器用 ( マニフェストなし ) 自動車用 ( マニフェストなし 価格重視 ) 業 業 業 中間処理業 中間処理業 廃鉛バッテリーの回収システムの推定図 国内一次 二次製錬業 ( 主に国内へ ) ( 主に輸出 ) 廃鉛バッテリーの引渡し先を決定する大きな要因は 売却価格 環境対策に関する事業者の優先度 ( または統制 ) 売却価格を重視した引渡しは自動車用バッテリーで発生しやすい ( 直接排出 ) 2,700~2,800 国内一次製錬 二次製錬業納入元 10,000 単位 : トン ( 数字は推計値 ) 九州における流通経路毎流通量の推計 自動車ディーラー 3,000 業 中間処理業 ( バッテリー解体 ) 国内一次 二次製錬業 1 九州内で発生する廃鉛バッテリーのうち国内リサイクルされる量 10,000 トン 自動車リサイクル業 2,500~3,000 非鉄金属商社 総合リサイクル業 2 九州内の廃鉛バッテリーの総発生量 ( アンケート ヒアリング結果に基づく推計による ) 20,000 トン程度 バス タクシー業 600 自動車販売店 整備工場 無料回収 バッテリー回収業等 非鉄金属商社 ( 輸出へ ) 8,000 フォークリフトディーラー 3 九州内で発生する廃鉛バッテリーのうち国内でリサイクルされる割合 約 50%(10,000/20,000) ( 自動車ディーラーから発生する廃鉛バッテリーを除いた場合約 40%) 1,500~2,000 UPS メーカー販売業等 ( 不明 ) 流通プロセス及び推計量 廃棄物処理法許可あり廃棄物処理法許可なし 廃鉛バッテリーの引渡し先を決める大きな要因は 売却価格 環境対策に関する事業者の優先度 ( または統制 ) 九州地域で発生する廃鉛バッテリーのうち国内でリサイクルされる割合は 50% 程度に留まる 6

8 廃鉛バッテリーの最終処分の実態 国内リサイクル 九州内では中間処理 ( 一部まで ) まで実施 鉛地金及びプラスチックはリサイクル 希硫酸は適正処理 マニフェスト等による管理も行われ 環境汚染リスクや人体に及ぼす悪影響は最小限に抑えられる 海外輸出 廃棄物処理法に基づくマニフェストによる管理が行われないため 国内の状況が不透明 輸出による移動距離の長さも 現地における処理状況の把握を困難なものとする 廃鉛バッテリー引取り先 業等 中間処理 リサイクル業 製錬業 九州内 ( 個人 事業者 ) 環境リスク / 対策 自動車ディーラー バス業等 自動車販売店 整備工場 バッテリー ( 自動車用 ) フォークリフトディーラー等 バッテリー ( 産業車両 ) UPS メーカー等 バッテリー ( 据置機器 ) バッテリー ( 全種類 ) バッテリー ( 全種類 ) 収集 運搬業 ( 収集 運搬 保管 ) ガバナンスの利いている企業 団体は国内製錬へ無償 :SBRA 売却 :40~60 円 /kg 程度 主に 1t 以下 ~4t 程度のトラックで回収 収集 運搬業 ( 収集 運搬 保管 ) 価格重視の場合は輸出可能性高売却 :80~100 円 /kg 程度 バッテリー ( 全種類 ) 商社等 海外 ( 直接製錬へ ) 中間処理業 ( 解体 リサイクル ) 希硫酸 プラスチック 適正処理 資源化 ( この間中間処理等 ) 巣鉛 主に 20t~25t トレーラーで回収 適正処理 資源化 国内一次 二次製錬業 ( 前処理 製錬 ) 希硫酸 プラスチック 海外一次 二次製錬業 希硫酸 プラスチック 鉛地金九州外 適正処理 資源化 引渡し先の不適正処理 / 管理票による管理 保管時の汚染 / 屋根 床 ( コンクリート ステンレス ) パレット対策等 不法輸出と不適正処理 / バーゼル手続海上落下 / 外国船舶使用 保険加入 解体時の汚染 / 処理施設 ( 中和施設等 ) の整備 処理委託 資源事業者資源の流れ 国内処理の場合 リサイクル及び最終処分ともに適切に実施される マニフェストによる管理は国内処理のみ 海外輸出の場合 国内処理しない点と輸出に伴う移動距離の関係から 及び処理状況の把握が困難 7

9 7. 再生バッテリーの利用実態とニーズ P89~P92 再生バッテリーの利用実態 再生バッテリーの導入状況 認知は進んでいるが 導入は限定的 フォークリフト 非常用バッテリーなどに導入 一部の事例を除き 1 台の導入例が多い 試験段階の導入である可能性あり 再生バッテリー事業者の状況 大手製造業 運送業等を継続的にサポート (10~ 数 10 台 / 月 ( フォークリフト )) 過去の同業他社の不適切な活動や 品質等基準の欠如等が 再生バッテリー業界への信頼に影響があると推定 再生バッテリーを導入しており今も使用中である 再生バッテリーを使ったことがあるが 今は使っていない 過去に検討したことがあるが 採用しなかった 採用したことはないが目下検討中である 検討したことはない ただし再生バッテリーは知っていた 検討したことはないし そもそも再生バッテリーを知らなかった 再生バッテリーと関連のある事業者の考え方 フォークリフトディーラー 再生バッテリー業者よりフォークリフトディーラーへ提案の動きがある 廃鉛バッテリーの 中間処理業 再生バッテリーの事業により 自社の廃鉛バッテリーの収集に対する影響はないとの認識を示している 再生バッテリーのニーズ ( 使用者 ) 側のニーズはコスト低減効果 ( 再生バッテリーの使用による機器の寿命延長効果を挙げる意見もあり ) 再生バッテリー業者の側でもコスト低減効果を第一に打ち出すが CO2 削減効果などを評価し 提案する事業者もある 回答件数 ( 件 ) 再生バッテリー導入状況 導入事例 業種 種類 台数 年数 現在の状況 機械 部品 非常用発電機 2 台 4 年 現在も使用 非常用バッテリー 12 台 5 年 現在も使用 フォークリフト 2 台 0.5 年 現在も使用 フォークリフト 1 台 3 年 使用中断 牽引車 1 台 1 年 使用中断 金属 フォークリフト 1 台 3 年 現在も使用 フォークリフト 構内運搬車 8 台 2~4 年 使用中断 産機リース 高所作業車 50 台 1 年 使用中断 レンタル 食品 フォークリフト 1 台 3 年 現在も使用 フォークリフト 3 台 7 年 使用中断 倉庫 フォークリフトバッテリー 1 台 5 年 使用中断 自動車 1 年 使用中断 窯業 土石 大型発電機 販売用車両 8 台 使用中断 大手企業等で導入する例も徐々に増えつつあるが規模としては小規模 再生バッテリーのニーズはコスト低減対策が主体 8

10 8. 廃鉛バッテリーの適正処理に関する事業者の意見 P93~P98 事業者の意見 ( アンケート調査結果より ) 効果的な国内処理に必要な取組みへの意見 適正な処理のためにはリサイクル 再生業者が適切な状態に維持されることが重要であると考えている 法的な規制まで必要になるという見方を持っている 鉛バッテリーの国内リサイクルルートへ流通させた量に応じた補助金の制度鉛バッテリーのリサイクル 再生を行う事業者の登録制度自動車リサイクル法における再資源化義務品目への鉛蓄電池の追加鉛バッテリーの流通におけるマニフェスト発行の義務化 再生バッテリーを販売する事業者を登録する制度 再生バッテリーを販売する事業者を管理する団体の設立 再生バッテリーの普及に関する意見 鉛バッテリー製品の固有番号等による移動届出制度の導入 鉛バッテリー販売に係る事業許可制度の導入 3 5 公的機関等による再生バッテリーの性能評価の実施とデータを公表する仕組み 39 再生バッテリーを販売する事業者の登録制度 と 公的機関等による再生バッテリーの性能試験の実施とデータを公表する仕組み の二つの考え方に集約される 鉛バッテリーの材料の国産比率に応じたマークの導入 その他 回答件数 ( 件 ) その他 回答件数 ( 件 ) 事業者の意見 ( ヒアリング調査結果より ) 環境対策に関する意見 環境リスクの高い事業者を監視する措置の必要性 海外流出時の汚染実態の把握の必要性 バッテリー盗難に伴う環境リスクを使用者の側で防止する措置 対策の検討など 事業者の意見 ( まとめ ) 鉛バッテリーの効果的な国内処理を行うために必要な取組みに関する意見 環境対策以外の意見 再生バッテリーの普及に関する意見 国内リサイクルへ向かう流通経路の支援 鉛リサイクルを取巻く国際的な状況の変化に 国内リサイクルの仕組みを対応させる必要性 廃鉛バッテリーを適切な処理を行う事業者へ潤滑に引渡されるようにする手続やルールが不十分であるとする意見など 廃鉛バッテリーの適正処理を進めることに関する課題 廃鉛バッテリーの流通に関わる事業者の透明性を確保し 鉛バッテリーのリサイクルに法的な目標や基準を定めることにより国が主導する形での国内適正処理を進めることが必要であるという考えがうかがえる 再生バッテリーを普及するための課題 再生バッテリーの性能や再生バッテリー業者の技術水準などについて客観的な評価を進めることを必要であると考えている リサイクル制度や事業者登録などにより適正な処理が行われるルートが整備されることを重視している 再生バッテリーの普及には 再生バッテリーの性能と再生バッテリー業者の技術水準の評価が必要であると考えている 9

11 9. 廃鉛バッテリーの効果的な国内処理方策に向けた課題 ~ 10. 廃鉛バッテリーの効果的な国内処理方策 P99~P103 課題 1: マニフェスト発行による引渡しを選択する企業の少なさ 廃鉛バッテリーの引渡しは売却が主体 マニフェスト発行による環境対策へ積極的に取組む企業に限定 課題 2: 地理的条件による輸出されやすさ 製錬所や電池メーカーと物理的距離が遠い 韓国等の鉛バッテリー原料需要の高い国との距離が近く取引上のつながりも強い 課題 3: 売却取引に起因する引渡し経路の透明性 課題 4: 自動車用廃鉛バッテリーの国内向けルートへの引渡し 事業者の多様さに起因する流通状況の把握の難しさ 課題 5: 法規制の適用状況 廃棄物処理法の許可を持たない事業者の一部で環境汚染リスクのある運搬を実施 課題 6: 再生バッテリーの品質に関する透明性 業界団体及び品質基準の未整備 方策 (1) 廃鉛バッテリー引渡しにかかるマニフェスト活用の促進 業界団体との連携による周知 企業の環境管理の仕組みの中での取組みの促進 方策 (2) 廃鉛バッテリーの物流システムのコスト低減への取組 共同物流等の輸送コスト削減策等 国内流通のコスト削減 方策 (3) 流通実態の見える化 廃鉛バッテリーを扱う事業者の流通実態の全体の透明化 排出側の優良事業者を選択するための 方策 (4) 自動車用の廃鉛バッテリーの適切な引渡しの実施 修理用部品 中古車販売の業界団体等の連携による 修理用部品供給ルートを活用した廃鉛バッテリーの回収の仕組みの構築等 方策 (5) 環境汚染リスクのある企業に関する知見 情報の収集 製錬業と各県の産業廃棄物協会などによるトラブル事例の収集と共有 方策 (6) 再生バッテリーの客観的評価のための環境づくり 再生バッテリーの品質や再生バッテリー業者の情報収集及び再生バッテリー導入を検討する事業者への提供 10

平成 26 年度中小企業等産業公害防止対策調査 平成 26 年度中小企業等産業公害防止対策調査 廃鉛バッテリー等有害廃棄物の効果的な 国内処理方策に関する調査 報告書 平成 27 年 2 月 九州経済産業局 目次 第 1 章調査の背景と目的及び実施概要... 1 1-1 調査の背景と目的... 1 1-2 調査の実施概要... 2 第 2 章廃鉛バッテリーの市場規模調査及び法規制等... 5 2-1

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