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1 ストレスの生化学

2 環境変化に対する生物の適応反応 応答形式対象時間調節機構 進化種 属年 ~ 億年遺伝子の突然変異 免疫応答個体日 ~ 年遺伝子の再構成 ストレス反応 ( 狭義 ) 細胞 個体分 ~ 時間遺伝子の発現 ( 矢原一郎 )

3 細胞のストレス応答

4 熱ショックタンパク質 (Heat Shock Protein; HSP) 細胞が熱 化学物質 虚血などのストレスにさらされた際に発現が上昇して細胞を保護する一群のタンパク質 分子シャペロンとして機能し ストレスタンパク質とも呼ばれる HSPはその分子量によりHsp60 Hsp70 Hsp90などに分類されている HSPは細菌からヒトまで広く似た機能を持つことが知られており そのアミノ酸配列は生物の進化の過程においてよく保存されている

5 hypoxia/hyperoxia hyperthermia/ hypothermia ischemiareperfusion acidosis energy depletion viral infection reactive oxygen and nitrogen species inactive HSP-HSF1 complex HSP HSF1 HSP refolded protein HSP HSF1 P HSP mrna stress-denatured protein HSE P HSF1 Nucleus

6 HSF1 leucine zipper HSF1 regulates heat shock response transactivation DNA-binding domain domain nuclear localization domain Hsp90 stress HSF1; heat shock transcription factor1 HSE; heat shock element denatured protein HSE Hsp70 Hsp40 HSE transcription nuclear membrane ngaannttcnngaan (nttcnngaannttcn)

7 分子シャペロン : 細胞内タンパク質の品質管理 新生タンパク質の折り畳み : タンパク質の膜輸送 : 変性タンパク質の再折り畳み : 障害タンパク質の分解 :

8 HSP modulates MAP kinase cascade EGF receptor STRESS SH SH TRX MAPKKK RAF-1 Hsp 90 Hsp 70 Hsp 27 ASK1 S S ASK1 MAPKK MEK MKK4 MKK3/6 TRX MAPK ERK JNK Hsp 70 P Hsp 27 p38 Hsp 70 MAPKAPK2 GROWTH, SURVIVE APOPTOSIS

9 Inhibition of mitochondria-mediated apoptosis by HSP Death Signals mitochondria loss of membrane potential, swelling, PTP pore opening Hsp 27 Hsp70 Hsp 60 Hsp 10 Hsp 27 cytochrome c Hsp 70 Hsp 90 Apaf-1 APOPTOSOME release of proapoptotic factors Hsp 27 Smac/DIABLO AIF Hsp 70 cytochrome c Apaf-1 procaspase 9 caspase 9 Hsp 27 procaspase 3 inhibition of apoptotic factors DNA fragmentation APOPTOSIS caspase 3

10 細胞質 小胞体 (ER) ストレス反応 IRE1α / IRE1β ATF 6 PERK denatured protein Bip denatured protein Bip Bip Hsp78 (grp78) Bip Bip kinase domain ribonuclease domain p p protease p p kinase domain eif2α eif2α p 核 mrna splicing NF-Y CCAAT-N 9 -CCACG endoplasmic reticulum stress response element (ERSE) タンパク質合成の抑制 小胞体シャペロンの誘導

11 Inhibition of translation eif2α p rrna Protein synthesis X Transcriptional activation of ER chaperone genes PERK IRE1α / IRE1β ATF 6 ER chaperones ER transcorone Activation of NF-kB Activation of caspase 12 proteasome ERAD Degradation Inflammation Apoptosis

12 NRF2 を介する ストレス応答 NRF2 依存性遺伝子 ユビキチン プロテアソーム 分子シャペロンストレス応答遺伝子 代謝 解毒関連遺伝子 抗酸化酵素遺伝子 機能 傷害タンパク質の分解と修復 細胞生存 抗ガン 解毒 抗酸化ストレス

13 生体のストレス応答

14

15 哺乳類の CRH 様ペプチド ペプチドアミノ酸配列アミノ酸数相同性 CRH ( ヒト ) SEEPPI SLDLTFHLLREVLEMARAEQLAQQAHSNRKLME I I % CRH ( ウシ ) SQEPPI SLDLTFHLLREVLEMTKADQLAPQAHSNRKLLD IA 41 83% ウロコルチン (UCN) DNPSLSI DLTFHLLRTLLE LARTQSQRERAEQNRI I FDSV 40 43% ( ヒト ) ストレスコーピン関連ペプチド I VLSLDVPI GLLOI LLEQARARAAREQATTNARI LARV 38 34% (SRP) ( ヒト ) ウロコルチン2(UCN2) V I LSLDVPI GLLRI LLEQARYKAARNQAATNAQI LAHV 38 34% ( マウス ) ストレスコーピン (SCP) FTLSLDVPTN IMN LLFNIAKAKNLRAQAAANAHLMAQI 38 32% ( ヒト ) ウロコルチン3(UCN3) FTLSLDVPTNIMN I LFN IDKAKNLRAKAAANAQLMAQI 38 26% ( マウス )

16 CRH 様ペプチドによる CRH レセプターの刺激とその作用 CRH ウロコルチン (UCN, urocrtin) ストレスコーピン (SCP, stresscopin) ストレスコーピン関連ペプチド (SRP, stresscopin-related peptide) 1 型 CRH レセプター 2 型 CRH レセプター 視床下部 下垂体 副腎系活性化不安うつ食欲低下炎症反応 食欲亢進胃運動低下抗不安抗うつ血管拡張 血圧低下

17 グルココルチコイド受容体 (GR) とミネラルコルチコイド受容体 (MR) によるストレス応答の調節 ( 早期のストレス惹起反応 ) CRH, CRHR1 闘争あるいは逃走 行動交感神経緊張ミネラルコルチコイドレセプター ( 遅い終息反応 ) ウロコルチン, CRHR2 コーピング 適応反応副交感神経グルココルチコイドレセプター ストレス反応 グルココルチコイドレセプターミネラルコルチコイドレセプター ACTH オピオイドメラノコルチン POMC CRH-CRHR1, AVP ウロコルチン -CRHR2 副腎 コルチゾル

18 WHO(2010 年 9 月 ): 世界で毎日約 3000 人 平均で 30 秒に 1 人が自殺している世界の自殺率は過去 50 年間で 60% 上昇厚労省 (2010 年 9 月 ): 自殺とうつ病に伴う経済損失は年間 2 兆 7 千億円 次代を担う子どもたちの深刻なこころの発達障害 小中学生の 1.5%, 中学 1 年生の 4.1% がうつ病 小中学生の不登校児 12 万 6764 人 (2006 年 ) 児童の 100 人に 1 人が自閉症スペクトラム 歳のひきこもり 70 万人 予備軍 155 万人 ( 総務省 2,009)

19 ストレスの評価方法 ストレッサー ライフイベントの調査 日常苛立ちごとの調査 個人の特性 ( 生物学的特性 ) 周りの支援 ( 社会環境要因の解析 ) 心理テスト 性格判定テスト 質問紙による心理 行動解析 ストレス反応 生理 生化学検査 臨床医学的検査 自律神経機能 血液や唾液のストレスマーカーの測定

20 生理反応理反応回復期なし生病気に結びつく病的ストレス反応 正常反応 ストレス (活性期 )時間 ( ) 回復期 1 適応不全生理反応( )時間 ( ) ( )時間 ( ) 時間 ( ) 2ネガテイブフィードバック不全 3 反応不全生理反応( )遺伝的因子と環境因子に基づく病的なストレス反応がある (McEwen BS. NEJM 1998)

21 生理反応病的ストレス反応 正常反応ストレス ( 活性期回復期)時間( ) 海馬 ネガテイブフィードバック不全 理反応回復期なし生ストレス ( )時間 ( ) (-) GR (-)(-) glucocorticoids 副腎 glucocorticoids CRH/AVP 下垂体自律神経中枢 ACTH IL-18 IL-6, IFN-γ (-) CA, Ach 視床下部 (PVN) (+) (+) 反応不全生理ストレス反応( )時間 ( ) 免疫細胞 IL-1, IL-6 TNF-α, LIF

22 ストレッサー ストレスに起因する疾患の発症 (パ生ー個物学ソ人的ナの特リ性テイ)出生時体重胎内環境遺伝的素因 養育環境 ストレス応答 病的ストレス応答 うつ病慢性疲労症候群喘息アトピー過敏性大腸炎その他

23 進化がもたらしたヒトの特徴 人間の進化は胎児化の方向へ進んだ 幼形成熟 : 幼児形質を保持してゆっくりと成熟する 霊長類の脳の形成は養育環境に左右される 社会脳 : 社会知能 (social intelligence) を司る脳部位 前頭葉眼窩皮質 扁桃体 上側頭回 ( 九州大学神庭先生より )

24 神経細胞は胎内で過形成 2歳頃から減少 シナプスの過形成は出生後に 視覚野では9ヶ月でピーク 前頭葉では5歳でピーク 神経の髄鞘化は胎生5ヶ月に 始まり生涯続く (M)

25 一過性の重複配置 自発性 誘導性神経活動 安定した神経回路

26 精神分析学 精神生物学 ( 社会性動物である ) 霊長類の脳は 初期の愛着および後の社会化の結果として 行動制御が可能となる機構を獲得する この方法以外に ( 社会的な ) 脳を作り上げることはできない

27 脳を作るもの = 遺伝子 G X 環境 E 進化が書き上げた遺伝子と遺伝子と交互作用する環境 γge 可塑性とその感受性 ( 臨界期 ) が問題

28 ストレスと脳 胎児期新生児 幼児期思春期成人老年 自閉症統合失調症 うつ病認知症 HPA 軸 プログラミング 分化 防御 / 維持 / 修飾 維持 / 修飾 インキュベーション グルココルチ 母親との隔離 うつ病 認知障害 コイド (GCs) 虐待 PTSD PTSD 神経細胞の増殖 ニューロンネットワーク形成 刈り込み 可塑性 (Nature Rev Neurosci 2009)

29 遺伝子と環境の相互作用 セロトニントランスポータ 遺伝子 (5HTT)-linked polymorphic region (5HTTLPR) の s 型と l 型 : S 型はライフイベントストレスに高感受性 (Caspi A et al. Science 2003) ドーパミンレセプター (DRD4 と DRD2) の多型 : 両方を持っている場合には新規探求傾向 (Noble et al. Am J Med Genetics 1998) モノアミンオキシダーゼ A(MAOA) プロモーターの低活性型多型 ( 男子 ): 悪い養育環境に高感受性 大人になってから反社会的行動 (Caspi A et al. Science 2002) 胎児期と幼児期のストレス : 思春期や大人になってからの視床下部 下垂体 副腎 (HPA) 軸の異常 (Welberg & Seckl. J Neuroendocrinol 2001)

30 Exon 1 h5-htt-linked polymorphic region CCCCCC AGCAT CCCCCC TGCA GCCCCCCC AGCAT CTCCCC TGCA 528 bp 484 bp l allele s allele l 対立遺伝子の機能 : 転写活性が高い l/l 遺伝子型の特徴 1 5-HTT 再取り込みが高い 2 5-HTT 結合部位が多い 3 5-HTTmRNA 濃度が高い * いずれも in vitro の研究

31 PTSD における海馬の体積減少 外傷体験の結果? 生来の脆弱性か? Negative study も多いアルコール乱用 うつ病の合併の影響 VBM(voxel-based morphometry) 法や機能画像研究による追試の必要性 PTSD の MRI 所見 (Lindauer et al)

32 ストレスが脳を傷つける ストレスで死亡したミドリザルの海馬 CA3 錐体細胞の脱落 Uno et al., J Neurosci 89

33 ストレスで萎縮する神経細胞 優位サルの威喝というストレス Magarinos et al., J Neurosci 96

34 ストレスによる神経新生の抑制 Tanapat et al., Int J Dev Neurosci 98

35 Stress, Inflammation, and Depression Inflammation and depression theory The striking co-morbidity between major depression and diabetes, IHD, or cancer Therapeutic administration of IFN-α leads to depression in up to 50% of patients

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