Microsoft PowerPoint - CS立体図による危険地把握e（HP用）

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1 林業技術を考える会 本日の話題 CS 立体図を用いた危険箇所把握 1.CS 立体図とは 2. 森林路網と危険地形 鳥取県林業試験場矢部浩 3.CS 立体図による地形判読 1.CS 立体図とは 地形図から判読できる 3 つの情報 標高 地形判読を容易にする立体図法 地理院地図 ( 電子国土 Web) 地理院地図 ( 電子国土 Web) m EL=1100m 920.6m 等高線から標高を読み取る EL=850m 地形図から判読できる 3 つの情報 傾斜 地形図から判読できる 3 つの情報 凸凹 ( 平面曲率 ) m 地理院地図 ( 電子国土 Web) m 地理院地図 ( 電子国土 Web) 等高線間隔が広い 等高線間隔が狭い < 緩い > < 急 > 等高線の間隔から傾斜を読み取る 地理院地図 ( 電子国土 Web) 等高線の曲がり具合 ( 曲率 ) から地形の凹凸 ( 尾根 谷 ) を読み取る 1

2 地形図から判読できる 3 つの情報 凸凹 ( 縦断曲率 ) 遷急線遷急線 1 標高 E l evation + 2 傾斜 S lope + 3 曲率 Cur vature 遷急線 A B 遷緩線 3つの情報を異なる色調で彩色して透過処理 異なる情報を同時に認識可能 A 遷緩線 遷緩線 B 視覚情報から直感的に情報を認識可能 等高線では表現が困難な情報も認識可能 傾斜の変化から 遷急線 遷緩線を読み取る )CS とは曲率 (C urvature) と傾斜 (Slope) の頭文字 CS 立体図の作成方法 GISを使用して作図 正方メッシュのDEM ( 数値標高データ ) を使用 2 傾斜レイヤ S lope 凡例 A 急 : 茶 緩 : 白 茶 1 標高レイヤ E l evation 標高により彩色 < 凡例 > 高い : 白 低い : 黒 高 レイヤ A 緩茶 凡例 B 急 : 黒緩 : 白急 (DEM データ提供 : 国土交通省中国地方整備局 ) 低 レイヤ B 急 緩 3 曲率 Cur vature レイヤ C 凡例 C 凸 (+): 白凹 (-): 紺 標高レイヤ 曲率レイヤ C 傾斜レイヤ A 立体図の作成 凸 凹 凸 凡例 D 凸 (+): 赤 凹 (-): 青 白 : 高黒 : 低 白 : 凸紺 : 凹 茶 : 急白 : 緩 ( ア ) 立体図 傾斜レイヤ レイヤ D 透過処理 + 0 凸 凹凸 2

3 傾斜レイヤ B 曲率図の作成 ( イ ) 曲率図 CS 立体図の作成 曲率レイヤ D ( ア ) 立体図 黒 : 急 ( イ ) 曲率図 完成 赤 : 凸 白 : 緩 傾斜レイヤ 立体図 青 : 凹 曲率図 透過処理 透過処理 14 CS 立体図による基本的な地形表現 CS 立体図による基本的な地形表現 森林基本図 CS 立体図 1. 尾根 ( 凸地 ) は赤 谷 ( 凹地 ) は青 2. 急傾斜地は暗く 緩傾斜地は明るい CS 立体図でみえるもの 従来の地形図 作業道 林道 盛土 地すべり 作業道 林道 盛土 地すべり 河床侵食 河床侵食 棚田跡 棚田跡 湧水点 沢 崩壊地 湧水点 沢 崩壊地 河岸段丘 河岸段丘 3

4 Google Earth を利用した立体表示 航空レーザ測量による細密な標高データ (DEM) 林道 盛土 地すべり 河床侵食 0.5m 湧水点 沢 航空レーザ測量 樹木下の微地形を計測可能 0.5m 航空レーザ測量技術により 0.5m メッシュの標高データ (DEM) を計測可能 DEM の精度による見え方の違い 10mDEM 5mDEM 鳥取県における CS 立体図整備状況 国土地理院基盤地図情報 (1 0 m メッシュ DEM ) より作成 1mDEM 国土地理院基盤地図情報 (5 m メッシュ DEM ) より作成 0.5mDEM 21 越美山系砂防事務所航空レーザ測量成果より作成 岐阜県林政部治山課航空レーザ測量成果より作成 10mDE M 全域 鳥取県における CS 立体図整備状況 2. 森林路網と危険地形 森林路網の損壊が生じた斜面の特徴 2mDE M 一部 4

5 度数 ( 件 ) n=398 0 次谷 地すべり 断層 地質境界 崩積土 その他 (n=274) (n=330) (n=229) (n=123) (n=92) (n=46) D C, D C B, C,D B, C B A,B A 軟風化硬 なし湧水跡滲出滴下流下 100% 80% 60% 40% 20% 0% ている度強度の低下した 柔らかい場所で崩れ森林路網損壊個所の湧水状況 出現割合 0 次谷地すべり断層地質境界崩積土その他 森林路網損壊箇所の地形的特徴と地盤風化度 (n=273) (n=332) (n=230) (n=123) (n=93) (n=46) 森林路網の開設で注意すべき危険地形地すべり地形断層 0 次谷地質境界崩積土 路網損壊の事例地すべりはらみ出しでの落石 崩壊 共通点 地盤が破砕 風化している 水が回りやすい 高い切取りにより不安定化し崩壊が発生する 転圧不足になりやすく路面の沈下からクラックを生じる 路網損壊の事例地すべり側方崖での切土崩壊 路網損壊の事例断層での路面沈下による盛土崩壊 5

6 路網損壊の事例地質境界での切土崩壊 地質境界での切土崩壊 路網損壊の事例 0 次谷での盛土崩壊 法面崩壊 拡 ( 花崗岩盤の石英脈を境界として崩れた法面 ) 大 3.CS 立体図による地形判読 地すべり地形 CS 立体図上で危険地形を判読するポイント ( 形状や色調の特徴など ) 地すべり地形の模式図 地すべり地形とは? ( 防災科学技術研究所 ) 平面図 滑落崖 暗褐色 ( 急崖 ) 移動体上部薄い青 ~ 白色 ( やや凹地 ~ 平坦地 ) 縦断図 薄い青 ~ 白色 ( やや凹地 ~ 平坦地 ) 暗褐色 ( 急崖 ) 側方崖 地すべり移動体 側方崖 薄い茶色 ( 緩傾斜地 ) 薄い青 ~ 濃い青 薄い茶色 ( 緩傾斜地 ) 移動体下部押し出し部 褐色 ( 谷側凸型の急斜面 ) 暗褐色 ( 谷側凸型の急斜面 ) すべり面 舌部 6

7 判読のポイント 地すべり地形 馬蹄形状の凹地 ( 青色 ) 山腹の円弧状の急崖 ( 暗褐色 ) 山腹の平坦地 ( 薄い青 ~ 白色 ) ( 沼 池 棚田がある場合も ) 地すべり地形 10mDEM 模式図 地すべり地形 10mDEM 地すべり地形 10mDEM 地すべり地形 2mDEM 地すべり地形 2mDEM 7

8 地すべり地形 2mDEM 0 次谷 平面図 0 次谷の見分け方 縦断図 縦断図 0 次谷 残積土 暗く濃い青色 ( 凹型の急傾斜地 ) 薄い青色 ( 凹型の緩傾斜地 ) 暗い青色 ( 凹型の急傾斜地 ) 遷急線過去の崩壊の滑落崖侵食前線 遷緩線の近くに湧水点がある 崩積土 濃い青色 ( 深い凹地形 ( 谷 沢 )) 0 次谷流域の斜面縦断形 ( ) 塚本良則. 森林 水 土の保全. 朝倉書店 過去の崩壊跡 縦断図 判読のポイント 0 次谷 凸地形に囲まれた幅広の緩やかな凹地 ( 薄い青色 ) 0 次谷 薄い青色 ( 凹型の緩傾斜地 ) 遷急線 暗い青色 ( 凹型の急傾斜地 ) 凹地の中に明瞭な流路がない ( 線状の濃い青色がない ) 濃い青色 ( 深い凹地形 ( 谷 沢 )) 湧水点暗く濃い青色 ( 凹型の急傾斜地 ) 下流側に湧水点がある ( 円形の濃い青色 ) 下流側に常水のある谷がある ( 線状の濃い青色 ) 模式図 8

9 0 次谷 2mDEM 0 次谷 2mDEM 0 次谷 2mDEM 湧水点 紛らわしい地形 最上流部に円形の濃い青 円形の濃い青 下方に赤 ( 凸地 ) 下方にも谷地形 人工改変 ( 炭焼き跡 ) 円形の濃い青が無い下方に向かって徐々に濃い青になる 湧水がある渓流 表面流による侵食 ( ガリー ) 湧水点 2mDEM 湧水点 2mDEM 9

10 断層 断層 応力を受けて岩盤が破断した場所 ( 産総研資料より ) 三角末端面や河川の曲がり 三角末端面 凸凹のすくない平滑な三角形の斜面 断層 鞍部 馬に乗せる鞍の中間部のような形 等高線と色調 直線状谷 連続した鞍部 尾根の中の白 ~ 薄い青色 ( 平坦 ~ 緩傾斜 ) の部分 判読のポイント三角末端面鞍部直線状の谷河川の屈曲尾根の屈曲 断層 連続する線状模様 断層 10mDEM 10

11 断層 10mDEM 断層 10mDEM 断層 10mDEM 断層 10mDEM 断層 10mDEM 断層 10mDEM 11

12 断層 10mDEM 地質境界 判読のポイント斜面勾配が変化遷急線 : 薄い色から濃い色に変化遷緩線 : 濃い色から薄い色に変化 谷密度が変化谷密度が高い : 線状の濃い青色が多い谷密度が低い : 線状の濃い青色が少ない 地質境界 10mDEM 地質境界 10mDEM + 表層地質図 崩積土 崩壊した土砂や角礫が堆積し斜面を形成した箇所比較的緩い斜面を形成することもあるが ここを掘削して道を付けると上部から崩落しやすい 判読のポイント 崩積土 下流側形状が舌状 扇状 ( 舌状 扇状の薄い茶 ~ 白色 ) 谷から続く緩傾斜地 ( 線状の濃い青色から続く薄い茶 ~ 白色 ) 輪郭は判然としない場合が多い模式図 12

13 崩積土 10mDEM 崩積土 2mDEM ご清聴ありがとうございました アンケートのお願い 委託プロジェクト研究 山地災害リスクを低減する技術の開発 山地災害に強い森林づくりのための簡易なゾーニング手法の開発 今回の報告内容には 農林水産業 食品産業科学技術研究推進事業 ( 農林水産省 ) 安全な路網計画のための崩壊危険地ピンポイント抽出技術 ( 平成 26~28 年度 ) の成果の一部を含みます CS 立体図と森林施業 ( 小面積皆伐 ) カラマツ 材積多い 林道に接する 空中写真 CS 立体図 緩傾斜 侵食無し= 崩壊危険性小作業性良い 崩積土 = カラマツ成長量 林道沿い = 地利良い崩壊リスクが小さく 利便性の高い場所を選択 13