長期/島本1

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1 公益財団法人京都大学教育研究振興財団 京都大学教育研究振興財団助成事業成果報告書 平成 28 年 4 月 25 日 会長辻井昭雄様 所属部局 研究科 ( 申請時 ) ips 細胞研究所特定研究員 ( 報告時 ) ETH Zurich Department of Biosystems Science and Engineering ポスドク研究員 氏名島本廉 助成の種類 平成 27 年度 若手研究者在外研究支援 在外研究長期助成 研究課題名 ips 細胞誘導時の体細胞への逆戻り分子機構の解明 受入機関 スイス連邦工科大学チューリッヒ校 渡航期間 助成対象期間平成 27 年 4 月 1 日 ~ 平成 28 年 3 月 31 日 ( 現在留学継続中 ) 成果の概要 タイトルは 成果の概要 / 報告者名 として A4 版 2000 字程度 和文で作成し 添付して下さい 成果の概要 以外に添付する資料 無 有 ( ) 交付を受けた助成金額 使用した助成金額 返納すべき助成金額 3,000,000 円 3,000,000 円 0 円 会計報告 渡航費 ( 航空券 ) 96,870 円 交通費 98,000 円 助成金の使途内訳 滞在費充当 2,805,130 円 ( 今回の助成に対する感想 今後の助成に望むこと等お書き下さい 助成事業の参考にさせていただきます ) 当財団の助成について 助成金は渡航費 交通費 滞在費に使わせて頂きました これによって生活基盤が安定し 研究を円滑に進めることができました 海外留学のための助成金は数が少なく 競争率が高いです 一人でも多くの研究者の留学を支援できるようにこの在外研究長期助成を続けて頂きたいです 一年間の留学期間に研究だけでなく海外生活のノウハウなど様々なことを学びました このような情報をこれから留学する方に伝えるための場 例えば前年度採択者と交流会などがあればと思います

2 ips 細胞誘導時の体細胞への逆戻り分子機構の解明 ETH Zurich Department of Biosystems Science and Engineering/Timm Schroeder 研究室 島本廉 研究目的体細胞に特定の遺伝子を発現させることによって 人工多能性幹細胞 (ips 細胞 ) が誘導される 最近 ips 細胞の誘導過程において 一度多能性幹細胞に特異的なマーカーを発現するようになった細胞 (ips 細胞前駆細胞 ) の 実に 50% 以上が体細胞へと逆戻りすることが示された しかし そのメカニズムは明らかにされていない 本研究では生細胞イメージングを用いて 逆戻り細胞を一細胞レベルで特定し 逆戻り細胞で生起する変化とその機構を分子レベルで解析する 逆戻りの分子機構を解析することにより より詳細な ips 細胞誘導の必要条件を明らかにする 結果 OKMS MEFで逆戻りは起きないまず初めにこれまで報告されている逆戻りがマウス ips 細胞誘導中に起こるかどうかを確認した ips 細胞誘導には Collagen1a1 TetO-Oct3/4-Klf4-c-Myc-Sox2, Rosa26 rtta マウス胎仔線維芽細胞 (OKMS MEF) を用いた この細胞は Collagen1a1 遺伝子座に Oct3/4, Klf4, c-myc 及び Sox2 (OKMS) が挿入されており ドキシサイクリンを加えることによって ips 細胞を誘導することが可能である ウイルスやプラスミドを用いた方法ではリプログラミング因子のコピー数や挿入部位が細胞毎に異なり 細胞毎のリプログラミング因子の発現レベルが異なる この方法では 細胞間で発現レベルが均一であり リプログラミング因子の働きをより直接的に見ることができる 逆戻りは ips 細胞誘導開始後 6 日目に SSEA1 陽性 Thy1 陰性細胞 (ips 細胞前駆細胞 ) を回収し 3 日後に SSEA1 陽性 Thy1 陰性細胞がどれだけ含まれているかで判断した SSEA1 は多能性細胞マーカー Thy1 は皮膚細胞マーカーとして知られている 誘導開始後 5 日目で SSEA1 陽性の細胞が出現し始めることが予備実験により分かっていた ips 細胞誘導が進むにつれて細胞は ips 細胞へと変化し 逆戻りが起こりにくくなると考えられたため 出来るだけ早い日の 6 日目の細胞集団から ips 細胞前駆細胞を回収した

3 細胞回収直後に 97.4% であった Thy1 陰性 SSEA1 陽性の割合が 9 日目には 95% となり 2.4% 減少した ( 図 1) これまでの報告のような 50% 程の大きな減少はなく OKMS MEFでは逆戻りが起きていないと考えられた モノシストロニック O, S, K, Mレトロウイルスでは逆戻りが起きるこれまでの報告により ips 細胞誘導過程の細胞の変化はリプログラミング因子の発現量のバランスや遺伝子導入方法に依存することが知られており 逆戻りも ips 細胞誘導方法に依存して起こる可能性が考えられる そこで 逆戻りが起こる方法と起こらない方法を比較し 逆戻りの原因を調べるため 逆戻りが起こる方法を探すこととした まず初めに ヒトにおいて逆戻りの報告があるモノシストロニック O, S, K, Mレトロウイルスを検討した この方法では誘導開始後 10 日目から SSEA1 陽性細胞が出現し始める 11 日目に 98% であった Thy1 陰性 SSEA1 陽性画分が 14 日目には 61% であり 37% の減少が見られた ( 図 2) この結果からモノシストロニック O, S, K, Mレトロウイルスを用いた方法では逆戻りが起こることが分かった 生細胞イメージングによる逆戻り細胞の特定標識に用いる抗体の検討逆戻りする細胞を特定するため タイムラプスムービーを用いることとした まず初めに ips 細胞前駆細胞を標識に用いる抗体の検討を行った マウス ES 細胞もしくは MEFを ibidi μ-slide vi0.4に播種し 一日培養した後 抗体を添加した phenol red freeの培地に交換し 30 分後写真を撮影した その結果 SSEA1-FITC 抗体を用いた場合ポジティブコントロールである ES 細胞は標識されるがネガティブコントロールの MEFは標識されなかった ( 図 3) Thy1-APCを用いた場合 ポジティブコントロールの MEFが標識されるがネガティブコントロールの ES 細胞は標識されなかった ( 図 4) 以上の結果からこれらの抗体を ips 細胞前駆細胞の識別に用いることにした

4 今後の予定 OKMS MEFでは逆戻りが起こらずモノシストロニック OSKMレトロウイルスを用いた方法では逆戻りが起きた この結果から逆戻りの原因としてリプログラミング因子の発現のバランス 発現量 プロモーターのサイレンシングが考えられる 今後これらと逆戻りの関係について調べる 生細胞イメージングついては 今回検討した抗体を用いて ips 細胞前駆細胞を標

5 識し 逆戻りする細胞 (SSEA1 陽性 Thy1 陰性から変化する細胞 ) を特定する その後 免 疫染色を用いて逆戻り細胞の遺伝子発現について調べる 以上

を行った 2.iPS 細胞の由来の探索 3.MEF および TTF 以外の細胞からの ips 細胞誘導 4.Fbx15 以外の遺伝子発現を指標とした ips 細胞の樹立 ips 細胞はこれまでのところレトロウイルスを用いた場合しか樹立できていない また 4 因子を導入した線維芽細胞の中で ips 細

を行った 2.iPS 細胞の由来の探索 3.MEF および TTF 以外の細胞からの ips 細胞誘導 4.Fbx15 以外の遺伝子発現を指標とした ips 細胞の樹立 ips 細胞はこれまでのところレトロウイルスを用いた場合しか樹立できていない また 4 因子を導入した線維芽細胞の中で ips 細 平成 19 年度実績報告 免疫難病 感染症等の先進医療技術 平成 15 年度採択研究代表者 山中伸弥 京都大学物質 - 細胞統合システム拠点 / 再生医科学研究所 教授 真に臨床応用できる多能性幹細胞の樹立 1. 研究実施の概要 胚性幹 (ES) 細胞は受精後間もない胚から樹立する幹細胞であり 様々な細胞へと分化する多能性を維持したまま 長期かつ大量に培養することが可能であることから 脊髄損傷 若年性糖尿病

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