(2) 小児救急医療体制の整備

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けんじおおはし
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1 8. 小児救急を含む小児医療 (1) 小児 ( 救急 ) 医療の現状大阪府内において小児科を標榜する医療機関は病院診療所を合わせて 2,217 医療機関 ( 平成 19 年 7 月 1 日現在 ) ありその中で小児の入院病床を持つ医療機関は 79 施設 2,336 床である小児は感染症などの急疾患が多く救急医療体制の充実は特にニーズが高い大阪府における小児医療の各種指標を全国と比較すると平成 16 年の乳幼児死亡率 (5 歳未満の死亡率 ) は人口千対 0.80 であり全国 14 位とやや高いまた 15 歳未満の死亡率は 0.32 と 15 位である平成 16 年における小児科を主たる診療科とする医師数 (15 歳未満人口 1 万対 ) は 8.6 人 (1,063 人 ) と全国の 8.3 人 (14,677 人 ) と比較してやや多い近年小児救急医療に従事する医師が不足してきておりこれまで初期及び二次救急医療体制の確保ができている医療圏においても現状の維持 ( 小児科医の確保 ) が困難になりつつあるその原因として時間外受診患者の増加軽症患者の二次救急医療機関受診地域の開業医の高齢化平成 16 年度からスタートした新臨床研修制度などが考えられる小児救急医療体制は地域において初期二次三次救急医療体制の機能分担を行っている小児救急患者の大半は入院や手術を必要としない軽症患者であるが軽症の急病患者が二次救急病院を多数受診し病院の本来の役割である二次救急医療への支障が懸念されている初期救急医療体制については市町村が整備した休日夜間急病診療所が対応しており休日の昼間帯はほぼ対応できているものの平日土曜日曜休日を通じ夜間帯の整備ができていない地域がある二次救急医療体制については平成 12 年度から救急告示病院と初期救急医療機関からの後送病院の両方の機能を担う二次救急医療機関を二次医療圏ごとに協力病院を募り診療報酬制度により時間外診療等について一定の加算をおこなうなどにより体制の整備をおこなっている 290

2 表小児科医療機関の減少小児科標榜病院病院総数小児科標榜診療所診療所総数平成 11 年 ,210 7,500 平成 17 年 187 ( 9.2%) 512 ( 4.1%) 1,994 ( 9.8%) 8,116 (+8.2%) ( 医療施設調査より ) 表府内における小児科医数 ( 主たる診療科 ) 小児科医総数医師総数平成 10 年度 1,032 19,196 平成 16 年度 1,063 (+ 3.0%) 21,563 (+12.3%) ( 医師歯科医師薬剤師調査より ) 表初期救急医療体制と二次救急医療体制初期救急医療機関二次救急医療機関休日急病診療所 ( 休日年末年始夜間急病診療所固定通年制輪番制の昼間帯 ) ( 平成 19 年 1 月現在 ) 表三次救急医療体制三次救急医療機関救命救急 13 施設 291

3 (2) 小児救急医療体制大阪府においては平成 16 年 2 月に策定した健康福祉アクションプログラム ( 案 ) に基づき 24 時間 365 日いつでもどこでも安心できる小児救急医療体制を確立するための対策を総合的に行っている 1 小児救急電話相談夜間の子どもの急病等に関する保護者の不安を解消するため小児科医の支援体制のもとに看護師による夜間電話相談を実施している電話番号 :#8000( 又は ) 相談時間 : 夜 8 時 ~ 翌朝 8 時 3,000 2,500 2,000 1,500 1, 小児救急電話相談件数推移 ( 平成 17 年度実績 ) 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 0~8 時 ~24 時 1,541 1,438 1,374 1,489 1,204 1,206 1,355 1,497 1,937 1,941 1,566 1,785 2 小児救急広域連携初期救急医療体制については市町村が設置する休日夜間急病診療所での対応が望まれるが小児救急医療に携わる医師の不足等からみて各市町村が単独で夜間の初期救急医療体制をそれぞれに整備することは困難であると考えられるそこで夜間の小児初期救急医療体制を共同して整備運営する市町村 ( 大阪市を除く ) に費用の一部を助成し夜間の小児初期救急医療体制の充実を図っている平成 16 年度には豊能医療圏 ( 豊中市池田市吹田市箕面市豊能町能勢町 ) において豊能広域こども急病が開設され運営されている平成 17 年度には三島医療圏 ( 高槻市茨木市摂津市島本町 ) において高槻島本夜間休日応急診療所と茨木市保健医療附属急病診療所が役割を分担しつつ運営されている平成 18 年度には南河内医療圏南部 ( 富田林市河内長野市大阪狭山市河南町 292

4 太子町千早赤阪村 ) において地域の病院を中心とした南河内南部小児急病診療体制が整備運営されているまた泉州医療圏北部 ( 高石市和泉市泉大津市岸和田市貝塚市忠岡町 ) において泉州北部小児初期救急広域が運営されているこれら以外にも独自に地域に合った小児初期救急医療体制が整備運営されている図主な小児初期救急医療拠点 ( 体制 ) 豊能広域こども急病高槻島本夜間休日応急診療所茨木市保健医療附属急病診療所 4 南河内南部小児急病診療体制 5 泉州北部小児初期救急広域 6 大阪市中央急病診療所堺市泉北急病診療 5 8 北河内夜間救急は深夜体制は準夜体制による運営 3 小児救急医確保救急業務に従事可能な小児科医を広域的に確保し医師が手薄な地域における小児救急医療体制の確保を支援している小児救急医療従事者研修内科医救急業務の経験が小児救急医療機関 ( 事業 ) 少ない小児科医等派遣調整 293

5 4 子どものかかりつけ医小児救急患者の大半は入院や手術を必要としない軽症患者であることから病気に対する正しい知識やかかりつけ医を持つことにより不要不急な二次救急病院の利用を差し控えるよう子どものいる保護者に対し啓発している救急病院等子どもの急病時かかりつけ医等の啓発救急病院等重症かかりつけ医等子どもの急病時現在これらの対応策を行っているが今後も小児救急に携わる医師が不足するおそれが高いこうした状況において短期的には大阪府医療対策協議会において必要な地域では小児救急の拠点となる医療機関への医療資源の集約化重点化を検討し拠点となる医療機関が決定すれば周囲の医療機関の協力のもとその具体化を図っていくただし長期的には国が小児科医の養成についてより積極的に取り組み小児救急に携わる医師の担い手を増やす必要がある (3) 小児慢特定疾患対策小児慢疾患のうち特定の疾患については疾患の治療研究を推進することにより医療の確立普及及び児童の健全な育成とともに患者家族の負担軽減を図るため専門医を有する適切な医療機関に委託し医療費の援助を行っている平成 17 年度に給付内容の改善及び重点化と制度の安定的確立の観点から新たに児童福祉法を根拠とする制度改正が行われたこれにより対象となる疾患は従来の 10 疾患群から 11 疾患群 (1 悪新生物 2 慢腎疾患 3 慢呼吸器疾患 4 慢心疾患 5 内分泌疾患 6 膠原病 7 糖尿病 8 先天代謝異常 9 血友病等血液免疫疾患 10 神経筋疾患 11 慢消化器疾患 ) に疾患数も 488 疾患から 516 疾患に拡大するとともに一部の疾患でしか認められなかった 20 歳までの承認延長が全疾患で認められるなど給付内容が改善された平成 17 年度の承認件数は 6,017 件で疾患群別にみると内分泌疾患と慢心疾患で過半数を占めている府内の委託契約医療機関は 501 ヶ所である疾患別医療機関別の承認件数は表のとおりである 294

6 表疾患群別医療機関別承認件数医療機関名件数医療機関名件数悪 1 大阪府立母子保健総合医療センター 147 慢 1 近畿大学医学部附属病院 100 新 2 大阪大学医学部附属病院 96 腎 2 大阪府立母子保健総合医療 48 生疾物 3 大阪市立総合医療 93 患 3 関西医科大学附属滝井病院 43 4 関西医科大学附属滝井病院 39 4 星ヶ丘厚生年金病院 39 5 近畿大学医学部附属病院 36 5 大阪市立総合医療 32 その他 271 その他 358 計 682 計 620 慢 1 大阪府立呼吸器アレルギー医 32 慢 1 大阪府立母子保健総合医療 376 療呼吸器疾患 2 ( 医 ) 愛仁会高槻病院 13 心 2 国立循環器病 ( 医 ) 協仁会小松病院 8 疾 3 近畿大学医学部附属病院特定医療法人徳洲会岸和田徳 8 患 4 大阪大学医学部附属病院 128 洲会病院 5 ( 医 ) 協仁会クリニックこまつ 5 5 大阪市立総合医療 95 その他 52 その他 394 計 118 計 1,518 内分 1 大阪府立母子保健総合医療 250 膠 1 国立循環器病 25 原泌 2 関西医科大学附属香里病院 99 病 2 大阪医科大学附属病院 21 疾患 3 大阪市立総合医療 98 3 大阪府立母子保健総合医療 14 4 安原子どもクリニック 90 4 関西医科大学附属滝井病院 11 5 大阪大学医学部附属病院 89 5 八尾市立病院 9 その他 1,095 その他 126 計 1,721 計

7 糖尿 1 大阪市立大学医学部附属病院 63 先 1 大阪大学医学部附属病院 73 天病 2 関西医科大学附属滝井病院 19 2 大阪府立母子保健総合医療 40 代 3 近畿大学医学部附属病院 10 謝 3 大阪市立大学医学部附属病 35 異院 4 星ヶ丘厚生年金病院 9 常 4 箕面市立病院 15 5 大阪医科大学附属病院 8 5 大阪市立総合医療 12 大阪大学医学部附属病院 8 その他 117 その他 134 計 234 計 309 血 1 奈良県立医科大学附属病院 19 神 1 大阪府立母子保健総合医療 59 友経病等血液疾患 2 関西医科大学附属滝井病院 18 2 大阪大学医学部附属病院 33 3 東大阪市立総合病院 15 筋 3 大阪市立総合医療 21 4 大阪府立母子保健総合医療 13 疾 4 豊中市立しいの実学園 16 患 5 大阪医科大学附属病院 12 5 市立枚方市民病院 14 その他 160 その他 127 計 237 計 270 慢 1 大阪府立母子保健総合医療 23 消化器疾患 2 京都大学医学部附属病院 21 3 大阪大学医学部附属病院 13 4 大阪市立総合医療 11 5 近畿大学医学部附属病院 4 大阪医科大学附属病院 4 その他 26 計

8 府の保健所では適切な医療や療育を確保するため小児慢特定疾患児等とその家族に対して医師による専門相談や保健師による訪問指導や患者家族交流会を実施しているまた在宅でのケアを必要とし保健所に来所できない重度の難病児等の長期療養児には訪問による療育指導を実施している相談 ( 述べ ) 件数は 2,941 件であり申請時を除くと医療に関する相談が最も多くなっている今後疾患の早期発見早期治療早期療育を図り難病児の生活の質の向上を図るため疾患に応じた適切な支援とともに地域での総合的な支援体制づくりを推進する必要があり医療機関と保健機関とのさらなる連携が重要である表主な相談内容 ( 延べ数 ) 相談は重複あり 16 年度 (%) 17 年度 (%) 申請等 1,259 (42.8) 医療 473 (45.9) 566 (19.2) 家庭看護 225 (21.8) 372 (12.6) 福祉制度 46 (4.4) 148 (5.0) 就学 71 (6.9) 138 (4.7) 食事栄養 39 (3.8) 61 (2.1) 歯科 1 (0.1) 19 (0.6) その他 176 (17.1) 378 (12.9) 総計 1,031 (100) 2,941 (100) 平成 17 年度の制度改正により申請窓口が医療機関から保健所に変更 (4) 小児医療の集約化重点化医師不足の影響がとりわけ著しい小児科産科は大阪府においても医療の確保が困難となりつつあるこのため大阪府は平成 18 年度に大阪府医療対策協議会を設置して医師不足対策について検討するとともに小児医療の専門家や病院関係者等からなる小児医療専門分科会を設置して集約化重点化の是非を検討した専門分科会では 1 他府県と比べると恵まれた状況にあるものの疲弊状態にある2 平成 16 年度より初期救急の広域化集約化が進んでいる3 長期入院児により NICU( 新生児集中治療室 ) の稼働率が低下し周産期緊急医療に支障が出ているなどの問題点が指摘されたまた平成 18 年 6 月に日本小児科学会より小児医療提供体制の改革ビジョンが示され小児救急も含めた小児科診療機能を中核病院と地域小児科に集約する具体的な構想が提示されるとともに大阪小児科学会の大阪小児医療体制モデル案策定委員会において中核病院 7 施設地域小児科病院 19 施設からなるモデル案が策定された 297

9 以上の動きも踏まえて小児医療専門分科会では1 初期救急は休日も含め広域化拠点の整備を引き続き進める2 小児救急電話相談体制の強化をおこなう3NICU( 新生児集中治療室 ) の実態調査分析を進める4 増加しつつある女医師の支援をおこなうなどの方針が示され今後取組んでいくとした 298

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<4D F736F F F696E74202D E81798E9197BF33817A8FAC8E998B7E8B7D88E397C391CC90A782CC8CBB8FF32E > 1 資料 3 小児救急医療体制の現状厚生労働省医政局指導課 2 児科医数の推移現状小児科医師数は平成 12 年から22 年で14,156 人から15,870 人に増加している対象となる小児人口はいずれも減少しており小児人口に対する小児科医師数も増加している ( 平成 12-22 年人口動態調査及び医師歯科医師薬剤師調査を元に医政局指導課作成 ) 児科医師数 ( ) 20,000000