新技術説明会　様式例

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かずしきちや
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1 3 元素系複合含水酸化物を用いた有害イオン選択吸着材料の開発島根大学生物資源科学部生態環境科学科助教桑原智之

2 研究背景 ~ 水質汚濁の現状平成 21 年度公共用水域の水質測定結果人の健康の保護に関する環境基準全体の 27 項目 ( のべ 3,986 地点 ) 達成率 99.1% ( ほとんどの地点で達成, 平成 11 年度以降 99% 以上 ) 環境基準を超過した 48 地点鉛 :6 地点, 砒素 :22 地点, ふっ素 :15 地点平成 21 年度地下水質測定結果概況調査 ( 調査井戸 4,312 本 ) 環境基準超過率 5.8% 継続監視調査 ( 調査井戸 4,775 本 ) 環境基準超過率 41.5% 2

3 環境基準超過井戸本数緩やかに増加汚染源硝酸性亜硝酸性窒素 ( 平成 11 年に追加 ) 施肥家畜排せつ物生活排水砒素 ( 平成 5 年に改訂 ) 自然由来ふっ素 ( 平成 11 年に追加 ) 自然由来 3 出典 : 平成 21 年度地下水質測定結果 ( 環境省 )

4 ふっ素中毒症状慢性中毒腎臓障害骨硬化症斑状歯急性中毒肺水腫敗血症心室性細動有害物質の一つとして指定産業分野での需要の増大テフロン加工, フロンガス合成, 半導体洗浄剤 etc. フッ素排出量の増大による水域のフッ素汚染フッ素排出規制の強化平成 13 年水質汚濁防止法の改正一律排水基準 : 15 mg l -1 8 mg l -1 小規模かつ零細な事業者に対して暫定排水基準を設定平成 16 年から 3 年ごとの見直し 4

5 温泉旅館施設排水のふっ素旅館業のうち, 温泉施設を有するものが規制対象温泉旅館施設の暫定基準 : 50 mg l -1 平成 25 年の見直しにより, 撤廃もある : 一律排水基準 8 mg l -1 水質汚濁防止法公共用水域への排出を規制敷地内で排水基準値まで処理 ( 集合処理は認められない ) 旅館業の事業場数 67,578( 総事業数の 25%) 温泉利用宿泊施設数 14,787 引用 : 平成 21 年度水質汚濁防止法等の施行状況 ( 環境省 ) 引用 : 平成 20 年度温泉利用状況 ( 環境省 ) 全国の基準超過源泉数 790 本 ( 利用率 85.8%) ( 総源泉数 28,033 本 ( 利用率 67.3%)) 引用 : 温泉排水規制に関する検討会 ( 第 4 回 ) 資料 ( 環境省 ) 5

6 温泉の源泉と排水のふっ素濃度図ふっ素の濃度が高い源泉のほう素ふっ素の濃度分布図源泉濃度と温泉旅館の排水濃度の関係出典 : 温泉排水規制に関する検討会 ( 第 4 回 ) 資料 ( 環境省 ) 温泉水は 2~3 倍程度希釈されて排出されている今後, 希釈による基準値達成は可能性が低い 6

7 温泉排水のふっ素処理技術現行処理技術二段凝集沈殿法改善技術イオン交換法 Ca 塩および Al 塩による凝集沈殿処理排水基準を満たす安定的な処理が困難多量の汚泥が発生 [ 処分場の不足 =( 全国平均 7.5 年 ) ] ふっ素吸着材を用いた処理排水基準値以下にまで確実に処理が可能汚泥の発生がなく廃棄物量が尐ない吸着材の再生利用が可能従来材料フッ化物イオン選択吸着材セリウムジルコニウム系吸着材フッ素吸着樹脂ハイドロタルサイト様化合物希尐金属が原料であるため高価適用できる ph が 2~3 と適用条件が狭いイオン交換容量が小さい残留性有機汚染を招く危険性炭酸イオンに対する選択性が非常に高い ( 共存物質の影響を受けやすい ) 要求材料廉価 + 大交換容量 + 安全 + ふっ素高選択性 7

8 表面電場の強さに比例するパラメーター (Z/r 2 ) 各種金属含水酸化物のイオン吸着性 20 (Ⅲ) Si As (Ⅲ) 陽イオン吸着性 (Ⅰ) (Ⅱ) Fe Mg Ca Ba Cr Al Fe Mn Ga Ti 金属元素の原子価 (Z) In Y Bi La Mn Ge Sn Zr Ce Th V Sb Nb Bi 金属含水酸化物はイオン吸着性を示す (Ⅱ) 両性 ( 陰陽 ) イオン吸着性 (Ⅰ) 陰イオン吸着性図 1 ph4~9 における各種金属元素含水酸化物のイオン吸着性 Z: 金属元素の原子価 r: 金属元素のイオン半径 8 出典 : イオン交換高度分離技術の基礎 ( 講談社サイエンティフィク, 1991)

9 金属含水酸化物の複合化 Ⅰ 群陰イオン吸着性 Ⅱ 群両性イオン吸着性 Ⅲ 群陽イオン吸着性 Ⅰ~Ⅲ 群に属する金属元素を組み合わせた 3 元素系複合含水酸化物イオン吸着性は化学組成により陰イオンから陽イオンまで広範に制御可能吸着イオンに対する選択性は化学組成により著しく異なる金属元素の複合化組成変換技術の活用吸着性の複合化吸着能力の強化 9

10 構成金属元素種の選択表クラーク数 ( 地殻平均化学組成値 ) 上位 10 元素順位元素名クラーク数順位元素名クラーク数 1 酸素ナトリウムケイ素 ( 陽 ) カリウムアルミニウム ( 両 ) マグネシウム ( 陰 ) 鉄 (Ⅲ 両 )(Ⅱ 陰 ) 水素カルシウム ( 陰 ) チタン ( 両 ) 0.46 Ⅰ~Ⅲ 群の金属元素種 = クラーク数の高い元素から選定地中に豊富に存在し, 人体に対する毒性の低い原料から合成低コストで合成できる安全性の高い材料粘土鉱物の組成, 機能に極めて近い自然界の物質循環系に組み込まれ易い材料合成, 使用, 廃棄の過程を通じて環境低負荷かつ廉価な無機イオン吸着材 10

11 新規ふっ素吸着材の合成 Si-Al-Mg 系複合含水酸化物元素組成比 ( Si :A l :Mg ) No. 1 (0.80 :0.10 :0.10) No.2 (0.60 :0.20 :0.20) No. 3 (0.40 :0.40 :0.20) No. 4 (0.40 :0.20 :0.40) No. 5 (0.33 :0.33 :0.33) No. 6 (0.20 :0.60 :0.20) No. 7 (0.20 :0.40 :0.40) No. 8 (0.20 :0.20 :0.60) No. 9 (0.10 :0.80 :0.10) No.10 (0.10 :0.10 :0.80) 両 Si 陽 Mg 1.0 陰 11

12 Si-Al-Mg 系試料のイオン吸着性能元素組成比がイオン吸着能力に与える影響 Experimental method : Batch method Concentration : 5mmol l -1 ph:7(hcl NaOH) (Pb : ph4.9) Rotational speed :140rpm shaker Si-Fe-Mg Samples samples 1%(w/v%) Measuring method AsO 4 3-,AsO 3 3-, SeO 4 2-, SeO 3 2- : ICP B(OH) 4-, Pb 2+,Cd 2+ F - : Ion chromatography PO 4 3- : Molybdenum blue absorptiometric method NH 4+ : Indophenol blue absorptiometric method Fig.1 Experimental conditions. 12

13 Si-Al-Mg 系試料の分配係数 (Kd) Table Distribution coefficient (Kd) of Si-Al-Mg samples for various ions. No.1 No.2 No.3 No.4 No.5 No.6 No.7 No.8 No.9 No.10 No.10 F B(OH) AsO 4 3- AsO 3 2- SeO 4 2- SeO 3 3- PO 4 2- SO 4 2- CO 3 - NO 2 + NH < <1 < < <1 <1 <1 <1 <1 < < <1 <1 <1 1 <1 < < <1 22 <1 7 K Ca

14 F Adsorption(mg-F g -1 ) フッ化物イオン吸着能力 mg-f L mg-f L mg-f L mg-f L Time(hrs) mg-F L -1 10,50,100mg-F L -1 試料添加 0.08 時間試料添加 8 時間見かけの吸着平衡に到達初期濃度 (mg-f L -1 ) 吸着量 (mg-f g -1 ) 平衡濃度 (mg-f L -1 )

15 F - concentration(mg L -1 ) ph 実際の温泉水での試験 Anion component Table 試験に使用した温泉水の泉質 Concentration Cation Concentration (mg L -1 ) (mmol L -1 ) component (mg L -1 ) (mmol L -1 ) F Li HBO K H 2 SiO Ca HAsO Na Cl Mg Time(hrs) : F - concentration (mg-f L -1 ) : ph SO 4 2- HCO 3 2- CO Sr Al Ba Fig. 実際の温泉水に試料を添加したときのフッ化物イオン濃度変化 ( 試料添加割合 0.1 w/v%) 低濃度かつ共存イオン存在条件でもふっ素を吸着 15

16 3 元素系複合含水酸化物を水質浄化材料へ廉価な吸着材人体に対する毒性が低い化学組成により広範にイオン吸着性を制御可能吸着材が大量に必要となる現場にも適用可能吸着材の一部が溶出しても二次汚染の恐れがない複合汚染に対しても適用可能各現場において水質汚濁, 汚染物質を効果的に除去できる吸着材を合成汎用性の高い環境低負荷型水質浄化材水質汚濁水質汚染の改善および防止に貢献 ( ふっ素以外のイオン種に対する選択性を向上できることも確認済 ) 16

17 実用化に向けた課題造粒化, カラム試験, 再生試験などの性能評価共存イオンの異なる温泉水での性能評価自然由来の有害元素ほう素の除去性能評価温泉水以外への展開新たな除去対象物質を選定し, 性能評価 ( 構成元素に Fe を導入する事で As(Ⅲ) 吸着能向上 ) 陽イオン吸着性能を評価 ( ゼオライトに対する優位性の確認 ) 17

18 産学連携の経歴 2002~2004 年都市エリア産学官連携促進事業研究員 2006~2007 年地域新生コンソーシアム事業研究員 2008~2009 年帝人エンジニアリング ( 株 ) と共同研究実施 2010 年中国電力 ( 株 ) と共同研究実施 2011 年 ~ ( 株 ) エネルギアエコマテリアと共同研究実施中 18

1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかでかつ一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等添付第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄放射性物質の種類吸入摂取した経口摂取した放射線業周辺監視周辺監視場合の実効線場合

1/120 別表第 1(6 8 及び10 関係 ) 放射性物質の種類が明らかでかつ一種類である場合の放射線業務従事者の呼吸する空気中の放射性物質の濃度限度等添付第一欄第二欄第三欄第四欄第五欄第六欄放射性物質の種類吸入摂取した経口摂取した放射線業周辺監視周辺監視場合の実効線場合の実効線務従事者区域外の区域外の量係数量係数の呼吸す空気中の水中の濃る空気中濃度限度

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