宇宙航空研究開発機構の業務について

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きみのしんさんきち
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1 JAXA 航空シンポジウム 2013 年 6 月 28 日新生 JAXA 航空が目指すもの ~ 新たな空へ夢をかたちに ~ JAXA 航空本部

第二衛星利用ミッション本部JAXA の組織平成 25 年 4 月 1 日現在理事長副理事長理事監事一般管理部門 (

追跡管制環境試験センター等 ) ( 一般管理事業共通部門のうち一部は筑波に所在 ) 宇宙輸送ミッション本部

国際宇宙ステーション衛星測宙技術研研究開発本部基礎基盤技術研究航空本部基礎基盤技術研究航空技術プログラム宇宙科学研究所

2 第二衛星利用ミッション本部JAXA の組織平成 25 年 4 月 1 日現在理事長副理事長理事監事一般管理部門 ( 経営企画部総務部調査国際部評価監査室等 ) 事業共通部門 ( チーフエンジニア室安全信頼性推進部情報システム部追跡管制環境試験センター等 ) ( 一般管理事業共通部門のうち一部は筑波に所在 ) 宇宙輸送ミッション本部宇宙輸送第一衛星利用ミッション本部地球環境観測災害監視通信究人開宇位有発有人宇宙ミッション本部国際宇宙ステーション衛星測宙技術研研究開発本部基礎基盤技術研究航空本部基礎基盤技術研究航空技術プログラム宇宙科学研究所宇学宙学院科衛教学星育科研プ究ロ大グラム月惑星探査プログラムグループ月惑星探査各プロジェクトへの技術協力専門技術研究組織専門技術研究組織専門技術研究組織筑波調布調布相模原相模原 1

):488 億ドル雇用 : 15.7 万人ドイツ航空産業生産高 (2010 年 ):381 億ドルドイツ産業全体の売り上げの 17% を創出雇用 : 9.

3 航空機産業の状況背景世界の旅客輸送量は今後 20 年間で約 2.6 倍旅客機の新造数も約 3 万機と予想 EU と米国は航空を戦略的重点産業と位置付けて競争 JADC 平成 22 年度民間輸送機に関する調査研究よりフランス航空産業生産高 (2010 年 ):488 億ドル雇用 : 15.7 万人ドイツ航空産業生産高 (2010 年 ):381 億ドルドイツ産業全体の売り上げの 17% を創出雇用 : 9.5 万人米国航空産業生産高 (2010 年 ): 1,895 億ドル 780 億ドル相当の輸出産業 440 億ドルの貿易黒字を創出 ( 米国製造業で最大 ) 雇用 : 62.4 万人日本はBoeing787で35% V2500エンジンでは23% の製造分担比ながらも航空産業生産高 (2011 年 ) は113 億ドル, 雇用 2.5 万人,GDP 比で0.3% 以下に留まる 2

4 これまでの我が国航空機産業と JAXA 航空 1. 製造技術競争日本の機体メーカーはボーイング 767 からまで相手方の要求する厳しい仕様を製造技術の高度化で対応することで製造分担を増やしてきた製造技術は日本の差別化技術しかし製造技術は決められた枠の中での競争でありその枠を飛び出す技術革新は生まれにくい JAXA 航空は製造技術の研究開発を行っていないため産業界との連携も限定的なものになり世界的に先進的な研究成果も国内産業への貢献は間接的であった 80 年代の世界的な研究例高梨進博士の遷音速翼の逆解法 (1985) 3

スパコン開発と CFD 研究を牽引してきた JAXA 多くの CFD 研究者を育成自動車や土木建築等の他分野にも影響 FLOPS 計算機ピーク性能100 10 1T 100 二次元翼 10 1G 100 三次元翼 M380 オイラー全機 NS-I 反応流 VP400 1GFLOPS NS-II NS 全機 NWT

5 スパコン開発と CFD 研究を牽引してきた JAXA 多くの CFD 研究者を育成自動車や土木建築等の他分野にも影響 FLOPS 計算機ピーク性能 T 100 二次元翼 10 1G 100 三次元翼 M380 オイラー全機 NS-I 反応流 VP400 1GFLOPS NS-II NS 全機 NWT 280GFLOPS ( 当時世界最速 ) 宇宙開発 NS-III CeNSS 9.3TFLOPS Initial 最適化 Optimized 非定常応答 Core i7-975: 55GFLOPS (Intel 公表値 ) 航空宇宙技術研究所の計算センター長であった三好甫氏 4

6 5 我が国航空機産業の新たな展開と JAXA 航空 1. 製造技術競争日本の機体メーカーはボーイング 767 からまで相手方の要求する厳しい仕様を製造技術の高度化で対応することで製造分担を増やしてきた製造技術は日本の差別化技術しかし製造技術は決められた枠の中での競争でありその枠を飛び出す技術革新は生まれにくい JAXA 航空は製造技術の研究開発を行っていないため産業界との連携も限定的なものになり世界的に先進的な研究成果も国内産業への貢献は間接的であった 2. 製造技術競争に加え先端技術競争国産哨戒機 XP-1が国産エンジンF7とともに2007 年に初飛行大型輸送機 XC-2も2010 年に初飛行半世紀振りの開発となる旅客機 MRJは今年中にも初飛行を予定機体の仕様や性能を自ら決め最終製品に責任を持つ立場に立つつまり製造技術競争の枠から飛び出て先端革新技術で戦う場に打って出た JAXA 航空にもこれまでの様々な研究成果を航空機開発に直接活かす機会が到来

7 データ生産絶対精度相対精度2003 年度風洞空力データ精度向上技術風洞省エネルギー化技術の研究 10,000 ホーラー / 年 8,000 5,000 予備加熱法適用本研究期間 ( 風洞省エネ ) 当初目標スイープモード整備 ONERA ETW NTF 風洞運用最適化ゴール ( 常温風洞での世界トップレベル ) 性3, 予備加熱法最適化 JAXA(P&P) スイープモード実用化低熱膨張天秤開発天秤較正装置 Near-Field 支持干渉補正天秤較正最適化 +20 真値気流高精度化壁干渉補正 Far-Field 支持干渉補正 MRJ 適用 ETW,NTF 当初目標 Re 数補正本研究期間 ( 絶対精度向上 ) 模型変形補正ゴール ( 世界トップを凌駕するレベル ) +15 カウント +5 ± 予備加熱法開発 MRJ 適用予備加熱法最適化 ETW,NTF,ONERA,Boeing ゴール ( 世界トップレベル ) JTWT 高精度化 / 高効率化計画スタート現在旅客機の空気抵抗低減は 1%( 数カウント ) 以下の値で競争 6

8 新生 JAXA 航空の目指すもの航空機の主体的な開発には様々な先進技術の研究開発が必要であり JAXA 航空にとって産業界学界と連携して夢をかたちにできる新しいステージつまり世の中に製品や価値として出ることを目指した研究開発を目指す 1. 新しい価値を生み出す先進技術の研究開発 : JAXA 航空は産業界学界と連携して新しい価値革新技術を生み出し実証して行く事で我が国航空産業の国際競争力強化に貢献していく公的機関として JAXA 航空は社会のニーズである環境安全防災等に応える航空技術の研究開発に積極的に取り組み我が国の国際的な発言力を高める 2. 大型試験設備の整備供用 : 風洞等の大型試験設備は我が国の航空宇宙研究開発基盤として不可欠設備を運用するだけでなく高精度計測技術等の新しい価値をそこに入れて行く 3. 人材育成 : 産学との人材交流の活性化人材育成支援プログラム 7

9 新しい価値を生み出す先進技術の研究開発第 3 期中期計画 (2013~2018) に向けて 8

10 世界的な R&D 競争 : Cleaner, Quieter and Safer Aviation 欧州 2008 年クリーンスカイジョイントテクノロジーイニシアティブが発足航空全体の環境性能を向上させるための技術開発を推進することを目的にフルスケール ( 実物大 ) の実証を行い新技術の有効性を証明する 2014 年までの 7 年間の予算総額は 16 億ユーロ ( 第 7 次欧州研究開発フレームワークから 8 億ユーロ産業界からも同額が拠出 ) 米国 NASA 航空部門は FY2010 より有望なコンセプトや技術のシステムレベルでの実証研究を行う Integrated Systems Research Program を立ち上げこのなかで Environmentally Responsible Aviation(ERA) プロジェクトを推進航空機の燃費向上 (CO2 削減 ) および NOx 騒音削減に焦点を置くプロジェクトに対し FY2010 から FY2015 の 6 年間で総額約 3.6 億ドルの予算を計上 FAA( 米国航空局 ) は NextGen における環境目標の達成に向け Boeing GE P&W Honeywell ロールスロイスの 5 社とのパートナーシップに基づいて Continuous Lower Energy and Noise (CLEEN) プログラムを実施 FY2010- FY2014 の 5 年計画で予算は 2.5 億ドル (FAA から 1.25 億ドル産業界からも同額が拠出 )

11 施策としての第 3 期中期計画の位置づけ内閣府総合科学技術会議文部科学省第 4 期科学技術基本計画 1 グリーンイノベーションの推進 2 生活の安全性と利便性の向上 3 基礎研究人材育成の強化 4 社会とともに創り進める政策の展開 JAXA 中期目標文部科学省総務省科学技術学術審議会研究計画評価分科会航空科学技術委員会研究開発方策 1 環境エネルギー 2 医療健康介護 3 安全かつ豊かで質の高い国民生活 4 科学技術基盤航空科学技術に関する研究開発の推進方策我が国 (All Japan) の航空科学技術 1 出口指向のプロジェクト 2 戦略的基礎基盤研究 3 人材育成航空科学技術に関する研究開発の推進のためのロードマップ 1 航空部門が 10 年後にあるべき姿 2 あるべき姿を実現するために強化すべき技術 3 強化すべき技術の優先度 4 産学官の役割分担 5 実施すべき時期 JAXA 中期計画 JAXA 年度計画 JAXA 研究開発プロジェクトプログラム基礎研究 JAXA 参考 : 文部科学省第 38 回航空科学技術委員会資料 10

12 第 3 期中期計画における JAXA 航空の 3 つの柱とそれを支える基礎基盤技術研究航空科学技術委員会短中期的 (5~10 年 ) には環境安全防災に重点をおいた出口指向の研究開発を産学と密接な連携の下に進める長期的視点 (20 年 ~) からは企業が着手しきれないフロンティア技術創造に向けた活動を活性化航空科学技術ロドマップ環境安全防災フロンティア技術創造その研究活動を支える基盤技術の高度化 11

13 産業公的機関との連携したプロジェクト推進 < 航空産業振興 > < 航空科学技術の推進 > DREAMS 行政との連携 ICAO グローバル運用概念の実現に向けてキー技術を国際基準として提供すること運航関連機関のニーズに技術移転により貢献することを目的とする機体メーカー産業との連携機体騒音低減技術の開発と飛行実証を企業と連携して進め国産旅客機の差別化技術を獲得する FQUROH afjr エンジンメーカー産業との連携次世代ファンタービンシステムの技術実証を企業と連携して進めて低圧系要素の差別化技術を獲得しそのことで国際共同開発での日本のシェア拡大に貢献する SafeAvio D-SEND 電機メーカー ICAO 国際機関との連携ソニックブームの空中計測技術獲得により ICAO 航空環境保全委員会 (CAEP) におけるソニックブーム評価計測法の標準化への貢献を目指す産業との連携世界最高性能の乱気流検知装置をベースに企業と連携して乱気流事故防止機体技術の開発実証を行い国内装備品産業の育成に貢献する 12

14 公募型研究制度 / 航空科学技術人材育成支援 - 航空産業発展のための取組み - 公募型研究制度学際的な問題等の JAXA 航空内の研究者だけでは対応出来ない研究課題に対して外にプレーヤーを捜す航空の新しい研究シーズ革新的な技術コンセプト新たなプレイヤーを発掘オールジャパン体制による効率的効果的な研究推進 JAXA 航空の研究開発力の強化 = ニーズに応えられる技術蓄積産学連携の強化日本航空宇宙学会日本航空宇宙工業会との連携強化産学連携の強化による航空科学技術ロードマップの推進オールジャパン体制による効果的効率的な研究の推進成果の創出企業との連携フロシェクト航空産業への技術移転我が国航空産業の発展人材育成支援航空分野の人材育成のために JAXA 航空の研究成果試験設備国際ネットワーク等を用いて魅力的で実践的な教育機会を積極的に提供 1) 航空教育支援フォーラム - JAXA 航空の研究成果を教育支援ツールとしてあるいは設備体験機会国際交流機会を提供 2) 個別大学との連携による魅力的で実践的な教育機会の提供 3) 学生の受入れ - 学生の受入れ = 最先端の技術 / 実験に接する機会の提供 ( 実績約 150 人 / 年 ) 13

おわりに我が国では近年になって航空機やエンジンの主体的な開発が行われるようになりそのことで様々な先進技術の研究開発が必要となってきている JAXA 航空にとって産業界学界と連携して夢をかたちにできる新しいステージであり世の中に製品や価値として出ることを目指した研究開発を目指す短中期的には環境安全防災に関する研究開発を産学と連携して重点的に進めるキー技術を開発し

15 おわりに我が国では近年になって航空機やエンジンの主体的な開発が行われるようになりそのことで様々な先進技術の研究開発が必要となってきている JAXA 航空にとって産業界学界と連携して夢をかたちにできる新しいステージであり世の中に製品や価値として出ることを目指した研究開発を目指す短中期的には環境安全防災に関する研究開発を産学と連携して重点的に進めるキー技術を開発しそれだけに留まらずその技術成熟度を上げて出口を明確にする長期的視点からは航空にイノベーションを引き起こすべく様々な種を産学と共に巻きそこからAll Japanで賛同できる良い芽を育てる活動を強化する大学にて長く航空分野の研究を行ってきて工学分野の学術の発展にはニーズシーズを提供する産業が必要であることを痛感産業が若い優秀な頭脳の参入を促し育成革新技術もそこから生まれこの好循環が産業の持続的な発展をもたらす我が国はYS-11 以降航空は長く名前と夢だけで優秀な若者を集めて来たが国産旅客機等の開発で新たな局面を創り出しつつあるその芽を育む活動を更に活性化していくべきである JAXA 航空はそこに全力を注ぐとともに我が国航空機産業の更なる飛躍に貢献する航空日本の再興

10-11　平成26年度　予算（案）の概要

10-11　平成26年度　予算（案）の概要 10. 人類のフロンティアの開拓及び国家安全保障基幹技術の強化 (1) 文部科学省における宇宙航空分野の施策文部科学省における宇宙航空分野の施策平成 26 年度予定額 :155,223 百万円 ( 平成 25 年度予算額 :163,279 百万円 ) 運営費交付金中の推計額含む概要宇宙基本計画を踏まえ宇宙利用元年として安全保障防災産業振興宇宙科学等のフロンティアに取り組むとともに