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1 上原記念生命科学財団研究報告集, 26 (2012) 137. アゴニスト非依存的なアンジオテンシン II 受容体活性化の分子機構とその役割 赤澤宏 Key words: インバースアゴニスト,G 蛋白質共役型受容体, 自律的活性, 心臓リモデリング * 千葉大学大学院医学研究院循環病態医科学 緒言アンジオテンシン II (Ang II) 1 型 (AT 1 ) 受容体は7 回膜貫通型のG 蛋白質共役型受容体 (G protein-coupled receptor : GPCR) ファミリーに属し, 血圧や水 電解質の恒常性の維持とともに, 組織レベルでは心血管系細胞の増殖や肥大, 線維化を促進するなど, 心血管リモデリングの病態に深く関与している. 従来,GPCR はアゴニストとの結合によってのみ活性化すると考えられてきたが,AT 1 受容体はアゴニスト非存在下でも自律的活性を示すことや 1-3), 伸展刺激というメカニカルストレスによっても活性化することが 1,4), 最近明らかとなっている. さらに, アゴニストに依存しない AT 1 受容体の活性を用量依存的に低下させる薬理学的指標として,AT 1 受容体ブロッカー (ARB) のインバースアゴニスト活性がクローズアップされている. 強力なインバースアゴニスト活性を有する ARB はアゴニスト依存的な受容体活性化と非依存的な受容体活性化をともに抑制しうるので, 臓器保護作用も高いと想定される. マウスモデルでは, 血行力学的負荷という伸展刺激による AT 1 受容体の活性化が Ang II 非依存的に心肥大形成を促進すること, さらにこのような心肥大形成がインバースアゴニスト活性を有する ARB によって抑制されることが明らかとなっている 4). しかし,AT 1 受容体の自律的活性が疾患形成においてどのような病因的役割を果たしているのか, 生体レベルで実験的に証明されていない. 本研究では, アゴニスト非依存的な AT 1 受容体の自律的活性が心臓リモデリングの病態形成に関わるか, マウスを用いた検討を行った 5). 方法および結果 1. α-myosin heavy chain プロモーター下に心筋特異的に AT 1 受容体を過剰発現する AT 1 Tg マウスと, アンジオテンシノーゲンノックアウト (AgtKO) マウスとを交配し,AT 1 Tg-AgtKO マウスを作製した 5). この AT 1 Tg-AgtKO マウスでは, 心筋特異的に AT 1 受容体が過剰発現しているが, 全身性に Ang II の産生が見られない. 心臓組織から蛋白質を抽出し, 抗リン酸化 ERKs 抗体を用いて ERKs のリン酸化レベルをウエスタンブロット法で比較したところ,AT 1 Tg-AgtKO マウスでは AgtKO マウスよりも心臓での ERKs のリン酸化が亢進していた ( 図 1A). また, 抗 Gα q/11 抗体を用いて膜分画および細胞質分画での Gα q/11 の発現レベルを比較したところ,AT 1 Tg-AgtKO マウスでは AgtKO マウスよりも心臓での Gα q/11 の細胞質分画への再分布が亢進していた ( 図 1B). 以上より,AT 1 Tg-AgtKO マウスの心臓では,AT 1 受容体の自律的活性が亢進していることが示唆された. * 現所属 : 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学 1

2 図 1. AT 1 Tg-AgtKO マウスの心臓では,AT 1 受容体の自律的活性が亢進している 5). A. AgtKO マウス (n=8) と AT 1 Tg-AgtKO マウス (n=8) の心臓組織におけるリン酸化 ERKs (p-erks) と ERKs の発現をウエスタンブロット法により検討した (** P < 0.01 versus AgtKO マウス ). B. AgtKO マウス (n=6) と AT 1 Tg-AgtKO マウス (n=6) の心臓組織から抽出した蛋白質の細胞質分画 (CF) と膜分画 (PF) における Gα q/11 の発現をウエスタンブロット法により検討した (* P < 0.05 versus AgtKO マウス ). 2. AT 1 Tg-AtgKO マウスは AgtKO マウスと比べて血圧には差が見られなかったが, 無麻酔下に心エコー法 (Vevo 770 Imaging System, 25 MHz プローブ, Visual Sonics) によって心機能を評価したところ, 進行性の心機能低下と心室拡大が認められた ( 図 2A). また,Masson trichrome 染色による組織学的検討を行ったところ,AT 1 Tg-AtgKO マウスでは間質の著明な線維化を認めた ( 図 2B). さらに,AT 1 Tg-AtgKO マウスでは, 心臓における胎児性遺伝子 (Nppa, Nppb, Acta1) や細胞外基質遺伝子 (Col3a1, Postn) の発現が亢進していた. 以上より,AT 1 Tg-AgtKO マウスでは,AT 1 受容体の自律的活性が Ang II 非依存的に心臓リモデリングを促進させていることが示唆された. 2

3 図 2. AT 1 Tg-AgtKO マウスは心機能低下と心室拡大, 間質の線維化を示す 5). A. 6, 10, 20, 36 週齢における AgtKO マウス (n=7-9) と AT 1 Tg-AgtKO マウス (n=9-11) の心機能を心エコー法により評価した (* P < 0.05, ** P < 0.01 versus AgtKO mice).left ventricular end-diastolic dimension (LVDd): 左室拡張末期径,fractional shortening (FS): 左室内径短縮率. B. 10, 20, 36 週齢における AgtKO マウスと AT 1 Tg-AgtKO マウスの心筋組織線維化をマッソントリクローム染色で検討した.Scale bars:50μm. 3. 高いインバースアゴニスト活性を有するカンデサルタンと, イミダゾールリングに存在するカルボキシル基を欠失することでインバースアゴニスト活性が低いカンデサルタン誘導体 ( カンデサルタン 7H) とで,AT 1 Tg-AgtKO マウスにおける心臓リモデリングに対する治療効果に違いがあるか, 検討を行った. まず,C57BL/6 マウスに浸透圧ポンプ (ALZET model 2002, Durent Corp) を用いて Ang II (0.6 mg/kg/day) を 2 週間持続投与行うと, 有意な血圧上昇が見られるが, カンデサルタン (1 mg/kg/day) の経口投与によって血圧上昇は抑制された ( 図 3A). カンデサルタン 7H は同じ用量では血圧低下作用を発揮しなかったが,20 mg/kg/day の投与ではカンデサルタンと同等に血圧を低下させた ( 図 3A). 一方, カンデサルタンは AT 1 Tg-AtgKO マウスにおける心臓リモデリングの進展を抑制したのに対して, カンデサルタン 7H は 20 mg/kg/day の投与量でも心臓リモデリングの進展を抑制しなかった ( 図 3B, C). これらの結果から,ARB のインバースアゴニスト活性は, 自律的活性の亢進によって生じる臓器障害に対して有効性を発揮することが示唆された. 3

4 図 3. AT 1 Tg-AgtKO マウスの心臓リモデリングは, インバースアゴニスト活性の高い ARB により抑制される 5). A. インバースアゴニストであるカンデサルタン (Can) とインバースアゴニスト活性を持たないカンデサルタン 7H (Can-7H) の Ang II による血圧上昇に対する降圧効果.8 週齢の C57BL/6J 雄マウスに Ang II (400 ng/kg/min) を浸透圧ポンプで持続投与し,Can (1 mg/kg/day),can-7h (1, 10, 20 mg/kg/day),vehicle を飲水投与した. マウスの血圧は tail cuff 法により測定した (* P < 0.05, ** P < 0.01 versus vehicle-treated group). B. Can (1 mg/kg/day, n=11),can-7h (1, 10, 20 mg/kg/day, n=7),vehicle (n=7) を投与された AT 1 Tg- AgtKO マウスの心機能を心エコー法により評価した (* P < 0.05, ** P < 0.01 versus vehicle-treated group). Left ventricular end-diastolic dimension (LVDd): 左室拡張末期径,fractional shortening (FS): 左室内径短縮率. C. AgtKO マウスと Can (1 mg/kg/day),can-7h (1, 20 mg/kg/day),vehicle を投与された AT 1 Tg-AgtKO マウスの心筋組織線維化をマッソントリクローム染色で検討した.Scale bars:50μm. 考察本研究により,Ang II が存在しない場合でも, 心筋で AT 1 受容体の発現が亢進すると, その自律的活性によって, 心臓リモデリングが促進することが証明された.GPCR の自律的活性は培養細胞系ではよく知られた現象であるが 6), 生体内では内因性のアゴニストによる作用を排除することが難しく, その病態生理学的意義については不明な点が多く残されていた. 様々な心 4

5 疾患モデルで心臓における AT 1 受容体の発現レベルは亢進していることから, ヒトにおいても AT 1 受容体の自律的活性は何ら かの病因的役割を果たしていると考えられる. このようなアゴニストに依存しない受容体活性化は理論的にアンタゴニストでは抑 制できず, インバースアゴニストによってのみ抑制される. 実際に,AT 1 Tg-AtgKO マウスにおける心臓リモデリングの進行は, インバースアゴニストであるカンデサルタンによって抑制された. 本研究の成果は,GPCR の自律的活性の生体における役割に 関する最初の proof-of-priniciple であり,GPCR を標的とする創薬や薬物治療に対しても大きなインパクトを与えると期待さ れる. 共同研究者 本研究の共同研究者は, 大阪大学大学院医学系研究科循環器内科学の小室一成および千葉大学大学院医学研究院循環病 態医科学の康田典鷹である. 最後に, 本研究にご支援を賜りました上原記念生命科学財団に深く感謝いたします. 文献 1) Yasuda, N., Miura, S., Akazawa, H., Tanaka, T., Qin, Y., Kiya, Y., Imaizumi, S., Fujino, M., Ito, K., Zou, Y., Fukuhara, S., Kunimoto, S., Fukuzaki, K., Sato, T., Ge, J., Mochizuki, N., Nakaya, H., Saku, K. & Komuro, I.:Conformational switch of angiotensin II type 1 receptor underlying mechanical stressinduced activation. EMBO Rep., 9: , ) Qin, Y., Yasuda, N., Akazawa, H., Ito, K., Kudo, Y., Liao, C. H., Yamamoto, R., Miura, S., Saku, K. & Komuro, I.:Multivalent ligand-receptor interactions elicit inverse agonist activity of AT 1 receptor blockers against stretch-induced AT 1 receptor activation. Hypertens Res., 32: , ) Akazawa, H., Yasuda, N. & Komuro, I.:Mechanisms and functions of agonist-independent activation in the angiotensin II type 1 receptor. Mol Cell Endocrinol., 302: , ) Zou, Y., Akazawa, H., Qin, Y., Sano, M., Takano, H., Minamino, T., Makita, N., Iwanaga, K., Zhu, W., Kudoh, S., Toko, H., Tamura, K., Kihara, M., Nagai, T., Fukamizu, A., Umemura, S., Iiri, T., Fujita, T. & Komuro, I.:Mechanical stress activates angiotensin II type 1 receptor without the involvement of angiotensin II. Nature Cell Biol., 6: , ) Yasuda, N., Akazawa, H., Ito, K., Shimizu, I., Kudo-Sakamoto, Y., Yabumoto, C., Yano, M., Yamamoto, R., Ozasa, Y., Minamino, T., Naito, A. T., Oka, T., Shiojima, I., Tamura, K., Umemura, S., Paradis, P., Nemer, M. & Komuro, I.: Agonist-independent constitutive activity of angiotensin II receptor promotes cardiac remodeling in mice. Hypertension, 59: , ) Akazawa, H., Yasuda, N., Miura, S. & Komuro, I.:Assessment of inverse agonism for the angiotensin II type 1 receptor. Methods Enzymol., 485:25-35,

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