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1 3.1.5 ひずみ集中帯発生にかかわる地殻構造の研究 目次 (1) 業務の内容 119 (a) 業務題目 (b) 担当者 (c) 業務の目的 (d) 6ヵ年の年次実施計画 ( 過去年度は 実施業務の要約 ) 1) 平成 19 年度 2) 平成 20 年度 3) 平成 21 年度 4) 平成 22 年度 5) 平成 23 年度 6) 平成 24 年度 (e) 平成 22 年度業務目的 (2) 平成 22 年度の成果 120 (a) 業務の要約 (b) 業務の実施方法及び成果 1) 石狩平野東縁断層周辺での自然地震観測 a) 自然地震観測の継続 b) 自然地震観測データ処理 c) 予察的地震波速度構造解析 2) 石狩低地東縁断層帯周辺での比抵抗構造探査 3) 樽前山での地殻変動観測 a) 繰り返し GPS 観測 ( 第 2 回 ) b) 干渉 SAR 解析 4) 十勝岳での地殻変動観測 a) 繰り返し GPS 観測 ( 第 1 回 ) b) 干渉 SAR 解析 5) 十勝岳での比抵抗構造探査 (c) 結論ならびに今後の課題 (d) 引用文献 (e) 成果の論文発表 口頭発表等 (f) 特許出願, ソフトウエア開発, 仕様 標準等の策定 (3) 平成 23 年度業務計画案

2 (1) 業務の内容 (a) 業務題目ひずみ集中帯発生にかかわる地殻構造の研究 (b) 担当者所属機関 役職 氏名 メールアドレス 国立大学法人北海道大学大学院理学研究院同同同同同同同同同同同同同同同 教授教授教授准教授准教授准教授准教授助教技術専門職員技術専門職員技術専門職員技術職員嘱託職員博士研究員非常勤研究員補佐員 茂木透村上亮谷岡勇市郎高橋浩晃橋本武志大島弘光勝俣啓森済高田真秀一柳昌義鈴木敦生山口照寛前川徳光奥山哲山谷祐介黒井和典 (c) 業務の目的北海道中軸帯では 島弧衝突の影響による活断層が分布しており そこでのひずみ集中が測地学的に観測されている その発生機構を解明するため 稠密な自然地震観測や地磁気地電流法 (MT) 観測を実施し 詳細な震源分布や地殻比抵抗構造等を把握する それらの関連性を調査することで 地震活動と地殻不均質構造との関係や 地震発生に大きくかかわっていると考えられている地殻流体分布等を調査し ひずみ集中発生機構に関する新たな知見を得る (d) 6ヵ年の年次実施計画 ( 過去年度は 実施業務の要約 ) 1) 平成 19 年度 : ひずみ集中帯にかかわる地殻構造の研究に用いる自然地震観測システムを整備するとともに ターゲットである石狩東縁断層帯においてそれを効果的に運用できるような地震観測点配置等の検討を行った 2) 平成 20 年度 : ひずみの集中が観測されている石狩低地帯周辺での地震活動を把握するため自然地震観測を開始した 地殻構造や流体の分布を調査するために 同地域で比抵抗構造探査を実施した 3) 平成 21 年度 : 自然地震観測を継続し 地震観測データの蓄積を図った 火山での地震 119

3 地殻変動観測を継続した 比抵抗構造の空間密度を上げるための電磁気観測を実施した 4) 平成 22 年度 : 自然地震観測を継続し 地震観測データの蓄積を図る 火山での地震 地殻変動観測を継続する 比抵抗構造の空間密度を上げるための電磁気観測を実施する 5) 平成 23 年度 : 自然地震観測を継続し 地震観測データの蓄積を図るとともに 予備解析を実施し 最適な震源決定手法について検討する 火山での地震 地殻変動観測を継続する 比抵抗構造の空間密度を上げるための電磁気観測を実施するとともに 予備的な解析を実施し 初期構造モデルを得る 6) 平成 24 年度 : 自然地震観測を継続し かつ 比抵抗構造の空間密度を上げる電磁気観測を実施するとともに 地震データ 電磁気データの解析を実施し 詳細な震源分布や比抵抗構造等を得る 火山での地震 地殻変動観測データを総合的に解析する これらのデータを総合的に検討し ひずみ集中機構に関する知見を得る (e) 平成 22 年度業務目的ひずみの集中が観測されている石狩低地帯周辺での自然地震観測を継続し 地震活動を把握する また ひずみ集中と火山活動との関連性を明らかにすることを目指し 樽前山とその周辺地域において 地殻変動源の深さ分解能向上に影響を与える観測網の空間配置を最適化するため GPS 合成開口レーダー その他の地殻変動観測等を総合的に組み合わせた地殻変動観測手法を開発し 火山を含む他のひずみ集中帯への適用を検討する 石狩地域および十勝岳において 電磁気観測 ( マグネトテルリク法探査等 ) を実施し 地殻構造や流体の分布を調査する (2) 平成 22 年度の成果 (a) 業務の要約ひずみの集中が観測されている石狩低地帯周辺での地震活動を把握するため 自然地震観測を継続し 2008 年 12 月から 2010 年 12 月までの間に 296 個の震源を決めところ 石狩低地帯では 2010 年 12 月 2 日 M4.6 の地震が起こった北部地域および中南部でやや地震活動が活発であることが分かってきた また 石狩地域の MT 法による比抵抗構造探査では 南部地域において厚い堆積層の下に基盤の盛り上がりと思われる高比抵抗層を検出し 北部地域では断層帯の下部に低比抵抗構造が分布すると推定された また 十勝岳では比抵抗構造を調査では 62-II 火口直下の低比抵抗構造が流体の上昇通路であると解釈された ひずみ集中と火山活動との関連性を明らかにすることをめざし 樽前山および十勝岳地域において 地殻変動を調べるため繰り返し GPS 繰り返し観測および干渉 SAR 解析を行った 樽前山では明瞭な変動は見られていないが 十勝岳では干渉 SAR 解析により 62-II 火口周辺の局所的な変動パターンは上下変位では上に凸の隆起 東西変位では東西へ広がる変動が見られ 明らかな膨張のパターンが検出された (b) 業務の実施方法及び成果 120

4 1) 石狩平野東縁断層帯周辺での自然地震観測 a) 自然地震観測の継続平成 20 年度に石狩低地帯南部に新たに設置 および機器の高度化を行った 10 箇所の自然地震観測点において引き続き観測を継続した 観測は 高感度短周期微小地震計および広帯域強震計を併設する形で実施しており 今年度も大きなトラブルもなく順調にデータが取得された データは NTT 東日本フレッツ網を用いた IP 回線網を経由して北海道大学へリアルタイムで伝送されハードディスクへ格納されている なお 本年度は石狩低地帯西縁にある樽前山での地震観測データも含めて処理 解析を行った b) 自然地震観測データ処理前項で述べたリアルタイムに伝送された地震波形データに加え 北海道大学の運用する既設の地震観測点および札幌市の運用する地震観測点のデータ さらに 全国地震波形流通システムを介して気象庁 防災科学技術研究所の運用する地震観測点のデータも随時マージし データの一元化をはかったのち P 相および S 相の検測作業を実施している 観測を開始した 2008 年 12 月から 2010 年 12 月までに読み取りが行われ震源が求まった地震は 296 個であった 上部マントルや下部地殻の地震波速度構造の推定のためにはやや深発地震による走時データも必要となるため 深い地震に関しても地震波の読み取り作業を行っている 震源決定の初期構造には北海道大学がルーチンの震源決定作業で用いている構造 ( 笠原 他,2005) を利用し 走時残差を観測点補正値として与えて震源再計算を行い これを初期震源とした 一部の地震は地中に収束せずに空中に震源が求まっており この原因として用いた地震波速度構造は実際の速度構造との差異が考えられる 図 1 自然地震観測網により得られた震央分布 図 1 には震源決定が行われたすべての深さの震源を示している やや深発地震は昨年に対象領域の南部でまんべんなく発生しており 昨年度に引き続きこの地域での走時データ 121

5 の蓄積に貢献していることがわかる 図 2 には 石狩平野の浅発地震の活動を見るために 深さ 40km 以浅の地震のみを示した 地震活動は, 石狩低地東縁断層よりも東側かつ その南部で活発であるが 昨年度に引き続きそれよりも北側では活動が非常に低調であることがわかる また 石狩平野西縁部の北広島市 札幌市付近で活発な地震活動が見られる これらの活動は 2010 年 10 月から特に活発化し 12 月 2 日には石狩地方中部で M4.6 の地震が発生し最大震度 5 弱を記録した この一連の活動の北部地域でも地震活動が活発であり この 1 年は札幌市直下での地震活動が活発であったといえ 今後の活動の推移を注意深く見守る必要があると考えられる 図 3 には東西方向の深さ分布を示した 札幌市付近で発生した地震は そのほとんどが非常に浅い部分に震源が求まっているが それよりも深い 15km 付近まで震源が広がっていることがわかる これらの震源の深さ方向の広がりについては 速度構造等の観点からよく検討を行う必要があると考えられる 図 2 深さ 40km 以浅の震源分布 図 3 図 2 を東西方向に切った場合の地震の深さ分布 122

6 c) 予察的地震波速度構造解析本年度まで得られた地震の読み取り値を用いて 予察的な地震波速度構造の解析を実施した 先に説明した初期震源のうち 深さ 40km 以浅で北緯 42 度から 43 度 38 分 東経 141 度から 143 度 38 分の範囲に発生した地震を選択し Thurber(1983) の手法を用いて P 波地震波速度構造と震源を同時に推定した 用いた地震は 166 個で それから得られた P 波走時は 2484 個である 図 4 には 得られた深さ 10km での地震波速度構造のパータベーションを示す 胆振地方南部から日高地方東部にかけての地域では, 周辺に比べて低速度域が分布している また 石狩平野東縁断層では 東側が低速度異常 西側に高速度異常が分布していることがわかる ここで示した結果は予察的なものであるが 現在行っている自然地震観測のデータを用いることにより 石狩平野全体 あるいは 石狩平野東縁断層帯周辺での不均質構造を明らかに出来る可能性が示された 今後も震源および走時データの蓄積をはかることにより詳細な地震波速度構造およびそれを用いた高精度震源決定を行う予定である 図の作成の一部に SEIS-PC( 石川 中村,2005) を利用した 図 4 予察的に得られた深さ 10km の地震波速度構造 2) 石狩低地東縁断層帯周辺での比抵抗構造探査石狩低地東縁断層帯周辺の地殻構造および流体の分布の把握を目的として MT 法による比抵抗構造探査を行った 平成 20 年度から図 5 のように 石狩低地東縁断層帯 ( 以下 ITFZ と記す ) をほぼ東西に横切る 4 本の測線に沿って広帯域および長周期 MT 観測を行った 平成 20 年度に Line A および Line B 21 年度に Line C 22 年度には Line D において観測を実施し 新規の 39 観測点 ( 図 5 中の ISK) においてデータを取得した 測定器として 広帯域 MT 法では Phoenix Geophysics 社製 MTU-5 および MTU-5A を使用し 長周期 MT 法ではテラテクニカ社製 U-43 を使用し 電場 2 成分, 磁場 3 成分の測定を行 123

7 った 時系列データは 国土地理院江刺観測場の MT 連続観測テータとのリモートリファレンス処理 (Gamble et al., 1979) を行い さらに異常データを除去するために手動によるエディット処理を経て MT インピーダンスを算出した 図 5 MT 法観測点の位置図と 40km より浅い地震の震央分布. 茂木 日高 2000MT グループ (2002) による観測点 (HDK) および Yamaya (2008) による観測点 (TRM) も含む 活断層線は中田 今泉編 (2002) による 観測を行った 4 本の測線それぞれについて比抵抗断面を求めるため 二次元構造を仮定した解析を行った まず MT インピーダンスから計算される Phase tensor ( 以下 PT と記す ; Caldwell et al., 2004) から二次元構造の走向を推定した 図 6 に PT の主軸方向を周期帯ごとに集計したローズ ダイアグラムを示す 頻度分布は いずれの測線でも高周波数側の Hz では N40ºW に集中し 低周波数の Hz では N15ºW に集中する傾向が見られる その中間の周波数帯である Hz では 一定の方向が見られない このようすから 浅部と深部で電磁気的な走向が異なる可能性が考えられる しかし PT 楕円 ( 図 7) に注目すると 0.1 Hz 以上では長軸と短軸の差が小さく 真円に近い一方で 0.01 Hz 以下ではほとんどの観測点で長軸と短軸の差が大きく N15ºW 方向 124

8 図 6 フェイズ テンソルの主軸方向を周期帯ごとに集計したローズ ダイアグラム 図 7. 代表的な周波数におけるインダクション ベクトルとフェイズ テンソルの分布 125

9 に向いている さらに skew angle は低周波数になるにつれて 大きくなっている このことから PT 楕円の変化は 走向の違いというよりも 浅部は 1 次元構造に近く 深部ではより 2 次元的な構造になっていることを示していると考えられる これは 高周波数帯のインダクション ベクトル ( 以下 IV と記す ) の大きさが小さく 水平方向の構造の変化が小さいと予想されることとも一致する IV の分布は 低周波数帯で太平洋側や日本海側を示し 明らかに海の低比抵抗の影響を受けている この影響には おそらく後述する地峡効果も含まれ MT インピーダンスにも及んでいると考えられえる 2 次元解析ではこの影響を考慮することは困難であるため 現段階では Hz 以下のデータを使用しないこととした 低周波数帯の PT から推定される N15ºW という方向は Line C 以南の ITFZ の走向とほぼ一致し また重力異常分布 ( 山本,2003) から推察される構造の走向とも矛盾しない したがって 走向を N15ºW と仮定し MT インピーダンスの主軸をその方向に回転した時の見かけ比抵抗と位相を構造解析に使用した ここで 回転したインピーダンス テンソルの非対角成分のうち 磁場が走向と一致する成分を TM モード また電場が走向と一致する成分を TE モードとする 構造解析には Ogawa and Uchida (1996) による 2 次元インバージョンコードを使用した このインバージョンでは 極浅部の不均質構造によるスタティックシフトをモデルパラメータとして解析できる 初期モデルを 100 Ωm の均質大地とし TM モードと TE モードの見かけ比抵抗 位相を入力としてインバージョンを行った インバージョンによって得られた 4 つの測線における比抵抗断面を図 8 に示す これらの比抵抗モデルは大局的には同様の特徴を示している 表層 1 km 深程度までは 数百 Ωm の高比抵抗層 2 6 km は数 数十 Ωm の低比抵抗層 それ以深は数百 Ωm 以上の高比抵抗層に大別される これらの境界の深さは 周辺で行われた反射法探査 ( 産業技術総合研究所 2007) や孔井地質との対応が良く 上部から第四系 新第三系 上部白亜系 基盤岩類に相当する 低比抵抗層は低地帯中央部で特に深く 南に向かうに従ってより深くまで達している つまり 南部で新第三系がより厚く堆積していることを示している この低比抵抗層が南北に延長し その両端部で海水と接触することによって 地峡効果と呼ばれる電流の集中 ( 西田,1977) を引き起こしていると考えることができる また 基盤岩上面の深度はいずれの測線においても断層帯直下で屈曲しており 西進するスラスト運動による褶曲の生成に関連した構造であると考えられる 一方で 5 10 km 以深の構造は測線ごとに異なっており 特に Line A および B と Line C および D の 2 つのグループに分類することができる ここで Line A, B は ITFZ の中部 Line C, D は ITFZ 中部および南部を横切っている ITFZ 中部では Line C の東側深部から Line D の断層帯直下に至る低比抵抗体が見られる また ITFZ 南部の断層帯直下は逆に高比抵抗体が求められており 低比抵抗体はそれよりも西側に存在する 仮にインバージョンで得られた低比抵抗の部分が 流体の滞留部あるいはより深部からの供給路を示しているとすれば 断層帯中部と南部で流体の供給源が異なることを示しており 地震の発生機構もまた異なる可能性がある このように 4 つの断面が類似していながら 一致しない場所があるのは この地域に三次元的な不均質構造が存在することを示している 126

10 図 8 二次元インバージョンにより得られた比抵抗断面と震源分布 ITFZ: 石狩低地東縁断層帯中部,ITFZ-S: 石狩低地東縁断層帯南部,NPFZ: 野幌丘陵断層帯 三次元性の傾向は Hz の IV が Line A の東部で大きくなり 南側を向くこと また PT の skew angle が観測地域東部の 0.01 Hz 以下で大きくなることからも窺える 三次元的な不均質構造の存在は 歪集中の形成に重要な役割を果たしている可能性があるので 127

11 今後は得られたデータから三次元比抵抗構造を推定することが求められる 特に深部につ いては 流体の供給経路に関わる三次元構造が存在する可能性があるので 二次元解析で は使用できなかった長周期 MT データを使用した解析をする必要がある 3) 樽前山での地殻変動観測 a) 繰り返し GPS 観測 第 2 回 樽前山の地殻変動を調査するため 9 月 13 日から 10 月 2 日にかけて第 2 回の繰り返し GPS 観測を行った 観測点は昨年と同じく本学の管理する 14 点 国土地理院設置の三角 点 水準点に各 1 点である 図 9 に 2 回の観測から得られた水平変動図を示す 点 MRN TR6, TRE, TRM, BFT において大きな変位量が見られるが BFT を除いた 4 点は観測 前に周囲の樹木の枝払いを実施した点であるため 受信状況が変化したことによるノイズ であると考えられる BFT の大きな変位量の原因は不明である これら以外の点では有意 な変動は検出できなかった 図9 繰り返し GPS 観測から得られた 2009 年 10 月 2010 年 9 月の樽前山周辺の地殻 変動 変位量は NSK 錦岡 を基準とした基線解析によるものである 背景の描画には SRTM3 DEM を用いた b) 干渉 SAR 解析 より高分解能で地殻変動を観測するために干渉 SAR 解析を行った 解析には 2006 年 2010 年に陸域観測技術衛星 ALOS 搭載の PALSAR により観測されたディセンディング軌 128

12 道のデータ 5 ペアを用いた その結果 東側カルデラ縁において尾根筋に平行な数 cm の視線距離増加 山頂ドームにおいて数 cm の視線距離短縮を検出した ( 図 10) 尾根筋に直交する位相プロファイルでは 位相のピークと地形のピークには水平位置にずれが存在し そのずれ量はペアにより異なることがわかった ( 図 11) これは東側カルデラ縁のパターンが水蒸気遅延によるものであり 地形のピークからのずれは観測時の風向きに依存していることを示している 図 10 樽前山山頂周辺の干渉画像 図 11 カルデラ東縁のパターンの位相プロファイルと地形との比較 4) 十勝岳地殻変動 a) 繰り返し GPS 観測 ( 第 1 回 ) 十勝岳の地殻変動を調査するため 6 月 28 日から 7 月 4 日にかけて第 1 回の繰り返し GPS 観測を行った 観測点は本学の管理する 10 点 国土地理院設置の三角 2 点の計 12 点である 図 12 に観測点の配置を表 1に解析結果を示す 来年度以降継続的に繰り返し観測を行い 十勝岳の火山活動を監視する予定である b) 干渉 SAR 解析昨年度解析した画像ペアのうち 条件のよいアセンディングペア (2008 年 6 月 30 日 年 7 月 3 日 ) とディセンディングペア (2006 年 9 月 24 日 年 8 月 14 日 ) を用いて準上下変位および準東西変位を計算した ( 図 13) その結果 62-II 火口周辺の局所的な変動パターンは準上下変位では上に凸の隆起 準東西変位では西側で西向き 東側で東向きのパターンを示し 明らかな膨張のパターンであった また 2007 年 9 月 24 日 年 7 月 5 日のペアを新たに解析し 2010 年以前のペアと変位スピードを比較したところ 129

13 札幌管区気象台 (2010) により報告されている通り 2010 年に観測された画像を含むペアでは変位スピードの鈍化が確認された ( 図 14) 表 1 各観測点の座標値コード 緯度 経度 楕円体高 BGT 43:26: :39: DSL 43:26: :39: KFR 43:27: :28: SRA 43:28: :39: SRM 43:29: :38: MMC 43:30: :36: TDO 43:24: :38: SMR 43:21: :31: TRK 43:20: :37: TNK 43:26: :48: MTK 43:24: :45: KTO 43:23: :53: 図 12 GPS 観測点の配置図 が十勝岳山頂 背景は SRTM DEM による 130

14 図 II 火口周辺の二次元変位 左上 ) 準上下成分 右上 ) 準東西成分 下 )A-A 間での変位ベクトル 図 14 アセンディングペアの視線方向変位率 131

15 5) 十勝岳での比抵抗構造探査十勝岳での MT 法による比抵抗構造探査データをもとに 62-II 火口直下において 地殻変動データから推定される膨張の圧力源や地磁気観測から推定される消磁源の位置と低比抵抗構造の位置とを比較検討を行い 比抵抗構造の解釈を行った その結果を図 15 に示す これによると低比抵抗構造は 膨張の圧力源と消磁源とを結ぶ位置にあり この結果からこの低比抵抗構造は圧力源から供給される高温の熱水が上昇することにより周囲の岩石を消磁させていると解釈され さらに 圧力源から供給される水蒸気が上昇することにより水に変わるために放出する潜熱によりその上部で消磁が起こっていると解釈することもできる 標高 図 15 十勝岳 62-II 火口直下の膨張の圧力源 低比抵抗構造 消磁域の位置 橋本 他 (2010) に加筆修正した (c) 結論ならびに今後の課題ひずみ集中が見られる石狩東縁断層帯で継続されている稠密な地震観測により 断層帯中南部と北部とでは地震活動が活発であることが分かってきた さらに観測を継続することによりこの傾向を確かめていく必要があろう また 断層帯付近の比抵抗構造も明らかになってきており 中部と南部での断層の活動性と構造との関連が見られる可能性もある 樽前山の地殻変動観測は昨年度より観測が開始されたが 顕著な変動は観測されておらず GPS の繰り返し観測および干渉 SAR 観測による総合的な解析により 地殻変動源推定のための最適な観測点配置の検討を進めていくことになろう 十勝岳 62-Ⅱ 火口付近で顕著な地殻変動が観測され 火口付近が膨張していることが認められたが その傾向は最近は鈍ってきていることもわかってきた 地殻変動源や磁化の消磁源 比抵抗構造との関係から 現段階では 十勝岳の現在の膨張は圧力源から供給された熱水や水蒸気が上昇しているものと解釈される 132

16 (d) 引用文献 1) Caldwell, T., H. M. Bibby and C. Brown, The magnetotelluric phase tensor, Geophys, J. Int., 158, , ) Gamble, T. D., W. M., Goubau and J. Clarke, Magnetotellurics with a remote magnetic reference, Geophysics, 44, 53-68, ) 橋本武志 西村三治 有田真 山本輝明 小木曽仁 重野伸昭 岡崎紀俊 茂木透 北海道大学地球物理研究報告,73, , ) 笠原稔 小平秀一 本谷義信 1993 年釧路沖地震の余震活動とそれ以前の北海道周辺の地震活動 1993 年釧路沖地震による被害の調査研究 平成 5 年度文部省科学研究費突発害調査研究成果報告 27-34, ) 茂木透 日高 2000MT 探査グループ, 日高地域での広帯域 MT 探査, 月刊地球,24, , ) 中田高 今泉俊文編,2002, 活断層詳細デジタルマップ, 東京大学出版会,DVD-ROM2 枚 60p 付図 1 葉. 7) 中村浩二, 石川有三 卓上の地震活動解析 SEIS-PC for Windows のこの8 年 日本地震学会 2005 年秋季大会講演予稿集 153, ) 西田泰典, 北海道石狩低地帯周辺の地下電気伝導度異常, 北海道大学地球物理研究報告, 36,17-28, ) Ogawa, Y. and T. Uchida, A two-dimensional magnetotelluric inversion assuming Gaussian static shift, Geophys. J. Int., 126, 69-76, ) 産業技術総合研究所, 石狩低地東縁断層帯の活動性および活動履歴調査, 基盤的調査観測対象断層帯の追加 補完調査 成果報告書 No.H18-8, 35pp., ) Thurber, C. H., Earthquake locations and three-dimensional crust structure in the Coyote Lake Area, central California Detail Only Available, Jour. Geophys. Res., 88, , ) 山本明彦, 石狩平野とその周辺の重力異常アトラス, 北海道大学地球物理研究報告, 66, 33-62, ) Yamaya, Y., Three dimensional resistivity structure of Tarumai Volcano by the magnetotelluric method including the effect of regional structure, Ph. D. thesis, Hokkaido University, 110pp.,

17 (e) 成果の論文発表 口頭発表等著者 題名 発表先 発表年月日 山谷祐介, 茂木透, 橋本武志, 本多亮, 山下晴之, 鈴木敦生, 石狩低地東縁断層帯周辺の三次元比抵抗イメ 千葉市 ( 日本地球惑星科学連合 平成 22 年 5 月 26 日 佐々木智彦, 長谷英彰 ージング ( ポスター ) 2010 年大会 ) 一柳昌義, 高橋浩晃, 高田真秀, 山口照寛, 前田宜浩 本多亮, 河野裕希, 岡山宗夫, 青山裕, 橋本武志, 笠原稔 石狩低地東縁断層帯における地震活動及び地下構造 ( 序報 )( 口頭 ) 広島市 ( 日本地震学会 2010 年度秋季大会 ) 平成 22 年 10 月 28 日 (f) 特許出願, ソフトウエア開発, 仕様 標準等の策定 1) 特許出願なし 2) ソフトウエア開発なし 3) 仕様 標準等の策定なし (3) 平成 23 年度業務計画案ひずみの集中が観測されている石狩低地帯周辺での地震活動を把握するため 自然地震観測を継続する また ひずみ集中と火山活動との関連性を明らかにすることをめざし 樽前山および十勝岳地域での観測において 地殻変動源の深さ分解能向上に影響を与える観測網の空間配置を最適化するため GPS および干渉 SAR 解析等の地殻変動観測を総合的に組み合わせた地殻変動観測手法を開発し 火山を含む他のひずみ集中帯への適用を検討する ひずみ集中帯の地殻構造や流体の分布を調査するために 石狩地域で電磁気観測による比抵抗構造については 必要に応じて探査を継続するともに 予備的な三次元比抵抗構造モデリングを行う 134

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