第 19 回 日 本 野 生 動 物 医 学 会 大 会 開 催 概 要 会 期 2013 年 8 月 29 日 ( 木 )~9 月 1 日 ( 日 ) 会 場 京 都 大 学 百 周 年 時 計 台 記 念 館, 法 経 学 部 講 義 室 主 催 日 本 野 生 動 物 医 学 会 共 催 京

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1 大 会 長 挨 拶 このたび, 第 19 回 日 本 野 生 動 物 医 学 会 を 京 都 大 学 百 周 年 時 計 台 記 念 館 で 開 催 する 運 びとな りました. 本 大 会 は, 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター, 京 都 市 動 物 園, 京 都 水 族 館 という 3 つの 異 なる 機 関 が 共 催 で 担 当 します.したがって, 従 来 の 学 会 とは 少 し 趣 の 異 なる 内 容 にな ることが 期 待 されます. 21 世 紀 に 入 り, 社 会 はその 複 雑 化 の 度 を 増 し, 混 沌 とした 時 代 に 入 りつつあります. 地 球 環 境 の 悪 化 もその 一 例 でしょう. 世 界 中 で 環 境 保 全 や 自 然 保 護 保 全 が 盛 んに 叫 ばれています が, 経 済 至 上 主 義 の 前 にそれらは 進 展 どころかむしろ 衰 退 の 一 途 をたどっています. 人 類 を 含 め 現 生 する 生 命 は 地 球 という 環 境 でしか 生 きることができません.つまり, 地 球 はわたし たちや 同 時 代 を 生 きるあらゆる 生 物 の 聖 地 なのです.わたしたちにはその 聖 地 を 守 り, 次 世 代 に 引 き 継 ぐ 義 務 があります.そのために 野 生 動 物 の 研 究 とその 学 際 が 重 要 な 役 割 を 果 たすはずです. 本 大 会 では 口 頭 発 表 25 題,ポスター 発 表 73 題 に 加 え,4 つのシンポジウム,8 つの 自 由 集 会,そして 本 学 会 と 日 本 動 物 園 水 族 館 協 会 の 主 催 による 市 民 公 開 講 座 が 予 定 されています. 開 催 期 間 の 8 月 29 日 ~9 月 1 日 は, 冬 が 寒 く 夏 が 暑 い 京 都 盆 地 で 最 も 残 暑 の 厳 しいときでは ありますが, 参 加 される 方 々の 活 発 なご 議 論 や 有 意 義 な 意 見 交 換 に 期 待 するとともに, 新 た な 交 流 の 機 会 の 場 として 本 大 会 をご 活 用 いただきたく 思 います. 本 大 会 が 今 後 の 野 生 動 物 医 学 及 びその 研 究 の 発 展 に 貢 献 できることを 願 っています. 末 筆 ではありますが, 本 大 会 を 開 催 する 上 でご 尽 力 いただいた 全 ての 方 々に 心 より 御 礼 申 し 上 げ ます 年 8 月 吉 日 第 19 回 日 本 野 生 動 物 医 学 会 京 都 大 会 大 会 長 伊 谷 原 一 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター - 1 -

2 第 19 回 日 本 野 生 動 物 医 学 会 大 会 開 催 概 要 会 期 2013 年 8 月 29 日 ( 木 )~9 月 1 日 ( 日 ) 会 場 京 都 大 学 百 周 年 時 計 台 記 念 館, 法 経 学 部 講 義 室 主 催 日 本 野 生 動 物 医 学 会 共 催 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター, 京 都 市 動 物 園, 京 都 水 族 館 後 援 環 境 省 近 畿 地 方 環 境 事 務 所, 京 都 府, 京 都 府 教 育 委 員 会, 京 都 市 教 育 委 員 会,( 公 財 ) 日 本 博 物 館 協 会,( 公 社 ) 日 本 植 物 園 協 会,( 公 社 ) 日 本 獣 医 師 会,( 社 ) 京 都 府 獣 医 師 会, ( 公 社 ) 京 都 市 獣 医 師 会, 文 化 資 源 学 会,( 公 社 ) 日 本 獣 医 学 会 大 会 長 伊 谷 原 一 ( 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター) 副 大 会 長 秋 久 成 人 ( 京 都 市 動 物 園 ), 榊 原 茂 ( 京 都 水 族 館 ) 事 務 局 長 田 中 正 之 ( 京 都 市 動 物 園 ) プログラム 概 要 タイムテーブル - 2 -

3 会 場 地 図 吉 田 構 内 法 経 済 学 部 エクスカーションについて( 京 都 市 動 物 園 京 都 水 族 館 入 園 館 優 待 について) 1. 京 都 市 動 物 園 日 時 :8 月 30 日 ( 金 )~9 月 1 日 ( 日 ) 内 容 : 入 園 時 に 学 会 参 加 証 を 提 示 していただくと 入 園 料 が 無 料 になります 2. 京 都 水 族 館 日 時 :8 月 30 日 ( 金 )~9 月 1 日 ( 日 ) 内 容 : 入 園 時 に 学 会 参 加 証 を 提 示 していただくと 入 園 料 が 10% 割 引 になります - 3 -

4 学 会 参 加 の 皆 様 へ 1. 参 加 者 の 皆 様 へ 1) 受 付 : 学 術 集 会 初 日 の 8 月 30 日 ( 金 ) 午 前 9 時 15 分 より 京 都 大 学 百 周 年 時 計 台 記 念 館 2 階 の 総 合 受 付 にて 参 加 登 録 を 受 け 付 けております. 参 加 証 には 所 属, 氏 名 を ご 記 入 の 上, 期 間 中 必 ずお 付 け 下 さい. 事 前 登 録 の 方 へ: 総 合 受 付 の 事 前 登 録 者 受 付 で 参 加 証, 講 演 要 旨 集 等 をお 受 け 取 り ください. 当 日 登 録 の 方 へ: 総 合 受 付 にて 当 日 参 加 費 ( 会 員 一 般 7000 円, 学 生 3000 円, 非 会 員 7000 円 )をお 納 めの 上, 参 加 証, 講 演 要 旨 集 等 をお 受 け 取 りください. 2) 講 演 要 旨 集 : 当 日 2000 円 で 販 売 します. 2. 昼 食 : 学 会 会 場 近 くの 生 協 食 堂 等 を(マップは 要 旨 集 裏 表 紙 )ご 利 用 ください. 曜 日 によって 営 業 時 間 が 異 なりますのでご 注 意 ください. 会 場 近 くには 一 般 飲 食 店,コンビニ 等 もたくさんあります. 3.その 他 : 1) 書 籍 販 売, 企 業 展 示 を 会 議 室 に,ドリンクコーナーを 時 計 台 ポスター 会 場 に 設 けてあ ります. 2) 駐 車 場 のスペースがありませんので, 公 共 交 通 機 関 でのご 来 場 をお 願 いします. 3) 喫 煙 について 京 都 大 学 構 内 は 定 められた 場 所 以 外 での 喫 煙 はできません 会 場 内 に 喫 煙 可 能 エリア をご 案 内 しますので,そちらをご 利 用 ください. 4. 連 絡 お 問 い 合 わせ 先 大 会 事 務 局 京 都 市 左 京 区 岡 崎 法 勝 寺 町 岡 崎 公 園 内 京 都 市 動 物 園 第 19 回 日 本 野 生 動 物 医 学 会 大 会 事 務 局 TEL: ( 京 都 市 動 物 園 ) TEL: ( 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター) TEL: ( 京 都 水 族 館 ) 19th_jsozwm@freeml.com - 4 -

5 演 者 の 方 へ 1.ポスター 発 表 の 方 へ 1)ポスターの 大 きさは A0 以 下 でお 願 いします.パネルの 上 部 にあらかじめ 演 題 番 号 の みを 表 示 しておきます. 発 表 者 は, 演 題 名 演 者 名 所 属 を 記 載 したものをご 用 意 く ださい.ポスター 貼 り 付 け 用 の 専 用 のテープは, 事 務 局 で 用 意 しますので, 会 場 2 階 ポスター 受 付 にお 立 ち 寄 りください.ピン, 持 ち 込 まれたテープなどの 使 用 はできま せん. 2)8 月 30 日 午 前 中 までに 所 定 の 場 所 に 展 示 してください. 3)ポスターディスカッションを 8 月 31 日 10:00~11:00,11:00~12:00 に 行 います. 発 表 者 はこの 間, 必 ず 自 分 のポスターの 近 くに 待 機 しておいてください. 4)ディスカッション 終 了 後,8 月 31 日 16:00 までにポスターを 撤 去 してください. 時 間 内 に 撤 去 されない 場 合 は 事 務 局 で 処 分 いたしますので,ご 了 承 ください. 2. 口 頭 発 表 の 方 へ 1) 発 表 時 間 は 1 件 あたり 研 究 発 表 10 分, 質 疑 応 答 は 5 分 です. 2) 発 表 には 各 自 の PC を 持 ち 込 んでいただくか, 会 場 備 え 付 けの PC(PowerPoint2010 (Windows7))をご 利 用 ください. 文 字 化 けやレイアウトにつきましては, 事 前 に 確 認 をお 願 いします.なお 自 分 の PC 以 外 でも 正 常 に 動 作 することをご 確 認 ください. 3)メモリーまたは CD-R にコピーした 発 表 ファイルを 発 表 セッションの 10 分 前 までに 発 表 会 場 まで 持 参 ください. 4)お 預 かりした 発 表 データは 事 務 局 で 責 任 を 持 って 管 理 し, 大 会 終 了 後 は 抹 消 します. 3. 座 長 の 先 生 へ 1)ご 担 当 のセッションの 開 始 10 分 前 までに 定 められたお 席 にお 着 き 下 さい. 2) 受 持 ちの 時 間 内 の 進 行 は 座 長 の 先 生 に 一 任 いたしますが, 進 行 が 遅 れないようご 配 慮 お 願 いいたします

6 大 会 プログラム 8 月 29 日 ( 木 ) 各 種 委 員 会 吉 田 泉 殿, 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター 11:00~16:00 理 事 会 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター 16:00~18:00 評 議 員 会 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター 18:00~19:00 8 月 30 日 ( 金 ) 一 般 講 演 口 頭 発 表 1 国 際 交 流 ホール I 10:00~12:00 口 頭 発 表 2 国 際 交 流 ホール II 10:00~12:00 ポスター 展 示 国 際 交 流 ホール III 10:00~21:00 総 会 国 際 交 流 ホール I 12:30~13:00 シンポジウム I 東 アジア-オセアニア 感 染 症 サーベイランスネットワークの 構 築 に 向 けて 国 際 交 流 ホール I 13:00~15:00 シンポジウム II 動 物 園 における 展 示 動 物 の 感 染 症 とバイオセキュリティ 最 前 線 国 際 交 流 ホール I 15:00~17:00 自 由 集 会 1 研 究 する 動 物 園 6 国 際 交 流 ホール II 15:00~17:00 懇 親 会 国 際 交 流 ホール I~III 18:00~21:00 8 月 31 日 ( 土 ) シンポジウム III 明 日 から 使 える 臨 床 技 術 ~ 診 察 から 治 療 までのプロセスを 極 める! 国 際 交 流 ホール I 9:30~12:00 自 由 集 会 2 野 生 動 物 と 私 たちをつなぐもの(Our life is their life) 国 際 交 流 ホール II 9:30~12:00 一 般 講 演 ポスター 展 示 国 際 交 流 ホール III 10:00~18:00 ( 在 席 責 任 時 間 奇 数 :10:00~11:00, 偶 数 :11:00~12:00) 自 由 集 会 3 International chat time ( 茶 time) 国 際 交 流 ホール III 12:30~13:30 一 般 講 演 口 頭 発 表 3 国 際 交 流 ホール I 13:00~15:00 口 頭 発 表 4 国 際 交 流 ホール II 13:00~15:00 自 由 集 会 4 野 生 動 物 ゲノム 細 胞 研 究 の 最 前 線 法 経 第 8 講 義 室 13:00~15:00 自 由 集 会 5 薬 物 動 態 と 薬 力 学 の 種 差 問 題 - 抗 菌 薬 抗 真 菌 薬 の 適 正 使 用 を 目 指 して- 法 経 第 8 講 義 室 15:00~17:00 自 由 集 会 6 獣 医 学 教 育 コアカリ 上 の 野 生 動 物 ( 医 ) 学 とは 法 経 第 11 講 義 室 15:00~17:00 学 生 集 会 野 生 動 物 の 現 場 ~ 学 生 はどう 関 わっていけばよいか~ 法 経 第 6 講 義 室 15:00~18:00-6 -

7 学 生 懇 親 会 吉 田 食 堂 18:30~21:00 9 月 1 日 ( 日 ) 学 生 総 会 法 経 第 6 講 義 室 9:00~10:00 シンポジウム IV 野 生 動 物 の 管 理 と 救 護 を 考 える 国 際 交 流 ホール I 10:00~12:00 自 由 集 会 7 動 物 園 水 族 館 での 記 録 の 取 り 方, 残 し 方 ~ 飼 育 動 物 死 亡 時 の 記 録 について~ 国 際 交 流 ホール III 10:00~12:00 自 由 集 会 8 動 物 園 動 物 の 行 動 研 究 : 行 動 観 察 をしてみよう! 京 都 市 動 物 園 10:00~12:00 市 民 公 開 講 座 いのちの 博 物 館 の 実 現 に 向 けて 国 際 交 流 ホール I~III 13:00~17:00-7 -

8 シンポジウム I Establishment of Wildlife Disease Surveillance Network in East Asia and Oceania Navigator: Junpei Kimura (College of Veterinary Medicine, Seoul National University, Korea) Aim: East Asia and Oceania countries are geologically important regions for the exchanging the information regarding the wildlife diseases. To establish the wildlife disease surveillance network among these regions, the current status and problems in each country should be introduced in this symposium. After we understand the current status, we will discuss how we can establish the surveillance networking in these regions. The following presentations are scheduled. 1. Explanation of aim. Junpei Kimura 2. Wildlife Health Surveillance Victoria. Pam Whiteley 3. The Korean Wildlife Center & Wildlife Disease Monitoring in South Korea. Ki-Jeong Na and Junpei Kimura 4. Wildlife Health Surveillance in China. Hongxuan He (abstract not available) 5. Wildlife disease surveillance in Japan. Yasuko Neagari 6. Asian Society of Zoo and Wildlife Medicine: A Possible Core Organization of Wildlife Disease Surveillance Network in East Asia and Oceania. Manabu ONUMA - 8 -

9 Wildlife Health Surveillance Victoria Pam Whiteley BVSc MS MANZCVS Medicine of Australian Wildlife & Epidemiology, BTeach Wildlife Health Surveillance Victoria, Faculty of Veterinary Science, the University of Melbourne, 250 Princes Highway, Werribee, Victoria, Australia, (0) I want to start by sincerely thanking the Japanese Society of Zoo and Wildlife Medicine for the opportunity of meeting with you and speaking today. I m thrilled to be visiting Japan. This talk will be in four parts: 1. Factors that guided the development of Wildlife Disease Surveillance Victoria. 2. Surveillance programs. 3. Describing Wildlife Health Surveillance Victoria. 4. Examples of wildlife health investigations. Factors that guided the development of Wildlife Health Surveillance Victoria. Wildlife Health Surveillance Victoria s main objective is to investigate clusters of sick and dead wildlife to increase our understanding of baseline health and normal patterns of disease and to identify change patterns and factors involved. It is a practical, bottom-up project where we respond to phone calls or from the public or colleagues in our state department of environment or primary industry or Parks Victoria about sick or dead wildlife and organise investigations. Over the last five years several things have informed the development of Wildlife Health Surveillance Victoria project. One Health recognises health interconnections between: 1. people 2. domestic animals 3. wildlife and 4. ecosystems. In 2004 the Wildlife Conservation Society helped launch One World One Health to promote an international and interdisciplinary strategy for combating threats to the health of life on Earth. The initiative encourages health experts from around the world to discuss and share information regarding the movements of diseases among humans, domestic animals, and wildlife. The Wildlife Conservation Society s mission is to save wildlife and wild places across the globe and was founded in 1895 as the New York Zoological Society. Wildlife health is important because it interacts with and affects the health in these areas, including biodiversity conservation. These areas include key stakeholders in the health of communities. We need to help, collaborate, educate, develop relationships with and sustainable funding linking these areas

10 The International Association for Ecology and Health s 2012 EcoHealth conference in China, Kunming position statement: EcoHealth contributions to the Millenium Development Goals starts: As EcoHealth researchers, practitioners, and policy makers, we promote sustainable health and well-being by pursuing transdisciplinary approaches addressing interdependent causal factors of health and well-being, while engaging communities to achieve lasting intergenerational solutions, without compromising the natural, social and cultural capital required for the health of future generations. The value of these multidisciplinary approaches is imbedded in the Wildlife Disease Association (WDA), an international, multidisciplinary, scientific organisation. The WDA has geographic sections that host some of their international meetings so we have had the opportunity to learn from colleagues in Nordic, European, Latin American, North American countries in addition to our Australasian Section. The African and Middle East Section is reforming. We are planning to host the 2015 International WDA conference in Australia, and I extend an invitation for you to join us. The date and location has not been decided, but July-August in Darwin is a possibility. International meetings such as the Asian Society for Zoo and Wildlife Medicine help us learn from colleagues and sometimes provide insight to prevent wildlife health problems or for early detection. We can compare our surveillance systems and identify opportunities to improve them. This can happen by networking, attending conferences and visiting with colleagues. Developing relationships and trust can make our work more efficient, productive and enjoyable. The Canadian Cooperative Wildlife Health Center is based at the Canadian Veterinary Colleges and was established by Wildlife Health Surveillance Victoria is based at the Veterinary Faculty of The University of Melbourne and we find this very efficient and effective as specialists in pathology, microbiology, parasitology and epidemiology contributed, and there is capacity building as students are involved. During recent years the US Agency for International Development s Predict program has undertaken major surveillance on several continents. The USAID Emerging Pandemic Threats program has four parts: Predict, Identify, Respond, and Prevent. Predict is about building global surveillance to detect and prevent spillover of pathogens of pandemic potential that can move between wildlife and people. The Wildlife Conservation Society and EcoHealth Alliance are involved with Predict. EcoHealth Alliance integrates innovative science-based solutions and partnerships that increase capacity to achieve two interrelated goals: 1. protecting global health by preventing the outbreak of emerging diseases and 2. safeguarding ecosystems by promoting conservation. My second part is surveillance. Wildlife health surveillance is a key part of wildlife health management (Leighton, 2010). Wildlife health management components include:

11 Prevention of new disease problems. This includes international intelligence, border controls and risk assessment of internal threats. Timely detection of disease events by disease surveillance. Timely responses to disease events when required, and recovery. This includes decision-making and response planning in advance. Surveillance is the systematic on-going collection, collation, and analysis of information related to animal health and the timely dissemination of information to those who need to know so that action can be taken. (OIE Terrestrial Animal Health Code) Components of a surveillance program (Leighton, 2010) are: 1. Detection of dead or diseased wildlife or collection of samples from populations 2. Identification of pathogens & diseases 3. Information management 4. Data analysis & communication: maps, statistics, reports, risk analysis, meetings Disease and pathogen surveillance (Leighton, 2010) can be: Targeted, focused on a particular pathogen (active). Samples are collected using statistical or probability-based design for epidemiological analysis and prevalence data, but this approach does not detect emerging pathogens. General, scanning (passive) surveillance includes: o Detection of pathogens and disease in wildlife begins with the detection of sick and dead wildlife and needs: A network of people who are likely to observe sick and dead wildlife Help to collect and transport carcasses or trained to collect samples. o Identification of pathogens and disease o Information management o Analysis of data and communication of results to: Public health Domestic animal health Wildlife conservation and management and Environmental departments. (OneHealth framework) Leighton, 2010, states that general, scanning, passive, surveillance: remains a powerful and essential tool in national and international management of animal & human health, and should be carried out in every country. is the most important component of a national wildlife heath program. is the only way a country can know what pathogens exist in its wildlife, and is the only available form of national vigilance for emerging diseases associated with wild animal pathogens

12 Wildlife Health Surveillance Victoria is a general, scanning (passive) surveillance program and most samples are based on what is possible (convenience sampling) and are non-random. Our sampling is biased to mortality and morbidity events, which is efficient. However, a major limitation is lack of data on the population at risk (the denominator for prevalence), so this is an area we nee d to improve. Wildlife Health Surveillance Victoria Wildlife Health Surveillance Victoria was established at the Faculty of Veterinary Science of The University of Melbourne in 2008 with support from the Hermon Slade Foundation. Our objectives are to: improve knowledge of the baseline health of free ranging endemic mammals, birds, reptiles and amphibians Detect changed patters of disease Identify factors or drivers of change. Scientists within the Faculty of Veterinary Science provide major contributions to wildlife health investigations and diagnosis. Wildlife Health Surveillance Victoria was established five years ago and undertakes approximately 100 investigations annually. This could easily be increased but is managed due to limitations in sustainable funding. We receive significant in-kind support from state departments of environment, primary industry, health, Parks Victoria, wildlife carers and veterinary practitioners, bird observers, field naturalists, farmers and community groups and individuals across the state who report wildlife health mortality or morbidity events and assist with investigations. We collaborate with state veterinary and human health laboratories and CSIRO Australian Animal Health Laboratory and colleagues at Zoos Victoria. Surveillance data is provided to the Australian Wildlife Health Network (so to the Australian Department of Agriculture, Fisheries and Forestry and on to OIE World Organisation for Animal Health), and pathology data to the Australian Registry of Wildlife Health. Examples of wildlife health investigations will be presented. Reference: Training manual on wildlife diseases and surveillance. Workshop for OIE National Focal Points for Wildlife. OIE World Organisation for Animal Health, 2010 (F.A. Leighton)

13 The Korean Wildlife Center & Wildlife Disease Monitoring in South Korea Ki-Jeong Na 1 DVM, PhD, Diploma of ACCM and Junpei Kimura 2 DVM, PhD, Diploma of ACCM 1 Laboratory of Veterinary Laboratory Medicine and Wildlife Medicine, College of Veterinary Medicine, Chungbuk National University, South Korea, 2 Department of Anatomy and Cell Biology, College of Veterinary Medicine, Seoul National University, South Korea The Council of Korean Wildlife Center (CKWC) is a semi-governmental organization that was established by the Ministry of Environment and local provincial governments with the objective of caring for and managing rescued wildlife. The CKWC has several regional centers. The Ministry of Environment has a plan to eventually establish 16 wildlife centers in South Korea; since 2004, they have already established 12 centers. Private local veterinary hospitals that can treat wildlife liaise with the regional wildlife centers. The number of rescued wildlife was 6,268 in These numbers have been increasing according to the organization of the regional wildlife centers. In the beginning of their establishment, their activities focused on a rescue and release program for the wild life. However, the passive monitoring program for treatment of wildlife diseases has recently intensified as an important role of the center. In South Korea, surveillance of wildlife infectious diseases has been carried out by the Animal and Plant Quarantine Agency (APQA) and the National Institute of Environmental Research (NIER). Controlling infectious diseases cannot be done outside the scope of human, livestock and wildlife. Climate and wildlife population have changed over the years, so the One-Health approach is considered a more important program in South Korea. The CKWC regional centers have reported the detection of infectious organism Babesia microti like, Theileria spp., Q-fever, and Brucella abortus from rescued wildlife. There is also concern over the spread of zoonosis. The APGQ and NIER have recognized the importance of the CKWC s role and activities for the conservation of wildlife and the infectious disease surveillance. The NIER is establishing a sample collection network and information database with the CKWC in

14 Wildlife disease surveillance in Japan Yasuko Neagari Office of Wildlife Management, Wildlife Division, Nature Conservation Bureau, Ministry of the Environment, Government of Japan This presentation mainly introduces the highly pathogenic avian influenza virus (HPAIV) surveillance system in wild birds in Japan and reports the results of the surveillance. In addition, several ongoing activities related to wildlife diseases in 2013 will be introduced. In Japan, HPAIV H5N1 subtypes were detected from wild crows in This was the first outbreak after 79 years. In 2007 and 2008, a mountain hark-eagle and whooper swans were confirmed HPAIV H5N1 subtypes positive. From these backgrounds, Ministry of the Environment Japan (MOEJ) set a strategy and made a manual of technique and coping with HPAIV in wild birds in The purposes of this strategy are early detection for effective infection control and minimize the damage of HPAI in wildlife and domestic animals. Regarding the monitoring HPAIV, MOEJ has conducted the nation-wide surveillance of HPAIV in wild birds collaborating with local governments, universities, research institutes, and other governmental agencies related to domestic animal health and public health since During winter season, HPAIV H5N1 subtypes were isolated from 60 wild birds in 15 species. Therefore, MOEJ revised the manual to effectively cope with serious outbreaks in During and winter seasons, Japan had not have any HPAIV cases in wild birds and poultry. We have the nation-wide surveillance system only for HPAIv in wild birds. However, in May 2012, passive surveillance of wild birds mortality events started by the National institute for Environmental Studies. Using above mentioned HPAI surveillance system, we can get the wild birds mortality information. In addition, if the local governments request the surveillance for other cause of death except for AI, they can send several dead birds samples to the National institute for Environmental Studies. The institute has conducted the investigation of the cause of death and reported the results to the local governments which requested the surveillance

15 Asian Society of Zoo and Wildlife Medicine: A Possible Core Organization of Wildlife Disease Surveillance Network in East Asia and Oceania Manabu ONUMA, DVM, PhD, Diploma of JSZWM(Wildlife Medicine), Diploma of ACCM National Institute of Environmental Studies, Japan Asian Society of Zoo and Wildlife Medicine (ASZWM, was founded in 2006 and accredited by Asian Association of Veterinary School. An annual meeting was held every year. Participants were from 20 countries and around 600 papers were presented so far. Participants have been discussing on establishing a zoo veterinarian network among Asian countries. As the next step for developing and sustaining an Asian networking of conservation medicine and zoo and wildlife medicine, the ASZWM board has decided to start certifying a diploma. Asian College of Conservation Medicine (ACCM) was established under ASZWM board as the diploma accreditation body in 2012 and there are 13 diplomates in 8 countries. The situation mentioned above, ASZWM can be a core organization of wildlife disease surveillance network in East Asia and Oceania utilizing existing personal connections. And the diplomats of ACCM can support capacity building for veterinarians working on wildlife disease surveillance in each country

16 シンポジウム II 動 物 園 における 展 示 動 物 の 感 染 症 とバイオセキュリティ 最 前 線 主 催 : 感 染 症 対 策 委 員 会 日 時 :8 月 30 日 ( 金 ) 15:00-17:00 場 所 : 国 際 交 流 ホール I コーディネーター: 感 染 症 対 策 委 員 会 福 井 大 祐 ( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 EnVision 環 境 保 全 事 務 所 ), 高 田 真 理 子 ( 大 牟 田 市 動 物 園 ) 趣 旨 : 近 年, 高 病 原 性 鳥 インフルエンザ(HPAI)や 口 蹄 疫 などの 家 畜 感 染 症 が 世 界 各 地 で 発 生 し, 野 生 動 物 が 感 染 し, 人 や 家 畜 に 伝 播 しうる 感 染 症 の 対 策 は,ヒトの 健 康 生 活 および 生 物 多 様 性 を 守 るため, 重 要 課 題 となっている.これらの 感 染 症 は, 野 生 動 物 の 生 物 学 的 移 動 ( 渡 り 鳥 )や 商 業 的 な 物 流 や 人 の 移 動 に 伴 い, 国 境 を 越 えて 伝 播 し 流 行 する 可 能 性 がある ため,そのリスクの 評 価 と 対 策 が 課 題 となっている. 一 方, 動 物 園 は, 希 少 野 生 動 物 の 種 の 保 存 を 目 的 とした 生 息 域 外 保 全 の 場 として, 感 染 症 の 制 御 が 最 重 要 課 題 の 一 つとなっている. 例 えば, 日 常 的 に 行 われている 展 示 動 物 の 感 染 症 予 防 のための 衛 生 管 理 や 国 内 および 国 際 間 での 飼 育 動 物 の 移 動 と 導 入 に 伴 う 検 疫 などのバイオセキュリティ( 感 染 症 防 疫 ) 対 策 がある. さらに, 動 物 園 は, 野 生 動 物 の 保 全 のため, 展 示 動 物 野 生 動 物 家 畜 人 の 共 通 感 染 症 に 対 し, 野 生 動 物 感 染 症 情 報 ネットワーク および 野 生 動 物 と 家 畜 の 共 通 感 染 症 発 生 に 対 す る 早 期 警 報 システム の 構 築 に 向 け,より 組 織 的 な 野 生 動 物 感 染 症 防 御 に 貢 献 できる 可 能 性 が 指 摘 されている. このシンポジウムでは, 動 物 園 の 展 示 動 物 の 感 染 症 とバイオセキュリティをテーマに, 国 内 の 現 状 と 課 題 を 整 理 する.また, 野 生 動 物 の 感 染 症 について, 保 全 医 学 的 観 点 から 議 論 し, ヒト, 家 畜 および 野 生 動 物 の 健 康 を 支 える 生 態 学 的 健 康 (Ecological Health)を 診 断 および 維 持 するための 学 術 整 理 を 目 指 し,バイオセキュリティ 対 策 の 将 来 展 望 について 議 論 する. 趣 旨 説 明 : 福 井 大 祐 ( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 EnVision 環 境 保 全 事 務 所 ), 高 田 真 理 子 ( 大 牟 田 市 動 物 園 ) 講 演 1. 動 物 園 水 族 館 における 飼 育 動 物 の 感 染 症 対 策 について 高 見 一 利 ( 大 阪 市 天 王 寺 動 植 物 公 園 事 務 所 ) 講 演 2. 種 保 存 のための 動 物 導 入 時 における 検 疫 ( 案 ) 松 本 令 以 ( 横 浜 市 野 毛 山 動 物 園 ) 講 演 3. 動 物 園 展 示 動 物 における 感 染 症 の 特 徴 とその 対 策 宇 根 有 美 ( 麻 布 大 学 獣 医 学 部 ) 講 演 4. From Zoo grounds; 動 物 園 展 示 動 物 のバイオセキュリティとしての 野 生 動 物 の 感 染 症 モニタリング 福 井 大 祐 ( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 EnVision 環 境 保 全 事 務 所 ) 講 演 5. 国 際 的 な 動 物 園 ネットワークによる 野 生 動 物 感 染 症 の 早 期 警 報 システムの 構 築 村 田 浩 一 ( 日 本 大 学 生 物 資 源 科 学 部,よこはま 動 物 園 ズーラシア) 総 合 討 論 展 示 動 物 と 野 生 動 物 の 将 来 のバイオセキュリティを 考 える

17 動 物 園 水 族 館 における 飼 育 動 物 の 感 染 症 対 策 について 高 見 一 利 ( 大 阪 市 天 王 寺 動 植 物 公 園 事 務 所 ) 動 物 園 水 族 館 では 多 種 多 様 な 動 物 を, 生 息 域 外 保 全 や 教 育 普 及, 調 査 研 究 といった 様 々な 目 的 のために,バラエティに 富 んだ 施 設 や 方 法 で 飼 育 している. 広 範 な 動 物 種 を 飼 育 してい るため, 起 こり 得 る 感 染 症 も 多 様 である. 従 って, 飼 育 動 物 をあらゆる 感 染 症 から 守 ること は 容 易 ではない. 一 方 で, 近 年, 動 物 が 関 与 する 重 篤 な 感 染 症 が 頻 発 する 中 で, 動 物 園 水 族 館 においても 感 染 症 への 対 応 はますます 重 視 される 傾 向 にあり, 飼 育 動 物 の 感 染 リスクを 低 減 させるための 様 々な 対 策 が 進 められている. 感 染 症 の 発 生, 拡 散 の 防 止 には, 一 般 的 に 免 疫 力 の 向 上 や 感 染 経 路 の 遮 断 といった 対 策 が 講 じられる. 免 疫 力 向 上 策 としては, 日 常 の 健 康 管 理 やワクチン 接 種 などが 考 えられ, 感 染 経 路 遮 断 策 としては, 環 境 の 消 毒 や 物 理 的 バリアの 設 置, 動 物 の 移 動 制 限 などが 考 えられる. 動 物 園 水 族 館 では, 動 物 種 や 飼 育 目 的, 対 象 とする 病 原 体 などに 応 じて, 効 果 的 と 考 えら れる 対 策 を 可 能 な 限 り 適 用 すべく 努 力 している.また, 対 策 の 実 効 性 を 高 めるために, 組 織 的 な 対 応 やマニュアル 作 成 などを 推 進 している. 動 物 を 生 息 域 外 保 全 や 教 育 普 及 といった 目 的 で 飼 育 する 以 上, 病 原 体 との 接 触 を 完 全 に 絶 て るような 環 境 で 飼 育 することはほぼ 不 可 能 であり, 感 染 を 皆 無 にすることは 困 難 である. 従 って, 感 染 症 は 発 生 する 可 能 性 があるという 前 提 に 立 って,リスクを 低 減 させる 方 法 を 考 え ることが 重 要 である. 種 の 保 存 のための 動 物 輸 入 時 の 検 疫 松 本 令 以 ( 横 浜 市 立 野 毛 山 動 物 園 ) 動 物 園 では 絶 滅 の 危 機 に 瀕 した 希 少 動 物 を 数 多 く 飼 育 している. 種 の 存 続 や 将 来 の 野 生 復 帰 のために 生 息 域 外 で 野 生 動 物 を 飼 育 し, 遺 伝 的 多 様 性 を 確 保 しながら 計 画 的 に 繁 殖 に 取 り 組 むことを 種 の 保 存 という. 世 界 中 の 動 物 園 が 飼 育 動 物 を 相 互 に 計 画 的 に 移 動 させるために,アメリカ 動 物 園 協 会 の Species Survival Plan(SSP),ヨーロッパ 動 物 園 協 会 の European Endangered Species Programme (EEP), 世 界 動 物 園 水 族 館 協 会 の Global Species Management Program(GMSP)などの 国 際 的 な 種 の 保 存 計 画 が 策 定 されている. 国 内 でも,( 公 社 ) 日 本 動 物 園 水 族 館 協 会 が 種 の 保 存 のた めの 飼 育 繁 殖 計 画 を 定 期 的 に 策 定 している. 国 境 を 越 えて 動 物 園 間 で 飼 育 動 物 を 移 動 させる 際 には, 感 染 症 の 管 理 が 重 要 な 課 題 となる. 各 国 の 動 物 衛 生 当 局 により, 国 ごと, 動 物 種 ごとに 必 要 な 輸 出 入 検 疫 の 条 件 が 定 められてお り, 海 外 から 日 本 国 内 に 動 物 を 輸 入 する 際 には, 感 染 症 法, 家 畜 伝 染 病 予 防 法, 狂 犬 病 予 防 法 に 基 づき, 農 水 省 動 物 検 疫 所 により 法 定 検 疫 が 行 われる. 例 えば 霊 長 類 を 輸 入 する 場 合, 感 染 症 法 に 基 づき,エボラ 出 血 熱 およびマールブルグ 病 を 対 象 とした 30 日 間 の 検 疫 が, 相 手 国 の 出 国 時 ( 輸 出 検 疫 ), 日 本 への 入 国 時 ( 輸 入 検 疫 )にそ れぞれ 義 務 付 けられている. 霊 長 類 の 輸 入 可 能 国 は 8 か 国 に 限 られているため,これら 以 外 の 国 からの 霊 長 類 の 輸 入 は 禁 止 されている. 偶 蹄 類 の 場 合 は 家 畜 伝 染 病 予 防 法 により 15 日 間 の 輸 入 検 疫 が 必 要 である. 口 蹄 疫 の 発 生 国 からの 輸 入 は 認 められておらず, 国 ごと, 動 物 種 ごとの 家 畜 衛 生 条 件 に 基 づいて 検 査 が 行 われる. 例 えばキリンについては,キリンの 衛 生 条 件 が 定 められているアメリカ 合 衆 国 以 外 からの 輸 入 は 認 められていない. 農 水 大 臣 許 可 によ り 輸 入 禁 止 国 から 動 物 園 動 物 を 輸 入 することも 可 能 な 場 合 があるが, 許 可 には 年 単 位 の 調 整

18 が 必 要 となる. このように, 海 外 の 動 物 園 と 連 携 した 種 の 保 存 を 実 現 するためには, 輸 出 入 に 伴 う 法 定 検 疫 が 障 壁 となりがちである.また, 家 畜 やペットとは 異 なり 多 様 な 形 態 を 持 ち, 飼 育 方 法 にも 熟 練 が 必 要 な 動 物 園 動 物 の 検 疫 は, 農 水 省 の 施 設 では 実 施 が 困 難 な 場 合 もある. 今 後 は, 多 様 な 動 物 園 動 物 を 飼 育 可 能 な 検 疫 施 設 の 整 備 や, 種 の 保 存 を 想 定 した 法 令 の 整 理 などが 必 要 と 考 えられる. 動 物 園 展 示 動 物 における 感 染 症 の 特 徴 とその 対 策 宇 根 有 美 ( 麻 布 大 学 獣 医 学 部 病 理 学 研 究 室 ) 動 物 園 という 管 理 された 環 境 下 では, 感 染 症 の 発 生 状 況, 病 原 体 保 有 状 況 などが 把 握 しやす く, 種 々の 感 染 症 対 策 も 立 てやすい.その 一 方 で, 多 種 多 様 の 動 物 が 飼 育 されており, 自 然 界 では 起 こりえない 動 物 種 の 間 接 的 直 接 的 接 触 が, 病 原 体 に 新 たな 宿 主 を 提 供 することに なったり, 動 物 種 による 病 原 体 への 感 受 性 の 差 が 感 染 症 の 流 行 に 結 びつくことがある.また, 動 物 園 などの 飼 育 施 設 においても, 必 ずしも 自 然 界 における 生 息 環 境 を 忠 実 に 反 映 している わけではなく, 不 適 切 な 飼 育 環 境 が 感 染 症 発 生 の 要 因 になることがある.また, 往 々にして 個 体 密 度 が 高 くなり, 病 原 体 の 伝 播 および 大 量 暴 露 を 容 易 にし, 流 行 のスピードを 加 速 する. さらに, 汚 染 された 飼 料 などによる 感 染 症 の 発 生 もあり 得 る.このように, 展 示 施 設 で 起 こ りうる 感 染 症 には,それぞれの 動 物 や 病 原 体 の 種 類 によって 発 生 パターンがある.また, 当 然 対 策 も 異 なるため, 感 染 症 の 特 性 を 十 分 に 理 解 した 上 での, 対 応 が 必 要 である.ここでは, 展 示 施 設 における 感 染 症 について,いくつかの 事 例 を 提 示 して 紹 介 する. 病 原 体 と 新 宿 主 との 遭 遇 ( 自 然 界 では 起 こりえない 動 物 種 の 間 接 的 直 接 的 接 触 ) 1.ニホンザル 血 小 板 減 少 症 :カニクイザルを 自 然 宿 主 とするサルレトロウイルス 4 型 (SRV-4)がニホンザルに 感 染 し, 重 篤 な 血 小 板 減 少 症 を 惹 起 し, 年 7 頭 発 症,6 頭 死 亡 し,2008 年 3 月 ~2010 年 4 月 41 頭 発 症 し 40 頭 が 死 亡 する( 安 楽 死 を 含 む)といった 事 例 がある. 飼 育 や 実 験 の 際 の 飼 育 ケージや 用 具 の 共 用 による 間 接 的 接 触 が 流 行 の 原 因 になっ たと 考 えられ, 流 行 の 阻 止 には, 健 常 保 菌 動 物 の 摘 発, 高 感 受 性 動 物 との 接 触 阻 止 が 重 要 で ある. 2. 悪 性 カタル 熱 : 羊 を 自 然 宿 主 とする 羊 随 伴 型 悪 性 カタル 熱 ウイルス( 羊 ヘルペスウイルス 2 型 )を 原 因 とする.レゼルボアとの 直 接 接 触 により 感 染 する. 特 にレゼルボアの 周 産 期 に 感 染 機 会 が 高 まる. 動 物 園 では,ヒツジと 同 居 するシカでの 発 生 が 多 い. その 他, 爬 虫 類 のアメーバ 症 ( 草 食 系 と 肉 食 系 爬 虫 類 の 接 触 )など 動 物 種 による 病 原 体 への 感 受 性 の 差 サルモネラ 症 : 動 物 種 あるいは 年 齢 によって 病 原 性 が 異 なる. 食 中 毒 菌 としてよく 知 られて いる S. Enteritidis は,ときに 動 物 に 消 化 管 感 染 症 を 引 き 起 こすが,マーラにおいてチフス 様 病 態 を 示 す 甚 急 性 例 の 流 行 が 確 認 されている. 流 行 の 機 序 は, 肉 食 獣 と 草 食 獣 の 餌 の 調 理 台 を 共 用 したことによる 食 材 間 の 相 互 汚 染 が 考 えられている. 本 施 設 では, 餌 用 鶏 頭 よりサル モネラが 分 離 された.サルモネラに 対 する 感 受 性 の 違 いが 致 死 性 流 行 の 主 因. 病 原 体 の 侵 入 持 込 み, 汚 染 の 蓄 積, 病 原 体 の 増 幅 1.トキソプラズマ 症 :リスザルや 原 猿 類 で 集 団 発 生 が 報 告 されている.これらの 動 物 の 感 受 性 の 高 さ, 園 内 を 徘 徊 する 保 菌 動 物 の 存 在 および 動 物 飼 育 エリア 内 への 病 原 体 の 持 ち 込 み

19 が 流 行 の 原 因 である. 2.エルシニア 症 :リスザルを 主 としてサル 類 ( 少 なくとも 11 種 以 上 ), 鹿, 牛,キャピバ ラ,マーラ,ハイラックス,ニホンリス,ミーアキャット,ルーセットオオコウモリ,オオ ハシ,ジュウシマツなどのカエデチョウなどでの 流 行 が 報 告 されている. 飼 育 施 設 内 外 に 多 くの 保 菌 動 物 が 生 息 し,これらの 動 物 あるいは 感 染 源 が 侵 入 できる 飼 育 施 設 構 造 に 起 因 する. 3. 牛 痘 : 齧 歯 類 を 自 然 宿 主 とする 牛 痘 ウイルスを 原 因 とし, 発 症 した 動 物 との 直 接 接 触 に より 感 染 する. 従 来 より, 牛 や 動 物 園 動 物 など 種 々の 動 物 で 報 告 があり, 近 年,ヨーロッパ でネコ 科 動 物 やヒトでの 報 告 が 相 次 いでいる. 4. 破 傷 風 : 嫌 気 性, 土 壌 菌 である Clostridium tetani の 創 傷 感 染 により 発 症 する. 動 物 の 腸 管 内 の 嫌 気 性 状 態 で 増 殖 し, 動 物 の 排 泄 行 為 によって 外 界 に 排 出 され, 飼 育 施 設 内 の 土 壌 内 に 蓄 積 され 続 ける.また, 自 然 獲 得 免 疫 は 産 生 されないため, 汚 染 度 が 高 い 場 合, 感 染 発 症 する 確 率 が 高 く, 集 団 発 生 することがある. 動 物 へのワクチン 接 種 が 欠 かせない. 5. 昆 虫 媒 介 性 寄 生 虫 性 疾 患 : 飼 育 施 設 内 での 衛 生 害 虫 の 対 策 はしばしば 困 難 なことがある が, 衛 生 害 虫 のコントロールが 十 分 でない 場 合,これらの 動 物 が 病 原 体 の 増 幅 動 物 となり 流 行 を 引 き 起 こす. 例 として 鉤 頭 虫 症 や 美 麗 食 道 虫 症 があげられ, 致 死 的 流 行 が 確 認 されてい る. From Zoo grounds; 動 物 園 展 示 動 物 のバイオセキュリティとしての 野 生 動 物 の 感 染 症 モニタリング 福 井 大 祐 ( 特 定 非 営 利 活 動 法 人 EnVision 環 境 保 全 事 務 所, 人 と 野 生 生 物 の 関 わりを 考 える 会 ) 動 物 園 が 来 園 者 に 生 き 物 のすばらしさや 自 然 界 の 現 状 を 伝 えるため, 飼 育 展 示 動 物 の 感 染 症 に 対 し, 積 極 的 に 評 価 して 管 理 することは, 最 重 要 課 題 の 一 つである.また, 野 生 動 物 の 救 護,リハビリテーションや 再 導 入 など 長 期 的 短 期 的 な 飼 育 管 理 を 含 む 保 全 計 画 においても バイオセキュリティ 対 策 は 重 要 である. 感 染 症 を 引 き 起 こす 病 原 体 は, 健 全 な 生 態 系 を 構 成 することも 多 く, 通 常 はその 一 部 となっ ている. 長 い 年 月 を 経 てできた 自 然 界 のバランスを 人 類 が 破 壊 しながら 環 境 を 改 変 し 続 ける 限 り, 従 来 の 感 染 症 と 新 興 感 染 症 の 病 原 体 は, 新 たな 生 態 学 的 ニッチと 新 しい 宿 主 を 見 つけ ようとする. 例 えば,1999 年,ウエストナイルウイルスが 米 国 に 侵 入 し, 北 米 で 飼 育 されて いた 鳥 類, 有 蹄 類, 海 棲 哺 乳 類, 小 型 哺 乳 類 およびは 虫 類 に 及 ぶ 免 疫 力 を 持 たない 数 多 くの 種 でアウトブレイクした. 動 物 園 の 飼 育 動 物 も 自 然 界 との 完 全 な 境 界 はなく,バイオセキュリティ 対 策 として, 野 生 動 物 との 接 触 を 防 ぐことは 予 防 医 学 の 実 践 において 重 要 な 課 題 である. 例 えば, 野 鳥 (サルモ ネラ, 鳥 インフルエンザウイルス),ゲッ 歯 類 (エルシニア,レプトスピラ),ノウサギ( 野 兎 病 ),キタキツネ(エキノコックス)あるいは 蚊 やダニのような 節 足 動 物 などが 挙 げられる. 北 米 の 動 物 園 のほとんどでウエストナイルウイルスの 侵 入 以 来, 蚊 のサーベイランス( 捕 獲, 種 同 定 や 検 査 )や 防 除 は, 一 般 的 な 対 策 となっている. 国 内 の 動 物 園 でも, 主 にペンギン 類 の 鳥 マラリア 対 策 のため, 同 様 な 調 査 が 行 われている.また, 鳥 インフルエンザの 発 生 を 契 機 に, 野 鳥 の 飼 育 舎 への 侵 入 防 止 対 策 の 見 直 しと 強 化 がなされ, 渡 り 鳥 の 動 向 に 注 意 を 払 う ようにもなった. 動 物 園 の 敷 地 (Zoo ground) 内 で 野 生 動 物 が 保 護 されたり, 死 体 が 見 つかったりすることが あるが,これらの 検 索 は,その 地 域 に 生 息 する 野 生 動 物 による 感 染 症 リスクのベースライン を 把 握 することにつながり,ひいては 基 本 的 な 予 防 医 学 プロトコールの 一 部 となる. 実 際,

20 自 然 界 における 野 鳥 の 大 量 死 の 原 因 究 明 に 至 った 事 例 (スズメのサルモネラ 感 染 症 )もある. 本 講 では, 野 生 動 物 展 示 動 物 間 で 伝 播 しうる 感 染 症 の 研 究 事 例 を 紹 介 し, 動 物 園 における 展 示 動 物 のバイオセキュリティ 対 策 と 野 生 動 物 の 感 染 症 モニタリングの 機 能 について 考 える. 国 際 的 な 動 物 園 ネットワークによる 野 生 動 物 感 染 症 の 早 期 警 報 システムの 構 築 村 田 浩 一 ( 日 本 大 学 生 物 資 源 科 学 部,よこはま 動 物 園 ズーラシア) 近 年, 家 畜 感 染 症 と 野 生 動 物 との 関 わりが 大 きく 問 題 視 されるようになってきた. 国 内 でも, 高 病 原 性 鳥 インフルエンザ(HPAI)や 口 蹄 疫 の 発 生 時 には, 野 鳥 や 野 生 偶 蹄 目 の 病 原 体 保 有 について 議 論 された. 家 畜 と 野 生 動 物 の 共 通 感 染 症 は, 動 物 個 体 の 生 物 学 的 移 動 (HPAI では 野 鳥 の 渡 り)や 商 業 的 な 人 為 的 移 動 に 伴 い, 国 境 を 越 えて 広 域 的 に 伝 播 し 流 行 する 可 能 性 が ある.そのため, 感 染 症 リスクを 正 しく 評 価 し 監 視 と 制 御 を 行 うには, 野 生 動 物 感 染 症 情 報 ネットワークの 構 築 と 野 生 動 物 と 家 畜 の 共 通 感 染 症 発 生 に 対 する 早 期 警 報 システムの 導 入 が 必 須 であり,これらに 関 する 基 盤 的 調 査 研 究 を 国 際 連 携 の 下 で 実 施 する 必 要 がある. 具 体 的 には, 国 立 の 野 生 動 物 医 学 研 究 機 関 が, 野 生 動 物 感 染 症 情 報 ネットワークや 国 際 的 な 野 生 動 物 感 染 症 情 報 地 図 等 のプラットフォームを 作 製 運 営 し, 野 生 動 物 感 染 症 管 理 および 家 畜 感 染 症 統 御 に 関 する 情 報 を 広 く 海 外 から 収 集 蓄 積 し 随 時 分 析 することが 求 められる.そして, 日 本 を 含 むアジア 地 域 に 適 合 もしくは 特 化 させた 家 畜 と 野 生 動 物 の 共 通 感 染 症 防 御 体 制 と 共 に, 感 染 症 の 監 視 と 制 御 を 目 的 としたサーベイランス 体 制 を 構 築 することが 望 まれる.しか しながら, 国 立 の 野 生 動 物 医 学 研 究 所 の 設 置 や 野 生 動 物 の 感 染 症 に 関 する 国 際 的 情 報 ネット ワークの 構 築 は, 経 済 的 もしくは 社 会 的 および 政 治 的 状 況 に 加 え, 本 分 野 に 関 与 する 専 門 家 の 少 なさもあって 実 現 は 容 易 でない.そこで, 世 界 中 の 動 物 園 水 族 館 で 日 常 的 に 野 生 動 物 の 健 康 管 理 に 従 事 している 専 門 家 としての 獣 医 師 たちの 参 画 と 協 働 を 提 案 したい. 動 物 園 水 族 館 では, 種 保 全 を 目 的 とした 飼 育 動 物 の 国 内 外 移 動 が 常 時 行 われており,その 際 には, 各 動 物 園 間 で 当 該 種 の 感 染 症 情 報 の 交 流 や 検 疫 を 含 む 感 染 症 対 策 が 話 し 合 われる.その 人 的 交 流 と 感 染 症 対 策 技 術 が 広 域 的 かつ 組 織 的 に 共 有 され 活 用 されることで, 野 生 動 物 感 染 症 情 報 ネットワークや 野 生 動 物 と 家 畜 の 共 通 感 染 症 発 生 に 対 する 早 期 警 報 システムは 容 易 に 構 築 され, 効 果 的 な 野 生 動 物 感 染 症 防 御 へ 発 展 することが 期 待 される. 国 際 的 な 動 物 園 獣 医 師 の 連 携 は, 保 全 医 学 に 基 づく 家 畜 を 含 む 動 物 とヒトと 生 態 系 の 健 康,すなわち 生 態 学 的 健 康 (Ecological Health)の 維 持 に 貢 献 できるに 違 いない

21 シンポジウム III 臨 床 シンポジウム 総 合 診 療 獣 医 師 (Dr.ベット.G)をめざせ! 明 日 から 使 える 臨 床 技 術 ~ 診 察 から 治 療 までのプロセスを 極 める! 主 催 : 野 生 動 物 医 学 会 臨 床 普 及 啓 発 委 員 会 日 時 :8 月 31 日 ( 土 ) 9:30-12:00 場 所 : 国 際 交 流 ホール I コーディネーター: 外 平 友 佳 理 ( 到 津 の 森 公 園 ), 鯉 江 洋 ( 日 本 大 学 ) 趣 旨 : 臨 床 家 は 的 確 な 診 断 と 適 切 な 治 療 を 常 に 心 がけなければならない. 展 示 施 設 という 特 殊 性 や 状 況 に 制 約 が 多 い 野 生 動 物 医 学 分 野 であっても 忘 れてはならないことである. 本 企 画 で は, 初 期 診 察 から 検 査 の 流 れと 治 療 指 針 の 組 み 立 てについてシュミレーションしながらスキ ルアップを 目 指 します. 内 容 : 1. 趣 旨 説 明 2. 臨 床 例 の 提 示 ( 内 分 泌 ) 鯉 江 洋 ( 日 本 大 学 ) 3. 臨 床 例 の 提 示 ( 循 環 器 ) 鯉 江 洋 ( 日 本 大 学 ) 4.ディスカッション

22 シンポジウム IV 野 生 動 物 の 管 理 と 救 護 を 考 える 主 催 : 第 19 回 日 本 野 生 動 物 医 学 会 大 会 事 務 局 日 時 :9 月 1 日 ( 日 ) 10:00-12:00 場 所 : 国 際 交 流 ホール I コーディネーター: 和 田 晴 太 郎 ( 京 都 市 動 物 園 ), 伊 藤 英 之 ( 京 都 市 動 物 園 ) 趣 旨 近 年, 人 と 野 生 動 物 との 関 わりが 複 雑 多 様 化 しており, 野 生 動 物 への 認 識 は 人 それぞれ 異 なる. 農 林 業 地 域 においては 野 生 動 物 による 被 害 ( 獣 害 )は 大 きく, 害 獣 としての 認 識 が 強 いと 思 われる.しかし, 都 市 部 では 野 生 動 物 による 生 活 被 害 は 大 きくなっているものの, 保 護 ( 救 護 )するものと 考 えている 人 が 多 いのではないだろうか? 今 回, 本 シンポジウムでは, 様 々な 立 場 から 野 生 動 物 に 関 わる 方 に 講 演 していただき, 野 生 動 物 と 人 のかかわりについて 再 度 考 えてみる. 発 表 者 1. 趣 旨 説 明 大 会 事 務 局 2. 生 物 多 様 性 保 全 のための 野 生 動 物 管 理 須 藤 明 子 ( 株 式 会 社 イーグレット オフィス) 3. 地 域 個 体 群 として 人 と 動 物 をみる 管 理 の 現 場 岸 本 真 弓 ( 野 生 動 物 保 護 管 理 事 務 所 関 西 分 室 ) 4. 京 都 府 の 野 生 鳥 獣 対 策 磯 井 達 也 ( 京 都 府 森 林 保 全 課 野 生 鳥 獣 担 当 ) 5. 新 ガイドライン 導 入 による 救 護 センターの 課 題 森 本 直 樹 ( 京 都 市 動 物 園 鳥 獣 救 護 センター) 6. 総 合 討 論 7.まとめ

23 自 由 集 会 1 研 究 する 動 物 園 6 主 催 : 学 術 教 育 委 員 会 主 催 コーディネーター: 佐 々 木 基 樹 ( 帯 広 畜 産 大 学 ), 遠 藤 秀 紀 ( 東 京 大 学 総 合 研 究 博 物 館 ), 浅 川 満 彦 ( 酪 農 学 園 大 学 ) 日 時 :8 月 30 日 ( 金 )15:00-17:00 場 所 : 国 際 交 流 ホール I 趣 旨 日 本 野 生 動 物 医 学 会 学 術 教 育 委 員 会 では, 動 物 園, 水 族 館,および 博 物 館 など 多 くの 機 関 や 広 い 研 究 領 域 における 野 生 動 物 医 学 の 研 究 促 進 とその 研 究 成 果 の 普 及 に 尽 力 していくこと を 目 的 の 一 つとしている.これまで, 動 物 園 や 水 族 館 がおこなってきた 研 究 や 取 組 を 紹 介 す る 研 究 する 動 物 園 を 5 回 開 催 してきた. 本 年 は, 新 たに 発 足 した 学 術 教 育 委 員 会 を 中 心 として 研 究 する 動 物 園 6 を 開 催 し, 日 本 の 動 物 園 水 族 館 関 係 者 の 方 々から,その 取 組 について 講 演 頂 く. 演 者 : 講 演 1. 田 中 正 之 ( 京 都 市 動 物 園 生 き 物 学 び 研 究 センター) 動 物 園 での 研 究 教 育 のための 費 用 獲 得 について- 大 学 との 連 携, 共 同 利 用 共 同 研 究, 科 研 費 等 - 講 演 2. 早 川 大 輔 (わんぱーくこうちアニマルランド) 動 物 園 とフィールドを 活 かす 地 域 の 動 物 園 が 求 められること,できること 講 演 3. 柳 澤 牧 央 ( 沖 縄 美 ら 島 財 団 ) 鯨 類 臨 床 治 療 成 績 の 向 上 を 目 指 す ~ 研 究 によるサポートの 重 要 性 ~

24 自 由 集 会 2 野 生 動 物 と 私 たちをつなぐもの(Our life is their life) 主 催 : 野 生 動 物 医 学 会 学 生 部 会 国 際 交 流 係 コーディネーター: 河 合 美 帆 ( 北 里 大 学 獣 医 学 部 獣 医 学 科 ) 日 時 :8 月 31 日 ( 土 )9:30-12:00 場 所 : 国 際 交 流 ホール II 学 生 が 海 外 に 行 き, 野 生 動 物 を 見 て 学 ぶ という 経 験 はそう 多 くはありません.しかし, 海 外 に 興 味 がある! 大 自 然 の 中 で 暮 らす 動 物 たちを 見 たい!という 学 生 もいると 思 います. 学 生 が 海 外 での 実 習,ツアーなどに 参 加 しそれらを 通 して 野 生 動 物 の 魅 力 や,それぞれが 抱 え る 問 題 点 など, 体 験 談 を 発 表 していただきます. そして, 集 会 に 参 加 されている 全 員 でディ スカッションを 行 います. 私 たちと 野 生 動 物 とのこれからの 関 わりを 考 え, 行 動 を 起 こすき っかけとなることを 目 標 とします. 発 表 は 日 本 語,スライドは 英 語 で 行 う 予 定 です. 対 象 は 学 生 に 限 らず, 先 生 方 や 一 般 の 方 にもぜひご 参 加 いただきたいです. "Learn and watch wildlife overseas" We usually don't find opportunity like this. However, at least some students must be interested in practice in other countries, and want to watch how wild animals live there. In this workshop, the students who have been to practices or tours in other countries will present the attraction of real wildlife and their problems that each student learned through their experience. These stories would be best themes to discuss for us to think about how we should behave and keep a good relationship with wildlife. We have oral presentation in Japanese, but the screen will be in English. 演 者 : 1. 仲 尾 朋 美 ( 北 海 道 大 学 獣 医 学 部 5 年 ) Tomomi Nakao (Laboratory of Veterinary Physiology, Department of Veterinary Medicine, Hokkaido University) 世 界 へ 羽 ばたけ! 野 生 動 物 学 生 たち (We have endless possibilities!) 2. 石 原 亜 美 ( 鳥 取 大 学 農 学 部 共 同 獣 医 学 科 4 年 ) Thugumi Ishihara (Laboratory of Veterinary Hygiene, Department of Veterinary medicine, Faculty of Agriculture, Tottori University) サバンナを 見 つめて (what can we see from our far east) 3. 成 田 翼 ( 北 里 大 学 獣 医 学 部 獣 医 学 科 3 年 ) Thubasa Narita (Department of Veterinary Medicine, Faculty of Veterinary Medicine, Kitasato University) タイのアジアゾウ 飼 育 健 康 管 理 ツアーに 参 加 して (Report on Elephant Health Care Training Course in Thailand) 4. 上 島 彩 美 ( 日 本 大 学 生 物 資 源 科 学 部 動 物 資 源 科 学 科 2 年 ) 石 黒 友 子 ( 日 本 大 学 短 期 大 学 部 生 物 資 源 科 学 科 2 年 ) Ayami Ueshima (Department of Animal Science and Resources, Faculty of Bioresource Sciences, Nihon University ) Yuko Ishiguro (Department of Bioresource Sciences, Nihon University Junior College ) ボルネオの 野 生 動 物 とパームオイル (Wildlife in Borneo and Palm oil)

25 自 由 集 会 3 International chat time ( 茶 time) 主 催 : 野 生 動 物 医 学 会 学 生 部 会 コーディネーター: 河 合 美 帆 ( 北 里 大 学 獣 医 学 部 獣 医 学 科 ) 日 時 :8 月 31 日 ( 土 )12:30-13:30 場 所 : 国 際 交 流 ホール III(ポスター 会 場 休 憩 スペース) お 昼 ごはんを 食 べながら, 海 外 で 活 躍 する 先 生 方 と 英 語 で Chat(おしゃべり) をしようという 企 画 です.この 場 を 通 じて 国 際 交 流 の 楽 しさや 身 近 にある 国 際 的 活 動 につながるきっかけと してもらえたらと 思 います.( 事 前 申 込 が 必 要 ) << 参 加 予 定 の 先 生 >> Dr.Pam Whiteley(BVSc MS MACVS (Epidemiology & Australian Wildlife) BTeach Wildlife Health Surveillance Victoria Faculty of Veterinary Science, The University of Melbourne ( Dr. Hongxuan He ( 中 国 科 学 院 動 物 研 究 所 国 立 野 生 動 物 由 来 疾 病 研 究 センター(National Research Center for Wildlife Borne Diseases, Institute of Zoology, Chinese Academy of Sciences )) ( Dr. Ki-Jeong Na Director of The Wildlife Center of Chungbuk Professor, Veterinary laboratory medicine College of Veterinary Medicine, Chungbuk National University Gesindong 12, Cheongju , Republic of Korea

26 自 由 集 会 4 野 生 動 物 ゲノム 細 胞 研 究 の 最 前 線 コーディネーター: 村 山 美 穂 ( 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター) 日 時 :8 月 31 日 ( 土 )13:00-15:00 場 所 : 法 経 第 8 講 義 室 野 生 動 物 のゲノム 細 胞 研 究 は, 生 息 状 況 解 明 の 基 礎 情 報 となり, 絶 滅 危 惧 種 の 保 全 に 大 いに 貢 献 することが 期 待 できる.2012 年 10 月 に 発 足 した 国 立 環 境 研 究 所 野 生 動 物 ゲノム 連 携 研 究 グループ では,DNA や 細 胞 試 料 を 用 いて,ゲノム 解 析 情 報 を 蓄 積 し, 細 胞 の 研 究 資 源 化 を 図 り, 多 くの 研 究 者 が 活 用 できる 体 制 の 構 築 を 目 指 している. 本 集 会 は, 共 同 研 究 の 発 展 に 向 けて, 有 意 義 な 情 報 発 信 ならびに 意 見 交 換 の 場 としたい. 演 題 : 大 沼 学 ( 国 立 環 境 研 究 所 ) 国 立 環 境 研 究 所 における 絶 滅 危 惧 種 の 遺 伝 資 源 保 存 体 制 と 保 全 遺 伝 学 的 研 究 例 について 遠 藤 大 二 ( 酪 農 学 園 大 学 獣 医 学 群 獣 医 学 類 ) 次 世 代 シークエンサーによるヤンバルクイナ 全 ゲノム 解 析 の 進 捗 状 況 - 低 メモリーアッ センブルソフトと 高 速 相 同 性 解 析 ソフトを 用 いたローコストゲノム 解 析 - 福 田 智 一 ( 東 北 大 学 大 学 院 農 学 研 究 科 ) 爬 虫 類 の 細 胞 培 養 法 開 発 と 細 胞 バンク 構 築 の 試 み 田 島 淳 史, 浅 野 敦 之 ( 筑 波 大 学 生 命 環 境 科 学 研 究 科 ) 鳥 類 における 遺 伝 資 源 保 存 の 現 状 について 村 山 美 穂 1, 伊 藤 英 之 1,2, 木 下 こづえ 1 ( 1 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター, 2 京 都 市 動 物 園 ) 飼 育 施 設 と 連 携 した 試 料 の 保 存 と 活 用 金 子 武 人 ( 京 都 大 学 大 学 院 医 学 研 究 科 附 属 動 物 実 験 施 設 ) 希 少 動 物 におけるフリーズドライ 法 による 精 子 保 存 法 の 確 立 及 び 配 偶 子 バンクの 設 立

27 自 由 集 会 5 薬 物 動 態 と 薬 力 学 の 種 差 問 題 - 抗 菌 薬 抗 真 菌 薬 の 適 正 使 用 を 目 指 して- コーディネーター: 柳 澤 牧 央 ( 一 般 財 団 法 人 沖 縄 美 ら 島 財 団 ) 日 時 :8 月 31 日 ( 土 )15:00-17:00 場 所 : 法 経 第 8 講 義 室 昨 年, 本 学 会 の 自 由 集 会 において, 数 多 く 存 在 する 薬 物 の 半 減 期 は, 投 与 する 動 物 種 によっ て 大 きく 異 なるものがほとんどであるという, 議 題 を 提 供 した. 鯨 類 における 抗 真 菌 剤 のボ リコナゾールの 半 減 期 が 極 端 に 長 い 事 象 は,その 代 表 的 なものだ.3 日 間 連 続 で 投 与 後,1 週 間 血 中 濃 度 を 維 持 している. 肝 臓 の 薬 物 代 謝 酵 素, 蛋 白 結 合 率, 体 を 構 成 する 脂 質 の 割 合 や 腎 臓 のクリアランスと,その 要 因 は 多 々 考 えられる. 一 番 確 実 に 把 握 する 方 法 は, 実 際 に 時 間 を 追 って 血 中 濃 度 を 測 定 することである. 昨 年 の 研 究 者 に 加 え, 薬 物 測 定 に 関 する 専 門 家 に 参 加 していただき, 未 だはっきりしない, 異 種 間 の 薬 物 動 態 に 関 して,せめて 代 表 的 な 動 物 種, 代 表 的 な 抗 菌 剤 の 実 測 による 把 握 が, 最 終 的 には 適 正 な 抗 菌 薬 の 使 用 プロトコルの 獲 得 につながると 考 え, 本 事 業 をプロジェクトとして 発 足 したいとも 考 えている.しかし, そのためには, 熱 心 で 献 身 的 な 臨 床 家 の 協 力 と 理 解 が 必 要 不 可 欠 で,この 自 由 集 会 を 通 して, 少 しでも 賛 同 していただける 方 が 集 まればよいと 考 えている. 演 者 : 1. 抗 菌 薬 適 正 使 用 における PK/PD 理 論 の 重 要 性 基 礎 的 概 念 岩 尾 一 ( 新 潟 市 水 族 館 ) 2. 種 による 半 減 期 の 違 いを 実 例 で 確 認 しよう 鯨 類 での 臨 床 データ 岩 尾 一, 柳 澤 牧 央 ( 沖 縄 美 ら 島 財 団 ) アミノグリコシド 系 の 実 測 濃 度 鯨 類 ではボリコナゾールは 長 く 効 く コンベニアは 2 週 間 に 1 回 で 良 い? 3. 薬 物 動 態 における 種 差 って? 佐 々 木 一 昭 ( 東 京 農 工 大 学 獣 医 薬 理 学 研 究 室 ) 4. 血 中 薬 物 濃 度 はどのように 測 定 するのか 五 十 嵐 一 雄 ( 一 般 財 団 法 人 医 薬 分 析 協 会 )

28 自 由 集 会 6 獣 医 学 教 育 コアカリ 上 の 野 生 動 物 ( 医 ) 学 とは 主 催 : 学 術 教 育 委 員 会 コーディネーター: 浅 川 満 彦 ( 学 術 教 育 委 員 会 委 員 長, 酪 農 学 園 大 学 ) 佐 々 木 基 樹 ( 同 副 委 員 長, 帯 広 畜 産 大 学 ) 日 時 :8 月 31 日 ( 土 )15:00-17:00 場 所 : 法 経 第 11 講 義 室 内 容 : 現 在 進 行 されつつある 獣 医 学 教 育 のコアカリ,また,4 年 後 から 開 始 予 定 の 共 用 試 験 への 学 会 として,その 啓 発 や 取 り 組 みの 具 体 例 の 話 題 提 供 を 頂 き, 会 員 諸 兄 とより 優 れた 教 育 内 容 実 現 方 策 の 検 討 をしたい. 演 者 : 1. 浅 川 満 彦 ( 酪 農 学 園 大 学 ) 趣 旨 説 明 2. 遠 藤 大 二 ( 酪 農 学 園 大 学 ) 獣 医 学 教 育 のコアカリキュラムと 共 用 試 験 の 概 要 3. 石 塚 真 由 美 ( 北 海 道 大 学 大 学 院 ) 野 生 動 物 医 学 のコアカリとそのテキスト ( 仮 題 ) 4. 佐 々 木 基 樹 ( 帯 広 畜 産 大 学 ) フロアーの 皆 さんとパネラーとの 討 論

29 自 由 集 会 7 動 物 園 水 族 館 での 記 録 の 取 り 方 残 し 方 ~ 飼 育 動 物 死 亡 時 の 記 録 について~ 主 催 : 近 畿 動 物 園 水 族 館 臨 床 獣 医 研 究 会 コーディネーター: 毛 塚 千 穂 ( 神 戸 市 立 須 磨 海 浜 水 族 園 ) 日 時 :9 月 1 日 ( 日 )10:00-12:00 場 所 : 国 際 交 流 ホール III 内 容 : 動 物 園 や 水 族 館 の 獣 医 師 は, 飼 育 動 物 や 動 物 に 関 わる 人 たちの 健 康 管 理 に 責 任 を 持 たなけ ればならない 立 場 にあります. 日 常 の 治 療 や 健 康 診 断, 死 亡 時 の 剖 検 などから 得 られる 様 々 な 記 録 は, 健 康 管 理 を 進 めるための 貴 重 な 情 報 になるため, 記 録 の 管 理 に 社 会 的 な 責 任 を 感 じている 方 もいるのではないでしょうか. 今 回 の 自 由 集 会 では, 動 物 の 死 亡 時 に 得 られる 記 録 に 着 目 し, 記 録 の 有 効 な 活 用 方 法 について 検 討 します. 動 物 が 死 亡 した 場 合,ほとんどの 動 物 園, 水 族 館 で 病 理 解 剖 検 査 や 病 理 組 織 検 査 を 行 い, 死 因 を 究 明 しています.そして 希 少 種 の 場 合 には, 血 統 登 録 簿 に 死 因 が 記 載 されることで, 情 報 が 共 有 されます. 記 録 は 多 いほど 有 効 な 情 報 として 機 能 するため, 施 設 を 超 えて 記 録 を 集 積 することで,より 効 果 的 な 活 用 が 期 待 できます.しかし, 現 在 血 統 登 録 簿 で 共 有 される 情 報 は 希 少 種 の 死 因 に 関 してのみであり, 死 亡 に 至 った 飼 育 環 境 や 治 療 の 経 緯 等,これからを 生 きる 個 体 の 健 康 管 理 に 活 用 できると 考 えられえる 貴 重 な 情 報 の 多 くは, 組 織 的 に 集 積 され てはいません. このような 状 況 を 改 善 するために, 全 国 の 動 物 園 水 族 館 で 記 録 の 取 り 方, 残 し 方 を 統 一 し, 記 録 を 集 積, 共 有 すれば, 今 後 のために 大 変 貴 重 なデータとなると 考 えられます. 従 って, まずは 飼 育 動 物 死 亡 時 の 記 録 の 取 り 方, 残 し 方 について, 動 物 園 水 族 館 の 臨 床 現 場 での 現 状 を 把 握 し, 専 門 機 関 での 記 録 の 取 り 扱 い 事 例 を 学 び, 情 報 共 有 化 の 手 段 を 探 ることで, 皆 さ んと 一 緒 に 考 えたいと 思 います. 演 題 1. 毛 塚 千 穂 ( 神 戸 市 立 須 磨 海 浜 水 族 園 ) 趣 旨 説 明 2. 米 澤 彩 ( 姫 路 セントラルパーク) 動 物 園 水 族 館 の 臨 床 現 場 における 記 録 の 問 題 点 ( 仮 題 ) 3. 中 村 進 一 ( 麻 布 大 学 病 理 学 研 究 室 共 同 研 究 員, 京 都 市 東 山 保 健 センター) 病 理 学 事 始 め(Let's pathology! ) 4. 大 沼 学 ( 国 立 環 境 研 究 所 生 物 生 態 系 環 境 研 究 センター) 国 立 環 境 研 究 所 における 剖 検 記 録 作 成 の 事 例 紹 介 ( 仮 題 ) 5. 高 見 一 利 ( 大 阪 市 天 王 寺 動 植 物 公 園 事 務 所 ) 動 物 園 水 族 館 での 記 録 の 共 有 について 6. 討 論 今 後, 動 物 園 水 族 館 における 死 亡 時 記 録 をいかに 取 るべきか,いかに 残 すべきか

30 自 由 集 会 8 動 物 園 動 物 の 行 動 研 究 : 行 動 観 察 をしてみよう! 主 催 :SHAPE-Japan 応 用 動 物 行 動 学 会 コーディネーター: 山 梨 裕 美, 小 倉 匡 俊 ( 京 都 大 学 野 生 動 物 研 究 センター 日 本 学 術 振 興 会 ) 日 時 :9 月 1 日 ( 日 )10:00-12:00 場 所 : 京 都 市 動 物 園 趣 旨 (A) 動 物 の 行 動 観 察 の 方 法 を 学 んでもらう (B)アニマルウェルフェアと 環 境 エンリッチメントに 興 味 を 持 ってもらう (C) 応 用 動 物 行 動 学 会 と SHAPE-Japan の 告 知 および 宣 伝 内 容 (1)レクチャー:40 分 場 所 : 京 都 市 動 物 園 動 物 図 書 館 視 聴 室 担 当 者 : 山 梨 裕 美 (または, 小 倉 匡 俊 ) 内 容 :アニマルウェルフェアとは 行 動 観 察 の 必 要 性 ウェルフェアの 評 価 行 動 観 察 の 方 法 連 続 記 録 / 瞬 間 サンプリング/1-0 サンプリング, etc. ビデオを 見 ながらの 記 録 方 法 体 験 (2) 実 際 に 動 物 を 観 察 :50 分 場 所 : 動 物 園 内 の 数 カ 所 に 分 かれて 担 当 者 :SHAPE-Japan スタッフ 一 同 内 容 :いくつかのグループに 分 かれて, 動 物 園 内 の 動 物 を 実 際 に 観 察 してみる 時 間 で 区 切 って, 観 察 する 動 物 や 記 録 方 法 を 変 える 可 能 ならば,エンリッチメント 前 後 を 比 較 する (3)データの 集 計, 発 表, 全 体 のまとめ:30 分 場 所 : 京 都 市 動 物 園 動 物 図 書 館 視 聴 室 担 当 者 : SHAPE-Japan スタッフ 一 同 内 容 : 記 録 したデータの 集 計 集 計 した 結 果 をグループ 内 で 比 較 まとめ 行 動 観 察 の 必 要 性 を 再 度 お 話 しする < 対 象 :> これからの 動 物 園 を 担 う 学 生 動 物 園 職 員 ( 事 前 登 録 制 )

31 学 生 集 会 野 生 動 物 の 現 場 ~ 学 生 はどう 関 わっていけばよいか~ 主 催 : 日 本 野 生 動 物 医 学 会 学 生 部 会 日 時 :8 月 31 日 ( 土 )15:00~18:00 場 所 : 法 経 第 6 講 義 室 コーディネーター: 後 藤 拓 弥 ( 北 里 大 学 獣 医 学 部 獣 医 学 科 4 年 ) 吉 泉 実 華 ( 北 里 大 学 獣 医 学 部 生 物 環 境 科 学 科 4 年 ) 井 上 杏 菜 ( 東 京 農 工 大 学 農 学 部 獣 医 学 科 4 年 ) 木 村 塁 ( 日 本 大 学 生 物 資 源 科 学 部 獣 医 学 科 3 年 ) 藤 野 愛 美 ( 日 本 大 学 生 物 資 源 科 学 部 動 物 資 源 科 学 科 3 年 ) 吉 野 綾 夏 ( 北 里 大 学 獣 医 学 部 獣 医 学 科 3 年 ) 趣 旨 : 私 たちは 普 段, 野 生 動 物 を 意 識 することなく 生 活 をしており, 見 える 人 しかその 存 在 に 気 づ くことはありません.また, 野 生 動 物 に 興 味 はあっても 彼 らとどう 関 わっていけばいいか 知 る 機 会 は 多 くないと 思 います. 野 生 動 物 の 存 在 をもっと 身 近 に 感 じ, 彼 らを 取 り 巻 く 現 状 を しっかりと 認 識 することを 目 標 として 今 回,このテーマを 選 びました. 当 日 は 学 生 と 年 齢 層 が 近 い4 人 の 講 師 による4つの 異 なった 切 り 口 からの 野 生 動 物 の 現 場 について 講 演 して 頂 き ます. 講 演 の 後 は 講 師 の 方 も 交 えて 学 生 集 会 後 も 参 加 者 が 応 用 できるような 知 識 の 集 め 方, 視 野 の 広 げ 方 を 中 心 に 議 論 を 展 開 する 予 定 です. 野 生 動 物 に 興 味 を 持 つ 学 生 の 皆 さん, 私 たちと 一 緒 に 学 生 集 会 ならではの 熱 い 議 論 をしてみ ませんか? もちろん, 社 会 人 の 方 々のご 参 加 も 心 よりお 待 ちしております! 講 演 1. 動 物 園 動 物 園 獣 医 師 の 仕 事 紹 介 松 本 郁 実 (みさき 公 園 ) 講 演 2. 外 来 生 物 外 来 種 問 題 -9 年 間 の 関 わり- 加 藤 卓 也 ( 日 本 獣 医 生 命 科 学 大 学 獣 医 学 部 ) 講 演 3. 絶 滅 危 惧 種 絶 滅 の 恐 れのある 種 の 保 全 活 動 - 日 本 野 鳥 の 会 タンチョウ 保 護 の 取 り 組 み- 伊 藤 加 奈 ( 公 益 財 団 法 人 日 本 野 鳥 の 会 ) 講 演 4. 鳥 獣 管 理 鳥 獣 管 理 について 山 崎 翔 気 ( 一 般 財 団 法 人 自 然 環 境 研 究 センター) グループディスカッション 野 生 動 物 とどう 関 わってきたか,どう 関 わっていきたいか 全 体 討 論

32 講 演 1. 動 物 園 動 物 園 獣 医 師 の 仕 事 紹 介 松 本 郁 実 (みさき 公 園 ) 私 は 大 学 入 学 後 に 日 本 野 生 動 物 医 学 会 に 入 会 し, 野 生 動 物 との 共 生 について 学 ぶため,フィ ールド 調 査 に 参 加 したり, 鳥 取 支 部 の 支 部 長 として 活 動 してきました. 卒 業 後 は, 小 動 物 臨 床 を 経 験 した 後 に 動 物 園 へ 就 職 することを 考 え, 傷 病 野 生 鳥 獣 の 保 護 治 療 を 行 っている 病 院 で 働 きました. 動 物 園 獣 医 師 を 選 んだ 理 由 は, 野 生 動 物 というより 動 物 園 動 物 との 関 わりが 主 なものですが, 本 来 は 野 生 でしか 見 られない 種 の 動 物 の 健 康 を 守 り, 生 き 生 きと した 姿 をお 客 さんに 見 てもらうことで, 今 後 も 守 っていかなければいけない 命 として 動 物 を 身 近 に 捉 えてもらったり, 繁 殖 や 治 療 を 通 して 野 生 動 物 の 研 究 に 貢 献 することができるので はないかと 考 えたからです. 私 がみさき 公 園 の 獣 医 師 の 仕 事 として 行 っているものは 大 きく 分 けて, 動 物 の 健 康 管 理, 研 究 会 への 参 加, 動 物 移 動 の 管 理, 獣 医 体 験 などのイベントの 実 施, 環 境 省 や 自 治 体 への 届 け 出 などの 事 務 仕 事 があります. 動 物 の 健 康 管 理 としては, 病 気 の 予 防 (ワクチンやフィラ リア 予 防 薬 の 投 与,および 採 血 などの 健 康 診 断 ), 病 気 や 怪 我 の 治 療 があります. 飼 育 動 物 の 健 康 を 守 るには, 飼 育 員 の 観 察 も 非 常 に 重 要 なので, 飼 育 員 とのコミュニケーションも 大 切 にしています. 研 究 会 への 参 加 は, 他 園 における 治 療 についての 発 表 から 得 たものを 活 かし, 自 分 の 園 の 治 療 レベルを 向 上 させる 点,また, 自 分 の 園 での 治 療 実 績 を 発 表 することで, 未 知 の 領 域 の 多 い 野 生 動 物 の 治 療 に 貢 献 するという 点 で 重 要 です. 動 物 移 動 の 管 理 は, 動 物 を 繁 殖 させるために 欠 かせないものであり,BL(ブリーディング ローン)という, 繁 殖 を 目 的 として 動 物 園 水 族 館 同 士 が 動 物 を 貸 出 借 入 する 制 度 も 利 用 しています.イベントの 中 でも 力 を 入 れているものとしては, 獣 医 体 験 があり, 座 学 の 他, 吹 き 矢 縫 合 採 血 調 剤 体 験 など, 時 期 により 子 供 や 大 人 を 対 象 として, 動 物 園 で 行 っている 治 療 の 意 味 を 理 解 し てもらったうえで,その 方 法 を 体 験 してもらっています. 動 物 園 獣 医 師 としての 日 々は, 色 んな 動 物 に 触 れ, 考 え,その 健 康 を 守 るために 様 々なこと を 実 践 できるという 意 味 で 充 実 しており, 臨 床 家 として, 飼 育 員 と 協 力 し 合 い, 治 療 を 重 ね ていくことで 得 られる 喜 びは 何 物 にも 代 えがたいものがあります.また,お 客 さんの 反 応 を 見 ていると,ささやかながら, 動 物 の 生 態 や 命 の 大 切 さを 伝 えられているのでは,と 思 って います. 今 後 は 大 学 などと 研 究 を 行 い,より 野 生 動 物 の 保 護 管 理 に 貢 献 できればと 考 えてい ます. 講 演 2. 外 来 生 物 外 来 種 問 題 -9 年 間 の 関 わり- 加 藤 卓 也 ( 日 本 獣 医 生 命 科 学 大 学 獣 医 学 部 ) アライグマは,1980 年 代 に 各 地 で 野 生 化 の 報 告 が 相 次 いだ 外 来 種 である. 現 在, 本 種 による 問 題 はますます 深 刻 化 しているため, 対 策 への 取 り 組 みは 全 国 的 に 拡 がりつつある. 今 回 の 現 場 の 一 つである 神 奈 川 県 は,1990 年 に 鎌 倉 市 で 野 生 化 個 体 の 繁 殖 が 確 認 されており, 比 較 的 早 い 段 階 から 対 策 を 開 始 した 地 域 である. 今 回 の 発 表 では,まず 自 分 なりに 野 生 動 物 に 抱 いていた 思 いと, 卒 業 論 文 研 究 のテーマとし て, 鎌 倉 市 のアライグマのメスの 繁 殖 実 態 を 対 象 とした 経 緯 について 触 れる. 次 に, 大 学 院 に 進 学 を 決 めた 背 景 や, 博 士 論 文 研 究 のテーマなどを 口 述 する. 教 育 を 外 来 種 問 題 の 普 及 啓 発 に 役 立 てるため,また, 自 らの 研 究 をさらに 推 し 進 めていくため, 大 学 教 員 を 目 指 した. 現 職 に 就 き, 教 育 と 研 究 の 両 立 が 求 められるなか,どのようにして 野 生 動 物 の 現 場 に 関 わっているかについて 紹 介 する

33 講 演 3. 絶 滅 危 惧 種 絶 滅 の 恐 れのある 種 の 保 全 活 動 - 日 本 野 鳥 の 会 タンチョウ 保 護 の 取 り 組 み- 伊 藤 加 奈 ( 公 益 財 団 法 人 日 本 野 鳥 の 会 ) 自 己 紹 介 日 本 大 学 入 学 後, 野 生 動 物 に 関 する 活 動 がしたい!と 思 い, 野 生 動 物 医 学 会 の 学 生 部 会 に 所 属 しました.フィールド 調 査 のお 手 伝 いやサマーショートコース etc 色 々な 体 験 と 共 通 の 関 心 をもつ 友 人 と 出 会 うことが 出 来 ました. 卒 業 後, 転 職 を 経 て 日 本 野 鳥 の 会 に 入 社 しまし た. ( 公 財 ) 日 本 野 鳥 の 会 について 野 鳥 を 通 じて 自 然 に 親 しみ, 自 然 を 守 る 活 動 を 進 めている NGO です. 絶 滅 の 恐 れのある 種 の 保 全, 国 内 IBA( 重 要 野 鳥 生 息 地 )の 選 定 など 法 制 度 の 充 実 や 改 善,サンクチュアリ( ) での 普 及 教 育 活 動 など, 多 岐 にわたって 活 動 しています. 運 営 は, 会 費 や 寄 付, 事 業 収 益 な ど 自 主 財 源 で 行 っています. 当 会 会 員 がボランティアで 運 営 している 連 携 団 体 ( 日 本 野 鳥 の 会 支 部 )が 各 都 道 府 県 にあり,ネットワークの 広 さを 生 かして 活 動 を 進 めています. 日 本 野 鳥 の 会 では, 人 と 自 然 の 触 れ 合 いの 場 と 定 義. 自 然 環 境 とネイチャーセンターが 設 置 されている. タンチョウ 保 護 の 取 り 組 みについて タンチョウは, 北 海 道 東 部 の 湿 原 に 生 息 するツルの 仲 間 で, 江 戸 時 代 までは 本 州 でもその 姿 が 見 られていました. 明 治 以 降 の 乱 獲 や 生 息 地 である 湿 原 の 開 拓 により 絶 滅 寸 前 まで 個 体 数 が 減 少 してしまったため, 住 民 を 中 心 とした 冬 期 の 給 餌 活 動 等 が 行 われ, 現 在 は 約 1500 羽 に まで 回 復 しています.しかし, 個 体 数 が 増 える 一 方 で 分 布 が 拡 大 せず, 繁 殖 環 境 の 不 足, 給 餌 場 の 過 密 化 により 感 染 症 発 生 時 に 大 量 死 のおそれがあるなど, 問 題 を 抱 えています. 日 本 野 鳥 の 会 では 1987 年 にタンチョウの 越 冬 地 である 北 海 道 鶴 居 村 に 鶴 居 伊 藤 タンチョ ウサンクチュアリ を 開 設 し, 保 護 事 業 に 取 り 組 みはじめました. 開 発 の 危 険 にさらされて いる 民 有 地 の 繁 殖 地 を 買 い 取 りや 協 定 を 結 ぶことによって 野 鳥 保 護 区 として 保 護 しています. その 面 積 は 現 在 合 計 ha にまでのぼり,24 つがいが 繁 殖 地 として 利 用 しています. 冬 期, 道 東 は 低 温 により 湿 地 が 凍 結 してしまうため, 自 然 環 境 での 採 餌 が 困 難 な 地 域 です. 約 300 羽 が 集 まるサンクチュアリ 内 の 給 餌 場 で 適 正 な 給 餌 を 行 うと 同 時 に, 給 餌 への 依 存 を 和 らげ るため, 湧 水 のある 河 川 や 畑 の 排 水 路 を 自 然 採 食 地 として 整 備 しています.また, 飼 料 用 ト ウモロコシの 食 害 の 防 除 方 法 の 確 立 やケガをしたタンチョウの 救 護 など, 地 域 住 民 と 行 政 を つなぐ 役 割 も 担 っています. 今 後 は, 道 東 以 外 への 生 息 地 の 拡 大 を 目 指 し, 分 散 候 補 地 の 発 掘 や 地 域 づくりなども 視 野 にいれて 活 動 していきます. 講 演 4. 鳥 獣 管 理 鳥 獣 管 理 について 山 﨑 翔 気 ( 一 般 財 団 法 人 自 然 環 境 研 究 センター) 近 年, 鳥 獣 管 理 ( 野 生 動 物 管 理 ;Wildlife Management)という 言 葉 をよく 耳 にするように なりました.みなさんは, 鳥 獣 管 理 という 言 葉 を 聞 いて,どのようなことを 頭 に 浮 かべます か? サルやイノシシといった 対 象 種 や, 農 作 物 被 害 対 策 や 個 体 数 調 整 といった 管 理 手 法 など 具 体 的 な 例 がいくつか 思 い 浮 かんだと 思 います. 今 回 は, 一 歩 引 いた 視 点 で 考 えてみま しょう