「必須特許についてのパテントプールにおける重み付けの評価」に関する具体的考察（第2回）

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1 必 須 特 許 についてのパテントプールにおける 重 み 付 けの 評 価 に 関 する 具 体 的 考 察 ( 第 2 回 ) 知 的 財 産 価 値 評 価 推 進 センター 副 センター 長 竹 山 宏 明 要 約 本 誌 6 月 号 に 掲 載 された 細 田 浩 一 先 生 の 必 須 特 許 についてのパテントプールにおける 重 み 付 けの 評 価 に 関 する 具 体 的 考 察 と 同 一 のテーマについて, 平 成 20 年 度 の 知 的 財 産 価 値 評 価 推 進 センターにおいて 筆 者 が 考 察 したものである パテントプールの 運 営 主 体 である, 技 術 標 準 の 管 理 団 体 においては,パテントプールにおけるロイヤリ ティーを, 多 くは 必 須 特 許 の 数 を 基 準 として 配 分 しているのが 現 状 である 必 須 特 許 の 数 を 基 準 に した 配 分 については, 必 須 特 許 の 質,すなわちクレームがカバーする 範 囲 の 広 狭 などを 考 慮 すべきであ るとの 議 論 がなされた 経 緯 がある 本 稿 は, 必 須 特 許 についてのパテントプールにおける 重 み 付 けからの 評 価,すなわち 定 性 的 な 評 価 が 可 能 であるかどうかを, 具 体 例 を 設 定 して 考 察 したものである 目 次 1.パテントプールの 概 要 2.ロイヤリティーの 配 分 方 法 3. 評 価 私 案 の 基 本 的 な 考 え 方 4. 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 法 の 弊 害 5. 評 価 私 案 の 評 価 方 法 5.1 評 価 方 法 の 概 要 5.2 評 価 側 面 5.3 特 許 的 な 側 面 からの 評 価 5.4 標 準 技 術 的 な 側 面 からの 評 価 5.5 マーケット 的 な 側 面 からの 評 価 つの 側 面 の 総 合 的 評 価 5.7 その 他 のパラメータ 6. 具 体 例 の 評 価 私 案 6.1 具 体 例 の 選 択 6.2 標 準 技 術 の 具 体 例 6.3 具 体 例 の 評 価 結 果 6.4 特 段 の 事 情 の 考 慮 6.5 総 合 評 価 7.むすび 集 中 し, 当 該 企 業 体 や 組 織 体 を 通 じてパテントプール の 構 成 員 等 が 必 要 なライセンスを 受 けるものをいう ( 公 正 取 引 委 員 会, 平 成 11 年 7 月 30 日, 特 許 ノウ ハウライセンス 契 約 に 関 する 独 占 禁 止 法 上 の 指 針 ) パテントプールは,その 典 型 例 として, 公 的 な 技 術 標 準 に 利 用 されている パテントプールにも, 種 々の 形 態 が 存 在 するが,そ の 一 形 態 を 図 1 に 例 示 する 本 例 では, 特 許 権 者 が 必 須 特 許 についてパテントプールの 管 理 主 体 ( 以 下, 管 理 主 体 )に,サブライセンス 付 きライセンスを 与 え, 管 理 主 体 は,プールされた 必 須 特 許 の 群 について, ライセンシーにライセンスを 与 える ライセンシーは, 管 理 主 体 に 対 し,ライセンスに 対 する 対 価 であるロ 1.パテントプールの 概 要 パテントプールとは, 特 許 等 の 複 数 の 権 利 者 が,そ れぞれの 所 有 する 特 許 等 又 は 特 許 等 のライセンスをす る 権 限 を 一 定 の 企 業 体 や 組 織 体 (その 組 織 の 形 態 には 様 々なものがあり,また,その 組 織 を 新 たに 設 立 する 場 合 や 既 存 の 組 織 が 利 用 される 場 合 があり 得 る )に 図 1 パテント Vol. 62 No.8

2 イヤリティーを 支 払 う 管 理 主 体 は, 集 めたロイヤリ ティーから 管 理 費 等 を 差 し 引 いた 残 りを, 必 須 特 許 の 所 有 者 である 特 許 権 者 に 所 定 の 配 分 方 法 で 配 分 する 2.ロイヤリティーの 配 分 方 法 ロイヤリティーの 配 分 方 法 については, 種 々の 考 え 方 が 存 在 する パテントプールにおける 典 型 例 として は, 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にして 配 分 する 配 分 方 法 がある( 加 藤 恒,2006 年 ( 平 成 18 年 )11 月 30 日, パ テントプール 概 要 ) 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 法 のほかに, 必 須 特 許 の 質,すなわちクレー ムがカバーする 範 囲 の 広 狭 などを 考 慮 する 配 分 方 法 が 考 えられる しかし, 必 須 特 許 の 質 と 一 概 にいっても, 思 う にその 基 準 は 数 多 く 考 えられ, 必 須 特 許 の 所 有 者 であ る 特 許 権 者 の 全 ての 者 の 納 得 感 を 得 ることは 困 難 であ り, 又, 基 準 の 客 観 性 を 担 保 することが 困 難 であり, ある 種, 主 観 的 な 評 価 に 陥 りやすい 傾 向 にある これ に 対 し, 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 法 は, 一 面 において 客 観 的 であり, 妥 協 案 として 採 用 された 経 緯 がある 3. 評 価 私 案 の 基 本 的 な 考 え 方 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 法 と, 必 須 特 許 の 質 を 基 準 にする 配 分 方 法 とを, 図 2 に 示 す ように, 対 極 の 概 念 と 考 えた 上, 現 在 多 く 採 用 されて いる 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 法 を 修 正 す る 評 価 方 法 を 模 索 した 法 に 加 え, 図 3 に 示 すように, 必 須 特 許 に 含 まれる 発 明 のうち, 当 該 特 許 出 願 の 出 願 中 に 分 割 し, 特 許 化 可 能 であった 発 明 が 何 件 含 まれていたのかを 推 測 し, 当 該 発 明 の 数 を 必 須 特 許 の 数 に 加 算 し, 当 該 加 算 値 ( 以 下, 特 許 化 可 能 件 数 という )を 基 準 にし てロイヤリティーの 配 分 方 法 を 決 定 するものである 図 3 4. 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 法 の 弊 害 仮 に, 図 1 に 示 すように, 必 須 特 許 が 特 許 1 ~ 5 の 計 5 件 であったと 仮 定 すると, 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 法 では, 特 許 1 ~ 5 の 各 特 許 に 対 する ロイヤリティーの 配 分 は, 図 4 に 示 すように,1/5 ず つとなる 図 4 図 2 評 価 私 案 は, 後 述 する 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にす る 配 分 方 法 の 弊 害 を 是 正 し,もってパテントプールに 参 加 する 参 加 者, 特 に 必 須 特 許 の 所 有 者 である 特 許 権 者 の 納 得 感 を 第 一 義 に 考 えたものである 評 価 私 案 は, 必 須 特 許 の 数 を 基 準 にする 配 分 方 しかし, 必 須 特 許 の 数 を 増 加 させるために, 出 願 の 分 割 が 横 行 しているという 話 を 多 く 耳 にする 仮 に, 図 5 に 示 すように,A 社 のみが, 出 願 を 3 件 に 分 割 したと 仮 定 すると, 必 須 特 許 の 総 件 数 は,8 件 となる Vol. 62 No パテント 2009

3 図 5 8 件 の 各 特 許 に 対 するロイヤリティーの 配 分 は, 1/8 ずつとなる これを 会 社 単 位 のロイヤリティーの 配 分 率 で 考 える と, 図 6 に 示 すように,A 社 に 対 するロイヤリティー の 配 分 は,4/8 となり,50%にも 及 ぶ A 社 が 出 願 の 分 割 により, 必 須 特 許 の 数 を 増 加 させると, 残 りの B ~ E 社 も 同 様 の 戦 術 を 採 らざる 得 ない しかし, 全 ての 会 社 が 出 願 の 分 割 を 行 うとは 限 らず, 出 願 の 分 割 を 行 った 会 社 と, 行 わない 会 社 と の 間 で 不 平 等 となるおそれがある 本 評 価 私 案 は, 乱 暴 な 評 価 方 法 であるが, 複 数 件 の 必 須 特 許 を 同 時 に 評 価 し, 当 該 評 価 過 程 において, 評 価 基 準 と, 個 別 の 必 須 特 許 の 評 価 結 果 とを 得 ようと 試 みたものである 一 般 的 な 評 価 方 法 と 本 評 価 私 案 とを 比 較 すると,ま ず, 一 般 的 な 評 価 方 法 を 次 のように 仮 定 した 図 7 に 示 すように, 既 存 のパテントプールの 存 在 を 前 提 に, 当 該 パテントプールには, 特 許 1 ~ 4 の 4 件 の 特 許 が 既 に 必 須 特 許 としてプールされているもの と 仮 定 した 図 7 第 1 のステップでは, 特 許 1 ~ 4 の 4 件 の 必 須 特 許 を 相 対 的 に 比 較 し, 標 準 的 な 特 許 を 想 定 して, 評 価 基 準 を 作 成 する 第 2 のステップでは, 図 8 に 示 すように, 既 存 の パテントプールの 外 側 の 評 価 対 象 である 特 許 5 の 評 価 を 行 う 図 6 単 に 件 数 増 加 のためだけの 分 割 は,パテントプール に 参 加 する 企 業 間 に 無 用 な 競 争 を 生 むばかりでなく, 新 規 技 術 開 発 の 意 欲 を 減 退 し,パテントプール 全 体 と してみたときにマイナスの 影 響 しか 生 まないものと 考 える また, 特 許 行 政 という 面 からみたときにも, 審 査 の 遅 延 を 来 たし,マイナスの 影 響 しか 生 まないもの と 考 える 5. 評 価 私 案 の 評 価 方 法 5.1 評 価 方 法 の 概 要 一 般 的 な 評 価 方 法 では, 第 1 のステップで 評 価 基 準 を 作 成 し, 第 2 のステップで 第 1 ステップで 作 成 した 評 価 基 準 を 用 いて, 評 価 対 象 を 評 価 するという 方 法 が 採 られる 図 8 すなわち, 特 許 5 の 評 価 にあたっては, 図 9 に 示 すように, 特 許 1 ~ 4 の 4 件 の 必 須 特 許 をもとに 作 成 した 評 価 基 準 とを 比 較 することで, 特 許 5 を 評 価 する 図 9 パテント Vol. 62 No.8

4 本 評 価 私 案 では, 図 10 に 示 すように, 特 許 5 を 含 め, 特 許 1 ~ 5 の 5 件 の 必 須 特 許 の 平 均 値 を 可 能 な 限 り 採 り, 当 該 平 均 値 を 評 価 基 準 と 仮 定 し, 平 均 値 に 対 する 高 低 を 比 較 することで, 個 別 の 必 須 特 許 の 評 価 結 果 を 得 ている 図 評 価 側 面 評 価 私 案 では, 特 許 化 可 能 件 数 を 第 一 義 とし, 次 の 3 つの 側 面 から 評 価 した (1) 特 許 的 な 側 面 からの 評 価 (2) 標 準 技 術 的 な 側 面 からの 評 価 (3)マーケット 的 な 側 面 からの 評 価 5.3 特 許 的 な 側 面 からの 評 価 特 許 的 な 側 面 からの 評 価 は, 特 許 化 可 能 件 数 を 第 一 義 とし,そのほか 入 手 得 可 能 な 情 報 のうち, 客 観 的 に 評 価 可 能 なパラメータを 選 択 した 特 許 的 な 側 面 からの 評 価 項 目 として, 次 のパラメー タを 選 択 した (1) 特 許 化 可 能 件 数 (2)その 他 のパラメータ (a) 分 割 出 願 情 報 (b) 単 独 実 施 の 可 能 性 ( 利 用 発 明 の 有 無 ) (c) 権 利 の 残 存 期 間 (d) 被 引 用 文 献 数 特 許 化 可 能 件 数 2 件 の 必 須 特 許 α βを 比 較 した 場 合 に, 必 須 特 許 αの 特 許 化 可 能 件 数 が 仮 に 1 件 であるのに 対 し, 必 須 特 許 βの 特 許 化 可 能 件 数 が 仮 に 3 件 の 場 合 を 想 定 すると, 必 須 特 許 αと 比 較 し, 必 須 特 許 βの 価 値 が 高 いものと 考 えた 特 許 化 可 能 件 数 の 評 価 にあたっては, 必 須 特 許 の 特 許 請 求 の 範 囲 の 記 載 に 拘 泥 せず, 明 細 書 及 び 図 面 から 特 許 化 可 能 件 数 を 把 握 することを 基 本 とした しかし, 実 際 の 特 許 化 可 能 件 数 の 評 価 にあたっては, 特 許 請 求 の 範 囲 の 請 求 項 に 着 目 し, 特 許 化 可 能 である かを 判 断 することとした すなわち, 特 許 請 求 の 範 囲 に 記 載 されていなくとも, 明 細 書 ( 旧 発 明 の 詳 細 な 説 明 )から 発 明 を 抽 出 し, 権 利 化 することも 可 能 である しかし, 明 細 書 のみか ら 抽 出 される 発 明 について, 当 該 明 細 書 中 に 作 用 効 果 や, 実 験 結 果 等 が 記 載 されている 場 合 を 除 き, 明 細 書 のみから 発 明 を 抽 出 し, 当 該 発 明 が 特 許 化 可 能 であ るかを 判 断 することは 極 めて 困 難 なものと 考 えた このため, 具 体 例 の 評 価 にあたっては, 特 許 請 求 の 範 囲 の 請 求 項 に 記 載 された 発 明 のうち, 単 独 の 出 願 と して 特 許 化 可 能 な 発 明 の 数 ( 特 許 取 得 可 能 発 明 数 )が いくつあるかを 判 断 することとした 特 許 化 可 能 件 数 による 評 価 の 例 は, 図 11 に 示 す 通 りである 本 例 では,α 特 許 ~γ 特 許 の 3 件 の 必 須 特 許 を 比 較 した すなわち,3 件 の 必 須 特 許 の 請 求 項 数 を 抽 出 するとともに, 特 許 取 得 可 能 発 明 数 を 評 価 した 評 価 した 特 許 取 得 可 能 発 明 数 の 平 均 を 採 り, 平 均 値 に 対 する 高 低 を 比 較 した 特 許 取 得 平 均 値 に 必 須 特 許 請 求 項 数 可 能 発 明 数 対 する 高 低 α 特 許 6 4 ( 高 い) β 特 許 3 1 ( 低 い) γ 特 許 7 2 ( 近 似 ) 平 均 図 その 他 のパラメータ その 他 のパラメータとして, 次 のパラメータを 選 択 した (a) 分 割 出 願 情 報 必 須 特 許 に 関 する 分 割 出 願 が 多 数 存 在 する 場 合 に は,これらの 特 許 群 に 属 する 個 別 の 特 許 の 価 値 は 低 い ものと 考 えた 例 えば, 必 須 特 許 が 数 世 代 の 分 割 に 係 り, 特 許 群 全 体 の 総 件 数 が 多 い 場 合 には, 当 該 必 須 特 許 の 価 値 が 低 いものと 考 えた 必 須 特 許 の 審 査 経 過 情 報 を 用 いて, 図 12 に 示 すよ うに, 原 出 願 の 有 無, 分 割 出 願 の 有 無, 分 割 出 願 の 件 数, 当 該 必 須 特 許 を 含 む 特 許 群 全 体 の 総 件 数, 当 該 必 須 特 許 の 世 代 を 調 査 し, 抽 出 した 特 許 群 全 体 の 分 割 総 件 数 が 多 い 場 合 には, 図 13 及 び 図 14 に 示 すように, 図 式 化 (マップ 化 )して 比 較 した Vol. 62 No パテント 2009

5 必 須 特 許 原 出 願 の 有 無 分 割 出 願 の 有 無 分 割 の 件 数 特 許 群 全 体 の 総 件 数 分 割 の 世 代 α 特 許 無 し 無 し β 特 許 無 し 有 り γ 特 許 有 り 有 り 1 12 第 4 世 代 図 12 り, 図 16 に 示 すように, 平 均 値 に 対 する 高 低 を 比 較 した 必 須 特 許 ( 基 準 日 迄 の) 平 均 値 に 対 残 存 期 間 する 高 低 α 特 許 4 年 ( 高 い) β 特 許 1 年 ( 低 い) γ 特 許 2 年 ( 近 似 ) 平 均 2 年 4 ヶ 月 - 図 16 図 13 (d) 被 引 用 文 献 数 後 願 で 引 用 された 文 献 の 件 数 が 多 い 場 合 には, 基 本 特 許 と 考 え, 価 値 が 高 いものと 考 えた 必 須 特 許 の 被 引 用 文 献 数 を 調 査 し, 調 査 した 被 引 用 文 献 数 の 平 均 を 採 り, 図 17 に 示 すように, 平 均 値 に 対 する 高 低 を 比 較 した 図 14 (b) 単 独 実 施 の 可 能 性 ( 利 用 発 明 の 有 無 ) 必 須 特 許 被 引 用 文 献 数 平 均 値 に 対 する 高 低 α 特 許 5 ( 高 い) β 特 許 2 ( 近 似 ) γ 特 許 0 ( 低 い) 平 均 図 17 利 用 発 明 等 が 存 在 しない 場 合 には, 単 独 で 実 施 が 可 能 であり, 価 値 が 高 いものと 考 えた 他 人 の 利 用 発 明 が 存 在 すると, 自 己 の 特 許 権 の 実 施 が 制 限 される( 特 許 法 第 72 条 ) 必 須 特 許 について,パテントマップを 参 考 にしなが ら, 図 15 に 示 すように, 他 人 の 利 用 発 明 が 存 在 する か 否 か 判 断 した 必 須 特 許 利 用 発 明 の 有 無 α 特 許 有 り β 特 許 無 し γ 特 許 無 し 図 15 (c) 権 利 の 残 存 期 間 権 利 期 間 の 残 存 期 間 が 長 いものの 方 が, 価 値 が 高 い ものと 考 えた 基 準 日 ( 例 えば 評 価 日 )までの 必 須 特 許 の 存 続 期 間 の 残 存 期 間 を 算 出 した 算 出 した 残 存 期 間 の 平 均 を 採 総 合 的 評 価 パラメータ 間 の 重 み 付 けは, 上 記 特 許 化 可 能 件 数 に 重 点 を 置 き, その 他 のパラメータ については 補 助 的 に 評 価 した 5.4 標 準 技 術 的 な 側 面 からの 評 価 標 準 技 術 的 な 側 面 からの 評 価 は, 標 準 技 術 の 中 には オプション 的 なものも 存 在 し, 必 ずしも 標 準 技 術 の 間 の 重 みが 等 しくないとの 前 提 に 立 ち, 重 み 付 けの 重 い 標 準 技 術 の 必 須 特 許 は, 価 値 が 高 いものと 考 えた 標 準 技 術 的 な 側 面 からの 評 価 項 目 として, 次 のパラ メータを 選 択 した (1) 標 準 技 術 内 の 軽 重 (2) 該 当 標 準 技 術 件 数 標 準 技 術 内 の 軽 重 標 準 技 術 間 の 重 み 付 けを 基 準 として, 重 み 付 けの 重 い 標 準 技 術 の 必 須 特 許 は, 価 値 が 高 いものと 考 えた 例 えば,パテントプールの 管 理 主 体 において, 専 門 委 員 会 を 設 置 し, 標 準 技 術 を 質 的 に 評 価 し, 標 準 技 術 パテント Vol. 62 No.8

6 間 の 重 み 付 けを 決 定 するのが 良 いものと 考 える 重 み 付 けの 決 定 に 際 しては,アンケート 調 査 を 実 施 し,その 結 果 を 参 酌 しても 良 い 具 体 的 には, 標 準 技 術 を, 図 18 に 示 すように, 標 準 技 術 1 ~ 3 までの 3 個 の 要 素 に 分 解 し,ランク 付 け を 行 った ランクの 重 み 付 けは, a が 最 も 価 値 が 高 く, b, c の 順 で 価 値 が 低 下 するものと 仮 定 した(a > b > c) 標 準 技 術 標 準 技 術 1 標 準 技 術 2 標 準 技 術 3 図 18 ランク a c b 該 当 標 準 技 術 件 数 複 数 の 標 準 技 術 にまたがる 必 須 特 許 は, 価 値 が 高 い ものと 考 えた 具 体 的 には, 必 須 特 許 の 判 定 結 果 を 利 用 し, 図 19 に 示 すように, 該 当 する 標 準 技 術 を 明 らかにした 例 えば,α 特 許 は, 標 準 技 術 1 及 び 3 の 2 個 の 標 準 技 術 にまたがっており,β 特 許 とγ 特 許 とはそれぞれ 1 個 の 標 準 技 術 に 該 当 している 必 須 特 許 標 準 技 術 1 標 準 技 術 2 標 準 技 術 3 α 特 許 - β 特 許 - - γ 特 許 - - 図 19 なお, 必 須 性 の 判 定 に 当 たっては, 必 須 特 許 を 広 義 に 解 釈 し,いわゆる 技 術 的 必 須 特 許 (1) に 限 らず,い わゆる 商 業 的 必 須 特 許 (2) 及 び 選 択 的 必 須 特 許 (3) を 含 むものと 考 えた なお, 代 替 性 については 考 慮 していない 総 合 的 評 価 パラメータ 間 の 重 み 付 けは, 上 記 標 準 技 術 内 の 軽 重 と 該 当 標 準 技 術 件 数 とは 等 しいものと 考 えた 5.5 マーケット 的 な 側 面 からの 評 価 マーケット 的 な 側 面 からの 評 価 は, 仮 に 必 須 特 許 の 間 でロイヤリティー 収 入 に 差 がある 場 合 には,ロイヤ リティー 収 入 の 多 い 必 須 特 許 は, 価 値 が 高 いものと 考 えた マーケット 的 な 側 面 からの 評 価 項 目 として, 次 のパ ラメータを 選 択 した (1)ロイヤリティー 収 入 の 多 寡 (2) 製 品 とのマッチング 性 ロイヤリティー 収 入 の 多 寡 必 須 特 許 の 間 で,ロイヤリティー 収 入 に 差 がある 場 合 には,ロイヤリティー 収 入 の 多 い 必 須 特 許 は, 価 値 が 高 いものと 考 えた 具 体 的 には, 図 20 に 示 すように, 必 須 特 許 のロイヤ リティー 収 入 のデータを 入 手 し, 入 手 したロイヤリ ティー 収 入 の 平 均 を 採 り, 平 均 値 に 対 する 高 低 を 比 較 した 必 須 特 許 ロイヤリティー 収 入 平 均 値 に 対 する 高 低 α 特 許 2,400 万 円 ( 高 い) β 特 許 1,200 万 円 ( 低 い) γ 特 許 1,200 万 円 ( 低 い) 平 均 1,600 万 円 - 図 製 品 とのマッチング 性 製 品 とのマッチング 性 が 高 い 必 須 特 許 は, 価 値 が 高 いものと 考 えた 例 えば, 必 須 特 許 にマッチングする 製 品 の 種 類 や, 当 該 製 品 の 販 売 量 が 多 い 場 合 には, 当 該 必 須 特 許 は, 価 値 が 高 いものと 考 えた 具 体 的 には,ロイヤリティーの 対 象 製 品 のデータを 入 手 し, 入 手 した 対 象 製 品 と 必 須 特 許 とを 比 較 し, 図 21 に 示 すように, 対 象 製 品 が 必 須 特 許 の 技 術 的 範 囲 内 に 含 まれるか 否 かを 判 断 する 図 21 中, は, 必 須 特 許 の 技 術 的 範 囲 内 に 含 まれると 判 断 した 場 合, は 含 まれないものと 判 断 した 場 合 を 意 味 する 例 えば,α 特 許 は, 製 品 1 及 び 3 の 2 個 の 製 品 に 使 用 され,β 特 許 とγ 特 許 とはそれぞれ 1 個 の 製 品 に 使 用 されている 必 須 特 許 製 品 1 製 品 2 製 品 3 α 特 許 - β 特 許 - - γ 特 許 - - 図 21 Vol. 62 No パテント 2009

7 出 願 分 割 の 経 緯 親 出 願 第 1 世 代 第 2 世 代 特 許 番 号 特 許 権 者 発 明 の 名 称 X ヤマハ 発 動 機 電 動 モ-タ 付 き 自 転 車 X X X Y 電 動 モ-タ 付 き 自 転 車 および そのモ-タ 制 御 方 法 Y Y Z 電 動 モ-タ 付 き 自 転 車 図 総 合 的 評 価 パラメータ 間 の 重 み 付 けは, 上 記 ロイヤリティー 収 入 の 多 寡 と 製 品 とのマッチング 性 とは 等 しい ものと 考 えた つの 側 面 の 総 合 的 評 価 特 許 的 な 側 面, 標 準 技 術 的 な 側 面,マーケット 的 な 側 面 の 3 つの 側 面 間 の 重 み 付 けは, 特 許 的 な 側 面 に 重 点 を 置 き, 残 る 標 準 技 術 的 な 側 面,マーケット 的 な 側 面 とは 等 しいものと 考 えた 5.7 その 他 のパラメータ 必 須 特 許 の 無 効 の 可 能 性 を, 一 つの 評 価 パラメータ として 採 用 し 得 る しかし, 全 ての 必 須 特 許 について 無 効 調 査 を 行 うこ とは 現 実 的 ではないものと 考 えた すなわち, 無 効 調 査 にあたっては,パテントマップ の 範 囲 に 限 らず, 必 須 特 許 の 要 素 技 術 についても 別 途, 特 許 調 査 を 行 う 必 要 性 があるためである このため, 本 件 の 評 価 にあたっては, 無 効 の 可 能 性 を 評 価 パラメータから 除 いた 6. 具 体 例 の 評 価 私 案 6.1 具 体 例 の 選 択 具 体 例 として, 電 動 アシスト 自 転 車 に 関 する 技 術 を 選 択 した 電 動 アシスト 自 転 車 に 関 しては, パ テントプール や 技 術 標 準 は 存 在 しない 電 動 アシスト 自 転 車 を 選 択 した 理 由 の 一 つとし ては, 特 許 庁 作 成 のパテントマップが 利 用 できる 点 で あった( 特 許 庁, 技 術 分 野 別 特 許 マップ,10 年 度, 機 械 9 自 転 車 技 術 ) 当 該 パテントマップ から, 3 件 の 特 許 を 抽 出 し, 当 該 3 件 の 特 許 の 審 査 経 過 を 調 査 し, 更 に 5 件 の 分 割 出 願 を 加 え, 計 8 件 の 特 許 を 選 択 した 具 体 例 として 選 択 した 特 許 は, 図 22 に 示 すように, (1) 特 許 第 号 (X),(2) 特 許 第 号 (X1), (3) 特 許 第 号 (X1-1),(4) 特 許 第 号 (X2),(5) 特 許 第 号 (Y),(6) 特 許 第 号 (Y1),(7) 特 許 第 号 (Y1-1),(8) 特 許 第 号 (Z)の 計 8 件 である 6.2 標 準 技 術 の 具 体 例 電 動 アシスト 自 転 車 に 関 しては, 道 路 交 通 法 (4) 及 び 道 路 交 通 法 施 行 規 則 (5) 上 に 技 術 的 内 容 を 含 む 規 定 が 存 在 する このため,これらの 規 定 から, 図 23 に 示 すように, 標 準 技 術 1 ~ 4 の 4 個 の 標 準 技 術 を 抽 出 した なお, 道 路 交 通 法 施 行 規 則 については, 改 正 されて いる (6) 種 類 内 容 自 転 車 (ペダル 又 はハンド クラ ンクを 用 い,かつ, 人 の 力 により 運 転 する 二 輪 以 上 の 車 )であって, 且 つ 人 標 準 技 術 1 の 力 を 補 うために 用 いる 原 動 機 とし て, 電 動 モータ ( 電 動 機 )を 用 いる ものであること 24km/h 未 満 の 速 度 で 自 転 車 を 走 行 させることとなる 場 合 であって, 且 つ 15km/h 未 満 の 速 度 のときに, 標 準 技 術 2 アシスト 率 ( 踏 力 ( 人 の 力 )に 対 す る アシスト 力 ( 原 動 機 を 用 いて 人 の 力 を 補 う 力 )の 比 率 )が, 1 以 下 であること パテント Vol. 62 No.8

8 標 準 技 術 3 標 準 技 術 4 24km/h 未 満 の 速 度 で 自 転 車 を 走 行 させることとなる 場 合 であって, 且 つ 15km/h 以 上 24km/h 未 満 の 速 度 のときに, 走 行 速 度 をキロメート ル 毎 時 で 表 した 数 値 から 15 を 減 じ て 得 た 数 値 を 9 で 除 したものを 1 から 減 じた アシスト 率 ( 数 値 ) 以 下 であること 24km/h 以 上 の 速 度 で 自 転 車 を 走 行 させることとなる 場 合 において, ア シスト 力 ( 原 動 機 を 用 いて 人 の 力 を 補 う 力 )が 加 わらないこと 図 23 出 願 分 割 の 経 緯 親 出 願 第 1 世 代 第 2 世 代 特 許 番 号 ランク 重 み X B 1.5 X C 1.0 X D 0.5 X C 1.0 Y B 1.5 Y C 1.0 Y B 1.5 Z A 2.0 図 具 体 例 の 評 価 結 果 選 択 した 8 件 の 特 許 の 評 価 結 果 を,A,B,C,D の 四 段 階 にランク 付 けした A ~ D の 各 ランクの 重 みを, 図 24 の 通 り 仮 定 した 選 択 した 8 件 の 特 許 の 評 価 結 果 は, 図 25 及 び 図 26 の 通 りである ランク 重 み A 2 B 1.5 C 1 D 0.5 図 24 図 特 段 の 事 情 の 考 慮 無 効 の 可 能 性 については, 前 述 した 5.7 その 他 の パラメータ で 考 察 したように,パラメータから 除 いた しかし, 本 件 については, 必 須 特 許 の 一 つである X の 分 割 に 係 る 評 価 対 象 外 の 特 許 ( 特 許 第 号 ) 出 願 分 割 の 経 緯 評 価 を 左 右 した 評 価 項 目 親 出 願 第 1 世 代 第 2 世 代 特 許 番 号 プラス 方 向 に 作 用 した 評 価 項 目 マイナス 方 向 に 作 用 した 評 価 項 目 ランク マーケット 的 な 側 面 / 製 品 との X 特 許 的 な 側 面 / 分 割 出 願 情 報 B マッチング 性 X 異 議 決 定 の 影 響 C X 異 議 決 定 の 影 響 D マーケット 的 な 側 面 / 製 品 との X C マッチング 性 Y 特 許 的 な 側 面 / 被 引 用 文 献 数 特 許 的 な 側 面 / 特 許 化 可 能 件 数 B マーケット 的 な 側 面 / 製 品 との Y C マッチング 性 マーケット 的 な 側 面 / 製 品 と Y 特 許 的 な 側 面 / 特 許 化 可 能 件 数 B のマッチング 性 Z 標 準 技 術 的 な 側 面 / 被 引 用 文 献 数 - A 図 27 Vol. 62 No パテント 2009

9 が 付 与 後 異 議 により 取 り 消 された 経 緯 が 判 明 した( 異 議 ) このため, 取 消 決 定 を 無 視 することはできず, 当 該 異 議 事 件 について 検 討 し, 当 該 事 件 での 判 断 が 必 須 特 許 の 評 価 にどのような 影 響 力 を 持 つのかを 検 討 した 6.5 総 合 評 価 上 記 特 段 の 事 情 を 考 慮 した 上, 前 述 した 6.3 具 体 例 の 評 価 結 果 のランク 分 けを 左 右 した 評 価 項 目 は, 図 27 の 通 りであった 7.むすび 筆 者 自 らパラメータを 選 択 し, 少 ない 情 報 をもとに, 重 み 付 けを 決 定 したが,パテントプールへの 参 加 企 業 の 納 得 感 を 第 一 に 考 えた 場 合 には, 委 員 会 等 を 組 織 し, 当 該 委 員 会 でアンケート 等 を 行 った 上,パラメータを 選 択 し, 決 定 していくことが 必 要 なものと 考 えた また, 評 価 にあたっては, 外 部 機 関, 例 えば 日 本 弁 護 士 連 合 会 と 日 本 弁 理 士 会 が 共 同 で 設 立 した 日 本 知 的 財 産 仲 裁 センター 等 を 利 用 して 評 価 を 行 うことにより, 評 価 の 客 観 性 を 担 保 することが 可 能 なものと 考 えた 注 ( 1 ) ある 技 術 標 準 の 全 体 又 は 一 部 実 施 する 上 で,その 特 許 権 を 侵 害 することが 回 避 することができないもので ある ( 加 藤 恒 著 パテントプール 概 説, 発 明 協 会 発 行, p.41) さらに 必 須 特 許 というためには, 代 替 技 術 の 可 能 性 を 排 除 し なければならないが,この 点 は 立 証 の 困 難 性 を 伴 う ( 同 上 ) MPEG2 パテントプールでは, 技 術 的 必 須 特 許 を 要 件 として いる ( 同 上 ) ( 2 ) 技 術 標 準 を 実 施 する 上 でその 特 許 権 侵 害 を 回 避 する ことが 可 能 であっても, 他 の 手 段 を 選 択 することが 費 用, 性 能 等 の 点 から 事 実 上 困 難 な 特 許 を 指 す ( 同 上 ) 商 業 的 必 須 特 許 を 対 象 特 許 としているものには,DVD のパ テントプールである ( 同 上 ) ( 3 ) ここでいう 選 択 的 必 須 特 許 とは,ある 技 術 標 準 に おいて 選 択 的 な 技 術 仕 様 (S1 と S2)が 用 意 されている 場 合 に,それぞれの 技 術 仕 様 について 必 須 特 許 (P1 と P2)が 存 在 すると,P1 と P2 は 選 択 的 必 須 特 許 の 関 係 に 立 つということになる ( 同 p.41 ~ 42) 第 三 世 代 携 帯 電 話 機 に 関 する W-CDMA パテントプ ラットフォームは,このような 選 択 的 特 許 を 必 須 特 許 に 含 めている ( 同 p.43) ( 4 ) 道 路 交 通 法 第 2 条 1 この 法 律 において, 次 の 各 号 に 掲 げる 用 語 の 意 義 は, それぞれ 当 該 各 号 に 定 めるところによる 一 ~ 十 一 ( 略 ) 十 一 の 二 自 転 車 ペダル 又 はハンド クランクを 用 い,かつ, 人 の 力 により 運 転 する 二 輪 以 上 の 車 (レールにより 運 転 する 車 を 除 く )であつ て, 身 体 障 害 者 用 の 車 いす, 歩 行 補 助 車 等 及 び 小 児 用 の 車 以 外 のもの( 人 の 力 を 補 うため 原 動 機 を 用 いるものであつて, 内 閣 府 令 で 定 める 基 準 に 該 当 するものを 含 む )をいう 十 一 の 三 ~ 二 十 三 ( 略 ) 2 ~ 3 ( 略 ) ( 5 ) 旧 道 路 交 通 法 施 行 規 則 ( 改 正 前 ) ( 人 の 力 を 補 うため 原 動 機 を 用 いる 自 転 車 の 基 準 ) 第 1 条 の 3 法 第 二 条 第 一 項 第 十 一 号 の 二 の 内 閣 府 令 で 定 める 基 準 は, 次 に 掲 げるとおりとする 一 人 の 力 を 補 うために 用 いる 原 動 機 が 次 のいずれに も 該 当 するものであること イ 電 動 機 であること ロ 二 十 四 キロメートル 毎 時 未 満 の 速 度 で 自 転 車 を 走 行 させることとなる 場 合 において, 人 の 力 に 対 する 原 動 機 を 用 いて 人 の 力 を 補 う 力 の 比 率 が, (1) 又 は(2)に 掲 げる 速 度 の 区 分 に 応 じそれぞ れ(1) 又 は(2)に 定 める 数 値 以 下 であること (1) 十 五 キロメートル 毎 時 未 満 の 速 度 一 (2) 十 五 キロメートル 毎 時 以 上 二 十 四 キロメート ル 毎 時 未 満 の 速 度 走 行 速 度 をキロメート ル 毎 時 で 表 した 数 値 から 十 五 を 減 じて 得 た 数 値 を 九 で 除 したものを 一 から 減 じた 数 値 ハ 二 十 四 キロメートル 毎 時 以 上 の 速 度 で 自 転 車 を 走 行 させることとなる 場 合 において, 原 動 機 を 用 いて 人 の 力 を 補 う 力 が 加 わらないこと ニ イからハまでのいずれにも 該 当 する 原 動 機 につ いてイからハまでのいずれかに 該 当 しないもの に 改 造 することが 容 易 でない 構 造 であること 二 原 動 機 を 用 いて 人 の 力 を 補 う 機 能 が 円 滑 に 働 き, かつ, 当 該 機 能 が 働 くことにより 安 全 な 運 転 の 確 保 に 支 障 が 生 じるおそれがないこと ( 6 ) 現 行 道 路 交 通 法 施 行 規 則 ( 改 正 後 ) ( 人 の 力 を 補 うため 原 動 機 を 用 いる 自 転 車 の 基 準 ) パテント Vol. 62 No.8

10 第 1 条 の 3 法 第 二 条 第 一 項 第 十 一 号 の 二 の 内 閣 府 令 で 定 める 基 準 は, 次 に 掲 げるとおりとする 一 人 の 力 を 補 うために 用 いる 原 動 機 が 次 のいずれに も 該 当 するものであること イ ( 略 ) ロ 二 十 四 キロメートル 毎 時 未 満 の 速 度 で 自 転 車 を 走 行 させることとなる 場 合 において, 人 の 力 に 対 する 原 動 機 を 用 いて 人 の 力 を 補 う 力 の 比 率 が, (1) 又 は(2)に 掲 げる 速 度 の 区 分 に 応 じそれぞ れ(1) 又 は(2)に 定 める 数 値 以 下 であること (1) 十 キロメートル 毎 時 未 満 の 速 度 二 (2) 十 キロメートル 毎 時 以 上 二 十 四 キロメートル 毎 時 未 満 の 速 度 走 行 速 度 をキロメートル 毎 時 で 表 した 数 値 から 十 を 減 じて 得 た 数 値 を 七 で 除 したものを 二 から 減 じた 数 値 ハ ニ ( 略 ) 二 ( 略 ) ( 原 稿 受 領 ) パテント 誌 原 稿 募 集 パテント 編 集 委 員 長 須 藤 浩 記 応 募 資 格 知 的 財 産 の 実 務, 研 究 に 携 わっている 方 ( 日 本 弁 理 士 会 会 員 に 限 りません) 論 文 は 未 発 表 のものに 限 ります 掲 載 号 2009 年 12 月 号 以 降 順 次 テ ー マ 知 的 財 産 に 関 するもの 字 数 5,000 字 以 上 厳 守 ~ 20,000 字 以 内 ( 引 用 部 分, 図 表 を 含 む)パソコン 入 力 のこと お 手 数 ですが, 原 稿 冒 頭 に 要 約 を 掲 載 しますので,400 字 程 度 の 要 約 文 章 の 作 成 をお 願 い 致 します 応 募 予 告 メールまたは FAX にて 応 募 予 告 をして 下 さい 1 論 文 の 題 名 ( 仮 題 で 可 ) 2 発 表 者 の 住 所 氏 名 所 属 資 格 連 絡 先 (TEL FAX )を 明 記 のこと 論 文 締 切 2009 年 10 月 13 日 ( 火 )(12 月 号 分 ) 掲 載 予 定 原 稿 を 考 慮 し 原 則 先 着 順 論 文 送 付 先 日 本 弁 理 士 会 広 報 支 援 評 価 室 パテント 担 当 TEL: FAX: patent-bosyuu@jpaa.or.jp 東 京 都 千 代 田 区 霞 ヶ 関 選 考 方 法 当 委 員 会 の 委 員 で 構 成 される 選 考 委 員 会 にて 審 査 します 審 査 の 結 果, 不 掲 載 とさせていただくこともありますので, 予 めご 承 知 ください Vol. 62 No パテント 2009