Microsoft Word - 最終案3

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3 がんの 薬 物 療 法 では しばしば 体 の 抵 抗 力 が 弱 くなったり めまいなどの 貧 血 症 状 や 血 が 止 まりにくくなるといった 副 作 用 が 出 現 します 現 れる 症 状 や 病 態 は 使 用 される 薬 剤 や 患 者 さんの 体 の 状 態 などによって 異 なります これらの 症 状 は 一 般 的 に 骨 髄 抑 制 (こつずいよくせい) と 言 われ 私 たち の 体 を 循 環 している 血 液 の 生 産 が 抑 えられてしまうために 出 現 します その ため 治 療 を 継 続 して 行 えるかを 判 断 する 大 きな 要 素 にもなっていたり 重 症 になると 命 に 関 わってしまう 場 合 もあります しかし 過 度 の 心 配 はいりません 薬 物 療 法 を 行 ってきた 経 験 から 安 全 に 治 療 を 行 っていく 方 法 や 注 意 をしていくポイントなどがわかっているので 予 防 対 策 を 行 っていくことができます ただ そこには 患 者 さん 自 身 が 正 しい 知 識 を 身 につけ 予 防 対 策 を 実 践 していくことが 大 切 になります この 小 冊 子 は 骨 髄 抑 制 とはどのような 状 態 なのか また 感 染 対 策 を 中 心 に 日 常 生 活 を 送 る 上 での 心 構 えや 対 処 法 についてまとめています これらの 情 報 を 知 ることで 単 に 恐 れるのではなく 正 しい 予 防 対 策 の 知 識 やそのため の 生 活 習 慣 を 身 につけることが 可 能 となるでしょう そして それが 治 療 を 継 続 させていくことにもつながります この 小 冊 子 が がんの 薬 物 療 法 を 受 ける 患 者 さんのお 役 に 立 つことを 心 から 祈 っております

4 目 次 と 概 要 こつずいよくせい がん 薬 物 療 法 と 骨 髄 抑 制 自 身 の 状 態 を 知 り 対 処 しましょう 1 ページ 患 者 さんの 声 2ページ がん 体 験 者 の 悩 みや 負 担 等 に 関 する 実 態 調 査 より こつずいよくせい 骨 髄 の 機 能 と 骨 髄 抑 制 原 因 など より 理 解 するために 3ページ 骨 髄 の 機 能 / 血 液 の 役 割 骨 髄 抑 制 とは? 骨 髄 抑 制 の 原 因 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 について 過 去 に 発 症 した 感 染 症 の 再 燃 (さいねん)について ステロイド( 副 腎 皮 質 ホルモン)を 長 期 に 使 用 する 場 合 治 療 法 について 簡 単 に 述 べます 7ページ 白 血 球 減 少 時 の 治 療 血 小 板 減 少 時 の 治 療 / 赤 血 球 減 少 時 の 治 療 7 8

5 感 染 症 とワクチン( 予 防 接 種 ) 感 染 症 の 悪 化 を 予 防 するために 9ページ がん 患 者 さんが 起 こしやすい 感 染 症 ワクチンの 接 種 について ワクチンの 豆 知 識 ~ 不 活 化 ワクチンと 生 ワクチン~ 9 10 日 常 生 活 について 正 しい 知 識 と 適 切 なケアの 継 続 が 大 切 です 11ページ 感 染 症 ( 白 血 球 減 少 )に 対 する 心 構 え 血 が 止 まりにくいこと( 血 小 板 減 少 )に 対 する 心 構 え 貧 血 ( 赤 血 球 減 少 )に 対 する 心 構 え こんな 時 は 医 療 機 関 に 連 絡 を!! 体 調 管 理 / 外 出 食 事 清 潔 ( 手 洗 い 入 浴 口 腔 ケア トイレ その 他 ) ケガや 虫 刺 されなどに 注 意 /ペットについて 抗 がん 剤 の 副 作 用 対 策 に 関 する 冊 子 のご 案 内 21ページ 参 考 資 料 23ページ

6 こつずいよくせい 1. がん 薬 物 療 法 と 骨 髄 抑 制 - 自 身 の 状 態 を 知 り 対 処 しましょう がん 薬 物 療 法 中 に 起 こる 副 作 用 の 中 で 骨 髄 抑 制 (こつずいよくせい) は 多 くの 薬 剤 で 起 こり 得 る 副 作 用 です 症 状 は 体 の 抵 抗 力 が 弱 くなったり めま いや 頭 痛 などの 貧 血 症 状 や 血 が 止 まりにくいというようなものです 症 状 の 現 れ 方 や 程 度 は 使 用 する 薬 剤 の 種 類 や 組 み 合 わせ 投 与 量 投 与 方 法 治 療 歴 患 者 さんの 体 の 状 態 によっても 異 なります これらの 症 状 は 重 症 になると 命 にも 関 わってくるので 薬 物 療 法 の 継 続 を 判 断 する 重 要 な 要 素 です また 吐 き 気 や 脱 毛 などの 副 作 用 と 異 なり 見 た 目 ではわからないし 直 ぐには 自 覚 症 状 も 現 れないので 注 意 深 く 経 過 をみていくことが 必 要 な 副 作 用 です その ため 薬 物 療 法 中 には 定 期 的 に 血 液 検 査 が 行 われます 骨 髄 抑 制 については のちほど 詳 しく 述 べますが(3~6ページ 参 照 ) 一 般 的 には 馴 染 みがない 言 葉 なので まずは 簡 単 に 説 明 します 体 の 抵 抗 力 が 弱 くなる や 貧 血 症 状 血 が 止 まりにくい といった 症 状 は 体 の 中 を 循 環 して いる 血 液 の 働 き に 関 係 しています 血 液 の 中 には 赤 血 球 白 血 球 血 小 板 といった 成 分 があり それぞれ 重 要 な 役 割 を 果 たしています 今 までお 伝 えし た 症 状 は これらの 成 分 が 不 足 するために 起 こります そして 血 液 は 骨 の 中 心 にある 骨 髄 で 造 られます 一 般 的 に 抗 がん 剤 は 分 裂 が 活 発 な 細 胞 に 強 く 影 響 します 骨 髄 も 細 胞 分 裂 が 非 常 に 活 発 なため 抗 がん 剤 の 影 響 を 受 けや すく その 結 果 骨 髄 が 血 液 を 正 常 に 造 ることができなくなります このことを 骨 髄 抑 制 と 言 います 残 念 ながら 骨 髄 抑 制 を 完 全 に 防 ぐ 方 法 はありません しかし 骨 髄 の 機 能 は 回 復 するので 薬 物 療 法 中 いつも 注 意 をしなければいけないということではあり ません また 骨 髄 抑 制 が 起 こる 時 期 はある 程 度 予 想 することができるので 対 策 を 立 てることができます 血 液 検 査 を 受 けたら 骨 髄 抑 制 の 程 度 を 確 認 し ましょう そしてその 時 に 慌 てないように 正 しい 知 識 と 対 処 法 を 身 につけまし ょう 1

7 2. 患 者 さんの 声 - がん 体 験 者 の 悩 みや 負 担 等 に 関 する 実 態 調 査 より がんの 薬 物 療 法 中 に 骨 髄 抑 制 による 治 療 継 続 への 影 響 や 感 染 症 の 不 安 な どで 悩 まれた 患 者 さんの 声 です このように 悩 みを 抱 えながら がんと 向 き 合 った 方 々がいらっしゃいます 治 療 の 影 響 で 抱 えてしまった 悩 みは 一 人 ではな かなか 解 決 方 法 を 見 つけることができません 一 人 で 悩 まないで 医 療 者 に 相 談 して 下 さい 相 談 場 所 がわからない 場 合 は 地 域 のがん 診 療 連 携 拠 点 病 院 の 相 談 支 援 センターに 相 談 してもよいでしょう 通 院 治 療 中 だが 好 中 球 が 減 少 しているので 感 染 症 が 心 配 だった 抗 がん 剤 治 療 後 白 血 球 の 数 値 がなかなか 正 常 値 に 戻 らず 担 当 医 から 感 染 にかからないように と 念 を 押 されたために 見 舞 客 に 訳 を 話 して 丁 寧 に 断 ったが 気 分 を 害 されて 今 も 尾 を 引 いている 風 邪 や 寒 冷 な 空 気 体 力 の 低 下 や 細 菌 感 染 が 心 配 白 血 球 が 下 がり 上 がってくるまで 治 療 できず 治 療 の 回 数 が 減 ってしま う 抗 がん 剤 で 若 干 の 発 熱 があり 不 安 だった 抗 がん 剤 副 作 用 による 吐 き 気 や 脱 毛 白 血 球 減 少 で 治 療 の 進 行 が 遅 れ たことなど 副 作 用 についてもっと 自 分 で 勉 強 しておくべきだった 2

8 3. こつずいよくせい 骨 髄 の 機 能 と 骨 髄 抑 制 原 因 など -より 理 解 するために 1 ページで 簡 単 に 述 べましたが 骨 髄 についてもう 少 し 詳 しく 述 べます これ により 骨 髄 抑 制 についてもより 深 く 理 解 をすることができるでしょう 骨 髄 の 機 能 骨 髄 は 骨 の 中 心 部 にある 組 織 です( 右 図 参 照 ) その 中 には 血 液 のもとである 細 胞 ( 造 血 幹 細 胞 )が 存 在 し 血 液 の 生 産 が 盛 んに 行 われています そのため 骨 髄 はよく 血 液 生 産 工 場 に 例 え られます 骨 髄 骨 髄 のイメージ 図 血 液 の 役 割 ぞうけつかんさいぼう 骨 髄 の 中 にある 造 血 幹 細 胞 が 成 熟 すると 赤 血 球 白 血 球 血 小 板 な どの 成 熟 血 球 になり それぞれの 役 割 を 果 たすようになります 私 たちの 体 は 細 胞 が 生 まれ 変 わって 成 り 立 っていますが これらの 血 球 も 細 胞 なので 寿 命 があります 下 の 表 1に 役 割 や 寿 命 についてまとめました ( 表 1) 血 球 の 役 割 と 寿 命 赤 血 球 白 血 球 血 小 板 肺 で 取 り 込 んだ 酸 素 を 全 身 の 隅 々の 細 胞 に 運 び 供 給 してい ます すなわち 赤 血 球 は 酸 素 の 運 び 屋 さんです 寿 命 は 約 120 日 と 言 われています 外 部 から 侵 入 した 細 菌 やウイルスなどを 排 除 し 感 染 から 体 を 守 っています 白 血 球 の 中 には 好 中 球 リンパ 球 好 酸 球 好 塩 基 球 単 球 といった 成 分 があります 中 でも 感 染 から 体 を 守 る 役 割 で 重 要 なのは 好 中 球 とリンパ 球 です 好 中 球 は 白 血 球 成 分 の 50~60%を 占 めると 言 われ 侵 入 してきた 細 菌 な どを 飲 み 込 み( 貪 食 ) 排 除 します リンパ 球 は 免 疫 反 応 で 細 菌 などを 攻 撃 します 好 中 球 の 寿 命 は7~12 時 間 リンパ 球 は 数 日 から 数 年 と 言 われています 出 血 をした 時 に 血 液 を 固 めて 止 める 役 割 をしています 寿 命 は 約 7~10 日 と 言 われています 3

9 骨 髄 抑 制 とは? 骨 髄 の 機 能 が 低 下 して 血 液 の 生 産 能 力 が 下 がることを 骨 髄 抑 制 と 言 い ます 骨 髄 抑 制 は 使 用 される 薬 の 種 類 や 投 与 量 患 者 さんの 体 の 状 態 など によって 程 度 や 発 現 時 期 が 異 なります そして 吐 き 気 や 脱 毛 などの 症 状 と 違 って 自 分 ではわかりにくい 副 作 用 で 重 篤 化 する 場 合 もあるので 必 ず 定 期 的 な 血 液 検 査 が 行 われます 骨 髄 抑 制 の 症 状 と 経 過 をまとめると 図 1 表 2のようになります ( 図 1) 骨 髄 抑 制 ; 症 状 の 一 例 赤 血 球 顔 色 が 悪 くなる めまい 頭 痛 息 切 れ など 白 血 球 発 熱 ふるえ 咳 口 内 炎 腹 痛 下 痢 排 尿 時 痛 など 血 小 板 あざができる 鼻 血 歯 みがき 時 の 出 血 など ( 表 2) 骨 髄 抑 制 の 経 過 ( 目 安 ) 赤 血 球 白 血 球 血 小 板 寿 命 が 長 いので 白 血 球 や 血 小 板 減 少 に 比 べて 緩 やかに 出 現 します( 薬 の 投 与 後 2 週 間 ~1か 月 以 降 ) 薬 の 投 与 後 1~2 週 間 で 最 低 値 になり その 後 1~2 週 間 かけて 徐 々に 回 復 します 薬 の 投 与 後 1 週 間 目 位 から 出 現 し 2~3 週 間 で 最 低 値 になりま す 回 復 は 白 血 球 よりゆっくりです(3~4 週 間 ) 4

10 表 2で 示 したように 骨 髄 抑 制 の 中 でも 最 初 に 抗 がん 剤 の 影 響 を 受 けるのが 白 血 球 です そして 赤 血 球 や 血 小 板 は 輸 血 で 補 うことができますが 白 血 球 はできません そのため まず 感 染 対 策 (9~20ページ 参 照 )が 必 要 になります 下 に 改 めて 感 染 が 起 こりやすい 体 の 部 位 と 症 状 の 一 例 を 示 します 感 染 が 起 こりやすい 体 の 部 位 と 症 状 ( 一 例 ) 一 般 的 に 感 染 症 は 外 に 通 じている 部 位 で 起 こりやすい 頭 ( 毛 嚢 炎 など) のど( 咽 頭 炎 嚥 下 痛 ) 気 管 支 ( 気 管 支 炎 ) 肺 ( 肺 炎 ) など 尿 道 膀 胱 ( 膀 胱 炎 など) 膣 ( 膣 炎 かゆみなど) 目 ( 充 血 目 ヤニなど) 耳 ( 耳 漏 耳 痛 など) 鼻 ( 鼻 汁 など) 口 ( 口 内 炎 など) 胃 ( 胃 炎 ) 腸 ( 下 痢 ) 肛 門 (ただれ) など 皮 膚 ( 発 赤 腫 れなど) 骨 髄 抑 制 の 原 因 では なぜ 骨 髄 は 抗 がん 剤 によってダメージを 受 けやすいのでしょうか? 抗 がん 剤 には 殺 細 胞 性 の 抗 がん 剤 分 子 標 的 型 の 抗 がん 剤 免 疫 治 療 薬 などがありますので それぞれについて 説 明 します 1 殺 細 胞 性 (さつさいぼうせい)の 抗 がん 剤 殺 細 胞 性 の 抗 がん 剤 は 細 胞 が 分 裂 して 増 える 過 程 に 作 用 する 抗 がん 剤 です 一 般 的 に 分 裂 が 活 発 な 細 胞 に 強 く 影 響 をします 骨 髄 は 血 液 生 産 工 場 に 例 えられるように 細 胞 分 裂 が 非 常 に 活 発 なために 強 く 影 響 を 受 けてしまい その 結 果 骨 髄 抑 制 が 起 こります 2 分 子 標 的 型 (ぶんしひょうてきがた)の 抗 がん 剤 分 子 標 的 型 の 抗 がん 剤 は 特 定 の 標 的 を 持 った 細 胞 にピンポイントで 攻 撃 するタイプの 薬 で 近 年 盛 んに 開 発 されてきています しかし このタイ プの 抗 がん 剤 で 骨 髄 抑 制 が 起 こる 原 因 については 明 確 なことは 分 かっ ていないのが 現 状 です 5

11 3 免 疫 治 療 薬 自 分 自 身 の 免 疫 の 力 を 利 用 して がん 細 胞 を 排 除 するように 働 く 薬 で 近 年 新 たに 登 場 しました このタイプの 薬 でも 白 血 球 の 減 少 が 起 こること が 報 告 されていますが その 原 因 については 明 確 なことは 分 かっていな いのが 現 状 です こうちゅうきゅう 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 について 抗 がん 剤 治 療 中 に 白 血 球 成 分 の 中 の 好 中 球 がある 一 定 数 以 下 に 減 少 あるいは 減 少 することが 予 測 される 状 態 で 発 熱 を 生 じた 場 合 のことを 言 いま す ステロイドや 鎮 痛 目 的 で 鎮 痛 解 熱 剤 などを 使 用 している 患 者 さんや 高 齢 者 などでは 熱 が 出 ない 場 合 があるので 注 意 が 必 要 です 熱 がでなくても 感 染 の 徴 候 がある 時 (5ページ 参 照 )は 医 療 機 関 に 相 談 しましょう さいねん 過 去 に 発 症 した 感 染 症 の 再 燃 について 免 疫 機 能 の 低 下 によって 過 去 に 発 症 した 感 染 症 が 再 び 悪 化 することがあり ます このようなことを 再 燃 (さいねん) と 言 います 例 えば 結 核 菌 が 体 内 に 潜 伏 している 場 合 抗 がん 剤 治 療 中 に 肺 結 核 などを 発 症 してしまう 場 合 もあり ます また 肝 炎 ウイルスに 感 染 していても 発 症 していないキャリアでも 同 じよ うに 悪 化 する 場 合 があるので 注 意 が 必 要 です 結 核 やB 型 肝 炎 に 感 染 したこ とがわかっている 場 合 は 治 療 を 受 ける 前 に 主 治 医 に 伝 えて 下 さい ふくじんひしつ ステロイド( 副 腎 皮 質 ホルモン)を 長 期 に 使 用 する 場 合 がんの 薬 物 療 法 では 吐 き 気 の 緩 和 やアレルギー 症 状 を 予 防 するなどの 目 的 で ステロイド( 副 腎 皮 質 ホルモン)を 使 用 することがあります ステロイドは 炎 症 を 抑 えたり アレルギー 症 状 を 予 防 する 作 用 がありますが 免 疫 を 抑 制 す る 作 用 もある 薬 剤 です そのためステロイドを 長 期 に 使 用 する 場 合 免 疫 機 能 を 担 当 するリンパ 球 の 働 きを 落 としてしまうこともあるので ウイルスや 真 菌 (かび)による 感 染 症 に 注 意 が 必 要 です 6

12 4. 治 療 法 について - 簡 単 に 述 べます 骨 髄 抑 制 に 対 する 治 療 法 は 対 症 療 法 が 行 われます 症 状 が 軽 いうちに 対 処 することが 大 切 ので 何 か 症 状 があれば 医 療 機 関 に 相 談 しましょう また 患 者 さんから 食 事 や 運 動 などで 改 善 できませんか? と 聞 かれることがありま す しかし 薬 の 副 作 用 である 骨 髄 抑 制 に 対 して 日 常 生 活 上 の 行 動 ですぐ に 効 果 が 得 られるような 行 動 はないので 無 理 はしないようにして 下 さい それでは 血 球 別 に 概 要 を 述 べます 白 血 球 減 少 時 の 治 療 感 染 を 起 こさなければ 大 きな 問 題 にはなりませんが 感 染 徴 候 には 充 分 注 意 する 必 要 があります また 痛 む 所 や 腫 れているなどの 症 状 がある 場 所 で 感 染 場 所 の 特 定 と 使 用 する 薬 がわかることがあります 1 感 染 予 防 対 策 基 本 的 な 感 染 予 防 対 策 は 継 続 して 下 さい(11~20ページ 参 照 ) 2 抗 菌 薬 ( 抗 生 物 質 抗 ウイルス 薬 抗 真 菌 薬 )の 使 用 感 染 が 起 きた または 起 こる 可 能 性 が 高 い 場 合 は 菌 やウイルスを 退 治 するために 使 用 します 内 服 は 医 師 の 指 示 通 りにして 下 さい 内 服 の 途 中 で 症 状 が 軽 減 しても 自 己 判 断 で 内 服 を 中 止 しないようにしましょう 3 好 中 球 (こうちゅうきゅう)を 増 やす 薬 G-CFS( 顆 粒 球 コロニー 刺 激 因 子 )を 使 用 します これは 好 中 球 数 を 増 や し 骨 髄 機 能 回 復 までの 期 間 を 短 縮 し 感 染 リスクを 下 げる 目 的 で 使 用 します 投 与 する 時 期 や 適 応 は 適 正 使 用 ガイドラインに 従 って 一 人 ひと りの 状 況 により 異 なります 7

13 血 小 板 減 少 時 の 治 療 出 血 を 起 こさないように 注 意 しましょう 1 出 血 予 防 対 策 怪 我 に 注 意 したり 鼻 を 強 くかまないなど 日 常 生 活 で 注 意 できることは 行 って 下 さい 万 が 一 出 血 した 場 合 は 冷 したり 圧 迫 したりして 止 血 を 試 み て 下 さい 2 輸 血 血 小 板 減 少 を 速 やかに 改 善 する 効 果 があります 適 応 については 一 人 ひ とりの 状 況 により 異 なります 赤 血 球 減 少 時 の 治 療 白 血 球 や 血 小 板 に 比 べて 抗 がん 剤 の 影 響 が 出 現 するには 時 間 がかかるの で 長 期 的 に 観 察 をする 必 要 があります また 慢 性 的 に 経 過 することがある ので 自 覚 症 状 がわかりにくい 場 合 があります 1 症 状 が 強 い 時 は 安 静 にして 下 さい 貧 血 がある 時 は 疲 れやすくなります また 立 ちくらみや 体 のだるさのため 転 倒 しやすくなるので 無 理 をしないようにして 下 さい 2 輸 血 赤 血 球 減 少 を 速 やかに 改 善 する 効 果 があります 適 応 については 一 人 ひ とりの 状 況 により 異 なります 8

14 5. 感 染 症 とワクチン( 予 防 接 種 ) - 感 染 症 の 悪 化 を 予 防 するために 骨 髄 抑 制 が 起 こっている 期 間 は 体 の 抵 抗 力 が 低 下 してしまいます この 期 間 に 感 染 症 にかかってしまうと 重 症 化 するリスクが 高 くなります 日 頃 の 感 染 予 防 対 策 (11~20ページ 参 照 )を 行 うとともに ワクチン 接 種 で 感 染 症 の 悪 化 予 防 ができるものは 予 防 するようにしましょう がん 患 者 さんが 起 こしやすい 感 染 症 インフルエンザ かぜ 胃 腸 炎 膀 胱 炎 など 日 常 よく 耳 にする 感 染 症 の 他 に 患 者 さんの 体 に 点 滴 や 排 液 のための 管 などが 挿 入 されている 場 合 挿 入 され ている 部 位 やその 管 を 介 して 細 菌 などが 侵 入 し 感 染 症 を 引 き 起 こされるこ ともあります 管 が 入 っている 所 に 発 赤 や 痛 みがないか 排 液 の 色 がいつもに 比 べて 濁 っていないか 等 の 観 察 と 清 潔 にするといった 適 切 な 管 理 が 必 要 です 管 類 の 管 理 方 法 は 医 療 者 から 指 導 があるので しっかりマスターしましょう ま た 一 人 で 管 理 するのが 難 しい 場 合 は 家 族 や 地 域 の 訪 問 看 護 や 往 診 してくれ る 診 療 所 にヘルプをお 願 いするのもよいでしょう ワクチンの 接 種 について ワクチンを 接 種 する 時 期 等 については 担 当 医 に 相 談 して 下 さい インフルエンザワクチンにように 毎 年 の 接 種 が 必 要 なものもありますが 肺 炎 球 菌 ワクチンのように5 年 毎 に 行 うものもあります また 接 種 する 回 数 や 空 ける 期 間 等 もワクチンによって 異 なります がんの 治 療 中 に 行 うワ クチン 接 種 は 病 状 や 治 療 によっては 接 種 できないこともあるので 必 ず 担 当 医 に 相 談 して 下 さい 家 族 などの 同 居 者 もワクチン 接 種 を 受 けるようにして 下 さい 患 者 さんがワクチン 接 種 をしていても 周 りにいる 家 族 などが 感 染 症 に かかってしまっては 感 染 のリスクは 高 くなります 家 族 もワクチン 接 種 を 受 けるようにして 下 さい 市 区 町 村 によっては 接 種 費 用 の 助 成 を 行 っている 所 が あります 詳 細 はお 住 まいの 役 所 に 確 認 して 下 さい 9

15 ワクチンの 豆 知 識 ~ 不 活 化 ワクチンと 生 ワクチン~ ワクチンには 細 菌 やウイルスを 殺 し その 成 分 で 作 った 不 活 化 ワクチンと 生 きた 細 菌 やウイルスを 弱 毒 化 させている 生 ワクチンがあります 不 活 化 ワクチンは 感 染 力 がありません 1 回 の 接 種 では 抗 体 が 付 きにくい ため 通 常 2~3 回 繰 り 返 して 同 じワクチンを 接 種 する 必 要 があるものも あります 一 方 生 ワクチンは 弱 毒 化 をさせていますが 生 きたウイルスを 接 種 する ため 感 染 を 発 現 する 可 能 性 があります 不 活 化 ワクチン 生 ワクチン インフルエンザ 肺 炎 球 菌 B 型 肝 炎 破 傷 風 など 風 疹 麻 疹 おたふく 風 邪 水 ぼうそう など 10

16 6. 日 常 生 活 について - 正 しい 知 識 と 適 切 なケアの 継 続 が 大 切 です がんの 薬 物 療 法 で 起 こる 骨 髄 抑 制 を 完 全 に 防 ぐことはできません また 重 症 になると 命 に 関 わる 可 能 性 があるため 慎 重 な 対 応 が 必 要 な 副 作 用 です 中 でも 感 染 症 に 関 わる 白 血 球 減 少 時 はその 程 度 により 日 常 生 活 の 中 で 行 動 の 制 限 などをお 願 いすることがあり 患 者 さんにとっては 大 きなストレスにな る 場 合 があります しかし 骨 髄 抑 制 が 起 こる 時 期 はある 程 度 予 測 することができるので 注 意 が 必 要 な 時 期 もわかり 対 策 も 立 てることができます そのためには 日 常 的 に 体 調 管 理 ( 早 期 発 見 )をしていく 正 しい 知 識 を 持 ちケアを 継 続 していくことが 大 切 です ここでは 貧 血 や 血 が 止 まりにくい 時 に 気 をつけることにも 簡 単 に 触 れながら 感 染 対 策 のケアを 中 心 に 説 明 します まず 患 者 さんに 行 っていただきたいポイントは 以 下 の 通 りです 今 までの 生 活 を 治 療 開 始 と 同 時 に 大 きく 変 える 必 要 は ありません 早 期 発 見 や 予 防 していく 知 識 やケア 方 法 を 身 につけましょう 何 事 にも 無 理 はしないようにしましょう 吐 き 気 や 体 がだるいなど 他 の 副 作 用 の 症 状 により セルフケアの 継 続 が 困 難 になる 可 能 性 があります あらかじめ 家 族 などの 協 力 体 制 を 整 えておきましょう 11

17 患 者 さんが 行 うセルフケアでは まず 予 防 が 大 事 です そこで それぞれに 対 応 していく 心 構 えなどを 以 下 に 示 します 感 染 症 ( 白 血 球 減 少 )に 対 する 心 構 え 白 血 球 が 減 少 する 時 期 を 確 認 しましょう 感 染 予 防 と 早 期 対 策 が 大 切 です 骨 髄 抑 制 の 程 度 で 感 染 リスクは 異 なり 必 要 になる 対 策 も 変 わります 日 常 生 活 における 感 染 予 防 対 策 の 基 本 行 動 手 洗 い うがい 口 腔 ケア 皮 膚 の 保 清 (スキンケア) 発 熱 時 の 対 応 について 1あらかじめ 抗 菌 薬 の 処 方 がある 場 合 は 指 示 通 りに 内 服 しましょう 2どこにどんな 症 状 があるかを 確 認 しましょう( 痛 みや 腫 れなど) 3 抗 菌 薬 を 内 服 しても 解 熱 しない あるいは 薬 が 処 方 されていない 場 合 は ただちに 医 療 機 関 に 連 絡 をしましょう 効 果 的 な 冷 却 (クーリング)について 一 般 的 に 発 熱 時 に 氷 枕 で 頭 を 冷 やすことが 行 われますが 熱 を 冷 ます という 観 点 からみると 効 果 的 ではありません ワキの 下 や 首 すじ 足 のつけ 根 を 氷 のうなどで 冷 やすと 効 果 的 に 体 を 冷 やすことができます 12

18 血 が 止 まりにくいこと( 血 小 板 減 少 )に 対 する 心 構 え 減 少 する 時 期 を 確 認 しましょう 出 血 の 予 防 (ケガなど 外 傷 を 受 けないように 注 意 しましょう) 皮 膚 等 の 観 察 ( 内 出 血 などがないか 確 認 しましょう) 止 血 は 圧 迫 することが 基 本 です 加 えて 冷 やすことも 有 効 です 圧 迫 して も 止 血 ができない または 圧 迫 するのが 難 しい 部 位 からの 出 血 などは た だちに 医 療 機 関 に 連 絡 をしましょう 貧 血 ( 赤 血 球 減 少 )に 対 する 心 構 え 減 少 する 時 期 を 確 認 しましょう 充 分 な 休 息 ( 無 理 はしないようにしましょう) 症 状 の 出 現 が 白 血 球 や 血 小 板 に 比 べて 遅 いので 長 期 的 な 観 察 が 必 要 になることを 覚 えておきましょう こんな 時 は 医 療 機 関 に 連 絡 を!! ここでもう 一 度 まとめます 骨 髄 抑 制 による 症 状 が 出 現 したら 患 者 さんの 努 力 だけでは 解 決 ができません 重 症 にならないように 早 期 に 対 応 することが 大 切 です あらかじめ 医 療 者 にどのような 時 に 連 絡 をしたらよいかについて 確 認 をしておくとよいでしょう 例 えば 体 温 38 度 以 上 の 発 熱 抗 菌 剤 を 内 服 しても 熱 が 下 がらない 今 まで 経 験 したことがないような 咳 や 息 苦 しさ 痛 み 頻 回 な 下 痢 出 血 が 止 まらない めまいやふらつきがひどい など それでは 次 ページから 予 防 を 中 心 に 日 常 生 活 行 動 に 当 てはめて 説 明 しま す 13

19 体 調 管 理 早 期 発 見 早 期 対 応 のために 療 養 日 記 ( 副 作 用 メモ)をつけましょう 抗 がん 剤 治 療 中 は 吐 き 気 やだるさなどの 症 状 が 出 現 し それぞれに 対 応 が 必 要 になる 場 合 がありますが あらかじめ 経 過 がわかると 心 の 準 備 や 対 策 も 立 てることが 可 能 になります 自 分 の 体 の 状 態 を 記 録 して 自 分 の 体 調 変 化 のパターンを 把 握 しましょう 体 温 測 定 決 まった 時 間 に 行 いましょう 熱 や 痛 みなどの 他 にも 感 染 を 疑 う 徴 候 がないか 観 察 しましょう(5ページ 参 照 ) かぜやインフルエンザなどにかかっている 人 体 調 を 崩 している 人 との 接 触 は 避 けて 下 さい 便 秘 や 下 痢 に 気 をつけましょう 薬 の 副 作 用 で 便 秘 や 下 痢 になりやすい 薬 もあるので 便 秘 や 下 痢 が 続 く ようならば 医 療 者 に 伝 えましょう 休 息 をとりましょう 特 に 貧 血 がある 時 には 体 がだるかったりするので 無 理 はしないで 下 さ い 外 出 無 理 はしないようにして 下 さい 工 事 現 場 や 解 体 現 場 のように 埃 などが 立 ちやすい 所 には できるだけ 近 寄 らないようにしましょう インフルエンザが 流 行 している 時 期 はできるだけ 人 ごみは 避 けましょう マスクは 自 身 が 咳 などの 呼 吸 器 症 状 がある 時 やインフルエンザが 流 行 し ている 時 期 では 着 用 して 下 さい 日 焼 けをしないように 外 出 時 は 皮 膚 の 露 出 を 避 けるか 日 焼 け 止 めクリームやローションを 使 用 して 下 さい 帰 宅 後 はのどを 洗 う ガラガラうがい をして 下 さい 14

20 食 事 新 鮮 なものを 新 鮮 なうちに 良 く 洗 う が 基 本 です 食 事 に 関 する 制 限 については 主 治 医 の 指 示 通 りにして 下 さい 主 治 医 から 話 がなければ あまり 神 経 質 にならずに 普 通 にして 下 さい ここで は 普 段 から 心 がけておくとよいポイントを 紹 介 します 食 材 は 新 鮮 なものを 使 用 して 下 さい また 洗 えるものは 丁 寧 に 洗 いましょ う まな 板 や 包 丁 フキンなどの 台 所 用 品 は 用 途 ごとに 分 けることが 望 ましく 定 期 的 に 殺 菌 しましょう また 食 器 類 も 清 潔 にして 使 用 して 下 さい 手 に 傷 がある 場 合 は 手 袋 をして 調 理 するか 他 の 人 に 依 頼 をしましょう また 家 族 でも 下 痢 やおう 吐 がある 場 合 は 調 理 するのは 避 けて 下 さい 調 理 をしたらなるべく 早 く 食 べましょう 白 血 球 が 減 少 している 期 間 は 調 理 をしてから 時 間 が 経 った 料 理 は 避 け ましょう(だいたい2 時 間 以 内 と 言 われています) ペットボトルは 口 をつけて 飲 まないで コップにあけてから 飲 むようにして 下 さい 口 をつけた 場 合 は その 時 に 飲 みきるようにしましょう 電 子 レンジは 温 めムラがある 場 合 があるので 過 信 をしないで 下 さい また 冷 蔵 庫 も 過 信 しないで 下 さい 食 品 の 豆 知 識 ~ 賞 味 期 限 と 消 費 期 限 ~ 販 売 されている 食 品 には 賞 味 期 限 と 消 費 期 限 があります 簡 単 に 説 明 しますと 賞 味 期 限 はおいしく 食 べることができる 期 限 で 消 費 期 限 は 期 限 を 過 ぎたら 食 べない 方 がよい 期 限 です しかし これには 指 定 されている 保 存 方 法 で 保 存 した 場 合 と 開 封 したらその 限 りではない という 条 件 がつくの で 期 間 内 だからと 安 心 はできません そのため 食 欲 がない 時 でも 早 く 使 い 切 る ことが 必 要 です それには ちょ っと 割 高 感 がありますが 小 売 店 を 利 用 したり 小 包 装 のものがあれば 小 包 装 のものを 購 入 するようにしましょう 15

21 清 潔 感 染 源 をつくらないために 皮 膚 や 粘 膜 には 外 から 侵 入 する 微 生 物 や 外 部 刺 激 から 体 を 守 る 役 割 があります 抗 がん 剤 治 療 中 は 薬 の 影 響 で 皮 膚 や 粘 膜 も ダメージを 受 け この 体 を 守 る 機 能 が 低 下 してしまう 可 能 性 があります 清 潔 を 保 ち 乾 燥 させないようにすることが 大 切 で それが 感 染 予 防 のケア にもつながります 手 洗 い 石 けんをよく 泡 立 てて まんべんなく 丁 寧 に 洗 い 石 けんが 残 らないように しっかり 流 して 下 さい 手 順 は17ページを 参 照 して 下 さい 帰 宅 時 調 理 や 食 事 前 トイレや 掃 除 の 後 など 手 洗 いを 行 う 習 慣 を 身 に つけましょう 手 洗 いの 後 には 軟 膏 やクリームを 使 用 して 皮 膚 の 保 湿 を 行 って 下 さい 入 浴 できるだけ 毎 日 お 風 呂 (シャワー 浴 )に 入 りましょう 洗 髪 もして 下 さい 入 浴 後 はすぐに 水 分 を 拭 きとり ぬれた 髪 は 乾 かしましょう ぬれた 固 形 石 けんは 乾 燥 させて 下 さい また 液 体 石 けんのボトル 容 器 も カビなどが 発 生 しないように 管 理 して 下 さい 入 浴 後 は 軟 膏 やクリームを 使 用 して 皮 膚 の 保 湿 ケアを 行 って 下 さい 一 人 でできない 時 は 家 族 などに 頼 みましょう 温 泉 などの 共 同 浴 場 の 利 用 は 念 のため 主 治 医 に 確 認 して 下 さい 16

22 手 洗 いの 手 順 1 手 を 流 水 でぬらす 2 石 けんを 適 量 取 り 出 す 3 石 けんをよく 泡 立 てる 4 手 の 甲 を 洗 う 5 指 の 間 を 洗 う 6 親 指 を 洗 う 7 指 先 を 洗 う 8 手 首 を 洗 う 9 流 水 でよくすすぐ 10 水 分 をよく 拭 き 取 る 17

23 口 腔 ケア 治 療 中 は 歯 と 口 の 健 康 を 維 持 しましょう かかりつけ 歯 科 をもち 定 期 的 にチェックを 受 けるとよいでしょう 治 療 が 始 まる 前 に 歯 科 医 院 で 虫 歯 や 歯 周 病 などの 治 療 と 歯 のクリーニ ングを 受 けることが 望 ましいです 1 日 3 回 時 間 をかけて 丁 寧 に 歯 を 磨 きましょう 歯 みがきの 方 法 は 歯 科 医 院 で 指 導 を 受 け 自 分 にあった 方 法 を 身 につけましょう 歯 ブラシなどは 使 用 後 に 洗 浄 し 乾 燥 させて 下 さい またコップ 等 の 容 器 も 定 期 的 に 清 掃 して 下 さい(カビなどが 生 えないようにしましょう) 入 れ 歯 は 正 しく 管 理 しましょう 入 れ 歯 の 手 入 れは ブラシを 使 用 して 汚 れを 洗 い 流 した 後 義 歯 用 洗 浄 剤 につけ 殺 菌 洗 浄 しましょう 入 れ 歯 を 外 す 場 合 は 専 用 の 入 れ 歯 ケースを 用 意 して 保 管 しましょう 骨 髄 抑 制 時 は 口 の 汚 れの 中 の 細 菌 が 原 因 で 発 熱 をすることもあります 口 腔 内 の 乾 燥 が 汚 れにつながるため 乾 いた 時 には クチュクチュうがい も 効 果 的 です 唇 が 乾 燥 していると 傷 つき 出 血 しやすいので 唇 の 保 湿 も 忘 れないように して 下 さい 唇 に 直 接 塗 るリップクリームは なるべく 清 潔 な 状 態 で 保 管 するために 時 々 表 面 をティッシュなどで 拭 き 取 るようにしましょう 18

24 トイレ トイレットペーパーで 拭 く 時 は 肛 門 を 傷 つけないように やさしく 拭 いて 下 さい なお おしりを 洗 浄 する 機 能 があれば それを 使 用 して 下 さい( 水 圧 は 弱 めがよいでしょう) 下 痢 が 続 く 時 は 特 に 肛 門 や 肛 門 周 囲 の 皮 膚 がただれないように 洗 浄 す るなどして 清 潔 を 保 持 して 下 さい 生 理 中 は 汚 れやすいので 普 段 より 清 潔 を 保 つように 気 を 配 って 下 さい (ナプキンの 交 換 回 数 やビデでの 洗 浄 など) また タンポンは 使 用 しない で 下 さい 出 血 しやすい 時 期 にある 時 は 便 秘 で 力 むと 出 血 しやすくなるので 便 秘 にならないように 下 剤 を 内 服 するなど 早 めに 対 処 しましょう その 他 清 潔 な 下 着 や 服 を 身 につけて 下 さい 白 血 球 が 低 下 している 時 には 性 交 渉 は 避 けた 方 が 無 難 です パートナー ともよく 話 し 合 って 下 さい 自 分 で 言 いにくい 時 は 医 療 者 などから 伝 えて もらってもよいでしょう エアコンや 加 湿 器 のフィルタの 掃 除 もこまめにして 下 さい なお 白 血 球 が 減 少 している 期 間 の 部 屋 の 清 掃 時 には マスクをするなど して 埃 を 吸 い 込 まないようにして 下 さい 園 芸 などで 土 を 扱 う 場 合 は 手 袋 を 着 用 して 下 さい また 花 瓶 の 水 にも 直 接 手 で 触 れない 方 が 無 難 でしょう 19

25 ケガや 虫 さされなどに 注 意 外 傷 をつくらない 靴 ずれや 転 倒 などしないように 気 をつけましょう 万 が 一 怪 我 をした 場 合 は 流 水 できれいに 洗 い 流 し 清 潔 な ガーゼなどで 保 護 して 下 さい ひげ 剃 りは 電 気 カミソリを 使 用 して 下 さい( 強 くこすらないように) 爪 を 切 る 時 には 深 爪 にならないように また 指 を 切 らないように 気 をつけて 下 さい 虫 に 刺 された 時 は 流 水 でよく 洗 い 流 し 赤 く 腫 れている 場 合 は 氷 のうな どで 冷 やします また かゆみがある 場 合 は 自 分 で 掻 かないで かゆみ 止 めを 塗 りましょう 冷 やすだけでもかゆみを 軽 くできます 出 血 しやすい 時 期 には 以 下 のことに 気 をつけて 下 さい 下 着 や 服 靴 などは 圧 迫 しないものを 選 びましょう 採 血 をしたら 採 血 部 位 を 押 さえて 止 血 を 確 実 に 行 って 下 さい 鼻 を 強 くかまないようにしましょう めまいや 立 ちくらみなどが 起 きやすい 時 期 は 動 き 始 めに 注 意 をして 下 さ い(ゆっくりした 動 作 を 心 がけましょう) ペットについて 正 しい 知 識 で 接 しましょう 骨 髄 抑 制 が 起 こる 時 期 は なるべくペットとの 接 触 は 避 けた 方 がよいですが 難 しい 場 合 は 以 下 の 点 に 注 意 をして 下 さい 接 する 時 は 長 袖 手 袋 マスクを 着 用 し 接 した 後 は 手 洗 いを 丁 寧 に 行 い うがいをしましょう 口 移 しで 食 べ 物 を 与 えたり 顔 をなめられないようにして 下 さい かまれたり 爪 で 引 っかかれないように 注 意 しましょう 糞 尿 の 処 理 をする 時 は 手 袋 を 着 用 して 下 さい 金 魚 などの 水 槽 の 水 は 直 接 手 で 触 らないようにして 下 さい 20

26 抗 がん 剤 の 副 作 用 対 策 に 関 する 冊 子 のご 案 内 静 岡 がんセンターでは 抗 がん 剤 治 療 中 に 起 こる 皮 膚 障 害 口 腔 粘 膜 炎 口 腔 乾 燥 末 梢 神 経 障 害 眼 の 症 状 食 事 脱 毛 に 関 する 冊 子 を 作 成 しています それぞれのトラブルへの 対 処 法 ケア 方 法 などについてわか りやすく 説 明 をしています こちらの 冊 子 も 参 考 にして 下 さい がんよろず 相 談 Q&A 第 3 集 は A4サイズ その 他 の 冊 子 は A5サイズで す 21

27 これらの 小 冊 子 は 静 岡 がんセンター 研 究 所 患 者 家 族 支 援 研 究 部 作 成 WEB サイト; WEB 版 がんよろず 相 談 Q&A からダウンロードすることができます URL; WEB 版 がんよろず 相 談 Q&A;トップページ 発 行 した 冊 子 スクロール ダブルクリック がんよろず 相 談 Q&A 学 びの 広 場 シリーズ からだ 編 ダブルクリック ダウンロード 22

28 参 考 資 料 1) 城 向 富 由 子 : 骨 髄 抑 制 1 白 血 球 減 少 に 伴 う 易 感 染. 勝 俣 範 之, 足 利 幸 乃, 菅 野 かおり( 編 著 ):がん 治 療 薬 まるわかり BOOK. 照 林 社.2015; ) 大 上 幸 子 : 骨 髄 抑 制 2 赤 血 球 減 少 に 伴 う 貧 血. 勝 俣 範 之, 足 利 幸 乃, 菅 野 か おり( 編 著 ):がん 治 療 薬 まるわかり BOOK. 照 林 社.2015; ) 城 向 富 由 子 : 骨 髄 抑 制 3 発 熱 性 好 中 球 減 少 症 (FN). 勝 俣 範 之, 足 利 幸 乃, 菅 野 かおり( 編 著 ):がん 治 療 薬 まるわかり BOOK. 照 林 社.2015; ) 大 上 幸 子 : 骨 髄 抑 制 4 血 小 板 減 少 による 出 血 傾 向. 俣 範 之, 足 利 幸 乃, 菅 野 かおり( 編 著 ):がん 治 療 薬 まるわかり BOOK. 照 林 社.2015; ) 小 谷 美 智 代 : 骨 髄 抑 制. 三 嶋 秀 行 ( 監 ):そのまま 使 えるがん 化 学 療 法 患 者 説 明 ガイド.メディカ 出 版.2015; ) 山 田 みつぎ: 副 作 用 はこうして 乗 り 切 ろう! 感 染 症.がんサポート.2015;148: ) 小 室 泰 司, 金 子 佑 典, 元 木 忍, 他 :4 章 骨 髄 抑 制. 佐 々 木 常 雄, 岡 本 るみ 子 ( 監 ):そこが 知 りたい!がん 化 学 療 法 とケア Q&A 第 2 版. 総 合 医 学 社.2014; ) 荒 川 さやか, 後 藤 悌 : 感 染 症. 小 西 敏 郎 ( 編 ):はじめてでもやさしいがん 化 学 療 法 看 護 - 抗 がん 薬 を 扱 う 知 識 と 副 作 用 マネジメント. 学 研 メディカル 秀 潤 社.2014; ) 荒 川 さやか, 後 藤 悌 : 骨 髄 抑 制. 小 西 敏 郎 ( 編 ):はじめてでもやさしいがん 化 学 療 法 看 護 - 抗 がん 薬 を 扱 う 知 識 と 副 作 用 マネジメント. 学 研 メディカル 秀 潤 社.2014; ) 冲 中 敬 二 ( 監 ):がん 治 療 と 感 染 症 がん 治 療 中 は 感 染 症 のリスクが 高 い! 日 常 的 な 注 意 を.がんサポート.2014;137: ) 中 川 靖 章 ( 監 ): 抗 がん 剤 治 療 中 の 生 活 ケア BOOK- 骨 髄 抑 制 による 感 染 症 ( 好 中 球 の 現 象 ). 実 業 之 日 本 社.2013; ) 矢 野 邦 夫 : 抵 抗 力 の 低 下 している 人 を 感 染 から 守 る 本.ヴァン メディカ ル ) 柳 原 一 広, 福 島 雅 典 ( 監 ): 血 液 毒 性 ( 骨 髄 抑 制 ).がん 化 学 療 法 と 患 者 ケア. 医 学 芸 術 社.2012;

29 14) 菅 野 かおり: 骨 髄 抑 制. 篠 原 信 雄 ( 監 ): 泌 尿 器 科 のがん 化 学 療 法 薬 物 療 法 完 全 ガイド 泌 尿 器 ケア 2009 年 冬 季 増 刊.メディカ 出 版.2009;163: ) 土 屋 達 行 ( 監 ): 血 液 総 論. 医 療 情 報 科 学 研 究 所 ( 編 ): 病 気 がみえるVol.5 血 液 メディックメディア.2008; ) 松 田 晃 ( 監 ): 赤 血 球 の 構 造 と 機 能. 医 療 情 報 科 学 研 究 所 ( 編 ): 病 気 がみえる Vol.5 血 液 メディックメディア ) 伊 豆 津 宏 二 ( 監 ): 白 血 球 総 論. 医 療 情 報 科 学 研 究 所 ( 編 ): 病 気 がみえる Vol.5 血 液 メディックメディア.2008; ) 佐 々 木 常 雄 ( 監 ): 貧 血 ( 赤 血 球 減 少 ). 抗 がん 剤 の 作 用 副 作 用 がよくわかる 本. 主 婦 と 生 活 社.2007; ) 佐 々 木 常 雄 ( 監 ): 出 血 しやすい( 血 小 板 減 少 ). 抗 がん 剤 の 作 用 副 作 用 がよ くわかる 本. 主 婦 と 生 活 社.2007; ) 佐 々 木 常 雄 ( 監 ): 感 染 症 ( 白 血 球 減 少 ). 抗 がん 剤 の 作 用 副 作 用 がよくわか る 本. 主 婦 と 生 活 社.2007; ) 軒 原 浩 :がん 薬 物 療 法 による 副 作 用 とその 対 策 骨 髄 抑 制. 西 條 長 宏 ( 編 ): インフォームドコンセントのための 図 説 シリーズ. 医 薬 ジャーナル 社.2005; ) 喜 多 川 浩 一 :がん 薬 物 療 法 による 副 作 用 とその 対 策 感 染 症. 西 條 長 宏 ) ( 編 ):インフォームドコンセントのための 図 説 シリーズ. 医 薬 ジャーナル 社. 2005; ) 森 享 ( 監 ): 骨 の 造 血 機 能. 西 東 社.2005; ) 山 口 建 ( 研 究 代 表 者 ): 厚 生 労 働 科 学 研 究 費 補 助 金 がん 体 験 者 の 悩 み や 負 担 等 に 関 する 実 態 調 査 報 告 書 概 要 版

30 抗 がん 剤 治 療 における 骨 髄 抑 制 と 感 染 症 対 策 平 成 27 年 12 月 第 1 版 発 行 発 行 : 静 岡 県 立 静 岡 がんセンター 監 修 : 静 岡 県 立 静 岡 がんセンター 総 長 山 口 建 作 成 : 静 岡 県 立 静 岡 がんセンター 副 院 長 / 消 化 器 内 科 部 長 安 井 博 史 感 染 内 科 部 長 倉 井 華 子 皮 膚 科 部 長 清 原 祥 夫 歯 科 口 腔 外 科 部 長 百 合 草 健 圭 志 薬 剤 師 金 子 美 智 子 看 護 部 看 護 師 長 / 感 染 管 理 認 定 看 護 師 工 藤 友 子 がん 化 学 療 法 看 護 認 定 看 護 師 松 山 円 管 理 栄 養 士 森 麻 理 子 疾 病 管 理 センター 看 護 師 長 廣 瀬 弥 生 イラスト 阿 多 詩 子 秋 山 朋 美 <パンフレットに 関 する 問 い 合 わせ 先 > 静 岡 県 立 静 岡 がんセンター 疾 病 管 理 センター 静 岡 県 駿 東 郡 長 泉 町 下 長 窪 1007 TEL ( 代 表 )

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