目 次 1 HIV 感 染 症 の 臨 床 経 過 1 2 HIV 感 染 症 の 検 査 / 診 断 5 3 抗 HIV 療 法 11 4 HIV 薬 剤 耐 性 とその 検 査 23 5 血 友 病 患 者 の 診 療 26 6 AIDS 関 連 症 候 群 (ARC)の 診 断 と 治 療 2

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2 目 次 1 HIV 感 染 症 の 臨 床 経 過 1 2 HIV 感 染 症 の 検 査 / 診 断 5 3 抗 HIV 療 法 11 4 HIV 薬 剤 耐 性 とその 検 査 23 5 血 友 病 患 者 の 診 療 26 6 AIDS 関 連 症 候 群 (ARC)の 診 断 と 治 療 症 候 による 診 断 手 順 カンジダ 症 クリプトコックス 症 クリプトスポリジウム 症 サイトロメガロウィルス(CMV) 感 染 症 非 結 核 性 抗 酸 菌 症 ニューモシスチス 肺 炎 結 核 症 サルモネラ 感 染 症 イソスポラ 症 リンパ 性 間 質 性 肺 炎 (Lymphocytic interstitial pneumonia : LIP) 本 邦 ではまれな ARC HIV 消 耗 性 症 候 群 悪 性 リンパ 腫 HIV 関 連 神 経 認 知 障 害 (HIV 脳 症 ) 進 行 性 多 巣 性 白 質 脳 症 (Progressive maultifocal leukoencephalopathy;pml) トキソプラズマ 脳 症 79 7 HIV 感 染 症 に 合 併 しやすい 性 感 染 症 梅 毒 尖 圭 コンジローマ 疥 癬 性 器 ヘルペス ケジラミ 症 軟 性 下 疳 淋 病 非 淋 菌 性 尿 道 炎 アメーバ 感 染 症 ( 赤 痢 肝 膿 瘍 ) 95 8 HIV 感 染 症 に 伴 う 慢 性 合 併 症 HIV 感 染 症 と 肝 炎 HIV 感 染 症 と 腎 障 害 HIV 感 染 症 と 脂 質 代 謝 異 常 / 心 血 管 障 害 HIV 感 染 症 と 骨 代 謝 異 常 111

3 9. HIV 感 染 者 の 皮 膚 症 状 妊 婦 および 新 生 児 の HIV 小 児 の HIV 感 染 症 眼 科 の HIV 感 染 症 HIV 感 染 症 と 精 神 疾 患 HIV 感 染 血 友 病 患 者 の 関 節 症 の 治 療 HIV 感 染 症 患 者 のリハビリテーション HIV 感 染 症 の 口 腔 病 変 と 歯 科 治 療 HIV 感 染 症 患 者 の 心 理 的 支 援 HIV 感 染 症 患 者 の 看 護 看 護 師 の 役 割 HIV 検 査 支 援 初 診 時 の 支 援 セルフケア 支 援 服 薬 支 援 サポート 者 形 成 支 援 セクシャルヘルス 支 援 在 宅 医 療 支 援 外 国 人 患 者 への 対 応 HIV 暴 露 時 の 対 応 と 安 全 対 策 針 刺 し 切 創 及 び 皮 膚 粘 膜 暴 露 時 の 対 応 外 科 領 域 での 安 全 対 策 検 査 輸 血 部 領 域 での 安 全 対 策 と 検 査 項 目 感 染 予 防 と 消 毒 医 療 福 祉 制 度 と 支 援 HIV 感 染 症 とインターネット 情 報 HIV 相 談 室 について 抗 ウィルス 薬 国 内 未 販 売 薬 拠 点 病 院 の 医 療 体 制 280 付 録 282

4 1 1 HIV 感染症の臨床経過 HIV 感染症の臨床経過の全体像 HIV human immunodeficiency virus 感染症の臨床経過は ⑴感染初期 急性期 ⑵無症候期 ⑶ AIDS acquired immunodeficiency syndrome 発症期の 3 期に分けられる HIV に感染する と多くの症例では 2 3 週間後にインフルエンザ様の急性期症状があり その後長期間の無症候 期に入る この間に HIV は宿主内で盛んに増殖し CD4 陽性リンパ球数は徐々に減少していく CD4 陽性リンパ球数の減少により細胞性免疫不全が進行していくと 表在リンパ節が腫脹した り発熱や下痢を繰り返したり 体重の減少がみられるようになる さらに CD4 陽性リンパ球数 が減少していき 200 個 /µℓ以下となると様々な日和見感染症を発症する 表 1 に我が国におけ る AIDS 診断の診断基準を示すが ここにあげた 23 の指標疾患のどれかが現れたときはじめて AIDS と診断する 図 1 HIV 感染症の経過 模式図 2 HIV 感染症の臨床症状 ⑴ 急性期 HIV に感染すると HIV は宿主内で急速に増殖し CD4 陽性リンパ球数は一過性に減少す る この時期には感染者の約 90% に何らかの急性レトロウイルス症候群の徴候を認めるが 表 2 多くの症状はインフルエンザ様で非特異的であるため HIV 感染と認識されないことが多 い 問診などから積極的に HIV 感染を疑い HIV-RNA の増加が確認できれば 急性 HIV 感 染症 と診断可能である その後 宿主の免疫反応により血中ウイルス量は低下し 2 3 週 間で急性感染の症状は消退する CD4 陽性リンパ球数も回復し 抗 HIV 抗体が陽性となり seroconversion 無症候期に移行する 低下した血中ウイルス量は感染約 6 ヶ月後にはある 一定のレベルに保たれるようになる セットポイント HIV 感染症の臨床経過 1

5 ⑵ 無症候期 急性期を過ぎた後の症状のない時期をさし 一般に潜伏期とも呼ばれる時期である この間 も HIV は盛んに増殖を繰り返しているが 宿主の免疫反応により長期間の平衡状態が保たれる CD4 陽性リンパ球数は徐々に減少していくが その減少スピードは HIV のウイルス量に依存し ている 以前は 無症候期の期間は 5 15 年と言われていたが 最近では感染から 3 4 年で AIDS を発症することもまれではなく 無症候期が短くなってきていると言われている ⑶ AIDS 発症期 HIV の増殖と宿主の免疫反応による平衡状態が破綻すると急速に HIV-RNA が増加し CD4 陽性リンパ球数も減少し細胞性の免疫不全が顕著となってくる CD4 陽性リンパ球数が /µℓの時期は細菌性肺炎 肺結核 帯状疱疹 口腔カンジダ症 口腔毛状白板症や カポジ肉腫などを合併する 更に CD4 陽性リンパ球数が 200/µℓ以下に低下すると消耗が進行 し 様々な日和見感染症 悪性腫瘍や神経症状を合併するようになり 表 1 AIDS と診断さ れる AIDS の診断基準を満たす日和見感染症などの症状や診断 治療法については各論に詳 述する 適切な抗 HIV 療法 ART antiretroviral therapy が行われなかった場合 CD4 陽 性リンパ球数が 200/µℓ以下に低下してからの生存期間中央値は 3.7 年 AIDS を発症してか らの生存期間中央値は 1.3 年と報告されている しかし例え AIDS を発症しても適切な抗 HIV 療法を行うことにより免疫系の再構築が成され 感染症の回復 社会生活への復帰が可能となっ ている 実際に ART 後に CD4 陽性リンパ球数を 500/µℓ以上に維持できた患者は 健常者 と同じ生命予後を得ることも報告されている 表 2 急性 HIV 感染症の症状と徴候 症 状 割 合 発 熱 96% リンパ節腫脹 74% 咽頭炎 70% 発 疹 70% 筋肉痛と関節痛 54% 下痢 32% 頭 痛 32% 悪心 嘔吐 27% 肝脾腫 14% 体重減少 13% 口腔カンジタ 12% 神経症状 12% 発 疹 顔面及び体幹の他 ときに手掌 足底を含む四肢に病変を有する紅斑性丘疹 ときに口腔 食道または生殖器に及ぶ皮膚粘膜潰瘍を形成 神経症状 髄膜脳炎または無菌性髄膜炎末梢神経障害または神経根障害 顔面神経麻痺 ギラン バレー症候群 上腕神経炎 認知障害または精神障害 2 HIV 感染症の臨床経過

6 表 1 AIDS 診断のための指標疾患 A 真菌感染症 1 カンジダ症 食道 気管 気管支または肺 2 クリプトコッカス症 肺以外 3 コクシジオイデス症 ①全身に播種したもの ②肺 頚部 肺門リンパ節以外の部位に起こったもの 4 ヒストプラズマ症 ①全身に播種したもの ②肺 頚部 肺門リンパ節以外の部位に起こったもの 5 ニューモシスチス肺炎 B 原虫症 6 トキソプラズマ脳症 生後 1 ヶ月以後 7 クリプトスポリジウム症 1 ヶ月以上続く下痢を伴ったもの 8 イソスポラ症 1 ヶ月以上続く下痢を伴ったもの C 細菌感染症 9 化膿性細菌感染症 13 歳未満で ヘモフィルス 連鎖球菌等の化膿性細菌により以 下のいずれかが2年以内に 2つ以上多発あるいは繰り返して起こったもの ①敗血症 ②肺炎 ③髄膜炎 ④骨関節炎 ⑤中耳 皮膚粘膜以外の部位や深在臓器の膿瘍 10 サルモネラ菌血症 再発を繰り返すもので チフス菌によるものを除く 11 活動性結核 肺結核叉は肺外結核 12 非結核性抗酸菌症 ①全身に播種したもの ②肺 頚部 肺門リンパ節以外の部位に起こったもの D ウイルス感染症 13 サイトメガロウイルス感染症 生後 1 ヶ月以後で 肝 脾 リンパ節以外 14 単純ヘルペスウイルス感染症 ① 1 ヶ月以上持続する粘膜 皮膚の潰瘍を呈するもの ②生後 1 ヶ月以後で気管支炎 肺炎 食道炎を併発するもの 15 進行性多巣性白質脳症 E 腫瘍 16 カポジ肉腫 17 原発性脳リンパ腫 年齢を問わず 18 非ホジキンリンパ腫 LSG 分類により ①大細胞型 免疫芽球型 ② Burkitt 型 19 浸潤性子宮頸癌 F その他 20 反復性肺炎 21 リンパ性間質性肺炎 肺リンパ過形成 LIP/PLH complex 13 歳未満 22 HIV 脳症 認知症又は亜急性脳炎 23 HIV 消耗性症候群 全身衰弱又はスリム病 C 11 活動性結核のうち肺結核およびE 19 浸潤性子宮頚癌については HIV による免疫 不全を示唆する症状および所見がみられる場合に限る HIV 感染症の臨床経過 3

7 参考文献 1 HIV 感染症治療研究会編 HIV 感染症 治療の手引き 第 16 版 2012 年 12 月 2 Bartlett JG et al Medical Management of HIV Infection th Edition. Published by Johns Hopkins University School of Medicine DHHS Guidelines for the Use of Antiretroviral Agents in HIV-1-Infected Adults and Adolescents February 平成 24 年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV 感染症及びその合併症の 課題を克服する研究班編 抗 HIV 治療ガイドライン 2013 年 3 月 5 Lewden C Chene G, Morlat P, Raffi F Dupon M Dellamonica P Pellegrin JL Katlama C Dabis F Leport C ANRS Study Group HIV-infected adults with a CD4 cell count greater than 500 cells/mm3 on long-term combination antiretroviral therapy reach same mortality rates as the general population. J Acquir Immune Defic Syndr 血液内科 遠藤 知之 HIV 感染症の臨床経過

8 2 1 HIV 感染症の検査 診断 HIV 関連検査の種類と特徴 ⑴ スクリーニング検査 酵素抗体法 ELISA 法 粒子凝集法 PA 法 免疫クロマトグラフィー法 IC 法 によ り HIV-1 及び HIV-2 に対する抗体を測定または同定する 感度は高いが 特異度は低いため 0.1 1% 程度の偽陽性が生じる 一方 感染してから抗体が検出されるまで通常 3 4 週間かか るため window period WP 結果が陰性でも急性感染を否定できない 感染初期数週間 は HIV 抗原 p24 抗原 が上昇し ELISA 法で検出可能となる WP を短縮するため現在 北 海道大学病院ではスクリーニング用検査として HIV-1,2 抗体価と HIV-1 抗原同時測定検査 第 4 世代検査キット アボット社の HIVAg/Ab Combo, CLIA 法 を使用している ⑵ 確認検査 Western blot 法 WB 法 間接蛍光抗体法 IFA 法 により HIV-1 と HIV-2 それぞれ に対する特異的な抗体タンパクの存在を確認する検査である 院内では HIV-1 WB と HIV2 WB の検査が可能 特異度は高いが 感度は低いため 感染初期には検出できない HIV-1 WB と HIV-2 WB の間には交叉反応が生じるため判定には注意を要する ⑶ HIV 抗原検査 HIV-1 RNA 定量 PCR 法と核酸 hybridization 法を組み合わせて HIV-1 の RNA を高感度に検出できる検査で 北大病院では 2008 年 2 月からロシュダイアグノスティクス社のコバス TaqMan HIV-1 オー ト TaqMan PCR 法 を使用している HIV-RNA の定量は急性感染の診断に不可欠であるが HIV-2 は検出できない 病勢 治療効果のモニタリングとしても有用である HIV-1 proviral DNA リンパ球を検体として PCR 法にて細胞内の proviral DNA を検出する検査であり 極めて 感度は高いが 測定系が標準化されていないため普及していない 抗体検査での判定困難例や WP 時期での感染確認 治療中の潜伏感染ウイルスの評価に用いられる 本邦では母子感染の 早期診断として保険適応がある p24 抗原 HIV-1 のコアタンパクである p24 を ELISA 法で検出する 特異度は高いが 感度が低いため 感染初期数週間と感染後期にしか検出できない 前述の抗体価測定と組み合わせてスクリーニ ングで用いられる ⑷ 簡易迅速抗体検査キット 前述の IC 法により抗 HIV 抗体を同定するキット 本邦ではダイナスクリーン HIV-1/2 が 使用されている 15 分で結果が得られるため 即日検査として保健所 各種医療機関で 2001 年以降導入され 自発検査や早期発見 感染不安をもつ人への利便性により普及している 偽 陽性が約 1 あるため 結果が陽性の場合 通常のスクリーニング検査と同様に確認検査の追 加が必要である 院内では針刺し等の緊急時にのみ用いられる HIV HIV 感染症の検査 診断 感染症の臨床経過 5

9 ⑸ HIV 薬剤耐性検査 血液中に存在する HIV の抗 HIV 薬に対しての耐性 感受性を調べる検査であり genotype 検査 遺伝子型解析 と phenotype 検査 表現型解析 の 2 種類がある 院内では genotype 検査が可能 検査の詳細については 4 HIV 薬剤耐性とその検査 の項を参照 2 HIV 感染症診断法の実際 ⑴ スクリーニング検査 院内では HIV-1,2 抗体価と HIV-1 抗原同時測定検査 HIVAg/Ab Combo に加えて 追加 スクリーニング検査としてアボット社のダイナスクリーン HIV-1/2 IC 法 バイオラッド 富士レビオ社のジェネディア HIV-1/2 ミックス PA PA 法 の異なる 2 法を実施 初期スクリー ニング検査を含めた 3 法中 2 法以上が陰性の場合に 陰性 2 法以上が陽性の場合に 陽性 と判定する 陽性 または 保留 と判定された場合 確認検査を行う 陰性 と判定された場合 感染のリスクが無い場合には 感染無し と診断する 感染のリスクがある場合や急性感染 を疑う場合には RT-PCR による HIV-1 RNA 定量検査を行う この結果が 陰性 でも期間 を空けて再検査を行う ⑵ 確認検査 日本エイズ学会では確認検査として HIV-1 WB 法と HIV-1 RNA 定量検査を同時に行うこ とを推奨している 表 1 HIV-1 WB 法が 陽性 HIV-1 の感染者と判定する 但し HIV-1 RNA 定量検査が陰性の場合は高感度法で再検査 を行う 高感度法でも陰性であれば HIV-2 WB 法を実施し 陽性 であれば HIV-2 の感染 を否定できない HIV-1 WB 法が 陰性 または 保留 で HIV-1 RNA 定量検査が 陽性 HIV-1 急性感染者と考えるが 確定診断には後日 HIV-1 WB 法の 陽性 を確認する必要 がある HIV-1 WB 法が 陰性 または 保留 で HIV-1 RNA 定量検査が 測定感度以下 HIV-2 WB 法を実施し 陽性 であれば HIV-2 の感染者と判定 HIV-2 WB 法が 陰性 または 保留 であれば 2 週間後にスクリーニングからの再検査を勧める ⑶ 母子感染の診断 母親から児へ抗体が移行するため 抗体検査は有用でない HIV-1 抗原 p24 抗原 HIV1 RNA 定量検査を実施し判定を行う 6 HIV 感染症の検査 診断 感染症の臨床経過

10 表1 HIV-1/2 感染症診断のためのフローチャート HIV-1/2 感染症の診断法 2008 年版 日本エイズ学会 日本臨床検査医学会 標準推奨法 HIV-1/2 スクリーニング検査法1 ELISA PA 法など 陽性 保留 感度が十分に高い検査法であること 陰性 非感染またはウインドウピリオド2 HIV-1 確認検査法 両法を同時に行う WB 法及び RT-PCR HIV-1 検査結果 WB 法 陽性 保留 陰性 RT-PCR 判定 指示事項 陽性 HIV-1 感染者 検出せず HIV-1 感染者3 陽性 急性 HIV-1 感染者4 検出せず HIV-2 の確認検査を実施 陰 性時は保留とし2週間後に再 検査5 陽性 急性 HIV-1 感染者4 検出せず HIV-2 の確認検査を実施 陰 性時は保留とし2週間後に再 検査5 HIV-2 確認試験が陽性の場合は HIV-2 感染者 両者が陰性の場合は非感染者6 1 明らかな感染のリスクがある場合や急性感染を疑う症状がある場合は抗原 抗体同時検査法 によるスクリーニング検査に加え HIV-1 核酸増幅検査法による確認検査を行う必要がある ただし 現時点では保健適応がない 2 急性感染を疑って検査し HIV-1/2 スクリーニング検査とウエスタンブロット WB 法が 陰性または判定保留であり しかも HIV-1 核酸増幅検査法 RT-PCR 法 が陽性であった 場合は HIV-1 の急性感染と診断できるが 後日 HIV-1/2 スクリーニング検査とウエス タンブロット法にて陽性を確認する 3 HIV-1 感染者とするが HIV-1 核酸増幅検査法 RT-PCR リアルタイム PCR 法または従 来法の通常感度法 で 検出せず の場合 従来法で実施した場合は リアルタイム PCR 法または従来法の高感度法における再確認を推奨 は HIV-2 WB 法を実施し 陽性であれ ば HIV-2 の感染者であることが否定できない 交差反応が認められるため この様な症例 に遭遇した場合は 専門医 専門機関に相談することを推奨する 4 後日 適切な時期に WB 法で陽性を確認する 5 2 週間後の再検査において スクリーニング検査が陰性であるか HIV-1/2 の確認検査が陰 性 / 保留であれば 初回のスクリーニング検査は疑陽性であり 非感染 感染はない と 判定する 6 感染のリスクがある場合や急性感染を疑う症状がある場合は保留として再検査が必要であ HIV HIV 感染症の検査 診断 感染症の臨床経過 7

11 る また 同様な症状を来たす他の原因も平行して検索する必要がある 注1 妊婦健診 術前検査等の場合にはスクリーニング検査陽性例の多くが偽陽性反応によるた め その結果説明には注意が必要 注2 母子感染の診断は 移行抗体が存在するため抗体検査は有用でなく 児の血液中の HIV-1 抗原 または HIV-1 核酸増幅検査法により確認する必要がある 3 HIV 感染者の検査 ⑴ 進行を把握するための指標 CD4 陽性リンパ球数 HIV により破壊された宿主の残存免疫力を反映し 病態の進行度や治療開始を考慮する重 要な指標となる 測定はフローサイトメトリーを用いて行われ 健常人では /µℓ であり HIV 感染者で 200/µℓ未満になると種々の日和見疾患のリスクが高まる 未治療者で は 2 6 ヶ月毎 治療中の患者では初期は毎月 その後は 2 4 ヶ月毎に検査を行う 測定値 の変動が大きいため複数回の検査で評価する 血中 HIV-RNA 定量 血中のウイルス量は CD4 の低下速度と相関しており 予後予測の指標となる また治療効 果を判定するのにも重要な指標となる 男性に比べ女性では低値となる 未治療者では 3 4 ヶ 月毎 治療開始または変更した患者では 4 8 週毎に測定し 検出限界以下に到達したら 2 4 ヶ月毎に測定する ウイルスが測定限界以下に低下しても体内から HIV が消失したことに はならない ウイルスが検出限界以下に到達した後に血中ウイルス量が 2 回連続で 200 コピー /ml 以上となった場合には 治療失敗の可能性があり 薬剤耐性ウイルスの存在やアドヒア ランス低下など 原因の検索を行う ⑵ 検査チェックリスト : 以下 当院で使用している HIV 感染者の検査チェックリストを記す 初診時の検査 検尿一般 尿沈渣 末梢血一般 白血球分画も 生化学一般 アミラーゼ CPK 血糖 血清脂質も T 細胞サブセット CD4 絶対数も HIV-RNA 定量 HAV 抗体 陰性症例は 必要時にワクチン接種も考慮 HBs 抗原 HBs 抗体 HBc 抗体 いずれかが陽性なら HBV-DNA を追加する すべて陰性時は ワクチン接種も考慮 HCV 抗体 梅毒血清反応 RPR 定性 TPLA 定性 陽性なら定量検査を追加 サイトメガロウイルス IgG 陰性なら 輸血が必要な際に CMV 陰性製剤を使用 トキソプラズマ IgG 8 HIV 感染症の検査 診断 感染症の臨床経過

12 陽性なら CD4<100 で一次予防を開始する 水痘 帯状疱疹ウイルス IgG 陰性なら 水痘患者との接触を極力避ける クオンティフェロン 赤痢アメーバ抗体半定量 C7HRP CD4 が低い症例のみ 胸部 X-P 心電図 眼科受診 CMV 網膜症等の眼底スクリーニング 特に CD4 が低値の症例 梅毒陽性者は梅毒性網膜炎 ブドウ膜炎のスクリーニングが必須 婦人科受診 女性のみ 子宮頚癌健診を行ってもらう ART 開始前の検査 検尿一般 尿沈渣 尿クレアチニン 尿蛋白定量 尿 NAG/Cre 尿β 2MG/Cre 尿アルブミン /Cre 尿 Ca 尿 P 治療開始前のベースラインとしてとる 末梢血一般 白血球分画も 生化学一般 アミラーゼ CPK 血糖 HbA1c 血清脂質 Ca P も シスタチン C T 細胞サブセット CD4 絶対数も HIV-RNA 定量 HBs 抗原 HBs 抗体 HBc 抗体 いずれかが陽性なら HBV-DNA を追加する HCV 抗体 妊娠反応 女性の場合 薬剤耐性検査 HLA-B5701 の検査 無料で検査可能 陽性者では ABC の使用不可 特に外国人では必要 胸部 X-P 心電図 不整脈の副作用のある薬剤があるので ベースラインとしてとる 治療前のベースラインとして可能ならとるもの 骨塩定量検査 DEXA 腰椎 大腿骨 I-PTH TRACP-5b 骨型 ALP ART による骨粗鬆症のベースラインとしてとる HIV HIV 感染症の検査 診断 感染症の臨床経過 9

13 ABI/PWV ART による動脈硬化のベースラインとしてとる 慢性合併症の検査 最低年 1 回行う検査 検尿一般 尿沈渣 尿クレアチニン 尿蛋白定量 尿 NAG/Cre 尿β 2MG/Cre 尿アルブミン /Cre 尿 Ca 尿 P 血清 Ca 血清 P シスタチン C 血糖 HbA1c 血清脂質 TG LDL HDL 上記の検査で異常があれば 3 ヶ月に 1 回行うことが望ましい 2 3 年に 1 回行う検査 胸部 X-P 心電図 骨塩定量検査 DEXA 腰椎 大腿骨 I-PTH TRACP-5b 骨型 ALP ABI/PWV 上記の検査で異常があれば 1 年に 1 回行うことが望ましい 参考文献 1 Bartlett JG et al Medical Management of HIV Infection th Edition Published by Johns Hopkins University School of Medicine 日本エイズ学会 診療における HIV-1/2 感染症の診断ガイドライン 2008 日本エイズ学会 日本臨床検査医学会 標準推奨法 日本エイズ学会誌 DHHS Guidelines for the Use of Antiretroviral Agents in HIV-1-Infected Adults and Adolescents February 平成 24 年度厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV 感染症及びその合併症の 課題を克服する研究班編 抗 HIV 治療ガイドライン 2013 年 3 月 5 HIV 感染症治療研究会編 HIV 感染症 治療の手引き 第 16 版 2012 年 12 月 血液内科 遠藤 知之 HIV 感染症の検査 診断 感染症の臨床経過

14 3 1 抗 HIV 療法 治療開始時期 現在行われている多剤併用での抗 HIV 療法 antiretroviral therapy=art による HIV 増 殖抑制効果は強力であり 治療開始早期に HIV ウイルス量を測定感度以下に押さえ込み 徐々 に CD4 リンパ球数を回復させ 免疫機能を回復 維持することが可能である しかしながら ART の継続によっても HIV の体内からの完全な排除には平均 73.4 年かかると推定されており 現時点では一度治療を開始すれば 生涯に渡り治療を継続する必要がある また 十分な服薬遵 守 アドヒアランス が維持できなければ 薬剤耐性ウイルスが誘導され 結果的に治療の失敗 につながる また ART の長期継続により軽視できない種々の副作用が出現してくる 以上の理 由から 以前は ART の開始をできるだけ遅らせるという考え方が主流であった しかし 最近 の大規模試験において ART を早期に開始することにより CD4 陽性リンパ球数を高く維持で きる HIV 増殖によってもたらされる可能性のある心血管疾患や腎 肝疾患のリスクを減らせ る CD4 陽性リンパ球数が高くても発症する可能性のある HIV 関連疾患のリスクを減らせる パートナーへの感染を減らせるなど 早期治療のメリットが示され さらに 飲みやすく副作用 の少ない薬剤が増えたことなどの理由から 治療開始時期は早まる傾向にある 米国保健福祉 省 Department of Health and Human Services = DHHS のガイドラインでは 2012 年 3 月か ら CD4 陽性リンパ球数の値にかかわらず すべての患者で治療開始をすべきである と改訂 された 但し CD4 陽性リンパ球数が 500/µℓ以下の患者への治療開始は 強く推奨 だが CD4 陽性リンパ球数が 500/µℓを超える患者では 中程度に推奨 と表記されている 2012 年 7 月版 の International AIDS society-usa IAS-USA のガイドラインも同様の推奨であるが 2012 年 11 月版の European AIDS Clinical Society EACS のガイドラインでは CD4 陽性リンパ球 数が 500/µℓを超える患者では 治療は延期 を推奨している 治療開始に際しては患者の状態 服薬アドヒアランスへの意識 理解度 副作用および薬物相互作用なども考慮し 入念なカウン セリングや教育を行った上で判断を下す必要がある 未治療患者に対する ART 開始基準 ① AIDS および HIV に関連する症状がある場合 CD4 陽性リンパ球数 血中ウイルス量の数値にかかわらず 治療開始 ② 無症状の場合 CD4 陽性リンパ球数 350/µℓ 速やかに治療開始 /µℓ 治療開始を推奨 EACS では治療開始を考慮 500/µℓ 治療は延期 EACS 治療開始を推奨 DHHS IAS-USA CD4 陽性リンパ球数にかかわらず以下の患者では治療開始 妊婦 HIV 腎症の患者 HBV 重複感染者 性交渉によるパートナーへの感染を予防する必要がある患者 HIV 感染症の臨床経過 抗 HIV 療法 11

15 EACS では HIV 関連神経認知障害 HAND ホジキンリンパ腫 ヒトパピローマウ イルス関連癌 肛門管癌など の合併患者にも治療開始を推奨 CD4 陽性リンパ球数にかかわらず以下の患者では治療開始を考慮 急性 HIV 感染 HCV 重複感染者 genotype 1 で CD4 が 500/µℓを超えている場合には抗 HCV 療法を先行 高齢者 DHHS では 50 歳 IAS-USA では 60 歳を超える患者 EACS では非エイズ関連悪性腫瘍合併 HIV 関連の自己免疫性疾患合併 心血管系疾 患 CVD ハイリスクまたは既往患者にも治療開始を考慮 治療を早期に開始した場合の利点と欠点 利 点 欠 点 免疫機能の保持 無症候期の延長 服薬による QOL の低下 重篤な副作用 他人への伝播のリスクを低下出来る 将来の治療選択肢の範囲が狭まる CD4>350/µℓでも発症する可能性のある HIV 関連合併症 結核 非ホジキンリンパ腫 カ 内服不十分による耐性獲得の危険 ポジ肉腫 末梢神経障害 HPV 関連悪性腫瘍 耐性ウイルス伝播のリスク HIV 関連認識機能障害等 のリスクを減らす ことができる HIV 増殖により発症 増悪する可能性のある 疾患 心血管系疾患 腎疾患 肝疾患 非 AIDS 関連悪性腫瘍 感染症等 のリスクを 減らすことができる アドヒアランス維持のために必要な服薬開始 前の準備期間が短くなる 将来さらに強力で低毒性の ART 開発の可能性 初回抗 HIV 療法 2 HIV 感染症の治療は 血中ウイルス量を検出限界以下の抑え続けることを目標に 強力な多 剤併用療法 ART を行う 以下に DHHS IAS-USA EACS のガイドラインで推奨される初 回治療 regimen を示すが 患者のライフスタイル 合併症 他の薬剤との薬物相互作用 薬剤 耐性検査の結果などを総合して個々の患者に最も適切と考えられる regimen を選択すべきであ る またガイドラインは最新の臨床データに基づいて定期的に更新されるため 治療も最新の情 報に基づいて決定されるべきである 抗 HIV 薬の種類 左から略号 一般名 商品名 核酸系逆転写酵素阻害剤 NRTI プロテアーゼ阻害剤 PI AZT zidovudine レトロビル IDV indinavir クリキシバン ddi didanosine ヴァイデックス SQV saquinavir インビラーゼ 3TC lamivudine エピビル rtv boosting ritonavir ノービア d4t stavudine ゼリット NFV nelfinavir ビラセプト ABC abacavir ザイアジェン LPV/rtv lopinavir/ritonavir カレトラ 12 HIVHIV 抗 感染症の臨床経過 療法

16 TDF tenofovir DF ビリアード ATV atazanavir レイアタッツ FTC emtricitabine エムトリバ FPV fosamprenavir レクシヴァ AZT/3TC コンビビル DRV darunavir プリジスタ ABC/3TC エプジコム インテグラーゼ阻害剤 INSTI TDF/FTC ツルバダ RAL 非核酸系逆転写酵素阻害剤 NNRTI raltegravir アイセントレス 侵入阻害剤 CCR5 阻害剤 シーエルセントリ NVP nevirapine ビラミューン MVC maraviroc EFV efavirenz ストックリン NRTI と INSTI の合剤 DLV delavirdine レスクリプター EVG/COBI/TDF/FTC elvitegravir/cobicistat ETR etravirine インテレンス RPV rilpivirine エジュラント /TDF/FTC スタリビルド ritonavir は抗 HIV 活性を有するが PI の boosting 目的に少量で併用される 小文字で表記 cobicistat は抗 HIV 活性を有さない強力な CYP3A 阻害薬で EVG の boosting 目的に併用される ⑴ DHHS ガイドライン 2013 年 2 月版 で推奨される初回療法の組み合わせ 優先療法 NNRTI ベース EFV/TDF/FTC PI ベース ATV rtv TDF/FTC DRV 1 日 1 回 rtv TDF/FTC INSTI ベース RAL TDF/FTC 妊婦の場合 LPV/rtv 1 日 2 回 AZT/3TC 代替療法 NNRTI ベース EFV ABC/3TC RPV/TDF/FTC RPV ABC/3TC PI ベース ATV rtv ABC/3TC DRV rtv ABC/3TC FPV rtv 1 日 1 回または 2 回 ABC/3TC または TDF/FTC LPV/rtv 1 日 1 回または 2 回 ABC/3TC または TDF/FTC INSTI ベース EVG/COBI/TDF/FTC RAL ABC/3TC HIV 感染症の臨床経過 抗 HIV 療法 13

17 ⑵ IAS-USA ガイドライン 2012 年 7 月版 で推奨される初回療法の組み合わせ 推奨療法 NNRTI ベース EFV/TDF/FTC EFV ABC/3TC PI ベース DRV rtv TDF/FTC ATV rtv TDF/FTC ATV rtv ABC/3TC INSTI ベース RAL+TDF/FTC 代替療法 NNRTI ベース NVP TDF/FTC または ABC/3TC RPV/TDF/FTC または RPV ABC/3TC PI ベース DRV rtv ABC/3TC LPV/rtv TDF/FTC LPV/rtv ABC/3TC INSTI ベース RAL ABC/3TC EVG/COBI/TDF/FTC ⑶ EACS ガイドライン 2012 年 11 月版 で推奨される初回治療の組み合わせ カラム A と B から一つずつ選択 推奨療法 カラム A key drug EFV RPV ABC/3TC TDF/FTC NVP TDF/FTC PI ベース ATV+rtv DRV+rtv qd LPV/rtv qd or bid ABC/3TC TDF/FTC INSTI ベース RAL TDF/FTC NNRTI ベース 代替薬剤 PI SQV rtv FPV rtv qd or bid NRTI TDF 3TC AZT/3TC 14 カラム B NRTI HIVHIV 抗 感染症の臨床経過 療法

18 ddi 3TC or FTC 他の薬剤が使用できない時のみ CCR5 inihibitor MVC 指向性検査で R5 tropic が確認された場合 ⑷ 主要な薬剤の使用上の注意事項 NRTI TDF 腎機能低下例には慎重に投与 ABC HLA-B*5701 陽性例には使用しない HIV-RNA が copies/ml を超えるま たは CVD 高リスクの患者では注意して投与 NRTI EFV 妊娠の希望がある あるいは妊娠する可能性のある女性では使用を避ける RPV HIV-RNA が copies/ml を超える または CD4 数が 200/μℓ未満の患者で は推奨しない プロトンポンプ阻害薬 PPI H2 受容体拮抗薬 制酸剤との併用で血中 濃度が低下するため PPI との併用は禁忌 他とは投与時間の調整が必要 NVP 中 重度の肝障害を有する または CD4 値が女性で 250/μℓ 男性で 400/μℓを超 える患者では使用しない PI ATV PPI H2 受容体拮抗薬 制酸剤との併用で血中濃度が低下するため 併用を避けるか 投与時間の調整が必要 INSTI EVG/COBI/TDF/FTC Ccr 70ml/ 分未満では使用しない Ccr 50ml/ 分未満に低下し たら投与中止 ⑸ 推奨されない抗 HIV 療法 推奨されない抗 HIV 療法 NRTI の単剤療法 NRTI の 2 剤併用療法 NRTI3 剤 ABC AZT 3TC or TDF AZT 3TC 以外 何れも耐性を誘導し治療失敗のリスクを高める 抗 HIV 療法の一部として推奨されない薬剤または組合わせ d4t ddi 末梢神経障害などの毒性 TDF ddi ddi の血中濃度 AZT d4t HIV に対する拮抗作用 FTC 3TC 単剤と同じ効果 Unboosted DRV または SQV 効果不良 ATV IDV 高ビリルビン血症 妊娠初期 妊娠可能な女性への EFV 催奇形性 CD4 高値 女性で 250/μℓ以上 男性で 400/μℓ以上 への NVP 急性肝障害 NNRTI 2 剤併用 副作用を高める ETR Unboosted PI ETR により PI の代謝促進の可能性 ETR boosted ATV FPV ETV により PI の代謝促進の可能性 HIV 感染症の臨床経過 抗 HIV 療法 15

19 ⑹ 1 日 1 回療法 血中または細胞内半減期の長い薬剤の開発により 1 日 1 回投与可能な薬剤のみの組み合わせ で ART を組み立てることが可能となり アドヒアランスの向上さらには患者の QOL 改善が期 待されている しかし 飲み忘れによる耐性誘導のリスクが上昇することが懸念されるため 服 薬指導が従来以上に重要となる 1 日 1 回投与が可能な薬剤 内は投与剤数 2NRTI NNRTI PI INSTI+2NRTI 1 TDF/FTC 1 EFV 1 or 3 ATV ± RTV 2-3 EVG/COBI/TDF/FTC 3-4 FPV+RTV ABC/3TC 1 RPV DRV+RTV ddi +3TC or FTC 2 LPV/RTV 4 カプセル剤 ヴァイデックス EC のみ TDF との併用時は ATV の AUC が低下するので RTV 併用が必要 1 日 1 回投与は国内では初回療法のみの適応 3 抗 HIV 薬の副作用 全ての抗 HIV 薬で副作用が報告されており 治療の変更や中止 アドヒアランスの低下の重 要な要因となっている 副作用の中には継続することで徐々に軽減するものから重篤となり死に 至るものまで様々であるが 各薬剤の副作用の種類と発現時期 その対処法について十分熟知し 患者にも投薬前に十分説明して理解を得る必要がある 以下に発現時期別に主要な副作用につい て概説する 個々の薬剤の副作用については 24 抗ウイルス薬 の項を参照 ⑴ 開始直後から出現 消化器症状 AZT TDF ddi とすべての PI EVG/COBI/TDF/FTC で悪心 嘔吐 腹痛が出現す ることがある また NFV LPV/RTV ddi では下痢の頻度が高い いずれも継続と共に軽 快することが多いので 初期は制吐剤や止痢剤などで対応する EFV による中枢神経症状 EFV の投薬により半数以上の症例で眠気 不眠 異常夢 めまい 集中力低下が出現するが 2 4 週で減弱消失することが多い 症状が持続する場合には薬剤の変更を考慮する 高ビリルビン血症 ATV と IDV の内服により高率に間接型ビリルビンの上昇が認められるが これは肝臓で グルクロン酸包合に係わる酵素を薬剤が阻害するためであり 臨床的に問題となることはほ とんど無く継続投与が可能である ⑵ 開始後数日 数週で出現 皮疹 NNRTI での発現頻度が高い PI では ATV FPV NFV DRV で発現頻度が高い 多 くは軽 中等度であるが 稀に Stevens-Johnson 症候群や中毒性表皮壊死症などの重症型薬 疹に進展することがあるため 発熱や粘膜の潰瘍を伴う場合には直ちに投与を中止する 16 HIVHIV 抗 感染症の臨床経過 療法

20 ABC による過敏症 投与から 6 週間以内に高熱を伴う皮疹 全身倦怠感 消化器症状 呼吸困難などを呈す 発症の中央値は 9 日目 発現時は全ての抗 HIV 薬を中止し ABC の再投与は禁忌である 発症と HLA-B 5701 と関連があると報告されており 日本人ではこの遺伝子型は少ないた め発症頻度は低いと考えられている NVP による過敏症 急性肝障害 発現時期は投与開始から 16 週以内で 多くは 6 週以内に出現 症状は消化器症状 黄疸 発熱 皮疹で 急速に肝壊死が進行し肝不全に至る可能性がある CD4 値が女性で 250/μℓ 以上 男性で 400/μℓ以上で有意に発現率が高いため投与は避ける 発現時は全ての抗 HIV 薬を中止する必要があるが 肝障害が進行する場合もある 再投与は禁忌である ⑶ 開始後数週 数ヶ月で出現 AZT による骨髄抑制 AZT 投与から数週から数ヶ月後で貧血や好中球減少が認められる 高度の場合は多剤へ の変更を考慮する 腎障害 TDF 投与後に腎尿細管障害が出現することがあり 多くは無症候性だがまれに急性腎不 全を生ずる場合があるため 既に腎障害のある場合は投与を避ける IDV では薬剤の結晶 により高率に腎結石を生じ さらに膿尿を伴う腎不全を合併することがあるため 予防的に 1 日に 2L 程度の水分摂取の継続が必須となる ATV でも腎結石や胆石の合併が報告されて いる EVG/COBI/TDF/FTC では COBI のクレアチニン分泌阻害作用により Ccr の低下が 生じる Ccr 50ml/ 分未満に低下したら投与を中止する 詳しくは 8-2 HIV 感染症と腎 障害 を参照 膵炎 ddi 単独投与で 1 7% に合併の報告があり d4t や TDF との併用では更に頻度が上昇 する 直ちに ddi を中止し 適切な管理を行う PI による出血傾向 すべての PI によって 特に血友病患者で出血傾向増強が認められることがある 凝固因 子製剤の使用頻度を高めるか 高頻度であれば NNRTI への変更も考慮する 免疫再構築症候群 厳密には薬剤の直接的な副作用ではないが ART による免疫回復に伴い 軽快していた 日和見感染症 OI が逆に増悪したり 新たな OI が顕在化する現象を指す ART 開始から数ヶ 月以内 多くは 8 週間以内 に発症し ART 開始前の CD4 数は通常 50/μℓ未満である 頻 度の多いものは CMV 網膜炎 MAC 感染症 結核であるが B 型や C 型肝炎の報告もあり 注意を要する ART は原則継続し OI に対する治療と NSAIDs の投与で対応するが 炎 症所見が高度であれば PSL 30 60mg/ 日の併用による過剰免疫の抑制も考慮する ART の中止を余儀なくされる場合もある ⑷ 開始後数ヶ月 数年かけて出現 乳酸アシドーシス / 肝脂肪変性 NRTI によるミトコンドリア障害が原因で 非特異的な消化器症状を前駆症状として呼吸 困難 ギランバレー症候群様の症状が進行する重篤な副作用である 発症頻度は % HIV 感染症の臨床経過 抗 HIV 療法 17

21 程度であるが 一度発症すればその死亡率は高い 理論的には全ての NRTI で起きる可能 性があるが とりわけ d4t と ddi での報告が多い AZT ではまれ 血清乳酸値 5 mm 45 mg/dl) 以上では直ちにすべての ART を中止する必要があるが 回復までは 4 48 週必要 とされる ビタミン B1 B2 などの投与が有効とする報告もある 但し 無症候性の高乳酸 血症 2 mm 18 mg/dl 以上 は 8 20% に認められるため ルーチンの測定は推奨され ない lipodystrophy/ インスリン抵抗性 / 高脂血症 ART の長期継続により引き起こされる代謝異常 体幹と内臓に脂肪は蓄積する一方で 四肢と皮下の脂肪は萎縮する 更にインスリン抵抗性と高脂血症も合併し 結果的に心筋梗 塞などの心血管イベントのリスクが高まることが報告されている 原因としては NRTI PI との関連が報告されているが その作用は各薬剤間でも異なり NRTI の中では d4t で脂 肪萎縮や中性脂肪の上昇の頻度が高く ABC ddi と心筋梗塞リスクとの関与を示す報告も ある 一方 PI では ATV は代謝への影響が少ない 治療方針は確立していないが 運動 食事療法 薬物療法 影響の少ない治療 regimen への変更などが有効とされる 詳しくは 8-3 HIV 感染症と脂質代謝異常 / 心血管障害 を参照 骨壊死 / 骨粗鬆症 ART の長期継続により % に症候性の骨壊死が合併 さらに MRI で確認され る無症候性の骨壊死は % に合併すると報告されている 多くは大腿骨頭病変を有 す アルコール 高脂血症 糖尿病 ステロイド使用 TDF 使用などの関与が疑われている 骨密度の低下は ART 導入前の HIV 感染者でも報告がある 詳しくは 8-4 HIV 感染症と 骨代謝異常 を参照 ⑸ 薬物相互作用について NNRTI と PI はすべて肝のチトクローム P450 CYP により代謝を受けるため 抗 HIV 薬 同士 または同じ CYP で代謝される薬剤との併用では相互作用が生じる可能性がある また NRTI でも同様の薬物相互作用が報告されている 代謝低下により抗 HIV 薬の濃度が上昇す れば 副作用の出現や増強が生じ 一方 代謝促進により抗 HIV 薬の濃度が低下すれば 十 分なアドヒアランスが維持できていても 治療の失敗に繋がる可能性があるため 投薬に際 しては薬物相互作用に十分な注意が必要である 薬物相互作用が疑われる場合には後述する TDM が有用である 個々の薬剤の薬物相互作用について DHHS guideline の Table 15 を参照 ⑹ ART の治療中断について 種々の抗 HIV 薬の副作用やその他の理由で ART の中断を余儀なくされる場合には 薬剤 耐性の発現を阻止するために すべての抗 HIV 薬を原則 同時に中止する 但し NNRTI の EFV と NVP は半減期が極めて長いため 同時に中止すると 事実上 NNRTI の単剤治療を行っ ていることとなり NNRTI に対する耐性変異を誘導する結果となる このため EFV と NVP 中止時には NRTI を 1 週間長く継続してから中止するか 代わりの PI を 1 週間追加投与し てから 全ての薬剤を中止する方法が推奨される ART を計画的に中止したり再開したりすることで HIV 特異的免疫反応を刺激し ウイル ス抑制能を高め 結果的に ART による長期毒性を回避する目的で計画的治療中断法 Structued treatment interruptions = STI が試みられてきたが 大規模な study である SMART study の中間解析では 治療継続群に比較し STI 群で有意に OI 発症率と死亡率が増加し 試験は中 18 HIVHIV 抗 感染症の臨床経過 療法

22 止された この結果からも 現時点では治療安定期における STI は推奨されないと考えられる 急性 HIV 感染症治療後 妊婦における ART 後の治療中断についても有益性は確立していず 現時点では推奨されない 4 特別な状況での抗 HIV 薬療法 ⑴ 急性 初期 HIV 感染症 これまで急性 HIV 感染症への治療開始は任意とされていたが 2013 年 2 月改訂の DHHS ガ イドラインでは 中程度に推奨 に変更となった 治療を開始した場合には慢性感染の治療と 同様に HIV-RNA 量を測定限界以下に到達させるのが目標となる また治療開始前の薬剤耐性 検査の実施を考慮する 薬剤耐性検査結果判明前に治療を開始する場合には 2NRTI+boosted PI で治療を開始する また原則 急性 HIV 感染症に対する ART は中止せずに継続する ⑵ 妊婦に対する抗 HIV 療法 児への感染を予防するために 基本的には CD4 数に係わらず全ての妊婦に対して治療を行う HIV 感染妊婦からの母子感染予防は 以下の 3 つの治療で構成される ① 母体に対する ART による子宮内感染の予防 ② 分娩中の AZT 点滴投与 選択的帝王切開術による産道感染の予防 ③ 人工栄養による母乳感染の予防と児に対する AZT 投与 妊婦が ART を行っていない場合で HIV の治療適応がある場合は 緊急性がない限り妊娠 14 週から AZT を含んだ ART を開始し 分娩中や出産後も継続する HIV の治療適応がない 場合でも母子感染予防の観点から妊娠 14 週から AZT を含んだ ART を開始する 分娩時は抗 HIV 療法を継続するが 出産後は治療継続の必要性を再検討する 妊娠判明以前から ART を 行なっている場合は 一般的に器官形成期の間 妊娠 14 週まで も ART を中止すべきではない 妊婦に使用する抗 HIV 薬については以下の表を参照 HIV 感染妊婦に対する抗 HIV 薬の推奨度 推奨度 NRTI 推 奨 AZT 代 替 ABC FTC TDF 代替薬がない場合 ddi のみ使用可能 データ不十分 NNRTI 3TC NVP PI その他 LPV/rtv 1 日 2 回 ATV+rtv DRV+rtv SQV+rtv d4t EFV IDV+RTV NFV RAL ETR RPV FPV +rtv MVC 具体的な治療方針については 10 妊婦 新生児の HIV の項を参照 ⑶ HIV と HBV の重複感染時の抗 HIV 療法 抗 HIV 薬の内 3TC FTC TDF は抗 HBV 活性も併せ持つ薬剤であり 3TC は単剤で HBV 治療薬としても使用される HIV/HBV 重複感染患者に HBV 治療目的に 3TC が単剤で HIV 感染症の臨床経過 抗 HIV 療法 19

23 投与された場合には 2 年で 50% に 3TC 耐性が誘導されたと報告されている このため HIV/ HBV 重複感染患者に ART を行う場合には 3TC FTC TDF を単独で含む regimen は避け TDF+FTC または TDF+3TC を NRTI 2 剤として用いることが推奨される 3TC,FTC,TDF の単剤使用が避けられない場合には ART に加えて entecavir バラクルード の併用が推 奨される Entecavir adefovir は HIV に対する活性も有し 重複感染者に単独で使用すると 薬剤耐性を誘導する可能性があるので 必ず適切な ART と併用する 治療開始時の CD4 数 が低値の場合には 免疫再構築症候群による肝炎の増悪が起きる場合がある 詳細は 8-1 HIV 感染症と肝炎 の項を参照 ⑷ HIV と HCV の重複感染時の抗 HIV 療法 HIV/HCV 重複感染患者では HCV 単独感染患者に比較し 肝炎の進行が急速であり早期 に肝硬変 肝癌への進展がみられ 主要な死因となっている このため HIV/HCV 重複感染 患者では肝疾患の進行を阻止するために より早期の ART を導入を考慮すべきである ま た CD4 数が低下していると抗 HCV 療法の有効率が低下するため CD4 数が 200/μℓ未満で は 先に ART を開始し 免疫能を回復させてから抗 HCV 療法を導入する 一方 CD4 数 が 500/μℓを超えている場合には抗 HCV 療法を先行すべきとの意見もある 現在 ペグイン ターフェロンとリバビリン RBV の併用療法が標準的な抗 HCV 療法であるが ddi や d4t は RBV との併用で乳酸アシドーシスや膵炎 急性肝不全などの重篤な副作用の報告があり また AZT は RBV による貧血が高度となる可能性があるため これらの薬剤との併用は避け ることが推奨される また HCV プロテアーゼ阻害薬である telaprevir を併用する場合も 抗 HIV 薬との相互作用に注意する必要がある 当院では HIV HCV 重複感染症診療ガイドラ イン第 5 版 2012 年 10 月改訂 を作成しており 詳細はこちらを参照 から download 可能 5 結核合併時の抗 HIV 療法 活動性結核の合併時には速やかに結核治療を開始する必要があるが 結核では ART による 免疫再構築症候群の合併頻度が高く また使用薬剤による副作用の発現頻度も高いことから 結核の治療を先行することが望ましい DHHS ガイドラインでは CD4 数が 50 未満の場合に抗 結核治療開始から 2 週以内に CD4 数が 50 以上の場合で重症と判断される場合には 抗結核 治療開始から 2 4 週以内に CD4 数が 50 以上の場合で 重症と判断されない場合には 少 なくとも 8 12 週までに ART を開始することを推奨している また結核治療に重要な薬剤 である rifampicin は CYP 誘導作用があるため 全ての PI または NNRTI と薬物相互作用を 生じる 薬物相互作用のため rifampicin の使用が困難な場合には rifabutin を選択する ま たこれらの薬剤の併用時には投与量の調整が必要であり 具体的な投与量については DHHS guideline の Table 15 を参照 具体的な治療法については 6-8 結核症 の項を参照 5 治療効果判定と薬剤変更 ⑴ 治療反応性のモニタリング HIV-RNA 量 治療開始時と開始 2 8 週後に測定する 十分な治療効果とアドヒアランスが維持されて いれば少なくとも月に 1.0 log10 コピー /ml 以上の減少が期待出来る その後は 4 8 週毎に 20 HIVHIV 抗 感染症の臨床経過 療法

24 測定し 開始 週後に検出限界以下に到達させるのが目標となる 検出限界以下に到 達したら 3 4 ヶ月毎に測定する CD4 リンパ球数 治療開始時と開始後は初期は毎月 その後は 2 4 ヶ月毎に測定する 通常は上記 HIVRNA 量と同時に測定する HIV の抑制が十分であれば通常 年に 100/μℓの割合で上昇が みられる ⑵ ART 失敗の定義 ウイルス学的失敗 HIV-RNA 200 コピー /ml 未満を維持できない 不完全なウイルス学的効果 治療開始 24 週後も 2 回連続して HIV-RNA 200 コピー /ml を超えて検出される ウイルスのリバウンド ウイルス学的抑制後に HIV-RNA 200 コピー /ml を超えて検 出される 持続性低レベルウイルス血症 HIV-RNA 1000 コピー /ml 未満で検出される ウイルスの blip ウイルス学的抑制後に HIV-RNA が一過性に検出されて 再び検出 限界以下に戻る 通常はウイルス学的失敗にはつながらない 免疫学的失敗 明確な定義はないが以下の様な場合と定義されることがある 治療開始後ある期間 4 7 年など に CD4 数がある値 350 あるい は 500/μℓ以上など まで増加しなかった場合 特定の期間で治療前よりある値 50 あるいは 100/μℓ以上など まで 増加しなかった場合 ⑶ ART 失敗時のアプローチ ART 失敗の原因を究明することが重要であり 以下の評価を行う アドヒアランス アドヒアランスが不十分な場合にはその根本的な原因 服薬方法 食事の影響など を特 定し それに対処する 可能であれば 1 日 1 回療法の様な処方の簡略化を行う 副作用 副作用が原因でアドヒアランスの低下が生じる可能性も考慮する 薬物血中濃度モニタリング Therapeutic Drug Monitorig = TDM 服薬時間の非遵守 食後投与など や薬物相互作用 遺伝学的な個体差などにより抗 HIV 薬の濃度が目標レベルに到達していないことが予想される場合に行う 本邦では 抗 HIV 薬の血中濃度に関する臨床研究 班 ホームページ を通して測 定が可能である NRTI については細胞内濃度が重要であり 細胞内濃度と血漿中濃度の関 係が確立していないが 上記研究班では TDF のみ血中濃度測定が可能である 薬剤耐性検査 ウイルス学的失敗が認められた患者において 治療方針を決定する際には 特に薬剤耐性 検査が有用である 薬剤非存在下では野生株が優勢となり 変異株が検出されなくなるため 検査は治療中または治療中止後 4 週間以内に実施する HIV-RNA が 1000 コピー /μℓ未満 では実施できないことが多い 検査の詳細については 4 HIV 薬剤耐性とその検査 の項 を参照 HIV 感染症の臨床経過 抗 HIV 療法 21

25 ART 治療歴 現在は服用していないが 過去に使用した抗 HIV 薬に対しては 薬剤耐性検査では耐性 が検出されなくても耐性株が存在している可能性があることを念頭に置く必要がある ⑷ 薬剤変更の実際 薬剤耐性が認められない場合 薬剤耐性検査のタイミングとアドヒアランス 服薬について再評価を行い この結果に基 づいて必要があれば同じ薬剤を継続するか 薬剤の変更を行うかを決定する 再投与後は早 期に薬剤耐性検査を再検する 薬剤耐性検査の結果と過去の治療歴から少なくとも二つ以上の有効な薬剤が存在する場合 少なくとも 2 種類 可能なら 3 種類 の薬剤を含んだ治療法に速やかに変更し これ以上 の耐性変異の拡大を抑え HIV-RNA を検出限界以下に到達することを目標とする 新規作 用機序の薬剤も考慮する 薬剤耐性検査の結果と過去の治療歴から二つ以上の有効な薬剤が存在しない場合 この場合の治療の目標は免疫機能を維持し 疾患の進行を防ぐことである 薬剤の変更は 行わずに 現行の治療を継続し経過観察するのが妥当である 治療の中止 短期間の中断は 疾患の進行に繋がるため推奨されない 1 種類の有効な薬剤の追加は急速な耐性の誘導を促 すため一般的には推奨されないが CD4 数が 100/μℓ未満で臨床的進行のリスクが高い場合 には 一時的な効果を期待して行われる場合がある ウイルス学的には安定だが 免疫学的に失敗した場合 免疫学的失敗への対処については一定の見解がない ウイルス量がコントロールされてい る状況で治療の変更すべきかどうかは明らかではない それまでの治療に 1 剤追加したり 更に強力な治療に変更したりすることもある HIV-2 HTLV-1 の重複感染や薬剤毒性など の評価も必要である 参考文献 1 Guidelines for the Use of Antiretroviral Agents in HIV-1-Infected Adults and Adolescents DHHS February Thompson MA et al Antiretroviral Treatment of Adult HIV infection 2012 Recommendations of the International AIDS Society-USA panel JAMA The European AIDS Clinical Society EACS guideline Version 6.1 November Recommendations for Use of Antiretroviral Drugs in Pregnant HIV-1-Infected Women for Maternal Health and Interventions to Reduce Perinatal HIV Transmission in the United States DHHS July 血液内科 藤本 勝也 HIVHIV 抗 感染症の臨床経過 療法

26 4 1 HIV 薬剤耐性とその検査 薬剤耐性 HIV とは 抗 HIV 薬剤に対する感受性が低下した HIV を薬剤耐性 HIV といい その原因は HIV ゲノム の変異にある HIV は増殖速度が非常に速くかつ複製エラーが高率 回の複製に つき 1 カ所変異する に起きるため 適切な抗 HIV 薬剤による治療が行われなければ 薬剤耐 性 HIV が出現する危険性が高い 近年では約 10% の新規未治療感染者から 何らかの薬剤に耐 性を有する HIV が検出されることから 治療変更時だけではなく初回治療開始時にも HIV 薬剤 耐性検査により適切な抗 HIV 薬剤を選択することが重要である 2 HIV 薬剤耐性検査とは ⑴ 薬剤耐性検査の特徴と意義 HIV 薬剤耐性検査とは 血液中に存在する HIV がどの薬剤に感受性があるかを評価する検 査であり 適切な治療薬選択の指標となる その意義については多くのコホート研究で薬剤耐 性検査による治療薬の選択が良い治療効果を得る上で有効であることを報告している 薬剤耐 性検査にはジェノタイプ検査 遺伝子型解析 とフェノタイプ検査 表現型解析 の 2 種類が あるが 現在ではジェノタイプ検査が主流である ⑵ ジェノタイプ検査 ジェノタイプ検査は簡便かつ比較的短時間に結果が得られることから世界中で実施されてい る検査である 薬剤はいくつかの決まったアミノ酸変異を誘導するため 変異のパターンをデー タベースや評価アルゴリズムと照合することで 耐性を示す薬剤とその耐性度を間接的に評価 することができる 具体的には血漿中 HIV より抽出した RNA を RT-nested PCR にてプロテ アーゼ 逆転写酵素 インテグラーゼ領域を増幅し DNA sequencing により塩基配列を決定 し 耐性変異アミノ酸の有無を調べる ジェノタイプ検査の結果を解釈する際には 以下の事を考慮する必要がある 1 長期間の薬剤使用により耐性変異が集積された場合 変異同士の相互作用により変異と薬 剤の対応関係が崩れ ジェノタイプ検査による評価と実際の臨床経過の間に乖離が生じる場 合がある 2 血液中に優位 約 20% 以上 に存在する HIV の耐性変異しかみることができない 3 検査可能なウイルス量の目安としては 1,000 コピー / 以上である 4 抗 HIV 薬投与中止後は野生株が増殖し 薬剤耐性 HIV の割合が減少しているため正確な 結果が得られないことがある 5 治療継続中であってもかつて投与したことがある抗 HIV 薬に対する耐性株は検出できな いことがある HIV HIV 薬剤耐性とその検査 感染症の臨床経過 23

27 3 薬剤耐性検査をいつおこなうか 薬剤耐性検査は 抗 HIV 薬剤を変更する際に有効である しかし 高額な検査であり 保険点数 6,000 点 ため 必要以上の検査の実施を防ぎ 適切なタイミングで検査を行うことが重要である 我が国のガイドラインで示された実施のタイミングを以下に示す 1 新規診断時 急性感染症例および慢性症例を含む 2 治療開始時 3 治療開始後十分な治療効果が認められない時 4 治療中薬剤耐性 HIV の出現が疑われた時 5 ウイルス学的失敗以外の理由で薬剤を変更する時 6 治療の中断と再開時 7 HIV 感染妊婦において予防投与を行う時 捕捉 1 針刺し事故など感染者血液への暴露があった場合の予防的措置 補足 2 血中 HIV RNA コピー数が 102 のレベルで持続して検出される場合 HIV 薬剤耐性検査ガイドライン ver.6 より引用 4 薬剤耐性変異の判定 判定は耐性変異と薬剤との関係が記載されている耐性変異表や薬剤耐性評価アルゴリズムを用 いた WEB での解析によりおこなう 耐性変異表には IAS-USA International AIDS SocietyUSA) が 作 成 し て い る Drug Resistance Mutations in HIV-1 WEB 解 析 に は Stanford HIV Drug Resistance Database が広く用いられている 詳細は HP IAS-USA org/ Stanford HIV Drug Resistance Database を 参 照 薬 剤 耐 性アルゴリズムは薬剤耐性検査結果の解釈を容易にするためのものであり 上記以外に The Agence Nationale de Recherche sur le SIDA ANRS や REGA が公開されている これらの アルゴリズムによる主要な耐性変異の判定はほぼ一致するが 完全には一致しないため 解釈が 困難な場合については専門医に相談することが望ましい 5 HIV 薬剤耐性検査の依頼方法 HIV 薬剤耐性検査は 2006 年 4 月 1 日より保険適用となり 抗 HIV 薬の選択および再選択の目 的で行った場合に 3 カ月に 1 回を限度として 6,000 点を算定できる 依頼は病院情報システム から行う ⑴ 依頼方法 依頼画面は 6 感染 HIV 確認検査 薬剤耐性検査 依頼種は 2 種類あり 担当医の判断で選択する ① HIV 薬剤耐性検査 保険適用 治療薬剤選択および再選択を目的とする場合 ② HIV 薬剤耐性検査 受託研究費 3 カ月に 2 回以上おこなうとき 治療選択目的以外でおこなうとき 含初診時 24 HIV 薬剤耐性とその検査 感染症の臨床経過

28 ①②いずれの依頼でも プロテアーゼ 逆転写酵素 インテグラーゼの 3 領域を解析する運用 としている ⑵ 検体採取 採血管は EDTA-2Na 紫シール栓 7 用 に 5 以上採血し 採血後はよく転倒混和する 検査室では HIV RNA 定量検査済の残余検体を検査終了後 5 年間凍結保存しているので 薬 剤耐性検査の後追い検査が可能である 保存検体で薬剤耐性検査を行いたい場合は遺伝子検査 室 内 5714 藤澤 に連絡する 必要量あることが確認できたら病院情報システムにてオー ダ入力し バーコードのみを検査室に提出する ⑶ 検査所要時間と結果参照 薬剤耐性検査には HIV RNA 量のデータが必要なため HIV RNA 定量検査を経てから検査を 実施する そのため所要時間は HIV RNA 定量検査終了後 約 10 日を要する ただし所要日 数は短縮できることもあるので 結果を急ぐ場合は遺伝子検査室 内 5714 藤澤 に連絡する 耐性判定は IAS-USA と Stanford HIV Drug Resistance Database での判定結果を採用して いる 検査結果は 2 通りの方法で参照できる ひとつは 詳細報告書 PDF 形式の電子報告書 であり 画像情報システム PACS で参照可能である もうひとつは 簡易報告であり 薬 剤ごとの耐性判定のみ Susceptible Low-level resistance Intermediate resistance Highlevel resistance Potential low-level resistance の 4 段階 を通常の検査結果報告画面で参照 することができる ウイルス量が少ないなど検査ができなかった場合には検査結果報告画面で 測定不可 の報告のみとなり 電子報告書はない 6 指向性検査 新たな抗 HIV 作用を示す薬剤として CCR5 阻害剤が使用されている HIV は標的細胞に侵入 する際に CD4 とケモカインレセプタ CCR5 CXCR4 との結合が必要であり CCR5 阻害剤 は CCR5 と結合する HIV R5 と CCR5 との結合を阻害する抗 HIV 薬剤である しかしながら CXCR4 と結合する HIV X4 ウイルス には効果がないため CCR5 阻害剤を使用する際には R5 ウイルスの感染を確認する必要がある 指向性検査はどちらのケモカインレセプタに結合す るか 指向性 を調べる検査である 今までは指向性を調べるためにはフェノタイプ検査が行わ れてきたが HIV の gp120 V3 領域を含む塩基配列から X4 指向性を評価するアルゴリズムが開 発されたことで より簡便に検査をおこなうことが可能となった しかしながら 複数の判定基 準 FPR false-positive rate が提案されていること サブタイプにより判定基準が異なるこ とから その判定には注意が必要である 本検査は保健適用ではない 2013 年 7 月現在 北海道大学院保健科学研究院 吉田 繁 検査 輸血部 藤澤 真一 HIV HIV 薬剤耐性とその検査 感染症の臨床経過 25

29 5 1 血友病患者の診療 血友病患者の病態と症状 ⑴ 先天性凝固因子欠乏症である血友病には 第 VIII 因子欠乏の血友病 A と 第 IX 因子欠乏 の血友病 B とがある 検査は APTT の延長が特徴であり 出血時間 血小板数 PT は正常 である ただし 軽症血友病の場合には APTT が正常のこともあるため注意を要する ⑵ 遺伝形式は X 染色体連鎖伴性劣性遺伝であり 原則として男性にのみ発症し 女性は保因 者になりうる 血友病男性と血友病保因者女性が結婚すると 1/4 の確率でホモ接合体の女性 血友病が生まれ 2010 年までに 38 例の報告がみられるが 全血友病患者の 1% 以下である また 遺伝形式とは無関係に単独発症する孤発例 遺伝子の突然変異 が 血友病全体の約 30% を占めるといわれる 約 10,000 人の出生に 1 人生まれ 世界中の患者数は約 40 万人と推 定される 2010 年の国内での実態調査では血友病 A あるいは血友病 B の生存患者数は それ ぞれ 4,394 人 952 人である ⑶ 血友病の重症度は凝固因子欠乏レベルによって分類され 正常人の活性と比較した凝固因子 活性の低下程度により重症度を分類している 近年 血漿 1 中に含まれる凝固因子活性を1 国際単位 IU と定義し 1 IU/ の濃度の凝固因子活性が従来の 100% に相当する 下表に 示すように 血友病における出血症状の重症度は 欠乏している凝固因子のレベルと通常は良 く相関する 重症度 重 症 中等症 軽 症 凝固因子 レベル 凝固活性が 1 未満 0.01 IU/ 未満 IU/ 5 40% IU / 出血症状 自然出血 特に関節 筋肉内出血 時に自然出血 外傷や 手術で異常出血 大きな外傷や手術で異 常出血 ⑷ 特徴的な出血症状は関節内出血であり 繰り返す出血による関節の硬直変形 血友病性関節 症 を約 80% の患者に見る その他に頭蓋内出血 筋肉内出血 血尿 外傷性出血などが重 要である これらの臨床症状は血友病 A と B に共通である 2 治療 欠乏した凝固因子の補充療法 ⑴ 標準的投与量 血友病 A の場合 第 VIII 因子製剤を 単位 / 投与する 血友病 B の場合 第 IX 因子製剤を 単位 / 投与する 商業ベースで作られた凝固因子製剤は 遺伝子組み 換え型製剤はもちろん 血漿由来製剤も全て その製造工程に人および動物由来の蛋白質が用 いられてないか ウイルス不活化工程を経ている ⑵ 定期補充療法 重症血友病では定期補充療法を始めることが推奨されている 関節内出血を起こさないよう に 週 2 3 回投与を継続する 患者が年齢を重ねて運動量が減少すれば 活動状況に合わせ て週 1 2 回の場合もある 患者の症状やライフスタイルの変化によって 定期補充療法のレ 26 HIV 感染症の臨床経過 血友病患者の診療

30 ジメも変化させる 足関節 膝関節など加重関節の出血では 凝固因子活性を高めに維持した 方がよい 最近では 青年期以降の患者に対する定期補充療法の導入で 関節症の進行や生涯 にわたる QOL の向上を示唆するエビデンスが報告されている ⑶ 手術などの緊急時の補充方法 補充療法の目安 出 血 部 位 目標とする凝固活性値 筋肉内 鼻出血 軽度の関節内出血 血尿 消化管出血 大手術 頭蓋内出血 交通事故 抜歯 通常患者体重1 あたり凝固因子1単位を輸注した場合 約 1 2 の上昇が得られる 製 剤の血中半滅期は第 VIII 因子製剤で約 12 時間 第 IX 製剤では約 24 時間である 従って大出血 大手術の場合は 血友病 A では初回に第 VIII 因子製剤を 単位 / 投与し 以後 8 時 間ごとに 1/2 量の 25 単位 / を投与しながら欠乏している凝固因子活性を 3 日間は 50 以上 に維持する 血友病 B では初回に第 IX 因子製剤を 75 単位 / 投与し 以後 12 時間ごとに 40 単位 / を投与する 3 血液製剤の副作用 ⑴ インヒビター 抗体 製剤の補充療法中に出血症状の十分な改善が得られない場合には インヒビターの存在を疑い 凝固因子に対する自己抗体を検査する必要がある 重症例で補充 療法を繰り返している患者の 5 10% にインヒビターが発生する インヒビターの発生した 場合には バイパス療法の適応を判断するため 血液専門医に紹介のこと ⑵ 血液製剤関連感染症 HIV に感染している血友病患者の 99 は HCV に重複感染している ため HIV 陽性血友病患者の場合には 必ず HCV の検査を要する HIV HCV 重複感染者 では HCV 単独感染者に比較して肝炎の進行が早いとする報告もあり HCV 陽性の場合には 消 化器内科肝臓グループ へ紹介し その病態を把握し治療の有無について検討する HIV 感 染症と肝炎の章を参照 4 予防接種 出血傾向を持つ患者も予防接種を受けるべきである 筋肉内注射でなく 皮下注射で受けるべ きである HIV 感染者は 生ワクチンは避けるべきである また HIV 感染者は 肺炎球菌ワ クチンや毎年のインフルエンザワクチンを受ける必要がある 5 包括医療 整形外科血友病関節外来の利用 血液専門医 小児科医 整形外科医 リハビリテーション医 看護師 理学療法士 臨床心理 士 ケースワーカー カウンセラーなどとの協力で 医療チームとしての包括医療が必要である 特に血友病性関節症 関節拘縮 血友病性偽腫瘍に関する診療は 整形外科血友病外来 との 連携により より専門的観点からの診療が可能である HIV 血友病患者の診療 感染症の臨床経過 27

31 社会福祉関連の利用について 6 血液製剤により HIV に感染し 健康被害を受けた方の救済等については HIV 相談室に資料 があるので 相談室の MSW に連絡し 内線 7025 適切な救済法の検討が可能である 80 歳 90 歳と血友病患者が年齢を重ねた場合 自己注射を継続出来るのかという問題がある 欧米の ように 血友病専門の看護師が定期的に患者の自宅を訪問するようなシステムも検討する必要が ある 7 プロテアーゼ阻害剤等使用による出血傾向の増悪症状について HIV 治療目的で投与されるプロテアーゼ阻害剤等による 出血傾向の増悪が報告されている 詳細は未だ明らかではないが それまで出血を認めなかった部位における出血の報告もあり プ ロテアーゼ阻害剤等使用開始後に血液製剤の使用頻度が高くなった場合には 薬剤変更や減量も 検討する必要がある 報告されているほとんど 平均で投与開始後 22 日に発症 は関節内出血 や軟部組織の出血だが一部には重篤な頭蓋内出血や消化管出血もあるため 製剤の使用頻度が多 くなっているような症例にはプロテアーゼ阻害剤等の影響を十分に考慮する必要がある 参考文献 1 血友病 今昔 日本臨床 血液凝固異常症全国調査 エイズ予防財団 UKHCDO guideline approved by BCSH Br J Haematol Guidelines for the use of antiretroviral agents in HIV-1-infected aduilts and adolescents 成人血友病患者におけるこれからの治療 血液フロンティア 血友病治療の最前線 血液フロンティア HIV HCV 重複感染患者さんの手引き 第 5 版 北海道大学病院 HIV HCV 重複感染症診 療委員会 HIV 感染症 治療の手引き 第 16 版 HIV 感染症治療研究会 血液内科 橋野 聡 HIV 感染症の臨床経過 血友病患者の診療

32 6 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 6-1 症候による診断手順 J.G Bartlett の Medical Management of HIV Infection を翻訳したものである ⑴ 中枢神経 CNS 症状 頭痛 局所徴候 痙攣 精神症状 居所徴候なし CD4 200/ 髄膜刺激症状なし 発熱 髄膜刺激症状 局所徴候なし 髄液 CSF 検査 クリプトコッカス抗原 髄液 血液 造影 CT or MRI 本稿⑵参照 発熱あり 発熱なし 副鼻腔炎 他の感染症 FUO の鑑別 本稿⑹参照 副鼻腔炎 他の頭痛 片頭痛 筋緊張性頭痛等 の鑑別 診断確定 診断不確定 診断確定 治療 造影 CT or MRI 治療 本稿⑵参照 CSF 所見 蛋白 ± WBC 以下を考慮 結核 神経梅毒 トキソプラスモーシス 悪性リンパ腫 HIV 無菌性髄膜炎 正常 CSF クリプトコッカス 抗原陽性 造影 CT or MRI 治療 本稿⑵参照 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 症候による診断手順 HIV 感染症の臨床経過 29

33 ⑵ HIV 感 染 進 行 期 精 神 症 状 ( 性 格 変 化 ) 痙 攣 頭 痛 または 局 所 徴 候 トキソプラズマ 抗 体,STD 検 査 血 清 クリプトコッカス 抗 原 造 影 CT or MRI 多 発 造 影 病 変 あり トキソプラズマ 非 典 型 病 変 異 常 所 見 なし トキソプラズマ 脳 炎 の empiric treatment 脳 室 周 囲 病 変 急 性 発 症 髄 液 検 査 で CMV の 所 見 があれば CMV 治 療 その 他 髄 液 検 査 髄 液 一 般 細 胞 診 神 経 梅 毒 結 核 クリプトコッカス 抗 原 PCR(トキソプラズマ HSV VZV CMV JCV EBV) 2 週 間 以 内 の 臨 床 症 状 or MRI 所 見 の 改 善 なし 脳 生 検 病 理 組 織 PML の 場 合 JCV の 蛍 光 抗 体 染 色 ウイルス 培 養 (CMV HSV) など PML の 場 合 ART 開 始 30 HIV AIDS 感 関 染 連 症 の 候 臨 群 床 (ARC)の 経 過 診 断 と 治 療 ~ 症 候 による 診 断 手 順 ~

34 ⑶ 咳 嗽 発 熱 呼 吸 困 難 正 常 X 線 所 見 異 常 X 線 所 見 CO 拡 散 能 <80% PaO2 <80mmHg LDH 上 昇 Ga シンチ 集 積 間 質 性 陰 影 気 胸 その 他 正 常 異 常 喀 痰 採 取 Chest tube PCP 治 療 (empiric) 次 ページへ PCP 陽 性 TB 陽 性 Cryptococcus 陽 性 陰 性 or 採 取 不 能 PCP 治 療 (empiric) 鑑 別 診 断 副 鼻 腔 炎 気 管 支 炎 結 核 M. AVium Cryptococcus 治 療 気 管 支 鏡 反 応 無 し CMV アンチゲネミア 陽 性 PCP No PCP TBLB CT Ganciclovir 治 療 AIDS 関 連 症 候 群 (ARC)の 診 断 と 治 療 ~ 症 HIV 候 による 感 染 症 診 の 断 臨 手 床 順 経 ~過 31

35 異 常 X 線 所 見 ( 続 き) 胸 水 局 所 浸 潤 影 結 節 影 / 空 洞 病 変 喀 痰 TB 塗 末 3 胸 水 採 取 塗 末 培 養 ( 細 菌 + 抗 酸 菌 ) 肺 実 質 病 変 の 確 認 急 性 血 液 培 養 喀 痰 塗 末 培 養 ( 細 菌 ±レジオネラ) 慢 性 喀 痰 塗 末 培 養 ( 細 菌 + 抗 酸 菌 +ノカルジア+ 真 菌 静 注 薬 物 使 用 No Yes 血 液 培 養 陰 性 確 定 診 断 診 断 不 定 確 定 診 断 診 断 不 定 確 定 診 断 診 断 不 定 陽 性 治 療 胸 膜 生 検 治 療 抗 菌 剤 投 与 PCP 治 療 (empiric) 治 療 気 管 支 鏡 ±TBLB 治 療 陽 性 陰 性 治 療 画 像 評 価 32 HIV AIDS 感 関 染 連 症 の 候 臨 群 床 (ARC)の 経 過 診 断 と 治 療 ~ 症 候 による 診 断 手 順 ~

36 ⑷ 急 性 下 痢 薬 剤 食 事 精 神 面 の 評 価 CD4>300/mm 3 CD4<300/mm 3 vancomycin 陽 性 metronidazole 抗 生 物 質 使 用 歴 (3 週 以 内 )あり なし CD チェック 陰 性 軽 症 下 痢 経 過 観 察 重 症 下 痢 下 痢 の 持 続 発 熱 血 便 体 重 減 少 脱 水 下 痢 持 続 重 症 下 痢 軽 症 下 痢 下 痢 の 持 続 発 熱 血 便 体 重 減 少 脱 水 脱 水 なし 発 熱 なし 体 重 減 少 なし 水 様 便 なし 経 過 観 察 (± 止 痢 剤 ) 便 培 養 便 鏡 検 抗 酸 菌 検 査 血 液 培 養 CD チェック 下 痢 持 続 診 断 確 定 No Yes 大 腸 内 視 鏡 腹 部 CT 治 療 便 鏡 検 Fecal leukocytes 便 培 養 :Salmonella Shigella,C.jejuni, Aeromonas,Vibrio 診 断 確 定 No No Yes 陰 性 陽 性 治 療 経 過 観 察 大 腸 内 視 鏡 腹 部 CT 経 過 観 察 治 療 下 痢 の 持 続 AIDS 関 連 症 候 群 (ARC)の 診 断 と 治 療 ~ 症 HIV 候 による 感 染 症 診 の 断 臨 手 床 順 経 ~過 33

37 ⑸ 慢 性 下 痢 (CD4<300/mm 3 ) 原 因 薬 剤 の 除 外 血 液 培 養 ( 一 般 細 菌 抗 酸 菌 ) 便 検 査 ( 培 養 鏡 検 抗 酸 菌 検 査 CD チェック Microsporidiaassay) 便 培 養 Salmonella Shigella C.jejuni 抗 生 剤 投 与 CD チェック 陽 性 metronidazole or vancomycin M. avium 陽 性 治 療 Isospora Cyclosporia E.histolytica Giardia 抗 生 剤 投 与 Microsporidia Cryptosporidium Fumagillin,Albendazole paromomycin CD4<100 であれば ART Blastocystis hominis 便 検 査 陰 性 metronidazole 内 視 鏡 検 査 症 状 持 続 悪 化 あり 痙 攣 性 症 状 発 熱 膿 性 便 血 便 なし 下 部 消 化 管 内 視 鏡 上 部 消 化 管 内 視 鏡 生 検 :HE 染 色 Giemsa 染 色 CMV 染 色 診 断 がつかないとき 生 検 :HE 染 色 Giemsa 染 色 CMV 染 色 EM:Microsporidia の 確 認 小 腸 液 吸 引 定 量 培 養 34 HIV AIDS 感 関 染 連 症 の 候 臨 群 床 (ARC)の 経 過 診 断 と 治 療 ~ 症 候 による 診 断 手 順 ~

38 ⑹ 不 明 熱 (FUO) 顆 粒 球 減 少 (<500/mm 3 ) なし 局 所 所 見 あり あり なし 抗 生 剤 +G-CSF 投 与 熱 型 の 確 認 と 原 因 薬 の 除 外 下 痢 呼 吸 器 症 状 頭 痛 ± 神 経 症 状 or 髄 膜 刺 激 症 状 本 稿 ⑷ ⑸ 本 稿 ⑶ 本 稿 ⑴ ⑵ 初 期 検 査 CBC 生 化 学 尿 検 査 血 液 培 養 結 核 抗 酸 菌 検 査 血 清 クリプトコッカス 抗 原 胸 部 X 線 血 液 ガス 分 析 IV ルート 血 液 培 養 ルート 抜 去 抗 生 剤 投 与 軟 部 組 織 の 炎 症 組 織 検 査 CT リンパ 節 腫 脹 リンパ 節 生 検 腹 痛 肝 機 能 検 査 CT 初 期 検 査 異 常 1. 血 球 減 少 骨 髄 穿 刺 生 検 2. 胸 部 XP 異 常 or 低 酸 素 血 症 本 稿 ⑶ 3.クリプトコッカス 抗 原 陽 性 腰 椎 穿 刺 4. 肝 機 能 異 常 CT echo ERCP 肝 炎 ウイルス 検 査 肝 生 検 5. 非 抗 酸 菌 検 出 治 療 2 次 検 査 1. 尿 喀 痰 の TB 培 養 2. 胸 部 頭 部 腹 部 CT 3. 尿 血 液 ヒストプラスマ 抗 原 4. 脳 脊 髄 液 検 査 5. 副 鼻 腔 歯 科 領 域 の 検 索 6.ガリウムシンチ 7. 骨 髄 穿 刺 生 検 AIDS 関 連 症 候 群 (ARC)の 診 断 と 治 療 ~ 症 HIV 候 による 感 染 症 診 の 断 臨 手 床 順 経 ~過 35

39 参考文献 1 Bartlett JG et al Medical Management of HIV Infection Edition Published by Johns Hopkins Medicine Health Publishing Business Group Bartlett JG et al Medical Management of HIV Infection th Edition Published by Johns Hopkins University School of Medicine 2009 血液内科 遠藤 知之 HIV 感染症の臨床経過 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 症候による診断手順

40 6-2 カンジダ症 カンジダは口腔内 消化管に常在し通常は病原性を発揮しない しかし HIV 感染後の免疫 不全状態で CD4 陽性リンパ球が 200/μℓ未満の患者では 多臓器に渡る深部 肺 心内膜 脳 髄膜 腎 眼など 及び表在性 口腔 食道 胃 腸 膣 気管支 皮膚など 感染症の原因と なりうる HAART 療法導入後 発症頻度は以前に比較して著明に減少した HIV 感染者にお いては 粘膜カンジダ症が多く 播種性感染はまれである 侵襲性カンジダ症は患者転帰に重大 な影響を及ぼすとともに 医療費増加の大きな原因となるので 診断後速やかに治療する カン ジダ症は ニューモシスチス肺炎に次いで AIDS 発症指標疾患の第二位であるため 日常診療に おいては注意深い問診と身体所見の観察が必要である 1 臨床症状 感染臓器により異なる ⑴ 消化管 本邦の HIV 患者の約 50% に合併する 口腔咽頭カンジダ症 紅斑を伴う白斑 白苔 初発症状に多い 白苔は舌圧子などで容 易に除去出来る 口角炎や舌炎を来すこともある HIV 感染者に併発する日和見感染症と して最も頻度が高い 味覚異常を来すこともある 食道カンジダ症 嚥下痛 嚥下困難 胸焼け 胸骨下痛 無症状のこともある ⑵ 呼吸器 気管支炎カンジダ症 咳 痰を伴う慢性気管支炎 肺炎 肺膿瘍に移行することもある ⑶ 腎 尿路系 腎盂腎炎 発熱 側背部痛 膀胱炎 頻尿 血尿 膣カンジダ症 外陰や腟の掻痒感や灼熱感 白色帯下 免疫能の低下とはあまり関連がな く 免疫能が十分に保たれている HIV 患者にも見られる ⑷ 心内膜炎 発熱 心雑音 脾腫を認め 血栓塞栓症を合併しやすい ⑸ 髄膜炎 脳炎 頭痛 項部硬直 うっ血乳頭 神経症状 ⑹ 敗血症 悪寒 高熱 ショック症状 ⑺ カンジダ性眼内炎 高度の視力障害 2 診断方法 ⑴ 主として Candida albicans による感染症で 分離培養検査で診断する 分離されても そ れが病因であると診断できない場合が多い 分離同定後 追加で抗真菌剤の感受性試験 MIC の測定 が院内検査 輸血部で施行可能 臓器別診断法 口 腔 内 発赤と白苔を確認し KOH 処理で鏡検する 毛状白板症と異なり 白苔は容易 に剥離できる 食 道 内視鏡検査で 孤立性または融合性びらんと 粘膜面のクリーム状の白苔を認め AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 カンジダ症 HIV 感染症の臨床経過 37

41 る 白苔表面に潰瘍形成を認めることもある 胃 偽膜形成や多発性小潰瘍を認め 生検にてカンジダ菌を証明 呼 吸 器 口腔内常在菌のため 喀痰にての検出のみでは不十分で TBLB なども時に必要 腎 尿路系 膀胱鏡下生検や 腎生検 膿汁吸引が必要な場合がある 中枢神経系 髄液検査にてカンジダの証明 敗 血 症 血液培養で診断するが 50% は陰性である 眼 内 炎 眼底検査で 硝子体に綿球様変化 ⑵ カンジダ抗原検査 院内で可能 カンジテック ⑶ β-d グルカン 院内で可能 カンジダ感染に特異的ではなく 他の真菌感染症やニューモ シスチス肺炎等でも上昇する 3 治療法 フルコナゾール耐性の C.albicans や non-albicans Candida 属 C.glabrata, C.krusei など が 問題になりつつあり 注意が必要である ⑴ 口腔 食道炎などの表在性感染症 口腔内では 7 14 日間投与 食道では 日間投与 1 フルコナゾール 100 /1 内服または静注 400 まで増量あり 2 アムホテリシン B シロップ を含んだ滅菌水含嗽液 1 日 3 4 回 のうがい 保 険適応外 3 クロトリマゾール トローチ 10 5T/5 HIV 感染における口腔カンジダ症 軽症 中等症 にのみ保険適応 4 イトラコナゾール内用液 /1 口腔 咽頭 食道にも直接作用し 主とし て消化管から吸収 薬剤性胃腸障害で服用継続が困難な場合もある 口腔咽頭カンジダ症は 抗真菌薬投与により速やかに改善するが 再発率は高い サイトメガロウイルス食道炎やヘルペスウイルス食道炎などは 食道カンジダ症と似た症状を 呈することがあり 合併していた場合に カンジダの白苔により潰瘍病変などがマスクされてし まうことがある 食道カンジダ症に対する抗真菌薬投与により症状が改善しない場合は 他の原 因による食道炎や耐性カンジダを疑って 内視鏡検査や培養検査の提出を考慮する必要がある ⑵ 呼吸器感染症 カンジダ血症などの深部感染症 1 アムホテリシン B リポソーム製剤 2.5 / /day 点滴静注 5 / /day まで増量あり アムホテリシン B と同等の有効性を有し アムホテリシン B より腎機能障害 低カリウム 血症 発熱などが少ない 2 フルコナゾール /1 内服またはホスフルコナゾール 100 /day 点滴静注 1 日 1 回 400 /day まで増量あり Loading dose として初日と 2 日目は維持用量の倍量を 投与 時に不整脈 3 ボリコナゾール /2 食間内服 Loading dose として初日は 600 /2 食間 内服 または 3 4 / 点滴静注 1 日 2 回 Loading dose として初日は 6 / 点滴静注 1 日 2 回 時に副作用で羞明 霧視 視覚障害 4 ミカファンギン /1 点滴静注 38 HIV 感染症の臨床経過 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 カンジダ症

42 深在性カンジダ症または難治性カンジダ症に対してイトラコナゾールやボリコナゾールを長期間 4週間以上 投与している患者では 薬物血中濃度モニタリングが有用である 特にイトラコ ナゾールでは患者間の血中濃度の変動が大きい イトラコナゾールの血中濃度の測定は必ず定常 状態到達後 投与開始から 2 週間以上 に行うべきである 血中濃度を測定することで 十分吸 収されているかどうかを確認するとともに 用量変更の影響や相互作用を有する併用薬の影響を 調べ アドヒアランスも評価すべきである また 定期的な肝機能のモニタリングも行われるべ きである 4 予 防 一次予防として フルコナゾールは進行期患者における粘膜カンジダ症の発症リスクを減らす という報告がある しかし 粘膜カンジダ症で致死的になることは極めて稀であり 治療に対す る反応もよく また薬剤耐性化や菌種交代の危険性もあるため ルーチンの予防投与は推奨され ない 同様の理由から 粘膜カンジダ症に対する二次予防も推奨されていないが 反復性あるい は重症カンジダ症の場合に フルコナゾールの二次予防内服 口腔内カンジダ症では 100 /1 内服を連日または週 3 回 食道カンジダ症では mg/1 内服を連日 を行うこともある 長期のアゾール内服の場合や CD4 陽性リンパ球が 50/μℓ未満の進行期患者では特に 耐性化に 注意を払う必要がある 参考文献 1 治療学 HIV 感染症 日本臨床 HIV/AIDS 研究の進歩 Medical management of HIV infection 4 HIV 感染症とその合併症 診断と治療のハンドブック HIV 研究班 The Sanford guide to HIV/AIDS therapy 日本化学療法学会 一般医療従事者のための深在性真菌症に対する抗真菌薬使用ガイドライ ン Clin Infect Dis カンジダ症 プライマリ ケア医が出会う HIV/AIDS Guidelines for the Prevention and Treatment of Opportunistic Infections in HIV-Infected Adults and Adolescents 血液内科 吉田 美穂 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 カンジダ症 HIV 感染症の臨床経過 39

43 6-3 1 クリプトコックス症 概 説 HIV に関連したクリプトコックス症の多くは Cryptococcus neoformans という酵母状真菌に よるもので 播種性疾患であることが多い 全ての臓器に発症する可能性があるが 特に亜急性 の髄膜炎 / 髄膜脳炎が多く 肺疾患や皮膚病変もみられる この真菌は環境中に広く存在し 鳥 糞の豊富な土壌で増殖しやすい 乾燥した C. neoformans は微粒子となって空中に広がり 経気 道感染をおこす 免疫能の正常な患者では 感染は局所的にコントロールされるが CD4 陽性 リンパ球が 100/μℓ未満である HIV 患者では 肺を通って侵入した後に全身に播種し 髄膜炎を 合併することが多い このため HIV 患者で肺病変を認めた場合には 例え無症状であっても血液 髄液の検索が必要となる 治療が行われない場合の死亡率は 100% であるが 適切な治療が行わ れた場合の死亡率は 10% 以下である 未治療の HIV 感染者が クリプトコックス髄膜炎 / 脳髄 膜炎で AIDS 発症することもあり 成人の非細菌性髄膜炎ではクリプトコックス症も鑑別にあげ る必要がある 2 臨床症状 ⑴ 肺クリプトコックス症 発熱 咳嗽 呼吸困難 体重減少などの非特異的な症状を呈するのが一般的だが 無自覚に 経過することも多い ときに急性呼吸促迫症候群を発症し ニューモシスチス肺炎の症状に類 似することがある ⑵ クリプトコックス髄膜炎 / 髄膜脳炎 初発症状は軽度の頭痛 発熱 倦怠感である 意識障害にて救急搬送されることも多い 頚 部硬直や羞明などの古典的な髄膜症状および徴候がみられるのは 4 分の 1 3 分の 1 の症例に すぎず 傾眠や精神作用の変容 人格変化 記憶喪失などの頭蓋内圧亢進による症状を呈する 場合もある 精神症状 髄液圧の上昇がある症例では有意に予後不良と報告されている ⑶ 皮膚症状 本症の 10% 以下にみられる 病変は伝染性軟属腫様の の肌色 または白色 の 丘疹で 顔面に多発することが多い 膿疱病変 潰瘍病変を呈することもある 3 診断方法 鏡検 培養検査法と クリプトコックス抗原検出による血清学的診断法 菌体夾膜多糖体の主 要成分であるグルクロノキシロマンナンをラテックス凝集反応で検出する がある 後者は結果 が判明するまで 2 4 日間かかる クリプトコックス ネオフォルマンス抗原 ラテックス凝集 法 血清クリプトコックス抗原は髄膜炎症例 その他播種性感染においてほぼ必ず陽性となり 症状が顕在化する数週 数ヶ月前に陽性を示すことがある そのため 血清クリプトコックス抗 原が陽性であった場合には 髄膜炎を除外するために髄液検査が行われるべきである 40 HIV 感染症の臨床経過 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 クリプトコックス症

44 ⑴ 肺クリプトコックス症 喀痰の鏡検 培養で本菌を確認できる頻度は低く 本症を疑うときは BAL 気管支肺胞洗浄 や TBLB 経気管支肺生検 を施行する 胸部 X 線では中下肺野 胸膜直下に直径 2 3 の 孤立結節影が認められることが多い 空洞形成 多発結節影 浸潤影 粟粒陰影 リンパ節腫 脹が認められる場合もある ⑵ クリプトコックス髄膜炎 / 髄膜脳炎 髄液所見として圧の上昇 60 80% で 250 H2O 以上 リンパ球優位の髄液細胞増多 蛋白の軽度増加 糖の正常 軽度減少などが認められる しかし 髄液細胞数増多がみられな い あるいは軽度上昇にとどまる症例も多いため 特に HIV 感染の診断前には誤診されやすい グラム染色または墨汁染色にてしばしば多数の酵母が観察される 墨汁染色では 60 80% の 症例で陽性となる HIV に関連したクリプトコックス髄膜炎患者では 55% で血液培養陽性 95% で髄液培養陽性を示す また 髄液および血清クリプトコックス抗原はほぼ全例で陽性 となる 早期治療が予後に大きく影響するため 本症を疑う場合は培養検査の他に 髄液墨汁 染色とクリプトコックス抗原 血清 and/or 髄液 を提出する ⑶ 皮膚病変 皮膚生検の組織診と培養で診断する 4 治療法 クリプトコックス症の治療は 導入療法 地固め療法 維持療法から成る クリプトコックス 髄膜炎および肺外クリプトコックス症の導入療法の第一選択薬は Liposomal amphotericin B ア ンビゾーム と Flucytosine アンコチル の併用 または Amphotericin B ファンギゾン と Flucytosine の併用である 特に腎機能障害を伴う患者や腎不全を生じる可能性が高い患者に は Liposomal amphotericin B の使用を検討すべきである また Flucytosine による骨髄抑制 や消化器毒性を防ぐため 血中 Flucytosine 濃度を測定して用量調節を適切に行う必要がある 髄液圧亢進が持続する場合は予後不良であるため 積極的に圧を低下させる処置が推奨される 少なくとも 2 週間にわたる導入療法が奏効し 臨床症状の改善と髄液培養での陰性が得られた場 合には Fluconazole ジフルカン による地固め療法を最低 8 週間は行い 続いて維持療法 を行う 症状が軽度から中等度の肺クリプトコックス症では Fluconazole による治療と ART の併用 が一般的である 導入療法 少なくとも 2 週間投与 推奨療法① Liposomal amphotericin B 3 4 / /day 点滴 Flucytosine 100 / /day/4 内服 推奨療法② Amphotericin B / /day 点滴 0.25 / から開始して漸増 Flucytosine 100 / /day/4 内服 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 クリプトコックス症 HIV 感染症の臨床経過 41

45 代替療法① Liposomal amphotericin B 3 4 / /day 点滴 または Amphotericin B / /day 点滴 Fluconazole /day 内服または点滴 代替療法② Liposomal amphotericin B 3 4 / /day 点滴単独 代替療法③ Fluconazole /day 内服または点滴 Flucytosine 100 / /day/4 内服 頭蓋内圧亢進の管理 微生物学的効果が得られても 頭蓋内圧亢進により臨床症状が悪化することがあり 初回の 髄液圧が 250 H2O 以上の場合にはその可能性が高い 治療開始 2 週以内の死亡例の 93% 3 10 週以内の死亡例の 40% が 頭蓋内圧亢進に関連するという報告がある 頭蓋内圧をコントロー ルするためには 腰椎穿刺が推奨され 症状や徴候が改善するまで 連日 髄液圧が半減する量 通 常は の髄液を抜く方法もある 治療抵抗性または連日の腰椎穿刺に耐えられない場 合には持続ドレナージまたは V-P シャントを考慮する 地固め療法 導入療法後 臨床症状の改善および髄液培養陰性を確認する 少なくとも 8 週間投与 推 奨 療 法 Fluconazole 400 /day 内服または静注 代 替 療 法 Itraconazole 400 /day/2 内服 維持療法 ART が施行されて 3 カ月以上 CD4 陽性リンパ球が 100/μℓ以上であり ウイルス量が測定感 度以下を維持し 初期治療が奏効した後にアゾール系抗真菌薬による維持療法を少なくとも 1 年間行った患者では 維持療法を中止するのが妥当と考えられる CD4 陽性リンパ球が再び 100/μ ℓ未満に低下した場合は 二次予防投与を再開すべきである 推 奨 療 法 Fluconazole 200 /day 内服 少なくとも 1 年間投与 肺クリプトコックス症 腰椎穿刺を施行し髄膜炎の合併を否定する必要がある 推 奨 療 法 Fluconazole 400 /day 内服 12 カ月間投与 ART 開始時期と免疫再構築症候群 クリプトコックス髄膜炎患者における適切な ART 開始時期については未だ一定の見解が得 られていない 重症クリプトコックス症の患者 特に頭蓋内圧亢進がみられる患者では 導入 療法 最初の 2 週間 終了まで あるいは導入 地固め療法 10 週間 終了まで ART 開始を 42 HIV 感染症の臨床経過 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 クリプトコックス症

46 遅らせることが賢明と考えられる クリプトコックス髄膜炎を生じた HIV 感染者の 30% に ART 開始後または再開後に免疫再構築症候群 IRIS が生じると推定される IRIS を生じる 患者は 抗レトロウイルス薬を投与されたことがなく HIV RNA 量が高値 髄液の炎症所見 は弱いことが多い IRIS への適切な対応は ART および抗真菌薬治療を継続し 頭蓋内圧亢 進を是正することである 重症の IRIS 患者に対して 糖質コルチコステロイドの短期投与を 推奨する専門家もいる 5 感染予防 クリプトコックスは自然界に広く存在し 限られた疫学研究のエビデンスでは 鳥糞への暴露 が感染リスク上昇につながることが示唆されている クリプトコックス症の発症は比較的少なく 予防が生存率には寄与しないこと 薬剤相互作用 薬剤耐性化の危険性などから 原則的には抗 真菌剤の一次予防投与は推奨されないが CD4 陽性リンパ球が 100/μℓ未満の患者で 他の真菌 症の予防も必要と考えられる場合には Fluconazole /day の予防内服を行う 参考文献 1 Spach DH Hooton TM 矢野邦夫監訳 HIV マニュアル 日本医学館 Bartlett JG et al Medical Management of HIV Infection 2007 Edition Published by Johns Hopkins Medicine Health Publishing Business Group Saag MS et al Practice guidelines for the management of cryptococcal disease Infectious Diseases Society of America Clin Infect Dis Benson CA et al Treating Opportunistic Infections Among HIV-Infected Adults and Adolescents Recommendations from CDC the National Institutes of Health and the HIV Medicine Association/Infectious Diseases Society of America MMWR Recomm Rep 53 RR Kaplan JE et al Guidelines for preventing opportunistic infections among HIV-infected persons-2002 Recommendations of the U.S Public Health Service and the Infectious Diseases Society of America MMWR Recomm Rep 51 RR 厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV 感染症の医療体制の整備に関する研 究班編 診断と治療ハンドブック 第二版 2006 年 3 月改訂版 7 Sunqkanuparph S et al Cryptococcal immune reconstitution inflammatory syndrome after antiretroviral therapy in AIDS patients with cryptococcal meningitis a prospective multicenter study Clin Infect Dis Guidelines for the Prevention and Treatment of Opportunistic Infections in HIV-Infected Adults and Adolescents 血液内科 吉田 美穂 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 クリプトコックス症 HIV 感染症の臨床経過 43

47 6-4 1 クリプトスポリジウム症 概 説 クリプトスポリジウム症は Criptosporidium C parvum 他 の感染によって 激しい水溶性 下痢と腹痛をきたす原虫感染症である この原虫は 多くの哺乳類の小腸に寄生し 糞便といっしょ にオーシストと呼ばれる形で体外へ排出され 他の個体へ飲料水や食品を介して経口感染する HIV 感染者で CD4 陽性リンパ球数が低下している場合に 持続性で強い下痢を起こし 難 治性である場合にはイソスポラ症と本症を疑う 免疫不全状態の患者では 下痢が長期間持続し て死亡することも稀ではない 2 臨床症状 潜伏期間は 4 10 日 激しい水溶性の下痢と嘔吐 腹痛が主症状で 約 1/3 で発熱を伴う 血便はない 免疫能が正常であれば大半は 1 2 週間で自然治癒するが 免疫不全患者では 下 痢が長期間持続し 吸収不全による低栄養 消耗 体重減少を伴って死に至ることも少なくない AIDS 患者での病像パターンは不顕性感染 4% 2 ヶ月以内に自然軽快する下痢症 29% 2 ヶ 月以上持続する慢性下痢症 60% 1 日 2L 以上に及ぶ致死的下痢症 8% と報告されている また 免疫不全患者では 慢性的腸症状に加えて胆嚢 胆管炎 膵炎 呼吸器症状を併発するこ ともある 3 診断方法 糞便虫のオーシストの検出で診断する クリプトスポリジウムのオーシストは 4 6 μm と小型 である 通常の原虫 虫卵検査法では検出できず 簡易迅速ショ糖浮遊法 ショ糖遠心沈殿浮遊 法により集オーシストを行った後に 抗酸染色法 直接蛍光抗体法などで検出する そのため本 症を疑った場合には クリプトスポリジウム症疑い と明記して検体を提出する必要がある また 原虫は便中 腸管粘膜などに付着し 間欠的に便に出るため 特に軽症例では複数回の検査が必 要である 腸生検の HE 染色標本でも診断可能である なお クリプトスポリジウム症は感染症 法による第 5 類感染症に指定されており 診断後 7 日以内に保健所への届け出が必要である 4 治療法 現在 このクリプトスポリジウム症に対して確実に奏効する薬剤はないことから 輸液など の対症療法で脱水症状の改善や栄養補給を図ることが中心となる CD4 数 100/μℓ以下で 下 痢が持続する場合には ART により免疫力を回復させることで症状の改善が期待できるため HIV 患者では本症の初期治療として ART の開始を第一に考慮すべきである 治療薬として は MAC 予防の Rifabutin や clarithromycin がクリプトスポリジウム症予防に有効という報告 もあるが 否定的な報告もあり有効性は確立されていない Paromomycin アメパロモ や Azithromycin ジスロマック がある程度有効とする報告もあるが 否定的な報告もあり有効 44 HIV 感染症の臨床経過 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 クリプトスポリジウム症

48 性は確立していない Paromomycin アメパロモ は 国内未販売薬でったが 2013 年 4 月 より国内で腸管アメーバ症への治療薬として販売されている Nitazoxanide Alinia は 成 人と小児を対象とした複数の臨床試験で有効性が確認されており 現在 米国 FDA により 1 歳以上の小児 成人に認可されている 但し Nitazoxanide Alinia の免疫抑制患者に対す る有効性の Meta-analysis では HIV 陽性免疫抑制患者に対する有効性は確認されなかった Nitazoxanide は国内で販売されていないが 熱帯病 寄生虫症に対する稀少疾病治療薬の輸 入 保管 治療体制の開発研究 班から入手可能である parasitology/orphan/index.html 処方例① Nitazoxanide 1 2 g /2 14 日間内服 処方例② Paromomycin 2000 / 日間内服 処方例③ Paromomycin 2000 /2 Azithromycin 600 1T/1 上記 2 剤を 4 週間内服した後 Paromomycin 単独でさらに 8 週間内服 処方例④ Azithromycin 600 初日のみ 4T/2 その後 2T/1 で 27 日間内服した後 1T/1 で内服 5 感染予防 クリプトスポリジウムのオーシストは 水中では低温で長期間生存し 塩素消毒にも抵抗性で あるが 熱や凍結には弱いため 食中毒予防の一般的な原則がクリプトスポリジウムの感染予防 にも役立つとされている 水道水のクリプトスポリジウムによるエイズ患者等の感染防止対策に ついて 平成 9 年 8 月 厚生省保健医療局エイズ疾病対策課から 下記の文書が各ブロック拠点 病院長あてに配布された また 感染者は下痢症状が改善してから数週間は便中にオーシストを 排泄する恐れがある HIV 感染者 AIDS 患者の皆様へ エイズ患者さんを含め 特に免疫力の低下している状態の方は クリプトスポリジウムの 感染予防について 以下の点に注意を払われるようおすすめします ⒈ 手を良く洗うこと ⒉ 性行為の際は便等に触れないよう注意すること ⒊ 畜産動物をさわらないこと ⒋ ペットの便をさわらないこと ⒌ 野菜などの生ものはよく洗うか熱をとおして食べること ⒍ 湖 川 プール等で泳ぐときには水を飲まないように注意すること ⒎ より安全な水を飲むこと 飲み水については 煮沸したものを飲むことが最も良い方法です また 煮沸後時間 をおかずに飲むことが重要です 出典 米国 CDC のインターネットホームページに掲載されていた情報に基づき作成した ものです * 現在の Adress AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 クリプトスポリジウム症 HIV 感染症の臨床経過 45

49 参考文献 1 Spach DH Hooton TM 矢野邦夫監訳 HIV マニュアル 日本医学館 Bartlett JG et al Medical Management of HIV Infection 2007 Edition Published by Johns Hopkins Medicine Health Publishing Business Group Kaplan JE et al Guidelines for prevention and treatment of opportunistic infections in HIV-infected Adults and Adolecents. Recommendations from CDC the National Institutes of Health and the HIV Medicine Association/Infectious Diseases Society of America. MMWR Recomm Rep 58 RR Farthing MJ Treatment options for the eradication of intestinal protozoa Nat Clin Pract Gastroenterol Hepatol 厚生労働科学研究費補助金エイズ対策研究事業 HIV 感染症の医療体制の整備に関する研 究班編 診断と治療ハンドブック 第二版 2006 年 3 月改訂版 6 Abubakar I et al Treatment of cryptosporidiosis in immunocompromised individuals systematic review and meta-analysis Br J Clin Pharmacol Pantenburg B et al Treatment of cryptosporidiosis Expert Rev Anti Infect Ther Guidelines for the Prevention and Treatment of Opportunistic Infections in HIV-Infected Adults and Adolescents Recommendations from the Centers for Disease Control and Prevention the National Institutes of Health and the HIV Medicine Associationof the Infectious Diseases Society of America update 9 CDC Centers for Disease Control and Prevention 2013 年 6 月 17 日 update 版 10 厚生労働省 11 国立感染症研究所感染症情報センター 血液内科 竹村 龍 HIV 感染症の臨床経過 AIDS 関連症候群 ARC の診断と治療 クリプトスポリジウム症

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