身体平衡学レポート

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1 2013 年度 文京学院大学 理学療法士臨床ブラッシュアップ 1 年コース 発表会抄録 平成 25 年 12 月 21 日 22 日 文京学院大学ふじみ野キャンパス

2 発表会次第 12 月 21 日 ( 土 ) 14:00 開会の言葉 14:10 Session 1 発表者約 8 名 5 分 (40 分 ) 15:00 ポスターディスカッション (40 分 ) 15:30 Session 2 発表者約 8 名 5 分 (40 分 ) 16:10 ポスターディスカッション (40 分 ) 16:50 Session 3 発表者約 10 名 5 分 (40 分 ) 17:30 ポスターディスカッション (40 分 ) 18:10 初日終了初日のポスター撤去 2 日目のポスター掲示 18:30 懇親会 12 月 22 日 ( 日 ) 9:00 Session 4 発表者約 8 名 5 分 (40 分 ) 9:40 ポスターディスカッション (40 分 ) 10:20 Session 5 発表者約 9 名 5 分 (45 分 ) 11:05 ポスターディスカッション (45 分 ) 11:50 閉会の言葉 12:00 解散 発表 4 分演者入れ替えで5 分 発表に質疑応答はありません ポスターディスカッションの時間がフリーな時間となりますので 随時休憩をお取りください 2 日目はお昼休みを取らず終了いたします 発表順序は次ページの通りとします パワーポイントファイル (Windows) を使用し 発表をお願いいたします 全ての演者は11:30~13:45の間にこちらで用意するパソコンにて動作確認をお願いいたします ポスターはおおよそ縦 180cm 横 90cm 以内といたします 小さい分には問題ありません ポスター掲示時間は1 日目の演者は11:30~ 2 日目の演者は1 日目終了後に掲示をお願いします

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4 Session 1

5 大腿骨遠位開放骨折を呈した症例 ~ 内側広筋機能向上を目指して~ 銚子市立病院青木悠 はじめに 本症例は 左大腿骨遠位開放骨折を呈してから 4 か月以上が経過し 内側広筋 ( 以下 :VM) 周囲の創部に癒着が生じている その影響により左下肢の支持性が低下し 杖に依存した歩行となっている 超音波治療を併用した理学療法により滑走性が向上し 内側広筋の筋出力が向上したことで歩容の改善が見られたため 以下に報告する 症例紹介 84 歳女性 やや肥満体型 趣味 : ダンス診断名 : 左大腿骨遠位開放骨折既往歴 : 両変形性関節症現病歴 :H 転倒受傷 H 他院にて髄内釘固定術施行 H スクリュー抜去術施行 H 当院にて外来リハ開始 X 線 : 左脛骨外旋 外側傾斜 内側裂隙の中等度狭小化が見られる 理学療法評価 創部 : 左大腿前面遠位内側に 水平方向に約 5cm の傷創 熱感 浮腫 (+) 疼痛 : 膝抗重力伸展及び 左下肢荷重時に 膝関節前面及び 外側面痛 (+) ROM: 左膝関節屈曲 95 伸展 -10 膝蓋骨の可動性ほとんどなし MMT: 左膝関節伸展 2( 約 30 ) 屈曲 3 クアドセッティングによる VM の収縮不全 超音波エコー : 創部上の長軸像で VM の滑走性低下みられる 歩行 : 右手四点杖での三動作揃え型歩行 杖への荷重は強く 上半身重心は右方偏位し 左遊脚初期から更に増強する 立脚初期から中期にかけての膝関節屈曲は消失し 外側動揺が見られ 立脚後期には左骨盤の後方回旋が生じる 治療アプローチ 創部に対し超音波治療 ( 3MHz. 2.0W/cm 2 ) を行った後 創部の皮膚を遠位方向に誘導しつつ内側広筋の収縮を行うことで 滑走性の向上を図った また 上記 ROM 制限 MMT 低下筋に対しての治療を中心に 週 3 回の頻度で 2 週介入した 結果 熱感 浮腫 疼痛 : 軽減 ROM: 左膝関節屈曲 100 伸展 -8 MMT: 左膝関節伸展 2( 約 45 ) クアドセッティングによる内側広筋の膨隆量増加超音波エコー : 創部周辺の VM 滑走性向上 創部直下表層の滑走性は変化なし 歩行 : 上半身重心の右方偏位は軽減し 立脚中期の膝関節外側動揺も減少 考察 超音波治療は, 異なる組織間の境界面で多くの熱を発生するため, 癒着の治療に適している 今回 創部周辺の滑走性は向上したが 創部直下表層の滑走性に変化は出なかった これは 受傷部の皮膚と筋膜間の瘢痕組織が長期経過により固着したためと考えた しかし 二次的に生じたと考えられる創部周囲の滑走性低下は改善の余地があり 介入すべき問題点であると考えられる 本症例も 創部周辺の滑走性向上により VM の筋出力が向上し 歩容の改善に繋がったと考えた

6 股関節アライメント 運動の再学習により体幹回旋要素を獲得した症例立正佼成会附属佼成病院秋庭望 はじめに 基本動作において体幹の回旋を必要とする動作は多く 正常な回旋動作における要素がその後の動作獲得において重要である 術後の臥床により体幹回旋の制限が生じ寝返り 起居動作等の正常動作が困難となった症例に対し 問題となる股関節アライメントの改善 運動の再学習が体幹回旋動作の正常化 回旋運動量の改善につながり その後の動作に波及したため報告する 症例 60 代女性 夜間 階段より転落し受傷 大腿骨頸部 転子部骨折と診断され人工骨頭置換 観血的整復固定術施行される 術後 1w は Bed 上安静 術後 2w より部分荷重開始 術後 4w にて全荷重開始となった 理学療法評価 姿勢アライメントは臥位 座位にて頭部伸展位 右肩甲帯下制 右胸郭下制位 体幹右側屈 骨盤後傾アウトフレア 立位にて股関節外転 内旋 膝関節屈曲位 臥位にて腰椎前弯 骨盤前傾アウトフレアに対し 股関節が内旋位となる 股関節屈曲 ROM100 にて大腿内側部に伸長痛訴えあり 座位にて安静時より上半身重心は軽度左に位置している 体幹右回旋時に体幹上部での回旋が先行し優位に生じており 下部体幹は下部胸椎 腰椎の側屈 骨盤は後傾にて代償 上半身重心 (Th7) は右側に移動せず 左回旋に比べ移動距離が減少している 治療 結果 評価に基づき問題点となる股関節のアライメント修正 ( 股関節軸の正常化 ) を目的に 股関節運動の再学習を行った 結果として股関節軸の正常化に伴い 右肩甲帯 胸郭の偏移軽減 骨盤正中位保持 アウトフレアの減少が生じた 座位安静時では上半身重心が正中位へ 座圧が左右均等となった 右回旋時には下部体幹の回旋 骨盤の前傾が出現することにより回旋量の増加と上半身重心の右側移動量増加が認められた 考察 本症例においては 骨盤アウトフレアで相対的に股関節が内転 内旋位となるために運動軸が偏移し 正常な股関節動作が阻害されており 大腰筋が低活動となっている このため股関節屈曲時に多関節筋である縫工筋や大腿筋膜張筋での代償動作が生じている 代償動作に伴い体幹深部筋群の活動低下が生じ脊柱 胸郭のアライメントが変化し 体幹回旋動作の阻害につながっていたのではないかと推測した アプローチ後股関節アライメントの変化により 大腰筋の筋活動向上が見られた それに伴い連結筋である横隔膜等体幹深部筋が賦活され 座位での体幹回旋で正常な筋発揮による動作獲得 基本動作の改善に至ったのではないかと考える おわりに 今回は体幹回旋動作における股関節のアライメントの影響を座位での動作において着目した 術後早期から基本動作 歩行動作の獲得を考慮に入れたアプローチが行えるよう 股関節のアライメントを一例としてさらに検討していきたい

7 左変形性膝関節症の症例において 左立脚期の安定性に着目して東戸塚記念病院浅見早織 はじめに 臨床において 内側型変形性膝関節症 ( 以下, 膝 OA) の症例から 歩行時の荷重時痛とふらつきの訴えが多くきかれる また 膝 OA の歩行時に外力の膝関節内反モーメント ( 以下,KAM) が疼痛 身体バランスの制御に関与しているとの報告がある 本症例は左膝 OA の症例で左初期接地 ( 以下,IC)~ 立脚中期 ( 以下,MSt) に外側スラストとトレンデレンブルク徴候を認め 膝関節内側に疼痛が出現していた この現象に対し 下腿内旋誘導 左下肢への重心移動についてアプローチしたところ 歩行時の荷重時痛とトレンデレンブルク徴候の減少が認められた為 ここに報告する 症例紹介 60 代の女性 今年 10 月頃から 長距離歩行にて左膝関節痛が出現するようになり 11 月 6 日 左膝 OA の診断にてリハビリ開始 理学療法評価 [ 疼痛 ] 内側半月に圧痛 NRS:5 膝関節内側に荷重時痛 NRS:5[ROM-t] 膝関節屈曲 135 伸展 0 [ 筋緊張亢進 ] 大腿筋膜張筋 大腿二頭筋 膝窩筋 [ 膝蓋骨の可動性 ] 内側へ低下 [ 膝関節の回旋 ] 外側コンパートメントの前方引き出し低下 [ 整形外科テスト ]Apley 圧迫テスト (+) Apley 牽引テスト (-)[ 下腿のアライメント ] 脛骨外旋位 [ 歩行観察 ] 左 IC~ 左荷重応答期 ( 以下,LR): 股関節外転 外旋位, 膝関節屈曲位, 下腿外旋位, 距骨下関節回内位, 全足底接地 左 LR~MSt: 体幹右側屈位 骨盤右下制位 治療アプローチ 1 筋緊張亢進筋へのダイレクトストレッチ 2 膝蓋骨の可動性を引き出す為の 膝蓋下脂肪体へのリリース3 膝関節内旋を考慮した ROM-ex4 立位での左 weight shift5 母趾荷重 下腿内旋を考慮した stepping 結果 治療後 [ 疼痛 ] 膝関節内側の荷重時痛経減 NRS:1 [ROM-t] 膝関節屈曲 140 [ 筋緊張 ] 大腿筋膜張筋 大腿二頭筋 膝窩筋の改善 [ 膝蓋骨の可動性 ] 内側へ改善 [ 膝関節の回旋 ] 外側コンパートメントの前方引き出しの改善 [ 歩行観察 ] 左 IC~LR: 股関節外転 外旋位の減少, 下腿外旋位の減少, 距骨下関節回内位の減少 左 LR~MSt: 体幹右側屈位 骨盤右下制の減少 考察 歩行時に疼痛とトレンデレンブルク徴候が出現した原因として 左 IC~MSt に下腿内旋の可動域低下から KAM が増大した為と考えられる 本症例は 脛骨外側位から 左 IC~LR に下腿内旋が低下する為 補償戦略として距骨下関節回内接地となり ヒールロッカーが消失する この為 大腿四頭筋の遠心性収縮による衝撃吸収能力が相対的に減少し 膝関節内側に疼痛が出現すると考えられる 次に左 LR~MSt では 脛骨がより外旋する為 股関節外旋位となる この為 KAM 増大から外側スラストが出現し 補償戦略によるトレンデレンブルク徴候と膝関節内側の荷重時痛が出現していると考えられる この歩容では 今後 より KAM 増大から疼痛が増強する可能性が考えられる この為 脛骨内旋と左下肢への重心移動に着目して治療を実施したところ 左 IC~MSt に 下腿内旋 股関節内転位から KAM の減少につながり 歩行時の疼痛とトレンデレンブルク徴候の減少が認められた

8 脚長差からのメカニカルストレスに対する入谷式足底板の効果三枝整形外科医院新井汐莉 はじめに 脚長差は 一般的に 3cm 以下であれば著明な跛行は呈さないといわれる. しかし今回,1.8cm 脚長差からのメカニカルストレスにより歩行時痛が出現した症例を担当する機会があった. 入谷式足底板 ( 以下, 足底板 ) 処方によりメカニカルストレス軽減 疼痛消失した症例を経験したので, ここに報告する. 症例紹介 12 歳男性身長 :147cm 疾患名 : 左内側側副靭帯損傷主訴 : 歩行時に右膝関節外側 左膝関節内側が痛い 理学療法評価 転子果長 : 右 73.7cm/ 左 71.9cm 棘果長 : 右 79.3cm/ 左 77.5cm 反射足関節背屈 ROM-t: 右 5 / 左 -10 足関節背屈 MMT: 右 4 / 左 4 疼痛部位 : 右 腸脛靭帯付着部左 鵞足付着部姿勢 : 前額面胸郭左偏位, 身体重心左偏位, 両膝関節外反位 ( 右 < 左 ), 両距骨下関節 ( 以下,STJ) 回内位 ( 右 > 左 ) 矢状面右骨盤後方回旋, 右膝関節屈曲, 上半身重心後方偏位歩行 : 右 STJ 過回内させ胸郭左偏位し, 左肘屈曲位. 両膝関節外反位にあり, 両側とも持ち上げ歩行を呈している. 足底板評価項目 STJ: 回外,1 列 : 底屈,5 列 : 外返し, 内側楔状骨 :+, 果部誘導 : 外果挙上, 中足骨前方レベル : 第 2 3 列 4mm 背屈, HeelPad: 左 6mm 結果 歩行時痛は左右ともに消失した. 立位前額面では, 重心の位置, 骨盤と胸郭のアライメントが正中化された. 歩行では, 前額面上の骨盤と胸郭の偏位が改善され, 両側の蹴り出しが向上した. また, 左上肢連合反応による肘屈曲肢位は消失した. 考察 主訴である歩行時痛を改善するため, 足底板を処方した. 歩行時痛が生じる要因として本症例は短い左脚に合わせ, 右骨盤後方回旋 右膝関節屈曲 右 STJ 過回内させ右下肢を短く補償しており, 骨盤中心右偏位 胸郭左偏位している. この姿勢が歩行動作によりさらに助長され 膝関節右内反 左外反モーメントを大きくさせる. そのため右腸脛靭帯 左鵞足の制動ストレスが疼痛を発生させたと考える. これら動きにより増大したメカニカルストレスに対し足底板を処方し, 上記の問題は改善した. また, 右脚機能軸を作成したことにより, 脚長差の補償が消失したため, 左接地期に墜落現象が出現した. これに対し最も左接地期墜落がなく, 蹴り出しが良い高さである 6mmHeelPad を左踵部に追加することで構造的脚長差の対応とした. おわりに 足底板により, 主訴である歩行時痛は消失した. 今後, 上部体幹に対するアプローチ, 右脚軸機能向上を考慮し, 必要により段階的な左踵部への補高を行っていきたい.

9 下腿側方変位による影響ワカハ 整形外科 リウマチ科クリニック伊藤友哉 はじめに 今回 下腿骨の側方変位により膝関節のアライメント不良を呈し 腰痛を発症した症例を診させていただいた為 ここに報告する 症例紹介 診断名腰椎辷り症 右橈骨遠位端骨折基本情報 50 代 女性現病歴腰痛は仕事 ( 茶道の手伝い ) を 20 代の頃から始めてから左腰部に違和感を感じており H25.9/19 に腰椎辷り症と診断された 右橈骨遠位端骨折は 平成 25 年 1/15 に山道を歩行中に後方に転倒され右手首を着いたときに受傷 現在は可動域制限なく 疼痛も消失している 既往歴 20 代前半に左膝関節に腫脹が出現し 左膝関節痛発症 その後は徐々に軽快し 現在は疼痛 可動域制限ともになし X-P 所見橈骨 橈骨遠位端背側転位腰椎 L4 前方変位し L4/L5 L5/S1 で OA+ 理学療法評価 疼痛動作中腰姿勢で左腰部に痛み触診左腰方形筋 左脊柱起立筋群 左股関節前面に stiffness+ 左膝関節は左脛骨が大腿骨に対して外方変位している ROM 左股関節屈曲 外転制限 体幹右側屈 体幹左回旋時に制限あり MMT 著明な筋力低下なし 姿勢上半身重心後左側 下半身重心前右側左肩挙上位 体幹左シフト 左骨盤挙上位 両股関節内転位 左膝関節外反屈曲位左片側立位矢状面では左膝関節屈曲し 下半身重心が支持基底面に対し前方移動している それに対して上部胸椎を後弯させて平衡を保っている 前額面では右骨盤挙上させ 重心は支持基底面に対して左側に変位している 立位左回旋左回旋最終域で下部胸郭 骨盤での動きが低下し上部胸郭で左回旋が強くなっている 歩行右の LR~Mst で右股関節の sway が見られ 上半身重心は左側に残り 胸郭の右シフトが低下している 推論 結果 治療介入では 既往と患者様の現在の状態を照らし合わせると左脛骨が外方変位した状態で生活されていたのではないかと予測することができたため 左脛骨の外方変位を制動するようなテーピングを行った 治療効果は 左片却立位が矢状面 前額面で支持基底面と COG の位置関係が正中化し 前屈時の左腰部の痛みは消失した 考察 今回 腰部へのアプローチは行わない状態でこのような結果が出たことから 下腿骨の変位によって 関節同士の支持基底面と重心の位置関係が変化し 身体全体のアライメントに影響したことが示唆される 私は 脛骨と上腕骨頭は骨関節同士の適合性が乏しいため 各個人の生活様式で多様に変位 または変化しやすいと考えている また その変化は本人には意識されない状態で 時間をかけて表層化されてくるため より正確で細かい問診や評価が重要になってくると感じている

10 ウエイトシフトに対する徒手的誘導方法の提案中伊豆リハビリテーションセンター上野朋美 はじめに 歩行時の右脚の振出しが行いにくい訴えが聞かれた症例に ステッピング動作を反復することで反対側へのウエイトシフトの改善を図った 症例に ウエイトシフトを口頭指示にて行った場合 過剰な骨盤の側方移動や 体幹の側屈など代償動作を用いた姿勢戦略をとることが多く見られた アライメントの崩れたウエイトシフトでは 見かけ上の荷重量の増加が生じていることや 歩行の際に Mst から Tst の移行が行いにくいのではないかと感じた そこで今回は ウエイトシフトを行う場合において胸郭から側方移動を行うことが重要であると提案する 骨盤の側方移動に伴い 立ち直り反応を出現させ胸郭を側方移動させることで より効果的な重心の移動が行えるのではないかと考えた また 体幹の側屈や股関節内転の関節運動が少ないため運動効率が良いのではないかと考えた 本発表は HAL 福祉用 ( 以下 HAL) を併用し上記アプローチを行った際に歩容の変化を得た症例について報告する 症例紹介 頸髄損傷の中心性損傷の 50 代の男性 介入前の歩行動作( 歩行器使用 ) 左 IC 時に踵接地が困難であり 左 MSt 時はトレンデレンブル徴候が認められ 右下肢の振り出しが内転位となる 検証方法 介入前後にてビデオ撮影と床反力の鉛直成分を計測し 分析した 具体的な訓練方法 HAL 装着下での左下肢支持側のステッピング動作を実施した 訓練士は後方より ウエイトシフトに対する徒手的誘導を行った また HAL の PC 画面を用いて重心の動きを視覚的にフィードバックしながらステップ動作を反復して実施した 結果 介入前介入後 10m 歩行 32 秒 34 秒左立脚期荷重量 595.1N 603.9N 介入後の歩行では 左 Mst 時のトレンデレンブルグ兆候の改善 右下肢振り出し時の股関節内転運動の減少が認められた 考察 介入前後にてビデオ上で歩容の変化が得られ 症例より歩きやすくなったとの発言も聞かれたことより 胸郭から誘導したステッピング動作が 歩容の改善に繋がる可能性が示唆された また HALを併用したことで 重心の移動を視覚的にフィードバックすることが可能であったことや アシストモードにて大殿筋とハムストリングスの筋活動の向上 収縮タイミングの学習が得られたことにより 左立脚期の支持性の向上が得られたことも 歩容の改善に至った要因と考えられる 今後は 三次元動作解析装置を使用し ウエイトシフトを胸郭から誘導する訓練効果について検証をしていきたい

11 右人工股関節全置換術を施行した症例 ~ 歩行時の大腿前面の疼痛に着目して~ 新葛飾病院門脇純一 はじめに 本症例は 右人工股関節全置換術( 以下,THA) を施行後 28 日でサークル歩行病棟内自立となるが 5 分以上の連続歩行で右大腿前面に疼痛が出現する この問題点の解決が 連続歩行の 本症例は 右立脚初期 ~ 中期にかけて 右 Knee in が生じる 加えてこの時期の膝屈曲角度が左と比較して大きい 問題点と治療結果 問題点: 右立脚初期 ~ 中期にかけて右大腿前面に疼痛が出現する結果 長距離歩行が困難となっている 治療プログラム 1 脊柱左側屈可動域訓練 2 右大殿筋上部線維 獲得と T 字杖歩行の獲得に必要だと考え 評価 の筋力増強訓練治療結果 フォワードランジ 治療を行ったので以下に報告する 症例紹介 70 歳代後半の男性 現病歴として 3 年前に右変形性股関節症と診断され 4 か月前より疼痛増悪した為 右 THA を施行 既往歴に 50 年前の右外果骨折 20 年前に右第 2~5 指の切断 ( 鼠径部非弁 ) HOPE:10 分以上歩きたい ( 趣味が料理で 食材の買い物の為に ) 理学療法評価 1 関節可動域 ( 以下 :ROM) 右 / 左単位 : 度股関節屈曲 70/85 伸展 -5/0 外転 15/20 内転 15/25 外旋 35/40 内旋 5/15( 骨盤の代償を排除している ) 膝関節 距腿関節の制限はなし しかし 右距骨下関節の回内可動域制限は著名 脊柱は左側屈と比較して右側屈可動域が大きい 加えて左回旋と比較して右回旋可動域が大きい 2 骨盤アライメント ( 座位 立位 ) 右寛骨は 左寛骨に比べ後傾位である 3 粗大筋力検査 ( 以下 :MMT) 右 / 左 動作時 歩行時の疼痛消失 5 分以上の連続歩行実施後の疼痛軽減 考察 上記の治療結果 疼痛が減少した理由に 1 右寛骨の前傾位の獲得 2 左広背筋 - 右大殿筋の機能回復をあげる 正常歩行では立脚初期 ~ 中期にかけて立脚側の寛骨が前傾する この寛骨前傾運動を可能にする要因の一つに立脚側の大殿筋と反対側の広背筋の収縮がある これらの筋の働きにより胸腰筋膜が緊張し 仙腸関節の安定性が得られる為 寛骨前傾位を保つ事が出来る しかし 本症例は MMT の結果より 右大殿筋の筋力が低下している 加えて 脊柱が右側屈位となっているため 左広背筋の求心性収縮が困難な状態となっている 以上より 本症例は右立脚初期 ~ 中期にかけて右寛骨を前傾する事が困難となり 右立脚期に重心が後方化しやすい事が考えられる この重心の後方化により 膝関節にかかる外的モーメントが大きくなり 内的モーメントである大腿四頭筋の Over use が生じたと考える 腸腰筋 3/4 大殿筋 2/3 中殿筋 2/3 4 疼痛検査疼痛部位 : 右大腿直筋 縫工筋 薄筋疼痛発生動作 : 歩行時 ( 右立脚初期 ~ 中期 ) 疼痛増強動作 : 右フォワードランジ動作 ( 右膝屈曲角度を増大に伴い疼痛の訴えは増強ずる ) 疼痛軽減動作 : 右フォワードランジ動作時に 右寛骨前傾を他動的に誘導すると疼痛軽減する 5 歩行観察 治療前 治療後

12 膝関節痛を呈する症例に対する 下肢の回旋系 胸郭からのアプローチおおぎや整形外科鴨志田幸葉 はじめに 20 年程前より膝痛を訴える症例に対し 下肢の回旋系 胸郭へのアプローチを行った 結果 歩行中の身体重心の制御の改善より 疼痛の軽減が得られたため ここに報告する 症例紹介 70 代 女性 20 年程前より膝に痛みを感じていた 痛みが増強したため 当院受診 両変形性膝関節症と診断を受ける 立脚期中期以降の右膝関節内側部の疼痛が主訴 画像所見は両膝関節の内側裂隙の狭小化 理学療法評価 < 立位姿勢 > 触診にて 右大腿筋膜張筋 腓骨筋などの外側支持機構の過緊張 < 歩行 > 右立脚初期から骨盤の後方回旋が生じ 立脚後期まで続く また 立脚期前半での距骨下関節 ( 以下 ST 関節 ) の回外位が継続され Lareral Thrust( 以下 LT) が見られる 立脚後期での股関節伸展が不十分であり 膝関節屈曲のタイミングが遅延している < 膝関節 >ROM: 伸展右 -5 左 -5 内側膝蓋支帯に圧痛 下腿内旋制限フロントランジ :ST 関節回外 下腿外方傾斜 外旋が生じ 膝関節内側に疼痛 knee in で疼痛減弱 knee out で疼痛増強 < 足部 > 足関節背屈 ST 関節回内制限 考察 治療 フロントランジ 歩行より ST 関節の回外位の継続によって下腿が外方傾斜 外旋し また膝関節伸展制限があることからも screw home movement が立脚中期に生じず 下肢回旋系の破綻により内側膝蓋支帯が伸張され疼痛として出現したと考える これに対し 足関節背屈制限 ST 関節回内制限 下腿内旋制限へ可動性の拡大へアプローチを行った 経過 以上のアプローチを行った結果 歩行中の ST 関節の回外 下腿外旋の継続が軽減され 股関節の伸展が出現した 疼痛の出現頻度の軽減が得られたが 歩行時間が 2 時間近くなると疼痛が出現してくる 再評価 < 歩行 > 右立脚初期でわずかに立脚側への体幹の傾斜がみられ 上半身重心の立脚側への移動が不十分である <Pelvic Tilt> 前後 : 腰椎中心 胸椎の伸展方向の可動性の低下側方 :HAT 戦略移動量右 < 左 < 胸郭 > 左側方偏位 考察 治療 胸郭左側方偏位 胸椎の可動性の低下から右立脚期に上半身重心の移動量が減少し 股関節内転位での制御が困難となった そして LT が生じ 膝関節内反モーメントが増大した その結果 更なるストレスが内側膝蓋支帯に生じたと考える これらの評価より 胸郭の左側方偏位に対してのニュートラル化 また胸椎の可動域の拡大へアプローチを追加した 結果 右立脚期での上半身重心の立脚側への移動量が増大した また 歩幅 歩行速度の改善も見られた 歩行時間も半日近くに伸び 活動範囲の拡大を図ることが出来た

13 Session 2

14 歩行時の腰痛に対し 胸郭アライメントからアプローチを行った一症例 田中ファミリークリニック飯田拓也 はじめに 胸郭は呼吸 運動等 関与する筋や関節が多く 多方面からの影響を受けやすい部位である一方で 隣接する関節に大きな影響を与えると感じる 長時間歩行時の腰痛が主訴の患者に対し 重心偏移が歩容に影響していると考え 胸郭に対してアプローチを行い良好な結果が得られたため報告する 症例紹介 変形性腰椎症と診断された 70 歳代の男性 過去腰部痛にて治療歴有 今回は受傷起点なく腰部痛出現 歩行困難となり 畑仕事や外出に支障をきたしたため 2012 年 10 月末当院受診 運動療法処方となった レントゲン所見では L5/S1 はほぼ癒合 L3~5 左側屈 L2 より上位は右側屈していた 理学療法評価 疼痛は左下位腰部から左大腿外側で 長時間歩行時や体幹の左側屈と伸展動作で再現した 関節可動域は体幹右回旋 左側屈に制限があり ( 右 / 左 : 回旋 30/40 側屈 30/25) 脊椎では L4/5 に過可動性 それより上位は低可動性が認められた 座位での体幹シフト動作でも左側優位の制限がみられた 胸骨角は 85 で左肋骨の挙上がみられた ( 右 /40 左 45 ) 筋緊張検査では 右斜角筋群や左優位の腰背部筋の緊張がみられた ( 左脊柱起立筋 左腰方形筋 ) 左外腹斜筋 大殿筋は緊張低下が認められ 筋力検査でも左外腹斜筋の筋力低下がみられた 呼吸パターンでは 吸気時右肋間の拡張性が低下し 吸気時は安静 強制共に肋骨下角の下制が減少していた 歩行では 身体重心が右側偏位し体幹の回旋が乏 しい状態で 左立脚初期に骨盤左側挙上と下位腰椎左側屈が生じ 左立脚中期から後期にかけて重心の右側移動が大きい状態であった 統合と解釈 主訴である左腰部 下肢痛は 部位や増悪動作 神経学的所見から 椎間関節由来と考察した 本症例は歩行時 左立脚初期から中期にかけて骨盤左側挙上と下位腰椎左側屈が出現していた 胸椎右側屈による重心の右側偏移の影響で 左立脚初期から中期にかけて左股関節外転モーメントが増大し トレンデレンブルグ歩行となっていた 同時に下位腰部の左側屈での代償が出現し 過可動性である左 L4/5 椎間関節に圧迫ストレスが生じ疼痛が出現したと考えた 重心の右偏移は 体幹の右回旋 左側屈の可動域制限 呼吸パターンから 右肋間は拡張制限が生じており その影響で胸椎が右側屈位となったと考えた 肋間の拡張制限と可動性の低下により L4/5 より上位の分節的な動作が困難となったことが L4/5 椎間関節のストレス増大に影響したと考える そのためアプローチは胸郭アライメント改善を目的に 左腰方形筋 右肋間筋ストレッチ 左外腹斜筋筋力練習 肋骨下角の下制を意識した深呼吸練習 四つ這いにて上下肢挙上練習を実施した 結果 体幹の可動域 座位での体幹シフトの可動域制限に改善がみられた 左腹斜筋の筋緊張 胸骨角も改善傾向となり 右肋間の拡張制限が改善した 結果 胸椎の右側屈位が軽減し 歩行時の右重心偏移が改善 左立脚初期の骨盤左側挙上 体幹の左側屈は減少し 腰痛はほぼ消失した

15 足関節骨折急性期の理学療法 ~ 早期歩行獲得を目指して ~ 銚子市立病院石毛祐也 はじめに 足関節骨折術後の症例で早期 ADL 獲得や退院に向けた基本動作中心としたアプローチに着目して臨床を行っていると足関節の可動域が入らず疼痛を伴うことや 足部が回外傾向となりやすく荷重が行えないことで独歩獲得までに時間を要す経験をした そこで今回早期より局所に重点を置き 理学療法介入を実施し良い経過が得られたので以下に報告する 症例紹介 70 歳女性 H 交通事故にて受傷 右足関節二果骨折 左橈骨遠位端骨折の診断あり他院へ入院 9.26 左上肢ギプス固定 9.27 右腓骨プレート固定術施行 右後果 CSS 固定 10.3 当院リハ目的にて転院 同日リハ開始となる 4 週間完全免荷 より痛みに応じて FWB の指示 既往歴は無し 受傷前は仕事にてホテルの浴場の清掃業を行っていた 理学療法評価初期 術創部 : 外果下端より上方へ 10cm 程度 右足部浮腫著明 安静時痛 (-) 熱感(+) 母趾に軽度の痺れ (+) 循環障害による血色不良 (+) 可動域は他動にて背屈 0 底屈 40 度 背屈時下腿三頭筋の伸張痛 (+) 術創部皮膚の可動性低下 (+) 右足部感覚は保たれている 左下肢は可動域 筋力共に問題なし 問題点 #1 可動域制限 #2 術創部皮膚の可動性低下 #3 浮腫 #4 距骨下関節軽度内返し 運動療法経過 10.4( 術後 1 週 ) 当院での運動療法開始 浮腫管理を実施 並行して超音波療法による術創部の癒着や下腿三頭筋の予防を実施 また 皮膚誘導により外果下方の皮膚を伸張し内果下方の皮膚を集めることで回内方向への可動域改善や長 短腓骨筋の収縮により距骨下関節の回内誘導の実施 免荷での足底タッチによる足底の感覚入力を実施 10.24( 術後 4 週 ) 痛みに応じて FWB 許可 平行棒内歩行 2/3PWB 疼痛なく可能 可動域は背屈 8 底屈 40 上記プログラムを継続 合わせて 立位での荷重訓練開始 10.28FWB 疼痛なく可能 サークル歩行自立 上記プログラム継続 11.1( 術後 5 週 )T-cane 歩行自立 11.8( 術後 6 週 )T-cane にて自宅退院 屋内は独歩自立 外来フォロー 考察 浮腫の長期間の貯留は周辺組織にフィブリンの沈着を招き ROM 制限や拘縮の原因となることが予想されるためできるだけ早期に浮腫の軽減を図る必要があると考えた 免荷時期の早期より浮腫管理の徹底と足部周辺の筋収縮を積極的に取り入れることで筋 腱の滑走障害や 癒着による拘縮予防 足底の感覚入力による感覚低下予防により荷重開始初日より疼痛なく 2/3PWB 可能であったことが考えられる これらの理学療法を行った結果 良好な治療結果が得られ早期歩行獲得につながったのではないかと考えた

16 徒手誘導を加えた自動運動が足関節背屈可動域制限の改善に及ぼす影響山梨リハビリテーション病院理学療法課梅村太 はじめに 臨床の場では高齢者や脳卒中片麻痺患者などにおいて 足関節背屈可動域制限をきたし 立ち上がり動作や歩行を困難にしている症例を経験する 関節可動域制限の主たる因子は 約 40% 以上は筋性の問題と言われており 治療方法はストレッチング 関節モビライゼ ションなどが用いられる機会が多い しかし 症例によっては獲得した可動域が持続しないことや 静的な治療のため即時的に動作の改善に結びつかないことも少なくはない 臨床上 自動運動に徒手的誘導を加えると関節可動域改善がみられ パフォーマンスの発揮に結びつきやすいことを経験する 自動運動は 血流量増加や筋温上昇により筋の伸張性が向上することが報告されており 可動域改善が期待できる しかし 自動運動のみでは代償動作が生じることが少なくない 結果として 効果が得られにくいことを経験する そのため 代償動作を調節し目的に応じた筋活動を誘発するために 徒手誘導を加えることが望ましいと考えた そこで 今回は一症例を対象としたシングルケースデザインにて検証したので報告する 対象 骨癒合が不良のため完全免荷で経過中の 下腿骨骨折患者 (60 歳 男性 背屈可動域 0 ) を対象とした 発症後 3 か月経過していた ヘルシンキ宣言に基づき 事前に研究内容を十分に説明し同意を得た 方法 介入デザインは AB 型デザインを使用し A 期はベースライン期 B 期は介入期とした 各期は 6 回ずつとした すべての期において通常の運動療法を 40 分施行した後 A 期は 背臥位膝関節伸展位での足関節背屈のストレッチングを 2 分間施行した B 期は 背臥位での徒手誘導を加えた底屈の自動運動を 20 回施行した 徒手誘導は 一方の手で下腿三頭筋筋腱移行部を把持し もう一方の手で母趾球に抵抗を加えた 各課題の前後に3 回ずつ足関節背屈可動域を計測し その平均値の差を算出した 結果 A 期の平均値は 5 回帰直線の傾きは-0.3 であった B 期はそれぞれ であった A 期に Celeration line( 以下 CL) を引き B 期まで延長すると B 期の値は全て CL よりも大きかった 足関節背屈可動域の改善は 徒手誘導を加えた自動運動後の方が大きいことが示された 考察 本症例にとっては ストレッチングでは疼痛防御による伸張反射を惹起してしまい可動域改善がみられなかったと推測された 一方 徒手誘導を加えた自動運動では 筋収縮と弛緩の反復運動によって血液循環が促進されたことで筋伸張性が向上し 可動域の改善に繋がったと考えられた

17 体幹へのアプローチから肩関節外転時の疼痛軽減につながった症例医療法人千樹会はえばる北クリニック大城光 はじめに 上肢は 肩甲骨を介して体幹に連結しており 体幹の可動性を改善することで 肩関節の疼痛軽減や可動性改善につながることを経験する そこで今回 体幹可動性の改善を試み 疼痛軽減につながった症例について報告する 症例紹介 60 歳代女性 左肩インピンジメント症候群 半年前から左肩の疼痛あり 他院にて治療行うが 改善認められず 当クリニック受診 X-P 所見にて石灰化 MRI 所見にて 肩峰下滑液包に炎症所見認める 投薬 注射により疼痛の改善認めたが 可動域制限が残存したため 初診より 1 カ月後 リハビリ開始となる 理学療法評価 疼痛 : 安静時 夜間時痛 (-) 可動域 : 表 1 を参照表 1 初診時 開始時 1ヵ月 2ヵ月 屈曲 外転 外旋 内旋 臀部 L3 L1 問題点 肩甲上腕関節可動域制限を認め 大円筋 広背筋 肩甲下筋 棘下筋 小円筋等のス トレッチを中心に進めていき 可動域改善 を認めたが 外転時の肩峰下に引っかかり 感の訴えは残存していた 再評価を行ったところ 体幹左回旋制限を認めた そのため 体幹へのアプローチを追加した 体幹アプローチ方法 肋骨運動連鎖 ( 図 1) を考慮し 座圧中心を左前方 右後方への重心移動 ( 図 2) を行った 図 1 図 2 結果 体幹左回旋可動性改善 ( 図 3) 外転時の引っかかり感 ( 図 4) の軽減を認めた 介入前介入後介入前介入後 図 3 図 4 考察 体幹回旋は脊柱の構造上 胸椎レベルで回旋しやすいとされている また 胸椎は 肋骨 胸骨とともに胸郭を構成しており 胸椎回旋運動の際 回旋側の肋骨は後方回旋 対側の肋骨は前方回旋の動きが生じるとされている そのため 肋骨運動連鎖 ( 図 1) を考慮した体幹回旋へのアプローチを行った 体幹回旋改善によって 肩甲胸郭関節の可動性改善 肩甲上腕関節へのストレス減少し 外転時の引っかかり感の軽減につながったと考える

18 症例検討腰椎の DSM がもたらす椎間関節性疼痛のアプローチ医療法人整友会豊橋整形外科鷹丘クリニック川口聖史 はじめに Sharman は特定方向への運動の起こりやすさ (DSM) は持続的な動きや静的な姿勢によって軟部組織が障害を受け 関係した関節が一定の解剖学的な方向だけに動く習慣をつけさせてしまう この習慣が副運動と生理学的な運動回数を頻繁にし それが軟部組織に損傷を与えるとしている 今回 仕事上多く使用する体幹屈曲位からの伸展により腰部痛が出現する症例に対し 脊柱起立筋群や股関節へのアプローチを行っていたが症状が改善されず難渋していたが MSI( 運動系機能障害 ) コンセプトを用い 腰椎局所のアプローチによって腰部痛の改善が得られたので報告する 症例紹介 性別: 女性年齢 :48 歳診断名 : 腰部挫傷 頚部挫傷 両肩挫傷現病歴 :H 車で信号待ちに被追突同日当院受診 H 理学療法開始既往歴 : 腰部痛 X 線所見 L5/S1 仙骨との骨化 L3/4 椎間板変性 牽引骨棘左回旋 L3,4,5 右傾斜 :L4 理学療法評価 立位姿勢では 矢状面で骨盤後傾 ( 右 > 左 ) 前方変位のため下半身重心は前方変位しているが 背部はフラットのため身体重心は軽度の後方位 下位腰椎の前彎が強くみられる 前額面では骨盤左 傾斜 右後方回旋位 L3,4 棘突起は右偏位であるため左回旋位 胸骨下角 100 で拡大 主訴である体幹屈曲位からの伸展では疼痛が出現し (VAS:7/10) L3/4 4/5 に過度な伸展が確認された 体幹伸展時は右腰臀部 側屈では右 L4/5 に疼痛が出現 圧痛検査で L3/4.4/5 棘間靭帯 右 L3/4.4/5 椎間関節 多裂筋 Kemp test(+) 疼痛誘発 緩和検査ではL3/4 L4/5 に出現し 右 L3/4.4/5 の椎間関節性疼痛が認められた 治療 右椎間関節の伸展 右側屈 左回旋の圧縮ストレスを軽減させるために右多裂筋 起立筋群ストレッチ 左腰方形筋 外腹斜筋 内腹斜筋エクササイズ 隣接し可動性の低下している L2/3 のモビライゼーションを行い可動性の改善 また それによって L2 に付着する多裂筋の椎弓板線維の活動性を促されたことにより可動性の高い L3/4,4/5 の固定性が向上すると考える また体幹不安定性を改善するためにローカルマッスルである腹横筋 多裂筋のエクササイズを行った 結果 屈曲位からの伸展の疼痛は VAS:7 から 3 へと疼痛が軽減した 骨盤前方変位を止めた状態での伸展で疼痛が消失したため 内腹斜筋の活動性を上げる必要があると考える 考察 腰椎屈曲位での椎間板内圧が高い状態での伸展であったため不安定性が生じ L3/4,4/5 のアライメントの変化により右椎間関節に伸展 右側屈 左回旋の圧縮ストレスが加わり 過度に行った為 疼痛が出現したと考える 過度な可動性への固定性向上 上位腰椎の可動性を改善することによりメカニカルストレスが軽減し 椎間関節性疼痛が改善されたと考える

19 肩関節周囲炎を呈した右片麻痺症例の一考察 ~ 歩行に着目して~ 広尾整形外科川﨑智子 はじめに 今回, 脳梗塞により右片麻痺を呈し, 右肩関節痛を訴えて来院した患者様を評価, 治療させて頂いた. 整形外科疾患を対象とすることが多く, 中枢疾患の患者様を担当させて頂くにあたり, 私自身難渋することが多い. 今回は, 右肩関節周囲炎を呈した右片麻痺症例に対し, ヒトの特性を考慮した理学療法を展開することで良好な結果が得られた. そこで, 中枢疾患を専門に担当されている先生方, ならびに様々な分野でヒトと向き合っている先生方に助言を頂きたくここに報告する. 症例紹介 右肩関節痛を訴えて当院を受診し, 右肩関節周囲炎と診断された 40 歳代女性である. 平成 23 年 5 月, 大脳基底核梗塞により右片麻痺を呈する. 理学療法評価 BRS-T は, 上下肢ともにⅡであり, 右上下肢, 体幹筋は全体的に低緊張であった. 特に肩関節安定化筋で低緊張が著明であり, 肩甲骨に対する骨頭の求心力が低下していた. 長時間歩行後, 肩関節前面に疼痛が出現する. スピードテスト, ヤーガソンテスト陽性であり, 上腕二頭筋腱の痛みであることが考えられる.ROM は, 屈曲 160 p, 外転 90 p, 水平伸展 5 p, 水平内転 80 p であった.(p=pain) 歩行を観察すると, 右初期接地 ( 以下,IC) 期に右肩甲帯下制がみられる. 右足関節背屈制限と左立脚後期の支持性低下により, 右 IC 期での安定した踵接地が困難となっており, 立脚期全般にわたり推進力の低下と右上肢の過剰な振りが観察される. 考察 今回は右肩関節痛を呈した症例に対し, 麻痺の影響を考慮して評価, 治療を行った. 評価から, 右肩関節求心力低下に対する上腕二頭筋, 大胸筋の緊張亢進が, 右肩関節前面痛の原因となっていると考えた. 肩関節求心力低下の原因として, 麻痺の影響による肩関節安定化筋の低緊張が挙げられる. また, 歩行後に疼痛が増強することに着目すると, 右 IC 期における右肩甲帯下制が肩関節に対する下方への牽引力を増大させていることが挙げられる. これらが肩関節求心力低下を助長しているものと考える. それに対して今回は, 上腕二頭筋, 大胸筋の努力性筋緊張をコントロールすることを目的とした. 歩行 IC 期における肩関節に対する下方への牽引力を軽減させるため, 左立脚後期の支持性向上による IC 期のタイミングのコントロール, 安定した右踵接地の獲得を目的として治療を行った. そして, 努力性の筋緊張をコントロールした上で, 肩関節安定化筋の分離した活動を促通した結果, 疼痛が消失したものと考える. 今回は, 疼痛が出現する歩行に着目し, 治療を展開することで疼痛軽減がみられた. 筋骨格系だけでなく感覚や神経系を考慮し, 反射的なものから高度なものまであらゆる神経系の抑制や促通を利用することで, 身体機能をひとつのシステムとして構築できたものと思われる. その結果, 運動機能の改善に伴って筋のコントロールが可能となり疼痛軽減につながったものと考えられる.

20 右 THA 施行後, 右遊脚期において股関節屈曲不良を呈した一症例海老名メディカルサポートセンター熊沢僚 はじめに 本症例は右人工股関節全置換術 ( 以下, 右 THA) 施行後, 右遊脚期において股関節屈曲不良を呈し, 代償動作として体幹 骨盤の後傾がみられた. 本症例に対し, 股関節への介入を行ったが歩容に変化は得られなかった. そのため, 脊柱起立筋 仙結節靭帯 ハムストリングスからなる BACK LINE の影響に着目し, 再度介入を行った結果, 歩容の改善が得られたので報告する. 尚, 本症例に対し発表の趣旨を説明し同意を得ている. 症例紹介 70 歳代女性. 右変形性股関節症の診断を受け, 右 THA を施行. 術後 24 日に当院回復期病棟に入院となる. 術前の関節可動域 ( 以下,ROM) は右股関節屈曲 30 であった. 理学療法評価 当院入院当初の ROM( 右 / 左 ) は股関節屈曲 60 /110,SLR50 /60, 胸腰部屈曲 40 であった. 筋力は徒手筋力検査 ( 以下,MMT) で股関節屈曲 2/5 であった. 安静時筋緊張および立位時筋緊張は右脊柱起立筋 ハムストリングスに亢進がみられた. 歩容は右遊脚期において股関節屈曲不良を呈し, 代償動作として体幹 骨盤の後傾がみられた. 治療介入 介入検討期間は 21 日間. 初期介入 ( 術後 29 日 ~37 日 ) では股関節の可動性 運動性向上を目的とした股関節屈曲の ROM-ex 筋力増強訓練を実施した. 修正介入 ( 術後 38 日 ~49 日 ) では脊柱起立筋, ハム ストリングスの安静時 立位時筋緊張亢進に着目し,BACK LINE の伸張性と遠心性収縮コントロールの向上を目的とした起居動作 骨盤後方下制運動 スクワット動作を実施した. 結果 初期介入では ROM および MMT ともに右股関節屈曲 65,3 にそれぞれ向上するが, 歩容に変化は得られなかった. そこで, 右遊脚期における BACK LINE への影響を考慮し, 修正介入を行った. その結果, 胸腰部屈曲 股関節 SLR の ROM に変化はなかったが, 脊柱起立筋およびハムストリングスの立位時における過緊張が軽減した. 歩容は体幹 骨盤の後傾が減少し, 相対的に股関節の屈曲運動がみられた. 考察 本症例は右遊脚期において, 股関節屈曲不良の代償動作として体幹 骨盤の後傾がみられていた. そこで, 安静時 立位時筋緊張の評価から, 股関節屈曲に伴う BACK LINE の伸張性と遠心性収縮コントロールが体幹 骨盤の後傾に影響を及ぼしていると推測した. 介入を行った結果, 立位時での筋の過緊張が軽減し, 右遊脚期での体幹 骨盤の直立化が図れたことにより股関節屈曲運動がみられ, 歩容の改善が得られたと考える.

21 結帯動作をどう捉えるか呉整形外科クリニック黒石侑也 はじめに 結帯動作は 肩甲上腕関節伸展 外転 内旋の複合運動であるが 肩甲胸郭関節の影響も重要である 臨床において 肩関節のある運動方向に訴えや内旋制限が顕著である場合でも 結帯動作の訴えがないということを多く経験する 今回 結帯動作における代償運動が肩関節に及ぼす影響について 症例を通して考察していく 症例紹介 20 代男性 肩関節の診断はされていない 結帯動作に訴えはないが 屈曲時挙げにくさがある 理学療法評価 < 肩甲骨アライメント> 右肩甲骨挙上 前傾位 < 自動運動検査 > 右肩関節屈曲 : 早期より肩甲骨挙上代償強く 頸部前方移動が起こる < 他動関節可動域 > 肩関節内旋 1st 制限なし 2nd 35 3rd 70 肩関節外転 < 筋緊張検査 > 右僧帽筋上部(+) 肩甲挙筋(+) 右小胸筋(+) < 結帯動作 > 1 相 : 母指掌側 L5 初期より肩甲骨の挙上 前傾 下方回旋が開始する 2 相 : 母指掌側 Th12 肘屈曲と肩甲骨の前傾 下方回旋が強まる 3 相 : 母指掌側 Th7 挙上 前傾がさらに強まり 肩甲上腕関節水平外転 伸展で固定するも 可動域が不足し Th7まで届かない 考察 結帯動作では1 相 ~2 相に移行する際では肩甲上腕関節の運動により遂行される しかし 本症例では軽度外転位での内旋制限が顕著なため 初期より肩甲骨で代償することにより臼蓋を前下方に向け結帯動作を可能にしていると考える これらの代償運動は肩甲挙筋や小胸筋の筋緊張を高め 肩甲骨挙上 前傾 下方回旋作用を引き起こし 肩甲骨マルアライメントを生じさせていると考える 肩甲骨アライメントが崩れたことで 屈曲運動でさらなる肩甲骨挙上の代償運動を引き起こし 結果として現在の肩甲骨マルアライメントを定着させ 肩甲上腕リズムの破綻を招いたと考える まとめ 今回のように 内旋制限が顕著であっても結帯動作を困難としていない場合は多いように感じる 肩甲骨の可動性が確保されていれば低位での結帯動作は可能と判断されやすい 特に女性では男性に比べより高位での結帯動作を行うことが多く 肩関節へのメカニカルストレスやマルアライメントを生じる可能性が大きいと予想される 結帯動作の可不可のみではなく 各レベルでの肩関節の質的な動きを把握することが重要である 症状に限らず 結帯動作を捉えることは肩関節全体を捉える上で非常に重要ではないだろうか

22 Session 3

23 下腿へのアプローチによる座圧中心の修正から肩関節周囲炎が改善した症例増本整形外科クリニック木城拓也 はじめに 肩の痛みから試験勉強が困難となった症例に対して 下肢からのアプローチにより座圧中心位置を修正することで 痛みの改善がみられたため報告する 症例紹介 10 代高校生女性 昨年 11 月にバレーボールで右肩を痛めリハビリ開始となる 今年の 2 月に痛みの改善がみられ一旦リハビリ終了となるが 5 月中旬から徐々にまた痛みが出はじめたため 6 月初旬からリハビリ再開となる 主訴は 試験が近いため机の上で試験勉強をする際に痛みが出ないようになりたい とのことだった 理学療法評価 疼痛は 2nd 3rd 内旋 肩関節内旋位での上肢挙上 120 以上で肩の後面に出現した 棘下筋の斜走繊維 小円筋 大円筋に圧痛がみられた 座位姿勢は座圧中心が左前方位で脊柱は軽度左凸 上半身重心左偏移 そのため右の肩甲帯は左に対して内転 下方回旋を伴い 肩甲上腕関節は相対的に内旋 外転位 左の寛骨が右に対して後傾 後方回旋位で下肢は左の腓骨が右に対して下制している 距骨下関節は右に対して左が軽度回内位で内側縦アーチが低下している これに伴い右に比べて左の下腿内側の足関節底屈筋群に過緊張状態がみられた 座位にて体幹回旋を評価したところ 右回旋に対して左回旋の可動性が優位だった 右大腿の上に左下肢を組ませ 座圧中心右後方位で 2nd 3rd 内旋 肩関節内旋位 での上肢挙上を行ったところ大幅に痛みが減弱し 机の上での勉強が可能となった 結果 左の下腿内側の筋をリリースし 徒手にて腓骨頭を後方かつ挙上方向へ誘導したところ 左の寛骨の後傾が改善し 右後方への座圧が増加した これに伴い体幹回旋の左右差も改善した 肩関節内旋位での上肢挙上は 180 まで行っても痛みが出現せず 2nd 3rd 内旋の痛みも軽減した その後も繰り返し 下腿内側の筋のリリース 足趾内在筋 ex を中心に理学療法を進めていったところ 机の上での試験勉強が痛みなく可能となった 考察 2nd 3rd 内旋で痛みが出現したことから 棘下筋 小円筋の伸張痛だと考えられる 今回の座位姿勢はこの痛みを助長していると考えた 座圧中心が左前方位の座位姿勢では右の肩甲帯は内転 下方回旋し 肩甲上腕関節は相対的に内旋 外転位となるため 棘下筋 小円筋はより伸張位となる そのため 座圧中心を右後方へ修正するように理学療法を展開した 座圧中心が左前方にある要因としては 左の寛骨が右の寛骨に対して後傾していることが大きいと考えられる またこの要因としては 距骨下関節軽度回内位 内側縦アーチの低下に伴い過緊張状態となった下腿内側の筋群が腓骨を下方に引き下げ 腓骨に停止する大腿二頭筋長頭が左の寛骨を後傾させていると考えた これに対して 左の下腿内側の筋のリリース 腓骨頭の操作 足趾内在筋 ex を行うことで改善がみられたのではないかと考えた

24 歩行時に股関節痛を呈し力学的ストレスから考察する事で症状改善を試みた症例白岡整形外科喜多俊介 はじめに 左立脚期前半に左股関節痛を呈する症例に対し, 疼痛組織を特定し組織に対する力学的ストレスを軽減することで症状が改善したため報告する. 症例紹介 70 歳代女性.2013 年 5 月に外傷等の誘引なく歩行時に左股関節痛が出現. 翌日当院受診し変形性股関節症と診断され理学療法開始. 主訴は痛み無く歩きたい. 理学療法評価 画像所見は股関節に Roof osteophyte, 関節裂隙の狭小化 (+), 軟骨下骨の接触 (-). 歩行開始時から左立脚期前半に鋭痛 (NRS6~7) 出現. 疼痛部位を示させると股関節前面を手掌で覆う. 安静時痛 (-). 左腸腰筋 大腿筋膜張筋に圧痛 (+). 歩行は左 Mst 前半に骨盤左前方へ sway. 左右の Forward Lunge 動作は疼痛 (-). 左片脚立位で骨盤を左前方へ強制すると疼痛 (+), 骨盤前傾を誘導した状態で行うと疼痛軽減. 立位姿勢は骨盤後傾 左後方回旋 左偏位, 下部体幹後彎, 骨盤に対し体幹右回旋, 胸郭は足部に対し右偏位. 整形外科テストでは Kemp SLR 大腿神経伸張 test(-).patrick Gaenslen Newton test(-). Anterior impingement test(+).posterior impingement faber resisted SLR 股関節伸展外旋 stress test(-).rom-t では体幹伸展, 左回旋, 右股関節内転, 右股関節伸展位での内旋, 左股関節外旋, 膝伸展 ( 右 > 左 ) 制限 (+). 著名な筋力低下 (-). 統合と解釈 股関節前面痛を呈する疾患として整形外 科的疾患の他に尿路結石や悪性腫瘍などの内科的疾患や鼠径ヘルニアなどの外科的疾患に分けられる. 受傷機転や疼痛評価から内科的疾患や外科的疾患, 整形外科的疾患の中でも炎症性疾患や骨折は除外できる. 整形外科的テストにより腰部疾患, 仙腸関節疾患, 関節唇損傷の可能性も低い. また歩行時に臼蓋と大腿骨間で impingement が起こるとは考え難い. 立位姿勢が骨盤左偏位で胸郭は右偏位しており, 歩行時左 Mst 前半に骨盤の左前方 sway が見られるため左股関節には過度の外転 moment が要求さる. また骨盤後傾位で胸郭右偏位しており, 左股関節に対する上部の質量は右後方に位置しているため特に大腿筋膜張筋が骨盤を制動し疼痛を誘発していると考えられる. 治療は骨盤, 体幹を re-alignment し腰椎の伸展可動域を改善することで骨盤を前傾させ, 骨盤の左偏位と上半身重心の右偏位を正中化させることで Mst 前半の左股関節に対する上部の質量中心を左偏位させる. 治療 結果 腰椎左側屈 下部胸椎右側屈 体幹左回旋 腰部伸展, 右股関節内転 内旋, 左股関節外旋可動域訓練, 腰部自動伸展運動を行った. 週 2 回の治療を 3 ヶ月間継続することで歩容の改善と共に疼痛は完全に消失した. 考察 動作時痛に対し疼痛軽減を目的として理学療法を行う際, 原因疾患や組織を特定しどのような mechanical stress が加わっているかを評価する必要があると考える. 本症例は疼痛部位の訴えが曖昧なため詳細な除外診断を行うことで原因組織を特定し, 歩行時の mechanical stress に対し治療する事で症状を改善させる事ができた.

25 足底板療法での歩行変化について ~ 特にST 関節に注目して~ 若葉病院國井昭 はじめに 今回 右 RAO( 寛骨臼回転骨切り術 ) を施行後 右下肢の痛みを生じていた症例に対し 足底板を施行し歩容が修正され 痛みの軽減を認めたので報告する 症例紹介 年齢 :30 代性別 : 女性疾患名 : 両変形性股関節症 Ope 歴 :H17 右 RAO 施行既往 :L5 分離症左足関節過剰骨虫垂炎主訴 : 右大腿部の突っ張り感特徴 :ope 専門 Ns. であり 長時間無理な姿勢が続く事が多い 多忙であり 自主トレは続かない 理学療法評価 ROMT: 特に大きな制限なし MMT: 両下肢 4~5 レベル しかし単関節筋の筋収縮は得られ辛い Pain: 圧痛 右臀部 ~ 大腿外側 縫工筋 大腿筋膜張筋動作時痛 右大腿外側歩行 :[ 左 st] I.C~L.Rまでが早く ST 関節回内位となり 体幹左側屈 M.St 過ぎてもST 関節回内位のまま 左足部内側に荷重が続き stance 短い 右下肢はやや外側へswing [ 右 st] I.C 時の衝撃 となり L.R までに ST 関節回内位とならない M.St 始めに骨盤外側動揺 となる M.S ( 反対側の I.Sw~M.Sw にかけて ) 中に ST 関節の回内が見られ左下肢はやや外側へ swing 片脚立位 :[ 左 ] 始め体幹右側屈 股関節内転するが 徐々に股関節外転しながらバランスをとる ST 関節回内位 第 1 列底屈してくる [ 右 ] 一度体幹右側屈し股関節外転するが 徐々に股関節内転位へ ST 関節回外位になり 第 1 列背屈してくる 問題点 歩行時の ST 関節が正常動作より逸脱していることで左右への動揺 し 近位部へストレス なり pain が生じていると予想される アプローチ 治療 (pain 部や足部のモビ ) により pain するが 持続が困難だったため講習で学んだ入谷式足底板を参考にアプローチした 足底板評価 ( 右 / 左 ) ST 関節 : 回内 / 回外第 1 列 : 底屈 / 底屈内側楔状骨 :+/+ 果部 : 外果 / 外果横アーチ :234 /234 今回 当院にグラインダーが無かったので 削るのではなくパッドを足していき作成した 結果 Pain: 大腿外側の痛み減少 歩行 :[ 左 st] M.S 後の回内は抑えられ 足部中央に荷重出来 stance 延長 右 swing 進行方向へ可 [ 右 st] I.C~L.R で ST 関節回内方向へ 衝撃吸収出来おり 骨盤の動揺減少 M.S 時 ST 関節の動揺無く左 swng 進行方向へ可 片脚立位 : 左右共に体幹 股関節 足部の動揺減少 考察 足底板により ST 関節が良好な運動方向へ誘導され 歩行時の左右の動揺が減少 近位部へのストレスが軽減され 痛み減少に繋がったと考えられる

26 動きをつくる ~ 股関節に着目して ~ c 医療法人整友会豊橋整形外科鷹丘クリニック後藤千弘 はじめに 臨床において動きを変えるという事を目的として治療を行うことがある 動きを変えたり メカニカルストレスを減らす為に動きを変える 動きが変わるとはどういうことか 関節可動域が変わる= 動きが変わるではないことが多い 人は重力を受けて動いている だが 私は治療を除重力位である臥位で行う事が多く重力について考慮できていなかった 今回ブラッシュアップコースの入谷先生の講義を参考に重力を考慮し治療を考えた 二足直立歩行を営む人間は 上半身重心と下半身重心 それに伴う身体重心位置の変化 および床反力によって多くの部分を制御されていると予測される 床反力は足圧中心 身体重心によって決まり 床反力ベクトルの延長線である床反力作用線の方向は 関節中心の周りで回転モーメントの方向と大きさを決定するとされている よって身体重心をコントロールすれば動きがつくれるのではないかと考え 身体重心に近い股関節に着目した 治療アプローチ 図 1 a b 重力 図 1-a 物体が 2 つ縦に並んでいるところに矢印の方向に誘導する 図 2-b 重力がかかる 図 3-c 物体は矢印のように動く この2つの物体が上位が骨盤 下位が大腿骨だとする 歩行において考えてみる 立脚相 特に立脚中期から推進期にかけては図 2 のように床反力ベクトルが股関節の後方を通過する為股関節に伸展モーメントが働く ここで図 1 のように大腿骨を後方に誘導すると更に股関節の伸展モーメントが生まれ身体重心の前方移動を誘導できるのではないかと考えた 図 2 具体的な方法 側臥位にて徒手で寛骨を固定し 大腿骨を背側へ誘導した その際圧縮方向にも誘導した おわりに 今回は矢状面の動きについて考えた 今後の課題として前額面 水平面の動きについて考えていきたい

27 膝の外側動揺が出現する一症例柳川リハビリテーション病院佐藤貴宣 はじめに 約 2 年間の臨床で歩行時に膝の外側動揺が出現する方を多く目にする機会があった 今回 脚長差と ROM 制限の影響により 歩行時に膝の外側動揺と痛みが出現した方に対しアプローチした結果を報告する 症例紹介 80 歳代女性診断 : 左大腿骨頸部骨折術後術式 : 人工骨頭置換術 ( 後方侵入 ) 愁訴 : 右脚が短く感じる 左膝が痛い 理学療法評価及び問題点 脚長差左 - 右 =1.5cm ROM 制限左股伸展 -5 内転 5 筋力低下 (MMT) 左中殿筋 4 姿勢骨盤前傾左傾斜左回旋位仙骨左傾斜左回旋位左寛骨後方回旋位左膝屈曲位歩行左 L.R. 膝外側動揺 +T-sign+D 現象左 L.R.~Mst. 膝外側動揺 + 左骨盤後退 10m 16.46sec 24step 疼痛歩行時左膝痛 (+) 仮説 機能的 構造的脚長差 中殿筋出力低下 T-sign 大腿筋膜張筋過剰収縮 内転制限伸展制限大腿骨遠位外側動揺 骨盤後退に伴う大腿遠位回旋膝の外側動揺 膝内反モーメント増大 膝痛 アプローチ 初期 1m3w 左股 ROMex. 骨盤アライメント修正 Step ex. 歩行 ex. 結果 ROM 左股伸展 -5 5 内転 5 10 筋力左中殿筋 4 5 姿勢骨盤前傾左回旋位仙骨正中位左膝屈曲位歩行左 L.R. 膝外側動揺の軽減左 L.R.~Mst. 膝外側動揺 + 左骨盤退の軽減 10m 11.84sec 21step 疼痛歩行時左膝痛 (-) 考察 歩行時 機能的及び構造的脚長差と中殿筋出力低下により T-sign が出現 さらに左 L.R.1 左股内転制限により代償的に大腿骨遠位外側動揺 2 左股伸展制限により代償的に骨盤後退とそれに伴う大腿骨遠位回旋 骨盤アライメントと12に対してアプローチを行った結果 機能的脚長差の改善と大腿骨に及ぼす代償が軽減し 膝の外側動揺軽減 痛みの消失につながったと考える またアプローチを進めていくなかで 機能的脚長差すなわち骨盤アライメントの捻じれ ( 骨盤前傾左回旋左傾斜位 ) の原因は 歩行時の股関節内転 伸展制限ではないかと示唆した このことから 股関節の可動域に対するアプローチは重要であったと考え る

28 上半身重心位置を変化させることにより膝痛が改善した一症例増本整形外科クリニック城広夢 はじめに 上半身重心の位置変化はそれより下位の各関節に対して関節モーメントを変化させ メカニカルストレスの増大 減少に深く関わる重要な要素の一つと考える 今回は歩行時の左膝内側痛に対して上半身重心位置に着目して疼痛改善がみられたため ここに報告する 症例紹介 70 代女性診断名 : 左変形性膝関節症主訴 : 歩行時に左膝内側が痛い 理学療法評価 左膝鵞足部に圧痛(+) トリガー筋鑑別テスト薄筋テスト (+) 左大腿筋膜張筋 腸径靱帯( 以下 左 TFL ITT)stiffness(+) 左大腿直筋( 以下 左 RF)stiffness(+) 疼痛時期( 歩行周期 ) は左 MSt 時 その際の上半身重心位置は右方かつ後方位 坐位 立位ともに上半身重心の左方移動かつ前方移動困難 姿勢観察( 静止姿勢 ) 坐位 立位ともに上半身重心位置は右方かつ後方位 その際のアライメントは 前額面上では左肩甲骨下制位 体幹左側屈位 左骨盤挙上位で右方重心 ( 台形対応 ) 矢状面上では頭部前方位 胸椎後彎位 骨盤後傾位で後方重心となっていた 左下肢に関して 下腿は大腿に対して外旋位 およびそれに伴う外方傾斜位 歩行観察歩行全般において上半身重心の右方かつ後方化 左 MSt での左膝 lateral thrust 骨盤左 sway 結果 徒手的に胸郭を操作し 上半身重心位置を左方かつ前方へ誘導した すると 歩行時の左膝内側の疼痛は消失した 考察 上半身重心位置の左方かつ前方への変化が主訴となる症状を改善させたと考えている 本症例では上半身重心の右方位が左膝への外的内反モーメントを増大させ それが歩行左 MSt での lateral thrust を増強させていたことが示唆される また その際に下腿近位外旋およびそれに伴う下腿外方傾斜による捻れが生じ それらがメカニカルストレスとなり 左膝内側痛を生じさせていることが考えられる 下腿近位外旋およびそれに伴う下腿外方傾斜に関しては 上半身重心位置の右方かつ後方位による左 TFL ITT や左 RF の stiffness が影響していると考えられる 本症例の上半身重心位置の右方かつ後方位による左 TFL ITT 左 RF の stiffness が下腿近位を外旋および外方傾斜方向に動かしていることが示唆される それらが薄筋の伸張痛を増強させ 歩行左 MSt での左膝内側痛を引き起こしていると考えられる 上半身重心位置が左方かつ前方位へ変化したことで 上半身重心位置は正中位に近づく それにより左膝に対する外的内反モーメントが減少し 歩行左 MSt での lateral thrust が減少した よって下腿近位外旋および外方傾斜が抑えられ 薄筋による左膝内側の伸張痛が改善したと考えられる 今回 上半身重心位置の重要性を改めて実感した 上半身重心位置の変化により それより下位の各関節への関節モーメントが変化し それが各関節へのメカニカルストレスの変化に繋がることが示唆された

29 下肢コース総まとめと関連性 ~ 姿勢制御を考慮した下腿へのアプローチ~ 訪問問看護ステーション都葦髙木謙太郎 はじめに 勉強会で学んだことを臨床へと昇華していくためには それぞれのエッセンスを調合すること 自分なりに点と点を線で結び 関連性を持つことである また 講師のルーツを知り その背景にあるものを理解することで見聞を広めることが可能となる そこで今回 各講座を通じた関連性から アプローチ法を考えたのでここに紹介する 下肢 1 年コース各回概要 6 月 : 具志堅敏先生膜の視点からのアプローチ 7 月 : 永井聡先生股関節形態評価と運動療法 9 月 : 山崎敦先生機能解剖学的視点からの運動療法 10 月 : 山田英司先生膝関節を主とした理学療法戦略 11 月 : 入谷誠先生インソールと足部評価 各回の関連性 成人における股関節形態は 小児の発達における腸腰筋の筋緊張と 大腿骨頭にかかる剪断力によって変位した結果のものである 故に 過前捻や外反股を呈する方は 腸腰筋を主体とする筋の機能不全を呈しやすく 股関節がインスタビリティとなりやすい そのため 大腿骨を屈曲 内旋させることによって股関節を求心位に 骨性に安定させる傾向にあり 内旋した大腿骨に 対して下腿は 相対的に外旋しやすい 近位下腿の外旋は対側への重心移動時に起こる運動であり 同側への重心移動の阻害因子となると同時に 足部外側での制御を強いられるため 距骨下関節の回外とハイアーチおよび脛骨の外捻角の増大につながる 下肢機能の低下した側は 重心比率が低くなるため 結果的に対側が支持側となりやすい傾向にある 吉岡によると 左右を比較した際には 左側が支持側となることが多く その場合は 90% の確立で胸椎の右凸の側弯になるという これには諸説あるが 右利きと左利きの比率と同じだそうだ 治療理論 大腿骨の骨形態に対して下肢が適応する際に重要となるのは 後脛骨筋と長腓骨筋のクロスサポートシステムと 骨間膜の機能的構造である 特に後脛骨筋は 脛骨と腓骨 骨間膜に付着し 脛腓間の距離の調整と腓骨の軸回旋の調整に関わるため 下腿の回旋と距骨下関節の外内反を制御すると同時に 足部のトラス機能に関与する また 骨間膜は網目構造となっているため 腓骨が回旋する方向によって伸長される線維が違う 膜構造に依存した組織は 可動性の制限と 筋の制御能力の低下を呈するため これらを改善させることによって姿勢制御能力の向上を図る アプローチ方法 近位の下腿と遠位の下腿を把持し 交差的な回旋を加える 制限がある部位に圧迫伸長を加えながら遠位の下腿の回旋を行う 脛腓間の可動性を向上させることで 姿勢制御での下腿の運動を引き出し クロスサポートシステムを主とした 筋での制御を向上させるきっかけ作りを主な目的とする

30 Session 4

31 立ち上がりに関する一考察河北リハビリテーション病院古後俊介 はじめに 立ち上がり動作は 高齢者における離床時間の確保や 日常生活動作の自立には必要な項目の一つである 今回高齢者における立ち上がり動作獲得に着目し 考察したので報告する 立ち上がり動作とは 立ち上がり動作における 離殿は骨盤 腰椎 股関節から起こる回転モーメントを足圧中心に向けて起こし それを床反力に変えてその応力として 抗重力筋活動を働かせることにより開始する 高齢者の立ち上がり 高齢者において立ち上がり動作では離殿の際に前方への重心移動が不十分で 後方に転倒しそうなるのを上肢支持に依存し 下肢の筋活動を伴わないケースが臨床上散見される 高齢者においては円背などの加齢変化により脊柱 骨盤の骨性制限を引き起こし 上部胸椎を回転軸として回転モーメントを起こしているため 骨盤 腰椎 股関節での回転モーメントの確保が難しく 床反力の減少に伴い 抗重力筋の活動が乏しくなりやすい状況にあると考えられる モーメントの補償 高齢者においては回転モーメントを骨盤 腰椎ではなく膝関節 足関節で補うことで 立ち上がりの円滑 安定化につながるので 介入方法 骨盤 腰椎で起こせないモーメントを補う方法として下腿骨遠位後方 近位前方誘導を考え 以下の3つを効果として考えた 1 下腿骨遠位 ( 距骨も含み ) を踵骨に対し後方に 近位を大腿骨に対し前方に誘導する それにより 下腿中心を軸とした回転モーメントが確保される 2 下腿骨の位置が変化することで 前脛骨筋は求心方向に下腿三頭筋は遠心方向に誘導されることにより 離殿時の筋活動補助にも働く 3 下腿遠位が後方に移動することにより 足底にかかる床反力作用点も後方に偏移することで 後方への回転モーメントが生じにくくなる 今後の展望 高齢者の身体的特徴に合わせた 治療展開が進められるよう 介入方法の構想を進めていきたい

32 肩関節痛を歩行から捉える新葛飾病院小林弘幸 はじめに 臨床において肩関節障害の原因は 肩関節複合体のみならず 体幹や下肢といった多岐にわたるものが考えられ全身的な運動連鎖を考えていく必要があると考える そこで今回 両側 TKA 施行後に左肩関節痛と可動域制限を生じた症例に対して 下肢の問題点から左肩関節に及ぼした影響について考察したので報告する 症例紹介 70 代女性 診断名 : 両側変形性膝関節症現病歴 : 左 TKA 施行後 1 ヶ月後に右 TKA を施行 右 TKAOpe 後 45 日目より左肩関節痛と可動域制限が出現 既往歴 : 左膝内側半月板損傷 Ope(60 代 ) DM COPD 理学療法評価 疼痛 : 左肩関節全面に広がるような痛み 主に肩関節屈曲 100 以降で出現 外転外旋位にて疼痛増悪 関節可動域 : 肩関節屈曲 ; 右 170 左 140 (Pain) 圧痛所見 : 左上腕二頭筋長頭 短頭 左大 小胸筋整形外科的テスト : Speed Test( + ) Yergason Test(+) 左肩甲骨アライメント : 内転 下制 下方回旋位 ( 右に対して ) 体幹回旋 : 右 ; 下部体幹優位 左 ; 上部体幹優位外反母趾角 : 右 45 左 30 膝屈曲動作 : 右内側ハムストリングス収縮力低下歩行 :1 歩目は左脚から振り出す 振り出しの直前に足部の外転動作出現 歩行周期全般的に右足部外転位 左前腕回外位 右 MSt~TSt の短縮が見られ 上部体幹の左回旋が優位 歩幅は左脚の方が長い 問題点 結果など 問題点 : 歩行時の MSt~TSt の短縮による上部体幹での左回旋過剰治療内容 : 右足部内在筋 Ex 右足関節底屈 外反 Ex 右内側ハムストリングス Ex 結果 : 左肩関節疼痛軽減 左肩関節屈曲角度改善 考察 左肩関節痛の原因として軽度の上腕二頭筋長頭腱炎が疑われた 要因としては 左肩甲骨の malalignment により 上腕二頭筋の筋長が増加していたこと その結果 静止張力が増加し過剰収縮を引き起こしたと考えた 肩甲骨の malalignment の原因は歩行周期中の MSt~TSt の短縮による肩甲骨を含む上部体幹での左回旋の代償が考えられた 上記問題点への介入により 肩甲骨アライメントが改善し 肩関節複合体としての協調的な運動が行えたと考える 治療前 治療後

33 耳より情報太田綜合病院附属太田西ノ内病院佐原潤 はじめに 目的 耳介は側頭部から約 30 度の角度で外側後方に位置している その構造は複雑で 音波を集める集音器を耳介軟骨が構成し 周囲を耳介筋が付着 皮膚が全体を覆っている また動脈は浅側頭動脈枝 後頭動脈 耳介動脈が外頚動脈枝から分岐し 耳介周囲を栄養している 耳介を観察すると 周囲には環椎後頭関節 頚椎 顎関節などが位置し 頭頚部運動 咀嚼運動等に関与する筋群が付着している そのため 不良姿勢などの影響から 耳介周囲の皮膚滑走障害 異常筋緊張 血流障害等を生じることで 間接的に頭頚部運動の制限因子になる可能性が考えられる そこで 耳介周囲組織に局所的なアプローチを施行することで 上記の制限因子が緩和され 頭頚部運動が変化するのではないかという発想が生まれた 対象 方法 対象は本研究に同意を得た健常成人男性 5 名 ( 年齢 25.8±4.2 歳 身長 170.2±5.8cm 体重 58.0±2.8kg) とした 評価は 各対象者の操作前後における安静座位での頚部回旋角度を測定した 操作方法は耳介周囲の皮膚滑走が乏しい部位に対し 快刺激を与える約 4Hz 程度の徒手的揺らし 牽引操作を施行した ( 山口光國先生の講義より ) また 姿勢による筋緊張を考慮し 背臥位にて実施した 介入効果として操作前後で頚部回旋角度を左右各 3 回測定し 各平均値と平均変化率を算出した 頚部回旋の基本軸は両側の肩峰を結ぶ線への 垂直線 移動軸は鼻梁と後頭結節を結ぶ線とし ゴニオメーターを使用し測定した 結果 図 1 操作前後での頚部回旋角度 平均変化率 Rt Lt 13.10% 16.10% 表 1 平均変化率 考察 操作後の頚部回旋角度 ( 図 1) 変化率( 表 1) は増加傾向にあった 福井は皮膚の一部が伸張されないと身体運動に制限を及ぼすと述べている 1) その特性から局所的に可動域制限因子である表層組織を伸張したことで 頚部回旋運動に作用する各組織の連続性が調整され 頚部回旋角度が増加したと考えた さらに 耳介周囲は感覚受容器や栄養血管が豊富で 操作後の接触刺激が残存しやすい 揺らし操作によるリラクセーションや田中らによる徒手的接触刺激の生理学的効果 1 皮膚受容器を刺激し筋収縮を促通する 2 末梢からの感覚フィードバックを中枢神経系に与える 2) 作用から 頚部回旋運動に関与する筋群のカップリング機能が調整され 対象者の動作効率が向上したのではないかと考えた 文献 1) 福井勉 : 皮膚の運動学的視点から捉えた理学療法の展開. 理学療法学. 第 38 巻. 第 4 号.P337~ ) 田中良美 : 運動課題の提示方法, 徒手的感覚入力. 理学療法学第 24 巻. 第 2 号.P328~

34 肩峰下インピンジメント症候群を呈した一症例 ~ 原因と経過の一考察 ~ 三島社会保険病院田畑祐介 はじめに 当院では中 高齢者のインピンジメント症候群が多く 運動療法を行っている その中で早期に症状の改善が見られる症例と 症状改善に時間を要す場合がある 今回 症状改善に時間を要した一症例を参考にインピンジメント症候群の要因について見直していきたいと思い以下に報告する 症例紹介 60 歳代女性 約 1 年前より右肩痛出現 今回ウォーキング中に転倒し左足外果骨折 保存療法となる 松葉杖を使い始めてから右肩痛増悪 1 カ月以上安静にしていたが疼痛治まらず当院外来受診 右肩インピンジメント症候群と診断され内服 運動療法開始となる 理学療法評価 疼痛は安静時痛なし 夜間時痛軽度あり 運動時痛は右肩屈曲 外転時 : 肩峰下周囲 肩外旋時 : 大結節付近 肩内旋時 : 肩峰下後方付近に生じていた 筋緊張は大 小胸筋 肩甲挙筋 僧帽筋上部に亢進を認めた 棘下筋 小円筋も回旋時に亢進を認めた アライメントは胸椎 : 後彎 右肩甲骨 : 下方回旋著明 やや外転 前傾位 上腕骨頭は関節窩に対して前方偏位していた 関節可動域は他動にて屈曲 110 ( 健側 170 ) 外転 90 (165 ) 外旋 1st 10 (70 ) 外旋 2nd 20 (80 ) 内旋 2nd 10 (45 ) 内旋 3rd -20 (20 ) IRP S1 付近 (Th7) であった 筋力は徒手筋力 (MMT) にて屈曲 外転 : 4 外旋 内旋:3~4 僧帽筋中 下部線維: 3 であった 治療経過 外来リハビリ 2 回 / 週で実施 肩甲骨のアライメント修正 筋緊張の緩和 疼痛を軽減することから開始 3~4 週目には夜間時痛消失 屈曲時痛軽減 屈曲 外転の可動域が拡大したが 回旋可動域 特に内旋の可動域制限は残存していた 筋緊張 骨頭前方偏位 関節モビリティーから棘下筋 小円筋の短縮 関節包の制限を問題点とした アライメント修正のアプローチから腱板筋群 関節包の伸張に重点を置いたアプローチに移行した リハビリ開始から約 18 週目で肩甲帯の筋力向上 回旋可動域に拡大が見られたが結帯動作 ( 下着の着脱 ) の制限が残存した 考察 本症例は 右肩痛出現後 松葉杖使用 疼痛増悪により右上肢を長期間使用していないという経緯があった このことから 本症例におけるインピンジメント症候群の要因として 右上肢不動による腱板筋群 関節包の短縮 肩甲骨の機能不全による屈曲時の上腕骨頭偏位と考えられた これまで中 高齢者のインピンジメント症候群に介入する中で 姿勢不良や僧帽筋などの肩甲骨周囲筋力低下によるアライメント不良が主な問題となっている場合が多いという印象があった 今回の結果から肩峰下周囲の軟部組織 靭帯や関節包の柔軟性低下がインピンジメントの大きな要因になると改めて感じた これらの徒手的な評価や治療を より正確に行っていかなければならないと考える

35 病期 病態を考察し治療を行う事で良好な結果を得た右肩関節周囲炎の一症例白岡整形外科中西健人 はじめに 今回, 右肩関節周囲炎症例に介入し, 良好な結果を得た為報告する. その際, 病期 病態を把握した上で, 肩甲上腕関節 ( 以下 GH) と肩甲胸郭関節との関係性に着目して, 問題点を抽出した. 症例紹介 50 歳代女性.1 ヶ月前の引っ越し作業翌日から約 1 週間安静 夜間痛が生じた.2~3 週間後には, 結滞や就寝時腕を下垂する動作で疼痛が出現した為,2013 年,8 月に当院受診し右肩関節周囲炎と診断され, 同日から理学療法開始. 尚, 今回の報告に対する同意を得た. 理学療法評価 初診時, 炎症所見はなく, 烏口上腕靭帯 腱板疎部といった GH 前上方組織が肥厚しており, 圧痛は烏口突起下部にある.ROM は, 屈曲右 140, 左 160,1st 外旋右 30, 左 45, 伸展右 20, 左 40, 内転右 -5 左 30 だが, 伸展 内転 ( 特に,1st 外旋 ) は GH 上方組織の伸張痛による制限を認めた. 結滞は, 早期から右 GH 伸展 内転制限を右肩甲帯前傾 下方回旋, 上部体幹屈曲により代償し L5 レベルまで可能. 肩甲帯の代償を抑制した場合,GH 上方組織の伸張痛が生じ疼痛が再現された.(NRS6) 姿勢は, 頭部前方位, 胸腰椎後弯位に加え, 胸郭右側屈 右回旋, 右肩甲帯前傾 外転 下方回旋位, 骨盤左回旋, 左股関節内旋 内転を呈していた. また, 立位 座位共に上記 alignment に変化はなく, 胸郭の左側屈 左回旋の可動性は低下していた. 右肩挙上は, 最終域で胸椎左側屈 左回旋, 右肩甲帯上方回旋が減少し,GH の詰まり感と軽度疼痛が生じたが, 介入評価で胸郭左側屈 左回旋と肩甲骨から上方回旋方向へ誘導する事で症状は消失した. また, 抵抗テストは, 屈曲 45 の肢位で, 著明に右肩甲骨下方回旋と軽度疼痛が生じたが, 下方回旋を抑制すると疼痛は消失した. 以上から挙上時, 右肩甲胸郭関節機能不全により肩峰下インピンジメント を起こし易い状態である事が示唆された. 統合と解釈 1 ヶ月前の引っ越し作業では長時間段ボールの積み上げ動作を繰り返し行い, 荷台最上段に乗せる場合には右肩関節を過度に挙上させていた. 本症例は, 上記動作を右肩甲胸郭機能不全の状態で行った事で, 肩峰下インピンジメンを招き,GH 上方組織に微細損傷が生じ, 約 1 週間にかけ安静 夜間痛といった炎症症状を呈していたと考えられた. さらに, 急性期から亜急性期に移行する中で, 損傷した GH 上方組織が肥厚 瘢痕し, 組織間一体に滑走不全が生じた結果,GH 上方組織に対して伸張ストレスが加わる就寝時腕を下垂する動作や, 結滞動作で疼痛が生じたと考えた. 治療と結果 まず, 就寝や結滞動作時の疼痛軽減の為に,GH 上方組織の滑走性向上を第 1 目標とし, 肩甲骨を固定しながら愛護的に GH 内 外回旋運動を繰り返し行った. 挙上に対しては, 胸郭左回旋 左側屈, 右肩甲骨上方回旋の可動性向上と右前鋸筋促通を行い, 右肩甲胸郭関節の機能向上を目指した. 上記治療を, 週 2 回, 計 4 回行う事で,ROM は, 屈曲右 150,1st 外旋右 40, 伸展右 40, 内転右 30 と可動域が向上し, 結滞でも肩甲骨前傾 下方回旋の代償と疼痛が消失した.(NRS0) 挙上も詰まり感なく行う事が可能となり, 以後肩関節痛は再燃しなかった. 考察 肩関節周囲炎は, 複数の病態を抱える疾患である. 各病期の病態を把握した上で, 多角的に問題点を抽出し治療を行わなければならない. 本症例が訴えていた就寝や結滞動作時の疼痛は,GH 上方組織一体の滑走不全によるもので, 的確に対症療法が行えた為, 症状が改善したのではないかと考える. しかし,GH 滑走不全の病態は結果であり, 疼痛経過や機能評価からそもそもの主原因であった挙上時の右肩甲胸郭関節機能不全を問題点に挙げ, 治療出来た事が良好な結果に繋がったのではないだろうか.

36 ボディイメージの相違と前十字靱帯損傷キッコーマン総合病院檜山里美 はじめに 前十字靱帯 ( 以下 anterior cruciate ligament;acl) 損傷の危険因子は,lreland らにより内的因子と外的因子, 両者の混在する複合因子として分類されている. 内的因子はアライメントや関節弛緩性など, ACL 損傷者に限らず女性のスポーツ選手に多く当てはまる項目が含まれる. また, 非接触型の ACL 損傷は, 接触型と比べ約 70% 以上も受傷率が高い. 非接触型での受傷とは, 自身の身体運動の中で,ACL を断裂させるだけの力学的ストレスが加わるということである. つまり自身の運動に対するボディイメージが破綻している場合, 関節にどのようなストレスを与えるかを認識出来ない可能性がある. 今回,ACL 損傷者と非損傷者との間に, ボディイメージの相違が存在するか否かについて検討した. 対象 以下 3 名を被験者とした (18 歳 女性 ). 被験者 A:ACL 損傷既往なし 被験者 B: 片側 ACL 損傷者 ( 競技復帰 ) 被験者 C: 両側 ACL 損傷者 方法 45cm の台上から閉眼で片脚にて着地し, 行った動作のイメージを内観させた. 次に事前に準備したアライメントの異なる9つの写真の中から, 実際の動作イメージに類似するものを選択する. 写真は, 骨盤の水平 反対側挙上 反対側下制の3 種類と, 膝関節正中位 外反位 内反位の3 種類を組み合わせ, ランダムにて表示したものを提示した. 着地脚は被験者 A,B は健側, 被験者 C は競技復帰可能と診断された脚で実施した. 解析 デジタルカメラにて着地動作の前額面像を撮影し, 動作解析を行った. 着地後の最小膝外反角度の画像を検出し, 選択した写真と比較 検討した. 結果 被験者 A の実際の動作は, 骨盤の水平 膝正中位, 被験者 B は骨盤の反対側挙上 膝外反位, 被験者 C は骨盤の反対側下制 膝外反位であった. 選択したイメージとの比較では, 被験者 A は膝のアライメントの相違, 被験者 B は骨盤, 膝ともに一致, 被験者 C は骨盤, 膝どちらのアライメントも相違を示した. 考察 着地動作のイメージと最大膝外反角度でのアライメントの比較は,ACL 損傷群と非損傷者での傾向の差は見い出せなかった. しかし, 被験者 C の運動は,ACL 損傷に多いマルアライメントを示しているにも関わらず, ボディイメージとは真逆の写真パターンを選択した. これは自身の身体運動を内観できず, 実際行った運動を正確に認識出来ていないことを示す結果となった. 非接触型 ACL 損傷者の中に, ボディイメージが破綻しているケースが存在する場合, 実際行っている運動を正確に認識出来ず, 傷害を招く危険性がある. このような症例は, 学習における運動感覚フィードバックに誤差が生じ, 効率の良い安全な身体運動を学習出来ていない可能性がある. 今回の結果より, ボディイメージの相違が ACL 損傷や再発に及ぼす影響を再検討する意義があると考える.

37 体幹の安定性と自由度に対する考察山田記念病院平井洋一郎 はじめに 体幹安定性を作るためには腹横筋 多裂筋 腹斜筋 横隔膜 骨盤底筋群をトレーニングすることが言われているが, 各筋の収縮が促され腹部の 箱 が安定することが本当の体幹の安定なのだろうか. 今回ブラッシュアップコースで学んだことを基礎として, 体幹について再考察し今後の研究テーマとしていきたい. 自立的な姿勢制御とは 端座位で脊柱起立筋を収縮させ脊柱を伸ばすことは, 脊柱起立筋による収縮によって, 逆に脊柱の弯曲は増強され抗重力姿勢ではなくなってしまう. 腹横筋等に収縮が入ると, 水風船を真ん中からつぶしたような形になり 結果上下に体幹が伸びる. これが自立的な姿勢制御のひとつと考える. 端座位で臀部後方を高くし, 骨盤を前傾位にすると自然に腹横筋の収縮が入ると言われている. このように骨盤がどの角度で腹横筋の収縮が入りやすいか, 現在も超音波で確認されているが, ほかの腹部の 箱 を形成している筋がどの様な肢位 または運動で収縮するか, 効率よく収縮させるにはどの様にしたらよいかを研究して行きたい. 固定的ではなく自由度のある体幹 胸郭は脊柱以外に肋骨 鎖骨 胸骨の骨格があり構造物として安定かつ動きのある作りとなっている. 胸郭は水平断すると楕円形である. 寝返りの際には固定的に見える胸郭は床面に合わせて皮膚 軟部組織 筋肉 関節を変形させながら動作を行う. 腹部は腰椎以外の骨はなく, 腹横筋 多裂筋 腹斜筋 横隔膜 骨盤底筋群で支えられている. 筋肉の使い方や状態によって大きく姿勢に影響してくる. 骨がない分, さらに変化させやすく自由度に富んでいるとも言える. チンパンジーの脊柱は弯曲がないと言われているが 人間はS 字のカーブがある. S 字を使ってあらゆる方向に動かすことが可能である.Postural control は重力に抗して脊柱を伸ばしタスクを実行することを言うが, 体幹は, 重力に抗するだけでなく, 体を小さく折りたたんだり, 捻じったりしてあえて崩すことも可能である. そして崩れた姿勢から抗重力姿勢へまた戻すことができると言うことが安定した体幹といえるのではないだろうか. このことから体幹の関節や筋は, 今まで学んできて認識しているよりも, 細部で緻密で柔軟な動きがあるのではないかと考えられる. 今後, 具体的な研究テーマとして行きたい. おわりに 私は体幹の安定性と自由度を見るための評価の多くを持ち合わせていない. 今後評価のスタイルを作ることが現在の自分の課題である. しかし今回ブラッシュアップの講義で多くを学び, 今までより多角的な視点で現象をとらえようとする考え方が身についたように思える. これからも様々な治療や評価法を学び, 初めに興味を持った体幹を中心に, 治療技術の幅を広げ, 月並みな表現ではあるが, 多くの方に喜んでいただけるセラピストになりたいと思っている.

38 Pusher 現象を呈する脳卒中片麻痺患者に対するアプローチ羽村三慶病院柳沼利弥 はじめに 脳卒中片麻痺患者が pusher 現象を呈していることは珍しくない 網本らは pusher 現象と日常生活動作 (ADL) 自立度の関係性において pusher 群と年齢 麻痺の程度を統制した対照群の退院時の ADL 自立度の差を分析したところ pusher 群が優位に低い自立度を示した と述べている つまり pusher 現象の改善を図ることで ADL 自立度の向上に繋がると思われる 今回 pusher 現象を呈した症例に対し ADL 自立度向上の為の前段階として立位姿勢に着目し評価 治療を行った為 以下に報告する 症例紹介 70 歳台の女性 右視床出血により左片麻痺を呈した方 既往歴に 2 度の脳梗塞 ( 極軽度 ) がある 理学療法評価 [ 運動機能 ] Brs: 上肢 Ⅱ 手指 Ⅰ 下肢 Ⅱ [ 感覚 ( 表在感覚 関節覚 )] 体幹 ~ 上腕部 大腿部 (4/5) 肘関節 膝関節より末梢(0~ 3/5) 左下肢が 5 cm程度短いと認知 [ 立位姿勢 ] 体幹左側屈位 骨盤左傾斜 右側方偏移 下肢屈曲位 ( 左 > 右 ) 左踵部からの床反力は知覚困難 視覚 体性感覚共に左傾斜位が正中位と認知 過度な左側傾斜は認識可能だが 姿勢保持の為に右上下肢で左側への押し込みを強め 左側傾斜増悪 [ 起立 着座 ] 初動時 右股関節屈曲 ( 骨盤前傾 ) が不足し体幹右回旋 左側屈しながら動作に至る その際の両股関節内旋し足部は外側へ位置を取る [ 高次脳機能障害 ] 注意障害 左半側空間無 視 左上下肢身体失認 治療 経過 体幹機能向上 左下肢の身体図式再構築による垂直認知 立位正中位保持の獲得を目的に 4 週間介入した 結果 立位時に右上下肢過活動軽減 左踵部からの床反力が知覚可能となった しかし 座位での体幹機能は立位に反映せず正中位の認知も困難であった また 右上下肢の refarence( 参照点 ) がない立位や起立 着座時に左側へ崩れやすく その他動作でも未だ pusher 現象を認めている 考察 pusher 現象は知覚認知機能障害 ( 垂直認知の異常 ) であり 責任病巣は傾斜を知覚する前庭視床である可能性が高い 本症例は右視床出血により前庭から入力される前庭視床が機能低下し 垂直認知に異常をきたしていると考え 治療を行った 治療後 pusher 現象を一部制御可能となったが 未だ残存する 初期評価時は左踵部からの床反力を知覚出来ず また左下肢が短いと認知していることから左下肢に身体図式の崩れがあると捉えていた しかし refarence がなければ立位保持が困難なことや起立 着座時に右股関節屈曲 伸展が得られ難いことから右股関節も身体図式が崩れている可能性が考えられる 今回の治療では右下肢の身体図式を捉えきれず 左下肢の身体図式再構築 body image の転換に固執してしまった為改善し難かったと考える 今後の課題として 右下肢の身体図式の再評価 再構築と左下肢の身体図式再構築 body image の転換を挙げる これらの構成要素と立位姿勢 ADL 能力について再度検討していきたい

39 Session 5

40 骨盤帯は非対称でもいい!? ~ 仙骨と足底のマッチング~ 袖ヶ浦さつき台病院髙木健太 はじめに 骨盤帯を評価 アプローチする際にアライメントの対称性というのは機能的に重要と考えられている しかし骨盤帯を評価し正中化するアプローチを行っても意図した動作が得られない事や すぐに戻ってしまう経験をした また形態的に対称でない変形性関節症の方には正中化は難しい だが逆に非対称ということは特定の動きやすい 力が伝達しやすい 筋力を出しやすい位置や方向があることではないかと考え そこに他の関節をリンクさせる事で動作に良い影響を与えられるのではないかと考えた そこで仙骨のアライメント評価と荷重伝達されやすい足部の荷重部位をマッチングさせることで動作に良い影響を与えられた経験をしたので症例を通じて紹介する 評価方法 腹臥位で仙骨の仙骨溝の深い側と下外側角の尾方側を評価 その評価に下記図の足底荷重部位をマッチングさせ立ち上がり動作時に下記図の黒丸の部位へ高さを入れる 左図仙骨溝と下外側角下図足底荷重と骨盤の関係性緑丸 仙骨溝 ( 深 ) 又は下外側角赤丸 うなずき青丸 起き上がり アプローチ ~ 立ち上がり動作編 ~ 離殿が遅延する高さまで座面を下げ その後 仙骨 足底のマッチングを行う 足底荷重位置に約 0.5 cmの高さをつけて立ち上がらせる 何回か繰り返し荷重伝達能が向上し動作速度が上がってきたら段階的に負荷をかけるため1 高さをとる2ミスマッチ部位 ( 仙骨評価とは対角線上の足底荷重部位 ) へ高さを入れる3 座面を下げてマッチング位置へ 1~3の工程を繰り返す 症例紹介 60 歳代女性 階段から転落し受傷 左鎖骨骨折 左下肢の筋力低下 骨折の方は完治したが下肢筋力低下が改善されない 症例は運動が好きでジムに通っていた 目標は受傷前ジムで出来た左片脚での立ち上がり (40 cm ) ケンケンが出来るようになる事 周径左右差なし 自動 SLR 左ふらつき MMT 左大腿四頭筋 4 左腸腰筋 5 結果 考察 10 月 3 日踏ん張りがきかないと訴えあり 55cm 座面からの左片脚の立ち上がり困難 仙骨は左仙骨溝深く 左下外側角タイプ マッチする足底の荷重部に高さを付け再評価すると可能へ 1~3の工程を自宅指導 10 月 7 日 42cm 座面立ち上がり可能 10 月 18 日 40cm 座面立ち上がり可能 もう一つの課題でもあるケンケンも滞空時間が少しずつ出現 その後二回ほど持久力向上と動作指導続け 11 月初旬に終了 本症例には骨盤帯の対称化をするアプローチや体幹 Stability の向上させるような運動療法は行っていないが即時効果が現れた 結果より仙骨と足底のマッチングは骨の支持性を向上させ力の伝達効率を向上させたと考える

41 健常人の鼾改善への介入から考えられる臨床応用たたらリハビリテーション病院鍋島一樹 はじめに 鼾に悩む健常男性への介入にて改善が見られ 臨床現場で見られる舌根沈下などで安楽な呼吸が阻害されている患者への介入方法を提示してみる 症例紹介 30 歳代男性主訴 : 鼾がうるさいと言われる Demand: 鼾を治して欲しい既往歴 : 特に無し 理学療法評価 11 月 25 日 ~27 日 鼾の有無 質 : 有り 吸気時に音が鳴り 連続していた音が途切れることがある 臥位姿勢: 頚部は伸展強く下顎が上がっている印象 左胸郭が高くなっている 頚部は若干右側屈している様に観察出来る 座位姿勢: 左骨盤後傾し 左肩が下がっており抗重力伸展活動が乏しく左体幹が屈曲している それに伴い左肩甲骨は外転 上方回旋している 頭部は体幹よりも前方に位置している 筋緊張( 臥位 ): 左僧帽筋高緊張 左腰部脊柱起立筋高緊張 左広背筋外側高緊張 左大胸筋鎖骨頭高緊張 仮説 問題点 鼾の原因を舌根沈下による気道閉塞によるものと仮定すると 頚部伸展による頚部前面筋の緊張により下顎が引かれ舌骨上筋群上にある舌が気道を閉塞することで鼾を誘発している事が考えれた 評価より頚部伸展している理由として 上部体幹屈曲のままの臥位となり頭部の重みにより頚部伸展 位となっている事が原因と考えた 上部体幹はおそらく日常的に左抗重力伸展活動が乏しい姿勢となりそれに伴い頸部 肩甲帯 胸郭に問題が生じたと考える 治療介入 関節可動域訓練: 左 3~6 肋間 筋アライメント修正: 左広背筋 筋促通: 左広背筋 左腰方形筋 左上部脊柱起立筋 ストレッチ: 左僧帽筋上部繊維 左大胸筋鎖骨頭 左腰方形筋 結果 12 月 3~5 日鼾の有無 質 : 有り ( 回数軽減 ) まだ聞かれるも音質から閉塞は軽減している 姿勢 : 臥位姿勢にて左胸郭の高さが軽減し 頚部伸展が軽減 座位においても左肩の下がりも軽減し左体幹抗重力伸展活動改善 臨床応用 治療提案 日常診療にて舌根沈下により気道閉塞や呼吸苦などの問題がある患者をしばしば担当する 鼾に対して介入から改善が得られたということは 抗重力活動やアライメント修正などが改善のヒントになるのではないかと考える 例えば側臥位管理で肩甲帯が胸郭に対して安定した位置になく その重みの代償にて頸部筋の過活動が出現している患者に対しては 胸郭の可動性を引き出し肩甲骨に付着している筋の長さ整え肩甲帯が胸郭に密着出来る様に筋を促通すると頸部の過緊張が軽減し舌根沈下が軽減した経験がある 嚥下障害にて舌骨上 下筋群の短縮や咀嚼筋の萎縮にて下顎を閉口の位置で安定できない患者などには下顎の運動や舌骨の可動性を引き出す為に周囲筋の長さを引き出したりすることも有効であると感じる

42 側彎症に至った経緯に対する考察ワカバ整形外科リウマチ科クリニック尾藤佑平 はじめに 機能的脊柱側彎の方で腰痛や背部痛を訴えられる方に対して治療を行うことがあるが そのような方に対して 痛みの部位への介入だけでは痛みを完全に取ることができない場面に度々遭遇する 根治をするためには 現在の症状だけでなく他にも目を向ける必要があるのではないかと考え 既往歴などから経緯を追うことを評価の一つとして考えてみることとした 症例紹介 性別 : 女性 年齢 :20 代 既往歴 : 右内果粉砕骨折 (H14 年 12 月 ) 右橈骨遠位端骨折 (H18 年 9 月 ) 症状 : 左腰部痛 右背部痛 左頚部痛 左膝痛 右足がよく躓く 頻繁にしていた動作 : 左足を下にした横座り ( 自宅では椅子の生活 正座は可能 ) 姿勢評価 : 立位にて PSIS 右高位 (1 横指 ) 腰椎左凸 胸椎右凸 頚部左凸の側彎 動作分析 ( 体幹回旋 ): 左回旋にて右寛骨前方回旋減少 右回旋にて右寛骨後方回旋減少であり Th12/L1/2 レベルの回旋が止まると骨盤の前傾によって代償 ( しゃがみ ): 右背屈制限によって動作途中から左へ重心偏位 ( フォワードランジ ): 左では後内方荷重 ( 歩行 ): 重心を常に左に保持し 右股関節伸展少なく振り出しは右下肢を持ち上げている 左肩が下がり腕振りが大きい STIFFNESS: 右足部 Th12/L1/2 右方 現在の症状に至った経緯の予測 右内外果粉砕骨折によって右足部の可動域制限や筋力低下等の機能低下が生じ 右下肢を固めた状態で右荷重の少ない動作を繰り返していた また 床に座る際に右下肢を庇った横座りで骨盤左後傾した状態となり腰部左凸の側彎となり Th12/L1/2 の STIFFNESS が生じ症状出現したと考えられる 仮説 足部の傷害が起点となっており 側彎は二次的に引き起こされていると考えられる そのため 足部の機能改善をすることで 症状の改善をすることができるのではないか 方法と検証 1 腰部への介入のみを行う場合と 2 足部への介入のみを行う場合で 両者の比較を行い 症状や動作がどのように変化するかに対し検証した 結果 腰部への介入では Th12/L1/2 の局所的な可動性の獲得は得られたが動作での変化は少なかったが 足部への介入によって足部だけでなく 近位部の動作の変化ももたらされ 症状の改善を認めた まとめ 症状は腰部や背部であるが 起点は足部であると考えられる そのため 腰部や背部への介入は必要であるが 先立って足部への介入の必要性が示唆される 直接的な症状の訴えには現れていなくても 症状発生に至るまでのストーリーを紐解くことで より根治的な治療を行うことができると考える

43 症例検討 ~ 矢状面における胸郭の誘導により 2nd. 外旋の疼痛が消失した症例 ~ ( 医 ) 千寿会はえばる北クリニック宮平雅史 はじめに 腱板機能の土台である肩甲骨は 胸郭上を浮遊する関節で その機能は周囲の筋や胸郭の形態に影響すると考えられる そこで今回 矢状面上で肩甲骨機能が発揮しやすい胸郭の形態 位置を評価し誘導することで症例の疼痛が改善し良好な結果が得られたので報告する 症例紹介 男性 30 歳代 主訴 : 投球時の疼痛 (+) 再現痛 :2nd. 外旋で確認 理学療法評価 1. 上肢 45 Abd テストにて肩甲骨を介助すると筋出力の向上を確認し肩甲骨機能の影響が強いと判断した上で 2. 肩甲骨機能が発揮しやすい胸郭の形態や位置の評価 1 上位 下位肋骨の拳上と下制を誘導し 同様に抵抗テストを行う ( 図 A) 2 基底面に対しての前後に誘導し同様に抵抗テストを行う ( 図 B) *1 2それぞれのテストの際に抵抗感や症例の主観的な感覚で筋出力の向上か低下を判断した 図 A 図 B 後方位前方位 上位肋骨 : 拳上で筋出力の向上下制で筋出力の低下下位肋骨 : 拳上で筋出力の向上下制で筋出力の低下胸郭前後位置 : 前方位で筋出力の向上後方位で筋出力の低下筋出力が発揮しやすい方向 : 前上方への誘導筋出力が発揮しにくい方向 : 後上方への誘導 アプローチ 胸郭の前上方への誘導( 黒矢印 写真右 ) にて筋出力の向上を確認 上後前下 * 確認として反対方向への誘導で筋出力の低下を確認した ( 斜線矢印 写真左 ) 結果 ( 写真左 : リハ前 右 : リハ後 ) 2nd. 外旋時の疼痛消失 ( 服のしわに注目 ) まとめ 矢状面における胸郭の誘導は アライメントや肩甲骨の位置にも変化を及ぼすことが確認できた 適切な方向へ誘導することにより 2nd. 外旋時の疼痛も消失した

44 足部第 5 列誘導が歩行スピード及び足底感覚へ与える影響広尾整形外科山岸千鶴 はじめに 立位や歩行において, 足底は唯一の支持基底面であり, 足底感覚情報は姿勢保持や歩行に大きな影響を及ぼすと考える. 先行研究において, 歩行時の母趾球荷重に着目した検討に比べ, 小趾球荷重に着目した検討の報告は乏しく, 未だ不明確な点が多い. そこで今回, 歩行において小趾球を含む第 5 列誘導を行う入谷式足底板第 5 列誘導テープを用い, 歩行時 MSt 期における足圧中心移動速度と足底接地範囲, 及び小趾球足底感覚に与える影響について検討した. 対象 整形外科疾患のない健常成人 2 名に対し, 立方骨触診による第 5 列誘導評価を実施し, 第 5 列内がえし誘導者 1 名, 第 5 列外がえし誘導者 1 名を抽出をした. 方法 1. 足底感覚の測定踵部 小趾球の 2 箇所に対して静的二点識別覚評価 (2 Points Distance, 以下 2PD) を行った. 2. 足圧重心動揺の測定, 歩行条件の規定 MSt 期における足圧中心移動速度, 足底接地範囲の測定には重心動揺計を用いた. 歩行条件は1 自然歩行,2 第 5 列外がえし誘導テープ貼付歩行,3 第 5 列内がえし誘導テープ貼付歩行の 3 条件とした. 各歩行ともに左右 8 施行の測定における測定値を平均し, 分析データとした. 3. データ記録手順 まず, 左右踵部 小趾球部に対し 2PD を行った. 十分な休息をとった後, 課題歩行に対し, 左右 8 施行の MSt 期における足圧中心移動速度, 足底接地範囲の測定を行った. その後, 再度,2PD を行った. これらの手順を 3 条件に対して施行した. 結果 各対象者における適切な第 5 列誘導テープ貼付歩行では,MSt 期の歩行スピードに増加傾向がみられた. しかし,2PD においては, 各歩行による変化は認められたが, 規則性のあるデータには至らなかった. 考察 展望 第 5 列は足根中足関節を基盤とし, 距骨下関節と同様に三平面運動を行うため, 内がえし及び外がえし運動を行うことが特徴である. 歩行において第 5 列は立脚中期での重心側方動揺に関与しており, 第 5 列外がえし誘導は立脚中期での外方から内方への転換を早め, 内がえし誘導はその逆の作用となる. 本研究では, 第 5 列の適切な誘導方向に対しテープを貼付することで, 誘導方向に関わらずMSt 期における歩行スピードの増加傾向を示した. 適切な第 5 列誘導は足根中足関節における不良肢位の減少となり,MSt 期の円滑な経過につながったと推察する. 次に足底感覚における2PDは各歩行により変化を示したが, 規則性のあるデータには至らなかった. 本研究は歩行課題による無意識下感覚入力であったため, 対象者が適切な刺激と認知するには至らず, 効果的な感覚入力につながらなかったと推察する. その為, 歩行課題と2PDの間に規則性がみられなかったものと考える. 今後, 運動を用いた感覚刺激と各種動作との関係性をより明確にするため研鑽していきたい.

45 降段時に膝過伸展を呈する症例へのアプローチ笠原整形外科山登祐太 はじめに 今回 降段時に膝過伸展がみられる全身関節弛緩性を有した症例に対して股関節の安定性を向上させ knee-in 動作や過伸展位での荷重を行わないようアプローチを行うことで疼痛軽減がみられたため ここに報告する 症例紹介 女子中学生陸上部短距離主訴 : 急いで階段降りる時に膝が伸びきってしまい膝に痛みが出る 理学療法評価 両膝蓋靭帯 膝蓋下脂肪体部に圧痛あり 全身関節弛緩性(General Joint Laxity) の評価 : 東大式法 -4/7 点で陽性 前方引き出しテスト 外反ストレステスト陽性 降段時膝過伸展位で着地 もしくは膝屈曲位で着地した場合 knee-in 動作となる 両側股関節外転 股関節外旋筋力低下 内側広筋萎縮 前捻角(Craig テスト ): 両側 20 股関節可動域: 内旋両側 60 外旋 30 考察 結果 この症例は前捻角が大きく 荷重時に大腿骨内旋位そして下腿は相対的な外旋位となり knee-in 動作をとる このとき膝関節は外反 外旋位となり MCL ACL は伸張ストレスを受け その動作の繰り返しや全身関節弛緩性の影響により膝関節は不安定性を増していく 降段時に膝屈曲位で接地した場合は knee-in 動作となるが MCL ACL が伸張され不安定性があるため着地時に膝過伸展してしまうのではないかと考えた そのため 膝関節不安定性の原因となっている荷重時の knee-in 動作を改善するために股関節外転 外旋エクササイズを行い股関節を安定させることで knee-in 動作改善を図っていった また フロントランジで knee-in しないよう動作練習を行ったり 降段時に膝屈曲位で荷重するよう動作指導を行った 1ヶ月間のアプローチで過伸展となる頻度は低下し 疼痛は VAS=(10 3) と軽減した おわりに 今回 膝関節の安定性向上のため股関節に対するアプローチを行ったが 今後は膝 足部などへのアプローチも検討していきたいと考えている 治療アプローチ 股関節外転 外旋 EX フロントランジ 階段昇降の動作指導

46 舌運動が及ぼす影響の示唆河北リハビリテーション病院吉田雅俊 はじめに 目的 摂食 嚥下をする際に必要となってくる器管の一つとして 舌が存在する 舌の機能は受容器や運動器としての働きがあるが 今回は運動器としての機能に着目し 理学療法に活かせるのではないかと考えテーマとして選んだ また 舌の動きが身体に及ぼす影響を考え 臨床場面や予防医療などの場面で活用出来るのではないかと考えた 方法 舌を歯と口唇の間 ( 口腔前庭 ) に位置させ 舌を大きく回すように右左 20 回ずつ動作を実施 評価 測定方法 上記動作を 1 日 3 回食後に実施 実施期間は 2 週間とし 動作の実施前後で正面 側面像を比較 測定は1 左右下顎角から顎先端までの距離 ( 下顎骨に沿った距離 ) 2 左右下顎角から顎先端までの距離の中点を床面に対し垂直に降ろし結んだ距離の 2 項目を動作の実施前後で測定 対象 健常成人 30 代 男性 結果 実施前後で比較し 1は変化がなかった 2では動作実施後 1cm 減少した 考察 舌の機能と言えば 食物を口に取り込み 咀嚼 嚥下の際に働く運動器としての機能や 味覚を感じる受容器の機能がある 本研究では舌を動かすことにより 外舌筋 ( オトガイ舌筋 舌骨舌筋 茎突舌筋 口蓋舌筋 ) や舌骨上筋群の収縮を随意的に促したことにより 顎周辺の測定距離が変化するのではないかと考え 結果から3にて測定数値の変化が認められた これは舌の動きにより外舌筋 舌骨上筋群が収縮し 測定距離が減少したと考える また舌の動きは舌骨を介し 舌骨下筋群にも影響するのではないかと考える 舌骨下筋群には肩甲舌骨筋 胸骨舌骨筋など体幹部に起始部を持つ筋が存在する 石月は舌骨周囲の柔軟性や舌骨のアライメントの改善を図ると 呼吸が深くなる例や上肢 下肢のアライメントまで変容する例があると述べている また Thomas W Myers が提唱している筋 筋膜経線ではディープ フロント ラインと呼ばれる連結があり 体幹部と連結していることを述べている 以上の事から舌の動きが身体に与える影響はあるのではないかと考える 舌の運動方向により 身体を誘導することも可能ではないかと考える また 臨床現場で治療介入をする前やクライアントに自主トレーニングとして行ってもらうことにより 治療介入が行いやすくなる可能性もあるのではないかと考えている 今後の展望 今回の結果をもとに舌の運動による身体誘導などを考え 研究し研鑽していきたいと思う

47 THA 術後の歩容改善に向けて ~ 腰椎可動性に着目して~ 太田西ノ内病院渡邉純平 はじめに 股関節は隣接している骨盤や腰椎との関連が深く HIP SPINE Syndrome や変性側弯症などの疾患を合併している症例も多い 本症例では 股関節周囲筋や体幹筋に対して筋出力改善のアプローチを行っていたが 歩容改善は乏しく 腰椎可動性にアプローチしたところ歩容改善が見られたため報告する 症例紹介 50 代前半女性診断名 : 右変形性股関節症既往歴 : 臼蓋形成不全現病歴 : 小児脱臼で 2~3 歳頃ギプス固定 約 3 年前ごろから痛み出現 2 年前から保存療法 疼痛強く 歩行困難になったため手術希望にて入院 入院前情報 : 自宅内つたい歩き 手すりにて 10m 歩行は約 1 分程かかる 理学療法評価 術後全荷重開始後 ROM: 右股関節外転 25 内転 10 伸展 5 体幹側屈 ( 右 / 左 )25/15 回旋 30/25 股関節に関しては骨盤の動きを伴いやすい 体幹の左側屈 回旋は胸椎の可動性大きく 腰椎の可動性乏しい MMT: 右股屈曲 4 伸展 2 外転 2 内転 2 立位姿勢 : 軽度左重心 右肩下制 体幹右側屈 右回旋 骨盤前傾 右回旋 胸椎後弯 腰椎前弯片脚立位 ( 右 / 左 秒 ):13.75/30.5 右片脚立位は右上肢外側に 80 ほど挙上 体幹右側屈 右回旋 骨盤右回旋 軽度左傾斜 右 knee in 傾向 右内側縦アーチ低下 歩行 ( 独歩 ): 右 IC にてヒールコンタクト減少 MSt にかけて体幹右側屈 右回旋 骨盤左方移動 軽度左傾斜 TSt にかけて腰椎伸展増強 10m 歩行 (T-cane にて ):10.79 秒 経過 考察 本症例は 術前の歩容悪化が大きく 股関節の可動域制限 筋力低下も生じており 術後の筋力回復や歩容改善には困難を要すと考えられた 実際 術後に股関節の分離した運動を行おうとすると骨盤の代償が見られやすく 筋力の改善も乏しかった 片脚立位や歩行においてはデュシャンヌ徴候が著名であったが 疼痛はなく T 字杖もしくは独歩にて歩行可能であった デュシャンヌ様の姿勢制御は頭部 上部体幹の側屈の動きが多く エネルギー効率や視野の変化という面でも不利になると考えられる 股関節外転筋力低下や疼痛回避のためにデュシャンヌ様の姿勢制御をとると考えられるが 本症例では腰椎の左側屈 左回旋の制限もデュシャンヌ徴候を引き起こしている要因の一つではないかと考えた 腰椎の可動性改善のアプローチを行うと 片脚立位や歩行におけるデュシャンヌ徴候の減少や歩行速度向上が見られた 右立脚期において腰椎の左側屈 左回旋の可動性が出現したことで相対的に胸椎での右側屈が軽減したものと考えられる 術前から体幹 下肢機能の破綻が大きい場合は 術後にもその影響が残存することが多い印象である 筋出力低下があったとしても その他の改善可能な部位へのアプローチで動作の効率化を図ることが可能であった症例であったと考える

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