第66回日本消化器外科学会総会抄録集

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2 P49- 宮田 渡辺 第 66 回総会 20 年 7 月 特発性食道穿孔の 3 手術例 雅弘, 山口 伸元, 籾田 P49-3 竜三, 笹本 彰紀, 渡辺 真哉, 栗田 賢二, 葵, 馬場 泰輔, 野田 尚未, 金井 道夫 坂本 田中 693 発症 00 時間後の手術により救命し得た特発性食道破裂の 例 武也, 佐藤 洋樹, 塚原 明弘, 丸田 典生, 武田 信夫, 下田 聡. 春日井市民病院外科. 新潟県立新発田病院外科 智章, 小山俊太郎, 今回われわれは特発性食道破裂の 3 手術例を経験したので若干の文献的考察を加えて 特発性食道破裂は早期に適切な治療を行わないと縦隔炎 膿胸から多臓器不全に至る重 報告する 篤な疾患である. 今回われわれは発症 00 時間後の手術により救命し得た 特発性食道 <症例>症例 :7 歳男性 2005 年 2 月右胸部痛を主訴に来院 胸部 X 線で右気胸と 破裂の 例を経験したので文献的考察をふまえて報告する. 右胸水を認め 胸腔ドレーン挿入後呼吸器内科入院となった 入院後 胸腔ドレーンか 症例は 62 歳 男性. 下咽頭癌に対し照射治療を施行後 化学療法を継続中であった. 頻 ら暗赤色の出血を認め 上部消化管内視鏡検査を行った 右側下部食道の突発性食道破 回の嘔吐の後に吐血を認め近医を受診した.CT 検査を施行され左胸膜炎の疑いで当院 裂と診断し 緊急手術施行した 右第 6 肋間開胸開腹下に食道を観察すると 胸部下 紹介となり 同診断で内科入院となった. 症状は軽快せず 入院 4 日目に再度 CT 検 部食道の右壁に 2.5cm の穿孔部を認めた 穿孔部位を縫合閉鎖し 大網で被覆した 査を行ったところ 特発性食道破裂の診断で当科紹介され 同日緊急手術を施行した. 術後経過は良好で 術後 30 日目に退院した 症例 2:6 歳男性 200 年 月嘔吐後 開腹下経食道裂孔アプローチで縦隔および左胸腔内に到達した. 胸部下部食道左壁に約 の心窩部痛を主訴に来院 CT 上縦隔気腫 左気胸 胸水を認め 胸腔ドレーン挿入.5cm の破裂部を認めた. 左胸腔内穿破型であったが膿瘍腔は下縦隔内および左胸腔内 下部に限局していた. 一期的単純縫合閉鎖 有茎大網被覆 縦隔および胸腔ドレナージ 腸瘻造設術を行った. 術後早期から経腸栄養を開始した. 創感染の他には著明な合併症なく 術後 44 日目に 退院した 年から 200 年 月までに特発性食道破裂に対して手術を施行した 本邦にお ける原著での症例報告は自験例も含め 34 例であった. 発症から手術までの時間は平均 57.8 時間であった. 開腹下経食道裂孔アプローチで手術を施行されたものは 3 例で あった. 穿孔径は最大で 5cm であった. 縦隔内限局型が 7 例 胸腔内穿破型は 4 例 不明 2 例であった. 直接縫合閉鎖を行ったものは 0 例 T-チューブドレナージを行っ たものは 2 例 不明 例であった.3 例のうち縫合不全をきたしたものは 2 例で そ れらは保存的治療により軽快していた. 死亡例は他病死による 例のみであった. 本症例は発症 00 時間と手術までに長時間経過していたにもかかわらず救命可能で あった. 両側気胸術後による炎症性変化および癒着により膿瘍腔が限局しており 縦隔 炎 膿胸が致命的となる前に手術を行うことができた. 開腹下経食道裂孔アプローチに より良好な視野とドレナージが得られ 有効な方法であったと思われた. 特発性食道破裂は初診時に正確な診断を行うことが困難である. 発症早期における診断 と手術を含めた適切な治療を行う必要がある. 長時間経過しているものでも縦隔炎や膿 瘍腔が限局しているものでは適切な治療により救命しうる可能性があると思われた. ドレーンより茶褐色の排液認め 上部消化管内視鏡検査で下部食道に小裂創を認めた 食道透視で下部食道左壁から左胸腔内へ造影剤の流出を認め 特発性食道破裂と診断 し 緊急手術施行した 左第 6 肋間開胸開腹下で施行し 縦隔 左胸腔内には多量の食 物残渣を認め 下部食道左壁に.5cm 程の穿孔部位を認めた 穿孔部位を縫合閉鎖し 大網で被覆した 術後経過良好で術後 5 日目に退院した 症例 3:72 歳男性 200 年 8 月昼食後に嘔吐 その後から背部から腰部にかけての痛みを自覚し来院 CT 上下部 食道左側に縦隔内の air を伴う液体貯留を認めた 食道透視で下部食道左壁から縦隔内 へ造影剤の流出を認め 特発性食道破裂と診断し 緊急手術施行した 左第 6 肋間開 胸開腹下で施行し 縦隔 左胸腔内には多量の食物残渣を認め 下部食道左壁に 5cm 程の穿孔部位を認めた 穿孔部位を縫合閉鎖し 大網で被覆した 術後経過良好で術後 2 日目に退院となった <まとめ>特発性食道破裂は縦隔 胸腔内の感染から重篤な経 過をたどることがあるが 穿孔部縫合閉鎖と大網で被覆することが有用と思われた P49-2 岡村 牧 当科における特発性食道破裂 5 例の検討 亮輔, 篠原 尚, 稲本 淳彦, 水野 惠文 道, 倉橋 出血 閉塞を合併した巨大食道裂孔ヘルニアに対し内視鏡的整復 後に腹腔鏡下手術を施行した 2 例 P49-4 康典, 白潟 義晴, 田畑 信輔, 石田. 兵庫県立尼崎病院外科. 国病機構福井病院外科 誠, 恩地 英年, 戸川 保, 大槻 忠良 はじめに 特発性食道破裂は 症例 :86 歳女性. 約 3 ヶ月前から時々発熱認めていた. 嘔吐するため当院紹介受診.CT 頻度は少ないが重症化しやすく 検査の結果 食道裂孔ヘルニア嵌頓による閉塞と診断 内視鏡的に整復し 誤嚥性肺炎 死亡率が高い疾患で 適切で迅 の治療を行い 全身状態改善後 腹腔鏡手術とした. 症例 2:88 歳女性. 自宅にて意識消 速な診断と治療が予後に影響す 失し当院受診. 貧血 タール便を認めたため精査目的に当科受診. 胸腹部 CT 検査 上 ると考えられている 今回我々 部消化管内視鏡検査にて食道裂孔ヘルニア嵌頓 出血性胃潰瘍と診断し 内視鏡的に整 は経験症例をもとに その治療 復した. 整復後貧血の進行なく約 週間後に再出血を認めたため 手術適応と判断し 方針について検討した 症例 腹腔鏡手術とした. 症例 2 ともに巨大食道裂孔ヘルニアに対し腹腔鏡下食道裂孔ヘ 2005 年 月から 200 年 2 月 に 5 例の特発性食道破裂を経験した (Table) 手術施行症例①②④は 3 例ともに好発 部である下部食道左側の破裂で 左開胸下に破裂部を縫合閉鎖した 手術まで約 32 時 ルニア修復術 (縫合閉鎖 + メッシュ使用) 噴門形成術 (Toupet 法) 施行した. 食道裂 間を要した症例②は術後に閉鎖不全から膿胸を合併し 治療に難渋した 症例③は若年 性の Toupet 法に準じた噴門形成術を施行した. 症例 2 は術中 皮下気腫によると思わ で全身状態がよく症状も軽微であるため経過観察のみとし 胸部レントゲンで縦隔気腫 れる高二酸化炭素血症 術後胃潰瘍によると思われる貧血進行など合併したが その他 の軽快を認め第 5 病日に退院した 症例⑤は受診後から全身状態が悪化し 直ちに胸 特に合併症はなかった. メッシュ使用に関しては 留置固定に要した時間は 5.5 分で 腔ドレナージを施行するも多量の血性胸水をきたしており救命できなかった アルコー メッシュ使用による明らかな合併症はなく 再発も認めていない. 今回我々は出血 閉 ル性肝硬変による食道静脈瘤が下部食道の破裂にともなって出血したものと考えられ 塞を合併した巨大食道裂孔ヘルニアに対し 内視鏡的整復後 全身状態をみて待機的に た 考察 今回 保存的に軽快した症例 手術が奏効した症例 急性増悪のため救命 腹腔鏡手術を施行した 2 例を経験したので若干の文献的考察を加え報告した. 孔が高度に開大していたため食道の腹側 背側にて 3-4 針ずつ縫合閉鎖し コンポジッ クスメッシュを鍵型に切り食道を取り巻くように横隔膜に固定した./2 周から 2/3 周 できなかった症例をそれぞれ経験した 症状が軽微で縦隔気腫のみの症例には保存的治 療が選択できるが 胸腔内へ穿破している症例では 全身状態が許す限りできるだけ早 期に手術を選択することで 救命率を向上できるのではないかと考えられた 第66回 総会

3 P49-5 遠迫 奥村 第 66 回総会 20 年 7 月 魚骨による穿孔から 食道気管支瘻をきたし難渋した 例 孝昭, 東田 英雄, 浦上 正陽, 松本 英男, 平林 葉子, 岡 淳, 山下 和城, 平井 敏弘 保夫, P49-7 中島 小松 694 気縦隔法を用いた食道良性腫瘍切除症例の検討 慎吾, 藤原 斉, 塩崎 敦, 市川 大輔, 岡本 和真, 周平, 落合登志哉, 國場 幸均, 園山 輝久, 大 英吾. 川崎医科大学附属病院消化器センター消化器外科. 京都府立医科大学医学部付属病院消化器外科 はじめに はじめに 我々は 術後呼吸器合併症を減らすことを目的とし 気縦隔法による食道 食道癌による狭窄 穿孔に対して食道ステントが効果的な報告はしばしばみられるが 切除術を導入している. 今回 食道平滑筋腫症と食道重複嚢胞の 2 例に対して HALS 食道良性疾患による穿孔に対しての報告はあまり見られない 穿孔に対して留置された と気縦隔法による腹部アプローチ主体の剥離操作を行い 低侵襲かつ安全に切除し得た がためにさまざまな弊害をきたした症例を経験したので報告する 症例を経験したので報告する. 症例 38 歳 女性. 検診の食道透視にて胸部下部 腹部食道に異常陰影を指摘. 内視鏡にて粘膜下腫瘍を認め CT では食道壁外進展を示 症例 す 7 6 cm 大の腫瘍像を認めた.EUS で内部不均一 PET では強陽性を示した.EUS ガ 60 代歳男性 994 年 3 月魚骨により食道穿孔をきたし縦隔洞炎をおこした 他施設 で胸膜パッチ術を施行されたが奏功せず 5 月に大網充填術が行われた その後 いっ たん軽快し外来通院していた 2002 年 月になり食道気管支瘻の形成が認められた ため 食道ステントが留置された 軽快し 外来通院していたが 2005 年 0 月食道狭 イド下生検で紡錘様腫瘍細胞を認め 食道 GIST を強く疑い 手術を施行した. 仰臥 位 HALS にて胃の剥離操作の後 食道裂孔を切開し 胸膜を切開せず 気縦隔法に て縦隔剥離を行った. 拡大視と手による愛護的な胃の牽引により blunt tip dissector による剥離と残存索状物の LCS による切離を繰り返し 食道剥離を気管分岐下まで進 窄を認め嚥下困難となり当科へ紹介された 内視鏡的バルン拡張術を施行し軽快した めた. 次に 左半側臥位ローテーション体位として 第 5 肋間小開胸下に食道を離断 が 2006 年 月になり再び嚥下困難となり同時に気管食道瘻の再燃を認めた このた 腹部創より腫瘍を引き出し切除 胃管を胸腔内へ挙上し CDH25 を用いて吻合した. 手 め 摂食ルートを別にするために回結腸を用いて食道バイパス術を施行した 経口摂取 術時間 323 分 出血量 50ml であった. 術後は経過良好にて第 23 病日退院となった. も改善し 良好な経過をたどっていたが 2009 年 3 月に喀血するようになった 食 病理結果は leiomyomatosis であった. 症例 2 68 歳 男性.5 年前に腎移植歴があ 道気管支瘻による膿瘍から気管支への出血と考えられた 保存的に軽快するものの 3 り その際の CT にて胸部下部 腹部食道に腫瘤像を認め 重複嚢胞疑いにて経過観 度のエピソードを繰り返したため 200 年 月遺残食道と瘻孔形成した肺部分切除 察となった. 内視鏡 透視では病変を指摘できず EUS では内部不均一であった. 経過 を行った これにより喀血は治癒し 長期にわたる治療が完遂された 現在は外来で 観察中 軽度増大傾向にあり (3 37mm) 手術を施行した. 同様の方法で剥離施行し follow up している (胃の剥離操作は施行せず) 腹腔内からのアプローチのみで 腫瘍を切除することがで きた. 手術時間 245 分 出血量 30ml であった. 術後は経過良好にて第 8 病日退院と なった. 結語 HALS と気縦隔法を用いた腹部アプローチによる縦隔剥離手技は 低 侵襲かつ安全な手術手技であり 食道良性腫瘍に対しても適応可能と考えられた. 考察 食道ステントは短期的に効果をあげても 異物であるため長期的にはいろいろな弊害が 起こりうる 今回のように 食道の狭窄 瘻孔の再燃 濃瘍の形成 出血などステント の長期留置に伴う合併症は重篤な状況につながりうる 食道ステントを用いる場合に は そのエンドポイントをどこに置くかを十分に検討しなくてはいけないと思われた P49-6 新井 塩原 術前イマチニブ投与が有用であった巨大食道 GIST の 例 周華, 山川 久美 3, 布村 正夫, 安藤 克彦, 小田 正之, 清水 康仁, 西野 仁恵, 窪澤 仁 2 健司, P49-8 谷口 食道憩室症に対する胸腔鏡下食道憩室切除術の一例 竜太, 日暮愛一郎, 柴尾 和徳, 山口 幸二. 産業医科大学医学部第1外科学. 千葉市立青葉病院外科, 2. 千葉市立青葉病院, 3. 国病機構千葉東病院 はじめに 食道憩室症は日常診療において経験することはあるが 手術適応となるこ 緒言 食道 Gastrointestinal stormal tumor(以下 GIST) は消化管 GIST の約 5% と とはまれである. 今回 我々は胸部上部食道の巨大食道憩室に対し 腹臥位胸腔鏡下食 稀な疾患である GIST に対する治療の原則は臓器機能温存を考慮した肉眼的完全切除 道憩室切除を施行した 例を経験したので 手術ビデオを供覧し報告する. 症例 70 であるが 腫瘍径の増大に伴い完全切除率の低下と術中の腫瘍破裂による再発リスクの 歳 男性. 交通事故後の頚部症状の精査のために MRI 検査を受けたところ 上部食道 向上もあり Marginally respectable GIST に対して術前イマチニブ投与が推奨されて の異常を指摘され当科に紹介された. 以前から食後に食べ物が喉に残る感じを自覚して いる 症例 8 歳 女性 2009 年 2 月に黒色便を主訴に受診した 上部内視鏡に いた.MRI と CT では胸部上部食道の右側に長径 7cm の憩室を認めた. 憩室は右鎖骨 て胃食道接合部から吻門部に 3cm 大の粘膜下腫瘍を認めた 表面は易出血性であっ 下動脈に接しており 内腔には食物残渣の貯留を認めた. 食道造影でも胸部上部食道の た CT 検査では下部食道から胃弓隆部にかけて左胸腔内に突出した径 cm 右側に 8cm の食道憩室を認めた. 内視鏡検査では門歯から 22cm より内腔に食物残渣 の不均一な造影効果を伴った腫瘤を認めた 超音波内視鏡下穿刺吸引細胞診を施行 を伴う巨大憩室をみとめた. なお憩室の入口部は 3cm 程度であった. 食道重複症も疑っ し c-kit(+) CD34(+) を認め下部食道 GIST と診断した 患者と家族に十分なイン たが 食道造影と内視鏡で否定された. 以上より有症状の胸部食道の巨大憩室症の診断 フォームド コンセントを得た上で術前イマチニブ 400mg/日で治療を開始した 画像 で 手術治療の方針とした. 手術 完全腹臥位で右第 肋間にポートを留置 上は腫瘍の縮小と造影効果の減少を認めた 術前化学療法開始 6 ヶ月後に左開胸開腹 し手術を開始した. 全肺癒着を認め 癒着剥離を要した. 憩室は上縦隔の胸膜を切離す にて下部食道吻門側胃切除 肺合併切除 胸腔内食道胃管吻合術を施行し腫瘍は完全切 ると同定できた. 憩室は右上縦隔に存在し 右迷走神経 右鎖骨下動脈 気管膜様部と 除された 摘出標本は cm の腫瘍であった 病理組織像は化学療法開始前 癒着していたが 剥離可能であり 右迷走神経 反回神経を損傷することなく剥離でき の組織標本と比較して細胞の退縮を認めた 術後患者の同意の下に補助化学療法は施 た. 全周性に剥離し 食道内腔を内視鏡で観察しながら 第 9 肋間のポートから自動縫 行せず 外来通院にてフォローアップをしているが術後 3 ヶ月無再発生存中である 合器を入れて 3 回の fire で切除した. 切除断端は数カ所 Radius Surgical System を まとめ イマチニブによる術前投与が奏功し 手術で完全切除し得た食道 GIST の 用いて縫合補強した. 術後経過は良好で 食道造影で狭窄や漏れがないことを確認し 例を経験した 本邦では術前治療を施行し切除可能となった食道 GIST の報告例は少 経口摂取を開始した. 術後 食物の停滞感は消失した. まとめ 5cm 以上の食道憩室 なく 若干の文献的考察を加えて報告する は巨大食道憩室と呼ばれるが そのうち治療の対象となるのは 症状を有するか 癌合 併の懸念がある場合に限られる. 今回 我々は有症状の巨大食道憩室症の一例を経験 し たので 若干の文献的考察を加えて報告する. 第66回 総会

4 P49-9 冠城 和田 第 66 回総会 20 年 7 月 食道アカラシア胸痛症例における手術成績の検討 拓示, 竹内 裕也, 大山 隆史, 中村理恵子, 高橋 則仁, 才川 義朗, 北川 雄光 P50- 常浩, 695 当科における高齢者食道癌手術症例の検討 岡村 新一, 藤原 斉, 塩崎 敦, 小松 周平, 市川 大輔, 岡本 和真, 落合登志哉, 國場 幸均, 園山 輝久, 大 英吾. 慶應義塾大学医学部一般消化器外科. 京都府立医科大学医学部付属病院消化器外科 背景 食道アカラシアは食道筋間神経節の変性 消失による食道機能運動障害であ 背景 近年 社会の高齢化に伴い消化器外科領域における手術患者の平均年齢も徐々 り 嚥下障害 胸痛が主な症状として出現し 患者の QOL を低下させる. 食道アカラ に高齢化の傾向を示し その適応や周術期管理については高齢者ゆえの基礎疾患の多さ シア症例では 嚥下障害は高率に生じるが 胸痛は /3 から半数程度にのみ出現すると や予備能の低さが問題とされている 目的 方法 食道癌手術は手術そのものの侵襲 報告されている. が大きいだけではなく 術後合併症によっては長期間の呼吸器管理を要する等 患者の 目的 食道アカラシア症例のうち 胸痛を有した症例と胸痛を認めなかった症例とを ア症例のうち 診療録を検索しえた 96 例を対象とした. これら症例に関して 術前に QOL 低下を招く事も少なくない 今回 高齢者食道癌患者における外科的切除施行例 を retrospective に解析し その安全性と問題点について考察した 対象 2000 年 から 200 年 月までに当科で根治切除術を行った食道癌症例 375 例 70 歳以上を 高齢者群 (n=92) 70 歳未満を若年者群 (n=284) とし それぞれの術前全身評価 再 胸痛を有した群 (胸痛群) と 胸痛を認めたかった群 (無胸痛群) とを retrospective に 建方法 吻合部位 郭清度 根治度 術後合併症の発生率を比較検討した 結果 平 比較した. 均年齢は高齢者群: 73.3 歳 若年者群:60.2 歳 基礎疾患所有率は高齢者群:45.7% 若 比較し 食道アカラシア胸痛症例の臨床的特徴 治療成績を検討する. 対象と方法 988 年 月から 2009 年 2 月までに手術が施行された食道アカラシ 結果 全 96 例中 27 例 (28.%) で術前に胸痛を認めた. 胸痛群 27 例では 男性 9 年群:37.3% 術前全身評価では FEV.0% PaO2 Cre Alb 値に明らかな 2 群 例 女性 8 例 年齢中央値 39 歳 (9-62 歳) 拡張型 (紡錘型/フラスコ型/S 字型) は 間の差を認めなかった 同時性重複癌/異時性重複癌は 高齢者群:5.2%/6.3% 若年 5 例/0 例/2 例 拡張度 (Ⅰ度/Ⅱ度/Ⅲ度) は 5 例/4 例/8 例であった. 無胸痛群 69 例では 男性 44 例 女性 25 例 年齢中央値 47 歳 (7-77 歳) 拡張型 (紡錘型/フラ スコ型/S 字型) は 24 例/33 例/2 例 拡張度 (Ⅰ度/Ⅱ度/Ⅲ度) は 6 例/43 例/20 例で あった. 両群を比較すると統計学的有意差を持って 胸痛群で女性が多く若年であっ た. 拡張度 拡張型に関しては 統計学的有意差はなかったが 胸痛群では紡錘型が多 く 無胸痛群では S 字型が多い傾向にあった. これら全 96 例中 95 例に Heller-Dor 手術 (腹腔鏡下 82 例) が行われ 例に食道切除再建術が行われた. 胸痛群のうち Heller-Dor 手術が施行された 26 例のうち 6 例 (23.%) で術後に嚥下障害が残存し 4 例 (53.8%) で胸痛が残存した. 無胸痛群では 4 例 (20.3%) で嚥下障害が残存した. 嚥下症状残存割合には両群で有意差はなかった. 者群:2.7%/3.9% と高齢者群に重複癌が多い傾向を認め 食道切除後の再建臓器に関 しても 重複胃癌例に対する回結腸再建術 または空腸再建術が若年者群:4.% に対 し 高齢者群:0.8% と高齢者群において多い傾向を認めた 平均郭清リンパ節個数 は 高齢者群:26 個 若年者群:33 個と高齢者群で郭清個数が少ない結果であったが 病理学的根治度 (A+B) は高齢者群:82% 若年者群:82% と病理学的根治度には差を認 めなかった また 術後合併症では 肺合併症/気管切開が高齢者群:26%/6.3% 若年 者群:23%/2.3% と高齢者群で多い傾向を認めたが 平均人工呼吸管理日数では高齢者 群:3.0 日 若年者群:3.4 日と 2 群間に差を認めなかった 再建 吻合法では 胸骨後 経路胃管再建 頸部吻合が両群共に最も多い術式であったが 高齢者群では後縦隔経 路:32% 胸腔内吻合:22.8% が若年者群のそれ (20.% 0.4%) と比べ多い事が特徴的 結語 食道アカラシアによる胸痛発現は女性に多く 無胸痛群と比較して年齢が若 であった 縫合不全率は高齢者群:9.7% 若年者群:3.7% と高齢者群の方が比較的良好 かった. 胸痛を有する食道アカラシア症例に対しても Heller-Dor 手術は有効である な結果であった 結語 高齢者食道癌患者においても若年者と同じく根治性を維持し が 約半数に胸痛が残存した. 食道アカラシア胸痛症例のさらなる術後 QOL 改善のた た外科的手術が安全に施行可能であると考えられた めには 術式の工夫や支持療法との併用が必要であると考えられた. 根治的右開胸食道切除術野における気管支動脈と左反回神経の 解剖学的位置関係 P49-0 早坂 研, 石田 肇 2, 狩俣 弘幸, 長濱 正吉, 下地 西巻 正. 琉球大学大学院消化器 腫瘍外科学, 2. 琉球大学大学院人体解剖学 英明, P50-2 手島 湯目 高齢者食道癌の外科治療 伸, 斎藤 俊博, 茂呂 浩史, 大島有希子, 深澤 玄, 遠藤 文庫, 岩本 一亜, 武田 和憲 紗紀,. 国病機構仙台医療センター外科 目的 75 歳以上の食道癌患者に対する治療の現状について検討した 目的 大動脈弓下領域では左反回神経が 対象 方法 月から 月に手術を行った 75 歳以上の食道癌患者 7 例 左迷走神経から分岐し その周囲には食道癌 の臨床病理学的特徴 手術成績などについて検討した この期間に食道癌手術を受けた 根治手術に重要な No.06recL と No.06tbL 症例は 3 例で 75 歳以上は 5.9% に相当する 高齢者食道癌治療方針は患者の全身 のリンパ節が存在する. 本研究では大動脈弓 状態 (PS 併存症の評価 呼吸 循環器機能 栄養状態 食事の摂取状況など) 進行度 下領域の徹底郭清時に損傷されやすい気管支 局在などから十分なインフォームドコンセントの下に決定される 手術方針としては気 動脈と左反回神経の解剖学的な位置関係を明 管支動脈温存 胸管温存 迷走神経肺枝温存を原則とし 頚部リンパ節に画像上転移が らかにする. 方法 33 体の解剖体を対象と 見られない場合には頚部郭清を省略するなど侵襲が過大にならないよう配慮している した. 気管支動脈と左反回神経を剖出し 右 結果 )7 例の男女比は 6: 平均年齢 77.8(75-85) 腫瘍局在は頚部食道癌 胸 開胸食道切除を行う術者の視野から大動脈弓下領域におけるそれぞれの位置関係を観察 部 5 腹部 例 術前の PS は 0: :7 例 併存症がなかったのは 例のみで 複 し検討した. 結果 33 体の解剖体より 88 本の気管支動脈を剖出した. 右気管支動脈 数の併存症をもったものは 4 例であった 閉塞性 拘束性肺障害はそれぞれ 4 例に が 35 本 左気管支動脈が 43 本 左右気管支動脈の共通幹が 5 本であった. 気管支動 認めた また 5 例に胃癌などの重複癌が認められた 2) 術式は右開胸による後縦隔経 脈と左反回神経の位置関係は次の 3 パターンに分類された.Type Ⅰ) 気管支動脈が左 路再建が 4 例 (食道亜全摘 5 例 中下部食道切除 9 例) 非開胸食道抜去 例 腹部 反回神経と交差しない Type Ⅱ) 気管支動脈の分枝の一部が左反回神経と大動脈弓の 食道切除 例 非切除バイパス術 例であった また郭清なし 例 領域郭清が 2 間を走行する Ⅲ) 左気管支動脈の本管が左反回神経と大動脈弓の間を走行する.Type 例 2 領域郭清が 4 例であった 術前放射線化学療法は 例 術後化学療法は 例 Ⅱは 4 体 (2.%) に 4 本 (4.5%) 見られた. このうち 2 本は右気管支動脈 2 本は左 に行われた また再発時の放射線化学療法は 3 例で施行された 3)Stage は 0:2 例 右気管支動脈の共通幹であった.Type Ⅲは 7 体 (2.2%) に 7 本 (7.9%) 見られた. こ I: 例 II:4 例 III:5 例 IV:5 例であった 癌遺残度は R0:9 例 R:6 例 R2:3 例 根治度は A が 7 例 B が 7 例 C が 3 例であった 4) 術後は全例が ICU で管理 平均 ICU 入室期間は 3.6 日 (-8) 当日抜管は 3 例 翌日抜管が 9 例 再挿管が必 要であったのは 2 例であった 術後合併症では縫合不全が 4 例 肺炎などの呼吸器合 併症が 7 例 反回神経麻痺は 3 例 せん妄を認めたのが 8 例であった 5) 全例が軽 快退院 平均在院日数は 35 日 (8-84:中央値 30) 年生存率は 80.2% 2 年生存率は 58.5% 3 年生存率は 39.0% であった のうち 4 本が右気管支動脈 3 本が左気管支動脈であった.Type Ⅱ Ⅲの症例では気 管支動脈の根部は大動脈の近位 内側寄りに位置する傾向が見られた. 結論 気管支 動脈が左反回神経と大動脈弓の間を走行するパターンの存在は一般に知られていない. このようなパターンの場合 右開胸下食道切除の術野では左反回神経の直下を左気管支 動脈が横切ることとなる. 大動脈弓下領域の安全なリンパ節郭清のためには これらの パターンの存在を認識することが必要と考えられた. まとめ 高齢者といえども 手術適応 手術侵襲の軽減を考慮することで安全に行い うると考えられた 第66回 総会

5 P50-3 第 66 回総会 20 年 7 月 早期食道癌の治療方針 696 P50-5 局所進行食道癌に対する 50Gy no split 導入化学放射線療法によ る治療戦略 山奥公一朗, 利野 靖, 山田 六平, 佐藤 勉, 湯川 寛夫, 藤川 寛人, 長谷川慎一 2, 大島 貴 2, 益田 宗孝 3, 今田 敏夫 3. 横浜市立大学附属病院一般外科, 2. 横浜市立大学附属市民総合医療センター消化 器病センター, 3. 横浜市立大学医学部外科治療学 錦 耕平, 安田 卓司, 白石 治, 安田 篤, 彭 英峰, 新海 政幸, 今野 元博, 今本 治彦, 奥野 清隆, 塩﨑 均. 近畿大学医学部外科学講座 背景 2007 年食道癌治療ガイドラインでは EP LPM は内視鏡切除 MM 以深は 0 ~ 5% のリンパ節転移が予想されることからリンパ節郭清をともなう食道切除が 切除或いは剥離面陽性に終わることも多く予後不良であり 化学放射線療法 (CRT) に 望ましいとされている その一方で手術治療は過大な侵襲となることもあり 治療決定 よる強力な局所制御の上乗せ効果が求められる そこで 2002 年 月から 2009 年 9 に苦慮することも多い 今回我々は内視鏡治療あるいは手術治療で根治しえた早期食道 月までにおいて ct3.5 と診断され かつ初回治療として CRT を施行した 62 例の治 癌について検討し現行の治療方針が妥当であるか否かを検討した 対象 2002 年以降 療効果と臨床経過を review した 4 例には 60Gy 根治照射が行われたが CR は 3 横浜市立大学付属病院消化器内科あるいは一般外科で根治切除した早期食道癌 30 例 例に認めるも 無再発に経過したのは 6 例のみで 全体で 2 例に salvage 手術を施 全例男性で平均年齢は 66 歳 (38 歳 77 歳) 内視鏡切除 24 例 外科切除 6 例 内 行も R2 切除を 例で認めた 残りの 2 例は 30-40Gy 照射後に手術を施行も pcr 視鏡切除はフックを用いた EMR あるいは ESD にておこない 外科切除は右開胸開 はわずか 例で R2 切除を 3 例に認めた 5 年全生存率は各々 29.3% 33.3% で 背景 ct4 を疑う (ct3.5) 局所進行食道癌は 初回治療として手術を選択しても R2 腹による胸部食道切除 2 領域リンパ節郭清を施行 切除標本は HE 染色後病理医に 予後改善のためには 根治量相当の放射線照射と手術による補完が必要と考えられた よって鏡検 断端 深達度 脈管浸潤 リンパ管浸潤を検討した 結果 30 例全例無 目的 ct3.5 食道癌に対する 50Gy no split 導入 CRT の prospective study に関す 再発で生存中 EP:4 例 (内視鏡切除 4 例 外科切除 0 例) LPM:8 例 (内視鏡切除 6 例 外科切除 2 例) MM:8 例 (内視鏡切除 4 例 外科切除 4 例) EP LPM の全 例は脈管浸潤 リンパ管浸潤を認めなかった MM8 例中 例に上皮内進展 例に リンパ管浸潤を認めいずれも外科切除によって治療されていた 結語 EP LPM 症 例は内視鏡切除で根治術が可能であるが MM 症例 2 例 (25%) において上皮内進展 またはリンパ管浸潤を認めたことより外科切除が望ましいと考えられた EUS などに よる術前の深達度診断により MM 以深か以浅かを診断するのは限界があることから 環周率が 2/3 周性以下の早期食道癌を見つけた時はまず内視鏡で切除し 病理組織の 結果で外科切除を行うか否かを決定するのが望ましい と考えられた る治療成績を報告する 対象と方法 明らかな ct4 所見はないが CT 上剥離困難と考えられる 遠隔転移 のない ct3.5 食道癌を対象とした CRT は RT (50Gy/25fr+no split interval)+fp (CDDP+5FU) 2 コースとした CRT 後非奏効で ct4 と診断した症例には化学療法 (DCF:Docetaxel+CDDP+5FU) を継続し それ以外は 4 5 週後に手術を施行した 結果 2009 年 0 月以降で 2 症例が登録された RT および FP 完遂率は 00% 9.6% で Grade2 の腎障害で 例が FP コースのみとなった その他 Grade3 以 上の有害事象は好中球減少が 2 例 放射線食道炎が 4 例に認めたのみであった 臨 床効果は CR/PR/SD=3/8/ で 奏効率 9.6% SD 例は DCF 3 コース施行後に PR が得られており 全例に手術が追加された 術式は右開胸食道亜全摘 + 胃管再建: 例 (3 領域郭清:9 例) 咽喉食摘 + 縦隔気管瘻: 例であった 主病変の組織学的効果は Grade3/2/=3/3/6 例で 全例 prm0 根治切除が可能であった 術後肺炎を 2 例認め たが (再挿管: 例) 縫合不全は 例も認めなかった 現在 例肺転移による原病死 例の他病死以外は無再発に経過中である 結語 局所進行 ct3.5 食道癌に対する 50Gy no split 導入 CRT は 安全性 奏効率 および根治切除率も高く 有望な治療戦略の一つとなりうると考える P50-4 濵井 遠隔臓器転移を伴う進行食道癌の治療成績 洋一, 檜原 淳, 恵美 学, 青木 義朗, 岡田 P50-6 食道癌病期分類の UICC-TNM6 版 同 7 版 食道癌取扱い規約 第 0 版の比較検討 守人. 広島大学原爆放射線医学研究所腫瘍外科研究分野 瀧 雄介, 佐藤 弘, 松本 哲, 新原 正大, 坪佐 恭弘. 静岡県立静岡がんセンター食道外科 背景 遠隔臓器転移を伴う進行食道癌の予後は極めて不良であり その治療に関し ては全身化学療法か原発巣に対しての治療も重視し化学放射線療法を行うか問題とな 背景 2009 年末に UICC-TNM 分類第 7 版 (以下 7 版) が発表され 現在 実地 る場合がある それぞれの症例に応じて適切な治療を行なうことが 予後向上および 臨床では UICC-TNM6 版 (以下 6 版) 7 版 食道癌取扱い規約 (以下 規約) が使 Quality of life 改善につながると考えられる 今回 症例を提示しつつ 当科におけ る cstageivb 食道癌に対する治療の現状と成績を報告する 対象 方法 当科にて 995 年から 200 年までに 初診時より遠隔臓器転移を有し cstageivb と診断した食 道扁平上皮癌症例 42 例 転移臓器 放射線療法の有無 生存期間等に関してレトロス ペクティブに検討した 結果 男性 38 例 女性 4 例 平均年齢 65±9 歳 占居部 位:Ce/Ut/Mt/Lt/Ae=/7/20//3 例 ct/2/3/4=/2/25/4 例 N0//2/3/4=5/5/2/6/4 例 遠隔転移臓器:肺/肝/骨/胃/副腎/脳/胸膜/皮膚=7/4/9/3/2/// 例 (重複例あり) 転 移臓器個数:/2 臓器=35/7 例であった 初回治療として化学放射線療法が 23 例 化学 療法が 2 例 放射線療法が 3 例 手術が 2 例 (切除術 バイパス術) に行なわれてい た 全症例の平均生存期間は 227 日であり 2 年以上生存した症例を 4 例認めた 臓器および 2 臓器転移症例の平均生存期間はそれぞれ 45 日 8 日で (p=0.0002) 肝転移 肺転移 骨転移症例ではそれぞれ 45 日 226 日 222 日であった (p=0.68) T3 以下と T4 症例の生存期間は 227 日と 222 日であり (p=0.82) N0-2 と N3 4 症例はそれぞれ 399 日 222 日であった (p=0.95) 放射線療法を施行した症例と化学 療法のみの症例の生存期間は 45 日 227 日であった (p=0.49) 初回治療効果別では CR/PR 症例 SD/PD 症例の生存期間はそれぞれ 547 日 226 日であった (p=0.2) 結語 2 臓器転移症例は予後不良であった リンパ節転移の少ない症例 放射線療法 用されている. 胸部食道癌手術症例を 3 分類にて解析することにより 各分類の特徴を を加えた症例 治療効果を認めた症例は長期生存の傾向があった 遠隔臓器転移を伴う 食道癌に対しても放射線療法を含めた集学的治療が有効であると考えられた 第66回 総会 明らかにすることを目的として下記の検討を行った. 対象 方法 2002 年 9 月より 2007 年 4 月までの当院にて胸部食道癌に対して手 術を施行した 3 例のうち 初診時に多臓器重複癌を有した症例 術前治療を施行し た症例を除外した 00 例を retrospective に検討した. 平均年齢は 64.3 歳 男女比は 86:4 であり 4 例が肉眼的非根治手術とのため術後化学放射線治療を施行し 術後補 助化学療法は 26 例に施行されていた. 結果 各臨床病期分類での症例数 (5 年生存率) はⅠ/Ⅱ/Ⅲ/Ⅳ期の順で 6 版では 例 (9%)/33 例 (76%)/46 例 (57%)/0 例 (40%) 7 版では 5 例 (93%)/29 例 (72%)/54 例 (54%)/2 例 (50%) 規約では 例 (9%)/3 例 (80%)/56 例 (52%)/2 例 (50%) で あった. リンパ節病期別の症例数 (5 年生存率) は 6 版は N0M0/NM0/anyN M(lym) の順で 34 例 (82%)/56 例 (59%)/0 例 (40%) であり 7 版は N0/N/N2/N3 の順で 34 例 (82%)/55 例 (60%)/ 例 (36%)/0 例であり 規約では N0/N/N2/N3/N4 の順 で 34 例 (82%)/20 例 (70%)/36 例 (45%)/8 例 (70%)/2 例 (0%) であった. 第 7 版に おける臨床病期Ⅲ期のうち 8 人は 6 版ではⅣ期であり すべて頚部食道傍リンパ節 (#0) 陽性例であった.#0 陽性 8 症例の 5 年生存率は 37.5% 生存期間中央値は 20.6 ヶ月 (範囲: ヶ月) であった. 結論 6 版および 7 版では病期別生存率に大差は認めなかったが 7 版Ⅲ期に含まれ る#0 陽性例は Ⅲ期の中では予後は悪い傾向にあった. 規約では T2N0M0 症例が Ⅱ期の生存率を上昇させ Ⅰ期との差は 7 版ほど明瞭ではなかった. リンパ節分類では 7 版の N0-2 はよく予後を反映した. 規約での N0-2 は生存曲線上よく予後を反映した が N3 は反映しなかった.

6 P50-7 第 66 回総会 20 年 7 月 食道癌肉腫の治療成績と臨床腫瘍学的特徴に関する検討 P 消化管神経内分泌腫瘍として食道内分泌細胞癌の臨床病理学的 検討 千野 數野 修, 小澤 暁人, 中郡 壯治, 島田 英雄 2, 山本壮一郎, 名久井 実, 聡, 安田 聖栄, 貞廣荘太郎, 生越 喬二. 東海大学医学部付属病院消化器外科, 2. 東海大学医学部付属大磯病院外科 名久井 実, 小澤 數野 暁人, 梶原 壯治, 島田 英雄, 千野 修, 山本壮一郎, 博 2, 田中真紀子, 生越 喬二, 幕内 博康 3. 東海大学医学部消化器外科学, 2. 東海大学医学部病理診断学, 3. 東海大学医学部 目的 食道癌肉腫は間葉系性格を有した紡錘形ないしは多形性腫瘍細胞を癌腫であ り 隆起型を呈し比較的浅い深達度での発見が多い 食道癌肉腫 3 例を経験したので 背景 2000 年の WHO 分類では 胃から肛門までの消化器神経内分泌腫瘍 (GI-NET) 外科的治療を中心とした治療成績と臨床腫瘍学的特徴について検討した また 病理組 が各臓器悪性腫瘍分類から切り離され 悪性度評価法の統合がなされた さらに独自の 織学的および免疫組織学的手法を用いてその肉眼形態と病理組織学的特徴について検 TNM 分類を定めるなど 診断や治療に応用がはかられ始めている これに対し 食道内 分泌細胞癌は 2007 年の食道癌取扱い規約第 0 版 (新規約) でようやく分類がなされ 討した 対象と方法 対象は 2009 年までに扱った食道癌肉腫 3 例である 治療成 績と臨床病理学的特徴の検討を行った また 病理組織学的および免疫組織学的手法 を用いて Type IV collagen ラミニンなど腫瘍間質成分について検討し Ki-67 標識 率 EGFR 過剰発現率から癌腫と肉腫様部分の細胞増殖活性を比較した また p53 扁平上皮癌とは全く異なる極めて悪性度の高い特徴を有していることが徐々に認知され てきている しかし 食道内分泌細胞癌の GI-NET としての特徴はこれまでほとんど解 析されたことがなく GI-NET から得られる情報の共有が進んでいないのが現状である 目的 食道内分泌細胞癌の GI-NET としての特徴を明らかにする 蛋白発現と上皮性マーカーおよび非上皮性マーカーの染色性についても検討した 結 方法 975 年から 2009 年までに当院で食道癌と診断された約 3300 例のうち 食道 果 () 肉眼病型は上皮内伸展を伴うポリープ状隆起型 2 例 陥凹型 例を呈した 未分化癌 または 食道内分泌細胞癌 と診断された症例 55 例 (.7%) 症例を対象に各 (2) 治療方法は外科的切除術 2 例 内視鏡的切除術 例 (3) 壁深達度は Tb(sm)9 例 T2(mp)4 例であった リンパ節転移を 9 例に認め その転移成分は SCC が 8 例を占めた (4) 予後は原病死 7 例 他病死 2 例 生存 4 例 生存期間中央値 82 日 5 年生存率 8.% であった (5) 腫瘍径は 4-95mm であった 発生初期と考えら 種神経内分泌細胞マーカーの発現状況を免疫組織学的に解析した また WHO 分類に れる小さな病巣から癌腫と肉腫様部分の混在を認め 両部分で上皮性マーカーが陽性 結果 考察 55 例のうち 生検材料がわずかであったり紹介元からの標本のみ症例な であった (6) ポリープ状隆起の基部と辺縁に扁平上皮癌が分布し 隆起部分は主に ど不適格症例を除いた 49 例に追加検討を行った 食道癌取扱い規約で用いられてい 肉腫様部分で構成されていた (7)MIB- 標識率は癌腫部分 28.5±.9% 肉腫様部分 25.9±0.7% であり 両部分に細胞増殖活性の差は認めなかった また EGFR 過剰発 現率は癌腫 90% 肉腫様部分 64% であった (8)p53 蛋白発現は癌腫 肉腫様部分い ずれも陽性を示した (9) 肉腫様部分で間質細胞の増生を認めた 結語 外膜浸潤癌 は認めず比較的浅い深達度でありながら予後良好とは言えない 高頻度にポリープ状の 基づいた神経内分泌腫瘍の悪性度評価を行う目的で MIB- index を算出した さらに GI-NET の診断 治療の有望なターゲットであるソマトスタチン受容体 type2(sstr2) の発現についても検討を行った る内分泌細胞マーカーである chromogranina(cha) synaptophysin(syn) NCAM について免疫染色を行ったところ ChA 陽性例 3% Syn 陽性例 57% NCAM 陽 性例 57% で 少なくとも つのマーカーが陽性となった症例は 67% であった つま り 旧規約まで未分化癌と診断されていた症例の約 2/3 が新規約における内分泌細胞癌 であった この内分泌細胞癌症例の MIB- Index を測定すると中央値 46.6( ) で WHO 分類における GI-NET の悪性度分類によると全例が High grade malignant 隆起型を呈し 病巣隆起の基部と辺縁に扁平上皮癌が分布し 隆起部分は主に肉腫様成 であった さらに内分泌細胞癌症例の 23% に SSTR2 発現が認められた SSTR2 陽性 分から構成されていた 癌腫と肉腫様部分の細胞増殖活性に差はなく 反応性間質細胞 率は決して高頻度とはいえないが GI-NET においてソマトスタチン受容体アナログ製 の増生により腫瘍が崩れずに上方発育しポリープ状隆起を呈すると推測された 剤が SSTR2 を通して増殖抑制効果もたらすことが報告されており 現在生存延長効果 の認められた治療法が見出されていない食道内分泌細胞癌の新たな治療のターゲットと なりうるのではないかと考えられた P50-8 頭頸部癌治療後の食道癌切除術症例の検討 P50-0 光硬化性キトサンゲルの内視鏡的食道粘膜下層剥離術 (ESD) への応用 木ノ下 修, 藤原 斉, 塩崎 敦, 市川 大輔, 岡本 和真, 小松 周平, 落合登志哉, 國場 幸均, 園山 輝久, 大 英吾 勲, 石原 雅之 2, 中村 伸吾, 藤田 真敬 3, 義久, 松本 佑介, 山本 順司, 長谷 和生, 前原 本 広紀, 正明. 京都大学医学部付属病院消化管外科 熊野 矢口 はじめに 食道癌には頭頸部癌が異時性 同時性に重複することが多く 切除範囲や. 防衛医科大学校外科, 2. 防衛医科大学校防衛医学研究センター医療工学研究部門, 3. 防衛医科大学校防衛医学研究センター異常環境衛生研究部門 再建方法等の術式選択には熟考を要する 今回我々は頭頚部癌治療後に食道癌手術を施 行した症例を解析し 前治療と選択術式との関係について検討した 対象 結果 2000 年から 200 年までの食道癌手術症例 40 例のうち 頭頸部癌重 複症例は 25 例 (6.%) であった そのうち 頭頸部癌に対する治療後に食道切除を 施行した症例は 8 例であった その内訳は 中下咽頭癌:5 例 喉頭癌:2 例 口腔舌 癌: 例であった 8 症例の臨床病理学的因子を解析すると 性別は男:6 例/女:2 例 年 齢は 63.6±8.0 歳で 主占居部位は Ce/Ut/Mt/Lt= 例/ 例/5 例/ 例と Mt に多い 傾向があった ptnm 因子は pta/b/2=3 例/ 例/4 例 pn0//2=3 例/ 例/4 例 pstage0/i/ii/iii=3 例/0 例/2 例/3 例であった 前治療の内容はレーザー治療が 4 例 放射線化学療法が 2 例であり 手術は頸部リンパ節郭清術 例と喉頭全摘 永久気管 孔造設 例の計 2 例であった 頸部放射線照射やレーザー治療が行われた 6 例に対 し 定型的な食道亜全摘 胸骨後経路 胃管再建 頸部吻合を行った 頸部リンパ節郭 緒言 内視鏡的粘膜下層剥離術 (ESD) は 早期胃癌の非侵襲的な治療法として広く 普及してきたが 穿孔や出血という合併症の問題がある 特に穿孔は 注入材により粘 膜を挙上した状態を長く保持できないことが一因に挙げられる また ESD は食道に も適応されつつあるが 胃に比して壁が薄く管腔が狭いため より高度な技術を要し 穿孔 出血の危険性が高い しかし食道癌症例において 粘膜下注入材を改良すること により粘膜を十分に挙上し さらにその状態を長時間維持することが出来れば ESD の安全な実施 さらに食道 ESD の標準化につながるものと考えられる 一方 光硬化 性キトサンゲル (PCH) は キトサンに光反応性側鎖基が導入されており 極めて短時 間の紫外光照射で液体から軟ゴム状にゲル化するマテリアルである 目的 粘膜下注入材としての光硬化性キトサンゲル (PCH) の有用性を明らかにする こと 清術後の症例に対しては頸部の術後癒着の存在を考慮し 後縦隔経路 胃管再建 胸腔 方法 24 頭のブタを使用した このうち 8 頭に対し 全身麻酔下 光硬化性キトサ 内高位吻合を行った 喉頭全摘後の症例は胃切除の既往があり 永久気管孔への影響 ンゲル (PCH 群 n=6) ヒアルロン酸ナトリウム (SH 群 n=6) または高張食塩水 再建臓器の問題等 術式選択に難渋したが 胸骨前経路 回結腸再建 頸部吻合を行っ (HS 群 n=6) を粘膜下注入材として用いて内視鏡的食道粘膜下層剥離術を施行した また 残る 6 頭に対し 光硬化性キトサンゲル (n=3) または高張食塩水 (n=3) を食 た 術後 いずれの症例にも重篤な縫合不全を認めなかった 結語 頭頸部癌に対し 放射線照射やレーザー治療を行った症例でも 定型的な食道 道粘膜下に注入し その生分解性につき検討した 切除 再建吻合が施行可能であった 頭頸部癌手術後の症例においても 永久気管孔へ 結果 ①液状の PCH を注入して短時間の紫外光照射でゲル化させることで 他の の影響や 再建経路 吻合部位を熟考 工夫することにより 重篤な縫合不全を生じな 汎用注入液と同様に粘膜挙上が可能で 粘膜の剥離 切除を問題なく施行できた ② い安全な食道切除が可能であると考えられた ESD 施行後 4 週間の内視鏡による経過観察 および施行 28 日後の組織標本で PCH 群 SH 群 および HS 群に ESD による潰瘍の治癒の状況に差がなく 体重変化にも 差がなかった ③ PCH は 粘膜下注入後 8 週間でほぼ完全に生分解されることを内 視鏡的 組織学的に確認した 結語 光硬化性キトサンゲルは 内視鏡的食道粘膜下層剥離術における粘膜下注入材 として有用である可能性が示唆された 第66回 総会

7 P5- 第 66 回総会 20 年 7 月 開胸食道切除後患者における手術部位感染症 P CPIS(臨床的肺感染症スコア) による食道癌術後肺合併症の早期 予測の検討 市川 寛, 小杉 伸一, 神田 達夫, 石川 畠山 勝義. 新潟大学大学院消化器 一般外科学分野 卓, 矢島 和人, 古谷 小松 晃伸, 藤原 斉, 塩崎 敦, 志馬 伸朗 2, 木村 彰夫, 周平, 市川 大輔, 岡本 和真, 國場 幸均, 大 英吾. 京都府立医科大学医学部消化器外科学部門, 2. 京都府立医科大学医学部麻酔科 背景 開胸食道切除後は呼吸器合併症など重篤な合併症が多く 手術部位感染症 (SSI) は臨床上の問題点として注目されることは少なかった しかしながら 手術成績の向上 目的 近年食道癌手術の安全性が高まり ハイリスク症例に対して積極的に外科切除 による合併症発生率の低下や術後在院期間の短縮により 今後は SSI に対する関心も を行う機会が増えつつある 呼吸器合併症は食道癌術後に最も多く認められる合併症で 高まることが予想される 目的 開胸食道切除を施行された胸部食道癌患者における あることから 発症リスクを術前あるいは術後早期に把握することは ハイリスク症例 SSI の発生と危険因子について明らかにする 方法 2000 年から 2009 年までに開胸 食道切除を施行した胸部食道癌患者 33 例の臨床病理学的因子について後方視的に解 析した SSI の定義は米国疾病予防局 (CDC) の SSI ガイドラインに準じ 術後血糖値 は手術終了後 24 時間以内の最高値を用いた 結果 患者背景は男性が 2 例 (9%) 年齢の中央値は 64 歳 (48-8 歳) 腫瘍の進行度は Stage0/I/II/III/IV が 2/25/36/46/24 例であった SSI は 56 例 (42%) に発症し 表層/深部/臓器 体腔 SSI はそれぞれ 8/20/28 例 その中で縫合不全を原因とした臓器 体腔 SSI は 24 例 (43%) であった SSI 発症群では SSI 非発症群と比較して 縫合不全以外の他の合併症を併発する症例 は 44 例 (79%) と有意に多く (p = 0.007) 術後在院期間の中央値は 44 日 (8-279 日) と有意に長かった (p < 0.00) 単変量解析では 年齢 6 歳以上 BMI25 以上 術前 Alb 値 3.5g/dl 未満 手術時間 8.5 時間以上 結腸 小腸再建 術後血糖値 240mg/dl 以上が SSI 発症の有意な危険因子であった 多変量解析では BMI25 以上 術前 Alb 値 3.5g/dl 未満 術後血糖値 240mg/dl 以上が有意な危険因子であった 結語 開胸 食道切除後患者において SSI は縫合不全を原因とする場合が多く 他の合併症の併発 もあり 術後在院期間の延長につながっている BMI 高値 術前低栄養 術後高血糖は SSI の危険因子であり 予防には周術期の適切な栄養管理と血糖管理が重要である に対する発症予防あるいは早期治療のための術後管理の向上に不可欠と考えられる 今 予防的抗菌薬として定型化された方法で投与された CEZ の周術 期血中濃度と SSI についての検討 P5-2 日野 小松 仁嗣, 藤原 斉, 塩崎 敦, 志馬 伸朗 2, 木村 彰夫, 周平, 市川 大輔, 岡本 和真, 國場 幸均, 大 英吾. 京都府立医科大学医学部付属病院消化器外科, 2. 京都府立医科大学医学部付属病 院麻酔科 はじめに 周術期創感染症 (surgical site infection: SSI) に対する予防的抗菌薬投与 回我々は Pugin らの提唱した CPIS (Clinical PulmonaryInfection Score 臨床的肺 感染症スコア) と食道切除後の肺合併症発症との関連を検討するとともに 同スコアを 用いた発症早期予測が可能か否かについて検討した 方法 2009 年 月から 200 年 9 月までに食道癌に対して食道切除術を施行した 75 例を対象として 術後肺合併 症 (肺炎 ARDS) を発症した 7 例と発症しなかった 58 例に分類し Singh らによる 修正 CPIS 診断基準に基づき 体温 白血球数 気道分泌物 動脈血液ガスの P/F 比 胸部 X 線所見の各項目についてスコア化し 術翌日における両群間の合計スコアを比 較した 結果 術後肺合併症の内訳は 肺炎 5 例 ARDS 2 例 両群において 進 行度 根治度 胸腔内到達法 (開胸/胸腔鏡) 術前治療法 (放射線照射 化学療法の有 無) に有意差を認めなかった CPIS を比較したところ 肺合併症発症群では肺合併症 非発症群に比べ 有意に CPIS が高かった (p=0.005) 高スコア例による肺合併症の予 測精度は 感度 64.7% 特異度 72.4% 正診率 70.7% であった 結語 CPIS は 術 後肺合併症の早期予測に有用であった 高 CPIS 症例に対しては 肺合併症予防のた めの十分な対策が必要であると考えられた Incentive Spirometry 値の推移からみた胸腔鏡 腹腔鏡併用食 道亜全摘術における術後呼吸器合併症の検討 P5-4 山下 有吉 剛史, 村上 雅彦, 五藤 哲, 大塚 耕司, 佐藤 朋丈, 茂木健太郎, 小池 礼子, 加藤 貴史 篤,. 昭和大学病院消化器 一般外科 [目的] 教室では食道癌に対して胸腔鏡 腹腔鏡併用食道亜全摘術 (VATS-E) を標準術式 として行っている 術後呼吸器合併症率は開胸手術と比較し著しく減少したが 腹部消 で 食道癌手術での使用薬剤 投与方法は確立されていない 当科では食道癌手術周術 化器外科手術には劣り 容易に重症化しやすいのが特徴である 周術期における積極的 期に第一世代セフェム薬であるセファゾリン (CEZ) を定型化されたプロトコールで投 な予防策を行うことも重要である 当初より 早期離床やベッドサイドでの Incentive 与している 2009 年 6 月から 200 年 月までに経験した 8 例のうち 6 例に ついて周術期の CEZ の血中濃度を測定し 投与方法の妥当性について検討した 方 Spirometry(以下 IS) を用いた周術期の呼吸訓練により呼吸器合併症の予防を行って きたので IS 値の推移からみた VATS-E 症例における周術期呼吸器合併症につき分 法 CEZ を執刀前の 9 時に 2g 以後 6 時間ごとに術翌日 5 時まで g ずつ追加投 析 検討した 与した 血中濃度測定は 皮膚切開時 5 時投与前 手術終了時 術翌日 7 時 (投 与 4 時間後) 術翌日 9 時投与前の 5 点で行った 血中濃度測定は高感度液体クロマ [対象]2008 年 6 月から 2009 年 2 月までに根治治療として VATS-E を施行し かつ 術前後に IS を施行した計 63 例を対象とし 術後呼吸器合併症 (術後肺炎 無気肺) に トグラフィー法を用い 蛋白結合/非結合を併せた総濃度として評価したが 術翌日 9 ついて検討した 時の検体は一部を限外濾過膜処理し遊離体濃度を測定した 術翌日の 2 検体より血中 [検討]IS 値は術後 IS 平均値 術前平均値からの変化率 IS 最低値 IS 平均値/術前肺 活量 IS 最低値/術前肺活量について検討した 同様に 臨床病理学的因子を ) 術前因 子 年齢 BMI 術前アルブミン値 糖尿病 術前化学放射線療法の有無 呼吸機能検 査 心機能検査 喫煙歴 飲酒歴 2) 術中因子 手術時間 出血量 肺癒着の有無にわ け解析 検討した 統計学的検定には 単変量解析では Mann-Whitney 検定 Fisher の直接法を用い P<0.05 で有意差ありとした 多変量解析ではロジスティック回帰解 半減期を算出した 創部に局所感染徴候を認め 創部開放などの処置が施行された症 例を SSI と判定し 細菌培養を行った 結果 年齢 63+/-8 歳 体重 6+/-3kg 手 術時間 7.0+/-.0hr 術中出血量 405+/-83g CEZ 血中濃度 (µg/ml) は皮膚切開時 / 時 44.0+/-5.9 手術終了時 65.5+/-30.0 術翌日 7 時 44.4+/-9.6 術翌日 9 時 22.0+/-9.4 と推移した 術翌日 9 時の遊離体濃度は 4.9+/-2.0 で 蛋白 結合率は 77.5% であった 遊離体濃度が 2µg/mL を下回るものはなかった CEZ の 血中半減期は 2.7+/-0.9 時間であった 6 例 8 部位 (頸部創 3 腹部創 5) で SSI が発 症した 頸部創の全て 腹部創での カ所は消化管縫合不全に起因する深部 SSI で 頸部の カ所で MSSA が検出された 浅部 SSI の検出菌は Methicillin-resistant staphylococcus epidermidis Serratia marcescens Candida albicans であり 例は細菌 が検出されなかった 考察 CEZ の MSSA に対する MIC90% 値は 0.5µg/mL であ り 周術期急性期の CEZ の血中濃度はこれより高い有効域で維持でき 浅部 SSI に 対する予防効果は得られていると思われた 深部 SSI に対する予防効果を含めた転帰 との関連性に関しては 抗菌薬の選択そのものを含めより多い症例群での検討の余地が ある 第66回 総会 析を用いた [結果] 術後肺炎は 9 例 (4.5%) 無気肺は 4 例 (22.2%) に認めた 無気肺例では 術後 IS 平均値 IS 変化率ともに有意差を認めたが 肺炎例では両者に有意差を認めな かった IS 値の推移は呼吸機能検査で肺活量と有意な相関関係を認めた このことか ら個人差を考慮し 術前肺活量との比にて検討したところ 術後 IS 最低値/術前肺活量 3% 第 7 病日までの IS 平均値 22% で有意に肺炎を認めた また肺炎例全例 において 肺炎診断前に IS 最低値を示した 臨床病理学的因子では 手術時間 肺癒 着の有無において有意差を認めた これらでの多変量解析を行ったところ IS 値/術前 肺活量と手術時間にて有意差を認めた [結論]VATS-E において IS 値の変動率を見ることは 周術期呼吸器合併症の早期予測 となりえる可能性が示唆された

8 P5-5 芳賀 隈元 第 66 回総会 20 年 7 月 食道癌術後における早期免疫調整栄養剤投与の検討 紀裕, 石畝 亨, 桑原 公亀, 天野 謙介, 石橋敬一郎, 石田 秀行 邦彦, 近谷 699 食道関連手術後の ARDS に対するステロイドパルス療法後のサ イトメガロウイルス日和見感染に関する検討 P5-7 賢一,. 埼玉医科大学総合医療センター消化管外科 一般外科 佐藤 中津 雄亮, 本山 悟, 丸山起誉幸, 宇佐美修悦, 吉野 敏允, 小川 純一 敬,. 秋田大学大学院消化器外科学 目的 食道癌に対する開胸開腹を伴う根治術は 消化器癌手術の中で最も侵襲の高い 手術のひとつである. そのため食道癌術後は SIRS の病態を生じ 肺炎等の感染性合併 背景 背景 ARDS の死亡率は 40-60% と報告されている ステロイドパルス療法の 症を生じやすい. 一方 免疫調整栄養剤は炎症を減じ 急性肺障害の患者に有用と報告 有効性が未だ確立されていないが メタアナリシスによれば人工呼吸器離脱を早め 死 されている. 今回 術後早期に免疫調整栄養剤による経腸栄養を開始することの安全性 亡率を低下させる可能性があり 本邦でも臨床使用されている しかしながらステロイ と炎症反応 肺合併症の改善につながるか 一般栄養剤と比較し検討した. ドの大量投与後は免疫不全状態となり日和見感染を少なからず合併する 特にサイトメ 対象 術後早期経腸栄養を開始した 2009 年 4 月より 200 年 0 月まで当院で右開 ガロウイルス (CMV) 感染 (再賦活) は頻度が高く 細菌感染とともに混合性肺炎を起 胸開腹食道亜全摘術胃管再建を施行された 20 例のうち化学放射線治療後の 例を除 こしている可能性がある 当科での食道関連手術後の ARDS に対しステロイドパルス いた 20 例を対象とした.2009 年 9 月までは経腸栄養剤として一般的な栄養剤を用い 療法を行った患者の CMV 感染について検討した 対象 2007 年 月から 200 年 (テルミール 6 例 アイソカル 例) それ以降は免疫調整栄養剤オキシーパ 3 例に 使用した. 術後 日目より 2Fr の経腸栄養チューブより投与を開始した. 経腸栄養剤 の投与状況 有害事象 抜管の時期 ICU 入室期間 術後 7 日までの体温 脈拍 炎 症反応 (WBC CRP) 肺合併症の有無を検討した. 結果 有害事象は下痢を一般栄養剤群では 例 (4.3%) オキシーパ群で 4 例 (30.8%) に認めた. 一般栄養群の 例は経腸栄養継続は可能であったが増量はできなかった. オ キシーパ群の 4 例中 3 例は止痢剤の投与や流量の減少により継続可能であったが 例では 5POD に他の経腸栄養剤に変更した. 他の有害事象としては一般栄養剤の 例 が腹部膨満により 3POD に一時経腸栄養を中止し オキシーパ群の 例が乳 胸水に より 2POD に経腸栄養を中止した. 抜管時期 ICU 入室期間 体温 脈拍 炎症反応の 推移は両群間に有意な差を認めなかった. 肺炎の発生は一般栄養剤群で 2 例 (28.6%) オキシーパ群で 2 例 (5.4%) であり 有意差を認めなかった (p=0.57). 2 月まで 4 年間に当科で手術を施行した食道癌患者 7 例 特発性食道破裂患者 4 例中 術後 ARDS を発症しステロイドパルス療法を施行した 2 例 (6.9%) 結果 2 例の平均年齢は 65.4 歳 (52-79 歳) 男性 例 女性 例 全例が急性期発症 (平 均術後 6.2 病日) であった ARDS の診断後直ちにメチルプレドニゾロン 250mg/日か ら 000mg/日の投与開始し 病勢により漸減した 投与開始後から CMV アンチジェ ネミアを週に 回行い 8 例 (66.7%) が陽性となりガンシクロビルの投与を開始した CMV 感染の診断はステロイドパルス療法開始から平均 9.4 日 平均総メチルプレド ニゾロン投与量 636mg であった 全例で CMV アンチジェネミアが陰性になったこ とを確認したが 4 例中 例が ARDS で術後 8 ヶ月で在院死となった 結論 ス テロイドパルス療法後は高率に日和見感染を合併する 細菌 真菌は通常の培養で検出 できるが CMV 検出には特殊な検査が必要であり 疑わなければ診断できない 積極 的に疑い 診断後直ちに治療を開始することにより死亡率を低下できる可能性がある 考察 食道癌術後の免疫調整栄養剤による早期経腸栄養は一般栄養剤と比べ下痢の発 生率が多かった. しかし 多くは止痢剤や流量の調節で継続可能でありポンプを用いた 持続投与が有用であると考えられた. また 炎症反応の改善や 肺炎の発生について今 回の検討では有意差を認めなかった. 今後症例の集積を重ね 術前からの免疫調整栄養 剤投与などの検討が必要である. P5-6 小峯 吉野 食道癌術後における免疫調整栄養療法の検討 修, 渡辺 雅則, 水谷 昌則, 鈴木 英之, 尾形 昌男, 坊 英樹, 聡, 前島顕太郎, 野村 聡, 内田 英二 2. 日本医科大学武蔵小杉病院消化器病センター, 2. 日本医科大学医学部外科学 消化 P5-8 食道癌術後敗血症性ショック症例におけるエンドトキシン吸着 療法 (PMX-DHP) 使用の有効性についての検討 高橋 和田 剛志, 竹内 裕也, 中村理恵子, 大山 則仁, 才川 義朗, 北川 雄光 隆史, 高橋 常浩, 器 一般 乳腺 移植部門. 慶應義塾大学医学部一般消化器外科 背景 当科では食道癌術後の合併症軽減を目的に 2005 年より免疫増強栄養剤による 目的 近年 食道癌根治手術において手術手技及び周術期管理の向上により合併症 術後早期経腸栄養を開始 2008 年より免疫調整栄養剤 (オキシーパ ) を使用してい 発生率は減少してきている しかし 一度発生すると容易に敗血症や多臓器不全につ る. 目的 食道癌術後における免疫調整栄養療法の有用性を検討した. 対象 方法 ながり致死的になる場合も多い 今回 当科で食道癌術後敗血症性ショックに対し 2006 年 6 月より 200 年 月までに胸部食道癌に対し右開胸開腹下に食道癌根治 術を行なった 33 例を対象とした. これらを術後早期経腸栄養において免疫増強栄養 剤 (アルギニン含) を投与した IED 群 8 例と免疫調整栄養剤 (オキシーパ ) を投 与した IMD 群 5 例の 2 群に分け 術後の臨床像を比較検討した. 経腸栄養は ICU 入室後 24 時間以内に腸瘻より kcal/日より開始した kcal/日ずつ漸増 kcal/日まで増量し食事開始とともに漸減中止した. 全症例に対し 術前にメ チルプレドニゾロン (250mg) 術後にメシル酸ガベキサート (30 39mg/kg/日 術 後 3-5 日) の持続投与を行なった. シベレスタットナトリウムは術直後 3 日間の持続 投与 (0.2mg/kg/hr) を原則とした. 結果 開胸法以外に背景因子において両群間に差 は見られなかった. 体温 白血球数 CRP は IMD 群が IED 群より低値で推移する 傾向が見られ SIRS 期間は IMD 群が IED 群より有意に短かった (IED/IMD 群:平 均値 3.7/.2 日 p=0.082).pao2/fio2 比は IMD 群が IED 群より高値で推移する 傾向が見られ (p=0.4267) 人工呼吸器装着時間 (IED/IMD 群:平均値 2.9/0.7 時間 p=0.032) ICU 入室期間 (IED/IMD 群: 平均値 3.4/2.4 日 p=0.988) も IMD 群 が IED 群よりも短い傾向が見られたが 術後在院期間 (IED/IMD 群:平均値 25.9/25.7 日 p=0.9680) は両群で差は見られなかった. 感染性合併症 (IED/IMD 群:50.0/33.3% p=0.3347) 肺炎 (IED/IMD 群:22.2/6.7% p=0.246) SSI(IED/IMD 群:33.3/6.7% p=0.062) の発生率は IMD 群で少ない傾向が見られた. 考察 敗血症 呼吸不全 人 工呼吸器管理下にて有用性が認められているオキシーパ は 食道癌術後の侵襲なら びに感染性合併症を減らす可能性がある. 第66回 総会 PMX-DHP を施行した症例を検討し 有効性につき報告する 対象と方法 2009 年 月から 200 年 0 月までに食道癌根治術後敗血症性ショッ クとなり PMX-DHP 治療を行った 4 症例を対象とし 治療効果につき SOFA score などを用いることにより検討した 結果 年齢は 歳 平均 7.8 歳で 全例男性 全例根治手術後であった. 合 併症の内訳は 縫合不全 例 肺炎 2 例 気管膜様部壊死及び肺炎合併が 例であ り 全例敗血症性ショックであった 起因菌はそれぞれ Pseudomonas aeruginosa MRSA Stenotrophomonas maltophilia Klebsiella pneumoniae Enterobacter cloaca と考えられ エンドトキシン陽性例はなかった PMX-DHP 使用前の SOFA score がそれぞれ であり 使用後が となり (全例挿管鎮静 中であり中枢神経系評価は省略した) 有意にスコアの改善を認めた (p=0.03) SOFA score の各項目 (呼吸 凝固 肝機能 心血管系 腎機能) においても PMX-DHP 施 行前後においてスコアの改善を有意に認めた 結語 食道癌術後敗血症性ショックにおいて PMX-DHP 施行は SOFA score を改 善し 全身状態の改善をもたらすことが示された 特に今回はグラム陰性桿菌以外の起 因菌もみられ エンドトキシンは全例陰性であった PMX-DHP の作用機序 適応に おいては議論があるが 食道癌術後敗血症性ショック時における有効性につき症例を重 ねていくことが重要だと考えられた

9 第 66 回総会 20 年 7 月 食道癌術後合併症が予後に及ぼす影響についての検討 P5-9 永野 剛志, 田中 寿明, 的野 白水 和雄. 久留米大学病院外科 吾, 村田 一貴, 藤田 P52- 博正, 700 残胃内分泌細胞癌の 例 冨﨑 真一, 井原 橋本 光生, 松永 司, 石橋 慶章, 坂下 章, 井関 充及 2 英樹, 原田 洋,. 佐世保共済病院外科, 2. 佐世保共済病院病理 背景 目的 近年 食道癌は 診断技術 手術精度 周術期管理の進歩などに伴い手 症例は 72 歳 男性 平成 9 年早期胃癌 (M-小彎 0-IIc tub sm n0: stage IA) に対し幽 術成績の向上がみられる. 一方 食道切除術は現在でも高度侵襲手術であり 術後合併 門側胃切除術 (Billroth I 法再建) を施行し その後再発なく経過 平成 2 年 2 月検 症の発生率は他癌腫に比べきわめて高い. 術後合併症の発生は 短期予後のみならず 診目的に上部消化管内視鏡検査が行われ 噴門直下後壁に粘膜下腫瘍様の小隆起性病変 長期予後をも悪化させるとの報告もある. また これらは在院日数の延長 医療費の増 を指摘された その後平成 22 年 3 月に再検査が行われ 生検結果にて Group 5 低 大にもつながり 患者の quality of life 低下の一因となる. 今回われわれは 食道癌術 分化型腺癌 残胃癌と診断された 同年同月に残胃全摘術 (Roux-en-Y 法再建) を施行 後合併症が長期予後に与える影響について検討したので報告する. 対象 方法 997 した 術中明らかな腹膜播種や肝 リンパ節転移は認めず P0 H0 st2 sn0: stage IB 年 月 2006 年 2 月に当科で施行した胸部食道癌根治切除 再建手術 254 例の術 と判断した 術後軽度のダンピング症候群をきたすも 順調に回復し術後 26 日目に自 後合併症と長期予後について検討した. 結果 年齢は 中央値 63(39-87) 歳 性別は 宅退院となった 男/女=224/30 術式は 右開胸開胸/左開胸開腹/非開胸=94/5/9 再建経路は 後縦隔 最終的な病理組織結果は 濃染核からなる N/C 比の高い腫瘍細胞が不規則な胞巣状構 (胸腔内)/胸壁前/胸骨後=6/66/27 再建臓器は 胃/結腸/空腸=233/4/7 だった. 進行 度は pstage0/i/ii/iii/iv=/38/79/05/2 だった. 術後合併症は 39 例 (55%) に発 生 呼吸器合併症 7 例 (28%) 縫合不全 67 例 (26%) 手術部位感染 (縫合不全を除 く)25 例 (0%) 敗血症 7 例 (3%) だった. 術死 例 在院死 3 例を認めた. 全体の 5 年生存率 (以下 5 生率) は 60% だった. 術後合併症発生の有無で予後を比較すると 5 生率は発生例/非発生例が 54%/67% で有意差は無いものの非発生例が良好である傾 向を示した (p=0.09). 合併症別に発生の有無で予後を比較すると 呼吸器合併症 (発生 例/非発生例) は 5 生率 45%/66% で非発生例が有意に予後良好 (p=0.0033) 縫合不 全 (発生例/非発生例) は 5 生率 60%/60% と同等だった (p=0.840). 進行度別合併症 発生数 (率) は pstage0 I/II/III/IV=29(59%)/4(52%)/55(52%)/4(67%) で同等だっ た. それぞれ進行度別に発生例/非発生例で 5 生率を比較すると Stage0 I=90%/85% pstageii=6%/87% pstageiii=42%/52% pstage IV=5%/33% で pstage II では非 発生例が発生例に比べ有意に予後良好だった (p=0.0). まとめ 食道癌術後合併症 の発生がその予後に影響する. 周術期管理において 特に呼吸器合併症の発生を防止す ることで予後の延長が得られる可能性が示唆された. 造を示しながら浸潤性増殖をきたしており 免疫組織化学検査で Chromogranin A: 軽 進行食道癌術前化学療法における 好中球減少症および発熱性 好中球減少症関連因子の Retrospective 解析 P52-2 P5-0 度陽性 NCAM/CD56: 陽性を示す胃癌取扱い規約上の 特殊型 内分泌細胞癌と診断 された 進達度は ss で リンパ節転移は認められなかった (n0) が 脈管侵襲が軽度陽 性であった (ly v) 最終診断は pt3 pn0: stage IIA 悪性度の高い癌種と考え術後補助化学療法として UFT 単独投与を行ったが 術後 6 ヶ月目に肝機能障害をきたし 画像検査にて多発性肝転移を認めた 肺小細胞癌に有 効とされるイリノテカン シスプラチン併用療法を試みるも 奏功せず術後 7 ヶ月で 死亡となった 腫瘍細胞に何らかの神経内分泌への分化を有する腫瘍は神経内分泌腫瘍 (neuroen- docrine tumor; NET) と総称されるようになり 胃癌取り扱い規約上に示されている 内分泌細胞癌は WHO 分類では低分化型神経内分泌癌に相当する 今回我々が経験 した残胃に発生した内分泌細胞癌は極めて稀であり 若干の文献的考察を加えて報告 する 萱野 宮垣 博道, 山崎 誠, 黒川 幸典, 宮田 博志, 瀧口 中島 清一, 藤原 義之, 森 正樹, 土岐祐一郎 修司,. 大阪大学大学院消化器外科 2 分野 黒色表皮腫を契機に発見された残胃癌の 例 公一, 河本 純一, 水谷 尚雄, 古城 資久, 西岡 聖. 赤穂中央病院外科 悪性黒色表皮腫は表皮の角質増殖 乳頭腫や色素沈着を特徴とし 内臓悪性腫瘍に伴っ て出現するデルマドロームとして重要な疾患である 今回 我々は 上記の皮膚症状に 諸言: 近年 RCT の結果から 進行食道癌に対して術前化学療法が標準治療として位 て受診し 胃癌を発見して手術した症例を経験したため 文献的考察を加えて報告す 置づけされているが 有害事象を少なからず経験する. 特に骨髄抑制は治療継続が困難 る 症例 77 歳 男性 平成 22 年 7 月頃から 手足裏が特にカサカサするとの訴えで皮 となることや生命に危険を及ぼすこともあり 注意が必要である. これら骨髄抑制の治 膚科を受診した 掌蹠が過角化で 乳頭部や臍も黒色 腋窩がわずかに隆起していて 療前予測は 治療効果の予測と同様に 食道癌治療の個別化 適正化に極めて重要で 黒色表皮腫との診断で 内科で精査した 0 年前に胃癌にて胃切除術ビルロート 法 ある. そこで進行食道癌に対する術前化学療法の有害事象 特に 好中球減少症や発熱 再建を行っていた 胃内視鏡所見では 表面が不整凹凸の強く白体を伴う病変が無数に 性好中球減少症 (以下 FN) の予測の可能性を 治療前 治療中因子と比較検討した. 散見され食道ポリープと胃噴門部に巨大な表面にびらん潰瘍形成のあるボールマンⅠ 対 象: 型進行癌を認めた CT では 肝転移なし 腹水なし 手術は開腹にて残胃全摘術を施 当 科 に て 2008 年 月 200 年 月 に 術 前 FAP 療 法 (5FU/Adriamycin/Cisplatin 併 用 療 法) を 施 行 し た 食 道 癌 患 者 09 例 を 対 象 に Retrospective に解析を行った. 有害事象は CTCAE ver4.0 に従い FAP 療法 コー ス目を対象とした. 患者背景は 年齢中央値 65 歳 (35-82 歳) 男/女:92/7 例 腫瘍占 拠部位 Ce/Ut/Mt/Lt/Ae: 6/0/53/39/ 例 T/2/3/4: 5/25/65/4 例 N0/: 6/93 例 cstage I/II/III/IV: /3/54/23 例であった. 好中球減少症 (Grade0-2: 50 例 (5.4%)/3-4: 59 例 (48.6%)) および FN(有: 95 例 (87.2%)/ 無:4 例 (2.8%)) に対して 患者因子 治療前および治療中血液検査値 臨床病理学的因子を単変量解析した. 結 果: 好 中 球 減 少 症 で は リ ン パ 球 数 最 低 値 (減 少 率) に 有 意 差 を 認 め た (Grade0-2/3-4(Ave±SD):02±292/706±420/µl p<0.000 (0.364±0.65/0.5±0.97/µl p<0.000)). FN で は 治 療 前 ヘ モ グ ロ ビ ン 値 (有/無: 4.0±.3/3.±.6mg/dl p=0.029) と 性 別 (有/無: M/F=9.8/29.4% p=0.0395) リ ン パ 球 数 最 低 値 (減 少 率) 有/無: 905±385/449±90/µl p<0.000 (0.4±0.80/0.665±0.55/µl p<0.000) に 有意差を認めた. 治療前リンパ球数 には有意性を認めなかった. 考察: FN は治療中因子ではリンパ球数減少率 治療前因子では女性 低ヘモグロビン 値が危険因子と考えられた. 近年 DCF 療法の有用性の報告が散見されるが 高い奏 効率とともに高い骨髄抑制が問題となっている. 今後 食道癌治療において化学療法の 行した 標本では 胃は残胃に潰瘍を伴う 3 型の進行癌があった 病理では皮膚生検 は軽度の表皮肥厚と釘脚の延長があり hyperkeratosis と乳頭状増生が見られます acanthosis nigricans の像と考えられ 胃は乳頭状 篩状構造を呈する腺癌の浸潤増生 を認めるが 周囲のリンパ節転移は認めなかった 術後 3 週間で軽度に角化が改善さ れ 術後 3 ヶ月の現在 かなり角化は改善された まとめ 過角質 乳頭腫や色素沈着を 見つけた場合 胃癌を中心に悪性腫瘍の精査が重要である 重要性がますます大きくなってきており 治療前に骨髄抑制などの有害事象の予測は個 別化 適正化には極めて重要となると考えられる 第66回 総会

10 第 66 回総会 20 年 7 月 P52-3 膵胃吻合再建を行った幽門輪温存膵頭十二指腸切除術後に発症 した残胃癌の一例 砂川 秀樹, 西﨑 隆, 中島雄一郎, 増田 隆伸, 黒田 陽介, 姉川 剛, 島袋 林春, 丸山 晴司, 白石 猛, 高橋 郁雄 P52-5 濵田 新山 70 残胃に発生した胃未分化癌の 例 聖暁, 伊藤 重彦, 木戸川秀生, 井上 新, 橋本 泰匡, 秋山 泰樹 征雄, 山吉 隆友,. 北九州市立八幡病院外科. 松山赤十字病院外科 症例は 75 歳男性 2 年前にⅡ c 病変の早期胃癌に対して幽門側切除術を施行し 膵胃吻合後の残胃癌治療に際し 膵消化管吻合の再建を考慮しなくてはならない場合が 二指腸切除術 (以後 PpPD とする)+2 群リンパ節郭清を施行した 膵消化管吻合は膵 Billroth-I 法にて再建した このときの病理組織診断は signet ring cell carcinoma で あった 200 年 8 月に上腹部痛を主訴として近医受診し 上部消化管内視鏡検査にて 胃空腸吻合部に隆起性病変を認めた 生検では Group Ⅴ adenocarcinoma poorly differentiated であった 腹部 CT ではリンパ節転移やその他遠隔転移はなかった 腫 胃吻合にて行った 病理組織学的検査の結果は中分化型管状腺癌であり si Hinf0 瘍マーカーの上昇も認められなかった 残胃癌に対して 遠位側胃切除術を施行し ly0 v0 pn2 pancb hm0 dm0 em N0 Stage Ⅲであった 2005 年 05 月 経過観察目的の GIF にて胃角小弯前壁側から胃体下部小弯前壁側にかけて 0-Ⅱ c+ Ⅲ の病変を認め 生検にて Group5Signet ring- cell carcinoma と診断された 血液検査 上 腫瘍マーカーは正常であり CT US では明らかな遠隔転移 リンパ節転移は認め なかった 同月 残胃癌に対し残胃噴門側胃切除術 +2 群リンパ節郭清を施行した 術 Roux-en-Y 法にて再建した 病理組織所見は粘膜から粘膜下組織にかけて異型の非常 に強い細胞が浸潤増殖しており 免疫染色では腫瘍細胞は EMA CAM5.2 陽性で あったが CK/5/6 CEA ChromograninA Synaptophysin CD56 HMB45 Vimentin LCA CD30 は陰性であった 病理診断は Undiffrentiated carcinoma ptb(sm) N0 M0 H0 pstage Ⅰ A であった 胃未分化癌は胃癌全体で極め 中所見上 腫瘍は胃角小弯側に認められた 腫瘍の部位から 膵胃吻合口側での胃切離 て稀であり 残胃に発生した症例の報告例はほとんどない また 進行癌の報告がほと が可能であると判断し 噴門側胃切除術を施行した 再建は食道 残胃間に空腸を間置 んどである 今回 若干の文献的考察を加えて報告する ある 我々は膵胃吻合後の残胃癌に対し膵胃吻合温存手術を施行した症例を経験したの で報告する 症例は 63 歳男性 200 年 0 月 下部胆管癌に対し幽門輪温存膵頭十 せず Roux-en-Y 法 (食道空腸吻合) 結腸前経路にて行った 病理組織学的検査の結 果は印環細胞癌であり sm3 sci infγ ly v0 PM0 DM0 N0 Stage Ⅰ A であった 術後の経過は良好であり 術後 2 日目に退院した 膵胃吻合再建を行った PpPD 後残胃癌に対し根治手術を施行した国内での報告例はこれまでに 5 例であった そのうち 例は膵空腸吻合への再吻合を行っており 4 例は膵胃吻合を残存させ胃切 除術を行っている 膵胃吻合再建を施行した PpPD 後残胃癌の症例でも 胃癌の部位 によっては早期発見により膵消化管再吻合を回避でき得る P52-4 幽門狭窄を呈した Gastritis cystica profunda の一例 P52-6 BillrothII 法再建幽門輪温存胃切除術 40 年後に発生した幽門側 残胃癌の 例 窪田 成井 徹, 藤川 一隆, 原田 寛人, 和田 朋子, 川邉 泰一, 沖山 浩, 平川 昭平, 長谷川 聡, 池 秀之 信,. 済生会横浜市南部病院外科 塙 秀暁 2, 内山喜一郎, 小笠原康夫, 鈴木 洋一, 加納 恒久, 阿部 豊, 廣田 淳, 萩原 英之, 名取 穣治, 鈴木 英之 2. 海老名総合病院外科, 2. 日本医科大学武蔵小杉病院消化器病センター 症例は 37 歳女性 受診 ヶ月前より食後の心窩部不快感を自覚 徐々に増悪し 食 後嘔吐するようになったため当院消化器内科受診 上部消化管内視鏡検査施行したとこ ろ 幽門狭窄を認め内視鏡は通過できなかった 十二指腸潰瘍の可能性を考え PPI を 3 週間投与するも症状改善せず 再度上部消化管内視鏡検査施行し狭窄部の生検を行っ た その際に白色膿性の流出物があったため 胃蜂窩織炎を疑い抗菌薬投与するもやは り症状改善せず 当科紹介受診となった 生検結果は慢性炎症細胞浸潤を伴う幽門腺粘 膜であり 悪性所見は認めなかった 腹部 CT MRI では十二指腸球部付近で著明な 壁肥厚を認める以外 特徴的な所見は得られなかった 成人の肥厚性幽門狭窄症 粘膜下腫瘍等を疑い 症状出現から 2 ヵ月後に開腹手術を 施行した 術中所見では 幽門輪が肥厚し 大弯側には一部腫瘤様に触れる部分があり 悪性疾患も否定できないことから 幽門側胃切除 D リンパ節郭清を施行した 切除標本では 幽門輪大弯側に筋層の肥厚している部位があり その近傍に粘膜陥入部 を認めた 組織学的には 粘膜陥入部近傍や筋層肥厚部の粘膜下層や固有筋層に円柱上 皮からなる導管構造と小腺管様の構造から成る上皮巣が島状にみられ 炎症性細胞浸潤 も認めることから gastritis cystica profunda と診断された gastritis cystica profunda は胃切除後の残胃吻合部に認められる慢性囊胞性胃炎であ り 残胃癌の前癌病変とする説もある その発症には吻合部のびらんや潰瘍 十二指腸 液の逆流などが関与すると考えられているが 近年手術既往のない胃に発生した報告も 散見され その原因や病態は不明な点が多い また 本症例のように gastritis cystica profunda による幽門狭窄は 我々が検索しえ た限りでは他に報告はなく 極めて貴重な症例と思われるため文献的考察を加え報告 する 第66回 総会 胃潰瘍や胃癌の手術において 幽門輪温存手術は通常ダンピング症候群をはじめとする術後困難 症を予防する目的で行われる. 今回我々は Billroth II 法再建幽門輪温存胃切除術後 40 年で発生した幽門側残胃癌という非常 に稀で診断に難渋した症例を経験したので報告する. 症例 72 歳 男性 主訴 体重減少 現病歴 8 か月で 0kg の体重減少を主訴に消化器内科受診. 精査にて腹腔内悪性腫瘍疑われ外科紹介. 既往歴 32 歳時 胃潰瘍にて胃部分切除術 (詳細不明) その後吻合部潰瘍にて保存的治療. 輸血歴あり. 64 歳時 弁膜症にて僧帽弁 三尖弁置換術を受けた. 心房細動あり. 入院時現症 身長 62cm 体重 39.8kg BMI=5.7 腹部造影 CT にて膵頭部前面に粒状石灰化 造影効果を伴う cm 大の腫瘤を認め FDG-PET 検査では同部位と胆嚢周囲リンパ節に異常集積を認めた. 上部消化管内視鏡検査では 再建は Billroth II 法であり 残胃および吻合部に異常所見は認めなかった. 入院後経過 原発不明の腹腔内腫瘍の診断にて開腹術施行. 開腹所見では残胃は術前診断通り Billroth II 法再 建であったが 幽門輪及び胃幽門前庭部の一部が遺残し 同部位に腫瘍を認め 幽門側残胃摘出 術を施行した. 切除標本では残胃断端の胃粘膜より発生した大きさ約 2.5cm 大の 0-I 型腫瘍であ り 術後の病理診断は Papillary adenocarcinoma であった. 考察 本症例は 40 年前に手術が施行されており 当時の手術記録が残っておらず 術式の詳細は不明 であるが 胃潰瘍手術時に何らかの理由により幽門輪が温存されたと考えられる. 医中誌で 残 胃癌 幽門側残胃 をキーワードに 983 年 200 年まで検索したところ 3 件の報告があっ たが Billroth II 法再建後の幽門側残胃癌の報告は認めなかった. Billroth II 法再建胃切除術後でも幽門側残胃癌の可能性も念頭において診療に臨むことが必要で あると考えられた.

11 P52-7 小林 第 66 回総会 20 年 7 月 噴門側胃切除後に発生した幽門側残胃癌の 2 例 克巳, 岩波弘太郎, 六本木 隆, 前村 道生, 竹吉 702 P52-9 Ball valve syndrome をきたした gastric carcinoma with lymphoid stroma の一例 泉 2. 国病機構沼田病院総合外科, 2. 群馬大学大学院臓器病態外科学 はじめに 術後の機能温存や QOL の観点から胃上部領域の早期癌に対し 縮小手 多代 尚広, 横山 實光 章. 赤穂市民病院外科 正, 曽我 文隆, 末次 弘実, 高原 秀典, 術が検討され 噴門側胃切除 (以下噴切) を行う機会が増えている. 一方 噴切後残胃 癌は 近年になり散見されるようになったが報告例は少なく その詳細は明らかではな 症例は 59 歳の男性 嘔気 心窩部痛にて受診され CT にて胃腫瘤が十二指腸へ嵌頓 い. 今回 噴切後残胃癌の 2 例を経験したので若干の文献的考察を加えて報告する. しているのを認めた 内視鏡的に嵌頓を解除したが 腫瘍は胃体下部大彎にあり亜有茎 症例 66 歳 男性.5 年 6 ヶ月前 胃体上部 0-IIb の早期癌に対し 噴門側胃切 性の 型腫瘍であった 生検結果は adenocarcinoma tub2 から tub であり EUS 除 D+β 郭清 空腸間置術施行した. 初回病理所見は U Less 0-IIb 23 8mm にて深達度は SM と判断された 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術を施行し 術後経過は良 tub sm2 ly0 v0 n(-) ptn0m0 Stage IB だった. 術後 年半以降 紹介医へ戻り 当院では精査していなかった. また 間置空腸が長く 内視鏡検査困難であったため 術後は残胃の内視鏡サーベイランスされていなかった. 今回他疾患にて受診したところ 貧血を認め精査を行った. 内視鏡検査で残胃前壁小弯 に病変を認めた. 生検にて中分化腺癌を認め 手術方針となった. 手術は 残胃全摘 D 郭清 Roux-en Y 再建術を施行した. 病理組織診断は M-6-O L Less type /70 45mm tub2 ss ly v0 n (-) pt2n0m0 Stage IB だった. 症例 2 60 歳 男性.3 年 3 ヶ月前 胃体上部の 2 型高分化腺癌に対し MP の術 前診断で噴門側胃切除 脾合併切除 D2 郭清 空腸間置術施行した. 初回病理所見は UE Gre type mm tub ss ly v0 n 2(-) pt2n0m0 Stage IB だった. 術後 年 回の内視鏡検査を含め定期的にサーベイランスを行っていた. 今回 術後 3 年目の内視鏡検査を行ったところ 残胃大弯側に粘膜不整部を認めた. 生 検にて高分化腺癌を認め 手術方針となった. 手術は 残胃全摘 D 郭清 Roux-en Y 再建術を施行した. 病理組織診断は M-3-O L Ant 0-IIc+IIa 25 8mm tub sm ly0 v0 n(-) ptn0m0 Stage IA だった. 好であった 病理検査の結果は caricinoma with lymphoid stroma pt2(mp) pn0 pstage Ⅰ B であった carcinoma with lymphoid stroma は粘膜下に著名なリンパ 球浸潤を伴って発育する 比較的予後良好な胃癌の特殊型として報告され 全胃癌の 約 4% とされている また EBV 感染との関連が指摘されている gastric carcinoma with lymphoid stroma は早期癌ではⅡ c 型 進行癌では 2 3 型を示すことが多い とされているが 今回の症例では 型を呈し Ball valve syndrome をきたした 医学 中央雑誌にて検索した限りでは Ballvalve syndrome をきたした gastric carcinoma with lymphoid stroma の報告は無く若干の文献的考察を加え報告する 結語 噴門側胃切除後は 胃癌の好発部位である幽門側を温存していることなどから 残胃癌の発生頻度が高いとの報告がある. また 病理学的特徴として 非断端部 分化 型が多いとの報告がある. さらに定期的な観察により 早期癌で発見されることも少な くない. 一方 再建様式から内視鏡サーベイランス困難で 治癒切除不能であった進行 癌症例や術後長期間経過してからの残胃癌発生の報告もされている. 噴切に際して 術後の内視鏡検査や残胃手術の可能性を念頭においた再建方式の工夫が 必要である. また 定期的なサーベイランスを長期間行う必要があると考えられる. P52-8 中谷 Ball Valve Syndrome を来たした胃体中部癌 佳弘, 岡 正巳, 玉置 卓也, 松浦 一郎, 堀内 P52-0 哲也 Leser-Trelat 徴候を契機に発見された早期胃癌の 例 仕垣幸太郎, 長澤 雄大, 浅木 弘子 2, 古川 義英. 南和歌山医療センター外科. 太田綜合病院附属太田熱海病院外科, 2. 太田綜合病院附属太田熱海病院皮膚科 [はじめに] 胃内の腫瘍や粘膜が突然十二指腸に脱出し 腹痛 嘔吐などを来たすもの を Ball valve syndrome(bvs) といい 胃前庭部の病変によって発症することが多い 今回 胃体中部癌により発症した BVS の一例を経験したので報告する [症例] 患者は 87 歳 女性 主訴は突然の上腹部痛と嘔吐 腹部超音波検査と腹部 CT で BVS を疑 (はじめに)Leser-Trelat 徴候 (以下 L-T 徴候) は 脂漏性角化症が短期間に出現して急 い 緊急開腹手術を施行した ハッチンソン氏法にて整復を試みたが上手く征服できず 伴い急速に増加する皮疹が出現し 当院皮膚科を受診した cm 表面粗造 十二指腸授動を十分に行うことで整復が可能であった 患者の状態を考慮し胃部分切除 境界明瞭 扁平に隆起した淡褐色 黒褐色の丘疹を背部に多数認めた これらが短期間 を行った 腫瘍は胃体中部大彎から発生した乳頭状に発育する 60mm 40mm 腫瘍で に出現したことにより L-T 徴候を疑い内臓悪性腫瘍の検索を行ったところ 胃角部大 あったが 腫瘍には茎は存在しなかった 組織学的には 低分化腺癌で m ly0 v0 彎に 0-Ⅱ c 型の胃癌を認め 当科へ紹介となり幽門側胃切除術を施行した 中分化管 であった [まとめ] 十二指腸に嵌頓した胃体中部癌による BVS を報告した 速に増加 増大をきたした場合に内臓悪性腫瘍が存在する可能性があるという腫瘍随伴 性皮膚症状である 今回 われわれは本徴候を契機として発見された早期胃癌の 例 を経験したので 文献的考察を加えて報告する (症例)75 歳 男性で 背部に掻痒感を 状腺癌 Tb N0 M0 Stage Ⅰ A であった 術後 3 ヶ月の現在 皮疹の減少や縮 小 掻痒感の消失を認めた (まとめ) 医学中央雑誌 (975 年-200 年) にて L-T 徴候 の本邦報告は 36 例あり そのうち本徴候により早期胃癌が発見された報告例は自験 例を含め 5 例と極めて稀である L-T 徴候と悪性腫瘍との病因的関連についての定説 はないが これにより内臓悪性腫瘍を早期発見 早期治療が可能となるため 本症例は 臨床的に非常に有意義なものと考える 第66回 総会

12 P53- 瀬下 長尾 第 66 回総会 20 年 7 月 幽門保存胃切除における幽門下動脈の温存と右胃動脈の切離 明良, 荒武 寿樹, 天野久仁彦, 成田 徹, 春日満貴子, 深幸, 廣澤知一郎, 小川 真平, 板橋 道朗, 亀岡 信悟. 東京女子医科大学病院外科 小児外科 P53-3 宇治 池添 703 当院における胃癌胃全摘症例での同時脾摘出の影響について 祥隆, 徳永 美喜, 新上 浩司, 馬場 活嘉, 丹後 泰久, 清彦 2, 小林 慶太 2, 本間 憲一 2, 高尾 貴史, 磯本 浩晴 2. 天神会新古賀病院消化器外科, 2. 天神会古賀病院 2 消化器外科 はじめに (目的) 改訂された胃癌治療ガイドラインでは胃全摘術において No.0 d が 2 群リ 幽門保存胃切除は その適応と手技も施設によって相違を認める 幽門下動脈の温存に ンパ節になるので進行胃癌では脾摘出や膵尾部切除が要求されかねない 欧米では脾摘 より幽門部を長く残すことも可能となり 保存される幽門部の範囲は様々となってい 出や膵尾部合併切除が術後合併症や術死の危険因子とされているが 現在 日本では る 機能温存術式として認識されているが 保存された幽門の大きさと術後の機能との No.0 郭清のために脾合併切除 (膵温存) が一般的となっている 胃全摘時の脾合併切 関連は明らかとなってはいない また幽門部の運動を考慮し迷走神経幽門枝および右胃 除の意義については現在臨床試験が進行中ではあるが 脾摘出に伴う様々な合併症も多 動脈は温存することが原則となっているが 幽門には多くの枝が総肝動脈神経叢よりも 数報告されているのが現実である 今回当院で施行された胃癌胃全摘症例について脾摘 直接幽門に分布していることも知られている 当科では M 領域の TN0 症例で幽門 出の有無での比較検討を行った 部が 4cm 以上残せる症例で 幽門下動脈を温存できる症例を対象としている また病 (方法)2000 年 200 年 8 月までに当院で胃全摘術を施行した 45 例を脾摘出した脾 摘群 90 例と脾温存した非脾摘群 55 例に分けて脾摘出の安全性と有用性を評価した (結果) 感染を伴う合併症は脾摘群で 35 例 (38.9%) 非脾摘群で 3 例 (3.4%) 認めら れた 手術時間は脾摘群で 349.6±98.0 分 非脾摘群で 36.9±7.5 分 術中出血量は 脾摘群で 69.9±549ml 非脾摘群で 34.6±229.6ml であった 手術後入院日数は脾摘 群で 35.5±7.5 日 非脾摘群で 29.8±4.8 日であり 在院死は脾摘群で 4 例 (うち癌 死は 例) 非脾摘群は存在しなかった No.0 リンパ節転移は 7 例 (7.8%) に認め その中で 6 例が Stage Ⅳ 例が Stage Ⅲ C(T4b N3) 平均生存期間は.5 カ月 巣の位置 センチネルリンパ節の結果等によっては右胃動脈を根部にて切離しているの で その経過及び QOL について検討した 対象と方法 上記の適応で幽門保存胃切除を施行した 20 例を対象とした その手技は 幽門下動脈 を温存し 右胃動脈は根部または胃への第 枝分枝後に切除する 自律神経は可及的 に温存し 吻合は層層に行っている また QOL 評価としてアンケート調査の SF36 と GSRS を 残胃の排出機能で 3C 呼気テストを行い 同時期の幽門側胃切除 27 例と 比較した であった 結果 平均年齢 60.4 歳 (4-72) で男女比は 0:0 アプローチは開腹:腹腔鏡下 5:5 右胃 動脈は 8 例で切離した 迷走神経の肝枝は全例で 腹腔枝は 4 例で温存した 幽門 輪吻合部の平均距離は 4 9cm(3-8) 術後合併症は腸閉塞 例 肝機能障害 例であ り 明らかなうっ滞症状は認めなかった SF36 では術後半年を過ぎると軽快したが (考察) 胃全摘術に脾摘出を行うことで合併症の増加は報告されており 脾摘後に免疫 力が低下し 易感染性を示すからと言われている 当院の比較でも同時脾摘出で術後合 併症 入院日数が有意に増加していた 更に手術時間や術中出血量でも脾摘出で有意に 増加していた 有用性の指標であるリンパ節郭清効果も生存期間の延長が認められな 術式間に差を認めず GSRS では腹痛 消化不良 下痢と全体スコアで幽切より良好で かったことより 当院での胃癌胃全摘における同時脾摘出は安全性も有用性も証明され あった 呼気テストの Tmax は平均 4 分で正常と同じであり 幽切 5 分と有意差 なかった 今後は明らかな脾門部リンパ節転移症例や脾臓浸潤症例以外の脾摘出につい を認めた 右胃動脈切離による差はいずれも認めなかった ては検討すべきであると考える 結語 幽門下動脈を温存した幽門保存胃切除では QOL の観点では幽切より良好な結果で あった また右胃動脈の温存は必須ではないことが示唆された No.5 および No.6 リンパ節転移頻度からみた幽門下動静脈温存 を伴う幽門保存胃切除術の妥当性の検討 P53-2 福島 紀雅, 野村 尚, 盛 直生, 菅原秀一郎, 藤本 博人. 山形県立中央病院外科 膵温存脾臓合併切除胃全摘術における脾動脈温存術式と丸山法 の再発 予後の比較 P53-4 岸 健太郎, 宮代 勲, 本告 正明, 高橋 秀典, 能浦 真吾, 山田 晃正, 大植 雅之, 大東 弘明, 矢野 雅彦, 石川 治. 大阪府立成人病センター消化器外科 はじめに 当院では早期胃がんに対する幽門側胃切除術の術後 QOL 向上を目的に 993 年より幽門保存胃切除術を施行してきた (右胃動脈および幽門下動脈を温存). さ 目的 上部進行胃癌における根治術は#0 リンパ節郭清が必要とガイドラインには らに 2004 年からは pyloric cuff の長さを最低でも 3.0cm 以上確保し その血流も十 規定されている.#0 リンパ節郭清目的で脾臓合併切除が行われているが 胃切除合併 分確保するために幽門下動脈のみならず幽門下静脈も温存している. しかしこの術式で 症の主たる一つである膵液ろうのハイリスク因子となっている. 近年 脾動脈を末梢ま は No.6 リンパ節の郭清が不十分となる可能性がある. 今回 この術式の妥当性に関し で温存することで膵液ろう発生を減少できるとの報告がされている. 我々は 脾動脈温 て検討した. 対象および方法 994 年から 200 年 9 月までの期間に 当科で幽門側 存法の局所制御や予後に与える影響を検討した. 胃切除術および胃全摘術を施行した初発単発胃がん 990 例を対象とした.3.0cm 以上 方法 上部進行胃癌で膵温存脾臓合併切除胃全摘術 (術後補助療法なし) を行った 2 の pyloriccuff を残すには 腫瘍の肛門側断端の距離を 2.0cm 確保し 吻合に.0cm 例を対象とした. 手術記録より脾動脈末梢切離 (S) 群 6 例と中枢側切離 (X) 群 60 例 使用すると 幽門輪から 6.0cm 以上の距離が必要となる. そこで 切除標本において幽 の 2 群に分け再発部位 予後を retrospective に検討した. 門輪から腫瘍の肛門側断端までの距離が 6.0cm 以上の症例とそれ以下の症例での 深 結果 #0 #d における郭清転移個数は各々 S 群で 3.7±3.4 個 2.9±2.3 個 X 達度別の No.5 および No.6 リンパ節の転移頻度を検討した. 結果 ① No.5 リンパ節 群で 3.6±2.8 個 3.7±2.8 個で有意な差はなく 両群とも同郭清部位の局所再発は認め 転移:6.0cm 以上および 5.9cm 以下の症例の 深達度別転移頻度はそれぞれ Ta 0/80 なかった. 全生存期間 (5 年生存) は S 群で 73.6% X 群で 79.3% と有意な差はなく /69 Tb 0/3 4/208 T2 /72 6/8 T3 /74 /98 T4 6/27 37/66 であり 6.0cm 以上の T 症例での No.5 リンパ節転移 risk は 0/93(95%CI0.0-.9%) であっ た. ② No.6 リンパ節転移:6.0cm 以上および 5.9cm 以下の症例の 深達度別転移頻度 はそれぞれ Ta 0/80 0/69 Tb 3/3 5/208 T2 /72 22/8 T3 2/74 39/98 T4 9/27 90/66 であり 6.0cm 以上の Ta 症例の No.6 リンパ節転移 risk は 0%(95%CI 0-4.6%) Tb 症例の No.6 リンパ節転移 risk は 2.6%(95%CI %) であった.6.0cm 以上の Tb 症例で No.6 リンパ節に転移を認めた 3 症例中 2 例は sm massive であり術前に進行癌と診断されていた症例であり 他の 例は術中 No.6 リンパ節に明らかに転移と考えられる腫大したリンパ節を認めた. 考察 幽門下動静 脈温存を伴う幽門保存胃切除術は ①腫瘍の肛門側が幽門輪から 6.0cm 以上 ②術前 診断で深達度 T ③術中明らかなリンパ節転移を認めないの 3 条件を満たした症例に 施行すれば 幽門側胃切除術と同等な根治性が得られると考えられる. 各 stage 別の比較においても差は認めなかった. 一方 出血量は S 群: ml X 第66回 総会 群: ml と両群間で差はなかったが S 群で手術時間の延長 (S 群: min vs X 群: min) がみられた (P=0.006). また膵液ろう発生の有意な減少を S 群 で確認することはできなかったが (S 群: 2% vs X 群: 27%) BMI 25kg/m2 以上の subgroup での解析では有意な減少 (S 群: 20% vs X 群: 67%) を認めた (P=0.022). 結語 上部進行胃がんにおける脾臓合併切除胃全摘術において 脾動脈温存は従来の 中枢側切離に比し 郭清効果に遜色ない方法であることが示唆される. 我々の検討では 膵液ろう発生率の有意な減少を認めることはできなかったが 高 BMI 症例には有効な 方法である可能性がある.

13 第 66 回総会 20 年 7 月 P53-5 胃幽門側切除術に対する小開腹手術 (0cm 未満) の手術の検討 LADG 大開腹手術 (0cm 以上) との比較 宮崎 線崎 知, 長岡眞希夫, 山邊 和生, 藤田 智孝, 橋本 康司, 原 暁生 繁雄, 道浦 俊哉, P 当院における開腹減量手術について 大城 崇司, 木下 大城 充, 長島 敬弘 2, 堀部 大輔, 吉田 豊, 瓜田 誠, 川村 功, 岡住 慎一, 加藤 良二 祐,. 東邦大学医療センター佐倉病院外科, 2. 国立がん研究センター東病院上腹部外科. 社会保険紀南病院外科 背景 病的肥満症に対する減量手術は国際的な動向をみると鏡視下手術が 9 割超だ はじめに 早期胃癌に対して周術期の QOL の向上を目的に多くの施設で LADG が と報告されている 本邦では胃縮小術が保険収載されているものの 腹腔鏡手術は対象 導入されている. 我々は LADG の適応外症例に対して低侵襲を目的に小開腹創 (0cm 外であり またその手術点数は 2,700 点と 鏡視下に減量手術を行うにはコスト的に 未満) より LADG に準じた手順により胃切除を行っている. 今回 大開腹法 (0cm 以 上) 小開腹法および LADG による手術成績を比較検討した. 対象 過去 5 年間の同一術者が D+ 以上の郭清を行った胃癌幽門側胃切除術 (sstage Ⅰ a-Ⅲ b:t-3 N0-2) 68 例を対象とし LADG 38 例 小開腹 79 例 大開腹 54 例 の 3 群間において 手術成績を比較した. 結果 年齢 性別に各群に有意差を認めず.BMI は LADG 群 (22.8±3.5) 小切開群 (22.2±2.) 大切開群 (23.3±4.) で差を認めず. 各群の stage 別症例 (Ⅰ A:Ⅰ B:Ⅱ :Ⅲ A:Ⅲ B) は LADG 群 (37::0:0:0) 小開腹 (42::3:0:3) 大開腹 (2:9:8:2:3) で LADG 群 は 有 意 に 他 の 2 群 に 比 し Ⅰ A の 割 合 が 多 か っ た が 小 切 開 群 と 大 切 開 群 に 差 を 認 め な か っ た.LADG 群 小 開 腹 群 大 開 腹 群 の 手 術 時 間 は 260±6 分:79±46 分:89±54 分 出血量は 203±ml:224±85ml:324±32ml 術 後 WBC 最 高 値 は 0000±2300:0300±2600:000±2370 CRP 値 は 2.2±6.0mg:.6±4.5mg:4.0±7.0mg で 手 術 時 間 は LADG 群 は 他 の 2 群 に 比 し 有 意 に 長 く CRP 値 並 び に 出 血 量 は 大 切 開 群 と 他 の 2 群 に 有 意 差 を 認 め た. 各 群 間 で BMI25 未満と 25 以上における手術時間並びに出血量は LADG 群:256±5 分:27±87 分 72±40ml: 280±65ml 小切開群:80±42 分:95±56 分 208±24ml:372±292ml 大 切開群:80±04 分:99±53 分 297±48ml:366±268 ml で小切開群では BMI25 以上 で出血量が有意に高値を示し CRP 値も 0.9±4.0mg: 4.9±5.3mg と高値を示した. 術 後合併症は LADG 群で吻合部狭窄 例 小開腹群で縫合不全 例 腹壁瘢痕ヘルニア 2 例 大開腹群で膵液瘻 3 例 腹壁瘢痕ヘルニア 例であった. まとめ LADG 群の手術時間は小開腹 大開腹群に比し有意に長く CRP 値並びに出 血量は大切開群で有意に多かったが 小開腹群と LADG 群に有意差を認めなかった. 小 切開群では BMI25 以上の症例は 25 未満の症例に比し出血量は有意に多かった. 結語 LADG 小開腹手術は大開腹群に比し侵襲の少ない手術法と思われた.BMI が 25 以上の肥満症例では 小開腹法は出血量が多く 小開腹のメリットはないと思われた. P53-6 泉澤 高川 幽門側胃切除術における肥満の及ぼす影響 祐介, 牧野 亮 2, 木村 洋知, 藤井 正一, 國崎 主税, 徳久 元彦 2, 準 2, 小坂 隆司 2, 秋山 浩利 2, 遠藤 格 2. 横浜市立大学附属市民総合医療センター消化器病センター, 2. 横浜市立大学医学 も困難な状況にある しかしながら肥満と関連合併症を抱える患者の減量手術を求める 声も多く 当院では multidisciplinary team による多面的な評価後に 患者の同意を 得た上で開腹による減量手術を行っている 対象 200 年 7 月から 3 例の病的肥満患者に対して開腹袖状胃切除術を行った (垂 直遮断胃形成術後の再手術 例を含む) 男性 2 例 女性 例 年齢 歳 BMI44 49Kg/m2 耐糖能 脂質代謝異常 高血圧 睡眠時無呼吸など複数の肥満関 連合併症を認めた 方法 全身麻酔下に 左季肋下切開にて開腹 Alexis Wound Retractor と Gray Multiflex Retractor を開創器として用いた 大網を大弯に沿って His 角まで処理 し 36Fr ブジーチューブを胃内に挿入の上 自動縫合器を用いて大弯側の袖状胃切除 を行った 結果 手術時間 分 出血量 0 200ml 術後在院日数は 0 42 日 間 第一症例に上腸間膜静脈血栓症 第三症例に縫合不全を認め それぞれ抗凝固療 法 内視鏡下ステント留置術を要した 術後 5 30Kg の体重減少があり 関連合併 症の改善を認めている 結論 肥満症に対する減量手術はデバイスの進歩もあり開腹手術でも比較的ストレス なく行えると思われるが 術後合併症については一旦発生すれば重篤化することもあ り またその処置についても非肥満患者に比べると時間と労力が割かれることになる 肥満患者特有の合併症の理解とその対応についての知識を深めることが 開腹減量手術 を安全に遂行するためには必須であり 今後の我々の課題でもある P53-8 腹腔鏡下胃全摘術における肥満の影響の検討 宮坂 義浩, 難波江俊永, 貞苅 良彦, 三好 圭, 梁井 公輔, 川本 雅彦, 梅田 修洋, 石川 幹真, 内山 明彦, 能城 浩和 2. 九州厚生年金病院外科, 2. 佐賀大学医学部一般 消化器外科学 部消化器 腫瘍外科学 目的 肥満はこれまでも腹腔鏡下幽門側胃切除術において 手術時間延長 出血量増 目的:腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (以下 LADG) と開腹幽門側胃切除術 (以下 ODG) 加 術後合併症の増加などのリスクファクターとなりえることが報告されている 腹腔 の手術成績に対して 肥満の及ぼす影響を評価する. 鏡下胃全摘は腹腔鏡下幽門側胃切除よりも更に上腹部 深部の操作が必要であり 肥 対象と方法: 200 年 月-2008 年 5 月に 早期胃癌の診断で手術を施行された 46 症 満の影響は更に大きいと考えられる 今回 腹腔鏡下胃全摘における肥満の影響につ 例 (LADG 群:90 例 ODG 群 56 例) を対象とする.FatScan ソフトウェアを用いて いて検討を行った 方法 当院において 2006 年 3 月から 200 年 0 月までに胃癌 肥満関連因子である内臓脂肪面積 (VFA) と皮下脂肪面積 (SFA) を評価し LADG に対して腹腔鏡下胃全摘 (脾摘併施例 胸腔内操作併施例を除く) を行った 46 例を対 ODG における手術成績と肥満との関係を検討する. 結果:. 背景因子; 両群間に有意差は認められなかった.2. 手術成績; 出血量は ODG 群 において有意に多かった (p<0.00). 手術時間 郭清度 郭清リンパ節個数 術後合 併症において両群間に有意差は認められなかった. 両群共に在院死は認められなかっ た.3. 肥満因子との関連;LADG 群において出血量 手術時間は 肥満関連因子との有 意な相関は認められなかった.ODG 群において出血量は BMI (r=0.486 p=0.000) VFA (r=0.456 p=0.0003) SFA(r=0.3 p=0.093) とそれぞれ有意な相関があり 手術時間は BMI (r=0.406 p=0.007) VFA (r=0.34 p=0.078) SFA (r=0.382 p=0.0034) とそれぞれ有意な相関を認めた. 結語:LADG は肥満による影響を受けない有用な手術手技であると考えられる.ODG は 象として BMI が 25 以上の肥満群と 25 未満の対照群に分け 臨床病理学的事項 手術手技のラーニングカーブがプラトーに達していても 肥満の影響を受けると考えら れた. 周術期成績について比較検討を行った 成績 46 例中肥満群は 例 対照群は 35 例であった BMI の平均値は肥満群が 26.7±.2 対照群が 2.5±2.2 であった 平均 年齢は肥満群が 74.0±9.2 歳 対照群が 69.0±.6 歳男女比は肥満群が 9/2 対照群が 22/3 であった 肥満群の 9 例 (82%) 対照群の 22 例 (63%) が術前併存疾患を有し ていた 再建は全例 Roux-en Y 再建で行い 食道空腸吻合は overlap 法で行った 開腹手術へ移行した症例は両群を通じて認めなかった 手術時間は肥満群 443±96 分 対照群 390±69 分と肥満群が有意に延長していた 出血量は肥満群 74.5±66.3ml 対 照群 90.0±99.4ml で 郭清リンパ節数は肥満群 39.6±3.9 個 対照群 48.6±8.8 個で あった 術後合併症が肥満群で 6 例 (55%) 対照群で 例 (3%) で認められた 食 事開始までの日数は肥満群 0.0±9.4 日 対照群で 6.5±5.7 日で 術後在院日数は肥満 群 26.7±4.6 日 対照群で 6.±8.8 日で肥満群で有意な延長がみられた 結論 腹 腔鏡下胃全摘術において肥満群では手術時間 術後在院日数が有意に延長しており 術 後合併症の発生も多い傾向が見られた 第66回 総会

14 P53-9 第 66 回総会 20 年 7 月 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術における肥満が与える影響 P 腹腔鏡下幽門保存胃切除術 分節胃切除術における完全腹腔鏡下 再建法 前島顕太郎, 坊 吉野 雅則, 小峯 英樹, 鈴木 英之, 渡辺 昌則, 尾形 昌男, 修, 水谷 聡, 千原 直人, 内田 英二 2. 日本医科大学武蔵小杉病院消化器病センター, 2. 日本医科大学附属病院消化器外科 目的 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (LADG) は早期胃癌に対する術式として 有用 性 安全性もほぼ確立されており標準術式となりつつある. しかし 肥満症例において は視野展開が困難で出血をきたしやすい. 今回我々は LADG において肥満が与える影 響について検討した. 方法 対象は 2005 年 月から 200 年 6 月までに LADG の みを施行した 59 例. 男性 43 例 女性 6 例. 肥満を Body mass index(bmi) で評価 し BMI 25 を肥満群 (2 例) BMI<25 を非肥満群 (47 例) に分けて 手術時間 出血量 郭清リンパ節個数 術後在院日数 術後合併症について検討した. 結果 手術 時間は 肥満群 (264.7±58.7 分) が非肥満群 (220.3±47. 分) より長く (p=0.036) 出 血量も肥満群 (60.2±9.9g) が非肥満群 (90.8±88.3g) より多かった (p=0.0235). 郭 清リンパ節個数 術後在院日数では両群間に有意差は認めなかった. 術後合併症は 肥 満群では他臓器損傷 例 非肥満群では胆嚢炎 例と吻合部潰瘍 例を認めた.SSI は 両群とも認めなかった. 考察 肥満症例は 非肥満症例に比べ 手術時間が長く出血量 徳原 孝哉, 野村 栄治, 李 谷川 允彦. 大阪医科大学附属病院消化器外科 相雄, 横山 和武, 藤岡 大也, 外科施設によっては腹腔鏡 (補助) 下胃切除術は早 期胃癌に対する標準手術になりつつあり 当科で は 200 年 6 月までに胃癌に対し 666 例の腹腔 鏡 (補助) 下手術を経験している このうち 機能 温存を目指した幽門保存胃切除術 分節胃切除術は 99 例 (幽門保存:54 例 分節:45 例) であるが そのうちの 57 例 (幽門保存:35 例 分節:22 例) における再建法は 小開腹下での手縫いによる胃胃 層々吻合であった 合併症は 縫合不全 例 (0.6 %) 欝滞 0 例 (6.4 %) 吻合部狭 窄 0 例 (0%) であり 比較的良好な術後成績であった 2008 年 月からは 腹部の整 容性およびさらなる低侵襲を目指して delta 法に準じた胃々吻合を完全腹腔鏡下に行 が多い結果であったが 郭清リンパ節個数や術後在院日数 術後合併症において遜色は う再建法を考案し 200 年 6 月までに 42 例 (幽門保存:9 例 分節:23 例) に施行し なかった. ただし 肥満症例において他臓器損傷を認めたため 術中の視野展開の際に た 術後成績は 縫合不全 例 (2.4 %) 欝滞 0 例 (0 %) 吻合部狭窄 例 (2.4 %) は十分注意を要すると考えられた. であり 比較的良好で あった リニア型自動縫合器を用いた比較的簡便な手技であり 今回は その手技の詳細を供覧 する P53-0 腹腔鏡補助下胃切除術における肥満の影響についての検討 小野寺真一, 佐々木欣郎, 志田 陽介, 菅原 百目木 泰, 宮地 和人 2, 加藤 広行 学, 大塚 P54-2 腹腔鏡補助下胃全摘術 (LATG) における安全で簡便な anvil head 留置法 吉郎,. 獨協医科大学病院第一外科, 2. 獨協医科大学日光医療センター外科 大沢 和田 秀信, 諸原 浩二, 斎藤 加奈, 岡田 朗子, 酒井 渉, 保田 尚邦, 鈴木 一也, 根岸 健 真,. 伊勢崎市民病院外科 はじめに 早期胃癌を対象とした腹腔鏡補助下胃切除術 (LAG) は手術機器の改良や 手技の向上により広く普及してきており 肥満患者を対象とする機会も多い はじめに LATG の再建は 患者の QOL を決定する重要な手技であるが標準的 目的 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 (LADG) 噴門側胃切除術 (LAPG) 胃全摘術 な方法は確立されていない 特に circular stapler(cs) を用いた再建では食道断端へ (LATG) 症例を術前 body mass index(bmi) により分類して肥満が手術成績に与える の anvil head の留置が重要であるが確立された手技はなく施設により様々な方法が 影響を検討した 行われている 当院では従来からの開腹手術を鏡視下に再現することを基本と考え 対象と方法 教室における LAG の適応は ctcn0 症例で 999 年 0 月から 200 年 月までに LADG/Billroth I 法再建術を施行した 98 例 (LADG 群) LAPG/空 腸間置術を施行した 6 例 (LAPG 群) LATG/Roux-en-Y 再建術を施行した 23 例 Endo-PSI Ⅱ鉗子を用いた食道断端への巾着縫合を行っている 狭視野での体内結紮は 手術手技難度が高く anvil head の固定は体外結紮で行っている 手技 定型的リンパ節郭清終了後 鏡視下に Endo-PSI Ⅱ鉗子で巾着縫合を行う 体 (LATG 群) を対象とした 術前 BMI が 25kg/m2 未満を標準群 (B-N 群) 25kg/m2 以上を肥満群 (B-H 群) に分類し 性別 手術時間 出血量 郭清リンパ節個数 術後 外で結び目を作り鉗子手前まで結び目を送っておく 着脱式腸鉗子を胃上部にかけた 在院日数 術後合併症などを検討した へ開く anvil head を食道断端に挿入し結び目を締める さらに Endo loop で追加 結果 LADG 群:LAPG 群:LATG 群は平均年齢 66.4:75.0:68. 歳 男性 70:4:9 例 後 食道を切離し Endo-PSI Ⅱ鉗子をはずす 食道断端全層を鉗子で 2 点把持し左右 結紮し anvil head の留置を終える Y 脚作成後 鏡視下に CS 本体を装着した挙上空 女性 28:2:4 例であった 手術時間は LADG 群:LAPG 群:LATG 群=20.:299.0:292.5 腸と anvil head を接合し吻合を行う 挙上空腸断端は linear stapler で閉鎖する 分 出血量は 56.9:35.3:228.3g 郭清リンパ節個数は 26.8:9.3:39.9 個 術後在院 結果 2008 年 0 月より 200 年 月まで 32 例 ( 例完全内臓逆位) の LATG を 日数は 8.2:5.8:8. 日であった 術前 BMI による検討では LADG/B-N 群と 行った 全例 anvil head の固定を行うことができた 体外結紮による anvil head 固 LADG/B-H 群の出血量の比較で 3.6:226.7g と有意差を認めたが (p<0.0) 手術時 定に要した時間 (Endo-PSI Ⅱ鉗子を食道にかけるときから Endo loop の追加結紮ま 間 郭清リンパ節個数 術後在院日数では有意差が認められなかった また男女間の でに要した時間) は平均 2 分であった 例の吻合部狭窄を認めたがその他縫合不全 出血量の検討で LADG 群は男性:女性=7.9:9.4g と有意差が認められ (p<0.05) LATG 群でも男性:女性=265.:53.8g と有意差が認められた (p<0.0) まとめ 術前 BMI が 25kg/m2 以上の男性症例では出血のリスクが高く 既往疾患 等の合併症は認めていない 結語 Endo-PSI Ⅱ鉗子を用いた体外結紮による anvil head の留置は安全で簡単な 方法と思われた の管理や術後合併症にも注意が必要と思われた 第66回 総会

1)表紙14年v0

1)表紙14年v0 NHO µ 医師が治療により回復が期待できないと判断する 終末期 であると医療チームおよび本人 家族が判断する 患者の意志表明は明確であるか? いいえ はい 意思は文書化されているか? はい 患者には判断能力があるか? 医療チームと患者家族で治療方針を相談する 患者の意思を推量できる場合には それを尊重する はい はい 患者の意思を再確認する はい 合意が得られたか? はい いいえ 倫理委員会などで議論する

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