H.264｜MPEG-4 AVCリアルタイム映像伝送装置IP-9500，IP-900

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あきたけいいはた
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and IP-900 H.264 MPEG-4 AVC Real-time Video Encoder/Decoder あらまし H.

放送から映像監視まで様々な用途に応じたソリューションを実現する最新の製品ラインアップであるシリーズおよび IP-900シリーズについて紹介する Abstract Fujitsu s is a real-time video encoder/decoder for transmitting high-definition

Since entering the market in January, 2007, it has been widely used, mainly by commercial broadcasters, as an inexpensive way to gather and deliver HD

264/MPEG-4 AVC technology has recently been considered for use in Internet protocol television (IPTV) systems being created by broadcasters and in various other

1 and IP-900 H.264 MPEG-4 AVC Real-time Video Encoder/Decoder あらまし H.264 MPEG-4 AVC を用いたHD(High Definition) 映像対応リアルタイム伝送装置は, 映像品質伝送品質低遅延において国内はもとより海外においても高い評価を得ており,2007 年 1 月の発売からこれまで放送事業者を中心にHD 映像を安価に収集配信する手段として数多く活用されてきているさらに, 近年ではこのH.264 MPEG-4 AVC という技術は, 通信事業者によるIPTVシステムや, 官公庁や民間企業による映像監視など多様な用途に活用が期待されており, 扱う映像もHDからSD(Standard Definition) まであらゆるコンテンツが対象となってきている本稿では, 映像素材の収集蓄積配信により, 放送から映像監視まで様々な用途に応じたソリューションを実現する最新の製品ラインアップであるシリーズおよび IP-900シリーズについて紹介する Abstract Fujitsu s is a real-time video encoder/decoder for transmitting high-definition (HD) video that uses H.264/MPEG-4 AVC encoding. It has been favorably received worldwide for its high transmission quality of high-image-quality, low-delay video. Since entering the market in January, 2007, it has been widely used, mainly by commercial broadcasters, as an inexpensive way to gather and deliver HD video. H.264/MPEG-4 AVC technology has recently been considered for use in Internet protocol television (IPTV) systems being created by broadcasters and in various other applications such as video surveillance by governments and private enterprises. The range of video content handled has also expanded to include other formats ranging from standard definition (SD) up to HD. In this paper, we introduce the latest and IP-900 series products, which meet the needs of various applications ranging from video surveillance to broadcasting for gathering, storing, and delivering video content. 井原範幸 ( いはらのりゆき ) 澤田順一 ( さわだじゅんいち ) 吉田要 ( よしだかなめ ) 企画開発統括部開発技術部所属現在, 画像符号化伝送装置の開発に従事企画開発統括部開発技術部所属現在, 画像符号化伝送装置の開発に従事企画開発統括部開発技術部所属現在, 画像符号化伝送装置の開発に従事 FUJITSU. 60, 1, p (01, 2009) 97

2 まえがき富士通では,1968 年にアナログ伝送によるTV 会議装置を製品化して以来,40 年以上, 映像伝送装置の開発を行ってきたその間, 映像符号化として ITU-TのH.26x 方式, およびISO/IECのMPEG 方式が標準化され, 富士通は, 両方式において標準化作業のメンバとして, その普及推進に貢献してきたその成果を生かして,TV 会議装置 (VSシリーズ), 映像伝送装置 (FEDISシリーズ),IP 映像伝送装置 (IP-7xxxシリーズ) の開発を経て,2007 年 1 月に, 最新の映像符号化方式 H.264 MPEG-4 AVC ( 以下,H.264/AVC ) を採用したHD ( High Definition) 映像対応のリアルタイム映像伝送装置を製品化した (1)-(3) このH.264/AVC 技術は, 主に放送事業者のHD 映像の収集配信に用いられてきたが, 今後はIPTV (Internet Protocol TeleVision) や映像監視など多様な用途にも活用が期待されている映像監視市場では, 従来のSD ( Standard Definition) 映像によるIP 映像伝送を用いた遠隔監視システムの高画質化へのニーズだけでなく, を設置して常時蓄積を行うといった映像蓄積のニーズも高まっているこの映像蓄積の高画質化, 録画時間の長時間化の要求も高く, ストレージの容量を抑えるH.264/AVC を使用したソリューションが期待されている富士通では, このようなニーズに対応するため, 映像符号化技術に加えてネットワーク技術やサーバ技術を活用し, ブロードバンド映像ソリューション機能拡張小型低価格化映像市場ハイエンドシリーズ放送 ( 素材収集, 素材伝送 ) IPTV 映像配信ローエンド IP-900 シリーズ Broadsightシリーズとして映像伝送装置から各種サーバまで幅広いラインナップで映像素材の収集配信や防災防犯の監視など様々な用途に応じたトータルソリューションを提供している本稿では,Broadsight シリーズとして, H.264/AVC を用いた最新のラインナップ製品であるシリーズおよび IP-900シリーズについて, そのねらいと特長を開発した技術の側面から紹介するねらい富士通のH.264/AVC を用いた映像伝送装置は, 複数の市場要求に対応するため,,IP-900 をラインナップとしてそろえている本章では,,IP-900がターゲットとしている市場 ( 図 -1) とそのねらいを説明する (1) 素材収集素材伝送市場は, 放送市場における映像の素材収集素材伝送向け製品として,SDからフルHDまで対応したH.264/AVC 映像伝送装置である ( 図 -2) 独自の符号化制御技術を用いたオリジナルの符号化エンジンを搭載し, 放送局内で使用するだけでなく, スポーツイベントやSNG(Satellite News Gathering) などで用いられる中継車での利用が可能なように, 低レート (4 Mbps), 低消費電力 (60 W 以下 ), 省スペース (19インチラック1Uサイズ, 容積 6 l) を実現したは,2007 年 1 月に発売以降, グローバルな放送市場に展開しており, 国内外の映像の素材収集素材伝送分野における新たな適用環境に対応するため, 伝送レートの設定方法の拡充や音声符号化方式の拡充, 補助データ伝送といった機能拡張を実施した映像監視企業内配信放送 ( 中継, お天気 ) 図 -1,IP-900 の適用市場 Fig.1-Target market of, IP-900. 図 -2 Fig FUJITSU. 60, 1, (01, 2009)

(2) IPTV 市場 IPTV 市場では, 配信するコンテンツがSD 映像からHD 映像へ移行し始めているが,IPTVでは,IP ネットワークを利用して映像配信を行うため, 映像帯域や視聴者数の増加に伴うネットワーク帯域の圧迫が問題となってくるこのため,HD 映像を伝送する上で, 高圧縮なH.

3 (2) IPTV 市場 IPTV 市場では, 配信するコンテンツがSD 映像からHD 映像へ移行し始めているが,IPTVでは,IP ネットワークを利用して映像配信を行うため, 映像帯域や視聴者数の増加に伴うネットワーク帯域の圧迫が問題となってくるこのため,HD 映像を伝送する上で, 高圧縮なH.264/AVC を用いることが必須となってきている IPTV 市場におけるHD 映像の映像配信サービスに向けて,の実績定評のある映像品質を継承しつつ, 既設のIPTVシステムとスムーズな接続を行うため,IPTVで利用されるIPパケットの伝送方式や音声符号化方式, クローズドキャプションデータの伝送に対応したIPTVエンコーダを製品化した IP-900 IP-900は, サイズや消費電力, 価格などで対応することが困難な映像監視市場やローエンドの放送市場, 企業内配信といった民需配信市場に向けて, 小型, 低消費電力, 低価格を実現した H.264/AVC 映像伝送装置である ( 図 -3) と同様にオリジナルの符号化エンジンを搭載し, エンコーダ () とデコーダ (IP-900D) を別々の製品とし, 屋外筐体への収容や, 放送中継時の可搬利用など, 柔軟な装置設置条件に対応できるように, 低消費電力 (30 W 以下 ), 省スペース (19インチラック1/2ラック幅, 容積 2.6 l) を実現した主な用途としては, 情報の映像監視や, 現場からのリアルタイム中継などの映像伝送システムである ( 図 -4),IP-900の主要諸元を表 -1, および表 -2 に示す特,IP-900には, これまで富士通が培ってきた映像伝送のノウハウを生かした技術を搭載しており, 本章では, その特長を説明する富士通エンコーダの特長 (1) 高画質低遅延,IP-900は, 絞込み型動き探索アルゴリ長図 -3 Fig.3-. 情報現場 ( 中継 ) 本社または IP-900D HD モニタ常時蓄積支社 ( 放送素材伝送 ) H.264/ AVC モニタリング端末報道 ( 取材映像の蓄積伝送 ) FTTH (IP ネットワーク ) ADSL 管理 / 蓄積サーバ VideoCaster PRO 海外 ( 放送素材伝送 ) 蓄積 H.264/ AVC HD( 高画質ストリーム ) SD( 低画質ストリーム ) ファイル転送図 -4 映像伝送システム Fig.4-Video transmission system. FUJITSU. 60, 1, (01, 2009) 99

4 表 -1 の主要諸元 H.264/AVC 映像符号化 1080i/720p 4~27 Mbps H.264/AVC 480i/576i 2~10 Mbps 音声符号化 MPEG-1 L2,MPEG-2 AAC, パススルーネットワーク機能 PPPoE,DHCP,SNMP 入力 HD-SDI,SD-SDI,HDMI 映像出力 HD-SDI,SD-SDI,HDMI, NTSC/PAL 同期 BB 入力同期,3 値入力同期音声入出力 HD-SDIエンベデッド,HDMI, アナログ音声ネットワーク LAN オプション 10BASE-T/100BASE-TX/ 1000BASE-T DVB-ASI 外形寸法 ( 幅奥行高さ ) mm( 突起物を除く ) 質量約 6 kg 電源 AC100~240 V 動作温度 -10~55 ( 低温起動を除く ) 表 -2 IP-900の主要諸元 H.264/AVC HP@L4, 映像符号化 1080i/720p 3~12 Mbps H.264/AVC MP@L3, 480i/576i 1~4 Mbps 音声符号化 MPEG-1 L2,MPEG-2 AAC ネットワーク機能 PPPoE,DHCP,SNMP,IPv4/IPv6 HD-SDI,SD-SDI,HDMI, 入力映像 NTSC/PAL 出力 HDMI,NTSC/PAL HD-SDIエンベデッド,HDMI, 入力音声アナログ音声出力 HDMI, アナログ音声ネットワーク LAN 10BASE-T/100BASE-TX 外形寸法 ( 幅奥行高さ ) mm( 突起物を除く ) 質量約 2.5 kg 電源 AC100~240 V 動作温度 -10~55 ( 低温起動を除く ) ズムやメリハリ画質制御といった富士通独自の H.264/AVC 符号化制御技術により符号化演算量を削減しながら,JVT(Joint Video Team) 参照ソフトウェアと比較して, 映像品質の大幅向上を実現したとくに,の映像品質は国内外の放送事業者から高い評価を得ており,2008 年 1 月に行われた米国大統領の一般教書演説や8~9 月の大統領選挙党大会では, 米国大手放送局がライブ中継に採用したり,8 月に開催された北京オリンピックでは, 日本米国欧州アジアの主要放送局が映像伝送機器として採用したりしているまた, リアルタイム映像伝送では, 生中継におけるレポータとのスムーズな会話やお天気のスムーズな遠隔操作を実現するため, 映像を遅延させることなく符号化伝送することが求められるとくに, 生中継で違和感なく会話を行うためには遅延を300 ms( ネットワーク伝送を含む場合は500 ms) 以下に抑える必要があるただし, 映像符号化では遅延を少なくすると, 映像品質が劣化するという課題があるこのため, 通常のI,P, Bピクチャ構成に比べて映像品質は劣るが低遅延化に有効な技術であるイントラスライス方式における, エラー映像の伝播抑止やイントラスライス向け情報量制御といった独自の高画質化技術を開発し (4), 映像品質を劣化させることなく業界最低の映像遅延 (:DVB-ASI 300 ms,ip 500 ms,ip-900: IP 400 ms) を実現した低遅延化技術は, 駅伝やマラソンなどのロードレースの生中継やお天気映像の放送利用といった場面で数多く活用されている (2) 蓄積デュアルエンコーダ,IP-900は, ブロードバンドネットワークが整備されていない遠隔地からのHD 映像の伝送を実現する蓄積機能や, 低レートのプロキシ映像によるネットワーク帯域の有効利用を実現するデュアルエンコーダ機能を備えており, その特長を説明する, IP-900 は, 装置内にCF ( Compact Flash) カードインタフェースを内蔵しており, CFカードに符号化した映像音声を蓄積できる蓄積したファイルを遠隔地からダウンロードすることで, 帯域が細いネットワーク環境でもHD 映像の伝送を実現したデュアルエンコーダは, 装置に内蔵している二つの符号化エンジンを用いて, 入力した映像を1 台の装置で同時に2 種類の異なるモードで符号化したストリームを同時に配信する機能である例えば, 一つのHD 映像をH.264/AVC 10 Mbpsで符号化すると同時に,SD 映像にダウンコンバートした後, H.264/AVC 384 kbps 符号化することにより, 多くの地点の映像を1 箇所で受信する放送局のような場合に, 通常は低レートのプロキシ映像で複数地点の映像の同時モニタリングを行いながら, 実際の放送 100 FUJITSU. 60, 1, (01, 2009)

5 に用いる映像のみを高品質高レートの映像で利用するといった運用が可能になる ( 図 -5) の特長は, 従来からターゲットとしているグローバルな放送市場における素材収集素材伝送分野の適応範囲拡大のための機能拡張しており, その特長を述べる (1) レート設定の拡充は, オプションでDVB-ASIインタフェースの対応を行っておりIPネットワークだけでなく, 放送局が既設で持っているデジタルFPUや衛星回線を利用した中継用途で使用されることが多くなってきているこれらのネットワークを用いて映像を伝送する場合, 使用環境ごとにネットワークの帯域が増減するが, その帯域を最大限に活用した映像伝送が求められているこのため, 新規に,の伝送レート ( システムレート ) を1 kbps 単位で設定し, 必要な音声レートを設定することで, 利用可能なビデオレートを自動的に設定する機能を追加したこれにより, ネットワークで伝送可能な最大限のビデオレートを設定でき, 使用するネットワークで伝送可能な最も良い品質の映像の伝送を実現した (2) 非圧縮音声補助データ伝送素材伝送における音声伝送では, 利用シーンによって, クオリティの高い音声の伝送を行うために原音のリニアPCMをそのまま伝送したいとか, 5.1ch 音声を1 本のAES/EBUで扱うため, 別装置の Dolby-E 音声符号化装置で音声圧縮したデータを伝送したいといった, 伝送装置に対する様々な要求が発生するでは, このようなニーズに対応するため, ベースバンドで入力されたリニアPCM やDolby-Eの音声データを, 装置内にデータとして取り込み, 音声圧縮を行わずにSMPTE302Mに準拠したPES(Packetized Elementary Stream) 化を実施し, 映像ストリームに多重化して音声データをトランスペアレントに伝送する音声パススルー伝送方式を新規に実現したまた, 素材伝送では, 映像や音声の伝送だけでなく, 伝送した映像コンテンツを放送局で利用するため, 放送制御や素材編集で使用するタイムコードやクローズドキャプションなどの補助データもトランスペアレントに伝送したいといったニーズが上がっていたでは, このようなニーズに対応するため, 映像のSDI(Serial Digital Interface) 入力に多重された補助データを抽出し, プライベート PESとしてストリームに多重し伝送を行い, デコーダでSDI 出力に補助データを再多重する機能を新規に実現し, 伝送した映像コンテンツの活用範囲を拡大した拠点 1 本社ドラッグ & ドロップでデコーダの受信映像を選択拠点 FTTH (IP ネットワーク ) モニタリング用低レート SD 映像 HUB 拠点 3 拠点 4 選択した地点の高品質高レート HD 映像または IP-900D スタジオサブ図 -5 デュアルエンコーダの活用例 Fig.5-Example of using dual encoder. FUJITSU. 60, 1, (01, 2009) 101

6 IPTVエンコーダの特長 IPTVエンコーダは, グローバルなIPTV 市場に適用するため, 国内のネットTVで利用されている RTP(Real-time Transport Protocol) を用いた TTS(Timestamped Transport Stream) 形式によるストリーム配信だけでなく, 海外のIPTVで利用されているRTPを用いたTS(Transport Stream) 形式のストリーム配信や,UDP(User Datagram Protocol) を用いたTS 形式のストリーム配信など, 複数のパケットモードでのストリーム配信を可能としたまた, 海外のIPTVで使用する配信コンテンツは, 映像は従来のMPEG-2で符号化され音声はAC-3で符号化されたものが多く利用されているこのようなコンテンツを各家庭に配信する場合, ネットワーク帯域を削減するため映像はH.264/AVC へ再符号化を行うが, 音声はネットワーク帯域に影響しないため, 再符号化を行わずに元のコンテンツの音声クオリティのまま配信したいといったニーズが上がっていたこのため,IPTVエンコーダでは, 装置に入力されるAC-3の音声符号化データに対して, 符号化データの有効部分のみを抽出してPES 化を行い,AC-3 音声として映像ストリームと多重して伝送を行う,AC-3パススルー伝送方式を新規に実現したさらに, 家庭向けIPTV 配信では, 映像音声以外に字幕などの文字情報の配信が必要であるとくに北米では, 各家庭に設置されているSTB(Set Top Box) で文字情報を表示するため, クローズドキャプションデータの伝送が求められていたこのため, IPTVエンコーダでは, 映像のSDI 入力に多重されているクローズドキャプションデータを抽出し,ATSC (Advanced Television Systems Committee) 方式で映像ストリーム内に多重してSTBへ伝送を行い, STBにおいて, 映像, 音声および文字情報の表示を可能とした IP-900の特長 (1) 小型低消費電力監視用途時の屋外筐体への収容や, 放送中継時の可搬利用など, 柔軟な装置設置条件に対応するため, 装置の小型化, および低消費電力化が強く求められているこのような要求に応えるため,IP-900シリーズでは, 屋外筐体への収容時や可搬利用時は, エンコーダとデコーダを入れ替える必要がない点に着目し, エンコーダ () とデコーダ (IP-900D) を別装置とし, 外部インタフェースに必要な面積を抑えることを実施したまた, 以下によってH.264/AVC 対応のHD 伝送装置としては業界最小レベルのサイズを実現した従来は専用 LSIで実現していたダウンコンバート機能をFPGA ( Field Programmable Gate Array) で独自開発し, 搭載デバイスを削減従来の集中型電源からPOL(Point of Load) 型電源に変更し, 電源系統の効率化と小型化を実現高精度熱シミュレーション技術を用いたエアフローの最適化設計を実施 16 層 COH(Chip On Hole) 基板を使用した高密度配線により, 容積比での約 43% の大きさを実現小型化の施策は, 装置価格をから大幅に抑えることや (HDオプション込の場合, の約 1/4の価格 ), 消費電力の低減にも寄与しており ( エンコーダで比較した場合, 比 50% 以下 ), 大量に装置が必要になる監視用途向けへの導入が非常に容易になっている (2) 映像監視システムへの対応 IPネットワークを用いた映像監視システムでは, 富士通のIP-700IIj( 符号化方式にMPEG-1/2/4を採用したアナログ映像専用映像伝送装置 ) が多く使用されているが, 監視地点数増加に伴うネットワーク帯域の増大への対策や, 監視映像のHD 化の要求が上がってきている IP-900では,から搭載されているHDMI ( High-Definition Multimedia Interface ) やSDI (のみ) のデジタルインタフェースに加え, NTSC(National Standards Committee) および PAL(Phase Alternating Line) のアナログインタフェースに対応したまた, 時刻や任意の文字列をエンコーダで映像に重畳して符号化伝送する, スーパーインポーズ機能も実現したこのため, IP-700IIjで構築された既存監視システムにIP-900 を導入することで, やモニタ, ネットワークなどの周辺システムを変更することなくネットワーク帯域の低減を実現できるまた, ネットワーク帯域を増やすことなく,SDからHDへの移行を可能 102 FUJITSU. 60, 1, (01, 2009)

7 としたさらに, 既存システムの移行に際しては, まずはネットワーク帯域を低減させるためにSDのまま符号化方式をH.264/AVC システムに移行し, その後 HDの導入状況に応じてHD 化を行うといった段階的な移行を可能とするため,HD 対応はソフトウェアオプションとし, 初期導入時のコスト低減を実現した今後の展開今後,,IP-900は, 素材収集素材伝送や中継市場でより多くの利用シーンに対応するため, すでに対応済のIPやDVB-ASI 以外の多くのネットワークインタフェースに対応することや, さらに多くの音声モードや補助データの伝送に対応することを検討しているまた, 映像監視市場について, 既設の低レート回線にも対応可能とするため, より低レートでの符号化に対応するよう検討を行っているむすび本稿では, 富士通のH.264/AVC を使用したリアルタイム映像伝送装置シリーズ,IP-900シリーズについて, その特長を紹介したは国内外の放送事業者を中心に高い評価をいただいており, 海外のIPTV 市場に展開するなどグローバルに展開を行っているまた, 国内についても,では適用が困難だった, 映像監視や企業内配信のような市場にIP-900を使い進出を行っている今後, 高品質高信頼な製品を充実させ, 放送事業者のみならず多方面のお客様が, より多くの利用シーンでHD 映像が活用できるように努めていくとともに, 高画質を特長とする富士通の強みを生かして, より高品位なスーパーハイビジョンや3Dハイビジョンのような, 新たな映像の検討を進めていく所存である参考文献 (1) 中川章 :H.264/AVC の適用動向と富士通の取組み.FUJITSU,Vol.58,No.2,p (2007). (2) 中山寛ほか :H.264/AVC 準拠 HDTV 対応ビデオコーデックLSI.FUJITSU,Vol.58,No.2,p (2007). (3) 宮坂秀樹ほか :IPネットワーク対応 H.264/AVC コーデックシステム.FUJITSU, Vol.58, No.2, p (2007). (4) 鈴木政直ほか : 映像ソリューション向けメディア処理技術.FUJITSU, Vol.60, No.1, p (2009). FUJITSU. 60, 1, (01, 2009) 103

IP-900E V02L040 変更内容一覧

IP-900E V02L040 変更内容一覧 IP-900E/IP-920E V02L040 変更一覧 1 映像符号化レート拡張解像度 720x480 において以下のビデオレートを追加 300kbps 400kbps 500kbps 2 Closed GOP 対応エンコード設定に Closed GOP を追加 3 ダウンコンバーターのスクイーズ対応サブエンコーダーのダウンコンバーター設定にスクイーズを追加 4 Google Chrome

H.264｜MPEG-4 AVCリアルタイム 映像伝送装置IP-9500，IP-900

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