Microsoft Word - manual.doc

Size: px

Start display at page:

Download "Microsoft Word - manual.doc"

かねろうのじま
5 years ago
Views:

1 測量初心者のためのトータルステーションマニュアルはじめにこのマニュアルは D-GPS よりひと回り高い精度 ( 分配誤差 1m 以内 ) で座標決定をするためのトータルステーションを用いた測量法について解説している本来の測量作業と比較すると細かいプロセスを省いた必要十分な手法のみに特化しているのでその点を了解した上で利用していただけるとありがたい測量に必要な機材 <トータルステーション側 > トータルステーション (SET600S) 専用バッテリー三脚三脚用の水準儀コンパスメモ帳 ( 罫線タイプが良い ) <ターゲット側 > ミラーと専用水準儀ミラーを支持するポール < 共通資材 > 小電力無線機 ( 人数分 ) メジャー (mm まであるもの ) 大きな傘 ( 雨天時 ) < 測定前の準備 > 0. 座標の既知点を用意する三角点および水準点などを通過する測線設定でもよい 1. 三脚 ( ステーション ) を立てる三脚を立てる場所は真北を望める安定したところが良い台座の高さは胸から肩口くらいにする ( トータルステーションの高さと合わせて自分の目線位になると腰の負担が少なくなる ) 三脚の台座にはトータルステーションを載せるので風などでぐらつかないようにするまた砂などがかかっていないかチェックするポイント三脚の台座がほぼ水平に安定に立てられるかどうかが測量作業の高精度化効率化に大きく関わるので水準儀を使用して可能な限り水平に近づけておくと良い -1-

気泡が左に動く )2 通りを駆使して調整するさらに機械上部を 90 度回転させる横気泡管が整準ねじ A,B 方向と直角になるので三脚に触れないように回りこんで整準ねじ C だけを使って気泡を中央に入るよう調整する ( これで大体の場合水平が取れるはずであるが心配な場合はさらに 90 度回転させてみて横気泡管が中央に入っているか確認する ) 4.

2 2. トータルステーションの設置トータルステーションをケースから取り出し三脚の上に載せる台座についているねじを使ってトータルステーションをしっかりと固定する固定するまではトータルステーションから手を離さないこと 3. トータルステーションの水平調整 ( 重要 ) トータルステーションのパネル右側にある蝶ねじのような水平固定つまみを回してロックを解除する機械上部を水平に回転させ横気泡管を整準ねじ A,B と平行にする ( 右図は三脚を上から見た図 ) その後整準ねじ A,B を使って気泡を中央に入れるねじの回し方は両方同時に内側に絞る ( 気泡が右に動く ) か外側に開くように回す ( 気泡が左に動く )2 通りを駆使して調整するさらに機械上部を 90 度回転させる横気泡管が整準ねじ A,B 方向と直角になるので三脚に触れないように回りこんで整準ねじ C だけを使って気泡を中央に入るよう調整する ( これで大体の場合水平が取れるはずであるが心配な場合はさらに 90 度回転させてみて横気泡管が中央に入っているか確認する ) 4. 器械高視準高を測るトータルステーション側の人は器械高 ( 三脚 + 望遠鏡までの高さ本体横に印がある ) をターゲット側の人は視準高 ( ミラー中心部までの高さ ) を mm 単位でそれぞれ測る精度は落ちるが最悪ポール付属の尺で何とかしても良いターゲットの高さについて特別なこと ( 障害物で見えない等 ) がない限りターゲットの高さは測量中一定にしておいたほうが何かと都合が良い (5). 望遠鏡の調整 ( 望遠鏡十字線にピントを合わせる ) 望遠鏡固定つまみを緩めて望遠鏡のロックを解除しレンズのふたを取る望遠鏡を明るく特徴のない背景にあわせて望遠鏡固定つまみを絞り望遠鏡をロックする望遠鏡の接眼レンズをのぞき接眼レンズの小さいリングを右回転でいっぱいまで回し続いて徐々に左に回して十字線がボケる寸前で止める 6. トータルステーションにバッテリーを入れ電源 ON ( バッテリー挿入部分は本体パネルに向かって左側にある ) 7. 水平垂直方向のリセットをかけるパネルが右図のような画面になるのでロックレバー ( 垂直水平 ) を緩め垂直方向は望遠鏡水平方向は本体を回転させる -2-

3 それぞれピッと音がなるまで行えばリセットは完了ここで静止状態でもチルトオーバーレンジが出る場合は水平調整をやり直し Z ( 鉛直 ) 8. 座標をセットする ( 重要 ) コンパスと偏角を用いて真北を設定しどなたかに目標物を持って立っていてもらうその後 X ( 北 ) 望遠鏡を真北に向けパネルにて 0 セットを押す 0 セットが点滅するので再度押すと角度 0 がセットされる偏角コンパスの指し示す北は日本近辺では若干 Y ( 東 ) 西を向いておりそれぞれ北海道地方で 8-9 度東北北陸地方で 7-8 度関東中部測量時の座標系近畿中国四国九州北部で 6-7 度九州中部から南部で 5-6 度となっている偏角分だけ東にずれた値をもって真北とする < 真北が見えない場合 > 適当な角度で 0 セットしその角度分だけトータルステーションを回転 ( 機器誤差を回避するため 1 回転以上 ) させて真北の角度で 0 セットする真北の精度に不安がある場合にはステーション毎の重なる測点を複数とると解析時に挽回できる < 実際の測定作業 > 9. 測定作業 9-1. ターゲット側の作業ターゲットを持つ人はポールに水準儀をつけ測定地点に立つポールは地面に突き刺したりせず地表面と同じ高度を保つトータルステーション側から測定するとの連絡をうけたらポールにつけた水準儀を用いてポールを垂直に保つ距離が離れていて測定がうまくいかないとき光がうまく反射していない可能性があるのでその時には 1cm 位の振幅でターゲットを緩やかに振ると良い 9-2. ターゲット ( ミラー ) 近くまで望遠鏡の視野を寄せる望遠鏡で見える範囲はかなり狭いのでピープサイト ( 望遠鏡の上の印が見えるスコープ状のもの ) を利用して視野をターゲット ( ミラー ) 近くまで寄せる水平垂直方向のロックを一時解除したうえでターゲット近くまで寄せたらそれぞれの方向のレバーをロックする 9-3. ターゲット ( ミラー ) にピントを合わせる接眼レンズをのぞきながら水平微動つまみ望遠鏡 ( 垂直 ) 微動つまみを回してターゲットの中央にあわせるその後接眼レンズの合焦つまみでターゲットにピントを合わせる -3-

9-4. 測距作業および記録ピントがあったらトータルステーション測定モードメニューにて座標ボタン (F4) を押すそして次の画面で観測にカーソルを合わせてリターンキーを押して観測開始測定終了後は座標値などが表示されるのでステーション番号器械高視準高ターゲットの杭番号 X.Y.

4 9-4. 測距作業および記録ピントがあったらトータルステーション測定モードメニューにて座標ボタン (F4) を押すそして次の画面で観測にカーソルを合わせてリターンキーを押して観測開始測定終了後は座標値などが表示されるのでステーション番号器械高視準高ターゲットの杭番号 X.Y.Z 座標をノートに記録する記録が終わったらターゲットを次の測定ポイントへ移動してもらうよう無線で指示する三脚を立てた地点 ( 現ステーション ) からターゲットが見えなくなるまで続けるターゲットが離れると信号ナシとでるがそういうときにはターゲットを 1cm 位の振幅で揺すってもらうよう指示する. 10. ステーション移動作業などトータルステーションの三脚からの取り外しステーション移動の際には必ずトータルステーションを三脚からはずすことトータルステーションの電源を落とす (ON キーと照明キーを同時に一瞬だけ押す ). 水平垂直のロックを解除し望遠鏡はふたをして立ててロック水平方向は台座と本体を黄色いシールに大体合わせて仮ロックケースにしまうときに一瞬水平ロックを解除して箱に入るよう調整する新ステーションの設営三脚を新ステーションに立て 1 から 8 のプロセスまでを同様におこなう新ステーションで測定作業再開旧ステーションでの最後の測定ポイントを新ステーションでは最初に測定する複数測定すると不測の事態 4 3 に対処しやすい 11. 以下 9 10 のプロセスを繰り返す新ステーションステーション移動旧ステーション -4-

5 ノートに残す記録例ステーション名測点名器械高視準高 X Y Z 備考 S S1 からの相対距離 S1 からの相対距離 S S2 からの相対距離 S2 からの相対距離 < 測点 3の座標を求めるには ( 非常に簡単な例 )> S1 の座標を (0,0,0) とすると測点 1,2 はそのままの座標でよい S2 の座標は S1 との同一測点 (2) を利用して (20,20,0) であることがわかる (S1 での測点 2 の座標 )-(S2 での測点 2 の座標 ) よりよって S2 からの相対座標が明らかとなっている測点 3 は (40,30,0) < 標高をもとめるには> 器械高 + 測定 Z 値 = 杭の標高 +ターゲット視準高という式から杭の標高 = 器械高 + 測定 Z 値 -ターゲット視準高として求められる. -5-

測量士補重要事項 TSの特徴

測量士補重要事項 TSの特徴トータルステーションとデータコレクタの特徴 < 試験合格へのポイント > トータルステーション ( 以下 TS) とデータコレクタ ( 以下 DC) の特徴に関する問題である TS や DC の特徴だけを問う出題は少ないが特徴の一部は枝問の一つとして基準点測量や地形測量に出題される事があるためしっかりと覚えておきたい ( : 最重要事項 : 重要事項 : 知っておくと良い ) トータルステーション