四国旅客鉄道株式会社様におけるCOBOL資産との取り組み

Size: px

Start display at page:

Download "四国旅客鉄道株式会社様におけるCOBOL資産との取り組み"

ゆきさうなだ
5 years ago
Views:

1 Logo 四国旅客鉄道株式会社様における COBOL 資産との取り組み JR 四国情報システム株式会社浅野昌志日本コンピューターシステム株式会社植田泰弘目次 1. 事例概要の説明 1 企業紹介 2 既存システム概要 3 プロジェクトの背景と目標 4 体制と役割分担 2. 資産移行の詳細 1 移行前後のシステム構成 2 変換要件と仕様 3 苦労した点と解決策 3. プロジェクトを振返って 2

2 1 ー 1. 事例概要 : 企業紹介社名四国旅客鉄道株式会社設立昭和 62 年 4 月 1 日資本金 35 億円社員数 3,039 人 ( 平成 18 年 4 月 1 日現在 ) 事業内容旅客鉄道事業旅行業旅行業その他の関連事業社名 JR 四国情報システム情報システム株式会社設立平成 16 年 4 月 1 日資本金 1,000 万円株主四国旅客鉄道株式会社 (100% 出資 ) 事業内容 JR 四国基幹システム運用保守 JR 四国グループ会社のシステム開発ハードパッケージ販売バーチャルモール夢四国の運営管理等 3 1 ー 2. 事例概要 : 既存システム概要プラットフォーム : 汎用機システム : 旅客系システムプログラム : 約 1,500 本 (96% がCOBOL その他 COBOL/S IDLⅡ) JCL ファイル帳票 : 約 700 本 : 約 2,300 本 (VSAS SEQ ADBS) : 約 1,000フォーム電子帳票 ReportViewer 4

3 1-3. 事例概要 : プロジェクトの背景と目標 1 プロジェクト検討の理由課題システム開発保守の効率化ランニングコストの削減国鉄時代から継承された鉄道業独自のシステム旅客系システムオープン系に移行したいが信頼性重視パッケージは存在しない解決策 COBOL マイグレーションに注目事例概要 : プロジェクトの背景と目標 2 検討した選択肢検討のポイント COBOL 資産の有効活用移行後システムの保守性運用性移行コスト移行期間各社のマイグレーション事例を調査し手法 ( ツール ) 実績移植性等比較検討東京システムハウス社のマイグレーションサービスを選択 6

4 1-3. 事例概要 : プロジェクトの背景と目標各社のマイグレーション比較検討表 ( 抜粋 ) 項目 A 社 B 社 C 社 D 社 OS unix 系 unix 系 Windows 系 Windows 系開発言語 E 社 COBOL E 社 COBOL E 社 COBOL D 社 COBOL スケジューラ X 社 X 社 X 社 Y 社電子帳票 Z 社 Z 社 ReportViewer D 社系 ACOSのFormEXの変現行運用中の換が可能であり ReportViewerを採用 E 社 COBOLとの親和フォームの流用が可一性も良い部再構築が必要 ACOSのFormEXの変換が可能であり E 社 COBOLとの親和性も良いデータベース Oracle Oracle Oracle Oracle 実績結合テスト方法ハートウェア障害時の対応仕様変更対応価格相対比較 (A 社 :1) 総合評価事例概要 : プロジェクトの背景と目標 3 移行にあたっての目標既存システムが持つ高い運用性と信頼性を実現する Oracle Oracleの移行要件既存のロジックレイアウトを変更無しで Oracle Oracleへ移行することさらに将来のデータ活用の基盤を構築すること帳票出力の機能要件現行現行 Report ReportViewer Viewerを利用することで現行の操作性運用性を継承するファイル転送ジョブネットワークジョブ監視等の精度を高め信頼性運用効率を向上させる 8

5 1 ー 4. 事例概要 : 体制と役割分担 1 プロジェクト体制図及び各担当の役割連携 JR 四国 JR 四国情報システム (JRSIS) 全体統括総合試験実施 NEC システム総合サポート NEC システムテクノロシー (NECST) 業務運用サポート日本コンヒューターシステム (NCS) 調査分析 ~ 結合試験実施及び総合試験サポート東京システムハウス (TSH) 変換サービスサポート 9 1 ー 4. 事例概要 : 体制と役割分担 2 体制作りでの注意点プロジェクト内の情報共有が重要なポイント打合せは事前にテーマを連絡議事録の配布定期的な進捗報告と進捗会議連絡事項は情報交換票にて行う 10

6 1 ー 4. 事例概要 : 体制と役割分担 3 スケジュール平成 17 年平成 18 年 11 月 12 月 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月 COBOL マイグレーション調査分析移行設計プロトタイプコンバージョン結合試験総合試験日次本番インフラ構築調査分析構築動作確認ファイル転送ジョブスケジュール調査分析各種情報登録資産移行の詳細 : 移行前後のシステム構成 1 インフラ比較移行前 ACOS ホスト CGMT 装置ディスク装置センターコンソール移行後旅客本番サーバストレージディスク旅客開発サーバ運用管理サーバ NASサーバ運用管理端末プリントサーバファイル転送先サーバプリントサーバファイル転送先サーバ 12

7 2-1. 資産移行の詳細 : 移行前後のシステム構成 2 ミドルウェアアプリケーション比較移行前 OS : ACOS-4 運用管理 :FIPS-XE ファイルシステム : VSAS,ADBS,SEQ 言語 : COBOL,COBOL/S,IDLⅡ 帳票 : FORM-EX,Report Viewer ファイル転送 : FTP 移行後 OS : Windows2003 運用管理 :exsenju ファイルシステム : Oracle,Vision,SEQ 言語 : オープン COBOL 帳票 : Report Viewer ファイル転送 : HULFT 資産移行の詳細 : 変換要件と仕様 COBOL 資産移行に関する要件以下の機能を同等機能に移行することが求められた COBOL 標準部品やユーザマクロ ADBS とその使用プログラム IDLⅡ プログラム世代管理ファイル VSAS ファイル FORM 使用帳票 JCL でのジョブネット CGMT でのバックアップ運用他社間とのファイル交換 14

8 2-2. 資産移行の詳細 : 変換要件と仕様要件を吸収して移行を行うための仕様設計 COBOL 標準部品やユーザマクロ ADBSとその使用プログラム IDLⅡプログラム世代管理ファイル VSASファイル CGMTでのバックアップ運用 FORM 使用帳票 JCLでのジョブネット他社間とのファイル交換 TSH 社の蓄積資産で既存のものは活用し不足機能は新規作成ファイル名リネーム方式の既存代替処理へ Oracleに移行 Report Viewerに全て移行 AJ-JCLやeXsenjuにて定義 CGMTからHULFTに移行資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 1 電子帳票連携移行後イメージ業務プログラム帳票データ作成変換プログラムプレーンテキストプレーンテキスト形式は SJIS の制御コード ( 改行やリターンコード ) ありのデータ HULFT FGLⅢ フォーム定義変換プログラム変換プログラム ACOS 形式データ Report Viewer 16

9 99 文字2-3. 資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 1 電子帳票連携 a. 既存のフォーム定義を利用 b. フォントタイプの違いによる帳票項目の位置決め a. 変換プログラムで帳票制御コマンドを追加 b. 手作業による帳票レイアウト照合試行錯誤資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 2 コード変換マルチレイアウト時のコード変換例 999 A XXXXXXXXX NNNNNNNNN XXXXXXXXX B C C D S999 XXXX NNNNNNNNN XXXXXXXXX S999 S999 XXXXXXX XXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXXXXXXXXXX XXXXXXXXX NNNNNNNNN XXXXXX 文字バイナリコード変換ソフトを駆使しレコードの特徴に合わせてコードレイアウトを定義 4バイト目がA 4バイト目がB 4バイト目がC 文字漢字文字文字 4 バイト目が D 漢字 4 バイト目の値によって定義の切り分け属性が異なっていても共通化できる属性を使用してできるだけ簡素化する 18

10 2-3. 資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 2 コード変換 a. マルチレイアウトファイルのフォーマット b. テスト時プログラムアボートにより判明する場合 a. データ構造の理解とコード変換ツールの活用 b. 情報共有によりアボート発生時のパターンを把握資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 3CGMT の取扱い ACOS 累積データ ( 一時ファイル ) セーブ累積ファイル用 CGMT ロード一時ファイル移行後累積データ累積 ORACLE 累積累積 ORACLE 書込フロクラム ORACLE 抽出フロクラム抽出データ書込みキー情報ファイル抽出キー (from to) 従来年度別に保管していたCGMT 内のファイルをOracleに変更し日付キーを与えて抽出できるように移行 20

11 2-3. 資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 3CGMT の取扱い a. 累積データ管理のための Oracle 化 b. CSV 形式のデータ交換に変更 a. 管理用レイアウトの追加とツールの新規作成 b. ファイル仕様書の作成と DB ツールの活用資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 4 照合テストの実施大阪 ( テスト帳票照合 ) 高松 ( データ準備帳票 PDF 出力 ) メールでのやり取り 22

12 2-3. 資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 4 照合テストの実施 a. アボート原因の所在の切り分け b. 帳票データの照合作業 c. 連日発生する問題点 a. 対応要員の配置作業者同士の情報交換 b. 照合作業専門要員の配置 c. 定期的な内部進捗会議や問題点票の作成による情報共有問合せ窓口の一本化資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 5 総合試験並行本番の実施総合試験スケジュール 8 月 9 月 10 月 11 月日次処理上旬処理中旬処理下旬処理並行本番試験回数 1 回目 2 回目 3 回目 24

13 2-3. 資産移行の詳細 : 苦労した点と解決策 5 総合試験並行本番の実施 a. 照合試験では予測できない障害が発生 b. 一度に発生する大量のデータ移行 a. 不具合発覚時に同様の処理が他にないか即時に調査修正 b. 照合試験時に作成したデータ移行ツールの活用プロジェクトを振返って COBOL 及びマイグレーション資産の評価移行後の特徴移行後の言語に違和感がない評価点教育はエティタの使用方法のみデータを全てディスクで管理オペレーション工数を削減実行ログ管理の一元化システム監視の信頼性向上工数削減既存の電子帳票システム利用品質の維持ユーザ負担無し 26

14 3. プロジェクトを振返って総合評価予定通りの納期コストで順調に本番稼動保守開発運用効率が向上ランニングコスト低減インフラ ( ハード OS) 変更への柔軟性確保大容量データベースによるデータ分析が可能となり営業施策に貢献次期システムステップアップへの基盤を確立プロジェクトを振返ってこれから行う人へのアドバイス資源の棚卸改修計画改修反映精度の高いテストデータ準備連絡事項は文書で残し情報共有することプロジェクト全体のコミュニケーションが重要 28

Microsoft PowerPoint - T_社様事例紹介_Web_用 ppt

Microsoft PowerPoint - T_社様事例紹介_Web_用 ppt T 社様メインフレームからの移行事例 2007 年 12 月 13 日 NECソフト株式会社 PFシステム事業部目次 1. はじめに 2.T 社様マイグレーションの概要 3.T 社様マイグレーションPJ 成功のポイント 3.1 オープン化のメリットデメリット 3.2 お客様参加型 PJ 3.3 棚卸の精度 3.4 パイロット変換検証を重視 3.5 テストの効率化 4.T 社様マイグレーション技術面のポイント