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1 3章精度の高い価格情報等を迅速に提供する29 将来を担う人材をいかに確保して育成するか 少子化が進む中で各企業にとって共通の課題となっている 特に建設業はかつて3K 産業と言われるなど 人気は低く 若者の就業者は減少傾向にある ( 平成 2 6 ) 年に改正された品確法 ( 公共工事の品質確保の促進に関する法律 ) でも重点課題の一つに挙げている これに対して当会は 建設業での女性活躍を支援するプロジェクトを結成 学生や若手社員向けの書籍を発刊したり 取り組みに力を注いでいる 若者の就業率は減少傾向進む建設技能者の高齢化 建設投資では 質的変化が進行している 新設工事が減少する中で 維持修繕工事が増加している 高度成長期以降に整備された社会資本やビ 技能労働者数の現状と見通し ル 住宅等が相次いで老朽化し 補修が必要な施設が加速度的に増加していくことになる 一品生産が原則で施設や現場ごとに環境などの異なる建設工事では新設工事はもちろんのこと 特に老朽化した施設の補修工事では 経験やノウハウなど培ってきた技術力が必要になる 特に維持管理では 地元に精通した地域の中小建設会社の役割や期待が高まっている ところが その担い手となる建設業の就業者は減少傾向にある ( 平成 9 ) 年に 万人だった建設業の就業者数は ( 平成 2 7 ) 年には 万人になり このうち技術者は 41 万人から32 万人へ さらに技能労働者も 455 万人から331 万人へと大幅に減少し この現象はさらに進むと見られている 高齢化の進行もある 建設就業者は 55 歳以上が34% を占めている 29 歳以下の若者は11% に過ぎない 技術力の高いベテランが高齢により次々と 日本建設業連合会 再生と進化に向けて ~ 建設業の長期ビジョン (2015 年作成 ) 第48.7 兆円 < ケース A> 52.6 兆円 建設投資額の推移 43.0 兆円 41.9 兆円 43.3 兆円 44.2 兆円 48.4 兆円 <ケースB> 46.8 兆円 342 万人 331 万人 334 万人 335 万人 338 万人 341 万人 293~315 万人 必要な新規の技能労働者数 77~99 万人 技能労働者数の推移 在職数 ( 推計 ) 216 万人 ( 年度 ) <ケースA> アベノミクスが着実に発現する場合 ( 経済成長率が名目 3% 以上等を想定 ) <ケースB> 経済成長が足許の潜在成長率並みの場合 ( 経済成長率が名目 1% 台半ば等を想定 ) 2014 年までの技能労働者数は総務省 労働力調査 建設投資額は国土交通省 建設投資見通し より引用 出典 : 日本建設業連合会

2 3章引退し 一方で新規学卒者の入職者数は減少傾向 にある インフラ整備やメンテナンス地域を支える基幹産業 精度の高い価格情報等を迅速に提供するこのままでは まさに人手不足になることは明ら 建設業は 全国の鉄道網や高速道路 ビルなど かだ 一般社団法人日本建設業連合会の推計によ 大規模構造物を建設しているように一般には見ら れば 建設投資が同じ規模で推移し 生産性の向 れているが 実際にはインフラの機能を下支えする 上によって 35 万人を省人化できるとしても 年 のが主な業務だ 特に高度成長期に建設された多 度には293~315 万人の技能労働者が必要だとし くのインフラが維持更新の時期を迎えて その役 ている 今後 増加する高齢者の引退など大量の 離職数の増加に対して 77~99 万人の新規入職者 国土交通省でも地域を支える中小建設業の役 を確保しなければならない このため 若者にとって魅力ある建設業をめざし 処遇改善を中心とした担い手の確保 育成策を強化していく 同時に新技術や新工法 人材の効率的な活用などによって生産性の向上を図り 官民一体となって将来の担い手確保に強い決意で臨むとの方針を日本建設業連合会では打ち出している 割の大きさを指摘している 建設業は 地域のインフラの整備 維持の担い手であると同時に地域社会の安全 安心の確保を担う地域の守り手としてなくてはならない存在である さらに 基幹産業として地域の雇用を支えると同時に経験を生かして地地域のインフラについては 修繕や耐震補強 常に支障がなく通行できるよう道路のメンテナン 建設企業の現況 ~ 地域を支える中小建設業に期待される役割 ~ 地域インフラの整備 維持 を支える 災害時の応急対応 を支える 地域を支えるインフラ整備やメンテナンスを着実に実施 3 月 11 日の震災直後より避難所の緊急耐震診断等を実 施するとともに 同日午後 6 時には道路啓開作業を開始 ( 仙台建設業協会 ) 修繕 耐震補強 国道メンテナンス 橋梁に対する診断 地域の社会 経済 を支える 地方創生 を支える 生産年齢人口の5% を雇用する基幹産業として 地域の雇用 を下支え 地域住民の生活が円滑に行わ れるよう 除雪等を実施 地域雇用の促進 30 割は一層増している 方創生にも貢献しているとの認識を示している 作業後本業で磨いてきた力を活用し 新たな分野における創意工夫ある取組を通じて 活力ある地域づくりに貢献林建協働 ( 岐阜県飛騨地域 ) 建設と農業の多能工 ( 愛媛県 ) 出典 : 国土交通省第

3 第3章精度の高い価格情報等を迅速に提供する31 スや老朽化が問題になっている橋梁の診断を実施 社会 経済についても全国平均で生産年齢人口の 5 % を雇用している さらに地震などの災害時には応急対策による緊急復旧などに取り組んでいるなど 地域生活に対して重要な役割を果たしている 建設業での女性活躍を支援するプロジェクト 地域にとって不可欠の存在である建設業 その人材確保の目標としている新規入職者 90 万人のうち20 万人は女性である 国土交通省と建設業 5 団体は 女性技術者は技能者を5 年以内に倍増させるため ( 平成 2 6 ) 年 8 月に具体的な行動計画を策定している 建設は 男の世界 というイメージだった これを払拭して女性が働きやすい環境を整え 入職者を増やす 国土交通省では女性の登用を促進するため 女性技術者を現場に配置することを入札の参加要件とするモデル工事も試行 日本建設業連合会では 女性技術者 技能者の愛称である けんせつ小町 を作成したほか 現場での女性の活躍をPRするために なでしこ工事チーム として登録 紹介する制度を設けている 当会も2015( 平成 27) 年 6 月に 建設業での女性活躍を支援するプロジェクト として女性職員を中心に チームひまわり を結成した 太陽に向かって伸びるひまわりのように 伸び伸びと女性が活躍できる建設業になるように との思いを込めた なでしこ工事チームの現場レポート 発注者や受注 者 協会団体などの女性支援の取り組み 女性用仮設トイレや作業服 ヘルメットの紹介などの特集を 建設物価 で掲載 取材はもちろんのこと 原稿作成までその全てをチームひまわりのメンバーが行った 2016( 平成 2 8 ) 年にはチームひまわりが結成 1 周年を迎えたことを受け これらの特集記事をまとめた小冊子を作成 多くの希望者に無償で配布した まんがで現場作業や積算業務を紹介する かつては危険 汚い きついと 3Kの代表例にように言われていた建設業だが 作業現場の環境改善が進み 施工は機械化 システム化され重労働から解放されてきている また 安全管理が最優先され 品質や工程管理もコンピュータ化されている かつての建設現場のイメージとは様変わりしている この実情を紹介すると同時に 実際に現場ではどのような仕事をするのか どうすれば一人前の現場監督になれるのかをまんがによって紹介したのが めざせ! 現場監督 だ チームひまわり結成 1 周年記念小冊子 (2016 年 8 月発刊 )

4 第精度の高い価格情報等を迅速に提供する まんがよくわかる工事現場の安全 (2016 年 11 月発刊 ) 箇所や注意すべき点 その対 主役は 工業高校を卒業して入社間もない若者の東山と入社 3 年目の女性社員 まんがめざせ! 現場監督 (2015 年 4 月発刊 ) の西園寺ルミ 舞台は 横浜 市郊外のマンション建設現 場という設定だ 現場に配属 されて間もない東山は 戸惑 い 失敗を繰り返していた しかし 職長や先輩らのプ ロ意識に触発されて 励まし を受けながら現場監督らしく成長していく姿を描いている 一方の西園寺は けんせつ小町 として 先輩としての手本を示していく 一方で 現場所長や副所長は ベテランの技と豊かな人間性によって彼らを育てるために奮闘する姿も織り交ぜている まんがにすることで分かりやすく 若者が気軽に読めるようにした それでいて 解説ページを多く設けた技術図書でもある 建設業の社会的使命ややりがいを伝え 将来を担うのは若者たちであることを呼びかけている このほか 積算業務についてもまんが版を作成している 土木積算入門 実行予算編 (2013 年 5 月発刊 ) だ 西園寺を主人公に基礎から作成手順などをまんがにすることで 読みやすく 分かりやすく解説している 積算とは何か 実行予算作成の考え方 施工計画と実行予算の 3 部構成で 予算書の事例も掲載してある 建設業にとってもっとも重要な課題が現場だけでなく 第三者を含めた安全の確保だ まんがシリーズでは まんがよくわかる工事現場の安全 も作成している 事故を未然に防ぐ安全策といっても現場には多くの課題があり 随所に可能性が潜んでいる 新入社員などに文書化されたマニュアルだけでは 具体的に理解できない面も多い そこで 現場の様々な危険 処方法について分かりやすく 解説した エピソードごとに 事故の事例を紹介した解説 ページを設け 補足説明も加 えている ストーリー仕立て なので 高い疑似体験効果も 期待できる 新人や若手社員 の教育用に活用されることを 念頭に作成した 32 3章

5 精度の高い価格情報等を迅速に提供する33 また 現在 JV 工事を円滑にすすめるためのポイント などを分かりやすくまとめたまんがも制作中であり 2017 年内には発刊の予定である 写真活用した副読本問題集アプリを開発 これから土木工事に携わる若者や土木分野に進もうとする学生向けに発刊したのが 写真でわかる土木施工 だ 工業高校生は土木施工について教科書の文字で学んでいるが 現場の施工の実際を学ぶには限界がある そこで 土工 共通工 基礎工など主要 59 工種について写真を中心にイラストや図表などを用いて 施工手順や工事内容等を解説したのが本書である 授業では見ることのできない工事現場での作業状況を いわば疑似体験することができる 実際 多くの工業高校で土木施工の副読本として授業で用いられ 官公庁や建設会社の若手社員向けの研修資料として好評を得ている 建設機械施工技術検定試験のテキスト 問題集を発刊 講習会も開催している それを補完するツールとして作成したのが検定問題集のアプリだ ( 平成 2 9 ) 年 1 月に ios 版をリリース 当会としては初めてのアプリ開発であった 過去の出題傾向から厳選した問題を すき間時間や通勤時間で学習できる 間違えた問題などを重点的に解くことができる補助機能もある 国土交通省は 施工技術検定の受験機会の拡大 要件の緩和で若い受験者を増やし 建設業界への若手の入職促進に取り組んでいる ( 平成 2 8 ) 年には 2 級学科試 写真でわかる土木施工 (2016 年 1 月発刊 ) 第3章験から受験年齢を大幅に引き下げた また 工業 高校 普通高校に限らず高校 2 年に相当する 17 歳 以上であれば受験可能にもした 若者にとっての 必須アイテムであるスマホが入り口となり 本格的 な勉強に取り組むきっかけとなってほしい という 思いもこのアプリには込められている また 多くの ご要望をいただいたことから 2017 年 3 月には A ndroid 版を追加リリースした 建設機械施工技術検定問題集アプリ 2017 年 1 月 (ios)/ 2017 年 3 月 (Android)