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1 経済産業省貿易経済協力局資金協力課 平成 27 年度海外開発計画調査等事業 ( 進出拠点整備 海外インフラ市場獲得事業 ) ミャンマー連邦共和国における ガスの利活用に関する調査 平成 28 年 2 月 日本工営株式会社三井物産株式会社東京ガス株式会社

2 禁転載

3 まえがき 本は 経済産業省より日本工営株式会社 三井物産株式会社 東京ガス株式会社が受託した 平成 27 年度海外開発計画調査等事業 ( 進出拠点整備 海外インフラ市場獲得事業 ( ミャンマー連邦共和国におけるガスの利活用に関する調査 ) について調査結果を取りまとめたものです 本調査は ミャンマーのガス需給について現状と課題を整理 分析し LNG を含む将来のミャンマーのガス利活用における提案を ミャンマー政府に対し行ったものです 本が ミャンマー関係者および本邦関係者にとって 将来のミャンマーにおけるガスインフラ構築の一助となることを希望します 平成 28 年 2 月 29 日日本工営株式会社三井物産株式会社東京ガス株式会社 i

4 目次 1 序章 調査の背景 目的 調査対象地 調査期間 ミャンマー国内の現状 課題の整理及び分析と提案 ミャンマー国内の現状 ( エネルギー 電力 ) エネルギー 電力セクターの行政組織 電力需要予測 電力供給に関する現状と計画 ガス火力の位置付け LNG 火力を導入した際の電力料金への影響 ミャンマー国内の現状 ( ガス ) ガス生産量の現状 予測 需給内訳と予測 ガス輸出の状況と契約内容 新規有望ガス田 国内既存ガスパイプラインの現状 緬 - タイ間 緬 - 中間 緬国内のネットワーク 整備計画 ミャンマーのガス関連事業に関する政策 制度 規制及び実態 ガスサプライチェーン 入札状況 生産分与契約 (PSC) 海外投資規制 許認可 所轄官庁 投資インセンティブ 外資参入のボトルネック及び課題 ミャンマー国内ガスネットワークの将来の在り方とガス輸入における政府の役割分担の提案 ガスネットワークの在り方の提案 LNG 受入基地 今後必要となるパイプライン整備 LNG 輸入に関する手続き 政府の役割分担 ビジネスモデルとファイナンススキーム ミャンマー南部からタイへのガス販売を含めたミャンマー南部開発のガス利用 ダウェイ近郊におけるガス輸入施設 場所の選定 LNG 受入基地形式比較 タイへのガス販売 タイの Power Development Plan(PDP) 2015 を踏まえたタイのガスの需要と供給分析 タイへのガスの販売価格 タイ側のLNGターミナル新設計画 ii

5 3.2.4 ミャンマーからタイに販売する際のミャンマー側 タイ側の手続き 許認可 関係省庁の整理 ダウェイにガスを供給するための必要インフラ ダウェイに必要なインフラ パイプラインと送電線 ファイナンスの提案 ファイナンススキーム ミャンマー南東部地域における新規ガス産業の提案 ガス火力 ガスを活用する産業の可能性 LNG 受入基地における冷熱利用の可能性 日本企業参画の可能性 協働調査 現地説明会 協働調査 現地報告会 まとめ及び提言 調査のまとめ 提言 図 図 調査実施スケジュール 図 国家エネルギー管理委員会組織図 図 エネルギー省組織図 図 電力省組織図 図 電力需要の負荷曲線 図 ピーク電力需要予測 図 ミャンマーの発電所設備容量および発電量 図 ヤンゴン市内配電の電源構成 (2015 年 1~3 月 ) 図 水力発電設備投入計画 ( 想定 ) 図 水力発電所の運転パターン ( 乾季 ) 図 水力発電所の運転パターン ( 雨季 ) 図 石炭火力設備投入計画 ( 想定 ) 図 Shweli-1 水力発電所位置図 図 年時点の電源開発シナリオ 図 日本における LNG および石炭輸入価格 図 LNG 火力および石炭火力の発電コスト 図 ガス田位置図 図 天然ガス生産量実績 図 天然ガス流通模式図 図 天然ガス生産量実績および将来予測 ( 左 : ガス田別 右 : 輸出 国内別 ) 図 ガス火力発電所へのガス供給量 ( 年間 月間 ) 図 各分野へのガス供給量 (2014 年 4 月 -11 月 ) 図 タイの天然ガス需要予測および需要内訳 図 ベトナムのガス需要内訳 (2013) 図 マレーシアのガス需要内訳 (2014) iii

6 図 中国のガス需要内訳 (2005/2012) 図 ガス火力発電所投入計画 図 火力発電所用およびミャンマー全体のガス需要量予測 図 年までのガス需給分析 図 想定日負荷パターン (2030 年 ) 図 ミャンマー南部の既存ガスパイプライン 図 Shwe ガス田からのパイプライン図 図 ヤンゴン周辺パイプラインネットワーク図 図 ミャンマーのガスサプライチェーン 図 ミャンマー 2013 年 2014 年石油 ガス鉱区入札図 図 ガス需給と将来のガスネットワーク計画 図 Kawsaw-Magwe, Shwepytha-Apyauk パイプライン更新予定位置 図 LNG 輸入の事業スキーム 図 LNG 受入基地のファイナンス 図 タイのガスの供給元内訳推移 図 タイのガス供給計画 図 LNG を用いたガス産業 図 冷熱発電のランキンサイクルフロー図 図 Joint Study 写真 ( 左 :2015/10/29 右 :2015/12/09) 図 現地報告会写真 図 ガス需給予測 表表 ピーク電力 電力量需要予測 表 既存ガス火力発電所 表 建設 計画中のガス火力発電所 表 国内ガス火力発電所向けガス卸売価格 表 既存 計画石炭火力発発電所 表 主要電源の優位点と課題の比較 表 電力料金 表 電力販売平均単価 表 海底ガス田の開発状況 表 天然ガス生産量実績 ( ガス田別 ) 表 ガス成分およびカロリー 表 ガス関連施設 表 シミュレーション検討ケース 表 ガス需給予測 表 オフショアガス田 表 年 2014 年に入札で鉱区を獲得した国際 ミャンマー国内企業 表 PSC の主要項目概説 表 外国投資法におけるインセンティブ 規制事項 表 MIC 通達による投資制限分野 表 国内ガス事業における参画可能性と課題 表 LNG 受入事業における参画可能性と課題 表 年までのフェーズ別 地域別ガス供給計画 表 LNG 輸入に関する認識 表 ファイナンススキームの概要 iv

7 表 LNG 受入基地候補地比較 表 LNG 受入基地の形式比較 表 タイの電力開発計画 表 タイ国内 LNG ターミナル 表 ファイナンスメニュー 表 LNG を燃料とするガス火力発電所計画 表 ミャンマー南部におけるガス利用産業の可能性 表 協働調査の日程と内容 表 ミャンマーのガス LNG 供給計画における現状の課題と対策 英文名 The Study on the Gas Industry and Value Chain in Myanmar v

8 略語 表 略語 英語表記 日本語表記 ADB Asian Development Bank アジア開発銀行 BOG Boil-off-gas ボイルオフガス BOI The Thailand Board of Investment タイ投資委員会 CAPEX Capital Expenditure 資本支出 COD Commercial Operation Date 商業運転日 DCC Dawei Development Co., Ltd. ダウェイ開発会社 DCQ Daily Contracted Quantity 毎日の契約量 DDPC Dawei Development Public Company Limited ダウェイ開発公社 DEP Department of Electric Power 電力局 (MOE 部局 ) DICA Directorate of Investment & Company 投資企業管理局 Administration DSEZ Dawei Special Economic Zone ダウェイ特別経済特区 EGAT Electricity Generating Authority of Thailand タイ発電公社 EIA Environmental Impact Assessment 環境影響アセスメント EIRR Economic Internal Rate of Return 経済的内部収益率 EMC Energy Management Committee エネルギー管理委員会 EPD Energy Planning Department エネルギー計画局 ( 部局廃止 ) EPTC Department of Electric Power Transmission and ミャンマー送電システム制御部 System Control (MEPE より改組 ) EPGE Electric Power Generation Enterprise ミャンマー発電会社 (MEPE HPGE より改組 ) EPPO Energy Planning and Policy Offic タイエネルギー省エネルギー計画政策局 ESE Electricity Supply Enterprise 地方配電公社 FID Final Investment Decision 最終投資決定 FIL Foreign Investment Law 外国投資法 F/S Feasibility Study 実行可能性調査 FIRR Financial Internal Rate of Return 財務的内部収益率 FSRU Floating Storage and Regasification Unit 浮遊体 LNG 貯蔵 気化設備 FSU Floating Storage Unit 浮遊体 LNG 貯蔵設備 GDP Gross Domestic Product 国内総生産 GTCC Gas Turbine Combined Cycle ガスタービンコンバインドサイクル HPGE Hydropower Generation Enterprise 水力発電公社 (EPGE に変更 ) IEA International Energy Agency 国際エネルギー機構 IEE Initial Environmental Examination 初期環境評価 IPP Independent Power Producer 独立系発電事業者 ITD Italian-Thai Development Company イタルタイディベロップメント社 JBIC Japan Bank for International Cooperation 国際協力銀行 JETRO Japan External Trade Organization 日本貿易振興機構 JICA Japan International Cooperation Agency 日本国際協力機構 JOGMEC Japan Oil, Gas and Metals National Corporation 石油天然ガス 金属鉱物資源機構 LNG Liquefied Natural Gas 液化天然ガス MBK Mitsui & Co. 三井物産株式会社 vi

9 略語 英語表記 日本語表記 MIC Myanmar Investment Committee ミャンマー投資委員会 MIL Myanmar Investment Law ミャンマー投資法 MKI Myanmar Koei International ミャンマーコーエイインターナショナル M/P Master Plan マスタープラン MOECAF Ministry of Environmental Conservation and Forestry 環境 保護森林省 MEPE Myanmar Electric Power Enterprise ミャンマー電力供給公社 (EPTC に変更 ) MOA Memorandum of Agreeent 覚書 MOE Ministry of Energy エネルギー省 MOECO Mitsui Oil Exploration Co., Ltd. 三井石油開発 MOEP Ministry of Electric Power 電力省 MOF Ministry of Finance 財務省 MOFR Ministry of Finance and Revenue 財政歳入省 MOGE Ministry Oil and Gas Enterprise ミャンマー石油ガス公社 MOU Memorandum of Understanding 覚書 MPE Myanmar Petrochemical Enterprise ミャンマー石油化学公社 MPPE Myanmar Petroleum Products Enterprise ミャンマー石油製品公社 NEDO New Energy and Industrial Technology 新エネルギー 産業技術総合開発機 Development Organization 構 NEMC National Energy Management Committee 国家エネルギー管理委員会 NEXI Nippon Export and Investment Insurance 日本貿易保険 NGO Non Governmental Organization 非政府組織 NK Nippon Koei Co., Ltd 日本工営株式会社 NLD National League of Democracy 国民民主連盟 NPV Net Present Value 正味現在価値 ODA Official Development Assistance 政府開発援助 OPEX Operating Expense 運営コスト PPA Power Purchase Agreement 電力販売契約 PTT Petroleum Authority of Thailand タイ石油公社 PTTEP PTT Exploration & Production PCL PTT エクスプロレーション アンド プロダクション SPC Special Purpose Company 特別目的会社 SPDC State Peace and Development Council 国家平和発展協議会 SRV Shuttle Regasification Vessel 船上気化装置付き LNG 船 TG Tokyo Gas Co., Ltd. 東京ガス株式会社 YESB Yangon City Electricity Supply Board ヤンゴン配電公社 (YESC に部局変更 ) YESC Yangon Electricity Supply Corporation ヤンゴン電力供給公社 vii

10 ガス 電力に関する単位 単位 bbl boe BTU cft mmscfd mmbtu A (Ampere) V (Volt) kv (kilovolt) W (Watt) kw (kilowatt) MW (Megawatt) Wh (Watt-hour) kwh (kilowatt-hour) MWh (Megawatt-hour) 内容 Barrel, 1 bbl = 159 litter Barrel oil equivalent British Thermal Unit, 1 Btu=0.252kcal = Wh 1 cubic feet = litter Million standard cubic feet per day Million British Thermal Unit Unit of current Unit of voltage 1,000 volts Unit of electric power 1,000 watts 1,000 kw Unit of energy 1,000 Wh 1,000 kwh 為替レート (2016 年 1 月 29 日時点 ): 1,296 Kyat/USD 10.9 Kyat/Yen viii

11 平成27年度海外開発計画調査等事業 ミャンマー連邦共和国におけるガスの利活用に関する調査 調査対象位置図 ix

12 1 序章 1.1 調査の背景 目的 ミャンマーで生産される国産ガスの大半は 1999 年に始まったタイへの輸出 及び 年に始まった中国への輸出に振り向けられており 国内で消費される国産ガスは約 25% 程度に留まっている 今後 ミャンマーの国内電力需要は大きく伸びることが想定されており ミャンマー政府も主たるエネルギー源としてガス (LNG) の輸入を検討し始めたところである 一方で ミャンマーは過去に LNG を輸入したことがないため LNG 受入基地を有しておらず またガスパイプラインも現状の供給量に応じた輸送能力しか有していないなど LNG 導入後を見据えたガスの基幹インフラが現時点では未整備の状態である さらに LNG を輸入する場合のミャンマー政府関係機関の役割分担についても未整理の状態である また 現在タイを中心にミャンマー南東部のダウェイ開発が議論をされ 日本も協力をしていく旨を表明しているが ダウェイ工業団地への企業進出に際して 電力インフラが全く整っていないことが大きな課題の一つとなっている 本調査では 今後成長する市場として期待されているガスに注目し ミャンマーにおける現状の法規制や将来の市場見通しを調査 検討し 日本企業の進出拠点開発に資する情報分析とガス関連事業に関する政策の在り方 及び ミャンマー南東部地域開発に寄与するガス事業の可能性についての提案をミャンマー政府に対して行うことを目的とする 1.2 調査対象地 調査対象地は ミャンマー国である 関係機関からの情報収集をミャンマーのネピドー及びヤンゴンにおいて行う また ガス需要関連情報収集の為 タイのバンコクにおいても調査を行う さらに ダウェイ近郊における現地調査を実施し ミャンマー東南部地域開発に寄与するガス事業の可能性を提案する 1.3 調査期間本調査は 2015 年 6 月から 2016 年 2 月の期間に実施した 調査スケジュールを以下に示す Year/Month Events in Myanmar Study in Myanmar Work in Japan Invitation and Final Presentation Report 出典 : 調査団作成 Jun Jul Aug Sep Oct Nov Dec Jan Feb J M Summit Preparation period for election Election New cabinet Kick off Final Presentation in Myanmar (Intermittent for overall period) Presenation Draft Report Final Report 図 調査実施スケジュール 1-1

13 2 ミャンマー国内の現状 課題の整理及び分析と提案 2.1 ミャンマー国内の現状 ( エネルギー 電力 ) エネルギー 電力セクターの行政組織 ミャンマーでは中長期的なエネルギー分野と電力分野の総合的な開発を推進するために 2012 年 6 月に国家エネルギー管理委員会 (NEMC) が設立された 2016 年 1 月時点で NEMC 委員長はエネルギー省大臣が兼務している NEMC の組織図を以下に示す National Energy Management Committee (NEMC) Office of Energy Policy & Planning Electricity Development Committee (EDC) Energy Development Committee (EDC) Ministry of Electric Power (MOEP) Ministry of Energy (MOE) Ministry of Agriculture & Irrigation (MOAI) Ministry of Industry (MOI) Ministry of Mines (MOM) Ministry of Environmental Conservation & Forestry (MOECAF) Ministry of Science & Technology (MOST) 出典 : 調査団作成 図 国家エネルギー管理委員会組織図 NEMC は エネルギーと電力セクターに関連する省庁を横断して総括し エネルギー 電力政策と長期計画の策定を行う また エネルギーセクターの長期計画実施組織の妥当性評価やキャパシティビルディングを担当する エネルギーセクターの実働委員会として Energy Develoment Committee (EDC) がある EDC の議長はエネルギー省大臣であり エネルギー省エネルギー計画局の局長が書記長を務める他 他省を含めた 12 のメンバーより成る エネルギー省 (MOE) は 1985 年に設立されたエネルギーセクターの行政機関である 石油 ガス 再生可能エネルギー等にかかるエネルギー政策の策定 資源開発 石油製品運営 輸出入および国内供給を管轄している この内 天然ガスの調査 探査 生産 輸送はミャンマー石油ガス公社 MOGE(Myanma Oil & Gas Enterprise) が担当する 2015 年 12 月時点の MOE の組織図を以下に示す 2-1

14 Ministry of Energy (MOE) Permanent Secretary (PS) Office MyanmaOil & Gas Enterprise (MOGE) Investigation, development, production, transportation of oil & gas Myanma Petrochemical Enterprise (MPE) Operation of oil refinery, production of oil products, Operation of Fertilizer and methanol factories MyanmaPetroleum Products Enterprise (MPPE) Administration of oil market, oil products, transportation and sales 出典 : 調査団作成 図 エネルギー省組織図 電力省 (MOEP) は 1997 年にエネルギー省から独立して設立された 2015 年 12 月時点の電力省組織図を以下に示す 1 ガス火力発電所を運営する Thermal Power Department はミャンマー電力公社 (Myanma Electric Power Enterpirse/MEPE) 傘下にある ガス火力の計画は 他の風力などと共に Department of Electr Power Planning の所掌であるが 水力 石炭火力の計画については Department of Hydropower Implementation が担当している Ministry of Electric Power (MOEP) Permanent Secretary Office Department of Electric Power Planning (DEPP) Planning of Gas fired, Wind and Other Power Department of Hydropower Implementation (DHPI) Planning of Hydro & Coal fired Power MyanmaElectric Power Enterprise (MEPE) T/L, S/S, Power Systems, Gasfired Power Hydro Power Generation Enterprise (HPGE) Operation of Hydro & Coal fired Power Electricity Supply Enterprise (ESE) Distribution in Other Areas Yangon Electricity Supply Corporation (YESC) Distribution in Yangon Mandalay Electricity Supply Corporation (MESC) Distribution in Mandalay 出典 : 調査団作成 図 電力省組織図 1 電力省組織再編が 2015 年 5 月に発表されたが 修正予算の承認手続きが完了しておらず 組織再編は正式には発効していない 2-2

15 2.1.2 電力需要予測 ミャンマーにおける一日の電力需要パターンは 朝 (10:00 前後 ) および晩 (19:00 前後 ) にピークとなる双こぶ型となっている 2013 年 6 月 17 日の電力需要負荷曲線を下図に示す 2015 年暑季におけるミャンマー全体のピーク電力は 2,072 MW であった YESB: Yangon Electricity Supply Board, ESE: Electricity Supply Enterprise 出典 : JICA 電力 MP(MEPE 資料 ) 図 電力需要の負荷曲線 電力省による電力需要予測では GDP と電力需要の相関 ( 弾性値 ) を 1.49 に設定し その弾性値に 2011 年度の経済成長率 8.7% を乗じて 13% の電力需要伸び率を算出している 2014 年に策定された JICA によるミャンマー国電力開発計画プログラム形成準備調査 (JICA 電力 MP) では 電力省による需要予測をハイケース IMF 予測による経済成長率 6.4% に基づく電力需要伸び率 9.5% をローケースとして電力量 (GWh) の伸びを予測し これに負荷率と送配電ロスを考慮して電力 (MW) の伸びを予測している ( 下図 ) High Case Low Case 出典 : JICA 電力 MP 図 ピーク電力需要予測 JICA 電力 MP では 2020 年および 2030 年の電力需要を以下のように見積っている 2-3

16 表 ピーク電力 電力量需要予測 Case High case Peak power 2,022 MW 4,531 MW 14,542 MW Energy 14,181 GWh 22,898 GWh 77,730 GWh Low case Peak power 2,022 MW 3,862 MW 9,100 MW Energy 14,181 GWh 19,514 GWh 48,639 GWh 出典 :JICA 電力 MP 電力供給に関する現状と計画 ミャンマーでは 2009/2010 年以降に発電量が急増しており 2009/10 年から 2014/15 年の平均増加率は 15.3% に上る 発電量は 2009/10 年には 6,964 GWh であったが 2014/15 年には 14,181GWh に倍増した 2015 年 3 月時点の総設備容量は 4,819 MW である ミャンマーの電源別設備容量及び発電量の推移を下図に示す (MW) 5,000 4,500 4,000 3,500 3,000 2,500 2,000 1,500 1, Installed Capacity of Power Plant in Myanmar Diesel Thermal Gas Hydro Source : Central Statistical Organization (GWh) 16,000 14,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2,000 0 Diesel Thermal Gas Hydro Power Generation in Myanmar Source : Central Statistical Organization 出典 : 中央統計局資料より調査団作成 ( 発電量は発電所端の送電量を示す ) 図 ミャンマーの発電所設備容量および発電量 ミャンマー全体の電源構成における水力の発電量シェアはこれまで 70% を超えていたが 2014/15 年度にはガス火力設備の投入増加により 62.4% まで低減した ミャンマーではピーク電力需要は暑季に発生する 2015 年暑季におけるミャンマー全国のピーク電力は 2,072 MW(2015 年 5 月 13 日 ) 2 ヤンゴンでは 1,082 MW(2015 年 5 月 11 日 ) 3 となり ヤンゴンの電力供給は全国のほぼ半分を占める なお ヤンゴン市内の工業団地における電力需要は 15~16% であり ピーク需要は 150~170 MW となっている ただし 今後の需要予測に当たっては 現在進行中のティラワ SEZ 開発の進行を踏まえて需要を見直していく必要がある 下図に 2015 年 1~3 月におけるヤンゴン市内配電の電源構成 ( 発電量 ) 4 を示す ヤンゴン市においては IPP ガス火力が増加したことにより水力は約 40% ガス火力は約 60% のシェアとなっており ガス火力発電の比率が全国平均より高い 2 MEPE 資料 3 YESC 資料 4 水力供給量 = (Load Curve から積算した総電力量 ) ( ヤンゴンのガス火力発電量 ) と想定して見積った 2-4

17 Power Supply Source for Yangon in Jan March % 40.8% 15.3% 8.9% Hlawga Ywama Ahlone 24.9% 3.3% Theketa IPP (gas) Hydro 出典 : MEPE/YESC 資料より調査団作成 図 ヤンゴン市内配電の電源構成 (2015 年 1~3 月 ) ミャンマー全国における水力のシェアは 62.4% まで低減したとはいえ 水主火従の状況には変わりなく 乾期に河川流量が減少することに伴い 水力発電所からの電力供給量も減少する 一方で 暑季にはエアコン需要の上昇に伴い 水祭り明けの 4 月下旬 ~5 月中旬にかけて電力需要ピークを迎えるため 停電はこの時期に頻発する 水力発電所は主に東北部の山岳地帯に位置するが 既設の送電線網では送電容量が限界に達しているため 雨季 (8 月 ~10 月 ) に水力発電所がフル稼働できない状況に陥っている また 2012 年の資料では 送電系統のロスは約 7% 配電系統のロスは約 18% 送配電ロスは合計で約 25% に達していたが 2014/15 年度の送配電ロスは 20.6% と改善されてきている (1) 水力発電 2015 年 4 月時点における水力発電設備容量は 3,151 MW 5 で 全体発電量の 60~70% を占める 水力発電はミャンマーにおける基幹電源であり 今後もその位置付けは継続すると考えられる 水力発電のポテンシャルは 特定されたサイトの合計で 46,099 MW 6 とされているが National Energy Policy (2014) では 2030 年までに約 9,000 MW の水力発電設備を設置することを目標として掲げている 現在 計画されている水力案件の多くは IPP 主導によるもので 環境問題や資金確保等をクリアする必要性があり 大型水力の投入時期については見通しが難しい側面があるが 2030 年までに約 9,000 MW の水力設備を投入する場合 MOU/MOA 締結状況 7 から鑑み 次図に示す投入が想定される 5 3,151 MW は中国向けの容量を含む この内 Shweli 水力は設備容量 600 MW の内 300 MW が中国向けで ミャンマー向けは雨季 300 MW 乾季 90 MW Dapein 水力は設備容量 240 MW の内 197 MW が中国向けで ミャンマー向けは 43 MW である 図 はミャンマー向けの設備容量を示しており 2015 年時点の数値は中国向けを除いた 2,65 4MW としている 6 出典 :National Energy Policy (2014) 7 MOU とは FS 調査実施に関する電力省 - 事業者間の覚書 MOA とは事業実施に関する覚書で 以下の資料を参照した 1) JICA 電力 MP 2) Status of Myanmar Electric Power and Hydropower Planning MOEP/DHPI (19 January 2015) 3) Myanmar Independent Power Production Co., Ltd Hopepage ( 2-5

18 MW 10,000 8,000 Input Plan of Hydropower Plants in Myanmar Planned On going Existing 6,000 4,000 2,000 0 出典 : 電力省資料 MOU/MOA 締結状況および JICA 電力 MP をもとに調査団作成 図 水力発電設備投入計画 ( 想定 ) 流れ込み式水力はベース電源 貯水池式水力はピーク電源として機能している ただし バルーチャン No.2 は貯水池型であるが モビエ貯水池の規模が大きく 年間を通じてほぼ一定のベース電源として機能している 水力の乾季 雨季における運転パターンを以下に示す 季節的な出力変動が大きいことおよびピーク電源として利用されている発電所があることから 平均的な稼働率は 40% 程度となっている MW 1,400 1,200 1, Typical Operation Pattern of Hydropower Generation in the Dry Season Paunglaung 280 MW Yeywa 790 MW Shweli MW Baluchaung 2 168MW hour Paung Laung Yeywa Kun Kabaung Thapanzeik Zawgyi 2 Zaungtu Zawgyi 1 Sedawgyi Kinda Dapein 1 Shwegyin Yenwe Thauk Ye Khat 2 KyeeonKyeewa Kengtawng Mone Shweli 1 Baluchaung 1 Baluchaung 2 出典 :Myanmar Energy Master Plan (ADB December 2014) 図 水力発電所の運転パターン ( 乾季 ) 2-6

19 MW 1,400 1,200 1, Typical Operation Pattern of Hydropower Generation in the Wet Season Yeywa 790 MW Shweli MW Baluchaung 2 168MW Yeywa Thapanzeik Zaungtu Zawgyi 1 Sedawgyi Dapein 1 Shwegyin Thauk Ye Khat 2 Shweli 1 Kengtawng Mone KyeeonKyeewa Baluchaung 1 Baluchaung 2 出典 :Myanmar Energy Master Plan (ADB December 2014) 図 水力発電所の運転パターン ( 雨季 ) (2) ガス火力発電 1) 既設ガス火力 2015 年 6 月時点で稼働している既設ガス火力発電所の出力 機器構成 運転開始年 所要ガス量を下表に纏めた 2-7

20 Location Yangon Local 出典 :MEPE 資料を元に調査団作成 表 既存ガス火力発電所 Owner Plant Type Installed Capacity Gas RQMT COD MW No Total (mmscfd) Gas Field Notes Hlawga GT ST GT GT Ywama Yadana ST MOEP GT donated from EGAT Ahlone Thaketa GT GT replaced by GE (NNA 21 July 2015) ST GT GT rehabilitation under Japan ODA Zawtika ST Sub total (MOEP) Zeya Hlawga GE st phase in Yadana GE nd phase in 2015 MSP Ywama GE Yadana Toyo Thai Ahlone GT ST Yadana Max Power Thaketa GE Yadana Sub total (IPP) Total (Yangon) Kyunchaung GT Inland Man GT Inland Operation has been suspended Shwetaung GT Yadana MOEP Myanaung Thatone GT GT GT GT Yadana Zawtika Mawlamyine GT Zawtika Sub total (MOEP) APR Kyaukse GE Shwe Sub total (IPP) Total (Local) Grand Total 1, 年 5 月以降 IPP を中心としたガス火力発電所の新設が相次ぎ それまでの既設ガス火力設備 715 MW に加え 新たに 623 MW( 合計 ) の発電所が運転開始した 既設ガス火力発電所の総設備容量は 1,338 MW となる 上表に示すように ミャンマー国内でグリッドに接続されている既設ガス火力発電所のガス所要量は 414 mmscfd と見積られる一方で 2015 年 3 月における発電所へのガス供給量は 266 mmscfd 8 ( 供給率 64.3%) に留まっている Shweガス田が 2013 年 7 月 Zawtika ガス田が 2014 年 3 月から生産開始となったが 大半が中国およびタイへの輸出用となっているため 9 ガス火力発電所用需要に追い付いていない 電力省では 老朽化し効率が低下した MEPE の既設ガス火力発電所への供給を抑え 燃費効率のよい新設発電所へのガス供給を優先させている 既設ガス火力は 1974 年以降に運用され 既に 30~40 年経過し老朽化が進行している発電所も多い ガス火力発電所の燃料消費は 機器性能 老朽化の進行等の状況により異なるが 低い燃料効率の発電所は高い効率の発電所の効率の半分以下という 大きな差が生じている ガス利用の効率化を図るためには 老朽化し効率の低下した発電機器の更新 改修を順次実施していくことも必要である ガス火力発電所は ベース電源として年間を通じて一定運転を行っている 10 円借款等によ 8 MEPE 資料より調査団分析 ( 図 参照 ) 9 天然ガスの輸出および国内供給内訳は表 参照 10 出典 :JICA 電力 MP 2-8

21 り建設される 500 kv 送電線が完成 11 すれば 既設送電線の容量不足により雨季にフル稼働が出来なかった水力発電所で出力増加が可能となり 雨季における天然ガス使用量削減に繋がる また この期間中に火力発電所を停止して 十分な保守を行うことが期待される 2) 新規ガス火力計画 現在建設中および計画されているガス火力発電所の出力 機器構成 運転開始年 所要ガス量を下表に纏めた 表 建設 計画中のガス火力発電所 Location Owner Plant Type Installed Capacity Gas RQMT COD MW No Total (mmscfd) Notes MOEP Thilawa GT Marubeni/ mmscfd from FS Report Thanlyin GTCC PTT/EDEN Hydrolancang Hlawga GTCC Yangon BKB UREC Thaketa Thaketa GTCC GTCC MOEP Hlaingtharyar GTCC mmscfd (assumption) 80.0 No progress after announcement in August 2013 Total (Yangon) 2, The power plant will be decommissioned once Aggreko Myingyan GE MW power plant is in operation, scheduled Vpower Kyauk Phyu GE GE APU Kanbauk GE (assumption) GTCC (assumption) No.1 under construction, No.2 on 27 May 2014, GT /15 Myanmar No.3 on 30 Apr. 2015, No.4 on 15 May 2015 Mawlamyine Lighting GT Feb Local ST under construction MOEP Thatone GT ST Sembcorp Myingyan GT GE Frame 6 (same as those for Mawlamyi ne) ST Italian 90 mmscfd (assumption) Dawei Thai Ayeyarwady mmscfd (assumption) No progress after announcement in August 2013 Total (Local) 2, Grand Total 4, Grand Total including existing plants 5, ,357.7 Data Source : 1) Power System Development Scheme of MEPE (2 July 2013) 2) Master Plan of Thermal Power to Increase Power Generation and Opportunities for Foreign Investments (29 January 2013) 3) Efforts to Improve Efficiency on the ASEAN Electric Power Sector (March 2010) 4) Interview Survey to MOEP 建設 計画中のガス火力発電所の総設備容量は 4,523 MW 内訳はヤンゴン市内 2,352 MW ヤンゴン以外 2,171 MW 既設ガス火力を含むと 5,861 MW となる 建設 計画中のガス火力発電所におけるガス所要量は 944 mmscfd 既設ガス火力発電所を含めると 1,358 mmscfd と見積られる 上表のうち Hlaingthayar (400 MW) Hlawga (486 MW) Thaketa (503 MW, 513 MW) Kanbauk (500 MW) Ayeyarwady (500 MW) Dawei(450 MW) 等は 輸入 LNG を使用する前提とされている LNG の輸入が行われない場合 あるいは新規ガス田からのガス供給がない場合 国内向けに割り当てられている現状のガス供給量では必要量をカバーできず 現在計画されている大型ガス火力発電所建設の障壁となっている 年完成予定 2-9

22 3) 発電用ガス供給 天然ガスの国内用供給は ミャンマー石油ガス公社 MOGE(Myanmar Oil & Gas Enterprise) から MEPE に販売され MEPE を通じて国内の IPP を含むガス火力発電所に供給されている MOGE から MEPE への天然ガス卸売価格は 年毎の契約に応じて以下のように推移している 表 国内ガス火力発電所向けガス卸売価格 Fiscal Year Unit Price (USD/MMBTU) 2010/ / / / / / (Yadana/Zawtika) (Shwe) 出典 :MEPE へのインタビューにより調査団作成 (3) 石炭火力発電 火力発電は National Energy Policy (2014) によれば 2030 年時点における石炭火力の設備容量比率を総電源の 33% (7,940 MW) とし 水力 38% (8,896 MW) に次ぐ電源として位置付けられている ミャンマーで生産される石炭は褐炭または亜瀝青炭であり カレワ産石炭 ( 亜瀝青炭 ) の熱量は 6,500 cal/kg ほどで火力発電に適している また 国内炭を使用する場合は山元発電 輸入炭を使用する場合は 深海港を整備して開発する等のオプションが想定される 課題としては 内陸輸送 ( 水運では乾期に水深確が保できない 陸上輸送はインフラ整備必要 輸送コスト高額等 ) 石炭火力に伴う環境影響に対する住民の懸念が強いこと 燃料輸入依存に係 12 わるエネルギー セキュリティー上の問題等が挙げられる 現在グリッドに接続されている石炭火力発電所は シャン州で 2004 年に稼働開始した Tigyit (120 MW 2014 年 11 月以降稼働停止 ) のみである このほか ミャンマー最南端 Kauthaung に 8 MW 石炭火力 ( オフグリッド ) がある 稼働中および現在計画中の石炭火力を下表に示す 12 石炭に限定されず 全ての輸入化石燃料および送電線を通じた電力輸入に係わる 2-10

23 表 既存 計画石炭火力発発電所 No. Power Plant Installed Capacity (MW) MW Unit MW MW Owner Note Existing coal fired power plant 1 Tigyit MOEP Unit 1 : 25 Dec 2004, Unit 2 : 5 Mar Kauthaung Than Phyo Thu Mining Co.,Ltd. COD on 9 April 2012, off grid area Sub total 128 MOA signed 3 Tachileik TNDT (Thai) MOU signed on 23Feb 2015, offi grid area 4 Keng Tong Lumpoondum Co., Ltd./ MOU on 1 Oct Ratchaburi Electricity Holding MOA on 11 Mar Andin (Ye) ,280 TTCL (ToyoThai Co., Ltd.) MOU on 21 Mar ,280 Win Yaung Chi Oo Co., Ltd. MOA on 9 April 2015 Sub total 1,940 MOU signed, FSR submitted to DHPP 6 Kun Gyan Gon Virtue Land Co., Ltd. MOU signed on 24 Aug Kalewa ISDN / Tun Thwin Mining MOU signed on 27May Dawei hour Mining Co., Ltd. MOU signed on 21 Sep Myeik ,640 2,640 Ratchaburi Electricity Holding MOU signed on 9 Oct Kyauk Tan Diamond Palace/Orange Power MOU signed on 8 Oct Ngyok Kaung Ta Ta Power (India) MOU signed on 11 Apr , Myeik Than Phyo Thu Mining Co.,Ltd. MOU signed on 27 Jul Myeik 1, ,000 Aye Hinthar/EGAT/Global Power MOU signed on 9 Oct , Marubeni/SRI Synergy 14 Htan Ta Bin Htoo/Huaeng Lancang MOU signed on 11 Feb Sub total 8,430 Proposed Projects, FSR not submitted yet 15 Kun Gyan Gon Virtue Land Co., Ltd. 1, , Htan Ta Bin Hydrochina Kunming (KHIDI) 1, Dawei Dawei Power/Italian Thai 4,000 1, , Bahmaw Asia Green Sea/San Lin Yaung 19 Magyizin hour Mining/KD Power/SK 20 Ye Khin Maung Nyunt/PLN/Bukit Asam 21 Thilawa 315 Sumitomo (315 MW) Manubeni (600 MW) Sub total 8,265 Total 18,635 Data source : HPGE (July 2015) 現在開発を進めている幾つかの案件では 石炭火力に対する地元住民 /NGO の建設反対運動が展開されている 2016 年 3 月末に発足する新政権の電力政策にもよるが 石炭火力を社会的な抵抗感なく導入していくためには 環境行政を含めた多面的 長期的な対応が必要になると想定され 大型石炭火力の本格的な投入は早くても 2020 年以降になると考えられる 13 石炭火力導入実現に対しては不透明感があり 14 投入計画のシナリオは描き難いが 石炭火力建設に係わる課題を今後 5 年間で解決すると仮定した上で National Energy Policy (2014) で示された電源開発を達成するためには 下図のような投入が想定される 東シャン州のタチレイ市で計画されているオフグリッド石炭火力 20 MW は既に PPA が締結され 建設が開始されており 石炭火力の全てが中断しているわけではない 石炭火力導入における不確定要素としては 新政権の電力政策がまだ示されていないこと 住民の反対運動 環境行政手順の未整備 大型石炭火力の送電容量 ( 既設 230 kv 送電線では容量不足 ) 等が挙げられる 2-11

24 MW 9,000 8,000 7,000 6,000 5,000 4,000 3,000 2,000 1,000 0 Input Plan of Coal fired Power Plants in Myanmar 出典 :HPGE 案件リスト MOU/MOA 締結状況をもとに調査団作成 図 石炭火力設備投入計画 ( 想定 ) (4) その他の電源 1) 電力輸入現在 中国から電力を輸入する事業が検討 15 されており 当面は既設 230 kv 送電線を通じた電力輸入 将来的には既設 230 kv 送電線から 500 kv( 新設 ) 16 に切り替えて 電力融通 ( 雨季の余剰電力を輸出 乾期に電力輸入 ) を行う事業化が進められている 17 この計画では 北シャン州と中国の国境付近に中国により建設された Shweli-1 水力発電所 (600 MW 2008 年運転開始 下図参照 ) 経由で中国グリッドからミャンマーグリッドへの電力輸入を図るもので 特に乾期の電力不足を補うことを目的としている 現在 Shweli-1 発電所から雨季には 300 MW 乾期には 90 MW がミャンマー側のグリッドに送電されているが 既設送電線 230 kv の送電容量は 400 MW 程度であるため 乾期には余裕がある 15 電力省と民間事業者による共同開発 16 AIIB による融資が想定されている 17 民間事業者へのインタビュー調査による 2-12

25 出典 :MIMU Existing Power Grid Map をもとに調査団作成 図 Shweli-1 水力発電所位置図 2014/15 年度のミャンマーグリッド平均電力販売単価は 74.2 Kyat/kWh であった ( 後述表 参照 ) 一方 Shweli-1 水力発電所からミャンマー側に売電されている電力単価は 33.3~48.7 Kyat/kWh であり グリッド電力単価より廉価である また ラオスからミャンマー側に電力輸入することが両国政府間で協議されており 早ければ 2015 年内に実現する可能性がある 将来的に 300 MW 規模の電力輸入が検討 18 されている 中国 ラオスグリッドからの電力輸入が上記購入価格帯で長期的に安定して継続できるならば ミャンマーにとって経済的メリットは大きい しかし エネルギーセキュリティーに関する電力政策 19 および他国における電力需給 経済状況の影響を受けて輸入電力量と電力量単価が変動するリスク等を考慮すれば 電力輸入は電源の主力にはならず 乾期の補助電源という位置付けになると考えられる 2) 再生可能エネルギー IPP によるグリッド接続型メガソーラー発電所が 3 か所 ( マグウェ地域 220 MW マンダレー地域 150 MW x 2 か所 ) 計画されている 太陽光 風量などの再生可能エネルギーは エネルギー密度が低く 出力が気象条件に応じて変動するためベース電源にはなり得ないことから 補助電源として位置付けられる 出力 周波数の不安定性から 系統連係できる再生可能エネルギー設備容量には限度がある 18 The Daily NNA 2016 年 2 月 4 日 19 National Energy Policy (2014) 2-13

26 2.1.4 ガス火力の位置付け National Energy Policy (2014) では 2030 年の電源として 1 水力 (8,896 MW) 2 石炭火力 (7,940 MW 3 ガス火力 (4,758 MW) 4 再生可能エネルギー (2,000 MW) の順による設備計画としている Coal fire, 120 Gas, 1665 Renewa ble, 0 Hydro power, 2654 Current 4,449 MW Gas, 4,758 Renewa ble, 2,000 in 2030 Total 23,594 MW Coal fire, 7,940 Hydro power, 8,896 Unit: MW 出典 :Central Statistic Office(Current), Energy Policy 2014 (2030) 図 年時点の電源開発シナリオ National Energy Policy (2014) では 水力 石炭火力 ガス火力を主要電源と位置付けているが 各電源の優位点 課題を以下に取り纏めた 大規模開発には社会 自然環境上の課題あり リードタイムが長い( 数年 ~ 十年 ) 課題 初期投資コストが大きい 乾季に出力が低下する 需要地まで長距離送電線が必要出典 : 調査団作成 表 主要電源の優位点と課題の比較 種別水力石炭火力ガス火力 優位点 豊富な国内ポテンシャ (10GW 特定された 210 サイトで 46,099MW) 国内資源である クリーンである 国内に豊富な資源量がある 資源が安価で発電単価が比較的低い 石炭に比べクリーンで CO 2 排出量は低い 増設が比較的容易であり 工期が短い 国産で天然ガスを生産 需要地近郊に建設可能 排気ガス CO 2 の排出量が多い 環境意識の高まりから 立地に住民反対があり 新設が容易ではない 既に国内向けガス供給量が不足 国内輸送にインフラが必要で 水運のしている 場合 乾期の航行に問題あり 新設分を賄うには LNG 輸入と 輸入炭の場合深海港が必要 輸入にかかる LNG 基地が必要 新政権の電力政策における位置付けが不明 電源開発に当たっては 上記に示した各電源の長短に加え 電力需要と出力規模 開発コストとリスク 電力料金 需要地周辺の立地条件 送電線容量 燃料輸送等を考慮しつつ 電力の安定供給とエネルギー セキュリティーを確保できるようなベストミックスを目指す必要があろう 一方 大型石炭火力の導入に対する国民的な合意が得られていない現状を鑑みると 導入に当たっては環境規制や環境アセスメントを含め環境行政上の制度 仕組みを整備する必要があると考えられることから 今後 2020 年までに石炭火力開発が進むことを楽観視するのは難しく 石炭開発が予定通りに進まない可能性も考慮する必要があろう その場合 水力およびガス火力設備を主力の電源として位置付け 目標とする設備量レベルまで確実に投入できるかどうか ガス火力についていえば 必要量のガスを確保できるかどうかが重要な課題となる (6) にて検討結果を示す 2-14

27 ミャンマーでは これまで天然ガス生産量の約 8 割が輸出に回され 筆頭輸出品目となっており 2014/15 年度の輸出額は USD 5,178.6 million で総輸出額の 41.4% を占める 21 その結果 既設火力発電所へのガス供給率は前述のように 64.3% と不足する事態となっている また 次期の新規ガス田として期待される M-3 鉱区の商業生産は 2020 年以降となる見込みで 全量を国内向けに供給するとしても M-3 からのガス供給量は 100 mmscfd 程度 22 と見積られている 上記から ミャンマーの経済発展を支える電力インフラを計画通り整備していくためには ガス火力発電所の投入が不可欠である しかし 今後 5~10 年のスパンで見た場合 2025 年頃まではガス田からの国内向けガス供給量の大幅な増加は期待できず さらに 2025 年以降に新規ガス田からガス生産が得られるかどうかは不明である このような状況から LNG の輸入調達の検討が喫緊に必要である LNG 火力を導入した際の電力料金への影響 (1) LNG および石炭火力の発電コスト LNG および石炭火力導入による現行電力料金体系に対するインパクトを把握するために それぞれの発電コストを試算する 日本においては LNG 輸入コストは 東日本大震災後 18~19 USD/mmbtu まで急騰したものの 2015 年に下落に転じ 2015 年 5 月以降の輸入価格は 9 USD/mmbtu 前後と 震災以前の水準に戻った ( 下図参照 ) 2015 年 10 月に入着したスポット価格は 7.9USD/mmbtu である なお ミャンマーの Yadana/Zawtika 産天然ガスの国内流通価格は 7.5 USD/mmbtu Shwe 産は 11~12 USD/mmbtu と設定されている 一方 日本における石炭の輸入コストは 2014 年後半以降 USD 70/ton を割り 下落傾向が継続している USD/mmbtu 25.0 LNG Import Price to Japan USD/ton 160 Coal Import Price to Japan 出典 : 図 日本における LNG および石炭輸入価格 以上から 内閣官房国家戦略室が公表している発電コスト試算シートを用いて LNG を輸入した場合のガス火力 および石炭を輸入した場合の石炭火力につき発電単価を試算した 試算結果を図示すると以下のようになる 21 Central Statistics Organization 資料 (April 2015) 22 MEGE の説明による 2-15

28 US /kwh Unit Generation Cost for Gas fired Power (LNG) US /kwh Unit Generation Cost for Coal fired Power Fuel (USD/kWh) OPEX (USD/kWh) CAPEX (USD/kWh) Fuel (USD/kWh) OPEX (USD/kWh) CAPEX (USD/kWh) LNG Price (USD/mmbtu) Coal Price (USD/ton) 出典 : 調査団作成 図 LNG 火力および石炭火力の発電コスト LNG 価格が USD 8 12/mmbtu で推移する場合 発電コストは UScent /kWh 石炭輸入価格が USD /ton で推移する場合 UScent /kWh の範囲になる (2) 2014 年の改訂電力料金 2014 年 4 月 1 日に改訂された電力料金を下表に示す 改訂後の電力料金は 35~150 Kyat/kWh の幅となっている 表 電力料金 Purpose Range (kwh) Old Power Tariff (Kyat/kWh) New Power Tariff (Kyat/kWh Domestic use > Industrial use , ,001 50, , , , , > 300, 出典 :MEPE 資料 グリッドから給電された電力ユーザーへの電力販売平均単価を以下に示す 電力料金が 2014 年 4 月に改訂されたことに伴い 2013/14 年度の 52.9 Kyat/kWh から 2014/15 年度は 74.2 Kyat/kWh に上昇した 表 電力販売平均単価 FY Generation Supply Loss Sales Ave. tariff (GWh) (GWh) (%) (x 10 6 Ks) (Ks/KWh) 2012/13 10, , % 449, /14 12, , % 508, /15 14, , % 834, 出典 :Central Statistical Organization 資料から調査団作成 2-16

29 (3) IPP 売電単価 グリッド接続型 IPP 事業としてこれまで売電契約が締結された電源は 水力およびガス火力発電である 水力発電の売電契約には建設 維持管理費用を含めたコストが反映されている 一方 ガス火力事業においては 燃料である天然ガスは MEPE から供給されており 事業者は燃料調達リスクを取らない仕組み ( トーリング ) となっている よって ガス火力の単価については IPP のトーリングフィーに燃料価格を加えた価格が 電力料金の参考値となる これまでは MEPE による開発が主体だったが今後は IPP が主力となることが予想されるため IPP の価格構成は今後の電力料金の構成に重要になる (4) まとめ 燃料調達まで含めて IPP 事業とする場合 現行の IPP 売電価格 UScent 3.4/kWh+LNG 燃料コスト 23 として LNG 発電コストを求めると LNG 価格 USD 8 12/mmbtu の条件では UScent /kWh と見積られる 現在の為替レート (USD 1.0 = Ks. 1,296) では LNG 輸入価格 USD 10/mmbtu の場合 現行の電力料金上限値 Ks. 150/kWh に近づき 24 LNG 輸入価格が USD 10/mmbtu 超過すれば LNG 発電コストは現行の電力料金帯をオーバーする Ks /kWh の範囲に収まれば 単独電源として SEZ 内の工業ユーザー向けの電力供給となり得る LNG 火力を一般ユーザー向けの電力供給として取り扱う場合 あるいは LNG 価格が上昇して工業ユーザー価格帯を超過する場合 水力 石炭火力を並行して導入することで電力料金を平準化する等の方策が必要となる グリッド全体については水力 ガス火力 石炭火力 電力輸入 再生可能エネルギー等の電源構成から電力コストを算定し 電力料金体系に反映 25 させることになる 2.2 ミャンマー国内の現状 ( ガス ) ガス生産量の現状 予測 (1) 天然ガスの開発 1960 年代以降 ビルマ石油公社がガス開発を担当し エーヤワディ川沿いの小規模な陸上ガス田を開発してきたが Yadana ガス田 ( 海底 ) が 1998 年 7 月 Yetagun ガス田 ( 海底 ) が 2000 年 4 月から生産開始となり 2000 年以降急速に天然ガス生産量が増加した Yadana および Yetagun ガス田は既にピーク生産を迎え 特に Yetagun は減退傾向にあるが 2013 年 7 月にラカイン沖の Shwe ガス田 2014 年 3 月にモッタマ湾の Zawtika ガス田で生産が開始となり 2013 年以降ふたたび生産量が増加に転じている ガス田の位置図を以下に示す 23 表 中の Fuel Operation Cost 24 IPP 売電価格 UScent Fuel Operation Cost UScent 8.3 = UScent 11.7/kWh = Ks. 152/kWh (6) にて検討結果を示す 2-17

30 出典 : 調査団作成 図 ガス田位置図 現在生産中の海底ガス田 (Yadana Yetagun Shwe Zawtika) の開発状況を以下に取り纏めた Gas Field Operator Partner Yadana Total 31.2% Chevron 28.3% PTTEP 25.5% MOGE 15% Yetagun Petronas 40.9% MOGE 20.45% PTTEP 19.32% Nisseki 19.32% Shwe Daewoo 51% MOGE 15% 表 海底ガス田の開発状況 DCQ Export (mmcfd) DCQ Domestic (mmcfd) Export to COD Thai 01 July Thai 01 April China 15 July 2013 Others 34% Zawtika PTTEP 80% MOGE 20% Thai 15 Mar 14 for domestic 05 Aug 14 for export 出典 :MOGE プレゼン資料 新聞報道をもとに調査団作成 2-18

31 (2) 天然ガス生産実績 1998 年以降の天然ガス生産量実績 ( ガス田別 ) を以下に取り纏めた 表 天然ガス生産量実績 ( ガス田別 ) mmscfd Gas Field 1998/ / / / / / / / / / / / / / / / /15 Export Yadana Domestic Total Export Yetagun Domestic Total Export Shwe Domestic Total Export Zawtika Domestic 57.4 Total Onshore Export Domestic Total Total , , , , , , , , , , , ,908.6 Data source for : Production Sharing Contract(PSC) in Myanmar's Upstream Oil & Gas Sector (28 March 2012 EPD) Data source for Yadana from TOTAL Data source for Yetagun from PTT home page Data source for Zawtika 2014 from PTT home page Data source for Shwe from articles of newpapers 国内市場向けに供給している海底ガス田は Yadana Shwe Zawtika で Yetagun は全量がタイ向け輸出となっている Shwe ガス田からの輸出先は中国である 陸上ガス田は全量が国内向けとなっている Shwe および Zawtika ガス田の商業運転が開始されたことから 2014 年以降の天然ガス総生産量は約 2,000 mmscfd のレベルとなっている 2014/15 年度では 輸出用天然ガスは 82.8% 国内供給用は 17.2% 海底ガス田生産量は 96.9% 陸上ガス田生産量は 3.1% であった 天然ガス生産量実績の推移を ガス田別 輸出 国内 海底 陸上ガス田に分けて 以下のグラフに示す 2-19

32 平成 27 年度海外開発計画調査等事業 ミャンマー連邦共和国におけるガスの利活用に関する調査 mmscfd 2,200 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 Natural Gas Production in Myanmar Zawtika Shwe Yetagun Yadana Onshore ガス 別 mmscfd 2,200 2,000 1,800 1,600 1,400 1,200 Natural Gas Production in Myanmar Export Domestic 輸出 国内 1,000 1, mmscfd 2,200 2,000 1,800 Offshore Onshore Natural Gas Production in Myanmar 海底 陸上 1,600 1,400 1,200 1, Data source for : Production Sharing Contract(PSC) in Myanmar's Upstream Oil & Gas Sector (28 March 2012 EPD) Data source for Yadana from TOTAL Data source for Yetagun from PTT home page Data source for Zawtika 2014 from PTT home page Data source for Shwe from articles of newpapers 図 天然ガス生産量実績 ( 左上 : ガス田別 右上 : 輸出用 国内向け別 右下 : 海底 陸上別 ) (3) 天然ガスの成分 国内用に供給されている 3 海底ガス田および陸上ガス田のガス成分分析結果を以下に示す Yadana 産ガスは窒素成分が多く含まれ 他のガス田に比べて 25% ほど熱量が低い 2-20

33 出典 :JICA 電力 MP 表 ガス成分およびカロリー Field Offshore Onshore Yadana Zawtika Shwe NDN AYD Component Mole % Mole % Mole % Mole % Mole % METHANE ETHANE PROPANE I BUTANE N BUTANE I PENTANE N PENTANE Neo PENTANE HEXANE N CO H 2O H 2S GCV (BTU/scf) , ,026.5 (4) 天然ガスの流通図 に示すように ミャンマーで生産される天然ガスのうち 80~85% が輸出用に回され 国内供給用は 15~20% に過ぎない 天然ガスはミャンマーの最大輸出品目であり 2014/15 年度の天然ガス輸出額は USD 5,178.6 million 26 で総輸出額の 41.4% を占め 国家予算の約 1/4 に達する 輸出用ガスパイプラインは天然ガス生産オペレーターを中心とした JV で運営され 国内向けガスパイプラインは MOGE が運営している 海底ガス田 (Yadana Yetagun Shwe Zawtika) および陸上ガス田から輸送される天然ガスの流通模式図を以下に示す 26 Central Statistics Organization 資料 (April 2015) 2-21

34 Offshore Shwe Kyauk Phyu Gas Power Kyauk Phyu Yenachaung Taungtha Kyaukse Onshore Pipeline CHINA Exportto China Kyaukse Gas Power Onshore Ywama Gas Distribution Center Gas from onshore Ywathar Gyi Junction Ohnnae Booster Pump Station Kyaukwet Thargyita ung Sabe Ayadaw Gas from Yadana Daw Nyein Domestic Supply for Power & Industries Hlawga Ywama Ahlone Thaketa Toegaunggalay Junction South Dagon Valve Station Myainggale Thatone Mawlamyine Gas from Zawtika Peppi Shwepyit Apyauk Nyaungdon Indaing Yadana Offshore Gas Fields Zawtika Yetagun North of Dawei Onshore Pipeline Border THAI 出典 : Myanmar Time 03 August 2015, 15 June 2015, 30 April 2015, 22 February 2015 等をもとに調査団作成 図 天然ガス流通模式図 (5) 天然ガス生産の将来予測既存ガス田における天然ガス生産量の将来予測を把握できる明示的な材料を探し出すのは難しく 賦存量からこれまで生産した総量を減じれば残存量の推定は可能であるが 例えば Yetagun ガス田に関しては 既にピーク生産を過ぎ減産となりつつあるとの報道 27 もある 生産量のトレンド 賦存量から算定した残存量 コンセッション期間 (30 年 ) JICA 電力 MP 等をもとに天然ガス生産量の将来予測を以下のように試算した ( 図 2.2.4) なお 次期新規開発ガス田として期待される M-3 鉱区は 2020 年に商業生産が開始されると想定したが それ以外の現在探査中のガス田については試算に含めていない ラカイン沖で埋蔵量が確認された深海鉱区 A-6 については 商業運転まで少なくても 10 年かかる と報道 28 されている Yadana は 2027 年に Yetagun は 2029 年に生産開始から 30 年を迎え その頃までに枯渇 Shwe は賦存量からみて 2030 年までは安定的に生産を継続 Zawtika は賦存量が TCF と小さく 2030 年頃までに枯渇すると想定した 27 例えば Myanmar Times 22 February May The Daily NNA 2016 年 1 月 20 日 2-22

35 平成 27 年度海外開発計画調査等事業 ミャンマー連邦共和国におけるガスの利活用に関する調査 mmscfd 2,500 2,000 1,500 Natural Gas Production Record & Forecast in Myanmar M 3 Zawtika Shwe Yetagun Yadana Onshore ガス 別 Record up to 2014 Forecast after 2015 mmscfd 2,500 2,000 1,500 Natural Gas Production Record & Forecast in Myanmar Export to China Export to Thai Domestic 輸出 国内 Record up to 2014 Forecast after ,000 1, 出典 : 生産量のトレンド 賦存量から算定した残存量 コンセッション期間 (30 年 ) JICA 電力 MP 等をもとに調査団作成 図 天然ガス生産量実績および将来予測 ( 左 : ガス田別 右 : 輸出 国内別 ) MOGE によれば 2020 年から商業運転開始と見込まれる M-3 鉱区から全量が国内向けに供給され 29 生産量は 100 mmscfd 程度と想定している 新規ガス田として M-3 を含めた場合 天然ガス総生産量は 2019 年頃まで 2,000 mmscfd レベルを維持できるが 2020 年以降は減退に転じ 2030 年には 700 mmscfd レベルまで落ち込むと予測される M-3 鉱区に続く 新規開発ガス田からの供給がなければ 天然ガス輸出による外貨獲得が減少するだけでなく 国内においてもガス不足が深刻化し エネルギー危機が発生する可能性 30 がある なお タイは 2015 年 10 月にミャンマーからのガス供給の予測値を公表しており 各ガス田の 31 生産量がゼロになる年につき Yetagun は 2022 年 Yadana は 2024 年 Zawtika は 2029 年と予測し 上の予測値よりもガス生産が早期に減退すると見立てている 需給内訳と予測 (1) 発電用ガスの需給実績 ガス火力発電所における月間ガス供給量と所要量の推移を以下に示す 発電所へのガス供給量は 2011~2013 年の間は微増に留まっていたが Shwe および Zawtika からの供給開始に伴い 2013 年から 2014 年にかけて大幅に上昇している 一方 2013 年以降 新規ガス火力発電所 (623 MW) が投入 32 されてきたため 発電所へのガス供給率は改善されていない 2014/15 年度の年間平均ガス供給率 ( 供給量 / ガス需要量 ) は 58.0% であった ガス火力発電へのガス供給量を年間 月間別にまとめたグラフを以下に示す 2015 年 3 月のガス所要量 414 mmscfd 平均ガス供給量 266 mmscfd 月間平均ガス供給率 64.3% であった 雨季には水力の出力が増強されるため ガス供給量は 8 月 ~11 月に減少し 乾期に上昇する傾向がある 29 例えば Oil and Gas Sector in Myanmar (MOGE/27 March 2013) 30 MOGE 顧問の発言 (The Daily NNA 2016 年 1 月 20 日 ) 31 Thailand Gas Plan ( ), National Energy Policy Committee, Thailand 32 表 参照 2-23

36 mmscfd Natural Gas Supply for Power Sector (yearly) Offshore gas Onshore gas Data source : MEPE up to March mmscfd Natural Gas Supply for Power Sector (monthly) Shwe production Full operation of hydro Zawtika production Full operation of hydro 出典 : MEPE 資料 ( 月間ガス供給量 所要量等 ) から調査団作成 図 ガス火力発電所へのガス供給量 ( 年間 月間 ) (2) 国内用ガス需要の内訳 産業用ガス需要としては肥料工場 ( 尿素プラント ) LPG メタノール工場等 交通用ガス需要としては CNG 自動車用燃料として供給されている ミャンマー国内のガス関連施設のリストを以下に示す COD: Commercial Operation Date 表 ガス関連施設 Facilities Plant Capacity unit COD Maker No.1 Fertilizer (Sale) 465 MT/D 1970 Hitachi Zosen No.2 Fertilizer (Kyun Chaung) 207 MT/D 1971 PBG(Germany) Urea Plants No.3 Fertilizer (Kyaw Zwa) 600 MT/D 1985 UHDE(Germany) No.4 Fertilizer (Myaung Daga) 500 MT/D 2010 HQCEC(China) No.5 Fertilizer (Kan Gyi Dauk) 500 MT/D 2011 HQCEC(China) 2,272 MT/D LPG Extraction Plant (Minbu) 24 mmcfd 1986 Hitachi Zosen LPG Plant (Nyaungdone) mmcfd 2005 China LPG Plant (Kyunchaung) 8 10 mmcfd 2010 China Other Facilities Methanol Plant (Seiktha) 450 MT/D Bitumen Plant (Thanlyin) 548 MT/D CO2 Recovery Plant liquid 24 MT/D dry ice 6 MT/D Yangon City 40 No. Mandalay City 2 No. CNG Filling Yenangyaung Oil Field 2 No. Stations Chauk Oil Field 1 No. Total 45 No. Source : Oil & Gas Sector in Myanmar (MOGE/ 27 Feb 2013) 国内供給用天然ガスの内訳は下図に示すように 2014 年 4 月 ~11 月実績で 発電用 229 mmscfd (78%) 産業用 46 mmscfd (15%) 輸送部門 ( 交通用 )20 mmscfd (7%) となっている 近年はガス火力の割合が増加する傾向にある 2-24

37 mmscfd Monthly Gas Supply in 2014 Vehicle Industry Power mmscfd Industry and Transportation Gas power Apr May Jun Jul Aug Sep Oct Nov % 69% 68% 78% Gas Allocatoin to Gas Power and Other Sectors (Actual) 出典 :Daily Eleven 紙 (2015 年 2 月 13 日 )( 左 )Myanmar Times (2015 年 10 月 26 日 )( 右 ) から調査団作成 図 各分野へのガス供給量 (2014 年 4 月 -11 月 ) 上記の国内ガス需要実績から 産業用および輸送部門 ( 交通用 ) ガス需要の将来値としては 発電用ガス需要の 25%( 全体の 20%) 程度と想定する (3) 近隣諸国におけるガス需要の内訳上記のミャンマー国内ガス需要内訳想定と比較するために 近隣諸国におけるガス需要内訳を調査した PTT によれば 33 タイのガス需要は 2015~2030 年までほぼ一定で 約 4,700 mmscfd と予測している 2015 年 1~3 月のガス需要内訳は 発電用 58% GSP( ガス分離プラント )21% 産業用 14% 輸送部門( 交通用 NGV( 天然ガス車 ) )7% となっている 出典 : PTT Oportuinity Day (PTT 22 May 2015) 図 タイの天然ガス需要予測および需要内訳 33 PTT Opprtunity Day (22 May 2015) 2-25

38 ベトナムにおける 2013 年のガス需要内訳は 発電用 83% 尿素プラント 11% その他 6% で 発電所用ガス需要がミャンマーと同様に高い比率となっている マレーシアでは 発電用 56% 産業用 20% 非エネルギー 23% 輸送部門 ( 交通用 )1% 家庭用 0.1% である 出典 : Petrovietnam Gas Annual Report 2013 出典 : Malaysia Natural Gas Industry Annual Review 2014 図 ベトナムのガス需要内訳 (2013) 図 マレーシアのガス需要内訳 (2014) アセアン諸国では 各国で差はあるものの 総じて発電利用率が高く 暖房用ガス需要は存在せず 厨房 給湯等の民生利用は殆どない なお 厨房 給湯は 主に LPG 利用となる 中国の天然ガス需要は環境政策により大きく伸長し 消費は 2005 年から 2012 年にかけて 3 倍に増加した 内訳は 電力 熱供給 輸送部門 ( 交通用 ) 家庭消費が伸長している 電力セクターでは石炭火力から天然ガス火力への転換 熱利用では石炭から天然ガスへの転換が大きい また 輸送部門 ( 交通用 ) は 天然ガス自動車が伸びている 出典 : 中国 : 石油 天然ガス消費鈍化の要因と今後の見通し (JOGMEC 2015/3/19) 図 中国のガス需要内訳 (2005/2012) (4) 発電用ガス需要の将来予測現在計画中の IPP 発電所 MOU/MOA リストを参照して 2025 年のガス火力発電所総設備容量を 3,407 MW と見積もった ガス火力投入計画の予測を以下に示す 2-26

39 MW 6,000 5,000 Input Plan of Gas fired Power Plants in Myanmar Power plant out of Yangon Power plant in Yangon 4,000 3,000 2,000 1,000 0 出典 :MEPE 資料および JICA 電力 MP をもとに調査団作成 図 ガス火力発電所投入計画 上記ガス火力投入計画と各発電所のガス所要量から 火力発電所用ガス需要量は 2025 年 833 mmscfd 2030 年 1,119 mmscfd 発電所需要に加え産業 交通用需要を含むミャンマー全体のガス需要は 2025 年 1,041 mmscfd 2030 年 1,398 mmscfd と算定した 火力発電所用ガス需要量およびミャンマー全体のガス需要量グラフを以下に示す mmscfd 1,200 1, Power plant out of Yangon Power plant in Yangon 発電所 ガス需要 mmscfd 1,600 1,400 1,200 1,000 Other sectors Power sector ミャンマー全体のガス需要 出典 :MEPE 資料および JICA 電力 MP をもとに調査団作成 図 火力発電所用およびミャンマー全体のガス需要量予測 (5) ガス需給 ( 長期予測 ) ガス火力発電所総設備につき 2025 年までに 3,407 MW 2030 年までに 4,788 MW 整備し 産業用および交通用ガス需要を発電用ガス需要の 25%( 全体の 20%) とする条件と天然ガス生産将来予測に基づき 2030 年までのガス需給バランスを以下のように試算した M-3 鉱区以外の新規ガス田からの供給がないと想定した場合 天然ガス不足量は 2019 年までは微増に留まっているが 2020 年以降は急上昇する 2020 年には 274 mmscfd 2025 年には 655 mmscfd 2030 年には 1,093 mmscfd が不足すると見積られる 2-27

40 mmscfd 2,000 1,500 1,000 Forecast of Gas Demand Supply Balance in Myanmar Gas demand Gas supply Gas shortage 2,000 1,500 1, (500) (500) (1,000) (1,000) 出典 : MEPE 資料および JICA 電力 MP をもとに調査団作成 図 年までのガス需給分析 (6) ガス需給 ( 電力 ガス供給シミュレーションによる検証 ) 現時点におけるミャンマー全体のピーク電力は設備容量の半分程度であり National Energy Policy (2014) および JICA 電力 MP では 2030 年の電力需要約 14,000 MW に対し 電源設備として約 24,000 MW の投入を計画している しかし 水力設備の稼働率は 40% 程度に限定される一方 新規投入されるガス火力発電機器の稼働率は 70% 以上確保できると考えられることから 各電源の具体的な設備容量を設定し さらに石炭火力が導入されないケースも考慮に入れた上で 想定した日負荷パターンに基づき 目標とするピーク電力 (MW) と電力量 (GWh) の確保可否 ガス需要量 平均電力単価などについて検討する 2030 年電力需要に対する需給シミュレーション表 に示すように 2030 年のピーク電力需要は High case 14,542 MW Low case 9,100 MW 年間電力量は High case 77,730 GWh Low case 48,639 GWh である 主力電源として 水力設備容量 9,000 MW( ピーク稼働率 40% として実効ピーク出力 3,600 MW) およびガス設備容量 4,800 MW( ピーク稼働率 70% として実効ピーク出力 3,400 MW) を据え 総需要 11,500 MW を満たす他の電源として石炭火力 3,000 MW 電力輸入 1,000 MW 太陽光 500 MW を基本ケース (Case-1) 代替案として石炭火力がないケース (Case-2) 石炭火力無しでガス火力ピーク出力 4,800 MW(Case-3) として 3 ケースについてシミュレーションを行い ピーク出力 年間電力量 平均電力単価 ガス供給量を算出する 検討ケースを以下に要約する 表 シミュレーション検討ケース ピーク出力 (MW) 電源 Case-1 Case-2 Case-3 石炭有 / ガス 70% 石炭無 / ガス 70% 石炭無 / ガス 100% 水力 3,600 3,600 3,600 ガス火力 3,400 3,400 4,800 石炭火力 3, 電力輸入 1,000 1,000 1,000 太陽光 合計 11,500 8,500 9,900 出典 : 調査団作成 2-28

41 Case-1 の日負荷として以下に示すパターンを想定した MW Assumed Load Curve in ,000 12,000 10,000 8,000 6,000 4,000 2, Time in hour 出典 : 調査団作成 図 想定日負荷パターン (2030 年 ) シミュレーションにおいて 各電源の発電コストとして水力 UScent 5.4/kWh (Ks.70/kWh) ガス UScent 12/kWh 石炭 UScent 8/kWh 太陽光 UScent 13/kWh 送配電ロスとしてガス / 石炭火力 / 太陽光 ( 都市近郊 )10% 長距離送電が必要な水力 / 電力輸入は 15% と仮定した 算定結果を図 ~ に示す MW 12,000 Power Source Allocation in 2030 (basic) Annual power supply : 71,400 GWh 10,000 8,000 6,000 4,000 2, Solar Hydro Gas Import Coal hour Peak power : 10,800 MW Peak (coal) : 3,000 MW Peak (gas) : 3,400 MW Peak (hydro) : 3,600 MW Peak (import) : 1,000 MW Peak (solar) : 500 MW Annual energy : 71,400 GWh Unit power cost: 8.54 UScent/kWh 111 Ks/kWh 出典 : 調査団作成 図 シミュレーション Case-1 シミュレーション Case-1 では ピーク出力 10,800 MW 年間電力供給量 71,400 GWh となっており 目標とするピーク電力 (14,542 ~ 9,100 MW) 電力量 (77,730 ~ 48,639 GWh) の範囲内に収まる 平均電力コストは 8.54 UScent/kWh (Ks. 111/kWh) と見積られた 2-29

42 MW 12,000 Power Source Allocation in 2030 (without coal) Annual power supply : 47,800 GWh 10,000 8,000 Solar 6,000 4,000 2, Hydro Gas Import hour Peak power : 7,800 MW Peak (gas) : 3,400 MW Peak (hydro) : 3,600 MW Peak (import) : 1,000 MW Peak (solar) : 500 MW Annual energy : 47,800 GWh 出典 : 調査団作成 図 シミュレーション Case-2 シミュレーション Case-2 は ピーク出力 7,800 MW 年間電力供給量 47,800 GWh となっており 目標とするピーク電力 (14,542 ~ 9,100 MW) 電力量 (77,730 ~ 48,639 GWh) を若干下回る MW 12,000 10,000 Power Source Allocation in 2030 (without coal /with gas reserve) Annual power supply : 57,600 GWh 8,000 Solar Hydro 6,000 Gas reserve 4,000 2, Gas Import hour Peak power : 9,257 MW Peak (gas) : 4,857 MW Peak (hydro) : 3,600 MW Peak (import) : 1,000 MW Peak (solar) : 500 MW Annual energy : 57,600 GWh 出典 : 調査団作成 図 シミュレーション Case-3 シミュレーション Case-3 は ピーク出力 9,257 MW 年間電力供給量 57,600 GWh となっており 目標とするピーク電力 (14,542 ~ 9,100 MW) 電力量 (77,730 ~ 48,639 GWh) の範囲内に収まる 石炭火力の投入がない場合でも ガス火力設備 4,800 MW を稼働させることで ターゲット範囲内の需要を満たすことは可能である このガス火力設備運転に必要な天然ガスは 994 mmscfd 産業 交通用に 249 mmscfd ガス総需要量は 1,243 mmscfd と見積った ガス総需要量 1,243 mmscfd と 2030 年のガス需要 1,398 mmscfd の差は 上記シミュレーションで夜間の需要量低下に合わせてガス火力出力を絞ったことによる (7) ガス需給 ( まとめ ) National Energy Policy (2014) に従って 2030 年までにガス火力 4,800 MW を整備する場合 発電所の稼働率と運転パターンにより供給量は変動するが 石炭火力の導入が進まない可能性を考慮すると 4,800 MW を 100% 稼働させるだけの天然ガスを確保することを目標におくことが望まし 2-30

43 平成 27 年度海外開発計画調査等事業 ミャンマー連邦共和国におけるガスの利活用に関する調査 い ガス需要量およびガス供給量からガス需給は以下に要約 34 される 表 ガス需給予測 unit : mmscfd 2015 年 2020 年 2025 年 2030 年 発電 ガス需要 ,119 産業 交通 ガス需要 合計ガス需要 ,041 1,398 ガス供給量 供給率 (%) 76.7% 65.0% 37.1% 21.8% ガス不 量 ,093 出典 : 調査団作成 2013/14 年以降 Shwe および Zawtika ガス田から国内向けの天然ガス供給が開始されたが 電力需要の伸びにガス供給が追い付かず ガス供給率は 2025 年には 37.1% その後新規ガス田の産出が無い場合は 2030 年には 21.8% まで低下する ガス不足量は 2020 年 274 mmscfd 2025 年 655 mmscfd 2030 年 1,093 mmscfd に達すると予測される 特に 2020 年以降におけるガス不足の深刻化が著しい ガス需給が逼迫する中で 次の対応を進める必要がある 現在探査中の新規ガス田における商業生産開始時期および生産量の早期確定 新規ガス田の生産が見込めない場合を想定した対策として LNG 輸入の検討 ガス輸出の状況と契約内容主要な海上ガス田は タイ向けに Yadana, Yetagun, Zawtika, 中国向けに Shwe の4カ所がある 天然ガス生産量は 2004~12 年で 1,200 mmscfd 13 年が 1,400 mmscfd 15 年が 2,000 mmscfd となっている オフショアガス田のオペレータ シェアホルダー 契約取引量 確認埋蔵量 設備の概要は下表のとおりである 34 図 と等価 2-31

44 表 オフショアガス田 Location Yadana Yetagun Zawtika Shwe Block M-5, M-6 M-12, M-13, M-14 M-11, M-9 A-1, A-3 Operatpr Total Petronas PTTEPI Daewoo International Sellers Total: 31.24% Unocal: 28.26% PTTEP: 25.50% MOGE: 15.00% Petronas; 40.75% JX Nippon Oil & Gas Exploration: 19.40% PTTEP: 19.40% MOGE: 20.45% PTTEPI: % MOGE: % Daewoo: % OVL: % GAIL: 8.50 % KOGAS: 8.50 % MOGE: % Buyer PTT PTT PTT China Oil&MOGE Reserves 7.91 TCF 4.35 TCF 3.07 TCF TCF Export DCQ 525 mmcfd/565 mmcfd 200/260/400 mmscfd 240 mmscfd 400 mmscfd Domestic DCQ 124 mmcfd - 60 mmscfd 100 mmscfd Gas export start Aug Jul Project cost 1,200 mil US$ 700 mil US$ 2,600 mil US$ Wells and platform facilities 14 Production wells, three Wellhead Platforms, one Processing Platform, one Quarters Platform, one Medium Compression Platform & one Flare Platform Drilling Platforms ( 6 Wells + 4 additional), Production Platform, FSO, Pipeline Center, Metering Station, Booster Compression Platform Pipeline Center (ZOC) ZAWTIKA Gas Metering Station (ZMS) ZAWTIKA Processing & Living Quarter Platform Wellhead Platform Onshore Gas Terminal Supply Base And Jetty SHWE Central Processing Platform MYA- North Subsea manifold 出典 :MOGE 資料および PTT 資料より調査団作成 (1) Yadana Yadana は 1998 年 7 月にミャンマー初のオフショアガス田として操業を開始した 14 の生産井と合計 5か所のプラットフォームを有する 36 インチのパイプラインでミャンマー南部の陸揚げ地点を経由しタイへガスを輸出する また 2010 年に 24 インチのパイプラインを国内ガス需要のために MOGE が設置し Daw Nyein を経由してヤンゴンへ送ガスしている オペレータは TOTAL である 契約割当量は タイへの輸出は 545 mmscfd 国内向けは 124 mmscfd である (2) Yetagun Yetagun は 2000 年 4 月に操業を開始した オペレータは Petronas である Yadana と同様に天然ガスパイプラインはミャンマー南部に陸揚げされ タイに送られる ミャンマー側への割り当てはなく 全てタイへの割り当てとなっている Yetagun の生産量は 2005~2013 年は 400 mmscfd 前後で推移してきたが 2014/15 年は 362 mmscfd 2015 年第 2 四半期には 299 mmscfd まで落ち込んでいる (3) Zawtika Zawtika は 2014 年に操業を開始した ( 国内向けは 2014 年 3 月 輸出は 2014 年 8 月供給開始 ) PTTEP が開発権益の 80% MOGE が 20% を持つ Zawtika では現在 350~360 mmscfd の天然ガスを産出 35 しており ミャンマー国内割り当ては 3 割弱である 輸出の契約供給量は 240 mmscfd 国内契約供給量は当初は 60 mmscfd となっていたが 現在野の国内供給量は 80~ 100mmscfd となっている Zawtika では生産プラットフォーム 3 機稼働中 4 機建設中である タイ国営石油傘下の PTTEP は Zawtika のある M-9 鉱区で調査を行い 採掘を拡大し生産量を引き上げる計画である 2014 年にさらにプラットフォームを追加する為の調査を PTTEP が 35 NNA 21 Aug

45 行った (4) Shwe Shweは 2013 年 7 月に操業を開始した Shwe からのガスのミャンマー国内割り当て分の配分の為に バルブステーションが4か所あり ミンジャン発電所などへのガス供給 36を行っている Shwe のガスパイプラインは現在 主要消費地である中国昆明まで繋がっている さらにミンジャンでは 225 MW のガス火力が計画中であり これが開始すれば Shwe の割り当て量を用いることになる また Shwe パイプラインからミャンマー中部の Shwedaung までガスを供給する計画がある (5) ガス産出量の傾向 Yadanaは 2014 年 4 月に 150 mmscfd から 225 mmscfd に Zawtika は 60 mmscfd から 100 mmscfd に各々増産されている Shwe のガス生産量はしばらく維持される見込みであるが 現在も国内ガス需要に対して供給量は不足しており また 国内ガス生産量は全体的に減衰傾向にある (6) ガスの買い戻しの可能性について 国内のガス供給量不足に対し タイ及び中国へ輸出しているガスを買い戻す可能性が考えられるが ガスの輸出契約は両国政府間のセンシティブな協議事項であるため 買い戻しは検討外とすることを MOE と MOGE から要請され ガス需給予測を行った 新規有望ガス田 新規のガス田として M-3 鉱区が新規ガス田では最も生産が早いと期待されている この鉱区はヤンゴン沖にあり 約 1,217 km 2 の面積を有する 2020 年の生産開始を目途にしており mmscfd 生産が期待されている M-3 鉱区はタイの PTTEP South Asia Limited が 75% 同じくタイの Palang Sophon Offshore 社が 10% 本邦の MOECO が 10% 及びミャンマーの Win Precious Resources 社が 5% の権益を有している M-3 からのガスの輸出は行われず 全てが国内向けとなる その他オフショア鉱区でのガス生産が開始されるのは早くても 2025 年以降の見込みであり それまでは M-3 鉱区以外の新規ガス田からの生産は期待できないと言われている 2025 年以降のガス生産に関しては A-6 鉱区 ( 豪 /Woodside) が比較的早期に生産開始となると NEMC は期待している M-3 鉱区及び M-6 鉱区の位置を下図に示す 36 ミンジャン Aggreko ガスエンジン発電所 95 MW が 2015 年 4 月に運転開始した 2-33

46 出典 :MOGE 資料を元に調査団作成 図 M-3, A-6 鉱区位地図 2.3 国内既存ガスパイプラインの現状 緬 - タイ間 緬 - 中間 緬国内のネットワーク (1) 陸上パイプライン 既存の陸上パイプラインのうち 国内向けパイプラインは MOGE の資産である 一方 オフショアガス田からの海底パイプラインについては ヤンゴン向けの Yadana からのパイプラインは MOGE の 輸出用パイプラインは各オペレータの資産となっている (2) タイ輸出用パイプライン タイへガスを輸出しているパイプライン図を 下図の通り示す 2-34

47 Yangon Thatone Mawlamyine M 3 Yadana PTTEP (2018??) MOGE Pipeline 24" 180 mile Kanbauk Total (1998) Baan ITong Zawtika Dawei PTTEP (March 2014) Petronas (2000) Map Ta Phut Yetagun 出典 :Total 作成図を元に調査団追記 図 ミャンマー南部の既存ガスパイプライン Yadana, Zawtika Yetagun それぞれのオフショアガス田からタイ向けのパイプラインが敷設されている Yadana は口径 36 インチで海底 348 km 陸上 63 km で 1998 年に敷設された Zawtika は口径 28 インチで海底 230 km 陸上 70 km で 2014 年敷設 Yetagun は口径 24 インチで海底 203 km 陸上 68km で 2000 年敷設である これらのパイプラインはミャンマー南部で陸揚げされ タイとの国境の Baan I-Tong までそれぞれのパイプラインで送られる Baan ITong において 3 か所の油田のガスが混合され 口径 42 インチのパイプラインで タイのラチャブリガス火力発電所に送られている (2) 中国輸出用パイプライン 中国へガスを輸出しているパイプライン図を 下図の通り示す 2-35

48 出典 : 調査団作成 図 Shwe ガス田からのパイプライン図 Shwe ガス田から中国へガスを送るパイプラインは口径 40 インチで 長さ 793 km である 2013 年に敷設された Shwe から中国パイプラインには Kyaupyu, Yenangyaung, Taungtha, Belin の 4 か所のオフテイクポイントがあり ミャンマー国内割り当て分のガスを供給している それらのオフテイクポイントからのガスを使用し Kyaukpyu (45 MW), Myingyan (95 MW), Kyaukse(102 MW) のガス火力が稼働を開始した さらに Kyaukphyu で 50 MW Myngyan で 225 MW の火力発電が新規に計画されている 整備計画 (1) 南部パイプライン更新ヤンゴン向け主要輸送パイプラインである南部パイプライン (20 インチ管 ) には防食用のポリエチレン被覆コーティングの施されていない裸管が混在している このため 現在 腐食減肉の可能性等から操業圧力を 600 psi 以下に抑えて運用している このパイプラインについては MOGE が自己資金で毎年 35 マイル (56 km) ずつ 5 年間 合計 166 マイル (256 km) 分を更新する計画であり 更新後には操業圧力を 850 psi まであげて運用することが可能となる パイプライン更新の結果 当該パイプラインのガス漏洩リスクが大幅に減少し安全性が格段に向上するとともに 現在の輸送能力 100 mmscfd( 現在は生産能力が律速となり通常 80 mmscfd にて操業 ) が 115 mmscfd 程度まで増強される (2) ヤンゴン近辺のパイプライン増強ヤンゴンの Yadana, Hlawga, Thaketa の各ガス火力発電所や産業重要に向けたガスを送付する為に MOGE は 2015 年にヤンゴンのパイプラインネットワークを 30 インチ管 ( 最高使用圧力 7 MPa 2-36

49 平成27年度海外開発計画調査等事業 ミャンマー連邦共和国におけるガスの利活用に関する調査 口径 30 インチ 肉厚 15.9 mm 材質 API X65 で増強した ヤンゴン周辺のパイプラインネット ワークを下図に示す 出典 Myanmar Times(8 Dec 2014) MOGE 資料を元に調査団作成 図 ヤンゴン周辺パイプラインネットワーク図 2-37

50 2.4 ミャンマーのガス関連事業に関する政策 制度 規制及び実態 ガスサプライチェーン ガスのサプライチェーンは 下図に示す通り 生産 オフショア 陸上パイプライン輸送 及び卸売 小売に分けられる Gas Productoin Off shore Pipeline Onshore Pipeline Wholesale/Retail/Export MEPEfor gas power Onshore gas field Onshore pipeline for domestic supply Factories Offshore gas field CNG stations Bus, taxi Shwe Yadana Zawtika Offshore pipeline Offshore pipeline for domestic Offshore pipeline Offshore pipeline Onshore pipeline for export Onshore pipeline for export Onshore pipeline for export Export (China) Export (Thailand) Yetagun Offshore pipeline Onshore pipeline for export 出典 : 調査団作成 図 ミャンマーのガスサプライチェーン オフショアガス田は外資企業と MOGE が JV としてシェアを有し オペレータシップを持つ外資企業が運営している 陸上ガス田のガス生産と国内向けガスパイプラインは MOGE が投資 運営を行っている ガス田によりガスの供給先は異なる 陸上ガス田からのガスは全て国内向けとなっている 一方オフショアガス田のうち Shwe は中国向けのパイプラインを通して一部のミャンマー割り当て分がオフテイクポイントから国内へ送られる Yadana は直接ヤンゴンへ向かう国内向けパイプラインと タイへ向かう輸出用パイプラインを有している Zawtika はタイ向けのパイプラインを有しているが 一部ミャンマー割り当て分のガスが南部の陸揚げ地点からミャンマー国内へ送られている Yetagun のガスは全量タイへ送られる 国内向けのガスの内 7~8 割が MOGE からガスの最大需要家である MEPE に火力発電用に卸売で電力向け価格で販売される また 政府系の肥料工場 製鋼所 セメント工場に MOGE より産業向け価格で販売されている ガス小売りとしては MOGE がバス タクシーなど交通セクター向けに CNG サービスステーションで CNG を販売している なお MOGE はヤンゴンにおいて 41 の CNG ステーションを運営している CNG を使用する車両は 2015 年現在 26,849 台である 37 CNG 価格には 75% の補助金が入っている 今後補助率は 50% になる見込みである 37 Myanmar Times, May 15,

51 2.4.2 入札状況 (1) 鉱区 オフショアガス田は外国投資法に基づき外資のみの投資で可能とされており 陸上ガス田はミャンマー側との JV が必要となっている 陸上ガス田は 2011 年と 2013 年 1 月の二回にわたり入札が行われ 現在 17 の鉱区 12 の会社によって運営されている オフショアガス田は 20 カ所の海上鉱区の採掘が許可された 38 Yadana, Yetagun, Zawtika, Shwe の四か所が生産中であり M-3 が開発中である 合計 20 の鉱区で 9 社が運営中である これに加え 2013 年 10 月と 2014 年 2 月に石油 天然ガス採掘権入札が実施された 鉱区ごとに落札した外国企業とミャンマー側パートナーを 下表に示す 38 NNA 19 Aug

52 表 年 2014 年に入札で鉱区を獲得した国際 ミャンマー国内企業 Block Ownership of International Companies Ownership of Myanmar Partner Onshore Blocks awarded in October 2013 PSC B-2 ONGC Videsh Limited (India) Machinery & Solutions Co. Ltd PSC C-1 Pacific Hunt Energy Corp (Canada) Young Investment Group EP-1 Brunei National Petroleum Company (Brunei) IGE Pte. Ltd EP-3 ONGC Videsh Limited (India) Machinery & Solutions Co. Ltd EP-4 JSOC Bashneft (Russia) UNOG Pte. Ltd H Pacific Hunt Energy Corp (Canada) Young Investment Group IOR-4 MPRL E&P Pte. Ltd (British Virgin Islands) Myanmar Petroleum E&P Co., Ltd. (MPEP) IOR-5 PETRONAS Carigali Myanmar Inc. (Malaysia) (owned by Petroleum Nasional Berhad UNOG Pte. Ltd (PETRONAS)) IOR-6 MPRL E&P Pte. Ltd (British Virgin Islands) Myanmar Petroleum E&P Co., Ltd. (MPEP) IOR-7 PETRONAS Carigali Myanmar Inc. (Malaysia) UNOG Pte. Ltd PSC-J Petroleum Exploration (PVT) Ltd (Pakistan) Parami Energy Development PSC-K Eni (Italy) Myanmar Petroleum E&P Co., Ltd. (MPEP) MOGE-4 CAOG s.a.r.l. (Luxembourg) Apex Geo Services Co. Ltd MOGE-3 PTTEP South Asia Ltd (Thailand) Win Precious Resources Pte. Ltd PSC-O Petroleum Exploration (PVT) Ltd (Pakistan) Precious Stone Mining Co. Ltd RSF-5 Precious Stone Mining Co. Ltd Myanmar Petroleum E&P Co., Ltd. (MPEP) Offshore Shallow Water Blocks awarded in March 2014 A-4 BG Asia Pacific Pte Ltd (UK), Woodside Energy (Myanmar) Pte Ltd (Australia Myanmar Petroleum E&P Co., Ltd. (MPEP) A-5 Chevron (Unocal Myanmar Offshore Co. Ltd) Royal Marine Engineering Co., Ltd A-7 Woodside Energy (Myanmar) Pte Ltd (Australia), BG Asia Pacific Pte Ltd (UK) Myanmar Petroleum E&P Co., Ltd. (MPEP) M-4 Oil India Limited (India), Mercator Petroleum Limited (India), Oilmax Energy Pvt Ltd (India) Oil Star Management Services Co., Ltd M-7 ROC Oil Company Limited (Australia), Tap Oil Ltd Smart E&P International Co., Ltd (Australia) M-8 Berlanga Holding BV (Netherlands) A-1 Mining Co., Ltd M-15 Transcontinental Group (TRG) (Australia), Century Bright Gold Co., Ltd, subsidiary of Canadian Foresight Group Ltd. (Canada) KMA Group M-17 United National Resources Development Reliance Industries Ltd (India) M-18 Services Co., Ltd YEB Oil India Limited (India), Mercator Petroleum Limited (India), Oilmax Energy Pvt Ltd (India) Oil Star Management Services Co., Ltd Offshore Blocks awarded in March 2014 AD-2 Oil India Limited (India), Mercator Petroleum Limited (India), Oilmax Energy Pvt Ltd (India) Oil Star Management Services Co., Ltd AD-3 Ophir Energy Plc (UK) Parami Energy Development Co., Ltd AD-5 Woodside Energy (Myanmar) Pte Ltd (Australia) Myanmar Petroleum E&P Co., Ltd. (MPEP) AD-9 Mitsui Oil Exploration Co Ltd (MOECO) (Japan) no Myanmar partner AD-10 Statoil (Norway) no Myanmar partner AD-11 Shell Myanmar Energy (Pte) Ltd (Anglo-Dutch) no Myanmar partner MD-2 Eni Myanmar BV (Italy) no Myanmar partner MD-4 Eni Myanmar BV (Italy) no Myanmar partner MD-5 Shell Myanmar Energy (Pte) Ltd (Anglo-Dutch), Mitsui Oil Exploration Co Ltd (MOECO) (Japan) no Myanmar partner YWB Total E&P Activités Pétrolières (France) no Myanmar partner (WHO ARE THE REAL WINNERS OF MYANMAR S LATEST OIL AND GAS BLOCK SALES?, Global Witness, June 2014 より作成 ) 2-40

53 出典 : WHO ARE THE REAL WINNERS OF MYANMAR S LATEST OIL AND GAS BLOCK SALES?, Global Witness, June 2014 を元に調査団作成 図 ミャンマー 2013 年 2014 年石油 ガス鉱区入札図 (2) パイプライン 2014 年に ヤンゴン管区内の口径 30 インチパイプラインの整備の為の入札が実施された Yadana 発電所 Hlawga 発電所 Ywathagyi Junction Toekyaungkalay Junction South Dagon Valve Station を経由し Thaketa 発電所まで合計 56 km を結ぶものである また 南部の約 330 マイルの口径 20 インチ陸上パイプラインを更新中である MOGE からの聴取によると この内半分の区間の更新は完了した 一方 残る部分約 166 マイル分について 今後入札が実施される予定である 2-41

54 2.4.3 生産分与契約 (PSC) ミャンマーにおける標準的な生産分与契約 (Production Sharing Contract) の主要項目を以下に整理する 項目 ロイヤルティ Royalty サインボーナス Singature bonus 生産ボーナス Production bonus データフィー Data fee コストリカバリー Cost recovery 利益配分 Production split 国内供給義務 Domestic requirement 所得税 Income tax バックインオプション Back-in option 表 PSC の主要項目概説 内容 事業者は 収入または現物の 12.5% を支払う ( ミャンマー政府の選択による ) 事業者は 交渉で合意した金額を契約締結時のボーナスとして支払う 通常 USD 1 ~ 15 million の範囲で 鉱区により異なる ( コストリカバリー対象外 ) 陸上ガス田は初回 USD 500,000 生産量に応じて最大 USD 6 million 海底ガス田は初回 USD 1 million 生産量に応じて最大 USD 10 million 事業者は MOGE から取得するデータ一式に対し 契約で合意した額のデータフィーを支払う 通常 USD 100,000~250,000 で 金額はデータ内容により異なる 事業者は所定範囲内で生産コストを回収できる ロイヤルティとコストリカバリー後に残った利益を MOGE と事業者間で日生産量に応じて配分する (55 : 35 ~ 90 : 10 の範囲 ) 事業者は 25% までを上限に 国内市場向けとして 市場価格の 90% 価格で MOGE に供給する義務を負う 25% 以上の超過分については 割引はない 2012 年 4 月 1 日以降 所得税率は 25% となった 商業規模の鉱区が新たに発見された場合 MOGE は事業者の PSC 上の権益に後から参加する権利を有する 陸上鉱区 :15% オプションで最大 25% まで海底鉱区 : 上限 20% 埋蔵量が 5 tcf 以上では上限 25% 出典 : 海外投融資 2012 年 7 月号 ( 海外投融資情報財団 ) 海外投資規制 許認可 所轄官庁 投資インセンティブ (1) 石油 ガス法 ミャンマーの石油 ガスにかかる法律 Petroleum Act は 1918 年制定のもので 以下の関連の法規制がある これらは既に古く 現状にそぐわないものとなっている - The Oilfields Act (1918) - The Oilfield Rules (1936) - The Petroleum Act (1934) - The Petroleum Rules (1937) - The Essential Supplies and Services Act (Law No. 13/2012) - The Oilfields (Labour and Welfare) Act (1951) - The Petroleum Resources (Development Regulation) Act (1957) - The Law Amending the Petroleum Resources (Development Regulation) Act (1969) - Oilfield (Workers and Welfare) Act (1951) 2-42

55 - The Myanmar Petroleum Concession Rules (1962) 実情は 上の法律ではなく 外国投資法及び PSC 契約の規定に則って運用されている 現在 石油 ガス法を 石油 ガス LNG LPG CNG などすべて含む法令とするよう改定中であり MOE は草案を議会に提出した 司法長官はこの新石油 ガス法の草案を承認済である 草案は公表されておらず 2016 年 4 月以降の議会で審議される見込みである (2) 外国投資法 (Forign Investment Law, FIL) ガス事業に関わる外資は 外国投資法に則り投資を行う 外国投資を奨励する為に 2012 年 11 月に外国投資法が施行された 同法は外国企業に投資や土地使用権利を保障し 登録 認可手続きを簡素化し 免税措置などのインセンティブを提供している ミャンマー投資委員会 (Myanmar Investment Committee, MIC) が投資案件を審査し 通達を発行している MIC は政府機関 非政府機関の代表者から構成される 2015 年現在 MIC は 13 名の議員からなり 議長はエネルギー省大臣である また メンバーは国家計画経済開発省 財務省など各省 DICA 長官 法務長官他 民間よりミャンマーエンジニア協会 企業家等から成る MIC は政策の合致度 資金信頼性 企業の経済的連帯意識と現行法への適合についての審査基準に基づき 投資認可を行う 外国投資法に基づき MIC の投資認可を受けた場合は いかなる事業も契約期間 延長期間内に国有化されることはなく 事業が契約期間満了前に中止させらることはない事をミャンマー政府は保証している 外国投資法におけるインセンティブと規制を下表にまとめる 種別最低資本金外貨送金租税減免土地使用権参入禁止分野 表 外国投資法におけるインセンティブ 規制事項 インセンティブ 規制事項 製造業 50 万 US$ サービス業 30 万 US$ 以下三点については 外国銀行業務を行う権利を有する銀行を通し 公定レートにより外貨送金を行う事が可能 : 1) 投資家の持ち込んだ外国通貨 2)MIC 認可に基づき外国資本を持ち込んだ個人が引き出した外国通貨 及び 3) 外国資本を持ち込んだ個人が受け取った年間利益から租税 積み立てを控除した純利益 法人税事業開始から 5 年 減価償却を利益から控除 製造業が生産 輸出した製品の利益から最大 50% 法人税減免 3 年間の損失繰越 事業立ち上げ期間中に輸入した機械設備 材料についての関税免税 事業立ち上げ後 3 年間の生産の為輸入する原材料の関税免税 等 事業 産業の種別及び投資額に応じ 土地を使用する権利を最初 50 年認める (10 年の延長 及び延長期間満了後更に 10 年延長可 ) 1) 国内の民族の伝統的文化 習慣に影響を与えるう事業 2) 公衆衛生に影響を与えうる事業 3) 自然環境 生態系に被害を与えうる事業 4) 国内に危険 有害廃棄物を持ち込みうる事業 5) 国際協定における危険な化学物質を製造 使用する事業 6) 施行規則により規定される製造業およびサービス業 7) 外国で試験中または使用許可を得られていない技術 医薬品 機器などを持ち込みうる事業 8) 耕作農業ならびに短期的 長期的農業 9) 畜産業 10) 海洋漁業 11) 経済区域として指定された地域以外の国の領土と外国が接する境界から 10 マイル以内で行なう外国投資事業 出典 Foreign Investment Law (2012) 2-43

56 外国投資法に寄らないサービス業 外国法人支店などは 会社法に基づいて営業許可を得る 会社法に基づく場合 土地使用は 1 年に限るなど制限がある (3) 国営企業法 天然ガスの採掘 販売は国営企業法に基づき民間参入が制限されている ただし 国益に結びつく場合 ミャンマー政府は個別に民間参入を認めている 現在 ガス田の採掘は 海洋鉱区 陸上鉱区の入札を通して外国資本が鉱区毎に事業権を獲得している 一方 ガスの電力への卸売り CNG などの小売は MOGE が独占的に行っている (4) ミャンマー投資委員会 (MIC) 通達 外国投資法の施行細則として MIC は通達 (Notification) で 投資制限分野や免税 課税についての細則を発行している 1)MIC 通達 2014/49: 外国投資制限分野 2014 年 8 月 14 日付の MIC 通達により 2014/49 外国企業に認められない分野 ミャンマー側と合弁によってのみ認められる分野 特定条件でのみ認可される分野が下表の通り定められた 以下にによると 圧縮ガス 産業用ガスにかかる投資はミャンマー側と合弁でのみ許可される 表 MIC 通達による投資制限分野種別事業分野 外国企業に許可されない事業エネルギー省と JV でのみ許可される事業ミャンマー側と JV でのみ許可される事業 100 % 外資可能とみなせる事業 1) 防衛関連軍需品製造 サービス 2) 自然林の保護 管理 3) 翡翠 宝石の試掘 探掘 生産 4) 中小規模の鉱物製品製造 5) 電力系統管理 6) 電気工事点検サービス 7) 航空管制サービス 8) 川等での金を含む鉱物資源の採掘 9) 水先案内サービス 10) ミャンマー政府の許可の無い印刷業と放送事業の一体運営 11) ミャンマー語含む国内民族言語での定期刊行物出版 1) 石油 ガス 石油製品の貯蔵タンク 荷揚げ 荷降ろし用桟橋 輸入 輸出 運搬 貯蔵 流通用パイプラインと関連設備の建設 設置 2) 地質 地球物理 地球化学的手法による石油 ガスの開発と精製にかかる機器 スペアパーツの輸入 生産 設置 3) 石油 ガスの開発 生産 研究にかかる機械 機器 スペアパーツの輸入 生産 設置 (4) 石油 ガスパイプラインの輸送 設置 建設にかかる機械 機器 スペアパーツの輸入 生産 設置 (5)) オフショアプラットフォームの設置 建設にかかる機械 機器 スペアパーツの輸入 生産 設置 (1) 雑種種子 (2) 高収量種子 (3) 穀物加工食品 (4) 菓子 (5) 食品 (6) 麦芽等 (7) 蒸留酒等 (8) 氷 (9) 飲料水 (10) 縄等 (11) 食器等 (12) プラスチック製品 (13) ゴム製品 (14) 包装 (15) 皮革 皮革製品 (16) 紙製品 (17) 国内調達可能な天然資源利用の化学製品 (18) 燃料 エアロゾル (19) 圧縮ガス等 (20) 腐食性化学品 (21) 産業用ガス (22) 薬品原材料 (23) 中小規模電力 (24) ゴルフコース リゾート施設開発 (25) 住宅用アパート コンドミニアムの開発 販売 リース (26) オフィス 商業施設の開発 販売 27) 工業団地に隣接した住宅地区での住宅用アパートの開発 販売 リース 28) 大衆向け住宅開発 29 30) 国内 国際線航空サービス大規模鉱物資源開発 ビル 橋梁等の建設に使用するコンクリート製品及び鉄骨フレームの製造 橋梁 高速道路 バイパス 地下鉄等の鉄道 道路網の開発 建設 観光業 ホテル事業 倉庫業 出典 : MIC Notification 2014 No

57 上表の通り ガスの開発 パイプラインの建設にかかる事業は 全てエネルギー省との合弁でのみ許可される事業とされている 2) MIC 通達 2014/50: 環境影響評価が必要な事業 MIC 通達 2014/50 は 環境影響評価 (EIA) が必要な事業について 30 分野を指定している この内 ガス関連事業については 2 石油 ガスの開発 掘削 生産および石油精製設備の建設 5 石油 ガスのパイプラインの掘削 設置 建設 として環境影響評価が必要な事業に含まれている EIA は環境保全森林省 (MOECAF) の制定した Notification No.616/2015 の Environment Impact Assessment Procedure に従って実施する事が求められる また 円借款など公的資金を用いる場合は JICA 環境社会ガイドラインなど各機関の要求に応じた EIA を実施する必要がある 3) MIC 通達 2014/51: 関税 商業税の免税対象外通常 輸出品については商業税は免税となるが MIC 通達 2014/No.51 では例外的に 関税及び商業税が免税対象とならない事業 として 国内資源保護の観点から ガソリン ディーゼル エンジンオイル 天然ガスの販売 を挙げている 天然ガスの税率は 8% である (5) 2015 年ミャンマー投資法 (MIL) IMF の支援の元に ミャンマー投資企業管理局 (Directorate of Investment and Company Administration, DICA) 39 がミャンマー投資法 (MIL) の草案を作成し 2015 年 2 月に草案を公表した これは国内投資を対象とした市民投資法と 2012 年の外国投資法を統合し 国内 国外の双方の投資を同じ法で公平に規定しようとしている 現在 国内投資家と外国投資家の法制度が別々に存在するのは ASEAN でミャンマーのみであり ASEAN 域内で経済的な調和をはかる観点から制定中である 制定後の外国投資は FIL ではなく MIL に沿うことになる MIL 草案第 8 条において ミャンマー国民および外国人を問わず すべての投資家は ミャンマー内におけるすべての経済セクターに投資することができると定められている しかし MIL 草案の第 9 条では 下の 4 つの事業分野について制限を設けている ミャンマー国民及び外国投資家の両方について投資が禁止されているセクター ( ミャンマー政府のみに認められるセクター ) 外国投資が禁止されているセクター ミャンマー国民又は企業との合弁事業によってのみ 外国投資を行うことが許可されているセクター 国内外からの投資について MIC による事前承認を得ることが条件とされているセクター 現在のところ MIC Notification 2014/49 が規制されるガス事業を含めた投資制限分野を規定しているが この事業分野は MIL では規定が無く 施行後に定められる細則で規定される予定である 今後のガス事業の扱いは MIL 細則を待つ必要がある (6) 輸入ライセンスについて 外資企業が製造設備投資として本邦から機器を輸入する場合 輸入ライセンスが必要である 39 DICA は国家計画経済開発省 (MNPED) の下に 1993 年に設立された内資 外資の投資促進 企業家奨励 地域 国際経済協力を目的とする組織 MIC の事務局を担当している 2-45

58 工場が MIC 認可の場合 輸入ライセンス手続きが可能 輸入ライセンスは 3 カ月有効で最大 3 カ月延長あり 期間が切れると取得し直す必要がある MIC 認可が下りない会社法の下でのみ設立可能な業種 ( 建設業等 ) は輸入ライセンスの取得が至難である 機材輸入はミャンマー資本のエージェントを通す必要がある ただし 商業省の判断が流動的であり 例えば自動車のショールームや建設機器等 一部の分野は輸入ライセンスの取得が可能になりつつある (7) SDN(Specially Designated Nationals) 企業について 上述の MIC 通達によれば ガスを利用した化学製品 燃料 圧縮ガス等の製造 販売において ミャンマー国内企業と JV で行う必要がある ミャンマー企業と JV を組む際の留意事項として ミャンマーは米国財務省外国資産管理局 (Office of Foreign Asset Control:OFAC) による規制の対象国で 米ドル建ての送金 資金決済が不可能であった この規制は 2011 年から段階的に解除されているが 現在も軍 武装組織に関連あるミャンマー企業や個人は SDN リストに記載され 銀行を通した外国送金は実質不可能である 2015 年現在も 投資において資金力のあるミャンマー国内企業のいくつかは SDN リストに入っている 規制は解除に向かう方向性であるが SDN リスト該当企業は追加される事もあり 更新は頻繁に行われているため JV の際に確認が必要である (8) SEZ 特別法 経済特別区 (Special Economic Zone, SEZ) は経済発展のために法的 行政的に特別扱いを受けている指定地域であり ミャンマーではティラワ チャウピュー ダウェイの三か所の SEZ がある SEZ では各種の優遇措置が設けられている SEZ 法は 2011 年の経済特区法を改正する形で 2014 年 1 月に制定された また 2015 年 8 月現在 SEZ 施行細則が現在閣議協議中である SEZにはフリーゾーン プロモーションゾーンの二つの区分けがある この区分けは 地区によって地理的に分類される場合と 事業の種類によって分類される場合がある フリーゾーン : プロモーションゾーン : 製造地域 運搬および供給地域 および国際卸売取引地域 輸入関税は課されない ミャンマー国外と同様の扱いであり フリーゾーンで製造した商品を国内市場等へ運べば 輸入と見なされ関税が発生する フリーゾーン以外の SEZ 内の地域 各 SEZ の免税や優遇措置は 各 SEZ 管理委員会が策定する SEZ 法施行細則で定められることになる 外資制限については 施行済みの現 SEZ 法では業種は規定されていない 今後施行される SEZ 規則次第となる見込みである 2015 年 8 月段階のドラフト ( 現在閣議協議中 ) では ガス事業自体は禁止業種として明記されていない 従い 法規則上は SEZ 管理委員会の許可を得られれば 100% 外資企業も SEZ 内に限り事業を実施することは可能であると考えられる ただし EIA を取得することが条件となる 例えば LNG 受入基地で LNG を輸入し 気化設備でガス化し パイプラインにより SEZ 外で販売する場合 受入基地 気化設備等が SEZ 内であれば SEZ 法が適用になる SEZの外で行う外国投資事業は MIC の管轄となり 通常の外国投資法の下 または会社法の下で会社設立し 投資認可を受けることとなる SEZ 外の外国投資事業を行う会社を会社 A 2-46

59 とする 一方 SEZ 内で LNG 受入気化設備事業を SEZ 法の下で投資認可を受け会社登録を行うとする これを会社 B とする SEZ 外の国内市場向けの供給サービスをする会社 A に対して 会社 B が供給サービスを実施する場合 SEZ 法にはフリーゾーン向け つまり輸出向け企業のステータスが認められる 仮に SEZ 内企業の会社 B がタイに輸出するということであれば SEZ 法が原則適用可能であると考えられる 以上より ミャンマー国内ガス事業と今後の LNG 受入事業における現在の制度 規制 本邦企業の参画可能性 及び課題を下表の通りまとめる 表 国内ガス事業における参画可能性と課題 生産海上輸送陸上輸送卸売小売 現在の法規制 ( 外貨 ガス関連法 ライセンス 許可 ) 国営企業法による制限 生産分与契約 MIC 通達 2014/49(MOE JV 必要 ) MIC 通達 2014/50(EIA 必要 ) 外国投資法 MIC 通達 2014/49(MOE JV 必要 ) MIC 通達 2014/50(EIA 必要 ) 外国投資法 MIC 通達 2014/49(MOE JV 必要 ) MIC 通達 2014/50(EIA 必要 ) 国営企業法 外国投資法で規制 MIC 通達 2014/49( 国内企業と JV 必要 ) MIC 通達 2014/51( 商業税 8%) 国営企業法 外国投資法で規制 MIC 通達 2014/ No.49( 国内企業との JV 必要 JV が SDN 企業の場合外貨送金規制有 ) MIC 通達 2014/51( 商業税 8%) 投資インセンティブ 外国投資法 (3 年間の所得税免除 再投資の減免 加速減価償却 輸出の場合の利益の減税 3 年までの損失繰越 所得税の国民税率適用 研究開発費用控除等 ) 日本企業の参画可 課題 : 鉱区の入札を通して参画可能 ( 実績あり ) : ガスパイプラインへの投資 敷設工事 部材供給 : 陸上パイプラインは MOGE 所掌 補修 増強への参画可能性有 MOE と JV 必要 ミャンマー側与信 外国投資制限につき今後制定の MIL 法を要確認 : ガス卸売は現在は MOGE 所掌 今後の認可 ガス火力 産業向けガスの不足 :CNG 供給は MOGE 所掌 石油 ガス化学で参画可能性有 今後の認可 ガス量割り当ての不透明さ 出典 : 調査団作成 2-47

60 表 LNG 受入事業における参画可能性と課題 LNG 輸入受入基地 PL 輸送国内供給輸出 現在の法規制 ( ガス関連法 外貨 ライセンス 許可 ) 外国投資法企業認可 輸入ライセンス取得 外国投資法 MIC 通達 2014/49(MOE JV 必要 ) MIC 通達 2014/50(EIA 必要 ) MIC 通達 2014/49(MOE JV 必要 ) MIC 通達 2014/50(EIA 必要 ) MIC 通達 2014/49(MOE JV 必要 ) 2014/51( 商業税 8%) MIC 通達 2014/49(MOEJV 必要 ) MIC 通達 2014/51( 輸出関税 8%) 投資インセンティブ 外国投資法 ( ガス輸出 3 年間免税 ) 外国投資法 SEZ に基地建設する場合 SEZ 法 ( 外資 100% 可能 ) 外国投資法 外国投資法 ( 輸入税 商業税減免無し ) 外国投資法による関税免除 日本企業の参画可 : 供給者 輸入代行者の可能性あり ( 今後の枠組み次第 ) : 投資による事業運営 コントラクターとしても可 : 投資による事業運営 ( 認可次第 ) コントラクターとしても可 : 気化ガスを直接卸売できるかどうかは 認可次第 : パイプライン運営に参画する事で可能 課題 LNG を取り扱う現行法の不在 ( 改正 Petroleum Act 準備中 ) ガスホルダーとなる場合の MOGE の資金力 LNG 調達能力 与信 LNG を取り扱う現行法の不在 ( 改正 Petroleum Act 準備中 ) サイトや形式が未定 ( 要 F/S) MOE/MOGE と JV の場合の与信 将来需要を見越した政府のパイプライン増強計画の不在 資金調達と MOE/MOGE と JV の際の与信 大口需要案件 ( ガス火力等 ) の実現時期との調整 輸出先国との調整 今後の規制内容については制定予定の MIL 法を要確認 出典 : 調査団作成 外資参入のボトルネック及び課題 (1) ミャンマー側と JV を組む際の与信ミャンマーにおけるガス事業に外資が参入する場合 基本的に MIC 通達 2014/No.49 に基づきミャンマー政府機関 (MOE または MOGE) と JV を組む必要がある 本邦企業が MOGE と JV を組み SPC を設立する場合 MOGE も資金調達を行うこととなるが ミャンマーは国としてリスクが高いと見なされ MOGE の信用も低く 与信額の少なさが問題となる 特にガス事業においては多額の資金が必要となり 与信額の多寡がプロジェクトの成否に大きく影響するため この JV に関する規定がボトルネックとなっている (2) 流動的な外国投資事業の制限状況 現行法では国営企業法により 天然ガスの販売などは 政府から許可された場合を除き 民間企業参入が認められないとされている これら制限業種の今後については MIC 通達および現在制定中のミャンマー投資法の MIL 細則を確認する必要がある LNG の輸入や気化については現行法では想定されておらず 改定中の新石油法に含まれる予定である 典拠できる法令が未だ整備されていない場合の個別事業については MIC および関連する省 ( エネルギー省 ) の認可が必要となる (3) MOE と MOEP の分掌による非効率 MOE と MOEP が省として分かれていることが 特にエネルギー政策面やガス供給 ガス発電事業において非効率的となっている 両省を繋ぐ意味で NEMC は機能しているが NEMC の意向が両省による個別の案件の予算と結びついていない実態がある また 長期的視野に立 2-48

61 った計画が策定されておらず 都度上層部が決定しトップダウンで指示がなされる体制である 短期的な毎年の予算案に基づく各案件の遂行が重視されている点でも問題がある (4) 長期計画と需要予測に基づいたインフラの不在 ミャンマーにおけるパイプラインや送電線などインフラの設計は 10 年先 20 年先の需要を見越したものとなっていない 現在の需要を満たす短視野的な更新の為の政府予算は手当されているが 将来需要に対応する為の中長期的なインフラ整備計画が不在であり かかる予算手当が必要である また 今後の大型のガス火力発電所の投資については 国内のガス供給が足りておらず LNG の輸入が前提となっている LNG 輸入基地と 気化されたガス用のパイプライン建設の見通しが不透明であることは 民間 IPP による今後のガス火力計画の進捗の妨げとなっている 2.5 ミャンマー国内ガスネットワークの将来の在り方とガス輸入における政府の役割分担の提案 ガスネットワークの在り方の提案 将来のガスネットワークを下表の通り 準備期間である 2016~2019 年頃までのフェーズ 年までのフェーズ 年以降のフェーズ 2 に分けて考える 表 年までのフェーズ別 地域別ガス供給計画 地域 Phase-0 (-2020) Phase-1( ) Phase-2 ( ) ヤンゴン -Yadana, Zawtika からのガス供給継続 - 南部の FRSU からの気化ガスと Yadana, Zawtika からのガス供給 - Yadana スワップによる供給増 - ヤンゴンでの LNG 焚き火力建設計画 ([1,000-1,500]MW) -FSRU, 陸上基地 - Yadana( 減退 ), Zawtika からのガス供給 - ヤンゴンでの LNG 焚きガス火力一部稼働 ([500]MW) 北部 -Shwe パイプラインオフテイクから Shwedanug 陸上 PL の接続 PL 更新 -Myingyan ガス火力 -Shwe からの割当量による供給 (Shwedaung まで ) - 陸上ガス田の産出量増 -Shwe からの割当量による供給 (Shwedaung まで ) 南部 ( モーラミャイン ~ カンボク ~ ダウェイ ) - 南部 ヤンゴン間パイプラインの更新 - 南部送電線の連系 - 南部 FSRU 建設計画 - 南部 FSRU による LNG 受入 - 南部 ヤンゴン間パイプライン増強 -FSRU と基幹パイプラインの接続 - 南部でのガス火力建設 ヤンゴンへ送電 - 陸上受入基地の計画 - 南部での LNG 陸上基地建設 ( 新規ガス田開発次第 ) - 受入基地からの LNG 気化ガスを需要地へ送出 出典 : 調査団作成 フェーズ 0 は計画 資金調達段階である フェーズ 1 は 節で述べた LNG の受入基地の建設を行いつつ 既存のパイプラインを最大限に活用する計画とする フェーズ 2 は 長期の需要増大に対応する段階である 国内の新規ガス田の開発やタイ側の需要により必要な LNG 輸入量やパイプライン増強が異なってくる 上の計画において LNG の輸入を 2020 年に開始した場合 主要な需要地であるヤンゴンに送 2-49

62 るパイプライン増強が必要である 既存のパイプラインでヤンゴンのピーク需要に対して輸送できる上限を以下の条件で検討した 1 需要の最大ピークの想定 - すべてのガス火力発電所が計画通りに建設される - すべてのガス火力発電所及び産業需要家が設備容量の 100% で稼働する 2ヤンゴンへのガス供給量 ヤンゴンへのガス供給量を以下の通り想定する - Yadana の国内割当量 + 北部の陸上ガス田からの供給 +M-3 新規産出量 - Yadana からスワップ分のガス (Yadana のタイ割当量を Yadana-ヤンゴンのパイプラインによってヤンゴンにパイプラインの最大輸送能力を上限として供給する 一方で同量の LNG 由来のガスを 既存パイプライン陸揚げ地点よりタイへにスワップして供給する ) - 南部の現状パイプラインの最大輸送能力 (LNG 由来 ) 上の条件の場合 2020 年頃までは既存の南部のパイプラインで最大ピークに対しても対応可能であるといえる 一方 2021 年以降は ヤンゴンの需要の最大ピークが既存パイプラインで送付可能な容量を超える為 パイプラインの増強が必要である ただし 需要の最大ピークに関して 実際には同時使用率 ( 設備容量の合計に対する実際の使用率 ) は 100% を下回る事 また 水力発電所の稼働をピーク時に高める等の対策案もある 従ってパイプラインの増強のタイミング 容量については今後更なる情報収集と検討が必要と思われる 上記を踏まえたミャンマー国のガス需給と ミャンマー南部の LNG 受入基地およびパイプライン増強の計画 建設 実施を含んだ将来のガスネットワークについて 下図の通りにまとめる 2-50

63 mmscfd Item Phase 0( 2020) Phase 1( ) Phase 2 ( ) 計画 ガス需給分析と長期ガス供給計画策定 LNG 受入 FSRUのF/S ダウェイ ヤンゴンパイプラインF/S 2025 年以降新規ガス田予測とタイ需要 ガス需給見直し LNG 陸上基地 F/S 2030 年以降のガス需給に合わせたインフラ計画 建設 実施 2,500 2,000 1,500 1,000 ダウェイにおける FSRU 建設 現状パイプラインの最大活用 Gas demand 増大とタイ需要への and supply LNG in 供給 myanmar aaaaa Myanmar Domestic Thailand ダウェイ ヤンゴン増強パイプライン敷設 FSRU による LNG 受入 Yadana からヤンゴンへの送ガス量 Demand in Yangon (inc.indus) Demand in south subtotal Total Export to China Total DCQ for Thai LNG 陸上基地建設 新規ガス田の生産開始? Demand in North (inc.indus) Total Export to Thai Total DCQ for Domestic DCQ for China Needs for LNG import 2025~ Possibility of A-6 and other new gas field (unknown) China Year 20XX 出典 : 調査団作成 図 ガス需給と将来のガスネットワーク計画 上図において タイへの供給は ガス田の減退と長期ガス供給契約の終了に伴い減少するとしている 一方 タイにおけるミャンマーからのガス需要を占めるラチャブリ発電所は稼働を続け ミャンマーからのガス供給は継続して必要であると考えられる この減少分を埋めあわせする為の LNG 輸入基地からの気化ガスの供給がさらに必要となる LNG 受入基地 既に供給が需要を満たせておらず 経済活動に悪影響を及ぼしているため 基幹エネルギーと国の経済の成長という観点より 供給コストだけではなく その効用についても考える必要がある (1) LNG 輸入が必要となる時期既にガス不足が経済に悪影響を与えているため 早期の輸入開始が必要である 一方で 長期的にはタイ向け輸出 A-6 等の国産ガス田開発等不確定要素も多い このため 当座の不足分に対する対応を最優先したフェーズ1(FID COD ) 中長期視点でのフェーズ 2(FID2020 年頃 COD2025 頃 ) 頃に分けて考えることを提案する 40 Final Investment Decision, 最終投資決定 41 Commercial Operation Date, 商業運転日 2-51

64 1) ミャンマー国内需要既に現在 潜在的な需要に対しガスの供給が追いついておらず 150 mmscfd 程度不足している 結果的にガス発電所 及び産業向けのガス供給制限等が行われている 今後 供給面では国産ガスの国内向け割当量は現状を維持するものの 需要 ( 特にガス発電所向けガス需要 ) の増大が予想されており需給ギャップが拡大していく この需給ギャップは経済成長の足枷となるため早期の解消が必要である 従って 極力早期にフェーズ 1 として LNG の輸入を開始するべきである 一方 フェーズ 1 で 300 万トンクラスの基地を建設しても 2023 年頃には再び不足が予想されるため 国産ガス開発の見込み等を考慮し新たな輸入計画をフェーズ 2 に反映させる 2) 輸出需要 1 中国向け : Shwe のガスにて現状の契約量を 2030 年まで賄える見込みであり LNG の需要としては考慮する必要はない 2タイ向け :2020 年頃より タイ向け国産ガスの減退が始まり 徐々に減少して 2030 年頃にはゼロとなる見込みである ミャンマーからタイへのガス供給先は主にラチャブリの発電所群であるが 仮にミャンマーのガスが減少すると タイは (a)lng 基地およびパイプラインを建設してラチャブリへのガス供給を維持するか (b) 発電所を移転 送電網を新たに整備する必要がある 何れも巨大なコストが発生する このため タイ側へ LNG 輸出が商業的に成り立つ可能性が高い 従って LNG の一部をタイ側へ供給する可能性を検討するフェーズ 1 と ミャンマー タイ側の需要を賄うために本格的な LNG 受入基地を検討するフェーズ 2 に分けて考えることとなる (2) LNG の輸入基地建設場所 LNG 基地 ( 陸上 FSRU) の建設場所を考える場合 下記を考慮する必要がある 1) 需要地との位置関係 既存インフラ LNG 基地は需要地近傍に作る 若しくは需要地とのパイプラインインフラが整備された場所に作ることが必要である 2) 水深 LNG マーケットで一般的な標準 LNG 船を受け入れるためには 13~14m 以上の水深が必要である 不足する場合 ドレッジングや 沖合への Jetty や防波堤等の設置が必要となる 3) 海象条件干潮差 潮流 荒天等が少ない場所が望ましい これらの海象条件の厳しい場所に設置した場合 同じキャパシティの基地に対する実質供給能力低下や 場合によって供給途絶が発生してしまう 4) 建設に必要な道路 港湾等のインフラこれらのインフラが無い場所に建設する場合 コスト 建設期間の増加を招くことになる 今後必要となるパイプライン整備 (1) 南部 - ヤンゴンパイプライン 節 (2) に示した通り 南部 -ヤンゴン間パイプラインについては MOGE が更新する計画であり ヤンゴン向けパイプラインの輸送能力の律速の一つである Ohnnel Booster Station のコンプレッサ能力 (250 psi 500 psi 最大 50 mmscfd) を増強すれば現状の 80 mmscfd から相応の輸送能力の向上が見込まれる なお コンプレッサ能力を増強したとしても 当該パイプラインの基本仕様及び敷設延長 ( 南 2-52

65 部 - ヤンゴン間約 480km) から その輸送能力には限界がある そのため 仮にダウェイ付近に LNG 基地を建設し それらのガスを大幅な発電需要 産業需要の期待されるヤンゴンエリアに輸送するためには 需要の伸びや潜在量に応じた大口径パイプラインの新規敷設といったインフラ増強策が必要となる (2) Myochaung-Shwepyitha パイプライン MOGE は Myochaung と Shwepyitha を接続する 32 km のパイプラインの建設を計画している これは既存の Apyauk-Shwepyitha パイプラインに沿ったものである (3) Kawsaw-Magwe パイプライン Kyawsaw Junction と Magwe Control Shed 間の 147 km 口径 14 インチ陸上パイプラインはガス漏出があり 稼働停止している状況である よって現在 Shwe からのガス割り当て分をヤンゴンの需要の為に送る事はできない状態である このパイプラインの更新を MOGE は予定している 更新完了後に Shwe ガス田から中国に送ガスされるパイプラインの Yenangyaung Off-take 地点から Shwe のガスを Shwedaung まで送る計画である なお Shwedaung 以南は Yadaga からガスが供給される予定である 出典 :MOGE 聞き取り結果をもとに調査団作成 図 Kawsaw-Magwe, Shwepytha-Apyauk パイプライン更新予定位置 その他小口径のパイプラインの細かい更新はあるが 主要パイプラインで更新が必要となっているのは上記 3 区間である 2-53

66 2.5.4 LNG 輸入に関する手続き 政府の役割分担 (1) LNG 輸入に関するミャンマー政府内の役割分担ミャンマーにおいて政府機関がガスの輸入主体となる場合 現状では政府内の役割分担が曖昧である 現地調査により判明した ガス (LNG) の輸入者の候補となり得る各政府機関の LNG 輸入に関する認識につき 下表の通り現状を整理した 表 LNG 輸入に関する認識政府機関名 LNG 輸入に関する認識 / 見解 MOE MOGE MOEP MEPE LNG 輸入の必要性を認識しているが 未確定事項が多く MOE 内部に検討委員会とワーキンググループを組成した 政府内の役割分担に関しては未確定 また MOE は LNG に関する知見が無いため 世界銀行に技術支援を要請した LNG 輸入及び対外的な取引は MOGE が実施する LNG 価格の下落を好機と捉え LNG 輸入を真剣に検討中であるも 現状では政府からの指名もなく MOGE の認識として MOGE 自身は ( 現状 ) 輸入主体ではない これは将来 MOGE がガスの輸入責任者となる可能性を否定しているのではなく そうした政府内における役割分担の整備 また裏付けとなる法整備などが必要との考え LNG 輸入の必要性を認識 NEMC がガス輸入に就き検討委員会を設置しているが 実際のガス輸入は実質的に MOGE 主導との見方 LNG 輸入の必要性を認識 ガス供給は MOE/MOGE 管轄 LNG 輸入は MOE 管轄であり MEPE はあくまでもエンドユーザーであるとの立場 出典 : ミャンマー各政府機関聞き取りに基づき調査団作成 MOE は LNG 導入を検討するため LNG 管理委員会と LNG ワーキンググループを設立した 同会議体は MOE が主導するものの 最大のガスユーザーである MOEP の関与も必要なため MOE と MOEP の双方からメンバーがこの委員会と実務レベル委員会に参加している 現在の検討状況によると LNG 輸入は MOGE が行う可能性が高い また 輸入基地建設についても FSRU 陸上基地のいずれとなっても MOGE が担当することになるが 気化設備等の部分はプラントという認識であり MPE の関与が見込まれる また 複数の企業 国が LNG ビジネスに関してミャンマー政府に提案していることもあり MOE は様々な立場からの提案を正当に評価する為 第三者的な立場である世界銀行に LNG 受入にかかる技術支援を要請している 今後 LNG 受入基地のサイト候補地にかかる調査等を世界銀行が実施する予定である (2) 必要な手続き LNG 購入に必要な手続きは 外資とミャンマー政府機関との JV により設立された SPC が輸入主体となる場合と ミャンマー政府機関が単独で輸入主体となる場合とで異なっている 1) SPC が輸入主体となる場合ミャンマーにおいて外国投資を受けた民間企業が輸入を実施する場合 輸入の度に MIC からの輸入許可取得及び MOC からの輸入ライセンス取得が必要となる (MOC からの輸入ライセンス取得のために MIC からの許可取得証明が必要となる ) 輸入ライセンスの有効期間は 3 か月であるが 追加で 3 か月の期間延長が一度だけ可能である また 有効期間を過ぎると輸入ライセンスは失効し 再度取得手続きを行う必要がある MIC から 2-54

67 の輸入許可申請から MOC からの輸入ライセンス取得までには約 1 週間を要し 輸入完了後の通関手続きにも最大で 2 週間を要し ミャンマーにおける円滑な商業活動の妨げとなっている なお 輸入ライセンス取得前に貨物がミャンマーに到着するとペナルティが課せられる 2) ミャンマー政府機関が輸入主体となる場合政府機関内の手続きは今後改定される新 Petroleum Act の細則によると考えられる LNG 輸入及び対外的な取引は MOGE が実施する事になる可能性が高い ビジネスモデルとファイナンススキーム ミャンマーにおける LNG 輸入を想定した場合 LNG 受入基地 ガス輸送パイプライン ガスユーザー等においてそれぞれ 様々なプレイヤーが想定される 本調査結果として ミャンマーに LNG を輸入する場合の最適なビジネススキームを以下の通り想定する LNG Supplier MOE/MOGE Tokyo Gas Mitsui Other companies JBIC Commercial Bank LNG Supply Equity Debt LNG LNG Receiving Terminal SPC EPC/FSRU Tolling Contract Gas Toller (MOGE) EPC Contractor /FSRU Provider Gas supply 出典 : 調査団作成 Gas users in Myanmar (Power Production, Industry etc.) 図 LNG 輸入の事業スキーム ファイナンスの観点からは 1LNG 受入基地 2 送ガスパイプライン 4 港湾設備へのファイナンス供与が必要になると想定される 想定されるファイナンスのメニューを下表の通りまとめる 2-55

68 P P P インフラ整備支援型借款 ファイナンススキーム EBF (Equity Bank Finance) VGF (Viability Gap Finance) PPP インフラ信用補完スタンド バイ借款 JICA 円借款 JICA 海外投融資 JBIC 投資金融 JBIC 輸出金融 日本貿易保険 表 ファイナンススキームの概要 内容 途上国政府 国営企業等が出資をするインフラ事業に対して 日本企業との共同事業を促進するため 当該出資金のバックファイナンスとして円借款を供与 途上国政府の実施するインフラ事業 ( 原則として日本企業が出資するもの ) について 商業資金ではファイナンスが困難で 途上国政府が主に事業期間を通じたキャッシュフロー平準化のために助成を行う場合に 円借款を供与 PPPインフラ事業において オフテイカー ( 電力公社等 ) から民間事業者への支払いがオフテイク契約通りに履行されないリスクがある それらのリスクに備え 途上国政府が当該契約履行の保証や オフテイカーに短期の流動性を供給する仕組みの整備と活用を促す 開発途上国に対して低利で長期の緩やかな条件で開発資金を貸し付けることにより 開発途上国の発展への取組みを支援する 開発途上国において 民間企業等が行う開発効果の高い事業であり かつ 一般の金融機関だけでの対応が困難な場合に 出資 と 融資 という2つの資金面から支援 日本企業の海外投資事業に対する融資 日本企業 日系現地法人 ( 合弁企業含 ) またはこれに貸付 出資を行う外国の銀行 政府等に融資する 日本企業の機械 設備や技術等の輸出を対象とした融資で 外国の輸入者または外国の金融機関等向けに供与 企業が行う輸出入 海外投融資といった対外取引におけるリスクの発生により 契約当事者である本邦企業が被る損失を填補 出典 :PPP 促進のための円借款による包括的支援策をとりまとめました - アジア地域の 質の高い成長 実現に向け PPP インフラ整備を促進します -( 経済産業省ウェブサイト ) から作成 1 LNG 受入基地 プロジェクトコストは Equity と Debt に分けられ Debt については プロジェクトファイナンスの供与として国際協力銀行 (JBIC) の投資金融を用いることが可能 また 国際協力機構 (JICA) の海外投融資が想定される また Equity については 海外投資家及び MOGE の出資が必要となるが JICA の Equity Back Fianace 制度を用いることにより MOGE の出資金についても日本政府よりファイナンスを供与することが可能である 本制度を用いることにより MOGE の出資金が確保される 円借款 バックファイナンス 途上国政府 ミャンマー国営企業 (MOGE) 出資 本邦企業等 出資 市中銀行等 融資 LNG 受入基地 SPC 出典 : 調査団作成 図 LNG 受入基地のファイナンス 2-56

69 2 送ガスパイプライン 港湾設備 送ガスパイプライン 港湾設備共に経済性の低いインフラ案件となるため 長期低金利の円借款の供与が望ましい 上述ファイナンスメニューを用いることにより ミャンマー政府として大きな初期負担を軽減し LNG 受入基地プロジェクトを推進することが可能となる 2-57

70 3 ミャンマー南部からタイへのガス販売を含めたミャンマー南部開発のガス利用 3.1 ダウェイ近郊におけるガス輸入施設 場所の選定 LNG 受入基地の候補地には 以下のチャオピュー パテイン沖 ヤンゴン周辺 ダウェイ近辺の四つの候補地がある それぞれの特色を以下にまとめる 1) 北部 ( チャオピュー周辺 ) 港湾水深の点では優れているが サイクロン モンスーンの影響は大きい 需要地ヤンゴンまでのガス輸送のためのパイプラインを増強する必要がある また タイへの輸出は現実的に不可能となる 2) 中部西岸 ( パテイン沖 ) 需要地ヤンゴンまでのガス輸送のためのパイプラインを新設する必要がある 距離は短いものの渡河地点も多くコスト 時間がかかることが予想される サイクロン モンスーンの影響も大きいと予想される 3) 中部 ( ヤンゴン沖 ) 水深が非常に浅いために 陸上基地の建設は不可能である FSRU に関しても沖合 80 km 以上に設置せねばならず 現実的にはこの地点での LNG の輸入は困難である 4) 南部 ( ダウェイ近郊 ) ダウェイ近郊 ヤンゴン間に既設パイプラインが既にあり 輸送余力は限定的であるが 新増設なく一定量をヤンゴンに輸送することができる また 新増設が必要な際は既設沿いに敷設が可能であるため 新規土地収用の必要性は低い LNG 受入基地以外に大規模なパイプラインへの設備投資を抑制可能である 42 上よりそれぞれの場所の長所 短所をまとめると 下表の通りとなる 年時点のヤンゴンの需要ピークは 559mmscfd であり 需要ピークまで送ガスをする場合 パイプラインの増強は必要である 3-1

71 出典 : 調査団作成 表 LNG 受入基地候補地比較 Location Pros Cons 北部 ( チャオピュー ) 西部 ( パテイン沿岸 ) ヤンゴン近郊 南部 ( モーラミャイン ~ ダウェイ ) 天然の深水港が確保可能 チャオピュー SEZ 内に建設することも可能 Shwe のパイプラインに接続し中国に輸出することが可能 最大需要地 ( ヤンゴン ) に比較的近い 最大需要地 ( ヤンゴン ) に近い 深水港が建設可能 既存パイプラインを活用し一定量のガスをヤンゴンに送出することが可能 既存パイプラインの Right of Way でのパイプライン新設であれば 土地収用問題などの生じる可能性が低い ダウェイ SEZ 内に建設することも可能 パイプライン沿線のモーラミャイン タトンなどにガス産業需要がある 既存パイプラインを活用してタイに直接輸出することが可能 最大需要地 ( ヤンゴン ) まで遠く 陸上南北パイプラインの抜本的な増強が必要 中国のガス需要は鈍化 タイの需要に対応できない パイプラインの新増設が必要 モンスーンの影響大であり FSRUの稼働時間が減少する 水深が浅くFSRUでも80 kmもの沖合い距離が必要であり 経済合理性の点で非現実的 ヤンゴンの需要地まで比較的遠い( ダウェイから約 600km チャオピューと同程度 ) 上表の通り 最も妥当性が高い LNG 受入基地の候補地はダウェイ近郊などのミャンマー南部と考えられる ただし ミャンマー南部に LNG 受入基地を建設した場合 既存パイプラインの供給能力を踏まえると現状では約 340 mmscfd が最大であることに留意する必要がある ミャンマー最大の需要地であるヤンゴンの需要に応えるためには 短期的にはこの方法が最善策となるが 長期的な需要増に対応するためには LNG 受入基地からの大量のガスをヤンゴンまで輸送する必要があり そのためには南部 -ヤンゴン間のパイプラインの増強が必要となる 加えて ダウェイ近郊からモーラミャインにかけての沿岸部については 北上するほど水深が浅くなる傾向にあり LNG 船の入港に必要な水深の確保が課題となってくる このため 水深測量などの調査に基づいた慎重な位置選定を行う必要がある ミャンマー南部に LNG 受入基地を建設する場合 選定する位置により前出のパイプラインの増強する延長が異なるため 必要となる設備投資額も大きく変化する 更に パイプライン沿線の発電所や産業需要へのアクセス性も異なるため それらも踏まえて位置選定を行うことが重要となる 具体的には ダウェイ地域であればヤンゴンに輸送するためのパイプラインの延長が長い反面 沿線需要へのガス供給が容易になり易い 一方 モーラミャイン近郊に近づくほどヤンゴン向けパイプラインの延長は短くなる反面 前出の水深の問題に加えて タイ向け供給まで想定すると新たなパイプラインの建設が必要となってくる そのため 既存パイプラインインフラの能力を最大限活用し かつ ヤンゴンのみならずタイ向けにも LNG 受入基地からのガスを供給することを想定するのであれば ダウェイ地域に LNG 受入基地を建設する案が最も効率的と言える LNG 受入基地形式比較 LNG 受入基地は 一般的には需要地近くの沿岸部での建設が経済的である LNG 船が桟橋に安全に離着桟できるだけの水域が確保されていることが条件となり 近傍に船舶の交通路や漁業等の海上利用者が少ないことが望ましい 3-2

72 また オープンラック式気化器によりガス化する場合 使用する機器に悪影響を与える海水中を浮遊する泥分が少なく濁りがないことが望ましい 濁度が高い場合は 水中バーナー式気化器等の採用を考慮する必要がある LNG 受入基地の基本フローは LNG 船で輸送した LNG をタンクへ揚荷し 需要に応じて LNG をポンプで払い出しガス化設備にて気化してパイプラインへ送出するというものである 受入基地の形式には 主に陸上基地と FSRU(Floating Storage and Regasification Unit) の 2 種類がある (1) 陸上基地 陸上基地は これまで数多く建設されてきている 特徴は以下の通りである 許認可取得後 3~4 年程度の建設期間が必要である 13 m 程度の水深を持つ桟橋が必要で 水深が浅い場合は浚渫が必要となる タンクや気化器の増設により拡張が容易 FSRU と比較して安定した受入オペレーションが可能 (2) FSRU FSRU は 従来型の LNG 受入基地の機能を 海上浮体式としたものである 特徴は以下の通りである FSRU は 建設期間が 2 年程度と短く 早期のガス供給を実現したい場合 導入までの工期の点で FSRU が有利と考えられる FSRU を設置する海域は 一般的な LNG 船が安全に入港可能な 13m 以上の水深をもつことが必要となる 拡張性は 陸上基地と比較して部分的な増設による能力アップが難しく さらに 1 基追加する必要がある 特に気化に自身のタンクから発生した BOG 43 を燃料とした蒸気を使用して LNG を気化する場合は 陸上基地と比較して OPEX が高くなる LNG 船からの荷役は浮体同士の荷役となり 陸上基地に比較すると天候に左右されやすく 入念な配船調整が必要となる FSRU は 12.5~15.0 万 kl 級の場合 300 万トン / 年程度が受入能力の目安となる FSRU の稼働率を向上させるためには静穏な海象条件を確保する必要があるが 海象条件によっては防波堤の設置の検討が必要となる また 海象条件が非常に厳しい場合は係留方式を桟橋係留方式ではなく高価なタワーヨーク方式に変更する必要が生じる可能性が生じる 北米や欧州のように住民の反対運動や環境保護運動が強い地域や 陸上受入基地の用地確保が難しい地域は 洋上に受入基地が計画 建設される場合がある 新規ガス田開発によって LNG 必要量が減少した場合や 電源計画の変更によって別の地域でガス需要が増大した場合など これを移動し活用することが可能である FSRU には 既存の LNG 船を改造して転用するタイプも提案されており 新造船と比較して安価に建造が可能である 下表に 受入基地の比較表をまとめる 43 BOG: Boil-off-gas, LNG を輸送 貯蔵する場合に 外部からの自然入熱などにより気化するガス 3-3

73 表 LNG 受入基地の形式比較 項目 陸上基地 FSRU 工期 3 5 年 2 3 年 ( 既存 LNG 船改造の場合 1 2 年 ) 場所の制限 深水港 (>D13 m) が必要 深海港 (D>13m) が必要 拡張性 気化設備 タンクの増設で基地拡張可能パイプライン増強必要 基地拡張は限定的パイプライン増強必要 安定性安定した運用可能天候に左右される ( 荒天時の避難等 ) CAPEX 3 百万トン / 年 ( 通常の FSRU で得られるのと同規模 ) の場合 FSRU よりも単価コストは比較的高い 陸上基地と比較して低いが Jetty 防波堤のコストが上振れ要因 OPEX 比較的低い ( 海水を気化に利用可能 ) 比較的高い ( 気化に燃料が必要 ) 出典 : 調査団作成 3.2 タイへのガス販売 タイの Power Development Plan(PDP) 2015 を踏まえたタイのガスの需要と供給分析 タイでは 1970 年代初頭よりタイランド湾沖を中心に天然ガスの発見 開発が相次ぎ タイのエネルギー省の Energy and Policy Planning Office の統計では 2014 年のタイのガス供給量は 5,098 mmscfd であった このうちの約 80% の 4,073 mmscfd は国産ガスであり 残りの約 20% の 1,025 mmscfd はミャンマー産の輸入ガス及び輸入 LNG となっている ミャンマー産の輸入ガスは 1,004 mmscfd とタイのガス輸入量の大部分を占めており 全体でも約 17% に相当している 出典 : Energy Policy and Planning Office, MOE, Thailand 図 タイのガスの供給元内訳推移 タイの電源開発計画 (PDP2015) における発電種別による発電計画容量を下表に示す 2025 年断面で約 27,000 MW の計画があり そのうちガス火力発電は約 15,000 MW にのぼる 3-4

74 平成 27 年度海外開発計画調査等事業 ミャンマー連邦共和国におけるガスの利活用に関する調査 表 タイの電力開発計画 形式 既存計画 MW ( プラント数 ) 新規事業 MW ( プラント数 ) 合計容量 MW ( プラント数 ) 石炭 4,365 (6) 3,000 (3) 7,365 (9) コンバインドサイクル 14,878 (13) 2,600 (2) 17,478 (15) 原子力 2,000 (2) 2,000 (2) ガスタービン 1,250(5) 1,250 (5) コジェネ 3, (25) 4,052 再生可 ネルギー 12,205 12,205 水力 500(1) 1,601 2,101 電力輸入 3,316 7,700 11,016 合計 26,754 30,713 57,467 出典 :Thailand Power Development Plan 2015 タイの国家エネルギー政策員会が 2015 年 10 月に発表にしたガス計画を下図に示す タイのガス供給量は今後ほぼ一定値を保つとしている 国産ガスと ミャンマーからの輸入ガスは今後減退していくため LNG 輸入でその不足分を補う計画となっている 特に 2023 年頃には現行の LNG 受入基地の受入能力以上に輸入 LNG が必要となるため LNG 受入基地の増設或いは新設が タイランド湾或いはミャンマー側に必要となる 仮に石炭火力について 2025 年までに 4 GW を超える新規電源を確保するという Power Development Plan (PDP)2015 の計画通りに進捗しなかった場合 ガスの需要は更に大きくなる unit: Bbtu/d LNG Onshore Gulf of Thailand MTJDA Supply from Myanmar Thailand Gas Plan ( ) 出典 :National Energy Policy Committee of Thailand データより調査団作成 図 タイのガス供給計画 なお 上図において ミャンマーからのガス輸入は Yadana Yetagun Zawtika の各ガス田の枯渇に伴い徐々に減少し 2028 年に終了するものと想定しているが これはミャンマー側の計画よりも保守的な想定である また PDP2015 では石炭火力が 2025 年までに 4,000 MW 超の新規電源として確保されることを前提としているが PDP2015 通りに進捗せず代替電源としてガス火力にて補うことになると その燃料であるガスの需要が更に大きくなる タイへのガスの販売価格 現状のガスの Borderline 価格 ( パイプライン使用料込 ) は各ガス田の生産分与契約 (PSC) とタイにおいて唯一ガス輸入を担う PTT (Petroleum Authority of Thailand) の間で合意されており 一 3-5

75 般公表はされていないが 現在 10~15 USD/mmbtu 程度と言われている 尚 タイへのガス価格は基本的にシンガポールの 2% Sulfur Fuel Oil 価格 米国 CPI(Consumer Price Index) 及び米国 PPI(Producer Price Index) にリンクされている タイ側の LNG ターミナル新設計画 タイ側の LNG 受入基地計画を下記の表に示す 節でも記載の通り タイはミャンマーからの輸入ガス量の減退を補う為の方策として 以下表の通り タイランド湾における LNG 輸入の拡充を計画中である なお 現状では ミャンマーからの輸入ガスはバンコク西部のラチャブリ発電所に供給されており 既設マプタプットからバンコクに伸びるガスパイプラインネットワークでは同発電所にガスが供給出来ない状況だが 同ネットワークからラチャブリ発電所へのガス供給体制の整備も同時に検討中である 表 タイ国内 LNG ターミナル 運転中建設中計画中 Phase 1 Phase2 New Terminal Chana Bangpakong & South Bangkok 開発者 PTT EGAT 供給地域 タイの東部及び中部 Chana 発電所及び南部 建設場所 Map Ta Phut, Rayong Rayong Chana, Songkla Bangpakong & South Bangkok 発電所 Bangpakong & Bangkok の間 容量 5MTPA +5MTPA 7.5 MTPA 3 MTPA 3 MTPA COD Q3, 2011 Q1, 以降 2024 以降 2020 以降 形式陸上タミナール FSRU FSRU 設備 One Jetty 2 LNG tank (160Km3) each +One Jetty +2 LNG tank (160Km3) each + Reloading Facility One Jetty 2 LNG tank (160Km3) each 未定 未定 出典 : 調査団作成 ミャンマーからタイに販売する際のミャンマー側 タイ側の手続き 許認可 関係省庁の整理 (1) タイ タイ側の手続きとして ガス輸入者である PTT はタイ首相が委員長を務める同国国家エネルギー政策委員会 (NEPC : National Enery Policy Committee) に対し Boarder line でのタイへのガス輸入価格を示し 同委員会からの合意 承認が必要となっている 一方で LNG 輸入の場合は タイ国内の受入基地まで届く価額 (DES : Delivered Ex-ship) を同委員会に提案し 合意 承認が必要となっている 尚 NEPC の事務局長はタイエネルギー省傘下 EPPO (Energy Policy & Plannince Office) の局長が務める タイ側での Gas/LNG Import Tax は現在課されていない 3-6

76 PTT 以外の民間企業がタイにガス LNG を輸入 国内販売する場合は ERC(Energy Regulatory Committee) 44 からライセンスを取得する必要がある (2) ミャンマー ミャンマー側からタイへの販売は 2012 年輸出入法 (The Export and Import Law) および外国投資法に基づく ミャンマーでは輸出品に対して税制上の優遇があるが ガスは国内資源保護の観点から商業税が課される 輸出は基本的に輸出の度に商業省貿易局へ輸出ライセンスを取得し 輸出通関を行う 一方 CMP 企業 (cutting, making, packing 原材料を輸入 ミャンマーで加工 製品を原則すべて輸出する企業 ) の場合 輸出ライセンス申請は免除されている 例えば LNG を輸入しガスに気化して販売する外国企業は CMP として登録可能であると考えられる ただし CMP は企業設立当初から CMP 企業として登記する必要がある LNG 受入基地の設備運営会社が MOGE より LNG を受け取り ガスを気化し 輸入 輸出や国内への卸売り自体は MOGE が行う事業の場合は 運営企業による輸出入にかかる手続きは不要になり サービスチャージに係る手続きが発生すると考えられる 3.3 ダウェイにガスを供給するための必要インフラ ダウェイに必要なインフラ ダウェイ SEZ で 2 万ヘクタールを超える大型工業地帯の開発計画が実施されている ITD (Italian-Thai Development Company) 社が全事業の開発権を有し 2010 年より開発が進められていたが 資金不足や環境問題で難航し ITD は一時撤退した 一方 2015 年 7 月 4 日 第 7 回日本 メコン地域諸国首脳会談 でミャンマー タイ 日本の 3 ヶ国がダウェイ SEZ 開発の協力覚書 (MoI) に署名し 日本政府は事業への参加を正式に表明した 2015 年 8 月 ITD とロジャナ インダストリアルパーク LNG プラス等が合弁したコンソーシアムがミャンマー政府と開発権契約を進めている ダウェイ SEZ の開発計画図は 2015 年 7 月に ITD が大幅に更新した 開発段階を A ( ), B ( ), C ( ), D ( ) の四期に分けて合計 27 km 2 を開発する計画となっている 当初初期フェーズで内港が計画されていたが 新初期フェーズ計画図ではなくなっており スモールポートと LNG 受入基地の波止場のみが示されている また 深水港 鉄鋼 石油化学 ガス石油産業など重工業区画 中工業区画 軽工業区画が旧計画図には示されていたが 初期フェーズ計画図にはその区分は示されていない 現在の初期フェーズの計画は 1) 片側二車線道路 2) スモールポート 3) 初期工業団地 3) 小規模発電所 5) 初期居住地 6) 小規模貯水池 7) 通信 8)LNG 受入基地 9) ボイルオフガス火力からなる (1) パイプライン 現在の Zawtika からの国内向けパイプライン 及び Zawtika Yetagun Yadana からタイ向けの陸上パイプラインがダウェイの北で陸揚げされている 提案される LNG 受入基地をダウェイに設置する場合 既存の陸揚げ地点からダウェイまでパイプラインを延伸する必要がある 陸上パイプラインの場合 敷設ルートに沿って新たに ROW(Right-of-Way 敷設権 ) を取得する必要があり その取得に時間を要する可能性がある 海底パイプラインの場合には 水深 44 タイのエネルギー規制にかかる独立行政機関 エネルギー基準委員会 3-7

77 20 m 程度で敷設したとすると直線的な線形が可能であり その場合の総延長は約 40 km 程度となる 該当区間のパイプライン新設に際しては コスト 工期 施工環境等を考慮してルートを選定する必要がある (2) 港湾 ダウェイに LNG 受入基地を設置する場合 港の建設が必要である ITDは建設資機材の受入を目的としたスモールポートを ゼロポイントから約 9 km 東南の地点に建設を開始している 港湾設備 倉庫等の設置はまだ行われていない ITDの計画では 以下の通りとなっている - 第 1 バース : COD2015 年 13,000DWT ( 約 400TEU) 長さ 100 m 330,000 TPA - 第 2 バース :25,000 DWT( 約 1,600TEU) 第 1 第 2 バースの合計容量は 825,000TPA 水深 8 m で浚渫する計画となっている Approach Channel の長さは 4.25 km なお 昨年 ITD が計画していた約 3500 x 50 m 深さ 16 m の深水港は新計画図から除外されており 本式の港の計画が必要である (3) 道路ダウェイ方面の国道 8 号は一車線で拡幅工事中である Dauk Lauk 手前で一車線幅員の未舗装アクセス道路が国道 8 号線より分岐し ダウェイ SEZ まで未舗装一車線道路が敷設済である 道路幅員は標準 7 m 河川は一車線の仮設橋で渡河する 道路の状態は良好だが 斜面崩壊防止の処理はない Myitta を経由してタイ国境の Phunamron までこの未舗装道路が敷設済である 今後は 片側二車線道路がダウェイ SEZ からタイまで建設される計画であり 資金はタイのローンが計画されている Phunamron からダウェイ SEZ 入口までは 138 km ダウェイ SEZ 内部延伸距離は 18 km となっている ダウェイ SEZ より北へ向かう国道 8 号線は通行量は数分に一台程度である 二輪車は多い 一車線で 拡幅工事中である 国道八号線からパイプラインの陸揚げ時点までの道路 橋梁の状態は良好とは言えず LNG ローリーの走行は困難とみられる (4) ガス火力 ITDはダウェイ SEZ 内に以下三か所のガス火力を計画している 1) 15 MW Temporary Power Plant 場所はゼロポイントから 17 km 敷地面積 0.03 km 2 2) 15 MW ボイルオフガス発電所 場所は LNG 受入基地脇 敷地面積 250x550m 2 3) 450 MW コンバインドサイクルガス火力 ゼロポイントから北西約 1.5 km 地点 敷地 250 x 360m 2 1) は建設時の電力として ITD が計画中である 1,069 kw/ 基のコンテナ式のもので に 15 基 合計 15 MW の発電を行うとしている 3) の CCGT の燃料は輸入 LNG から供給する 敷地面積は 0.14 km 2 となっている ただしダウェイにおける需要が確定しておらず 計画の見通しは不明である パイプラインと送電線 MEPE はダウェイまで 2016 年以降に 230 kv の送電線延伸を計画している 一方 LNG からのガスを燃料としたガス火力の計画は 下表に示す通り ヤンゴン 南部 その他の地域で 8 箇所 3-8

78 あり 合計 3,582 MW に上る この内 南部に計画されているのが Mawlamyine (230 MW) Kanbauk (500 MW) ダウェイ (450 MW) である この内 イタルタイ社によるダウェイのガス火力はダウェイ SEZ 需要向けであり 実現性は定かではない 残る Mawlamyine Kanbouk の発電所をヤンゴンに送電する場合 合計設備容量は 730 MW となる 一方 Kanbouk-Mawlanyine-Yangon 間は約 600 km あり この容量をヤンゴンに送電する為には 230 kv ではなく 500 kv の送電線が必要となる ヤンゴンの発電所建設と南部パイプライン増強 と Kanbouk, Mawlamyine の発電所建設とヤンゴン - ダウェイの送電線建設 の双方の整備を行っていく必要がある 3.4 ファイナンスの提案 ファイナンススキーム にて具体的なファイナンス提案について説明したが 以下の通りまとめを記す 表 ファイナンスメニュー対象ファイナンスメニュー LNG 受入基地送ガスパイプライン港湾設備 MOGE 出資金サポート JBIC 投資金融 JICA 海外投融資円借款円借款 JICA Equity Back Finance 出典 : 調査団作成 上述の通り 各対象により有用なファイナンスメニューを記載したが それぞれの課題については以下の通り JBICの投資金融については 現時点では JBIC の投資金融がミャンマーに供与された実績がなく 協調融資を行う Commercial Bank のミャンマーに対する融資可否判断と共に 通常の案件より Due Delligence に時間がかかることが予想される また 日本企業の案件への参画及び 日系コントラクターまたは 日本製品の使用も供与には重要となる JICA の海外投融資については プロジェクトコストが巨大な案件への供与実績がなく 他 Export Credit Agency (ECA) との協調等が必要となる また Equity Back Finance についても同様である 円借款については 供与までのプロセス短縮化が日本国内で検討されているため 今後改善されることが予想されるが 一般的に海外投融資制度よりも供与まで時間がかかると知られている そのため 本件での各ファイナンス適用の為には 早い段階での日本政府との協議開始が鍵となる 3.5 ミャンマー南東部地域における新規ガス産業の提案 ガス火力 ガスを活用する産業の可能性 (1) ガス火力 LNGの輸入を前提にした大型ガス火力は 下表に示す計画されている ヤンゴンで約 1,900 MW ミャンマー全国で合計約 3,600 MW の計画があり これらのガス所要量は 736 mmscfd に上る 3-9

79 この内 ミャンマー南東部における LNG を燃料にするガス火力計画は合計 1,180 MW になり ガス所要量の合計は 250 mmscfd となる ダウェイに計画されている 450 MW は ダウェイ SEZ の需要向けである 表 LNG を燃料とするガス火力発電所計画 Capacity Gas Location Developper (MW) (mmscfd) Hlawga Hydro lancang Thaketa BKB Yangon Thaketa UREC Hlaingtharyar MOEP Other Aeyarwady Kanbauk APU South Mawlamyine Myanmar Lighting Dawei Italian Thai Yangon total Other total South total Total LNG plannedgas power 出典 :MEPE 資料をもとに調査団作成 1, , , (2) ガス活用産業 ガスを活用する産業は 鉄鋼 非鉄金属 化学 紙 パルプ 飲料 食料品 ガラス セラミック コールドチェーンなどがある 産業育成は天然ガス輸出に代わる外貨獲得手段として重要である 国産の天然ガスからガスを分離し メタンは発電用途のほか 肥料やメタノールの原料となる 一方 エタンからはエチレンなど化学工業製品を製造し 他の成分はそれに応じた石油化学製品を製造する これら製品を国内市場に供給することで それらの製品輸入に要していた外貨の流出を軽減することが出来る また 生産量が増加すれば 製品輸出により獲得する外貨で LNG などを購入し LNG ベースのガスや電力を用いてより付加価値の高い工業製品を製造するなど産業全体の付加価値を高めるあり方が望ましい 3-10

80 LNG Import Steel Nonferrous metal Chemical Paper, print Glass, ceramic Gas-use Industries Cold energy Food Cold chain Domestic Gas Gas separation Gas separation Methane Ethane Power/Fertilizer Petrochemical Products Domestic Market Increase the Revenue of foreign currency Others Petroleum/ petrochemical products Export of product 出典 : 調査団 図 LNG を用いたガス産業 ミャンマー南部ではダウェイ SEZ が将来の主なガス需要地となることが期待される ダウェイ SEZ の 2020 年までの初期フェーズは軽工業が中心であり 内需向けのインフラ資材 ( セメント 建材 ) 食品 飲料 紙 パルプの需要が生じると予想される 鉄鋼 化学 車両製造などの重工業によるガス需要は 後期フェーズにおいて生じる見込みである ミャンマー南部におけるガス利用産業の可能性を 下表にまとめる 3-11

81 出典 : 調査団作成 表 ミャンマー南部におけるガス利用産業の可能性 分野 特徴 熱需要 ミャンマー南部における需要 鉄鋼 一般的には熱処理や 表面処理など高度な熱管理の必要な 薄板 線材等を製造する行程での利用が基本 大規模な発電設備が併設される 非常に大 現在 Kyause, Nyaundaga, Ywamaに鉄鋼所あり ダウェイ初期フェーズは軽工業中心であり 後期フェーズで需要が生まれる可能性有 非鉄金属 化学 石油化学 食料品 飲料 ガラス セラミック セメント 煉瓦 紙 パルプ 半導体 ファインケミカル 銅及び銅合金 亜鉛合金 アルミ系等多くの種類に細分化 熱需要大 肥料など 石油化学プラントからの副生成物も燃料となる場合も 蒸気の需要が大きいためコージェネレーションシステムの導入が可能 ガラス瓶等は飲料など関連産業と一緒に都市近郊に 内需向け建材用フロートガラス等のインフラ構成に欠かせない エネルギーコストの割合が高い 製品価格に対し輸送コスト大 石炭や重質油などの利用頻度が大きい 中 ~ 大 非常に大 建材等や 自動車産業との関連が深い 現在は需 今後のダウェイSEZ での後期フェーズで需要が生じると考えられる Minbu, Mann Seiktha 等にMPE 所有の工場あり 3mmscfdの需要 ガス不足であるが 今後 LNGが入ればダウェイSEZ で後期フェーズで需要増大が期待される また ダウェイは地理的にバンコクに近くタイとの関連が強い地域であり アセアン経済共同体の進展に伴い 隣国タイの主要産業である自動車関連の域内分業が予想され 自動車部品製造等の産業育成が期待できる 自動車産業は自動車部品製造において 電力のほか 製造プロセスにおいて熱源として制御性に優れるガスが多量に使用される 中 大 中 ~ 大 蒸気が利用の為 ボイラ タービン ジェネレータを保有 印刷後の乾燥工程に熱が利用 新聞や雑誌等の一般印刷に加え 食品パッケージ等が主 エ中 ~ 大ネルギーコスト比率が高く 燃料価格に対する感度が高い 半導体 リチウムイオン電池やカラー印刷用トナー等 製造プロセス クリーンルーム稼働 純粋製造のために 蒸気 冷熱 電力を大量に消費 大 消費量が増大し ミャンマーで成長中 現在は石炭 重油等が主 ダウェイ他南部でも初期から需要見込みあり 安定したガス需要群となるが 他の燃料との競合あり ダウェイ SEZ の初期フェーズや他の工業団地において 関連産業需要の成長が見込める 住宅や道路等のインフラ整備とともに成長中 ダウェイでも初期フェーズから需要がある モーラミャイン二セメント工場あり ガスの適用性は競合燃料と末端価格の差による ダウェイ SEZ 初期フェーズから産業が見込まれる 需要群の見込み大だが 競合燃料との価格差による 瞬停回避の必要有り 液化窒素 アルゴン 及び特殊な工業ガスなどある程度の周辺産業の存在が必要 ダウェイ SEZ の後期フェーズにおいて今後のガス火力 LNG の冷熱利用等可能性がある LNG 受入基地における冷熱利用の可能性 LNGは メタンを主成分とする沸点 -162 の極低温液体である 原油と比較して世界に広範に賦存する天然ガスはその 4 分の 1 が LNG として液化され LNG 船によって消費地に運ばれている 世界の LNG 生産量は 現在年間 2 億 4 千万 t であるが 日本は世界第 1 位の輸入国で年間 9,000 万 t を輸入しており 第 1 次エネルギー消費量の 2 割を担っている 輸入された LNG はガス化され 7 割が発電用 残りが都市ガス用として使用されているが 大規模 LNG 基地では 主に海水が気化熱源として使用される また 各地の LNG サテライト基地では主として大気の熱を利用してガス化される 代表的な LNG 冷熱利用技術である冷熱発電においても わずか年間 800 万 t の LNG が利用されているのみであり LNG 冷熱の大部分は依然として海水や大気中に放出されている この冷熱を積極的に利用することが省エネルギーや環境問題の観点から今後ますます重要となってくると考えられる ミャンマーにおいても LNG 受入基地と共に冷熱利用を検討する事は有益である 海外の LNG 液化基地では 原料ガスを液化する段階で多量のエネルギーが消費される そのエネルギーはいわゆる冷熱エネルギーとして LNG 中に蓄積されるため 消費地におけるガス化段階で再利用することができる 3-12

82 LNG 冷熱は カルノーサイクルで得られる仕事量 : エクセルギーで表され 例えば大気圧下 -160 の LNG を 20 に気化させるまでに 250 kwh/t-lng のエネルギーを取り出すことができる また 冷熱は低温であるほどクオリティが高い これまで 陸上 LNG 受入基地では 冷熱発電 空気液化分離 液化炭酸ガス ドライアイス 冷蔵倉庫 冷凍食品製造などが主な LNG 冷熱利用技術として実用化され稼働している 今後は データーセンター 低温植物工場 極低温抵抗ケーブルなどへの活用が期待できる LNG 受入基地を建設した場合 ミャンマーでも同様に適用できる可能性がある ただし FSRU では冷熱は利用できず 陸上基地またはガス化設備が陸上にある FSU において冷熱利用が可能である 以下はミャンマー南部のダウェイに LNG 陸上基地または FSU を建設した場合という仮定として記述する (1) 冷熱発電 冷熱発電は石油ショック後の省エネブームの中で注目を集め その後 都市ガス事業者や電力事業者によって多くが建設された 発電方式には ランキンサイクル 天然ガス直接膨張サイクル ランキン直膨組み合わせサイクル ブレイトンサイクルの 4 方式がある 一例として ランキンサイクルのフローを示す ランキンサイクルとは 海水を高温源 LNG を低温源 フロン プロパン 炭化水素混合冷媒などを作動流体として発電する方式である 作動流体は まずポンプで昇圧された後 気化器で海水により気化される その後 膨張タービンを回転させ発電し 凝縮器において LNG により凝縮され再度ポンプに吸入される 出典 : 東京ガス 図 冷熱発電のランキンサイクルフロー図 過去において冷熱発電設備はガス需要施設と共に盛んに建設された 一方 ガス需要施設で必要なガス供給圧力が高い場合 併設する冷熱発電の効率が下がる性質がある 主なガス需要施設である火力発電所は ガス供給圧力の低い蒸気タービンから高いガスタービンへと更新が進んでいる よって冷熱発電の効率が落ちる為 現在は冷熱発電の新設は難しくなっている ダウェイで計画されているガス火力もガスタービンが採用される場合は 冷熱発電の併設は難しい 一方 LNG 受入基地の近隣に ダウェイ等の工業団地の工場など低い供給圧力で多量のガス需要のある産業がある場合 冷熱発電併設の可能性が高まる (2) 空気液化分離 3-13

83 LNG 冷熱を利用した空気液化分離による液化酸素 液化窒素の製造は早くから実用化され 現在 数多くのプラントが稼働している プロセスは 精製 液化分離 冷熱補給の 3 段階から構成される 精製プロセスでは 除塵後 昇圧 冷却され 水分と二酸化炭素が除去された空気が精留塔へ送られる 液化分離プロセスでは 精製された空気が-180 まで冷却された後 精留塔で液化され 液化酸素と窒素ガスに分離される また アルゴン塔でアルゴンが分離される 冷熱補給プロセスでは 窒素ガスが昇圧され LNG の冷熱を補給されて精留塔下部の液化器で液化窒素となる LNG 冷熱を利用しない一般的な方式では 空気分離に要する冷熱は冷凍機および膨張タービンによって与えられている 一方 LNG 冷熱を利用すれば 熱交換器が必要となるものの 冷凍機および膨張タービンが不要となり 必要な電力量も 1/4~1/5 に削減できる 窒素ガスは プラントの停止時の系内置換 真空パックなど食品の酸化防止と鮮度保持 植物油や飲料水 溶剤などの脱酸素など様々な工業用途で利用される 酸素ガスはガラス等の溶融除燃材 パルプ漂白など酸化工程 溶断などの用途がある ダウェイ SEZ でも工業団地の開発が進めば 軽工業の初期の段階から窒素ガス 酸素ガスなど分離ガスの需要が生まれ 産業需要と共に増大すると考えられる (3) 液化炭酸ガス ドライアイス 近年 液化炭酸ガス ドライアイスの需要は冷凍食品の普及に伴い伸びている 通常液化炭酸ガスは 圧縮 予冷精製 液化精留の工程からなり 運転圧力は 3~4MPa 予冷 液化熱源に冷凍機を使用して製造されている この冷却部に LNG により冷却された冷媒を循環して間接利用方式によって液化炭酸ガス ドライアイスの製造が行われている LNG 冷熱を利用することにより 冷凍機を省略することができ 従来の設備では冷凍機を使用して液化するが LNG の冷熱を利用すれば電力費は 1/2 に削減できる ドライアイスは冷凍食品の低温物流に用いられ ダウェイからタイ ヤンゴンなど消費地へ冷凍食品を運搬するコールドチェーンに用いられる また 液化炭酸は溶接 飲料 鉄鋼 アルカリ排水の中和等に使用され ダウェイ SEZ 内での需要が見込まれる (4) 冷凍倉庫 冷凍倉庫において 通常は冷凍機で作り出される冷熱に代えて LNG 冷熱を利用すれば 設備費のかなりを占める冷凍機や付帯設備が不要となる また LNG を利用した冷凍倉庫では 通常の冷凍機では実現しにくいマグロなどの保存に適した -60 レベルの冷熱を容易に作り出すことができる また 幹線道路近傍など 冷凍食品の輸送に有利な立地の場合 実現性が高まる ダウェイは海に面しており漁業が盛んであるが これまでは大規模な冷凍設備がなく保存 長期理の輸送が困難であり 産業としての発展は限定的であった 冷熱利用により消費地のタイやヤンゴンに向けたコールドチェーンの創出が期待できる (5) データーセンター IT 化の進行に伴い データーセンターの需要が急増している データーセンターでは サーバーから発生する発熱を冷却する必要があり そのため 恒常的に大量の電力を消費する この冷却に LNG 冷熱を利用できれば 大幅な電力使用量の削減が可能となる データーセンター自体を寒冷地に設置し外気によって冷却する方式が北海道石狩市で実現されているが LNG 冷熱を利用することも可能である 3-14

84 実現のための課題としては 前述の通り 日本では湾岸地帯に立地する LNG 受入基地に近接する必要があるが データー輸送ケーブルルートと用地との位置が適切であるか 沿岸部の高塩分レベルの空気の機器への影響はないか 埋立地が多い海岸地帯における軟弱地盤の影響はないか等を解決する必要がある 光ファイバーケーブルがダウェイ SEZ とタイ国境の Phu Nam Ron まで接続される予定であり ダウェイ SEZ がデータセンターとしての機能を有することが ITD 社の計画に盛り込まれている (6) 低温植物工場 近年 コンビニ ファミリーレストラン等向けに 清浄な野菜を 日照 温度 湿度を制御する人工気象下で気候に左右されず効率よく栽培し 安定供給できる植物工場が実用化されている 栽培する作物の生育条件が低温である場合 これに LNG 冷熱を適用できれば安価な栽培が可能である また 低温性魚類の養殖についても同様の可能性がある タイではコンビニやレストランなどが既に発達しており タイの消費に向けた供給が考えられる また ヤンゴンでも近年健康意識の高まり 安全な野菜に対する需要がある 課題としては 植物工場自体の採算性 LNG 受入基地隣接用地の確保が主な課題になる 日本企業参画の可能性 (1) 日本企業参画のための課題の整理 ミャンマーは LNG の取り扱い実績無く 案件の計画 開発 建設 運営の各々の段階において商務的にも技術的にも実績豊富な外資民間企業及び外国政府に頼らざるを得ない 外資参入に関する課題は 節に前述であるが 下記の通りまとめられる ミャンマー政府によるエネルギーマスタープランなど長期政策の策定 案件実現性 融資可能なプロジェクトスキーム 法的枠組みの整備 ミャンマー政府による LNG 調達 ミャンマー国内におけるガス受給見通し パイプライン 港湾設備などの関連インフラ整備 日本政府による案件開発段階における支援 日本政府による制度金融の導入 日本が有する LNG 受入基地建設 運営に関わる知見の蓄積に対するミャンマー政府の認識 ミャンマー政府による外国投資への更なる優遇策( 税制 許認可など ) 上記課題に対して 新 Petroleum Act や Long Term Energy Master Plan など新政権における法的枠組みや政策 新 Myanmar Investment Law 細則など制定中の関連法の確認 事業の F/S の見極め 参画可能な事業の切り分けによるリスク低減などを行い 対処する必要がある (2) 日本企業参画可能な事業切り分け ミャンマーにおける LNG 導入に当たっては LNG 受入基地の建設 基地の操業を含む事業 3-15

85 運営 LNG 購入 LNG 輸送 パイプライン関連事業等 外資とりわけ本邦企業は過去の実績を通じノウハウを積み重ねてきており 実際の事業の切り分け方に応じて対応可能である LNG 受入基地の建設 パイプラインの敷設など -162 で液化された LNG を取り扱う設備の技術要求度は高く 対応できる技術力を持ち 信頼できる実績を有する企業は限られているが 以下の分野で 日本には実績を有する企業が多数ある LNG タンクメーカー エンジニアリングコントラクター 海洋土木 ラインパイプメーカー LNG 受入基地建設のプロジェクトマネージメントコンサルタント (PMC) その他関連設備 機器メーカーが参画可能である ミャンマー南部においてガスが安定供給されることで ガスを燃料とした発電案件の成立が期待される ガス火力発電所建設に伴う本邦重電メーカー 発電事業に関心を有する三井物産などの本邦商社 電力会社の参画 等である ダウェイ SEZ にガス及び電力の安定供給が実現することで製鉄 ガラス 化学といった熱を大量に使用する製造業 或いは自動車メーカーの進出検討が進む LNG 船の建造 ( 造船メーカー ) LNG 輸送 ( 船会社及び商社 ) LNG 販売 ( 商社 ) に関する日本企業の参画可能性が高まる さらに タイに進出する日本企業にとっても タイ向けガスの安定供給及びガスを燃料とした電力の長期安定確保は非常に重要な事項である 本邦企業の多くが本事業及び関連事業への高い関心を示しており 課題がクリアされれば参画可能性は高い 3-16

86 4 協働調査 現地説明会 4.1 協働調査 本調査はエネルギー省 MOGE 電力省 MEPE と協働で実施した 調査の日程を下表の通り示す 表 協働調査の日程と内容 日時ミャンマー側参加者内容 2015 年 10 月 26 日エネルギー省 MOGE エネルギー 電力政策とマスタープランについて 水力 石炭火力 ガス火力の位置づけについて LNG 輸入にかかる検討状況と MOE 内の検討委員会 ワーキンググループについて ガス需要 LNG 価格について 2015 年 10 月 27 日 MEPE 今後の火力発電ガス需要について ガス使用量計画 発電容量拡大計画について 2015 年 10 月 29 日 MOGE ガス需給について( 新規ガス田の予測 現在の産出量 国内のガス使用量 ) セクター別ガス使用量割合について LNG 輸入の必要性について パイプライン設備の全体像について 2015 年 10 月 29 日 MEPE 2018 年までの MOGE からのガス供給量予定について ガス供給量実績について ガス田別のガス熱量について LNG 輸入を前提としたガス火力計画について 2015 年 10 月 30 日 NEMC エネルギー政策と 年策定予定の Long Term Energy Plan について ADB の NEMC 組織キャパビルについて 電力政策と計画発電容量 石炭火力の見通しについて 2015 年 12 月 7 日 エネルギー省 LNG 輸入にかかる省内検討の状況や法改正について LNG 輸入検討にかかる委員会状について LNG にかかる政府内の役割分担と法改正について 2015 年 12 月 7 日エネルギー省 MOGE パイプラインネットワーク現状について 南部のパイプライン能力について 今後の改修計画について ガス価格について 2015 年 12 月 9 日 MOGE ガス需給の確認 ガス供給量予測について ガス供給量の変動について ガスの産業需要と政府系工場のガス供給について CNG 向けガス需要について 出典 : 調査団作成 上記協働調査の結果を 本調査の取りまとめに反映した 4-1

87 図 Joint Study 写真 ( 左 :2015/10/29 右 :2015/12/09) 4.2 現地報告会 2016 年 1 月 27 日に ネピドーのエネルギー省にて 本調査の結果 ガス政策提案 日本のガス利活用関係施設の紹介を内容とした現地報告会を行った ミャンマー側は MOE より事務次官代理含む 5 名 MOGE より総裁含む 6 名 MPE から 2 名 MEPE から 2 名 合計 15 名が参加した ガス需給予測 LNG 基地の形式 場所について パイプライン拡張計画 フェーズ分け LNG 供給計画策定について議論を行った ミャンマー側からの主なコメントは以下の通りであった 2025 年までは短期的に FSRU を設置し 2020 年頃に需給見直しを行い将来の不確定要素に対応するため柔軟性を確保した計画とすべきという調査団の考えに同意する FSRU を南部に設置する考えは妥当であろう LNG 受入基地サイト調査を行う世界銀行とは LNG に関する更なる技術支援について今後継続協議する ミャンマーとしてガス供給量の不足を認識し LNG 輸入の意向あり真剣に検討を開始した しかし ミャンマーは LNG 受入事業を実施した経験がないため ミャンマー政府自身が単独で受入基地事業の開発及び運営の主体者となることは容易でなく他国の主体的関与が必要と認識している 将来の LNG 輸入実現に向けて 調査段階から技術面でも運営面でも制度面でも実績豊富な日本に対して是非協力を求めたい 本調査後も引き続き日本の支援が得られるのであれば大歓迎である 世界銀行とも上手く調整して進めたい 図 現地報告会写真 4-2

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和文報告書目次案 No. 2 15 9 JR 03 100 4-1 4-2 4-3 4-4 ... 1... 1 1.2... 1 1.2.1... 1 1.2.2... 1 1.2.3... 2 1.3... 2 2... 5 2.1 I... 5 2.1.1... 5 2.1.2... 6 2.1.3... 10 2.1.4... 14 2.1.5... 17 2.1.6... 17 2.1.7... 18

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