RTOSSkillupSeminar pptx

Transcription

1 年 6 24 GR-PEACH で学ぶ IoT アプリ開発スキルアップ講座 リアルタイム OS を使ってみよう 松原豊 (Yutaka MATSUBARA) 名古屋 学 学院情報学研究科 yutaka@ertl.jp Web:

2 2 スケジュール 時間 内容 10:00-10:05 セミナー主旨の説明 10:05-10:30 リアルタイムOS っておいしいの? 10:30-11:00 リアルタイムOSを使ってみよう 11:00-11:30 リアルタイムOSを使ったアプリを作ってみよう 11:30-12:00 アプリ開発相談会,TOPPERS 紹介 進み具合によって, 若 変更になる可能性があります

3 3 主旨 & お願い がじぇるね ( 主に GR-PEACH) を使って 々なアプリを開発している を対象に, リアルタイム OS の勘所を理解して頂く リアルタイム OS を開発している TOPPERS プロジェクトについて知って頂く 良い作品ができた際には, ぜひ TOPPERS アプリ開発コンテストに応募して頂きたい

4 リアルタイム OS っておいしいの? 4

5 リアルタイムOSを使えばこんな作品が作れます カメラ制御 シャッター 位置 カメラ映像 写真データ閲覧 ブラウザ 上で操作 5

6 6 ソフトウェアの構成 アプリ 初期化 処理 ロボット 制御 シリアル 字表 タイム ラプス処理 ネット接続 ウェブサーバ カメラ ファイルシステム リアルタイム OS

7 7 組込みシステム向け OS( 主なもの ) 汎 OS ベース リアルタイム OS( オープンソース )

8 8 リアルタイム OS を使うのが難しい場合 使 するマイコンの性能 / メモリが 常に限られている (8bit コア,2KB 未満の RAM ) 性能的に OS の導 は厳しい

9 リアルタイム OS を使うのが難しい場合 使 するマイコンの性能 / メモリが 常に限られている (8bit コア,2KB 未満の RAM ) 性能的に OS の導 は厳しい 使 するマイコンに移植されたリアルタイム OS が存在しない 分で, もしくは誰かが移植作業 ( ポーティング ) する必要がある 9

10 10 使わない が良い場合 アプリの完成, 締切り間近で時間がない 新しいものを導 する際は時間と の余裕を持ってやりましょう

11 11 使わない が良い場合 1 ループ / タスク + 割込みハンドラだけで 分 困っていないので, そのままで良し void button_hander() { } void setup() { } void loop () { }

12 使わない が良い場合 処理が 連の流れ で書ける, もしくは 連の流れで考えたい 使っているうちに慣れるけど思考的に合わないかも ( 無 な混乱を招くだけかも ) void loop () { 処理 1 処理 2 処理 10 } void loop () { 初期化処理 ウェブサーバ開始 処理 1 5 秒待つ LCD 表 を開始 処理 2 処理 3 } void ウェブサーバ () { while(1) { 接続受付待ち ページ表 } } void LCD 表 () { while(1) { センサ値取得 値を LCD に表 4 秒待つ } } 12

13 13 使った が良いかもという場合 1 ループがめちゃくちゃ くなってきた void loop () { 処理 1 処理 2 処理 10 処理 999 処理 1000 } いと何が悪いの?

14 14 使った が良いかもという場合 1) 改変するのが ( だんだん ) 変になる 追加, 修正すべき箇所を探すのが 変 2)1ループ全体の処理時間が くなる 動作, 反応が遅くなる 処理タイミングの変動幅が きくなる ( 動作の予測が 変になる )

15 15 使った が良いかもという場合 1 ループがめちゃくちゃ くなってきた void loop () { 処理 1 処理 2 処理 10 処理 999 処理 1000 } 複数のタスク / 関数に分割すべし でも, どうやって? void func1 () { } void func2() { } void func3() { }

16 16 チェックポイント 複数の機能が混在していませんか? 重要さの違う処理が混在してませんか? 動作して欲しいタイミングが異なる処理が混在していませんか?

17 タスク分割の 針 ( タスク設計 ) 複数の機能が混在している 機能ごとにタスクに分けましょう 重要さの違う処理が混在している 重要さごとにタスクを分ける ( 優先度割当 ) 重要ではない処理を後回しにしましょう (OS が勝 にやってくれます ) 動作して欲しいタイミングが異なる処理が混在している 処理の動作周期ごとにタスクを分けましょう それぞれのタスクを起動する処理を書きましょう ( 周期ハンドラでやる もあります ) 周期的な処理と, そうでない処理を分けて動かしましょう (OS が勝 にやってくれます ) 17

18 18 タスク設計の価値 作っているアプリの処理内容を 直し, タスク設計することでを 直す ( 本来は設計してから実装するのが筋ですが ) 理論的に考えると, そもそも遅くなって当たり前, 要求通りに動かないという場合もあるので, うまく動かない場合は設計を 直す価値あり

19 19 使わざるを得ない場合 ( 勝 に動いている ) 既存のライブラリやアプリを流 する mbed や TOPPERS のソフトウェアプラットフォームを使うと, 裏で勝 に OS が動きます 分が作るアプリでは不要な場合でも, 全体を把握するために知識を得ておくこと は 切

20 リアルタイム OS ってなに? 20

21 21 オペレーティングシステム (OS) の役割! どの範囲のソフトウェアを OS と呼ぶかは, 明確な定義がない ( 例 : ウィンドウシステムは OS の 部か?) ハードウェアの仮想化 ハードウェアとしてのコンピュータの機能を拡張し使いやすく柔軟なコンピュータを提供すること そのために, ハードウェアを抽象化 多重化 ハードウェア資源の管理機能 ユーザにハードウェア資源の共同利 を許し, 資源が効率よく使 されるように管理すること 例 ) ファイルシステム ディスクというハードウェア資源を抽象化 多重化 するとともに, 複数のユーザからのアクセスを許す

22 22 リアルタイム OS(RTOS) とは? 字通り, リアルタイムシステム構築のためのOS (1) リアルタイムシステム向けの機能を持つ プリエンプティブな優先度ベーススケジューリング 優先度継承や優先度上限プロトコルのサポートなど (2) 予測可能性を持つ 商業ベースのRTOSの多く OSの各サービス時間があらかじめわかっている ただし, 予測可能性にもいろいろなレベルがある (3) 時間制約を管理 部の研究ベース RTOS OS が各処理の時間制約を考慮してスケジューリング (4) 速に応答

23 アーキテクチャによる RTOS の分類 ( 中間的なものある ) 23 汎 OS 型 リアルタイムカーネル型 アプリケーション アプリケーション API ミドルウェア ミドルウェア デバイス ドライバ リアルタイム OS デバイス ドライバ OS の機能は豊富 サイズは 較的 きい 般に応答時間は遅い デバイスドライバは別の API * で作成 API ミドルウェア デバイス ドライバ ミドルウェア デバイス ドライバ リアルタイムカーネル カーネルの機能は限定 カーネルサイズは さい 般に応答時間は速い デバイスドライバとアプリケーションは同じ API * で作成 *Application Programming Interface

24 24 RTOS の主な機能 リアルタイムカーネルの機能 マルチタスク機構 プロセッサの仮想化 多重化 タスク間通信 同期機構 時間同期 / 管理 タイマの仮想化 多重化 メモリ管理 メモリの仮想化 多重化 割り込み管理 / 処理, 例外管理 / 処理システム管理など RTOS その他の機能 出管理機能 / デバイス管理機能 ファイル管理機能 ( ファイルシステム ) 通信 ネットワーク機能 ( プロトコルスタック ) ユーザインターフェイス機能 (GUI など ) プログラム管理 / ローディング機能などなど

25 25 マルチタスク機能 タスクとは? プログラムの並 実 単位 1 つのタスク中のプログラムは逐次的に実 される 異なるタスクのプログラムは並 に実 される プロセッサを抽象化 多重化したもの マルチタスク機能 複数のタスクを擬似並列に実 するための機能 シングルプロセッサシステムでは, 実際に同時に実 できるタスクは 1 つのみ 複数のタスクが同時に実 しているかのように せる CPU CPU CPU CPU CPU タスク 1 タスク2 タスク3 タスクn

26 プリエンプティブな優先度ベース スケジューリング 26 ほとんどの RTOS で採 されているスケジューリング 式 (RTOS によっては他の 式もサポートしている ) 優先度ベーススケジューリング 最も優先度の いタスクが実 される 優先度の いタスクが実 できなくなるまで, 優先度の低いタスクは実 されない 同 優先度のタスク間では FCFS(First Come First Served) プリエンプティブスケジューリング 優先度の いタスクが実 可能になると, 優先度の低いタスクが実 途中でも, タスク切替えが起こる 実 可能になるきっかけは割込み 汎 OS のためのスケジューリングとは きく異なる

27 27 タスク状態の図式表 何時でも実 できる 実 中のタスクはただ 1 つ 実 可能状態 起動 待ち解除 ディスパッチ プリエンプト 事象の発 を待つ 待ち状態 実 すべき処理が無い 実 状態 待ち 終了 休 状態

28 28 リアルタイム OS 導 のメリット / デメリット メリット 1 ループを分割し, タスク単位で管理, 再利 しやすくする 優先度順の実, 周期実 などを 動的にやってくれる ハードウェアの詳細を意識しなくて良い デメリット 処理時間, メモリを消費する 使うために覚えることが多い 並 処理で動作が複雑になる ( と感じることもある )

29 リアルタイム OS を使ってみよう 29

30 30 GR-PEACH のソフトウェア開発環境 種類 環境 主な対象 特徴 コマンドライン ウェブコンパイラ 統合開発環境 GNU Compiler + OpenOCD ルネサス ウェブコンパイラ mbed コンパイラ Eclipse TrueSTUDIO 熟練者 者 中級者 者 中級者 熟練者 者 中級者 熟練者 従来の開発 法 お 軽 TOPPERS テンプレート デバッガなし お 軽 デバッガなし 設定が 倒 ( 現状 ) ビルド デバッグまで無償で利 可能 (Windows と Linux) Mac は今年中? IDE for GR 者 TOPPERS 未対応 その他 Blockly 者 ブロックプログラミング可能 ビルドは別環境を使

31 31 ルネサスウェブコンパイラ for GR-PEACH すぐに RTOS を使える TOPPERS のテンプレート ブラウザでお 軽プログラミング ( コンパイル環境の構築不要 )

32 32 TrueSTUDIO for GR-PEACH IDE 上でのプログラミング & 強 なデバッグ機能 A.I.Corporation による サポート & マニュアル提供

33 33 開発環境の使い分け C 語 習得不要 ブロックプログラマー ( / 中学 など ) Blockly インストール 作業不要 度な デバッグ がじぇるね, Arduino ユーザ ウェブコンパイラ 統合開発環境 Eclipse/TrueSTUDIO TOPPERS/RTOS ユーザ コマンドライン

34 34 機材の準備 GR-PEACH Full マイクロ USB ケーブル Ethernet ケーブル ウェブコンパイラ (PC+ ブラウザ )

35 機材接続とウェブコンパイラ準備 ビギナーズガイド がじぇるねウェブサイト 35

36 36 TrueSTUDIO を使ってみよう (1) TrueSTUDIO のダウンロード Free download を選択

37 37 TrueSTUDIO を使ってみよう (2) GR-PEACH の TOPPERS のパッケージをダウンロード Tag v1.0.0-allinone を選択 Download ZIP を選択

38 38 TrueSTUDIO を使ってみよう (3) TrueSTUDIO を起動しワークスペースを指定 ROOTDIR/examples/truestudio を指定

39 39 TrueSTUDIO を使ってみよう (4) プログラムのビルド & ボードへのダウンロード asp.bin を MBED ドライブにコピー プロジェクトを選んでビルド

40 40 リアルタイム OS を使った アプリを作ってみよう

41 41 GR-PEACH TOPPERS 開発パッケージ 組込みリアルタイム OS である TOPPERS/ASP カーネル 上に, 様々なライブラリを統合して動かせるようにした開発パッケージ パッケージ内容 TOPPERS/ASP カーネル mbed ライブラリ ハードウェア抽象化ライブラ Ethernet ライブラリ ファイルシステムライブラリ HTTP サーバ RPC ライブラリ I2C ライブラリ ソフトウェア PWM ライブラリ Arduino ライブラリ ( ただし, 部の機能のみ ) マルチタスク機能 ( 複数の loop() を記述可能 )

42 42 アプリケーションで使える 4 つのインタフェース 簡単に使える! でもオーバヘッド きい Arduinoライブラリ wolfsslライブラリ mbedライブラリ TOPPERSカーネル仕様 API 直接操作 速 & 無駄な処理なし! でもハードウェアの知識必要 & アプリの互換性無し

43 43 Arduino ライブラリ 特徴 Arduino ライブラリを GR-PEACH に移植 Arduino プログラミングスタイル (setup() と loop()) で, お 軽にアプリを開発できる 本環境ではマルチタスク ( 複数 loop()) を使 できるよう独 に拡張 リアルタイム OS のアプリからも API を呼び出せる mbed-lib/arduino-lib に格納 mbed ライブラリに依存 (HAL や EthernetInteraface が必要 ) 主な機能 デジタル / アナログ 出, 外部割込み管理 SD カード制御 Ethernet クライアント機能 LCD 制御 SPI 通信 リアルタイムクロック EEPROM 読書き, ソフトウェアシリアル通信, モータ制御 (Servo, Stepper),Ethernet サーバ機能,USB ホスト, Firmata, I2C リファレンス :

44 44 mbed ライブラリ 特徴 mbed 対応ボード のライブラリ アプリケーションのソースコード互換性を 指す デフォルトでは,ARM 社の RTOS である RTX を使 本環境では,RTX を TOPPRES/ASP に変更 主な機能 HAL(Hardware Abstruction Layer) (mbed-src) EthernetInterface (EthernetInterface) LwIP[GPLv2] も含む. FAT File System (FATFileSystem) FatFs[BSD-style License] を含む. HTTP Server (HttpServer_snapshot) RPC(Remote Procedure Call) (mbed-rpc) I2C (i2c) Softwere PWM (SoftPRM) リファレンス :

45 45 TOPPERS カーネル仕様 API 特徴 μitron 仕様ベースの次世代リアルタイムカーネル仕様 μitron 仕様の完成度を向上する修正 TOPPERS プロジェクトが策定 シングルプロセッサ向けの TOPPERS/ASP カーネルをオープンソースとして配布 製品にも数多く採 された実績 ( 品質 ) オープンな仕様 公式 : 主な機能 システムコンフィギュレーション タスク管理 割込み管理 排他制御 同期 通信 リファレンス :

46 動かしてみよう ビギナーズガイド マルチループプログラミング 46

47 47 その他のお題 : 簡単なアプリを作ってみよう 12 秒周期で LED の ON/OFF 押したときに USER_BUTTON0, を押し 2LED_USER たときに,2LED_USER の状態を反転するの状態を反転 (ON OFF, (ON OFF, OFF ON) させ, さらに, 3 LED を 250[ms] で 3 回点灯する

48 こんな感じで動きます 48

49 49 ヒント 使 する API( 他の API を使っても構いません ) Arduino ライブラリ 簡単なので :) TOPPERS カーネル仕様 API 操作対象デバイスの名称を確認 ピン配置図を て, 操作対象の場所, 名称を確認する./mbed-src/targets/hal/TARGET_RENESAS/ TARGET_RZ_A1H/PinNames.h 例 :USER_BUTTON0 のピン名称は,LED_USER or USER_BUTTON0 プログラムの設計 初期化コード 各 LED のピンをデジタル出 設定 ボタンを押した時の処理を割込み処理として実装 周期的な処理は周期ハンドラを使おう. 異なる機能は, タスクを新しく使って分けて作ろう コンフィギュレーションファイル (app.cfg) に追加

50 50 さらにスキルアップを 指そう 無料で使える教材 NEP 組込みソフトウェア開発技術の基礎 about.html マイコンのディープなプログラミング (BareMetal 編 ) 発展的なスキルアップ講座 ( 希望があれば ) printf デバッグを卒業しましょう デバッグ講座 (TrueStudio 編 ) 外部と繋いでみよう! 通信プログラミング講座 セキュリティを学ぼう!TLS/SSL プログラミング講座

51 51 NEP 基礎コース 01 組込みソフトウェア開発技術の基礎 RTOS の基礎編 Copyright (C) 2014 by 名古屋 学組込みシステム 材育成プログラム Copyright (C) by 名古屋 学組込みソフトウェア技術者 材養成プログラム Copyright (C) by 広章, 本 晋也 上記著作権者は, 以下の (1) (4) の条件を満たす場合に限り, 本コンテンツ ( 本コンテンツを改変 翻訳したものを含む. 以下同じ ) を使 複製 改変 翻訳 再配布 ( 以下, 利 と呼ぶ ) することを無償で許諾する. (1) この枠内の著作権表記等が, そのままの形でコンテンツ中に含まれていること. (2) 本コンテンツを再配布する場合には, 再配布の形態等を, 以下のウェブサイトから報告すること. (3) 本コンテンツを改変 翻訳する場合には, コンテンツを改変 翻訳した旨の記述を, コンテンツ中に含めること. また, 改変 翻訳者の著作権表記等は, この枠内の著作権表記等とは別に うこと. (4) 本コンテンツの利 により直接的または間接的に じるいかなる損害からも, 上記著作権者を免責すること. 本コンテンツ中の 部は, 部科学省特別経費により, 名古屋 学組込みシステム 材育成プログラム (NEP) の 環として作成しました. 本コンテンツの 部は, 部科学省科学技術振興調整費により, 名古屋 学組込みソフトウェア技術者 材養成プログラム (NEXCESS) の 環として作成しました. 本コンテンツ中に記載されている商品名やサービス名などは, 各社の商標または登録商標です.