平成 28 年度石油産業体制等調査研究 原油等開発に要する技術動向に関する調査 報告書 平成 29 年 2 月 28 日

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1 平成 28 年度石油産業体制等調査研究 原油等開発に要する技術動向に関する調査 報告書 平成 29 年 2 月 28 日

2 平成 28 年度石油産業体制等調査研究 原油等開発に要する技術動向に関する調査 目 次 1 石油 ガス上流産業の概要 石油 ガス上流産業を取り巻く環境 石油 ガス上流産業のバリューチェーン 石油 ガス開発における重要技術と主要プレイヤーの競争優位性 探査 探鉱 概要 重要技術の整理 主要プレイヤーの競争優位性 坑井調査 概要 重要技術の整理 主要プレイヤーの競争優位性 掘削 坑井仕上 概要 重要技術の整理 主要プレイヤーの競争優位性 開発 生産 概要 重要技術の整理 主要プレイヤーの競争優位性 海洋生産システム 概要 重要技術の整理 主要プレイヤーの競争優位性 LNG チェーン 概要 重要技術の整理 今後の技術開発トレンド 石油 ガス産業に係る分野横断的技術の最新動向 素材関連技術 HP/HT 対策技術 ハイドレート ワックス対策技術... 59

3 3.1.3 新規素材関連技術 IoT 関連技術 生産性向上 保守 管理 機械学習 ROV AUV 関連技術 ROV AUV 環境対応技術 随伴水処理技術 フレアリング対策技術 シェール革命が実現した背景等の整理 分析 米国における事例分析 技術的要素に係る整理 社会 経済的要素に係る整理 米国政府による政策的支援とその効果 米国政府による政策変遷 R&D プログラムの概要 政策実施による効果 米国以外のシェール賦存国の動向 まとめ 我が国が取得に注力すべき技術分野の考え方 我が国における政策動向 強みを有する技術 諸外国における動向

4 1 石油 ガス上流産業の概要 1.1 石油 ガス上流産業を取り巻く環境 (1) 油価低迷とその影響 2014 年後半以降の油価低迷を背景として 石油 ガス上流開発投資が停滞している 2016 年 9 月に国際エネルギー機関 (IEA: International Energy Agency) が発表した World Energy Investment によると 2015 年における世界のエネルギー総投資額は 1 兆 8,300 億ドルとなっており 前年比 8% 減となった この中でも石油 ガス上流部門に対する投資額は 5,830 億ドルであり 依然として総投資額の約 1/3 を占めているが 前年比で見ると 25% もの大幅減少となっている また 2016 年における当該部門に対する投資額は 4,000 億ドル強 (2015 年比 24% 減 ) と予測されており 引き続き大幅減少となっている 図 1-1 石油 ガス上流部門投資額の推移 ( 出所 ) IEA World Energy Investment 2016 高木路子 (2017) 欧米メジャー 相次ぐ資産買 2 収発表の動き,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 一方 2016 年後半以降 原油価格は回復傾向にあり 上流開発投資についても回復の兆しが見えつつある 特に 2016 年第 4 四半期には数多くの資産買収案件が発表されたが そのトレンドとして 欧米メジャーが財政難に苦しむ産油国国営企業や経営が苦しい中小企業が保有する優良資産を積極的に買収し 将来の開発案件に繋げていく動きを加速させている 3 1 < 2 < 3 高木 (2017) 1

5 (2) フロンティア地域開発への移行経済成長に伴い資源需要は伸びるが 埋蔵されている地下資源の量は有限であるため 資源開発のフロンティアはより技術的に困難な地域 空間に移行せざるを得なくなる 過去においては 陸域 浅部 における掘削 採取が資源開発の主流であったが 現在では技術的により難易度の高い 海域 深部 へと資源開発のフロンティアが移行している 4 一方で 2017 年 2 月時点において原油価格 (Brent) は 50 ドル / バレル強まで回復しており 今後更に上昇を続ければ ブラジルのプレソルトを始めとする大水深開発も再び動き出す可能性がある 2016 年後半以降の欧米メジャーによる M&A 成約動向を見ると 大水深油ガス田開発が依然として戦略的な投資ターゲットのひとつとなっており 更には中小開発企業が保有する既発見の未開発資産に対して買収を仕掛けているケースもみられる 5 先述した探鉱地域の成熟化によって 新規の大規模探鉱は 将来的に大水深海域や極圏などの フロンティア地域 と呼ばれる地域に移行すると考えられる 従って これに対応する新たな技術開発が必要となる (3) 環境 安全性等に対する社会的要請 2010 年 4 月にメキシコ湾において発生した BP 社の石油掘削施設 Deep Horizon の暴噴及び原油流出事故以来 石油 ガス開発の安全対策及び環境対策に対する社会的要請がより強まることとなった 環境と調和した石油 ガス開発が求められる中 近年では特に CO 2 排出量増加に伴う地球温暖化が大きな課題となっており 関連技術の重要性が増している 要素 1: 資源価格低迷に伴う上流開発投資停滞 最適化 効率化 無駄削減など 上流開発技術ニーズに対するトレンドを形成 耐温 耐圧化技術 高度 IT 技術等 要素 2: フロンティア地域開発への移行 自動化 自律化 安全性向上等 要素 3: 環境 安全性等に対する社会的要請 ( 出所 )MURC 作成 図 1-2 石油 ガス上流開発技術のトレンド 4 総合資源エネルギー調査会資源 燃料分科会中間論点整理 ( 平成 28 年 7 月 19 日 ) < 5 高木 (2017) 2

6 1.2 石油 ガス上流産業のバリューチェーン 石油 ガス上流産業の開発には巨額のリスクマネーを必要とすることから リスク分散のために 複数の石油会社が共同で権益を取得することが一般的に行われている 近年は 欧米メジャーともいわれる国際石油会社 (IOC: International Oil Company) と比較して国営石油会社 (NOC:National Oil Company) による生産規模及び影響力が増大しつつあり これに伴い石油 ガス上流産業の構造も変化の兆しがある 欧米メジャー ( 例 : Exxon Mobil 社 BP 社 Shell 社 Chevron 社 Total 社等 ) は 高い研究開発能力を持つ R&D 部門を保有しており オペレーターとして自らのニーズに沿った技術開発を石油サービス会社 ( 例 : Schlumberger 社 Halliburton 社 Baker Hughes 社等 ) と共に実施してきた しかし上記の通り 国際原油市場において NOC が台頭するにつれ 石油サービス会社の主要クライアントも IOC から NOC へと変化している これに伴い 石油サービス会社は IOC と比較して技術的優位性を持たない NOC に対して 上流開発に係る包括的なサービスを提供するようになっており 石油 ガス上流産業におけるプレゼンスが向上した 大手石油サービス会社は 自らの R&D 部門において開発した新規技術を石油開発会社に対して売り込むなど 技術的なトレンドを形成する役割を担っている 石油 ガス上流産業のバリューチェーンは オペレーターとなる石油開発会社 更には石油サービス会社を核として形成される 石油開発会社のニーズに応じて その下請けとなる掘削会社 探査会社 検層 エンジニアリング会社などが技術開発を実施する 更にこれらに加えて構成機器メーカー サービス提供会社 分野横断的関連企業などが存在しており 石油 ガス開発上流産業のバリューチェーンは 極めて多層的な構造となる 3

7 探査 探鉱等坑井調査等掘削 坑井仕上等開発 生産運用 輸送等 石油 ガス開発会社 ( 操業主体 ) IOC(Exxon Mobil Shell BP Chevron Total INPEX JAPEX 等 ) NOC 石油サービス会社 Schlumberger Halliburton Baker Hughes 等 石油 ガス上流関連産業石油サービス会社がエンジニアリング会社が包括的にサービスを実施設計等に係るサービスを実施地震探鉱関連物理検層関連水圧破砕 掘削 仕上 EOR WesternGeco CGG Schlumberger PGS Schlumberger Halliburton オペレータ Halliburton - 企業が中心となり実施 等 Baker Hughes 等 Baker Hughes 等 海洋生産バリューチェーン 海運会社 造船会社等が海洋掘削洋上生産 ( 浮体式生産設備 (FPSO 建造などに係る等 )) Transocean Seadrill SBM MODEC Ensco BW Offshore サービスを提供 Noble DrillingJ DC 等 Technip, Saipem McDermott 日揮 千代田化工等 Hyundai Samsung Daewoo 海底生産 Technip, Saipem 三菱重工 川崎重工 IHI 機器製造 : TechnipFMC OneSubsea Aker 千代田化工 Solutions TEC 等 JMU GE 三井造船等 Oil & Gas LNGバリューチェーン LNG 液化 LNG 輸送液化技術 : APCI Bechtel タンク技術 : MOSS Bechtel KBR GTT,SPB(JMU) Technip 等日揮 千代田化工 TEC 分野横断的関連産業 素材関連 : 新日鉄住金 Sandvik 等 IoT 関連 : GE Siemens ABB 等 ROV/AUV 関連 : Oceaneering, SMD, Kongsberg 環境対応関連 ( 例 : 随伴水処理 ) : Veolia GE 等 ( 出所 )MURC 作成 図 1-3 石油 ガス上流産業のバリューチェーン構造 4

8 2 石油 ガス開発における重要技術と主要プレイヤーの競争優位性 2.1 探査 探鉱 概要 物理探査とは 地球の内部構造あるいは地下資源に直接触れることなく それらの物理的な性質を手がかりとして間接的に探査する技術の総称である 掘削作業など対象物に直接触れて計測する場合の費用に比べ 安価で広域を調査することができる 坑井内検層 遠隔探知 ( リモートセンシング ) なども広義には物理探査の分野に分類される 6 以下 石油 ガスの探査 探鉱で利用される重要技術として 地震探査に加え 重力探査 磁力探査 電磁探査について示す 重要技術の整理 (1) 地震探査 地震探査は 地震波を利用する物理探査である 地震探査には人工震源を用いた反射法 地震探査 屈折法地震探査のほか 地層内で発生する破壊音など計測する AE( マイクロサイ スミック ) 計測などが含まれる この中でも 反射法地震探査は 構造評価及び貯留層評価 から 生産段階における油田管理にまで幅広く利用されている 1) 反射法地震探査反射法地震探査 7 は 地表で発生させた振動に対する地層境界面からの反射波を観測する 反射波が戻るまでの時間の違いを用いて地下構造の画像 ( 地震探査記録 ) を獲得するとともに 振幅の変化を解析して貯留層の性状を探る 方式の違いにより 2 次元 3 次元 4 次元に大別すること出来る 以下 概要を示す 8 6 JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 物理探査 < arget=keyeq> 7 JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 反射法地震探査 < E9%9C%87%E6%8E%A2%E6%9F%BB&target=KEYEQ> 8 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, 2.4 地震探査, p

9 (2 次元反射地震探査法 ) 2 次元反射地震探査法 (2D 地震探査 ) は 測線 と呼ぶ直線状の線に沿って調査され 測線直下の地震探査記録が作成される 3 次元的な地下状況を把握するために 通常 測線は複数本がそれぞれ交差するように設定される 石油 ガス探査では主に概要調査において用いられる (3 次元反射地震探査法 9 ) 2D 地震探査では得られる記録も 2 次元の断面図であるのに対して 3 次元反射法地震探査法 (3D 地震探査 ) では受発震点を面的に配置させることにより 反射点分布をある領域内に均等に分布させて 3 次元的なボリュームのデータを得ることができる 陸域地震探査の場合 震源としてダイナマイトやバイブレータを用いる 震源と受振点の配置が海上に比べて自由度が高いため 様々な配置法が用いられている 一方 海域地震探査では 震源として主にエアガンを用いる 複数個の震源と複数本のストリーマー ケーブルを用いて一度に長方形のエリアのデータを取得し 調査地域を往復しながら調査域全域をカバーしていく (4 次元反射地震探査法 ) 4 次元反射地震探査法 (4D 地震探査 ) は 繰り返し実施される 3D 地震探査であり 同じ場所で 3D 地震探査を繰り返し行うことで 地下で起きている時間変化をモニタリングする手法である 主に増進回収法 (EOR: Enhanced Oil Recovery) が適用されるフィールドでの貯留層モニタリングで利用されている 10 4D 地震探査データ処理に特徴的で代表的なものとして データの再現性を向上させるために行われる 4D binning がある 2)AE( マイクロサイスミック ) 計測 AE(Acoustic Emission) とは 岩盤が破壊されるときに放出される微小な弾性波 (micro-seismic) である この音を近くの観測井に設置されたセンサーで計測し 割れ目の位置を評定する手法が AE( マイクロサイスミック ) 計測である 11 探査会社の 1 つである Weatherford 社は マイクロサイスミックサービスとして 受振器を観測井に対してではなく 水圧破砕を実施する坑井に展開する技術を提供している 9 JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 3 次元反射法地震探査 < 6%AC%A1%E5%85%83%E5%8F%8D%E5%B0%84%E6%B3%95%E5%9C%B0%E9%9C%87%E6%8E%A2%E 6%9F%BB> 10 貯留層内での炭化水素の流体挙動を知るためには 4D 地震探査の実施が有効である この貯留層内の流体挙動は生産計画の最適化や生産量の最大化等において 非常に重要な情報である 例えば 効率的な生産を行うための最適な坑井位置や原油増進回収法の効果を評価する際の一助とすることができる ( 出所 : JOGMEC 石油開発技術本部 (2014) 石油 天然ガス開発をめぐる技術的な課題 - 克服するための最新技術は何か -,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.48 No.1) < 11 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, AE マイクロサイスミック, p177 6

10 これにより マイクロサイスミックを近くで捉えられることから その活動をより詳細に把握することができ フラクチャ形状の制御にも利用されている 12 また Schlumberger 社は 30 秒間以内のマイクロサイスミック活動をリアルタイムにモニタリングするサービスである StimMAP Hydraulic Fracture Mapping Service 13 を提供している 同社の CMM(Coalescence Microseismic Mapping) に基づき 毎分単位でより多くのマイクロサイスミックを処理することが可能であり 同じデータセットの場合 現実のフラクチャのジオメトリにより適合する結果が得ることが可能である 14 (2) 重力探査 重力探査は 重力異常 15 からの地下の密度分布を求め 地下構造を推定する手法であり 探査 探鉱の初期段階の概要調査において 主に地質構造調査の一環として利用される 近年 サブソルト層 ( 海底岩塩下層 ) において探鉱活動が活発になっているが 当該地域にお いては 先述した反射法地震探査のみでは構造をイメージするのは難しい こうした地域 において重力探査は有効な手段である 具体的には 新しい火山岩類の下位の堆積盆地や 断層構造の検出や反射法地震探査ではイメージングが困難なサブソルトの構造形上を 密 度構造から推定することが期待される 16 (3) 磁力探査 磁力探査は 磁気異常 ( 大局的な磁場からの局所的な変化の空間分布 ) を測定して地下の磁 気的構造を解明する物理探査手法である 石油探鉱における適用例として 堆積盆地規模 での空中磁気探査が挙げられる 空中磁気探査は 広域を迅速且つ廉価に調査出来る特徴 があるため 堆積盆地の広がりや厚さの推定に用いることが出来る 17 (4) 電磁探査 電磁探査は 大地の電気的特性を調べる手法であり 石油探鉱では主に MT(Magnetotelluric) 法 18 と海洋 CSEM(Controlled Source Electro Magnetic) 法が利用される 海 洋 CSEM 法は 人工電流源電磁探査法とも呼ばれており 人工的に発生させた電磁波 ( 制御 12 < c-services/microseismic-services> 13 < 14 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, 重力探査, p 地球上で観測される重力値は 地下の密度構造変化の影響 又は観測高度によって異なる 均質な地球楕円体を仮定した重力値 ( 正規重力値 ) に対する測定重力値の差異を重力異常と呼ぶ 16 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, 磁力探査, p 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, 電磁探査, p MT 法は 主に自然界の電磁場変動を観測する手法であり 太陽風や赤道付近で発生した空電現象に起因する外部磁場擾乱により 大地にどのような電流が生じるかを電磁誘導現象に基づいて理解し 大地の比抵抗構造を推定する調査技術である ( 出所 : 山根修 (2008) 油ガス田探鉱における海洋電磁法の適用可能性,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.42 No.2) < 7

11 電流源 ) によって探査対象領域 ( 通常地下 ) の比抵抗異常領域に発生した電磁場を測定 解析することで地下の比抵抗構造を推定する 年 10 月にはアンゴラ沖合において Statoil 社が中心となり サザンプトン大学の制御電流源 (DASI) とスクリプス海洋研究所の観測装置を使った試験航海が実施され 石油探鉱を目的とした最初の人工電流源を用いた周波数領域の海洋 CSEM 法が実施された 翌年の 2001 年 11 月には Statoil 社に加えて Exxon Mobil 社も参加して 再び海洋 CSEM 法の試験航海が行われ 同じく油ガス層を検出した 主要プレイヤーの競争優位性 地震探査分野における主要プレイヤーとしては WesternGeco 社 21 Petroleum Geo-Services ASA 社 ( 以下 PGS 社 ) Compagnie Générale de Géophysique 社 ( 以下 CGG 社 ) などが存在している 22 この 3 社の技術的差異を比較してみると データ処理技術においては 3 社とも最新処理技術に対応しており 複雑な地下構造の下でもより鮮明な記録を得ることが出来るため データ処理技術については大きな差は無いと思われる その一方 データ収録技術においては それぞれ特徴がある 以下 各社の主要技術を示す (WesternGeco 社 ) 海上での収録作業では 通常は震源として 50~100m の間隔で 2 つの発振器 (airgun) のセットを使うが WesternGeco 社は発振器セットの間隔を 250m に広げることによって牽引する複数のケーブルと直交する crossline 方向の記録密度を増加させている (Isometric Technology) 23 さらに別の船で発振器セットを曳航し 発振器セットの間隔をさらに広げ 一度の収録で 2 倍の広さの範囲のデータを収録することも可能となる WesternGeco 社は受振器ケーブルの深度と位置をリモートでコントロールできる翼で調整し 各受振器の位置を正確に記録することによってデータ処理の精度を上げている 24 WesternGeco 社の Q-Marine 収録システム 25 は 各発振信号を記録しそれを調整することによって震源信号の再現性と精度を上げている また 各受振器は波などにより動いているが Q-Marine 収録システムではこれによるノイズを各受振器の信号から取り除いてデー 19 AIST Web サイト < 20 Steven Constable1 and Leonard J. Srnka2 An introduction to marine controlled-sourceelectromagneticmethods for hydrocarbon exploration, GEOPHYSICS, VOL. 72, NO. 2 _MARCH-APRIL 2007 < 21 現在 同社は Schlumberger 社の地震探査部門となっている 22 我が国における物理探査実施企業としては ( 株 ) 地球科学総合研究所などが存在している また経済産 業省所有の公船として導入した物理探査船 資源 が洋上における 3D 地震探査も実施している 23 < 24 後述する PGS 社と同様に受振器ケーブルの深度を深く設定しデータのノイズを減らすことで収録する 反射波の精度を向上させている 25 < 8

12 タの精度を上げている また同社の esource Bandwidth-Controlled Seismic Source Technology 26 は周波数領域を調整することによって 鯨などの海洋哺乳動物への影響を最小限にできるとしている 陸上震探データ収録では UniQ Land Seismic Acquisition 27 システムを用いている このシステムでは受振器 (GAC, geophone accelerometer) の加速度計の余分なコイルの動きを減らすことでノイズを減らし 周波数領域を広げている データ処理の際 各受振器の記録は GPS 時刻基準によって正確に同期化される また 一度に 20,000 チャンネルのデータを記録できるので 広い範囲に受振器を配置することによって海上と同じように広い範囲で多方向のデータを収録できる 28 震源の vibroseis の振動を正確に調整することによってデータの精度と再現性を上げ 複数の vibrator を一度に使用しその振動を調整することも可能である 受振器と発振器の最適な配置は image ソフトウェアを用いることによって計画でき 収録日数の短縮も可能となる (PGS 社 ) 震探データ収録作業は海上のみで行っており 陸上での収録作業は行っていない データ処理作業は海上のみでなく陸上震探データについても行っているが 海上データ処理が中心となっている データ収録の技術上の特徴としては まず 1990 年代前半に受振器のついたケーブル (streamer cable) を多数 (6-20 本 ) 牽引する船尾の広い三角形の震探船を最初に開発し データ収録作業の効率とデータ密度と精度を上げたことである 1990 年代後半になると他社も同様の震探船を使用するようになった PGS 社は 20-30m の深度で受振器 (hydrophone, 圧力データセンサー ) とその動きも感知するセンサー (motion sensor, 速度データセンサー ) を付けたケーブル (Geo Streamer, dual-sensor cable) 29 を牽引することにより 天候の影響と余計な受振器の動きや海面からの反射などのノイズを減らし 深い深度の地層からも反射が得られる低周波成分と解像度の高い記録を得られる高周波成分の多い記録を収録する技術を開発した PGS 社の開発した震源である GeoSource 30 は 複数の発振器 (airgun) のセットを深度と発振の時間をずらせて組み合わせ ノイズを減らし 周波数領域を広げている また 震源の位置をコンピューターで制御された翼によって正確に制御することにより シグナルの再現性向上を図っている (CGG 社 ) 震探データ収録作業は陸上でも海上でも行っており 震探データ収録機器も開発製造し 26 < 27 < 28 < 29 < 30 < tion/> 9

13 ている 海上震探作業は 一隻もしくは複数の震探船を用いた broadband, wide-azimuth, ultra-long offset, full-azimuth から 4D 震探まで幅広く行っている (BroadSeis StagSeis) 31 が 油価の下落に伴い現在は保有する震探船を減らしている CGG 社の海上震探データ収録は 斜めに深度を変化させる受振ケーブル (Variable-depth streamer) に特徴づけられる このケーブルによって受振記録の周波数領域を広めている また 震源には PGS 社と同じく複数の発振器のセットを深度と発振の時間をずらせて組み合わせ ノイズを減らし 周波数領域を広げている これらの特別な受振ケーブルと震源のセットでデータを取得するため 独自に特殊な処理プログラムを開発している CGG 社は受振ケーブルの中央の上に発振器を置き 反射角度の小さい near-offset データを多く記録する技術 (TopSeis) 32 も開発している これによって特に水深 100m 以上の区域の地下の浅 ~ 中部で精度の高い記録が得られるとしている 陸上震探作業は 中東の既開発巨大油田から北米のシェールオイル ガスまで世界各地で幅広く行っている 収録方法としては 中東のように地下浅部に硬石膏層など高速度層が分布し精度の高い震探データの収録が困難な地域で高密度のデータ収録を行う UltraSeis 33 や周波数領域の広いデータ収録を行う EmphaSeis 震源システム (vibroseis) 34 ノイズの少ない低周波領域のデータを多くする CleanSweep 発振システム 35 など様々な技術に対応している 受信機には MEMS(Micro Electro Mechanical Systems) の加速度計を使った QuietSeis システムを使いノイズを減らす技術も開発している < 32 < 33 < 34 < 35 < 36 < 10

14 2.2 坑井調査 概要 坑井調査は 掘進中及び掘削終了後の坑井において実施される調査 測定のすべてを包 括 37 するプロセスである 具体的には 泥水検層や物理検層などが実施される 重要技術の整理 39 (1) 泥水検層 泥水検層 (mud logging) は 坑内を循環する掘削泥水から地層に含まれるガス情報やカッテ ィングスの各種調査を行い 石油 ガス層の検知や評価等を実施する 泥水検層の測定項 目は マッド ガス測定 カッティングス ガス測定 掘削データ測定 泥水性状の測定 岩質調査等により構成される 40 (2) 物理検層 物理検層とは 掘削後または掘削中の坑井に計測機器を降下し 油ガス層評価や抗内状 況を把握するため 各種の物理量を想定する手法である 物理検層としては ワイヤライ ン検層に加え 掘削同時検層 (MWD LWD) 音響検層などが 石油 ガス開発において主 に利用されている 1) ワイヤライン検層ケーシングセット予定深度まで掘り進むと 掘削編成を抗内から引き上げ 裸抗状態で物理検層を行う 41 ワイヤライン検層とは 検層機器をワイヤライン 42 と呼ばれるケーブルで抗内につりさげ 地層の物理的性質を測定する検層のことである ワイヤラインで行う 37 < E4%BA%95%E8%AA%BF%E6%9F%BB> 38 検層とは 掘削された坑井により交差した地層の物理的特性 坑井あるいはケーシングの幾何学的特性 ( 孔径 方位 傾斜等 ) 油層の流れの挙動等を深度毎に記録したものである 検層(Logging) は坑井が裸孔かケーシング坑井によって 裸坑検層 (Open-hole logging) と管内検層 ( ケーシング坑井検層 :Cased-hole logging) に分けられる ( 出所 : JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 検層 ) < 39 JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 泥水検層 < target=keyeq> 40 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, 物理検層, p 通常 電気検層 (electric logging) と呼ぶ 42 ワイヤラインは心線 7 芯の導線からなる金属性の螺旋状に織り込まれた外装ケーブルであり 検層器と地表のデータ取得システムの間でのデータやコマンドの送受信や電力を測定器に送る役割を持っている ( 出所 : JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 ワイヤーライン ログ ) < 3%82%A4%E3%83%A4%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%83%BB%E3%83%AD%E 3%82%B0> 11

15 検層の種類には, 比抵抗検層 ( 電気検層 インダクション検層 ラテロ検層 マイクロ比抵抗検層 ) 孔隙率検層( 音波検層 密度検層 中性子検層 ) その他( ガンマレイ検層 セメントボンドログ ディップメータ キャリパー検層 プロダクション検層 核磁気検層 ) などがある ) 掘削同時検層 (MWD LWD) ワイヤライン検層は 掘削終了後 坑井から一旦掘削機などを引き上げた後に 坑井の 中にワイヤーで降ろして実施する これに対し 掘削同時検層は 測定機器が掘削アセン ブリーに装備されており掘進しながら測定をする方法であり MWD(Measurement While Drilling) と LWD(Logging While Drilling) の 2 つの方式がある 一般には傾斜井や水平井等 形状が複雑でワイヤラインによる検層ツールの降下が不可能な場合に LWD が使われる 掘 削と同時に地層データを取得することによって 掘削流体による汚染の少ない地層の特性 を知ることが可能となる (MWD) 掘削中にビット直下に配置した各種センサーで方位 傾斜 ツール フェイス ( ビットの向き ) 荷重 トルク 温度 圧力等の坑底データを計測するとともに これらの計測データをリアルタイムに地上へ伝送する技術である 坑底データの伝送方式については 現在主流の泥水圧力波を利用したマッドパルス方式や泥水圧力連続波方式 ( マッドサイレン ) 電磁波方式 (EM-MWD) 及び計測データを一旦ツール内のメモリーに蓄積して揚管時に回収する方式などがある (LWD) MWD 技術のうち 比抵抗 孔隙率 音波速度 ガンマ線など検層を主目的したものを LWD と呼ぶ LWD は 坑底掘削装置に統合された測定機器を使用して 比抵抗 孔隙率 音波速度及びガンマ線等を測定する 掘進と共に測定するので 泥水濾過水の浸入前 あるいは浸入直後の地層の物性値を測定できるので 貯留層のインベージョンが起こっていない状態での物理検層データを取得することができる このデータを利用し油層評価を正確に行なうことができる 45 3) 坑井地震探査 (VSP: Vertical Seismic Profile) VSP は 坑井を利用した反射法地震探査手法の一つである 坑井内に地震波の受信機を セットして 小規模の地震探鉱を行い 震探記録との比較検討に供する 最近では 水圧 破砕法により発生する微小地震のモニタリングにも使用されている 坑口付近に地表震源 43 < 44 JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 検層 45 JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 VSP < 12

16 を設置するものをゼロオフセット VSP 震源が一定距離離れているものをオフセット VSP 坑口から複数のオフセット距離に震源を配置したものをウォークアウェイ VSP またはマルチオフセット VSP と呼ぶ オフセット VSP やウォークアウェイ VSP は 主として坑井近傍 ( 最大で 坑井からオフセット距離の半分の範囲まで ) の反射記録断面を得ることを目的に実施される これらの反射記録では 地表反射記録に比較して反射波の経路がほぼ半分程度であるため 地表付近の高減衰域の影響も半分になり 高い分解能を得ることができる 最近では震源を地表で面的に配置した 3 次元 VSP の実施例も多くなってきている 主要プレイヤーの競争優位性 物理検層など坑井調査における主要プレイヤーとしては Schlumberger 社 Halliburton 社 Baker Hughes 社などが存在している 46 上記 3 社は 自らは鉱区権益を持たず 鉱区権益を持つ石油開発会社に対して技術的なサービスを行う石油関連サービス会社の上位 3 社であるが 各社の発祥となった事業を見た場合 Schlumberger 社は物理検層であるのに対して Halliburton 社はセメンチング ポンピングサービス Baker Hughes 社はビットをはじめとする掘削関連機器提供と異なっており 現在でもその影響が残っている ワイヤライン検層に関して Schlumberger 社が圧倒的に高い市場占有率を誇っている 海洋でのワイヤライン物理検層に関しては 市場シェアの 90% 弱を Schlumberger 社が占めており 残りの殆どを Halliburton 社が握っている状態である ここで Schlumberger 社と Halliburton 社を比較した場合 主要な測定項目は業界標準として共通していることから 明らかな技術的な差異は認められない しかしながら 大手石油開発会社の場合 信頼性 実績の面から Schlumberger 社を選択することが多いと言われている 47 一方 LWD に関して 海洋においては Schlumberger 社が約 45% を占めており 残り約 50% を Halliburton 社と Baker Hughes 社が占めている また 陸上においては 約 60% を Halliburton 社及び Baker Hughes 社 約 20% を Schlumberger 社が占めており Halliburton 社がトップランナーで これに Schlumberger 社と Baker Hughes 社が続いている状態である ここで Halliburton 社の市場占有率が高いのは LWD 開発の先駆者であることが理由であり Baker Hughes 社は 元々が坑内機器を提供するサービス会社であったことに由来するものと考えられる 48,49 46 我が国における物理検層実施企業としては ( 株 ) 物理計測コンサルタントなどが存在している 47 ワイヤライン物理検層については概ね完成された技術であることから 現在の石油会社側のニーズは HPHT 環境での耐久性がメインとなっている 48 < ger/> 49 LWD が発達した背景には 物理検層機器降下のための揚降管時間削減があり 依然として発展途上で 測定項目はワイヤライン物理検層ほど多くないが 信頼性の面ではワイヤライン物理検層に近付きつつある また ワイヤラインでは一般的になっている地層圧測定 流体サンプル採取 ( 例 :Schlumberger 社 MDT) 13

17 以下 各社の主要技術を示す (Schlumberger 社 ) Sonic Scope 50 は 縦波及び横波の音波測定を掘削と同時に実施する技術であり LWD の最新技術となっている この他にも同社は 音波検層装置として VSI(Versatile Seismic Imager) 51 や DSI(Dipole Shear Sonic Imager) 52 などの優れた技術を保有している 同じく音響検層装置である Sonic Scanner 53 は 坑井周辺の音波測定を 3 次元で可能としただけでなく 傾斜した坑井や坑径の大きな坑井 音速の非常に小さな地層での測定 あるいは地層のわずかな方向差による音速の違いも測定することが可能である なお Schlumberger 社は 2000 年に Baker Hughes 社との間で設立した Western Geco 社 ( 持株比率 : Schlumberger 社 70% Baker Hughes 社 30%) に関して 2006 年には Baker Hughes 社から株式 30% を完全取得することにより 完全統合した 現在 WesternGeco 社は 同社の地震探査部門となっており 3D 及び 4D 地震探査サービスを提供している 更に 2016 年には Cameron 社の買収を完了した これにより Schlumberger 社の事業部門は 評価部門 掘削部門 生産部門に加え Cameron 部門を加えた 4 部門体制となった Cameron 社は表層掘削技術に優れており Schlumberger 社の坑内掘削技術と併せて統合的サービスを実現している 54 を LWD で行うツール ( 例 :Baker Hughes 社 TesTrak) も開発されている Schlumberger 社 Halliburton 社 Baker Hughes 社で技術的差異や方向性の違いは認められず ワイヤライン物理検層と同様に HP/HT 対応が大きな課題である 50 < 51 地上で起こした人工地震波を 地下の異なる深度で同時測定 更に坑内地震計を1-40 機まで自由に構成出来るようにし 油層評価の効率性を各段に進めた < mic_imager.aspx > 52 音波を使って岩盤中の音の伝達速度を測定するダイポール型の音波検層装置として開発 < > 53 < 54 < 14

18 図 2-1 ( 出所 ) Schlumberger 社投資家向け資料より 55 Schlumberger 社の事業構造 (Halliburton 社 ) Halliburton 社は 同社事業部門である Sperry Drilling 56 を通じて 主力製品である Quasar PulseSM M/ LWD サービスを提供している 57 同製品は センサーの範囲を 392 F / 200 C の温度と 25,000 psi(172 MPa) の圧力に拡大しており 厳しい坑内環境においても信頼性の高い測定が可能となっている Quasar Pulse センサーは ダウンホールの振動に耐えるように設計されており 困難な HP / HT 環境下でも優れた性能を発揮する 更に 2017 年には LWD として 9.5 インチ径の方位角地層密度検層 (ALD: Azimuthal Lithodensity) のサービス開始を発表した 58 当該技術により 14.5 インチ径超の掘削孔でのリアルタイム密度検層と画像提供が可能になる また同社は 先述のマイクロサイスミック関連技術として Pinnacle を提供しており 当該分野における世界標準となっている 59 (Baker Hughes 社 ) Baker Hughes 社が開発した Downhole Data Transmission は Sentio CCL を使ってマイニングの最適化等を実施するものである 60 Sentio は 介入操作 (intervention operations) において downhole sensors からリアルタイムデータを提供するものであり オペレーション最適化を 55 < 56 < 57 < 58 < 59 < > 60 < mart-intervention-services> 15

19 可能にする この他にも Wired Completion Control( 坑井仕上管理 ) に係る主要製品として MultiNode という製品が存在する 61 MultiNode は 全電子化及びインテリジェント化を通じて 複数の坑井を同時にリモート管理出来るシステムである Wired Monitoring としては 常設の downhole 監視システムである SureSENS 62 や 光ファイバ監視を実施する Sure VIEW 63 などがある また BEACOM は リアルタイムの遠隔操作共同基盤 (Remote Collaboration Platform) として機能している 64 なお後述する通り Baker Hughes 社は General Electric 社との間で石油 ガス事業分野を統合することに合意している ( 出所 ) 高木 (2016) 図 2-2 石油サービス会社の再編 ( 合意を含む ) 61 < stems/multinode-all-electric-intelligent-well-system> 62 < ervices/electronic-well-monitoring-solutions/permanent-downhole-gauge-systems> 63 < 64 < 16

20 2.3 掘削 坑井仕上 概要 大水深海域での掘削は 水深の増加に伴い難易度は大きく増加することから 事故防止も念頭に置いて様々な高度技術開発が必要とされる 具体的には 掘削中における海底面からの暴噴に備えた噴出防止装置 (BOP: Blow-Out Preventer) や 坑井内部を海水と隔離するためにライザーパイプが必要とされる また潮流や波浪の影響を受ける浮体式掘削装置の場合は 自動船位保持装置システム (DPS: Dynamic Positioning System) などの高精度ポジショニング技術も必要となる 更には大水深化によって貯留層深度も大きくなっており 高い掘削能力を持った掘削装置が必要とされている また坑井仕上では 坑井の掘削終了後 石油 ガスを生産するために必要となるプロダクション ケーシングの設置 パーフォレーションの実施 チュービング ストリング クリスマスツリーの設置などの作業を行う 産出層の特性により 穿孔仕上げ方式 アンカー仕上げ方式 チュービングレス仕上げ方式などが選択される 重要技術の整理 (1) 陸上掘削 陸上における開発では 新たな資源を求めて従来よりも技術的に掘削の難易度が高いフ ィールドへとシフトしてきており 掘削技術の高度化が進められている 具体的には複雑 な軌跡の傾斜坑井の掘削技術が利用されている 66 1) ロータリー掘削ロータリー掘削は 先端に岩石を砕くビットを装着したドリルストリング 67 を坑井の中に吊り下ろし 上から荷重をかけながら地下に掘り進んでいく掘削の基本的な方式である 掘削中は マッドポンプから泥水をドリルストリング内に送り込み 先端のビットから噴出させ ビットで破砕された掘屑をドリルストリングと坑井の環状の隙間を通って地上まで運び出す 地上では泥水から堀屑を分離し 調泥後 再度ドリルストリング内へ圧送する 2) 大偏屈掘削 (ERD) 近年 石油 天然ガス等の資源が存在している地下に向けて坑井を掘る際に 経済性や 65 JOGMEC 石油 天然ガス用語辞典 坑井仕上 < E3%81%92&target=KEYEQ > 66 長縄成実 (2006) 最新の坑井技術( その 1), 石油開発時報, No ケリー ドリルパイプ ( 掘管 ) ドリルカラーを連結したもの 17

21 環境保全等の問題から地層の真上からの掘削が困難である場合が増加している この場合 ターゲットとなる地層から離れた地点から傾斜掘り技術を用いて掘削を進めることが必要となる この傾斜堀り技術を更に進化させた 水平方向により遠くの地点まで坑井を掘る技術が大偏距掘削 (ERD :Extended Reach Drilling) である 以前は偏距と垂直深度の比が 2 以上の坑井を ERD 坑井と呼んでいたが 現在は ERD 坑井の明確な定義は存在していない 68,69,70 図 2-3 大偏距掘削のイメージ図 ( 出所 ) 大備勝洋 (2005) 大幅コストダウンと環境保護に威力: 大偏距掘削 (ERD) 技術サハリン 1 開発等での実用化進む技術革新, JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol. 39 No. 4 ERD 掘削に必要とされる主たる技術要素課題を以下に示す 主には坑内の安定性 坑内 のトルク ドラグ対策 掘り屑の対策が挙げられる 必要とされる技術は多岐に渡り そ れぞれが複雑に関連したものとなっている 68 北村 (2008) 69 大備勝洋 (2005) 大幅コストダウンと環境保護に威力: 大偏距掘削 (ERD) 技術サハリン 1 開発等での実用化進む技術革新, JOGMEC 石油 天然ガスレビュー, Vol. 39 No 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, p , p

22 技術要素課題 坑内安定性 トルク & ドラグ対策 ケーシング降下技術 ホールクリーニング 表 2-1 ERD 掘削に必要とされる主たる技術要素課題 課題の概要 対応策 掘削時のトルクや揚降管時のドラ 計画立案段階における地層圧 地ッグを可能な限り低く抑えるため層破壊圧予測モデリング技術に より滑らかな坑井軌跡とする 作業実施段階で PWD(Pressure 必要がある While Drilling) ツールなどによるリアルタイムでの坑内状況の監視 坑壁と掘削機器との間の摩擦が ドリルパイプやケーシングにセット大きくなり 掘進中及びケーシングして使用するタイプのツール ( トル降下中のトルクやドラグ ( 負荷 ) がクリダクションツール ) を用いて機増大することが多い械的に摩擦を減少させる 油系泥水などの潤滑性の高い掘削泥水 または機械的に摩擦を減少させる効果を持つ小径ビーズなどを混入した掘削泥水を用いる RSS(Rotary Steerable Syst 使用し 従来の PDM(Positive Displacement Motor) を使用したものと比較して滑らかな坑跡を達成することにより 摩擦を軽減させる ケーシング降下時のドラグは大き 掘削泥水や特殊機器を用いてド く ERD 坑井では通常の方法では ラグを減少させる 降下できなくなるほどドラグが大き ケーシングの一部 ( または全部 ) くなることもある に意図的に泥水を補充しないこ とにより ケーシングに浮力を与 え 摩擦を減少させる (Casing Floatation) 坑井の高傾斜部においてはカッテ 掘削泥水によるホールクリーニィング ( 掘り屑 ) を十分に除去できなングやポンプ流量の適正化いことによりさまざまなトラブルを 循環中にドリルパイプを高速で引き起こすことがある回転 バックリーミング ( 揚管中の浚さらい ) の実施 ( 出所 ) 北村 (2008) 大備 (2005) 等より MURC 作成 3) 掘削同時検層 (MWD) 傾斜掘削では 掘り進めている坑井が計画した軌跡通りとなっているかどうかを常に確認する必要がある そのため 掘削先端の坑底情報を採取し リアルタイムで地上に伝送するシステムの開発が行われてきた データ伝送としてはマッドパルス方式が主に採用されているが ERD 坑井などの掘削の難易度が高い坑井では 坑井状況に関するより多くの情報を必要とする場合があり 大容量の情報の伝達が可能となる技術の開発が行われている 71 大容量の情報伝達方式としてはドリルパイプ内に電気信号ケーブルを通した有線方式 71 北村 (2008) 19

23 が挙げられる 有線方式では大容量 高レートでのデータ送信が可能であるが ドリルパイプの連結部分での信号ケーブルの接続が大きな技術課題となっていた この課題をクリアする手法としてジョイント部分のデータ伝送を電磁誘導を用いて非接触で行う方式を採用したシステムの開発が行われている 72,73 IntelliServ システム全体像 IntelliCoil( 非接触のデータ送信デバイス ) パイプ接続部分 図 2-4 IntelliServ システムの概要図 ( 出所 )National Oilwell Varco 社 INTELLISERV HANDBOOK 72 長縄 (2006) 73 National Oilwell Varco 社 INTELLISERV HANDBOOK 20

24 (2) 海洋掘削 1) 海上掘削リグ 74 海洋掘削リグは構造上の特徴から接地式であるジャッキアップ型と 浮遊式であるセミサブマージブル型及びドリルシップ型に大別される ジャッキアップ型は リグに搭載された昇降装置を使用して脚 ( レグ ) を海底に向けて伸ばして着底させ 船体 ( プラットホーム ) を海面より持ち上げた状態で掘削を行う プラットフォームが海面上にあることから 波浪の影響を受けにくく 気象条件の悪い海でも稼働が可能という特徴を持つ レグを海底に着底させる機構であることから比較的浅い海での掘削に使用される セミサブマージブル型 ( 半潜水型 ) は 概ね 100m 以深のサイトで使用される 曳航時を除いて 下部構造を水面下で半潜水の状態で浮遊させ 海底への係留や DPS を用いて位置の保持が行われる 半潜水の状態で浮遊させていることから波浪中の動揺性能に優れており ジャッキアップ型と比較して深い水深での稼働が可能である ドリルシップ型は 中水深から大水深での掘削に使用される 船体の中央部に開口を有し その上に掘削機器を搭載した構成となっている 位置保持システムは 係留または DPS が使用される 船型であることから移動時の抵抗が少なく 排水量が大きいことから搭載する機器の重量を大きくできる特徴を持ち 大水深掘削で有利となるが 波浪中の運動性能についてはセミサブマージブルリグに劣る 図 2-5 ( 出所 ) 日本海洋掘削株式会社 web サイト 75 主な海洋掘削リグの種類 74 石油技術協会 (2013) 石油鉱業便覧, 4.4 海洋掘削,, p < 21

25 2) ライザー掘削大水深の坑井掘削においては 主にライザー掘削方式が用いられる ライザー掘削方式では海底面と掘削リグの間をマリンライザー ( 立ち上げ管 ) で接続し 泥水循環により坑内の環境をコントロールしながら掘削を実施する 76 図 2-6 ライザー掘削とライザーレス掘削 ( 出所 ) 長縄成実 (2008) 最新の坑井技術 ( その 4), 石油開発時報, No. 159 大水深掘削装置に特有な技術 機器を以下に整理する 具体的には Multiplex (MUX) Control System ライザー浮力体 Emergency Disconnect Sequence(EDS ライザー緊急離脱 ) Deadman (Automatic Mode) System 予備的な BOP コントロール システムがあげられる 長縄成実 (2008) 最新の坑井技術( その 4), 石油開発時報, No. 159 石油技術協会 石油鉱業便覧 (2013 年 ), 4.4 海洋掘削, p

26 技術 機器 表 2-2 大水深掘削装置に特有な技術 機器 概要 hydraulic multiplex control syste 電子多重制御システム 大水深掘削用 BOP で問題となるのは海上の掘削リグ (Multiplex (MUX) からの距離であり 米国石油協会 Control (API) ではラムタイプ System) 30 秒 最大でも 45 秒以内に閉まることと規定されてい る BOP の迅速な操作を可能にするために 従来の全油 圧式に代わって電子制御油圧式 (EH-MUX:electro ライザー浮力体 (Buoyancy ライザーパイプの水中重量を軽減し ライザーテンショ Module) ナーの負荷を下げるために浮力体がライザーに設置される 浮力体はシンタクチックフォームと繊維材料の球体 通常 95~98 の重量軽減 中には 100% を超える浮力を受ける場合もある ライザー緊急離脱 Emergency EDS は DPS リグが位置保持を失った際に Lower Marine Disconnect Sequence(EDS) Riser Package (LMR) コネクターによりライザーを切デッドマン装置 (Deadman す操作 (Automatic Mode) Deadman System) System は海上又はサブシーのコントロール システムが 電気的 ハイドロリック的に失われた場合 意図せずに LMRP が切り離された場合に自動で BOP を作動させる 予備的な BOP コントロール シ メインのコントロール システムとは別にアコースティッ ステム ク ( 音響伝搬 ) コントロール システム ROV によるコント ロール システムがある ( 出所 ) 石油技術協会 石油鉱業便覧 (2013 年 ) より MURC 作成 23

27 3) デュアルグラディエント掘削大水深掘削では 狭い掘削ウィンドウにおける坑内圧力のコントロールが問題となる デュアルグラディエント掘削 (DGD: Dual Gradient Drilling) は 圧力を制御しながら掘削する方法の総称であり MPD(Managed Pressure Drilling) の一種である 78 3,000m 級の大深水となると 泥水の比重だけでコントロールすることは難しく そこで 2 種類の圧力勾配の泥水を用いて 海底の坑井直上に掘削装置が設置されているかのような圧力プロファイルを実現する 79 図 2-7 デュアルグラディエント掘削方式概略図 ( 出所 ) 長縄成実 (2008) 最新の坑井技術 ( その 4), 石油開発時報, No. 159 DGD 掘削技術にはライザーレスで使用するものと ライザーを設置した後に使用するも のがある 主要なシステムを以下に示す (Riserless Mud Recovery システム (AGR 社 )) ライザーレスで使用する DGD 掘削技術には AGR 社 ( ノルウェー ) が開発したライザーレスマッドリカバリーシステム (RMR:Riserless Mud Recovery) がある このシステムでは海底にポンプを設置することでマリンライザーを設置せずに泥水循環を行うことができる このシステムでは 20 インチのサーフェスケーシングを使用せず 13-5/8 インチのケーシングを 2,350m(7,710ft) 以上に設定することに成功している 80,81 78 JOGMEC 石油開発技術本部 (2014) 石油 天然ガスをめぐる技術的な課題- 克服するための最新技術は何 か-, 石油 天然ガスレビュー, , Vol. 48 No 長縄成実 (2008) 最新の坑井技術( その 4), 石油開発時報, No 吉田肇 (2015) 海洋での掘削技術, 日本マリンエンジニアリング学会誌, 第 50 巻第 5 号 (2015) 81 < 24

28 82 ( 出所 )AGR 社資料 図 2-8 ARG 社 RMR システム概念図 (EC-DrillTM(AGR 社 )) ライザー設置後に使用する DGD 掘削技術として AGR 社が開発した EC-DrillTM がある このシステムは マリン ライザーの中間部にマッド リフト ポンプを設置して泥水循環を行い 海中ポンプによってライザー内の泥水液面位置を調整し 坑底圧をコントロールすることができる ( 出所 )AGR 社資料 図 2-9 AGR 社 EC-DrillTM 概念図 82 < > 83 吉田 (2015) 84 < 8BEiQAaWSEDiDvtNcV0pkKKaH5KhRaaBIyXfYaW2IfIOTKHLdpHDQaAvwj8P8HAQ> 25

29 (3) 抗井仕上 1) 水平抗井水平抗井仕上げは 石油 ガス層を水平 ( 又は高傾斜 ) で掘削し 石油 ガス層との接触面積を増やすことで生産量の向上を目的とした仕上げ方法である また 水平に掘削を行うことによりガス又は水のコーニング ( 隆起 / 沈降現象 ) 問題を低減させることも目的としている 排油体積が大きいことから 浸透率の低い ( タイトな ) 貯留層やフラクチャ貯留層 重質油層などに適用されることが多い 仕上げ方法は 孔明管 ( スロッテッドライナー ) を適用する方法から 裸坑仕上げが主流となっている 坑壁の崩壊が予想されない場合には まず裸坑仕上げにて生産し コーニング対策や坑井刺激が必要な場合には 選択的な仕上げ方法が適用される 85 2) マルチラテラル (Multi Lateral) 仕上げマルチラテラル仕上げは 1 本の基坑井から石油 ガス層に複数の水平枝掘り坑井を掘削し 同時に仕上げを行う方法である 複数の貯留層を同時に仕上げることにより 開発コストを削減することが可能となると共に 坑井の生産性を向上させることも可能になる マルチラテラル坑井の種別は 坑井が枝分かれするジャンクションの複雑さによりレベル 1 からレベル 6 までの分類が行われている レベル 2 以上のジャンクションではサイドトラック坑 ( 枝坑 ) の中にライナー管を降下して設置し 主坑井のケーシングとの接続 セメンチング 圧力のコントロールを行い 複雑なジャンクションを仕上げる 86 図 2-10 ( 出所 ) DRILING CONTRACTOR Web サイト 87 マルチラテラル坑井のジャンクションの分類 85 石油技術協会 石油鉱業便覧 (2013 年 ), 4.5 坑生仕上, p 長縄成実 (2006) 最新の坑井技術( その 2), 石油開発時報, No. 149 北村(2008) 大偏距 マルチラテラル坑井の掘削 仕上げ技術の最新動向, JOGMEC 石油 天然ガスレビュー, Vol. 42 No < 26

30 マルチラテラル坑井仕上げを行う際には 以下の技術が重要な要素として挙げられる 表 2-3 マルチラテラル坑井仕上げの要素技術 要素技術 技術概要 カッティング ( 削り屑 ) 除去 高傾斜井となる MLT 坑井ではホールクリーニングが課題 ジャンクション ( 分岐点 ) においてケーシング切削を行うことが多く 地層の削り屑に加えて 鉄屑対策も必要 ジャンクションデザイン及 ジャンクション部は MLT 坑井において最も重要なもののび設置技術一つであり その設計には以下の点を総合的に考慮する必要がある リエントリーの可能性 出砂対策の必要性 フローコントロール ( 生産層の選択 ) の必要性 改修作業 MLT 坑井では通常の坑井と比較して 仕上げ編成の内径が小さくなることが多く 将来的な改修作業の手法などに関して 事前検討が必要 複数の貯留層を仕上げている場合には改修前の抑圧が容易でないことが多く 事前の検討が必要 フローコントロール 水平坑井内のすべての個所から油 ガスを均一に生産するように 圧力損失等の影響に対する対処が必要 Inflow Control Device は 坑内からの均一なフローをするために使用されるシステム ケーブルなどを介し地上からの信号によりバルブを開閉して その生産量を調整するシステムが主流であるが チュービングの内径を微妙に変化させることにより生産量を調整する 簡便な仕組みのものもある ( 出所 ) 北村 (2008) 等より MURC 作成 3) 大偏距坑井先述した通り 大偏距坑井 (ERD 坑井 ) は 水平方向に遠く離れた対象に向かって掘削することを目的とした坑井であり 70 度を超える傾斜の非常に長い沿角区間を掘削することが必要となる 大偏屈掘削 (ERD 掘削 ) と同様に 坑井内に鋼管類を降ろしていく際に発生する坑内安定性確保 トルク & ドラグ対策 ケーシング降下技術 ホールクリーニング等の技術課題があり これらを考慮しつつ坑跡の最適化を行うことが必要とされる 北村 (2008) 27

31 ( 出所 ) 北村 (2008) 図 2-11 英国 Wytch Farm フィールドの大偏屈坑井 (M16 号井 ) 4)Intelligent Well Completion(IWC) 掘削工程の MDW と同様に 坑井仕上段階においても 坑井内に設置した各種センサーから 貯留層の状況をリアルタイムでモニタリングすることで 生産計画を最適化し 坑井への圧入や坑井からの生産を制御するシステムの開発 導入が進められている Schlumberger 社の Intelligent Completion(IC) システムでは 油層坑底圧及び流動坑底圧を遠隔で測定 制御を行うことが可能となる Intelligent Completion(IC) の複数のゾーンはそれぞれが隔離されており モニタリング及び制御が行われる Zone 1 のフローコントロールバルブ (FCV 1) を閉じることで Zone 2 からの油の流れによる流動坑底圧が測定され Zone 1 の油層坑底圧が測定される Zone 2 の頭にあるフローコントロールバルブ (FCV 2) を閉じ Zone 1 の FCV 1 を開けることで Zone 2 の油層坑底圧 Zone 1 の流動坑底圧が測定されるシステムとなっている 28

32 図 2-12 Schlumberger 社の Intelligent Completion システム概略図 ( 出所 ) Oilfield Review(2011) Intelligent Completions at the Ready, Autumn 2011, 23, No. 3 Intelligent Well Completion の事例として Schlumberger 社は中東の極端に不均質でオフショアの炭酸塩貯留層に対して 層のモニタリングと制御のために同社の Intelligent Completion システムを導入している 同社によると 当該システムにより年間約 5% の石油生産増が可能になったと報告している Schlumberger 社 Web サイト < 29

33 2.3.3 主要プレイヤーの競争優位性 陸上における掘削 仕上に係る主要プレイヤーは Schlumberger 社 Halliburton 社 Baker Hughes 社などの大手石油サービス会社となっている 海洋掘削における主要プレイヤーとしては Tranceocean 社 Noble Drilling 社 ENSCO 社 Diamond Offshore 社などが存在している 90 海洋掘削リグの保有数でみると Tranceocean 社が世界でトップであり ジャッキアップ セミサブ ドリルシップを合わせて 65 基を保有している (2017 年 2 月時点 ) Tranceocean 社は大水深掘削向けのセミサブ型 ドリルシップ型のリグの保有比率が高い 次いで保有リグ数が多いのが Seadrill 社 ENSCO 社であり 比較的浅い海域での掘削用のジャッキアップ型を多く保有している このように大水深での掘削は Transocean 社 ENSCO 社 Seadrill 社 Diamond Offshore 社等の大水深用リグを所有する大手掘削会社の寡占状態となっている 表 2-4 Tranceocean Seadrill 海洋掘削主要企業の掘削リグ保有状況 ジャッキアップセミサブドリルシップ 最大水深最大水深最大水深 基 ft. 23 基 10, ft. 基 12,000 ft 基 ft. 14 基 10, ft. 基 12,000 ft. ENSCO 32 基 400 ft. 12 基 8,500 ft. 8 基 12,000 ft. Noble Drilling Diamond Offshore ft.6 基基 12,000 8 ft. 基 12,000 ft. 350 ft. 219 基基 10,000 4 ft. 基 12,000 ft. 日本海洋掘削 7 基 400 ft.2 基 1,640 ft 1 基 8,200 ft. ( 出所 ) Rigzone Web サイトより MURC 作成 (2017 年 2 月時点 ) 90 国内企業として日本海洋掘削 ( 株 ) が存在するが 所有する掘削リグは浅海用がメインである また JA MSTEC は地球深部探査船 ちきゅう を保有しているが 建造時には世界最高の掘削能力 (8,200 ft.) であったものの 現在は海外の大手掘削会社も同規模のドリルシップを多数保有している 30

34 2.4 開発 生産 概要 近年では アクセスのし易い大規模油田の新規開発が難しくなってきており 既存油田 の可採埋蔵量を増やす技術の重要性が高まってきている 油の回収方法は自然の排油エネ ルギー ( 油層の持つ圧力 ) やポンプによるくみ上げを行う 一次回収 自然の排油エネルギ ーが減退した後 水やガスを圧入することで 油層内の圧力を高めて回収する 二次回収 さらにその後に 油層内の留岩中の小さな孔に残っている油に対して 熱や炭酸ガスなど 他のエネルギーを使い 物理的 化学的に性状を変化させて回収する 三次回収 がある 一次 二次回収は多くの油井で実施され既に成熟した技術となっており 現在は三次回収 に係る技術開発が行われている 91,92 三次回収に位置づけられる増進回収法 (EOR: Enhanced Oil Recovery) は 主に用いられてい る技術として 熱攻法 ガス攻法 化学攻法の 3 つに大きく分類される 以下 概要を示 す 熱攻法 ガス攻法 化学攻法 表 2-5 三次回収方法の技術内容と対象とする油層 技術内容対象とする油層主な手法 熱エネルギーを油層に重質油や粘性の高い原与え 原油の温度を上油 ( タールサンド等 ) 昇させることによりその粘性を低下させる 油層にガスを圧入し ガ炭酸塩岩や砂岩層のスの油への溶解による軽質油油層油の膨張や粘性低下 ガスによる油の置換を行う 油層に化学薬品を圧入砂岩層し 油相の有効浸透率を低下させることなく水相の粘性を増加させ 易動比を改善させる ( 出所 ) JOGMEC 石油開発技術本部 (2014) より MURC 作成 火攻法 水蒸気圧入法 炭化水素ミシブル攻法 窒素 煙道ガス攻法 二酸化炭素攻法 界面活剤 ポリマー攻法 ポリマー攻法 アルカリ攻法 現在 EOR の事例としては熱攻法が最も多く サイトとしては米国 カナダ ベネズエ ラ インドネシア 中国での実施例が多い 次いで多いのがガス攻法であり 米国 カナ ダ ベネズエラでの実施例が多い 93,94 91 JOGMEC 石油開発技術本部 (2014) 石油 天然ガスをめぐる技術的な課題 - 克服するための最新技術は何 か-, 石油 天然ガスレビュー, , Vol. 48 No 石油技術協会 石油鉱業便覧 (2013 年 ), 6.2 EOR, p JOGMEC 石油開発技術本部 (2014) 31

35 2.4.2 重要技術の整理 95 (1) 熱攻法 熱攻法は 油の粘性を下げる技術であり 熱エネルギーの与え方によって 火攻法と水 蒸気圧入法に大別される 火攻法は 油層に空気又は酸素を圧入し 原油の一部を燃焼さ せることで熱エネルギーを与えることによって油の粘性を低下させ 燃焼ガスによって油 を移動させる 一方 水蒸気圧入法は 地上で発生させた熱を油層に送り込む手法である 水蒸気圧入 法は 圧入井から連続的に水蒸気を圧入する水蒸気攻法と 水蒸気を坑井に圧入した後に 坑井を数日密閉し 熱を十分に行きわたらせた後 油の生産に切り替える水蒸気刺激法の 2 つに分類することが出来る (2) ガス攻法ガス攻法は 油層に圧入した溶媒に原油を溶解させ 抽出する技術である ガス攻法の一つである CO 2 -EOR は 圧入流体として CO 2 を用いており 油やガスの生産に伴って出てくる天然の CO 2 源が存在する北米を中心に実施されている CO 2 -EOR の課題としては 圧入する CO 2 と油の比重差から 比較的厚い貯留層では油層の上部のみからの回収となること また不均質性の高い貯留層では 原油に比べ粘性の低い CO 2 が浸透性の高い部分のみを移動するなどにより 石油の回収率が低下すること等が指摘されている 96 JOGMEC では こうした課題を解決するため 平成 27 年度からマイクロバブル CO 2 圧入による石油増進回収技術に関する技術開発及び実フィールドへの適応検討を開始している 圧入する CO 2 をマイクロバブル化することにより 油層中への分散 溶解を高め 油の回収率が向上することが期待されている (3) 化学攻法 1)Smart Water Flooding Smart Water Flooding(SWF) は 含有イオンを調製した水を油層に圧入し 原油回収率を向上させる手法であり 狭義では低塩分濃度水攻法 (LSWF: Low Salinity Water Flooding) と呼ばれる SWF は開発各社で異なる名称で呼ばれており Losal TM (BP 社 ) Designer Waterflood(Shell 社 ) Advanced Ion ManagementSM(AIM)(ExxonMobil 社 ) 等の名称で呼ばれている これまでに主に砂岩油層を対象にフィールド試験 パイロットテストが実施されており 良好な結果が得られている 現在 考えられている回収増進のメカニズムを以下に示す 石油技術協会 石油鉱業便覧 (2013 年 ), p 石油技術協会 石油鉱業便覧 (2013 年 ), p JOGMEC プレスリリース資料 < 97 JOGMEC 石油開発技術本部 (2014) 32

36 図 2-13 BP 社 LosalTM の回収増進メカニズム ( 原油中の極性成分の脱着 ) ( 出所 ) BP 社公開資料 Losal TM EOR Process From Laboratory to Field, Exploration & Production Technology FORCE Workshop, May 表 2-6 メカニズム粘土鉱物微粒子の移動 ph の上昇 SWF による回収増進メカニズムの例 概要 塩分濃度が異なる水を油層に圧入した場合 岩石中に含有される粘土鉱物粒子が脱着し この粘土鉱物に付着している原油とともに生産される 脱着した粘土鉱物粒子が流路を塞ふさぐことにより新たな流路が形成され その部分に存在する原油が新たに回収される 低塩分濃度水が油層に圧入された場合 油層中に存在する水の ph が上昇する このことにより 低塩分濃度水が界面活性剤として作用し 油水間の界面張力が低下し原油の回収率が向上する 原油中の極性成分の脱着 ( 出所 ) JOGMEC 石油開発技術本部 (2014) より MURC 作成 低塩分濃度水が圧入されると 油層水中のイオン平衡が崩れ 粘土鉱物中に吸着している二価の陽イオンが水素イオンとイオン交換することにより 二価の陽イオン及び極性原油成分が脱落し 原油の回収率が向上する 98 < W_Internet_version.pdf> 33

37 2.4.3 主要プレイヤーの競争優位性 EOR に係る技術的優位性及び実績を有する主要企業としては BP 社 Shell 社 ExxonMobil 社等の IOC が挙げられる これら企業は IOR EOR の技術開発を約 40 年以上続けてきており 自身がオペレーションを行っている世界各国の油井で技術の導入を行っている 99 また新たな EOR 技術として CO 2 -EOR や SWF 技術等の開発を進めている 図 2-14 EOR 各種手法の開発時間と技術成熟度の関係 ( 出所 )Shell 公開資料 Hydrocarbon Recovery Optimization (2016) Shell 社は 2014 年から北海における CO 2 -EOR の研究プロジェクト ( プロジェクト リーダー :Scottish Carbon Capture & Storage 社 ) へ参加している 当該プロジェクトは EOR 運用における CO 2 利用についての理解を深めることに焦点を置いており 発電所 工場等から回収された CO 2 を利用して石油増進回収を行い北海油田を延命させること CO 2 を海底油田に永久貯留することを目的としている 100,101 また BP 社は SWF 技術開発を進めており 既に実際の油井への導入をおこなっている BP が開発している技術には BrightWater と LoSal EOR がある BrightWater は サブミクロンオーダーの熱活性粒子を含んだ流体を油層を圧入することで油の回収量を増加させる BP は全世界で 140 井以上に BrightWater を導入しており 導入に係る平均費用は 1 バレル当り約 6 ドルであるとしている LoSal EOR は 塩分等の含有イオン濃度を低くコントロールした水を用いることで 従来の海水を用いた水攻法に比べて油回収率を向上さ 99 Shell 公開資料 Hydrocarbon Recovery Optimisation (2016) 100 ENERGY DIGITAL(2014 年 3 月 ) < 101 GLOBAL CCS INSTITUTE(2015 年 6 月 )< /2015/06/23/sccs-launch-report-joint-industry-project-co2-eor> 34

38 せる低塩分水浸水技術である 北海の Clair Ridge フィールドにおいて当該技術の世界初の導入が行われている 102,103 一方 我が国企業における実績としては 石油資源開発 ( 株 ) が新潟県岩船沖油ガス田で実施したガス攻法 -EOR プロジェクト 104 国際石油開発帝石( 株 ) が新潟県頸城油田で実施した CO 2 -EOR プロジェクト 105 その他には JX 石油開発 ( 株 ) がベトナムランドン油田で JOGMEC と共同で実施している GAS-EOR のパイロットプロジェクト 106 米国電力会社 NRG Energy 社と共同で進めている CO 2 -EOR プロジェクトなどが挙げられる 107 海外石油メジャーは様々なタイプの油井のオペレーションを行っており 油井に合わせた種々の EOR 手法の開発を進めている 日本企業は海外の石油メジャーと比較すると オペレーションを行っている ( 参画している ) 油井の数は少なく 技術開発を進めるための実験場へのアクセスの点で大きく劣っている こうした状況から 日本企業の当該分野への進出状況は 少数の CO 2 -EOR プロジェクトにとどまっている 102 BP Web サイト < > 103 ChrisReddick VicePresident,EnhancedOilRecovery,BP, At Scale Deployment of Enhanced Oil Recovery in BP 石油資源開発 Web サイト < 105 国際石油開発帝石 Web サイト < 106 JX 石油開発プレスリース (2013 年 11 月 ) < 107 JX 石油開発プレスリース (2017 年 1 月 )< 35

39 2.5 海洋生産システム 概要 海洋における石油 ガス生産設備は 生産設備を搭載するプラットフォームの形態によって固定式 108 と浮体式に大別される 浮体式設備は 固定式ほど初期投資費用を必要とせず 工期も短期間であるなどのメリットを有しており また固定式よりも大水深の海域での石油 ガス生産に対応することが可能となっている 109 浮体式生産設備には大きく分けて FPSO FSO TLP Spar Semi-Submersible の 4 種類のタイプがある 110 図 2-15 浮体式生産設備の種類 ( 出所 ) 三井海洋開発 ( 株 )( 以下 MODEC 社 ) Web サイトより 111 一方 海底生産システム (SPS:Subsea Production Systems) は 海底仕上げ井 (Subsea completion well) と海底機器 海底に設置された生産 処理設備等から構成されるシステムで ある 固定式としては Jacket や Compliant Tower がある 109 < 110 TLP だけ係留方式が異なる FPSO/FSO Spar Semi-Sub ともに ( 係留方式が ) カテナリーとなるのに対し TLP は垂直方向となる 111 < 112 海底仕上方式は 坑口装置を海底に設置し 他の機器も信頼性があれば海底に設置 海底面にフローラインを張りめぐらせて広範囲の油層にアクセスするものである 一方 海上坑口方式は 海上坑口装置 ( ドライツリー ) と大偏距掘削 /Extended Reach Drilling の組み合わせで使われることが多い ( 出所 : 伊原賢 (2009) 海洋生産システムの現状: Subsea Production System(SPS どこまで信頼性を保ち 機器を海底に設定できるか-),JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 ) 36

40 2.5.2 重要技術の整理 (1) 浮体式生産設備 1)FPSO FPSO(Floating Production, Storage and Offloading) は 洋上で石油 ガスを生産し 生産した 原油を設備内のタンクに貯蔵して 直接輸送タンカーへの積出を行う設備である 113 FPSO は 世界における浮体式生産設備の導入件数の 6 割以上を占めており サイトとしてはブ ラジルや西アフリカ沖における導入が多くなっている FPSO の主要オーナーとしては リ ースを積極的に展開する MODEC 社 SBM Offshore 社 ( 以下 SBM 社 )( オランダ ) 社や BW Offshore 社 ( ノルウェー ) などが存在する ( 出所 ) MODEC Web サイトより 114 図 2-16 FPSO の概要 FPSO の基幹構成物は 生産設備 115 船体 係留システム 更にはフローラインにより構 成される 生産設備 116 油処理設備 ガス処理設備 水処理設備 発電設備 コントロール シ ステムを主要な機器として船上に設置される 海底の井戸元から生産される油層流体 (fluid) は 通常ガスや水その他の不純物を含んでいるため 油層流体セパレーターと呼 ばれる圧力容器で 原油 ガス 随伴水等に分離する 分離された原油は船腹の貯油 113 一方 FSO(Floating Storage and Offloading) は 石油 ガスの生産を行なう設備を持たない 洋上での貯蔵 積出専用の設備である < 114 < 115 生産設備 (Production Facility) は プロセス (Process) トップサイド(Topside) などとも呼ばれる 116 < 37

41 タンクに貯蔵され 定期的に配船される輸送タンカーに積み出される 117 船体 118 FPSO の船体は新造するケースと 中古タンカーを改造するケースがある 係 留設備が取り付けられた船体には 原油貯蔵用のタンクの他 生産設備 コントロー ル システム ボイラー 各種ポンプ等のユーティリティ用の設備 消火装置 救命 艇 ヘリコプター デッキ クレーン FPSO 上で働くクルーの居住設備 原油積出設 備が設置される 係留設備 119 FPSO は通常 6~10 本のチェーンまたはワイヤーで構成される係留索 (Mooring Line) で海底と固定される 係留索と FPSO の船体との接続はタレット (Turret) 方式が代表的で 回転構造を持つ巨大なベアリング (Bearing) を介して船体に接続される 120 係留装置サプライヤーとしては SBM 社 SOFEC 社 ( 米国 ) 121 Bluewater 社 ( オラン ダ ) NOV/APL 社 ( 米国 ) が挙げられる これらの企業は FPSO を係留するためのタレッ ト / スウィベル装置を設計 製造している 122 フローライン 123 海底と FPSO をつなぐパイプ ( 通称 : ライザー ) 周り全般を指す この パイプを通じて 海底から生産される油層流体を FPSO の生産設備に受け入れたり FPSO 上の生産設備で分離されたガスや水を海底に再注入する FPSO に受け入れる場 合 油層流体は 1 海底パイプライン 2 パイプラインとライザーを接続する PLEM(Pipe Line End Manifold) 3 フレキシブル ライザー (Flexible Riser) などを経由する 124 フレ キシブル ライザーを介して直接受け入れる場合は アンビリカル (Umbilical) 125 が必要 となる 新しい設計の FPSO を開発する取り組みも続いているが 新型設計の FPSO 導入は不首尾 に終わっていることから 業界は消極的である 126 2) セミサブマーシブル セミサブマーシブルは 構造物の下部が半分海面下に沈み込んでいる半潜水式の浮体構 117 トップサイドのサプライヤーとしては Dyna-Mac( 社 ) Lamprell(UAE) 等が挙げられる トップサイド インテグレーターとしては MODEC 社及び SBM 社に加え Technip 社 ( フランス ) 等が挙げられる ( 出所 : 日本船舶輸出組合 ジャパン シップ センター ( 財 ) 日本船舶技術研究協会 (2012.3) 海洋資源開発プロジェクト調査 年度 JSC 特別調査事業 -02 ) < fields.canpan.info/report/download?id=4253 > 118 < 119 < 120 係留システムには多くの種類があり 環境条件に見合った最適なシステムが選択される オーストラリア北西海域や香港沖など台風が多く海象条件が非常に厳しい海域では タレットが船体内部に位置するインターナル タレット (Internal Turret) が多く使われる 台風が接近した場合に FPSO を係留装置から切り離し 安全な場所に避難することができる切り離し型のディスコネクタブル (Disconnectable) タレットが用いられることもある 121 SOFEC 社は MODEC の子会社である 122 超大水深用係留索として新世代の高剛性ロープが開発中 Petrobras 社は他社に先駆けて合成繊維係留索を研究開発している ( 出所 : ( 財 ) 日本船舶技術研究協会ほか (2012.3)) 123 < 124 フレキシブル ライザーは 鋼製パイプであり 柔軟な構造となっている 125 海底坑口装置を制御するための電力 油圧 信号ケーブルからなる複合ケーブル < 126 ( 財 ) 日本船舶技術研究協会ほか (2012.3) 38

42 造物であり 浮体構造の上に掘削リグや石油 ガス生産設備を搭載して使用される 海面で切断したときの構造物の断面積が船型の構造物に比べて小さいため 波や潮流による上下動や水平移動の応力が少なく 悪天候の海象条件でも安定した状態を確保することが出来る 当該方式の主たる用途は 掘削作業を行うことだが 近年では生産設備として転用されるケースも増えており 坑口装置を海面上に設置するためのプラットフォームとして主に使用される 127 また当該方式は 固定式プラットフォームの使用が困難な大水深海域での使用に適しており ( 適用水深約 2,400m) 稼働設備の多くがブラジル沖に設置されている 128 またオーナーはPetrobras 社とStatoil 2 社に集中している なお貯油設備を持たないため 貯蔵積出機能を有するFSOと併用したり パイプラインに接続して原油 ガスの積出を行う セミマーシブルの 3 つの基幹構成物は トップサイド 船体 係留装置 129 である トップサイドの納入実績を有する企業は Technip 社 ( フランス ) Kiewit 社 GIF 社 McDermott 社 ( 米国 ) 等である また係留索の主力サプライヤーとしては Bridon 社 ( イギリス ) Parker Scanrope 社 ( ノルウェー ) Lupatech CSL 社 ( ブラジル ) が挙げられる 3)SPAR SPAR は 縦長の円筒形型の大型ブイを複数の係留索で係留した浮体構造物である 130 稼働中のスパー型生産設備の約 9 割がメキシコ湾に設置されており 主要オーナー / オペレーターとしては Anadarko 社等がある SPAR の 3 つの基幹構成物はトップサイド 131 船体 係留装置 132 である 近年の技術開発の方向性として 船体建造に要する鋼材量を削減し 船体を大型化することなく可変搭載可能重量を増やすことを目標として 設計の改良により船体の浮力を増す研究が行われている 133 4)TLP 緊張係留式プラットフォーム (TLP: Tension Leg Platform) は 強制的に半潜水させた浮体 構造物と海底に打設した基礎杭とをテンドン (Tendon) と呼ばれる鋼管で接続し 強制浮力に 127 < 128 セミサブ型は デッキ面積が比較的広く デッキ上に搭載される処理設備の配置の点で柔軟性がある また セミサブ型生産設備は多数のライザーを受け入れることが可能であり 喫水が深いため比較的海面の挙動の影響を受けにくい このため 特に広範囲の海底に多数の坑井が設置されている複雑な大水深油ガス田における利用に適している ( 出所 : ( 財 ) 日本船舶技術研究協会ほか (2012.3)) 129 係留装置にはワイヤーロープまたはポリエステルロープ サブシーアンカー チェーン ウィンチ等がある 一般的に セミサブ式生産施設は各コーナで 2 本から 4 本の係留索を使用して海底に固定される 大水深に設置されるセミサブではカテナリー式のワイヤー / チェーン係留装置が使用される ( 出所 : ( 財 ) 日本船舶技術研究協会ほか (2012.3)) 130 < 131 トップサイドの納入実績を持つサプライヤーは Kiewit 社 GIFI 社 McDermott 社等である 132 係留索としてはワイヤーロープ ポリエステルロープのいずれの使用も可能であり 長さは設置場所の水深に左右される 係留索の納入実績を有する企業として Bridon 社と Whitehill 社 ( 米 ) が挙げられる 133 ( 財 ) 日本船舶技術研究協会ほか (2012.3) 39

43 よって生じる緊張力を利用して係留される洋上プラットフォームである TLP の浮体構造物は 作業台となる上部構造物 浮力体となる下部構造物及び両構造物を連結するコラム (Column) と呼ばれる 1 本ないしは複数の支柱で構成され 下部構造物の外側に張り出した部分でテンドンと接続される 浮体構造物には常時垂直方向に対して 1,000 トン超の強い力がかかるため TLP は水平 垂直方向への動揺が小さな範囲にとどまり 台風等の悪天候の海象条件でも安定した状態を確保することが可能となる 134 TLP の適用水深は約 1,400m 程度となっている 135 現在稼働している TLP には 生産設備を搭載したプロダクション TLP と 坑口装置を海上に設置するためのプラットフォームとして使用されるウェルヘッド TLP の 2 種類がある 現在メキシコ湾を中心に世界で約 20 基の TLP が稼動している TLP の 3 つの基幹構成物はトップサイド 136 船体 137 テンドン係留装置である なお Tendon に関しては 我が国企業である新日鉄住金エンジニアリングが強みを有している (2) 海底生産システム海底生産システム (SPS:Subsea Production Systems) は 海底仕上げ井 (Subsea completion well) と海底機器 海底に設置された生産 処理設備等から構成される海底で完結した生産システムである SPS は クリスマスツリー マニフォールド 昇圧ポンプ セパレーター 圧入システム 多相流量計 パイプライン アンビリカル 138 ライザー フローアシュアランス 動力とコントロール機器 ROV/AUV( 後述 ) などの様々な要素技術により構成される 海底仕上げ井やマニフォールドは手動で操作出来ないことから アンビリカルを通じて遠隔監視 操作を行う クリスマスツリーからの生産流体は マニフォールドで纏められて生産設備へ送られる これら要素技術は 大別して生産流体が流れる部分と監視 制御システムに分類される 134 < 135 最近の技術開発では TLP の採用限界水深を大きくすることに焦点が当てられており 軽量のテンドンを使用した緊張係留システムの開発が検討されている 標準的な TLP サプライヤーである MODEC SBM FloaTEC の 3 社は既存システムに代わるテンドンシステムの可能性を評価している ( 出所 : ( 財 ) 日本船舶技術研究協会ほか (2012.3)) 136 トップサイドの納入実績を持つサプライヤーは Kiewit 社 GIFI 社 McDermott 社 ( 米 ) Brasfel 社 ( ブラジル ) である 137 MODEC 社 SBM 社 FloaTEC 社 (McDermott と Keppel FELS の合弁事業 ) は TLP 船体の標準設計を提供している この他にもオペレーターの中には 独自の TLP 設計を保有する企業もあり 例えば Shell は Olympus プロジェクト向けに独自の TLP 設計を開発した ( 出所 : ( 財 ) 日本船舶技術研究協会ほか (2012.3)) 138 電力用ケーブル 油圧用ライン 薬注用ライン 監視用光ケーブル等を纏めたもの 40

44 ( 出所 ) 伊原 (2009) 139 図 2-17 SPS の概要 1) 監視制御システム監視 操作システム (PCS) は サブシー坑井 マニフォールドに特有のものである 洋上には電力ユニット (EPU) 油圧ユニット(HPU) マスターコントロールシステム(MCS) 等があり これをトップサイドアンビリカルターミナルユニット (TUTU) でアンビリカルに纏めて接続し 海底では接続工事用アンビリカルターミナルアセンブリ (UTA) 経由でサブシーディストリビューションユニット (SDU) へ接続される SDU では 電力 油圧 薬品等を坑口装置やマニフォールドへ分配するようになっており 坑口装置やマニフォールドではサブシーコントロールモジュール (SCM) に入れられた制御機器で 実際のバルブ操作等が行われる 140 SPS 機器のサプライヤーは FMC Technologies 社 OneSubsea 社 Aker Solutions 社 GE Oil & Gas 社 Dril-Quip 社の 5 社のみしかなく 設置工事は設置工事専門会社が行うことが特徴である 141 2) 生産流体部分 ( フローアシュアランス ) 生産流体を処理できる生産設備が坑井から近ければ 坑井と生産設備をフローラインや ライザーで接続することが一般的である しかし 生産設備が坑井から遠ければ 所定の 139 < 140 浅海でのサブシー機器の場合には直接油圧を用いてバルブ操作を行うこともあるが 大水深の場合には油圧の伝播速度が遅いため SCM に付属する電気式ポンプで油圧を上昇させてバルブ操作を行うことが一般的である 141 PCS に用いるアンビリカルは SPS 機器とは独立して製造されており Aker Solutions 社 Technip 社 Nexans 社 Oceaneering 社が主要なサプライヤーである 41

45 生産量を確保するために 坑口近傍で十分な移送圧力を確保する昇圧ポンプが必要となる また 液単相流と比較して気液二相流は圧力損失が大きく これを減じるために 井戸元で生産流体を油 水 ガスに分離する方法も有力となる このような技術的背景に基づき 海底セパレータ (Subsea separator) や多相流ポンプ (Multi-phasepump) は 大水深のサテライト油ガス田の生産性向上や可採埋蔵量増大に大きな役割を果たしており サブシープロセッシング を行うことが一般的になりつつある 3) 各社の技術的差異サブシープロセッシングの構成要素は主に気液分離と昇圧であり フローライン内部のガスの容積比率 (GVF:Gas Volume Fraction) が最大の判断材料となっている GVF が大きいと管内でスラグが発生してフローライン内部の流送が不安定になるだけでなく 大きな昇圧を行うことが困難となる このような場合 サブシーセパレータによる気液分離を行い ガスはそのまま昇圧せずに洋上生産設備へ送り ヘッドの大きい液体はサブシー液体用ポンプで昇圧して洋上生産設備へ送られる 142 ガスの容積比率が大きいだけでなく 生産設備が遠方に位置するような場合 ガスの昇圧も必要となることがあり 海底面でのガス昇圧も行われている ポンプと比べて装置が複雑になるため 技術的にも経済的にも厳しい場合が多く 実績数は北海の 2 ヶ所と限定的である これらサブシープロセッシングの開発は 石油開発会社の要求を受けて SPS 機器サプライヤーが同時並行的に行っている SPS サプライヤー上位 4 社 (FMC Technologies 社 OneSubsea 社 Aker Solutions 社 GE Oil & Gas 社 ) の間に大きな技術力の差異はないが 担当したプロジェクトの場所や状況によって多少の違いが生じている 例えば FMC Technologies 社はメキシコ湾を中心にして サブシーセパレータやサブシーポンプに多数の実績を持っている 143 また OneSubsea 社は 直接サブシープロセッシング機器ではないが サブシー坑井のチョーク部分に装着する MARS(Multiple Application Reinjection System) を保有している 同システムは サブシープロセッシング機器を追加設置する際に簡単に流路変更できる機器であり 全世界で約 150 坑に設置されているが 保有する特許によって全て OneSubsea 社製である 144 Aker Solutions 社は 最もサブシーコンプレッサに注力しており 2014 年に世界初の商業生産用サブシーコンプレッサをノルウェー沖水深 240~310m に位置する Asgard ガス田へ設 142 逆に GVF があまり大きくない場合 海底面に設置する機器を簡素化できることから サブシー多相流ポンプを単独で用いることが多く 最近の技術の進歩によってガス容積比率が相当大きくなっても稼働可能なポンプも開発されつつある 143 例えばアンゴラ沖水深 800m の Total が操業する Pazflor 油田に FMC Technologies 社が納入したサブシープロセッシングでは 油層圧力が低く原油の粘性が高い油田であるため サブシー坑井からの生産流体はサブシーセパレータに集められ ここで気液分離を行った後 ガスは自圧で FPSO に送られるが 液体はサブシーポンプで送られる 144 MARS は他社の坑口装置にも設置可能であり 追加設置するサブシープロセッシング機器にも大きな制 約はない 42

46 置している また同社ではノルウェー沖 Ormen Lange ガス田等でもサブシーコンプレッサ導入プロジェクトに参加している 更に同社では 将来的には陸上から酸素を送り サブシーにて生産ガスを用いて発電を行い 洋上生産設備 陸上に電力を供給するとともに 発生した CO2 は海底面で CCS を行うという サブシーファクトリー構想 も展開している また同社は Baker Hughes 社と共同で ESP(Electrical Submersible Pump) 等の坑内機器とサブシープロセッシング機器を統合的に検討するための Subsea Alliance を組成している Subsea Alliance では 坑内 ESP と同じ機構を坑井とマニフォールドを接続するためのジャンパーに組み込んだ POWER Jumper を開発している ESP は比較的生産流体に随伴する砂粒等で故障が発生する頻度が高く 大水深において ESP の交換は掘削リグが必要なことから莫大な費用が発生するが POWER Jumper は作業船で交換作業が出来ることから 今後簡便な多相流ポンプの代用品として使用されていくと考えられている 最後に GE Oil & Gas 社は コンプレッサーも製造していることから Aker Solutions 社同様にサブシーコンプレッサに力を入れており Shell 社がノルウェー沖で操業する Ormen Lange ガス田のサブシーコンプレッサを納入している サブシープロセッシングを含む SPS 関連への日本企業の進出状況であるが 洋上生産設備では大きなシェアを確保している企業はあるものの 水中部分には参入できていない 43

47 2.5.3 主要プレイヤーの競争優位性 (1) 主要プレイヤーの概要 1) 浮体式生産設備 FPSO に関しては MODEC 社 SBM 社 次いで BW Offshore 社が市場において競争優位 性を有している SBM 社と BW Offshore 社は それぞれオランダ ノルウェーの会社であ り 北海油田におけるプロジェクト経験を経てここまで成長してきた 上位 2 社である MODEC 社及び SBM 社ともに トータルの優位性に加え 自社製の係留 設備を保有していることが技術的強みとなっている 例えば MODEC 社は 係留設備のモ ジュールだけを 子会社である SOFEC 社を通じて供給することもある 2) サブシー技術 ( 各社の技術的強み ) SPS サプライヤー 4 社 (FMC Technologies 社 OneSubsea 社 Aker Solutions 社 GE Oil & Gas 社 ) に関しては 大水深 HPHT 対応状況に関しても大きな差異はないが 各社の事業内容やサブシープロセッシングへの対応方針には若干の差異がある FMC Technologies 社は 2017 年 1 月にアンビリカルの製造や海洋設置工事を行う Technip 社と合併して TechnipFMC 社となっており 145 事業構造が大きく変化しつつある 同社は これまでアンビリカルやライザー類の製造を行わず サブシープロセッシングを含む SPS 機器製造のみに特化して世界展開をしてきた サブシープロセッシングに関しては メキシコ湾大水深でのニーズに沿って世界初のサブシーセパレータを開発したように 現在も R&D に力を入れている ただ汎用性が高いサブシー多相流ポンプが中心で サブシーガスコンプレッサは対象としていない OneSubsea 社は 元々 Schlumberger 社と Cameron 社の合弁会社であったが Schlumberger 社が Cameron 社を買収した結果 Schlumberger 社の完全子会社になっている 146 事業対象としては FMC Technologies 社と同じようにサブシープロセッシングを含む SPS 機器製造に特化しているが Schlumberger 社の持つ電子関連技術 制御技術を用いて Cameron 社の弱点と言われていたコントロール部分の改良に力を入れるとともに サブシープロセッシングにも力を入れている AKER Solutions 社は ノルウェー企業であるため北海を中心にした欧州系企業を対象に事業展開をしている メキシコ湾では使用実績が少ないが 唯一アンビリカルを生産していることから SPS コントロール部分に強みがあり 他社のコントロールを同社が納入する場合がある点が特徴である サブシープロセッシングに関しても積極的に様々な R&D を行っているが 特にサブシーガスコンプレッサに注力しているのはノルウェーの特殊性によるものである < 146 < 147 ノルウェーの場合 非常に高い炭素税を課せられるため 洋上生産設備の殆どは生産ガスを用いた自家 発電をせず 陸上水力発電所から供給された電力を使用して炭素税を回避している 44

48 GE Oil & Gas 社に関しては 大水深 HPHT 対応では十分な技術を持っているものの 2000 年頃には FMC Technologies 社と双璧をなしていた市場占有率が大きく減少している この理由としては 同社は Ormen Lange ガス田にサブシーコンプレッサを納入しているもののサブシープロセッシング開発には積極的ではないこと 生産拠点を分散しておらず一部の石油開発会社からはローカルコンテントを満足しないため採用できないという意見が出されていることが挙げられる このため 同社では生産拠点を分散する方向に軌道修正を行っている ( サブシー産業における M&A 提携の状況) サブシー産業界で M&A 提携が進んでいる背景は 開発対象油ガス田の大水深化によって開発業務が複雑化していること 複雑な開発業務の合理化のために大資本を有する少数のサービス会社への寡占化が進んでいることが挙げられる 元来サブシー機器業者は基本設計で定められた仕様に沿った機器を納入する形態で事業を行ってきたが 大水深油ガス田の開発ではサブシープロセッシング機器等の新規開発が重要であるため 基本設計を行う会社と関係を持つことで 使用するサブシープロセッシング機器の最適化を行うことが求められている また 大水深では設置工事が占める費用が非常に大きいことから 大規模設置工事会社 周辺機器製造業者との関係を強化することで 大水深での設置工事方法の最適化を目指している このため M&A 提携の相手は 基本設計会社から設置工事会社まで幅広くあるが 設計業務に関しては非常に強い協業関係が求められるが 設置工事の場合では工事用船舶の常駐場所 使用状況 船籍等の影響を受けるため 資本関係に縛られない緩やかな協業となると想定される 以下 主要な SPS サプライヤーの M&A 協業体制の事例について示す FMC Technologies 社 2015 年に Technip 社との合弁会社として Forsys Subsea 社を設立した 2017 年 1 月には両者正式に合併に関する協議が完了し TechnipFMC 社として新会社を始動した Technip 社は設計業務から工事まで行う大規模サービス会社で多数の設置工事用船舶も有しているが 設置工事に関しては今後も Subsea7 社等が行う場合が多数発生すると思われる Onesubsea 社 Schlumberger 社と Cameron 社が設立した合弁会社で Schlumberger 社の Cameron 社買収によって 現在は Schlumberger 社の完全子会社となっている またサブシー関連の設計業務のために Subsea 7 社と提携関係を有するとともに Workover 等の坑井作業のために Helix 社とも提携関係を有している Aker Solutions 社 サブシー関連基本設計並びにサブシー機器開発のため Baker Hughes 社と Subsea Production Alliance を組成している また 設置工事に関しては Saipem 社と提携関係を有している GE Oil & Gas 社 基本設計業務のために McDermott 社と提携関係を有している 2016 年末に Baker Hughes 社との新会社設立による事実上の合併が発表されており 2017 年中には完了予定である 45

49 (2) 我が国企業の動向 ( 浮体式生産設備 ) MODEC 社は FPSO FSO TLP 等の浮体式生産設備を 設計から資材調達 建造 据付 試運転まで一括で石油開発会社に提供するサービスを構築しており 148 他企業との差別化を図っている この EPCI サービス 149 において同社は 工場をもたないファブレス企業として工程 品質管理を中心としたプロジェクトマネジメントに特化し 建造工事や FPSO 等に搭載する設備の製作並びに据付工事に関しては 海外造船所や専門の業者に外注している 150 図 2-18 ( 出所 ) MODEC 社 Web サイトより 151 MODEC 社による EPCI サービスの概要 また EPCI に加えて リース O&M(Operation & Maintenance) チャーターなどのサービス形態を提供している 152 リースは MODEC 関係会社が保有する FPSO/FSO を石油開発会社にリースするサービスであり MODEC 本社が FPSO 等の建造を実施した後 MODEC 関係会社に対して引き渡し この関係会社からリースを行うものである 図 2-19 ( 出所 ) MODEC 社 Web サイトより 153 MODEC 社によるリースサービスの概要 148 < 149 設計 (Engineering) 資材調達(Procurement) 建造(Construction) 据付(Installation) の頭文字をとって EPCI と呼ばれる 150 これにより最も条件の良い外注業者や造船所サイトを選択することが可能となる 151 < 152 < 153 < 46

50 一方 O&M は FPSO/FSO に乗組員を提供し 生産 貯蔵 積出といった一連の運転オ ペレーション (Operation) 及び保守点検 (Maintenance) を提供するサービスである 図 2-20 ( 出所 ) MODEC 社 Web サイトより 154 MODEC 社による O&M サービスの概要 更にチャーターとは リース+O&M という位置づけであり リースチャーター期間を定めて FPSO/FSO の保有から運転オペレーション 保守点検まで全てのサービスを石油開発会社に提供する 当該サービス形態では MODEC 本社が FPSO 等の建造を実施した後 MODEC 関係会社に対して引き渡しを行う この関係会社から石油会社等に対してリースを行うとともに O&M まで提供するものである ( 海洋生産システム ) 我が国エンジニアリング会社も 近年 協業関係の構築や実績のある海外企業の買収によって当該分野に進出している 例えば 東洋エンジニアリング ( 株 ) ではサブシー油ガス田開発で Baker Hughes 社及び AKER Solutions 社との協業関係を構築している また千代田化工建設 ( 株 ) は基本設計会社である Xodus 社を買収するとともに 海洋設置工事会社である EMAS AMC と合弁会社を設立している 155, < 155 < 156 < 47

51 2.6LNG チェーン 概要 LNG チェーンは 開発サイトにおける前処理工程及び液化工程 船舶等による輸送工程 受入サイトにおける受入 再ガス化工程などから構成される この中でも液化工程は 前処理を経て精製されたガスをマイナス 162 まで冷却するプロセスであり これにより LNG が製造される LNG はタンクにて貯蔵された後 LNG 輸送船等により輸送される LNG プラントの主要なコントラクターとしては Bechtel Corporation 社 ( 以下 Bechtel 社 )( 米 ) 157 や KBR 社 ( 米 ) 158 に加え 日揮 ( 株 ) 千代田化工建設( 株 ) などが存在する LNG 液化方式は APCI(Air Products and Chemicals, Inc.) 社の技術であるプロパン予冷式 MCR 方式 (C3-MCR プロセス ) が幅広く用いられており KBR 社 ( 米 ) 日揮( 株 ) 千代田化工建設( 株 ) も当該技術を用いている 一方 Bechtel 社は Conoco Phillips 社の Cascade 法を利用している 重要技術の整理 (1)LNG 液化技術 外部冷媒方式による LNG 液化技術は 複数の冷媒を別々に使用する Casecade 方式 と 混合冷媒を使用する 混合冷媒 (MCR: Multi Component Refrigent ) 方式 の 2 つに分類するこ とが出来る 159 Casecade 方式では複数の冷媒を別々に使用するのに対し MCR 方式では混 合冷媒を使用する 以下 LNG 液化技術の分類を示す 表 2-7 LNG 液化技術の分類 外部冷媒方式 Cascade 方式混合冷媒方式 (MCR 方式 ) 1 段階圧力式 2 段階圧力式 予冷式 ( 出所 ) 宮崎 (2005) より MURC 作成 主なプロセス Technip プロセス Phillips プロセス APCIプロセス PRICOプロセス TEAL ARCプロセス 混合冷媒予冷 TEAL ARCプロセスプロパン予冷 APCIプロセス 主要技術の変遷を見ると 1960 年代にベースロード用 LNG 液化技術が適用された当初は 157 < 158 < 159 宮崎信一 (2005) LNG ビジネスの本質を理解するための液化プラント必須知識 - 誰にもわかる液化原理から最新技術まで-,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー < 48

52 Cascade 方式が採用されていた その後 Cascade 方式に続いて 1 種類の MCR 160 を使用するプロセスが利用されていたが 現在は予冷システムに純プロパンを使用したプロパン予冷式 MCR 方式が標準的に利用されており 中でも APCI 社の C3-MCR 方式が約 9 割のシェアを占めている 1)Cascade 方式 Cascade 方式は プロパン エチレン メタンを冷媒に使用し それぞれで独立した冷凍サイクルを構成して 原料天然ガスを順次冷却するものである 3 つの異なる圧力レベルの冷媒を用意するため それぞれが別個の圧縮機と動力タービンを保有することになる 161 このプロセスは 天然ガスを液化する主熱交換器にアルミ蝋付のプレート フィン型主熱交換器を使用している ( 出所 ) 宮崎 (2005) 図 2-21 Cascade 方式の概略フロー 2) 混合冷媒方式 (MCR 方式 ) MCR 方式は Cascade 方式の複雑な機器構成を改善すべく開発された方式である MCR 方式の冷却原理は Cascade 方式と基本的に同じであるが この方式では メタン エタン プロパンを主成分とする混合冷媒を使用する MCR 方式には 冷媒の断熱膨張や予冷システムなどに応じてプロセスやバリュエーションが多く 1 段階圧力式 MCR 方式 2 段階圧力式 MCR 方式 予冷式 MCR 方式 ( 混合冷媒予冷 プロパン予冷 ) 等の各プロセスがある 160 プロパン エタン メタンに窒素を加えた混合冷媒を使用 161 そのため 他の方式と比較して プロセスが複雑になる 49

53 (1 段階圧力式 MCR 方式 ) 1 段階圧力式 MCR 方式としては APCI 社の開発した APCI プロセスや Prichard/ 旧神戸製鋼所の PRICO プロセスがある このプロセスでは 冷媒の断熱膨張を主熱交換器のみで行う (2 段階式圧力 MCR 方式 ) 2 段階圧力式 MCR 方式は メタン エタン プロパンに加え窒素を混合冷媒として用いる 冷却過程において 混合冷媒を中圧と低圧の 2 段階の圧力で断熱膨張させることから 2 段階圧力式といわれている この液化プロセスとしては TEAL 社の開発した ARC(Auto Refrigerated Cascade) プロセスがある ( プロパン予冷式 MCR 方式 ) プロパン予冷式 MCR 方式は プロパン予冷系 ( 天然ガス予冷 + 混合冷媒冷却 ) と混合冷媒系 ( 天然ガスを冷却 液化 ) の2つの冷凍サイクルから構成されるプロセスである プロパン予冷系を設けることによって 混合冷媒の負荷を削減し 主熱交換器の縮小を図ることが出来る 162 先述の通り APCI 社によるC3-MCR 式が標準的に利用されている ( 出所 ) 宮崎 (2005) 図 2-22 プロパン予冷式 MCR 方式の概略フロー ( 混合冷媒予冷式 MCR 方式 ) 混合冷媒予冷式 MCR 方式は 2 段階圧力式 MCR 方式における中圧の混合冷媒系の代わ りに 混合冷媒による独立した予冷サイクルを組み込んだプロセスである 163 この予冷系 162 このプロパン予冷系は 天然ガスを主熱交換器で冷却 液化する前に予冷 一部凝縮させ さらに 混合冷媒を予冷 一部凝縮させるものである 混合冷媒系には メタン エタン プロパン 窒素の混合冷媒が使用される ( 出所 : 宮崎 (2005) 163 プロパン予冷式 MCR 方式における予冷系のプロパンを 混合冷媒に置き換えたもの 50

54 の混合冷媒には エタン プロパン ブタンが使用される 原料天然ガスを常温からマイナス50 程度まで 予冷混合冷媒 (PMR :Precool Mix Refrigerant) により冷却し そこからマイナス 162 までは PMR によって予冷された混合冷媒により 冷却 液化する なお当該方式は Shell の SakhalinⅡプロジェクトでの採用されており Shell 社 DMR 方式とも呼ばれる (Linde MFC 方式 ) Linde MFC(Mixed Fluid Cascade) 方式は 冷却過程を予冷サイクル 液化サイクル サブクールサイクルの3サイクルに分け 混合冷媒により液化を行うものであり ドイツLinde 社により開発された 先行する予冷サイクルはプレート フィン型主熱交換器 続く液化サイクル及びサブクールサイクルはSpoolWound 型が利用される 当該方式は ノルウェーの Snøhvit LNGプロジェクトにおいて導入されている 3) 主な構成機器 ( 冷媒コンプレッサー駆動機 ) 冷媒コンプレッサー駆動方式として 1980 年代以前は蒸気タービンが主に用いられていたが 1980 年代以降はガスタービンの採用が進められてきた 当初は産業用ガスタービンとして GE 社製 Frame-5(28MW) が導入されていたが 1990 年代以降は大型化が進められ 同社の系列製品である Frame-7(87MW) が数多く利用されてきた また 2000 年以降は カタール LNG プロジェクトにおいて同じく同社の系列製品である Frame-9(130MW) が採用されるなど 更なる大規模化が進められてきた 164 ( 主熱交換器 ) 主熱交換器は アルミ蝋付プレート フィン型 165 と Spool Wound 型 166 の 2 つのタイプに分類される 前者は主に Cascade 方式及び PRICO 方式で採用されており 後者は C3-MCR 式にて採用されている 導入実績は Spool Wound 型が圧倒的に多く 大部分のものは APCI 社のものである なお Linde 社も SpoolWound 型を開発しており APCI 社 Spool Wound 型と同様の基本的構造をもつが 2 基の並列設置になる点などに相違点がある 164 この他にも航空機転用ガスタービンで発電し 電気モーターにより冷媒圧縮機を駆動している事例もある 165 両端をシールした平板を重ね それぞれの平板間に波状の板を流対方向に挿入した形状をとっている この平板の間の波状の板の部分に熱交換をさせる流体を流しており 多流体の熱交換が可能な形となっている ( 出所 : 宮崎 (2005) 166 低温用の特徴である 熱損失をできるだけ小さくし かつ伝熱面積を大きくという要求を満たすため 直径約 10mm の細いパイプを格納容器 ( シェル ) の中に巻いた構造となっている ( 出所 : 宮崎 (2005) 51

55 (2)LNG 輸送技術 LNG は主に海上輸送されているため ここでは LNG 船のタンク方式について説明する 実用化されている主な LNG タンク方式としては SPB 方式 MOSS 方式 更にはメンブレン方式の 3 つがある 図 2-23 GT 駆動方式と Motor 駆動方式 ( 出所 )JMU LNG 貯蔵 輸送 燃料タンク, IHI 技報 Vol.52 No.3(2012) 167 1) 独立タンク方式独立タンク方式は 船体とタンクが独立構造となっており 船体の中に自立タンクが配置されている方式である 独立タンク方式は MOSS 方式と SPB 方式に分類されるが 両方式ともに後述するメンブレン方式と比較して スロッシングに強いという特徴がある (MOSS 方式 ) MOSS 方式は MOSS ROSENBERG 社 ( ノルウェー ) 168 が開発した方式であ タンクは独立玉形の構造となり 材質はアルミ合金または 9% ニッケルが使用される 169 球形シェル構造のタンクとなっているため 全ての液荷重はタンク板材の膜応力で受け持つので 応力集中が避けられる また 球形シェルは円筒形の支持構造で船体に据え付けられているため 球形タンクの熱伸縮変形は このスカートの撓たわみによって無理なく吸収されるのが特徴である (SPB 方式 ) SPB 方式 172 の大きな特徴として LNG タンクが方形であり 甲板下に内蔵していること 167 < > 168 < 169 タンクの外面に防熱が施されており 断熱材としては 硬質ウレタンフォームやグラスウールなどが使 用 170 湯浅和昭 (2008) LNG 輸送技術の最新動向,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.42 No.4 < 171 豊田昌信 楠本裕己 渡辺一夫 (2012) IHI-SPB LNG 運搬 貯蔵 燃料タンクの安全性, IHI 技報 Vol.52 No Self-supporting Prismatic shape IMO type B の略称 52

56 が挙げられる 甲板下内蔵であるため 他の方式とは異なり出っ張っている部分が無いため 風圧等の気象条件の影響が少ない 173 この SPB タンクは 船体構造とは独立しており 強化合板製ブロック上に自立している そのため船体形状に合わせた柔軟な形状が可能であり 容積効率を上げることができる またタンク内部に構造部材をもつため, タンク内 LNG の固有周期を自由に調整できる これによりスロッシング現象が発生しないように設計可能である タンクの材料としてアルミ合金だけでなく ステンレス鋼や 9% ニッケル鋼での製作も可能である 174 ( 出所 ) 豊田 楠本 渡辺 (2012) 図 2-24 SPB 方式の概要 SPB 方式は ジャパンマリンユナイテッド ( 株 )( 以下 JMU) がライセンスを保有しており 当該設計技術を国内外に幅広くライセンス供与している 175,176 2) メンブレン方式 メンブレン方式は 船体内部に防熱材を取り付けて その内面をメンブレン ( 金属の薄膜 ) で覆った構造となっている メンブレン方式の狙いは 超低温用特殊金属材料の削減であ 173 この特徴もあり アラスカという条件の厳しいサイトで導入された また中間液位での航行も可能であり 衝突にも強い 174 永田良典 田ノ上聖 木田隆之 川合崇 (2012) LNG 燃料船用 IHI-SPA タンク, IHI 技報 Vol.52 No Samsung 社や Hundai 社に対しライセンス供与を実施している ただこの場合 材質はアルミではなく ステンレス鋼や 9% ニッケル合金などとなっている < < < 176 SPB 方式タンク単体のビジネスも実施しており 中東の海運会社 United Arab Shipping Company(UASC) が韓国の造船会社である現代重工業に建造発注したコンテナ船について LNG を推進用燃料とする LNG 燃料供給システムの共同開発実施について合意している 当該ビジネスでは LNG タンクとして SPB 方式が採用されている < 53

57 る 貨物液の荷重は防熱材から船体に直接作用するので 防熱構造は断熱性能のみならず 強度面での配慮が必要となる また タンク内は補強材のない構造であるので 液の自由運動による圧力変動に対するタンク保護の観点で 一般的に積み付け制限が必要となる 177 メンブレン方式は Gaz Transport 社の開発したメンブレンを使用する方式 (Gaz Transport (NO.96)) 178 と Technigaz 社が開発した厚さ 1.5mm のステンレス鋼を使用する方式 (Technigaz) 179 の 2 つに大別できる Gaz Transport 方式 (NO.96) 線膨張係数が極めて小さい特殊材料のインバー (36% ニッケル鋼 ) をメンブレン材として使用しているので 熱伸縮対策が実質的に不要である また防熱構造は パーライトを充填した防熱箱を煉瓦状に積み重ねた構造となっている Technigaz 方式 ( マークⅢ) 波形のしわ付きのステンレス鋼 (SUS304) をメンブレン材として使用している 縦横の波形のしわで熱伸縮を吸収する構造となっている なおGaz Transport 社と Technigaz 社は 1994 年に合併しており GTT 社 (Gaz Tranport & Techinigaz) となっている 180 現在は この GTT 社が 両方式の長所を結合した方式が開発 実用化されている 湯浅 (2008) 178 厚さ0.7mm 36 % のニッケルを含有するニッケル鋼を使用 < 2%AB%E3%83%BC> 179 後者のステンレス鋼タイプでは 本船の貨物タンクのメンブレンを 2 層とし ( それぞれ液と接触する内側から一次メンブレン 二次メンブレン ) 2 層のメンブレンの間に断熱材を挟み さらに外側に断熱材を設けている 断熱材の材質は木板 およびパーライトが使用されている < 2%AB%E3%83%BC> 180 < 基本的な考方として メンブレンにはガストランスポート方式のインバー 防熱と 2 次防壁にはテクガス方式の強化プラスチックフォームとトリプレックスを採用した方式で CS-1( コンバインド システム ) と呼ばれている ( 出所 : 湯浅 (2008)) 54

58 2.6.3 今後の技術開発トレンド (1) フローティング LNG 1) 主な特徴 フローティング LNG (FLNG: Floating Liquefied Natural Gas) とは LNG 版 FPSO の通称であり 洋上で天然ガスを精製 液化 貯蔵 積出を行う浮体式の生産設備である 陸上に液化プ ラントを建設する場合と比較して 海洋ガス田から陸上までの海底パイプライン敷設を削 減できることや 沿岸部の開発を伴わないため環境負荷を低減できること ガス田開発と は異なる国や地域で LNG-FPSO を建造して現地へ曳航できるため労働者確保が比較的容易 であること等の利点を有する また 液化プラントの移動が可能なため 従来は開発対象 とならなかった中小規模の海洋ガス田の開発手段としても注目される 182 2) 設備概要と技術開発動向 FLNG は 上載設備 ( トップサイドプラント ) 船体 係留システムなどから構成される 183 上載設備 ガス処理 / 液化プラントを搭載し 不活性ガス生産 圧縮ガス前処理 LPG 回収 液化 LNG/LPG 積出しのための様々なコンポーネントとシステムを完備する 船体 デッキは大重量の上載設備を支持できるように設計される またタレット係留装置が使用され 洋上で LNG を積み出すための様々なシステム ( 格納システム 極低温サブマージドポンプ 極低温トランスファーシステム等 ) が搭載される 係留システム FPSO で使用されているものと同様であるが FLNG の船体はかなり大型であり より強靭なタレット係留システムが必要とされる 184 3)FLNG の最新動向 エンジニアリング会社としては Technip 社が海洋関係会社の買収を通じてこの分野を先行 しており 我が国でも日揮 ( 株 ) が Petronas 社による FLNG プロジェクトに参加している 現在 以下に示す 4 件の FLNG の建造が現在進んでいる 185 (Prelude(LNG 年産 ) 360 万 t) Prelude LNG は 豪州 Browse Basin 沖合の Prelude フィールドと Concerto フィールドのガ ス開発プロジェクトであり Shell 社が 100% 権益を取得している 2011 年 5 月に FID( 最終 投資決定 ) が行われた後 Shell 社は Technip 社と Samsung Heavy Industry 社 ( 以下 SHI 社 ) のコンソーシアムとの間で FLNG の設計 建設などに関する連携協定を 2009 年に結んで 182 出所 : JOGMEC Web サイト石油 天然ガス用語辞典 フローティング LNG < 183 日本船舶輸出組合 ジャパン シップ センター ( 財 ) 日本船舶技術研究協会 (2012.3) 海洋資源開発プロジェクト調査 年度 JSC 特別調査事業 -02 < fields.canpan.info/report/download?id=4253 > 184 北村龍太 レイニ ケリー (2015) Floating LNG(FLNG) の最新動向について,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 < 185 < 55

59 おり その協定に基づき FEED( 詳細設計 ) 及びその後の建造を発注した 船体の建造は SHI 社が実施している 上載設備について LNG 液化プロセスについては先述した Shell DMR 方式が採用される見込みである また主熱交換器については AirProducts 社の Cryogenic Coil Wound LNG Heat Exchanger( 超低温コイル巻き式 LNG 熱交換器 ) LNG タンクについては GTT 社のメンブレン方式 (typeⅢ) が採用された 係留システムについては SBM Offshore 社が Technip 社との間で 主要な Turnet Mooring System に関する EPCI を締結した この他にも海底生産システムについては FMC Technologies 社が供給することになっている (Petronas FLNG-1(LNG ) 年産 120 万 t) Petronas FLNG-1 は マレーシア サラワク州沖にある複数の小規模フィールドの開発プロ ジェクトである 2012 年の 6 月に FID が行われ Petronas 社は Technip 社及び DSME (Daewoo Shipbuilding &Marine Engineering) 社 188 に建造を発注した 液化プロセスについては APCI 社が開発しライセンスを保有する窒素エキスパンダー (AP-N) 方式が採用される見込みであ る 189 (Exmar FLNG(LNG ) 年産 50 万 t) Exmar FLNG は コロンビアにおける陸上パイプラインガスを原料とした LNG プロジェ クトである 事業主体である Pacific Rubiales Energy 社 ( 以下 PRE 社 ) は Exmar 社との間で バージタイプ 190 の FLNG 施設の建造から操業までを依頼する契約を 2012 年 3 月に締結した 同年 6 月に Exmar 社が中国の Wison Offshore & Marine 社 ( 以下 Wilson 社 ) に発注し 建造 が開始された 本プロジェクトは Wison 社が EPC コントラクターとして受注し サブコントラクター として小型 LNG プラントにおける液化プロセス提供において豊富な実績を有する Black & Veatch 社 191 が参画している 液化プロセスとして 同社がライセンスを保有する 1 段階圧 力式混合冷媒方式 (PRICO プロセス ) が採用されている (Petronas FLNG-2(LNG 年産 150 万 t)) Petronas FLNG-2 は マレーシア サバ州沖の Rotan ガスフィールドの開発プロジェクトである FEED の結果 Petronas 社は 日揮 ( 株 ) と SHI 社連合に建造を発注している 186 大貫憲二 (2013) 世界初の FLNG プロジェクト : Prelude FLNG における技術的展望,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 < 187 < 188 < 189 < 190 本プロジェクトでは上述の通り陸上パイプラインガスを原料とする 191 < 56

60 (2) スモールスケール LNG 中国は政策的に LNG 価格が低く抑えられていることもあり 中長距離バスにおいても LNG 車が利用されるなど 中小規模 LNG 設備の普及が進んでいる いわゆるスモールスケール LNG として 様々な液化技術が採用されている 具体的には先述した Black&Veatch 社による PRICO プロセスは ひとつの混合冷媒のみを使用するものであり 小規模液化設備において導入が進んでいる 他にも Linde 社は Single MR プロセスに加え,Dual N2 Expander プロセス 192 などを保有している また APCI 社も C3-MCR に加え Dual MR などを開発している 192 冷媒系に窒素を利用し エクスパンダーの断熱膨張を利用して冷却 57

61 3 石油 ガス産業に係る分野横断的技術の最新動向 3.1 素材関連技術 HP/HT 対策技術 大水深油ガス田と高温高圧 (HP/HT: High Pressure/High Temperature) 対策技術は密接な関係 にある 193 HPHT の定義は 大水深 の定義と同様に時代とともに変化しており 統一さ れたものは特に存在しない 194 これに耐える素材の開発は 掘削機器 坑内仕上げ機器 検層機器など 大水深油ガス 田開発に関与する全ての資機材に影響がある 海水の温度は地域によって若干異なるもの の 水深 1,000m を超えると赤道直下でも 5 程度となり これより深い場所では殆どの場 所では 0~5 程度で一定となっている そのため HP/HT 坑井の坑口装置周辺では坑井の生 産 密閉によって 非常に大きな温度変化が発生して 熱膨張 収縮を繰り返し 金属疲 労やバルブやフランジ等のシール部分からの漏洩発生がリスクとなっている また 大水深でのサブシー機器のジャンパー接続は 全て ROV による遠隔作業となる そのため接続部分における接続容易性及び信頼性は SPS サプライヤーとって重要な技術要 素となる SPS 機器の場合 坑口装置や接続部のような主要部分には 通常 スーパー二相 ステンレス鋼を用いており 金属内部の均質性を維持するために鍛造して部品製造を行う ことが一般的である また ジャンパー接続は 各サプライヤーともコレット方式 クラ ンプ方式を用意しており SPS サプライヤー上位各社の間では 品質 故障発生頻度に特に 大きな差異は認められない HPHT 技術に関する日本企業の関与であるが SPS 機器の素材であるスーパー二相ステン レス鋼は 新日鉄住金エンジニアリング ( 株 ) が供給しているものが多くある しかし 鍛造 195 については Sandvik 社等の海外大手企業が行っており 今のところ日本企業は参入してい ない 193 陸上や浅海部の場合 厚い地殻が堆積しているために地温勾配が緩やかであるが 大水深になると地殻が薄く地温勾配が大きくなっている この結果 大水深油ガス田では貯留層が高温となっている また 高圧になる要因は多数あるが 浅部で堆積した炭化水素が圧密や温度上昇による膨張で高圧となる場合がある 194 これまでに開発された HPHT 油ガス田を見ると 貯留層圧力に関しては 15,000psi(1,035 気圧 ) を超えるもの 貯留層温度に関しては 350F(174 ) を超えるものが多数ある < 195 < 58

62 3.1.2 ハイドレート ワックス対策技術 サテライトの油ガス田は洋上プラットフォーム上から大偏距掘削することで開発が可能となるが 海底仕上げ井で開発すれば さらに遠距離にある油ガス田も開発することができる しかし フローラインが長距離あるいは大水深になるほど フローラインでの圧力損失が大きく さらに温度低下によるワックスやガスハイドレートの析出などの問題が発生しやすくなり 生産性を阻害する要因が増加する 大水深油ガス田では貯留層深度が深く HP/HT である一方で 海底面での温度が 0~5 程度しかなく 坑井密閉時にはハイドレート ワックスが析出しやすい環境であり 一旦析出すると修復が非常に困難であるため 適切な防止対策が重要である ハイドレートに関しては MEG(Mono-Ethylene Glycol) やメタノール等のハイドレート防止剤を用いて対応することが可能である MEG を入れない場合と 40% 入れた場合のハイドレート生成圧力 温度を見ると MEG 使用量を増加させれば生成温度は更に低下するため アンビリカル経由で注入する MEG が適切に注入される限り問題は発生しない また使用する薬品に関して MEG とメタノールを比較するとメタノールの方が安価であるが 沸点の問題から水と混じった場合にメタノールの分離再生は困難であるため 多量に必要なフローラインへの常時注入のような場合には MEG を用いて 生産設備にて水と混じった MEG を再生させることが一般的である 一方 ワックスに関しては 薬品によって析出防止できる場合もあるが 多くの場合 析出速度を遅くするだけで 長期間では析出する場合が多い このため ワックスが析出しやすい油ガス田の場合 電力を用いてフローラインを加温する DEH(Direct Electrical Heating) や PIP(Pipe in Pipe) と呼ばれる二重管を用いて 内部管を保温するとともにアニュラス部にホットオイル等を流すことで加温も行う方法が採用されている これらの加温は 生産状態が安定してフローライン パイプラインの内面温度がワックス析出温度を十分上回った状態になると不要となるため 主に生産開始時の温度が低い状態で使用される また 長期密閉によってフローラインやパイプライン内部に長時間原油 コンデンセートが滞留する場合 ハイドレート ワックスの析出防止のために長時間熱を供給することは不経済であり 管内を軽油や MEG で置換することが一般的である 59

63 3.1.3 新規素材関連技術 大偏屈掘削やマルチラテラル仕上げ等の複雑な掘削方法では 地下の状況をリアルタイムで把握しながら掘削を行う必要があることから 掘削部材に電子機器を搭載している そのためドリルパイプやドリルカラーには非磁性が要求される また先述した HP/HT 環境下での使用に耐える強度や耐腐食性も要求されており 主に鋼管メーカーにおいて高強度 耐腐食性を有する特殊合金の開発が進められている 以下 新規素材関連技術の開発事例を示す ( カーボンナノチューブ (CNT) とゴムの複合材 ) センサーを用いた高度な掘削のためには 特殊鋼管の材料開発に加え 鋼管の接続部分 ( シール材 ) の耐熱 耐圧 耐腐食性が求められる より過酷な条件で使用が可能なシール材としてカーボンナノチューブ (CNT: Carbon Nanotube) とゴムの複合材の開発が行われている 例えば信州大学の開発プロジェクトでは MPa の条件下で使用が可能な CNT/ ゴム複合材が開発されている 196 ( 炭素強化繊維 (CFRP) を用いたマリンライザーの検討 ) 大水深開発では ライザー管の総延長が増すにつれてかかる荷重が増え 荒天時等には操業が危険な状態となってしまうため マリンライザーの重量が大きな問題となる この課題を解決するために 三菱樹脂 ( 株 ) は 軽量でかつ高強度な材料として炭素強化繊維 (CFRP: Carbon Fiber Reinforced Plastics) をライザーに使用する開発を進めている 197 (PGA のシェール掘削用途への展開 ) ポリグリコール酸 (PGA: Polyglycolic acid) は 加水分解性 高強度 高弾性 高耐摩耗性 優れたバリア性 易加工性などを併せ持つ優れた高性能樹脂である 198 ( 株 ) クレハでは 1995 年から PGA の研究開発をスタートし 世界初の量産化技術を確立した 同社は 2014 年に Magnum Oil Tools International 社に対して北米での独占的販売権を供与することにより石油 ガス市場への参入しており 199 更に 2016 年 10 月には日揮 ( 株 ) との間で新たな合弁販売会社として Kureha Energy Solutions LLC を設立した 200 PGA のシェールオイル ガス掘削分野への適用として 掘削の目止め ( 泥水流防止 ) 用途での使用が拡大している 201 また水圧破砕時の PGA 活用方法として 分解性ボールシーラーが開発されている 当該技術では 徐々に内径が小さくなっていくアウタースリーブにサ 196 < 197 関均 藤田研 (2013) 炭素繊維強化プラスチックを用いた深海掘削用計量マリンライザーの検討, 石 油技術協会誌 第 78 巻第 5 号 ( 平成 25 年 9 月 ) 198 < 199 Magnum 社との独占販売店契約は 2016 年に終了 ( 非独占で継続 ) 200 < 201 一時的に自然フラクチャを目止めするが 最終的には自然消失するため 生産障害を起こさない 60

64 イズの異なる PGA 製ボールを小さいものから順に入れていくことで 多段水圧破砕の実現に寄与することが出来る 202 更に同社の分解性フラックプラグは ボールシーラーと組み合わせて利用される 水圧破砕した先端部をフラッキングとボールにより分離する工程を繰り返すことで 坑井全体をフラクチャリングすることが出来る 水圧破砕後 PGA は分解する < < 61

65 3.2IoT 関連技術 IoT(Internet of Things) 関連技術は 石油 ガス上流産業においても注目されている 近年の油価低迷に伴う厳しい事業環境において 設備稼働率の向上や効率的な保守点検などがますます重要視されるようになっており ビッグデータ等を利活用して生産性向上を図る取り組みが急速に広がりつつある 石油 ガス開発は 操業に係る費用が膨大なため わずかな稼働率向上 修繕費削減であっても期待される効果は非常に大きいと考えられる 204 IoT の用途は 非常に多岐に渡るが こでは石油 ガス業界における主な取り組みとして生産性向上 保守 管理 機会学習に対する適用について示す 生産性向上 IoT を活用した生産性向上の取り組みとして 多様なセンサーから収集される膨大な量のデータを解析し 操業環境に合わせた最適な生産を実現するものがある 例えば Intel 社は 生産井に蓄積した水処理技術に対する IoT 技術の適用について研究している 206 操業期間が長い生産井では 坑井に水が蓄積し 石油 ガスの流路を妨げてしまうという事象が発生する プランジャリフトを利用することでこの問題は解決可能であるが プランジャの持ち上げ効率は坑井の圧力と温度に依存している そこで 生産井全体にセンサーを接続し 細かい頻度 (30 秒単位等 ) で坑井の状態を計測 解析することで 最適な持ち上げ効率を実現することが可能である Intel 社はこの技術を適用することで プランジャリフトサイクルを最適化し 最大 30% の増産に貢献するとしている 図 3-1 ( 出所 )Intel 社 IoT Solutions for Upstream Oil and Gas IoT の適用による石油 ガス生産井の生産性向上 204 石油 ガス探査 開発では 1% の資本支出の削減を図ることにより 15 年間で 900 億ドルの削減効果が見込まれる ( 出所 : Peter C. Evans (2012) Industrial Internet: Pushing the Boundaries of Minds and Material ) < > 205 Sullexis (2015) Future 2025 : Internet of things and the Upstream Oil and Gas Industry < 206 Intel IoT Solutions for Upstream Oil and Gas < > 62

66 3.2.2 保守 管理 (1) 概要 石油 ガス開発分野において機器故障による操業中断は 大幅なコスト増加を発生させ る また機器の交換や保守に際しても操業は一時中断してしまうため 適切なタイミング で実施することが重要になる IoT を活用した保守 管理の取り組みとして 過去に蓄積さ れた様々なサイトでの故障情報や機器の操業時間 センサー情報などをもとにあらかじめ 故障予測を行うものがある 適切な機器の交換 保守時期を高い精度で予知する本技術の 適用は今後も進むものと考えられる 代表的な故障予測の方法としては 1 異常検出 分類アルゴリズムの活用 物 理モデルの活用 209 などが存在する 210 (2) 主要プレイヤーの競争優位性石油開発会社や石油サービス会社だけでなく 数多くのIT 企業やコンサルティング企業が当該分野に参入している General Electric 社 ( 以下 GE 社 ) Siemens 社 ABB 社などはハードウェアの運用なども含めた包括的なサービスを提供しており この他にも Microsoft 社 IBM 社 Intel 社 SAS 社などは IT 関連や統計分析等を中心としたサービスを提供している この中でもGE 社は 同社の Oil & Gas 部門を通じて石油開発サービス事業に積極的に展開している 同社は産業機器向けの IoT プラットフォームとして Predix 211 を提供しているが 同製品は産業用機器のデータ解析に特化したプラットフォームとなっており 階層構造 メッシュ構造を持った複数データ間のグラフデータベースを活用した解析 212 個別の産業機器に特化した機械学習アルゴリズム 213 といった特徴を有している 214 なお GE 社と Baker Hughes 社は 石油 ガス事業分野を統合することに合意している 215 プレスリリースによると GE 社の石油 ガス部門と Baker Hughes 社が統合することで 石油 ガスバリューチェーンの全領域において相互補完的なサービスと技術を提供することができるとともに この新会社は GE 社の有するデータテクノロジー及びデジタルテクノロジーに関する強みと Baker Hughes 社の有する石油 ガス関連サービスに関する強み 双 207 センサー測定値の履歴データから 機器の正常動作のモデルを学習し 機器の運転中にその正常動作からの逸脱を検出する予測方法 208 分類アルゴリズムを利用し 故障履歴を用いて複雑な故障前パターンを導き出す予測方法 209 機器の電気系統と機械系統を表す数学的な方程式を用いて物理モデルを定義する あらかじめ指定した故障モードと故障度合いに応じてデータをシミュレートし 精度の高い故障予測を実施する 210 Chetan Gupta, Ahmed Farahat, 蛭田智明, Kosta Ristovski, Umeshwar Dayal(2016) IoT プラットフォームを基盤とした顧客協創による予知保全ソリューション, 日立評論 Vol.98 No < 211 < 212 GE Digital.(2016) Predix によるプログラム開発 < 213 GE Digital Predix: The Industrial Internet Platform < 214 航空 鉄道 発電 物流など 多様な産業分野に対して 自社の製品開発で得た知見を活用したソリューションを提供している 215 新 Baker Hughes 社が GE 社の傘下に入る企業形態となる 63

67 方を併せ持つとしている 216 Predix の石油 ガス分野への適用は 現在は GE 社の石油 ガス部門が保有していた生産機器が中心であり Baker Hughes 社が保有するサブシー関連機器等についても今後 適用可能性があるとしている 表 3-1 PREDIX の適用範囲と期待される効果 Predix の適用用途顧客ニーズ期待される効果 機器 プロセスの生産効率日間生産量の向上 ~5% の生産効率向上 2 自動 遠隔操業生産コストの低下 ~30% 20 の OPEX コスト低減 生産設備稼働状況機器稼働率の最大化 ~40% 20の利益率の向上 従業員環境安全性向上事故件数減少 設備設計 建設 生産の連携自社配分量の増加 ~15% 8の生産量増加 ( 出所 )Baker Hughes, a GE Company Investor Update 機械学習 機械学習を活用した AI 技術の石油 ガス分野への適用として 精度の高い故障予知を実現しようとする試みが行われている 過去の稼働状況や様々なセンサー情報を教師データとして学習することで 人間では気づきにくい故障の前兆となる関連データを抽出することが可能になる これにより非専門家でも精度の高い分析が可能になり これまでのモデルでは見落とされていた微小な異常を高速に検出できるようになることが期待される 例えば WestVirgnia 大学の Shahab D. Mohaghegh 教授は 事実や現場計測に基づくモデリング手法として 貯留層工学 (Reservoir Engineering) と AI の融合に注目しており 当該分野ついて研究を実施している Baker Hughe 社投資家向け各種資料より < 217 Baker Hughes, a GE Company Investor Update (2016) < Shahab D. Mohaghegh ADVANCES IN RESERVOIR SIMULATION & MODELING WITH ARTIFICIAL INTELLIGENCE & DATA MINING,Reservoir Engineering with AI&DM < 64

68 3.3ROV AUV 関連技術 ROV(Remotely Operated Vehicle ) 及び AUV(Autonomous Underwater Vehicle) は無人潜水機の総称であり 海底資源開発において人がアクセスできない水深における作業を担う重要な技術である ROV は遠隔操作型無人機であり 支援船とケーブルで接続された上で オペレーション指示を受けて動作する 一方 AUV は自律型無人機であり ケーブルで接続されず自由に海中を航行することが可能である ROV は 状況に応じた柔軟な運用が可能 高負荷の機器が利用可能といったメリットがある一方で AUV と比較して 行動範囲がケーブルにより制約される ケーブルの抵抗による余分なエネルギーロスが大きいといったデメリットも存在する 表 3-2 ROV と AUV の主な特徴の比較 ROV AUV 母船との関係 ケーブルで接続 ケーブルなし 操縦 母船から人がリアルタイム操縦 事前のプログラミングによって自律走行 電源 母船からケーブルで給電 電源内臓 行動範囲 ケーブル長さ内の限定された範囲行動時間はほぼ無制限 ケーブルがないため 広範囲行動時間はバッテリー容量で制限 観測情報 リアルタイムで観測可能 主に母船回収後にデータを確認 作業 力作業が得意 力作業が苦手 運用実績 産学分野で多くの運用実績がある 運用実績が広がりつつある ( 出所 ) 横田弘明 (2016) 海底資源開発における水中ロボットやロジスティクス技術の紹介, エンジニアリングシンポジウム 2016 講演用資料より, 2016 年 10 月 ROV (1) 概要 ROV は 自航式である海中遊泳型や海底走行型 また曳航式などに分類されるが 石油 ガス開発分野では海中遊泳型の中でも重作業を実施する Work Class と呼ばれるタイプが主 に利用される ROV は 用途や水深に合わせて 適切なマニピュレーターやセンサー カ メラ等の利用機器が選定され 全体システムが構成される ケーブルを通して大電流を供給できるため 負荷が大きいマニピュレーターも動作させることが可能で ある 65

69 図 3-2 Work Class ROV の概要 ( 出所 ) 佐尾邦久 (2006) 特集: 深海へ向かう世界の石油 天然ガス開発事業水深 2,000m を超えた生産井 油 ガス田開発の進歩,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.40 No (2) 重要技術の整理浅海用途の場合 ROV は 直接ケーブルを通じて母船の制御システムに接続され 電源ユニットからの駆動電力や 制御盤からの駆動指令を受け取る ROV につながるケーブルはクレーンで巻き取られる 一方 深海用途の場合 大水深での作業となりケーブルが長くなると ケーブルにかかる水の抵抗により ROV の機動性が損なわれる そこで ケーブルの先端にテザー マネジメント システム (TMS: Tether Management System) と呼ばれるケーシング ( 外箱 ) を接続し この TMS と ROV を別のケーブル ( テザーケーブル ) で接続することにより 水の抵抗による影響を緩和することができる また ROV をケーシングに格納することで荒天時でも安全に進水 揚収が出来るとともに ウインチにより短時間で深海に到達することが出来る 220 < 66

70 浅海用途 ( 自由航行 ) 深海用途 ( テザー マネジメント システム ) 電源ユニット 電源ユニット モニター 制御盤 クレーン ダビット モニター 制御盤 新水 回収システム 外部電源 可搬式制御盤 ドラムケーブル 外部電源 可搬式制御盤 ウインチ ケーブル テザー マネジメント システム ROV テザーケーブル ROV 図 3-3 ( 出所 )Saab Seaeye 社 Web サイトより 221 ROV の全体システム 石油 ガス分野における ROV の用途としては 主に 1 現地調査 2 掘削作業のサポート 3 海中据え付け作業のサポート 4 オペレーションのサポート 5 検査 6 保守整備 修 繕の 6 つが挙げられる 表 3-3 海底資源開発におけるROV の作業例適用分野作業例主な使用機器 現地調査掘削作業のサポート海中据え付け作業のサポート 海底地形図作成 海底資源探マルチビーム エコー サウンダー ソナ査ー サブボトム プロファイラー海底測位 試料採集 機器クリマニピュレーター 採水器 センサー ブーニング 機器の目視検査ラシ カメラ サブシー機器 パイプライン等マニピュレーター ウォータージェット クの据え付けローラー オペレーションのサポーバルブ操作 薬剤注入 マニピュレーター ポンプ ト 検査 腐食の目視検査 機器クリーニビデオ カメラ ブラシ 超音波スキャナ ング クラック探知 ソナー 保守整備 修繕 補修 モジュール交換 マニピュレーター カッター ( 出所 )Yong Bai, Qiang Bai (2012) Subsea Engineering Handbook, Gulf Professional Publishing より MURC 作成 221 SAAB SEAAEYE ウェブサイト < > 67

71 なおこれまでのユーザーインターフェースを一新する取り組みとして 仮想現実 (VR) を活用した ROV のオペレーションも検討されている 222 体のジェスチャーを検知するモーションキャプチャーとヘッドマウントディスプレイを組み合わせ ジェスチャーによる直観的な動作で ROV を操作可能とすることなどが研究されている 223 (3) 主要プレイヤーの競争優位性 1) 主要プレイヤーの概要 ROV 機器の製造に関しては Oceaneering International Inc 社 ( 以下 Oceaneering 社 )( 米国 ) 224 Perry Slings Systems 社 ( 米国 Forum Energy Technologies 社 225 が買収 ) Soil Machine Dynamics 社 ( 以下 SMD 社 ) 226 などが高いシェアを占めている 一方 ROV の運用は 専門のオペレータ企業が機器を所有し 当該企業の従業員が現場で操作するといった形式が一般的となっており Oceaneering 社や Subsea7 社 ( イギリス ) 227 など海洋掘削に関連する企業が当該サービスを実施している ROV 機器製造及び運用の双方においてリーディングカンパニーである Oceaneering 社は 海洋資源の掘削や生産に関連する機器やサービスを提供しており 同社の 2015 年度売上高の 27% を ROV 関連事業が占めている 228 同社は世界各地にサービス拠点を設けているほか シミュレーターを利用したオペレーター訓練施設も各所に設けており 主要な石油 ガス開発拠点の近郊で育成可能な体制を整えている 229 また 操作性が優れたインタフェースの開発や 4K カメラによる作業サイトの視認性向上といった ROV をより容易に操作するための研究開発も推進している 230 2) 我が国企業の動向我が国においても三菱重工 ( 株 ) 三井造船( 株 ) ( 株 )IHI 川崎重工( 株 ) などの大手企業が 当該技術に取り組んでいるが 基礎研究用途での受注生産が多く 石油 ガス開発分野向けの量産機に関する実績はほとんど存在しない 231 また国主導の取り組みとして 2015 年より海洋研究開発機構 (JAMSTEC) と民間企業が参画する戦略的イノベーション創造プログ 222 ROV のオペレーションは 専門のトレーニングセンターでの訓練が必要であるなど 習熟するのに時間がかかる ROV を操作するためのインタフェースを改善することは オペレーターの教育コストを下げるほか 不要な操作ミスによる事故を減らすことにもつながるため 主要企業が注力している < > 223 Stian Surén Controlling virtual ROVs using gestures (2016) 224 < 225 < 226 SMD 社は英国企業であったが 2015 年 2 月に中国の鉄道車両製造大手である中国南車集団の子会社株洲南車時代電気により買収された < 227 < 228 Oceaneering Invester Presentation (2016 ) < 229 < 230 < > 231 三菱重工業株式会社 (2015) 海洋事業の課題と技術動向について, 東京大学寄付講座技術セミナー < > 68

72 ラム 次世代海洋資源調査技術 ( 海のジパング計画 ) 232 が開始されており 当該分野につ いて ROV による高効率海中システム 233 の開発が実施されている AUV (1) 概要 AUV は ケーブルを介した操作指令を受けず 事前に設定された情報を基に自律して稼 働する ケーブルによる行動範囲の制約がないためバッテリーが持続する限り広範囲での 探索が可能となる また自律稼働のため 正確な自己位置把握と航路決定 蓄電池での長 時間運用 複数台運用時の情報伝達 異常発生時の適切な状況判断などが求められる 表 3-4 AUV が対処すべき課題課題内容自己位置の把握 GPS が使用できない状況下で 海流の影響も踏まえたうえで自己位置を決定する必要がある二次電池での稼働高エネルギー密度の二次電池を使用し なるべく長時間稼働させる必要がある また高効率な充電技術も合わせて求められる複数機器との通信複数の AUV を連携させて運用させる場合 通信距離の短い音響通信を利用して情報共有を図る必要がある異常事態時の状況判断異常事態が発生した際に あらかじめ定められた判断基準に則って適切に事象に対処する必要がある ( 出所 ) 株式会社 IHI(2016) 無人ロボットで海洋フロンティアに挑む, IHI 技報 Vol.56 No.1 (2016) ROV と比較し負荷の大きな作業が難しいため 石油 ガス開発分野における AUV の利用は検査 探査が中心となっている 代表的な用途としては掘削予定地の環境アセスメント 掘削予定地の地形調査 パイプラインの劣化検出 掘削機器の固着調査 周辺海域の情報収集などが挙げられる 234 (2) 重要技術の整理 水中機器に関しては 深海で使用する光源技術や慣性航法装置 (INS: Inertial Navigation System) 235 などの要素技術が重要となる また 回転運動である角速度を検出するために INS 232 < 233 < 234 Kongsberg AUV SYSTEMS (2014) < mmercial-auv-brochure.pdf?openelement> 235 INS は ix Blue 社 ( フランス ) などの製品が優れているといわれている ix Blue 社は INS の他にも 音響測位システム 超音波探信システム (SONAR: Sound Navigation and Ranging) 3D マッピング イメージン 69

73 に組み込まれる機器としてジャイロスコープがある 236 自立航法装置としては INS の他に も ドップラー レーダーなどの先端技術があるが 後述する Kongsberg Maritime 社 ( 以下 Kongsberg 社 )( ノルウェー ) 237 社が強みを有している (3) 主要プレイヤーの競争優位性 1) 主要プレイヤーの概要当該分野における主要企業としては Kongsberg 社に加えて Atlas Elektronik 社 ( ドイツ ) Bluefin Robotics 社 ( 米国 ) 238 International Submarine Engineering 社 ( カナダ ) 239 などが存在している Kongsberg 社は 1990 年より自社で AUV に関する技術開発を行ってきたが 2000 年代以降 ROV/AUV 技術に係るベンチャー企業 ( 米国 Hydroid 社 ) の買収 240 や 基礎研究を行う研究機関 ( ワシントン大学 ) からのライセンスの購入 241 を併せて進めてきた 外部から調達した AUV は 測定機能や航続可能時間において従来機種とは異なる優れた性能を有しており 242 積極的に新技術を取り入れ提供可能なラインナップを充実させることで 当該分野での競争力強化を図っている なお Kongsberg 社は DPS でも業界のデファクトスタンダードになっており DPS 単体をモジュール売りするといった戦略も実施している 2) 我が国企業の動向 ROV 同様 我が国においても大手造船会社等が AUV 技術に取り組んでいるが 石油 ガス開発分野向けの量産機に関する実績はほとんど存在しない また国主導の取り組みとして 先述の海のジパング計画では 当該分野について AUV の同時複数台運用技術 243 の開発が実施されている グシステムなどを製造している < > 236 我が国でも海上技術安全研究所などは光ファイバジャイロ (FOG: Fiber Optic Gyroscope) に係る研究を実施している < 237 ノルウェー軍事企業 KONGSBERG Gruppen の海洋部門 < 238 < > 239 < 240 < endocument > 241 < > 242 < ndocument > 243 < 70

74 3.4 環境対応技術 随伴水処理技術 (1) 概要 石油 天然ガスの生産において副次的に生産される随伴水 244 には 油ガス成分以外にも 塩分 (TDS:Total Dissolved Solids) 浮遊固形分 水溶性有機物 重金属 さらには自然起源 の放射性物質 (NORM: Naturally Occurring Radioactive Material) などが含まれている場合があ る 随伴水は 組成や量が異なるため一様の処理技術は無く 性状に応じて複数の技術を 組み合せて対応することになる 既存の随伴水処理は 含有される油分や固形分を除去す るため 以下の工程に分けて処理を実施する 図 3-4 ( 出所 ) JOGMEC Web サイトより 245 既存の随伴水処理プロセス 三次処理後の水質によっては再利用や放流が行われるが 必要とされる水質基準によっては 化学的処理や脱塩処理 膜分離等が追加的に実施されることもある 近年の環境規制強化 シェールガス開発に伴うフローバック水の増加により地下圧入自体が困難になりつつある 特に シェールガス開発では大量の水を使用するため 河川や湖沼等からの取水制限が行われており 随伴水をその場で処理して再利用すること等が求められている 1) 蒸留法蒸留法には 蒸発した蒸気の再圧縮方法により 蒸気エジェクタを用いる熱的圧縮 (TVR: Thermal Vapor Recompression) と 圧縮機を用いる機械的圧縮 (MVR: Mechanical Vapor Recompression) がある 246 この中でも後者は フローバック水を専用の処理施設に搬入し 244 随伴水 (Produced Water) とは 一般的には油 ガスの生産に伴い副次的に生産される地層水のことを意味する シェールを大量の水 ( フラクチャリング流体又はフラック水 ) で水圧破砕した後 ガスの生産とともに地上に戻ってくる水 ( フローバック水 ) も随伴水として分類する < 245 < 伊原賢 (2011) シェールガス : 安定生産に欠かせない環境リスク克服への技術的考察, JOGMEC 石油 71

75 前処理にて油分 SS 鉄イオン カルシウムイオンなどを除去した後 MVR にて蒸留水と濃縮水に分離する 247 蒸発法としてはAQUA-PURE 社 248 やGE Power &Water 社の技術が存在しており 米国等のシェールガスフィールドにおける実証試験を行ってきた しかし 蒸発法は装置費に加えてエネルギー消費量も大きいことから 低コスト化が課題となっている 249 水処理技術全般に係る主要企業としては Veolia Water Technologies 社 250 が存在しており 蒸留法 膜分離 化学的処理の全ての技術を保有している 251 同社の系列であるHPD 社が開発した蒸留設備 (ZLD: Zero Liquid Discharge) は Marcellusシェールの随伴水で実証を実施した実績を持つ 252 2) 膜分離シェール随伴水には 人為的に加えた化学薬品 253 が含まれている場合があり これらの物質は膜を用いた随伴水処理において深刻な膜の目詰まりを誘発する そこで 膜の表面に目詰まり防止のため皮膜処理を行う方法も実施されており 具体的には UF 膜 (Ultrafiltration membrane) や RO 膜 (Reverse Osmosis membrane) の表面にポリドーパミン (PDOPA: Polydopamine) 処理を行う実証試験が行われてきた 具体的には前述の Veolia 社系列である N.A.Water Systems 社が開発した RO 膜設備である OPUS(Optimized Pretreament and Unique Separation) などの実証が実施されている 254 この他にも Eltron Research and Development 社は 米国エネルギー省 (DOE: Department of Energy) における研究プロジェクトとして 塩分と溶解固形物を除去するために独自の高温ナノ濾過技術 (DurafluxTM) の開発を実施している 255 3) 電気透析法 電気透析法 (ED: Electrodialysis) は 脱塩技術として確立された技術である 塩分濃度が高 いフローバック水に対して適用が検討されているが 様々な性状を含んだ随伴水処理向け 天然ガス資源資料 < 247 < 248 Aqua-Pure 社の子会社である Foutain Quail 社は シェールガスの随伴水処理設備の専門会社であり Bernett シェールにおける Produced water 処理等を実施している < 249 川村和幸 シェールガス開発における高塩分随伴水処理の現状と課題, 日本海水学開始第 69 巻第 2 号 (2015) < 250 < 251 Veolia Water Technologie Water Solutions & Technologies Oil & Gas < am_a4_lr.pdf> 252 < 253 エマルジョンブレーカーやフラクチャリング流体用の化学物質など 254 < 255 < 72

76 には実験段階にある 256 4) 凝集分離法凝集磁気分離法 (FMS: Flocculation and Magnetic-Separation Produced Water Treatment System) は 随伴水に含まれる油分や固形物を磁性粉と凝集剤によりフロック化 ( 凝集体を形成 ) し このフロックを磁力により引き寄せることで 随伴水から分離させるもである 257,258 この他にも Halliburton 社が開発を進めている CleanWaveTM 259 は 電気特性を利用した技術であり 随伴水中の浮遊物質を電気凝集させ 凝集物質を上部もしくは下部へ移動させることにより水から分離させるものである フレアリング対策技術 (1) 概要 フレアリングとは フレアスタックにて余剰ガスを燃焼処理することであり 温室効果 ガスの主要な排出源の一つとして認識されている フレアリング対策技術としては 発生 した余剰ガスを利用する技術と発生を抑制する技術に分類することが出来る (2) 重要技術の整理 1) 余剰ガスの活用余剰ガスの再利用技術として 小規模 LNG GTL 技術が注目を集めている 東洋エンジニアリング ( 株 ) と MODEC 社は 米国 Velocys 260 社と共同で 石油随伴ガス処理や未利用ガス油田の開発ツールとして Micro-GTL の開発を実施した Micro-GTL の技術的特徴は Velocys 社中の マイクロチャンネル反応器技術 (Microchannel Process Technology) を GTL の主反応に用いることにある この反応器は 隣り合う細流路内で発熱反応と吸熱反応を併行して行わせることにより 261 両者間の熱移動効率を高め 触媒反応を加速する この結果 反応器及びプラント全体の大幅な小型化が可能となり 中小規模での GTL の経済性を高めることが可能となる これにより反応器のサイズを大幅にコンパクト化 軽量化でき FPSO 上での随伴ガス処 256 < このシステムのメリットは 小スペース 高速 高精度な処理 重力沈降による処理と比較して設備スペースは 100 分の 1 程度で 処理時間は数時間かかる処理を数分で行うことが可能となることである ( 出所 : JOGMEC 石油開発技術本部 石油 天然ガス開発をめぐる技術的な課題 - 克服するための最新技術は何か-, Vol.48 No.1) < 258 JOGMEC では メキシコ国営石油会社の要請を受けて メキシコの洋上油田における随伴水処理の課題解決のため ( 株 ) 日立製作所と共同で FMS による小型で高性能な随伴水処理システムを開発した 259 < 75&navid=2427?node-id=h8cyv98a> < 260 < 261 メタン水蒸気改質反応と フィッシャートロプシュ (Fischer-Tropsch) 合成反応 73

77 理や これまで経済性のなかった中小規模ガス油田開発においても経済性のある GTL 生産 が可能となるとしている 図 3-5 マイクロ GTL 技術の概要 ( 出所 ) 東洋エンジニアリング ( 株 ) Web サイトより 262 2) 余剰ガスの管理 フレアリングによる排出を適切に管理する技術として 以下の技術が存在する 263 ( 坑井オペレーションの自動化 ) 坑井オペレーションの自動化として Remote Telemetry Unit (RTU) や坑井内の圧力 流量 温度モニタリングに関する技術がある ガス井は 流速が十分にないと井戸が休止状態に至る場合があり その状態になった際には 坑口圧を大気圧まで下げて 坑井内に溜たまった液柱を坑口から外に排出させる必要がある この場合 多量の炭化水素がフレアもしくは排出されることになる 坑井内の圧力 流量 温度をモニタリングすることで その状態の事前回避が可能となり フレアリングの排出管理に資することが出来る ( ガス井休止に用いる界面活性剤とジェル ) 貯留層のガス油比が高いと 多くの随伴ガスが生産される その際 坑井内に界面活性剤 (surfactants) やジェルを岩石の流路に圧入し固定させると 貯留層から坑井内へのガスの動きを抑制することが出来る 262 < 263 伊原賢 (2006) HSE : 石油生産現場におけるゼロフレアおよび省エネ化,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.44 No.5) < 74

78 (Inflow Control Device(ICD)) ICD とは 坑井内に設置されたセンサーやフローコントロールバルブであり 水平坑井内への流体流入分布の均一化を図るセンサーやバルブ類のことである 264 坑井軸方向に沿って貯留層の浸透率が異なる場合には 坑井内への流体流入分布の不均一が生じやすいことが知られている 流体流入分布の均一化を図ることで ガスや水の坑井内へのコーニング ( 隆起 / 沈降現象 ) を抑え 油の生産レートを最適化することができる 264 坑井仕上げ技術の進歩の一環として知られる Intelligent Well Completion(IWC) のツールの一つ 75

79 4 シェール革命が実現した背景等の整理 分析 4.1 米国における事例分析 技術的要素に係る整理 米国シェール革命を可能にした技術的要素として 水平坑井技術 水圧破砕技術 マイ クロサイスミック等を挙げることが出来る 以下 各技術的要素について実用化に至るま での変遷を分析する (1) 水平坑井 の確立水平掘削技術は 対象となる地層を水平方向に掘り進める技術であり 通常 石油 ガスの貯留層に沿って掘削される この水平坑井は 通常の垂直 傾斜井と比較して 貯留層との接触体積を多く取ることが出来るため 一坑当りの生産量を数倍に増やすことが可能となる 当該技術は 1980 年代後半より 広く石油開発に使われるようになった ) 技術変遷水平坑井の歴史は古く 1920 年代に遡り 1929 年にテキサス州 Texon において Drainhole Horizontal System と呼ばれる技術を用いて坑井を水平に掘削したのが始まりと言われている 1950 年代に入ると 旧ソ連や中国においてもいくつかの事例があるが 油田開発への本格的な適用には至らなかった その後 1970 年代後半になり カナダの Cold Lake 油田において 欧米では本格的な最初の水平坑井が Esso Resources Canada 社によって掘削された 米国でも 1980 年に旧 ARCO 社が Empire Abo 油田において 垂直井より水平に横たわる油層部に向けて急激に増角していく Short Drainhole を 4 坑掘削した なお掘削技術としては 旧 Elf 社 267 が適用した傾斜掘り技術の延長ではなく 特殊な掘削機器を用いた Short Radius プロファイルが用いられた 1980 年代中期に入ると 北海や中東などでも生産性を高める手段として 水平坑井が注目され始めた 更に掘削技術の進歩も伴って確実に水平坑井が掘削されるようになり 1990 年代には油田開発のスタンダードツールの一つとなった 265 伊原賢 (2009) 水平坑井: うまく使えば 回収率向上の万能薬,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 < 266 伊原 (2009) 年 旧 Elf 社 /IFP( フランス国立石油研究所 ) は 水平坑井の研究プロジェクトを立ち上げ 水平坑井の坑跡制御 検層作業 検層データ解釈 仕上げ 生産挙動予測に係る技術研究を行い 技術データや適用ノウハウを蓄積した この成果は 1982 年にイタリア洋上の Rospo Mare 油田 ( フラクチャー型石灰岩 ) において 世界で最初の海洋における水平坑井の掘削 1983 年にはフランス陸上の Castera Lou 油田において垂直深度 2,865 m の水平坑井の掘削成功に結びついた これを契機に水平坑井は徐々に世界の油田開発に浸透することとなった ( 出所 : 伊原 (2009)) 76

80 2) シェール開発への適用 1990 年代以降 シェール開発が進められる中で 石油開発で培った 水平坑井 と 水圧破砕 を組み合わせて活用できたことが シェール革命を実現させた重要な要因と言える 水平掘削 坑井に関して言えば 坑井と地層間の流体移動を遮断するためにケーシング技術を用いるが このケーシング枚数を削減することが技術開発における重要要素となっている また 1 つの掘削サイトから複数の生産井を掘削する技術として Mulit-well Pad Drilling が実施されており 掘削費用削減や環境への影響低減に寄与している この他にも掘削先端アセンブリーに係る最新技術として Rotary Steerable System 268 が開発されており 水平掘削に係る更なる技術進展に寄与している 図 4-1 ( 出所 )JOGMEC Web サイトより 269 水平坑井と多段階の水圧破砕イメージ (2) 水圧破砕 の確立水圧破砕とは 坑井内を満たした流体を高圧で加圧することで 坑井付近の貯留岩を人工的に破壊することを意味する 水圧破砕法とは 生成した亀裂 ( フラクチャー ) により 坑井近傍の浸透率 ( 流体の流れやすさ ) を改善し 坑井への有効な流入断面を拡大して 坑井の生産性を向上させる技術である 270 水圧破砕のコンセプト自体は 1860 年代から存在していたが 技術進展により地層への多段階フラクチャリングが確実にできるようになり 非在来型資源とされたシェールガスやシェールオイルの開発に適用されるようになった 268 当該技術により 掘削を実施しながら 随時適切な角度に調整することが可能となる 269 < 270 伊原賢 (2011) 水圧破砕技術の歴史とインパクト, JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.45 No.3) 77

81 図 4-2 水圧破砕におけるガスとフラクチャリング流体の動き ( 出所 ) 伊原賢 (2014) フラクチャリングのサービス会社から見たシェール資源掘 271 削,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 272 1) 技術変遷 1930 年代以降 旧 Stanolind Oil 社の Floyd Farris 氏は 坑井の生産挙動と地層が崩壊する際の流体の処理圧力との関係を調べて現象を解明する研究を実施した この研究を通じて 生産性を向上させる手段として 水圧破砕技術が考案された 1947 年には 同社によりカンザス州南西部 Grant 郡の Hugoton ガス田において水圧破砕が実施されたのに続き 1949 年には同社 J.B.Clark 氏が A Hydrafrac Process for Increasing the Productivity Wells と題する論文を発表した 273 この水圧破砕法は 1949 年に特許となり Halliburton Oil Well Cementing 社 (Howco 社 ) に 水圧破砕法が実施許諾された Howco 社は 1949 年 3 月にオクラホマ州の Stephens 郡とテキサス州の Archer 郡で 商業ベースのフラクチャリング 2 件を Stanolind Oil 社向けに実施した 274 これ以降 油ガス井の生産性向上を目的としてフラクチャリングは広く普及しており 現在では坑井総数の 60% 程度に実施されていると見られている < > 272 伊原 (2011) 273 Carl T. Montgomery, Michael B. Smith, NSI Technologies(2010) Hydraulic Fracturing History of an Enduring Technology-, JPT December 2010 < 274 Stephen M. Testa(2017) Historical Development of Well Stimulation and Hydraulic Fracturing Technologies, Search and Discovery Article < 275 米国における水圧破砕技術の開発と適用は 独立系の中堅開発業者によって推進された 複数のオペレーターが事業を行う地質構造では 互いが技術 経済面での優位性を競い合い 北米全体を通じて 作業や生産のデータを作業終了後 6 カ月以内に示す規制が設けられ それを技術開発にフィードバックさせたた そのため 米国において水圧破砕技術が加速度的に進歩したと言われている ( 出所 : 伊原 (2011)) 78

82 2) シェール開発への適用 ( フラクチャリング流体 ) フラクチャリング流体 (fracturing fruid) 276 とは 水圧破砕にあたり加圧して坑井に送りこまれる流体である フラクチャリング流体の成分は約 90% が水であり 9.5% 程度がプロパント 277 また 1% 未満程度の割合でその他の化学物質 ( 酸 摩擦低減剤 防腐剤等 ) が含まれる 1947 年に水圧破砕が初めて実施されてから プロパントの運搬能力に優れ かつ地層にダメージを与えないフラクチャリング流体の技術開発が実施されてきた シェールガス商業化のブレークスルーとなったのは ほとんど割れ目の無いシェールにひび割れを入れる強力な水圧破砕法の開発であり このフラクチャリング流体が大きな役割を果たした Slick Water は ポリマーなどの摩擦軽減剤を加え プロパントの保持力を強化したフラクチャリング流体である Slick Water によるフラクチャリング (SWF: Slick Water Fracturing) により 水の注入速度を上げることができ 水圧破砕の威力を大幅に強化することが可能となった SWF は Mitchell Energy & Development 社の Geroge P. Mitchell 氏が長年に渡り取り組んできた技術であり 1990 年代後半に Barnettshale において実施されたテストにおいてその効果が実証された ( 出所 ) 伊原 (2014) 図 4-3 Slick Water Fracturing のメカニズム ( 多段階フラクチャリング ) 多段階フラクチャリングは 1 本の水平坑井から複数の亀裂を作る技術である 2000 年 276 フラッキング水 (fracking water) とも呼ばれる 277 フラクチャリングによって出来た割れ目の開度を保つ詰め物 278 出所 : 伊原 (2011) 279 John M. Golden, Hannah J. Wiseman The Fracking Revolution: Shale Gas as a Case Study in Innovation Policy, Emory Law Journal < 79

83 以降 長距離の水平坑井を掘削し 大規模な水圧破砕を行う方法が実用化されており 現在では 20~40 段階の多段階フラクチャリングが実施されるようなった シェールオイル開発への適用状況を見ると 2007~2008 年頃には 1,000~2,000mの水平区間に沿って 4~8 段階の水圧破砕を施していたが 2010 年以降は水平区間を 3,000m 以上に延伸させて 20 段階以上の水圧破砕実施することにより 生産量を増加することが可能となった 具体的には 水平坑井の裸坑に多段階フラクチャリング (Openhole Packer & Sleeve Completion) を施し 2 層同時生産を実現している 280 図 4-4 水平坑井の裸坑に多段フラクチャリングを施した 2 層同時生産 ( 出所 ) 伊原賢 (2011) 坑井仕上げの進化 - シェールガス開発技術のタイトオイル開発への適用 281 -,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 多段階フラクチャリングの実施に当たっては 水圧破砕を行うプラグ間の間隔設定 (Stage Spacing) とフラックする箇所の間隔設定 (Cluster Spacing) が 生産性に大きな影響を及ぼす 282 このようなフラクチャリングの最適化を巡るイシューに関して 3 次元シミュレーションモデルを用いて様々な研究が実施されている 280 伊原 (2011) 281 < 282 Ran Lin, Lan Ren, Jinzhou Zhao, Leize Wu, Yuanzhao Li (2017) Cluster spacing optimization of multi-stage fracturing in horizonatal shale gas wells based on stimulated reservoir volume evaluation, Arabian Journal of Geoscience 80

84 図 4-5 ( 出所 ) 伊原 (2011) Bakken 構造の掘削仕上げの進化と探鉱開発コストの推移 (3) マイクロサイスミック の確立前述の通りマイクロサイスミックは 水圧破砕により岩石に割れ目が形成される時に発生する音を観測し その音波の速度差を利用しての割れ目発生点を評価し ガスの回収効率の向上に必要な情報 ( 音の震源 /Microseism のマッピング ) を提供する技術である 283 シェール開発時において 水圧破砕により岩盤が割れる時 割れ目から AE と呼ばれる音響エネルギー (micro-seismic) が放出される この音を近くの観測井に設置されたセンサーで計測し 割れ目の位置を評定する手法が開発された 283 伊原賢 (2013) シェールガス オイルの採掘技術のトレンド 2013,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー 81

85 図 4-6 ( 出所 ) 伊原 (2013) 水圧破砕におけるマイクロサイスミックの観測イメージ シェール開発においてマイクロサイスミックは 水圧破砕工程においてどのようにフラクチャ化が進んでいるのかを把握するために実施する 年代後半から 1980 年代に行われたタイト油層 ( チョーク油層 ) の採掘時の生産性改善にマイクロサイスミック技術が用いられ 米国で技術の蓄積が図られた 285 その後 複数の深度で微小地震の同時計測ができ 観測される微小地震の波の解析から高い精度で震源地 ( 水圧破砕による割れ目の広がり ) の位置の評価ができるようになった マイクロサイスミック の実施には多額のコストがかかるため 通常は 水圧破砕の本格実施前に行い 必要に応じて 水圧破砕中に マイクロサイスミック を実施する 285 本田博巳 (2016) 石油探鉱開発における技術革新と石油鉱業( その 4= 最終章 ),JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 < 286 伊原賢 (2010) Petroleum Engineer の取り組むトレンドを読み解く,JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.44 No.) 82

86 図 4-7 マイクロサイスミックによる震源地の位置評価 ( 出所 ) 伊原 (2010) このように 1990 年代以降 シェール開発が進められる中で 水平堀技術 や 水平破砕技術 と マイクロサイスミック技術 との統合 改良が進められたことでシェール革命が実現した 83

87 4.1.2 社会 経済的要素に係る整理 米国シンクタンクResources for the Future(RFF) 287 は 2013 年 4 月 A Retrospective Review of the Shale Gas Development in the United States 288 と題する論文を発表した 当該論文では シェールガス革命が実現した背景 理由について 技術的要素に加え 1 天然ガス価格の上昇 2 地質学的要因 3 土地と鉱業権の所有権 4 市場構造 5 水の利用可能性 6 天然ガスパイプライン基盤 7 資本市場からなる 7 つの社会 経済的要素を指摘している 本調査では このような文献調査をベースにしつつ 関係者インタビューなどから 以下の 5 つの社会 経済的要素について着目し 詳細を論じる 地下資源の所有権に係る法的枠組み 地質構造に関わるデータ整備 掘削サービス関連企業及び熟練技術者の集積 天然ガスパイプライン基盤 ハイリスク掘削企業等に対する資本市場の整備 (1) 地下資源の所有権に係る法的枠組み 289 米国では 慣習法として土地所有者に地下の資源が帰属すると解釈されており 石油 ガスの所有者と土地所有者が一致する 土地所有者主義 となっている 米国における石油 ガス開発は 一個人である土地所有者が石油会社等に対して石油 ガス開発 ( リース権 ) を委ねる形で行われる 石油会社は 土地所有者に対して生産物の一部を還元する 従ってリース権は 政府でなく 民間ベースで交わされる私的契約によって与えられる これにより米国では 政府の意向に振り回されることなく 土地所有者が石油会社に自由に開発の権利を付与することが可能となる 287 < 288 < 289 市原路子 (2012) シェール層開発で復活する石油天然ガス開発大国の米国, JOGMEC 石油 天然ガスレビュー Vol.46 No.1 < 84

88 表 4-1 各国の鉱業に関する仕組み * 陸上リグ数は Baker Hughes のホームページより * 米国及びカナダは 7 月 15 日と 11 月 18 日時点のデータ それ以外の国は 2011 年 7 月及び 10 月 ポートより ( 出所 ) 市原 (2012) またこれに付随して 個人所有地である米国の鉱区が細分化 290 されていることもシェー ル開発が進んだ要因として指摘されている 米国ではリース権は自由に取引され 石油 ガス開発のために NOC を含めた外国資本が保有することも可能である 鉱区の細分化は 隣接の土地所有者との間に権利調整や利権問題が生じやすい面もある ものの 土地所有者と石油会社間での契約を容易にし また双方が収益を得ることが可能 である 291 このような米国に特徴的な地下資源の所有権に係る法的枠組みが シェール革 命に寄与したと考えられる 292 (2) 地質構造に係るデータ整備米国では 在来型及び非在来型の石油 ガスに係る豊富な開発実績を有しており この実績を通じて地質構造に関わる膨大なデータを整備している シェール開発サイトは 既に開発が行われた在来型 非在来型の油ガス田及びその近隣であることが多いため これらの油ガス田の地質構造に係る知見がシェール開発にも活用することが可能である 米国では シェール開発に係る坑井のデザイン ( 掘削深度 水平杭の長さ スウィートスポットの同定などのシェール層に対する生産最適化のための作業方法 ) が地域別に確立されているが 293 その理由として州別の地質調査結果や石油堆積盆に係る非常に洗練されたデータベースが整備されていることを挙げることが出来る エネルギー情報局 (EIA: Energy InformationAgency) では主要な開発地域における地質情報 290 範囲設定は自由であるが1 マイル四方 (1.6km 1.6km=2.5km 2 ) での設定が多いと言われる なお連邦保有地のリース鉱区は 1 マイル四方と規定されている 291 シェールガス等の開発可能な対象資源が増えれば その土地の価値は上昇する 土地所有者にとって 石油 ガス価格の上昇や資源開発は新たな資産価値 収益を生み出すことになり 石油会社による開発投資も活気づくことになる 292 米国にはリース管理の専門職 Landman が存在し 特に土地所有者が多数の場合に この Landman が石油会社と土地所有者のリース契約に関わることで 迅速かつ的確なリース契約締結がなされる 293 本田 (2016) 85

89 を整備 更新している 294 そのため シェール開発事業者は このようなデータを活用することで効率的にシェール開発を進めることが可能になっている なお後述する通り DOE による R&D プロジェクトである Eastern Gas Shales Program(1976~1992 年 ) を通じて シェール開発に係る膨大な量の地質学的データと生産データが取得されており データ整備にあたり重要な役割を果たした このように 米国では石油開発の歴史を通じて地質構造の知見が蓄積されており シェール革命が起きた大きな要因となっている 図 4-8 Eagle Ford 油田における地質構造に関わるデータ ( 資料 ) 上左図 上右図 :Tucker F. Hentz and Stephen C. Ruppel, Regional Stratigraphic and Rock Characteristics of Eagle Ford Shale in Its Play Area: Maverick Basin to East Texas Basin, Posted May 31, 2011 下図 :U.S. Department of Energy, Updates to the EIA Eagle Ford Play Maps, December 2014 (3) 掘削サービス関連企業及び熟練技術者の集積米国では非在来型油ガス田の開発経験が豊富で 水平坑井や水圧破砕 マイクロサイスミック技術を駆使できる掘削サービス企業や熟練技術者が集積している また 米国には Schlumberger 社 Halliburton 社 Baker Hughes 社等の大手石油サービス会社やシェール専門 294 < 86

90 開発事業者も多数存在しており シェール開発の事業体全体で技術的な蓄積を有している このような技術的な蓄積も シェール革命が起きた要因であると考えられる (4) 天然ガスパイプライン基盤米国には 全米に敷設された長大なパイプライン網があり シェール開発で生成するシェールガス / オイルの輸送にそのまま活用できることも シェール革命を可能にした大きな要因といえる 295 また 1980 年代から 1990 年代初めまでの米国連邦エネルギー規制委員会 (FERC: Federal Energy Regulatory Commission) による一連の行政命令 (Order) の結果として これらの州間天然ガスパイプライン ( 及び地下貯蔵施設 ) へのオープンアクセスが確立された 296 このように充実したインフラ設備は米国以外には存在せず 現時点で米国以外でシェール革命が起こっていない要因の一つと考えられる ( 出所 ) 市原 (2012) 図 4-9 米国のガスパイプライン網 (5) ハイリスク掘削企業等に対する資本市場の整備初期におけるシェール事業の担い手は 地元の中小企業や個人経営者 ベンチャー企業等が中心であった 米国ではこのような企業に対して投資を促す資本市場が整備されていた すなわち米国では ベンチャーキャピタル等のエクイティファンド等の仕組みが普及しており ハイリスク ハイリターンの事業に資金供給する風土が存在していたことも 米国においてシェール革命が起きた要因として挙げることが出来る 市原 (2012) 年 FERC は Order436 を公布し 州際パイプライン会社に対して自主的に輸送機能と販売機能を分離することを促した 更に 1992 年には Order636 を公布し 州際パイプラインを通じた販売活動と輸送機能のアンバンドリングを義務付けた < 年以降の IT バブルの崩壊以降 投資先を探していた投資マネーが シェールを始めとする資源開発企業に向かったということも指摘される 87

91 年代後半以降 2009 年の Exxon Mobil 社による XTO Energy 社買収をはじめとして 米国メジャーがシェールガス掘削に従事する中小企業を買収する動きが加速した この背 景として 2000 年以降 世界中の NOC が 自国内の資源開発に当たり IOC を排除し始め たことを指摘する意見もある これにより米系 IOC( 例 : Exxon Mobil 社 Chevron 社 Conoco Phillips 社等 ) は NOC が保有する鉱区にて開発することが困難になったため 必然的に米 国国内における開発について注力せざるを得なくなった これにより米系 IOC は シェー ル開発に注力することとなったと考えられる 298 < 88

92 4.2 米国政府による政策的支援とその効果 1970 年代後半以降 米国政府は 非在来型を含む天然ガスの新たな供給源の開発促進に係る一連の政策を採択した これらの政策は タイトガス及びコールベッドメタンの生産量増加をもたらすと同時に 2000 年以降 シェールガスの勃興を招くことになった 一連の政策として主要なものとしては 価格インセンティブ 税額控除 非在来型天然ガスの R&D プログラム 構造改革促進政策 ( 例 : 井戸元ガス価格の規制緩和 州間天然ガスパイプラインへのオープンアクセス ) 等が含まれる 米国政府による政策変遷 (1) 天然ガス埋蔵量 生産量低下に対する政策 非在来型ガスに関する一連の政策は 1970 年代における厳しい天然ガス不足に端を発し ている 1960~1970 年代の天然ガス市場は 価格上限規制によって大きな影響を受け 生 産量及び埋蔵量の不足を招くことになった 州間天然ガス価格上限は 価格上限規制の存 在により 競争市場における均衡価格より低い水準に設定されていた その結果 天然ガ スの需要は促進される一方で 供給を抑制される状態となった 1940 年以降の米国天然ガ スの年間実証埋蔵量と生産量の推移を見ると 1970 年代以降 2000 年代半ば頃まで 天然ガ ス実証埋蔵量及び生産量が減少していることが分かる ( 資料 )DOE 資料より 図 4-10 米国天然ガスの年間実証埋蔵量と生産量の推移 1978 年天然ガス政策法 (NGPA: Natural Gas Policy Act of 1978) は 上記のような天然ガス不足を背景としたものである 同法に基づき 先述の井戸元価格規制が段階的に廃止されると同時に 非在来型を含む新たな天然ガス開発に対する価格インセンティブが開始された 299 更に 連邦政府は 非在来型天然ガスの研究開発プログラムを設立するに至った NGPA 第 107 条は 高い生産コストの天然ガス等に対して 上限価格の規制緩和を図るものである 年代以降 連邦電力委員会 (FPC: Federal Power Commission) エネルギー研究開発局(ERDA:Energy 89

93 (2) 石油危機に対する政策非在来型天然ガスに関する政策は 1970 年代のエネルギー危機とも密接に関係している 1973 年のOAPEC( 現 OPEC) による石油禁輸措置に危機感を募らせた米国連邦政府は エネルギー関連のR&Dプログラムの統合と拡大を含むエネルギー危機に対処する一連の政策を採択した 1974 年連邦法に基づき 複数機関が実施した 301 別々の研究プログラムが統合されエネルギー研究開発局 (ERDA:Energy Research and Development Administration) が設立されたのに続き 1977 年 10 月にはDOEが創設された これによりエネルギー政策及びR&Dプログラムに係る責任がひとつの機関に集約されこととなった 302 また1979 年の第二次石油危機により 1980 年に原油超過利潤税法 (Crude Oil Windfall Profit Tax Act) 303 が制定され その一部が非在来型燃料を生産するための税額控除として与えられた この税額控除は 内国歳入法 (Internal Revenue Code) 第 29 条に基づいて実施されており 非在来型ガス等を対象として適用された 304 Research and Development Administration) 米国エネルギー省(DOE: Department of Energy) によって様々な委託研究が実施された その結果として 非在来型天然ガスの資源基盤が非常に大きいこと また非在来型資源の開発努力は奨励し助成するべきであることが示唆された ( 出所 : RFF(2013)) 301 例 : 鉱山局の技術研究センター 米内務省 (Department of the Interior) の化石エネルギー研究開発プログラム 原子力エネルギー委員会 (Atomic Energy Commission) の国立研究所など 年から 1976 年の間に エネルギー研究に対する連邦政府の支出総額は 2 倍以上増加した 更に 1974 年 1.43 億ドルから 1979 年には 14.1 億ドルと 10 倍以上に増加した 303 < 年 1 月 1 日から 1992 年 12 月 31 日の間に開坑された非在来型ガス井は税額控除の対象となり 適格な井戸からの生産は 2002 年 12 月 31 日までクレジットを受け続けた 90

94 4.2.2 R&D プログラムの概要 米国シェール革命に係る技術革新において 1970 年代以降 DOE が実施した各種 R&D プログラムが重要な役割を果たした 以下 Eastern Gas Shales Program における詳細につい て把握し シェール革命に対して与えた影響について考察した (1)Eastern Gas Shales Program 1) 概要非在来型天然ガス研究プログラムは 1976 年度にERDAのMorgantown Energy Research Center(METC) によって開始され DOEへの組織統合移行も継続された このプログラムは Eastern Gas Shales Program Western Gas Sands Program Methane Recovery from Coalbeds Programの3つのプログラムから構成され この中でもEastern Gas Shales Programは 東部地域 (Appalachian Michigan Illinois Basinsなど ) に分布するDevonian-age shalesにおけるシェールガス開発プロジェクトである このプログラムは シェール資源基盤を 量及び流通 地質的特徴の観点から評価することを目的としており 小規模独立生産者により構成された当該業界に対して より洗練された技術等を導入することとしている 305 DOEは当該プログラムに対し 1978~1992 年にかけて1 億 3,700 万ドルを投入しており DOEによる支出に加えて ERDAは2,000 万ドル ガス産業による非営利団体であるGRI(Gas Research Institute) は約 3,000 万ドル 民間企業も3,500 万ドルを研究開発費に投入した 306,307 2) プログラムの詳細開始当初 5 年間 (1976 年 1981 年 ) は 当該地域におけるシェールの地質学的研究が中心に実施された 1980 年代初頭からは 研究の重点は 詳細な貯留層の性能解析と 破砕されたシェールのための貯留槽シミュレータの開発に移った プロジェクト開始年の 1976 年には Devonian shales からの生産は 65Bcf/ 年であったが 1992 年にはより広範な地域から年間 200Bcf にまで生産するに至った ( プログラム設計 ) 先述の通り プログラム初期は シェールガス資源の地質的特性と規模を決定し 資源 基盤から天然ガスの生産を増やすことに向けられており 以下の地域ごとに計画された - ケンタッキー州やウェストバージニア州のその時点で生産していた地域 - オハイオ州及び近隣地域 ( ニューヨーク州 ペンシンルバニア州西部 ウェストバージ 305 < 306 < 307 < 91

95 ニア州北部 ) -アパラチア山脈の東側( ペンシルバニア州 メリーランド州 ウェストバージニア州 バージニア州 ) -アパラチア油田( ペンシルバニア州 ウェストバージニア州 ) -イリノイ油田 ミシガン油田 - 東部諸州の探索エリア プログラムは 評価 (Evaluation) 資源及び地質特性 (Resource and Site Characterization) 研 究 実施 モデリング (Research, Instrumentation, and Modeling) 生産技術の開発 (Production Technology Development) に分類される 表 4-2 Eastern Gas Shales Program の内容評価 - 最新の技術開発と産業界の活動とのすりあわせ - 環境規制の遵守と地域特有の環境問題への対応 - 潜在資源量の再評価モデルの開発 - 技術的 地質学的 経済的なデータを統合する計画策定及び計画の進行管理資源及び地質特性 -デボン紀のシェールが存在する地域の特徴把握や理論的根拠を含む資源開発に必要な資源データベースの開発 - 収集対象としたデータは ガスが充満し破砕するシステムを識別するために必要な層位学的 構造的 堆積学的 物理的 化学的なデータ データベースは大学や州の地質研究機関と連携して開発され USGS が統合し 各地に提供した 研究 実施 モデリング - 潜在貯蔵量を正確に予測する新しい診断ツール 斬新なアプローチの開発生産技術の開発 -さまざまな地質に対し効果的かつ斬新な技術の開発 ( 主要プロジェクト ) 当該プログラムにおける様々なプロジェクトを通じて革新的な技術開発が実施され 数多くの技術や製品が後に商業的な成功を収めることとなった また東部地域におけるシェール層に関する膨大な量の地質学的データ及び生産データの取得 普及に大きく寄与した 当該データは シェールガス貯留層の性質とその生産の仕組みに重要な新たな洞察をもたらすことになった 以下に Eastern Gas Shales Program における主要プロジェクトを示す 92

96 表 4-3 Eastern Gas Shales Program の主要プロジェクト プロジェクト名実施主体実施期間実施目的 Massive Hydraulic Columbia Gas 大規模水圧破砕技術の適用可能性を示 Fracturing Tests Systems Service すこと Corp. (Columbus, OH) Directionally Consolidated Drilled Well 1976 Gas 1977 デボン紀の頁岩で最適な破砕位置と好ま in the Devonian Supply Shale Corporation しい割れ方向を決定する地球物理学的 技術 ( 遠隔探査 近い表面にストレスをか ける方法等 ) の開発 複数の水圧破砕を同時に行い シェール オイル / ガスの輸送と貯蔵の改善に資す る掘削技術の開発 Analysis of West Structural Virginia シェールガス生産の可能性を有する頁岩 Geological Parameters University の掘削適地を選定する手法の開発 that Influence Gas Production from the Devonian Shale of the Appalachian Basin Massive Hydraulic Lawrence Livermore 1977 大容量の水圧破砕と関連技術により 頁 Fracturing Program Laboratory for 岩等から得られるガス生成量の改善に資 Gas Stimulation (Livermore, CA) するデータベース及び予測方法の開発 ( 出所 )DOD`s Unconventional Gas Research Progarams ( プロジェクトの成果 ) 当該プロジェクトの研究成果は 米国シェール革命を可能にした技術的要素として重要な役割占める水平坑井技術及び水圧破砕技術に対して大きな影響を与えた 当該プロジェクトの一環として 1977 年に DOE は 東 Devonian シェールにおいて初めて大規模水圧破砕 (Massive Hydro Fracturing) に成功したのに続き 1986 年には West Virginia 州の Wayen 群においてベンチャー企業とのパートナーシップを通じて多段階水平坑井に成功した 更に 1991 年には GRI による補助金も活用しつつ Barnett シェールにおいて水平坑井による掘削が実施された このようなプロジェクトの成果を基盤として 1998 年には Michel Energy 社による Slick Water の開発を通じて シェール開発商業化が実現された (2) その他 1998 年 DOE は Seismic Technology Program として 3D サイスミックイメージングに係 308 < 93

97 る研究開発を実施しており 1989 年から 2000 年にかけて約 1 億ドルが投入された 当該研 究も マイクロサイスミック技術の進展に大きく起用した GRI は DOE と共同しつつ これらの研究開発を支援しており シェール革命に大きく寄与した 政策実施による効果 Eastern Gas Shales Research Program における直接的な生産量は 65Bcf/ 年 (1976 年 ) から 200Bcf/ 年 (1992 年 ) にまで増加したに過ぎない ただ先述の通り 当該プログラムを通じて膨大な量の地質学的データ及び生産データの取得が可能となり また水圧破砕や水平坑井を中心とするシェール関連技術要素が大きく進展することによって 2000 年以降のシェール革命に対して重要な貢献することとなった 図 4-11 シェールガス生産量の推移 ( 出所 )DOE Office of Oil and Natural Gas: Unconventional Oil and Gas Resources < 94

98 4.2.4 米国以外のシェール賦存国の動向 (1) 中国 1) 技術的に開発可能な資源量 (EIA による評価 ) 2013 年 6 月 米 DOE の EIA は 世界のシェールガス シェールオイル資源量に関する評 価 310 ( 以下 EIA 報告書 ) を発表した 中国の技術的に回収可能なシェールガス資源量は 1,116Tcf となっており 311 米国を上回る世界 1 位のシェールガス資源国と評価されている ( 出所 )EIA 報告書より 図 4-12 中国における堆積盆地 / 地域 (EIA 評価対象 ) 同報告書によると シェールガス開発の最も有望な地域は ドライガスエリアである四川堆積盆地であり 技術的に回収可能なシェールガス資源量の半分以上を占める 同堆積盆地の中でも 南西部に広がるシルル系龍馬渓 (Longmaxi) シェール層の資源量は 287Tcf となっており 最も有望と評価されている 312 またタリム堆積盆地の資源量は 215Tcf と評価 310 EIA(2013) Technically Recoverable Shale Oil and Shale Gas Resources: An Assessment of 137 Shale Formations in 41 Countries Outside the United States < > 311 EIA による前回報告書 (2011 年 4 月 ) では 1,275Tcf となっており 159Tcf ほど下方修正されている その要因として 前回評価対象の四川の Qiongzhusi シェール層とタリムの下部カンブリア系シェール層について地質条件が劣ること ( 断層が多いなどの複雑な地質状況 埋蔵深度が深いこと 有機物含有率 (TOC) が低いことなど ) を理由に下方修正したためである ( 出所 : 竹原美佳 (2013) シェール特集 ~ 注目される地域の開発動向 ~[ 中国 ],JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 ) < 312 平均層厚 1,000ft(300m) の有機物が豊富なシェール層が広がっており 断層が比較的少なく H2S が含まれる部分が少ない 有機物の含有率 (TOC) 平均は 3.2% 有機物の熱的熟成度(Ro) は 2.9% ドライガスエリ 95

99 されており 四川堆積盆地に次ぐ有望な地域となっている 表 4-4 EIA 評価対象地域 技術的に開発可能な資源量の対比 (2011 年 4 月 2013 年 6 月 ) ( 出所 ) 竹原 (2013) 一方 シェールオイルに関してみると 技術的に開発可能な資源量は ロシア 米国に 次ぐ世界第 3 位の 320 億 bbl と評価されている 特に西部の新疆ジュンガル タリム堆積盆 地と北東部の松遼堆積盆地が有望とされる 313 ( 中国政府による評価 314 ) 2012 年 3 月に中国国土資源部が発表した 全国のシェールガス資源の潜在力ならびに有 アである PetroChina は主にこの龍馬渓 (Longmaxi) シェール層を対象に探鉱を行っている ( 出所 : 竹原 (2013)) 313 タリムの中 上部オルドビス系シェール層を除き湖沼性で Clay 分が多く水圧破砕に適していない模様である ( 出所 : 竹原 (2013)) 314 出所 : 竹原美佳 (2015) 中国: 新常態 下のエネルギー 環境政策とシェールガスの開発,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 < 96

100 望鉱区の評価結果 では シェールガスの開発可能な資源量について 兆 m 3 (885Tcf) と評価されている 2012 年 3 月に国家発展改革委員会が発表した 中国のシェールガス発展 12 次五か年計画 でもこの数値を念頭に置いた上で シェールガスの生産目標として 2015 年 65 億 m 3 (0.6Bcfd) 2020 年 600~1,000 億 m 3 (5.8~9.7Bcfd) が示されている また 2015 年 6 月 国土資源部が公表した 中国のシェールガス資源調査報告 (2014) では 中国におけるシェールガス資源の評価 探鉱開発の状況等について報告がされている 同報告によると 54 の探鉱権 315 が賦与されているが 最も有望とされる四川堆積盆地ならびにその周辺に集中している 2) 開発動向及び見通し竹原 (2015) によると 2014 年末時点において 国有石油企業 3 社を含め計 16 社がシェールガスの探鉱開発を行っており 2009 年以来 35 億ドルが投じられ 669 坑 ( 調査井が90 坑 垂直井が234 坑 水平井が345 坑 ) が掘削された 2014 年の生産量は13 億 m 3 (0.13Bcfd) となっており PetroChina 社とSinopec 社の2 社が大きな割合を占めている 316 なおIOC は 2009 年から2013 年にかけて南部を中心に国有石油企業 ( 特にPetroChina 社 Sinopec 社 ) とシェールガスの共同スタディを実施したが 2014 年に相次いでスタディを終結しており PS 契約には移行しなかった 317 表 4-5 中国企業によるシェールガス探鉱開発の実績 (2009~2014 年 ) ( 出所 ) 竹原 (2015) 竹原 (2015) によると 中国シェールガス開発の課題として 地域性や技術 知見の集積 幹線パイプラインやインフラ ロジティクス またガス統制価格等の政策 水資源などが 指摘されるが その中でも地質条件は主要な課題となっている 中国のシェール層の多く 315 内訳は既存鉱区のシェールガス探鉱権への転換が 33 鉱区 (14.6 万 km 2 ) 1 次入札落札 2 鉱区 (0.4 万 km2) 2 次入札落札 19 鉱区 (2 万 km 2 ) である 316 Sinopec が重慶涪陵 (Fuling) で 11.4 億 m 3 を生産 PetroChina は長寧 - 威遠 (Changning-Weiyuan) で 1.6 億 m 3 を生産 ( 出所 : 竹原 (2015)) 317 竹原 (2015) 97

101 は米国より地質条件が複雑で 深いところにある 例えば四川 Qiongzhusi 構造とタリムBasin の下部カンブリアシェールは地質条件が複雑でシェール層の埋蔵深度が5,000m 以深にあることが指摘されており また北東部は硫黄の含有が高いなどの課題がある 先述の国土資源部報告でもシェールガス開発の課題として中国の地質に適した技術の把握が不十分であると指摘しており マイクロサイスミック 生産挙動予測 ナノスケールの 3D 地質モデルなど最適な水圧破砕を施し生産性を向上させる技術の知見に努めるとしている (2) ロシア EIA 報告書によると ロシアの技術的に回収可能なシェールガス資源量は 285Tcf となっている 一方 シェールオイル資源量は世界第 1 位の 746 億 bbl と評価されている シェールオイル開発の最も有望な地域は 西シベリアにあるジュラ系最上部の Bazhenov 層である ロシア連邦地下資源利用庁 (Rosnedra) の試算によると 西シベリア Bazhenv 層の埋蔵量は 250 億 t(1,820 億 bbl)~500 億 t(3,640 億 bbl) と推定される 生産量は 2020 年までに 80 万 ~ 200 万 bbl/d を見込んでいる 318 ( 出所 )EIA 報告書より 図 4-13 ロシアにおける堆積盆地 / 地域 (EIA 評価対象 ) 318 出所 : 本村眞澄 (2012) ロシア : 超重質油とシェールオイル開発に向かうロシア,JOGMEC 石油 天然ガス資源資料 < 98

102 ロシアは 2010 年以降 シェールオイル開発に関して欧米メジャーとの協力を積極化しており 技術導入が進んでいる ロシアにおける水平掘削は シェールオイルやガスの生産が高まっている米国よりも速いスピードで急増しており 2015 年には 2009 年比で約 3 倍増になる見込みである 319 図 4-14 ロシアにおける掘削リグ数の推移 ( 出所 )James Henderson(2013) Tight Oil Developments in Russia, Oxford Institute for Energy Studies WPM 以下 欧米メジャーとの協力事例について示す ExxonMobil 社と Rosneft 社による西シベリア Bazhenov 層開発 Shell 社による Salym 油田における Bazhenov 層開発 Statoil 社による北コーカサスでのタイトオイル開発 なおロシアのシェールガスへの取り組みは 資源形成の実態を反映して 現在のところ ほとんどない 319 本村 (2012) 320 < 99

103 5 まとめ 5.1 我が国が取得に注力すべき技術分野の考え方 我が国における政策動向 我が国は エネルギー基本計画 ( 平成 22 年 6 月閣議決定 ) 321 やこれまでの総合資源エネルギー調査会 322 の提言等を踏まえ 2030 年に自主開発比率 323 を 40% 以上に引き上げることを目指している また平成 28 年 12 月 14 日に総合資源エネルギー調査会資源 燃料分科会において示された 石油天然ガス 金属鉱物資源機構出資 ( 資産買収を含む ) 及び債務保証対象事業の採択等に係る基本方針について < 石油天然ガス分野 > 324 では 我が国石油天然ガス分野における上流開発に係る基本的な考え方が示されており JOGMEC を通じて エネルギー安定供給に特に資すると考えられる重要な探鉱 開発プロジェクト等を対象に 出資 債務保証によりこれを支援するとしている なお支援対象プロジェクトとしては エネルギー基本計画の趣旨を踏まえつつ 以下の要件を満たす案件に対し 支援の重点化を図ることとする Ⅰ. 供給源の分散化等石油 天然ガス資源の安定供給の観点から戦略的意義を有すること Ⅱ. 中核的企業をはじめとする国際競争力のある開発産業育成の観点から戦略的意義を有すること特に後者に関しては 考慮すべき要素の一つとして 大水深等 我が国企業の技術的競争力を強化できるような先進的技術を蓄積できる案件であること としており 今後注力すべき技術開発の方向性として注目される 強みを有する技術 我が国には石油 ガス開発分野の内外において優れた要素技術が数多く存在している 海外企業と競争するためには それら要素技術を統合することにより 上流から下流まで一気通貫したシステムを構築することが求められる またその過程において 核となる要素技術について 我が国政府及び JOGMEC 等が中心となり 保有企業を買収することも念頭に入れる必要がある その際 我が国で自ら製造していくべき技術分野と買収すべき技 321 < > 322 < 323 石油及び天然ガスの輸入量及び国内生産量の合計に占める 我が国企業の権益下にある石油 天然ガスの引取量 ( 国産を含む ) の割合 2015 年度は過去最高水準の 27.2% 324 総合資源エネルギー調査会資源 燃料分科会 石油天然ガス 金属鉱物資源機構出資 ( 資産買収を含む ) 及び債務保証対象事業の採択等に係る基本方針について < 石油天然ガス分野 > ( 平成 28 年 12 月 14 日 ) < 100

104 術分野を切り分ける必要があるが その役目を政府及び JOGMEC が担うことが期待される 例えばサブシーにおける事業分野は 潜在的な市場規模は大きいと想定される一方で 明確なビジネスモデルは現在のところ存在していない 当該分野において 海外への進出意欲を持つ複数企業の参画による一連のプロトタイプを構築することにより 我が国の持つ強みを集約することも検討すべきと考えられる 表 5-1 我が国が強みを有する分野 主な海外企業主な国内企業日本企業の競争優位性 石油開発会社 ( オペレー IOC(Exxon Mobil INPEX BP JAPEX JX 我が国大手石油開発会社は オペレータとして技術ニーズを形成するだけでなく 自ター ) Shell Chevron 開発 Total), らR&D 部門を持ち研究開発を実施している モデリングとシミュレーション技術に強みを NOC 有する企業も存在している 石油開発サービス会社 ( 全般 ) Schlumberger 物理検層コンサルタント 大手石油開発サービス会社は 大規模なM&Aを経て 会社の技術的差異は小さく Halliburton Baker なっている模様 Hughes 我が国企業は 導入実績等の面において 大手石油開発サービス会社と大きな差がある 探査 探坑地震探査等 Western Geco 地球科学総合研究所 CGG PGS 我が国企業は 導入実績等の面において 海外探査会社と大きな差がある 洋上地震探査を実施しているのは 海外企業のみ 我が国でも国内難地の 3D 地震探査を実施しており これら分野には強みを有する 坑井調査 物理検層 エSchlumberger 物理検層コンサルタント 我が国企業は 導入実績等の面において 大手石油開発サービス会社と大きな差がンジニアリンHalliburton Baker ある グ等 Hughes 掘削 坑井掘削事業者 Transocean JDC Ensco 海洋大手企業は 保有リグ数が多く また超大深水リグを保有しているため 財務体 仕上 Diamond Offshore 質が比較的良好である 我が国企業は 導入実績等の面において 大手掘削事業者と大きな差がある 関連機器製 National OilWell - Varco, 造 Aker Solutions 坑井仕上 Schlumberger 物理検層コンサルタント Halliburton Baker Hughes 開発 生産 EOR 石油開発会社が実施石油開発会社が実施オペレータ案件において実績多数 海洋生産 浮体式生産 SBM Offshor MODEC BW 設備 (FPSOffshor 等 ) 我が国企業の実績多数 MODEC 社と SBM Offshore 社はともに 自社製の係留設備を持っており 競争力の源泉となっている この 2 社はトータルの優位性を保有しているため 新規参入は難しい 海底生産システム TechnipFMC - クリスマスツリーやマニフォールドは メーカー間の技術的な差異はほとんどない 一 OneSubsea Aker 方 プロセッシング関連技術は 現在も各メーカーによる開発競争が激しい Solutions GE Oil & Gas 等 エンジニアリ Technip Saipem 日揮 千代田化工建設 我が国企業の実績多数ング関連 McDermott Subsea 東洋エンジニアリング 7 洋上建設の分野では日揮 千代田化工建設 TECは 国際競争力を有しており 海 Saipem (TEC) 外においても実績多数 LNGチェー LNG 基地ン 液化 : APCI Bechtel 液化 : - 我が国企業の実績多数輸送船 : 韓国 3 社 中国輸送船 2 : JMU 三菱重 KBR 社 日揮 千代田化工建設などは APCI 社の技術を利用 Bechtel 社は 社工 三井造船 川崎重工 Conoco Phillips 社のCascade 法を利用している LNGタンクとしては JMUのSPB 方式が我が国企業の独自技術として存在 エンジニアリKBR Bechtel Technip JGC 我が国企業の実績多数 Chiyoda ング関連 Floating LNGに関して言えば Technip 社が先行 分野横断的技術分野 素材関連技術 Sandvik 新日鐵住金 クレハ等 我が国企業の実績多数 石油 ガス掘削用途シームレスパイプ等に実績あり クレハは PGAのシェール掘削用途への展開を実施中 ROV/AUV Oceaneering, 三菱重工 三井造船 SMD, Kongsberg IHI 川崎重工 ( 出所 )MURC 作成 我が国企業とは 導入実績等の面において大きな差がある 我が国企業は 石油 ガス分野に参入出来ていない IoT 関連 GE Siemens ABB 等 - 市場拡大期であり 参入可能性あり 環境関連技 Veolia GE Power - & 市場拡大期であり 参入可能性あり術 ( 例 : 随伴 Water 等水処理 ) 101

105 5.2 諸外国における動向 (1) 米国先述の通り 米国シェール革命に係る技術革新においては 1970 年代以降 DOE が実施した各種 R&D プログラムが重要な役割を果たした また 1970 年代以降 メキシコ湾岸において大水深油田開発が実施されてきたが 近傍地に開発サイトがあることを背景として 当該地域周辺では資源開発に係る革新的なベンチャー企業が次々と創出されてきた 米国では このようなベンチャー企業に対し資本を提供する仕組みや大手石油サービス会社等が優良企業を買収する仕組みなど 資本市場に係る社会システムが整備されている またこのような仕組みにおいて テキサス大学オースティン校などの大学研究機関も重要な役割を果たしている (2) イギリスイギリスの石油 ガス上流産業は 北海原油における開発事業を通じて成長してきた イギリス大陸棚 (UKCS) における石油 天然ガス生産に係る施策評価 UKCS Maximising Recovery Review 325 における提言を受け 2015 年 4 月には石油上流産業に係る新たな規制機関 石油ガス機関 (OGA: Oil and Gas Authority) 326 が設立された OGA は 2016 年 10 月以降 政府保有の企業体へと移行しており 産業界との連携の下 石油 ガス開発に係る技術戦略立案などを実施している (3) ノルウェーノルウェー企業もイギリス同様 条件が厳しい北海油田にて培った技術をベースとし 石油 ガス上流産業を発展させてきた 具体的には 同国政府は 1972 年に国営石油会社である Statoil 社を設立しており 同社によるプロジェクトを核として石油 ガス供給クラスター (Oil & Gas Supplier Cluster) を形成してきた 327 また同国では古くから造船業や海運業 舶用 海洋工業が発達しており 世界的な船社 造船所 船舶メーカー及び船舶設計会社 サービス企業に加え 大学及び研究開発機関 規制機関等などを含んだ海事産業クラスタが オスロやベルゲン等において形成されてきた 328 この海事産業クラスターを通じて 海洋資源開発に係る優れた企業及び技術が創出される仕組みが確立されており 同国石油 ガス上流産業の国際競争力強化に寄与している 325 < > 326 < 327 Olivia Leskinen, Paul Klouman Bekken, Haja Razafinjatovo, Manuel García(2012) Oil and Gas Cluster in Norway: A Story of Achieving Success Through Supplier Development, Harvard Business School < %20Norway%20final.pdf> 328 ( 財 ) 日本船舶工業会 ( 財 ) 日本船舶技術研究協会 (2014.3) 欧州開示クラスター及び海事関連団体の概況及び今後の戦略等に関する調査 < %A9%E3%82%B9%E3%82%BF%E3%83%BC%E5%8F%8A%E3%81%B3~.pdf> 102

106 103

107 ( 様式 2) 二次利用未承諾リスト 報告書の題名平 28 年度石油産業体制等調査研究 ( 原油等開発に要する技術動向に関する調査 ) 委託事業名平 28 年度石油産業体制等調査研究 ( 原油等開発に要する技術動向に関する調査 ) 受注事業者名 三菱 UFJ リサーチ & コンサルティング 頁 図表番号 1 図 図 図 図 図 図 表 図 図 図 表 図 図 図 図 2 10 タイトル石油 ガス上流部門投資額の推移石油 ガス上流開発技術のトレンド石油 ガス上流産業のバリューチェーン構造 Schlumberger 社の事業構造石油サービス会社の再編 ( 合意を含む ) 大偏距掘削のイメージ図 ERD 掘削に必要とされる主たる技術要素課題 IntelliServシステムの概要図主な海洋掘削リグの種類ライザー掘削とライザーレス掘削大水深掘削装置に特有な技術 機器デュアルグラディエント掘削方式概略図 ARG 社 RMRシステム概念図 AGR 社 EC-DrillTM 概念図マルチラテラル坑井のジャンクションの分類 27 表 2 3 マルチラテラル坑井仕上げの要素技術 28 図 2 11英国 Wytch Farmフィールドの大偏屈坑井 (M16 号井 ) 29 図 2 12Schlumberger 社のIntelligent Completion 30 表 2 4 海洋掘削主要企業の掘削リグ保有状況 31 表 2 5 三次回収方法の技術内容と対象とする油層 33 図 2 13BP 社 LosalTMの回収増進メカニズム ( 原油中の極性成分の脱着 ) 33 表 2 6 SWFによる回収増進メカニズムの例 34 図 2 14EOR 各種手法の開発時間と技術成熟度の関係 36 図 2 15浮体式生産設備の種類 37 図 2 16FPSOの概要 41 図 2 17SPSの概要 46 図 2 18MODEC 社によるEPCIサービスの概要 46 図 2 19MODEC 社によるリースサービスの概要 47 図 2 20MODEC 社によるO&Mサービスの概要 48 表 2 7 LNG 液化技術の分類 49 図 2 21Cascade 方式の概略フロー 50 図 2 22プロパン予冷式 MCR 方式の概略フロー 52 図 2 23GT 駆動方式とMotor 駆動方式 53 図 2 24SPB 方式の概要 62 図 3 1 IoTの適用による石油 ガス生産井の生産性向上 64 表 3 1 PREDIXの適用範囲と期待される効果 65 表 3 2 ROVとAUVの主な特徴の比較 66 図 3 2 Work Class ROVの概要 67 図 3 3 ROVの全体システム

108 ( 様式 2) 頁図表番号タイトル 67 表 3 3 海底資源開発におけるROVの作業例 69 表 3 4 AUVが対処すべき課題 71 図 3 4 既存の随伴水処理プロセス 74 図 3 5 マイクロGTL 技術の概要 77 図 4 1 水平坑井と多段階の水圧破砕イメージ 78 図 4 2 水圧破砕におけるガスとフラクチャリング流体の動き 79 図 4 3 Slick Water Fracturingのメカニズム 80 図 4 4水平坑井の裸坑に多段フラクチャリングを施した2 層同時生産 81 図 4 5Bakken 構造の掘削仕上げの進化と探鉱開発コストの推移 82 図 4 6水圧破砕におけるマイクロサイスミックの観測イメージ 83 図 4 7マイクロサイスミックによる震源地の位置評価 85 表 4-1各国の鉱業に関する仕組み 86 図 4 8Eagle Ford 油田における地質構造に関わるデータ 87 図 4 9米国のガスパイプライン網 89 図 4 10 米国天然ガスの年間実証埋蔵量と生産量の推移 92 表 4-2Eastern Gas Shale Programの内容 93 表 4-3Eastern Gas Shale Programの主要 94 図 4 11 シェールガス生産量の推移 95 図 4 12 中国における堆積盆地 / 地域 (EIA 評価対象 ) 96 表 4 4 EIA 評価対象地域 技術的に開発可能な資源量の対比 (2011 年 4 月 2013 年 6 月 ) 97 表 4 5 中国企業によるシェールガス探鉱開発の実績 (2009~2014 年 ) 98 図 4 13 ロシアにおける堆積盆地 / 地域 (EIA 評価対象 ) 99 図 4 14 ロシアにおける掘削リグ数の推移 101 表 5 1 我が国が強みを有する分野

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