画像診断レポート委員会 成果報告 JIRA 医用画像システム部会画像診断レポート委員会委員長長田雅和 ( 東芝メディカルシステムズ ( 株 ))
現状認識 国内各社の作成する読影レポートにはデータの互換性がなく HTMLやPDFによる表示上の連携は可能だが 電算処理が可能な情報としての連携は行えていない 医療機関ではレポートの他システムへ移行や転送が出来ない ベンダも有効な対応手段がなく CSV ダンプなどで対応 レポートの通信規約や構造定義はできても 用途に応じた具体的な項目やコードの標準化が遅れている 標準化を推進出来るリソースも不足している
現状認識 放射線科レポートシステムは 各社が特徴ある商品を開発しユーザに供給しているが 生成されるレポートデータは ベンダ間での互換性がない 現場では システムの更新等でレポートデータの移行が必要となり この作業に 多額のコストと労力が ユーザ ベンダの双方に負担となっている DICOM IHEといった標準の適用可能性を検討したが 普及には至っていない状況 HISで読影レポートを参照するため DICOM SRが敬遠される ( 日本だけでなく米国も同様 ) 形式だけ決めても コンテンツを具体的に決めないと実際には使えない
JIRA 画像診断レポート委員会の活動 このような課題について 阻害要因を分析し 異なるベンダ間でのレポートデータの互換性およびシステム接続を確保するための方式について検討し ガイドラインを作成することを目的とする レポートの範疇は 放射線部門以外にも拡大しているが この委員会での議論の範囲をある程度絞って行う システム接続については病院ごとにワークフローが異なり まとめるのが難しいため この委員会ではまず レポートデータの互換性の取り組みから始める
画像診断レポート委員会の取り組み 当委員会では 読影レポートの標準化ガイドライン ( テンプレート ) の策定を進めている HL7 CDA R2 Level 2 をベースに想定
<<StructuredBody>> Body 検査依頼 title = 検査依頼 レポート内容 title = レポート内容 DICOM 情報 title = DICOM 情報 医療関係者 title = 医療関係者 その他情報 title = その他情報 患者補足情報 title = 患者補足情報 画像情報 - - title = 画像情報 検査目的 title = 検査目的 text = 検査目的です 所見 title = 所見 text = 所見です AccessionNumber title = 受付番号 code = A00005555 主治医 title = 主治医 code = M000111 text = 永川猛 読影依頼 - - title = 読影依頼 - code = S - text = 緊急 入外区分 title = 入外区分 code = O 検査内容 title = 検査内容 text = 検査内容です 診断 title = 診断 text = 診断です 撮影条件 title = 撮影条件 text = 撮影条件です コメント title = コメント text = コメントです StudyInstanceUID title = 検査インスタンスUID code = 1.2.826.0.1.3680043.2.15 依頼医 title = 依頼医 code = M000222 text = 川又基 検査時身長 title = 身長 text = 179.5cm <<ObservationMedia>> 添付画像 value = cifs://server/achive/im0000001.jpg 読影医 title = 読影医 code = M000333 text = 山本尚 検査時体重 title = 体重 text = 69.4kg 種別 title = 種別 text = 種別です サマリ title = サマリ text = サマリです AETitle title = AEタイトル text = MOD_ZETA <<ObservationMedia>> 添付シェーマ value = cifs://server/achive/im0000045.jpg 部位 title = 部位 text = 部位です 手技 title = 手技 text = 手技です 使用薬剤 title = 使用薬剤 text = 使用薬剤です 画像診断レポート委員会の取り組み スタイルシートによる 書表 とP2Pによるデータ移 検証 レポートベンダ 8 社より協 が得られた
ガイドライン ( 案 ) 概要 本文書の目的は 異なる画像診断レポートシステムの間で 診断レポートデータファイルを電子的に交換する際の 互換性をより高めるためのガイドラインを定めることである ガイドラインの基本的な枠組みは HL7 Clinical Document Architecture t Release 2 ( 以下 CDA R2) に基づき ファイルのXML(eXtensible Markcup Language) による電子的標準様式を定義するものである 米国 ACR-NEMA IHE との連携を行い今後も必要に応じ 米国 ACR-NEMA IHE との連携を行い 今後も必要に応じて改訂を行うものとする
ガイドライン ( 案 ) 概要 本ガイドラインは 画像検査イ 1 回あたりの結果情報を 必要なヘッダー情報 ( 検査内容に関する情報や日付 受診者を識別するための情報など ) を含めた 1つのXML 形式で格納し 1 個の電子ファイル (Windows や UNIX などのコンピュータオペレーティングシステムでひとつの電子ファイルとして扱われるファイル単位 ) とするものである 1 回の画像検査の結果情報ごとに 1 電子ファイルとする 従って 1 電子ファイルに 複数回もしくは複数受診者の画像検査結果を格納することはできない
ガイドライン ( 案 ) 概要 本標準フォーマットにもとづく XML ファイルは ヘッダ部とボディ部 エントリ部からなる ヘッダ部には CDA 規格上必要となるメッセージ種別などCDA 規格情報 画像診断レポートに関する一意なレポート番号 タイトルや文書作成日 作成者情報 読影対象患者情報などの文書情報から構成される ボディ部には 読影結果として所見情報や診断情報などが 人間可読なテキスト形式で記述され エントリ部には臨床情報や画像情報などがコンピュータ処理を可能とする形式で構造化されて記述される
画像診断レポートXML ファイル ヘッダ部 CDA 規格情報 CDA 準拠 typeid 等 画像診断レポート情報 タイトル 書番号 書作成 読影対象患者情報 患者 ID 患者名 性別 年 連絡先 レポート作成者情報医療従事者番号 読影医師名 連絡先 ボディ部 所 セクション タイトル 内容 診断セクション タイトル 内容 エントリ部 臨床情報 検査項 検査値 単位 検査 時 検査状態 画像情報 画像種別 画像ファイルパス
ガイドライン ( 案 ) 概要 本ガイドラインでは XML タグ仕様を以下のような表形式で示す
要素名 Index No 要素 / 属性型多重度説明 0 /clinicaldocument - 1..1 診療文書 1 typeid II 11 1..1 タイプ ID 準拠している CDA R2 仕様を識別する 1.1 @root u 1..1 HL7 に登録されている成果物の名前空間 OID となる 2.16.840.1.113883.1.3 を設定 1.2 @extension st 1..1 CDA R2 仕様のバージョンを一意に識別する成果物識別子である POCD_HD000040 を設定 2 Id II 1..1 診断レポート識別子情報 2.1 @root u 1..1 [ システム単位での識別子 ]( ユニーク性が保障されるもの ) ( 例 ) [JIRA で管理する OID]+. +[JIRA 会員番号 ]+. +[ 会員の管理する検査機関番号 ] または JIPDEC に登録されている OID を使用した ユニーク性が保障される管理番号 +. +[ そのベンダーの管理する検査機関番号 ] 2.2 @extension st 1..1 そのレポートシステムで発行するユニークな ID 3 code CE 1..1 文書種別コード設定 3.1 @code cs 1..1 LOINC の Diagnostic Imaging 18748-4 3.2 @codesystem u 1..1 文書種別コードのコード体系を識別する OID LOINC を表す 2.16.840.1.113883.6.1 4 effec tivetime TS 1..1 文書発行日本結果データの作成日 4.1 @value ts 1..1 YYYYMMDD 5 confenti alitycode CE 1..1 守秘レベルコード (HL7 ボキャブラリ ) 5.1 @code cs 1..1 通常時の守秘レベルを示す N 5.2 @codesystem u 1..1 守秘レベルコードのコード体系を識別する OID 2.16.840.1.113883.5.25
Vendor-specific Templates Standard-based Input Templates Radiology Report Creator IHE RSNA Report Template Library - RadLex - 100+ templates -.doc,.xml(relaxng) Other Report Template Libraries Report Repository Terminology SNOMED/LOINC Standard-based Output Templates - CDA R2 based - Radiology - Other-ology (pathology, ophthalmology) DICOM WG8
DICOM WG8 について DICOM WG8(Structured reporting) にて 放射線科のレポートのトの 病院間渡しおよびシステム入れ替え時の引き継ぎを想定した テンプレート (Output templates) の検討を HL7 CDA R2ベースで開始 詳細はこれからの検討 レベル 2 までになる見込み 現在 JIRAレポート委員会で検討している内容 方向性と同じ
今後の予定 ガイドラインのドラフト完成ド (3 月 ) ガイドラインドラフトに基づく スタイルシートの試作 および 実際の複数会員ベンダ間でのレポートデータ交換実験 (4 月以降 )