社会福祉法人制度改革のポイント-3

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(1) 申請書 に記載された設備投資の内容( 申請書 5で記載する事項 ) が 必要十分な設備として 当該設備の導入の目的 ( 申請書 2で記載する事項 ) 及び事業者の事業の改善に資することの説明 ( 申請書 4で記載する事項 ) に照らして整合しているかどうかについて確かめること さらに 事業者

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事事椅子 マットレス等の更新を行う 設備整備事 給湯設備の増設工事を行う 口腔ケア充実のため洗面台を増設する 有 20,900 職員育成事 介護福祉士資格取得費用を補助する 1,016 職員負担軽減事 職員の腰痛予防対策として ベッドを電動ベッドに更新する 4,800 職員処遇改善事 職員の処遇改善

<4D F736F F F696E74202D20332E8CFA90B6984A93AD8FC E18F8A93BE8D8297EE8ED293998F5A82DC82A B68A888E B8E968BC682CC8D6C82A695FB B8CDD8AB B83685D>

現況報告書チェック表

社会福祉法改正における法人制度改革の概要 社会福祉法人制度を改革する法案が平成 28 年 3 月 31 日に可決し 同日公布されました この改正法は平成 28 年 4 月 1 日から施行される部分と平成 29 年 4 月 1 日から施行される部分があります (1) 経営組織のガバナンスの強化 議決機

第3章 指導・監査等の実施

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平成21年度地域医療再生臨時特例交付金交付要綱

Ⅲ 第 43 期監査報告書等 監査報告書 私たち監事は 平成 27 年 9 月 1 日から平成 28 年 8 月 31 日までの第 43 期事業年度にお ける理事の職務の執行を監査いたしました その方法及び結果につき以下のとおり報告い たします 1. 監査の方法及びその内容私たち監事は 理事及び使用

適用時期 5. 本実務対応報告は 公表日以後最初に終了する事業年度のみに適用する ただし 平成 28 年 4 月 1 日以後最初に終了する事業年度が本実務対応報告の公表日前に終了している場合には 当該事業年度に本実務対応報告を適用することができる 議決 6. 本実務対応報告は 第 338 回企業会計

老人医療給付費等の国庫負担(補助)について

監査に関する品質管理基準の設定に係る意見書

回答作成様式

(頭紙)公布通知

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る場合の合意された手続 ( 以下 特定資産価格調査手続業務 という ) 業務実施者の責任 特定資産の価格等の調査に関する合意された手続実施結果報告書 ( 以下 実施結果報告書 という ) の作成等について取りまとめたものである 2. 本実務指針の適用に際し関連する実務指針は 専門業務実務指針 440

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

Microsoft Word 新基金・通知

1. はじめに 中小企業経営者の高齢化が進展する中 事業承継の円滑化は喫緊の課題です 平成 30 年度税制改正において 事業承継の際に生ずる相続税 贈与税の負担を軽減する 非上場株式等についての相続税及び贈与税の納税猶予及び免除の特例 ( 以下 事業承継税制 ) が抜本的に改正されました 本改正では

事業承継税制の概要 事業承継税制は である受贈者 相続人等が 円滑化法の認定を受けている非上場会社の株式等を贈与又は相続等により取得した場合において その非上場株式等に係る贈与税 相続税について 一定の要件のもと その納税を猶予し の死亡等により 納税が猶予されている贈与税 相続税の納付が免除される

2 経口移行加算の充実 経口移行加算については 経管栄養により食事を摂取している入所者の摂食 嚥 下機能を踏まえた経口移行支援を充実させる 経口移行加算 (1 日につき ) 28 単位 (1 日につき ) 28 単位 算定要件等 ( 変更点のみ ) 経口移行計画に従い 医師の指示を受けた管理栄養士又

められている 1 なお 当面の間 許可の有効期間の更新に係る事後申立てに限り 合意された手続実施結果報告書 ( 以下 実施結果報告書 という ) による取扱いも可とすることとされ その場合には 監査 保証実務委員会研究報告第 20 号 公認会計士等が行う保証業務等に関する研究報告 ( 以下 監査 保

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1. のれんを資産として認識し その後の期間にわたり償却するという要求事項を設けるべきであることに同意するか 同意する場合 次のどの理由で償却を支持するのか (a) 取得日時点で存在しているのれんは 時の経過に応じて消費され 自己創設のれんに置き換わる したがって のれんは 企業を取得するコストの一

移行認定の申請書類目次

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平成27年度事業計画書

ナショナル・トラスト税制関係通知

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スライド 1

14. 介護給付費算定に係る体制等に関する届出 ( 加算届 ) (1) 提出期限 提出先 体制等の届出については 加算等を算定する前月の15 日までに提出すること (16 日以降に提出された場合は 翌々月から算定 ) 加算廃止の場合は 直ちに提出すること 体制等の届出先は 指定申請等の提出先と同じで

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

検討結果 電力小売事業の全面自由化時 (2016 年 /4 月 ) から使用される 需要家スイッチング支援システム を中心にした スイッチング関連業務に関するルール の建付けについて 検討した結果を報告します 1. スイッチング関係ルールを 広域機関ルール として以下のように策定する ( 対象のルー

指定申請時に提出 別記様式第 4 の 4( 別紙 )( 第 16 条関係 ) 指定事業者事業実施計画書 1. 実施する復興推進事業 ( 以下 事業 という ) の内容業資本金額, 万円従業員数 人 日本標準産業分類を用いる ( 複数記載可 ) 総務省統計局のホームページで閲覧することができます 法人

Microsoft Word - 表紙 雛形(保険者入り)高齢者支援課180320

区分

別添 社会福祉法人会計基準の制定について ( 平成 23 年 7 月 27 日厚生労働省雇用均等 児童家庭局長 社会 援護局長 老健局長連名通知 )- 対照表 - 雇児発 0727 第 1 号 雇児発 0727 第 1 号 社援発 0727 第 1 号 社援発 0727 第 1 号 老 発 0727

(鏡)会計基準改正(局長)

市町村における住民自治や住民参加、協働に関する取組状況調査

01 【北海道】

504 特定事業等に係る外国人の入国 在留諸申請優先処理事業 1. 特例を設ける趣旨外国人研究者等海外からの頭脳流入の拡大により経済活性化を図る地域において 当該地域における特定事業等に係る外国人の受入れにあたり 当該外国人の入国 在留諸申請を優先的に処理する措置を講じることにより 当該地域における

目的 予算の状況 資金の流れ 活動実績 成果実績 事業所管部局による点検 評価項目評価に関する説明 広く国民のニーズがあり 優先度が高い事業であるか 国が実施すべき事業であるか 地方自治体 民間等に委ねるべき事業となっていないか 不用率が大きい場合は その理由を把握しているか 支出先の選定は妥当か

様式 2-2 平成 27 年度耐震対策緊急促進事業補助金交付 申請 決定 額表 事業主体名 ( 単位 : 千 ) 都道府県名 市町村名 耐震診断 補強設計 耐震改修対象建築物の名称 補助金額 摘要 ( 備考 ) 1 本表は別に 2 部作成し 提出すること 2 本表は 事業ごとに作成すること

平成28年度子どものための教育・保育給付災害臨時特例補助金交付要綱

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連絡担当窓口企画提案書 実施事業者の概要 企画提案者の概要 機関名 代表者役職 氏名 所在地 氏名 ( 役職 ) 電話番号 ( 代表 直通 ): Fax: 連絡先 ホームページ : 1 基本財産又は資本金 円 2 職員数 ( うち本事業に携わる職員数 ) 人 ( 人 ) 3 設立年月

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別紙2

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病院等における耐震診断 耐震整備の補助事業 (1) 医療施設運営費等 ( 医療施設耐震化促進事業平成 30 年度予算 13,067 千円 ) 医療施設耐震化促進事業 ( 平成 18 年度 ~) 医療施設の耐震化を促進するため 救命救急センター 病院群輪番制病院 小児救急医療拠点病院等の救急医療等を担

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介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

第22回規制改革会議 資料1-1

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

社会福祉法人   定款変更等の手引き

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07体制届留意事項(就労継続支援A型)

(2) 特定機関からの報告の受理及び聴取に関すること (3) 特定機関に対する監査に関すること (4) 外国人家事支援人材の保護に関すること (5) 特定機関において外国人家事支援人材の雇用の継続が不可能となった場合の措置に関すること (6) その他 本事業の適正かつ確実な実施のために必要なこと 3

指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

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は 国が新たに補助を行うこととされた しかし 既存の特養ホームの改築 大規模改修等については国の補助の対象となっていないため 特養ホームが施設の改修等を行うに当たっては 自己資金の確保が重要となっている (3) 社会福祉法人の財務諸表社会福祉法人は社会福祉法 ( 昭和 26 年法律第 45 号 )

国費投入の必要性 事業の効率性 事業の有効性 関連事業 事業所管部局による点検 改善 項目 評価 評価に関する説明 事業の目的は国民や社会のニーズを的確に反映しているか 被災者の資力やニーズを踏まえた効率的 効果的な住まいの確保策に関する調査等を行っている 地方自治体 民間等に委ねることができない事

Ⅱ. 赤字の解消計画 Ⅱ (1) 赤字解消のための基本方針 Ⅱ (2) 赤字解消のための具体的取組 平成 28 年度決算時点において 本市に解消すべき法定外繰入金及び赤字はない Ⅱ (3) 赤字解消の年次計画 ( 総括表国定義 ) 以下の法定外繰入にかかる項目は別紙の内訳を自動集計します 法定外繰入

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( 様式第二 ) 介護給付費 訓練等給付費等明細書 ( 居宅介護 重度訪問介護 同行援護 行動援護 重度障害者等包括支援 短期入所 療養介護 生活介護 施設入所支援 自立訓練 就労移行支援 就労継続支援 ) 市町村番号 助成自治体番号 請受給者証番号求事業者及び 児童デイサービス 旧法施設支援 を削

( 事務所備え置き資料の閲覧対象者及び費用 ) 第 7 条センターは 法令の規定に従い 別表 1に定める閲覧対象者に対し 閲覧 謄及びをさせるものとする の費用は有料とし 別表 2に定める 2 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律 ( 昭和 32 年 6 月 10 日法律第 167 号

地域包括ケア構築に向けた実態調査の実施 ひとり暮らし高齢者 高齢者のみ世帯 の全てを訪問形式で調査 地域全体で生活支援等必要なサービス内容を検討 H24 年度 H24.7 月 ~ひとり暮らし実態調査 ( 訪問 ) 集計 解析 ( 名古屋大学 )1 H 福祉を考える集会 ( 住民 関係者

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報酬改定(処遇改善加算・処遇改善特別加算)

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④登録要領(医療分野)

従って IFRSにおいては これらの減価償却計算の構成要素について どこまで どのように厳密に見積りを行うかについて下記の 減価償却とIFRS についての説明で述べるような論点が生じます なお 無形固定資産の償却については 日本基準では一般に税法に準拠して定額法によることが多いですが IFRSにおい

⑵ 外来年間合算の支給額計算の基礎となる合算対象額は 基準日において 同一保険者の同一世帯に属しているか否かにより判断されます ( 例 ) 下記の事例の場合 基準日において 甲と乙が同一世帯であれば 3 と 4 は合算できるが 甲と乙が別世帯であれば 3 と 4 は合算できない 基準日保険者である

地域支援事業交付金の算定方法について

医療費適正化計画の概要について 国民の高齢期における適切な医療の確保を図る観点から 医療費適正化を総合的かつ計画的に推進するため 国 都道府県は 医療費適正化計画を定めている 根拠法 : 高齢者の医療の確保に関する法律作成主体 : 国 都道府県計画期間 :5 年 ( 第 1 期 : 平成 20~24

障財源化分とする経過措置を講ずる (4) その他所要の措置を講ずる 2 消費税率の引上げ時期の変更に伴う措置 ( 国税 ) (1) 消費税の軽減税率制度の導入時期を平成 31 年 10 月 1 日とする (2) 適格請求書等保存方式が導入されるまでの間の措置について 次の措置を講ずる 1 売上げを税

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20★◎事業所評価加算に関する事務処理手順及び様式例について

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介護職員処遇改善加算に関する Q&A 平成 27 年度介護報酬改定に関する Q&A(Vol.2)( 平成 27 年 4 月 30 日 ) Vol.471 抜粋 ( 平成 27 年 4 月 30 日厚生労働省老健局高齢者支援課 振興課 老人保健課 ) 介護職員処遇改善加算 趣旨 仕組みについて問 36

流山市子ども・子育て会議

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( 考慮すべき視点 ) 内管について 都市ガスでは需要家の所有資産であるがガス事業者に技術基準適合維持義務を課しており 所有資産と保安責任区分とは一致していない LPガスでは 一般にガスメータの出口より先の消費設備までが需要家の資産であり 資産区分と保安責任区分が一致している 欧米ではガスメータを境

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☆表紙・目次 (国会議員説明会用:案なし)

Transcription:

社会福祉充実計画について 1

再投下対象財産 ( 社会福祉充実財産 ) の使途について 再投下対象財産 ( 社会福祉充実財産 ) は 法人が社会福祉充実計画を策定することにより その使途を 見える化 するものであり 法人の自主的な経営判断の下 収益事業を除き 例えば以下のような様々な事業に柔軟に活用が可能である 再投下対象財産 ( 社会福祉充実財産 ) 第 1 順位 : 社会福祉事業 職員処遇の改善 新たな人材の雇入れ 既存建物の建替 原則 社会福祉充実財産の全額について 5 年間で計画的に再投資 ただし 合理的な理由がある場合は 当該財産額の一部留保 計画期間を 10 年まで延長可能 等 単身高齢者の見守り 第 2 順位 : 地域公益事業 第 3 順位 : 公益事業 制度の狭間に対応する包括的な相談支援 移動支援 介護人材の養成事業 ケアマネジメント事業 配食事業 等 等 地域公益事業は 支援が必要な者に対して 無料又は低額で行う福祉サービスをいう 1 既存事業の充実又は新規事業の開設のいずれにも充てることが可能 2 社会福祉充実財産に加え 控除対象財産等を組み合わせて 事業を実施することも可能 公益事業は 地域公益事業以外の公益事業をいう 3 社会福祉充実財産は毎年度見直しを行い 当該財産額の変動に応じて使途の変更が可能 2

社会福祉充実計画について 社会福祉充実計画については 社会福祉法人が保有する財産のうち 事業継続に必要な 控除対象財産 を控除してもなお残額が生じる場合に 社会福祉充実残額 を明らかにした上で 社会福祉事業等に計画的な再投資を促すとともに 公益性の高い法人としての説明責任の強化を図るために策定するもの 社会福祉充実計画は 社会福祉法人が自主的に判断し 作成することとなるが 所轄庁は事業区域の需要及び供給に照らして適切ではない点がないか ( 著しく 合理性を欠くものではないか ) といった観点から審査を行う 具体的には 例えば 1 短期の計画 (3 年程度 ) であれば自治体計画 ( 介護保険事業 ( 支援 ) 計画等 ) との整合性の確認 2 中期の計画 (5 年程度 ) であれば 事業実施を予定している地域の人口推計等を踏まえて著しく合理性を欠くものではないかの確認等を行う 1. 社会福祉充実計画に位置付ける事業の種類 社会福祉充実計画に位置付ける事業は 以下の順にその実施について検討し 実施する事業を記載する 事業内容については 職員の処遇改善を含む人材への投資 サービスの質の向上につながる建物 設備の充実 地域のニーズに対応した新たなサービスの展開など 法人の実情に応じた取組を計画に盛り込む 第 1 順位社会福祉事業又は公益事業 ( 社会福祉事業に類する小規模事業 ) 第 2 順位 第 3 順位 地域公益事業 ( 日常生活又は社会生活上の支援を必要する住民に対し 無料又は低額な料金で その需要に応じた福祉サービスを提供する事業 ) 公益事業 3

2. 社会福祉充実計画の作成手続 社会福祉充実計画は以下の手続を経る必要がある 社会福祉充実計画案の作成 所轄庁の承認 地域協議会への意見聴取 地域公益事業を行う場合に限る 公認会計士 税理士等への意見聴取 理事会 評議員会の承認 3. 計画の記載内容 計画の記載内容は 法律上 以下のとおり規定されているが 法律事項に加え 法人名等の基本情報や社会福祉充実残額の使途に関する検討結果や事業の実施に当たっての資金計画等を併せて記載する 法律事項 ( 第 55 条の 2 第 3 項 ) 省令事項 ( 第 6 条の 15) 1 2 3 4 5 6 既存事業の充実又は新規事業の規模及び内容事業区域社会福祉充実事業の事業費社会福祉充実残額計画の実施期間その他厚生労働省令で定める事項 1 法人名 法人の所在地 連絡先等の基本情報 ➁ 資金計画 ➂ 社会福祉充実残額の使途に関する検討結果 ➃ 地域協議会等の意見とその反映状況 ( 地域公益事業を行う場合に限る ) ➄ その他必要な事項 4

4. 計画の実施期間等 計画は 原則として 5 年間の範囲で 毎年度の社会福祉充実財産の全額について 一又は複数の社会福祉充実事業を実施するための内容とすること ただし 5 年間で計画を終了することが困難であることにつき 合理的な理由がある場合には その理由を計画上に明記した上で 計画期間を最長 10 年間まで延長することができるものとする また 社会福祉充実財産の全額を計画期間内に活用することが困難であることにつき 合理的な理由がある場合 ( 例えば 建物の建替を行った直後であって 最長 10 年間の計画期間では社会福祉充実財産を有効に活用できない場合など ) には 例外的に 社会福祉充実財産の全額ではなく その一定割合の活用を内容とする計画を策定することができるものとする 計画の実施期間の範囲で 事業の開始時期や終期 各年度ごとの事業費は 法人が任意に設定することができるものとする 5. 計画の変更手続 計画の記載内容の変更を行う場合は 軽微な変更を除き 所轄庁の承認が必要となる また 軽微な変更を行う場合は 所轄庁への届出で足りることとなる なお 軽微な変更とは 法人の名称や住所等の基本情報等の変更とする 省令第 6 条の 19 5

公認会計士 税理士等への意見聴取による確認書 社会福祉充実計画の策定に当たって行われる公認会計士 税理士等への意見聴取については 社会福祉法人の経営の自主性の尊重 法人負担軽減の観点から 公認会計士 税理士等は社会福祉充実財産の算定過程を中心に確認を行い 確認書を作成するものとする 公認会計士 税理士等への意見聴取による確認書 手続実施結果報告書平成年月日社会福祉法人 理事長 殿 3 社会福祉充実残額算定シートにおける再取得に必要な財産について事務処理基準に従って再計算を行う 4 社会福祉充実残額算定シートにおける必要な運転資金について事務処理基準に従って再計算を行う 5 社会福祉充実残額算定シートにおける社会福祉充実残額について 再計算を行った上で 社会福祉充実計画における社会福祉充実残額と突合する 6 社会福祉充実計画における1 2 4 及び5に記載される事業費について再計算を行う ( 注 ) 公認会計士又は監査法人が業務を実施する場合には 日本公認会計士協会監査 保証実務委員会専門業務実務指針 4400 合意された手続業務に関する実務指針 を参考として 表題を 合意された手続実施結果報告書 とするほか 本様式例の実施者の肩書 表現 見出し等について 同実務指針の文例を参照して 適宜改変することができる 以上 確認者の名称印私は 社会福祉法人 ( 以下 法人 という ) からの依頼に基づき 平成 年度 ~ 平成 年度社会福祉法人 社会福祉充実計画 ( 以下 社会福祉充実計画 という ) の承認申請に関連して 社会福祉法第 55 条の2 第 5 項により 以下の手続を実施した 1. 手続の目的私は 社会福祉充実計画 に関して 本報告書の利用者が手続実施結果を以下の目的で利用することを想定し 実施した手続 に記載された手続を実施した 1 社会福祉充実計画 における社会福祉充実残額が 社会福祉充実計画の承認等に係る事務処理基準 ( 以下 事務処理基準 という ) に照らして算出されているかどうかについて確かめること 2 社会福祉充実計画 における事業費が 社会福祉充実計画 において整合しているかどうかについて確かめること 3. 手続の実施結果 1 2の1について 社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等に係る控除対象財産判定と事務処理基準は一致した 2 2の2について 社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等の再計算の結果と一致した 3 2の3について 再取得に必要な財産の再計算の結果と一致した 4 2の4について 必要な運転資金の再計算の結果と一致した 5 2の5について 社会福祉充実残額の再計算の結果と一致した さらに 当該計算結果と社会福祉充実計画における社会福祉充実残額は一致した 6 2の6について 社会福祉充実計画における1 2 4 及び5に記載される事業費について再計算の結果と一致した 4. 業務の特質上記手続は財務諸表に対する監査意見又はレビューの結論の報告を目的とした一般に公正妥当と認められる監査の基準又はレビューの基準に準拠するものではない したがって 私は社会福祉充実計画の記載事項について 手続実施結果から導かれる結論の報告も また 保証の提供もしない 2. 実施した手続 1 社会福祉充実残額算定シートにおける社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等に係る控除の有無の判定と事務処理基準を照合する 2 社会福祉充実残額算定シートにおける社会福祉法に基づく事業に活用している不動産等について事務処理基準に従って再計算を行う 5. 配付及び利用制限本報告書は法人の社会福祉充実計画の承認申請に関連して作成されたものであり 他のいかなる目的にも使用してはならず 法人及びその他の実施結果の利用者以外に配付又は利用されるべきものではない 6

社会福祉充実計画の様式例 平成 年度 ~ 平成 年度社会福祉法人 社会福祉充実計画 小計 4 か年 1. 基本的事項 度目 5か年 小計 法人名法人代表者氏名 法人番号 度目 合計 小計 法人の主たる所在地 欄が不足する場合は適宜追加すること 連絡先 地域住民その他の関係 3. 社会福祉充実残額の使途に関する検討結果 者への意見聴取年月日公認会計士 税理士等の意見聴取年月日 検討順 1 社会福祉事業及び公益事 業 ( 小規模事業 ) 検討結果 評議員会の承認年月日 残額総額 1 か年度目 2 か年度目 3 か年度目 4 か年度目 5 か年度目 社会福祉 2 地域公益事業 会計年度別の社会福祉充実残額の推移 ( 平成 年度末現在 ) ( 平成 年度末現在 ) ( 平成 年度末現在 ) ( 平成 年度末現在 ) ( 平成 年度末現在 ) ( 平成 年度末現在 ) 合計 充実事業未充当額 3 1 及び 2 以外の公益事業 ( 単位 : 千円 ) 4. 資金計画 うち社会福祉充実 事業費 ( 単位 : 千円 ) 事業名事業費内訳 1 か年度目 2 か年度目 3 か年度目 4 か年度目 5 か年度目合計 本計画の対象期間 計画の実施期間に おける事業費合計 社会福祉充実 2. 事業計画 実施時期 事業名 事業種別 既存 新規の別 事業概要 施設整備の有無 事業費 財源構成 残額 補助金 借入金 事業収益 1か年度目 小計 その他 本計画において複数の事業を行う場合は 2. 事業計画に記載する事業の種類ごとに 資金計画 を作成すること 2 か年 5. 事業の詳細 度目 小計 事業名 3 か年 主な対象者 度目 想定される対象者数 7

事業の実施地域 事業の実施時期 平成 年 月 日 ~ 平成 年 月 日 地域協議会等の意見と その反映状況 事業内容 本計画において複数の事業を行う場合は 2. 事業計画に記載する事業の種類ごとに 事業の詳細 を作成するこ と 6. 社会福祉充実残額の全額を活用しない又は計画の実施期間が 5 か年度を超える理由 1 か年度目 2 か年度目 事業の実施スケジュール 3 か年度目 4 か年度目 5 か年度目 事業費積算 ( 概算 ) 合計 千円 ( うち社会福祉充実残額充当額 千円 ) 8

社会福祉充実財産 の算定及び 社会福祉充実計画 のポイント 1 社会福祉充実財産の算定 ( 財産あり ) ( 財産なし ) ( 地域公益事業を行わない場合 ) 社会福祉充実財産の算定結果の届出 2 社会福祉充実計画原案の作成 ( 地域公益事業を行う場合 ) 3 地域協議会等からの意見聴取 ( 法第 55 条の 2 第 6 項 ) 4 公認会計士 税理士等からの意見聴取 ( 法第 55 条の 2 第 5 項 ) 5 評議員会の承認 ( 法第 55 条の 2 第 7 項 ) 6 所轄庁への申請 7 計画に基づく事業実施 ポイント1 社会福祉充実財産は 毎年度算定することが必要であり 一度算定した財産額が永続的に固定されるものではない ポイント2 控除対象財産は 社会福祉充実財産の算定上の計算ルールであり 実際上又は会計上の使途を限定するものではない ポイント3 計画の策定はあくまで社会福祉充実財産の使途を 見える化 するために行うもの 計画の内容は 地域の福祉ニーズを踏まえつつも 最終的には法人が自主的に判断 社会福祉充実財産は 収益事業を除き 職員処遇の改善や建物の建替など既存事業の充実又は新規事業の展開など 多様な使途に活用可能 ポイント4 計画は 原則 社会福祉充実財産の全額について 5 年で活用 ただし 合理的な理由がある場合には 計画期間の10 年までの延長が可能 ポイント5 所轄庁は 法人の自主性を最大限尊重し 計画が明らかに不合理な内容を伴うものでない限り 承認する ポイント6 計画は 社会福祉充実財産の増減など状況の変化に応じて 柔軟に変更が可能 9 9

控除対象財産 及び 社会福祉充実計画 について 控除対象財産とは 再投下対象財産 ( 社会福祉充実残額 ) の算定に当たり 事業継続に必要な財産 として 定量的に算定可能な 枠 を設定するもの 社会福祉法人の事業形態 財政状況は多様であり このルールにより算定された額 ( 枠 ) と実際に法人が保有している財産額は異なる 会計上のルールとは別の仕組み 社会福祉法人制度として事業継続に必要な財産を算定するルールを定めるものであり 会計基準の枠組みとは別のルールであることから 例えば 法人が将来の備えのために計上した積立資産 ( 積立金 ) であることもって自動的に控除対象財産とはならない ( 積立資産 ( 積立金 ) 計上はこれまでどおり可能 ) 社会福祉充実計画とは 控除対象財産を超えて社会福祉充実残額が生じた法人が 将来の事業計画を明らかにするために作成するもの 充実残額がない法人は計画作成不要 また 充実残額の使途は 収益事業を除き 社会福祉法人が行うことができるすべての事業に活用可能 法人の自主性を踏まえた計画作成 状況に応じ柔軟な計画変更が可能 所轄庁は 法令に規定される要件に適合する場合には 計画を承認することとされている 法人の財産の状況や将来の計画を 見える化 することにより 法人の説明責任が果たされる 法人の判断で 充実計画に基づく事業の充実拡大が可能であり 法人の自主性は尊重される 会計や税務上のルールとは別の基準として設定されるもの 10

平成 29 年度予算 ( 案 ) における 対応について 11

新 社会福祉法人による多様な福祉サービスの提供体制構築支援事業 事業目的 少子高齢化や核家族の進行など 社会環境の変化による国民の福祉ニーズの多様化 複雑化を踏まえ こうしたニーズに社会福祉法人が着実に対応し 地域の福祉サービスの一層の充実が図られるようにするとともに 社会福祉法人制度改革を踏まえ 法人の経営改革を推進するため 都道府県等を通じて 経営労務管理体制の強化 社会福祉充実計画に基づく事業の推進 地域ニーズを把握 共有するための 地域協議会 の立ち上げ等の取組に対して支援を行う ( 本事業は単年度限りの事業 ) 平成 29 年度予算額 ( 案 ) ( 目 ) 生活困窮者就労準備支援事業費等補助金の内数として 779,750 千円 ( 補助率 :1/2 相当の定額補助 ) 事業内容 国 都道府県 政令市 中核市 社会福祉法人に対する支援 小規模法人を対象とした経営労務管理体制の強化のための研修や社会福祉充実計画の策定に向けた相談支援の実施 法人間の人事交流や合同研修など 複数の法人の協働によるモデル的な取組の実施 会計監査人の設置による効果の検証等に関するモデル的な取組の実施 委託 補助可 管内市町村や社会福祉協議会 経営者協議会等 所轄庁( 自治体 ) に対する支援 地域の様々な福祉ニーズを把握し それらへの対応を関係者間で共有するなどのための 地域協議会 の立ち上げ支援 法人に対する指導監査の充実を図るための所轄庁職員向け研修の実施 その他社会福祉法人制度改革の円滑な施行に必要と認められる事業 自治体を始め 関係機関が連携し 社会福祉法人の経営基盤の強化とともに 多様な取組の立ち上げ支援を通じて 新たな福祉 介護人材の確保とその定着を図りつつ 地域の福祉サービスの充実を図る 12

社会福祉法人による多様な福祉サービスの提供体制構築支援事業の概要 1. 実施主体 (1) 一般事業 直接補助 : 都道府県 指定都市 中核市間接補助 : 一般市 社会福祉法人 都道府県 指定都市 中核市が行う場合は 社会福祉協議会等への事業の委託可 なお 都道府県においては 補助上限額 の範囲内で 一般市に代わり事業を実施又は一般市に対して間接補助を交付することも可能とする 一般市が行う場合は 都道府県を通じた間接補助 社会福祉法人が行う場合は 都道府県 指定都市 中核市を通じた間接補助 (2) 社会福祉法人会計監査人設置モデル事業 間接補助 : 社会福祉法人 都道府県 指定都市 中核市を通じた間接補助 (3) 地域の介護等事業者の経営管理連携推進モデル事業 直接補助 : 都道府県 指定都市 中核市 市区町村間接補助 : 介護等事業所 介護等事業所が行う場合は 都道府県 指定都市 中核市 市区町村を通じた間接補助 13