スマートフォンの普及とマーケティングの関連性 株式会社オロコミュニケーションデザイン事業本部
目次 携帯電話とスマートフォンの違い スマートフォンの特長 スマートフォンの普及 スマートフォンの利用ユーザー スマートフォンの普及によるマーケティングの変化 スマートフォンの普及によるマーケティングの可能性 スマートフォンの普及によるマーケティングの留意点 スマートフォンの普及によるマーケティングの懸念 まとめ
携帯電話とスマートフォンの違い 日本国内における携帯電話は高機能化されているため スマートフォンとの境界が曖昧になりつつある まず本レポートにおける 携帯電話とスマートフォンの違いを定義する (1) 携帯電話は 携帯電話専用のブラウザとパソコンのインターネットブラウザが搭載されているのに対し スマートフォンはインターネットブラウザが初期状態では 1 つしか搭載されていない (2) 日本国内における携帯電話の OS は技術情報が非公開でありカスマイズがほぼ不可能であるのに対し スマートフォンは プラットフォームや OS がオープンであるため アプリケーション開発やアプリケーションのインストールも可能である つまりスマートフォンは パソコンのようにカスタマイズの自由度が高い高機能携帯電話である
スマートフォンの特長 スマートフォンの特長をまとめると以下のとおりである カスタマイズ性 パソコンのようにインターネットからアプリケーションをダウンロードしてインストールすることができる また 購入後でも機能を追加することができ 自分好みにカスタマイズできる アプリケーションの自由度 オープンプラットフォームの場合 開発者が独自にアプリケーション開発を行いインターネット上に公開することもできる iphone アプリを開発する場合 Apple Inc. の App Store に登録が必要と同時に開発ライセンスを取得しなければいけない iphone は Apple Inc. の商標です
スマートフォンの普及 iphone の発売と同時に日本でもスマートフォンが普及しはじめた そのシェアはモバイル全体の 1 割にも満たない状況であるが Twitter をはじめとしたソーシャルメディアの人気とともに スマートフォンの利用者数は右肩上がりである ひと昔前までは ビジネスマンのスケジュール管理やドキュメント作成 閲覧ツールとしての役割を果たしていたスマートフォンも今ではアプリケーションの多様化とエンターテイメント化によりビジネスツール以外の目的で利用されるようになっている スマートフォンが普及した理由をいくつか列挙する パソコンのようにアプリケーションをインストールすることができること 自分好みの携帯端末にカスタマイズすることができること 通信回線速度が高速化されたことによる PCサイト閲覧需要の増加したこと 動画閲覧需要など
スマートフォンの普及 2010 年 9 月末時点での携帯電話契約数は 1 億 1540 万件であり 左図を見るとスマートフォンのシェアはまだ 1 割にも満たない状況であることが分かる 携帯電話契約数の出典元 : ITmedia+D モバイル スマートフォン販売台数 契約数の推移 予測 MM 総研調べ
スマートフォンの普及 日本の携帯電話はすでに高機能であり スマートフォンでなくても同じような機能がはじめから付いている 携帯電話ならではの おサイフケータイ ワンセグ放送 等の機能がスマートフォンで実現された時 携帯電話からスマートフォンへの乗り換えが増えることが予想される そうなると スマートフォンの普及も今以上に加速するだろう スマートフォンの普及とともにビジネスチャンスも創出されていることは事実であり 今後の普及を考えると インターネット広告や E コマースなどは まだまだ成長可能な分野である おサイフケータイ は株式会社 NTT ドコモの登録商標です
スマートフォンマーケティング スマートフォンの普及により スマートフォンを用いたマーケティングが活発になっているが マーケティングにどのような変化が起きているか次のページで説明する
スマートフォンの普及によるマーケティングの変化 スマートフォンの普及とスマートフォン向けのアプリの普及により マーケティングの手法が新たに構築された リアルタイム性 利便性 他メディアメディア連動 現在のスマートフォンは あらゆるアプリをインストールすることで様々なアプリをひとつのツール上で操れるようになり またタッチパネルによる操作が一般的となり操作性が向上された スマートフォン向けのアプリは 独自開発が可能であるため 企業 開発者がより便利なモノを提供しようと競争意識が生まれている 競争意識から アプリ自体の利便性も向上されている また同じ機能を持つアプリでも複数あるため ユーザーは自分が使いやすいアプリを選択することができる 利便性は非常に高い 手軽にスマートフォンから情報を Post することができるため TV やラジオ インターネット放送の生中継とも非常に相性が良い
スマートフォンの普及によるマーケティングの可能性 GPS 機能を使用したクーポンの配布で 積極的なエリアマーケティングも可能となる スマートフォン自体がゲームとの相性もよく 例えば iphone には 名前のとおり加速度を計測する 加速度センサー や角度や角速度を検出する 3 軸ジャイロスコープ が搭載されていて従来よりゲームの表現も広がった ゲームの表現方法が広がったことで 新しい表現のゲームを試すユーザーもいる ゲームと広告の連動もプロモーション手段として多いに期待できると考える 推測 予測の話だが スマートフォンを専用端末にかざして アプリの自動インストールができる時代も来るかもしれない 街中で簡単にアプリをインストールできるようになるとマーケティングのアプローチ手法にも影響を及ぼすと考える
スマートフォンの普及によるマーケティングの可能性 現在の携帯サイトに表示されている広告の多くは 静止画バナー GIF アニメーションバナー テキスト広告であり PC サイトに掲載されている広告と比較すると表現力が乏しい そのため 目にとまらないことも多々あると思われる しかし スマートフォンの普及により広告の表現方法が大きく変わるであろう 2010 年 7 月にリリースされたアップルの iad では リッチな表現が可能である iad プラットフォームは HTML5 を採用していることもあり 動画や音声などを含むコンテンツを広告として埋め込むことが可能である ブランディングを強化したい企業にとっては プラスの材料になる これまで見向きもされなかった広告は リッチな広告を提供することでユーザーの関心度を向上させることもできる
スマートフォンの普及によるマーケティングの可能性 リッチコンテンツによる表現力 擬似体験購買意欲をわかせる GPS 連携のエリアマーケティング クーポン発行 1 度だけ利用してもらうのではなくリピートしてもらう ブランド切替の阻止 ゲームと連動した広告 無関心層の獲得およびアプローチ インタラクティブ広告 認知度のアップこれまでの携帯電話広告携帯電話広告とのとの違いはいは 表現表現の幅!
スマートフォンの普及によるマーケティングの留意点 はじめにも記載したとおり スマートフォンのシェアはまだ 1 割にも届いていない その理由の 1 つとして スマートフォンには現在の携帯電話の機能がまだ備わっていないことが挙げられる そのため 携帯電話 + スマートフォンと 2 台持ちのユーザーが存在する 最近では あたかもスマートフォンが物凄い勢いで普及しているように思われがちだが 携帯電話のシェアには全然及ばない つまり スマートフォンの普及でマーケティングの幅は広がっているが 携帯電話におけるマーケティングを決して度外視してはいけない スマートフォンユーザーに 他の携帯電話端末を併用しているかどうか調査したところ 全体の約 8 割のユーザーが 併用している ( 複数台持ち ) ことがわかった 併用している携帯電話端末のキャリア別内訳としては docomoの携帯電話を併用しているユーザーが38.7% auの携帯電話を併用しているユーザーが 28.3% Softbankの携帯電話を併用しているユーザーガが 14.5% となっている ( スマートフォン所有者対象 N=385) MMD 研究所調べ
スマートフォンの普及によるマーケティングの懸念 スマートフォンのマーケティングの可能性について記載してきたが 懸念についても触れておく 現在 広告には様々な種類がある ( 新聞広告 中吊り広告 雑誌広告 ラジオ広告 TV 広告 インターネット広告など ) メディアが増加するたびに広告の種類も増加することは必然的であり ターゲットや時代にあわせ メディアを選択しなければならない 現在ではインターネット広告の需要が以前より増加している 今後は 広告を出稿する場合 どのメディアに出稿 掲載するのか よく検討する必要がある また次から次へ新しいメディアが登場する現在 新しいプラットフォームや技術についても常にアンテナを張り 理解しておく必要がある
まとめ スマートフォン向けのアプリケーションの多様化 エンターテイメント化により 今後のスマートフォン市場ではコンテンツが増加していく見込みは十分に考えられる 故に プロモーションのニーズも益々高くなっていくことが予想される
参考 : スマートフォンと広告 スマートフォンの普及でモバイル広告業界も賑やかになってきた iphone iphone アプリの普及で Apple が独自のモバイル広告プラットフォーム iad を 2010 年 7 月にスタートさせた アメリカのモバイル広告の分野でシェア No.1 の座にいる Google を追撃する形となった 諸説では 2010 年末には Google のシェアと iad のシェアが並ぶと見られている Apple と Google は スマートフォンの普及により激しい地位争いを繰り広げていくであろう iad は Apple Inc. の商標です
参考 : スマートフォンマーケティング スマートフォンの使い方 (n= 2084) スマートフォン保有者ベース 上位 10 項目までを表示 出典元 : 日経 BP コンサルティング
参考 : スマートフォンマーケティング スマートフォン購入時の重視点 (n= 2084) スマートフォン保有者ベース 上位 10 項目までを表示 出典元 : 日経 BP コンサルティング
参考 : スマートフォンマーケティング 図 スマートフォン保有率 職業 総回答数 スマートフォン保有数 保有率 公務員 1152 257 22.3% 会社員 14249 1209 8.5% 経営者 役員 276 44 15.9% 自営業 1803 147 8.2% 主婦 主夫 5869 286 4.9% ハ ート アルハ イト 8509 475 5.6% 無職 求職中 3459 206 6.0% 社会人その他 1163 76 6.5% 大学 短大生 3963 288 7.3% 専門学生 919 91 9.9% 高校生 4592 584 12.7% 中学生 626 101 16.1% 学生その他 503 93 18.5% 合計 47083 3857 8.2% スマートフォン保有者ベース 上位 10 項目までを表示 出典元 : モッピーラボスマートフォン利用実態調査 -> http://pc.moppy.jp/lab/archives/225 情報掲載日 :2010 年 9 月 22 日