中間指針第四次追補に関するQ&A集

Similar documents
(審40)資料3 原子力損害賠償のお支払い状況等

「東京電力株式会社福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する中間指針第二次追補(政府による避難区域等の見直し等に係る損害について)」

1. 避難指示区域の考え方 ( ア ) 固定資産税評価額に補正係数をかけて事故前価値を算定する方法 1. 当該不動産が新築であると仮定した場合の時価相当額を算定する 2. A) まず 事故前の固定資産税評価額を元に経年減点補正率 ( 減価償却分 ) を割り戻して 当該建物の新築時点での固定資産税評価

平成 24 年 11 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁福島県大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 全世帯主 ( 分散避難している場合は それぞれの代表者 ) 5,378 世帯 2. 調査時期 : 平成 24 年 9 月 7 日 ( 金 )~9 月 24 日 ( 月 )

平成 30 年 3 月 6 日 大熊町住民意向調査調査結果 ( 速報版 ) 復興庁 福島県 大熊町 調査の概要 1. 調査対象 : 世帯の代表者 (5,218 世帯 ) 2. 調査時期 : 平成 30 年 1 月 4 日 ~1 月 18 日 3. 調査方法 : 郵送配布 郵送回収 4. 回答者数 :

PowerPoint プレゼンテーション

(審31)資料5-1 住民意向調査の結果及び住民帰還等に向けた取組について

<4D F736F F D B4C8ED294AD955C8E9197BF816988C4816A817A C55F936391BA8E738F5A96AF88D38CFC92B28DB892B28DB88C8B89CA817991AC95F194C5817A2E646F6378>

特別事業計画の変更の認定について

(審36)参考1 モデル世帯における原子力損害に係る損害賠償額

原子力損害賠償の進捗状況について < 原子力損害賠償のご請求 お支払い等実績 > ご請求について 個人 年 7 月 13 日現在 法人 個人事業主など ご請求書受付件数 ( 延べ件数 ) 約 2,375,000 件約 481,000 件 本賠償の状況について 本賠償の件数 ( 延べ件数

新しい賠償基準について

新しい賠償基準について

地域の自主性及び自立性を高めるための改革の推進を図るための関係法律の整備に関する法律(第7次地方分権一括法)の概要

避難状況 1. 避難先自治体 いわき市相馬市南相馬市 福島市 郡山市 会津若松市白河市 福島県内のの市町村 福島県外 n = 1, 現在の住居形態 応急仮設住宅 ( プレハブ型 無償 ) 応急仮設住宅

( 例 2) 特定被災区域にある住家と区域外にある住家を行き来して生活しており 特定被災区域の家が被災したが 住民票は区域外にある場合 公共料金の支払等により生活実態が確認されれば対象として差し支えない ( 例 3) 学生で特定被災区域外に居住している ( 区域外に住民票 ) が 特例により 特定被

復興大臣 竹下亘様 要望書 平成 27 年 1 月 29 日 福島県南相馬市長桜井勝延

平成 31 年度 税制改正の概要 平成 30 年 12 月 復興庁

<4D F736F F D DB8CAF97BF8CB896C68B4B91A B6>

金融実務等との関係 に関する質問 9~12 ページ Q16: 買取指針に従って債権を買い取られた金融機関の税務上の取扱いは どうなりますか? Q17: 再生支援の申込にあたって 支援機構が関与し 被災事業者の有する資産及び負債について デューデリジェンスを行って策定する詳細な事業再生計画に基づき 金

Q&A 〇税制度 Q1 生産緑地地区の指定を受けると 固定資産税は農地評価と聞いていますが 都市計画税はどうでしょうか A1 固定資産税 都市計画税が農地評価 農地課税となります Q2 主たる従事者の死亡や故障等により 生産緑地地区の指定から 30 年経過せずに指定が解除された場合 固定資産税を遡っ

福島復興再生特別措置法の一部を改正する法律 について <1. 特定復興再生拠点区域の復興及び再生を推進するための計画制度の創設 > 従来 帰還困難区域は 将来にわたって居住を制限することを原則とした区域 として設定 平成 29 年 5 月復興庁 地元からの要望や与党からの提言を踏まえ 1 帰還困難区

原子力損害賠償の実施状況

東京電力(株)福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第二次指針

原発被災自治体の今後の財政と町民町税等の負担 伊藤久雄 ( 認定 NPO 法人まちぽっと理事 ) 東日本大震から はや 8 年 執拗な国や福島県の帰還政策のもとでも 容易に帰還はすすまない 帰還政策の帰趨は 帰還した人々 帰還しなかった ( できなかった ) 人びとの生活基盤と それぞれの市町村財政

別紙 14 Q A Q A

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を


(審42)参考 福島県内の宅地の調査

復興 5 年間の現状と課題 ( 概要 ) 復興期間 10 年の折り返し平成 23~27 年度 集中復興期間 平成 28~32 年度 復興 創生期間 インフラ復旧は概ね終了 住宅の再建が最盛期 被災者の心身のケアや 産業の再生が重要 福島においては 順次 避難指示を解除 住民の帰還に向けた環境整備を進

所得税関係 ( 住宅ローン控除の特例 ) の改正 ⑵ 震災税特法の制度 ( 適用期間の特例 ) の概要東日本大震災によって被害を受けたことにより 住宅ローン税額控除の適用を受けていた家屋 ( 以下 従前家屋等 といいます ) を居住の用に供することができなくなった居住者については その居住の用に供す

資料 4 平成 29 年 1 月 27 日記者会見 土地区画整理事業に関する土地利活用意向調査の実施結果について 復興推進本部都市整備推進室 1 土地利活用意向調査の目的 市内 4 地区の土地区画整理事業は 平成 29 年度末を目標に全ての宅地引渡しが完了できるよう鋭意工事を進めております 地権者へ

(審47)参考2 福島県内の宅地の調査

住宅を新築する場合の支援制度 1 被災者生活再建支援金 ( 加算支援金 ) 自然災害 ( 津波 地震 ) により 住宅が全壊 半壊解体した世帯 又は長期避難世帯が 新しい住宅を建設 購入する場合に支給されます 支給額 : 最大 200 万円 複数世帯 :200 万円 単身世帯 150 万円 申請期限

<4D F736F F D E835E B82CD BD90AC E8C46967B926E906B82C982E682E98DD08A518CA995918BE082CC8E788B8B939982C982C282A282C EA95948EE688B582A282F089FC92E882B582DC82B582BD

先方へ最終稿提出0428.indd

2 賠償までのまでの流れ 方法 1 はじめに東電に対し賠償賠償を求めるめるためのための 主な方法方法としてはとしては 次の 3 つの手続が考えられるえられる 自主避難者にも一定の配慮 2 被害者よりより東電東電に対するする請求 ⅰ 東電に対するする補償金請求書補償金請求書によるによる請求 ( 別紙

< F2D D8791CC817995D28F578CE B38CEB94BD8966>

<4D F736F F F696E74202D20332E8CFA90B6984A93AD8FC E18F8A93BE8D8297EE8ED293998F5A82DC82A B68A888E B8E968BC682CC8D6C82A695FB B8CDD8AB B83685D>

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

別紙2

私立幼稚園の新制度への円滑移行について

ご注意 ( 個人向け ) 補修の場合で 元金据置期間を設定するときは 返済期間の欄の年数から 1 年を引いた年数の返済額をご覧ください ( 例 ) 返済期間 20 年据置期間 1 年 20 年 - 1 年 = 19 年 返済期間 19 年の返済額をご覧ください < 個人向け> 災害復興住宅融資 10

<4D F736F F D B A815B836782CC8A C98C5782E9834B C4>

発鳥共第  号

災害公営住宅藤が原アパート入居者募集 ( 随時募集 ) 災害公営住宅入居者募集について 県営藤が原アパート5 号棟は, 東日本大震災により住宅を失った方のための公営住宅 ( 賃貸住宅 ) です 現在, 入居者を随時募集しています 申込書類を提出された方を先着順で受付しておりますので, どうぞお気軽に

事務連絡平成 23 年 6 月 1 日 都道府県民生主管部 ( 局 ) 国民健康保険主管課 ( 部 ) 都道府県総務主管部 ( 局 ) 市区町村主管課 御中 厚生労働省保険局国民健康保険課総務省自治税務局市町村税課 東日本大震災により被災した被保険者に係る国民健康保険料 ( 税 ) の減免に対する財

この特例は居住期間が短期間でも その家屋がその人の日常の生活状況などから 生活の本拠として居住しているものであれば適用が受けられます ただし 次のような場合には 適用はありません 1 居住用財産の特例の適用を受けるためのみの目的で入居した場合 2 自己の居住用家屋の新築期間中や改築期間中だけの仮住い

< FD896BE8F91976C8EAE2E786C73>

表紙

だ証明書の様式になっております 建物所在証明書 の様式は, 当ホームページからダウンロードすることができます Q3 警戒区域設定指示等の対象区域 特定避難勧奨地点に所在する建物の被災代替建物を取得する場合, 震災特例法の免税措置が受けられますか 特定避難勧奨地点 は, 警戒区域設定指示等の対象区域に

(審44)参考2  福島県内の宅地の調査

(3) 権利か 時効により消滅していることはありますか (4) 今回の追加給付はいつまて に手続を行えは 良いて しょうか Q11 なせ 支払いまて にそれほと の時間を要するのて しょうか 2 < 個人向け Q&A> 毎月勤労統計において全数調査をするとしていたところを一部抽出調査て 行って Q1

<4D F736F F D BC696B195F18F568AEE8F808CA992BC82B582C982C282A282C42E646F63>

内に 耐火建築物以外の建物についてはその購入の日以前 20 年以内に建築されたものであること 地震に対する安全上必要な構造方法に関する技術的基準又はこれに準ずるものに適合する一定の中古住宅 を 平成 17 年 4 月 1 日以降に取得した場合には 築年数に関係なく適用が受けられます (56ページ 一

老発第    第 号

ら退去を迫られやむを得ず転居したのであるから本件転居費用について保護費が支給されるべきであると主張して 本件処分の取消しを求めている 2 処分庁の主張 (1) 生活保護問答集について ( 平成 21 年 3 月 31 日厚生労働省社会援護局保護課長事務連絡 以下 問答集 という ) の問 13の2の

「福島第一、第二原子力発電所事故による原子力損害の範囲の判定等に関する第一次指針」

大谷周辺地区 及び 役場周辺地区 地区計画について 木原市街地 国道 125 号バイパス 役場周辺地区 (43.7ha) 美駒市街地 大谷周辺地区 (11.8ha) 地区計画の概要 地区計画とは住民の身近な生活空間である地区や街区を対象とする都市計画で, 道路や公園などの公共施設の配置や, 建築物の


資料2

【事務連絡】「高額療養費制度の見直しに関するQ&A」の送付について

の両方を提出する必要がある 問 3 還付額は 領収証に記載されている金額を還付するのか それともレセプト情報から自己負担分を計算するのか 領収証により保険診療に係る一部負担金の額を確認して還付する 問 4 領収証の紛失 または医療機関等の全壊等により 対象の被保険者が負担した一部負担金の額の確認が取

1. 固定資産税 都市計画税について 固定資産税は 毎年 1 月 1 日 ( 賦課期日 といいます ) 現在に土地 家屋 償却資産 ( こ れらを総称して 固定資産 といいます ) を所有している人が その固定資産の所在する 市町村に納める税金です 都市計画税は 下水道 街路 公園などの都市計画事業

宅地の補修工事に関する費用の貸付 被害建物に関する相談窓口 応急仮設住宅の提供 被災者生活再建支援金 住宅の応急修理制度 住宅の補修工事に関する費用の貸付 ( り災証明書の提出が必要です ) 被災家屋等

<4D F736F F F696E74202D2093FA967B93738E738C7689E68A7789EF A95F18D A2E >

参考資料 国道 6 号及び県道 36 号に関する帰還困難区域の特別通過交通制度の運用変更について : 通行証確認が不要となるルート : 引き続き通行証確認が必要なルート : 帰還困難区域

相続財産の評価P64~75

< F2D816994D48D FA957493FC816A >

目次 はじめに P1 1. 避難指示の解除と帰還に向けた取組を拡充する P3 (1) 帰還に向けた安全 安心対策 (2) 復興の動きと連携した除染の推進等 (3) 福島再生加速化交付金を活用した帰還支援の着実な実施 (4) 避難指示解除の見通しの提示とそれに向けた環境整備の加速 (5) 帰還のための

規制改革会議公開ディスカッション 資料2-1

部分供給については 例えば 以下の3パターンが考えられる ( 別紙 1 参照 ) パターン1: 区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ( 又は他の小売電気事業者 ) が一定量のベース供給を行い 他の小売電気事業者 ( 又は区域において一般電気事業者であった小売電気事業者 ) がを行う供給

参考 生活支援制度 と り災証明書に記載された住家の被害程度 の対応表 ( 目安 ) この表は 生活支援制度 と り災証明書に記載された住家の被害程度 との対応について 目安として作成したものです 各支援制度の詳細な適用条件については 3 生活支援制度一覧 (P.5~) に記載している各制度の お問

避難指示解除と帰還に向けた取組 1 田村市 平成26年4月1日 避難指示解除準備区域を解除 避難指示解除から約2年が経過し 解除後の転入等も含めて人口の61 世帯の69 注1 の方が居住 20km圏内 平成28年2月末時点 コミュニティの再生支援等 復興に向けた取組を継続中 避難指示区域の概念図 注

農地中間管理機構 ( 仮称 ) の制度の骨格 ( 案 ) 資料 農地中間管理機構の指定都道府県のコントロールの下に適切に構造改革 生産コスト引下げを推進するため 都道府県段階に設置する 1 都道府県知事は 農地中間管理事業を公平かつ適正に行うことができる法人 ( 地方公共団体の第 3セク

PowerPoint プレゼンテーション

0マ

年 1 1 月 2 9 日東京電力ホールテ ィンク ス株式会社福島復興本社 福島復興本社における賠償 除染 復興推進に関する取り組み状況 ~ 福島復興への責任を果たすために ~ トピックス福島県産品購入促進に関する取り組み 1 原子力損害賠償の進捗状況 2 ~ 4 除染等推進活動状況

#210★祝7500【H30税法対策】「登録免許税ほか」優先暗記30【宅建動画の渋谷会】佐伯竜PDF

13. 平成 29 年 4 月に中古住宅とその敷地を取得した場合 当該敷地の取得に係る不動産取得税の税額から 1/2 に相当する額が減額される 14. 家屋の改築により家屋の取得とみなされた場合 当該改築により増加した価格を課税標準として不動産 取得税が課税される 15. 不動産取得税は 相続 贈与

PowerPoint プレゼンテーション

名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

建替えに係る現行の法令 施策 2 区分所有法の概要 区分所有法は民法の特別法として マンションを含む区分所有建築物の所有関係や 建物及びその敷地の共同管理について規定 同法は 建替えの意思決定方法についても規定 主な規定内容 独立した専有部分は 単独所有できる その他の共用部分は 区分所有者全員の共

Microsoft Word - 3

2. 相談 29

表紙1_4

Microsoft Word - 第58号 二世帯住宅の敷地にかかる小規模宅地等の特例

<4D F736F F F696E74202D E81798E9197BF A914F89F182CC8CE48E E968D8082C982C282A282C42E >

<4D F736F F F696E74202D D A A95BD90AC E C8E5A82CC837C AB93EA817B959C8BBB817B8A4

2

Microsoft Word - ‰L”Òfl�Ł\”‚Š¿.doc

(審35)資料1-2 宅地・建物賠償について

<4D F736F F D208D8096DA955C8E E788B8B8C8892E88AEE8F80816A2E646F63>

スライド 1

従って IFRSにおいては これらの減価償却計算の構成要素について どこまで どのように厳密に見積りを行うかについて下記の 減価償却とIFRS についての説明で述べるような論点が生じます なお 無形固定資産の償却については 日本基準では一般に税法に準拠して定額法によることが多いですが IFRSにおい

スライド 1

技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 資料第 1 号 原子力発電所の 事故リスクコスト試算の考え方 原子力発電 核燃料サイクル技術等検討小委員会 ( 第 2 回 ) 平成 23 年 10 月 13 日 内閣府原子力政策担当室

目次中の赤字は変更があった項目 < 目次 > 1. 新 総合特別事業計画... 3 (1) 今回の改訂の趣旨... 3 (2) 新 総合特別事業計画 (2014 年 1 月 ) 策定の趣旨... 3 (3) 総合特別事業計画 (2012 年 5 月 )... 3 (4) 総合特別事業計画策定後の事業

<4D F736F F D A6D92E894C581458E7B8D7393FA A956C8FBC8E738FE18A518ED293FC89408E9E E A B E E968BC68EC08E7B97768D6A2E646F63>

上乗部分Q1. 基金制度のどの給付区分が分配金の対象となるのか A1 基金の給付区分は 国の厚生年金の一部を代行している 代行部分 と 基金独自の 上乗部分 から構成されています 代行部分は 解散により国に返還され 解散後は国から年金が支給されますので 分配金の対象となるのは基金独自の上乗部分となり

Transcription:

中間指針第四次追補に関する Q&A 集目次 1. 総論 問 1. 中間指針第四次追補の位置付けと内容について 2. 支払手続等 問 2. 中間指針第四次追補で示された損害賠償の支払いを受けたい場合には どこに連絡をすればよいのか 3. 避難費用 精神的損害 問 3. 精神的損害に係る賠償が一括で加算される区域の考え方について なぜ 帰還困難区域に限ったのか なぜ 大熊町と双葉町は 居住制限区域及び避難指示解除準備区域も対象になるのか 問 4. 精神的損害に係る一括賠償の金額の考え方について なぜ 平成 26 年 3 月以降の賠償金を控除するのか 問 5. 避難指示区域内において 精神的損害が一括賠償の対象とならない場合には どのような賠償となるのか 問 6. 避難費用の終期の考え方について なぜ 賠償される期間が 相当期間 経過後ではなく 転居する時期まで とされるのか 問 7. 避難費用は 合理的な時期まで とされているが 災害公営住宅の整備が遅れた場合には 事故後 6 年後以降も避難費用の賠償は続くのか 問 8. なぜ 相当期間として具体的な期間を定める必要があるのか 問 9. なぜ 相当期間は1 年なのか 1

4. 住居の確保に係る損害 問 10. 住宅の追加賠償についての具体的な考え方について なぜ 新築価値と事故前価値との差額の75% という水準となるのか 問 11. 平均的な宅地面積及び宅地単価の算定にあたって 6 都市 ( 福島市 会津若松市 郡山市 いわき市 二本松市 南相馬市 ) を選んだ理由は 問 12. 住宅及び宅地について 賠償の対象となる 居住部分 はどのように判定するのか 問 13. 移住等をすることが合理的であると認められる者 とは 具体的にどういう者か 問 14. 移住等をすることが合理的であると認められる者 には 精神的損害の一括賠償はあるのか 問 15. 今回の指針が決まる前に既に移住先を見つけ住居を購入した場合には 住居確保に係る賠償は受けられるのか 問 16. 移住のために必要な賠償を受け取った者が 将来帰還した場合には 従前の住居の修繕 建替え費用等は賠償されるのか 問 17. 修繕又は建替えが 必要かつ合理的 と認められるのはどのような場合か 問 18. 借家に住んでいた者について 家賃の差額の8 年分が賠償対象となるのはなぜか 礼金以外に賠償の対象となるものはあるのか 問 19. 費用の発生の蓋然性が高いと客観的に認められる場合には 事前に概算で請求できるとしたのはなぜか 5. その他 問 20. 早期帰還賠償があると聞いたが 具体的にはどのようなものか 問 21. 今後 新たな指針を策定する予定はあるのか 2

1. 総論 問 1. 中間指針第四次追補の位置付けと内容について 1. 中間指針第四次追補は 避難指示区域の状況を踏まえ これまでに示された指針に加え 移住や帰還等に伴う住居の確保のために要する費用のうち賠償の対象となる範囲 精神的損害及び避難費用について 避難指示が長期化した場合に賠償の対象となる範囲や避難指示解除後に賠償の対象となる具体的な期間が示されたものです 2. なお 指針で示されなかったものが直ちに賠償の対象とならないというものではなく 個別具体的な事情に応じて相当因果関係のある損害と認められるものは 指針で示されていないものも賠償の対象となります 3

2. 支払手続等 問 2. 中間指針第四次追補で示された損害賠償の支払いを受けたい場合には どこに連絡をすればよいのか 1. 中間指針第四次追補の決定を受けて 東京電力株式会社は 賠償金支払い体制の整備を含めて対応することになると認識しています 詳細については 今後 東京電力株式会社から発表される内容をご確認ください 2. なお 賠償金の支払いに関するお問い合わせについては 東京電力株式会社原子力補償相談室 までご連絡ください 東京電力株式会社福島原子力補償相談室電話 0120-926-404 受付時間 9:00~21:00 4

3. 避難費用 精神的損害 問 3. 精神的損害に係る賠償が一括で加算される区域の考え方について なぜ 帰還困難区域に限ったのか なぜ 大熊町と双葉町は 居住制限区域及び避難指示解除準備区域も対象になるのか 1. 中間指針第四次追補では 避難指示の長期化に伴う精神的損害について 依然として立入りが制限され 本格的な除染 インフラ復旧計画がなく 避難指示解除及び帰還の見通しが立っていない状況の中で 被害者の方々に早期に生活再建を図っていただくためには 見通しのつかない避難指示解除の時期に依存しない賠償が必要と考えられることから 帰還困難区域の方々に対し 精神的損害に係る賠償を一括で加算するとしています 2. 大熊町と双葉町は 町の大半が帰還困難区域であり 人口 主要インフラ及び生活関連サービスの拠点が帰還困難区域に集中していることから 帰還困難区域以外でも 帰還困難区域の避難指示が解除されない限り住民の帰還は困難であると認められるため 一括で加算する賠償の対象としています 5

問 4. 精神的損害に係る一括賠償の金額の考え方について なぜ 平成 26 年 3 月以降の賠償金を控除するのか 1. 中間指針第四次追補では 避難指示区域の第 3 期 ( 避難指示区域見直し時点から終期まで ) において賠償すべき精神的損害として 長年住み慣れた住居及び地域が見通しのつかない長期間にわたって帰還不能となり そこでの生活の断念を余儀なくされた精神的苦痛等 に対して 1,0 00 万円を一括して賠償するとしています 2. また 中間指針第二次追補において 帰還困難区域では 5 年分の避難に伴う慰謝料を一律に算定しています このうち 平成 26 年 3 月 ( 中間指針第四次追補を受けて東京電力株式会社に対する損害賠償請求が可能になると見込まれる時期 ) 以降に相当する部分は 上記の一括賠償に包含されると考えられるため その分を加算額から控除するとしています 3. 具体的には 従前の一括賠償の始期が平成 24 年 6 月だった場合は 中間指針第二次追補で示した慰謝料のうち平成 26 年 3 月以降に相当する額を 300 万円とし 第 3 期において実際に賠償すべき精神的損害の損害額については 1,000 万円から 300 万円を控除して 700 万円としています 6

問 5. 避難指示区域内において 精神的損害が一括賠償の対象とならない場合には どのような賠償となるのか 1. 中間指針第四次追補では 精神的損害の一括賠償の対象とならない地域に居住していた方については 精神的損害として引き続き一人月額 10 万円を賠償するとしています 2. この場合の損害額は 避難指示解除までの期間が長期化した場合には 賠償の対象となる期間に応じて増加しますが その場合 最大でも一括賠償の対象となる方の損害額の合計額までを概ねの目安としています 7

問 6. 避難費用の終期の考え方について なぜ 賠償される期間が 相当期間 経過後ではなく 転居する時期まで とされるのか 1. 移住又は長期避難のための住居確保に係る損害の賠償を受ける方は 避難指示の解除を待たずに他所に転居することが考えられます このため中間指針第四次追補では 避難費用の終期について 従前の住居がある地域の避難指示の解除時期にかかわらず 実態として避難状態が終了したと見なされる 転居する時期まで としています 2. また 新たな住居に転居しない限り避難費用の賠償が継続するというわけではなく 賠償の対象となる期間は 合理的な時期まで としています 8

問 7. 避難費用は 合理的な時期まで とされているが 災害公営住宅の整備が遅れた場合には 事故後 6 年後以降も避難費用の賠償は続くのか 中間指針第四次追補では 合理的な時期 とは 例えば 原発避難者向け災害公営住宅の整備が進捗し 希望者が当該住宅に転居することが可能になると想定される事故後 6 年後までを目安とすることが考えられるとしていますが 仮に災害公営住宅の整備が遅れる等の状況の変化があれば 事故後 6 年後以降も避難費用の賠償が続く可能性はあります 9

問 8. なぜ 相当期間として具体的な期間を定める必要があるのか 1. 中間指針第二次追補では 避難指示区域は 現時点で実際に解除された区域がないこと等から 少なくとも現時点で具体的な相当期間を示すことは困難 とされ 今後の状況を踏まえて判断されるべきものであるとしていました 2. 今般 解除時期の具体的な検討が開始された地域があり また 原子力損害賠償紛争審査会に対し 被災自治体より 避難指示解除後の 相当期間 を指針で定めてほしいとの要請がありました 3. このため 原子力損害賠償紛争審査会では 今回の中間指針第四次追補において 相当期間の目安となる具体的な期間について示したところです 10

問 9. なぜ 相当期間は 1 年なのか 1. 相当期間の目安 ( 期間 ) を決定するに当たっては 主に以下のことが考慮されました 1 避難生活が長期にわたり 帰還するには相応の準備期間が必要であること 2 学校の新学期など 生活の節目となる時期に帰還できることが合理的であること 3 避難指示の解除は 原子力災害対策本部の決定に基づき 日常生活に必須なインフラや生活関連サービスが概ね復旧し 子供の生活環境を中心とする除染作業の十分な進捗を考慮し 被災自治体及び住民と十分な協議を踏まえた上で 避難指示の解除がなされること 4 こうした住民との協議により 住民としても解除時期を予想して避難指示解除前からある程度 帰還のための準備を行うことが可能であること 2. こうした点を踏まえ 目安となる期間については 特に 個々の避難者によってその節目となる時期が様々であり こうした節目の時期を含み得る期間とすることが適当と考えられ また 避難指示解除が検討されている区域の現状も考慮した上で 1 年間と示されました 3. なお中間指針第四次追補では この 1 年間 という期間は当面の目安として示すものであり 今後 避難指示解除の状況が異なるなど状況に変更が生じた場合は 実際の状況を勘案して柔軟に判断していくことが適当であるとしています また 相当期間経過後も賠償の対象となる 特段の事情がある場合 についても 個別具体的な事情に応じて柔軟に判断することが適当であるとしています 11

4. 住居の確保に係る損害 問 10. 住宅の追加賠償についての具体的な考え方について なぜ 新築価値と事故前価値との差額の 75% という水準となるのか 1. 原子力損害賠償紛争審査会において 公共用地取得の際の補償 ( 築 48 年の木造建築物であっても新築時点相当の価値の 5 割程度 ) を上回る水準が適当であるとの方向で検討がなされ 新築価値と事故前価値との差額の 75% ということになりました 2. 現行の東京電力株式会社の賠償では 築年数が 48 年を超える木造住宅の場合 事故前価値が新築価格の 2 割程度となってしまいますが それを超えて負担した住宅の取得や修繕等に係る費用について 最大で新築価格の 8 割までの必要かつ合理的な範囲の賠償を受けることが可能になります 12

問 11. 平均的な宅地面積及び宅地単価の算定にあたって 6 都市 ( 福島市 会津若松市 郡山市 いわき市 二本松市 南相馬市 ) を選んだ理由は 復興庁がとりまとめた 平成 24 年度原子力被災自治体における住民意向調査報告書 を参考にし 避難生活を送る場として希望する市町村 及び 災害公営住宅への入居意向のある世帯が避難生活を送る場として希望する市町村 の上位 5 都市ずつが採用されたものです 13

問 12. 住宅及び宅地について 賠償の対象となる 居住部分 はどのように判定するのか 1. 住居の確保に係る損害については 安定的な住居場所確保の重要性に鑑み 賠償すべき損害と認められるものであるため 居住の用に供しない部分の建物等については その対象とはなりません 2. 実際の居住部分の判定については まずは東京電力株式会社が行うことになりますが その際 東京電力株式会社においては 合理的かつ柔軟な対応をとることが求められます 14

問 13. 移住等をすることが合理的であると認められる者 とは 具体的にどういう者か 1. 中間指針第四次追補では 長年住み慣れた住居及び地域が見通しのつかない長期間にわたって帰還不能となり そこでの生活の断念を余儀なくされ 移住等を行うことが必要と認められる方のほか 以下のような方が 移住等をすることが合理的であると認められる と例示しています 1 帰還しても営業再開や就労の見通しが立たないため 避難指示の解除前に新しい生活を始めることが合理的と認められる場合 2 現在受けている医療 介護が中断等されることにより 帰還することが本人や家族の医療 介護に悪影響を与える場合 3 避難先における生活環境を変化させることが子供の心身に悪影響を与える場合 2. 今後 まずは東京電力株式会社において 上記の例示を踏まえ 具体的な認定がなされるものと考えられますが その際 東京電力株式会社においては 被害者の方々の心情に配慮した誠実な対応が求められます 15

問 14. 移住等をすることが合理的であると認められる者 には 精神的損害の一括賠償はあるのか 移住等をすることが合理的であると認められる者 は 長年住み慣れた住居及び地域が見通しのつかない長期間にわたって帰還不能となり そこでの生活の断念を余儀なくされた精神的苦痛等 の一括賠償の対象となる地域以外の方々が対象となり得ます このため この方々は 精神的損害の一括賠償の対象とはならず 引き続き 一人月額 10 万円を目安とする精神的損害に対する賠償が継続されます 16

問 15. 今回の指針が決まる前に既に移住先を見つけ住居を購入した場合には 住居確保に係る賠償は受けられるのか 1. 中間指針第四次追補公表前に 既に移住先を見つけ新たな住居を購入した方については 当該住居を取得するために 従前の住居の事故前価値を超えて追加的費用が発生していた場合には 中間指針第四次追補で示された範囲内で 住居確保に係る損害が賠償されることになります 2. また 当座の住まいとして 狭くて古い住居を購入していた方が 当該住居のリフォームや増築をする場合や 広い住居に引っ越した場合であっても 従前の住居の事故前価値を超えて追加的費用が発生した場合にも 中間指針第四次追補で示された範囲内で賠償の対象となります 17

問 16. 移住のために必要な賠償を受け取った者が 将来帰還した場合には 従前の住居の修繕 建替え費用等は賠償されるのか 移住に当たっての住居確保に係る損害の賠償を受けた方が 将来 従前の住居に帰還する場合 当該住居の修繕 建替え費用等については 特段の事情のない限り 移住先の住宅及び宅地を売却等することで得られた資金を充てていただくことになります 18

問 17. 修繕又は建替えが 必要かつ合理的 と認められるのはどのような場合か 1. 避難指示に伴う管理不能により 住宅の損壊が進行した場合 事故前の居住環境を回復するための修繕又は建替えは 必要かつ合理的 と認められます 2. なお 中間指針第四次追補では 例えば木造建築物にあっては 雨漏りや動物の侵入 カビ等によって建物の床面積又は部屋数の過半が著しく汚損されていた場合に建替えの必要性を認める等 客観的な基準により判断することが妥当としています 19

問 18. 借家に住んでいた者について 家賃の差額の 8 年分が賠償対象となるのはなぜか 礼金以外に賠償の対象となるものはあるのか 1. 借家に住んでいた方については 新たな借家に入居するために負担した一時金や 従前の借家との家賃の差額が賠償の対象となります 2. 家賃の差額については 公共用地取得の際に最長 4 年分の家賃の差額が補償されていることに鑑み 中間指針第四次追補では それを上回る水準として 8 年分の家賃の差額を賠償対象としました 3. また 一時金についても 礼金以外にも負担したものがあれば賠償の対象となると考えられ たとえば仲介手数料は 賠償の対象となると考えられます 20

問 19. 費用の発生の蓋然性が高いと客観的に認められる場合には 事前に概算で請求できるとしたのはなぜか 1. 住居確保に係る損害は 原則として 追加的費用が実際に発生しない限りは賠償の対象とはなりません 2. しかし 中間指針第四次追補では 避難者の方々の早期の生活再建を期するため 事前に概算で請求できるとしており 東京電力株式会社においては 本趣旨を踏まえ 賠償金の支払い方法を工夫することが望まれます 21

5. その他 問 20. 早期帰還者賠償があると聞いたが 具体的にはどのようなものか 早期帰還者賠償は 早期に帰還する住民の方々が直面する生活上の不便さに伴う費用についての賠償も追加する ( 原子力災害からの福島復興加速に向けて 平成 25 年 12 月 20 日閣議決定 ) とされているものであり 具体的には 経済産業省等において検討されているものと承知しています 22

問 21. 今後 新たな指針を策定する予定はあるのか 中間指針第四次追補の決定を受けて 東京電力株式会社が賠償金支払いの対応をしていくこととなっており 当面は 新たな指針を策定することではなく その対応が適切に実施されていくことが重要であると考えられます ただし 今後 被害者の方々を取り巻く状況等に変化があった場合には 新たな指針が策定される可能性はあります 23