平成 28 年度事業計画 北海道共同募金会 基本方針 共募運動を通じた たすけあいと道民相互の関わりづくり の気運の醸成 本年で共同募金は創設 70 年を迎えることとなった 戦後ほどなくして始まった共同募金運動は 戦禍によって発生した生活困窮者や深刻な経営難に陥っていた民間の社会福祉施設などの支援を目的としていたが 時代の変遷とともに柔軟にその役割を拡大 変化させ 今日では地域福祉の推進を使命として 多様な福祉活動を財源面から支え続けている 地域住民をはじめ各界各層の参加による共同募金のこの69 年間の累計は 本道では480 億円を超え このことは 道民一人ひとりの高い信頼と募金ボランティアをはじめとする関係者の努力により支えられてきた運動であることを如実に示している そのように国民的なたすけあいの運動として また 我々の社会生活を満足なものとしていく一つのしくみとして 連綿と受け継がれたこの尊い共有財産を 次世代へのギフトとして継承していくことが現代に生きる者に与えられた使命であるといえる これからの我が国においては 急激に進む人口減少の歪みが数多くの地域の困りごととなってあらわれることが見通され 住民自らが立ち上がって地域を支える活動に携わる機会が増え それに伴い活動財源の手当てや住民同士の連帯がますます求められていくものと考えられる 我々はコミュニティと 共同募金という じぶんの町を良くするしくみ を共有する道民として 寄付と助成が地域で循環していく理想的なサイクルを具現化するべく 引き続き共同募金運動が持つ特性を活かし 地域で運動を精力的に進める事そのものにより たすけあいによる地域住民相互の関わりづくりとコミュニティの再生に向け社会に貢献していくものである また 社会で求められる支援と人々の善意とを結びつける公器としての基盤をより強固なものとしていくため 引き続き 募金活動の取り組みと 共募助成のあり方について充実をはかりつつ 各方面との連携をますます深めながら運動を推進していくものとする
1. 募金活動の増進 (1) 募金活動の取り組みの活性化と検証 1 地域の様々な社会資源とのタイアップによる募金方法の開発と普及地域の文化や社会に根ざした各種の社会資源とのタイアップによる活動を推進し 募金協力の受け皿を広げる ご当地キャラなど地域固有のシンボルとの連携による募金グッズの開発並びに普及 共募助成を受けた団体や施設との連携による寄付金付商品の開発等 公共施設等への募金機能付自動販売機の設置促進 2 寄付者が使途に関する分野等を指定できる使途選択募金の試験的導入並びに特定テーマ型募金に関する検討寄付者のニーズにきめ細かく応え 課題の解決への参加意識を高める事を目的として 共募の使途に関して寄付者の意向を具体的に反映することのできるしくみを試験的に導入していく また 全国において取り組みが増加しつつある 地域の課題解決を目的とした特定テーマ型募金に関し検討を進め本道における可能性を探る 3 既存の募金方法についての取り組みの検証と改善各種の募金方法の基盤を今日的で確固としたものとすることを目指し検証と改善を進める 特にムーブメント (= 社会的な運動 ) としての共同募金運動のあり方を募金方法の中に体現し 国民的なたすけあい運動たる気運を醸成していく 募金方法別の特性に着目し活性化に向けた方策を検討するとともに 各方面への取り組み方法の提案を進めていく 税制優遇や募金箱の取扱い 個人情報の管理に関する考え方や 活動を進めるうえでの基本的事項など 共募関係者の間で共有されるべき事項についての認識を深め 募金増強に向け手元材料を最大限に活かしていく 4 興行募金の取り組み促進チャリティイベントなど 住民が親しみやすい形での募金活動の実施を促進し 運動への理解を深めつつ 戸別 法人など各種の募金方法への相乗効果をねらう 市町村共募や道外での取り組みについての情報収集 提供 スタッフジャンパー のぼり等 PR 素材の開発と市町村共募への提供
5 企業等の社会貢献活動との連携促進共募運動への協力を通じた社会貢献活動の提案や 共同での企画立案 活動の維持発展に向けた情報収集 発信に努めるとともに 企業等の立場からの共募への期待感や満足感に応え 持続的な関係を構築していく 企業及びその社員に達成感を感じてもらい なおかつ寄付者と助成の受け手との距離を縮め 双方の想いや取り組みに対する理解を深めるため 例えば共募を通じた福祉施設への車両贈呈など ゴールを明確にした提案を行う タイアップ企画そのものを話題づくりの一環とし 共募活動と企業の社会貢献活動のPRにつなげていく 協力企業 社員への効果的なフォローの実施 系列各店舗への募金箱の設置など組織的協力展開の支援 6 遺贈 相続寄付の受け入れ財産を地域社会のために役立てたいという希望を持っている方や その遺族の方々からのニーズに応え寄付の受け入れを進めるとともに 分野指定などの意向にも沿った提案を行う 7 募金活動のモデル的な取り組みについての支援と普及市町村共募での新たな募金方法への取り組みなどの事例について 個別支援や他市町村への情報提供を行い 事業成果の普及と拡大を進める 8 助成を受けた団体による募金活動への参加促進イベント募金や各種行事などでの協働の機会を設け 身近な範囲から相互の関わりを深めることにより運動の参画性を高めていく 9 共同募金会組織の規模の効果によってもたらされる魅力の開発共同募金会は地域に根ざした活動を進める一方 全道 全国にネットワークを持つ巨大な運動体であり その内には 団体や企業などパートナーにとって ならではの魅力がまだ秘められている可能性がある 各方面とのタイアップを進めるにあたって あらためて共同募金会の姿を見つめなおすとともに その組織規模の効果によってもたらされる魅力を見出し パートナーとの間で双方にメリットのある関係づくりを具現化するための材料として育てていく 10 各種募金運動資材の開発 改良 市町村共募への提供募金箱 領収書 ポスターなど 運動の推進に不可欠な各種の資材を市町村共募へ提供するとともに その意見や要請を基に改良や新規開発を行い 運動の推進を円滑なものとする
(2) 広報活動と情報発信 1 共同募金運動創設 70 年記念広報事業の実施創設 70 年という節目の年に これまで国民的なたすけあい運動として連綿と受け継がれた共同募金の足跡を振り返りつつ 今後の運動の増進に向けた各種の記念広報事業を実施する 文化 スポーツ等に関連づけた各種のチャリティーイベント等の企画 実施 2 道内スポーツチームや漫画家などの協力による啓発キャンペーンの推進幅広く道民の支持によって活躍するスポーツチームや漫画家が 道民の福祉増進に寄与する共同募金運動への協力により感謝の気持ちを表すとともに そうした姿勢を通じて道民のさらなる運動への共感を広げていくことを目的として 各種の啓発事業を実施する 道内各スポーツチームや北海道ゆかりの漫画家から 共同募金運動のサポーターとして引き続き協力いただき 運動の啓発 PR 活動や各種イベントの実施によるキャンペーンを道内各地で展開していく 3 赤い羽根サポーターの輪の拡大赤い羽根サポーターに加わる団体 個人を増やすための働きかけを強めるとともに それらとの連携を深める 4 若年層や子育て世代への運動の啓発を目的とした事業企画の実施次代を担う若い世代にとっても 共同募金が 地域の福祉を推進するにあたっての貴重な道民の共有財産として有効に機能し続けるよう 啓発に向けた取り組みを強化していく 当該世代を対象とした啓発イベントや宣材の企画 ボランティアスタッフとしてのイベントへの参加促進 学校現場などを対象に共募の基礎的な知識に関する情報を提供 赤い羽根まんが祭りの開催 5 住民参加型で双方向な広報プログラムの実施所定のプログラムを通じて住民が本会の広報企画に参加する機会を設け 運動への関わり方の幅をひろげるとともに話題づくりとしていく ポスター図案の一般募集などを想定 6 共同募金に関する基礎的知識の普及推進計画募金の考え方 運動の実施主体 法的位置づけ 羽根を用いた各種の募金活動との相違 災害支援への取り組み など 知られているようでいて実はほとんど知られていない共同募金の基本的なしくみについ
て 広く道民に周知をはかり 運動の意義について共感を深めていく 広く地域住民に対する周知 地域住民の認識に関する共募関係者への周知 並びに基礎的知識に関する再確認 7 寄付者への情報提供の充実共募運動の取り組みの成果を伝える際の内容 伝達手法を工夫し充実させることで 運動に寄せた寄付者の期待に対して達成感を持っていただくとともに 運動の理解者として今後の協力を求める 8 助成を受けた団体による道民への情報発信団体自らによる共同募金の助成を受けての事業成果の情報発信を促し 生の声による地域への情報提供の機会とし 寄付者と団体との距離を近づけるとともに 募金の使途についての理解を深める 団体の事業 広報誌などを通じての情報発信を要請していく 共同募金ののぼり チラシなどの広報素材を本会から提供する 団体による 寄付者に向けたありがとうメッセージ の集約と 本会ホームーページなどへの掲出 9マスコミ媒体を活用した情報発信広く道民に向けた情報発信の手法として 市町村共募関係者からも期待されるマスコミ媒体を通じての広報に積極的に取り組み 募金の計画 結果についての公告や 幅広く道民の運動への参加を呼びかける 新聞 テレビ ラジオ 街頭大型ビジョン等の活用による情報発信 各媒体へのPR 用映像 音源等の素材や情報の提供 取材の依頼 10 新たな広報素材の開発や取り組みの検討本会に設置された広報企画委員会での協議や 市町村共募からの意見を基に 効果的な取り組みの検討を進める 11ホームページやソーシャル ネットワーキング サービスによる情報発信道民に向けて常時開かれた情報発信のチャンネルとして運用 共同募金の取り組みや理念について包括的かつわかりやすく掲出 あるいはツイッターやフェイスブックなどのソーシャル ネットワーキング サービスの活用により できるだけ即時的な情報発信に努め インターネットユーザーへの啓発を行う 12 全国的な広報事業展開への参画全国協調運動としての国民的な取り組みを道民にアピールするため
中央共同募金会の企画などによる各種広報事業と同調した活動展開をはかる 特に創設 70 年記念関連事業に関しては相互に連携をはかり 一体的に記念行事としての気運を高めるものとする 記念ロゴ 資材等の活用 空の第一便の実施 ポスター テレビCMスポットの活用など 本会発の広報企画の全国への発信と各都道府県共募との協働 2. 助成活動の充実 (1) 助成による取り組みを通じた共募運動の啓発 1 道民の共感を呼ぶ助成事業のあり方の検討募金の使いみちについての理解を深め運動へのさらなる支持につなげるため より助成事業に道民の共感を得ていくための方策を検討する 全道 各都府県の助成事業の事例について 地域住民の支持や認知度が比較的高いと思われる取り組みについて 情報収集と検証を進めるとともに市町村共募関係者との間で共有をはかっていく 2 助成事業を通じての住民同士の 相互の関わり づくりの気運の醸成様々な社会課題や地域課題の背景に語られる 希薄化した人と人とのつながりについて それを取り戻す事を目的とした取り組みに対して重点的に助成を行っていく 従来の福祉の分野にとらわれず 地域活動の基盤である住民同士の 相互の関わり づくりの気運を醸成することを目的とした事業の掘り起こしと支援 取り組みと成果について市町村共募との情報共有 3 全国共通助成テーマに同調した助成事業の展開道内での助成事業の展開にあたり 中央共同募金会から都道府県共募が協調して取り組む全国共通助成テーマとして提案のあった 地域から孤立をなくそう~みんなが社会の一員として包み支え合うしくみづくり ~ を取り入れ 全国的なキャンペーンに同調する 4 一般公募事業へ積極的に取り組み 多様化する資金ニーズや制度のはざまにおかれた活動の掘り起こしと支援を行う 5 助成を受けた団体に対して共同募金による助成にふさわしい適正な事業執行を指導する
(2) 歳末たすけあい運動の円滑な実施 1 歳末推進会議 の答申に基づく運動の推進と地域における事業運営の適正な維持 一般募金に対する歳末たすけあいの意義を明確に保ちつつ 個人情報の取り扱いに留意した取り組みを進めていく (3) 民間社会福祉資金の総合的調整 1 馬主社会福祉財団等の各種資金との連携を図りながら 民間社会福祉資金要望事業推薦委員会での協議に基づく推薦業務を実施する 2 共同募金以外の寄付金の受入並びに助成の実施 3 公益信託制度の普及並びに運営 4その他各種民間社会福祉資金に関する調整 3. 緊急災害時に向けた取り組み (1) 緊急災害時における支援体制の円滑化 1 各種制度 資金に関する周知と情報提供義援金 支援金の募集と配分 災害見舞金の交付 災害準備金制度 など 共募の役割と取り組みについて 市町村共募 関係団体 道民等への周知 情報提供を進め 理解を求めることにより有事における共募への協力を円滑なものとする (2) 災害等準備金の積立と活用に向けての調整 PR 1 準備金の運用に関する調整と成果についての周知大規模災害発生時に実施される緊急救援活動への支援に備え 社会福祉法に定められた 災害等準備金 の積立を行うとともに 有事の被災地支援に向けた配分 資金拠出を円滑に進める また 使途や成果についての PR を積極的に進める (3) 被災者 ボランティア等への直接的支援 1 支援金 ( 災害ボランティア NPO 活動サポート募金 ) の活用に向けた支援募金募集の主体となる中央共同募金会との連携を図りつつ 活動団体からの助成申請の受付や相談に対応し 本道から被災地入りするボランティアの活動を支援する 2 災害見舞金の交付風水害等の被害にあった世帯に対して見舞金を交付し 住民相互のたす
けあい運動としての支援を行う 3 災害たすけあいによる義援金募集の実施被災県の義援金募集委員会と中央共募 関係団体 機関との連携のもとに全国展開される災害たすけあいの実施 4. 組織運営と基盤整備 (1) 市町村共同募金委員会との連携 1 共同募金関係者研究協議会等の開催による協議 研修の実施運動推進に向けた諸課題に関して協議し 実践に向けた意見交換や情報提供を行う 町村関係者研究協議会(8ブロック開催 6~8 月 役職員等対象 ) 市関係者研究協議会( 札幌市開催 役職員等対象 ) 事務局長連絡協議会( 札幌市開催 12 月上旬 市 地方共募局長対象 ) 実務担当者研究協議会( 札幌市開催 ) 赤い羽根セミナー 役員 関係者セミナー ( 札幌市開催 ) 2 中央共募主催の研修会等への市町村共募関係者の参加支援共同募金運動の推進を目的とした中央共募主催の各種研修会 ( 募金 広報等のテーマ別研修など ) への参加を支援 参加者募集に関する周知と 出席に係る費用の一部助成 3 市町村共募主催あるいは本会主催の事業等における役職員の協働促進 イベント募金や各種行事 研修などでの協働の機会を設け 身近な範囲から相互の関わりを深めることにより運動の基盤を強固なものとしていく (2) 会務の運営 1 理事会 評議員会 正副会長会議の開催並びに監事監査の実施 2 各専門委員会の開催 配分委員会 共同募金運動推進対策委員会 広報企画委員会 民間社会福祉資金要望事業推薦委員会 3 北海道共同募金会 70 年史の制作年表中心の簡素な構成を基本に主として電子版での制作
(3) 顕彰 弔慰等の実施運動の功績者に対して感謝の意を表するため 共同募金奉仕者 従事者 寄付者等に対する表彰 感謝並びに弔意等を実施する 特に 本会会長表彰については共同募金運動創設 70 年を記念した特別表彰を実施し 広く関係者へ感謝の意を示すものとする 本会顕彰規程に基づく 本会会長表彰並びに感謝の実施 共同募金運動創設 70 年記念会長特別表彰の実施 北海道社会福祉大会の開催( 共同募金創設 70 年記念の冠大会として札幌市にて開催予定 ) 厚労省 中央共募などへ 各種感謝 顕彰 褒章該当者の推薦並びに上申を行う 本会規程による弔意の実施並びに奉仕者事故見舞金の申請等を行う (4) 関係団体 機関との連絡調整 1 社会福祉協議会をはじめとする関係団体 機関等と密接な連携を図るとともに 各種取り組みの実施にあたり情報の収集と提供を行う 2 中央共募 東北ブロックの各県共募等との連携を行い 全国協調での運動推進を図る