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2. 定期接種ンの 接種方法等について ( 表 2) ンの 種類 1 歳未満 生 BCG MR 麻疹風疹 接種回数接種方法接種回数 1 回上腕外側のほぼ中央部に菅針を用いて2か所に圧刺 ( 経皮接種 ) 1 期は1 歳以上 2 歳未満 2 期は5 歳以上 7 歳未満で小学校入学前の 1 年間 ( 年

ロタウイルスワクチンは初回接種を1 価で始めた場合は 1 価の2 回接種 5 価で始めた場合は 5 価の3 回接種 となります 母子感染予防の場合のスケジュール案を示す 母子感染予防以外の目的で受ける場合は 4 週間の間隔をあけて2 回接種し 1 回目 の接種から20~24 週あけて3 回目を接種生

生ワクチン 不活化ワクチン ジフテリア 百日咳 破傷風 不活化ポリオ混合ワクチン の接種から20~24 週あけて3 回目を接種 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 27 日 ( いわゆる4 週間 ) 以上あけて受けます 別の種類のワクチンを接種する場合は 中 6 日 ( いわゆる1 週間 ) 以

Research 2 Vol.81, No.12013

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール

DPT, MR等混合ワクチンの推進に関する要望書

H30_業務の概要18.予防接種

ヒブ ( インフルエンザ菌 b 型 ) 対象者 : 生後 2ヶ月から5 歳未満までのお子さん標準的な接種開始期間は 生後 2ヶ月から7ヶ月未満です 生後 2ヶ月を過ぎたら 早目に接種しましょう 接種方法 : 接種開始時の年齢により接種方法が異なります 接種開始が生後 2ヶ月から7ヶ月未満の場合 (

日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュール 014 年 10 月 1 日版日本小児科学会 乳児期幼児期学童期 / 思春期 ワクチン 種類 直後 6 週 以上 インフルエンザ菌 b 型 ( ヒブ )

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1. 今回の変更に関する整理 効能 効果及び用法 用量 ( 添付文書より転載 ) 従来製剤 ( バイアル製剤 ) と製法変更製剤 ( シリンジ製剤 ) で変更はない 効能 効果 用法 容量 B 型肝炎の予防通常 0.5mL ずつ4 週間隔で2 回 更に 20~24 週を経過した後に1 回 0.5mL

02別添:日本脳炎ワクチン接種に関するQ&A[H28.3月版]

スライド 1

9 予防接種

次の人は 医師が健康状態や体質に基づいて 接種の適否を判断します 心臓や血管 腎臓 肝臓 血液の障害や発育の障害などの基礎疾患がある人 他のワクチンの接種を受けて 2 日以内に発熱があった人や全身性の発疹などアレルギーが疑われる症状が出たことがある人 過去にけいれんをおこしたことがある人 過去に免疫

第1 入間市の概要

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スライド 1

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日本小児科学会が推奨する予防接種スケジュールの主な変更点 2014 年 1 月 12 日 1)13 価結合型肺炎球菌ワクチンの追加接種についての記載を訂正 追加しました 2)B 型肝炎母子感染予防のためのワクチン接種時期が 生後 か月 から 生直後 1 6 か月 に変更と なりました (

審査結果 平成 26 年 2 月 7 日 [ 販売名 ] 1 ヘプタバックス-Ⅱ 2 ビームゲン 同注 0.25mL 同注 0.5mL [ 一般名 ] 組換え沈降 B 型肝炎ワクチン ( 酵母由来 ) [ 申請者名 ] 1 MSD 株式会社 2 一般財団法人化学及血清療法研究所 [ 申請年月日 ]

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0 歳 0カ月 乳幼児の予防接種スケジュール ( 例 : その 1) 同時接種を希望するが 1 回に受ける数は 2 種類以下を希望する場合 ( 受診回数 : インフルエンザを除いて 18 回 ) 1 歳 カ月 日本小児科学会推奨案 ジフテリア 百日咳 破傷風混合ワクチン生ワクチン別の種類のワクチンを

2012/02/22 ワクチン分科会 The Foundation of Medical and Veterinary Virology by utmb より 国内の天然痘発生状況 2012/02/22 ワクチン分科会引用 : 臨床とウイルス Vol 木村三生夫他 2

(資料1-1)わが国のワクチン産業と市場の動向ver3_4

平成 24 年 7 月改定版 すべての予防接種につきましては 次のページに記載してあります 平成 24 年度予防接種日程表 ( 国の通知により 内容が変わる場合があります 毎月の 広報みなみちた でご確認ください 新 麻しん風しん混合 3 期 4 期 ( 個別 ) 対象 :3 期 ( 中学 1 年生

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感染経路 1. 直接伝播 1 直接接触 ( 接触による径皮感染 ) 例 : 水いぼ 性感染症 HIV 2 飛沫感染 ( 通常 1~2m 以内 ) 例 : おたふく 風疹など多くの感染症 3 母子感染 ( 胎盤 産道 母乳感染 ) 例 : 風疹 B 肝 *HIV 2. 間接伝播 * ヒト免疫不全ウイル

<B 型肝炎 (HBV)> ~ 平成 28 年 10 月 1 日から定期の予防接種になりました ~ このワクチンは B 型肝炎ウイルス (HBV) の感染を予防するためのワクチンです 乳幼児感染すると一過性感染あるいは持続性感染 ( キャリア ) を起こします そのうち約 10~15 パーセントは

日本脳炎不活化ワクチン ( シード ) 平成 24 年 7 月 4 日 ( 告示第 1622 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した日本脳炎ウイルスを同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を不活化したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称日本脳炎ウイル

横浜市感染症発生状況 ( 平成 30 年 ) ( : 第 50 週に診断された感染症 ) 二類感染症 ( 結核を除く ) 月別届出状況 該当なし 三類感染症月別届出状況 1 月 2 月 3 月 4 月 5 月 6 月 7 月 8 月 9 月 10 月 11 月 12 月計 細菌性赤痢

医師が問診 検温および診察の結果から 接種できるかどうか判断します 次の人は このワクチンの接種を受けることはできません 明らかに発熱 ( 通常 37.5 以上 ) している人 重篤な急性疾患にかかっている人 過去にこのワクチンに含まれている成分でアナフィラキシーをおこしたことがある人 上記以外に医

このワクチンの接種前に 確認すべきことは? ワクチン接種を受ける人または家族の方などは このワクチンの効果や副反応などの注意すべき点について十分理解できるまで説明を受けてください 説明に同意した上で接種を受けてください 医師が問診 検温および診察の結果から 接種できるかどうか判断します 次の人は こ

も 医療関連施設という集団の中での免疫の度合いを高めることを基本的な目標として 書かれています 医療関係者に対するワクチン接種の考え方 この後は 医療関係者に対するワクチン接種の基本的な考え方について ワクチン毎 に分けて述べていこうと思います 1)B 型肝炎ワクチンまず B 型肝炎ワクチンについて

豚丹毒 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 23 年 2 月 8 日 ( 告示第 358 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した豚丹毒菌の培養菌液を不活化し アルミニウムゲルアジュバントを添加したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株 名称豚丹

事業報告

感染症対策・予防接種行政の 最近の動向について

感染症対策

馬ロタウイルス感染症 ( アジュバント加 ) 不活化ワクチン ( シード ) 平成 24 年 7 月 4 日 ( 告示第 1622 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した馬ロタウイルス (A 群 G3 型 ) を同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を不活化し アジュバント

株化細胞 + 生ウイルスワクチン 特定の株名及びロット番号を記載 株変更は新規 また 6 製造方法ロットの更新は 事項変更 6.1 製造用株 名称弱毒 ウイルス 株 ( マスターシードウイルスロット〇 ) 株名 本数 継代方法等は GMP 省令第 7 条の 3 に基づく記録に関する文 書

Microsoft PowerPoint - 【配布資料】28予防接種従事者研修


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動物用医薬品(医薬部外品)製造販売承認事項変更承認申請書

平成24年、秋、日本の予防接種はこのように変わります

始前に出生したお子さんについては できるだけ早く 1 回目の接種を開始できるように 指導をお願いします スムーズに定期接種を進めるために定期接種といっても 予防接種をスムーズに進めるためには 保護者の理解が不可欠です しかし B 型肝炎ワクチンの接種効果は一生を左右する重要なものですが 逆にすぐに効

ロタテック内用液ワクチン接種を受ける人へのガイド

日本脳炎ワクチン接種についてQ&A(改定案)

VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE PART.2 VACCINE 第 1 章 その魔力は薬か毒か ワクチンの効果を高める目的で添加されている補助剤がです しかし よいことだけではありません とはいったいどのようなもので ワクチンの

スライド 1

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はじめに 予防接種は感染症を予防するために最も特異的でかつ効果的な方法の一つです わが国では 1990 年代以降 新しいワクチンの導入が少なく 海外では受けられるワクチンが国内では受けることができないといった いわゆる ワクチンギャップ が問題になっていました しかし 近年の予防接種法の改正により

記号の説明 前からの推移 : 倍以上の減少.~ 倍未満の減少. 未満の増減.~ 倍未満の増加 倍以上の増加流行状況 : 空白発生なし 僅か 少し やや多い 多い 非常に多い 定点当り患者数について 過去 年間の標準偏差値に感染症の種類毎に係数を乗じた値を 等分し 流行状況の目安として 段階で表示して

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2017 年 2 月 1 日放送 ウイルス性肺炎の現状と治療戦略 国立病院機構沖縄病院統括診療部長比嘉太はじめに肺炎は実地臨床でよく遭遇するコモンディジーズの一つであると同時に 死亡率も高い重要な疾患です 肺炎の原因となる病原体は数多くあり 極めて多様な病態を呈します ウイルス感染症の診断法の進歩に

流行の推移と発生状況 疾病名推移発生状況疾病名推移発生状況 インフルエンザ RS ウイルス感染症 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 水痘 手足口病 伝染性紅斑 突発性発疹 百日咳 ヘルパンギーナ 流行性耳下腺炎 急性出血性結膜炎流行性角結膜炎 細菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎 マイコ

Microsoft Word - 【最終】リリース様式別紙2_河岡エボラ _2 - ak-1-1-2

ように いわゆる渡航者 に推奨されているワクチン (Recommend vaccines) 次に黄熱ワクチンのように一部の国に入国する際 接種証明書の提示を要求されるワクチン (Required vaccines) そして麻しんや風しんワクチンのようにわが国で通常に接種されているワクチン (Rout

後などに慢性の下痢をおこしているケースでは ランブル鞭毛虫や赤痢アメーバなどの原虫が原因になっていることが多いようです 二番目に海外渡航者にリスクのある感染症は 蚊が媒介するデング熱やマラリアなどの疾患で この種の感染症は滞在する地域によりリスクが異なります たとえば デング熱は東南アジアや中南米で

2018 年 47 週 (11 月 19 日 ~11 月 25 日 ) 2 類感染症 3 類感染症 都道府県 結核 ジフテリア 重症急性呼吸器症候群 中東呼吸器症候群 鳥インフルエンザ (H5N1) 鳥インフルエンザ (H7N9) コレラ 細菌性赤痢 総数北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨

<4 種ウイルス疾患 ( 麻疹 風疹 水痘 流行性耳下腺炎 ) フローチャート> 医療機関の記録または母子手帳でワクチンを接種したことが A B C 2 回確認できる 1 回確認できる全く確認できない D E 前回接種より少なくとも 1 ヶ月以上あけて さらに 1 回ワクチン接種を受ける 抗体検査を

スライド 1

流行の推移と発生状況疾病名 推移 発生状況 疾病名 推移 発生状況 インフルエンザ RSウイルス感染症 咽頭結膜熱 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎 感染性胃腸炎 水痘 手足口病 伝染性紅斑 突発性発疹 百日咳 ヘルパンギーナ 流行性耳下腺炎 急性出血性結膜炎 流行性角結膜炎 細菌性髄膜炎 無菌性髄膜炎

蚊を介した感染経路以外にも 性交渉によって男性から女性 男性から男性に感染したと思われる症例も報告されていますが 症例の大半は蚊の刺咬による感染例であり 性交渉による感染例は全体のうちの一部であると考えられています しかし 回復から 2 ヵ月経過した患者の精液からもジカウイルスが検出されたという報告

医薬品タンパク質は 安全性の面からヒト型が常識です ではなぜ 肌につける化粧品用コラーゲンは ヒト型でなくても良いのでしょうか? アレルギーは皮膚から 最近の学説では 皮膚から侵入したアレルゲンが 食物アレルギー アトピー性皮膚炎 喘息 アレルギー性鼻炎などのアレルギー症状を引き起こすきっかけになる

2)HBV の予防 (1)HBV ワクチンプログラム HBV のワクチンの接種歴がなく抗体価が低い職員は アレルギー等の接種するうえでの問題がない場合は HB ワクチンを接種することが推奨される HB ワクチンは 1 クールで 3 回 ( 初回 1 か月後 6 か月後 ) 接種する必要があり 病院の

ヘプタバックス-Ⅱワクチン接種を受ける人へのガイド

記号の説明 前からの推移 : 倍以上の減少.~ 倍未満の減少. 未満の増減.~ 倍未満の増加 倍以上の増加 流行状況 : 空白発生なし 僅か 少し やや多い 多い 非常に多い 定点当り患者数について 過去 年間の標準偏差値に感染症の種類毎に係数を乗じた値を 等分し 流行状況の目安として 段階で表示し

スライド 1

なお本研究は 東京大学 米国ウィスコンシン大学 国立感染症研究所 米国スクリプス研 究所 米国農務省 ニュージーランドオークランド大学 日本中央競馬会が共同で行ったもの です 本研究成果は 日本医療研究開発機構 (AMED) 新興 再興感染症に対する革新的医薬品等開発推進研究事業 文部科学省新学術領

2017 年 25 週 (06 月 19 日 ~06 月 25 日 ) 2 類感染症 3 類感染症 都道府県 結核 ジフテリア 重症急性呼吸器症候群 中東呼吸器症候群 鳥インフルエンザ (H5N1) 鳥インフルエンザ (H7N9) コレラ 細菌性赤痢 総数北海道青森県岩手県宮城県秋田県山形県福島県茨


本文は 2014 年に発行された Infectious diseases prioritisation for event-based surveillance at the European Union level for the 2012 Olympic and Paralympic Games

次の人は このワクチンの接種を受けることはできません 明らかに発熱 ( 通常 37.5 以上 ) している人 重篤な急性疾患にかかっている人 過去にこのワクチンに含まれている成分 ( ジフテリアトキソイドを含む ) でアナフィラキシーをおこしたことがある人 上記以外に医師が予防接種を行うことが不適当

00【議連提出資料】B型肝炎ワクチンの定期接種化について

Microsoft Word - 子宮頸がん(中1).doc

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小児用肺炎球菌ワクチン 対象者 : 生後 2カ月 ~5 歳未満の方接種費用 : 無料ただし 接種開始が2 歳以上の場合は自己負担あり (1100 円 ) 接種回数 : 接種開始年齢によって異なります 接種開始月 年齢接種回数 接種間隔接種費用 生後 2 月から 7 月未満 生後 7 月から 12 月

1 臨床医学 4 第 4 回 4-2 次は病原体についての説明である あてはまる病原体の名称をそれぞれ記載しなさい (1) 最も単純で原始的な動物 単一の細胞からなる (2) カビや酵母などのような生活形態をもった原生動物 (3) 一番小さな病原体で 動物細胞に侵入しその生命機構を利用して細胞内で増

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サーバリックス の効果について 1 サーバリックス の接種対象者は 10 歳以上の女性です 2 サーバリックス は 臨床試験により 15~25 歳の女性に対する HPV 16 型と 18 型の感染や 前がん病変の発症を予防する効果が確認されています 10~15 歳の女児および

全数把握対象疾患報告数 2018 年第 49 分類 対象疾患 茨城県 ( 診断日 ) 全国 ( 診断日 ) 年累計 49 年累計 1 類 エボラ出血熱 クリミア コンゴ出血熱 痘そう 南米出血熱 ペスト マールブルグ病 ラッサ熱 2 類 急性灰白髄炎 結核

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PowerPoint プレゼンテーション

方法について教えてください A 妊娠中の接種に関する有効性および安全性が確立されていないため 3 回接種を完了する前に妊娠していることがわかった場合には一旦接種を中断し 出産後に残りの接種を行うようにしてください 接種が中断しても 最初から接種し直す必要はありません 具体的には 1 回目接種後に妊娠

つが虫病 (40) デング熱 (41) 東部ウマ脳炎 (42) 鳥インフルエンザ (H5N1 及びH7N9を除く ) (43) ニパウイルス感染症 (44) 日本紅斑熱 (45) 日本脳炎 (46) ハンタウイルス肺症候群 (47)Bウイルス病 (48) 鼻疽 (49) ブルセラ症 (50) ベネズ

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東京大会と感染症サーベイランス ~ 普段とどこがちがうのか ~ 疾患疫学が変化する可能性 多数の訪日外国人の流入 多くのマスギャザリングイベント 事前のリスク評価に基づいたサーベイランスと対応の強化の必要性を検討する 体制構築の観点から 行政と大会組織委員会の責任範囲と協力体制の構築が必要 国内移動

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生ワクチン乳幼児の予防接種スケジュール ( 例 : その 1) 同時接種を希望するが 1 回に受ける数は 2 種類以下を希望する場合 ( 受診回数 : インフルエンザを除いて 18 回回または 19 回 ) 0 歳 0カ月 カ月 カ月 1 歳 カ月 13 カ月 1 15 カ月 16 カ月 17 カ月

豚繁殖 呼吸障害症候群生ワクチン ( シード ) 平成 24 年 3 月 13 日 ( 告示第 675 号 ) 新規追加 1 定義シードロット規格に適合した弱毒豚繁殖 呼吸障害症候群ウイルスを同規格に適合した株化細胞で増殖させて得たウイルス液を凍結乾燥したワクチンである 2 製法 2.1 製造用株

出典 : 一般社団法人日本ワクチン産業協会 ( 予防接種に関する Q& 集 Q4 ついて不活化ワクチンは 大量に培養されたウイルスや細菌からウイルス粒子や細菌の菌体を集めて精製した後 ホルマリン等の薬剤を用いて処理し 病原体の活力を失わせて不活化し

Microsoft Word - 文書 1

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ワクチン開発の現状について スライド1をご覧下さい 財団法人阪大微生物病研究会私は ご紹介頂きましたようにワクチンを製観音寺研究所造しているメーカーの人間でございまして 先いしかわとよかず副理事石川豊数程の3 人の先生方のようなアカデミックな話の内容とは少し異なりまして ワクチン製造メーカーが行っていますワクチン開発の現状というものと 問題点を紹介させて頂きたいと思います スライド2をご覧下さい このスライドは 国立感染症研究所のホームページからお借りしてきたスライドでございますが 皆さんご存じのように我が国の予防接種というものは 予防接種法に基づき勧奨接種と任意接種に分かれております 勧奨接種 いわゆる定期接種でございますけれども このスライドは 2006 年の4 月から施行される予定の予防接種スケジュールでございます 定期一類疾病としましては ポリオ生ワクチンがございます そして精製百日咳 ジフテリア 破傷風混合ワクチン ( 以下 DPTワクチン ) と略しますが DPTワクチンがございます そして来年の4 月からは麻疹 風疹の混合ワクチン ( 以下 MRワクチン ) と略しますが このワクチンが定期接種として使用され しかも2 回接種される予定でございます 定期一類疾病の中には日本脳炎ワクチンがございますが この日本脳炎ワクチンは厚生労働省によりますと ワクチン接種後に ごく稀に起こる急性の散在性脳脊髄炎 いわゆるA DEMと呼ばれてますけれども その発生がワクチン接種と必ずしも因果関係が否定できないということがございまして 今年の4 月から積極的に勧奨はしないということで 事実上定期接種が中止されているという状況でございます そして 定期二類としましては ご存じのように65 歳以上の高齢者へのインフルエンザワスライド1 ワクチン開発の現状について 財 ) 阪大微生物病研究会観音寺研究所 2005 年 12 月 20 日 222

スライド 2 223

クチンの接種がございます そして 結核予防法に基づきまして定期接種としてBCGがございます その他 任意接種のワクチンとしましては 65 歳以下の方に接種するインフルエンザ 現行は麻疹 風疹が定期接種ですけれども 来年からは麻疹 風疹が任意接種になります あと 水痘 おたふく風邪ワクチン A 型肝炎 B 型肝炎のワクチンがございます スライド3をご覧下さい 我が国で 承認を受けていますワクチンにつきまして ワクチンの種類別に そのワクチンの有効成分毎にまとめたスライドでございます 不活化ワクチンとしましては ウイルス粒子そのもの 或いは ウイルスの成分を用いたワクチンとしましてインフルエンザ 日本脳炎 狂犬病 A 型肝炎 B 型肝炎がございます そして 細菌のワクチンとしましては 先程申しましたDPTワクチン 厳密には 百日咳菌の成分とジフテリア 破傷風のトキソイドを混合したDPTワクチン 更にはコレラ 肺炎球菌のワクチンがございます この肺炎球菌のワクチンは 海外で製造されているものでございます その他 生ワクチンとしましては ウイルスワクチンにポリオ MR 麻疹 風疹ワクチン 水痘 おたふく風邪 痘瘡ワクチンがございます 痘瘡ワクチンは 1976 年から我が国では接種されておりません 細菌の生ワクチンとしてはBCGがございます そして 組換えDNA 技術を用いたワクチンとしましては B 型肝炎ワクチンがございますし トキソイドとしては ジフテリア 破傷風 抗毒素としてはガス壊疽 ジフテリア 破傷風の抗毒素がございます スライド3 日本で承認されているワクチン 不活化ワクチン生ワクチン組換えDNA トキソイド抗毒素 ウイルス細菌レストスピラウイルス細菌ウイルス細菌 ( 毒素 ) 毒素 インフルエンザ 日本脳炎狂犬病 A 型肝炎 B 型肝炎 DPT コレラ 肺炎球菌ワイル病秋やみポリオ MR( 麻しん 風しん ) 水痘 おたふくかぜ 痘瘡 BCG B 型肝炎ジフテリア 破傷風ガスえそ ジフテリア 破傷風等 224

スライド 4 日本で承認されていないワクチン 不活化ワクチン 生ワクチン 組換え DNA ウイルス細菌ウイルス細菌細菌 ポリオ ( 注射用 ) ダニ脳炎インフルエンザ b 菌 髄膜炎菌 腸チフス DPTを基礎とする混合ワクチン MMR 黄熱 日本脳炎腸チフスライム病 スライド4をご覧下さい 一方 海外では使用されておりますけれども日本では承認されておらず 現在 海外渡航時等に使用されているワクチンとしまして このようなワクチンがございます 不活化ワクチンとしては 今では先進国のほとんどで使用されていますが 不活化ポリオワクチン ロシア等で使われていますダニ脳炎ワクチンがございます 細菌のワクチンとしましては インフルエンザB 菌 或いは髄膜炎菌 腸チフスまたDP Tを基礎とする各種の混合ワクチンがございます 例えば DPTに不活化ポリオを混ぜましたDPTIPVであるとか そのワクチンに 更にインフルエンザB 菌であるとかB 型肝炎を混合しました5 価 或いは6 価のワクチンが使われております そして 生ワクチンとしましてはMMR 黄熱 日本脳炎ワクチンが使用されております そして 細菌の生ワクチンとしては腸チフスワクチン 或いは組換えDNAワクチンとしてはライム病のワクチンがございます スライド5をご覧下さい 現在 開発が求められているワクチンとしましては このようなものが挙げられると思います まず先程も 河岡先生のお話がありましたけれども 国際的に今最も開発が求められているワクチンとして 新型インフルエンザワクチンがございます そして先程ご紹介がありましたマラリアワクチン ロタ ウエストナイル熱 デング熱 SARSがあろうかと思います そしてまた このようなワクチンと 最近ではがんの予防ということで 海外におきましては 子宮頸癌に対して ヒトパピロマウイルスワクチンが非常に有効であるということが証明されまして 近く実用にいたるであろうと考えられております スライド 6 をご覧下さい 225

スライド 5 開発が求められている新規のワクチン ワクチン名 ねらい 新型インフルエンザ 流行地の未感染者 マラリア 旅行者 流行地の居住者 ロタ 特に幼児 発展途上国用 ウエストナイル熱 旅行者 流行地の未感染者 デング熱 旅行者 流行地の小児 SARS 旅行者 流行地の居住者 C 型肝炎 ハイリスクの未感染者 エイズ ハイリスクの未感染者 感染地域での蔓延阻止 腎症候性出血熱 流行地のハイリスク成人 癌 癌の予防 ( 子宮頸癌等 ) スライド 6 改良 開発が求められているワクチン ワクチン名インフルエンザワクチン日本脳炎ワクチンポリオワクチン麻しんワクチンおたふくかぜワクチン B 型肝炎ワクチン狂犬病ワクチンコレラワクチン BCGワクチン混合ワクチン化 改良点有効性 接種方法副反応 品質管理毒性復帰 陽性率 耐熱性有効性 副反応無菌性髄膜炎等の副反応 有効性有効性 生産コスト有効性 生産コスト有効性 接種方法有効性 保存方法各種混合ワクチン (DPTIPV MRV,MMRV) また 現在我が国で使用されておりますワクチンにおきましてもいろいろな問題があり 改良が求められております 特に 現行のインフルエンザワクチンは 他のワクチンと比べますと有効性が非常に低くて感染阻止効果に問題があり より有効なワクチンの開発が求められております 日本脳炎ワクチンにつきましては 冒頭述べましたけれども安全性に疑義があるのではないかと言われております そして 我が国で使われてますポリオワクチンは ワクチン投与後にごく稀でございますけれども ワクチンウイルスに由来するマヒが被接種者であるとか 保護者に認められることで問題になっております 226

麻疹ワクチンは 麻疹の流行が少なくなった現状におきましては 抗体の持続期間が短いということで いわゆるセカンダリーワクチンフェーラということが問題になっておりましたけれども 先程述べましたように 今後はMRワクチンが使われるということで こういった問題も解決できるのではないかと考えております そして おたふく風邪ワクチンですけれども これは 自然感染におけます発生頻度と比べますと非常に低いのではありますけれども やはり ワクチン接種後に無菌性髄膜炎が発生するという問題がございます また 海外におきましては 先程言いましたように各種混合ワクチンが使われておりまして 日本におきましても小児へのワクチン接種回数の軽減という観点から 混合ワクチンの開発が求められております スライド7をご覧下さい 今 述べましたように個々のワクチンの改良に加えまして 現在使われておりますワクチンにおきましても 全体的に見ると また別の意味でこういった問題がございます ワクチンは 生物由来製品ということで 有効成分であるウイルスであるとか細菌を増殖させるために 動物由来の原料をいろいろと使用いたします 例えば 日本脳炎でありますとマウス脳を使いますし インフルエンザワクチンですと発育鶏卵を使用します また 生ワクチンにおきましては各種の動物細胞を用いますし そういった動物細胞 或いは 細菌を増殖させるために牛由来のいろいろな成分を使います 高分子の試薬であるとか酵素を用いる場合がございます そういったことで BSEの原因となりますプリオンや動物そのものに 原料に由来する未知の感染性因子の混入の可能性が問題視されておりまして できるだけこのような原料を使わないワクチンの開発が求められております 現在のワクチンではもうほとんど 一部のワクチンを除きまして使用されなくなりましたけれども ワクチンの安定剤として 過去にはアルブミン ゼラチンが使用されておりました これらのゼラチン 或いは アルブミンによるアナフィラキシーというものが非常に問題 スライド 7 現行ワクチンの問題 動物由来原料保存剤剤型有効性生産コスト 動物 発育鶏卵 細胞 牛血清 トリプシン 各種培養液アルブミン ゼラチン 界面活性剤等チメロサール 2PE ホルマリン等省力化 ( プレフィルドシリンジ ) 混合ワクチン 1 人用小分け / 包装ワクチン接種後罹患計画生産 / 安定供給 / コストダウン 227

となりまして 現在では ほとんど使われなくなったという状況でございます しかしながら 海外のワクチンにおきましては まだこれらの安定剤を使用しておりまして 海外で使用実績があるということで 日本に導入する場合でもやはり これらの問題も考慮する必要があろうと考えております また 保存剤といたしましてエチル水銀 チメロサールが長年使用されてきましたけれども こういった防腐剤につきましても使用しない方向で改良 開発が望まれております 更に 使用する医療機関側の問題として あらかじめ注射器にワクチンが充填されているワクチンということで プレフィルドシリンジと呼ばれていますけど そういったものの開発も求められております 我々 ワクチン製造メーカーとしましては これらの問題をできるだけ解決する方向で新しいワクチン 或いは 現在使用されているワクチンの改良に取り組んでいるところでございます スライド8をご覧下さい また ご存じのように 新しいワクチンを開発する場合 ここに示すような薬事法下でのいろいろな法規制を遵守していかなければなりません 今年 4 月から新しい薬事法が施行されましたけれども 開発段階におきましてはGLP GCP 或いは 治験薬 GMPといった基準を遵守して 開発していかなければなりませんし 製造段階 或いは 流通 使用段階におきましては このような規制下にあっていろいスライド8 ワクチンの開発 製造 使用段階の法規制 薬事法 : 開発段階製造段階流通 使用段階 製造販売業の許可 製造販売承認 製造業の許可 再審査 GPSP 市販後調査 再評価 GLP GCP 非臨床試験臨床試験治験届 GQP 品質管理 GVP 安全管理 国家検定 治験薬 GMP 医薬品 GMP 生物学的製剤基準 治験薬の製造管理 品質管理 製造管理 品質管理 生物由来製品 / 生物由来原料基準 カルタヘナ法 : 遺伝子組換え生物等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 228

ろと対応していかなければならないということでございます また ワクチンは先程述べましたように 生物由来製品であることから 生物由来原料基準というものも遵守して開発していかなければなりません ですから 開発段階から日本及び米国をはじめとするBSE 発生国の牛に由来するような原料は使用できませんし また そういったものを仮に使って開発された場合 後で非常に問題になるということがございます 更に 組換えDNA 技術を使った医薬品を開発する場合 ワクチンを開発する場合はカルタヘナ法という法律 遺伝子組換え生物等の規制による生物の多様性の確保に関する法律 というのがございまして これに基づくいろいろな規制を受けるということにもなります また ワクチンは種類によっては非常に需要も少ないということ 或いは 単価も安いということから これらの法規制を遵守する中で膨大な開発費用 期間をかけて新しい製品を開発したとしましても なかなかそれらを回収するということが困難であるという問題も抱えております スライド9をご覧下さい そのような状況の中で 我々が現在行っております新しいワクチンの開発状況 或いは 改良状況について 具体的にその一部をご紹介したいと思います まず 新規のワクチンですけれども MRワクチンがございます 当会のMRワクチンは 新 GCP 下での治験を経て 今年 7 月に製造販売承認を得 ミールビックという販売名で今月から使われる予定でございます 同じMRワクチンとしまして 武田薬品工業さんも最近製造承認を取得しておりまして 来年の4 月からは私どもとこの2 種類のMRワクチンが定期接種として使用される予定でございます また現在 製造承認申請中のワクチンとしましては マウス脳に代わる細胞培養不活化日本脳炎ワクチンがございます スライド9 ワクチンの新規開発 改良状況 MRワクチン( 麻しん 風しん混合生ワクチン ) 販売名 : ミールビック 細胞培養不活化日本脳炎ワクチン 新型インフルエンザワクチン DPTIPV 混合ワクチン マラリアワクチン 細胞培養/ 経鼻投与型インフルエンザワクチン 生ウイルス混合ワクチン(MRV MMRV) 西ナイル熱ワクチン 防腐剤を使用しないワクチン 牛血清を使用しない生ワクチン( 麻しん 風しん ) 229

それからまた 新型インフルエンザワクチンについても開発を行っております それから 経口生ポリオウイルスの種ウイルスでありますセービン株のいわゆる 弱毒株を不活化したポリオワクチンを私どものDPTに混合したDPTIPV 混合ワクチンの開発も行っております 更に研究段階でございますけれども 細胞培養法によるインフルエンザワクチン 或いは それを用いた経鼻投与型の粘膜ワクチンの検討も行っております それから 更には生ウイルス混合ワクチンとして麻疹 風疹に水痘を加えたワクチンであるとか 更におたふくを加えたMMRVワクチンの開発も検討しております 更には 長崎大学の熱帯医学研究所の森田教授らとともに 西ナイル熱ワクチンに関する開発も行っておりまして このワクチンにつきましては 現在臨床試験の手前まで終了している状況でございます 一方 既存ワクチンの改良としましては チメロサール等の防腐剤を一切使用しないワクチンであるとか 牛血清を使用しない製造方法による生ワクチンの開発ということもやっております スライド10をご覧下さい 具体的にその一例をご紹介しますけれども これが今月から販売が予定されておりますM Rワクチン ミールビック でございます このような包装で市場に出る予定でございます 230 スライド11をご覧下さい ミールビックMRワクチンの特徴ですけれども 1 回の皮下投与によって 麻疹及び風疹の二つの免疫を同時に付与することができるということと あと 二つのワクチンが1 回の接種で終わりますからワクチン接種スケジュールの軽減につながるし 被接種者である小児の身体的負担が軽減されるということ ワクチン接種にかかる保護者の要する時間であるとか経費が節減できるということ 更には 混合ワクチンとすることにより ひいては麻疹 風疹の接種率の向上につながるのではないかということで大いに期待されているワクチンスライド10 スライド11 ミールビック < 乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン> ミールビックの特徴 < 乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン > 一度の皮下接種で麻しん及び風しんに対する免疫を同時に誘導する 接種回数が減少することにより ワクチン接種スケジュールの緩和 非接種者である小児の身体的負担の軽減 保護者のワクチン接種に要する時間 経費の節減 麻しん及び風しんワクチンの接種率の向上 副反応発現率は 現行の麻しんワクチン及び風しんワクチンと同程度

スライド 12 現行日本脳炎ワクチンの問題点 マウス脳由来ワクチン 1. 迷入ウイルス, 脳成分の残存が完全に否定できない 2. 原料であるマウスの品質管理が困難 3. 動物愛護 4. 緊急なワクチン製造 バイオハザード対策 でございます スライド12をご覧下さい 次に 日本脳炎ワクチンですけれども 現行の日本脳炎ワクチンは安全性 有効性ともに非常に優れたワクチンでありまして 国際的にも認められた唯一のワクチンでございます しかしながら マウス脳を原料に使うということから ここに書いてございますようにマウス由来の迷入ウイルスであるとか マウスの脳成分の残存が完全に否定できないというふうな問題がございます 冒頭に述べましたように 厚生労働省は 現行ワクチンを接種した後で ごく稀に起こる百数十万人に一人という比率で起こるADEMが ワクチン接種に由来することが否定できないということで 定期接種を勧奨しないということになっております また その他にこのワクチンにつきましては 大量のマウスを使うということから 動物愛護の問題もございます このような問題を解決するため 我々は 10 年ほど前から新しいワクチンの開発を行ってまいりまして やっと今年 製造承認申請を行ったという状況でございます スライド13をご覧下さい 新しいワクチンはマウスに代わりまして ここに示しますようにマイクロキャリアと呼ばれる デキストランでできたビーズですけれども 直径約 150マイクロメーターのビーズの表面に vero 細胞と呼ばれますアフリカ緑猿腎臓由来の細胞をこうして付着して こうした培養タンクで浮遊して培養増殖させます そして増殖させた細胞に日本脳炎ウイルスを接種して それをワクチンにするというものでございまして 本質的には現行ワクチンとウイルスを増殖させる宿主のみが違うというワクチンでございます こういった技術を開発することによりまして 他のワクチンの開発にも応用できるというふうに考えております 231

スライド 13 Vero 細胞由来ワクチンの利点 Vero 細胞 1. マウス脳由来ワクチンの問題点を解決 2. 製造工程におけるバイオハザード管理が容易 3. 製造技術を他のワクチンへ応用できる スライド 14 Vero 細胞由来日本脳炎 西ナイル熱ワクチン 日本脳炎ワクチン 西ナイル熱ワクチン スライド14をご覧下さい これは 新しいvero 細胞を使ったワクチンの一例でございますが 左が日本脳炎ワクチンでございます 西ナイルウイルスは 日本脳炎ウイルスと非常に近縁であるということで 西ナイル熱ワクチンも全く同じ方法で製造を行いますと このように右が西ナイル熱ワクチンの電子顕微鏡像ですけれども 同様にちゃんとしたものができるということでございます スライド15をご覧下さい vero 細胞を用いて製造した日本脳炎及び ウエストナイル熱ワクチンをそれぞれ単独或いは混合して マウスに免疫したときのそれぞれのウイルスに対する抗体の状況をお示しした成績でございます 232

スライド 15 マウスにおける抗体産生能 ワクチン 抗原量 ( 蛋白質含量 / マウス ) 中和抗体価 (log 10) 抗 WNV 抗体 HI 抗体価 ( 倍 ) 蛍光抗体価 ( 倍 ) 抗 JEV 抗体 中和抗体価 (log10) JEV 62.5ng 1.13 20 640 3.75 JEV+WNV 62.5+62.5ng 2.41 160 2560 3.61 31+31ng 2.66 160 1280 3.40 62.5ng 2.81 160 1280 1.59 WNV 31ng 2.73 80 640 1.07 16ng 2.45 80 640 n.d. 8ng 1.90 10 <40 n.d. PBS <1.0 <10 <40 <1.0 日本脳炎ワクチンを接種した場合は 日本脳炎ウイルスに対する高い中和抗体を産生しますし 近縁でありますウエストナイルウイルスに対しましては わずかですけれども中和抗体を産生します なおかつ HI 或いは蛍光抗体も上昇させます ウエストナイルワクチンは 用量を変量して免疫しますと 特異的に ウエストナイルウイルスに対する中和抗体価を上昇させるということで 当然ですけれども日本脳炎とウエストナイルを混合して免疫した場合には それぞれ単独で接種したものと同等の中和抗体も与えるということで ウエストナイルワクチンが一応 実用化ができるのではないかと考えております そういうことで 一応現時点では ウエストナイルワクチンにつきましては 非臨床試験の終了まで進んでいるわけですけれども 残念ながら日本におきましては 有効性を評価することができないということで 今後開発をどう進めていくかが課題として残っております スライド16をご覧下さい 次に パンデミックインフルエンザワクチンについてですが 先程河岡先生もお話がありましたけれども 厚生労働省から最近 新型インフルエンザ対策行動計画というものが示されておりまして その一環としまして 厚生労働省 国立感染症研究所 また私ども細菌製剤協会のインフルエンザワクチンを製造している4 社のメーカーの共同開発ということで 現在 新型インフルエンザワクチンの開発を行っております パンデミックインフルエンザワクチン開発の国際的な考え方としましては ヒトは新型インフルエンザに対して 全く免疫を有していないということを前提にしまして より少ない抗原量 より多くの人に投与できて しかもより高い免疫を付与することを目的に 不活化 233

スライド 16 新型インフルエンザワクチン 新型インフルエンザワクチン開発の戦略 モックアップ ( 模擬 ) ワクチンによる製造承認 H5 亜型弱毒ウイルス全粒子アジュバント ( アルミニウムゲル ) + またはHA アジュバント比添加 非臨床試験 臨床試験 承認 新型インフルエンザ流行株の弱毒株を用いた不活化ワクチン スライド 17 インフルエンザワクチン H5N1 全粒子ワクチン 現行 HA ワクチン ウイルスの全粒子または HAの抗原にアジバントとしまして アルミニウムゲルを転化したワクチンを開発しようという流れとして進んでおりまして 我が国におきましては 先程河岡先生から話がございましたけれども H5 型の弱毒ウイルスを使って その全粒子にアジバントとして アルミニウムを加えたワクチンを開発しようということで進んでおりまして 現在 非臨床試験の終了一歩手前というところまで進んでいます それで こういった考え方の中で 製造承認を頂きまして 新しい本当のパンデミックが起こった場合は そのウイルスを弱毒化して不活化ワクチンを作ろうということで進んでおります スライド 17 をご覧下さい 234

左がその不活化 H5N1ウイルスの全粒子の電子顕微鏡写真でございますが これにアルミニウムゲルを加えたものをワクチンとしようとしているわけでございます 右が私どもの現行のHAワクチンでございます HAワクチンは ウイルスをエーテルで分解した後 抗原の再結合をさせたものですけれども このように1ドーズあたり 1 株あたりHA 抗原として15μg NA 抗原として3から4μg そして その他のものとしては RNPが含まれているというワクチンでございます インフルエンザワクチンにつきましては その他に やはり有効性を向上させるということと あと 緊急時に対応できるワクチンの製造方法を確立するということから 細胞培養法によるワクチン開発が各国において精力的に行われております 海外ではすでに オランダにおきまして細胞培養ワクチンが使用されております 使用する細胞もいろいろな種類の細胞が検討されておりますけれども 我々はインフルエンザウイルスに対して 最も感受性が高くて造腫瘍性が低い細胞ということで 付着性のM DCK 細胞を用いて 開発しようということでやっておりまして 現在数百リットルの規模まで培養が可能であるということを経験しております スライド18をご覧下さい 左がその顕微鏡写真でございますが このMDCK 細胞は このようにクラスターを形成して非常によく増殖します そして このクラスターをほぐしたのが右のスライドですけれども 先程の日本脳炎と同じマイクロキャリアを使った培養法でございますけれども すべてのマイクロキャリアにこのようにぎっしりと細胞が付着して増殖します こういった細胞でインフルエンザウイルスを増やしますと ほとんどのインフルエンザの株におきまして 発育鶏卵と同等以上のウイルス抗原が得られるということが確認されております そういった開発というものも進めております スライド19をご覧下さい 更には より有効性の高いインフルエンザワクチンを開発するという目的で 経鼻投与型の粘膜免疫ワクチンの検討も行っております これにつきましては 各機関においても精力スライド18 マイクロキャリア法によるMDCK 細胞 235

スライド 19 経鼻ワクチンの抗体応答 Immunization (0w & 3w) AntiNC HA Ab responses (3ld) Vaccine (N.C.; H1N1) (μg) Adjuvant (0.1μg) NWIgA (2 n ) SerumIgG (4 n ) Split (0.1) Split (0.2) Split (1.0) whole (0.01) whole (0.03) whole (0.1) whole (0.2) whole (1.0) whole (10.0) Split (0.1) CTB* < 1 2 3 4 5 6 7 8 < 1 2 3 4 5 6 7 8 的に検討がされておりますけれども 我々も検討を行っておりまして これはH1 型の成績の一部ですけれども H1のニューカレドニアという株のスプリットの抗原と ホールの抗原をBALB/Cマウスに3 週間隔で2 回経鼻投与しまして 鼻腔中のIgA 抗体と血中の IgG 抗体を調べたものですけれども スプリットワクチンにしますと1 匹あたり ⅠgA を投与してもほとんどIgA 抗体の産生が認められませんけれども ホールのウイルスですと0.1 或いは0.2μgの投与でも鼻腔中にIgAの産生が認められ しかもスプリットにコレラトキシン アジバントとして非常に有効なアジバントですけれども コレラトキシンを加えたものと同等レベルのIgAの産生が認められる しかも血中のIgG 抗体も産生するということで こういったホールワクチンの経鼻投与 或いはそれに 有効なアジバントを添加した経鼻投与型のワクチンということを目指して現在開発しております このように経鼻投与型のワクチンで感染局所のIgA 抗体を上げ しかも血中のIgG 抗体を上げることができますと 非常に有効なワクチンが開発できるのではないかというふうに考えております スライド20をご覧下さい 次に 最後になりましたが現行ワクチンの改良ということで すでに市販されているワクチンもございますが 使用する側の立場に立った剤形ということで 医療機関からはワクチンをあらかじめ注射器に充填したワクチン ( プレフィルドシリンジ ) ということで呼ばれていますけれども そういった製品の開発が望まれております 今後は ほとんどの液状ワクチンにおきましては このようなプレフィルドシリンジに変わっていくものであろうというふうに考えます 236

スライド 20 ワクチンのプレフィルドシリンジ化 現行 ( バイアル ) シリンジキット スライド 21 共同研究者 マラリアワクチン西ナイル熱ワクチン経鼻投与型インフルエンザワクチン生ウイルス混合ワクチン 大阪大学微生物病研究所堀井俊宏長崎大学熱帯医学研究所森田公一国立感染症研究所倉根一郎 高崎智彦 小島朝人国立感染症研究所田村慎一徳島大学木戸博 水野大独立行政法人医薬基盤研究所山西弘一 森康子 このようなシリンジキットになりますと 医療機関におきまして ワクチンをバイアルから注射器に吸引するときの時間というものが大幅に短縮されますし また 吸引した後のワクチンの誤使用であるとか 或いは 医療用の産業廃棄物の減少にもつながるのではないかということで開発が要求されております 以上 雑駁な話になりましたけれどもワクチンメーカーが行っていますワクチン開発の現状と 問題点をご理解頂ければ幸いと考えます スライド21をご覧下さい 最後になりましたが 私どもの共同をお願いしている先生方のリストでございます どうも有難うございました 237