第 2 講 倫理 総まくり 2 インド思想と仏教 1 輪廻の原因は業 カルマ であり, 輪廻から解放されることを解脱という 2 バラモン教は, ブラフマー ヴィシュヌ シヴァを 三神一体 の最高神とし て崇拝する, インドの民間信仰から起こった 3 ジャイナ教では, 輪廻から解脱するには, 厳しい修行の他に不殺生 アヒン サー などの戒めを守ることが求められた 4 仏教では, さまざまな煩悩は苦しみや悲しみを引き起こすが, その根本原因 は, 無常や無我に関する無知にある, とする 5 すべての物事は相対的であり, 互いに関わり合っている, というのが縁起の 法である 6 慈悲とは, 人間や動植物に至るまで, 他者に楽しみを与え苦しみを取り除く ことである 7 唯識思想を説いたのは竜樹 ナーガールジュナ である 8 大乗仏教では, あらゆる生命あるものはことごとく救済される可能性をもっ ており, それらの救済をめざし修行することが理想とされた 9 上座部仏教は, ブッダが制定したとされる戒律を忠実に守り, スリランカで は国家の保護を受け, さらに東南アジアに伝わった 中国思想 1 儒学は, 隋 唐以後, 官吏登用試験である科挙の科目となった 2 四書五経 の五経とは, 詩経 書経 易経 春秋 礼記 である 8
3 孔子の説いた 忠恕 の 忠 は他人に対する思いやり, 恕 は自己を尽くす純 粋なまごころである 4 孟子の説いた 惻隠の心 は義の端緒である 5 荀子の考えでは, 人間は欲望のままに行動する利己的存在であり, 利己的な 心から争いが発生する 6 荀子は, 人は先王によって定められた礼を身に付ければ争いを未然に防ぐこ とができると説いた 7 朱熹 朱子 は, 人の本性は万物と共通の理であり善なるものだが, 肉体を構 成する気によって乱されており, 悪の存在はその乱れに由来する, とした 8 王守仁 王陽明 は, 心に本来備わっている良知を発揮していくことが, 仁を 実践する正しい生き方であり, 四書の要点もそこにあると説いた 9 朱子学は官学となったが, 陽明学は一貫して民間の学問であった 10 儒家の説く 道 と道家の説く 道 は, ほぼ同じ意味で用いられている 11 老子は, 現実の政治や社会の分野には関心を示さず, 人々に作為を捨て宇宙 の根源である道に任せて生きるよう説いた 12 荘子は, 道 の立場から見れば, 大小, 是非などすべての価値的区別は相対 的なものにすぎず, 人の本性にも善悪の区別などない, とした 13 大道廃れて仁義あり 上善は水の如し は, ともに荘子の言葉である 14 墨子ら墨家は, 自他を区別しない平等な愛を批判し, 家族中心の愛を説いた 15 韓非子ら法家は, 人を動かすには道徳より賞罰のほうが威力をもつと考え, 信賞必罰を説いた 9
日本の風土と独自の思想 1 モンスーン型風土では, 人々は自然の規則性に合わせ農耕 牧畜生活を営み, 合理的 科学的な思考方法を発達させる 2 稲作は, 同じ水田で連作するため, 日本に定住生活と強い共同体意識を確立させた 3 古事記 日本書紀 万葉集 は, 古代日本人の考え方を知る上で, 中国思想の影響が強すぎるため, 史料としてあまり有意義でない 4 アメリカの文化人類学者ルース = ベネディクトは, 菊と刀 を著して, 西洋文化を 罪 の文化, 日本文化を 恥 の文化と考察した 5 ハレとは日常と違う特別の日, ケとは日常生活を営む普通の日を意味する 6 古代の日本人は, さまざまな自然現象や自然物をカミとして崇拝した これ を八百万神という 7 日本では, 災害や病気を人間の心のもち方によって引き起こされたものと考 え, 罪を告白し, 悔い改めることにより赦しを得ようとした 8 平家物語 や鴨長明の 方丈記 は, 仏教的無常観を土台に書かれている 9 わび は千利休, さび は松尾芭蕉により, それぞれ茶の湯と俳諧の美的理 念を表す言葉となった 10 いき は江戸時代の人々の美意識で, 哲学者の九鬼周造が いき の構造 で 分析した 日本仏教の展開 1 仏教伝来時, 外来の神を敬うのは, 在来の神々の怒りを呼ぶ恐れがあるとして, 仏を蕃神と呼び信仰に反対する豪族 ( 物部氏など ) もあった 10
2 聖徳太子は, 現世への執着を肯定し, 同時に仏の真理に生きることも肯定し た 3 奈良時代の行基は, 念仏を唱える人はすべて救われるとし, 踊念仏を通じ諸 国を遊行 布教して, 多くの民衆を教化した 4 最澄 伝教大師 は, 大日如来を宇宙の根本仏として即身成仏を説き, 儒教 道教に比べ仏教の優位性を示す 三教指帰 を著した 5 平安時代には神仏習合が進み, 神が根源で仏はその現れとする 本地垂迹説 が発達した 6 源信は, 極楽浄土や地獄について述べた書物を著し, 往生するためには阿弥 陀仏の姿を心に思い描く必要があると説いた 7 法然は, 末法の世には自力の聖道門の教えは困難であり, 他力の浄土門こそ ふさわしいと考えた 8 歎異抄 は, 親鸞の悪人正機説を伝えている 9 仏道をならうというは, 自己をならうなり 自己をならうというは, 自己 を忘るるなり は, 栄西の言葉である 10 日蓮の 四箇格言 は, 当時盛んであった天台宗を含め, すべての他宗派を非 難している 日本近世の思想 1 朱子学のうち京学の藤原惺窩や林羅山 道春 は, 生涯を通して仏教とは無関係であった 2 林羅山は, 上下定分の理を具体化した礼儀 法度の厳守を説いて, 幕藩体制の身分制度の確立に貢献した 11
3 朱子学のうち南学の山崎闇斎は, 儒学と神道を結びつけた復古神道を説いた 4 日本陽明学の祖である中江藤樹は, 孝の実践には 時 処 位 が重要である と説いた 5 古学のうち聖学の山鹿素行は, 武士が農工商三民の道徳的指導者であるべき, という 士道 を説いた 6 古学のうち古義学の伊藤仁斎は, 論語 を重視し 最上至極, 宇宙第一の書 であると主張した 7 古学のうち古文辞学の荻生徂徠は, 道とは天下を安んずるための道であり, 具体的には礼楽刑政などの制度であると説いた 8 万葉考 国意考 を著した国学の賀茂真淵は, 万葉集 に示されている た おやめぶり を理想とした 9 賀茂真淵の弟子であった本居宣長は, 古事記伝 源氏物語玉の小櫛 玉勝間 などを著した 10 平田篤胤は, 古来の神道の姿を求めて復古神道を提唱し, 現実の生の背後に ある死後の霊魂の行方を論じて, その教えは民間にも広まった 11 京都の石田梅岩は, 生産活動をせず流通で利益を上げる商人の不当性を, 著 書 都鄙問答 で攻撃した 12 八戸の安藤昌益は, 万人直耕の自然世 を理想として 自然真営道 を著し, 当時広く読まれた 13 小田原の二宮尊徳は, 分度と推譲を説いて関東各地に独自の報徳仕法を広めた 14 佐久間象山は, アヘン戦争で清がイギリスに敗北したことに衝撃を受け, 東 洋道徳 とともに 西洋芸術 をも詳しく学ぶべきであると主張した 12
Note 13
夏期講習高 3 倫理解答 第 2 講 解答 インド思想と仏教 1 2 3 4 5 6 7 8 9 中国思想 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 日本の風土と独自の思想 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 日本仏教の展開 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 日本近世の思想 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 41