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介護における尊厳の保持 自立支援 9 時間 介護職が 利用者の尊厳のある暮らしを支える専門職であることを自覚し 自立支援 介 護予防という介護 福祉サービスを提供するにあたっての基本的視点及びやってはいけ ない行動例を理解している 1 人権と尊厳を支える介護 人権と尊厳の保持 ICF QOL ノーマ

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系統看護学講座 クイックリファレンス 2012年 母性看護学

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13 Ⅱ-1-(2)-2 経営の改善や業務の実行性を高める取組に指導力を発揮している Ⅱ-2 福祉人材の確保 育成 Ⅱ-2-(1) 福祉人材の確保 育成計画 人事管理の体制が整備されている 14 Ⅱ-2-(1)-1 必要な福祉人材の確保 定着等に関する具体的な計画が確立し 取組が実施されている 15

1 単位対象学年 組 区分 1 年 必修 奥村秀章 黒尾卓宏 晝間久美 保健体育 保健 我が国の健康水準 健康であるための成立要因や条件について理解させ 飲酒や喫煙等の生活習慣について考える 薬物乱用 感染症 エイズの予防対策の重要性について認識させる ストレス社会への対処の仕方や身

(目的)

Taro-自立活動とは

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3) 適切な薬物療法ができる 4) 支持的関係を確立し 個人精神療法を適切に用い 集団精神療法を学ぶ 5) 心理社会的療法 精神科リハビリテーションを行い 早期に地域に復帰させる方法を学ぶ 10. 気分障害 : 2) 病歴を聴取し 精神症状を把握し 病型の把握 診断 鑑別診断ができる 3) 人格特徴

社会福祉学部 臨床心理学科 占部 友衣さん 社会福祉学部 臨床心理学科 3年 大阪府 桃山学院高等学校 出身 大学入学後 心理学には 社会心理学 や 犯 罪心理学 など 多彩な分野があることを知り 驚きました 私は2年次に犯罪心理学の授業で 非行少年の家族や親子関係に関心をもち 研 究を進めています

9(1) 介護の基本的な考え方 9() 介護に関するこころのしくみの基礎的理解 9() 介護に関するからだのしくみの基礎的理解 9(4) 生活と家事 5 9(5) 快適な居住環境整備と介護 9(6) 整容に関連したこころとからだのしくみと自立に向けた介護 4 4 理論と法的根拠に基づき介護を行うこと

回数テーマ学習内容学びのポイント 2 過去に行われた自閉症児の教育 2 感覚統合法によるアプローチ 認知発達を重視したアプローチ 感覚統合法における指導段階について学ぶ 自閉症児に対する感覚統合法の実際を学ぶ 感覚統合法の問題点について学ぶ 言語 認知障害説について学ぶ 自閉症児における認知障害につ

月 6 日金 幼児期の子どもの健康障害と看護 2 川崎病幼児期の子どもの健康障害と看護 3 髄膜炎 月 13 日金 C401 学童期の子どもの健康障害と看護 2 糖尿病学童期の子どもの健康障害と看護 3 紫斑病看護過程 3 まとめネフローゼ症候群の子

資料 3 全国精神保健福祉センター長会による自殺予防総合対策センターの業務のあり方に関するアンケート調査の結果全国精神保健福祉センター長会会長田邊等 全国精神保健福祉センター長会は 自殺予防総合対策センターの業務の在り方に関する検討チームにて 参考資料として使用されることを目的として 研修 講演 講

01 表紙

Ⅲ 各種施策及び事業の動向 第 1 妊娠 出産期から乳幼児期にかけての子育て支援 4 乳児健康診査 (1) 根拠法令等 母子保健法 厚生省児童家庭局長通知 仙台市乳児健康診査実施要領 (2) 制度の概要 事業目的 対象者 実施機関 一般健康診査 精密健康診査 乳児の心身の異常を早期に発見し, 早期に

活実態と関連を図りながら重点的に指導していきたい また, 栄養教諭による給食献立の栄養バランスや食事によるエネルギー量を基盤として, グループごとに話合い活動を取り入れるなどの指導の工夫を行いたい また, 授業の導入にアイスブレイクや, カード式発想法を取り入れることにより, 生徒が本気で語ることが

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2. 身体障がいの状況 (1) 身体障がいの種別 ( 主な障がいの部位 ) 平成 28 年 6 月 30 日現在の身体障害者手帳所持者の身体障がいの種別 ( 主な障がいの部位 ) をみると 肢体不自由が 27,619 人 (53.3%) と全体の過半数を占めて最も多く 次いで 内部障がいが 15,9

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回数 テーマ 内容 2 発達障害のある児童の心理 行動特性 1 学習障害のある人の心理 行動特性 3 発達障害のある児童の心理 行動特性 2 ADHD のある人の心理 行動特性 4 発達障害のある児童の心理 行動特性 3 自閉スペクトラム症のある人の心理 行動特性 5 発達障害に対する支援 1 学習

平成 29 年度児童発達支援センターバンビ事業計画 1. 基本方針 児童発達支援センターバンビは相模原市南区の発達障害児の療育を遂行するため 以下の基本理 念 療育基本指針に則りサービスを提供する 1) 基本理念 1 児童一人ひとりに対する丁寧な 根拠 ある療育相模原療育園の医療スタッフとの連携によ


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会計 10 一般会計所管課健康推進課款 4 衛生費事業名インフルエンザ予防接種費項 1 保健衛生費目 2 予防費補助単独の別単独 前年度 要求段階 財政課長内示 総務部長 市長査定 最終調整 予算計上 増減 1 当初要求 2 追加要求等 3 4( 増減額 ) 5( 増減額 ) 6=

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評価方法 ディスカッション等の事例を用いた活動実習ブレインストーミング 定期テストディスカッション等の事例を用いた活動実習ブレインストーミングその他成果物 定期テストディスカッション等の事例を用いた活動実習ブレインストーミングその他成果物 上に示す観点に基づいて 学習のまとまりごとに評価し 学年末に

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1 基本健康診査基本健康診査は 青年期 壮年期から受診者自身が自分の健康に関心を持ち 健康づくりに取り組むきっかけとなることを目的に実施しています 心臓病や脳卒中等の生活習慣病を予防するために糖尿病 高血圧 高脂血症 高尿酸血症 内臓脂肪症候群などの基礎疾患の早期発見 生活習慣改善指導 受診指導を実


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SNPs( スニップス ) について 個人差に関係があると考えられている SNPs 遺伝子に保存されている情報は A( アデニン ) T( チミン ) C( シトシン ) G( グアニン ) という 4 つの物質の並びによってつくられています この並びは人類でほとんど同じですが 個人で異なる部分もあ

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乳児期からの幼児教育について 大阪総合保育大学 大方美香

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必要性 学習指導要領の改訂により総則において情報モラルを身に付けるよう指導することを明示 背 景 ひぼう インターネット上での誹謗中傷やいじめ, 犯罪や違法 有害情報などの問題が発生している現状 情報社会に積極的に参画する態度を育てることは今後ますます重要 目 情報モラル教育とは 標 情報手段をいか

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平成18年度標準調査票

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人間科学部専攻科目 スポーツ行政学 の一部において オリンピックに関する講義を行った 我が国の体育 スポーツ行政の仕組みとスポーツ振興施策について スポーツ基本法 や スポーツ基本計画 等をもとに理解を深めるとともに 国民のスポーツ実施状況やスポーツ施設の現状等についてスポーツ行政の在り方について理

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Q1 診断書等がない子どもへの合理的配慮はどう考えたらよいのか A1 診断書や障がい者手帳等の有無が 合理的配慮の提供に関する判断の基準ではありません 教育支援資料 ( 文部科学省平成 25 年 10 月 ) において 各障がいは以下のように定義されています ( 参考 ) 教育支援資料における各障が

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平成24年5月17日

健康管理学 29 社 1_21 健康管理学.xlsx 1 年 科目名 : 健康管理学 担当教員氏名 : 成瀬優知 単位 開講時期 ( 年次 期 ) 2 1 年次後期 科目の区分 授業方法 必修 / 選択 専門選択科目講義選択 備考 健康管理士一般指導員受験資格 健康を維持するために必要な健康管理法に

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「手術看護を知り術前・術後の看護につなげる」

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特別な支援を必要とする 子どもの受け入れと対応

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時期場面子ども自身の問題 乳 児 期 乳児訪問 1~2 か月訪問 乳児健診 (3~4 か月 7~8 か月 10 か月 ) 健診時に要チェック項目がある ( 体重増加が悪い 先天性の疾患がある等 ) 既往歴がある ( 硬膜下血腫 頭蓋骨骨折 ) 気持ちを苛立たせるような泣き声 あやしても泣き止まない

伊川谷児童デイサービスステップ 環境 体制整備 区分 1 チェック項目現状評価 ( 実施状況 工夫点等 ) 保護者の評価保護者の評価を踏まえた改善目標 内容 利用定員に応じた指導訓練室等スペースの十分な確保 利用人数が日によって変わるので利用者数に合わせて活動内容を工夫しています 2 職員の適切な配

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教育調査 ( 教職員用 ) 1 教育計画の作成にあたって 教職員でよく話し合っていますか 度数 相対度数 (%) 累積度数累積相対度数 (%) はい どちらかといえばはい どちらかといえばいいえ いいえ 0

平成 25 年度教育課程普通科 教科科目 標準単位数 1 年 平成 25 年入学生 2 年 3 年 文系生物理系創造文化系 文系生物理系創造文化系 平成 24 年入学生 平成 23 年入学生 1 年 2 年 3 年 1 年 2 年 3 年 国語 国語表現 Ⅰ 2 E 2 E 2 E 2 E 2 国語


事務連絡 令和元年 6 月 21 日 ( 公社 ) 岡山県医師会 ( 一社 ) 岡山県病院協会 御中 岡山県保健福祉部健康推進課 手足口病に関する注意喚起について このことについて 厚生労働省健康局結核感染症課から別添のとおり事務連絡が ありましたので 御了知いただくとともに 貴会員への周知をお願い

理学療法士科 区分 平成 30 年度教科課程 開講科目名 必修授業 ( 英語表記 ) 選択形態 時間数 ( 単位数 ) 講義概要 心理学 Psychology 必修 講義 15 (1) 認知 思考 行動などにおける心理の過程を知り 人の内面を見る手がかりとする 教育学 Pedagogy 必修講義 1

歯科中間報告(案)概要

都立小岩高等学校 全日制

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図人権教育を通して育てたい資質 能力 人権教育の指導方法等の在り方について [ 第三次とりまとめ ] をもとに作成 5

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18 定期的にモニタリンク を行い 放課後等ディサービス計画の見直しの必要性を判断しているか 19 カ イト ラインの総則の基本活動を複数組み合わせて支援を行っているか 20 障害児相談支援事業所のサービス担当者会議にその子どもの状況に精通した最もふさわしい者が参画しているか 関係機関や保護者との連

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幼児教育学科 平成 7 年度入学者対象 ( 学生番号 5 ) < 卒業に必要な単位数 > 科目区分 単位数 必修科目 専門教育科目 8 外国語科目 4 単位 専門教育科目 66 選択必修科目 共通教育科目 0 88 単位以上 健康スホ ーツ科目 専門教育科目 共通教育科目外国語科目 選択科目 健康ス

保健体育科学習指導案

別添 事業者向け放課後等デイサービス自己評価表 及び 保護者等向け放課後等デイサービス評価表 について 放課後等デイサービスガイドライン ( 以下 ガイドライン ) は 放課後等デイサービス事業所における自己評価に活用されることを想定して作成されたものですが 各事業所で簡易に自己評価を行うことができ

, 地域包括支援センターの組織と人材 2. 1 福祉専門職の歴史と特性

5. 死亡 (1) 死因順位の推移 ( 人口 10 万対 ) 順位年次 佐世保市長崎県全国 死因率死因率死因率 24 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 悪性新生物 位 26 悪性新生物 350

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神経発達障害診療ノート

主な事業 ( 平成 27 年度内容 ) 支援の方向事業名内容 / 対象者 / 対応者 / 実施場所 発達支援健診 総合発達相談 健康づくり推進課 各健康支援課 あそびの教室 健康づくり推進課 各健康支援課 発達障害者支援センターの運営 障害者福祉課 障害児等療育支援事業 障害者福祉課 障害児巡回指導

26 年度後期時間割 時限は下記の通り 11 8:50~10: :30~12: :00~14: :50~14: :40~16: :30~16: :20~17:50 時限の例 開始時限が11で終了時限が11の場合は8:

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乳幼児健康診査について

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第 1 章 ヘルスプランぎふ 21 の基本的な考え方 1 計画策定の趣旨 ヘルスプランぎふ 21 は 岐阜県健康増進計画として平成 14 年 3 月に策定し その後平成 20 年度には 国が策定した 健康日本 21 と連動しながら メタボリックシンドロームに着目した生活習慣病の一次予防に重点をおいた

Ⅵ ライフステージごとの取り組み 1 妊娠期 2 乳幼児期 (0~5 歳 ) 3 学童期 (6~12 歳 ) 4 思春期 (13~19 歳 ) 5 成年期 (20~39 歳 ) 6 壮年期 (40~64 歳 ) 7 高年期 (65 歳以上 ) ライフステージごとの取り組み ( 図 )

標準的な健診・保健指導の在り方に関する検討会

Transcription:

子どもの保健 Ⅰ 指定教科書 図表で学ぶ子どもの保健 Ⅰ 加藤忠明 岩田力編著建帛社 2,520 円 はじめに 今年度より 前カリキュラムでの 小児保健 と 精神保健 が統合され 子どもの保健 Ⅰ となった これは 保育士養成のカリキュラム全体の見直しの中で 近年急速に変化している子どもの出生や発育を取り巻く環境を十分に 保育者が理解し 対応できるようにしなければならないとの観点から より保育環境 生育環境に対する理解や そこでの保育者の役割を修得できるように改変されている 今回教科書とした本書だけでなく 他の同様の教科書レベルの図書や参考資料 専門書も活用して 子どものこころと身体の保健について学習を進めてほしい 子どもの保健 Ⅰ 教科書 1 2 3 12 13 章今年度より 従来の 子どもの保健 Ⅰ を 子どもの保健 Ⅰ と 子どもの保健 Ⅱ に分けることとした 子どもの保健 Ⅰでは 母子保健 虐待対応等行政にも拘わる分野と保育の場の健康管理 安全管理 環境衛生等保育者としてしなければならない活動 並びに 乳幼児の心身の発達状況を学ぶことが中心となる 子どもの保健 Ⅱ 教科書 4 5 6 7 8 9 10 11 章子どもの保健 Ⅱについては 小児期にみられる疾患 障害について学習することを主眼としている 保育者として病気についての基礎的な知識を身につけてほしい そのうえで 幼稚園 保育園等の保育の現場で 保育者としてどのように対応する必要があるかを認識して 保育に活かせるよう学習してほしい 教科書では 発達障害を こころの問題 としているが こころの問題とい 1

うことばを おおまかに器質的な問題と情緒的な問題に分けて理解することが大切と考えている つまり 発達を支援すべき器質的問題である発達障害と 心理的問題 養育上の対応により十分に解決が期待できる情緒的問題を区別し 後者を こころの問題 と理解して学習してほしい 第 1 章子どもの健康と保健の意義 子どもの発達する力が十分に発揮できるように大人が支援する活動が保健活動と言える 保育者は 保育の場では 保護者に代わって子どもの健康を維持増進する役割と責任を負うのは当然である そのために 知っておかなければならない子どもの健康に関する知識や身につけなければならない技能をこの教科では学ぶ その前提として 健康とは何か 保健活動は何を目的に行うのかといった基本姿勢について学習する 第 2 章子どもの発育 発達と保健 乳幼児から児童期の子どもの心身の発達について習得することは 子どもにかかわる基本である 体格の発育に加えて 運動や生理機能 感覚機能等の身体機能の発達 情緒や感情等のこころの発達の基礎を学ぶ 第 3 章子どもの健康状態の把握と保育 第 1 章で子どもの健康を守る保健活動の意義を学び 第 2 章で子どもの標準的な発達状況を知り その上で 保育の場で 子どもの健康状況を把握する為の 観察の視点 方法論を学ぶ 第 4 章から第 8 章までは 子どもにみられる身体疾患の基礎的知識を学ぶ 2

第 4 章 先天異常 子どもの疾患には 生まれながらのものがある その疾患の発生は 遺伝子レベル 染色体レベル 胎生期 胎児期に発生するもの 出産時等の周産期に生じるものもある また 中枢神経系に障害があらわれ 知的障害や身体障害が現れるものや視覚や聴覚の障害 心臓等の内臓の障害や奇形もみられる 代表的な先天異常について 基礎的な知識を習得する 第 5 章 感染症 乳幼児期にかかりやすい感染症の基礎を学ぶ 諸氏は医療従事者となるのではないから 医学的な治療という視点は必ずしも必要ではない しかし 乳幼児とともに生活し 発達を援助するものとして 感染症にかかった時の対応 かからないようにする為の予防を実践できるように知識を身につけることが必要である 第 6 章 免疫とアレルギー疾患 自分の身体を守るしくみである 免疫機構 の基礎を学習し それと自分の身体を攻撃してしまう アレルギー疾患 の関係とは いかなるものかを知ることでアレルギーが何故起きるのかを学ぶ 更に 個々のアレルギー疾患の基礎について 誤った知識や俗説に左右されずに 保護者を指導できるよう学習を進めてほしい 第 7 章慢性疾患 第 4 章で示した先天異常や第 6 章のアレルギー疾患等の影響によって生じる慢性の病気や てんかん 小児の糖尿病 白血病等の悪性腫瘍や腎臓病等長期にわたって入院治療しなければならない病気や食事や運動等の生活面の制限をしなければならない病気がある 長い治療や生涯にわたる生活の制限を強いら 3

れる子どもたちやその保護者の心情も理解した上で それらの疾患の基礎的知 識を習得する 第 8 章小児期からの生活習慣病予防の重要性 現代の生活習慣が子どもたちの心身の発達に影響を与えていることには異論はないであろう 特に 食習慣の問題は大きく懸念され 食育基本法 が成立するにいたった そこでは 国全体で 食育に取り組むことが謳われ その担い手としての保育者の役割が明記されている 保育者となる諸氏自身の食にかかわる習慣や知識 経験を振り返り 次代の子どもたちに伝えていくべき食習慣をしっかり身に付けてほしい そのことが 生活習慣病 予防の道である 更に 生活の中で身体を動かす習慣の減少や 夜型の生活習慣 生活環境の変化等総合的な視点で 生活習慣病から諸氏自身も 子どもたちも守る為にするべきことを実践できるように学んでほしい 第 9 章と第 12 章と第 13 章は 健康管理 安全管理を行う為の保育者の役割と 基礎的知識を習得する 第 9 章子どもの疾病の予防と適切な対応 第 4 章の先天異常から第 8 章の生活習慣病までに取り上げられた様々な疾患には 予防の可能なものも不可能なものもある しかし 少しでも子どもたちを病気や障害から守るために出来ることは何かを学ぶ それは 予防接種や検診制度といった国全体の制度としての活動から 日常の 手洗い うがい の習慣付けの実践といったものまで多様である 保育者としての最低限の基礎的知識と実践の方法を身につけてほしい 更に 応急手当や救急処置等の基本も理解しておく必要がある 第 10 章と第 11 章は 子どものこころと発達の問題について理解し 子どもの こころの育ちを支えられる保育者として基本的姿勢を身につける 4

第 10 章子どもの生活環境と精神保健 子どものこころの健康を考えたとき 生活環境 特に 養育の環境が大きく影響することは周知のことであろう 第 8 章で取り上げたような生活習慣の問題は 子どもの身体ばかりでなく こころにも大きな影響を与える 更に 虐待に代表されるような保護者からの不適切な養育は 子どものこころに長期にわたって影響を与え続ける そのようなことのないように 保育者として行動しなければならないこと 身につけなければならないこと 保護者に支援できること等を学ぶ 更に 個別の子どものこころの問題についての基礎的な理解と対応についても学習する 第 11 章子どもの心の健康とその課題 発達障害を中心に 集団での保育の場において 全体の発達が明らかに遅れているのではないが 行動やコミュニケーション等が 気になる子 の存在が 指摘されるようになっ てきた そこには 様々な要因が考えられる 子ども自身の発達の問題 養育する環 境の問題 保育者や保護者の観察力や対応力の問題 社会全体の価値観や要求 水準の問題等が影響していると考えられ 個々の事例においても それらが複 雑に影響しあって 結果として 子どもの問題 として現れていることを理解 してほしい その上で この章では 発達障がい と総称される広汎性発達障がい 学習障がい 注意欠陥多動性障がい等について 保育者として基本的な理解と 集団場面での保育の在り方 基本姿勢を学んで欲しい 彼らが 異常 であり 正常である定型発達者に合わせられるようにと訓練するという発想だけは持たないようにすることが必須である 5

第 12 章保育環境と衛生 安全管理 保育者が 子どもの健康と安全を守るためには 何が必要かを学ぶ 環境を整えることは保育を実践する中で 一番重要と言えるものであるが それは 安全な環境であることが大前提である 事故や災害 犯罪から子どもを守る環境の整備とはなにか 子どもの健康を予防し 且つ 増進するための環境とは何かを知り 実践できる方法を身につける 第 13 章健康および安全の実施体制 保育の場において 前章で学んだ安全や健康の管理について 効果的に 且つ システマチックに実施していく為には 組織としての教職員集団の有機的連携が必要である 更には その連携は 保護者との連携も加わり 地域との関わり 行政機関との関わりもあって 効果的に実施できるものとなっていく そのためのチームとしての役割分担の在り方や それぞれの地域での専門機関や行政組織との連携交流の実施体制を学んでおく必要がある 教科書だけの学習に終わらず 地域の実態を調べて 活用できるようにしておくべきである 6