修士課程・博士課程の関係について

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履修できる授業科目は 原則として全授業科目としますが 実験 実習 外書講読 演習等は 履修できないことがあります 履修科目詳細は学務課にお問い合わせください なお 許可を受けて追加することができます ( 科目等履修生履修科目追加願 ( 別記様式第 4 号 ) 使用 ) 合格通知を受けた者は 4 月入

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資料5 大学院教育の現状を示す基本的なデータ

筑波大学大学院出願資格 ( 有無 ) 及び出願資格審査申請について Ⅰ 修士課程 博士前期課程 一貫制博士課程の出願資格の確認について 1 一般入学試験の出願資格について により出願資格を確認すること ただし 選抜方法により出願要件を設けているものもあるので 学生募集要項をよく確認すること なお 社

平成 20 年度 福島県立医科大学大学院医学研究科 修士課程医科学専攻 ( 申請中 ) 入試概要 1 募集人員 ( 予定 ) 専攻入学定員募集人員 医科学専攻 10 人 10 人 2 出願資格 次の各号のいずれかに該当する者とする (1) 大学を卒業した者及び平成 20 年 3 月までに卒業見込みの

第 5 条学年は 4 月 1 日に始まり 翌年の 3 月 31 日に終わる 2 学年は 次の 2 期に分ける 前期 4 月 1 日から 9 月 30 日まで後期 10 月 1 日から翌年の 3 月 31 日まで 3 前項の規定にかかわらず 前期及び後期の授業日数を調整する必要があるときは 教育研究審

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区分学部研究生特定事項の研究について 指導教員の下で研究を行います 制度の概要 授業を受けて単位を得ることはできません 次のいずれか1つに該当する女子とします 1. 学校教育法第 83 条に規定する大学を卒業した者出願資格 2. 大学を卒業したと同等以上の学力があると本学の認めた者 大学院博士前期課

建築士法の一部を改正する法律案

在学生向け 大学院生 平成 31 年度 < 社会人大学院生対象 > 長期履修の申請について 本学では 社会人の大学院生の様々な学習需要に対応するために 長期履修制度 を導入しています この制度は 標準の修業年限を超えて計画的に教育課程を履修し修了することにより学位を取得することができる制度です 対象

○関西学院大学大学院支給奨学金規程

(4) 自己評価書及び提出された根拠資料 データは 原則として公開します 公表された著作物等を根拠資料とするときには著作権に配慮してください 公表にふさわしくないものには その旨を記載してください (5) 上記 (1) から (4) に関する具体的な資料 データの示し方等については 当該年度の自己評

東京大学推薦入試FAQ

長期履修制度とは当研究科の全専攻 全課程に適用する制度です 通常 標準の修業年限内に行うべき授業履修や研究を 指導教員とともに事前に計画を立てたうえで 標準の修業年限を超えて一定の期間にわたり長期的に教育課程を履修することが認められる制度です 長期履修は最大で標準修了年限の2 倍の期間まで認められ

( 研修料の額 ) 第 4 条研修員の研修料の額は 実験を要する部門にあっては月額 36,300 円とし 実 験を要しない部門にあっては月額 18,100 円とする ( 研究料の額 ) 第 5 条民間等共同研究員 ( 共同研究のために民間企業等から派遣される研究員をいう 以下同じ ) の研究料の額は

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乙群図書館基礎特論一 図書館サービス特論図書館情報資源特論図書 図書館史図書館施設論図書館総合演習図書館実習 一一一一一一 2 前項の規定により修得すべき科目の単位のうち すでに大学において修得した科目の単位は これをもつて 前項の規定により修得すべき科目の単位に替えることができる ( 平二一文科令

Microsoft Word (下線あり)新旧対象(大学評価基準)(31年度実施分)

選考上必要とするもの 2 前項第 1 号の規定にかかわらず 検定料受付証明書又は検定料収納証明書は 学群学則第 7 2 条第 1 項ただし書又は大学院学則第 79 条第 1 項ただし書に該当するときは 添付を要しない 3 第 1 項第 2 号の規定にかかわらず 最終学校成績証明書は 前年度から引き続

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資料3 高等専門学校の現状について

平成20年度AO入試基本方針(案)

筑波大学の使命 筑波大学は その建学の理念に 変動する現代社会に不断に対応しつつ 国際性豊かにして かつ 多様性と柔軟性とを持った新しい教育 研究の機能及び運営の組織を開発 し 更に これらの諸活動を実施する責任ある管理体制を確立する と掲げ 我が国における大学改革の先導的役割を果たす 研究力開学以

一 建築士法の一部を改正する法律新旧対照条文 建築士法 ( 昭和二十五年法律第二百二号 ) 抄 ( 傍線部分は改正部分 ) 改正現行 ( 建築士の免許 ) 第四条一級建築士になろうとする者は 国土交通大臣の免許を受けなければならない 2 一級建築士の免許は 国土交通大臣の行う一級建築士試験に合格した

Microsoft Word - 123 26 第2章 単位と卒業要件 docx

事務連絡 平成 26 年 4 月 23 日 各実施機関実施責任者殿 各実施機関事務連絡担当者殿 文部科学省科学技術 学術政策局 人材政策課 科学技術人材育成費補助金により雇用する研究者等に係る人件費の取扱いについて 旧科学技術振興調整費 ( 以下 旧調整費 という ) の課題を実施する研究者等の人件

文学部資格 成績証明書等, 推薦書, 自己推薦書, 諸活動の記録, 課題論文及び面接等の結果を総合して合格者を決定する 2 第 2 次選考第 1 次選考に合格した者に対して, 課題論文を課し, 面接を行う 課題論文 : 読解力, 論理的思考力, 問題発見能力, 表現力等を問う 面接 : 人間や人間の

Microsoft Word - ●資料2「児童自立支援施設について」

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大学教育の充実に向けた今後の取組 の方向性を示す 2 つの中教審答申 我が国の高等教育の将来像 ( 平成 17 年 1 月 28 日 ) 新時代の大学院教育 - 国際的に魅力ある大学院教育の構築に向けて - ( 平成 17 年 9 月 5 日 )

文部科学大臣指定外国大学日本校テンプル大学ジャパン ( 教養学部 コミュニケーション シアター学部 芸術学部 観光ビジネス学部 平成 21 年 8 月 31 日付 観光ビジネス学部 廃止 天津中医薬大学中薬学院日本校 ( 中薬課程 ) 北京語言大学東京校 ( 中国語学部中国語学科 ) (6) 外国の

研究科委員会の議を経てその計画的な履修 ( 以下 長期履修 という ) を認めることができ る 4 長期履修の取扱に関し 必要な事項は別に定める 第 2 章組織及び管理運営 ( 教員組織 ) 第 7 条本学大学院における授業は 教授 准教授または講師が担当する 2 本学大学院における研究指導は教授が

資料3 社会人のニーズに対応した大学院教育について

認定科目表に掲げる授業科目を履修したものとみなす際の手続き及び方法について

l. 職業以外の幅広い知識 教養を身につけたいから m. 転職したいから n. 国際的な研究をしたかったから o. その他 ( 具体的に : ) 6.( 修士課程の学生への設問 ) 修士課程進学を決めた時期はいつですか a. 大学入学前 b. 学部 1 年 c. 学部 2 年 d. 学部 3 年 e

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が可能となる 博士後期課程は 博士前期課程の分野での学習 研究をさらに発展させ 大学や研究所 企業など で自律的に研究できる人材を養成することを目的とする 修了後の進路は以下のとおりである 1 博士前期課程修了生の多くは 首都大学東京や他大学の博士後期課程に進学し 修士論文で取り組んだ研究を継続する

技術士への道

自己点検・評価表

1 大学等を卒業して小学校教諭普通免許状を取得する ( 免許法別表第 1) 基礎資格 種類 基礎資格 専修 修士の学位 ( 大学 ( 短期大学を除く ) の専攻科又は大学院に1 年以上在学し,30 単位以上修得した場合を含む ) 一種 学士の学位 ( 学校教育法第 102 条第 2 項により大学院へ

2204_2 大谷大学大学院 Ⅲ 大学院生 < 修士課程 > 学部名学科名項目 2014 年度 2015 年度 2016 年度 2017 年度 2018 年度 真宗学専攻 仏教学専攻 哲学専文攻学研究科(社会修学士専課攻程)仏教文化専攻 国際文化専攻 教育専 攻心理学 研究科合計 志願者数 20 3

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博士前期課程 (1) 地域文化形成専攻 1 記録情報教育研究分野ア. 記録情報教育研究分野が求める入学者世界の諸地域に文字として蓄積されてきた, 歴史 文学等に関する記録情報を文化資源として維持し活用するための総合的 実践的な研究を行い, 専門的知識と国際感覚を身に付けた研究者, または高度専門職業

< 理工学研究科 > 博士課程前期課程 : 以下の (1)~(3) の条件を満たす者 (1) 外国籍を有し 貴大学で学士の学位と同等以上の学位を取得した者 および入学までにその学位を取得する見込みの者 (2) 日本語での授業を受けるに足る高い日本語能力を有している者 (3) 出願までに 本学の希望指

建築士法の一部を改正する法律案新旧対照表

Taro 授業料その他の費用に

アドミッション ポリシー 我々は ひとと共にあゆみ こころに届く医療を実践する専門職業人を育成することを使命としています 思いやりのこころや勉学意欲 探究心を持って ひとや社会の役に立ちたいと思う人を歓迎します 研究科名専攻名課程アドミッション ポリシー 医療 福祉科学研究科 医療工学専攻 医療福祉

資料5【修正版】英米独韓フィンの高等教育機関( )

別表 (1) 免許状の種類及び資格 免許状の種類 所要資格 教科に関する科目 大学における最低修得単位数 教科又は 特別支援教育に関する科目 中 専修免許状修士の学位を有すること 学 校 一種免許状学士の学位を有すること 教 二種免許状短期大学士の学位を有すること

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参考例

選択評価事項C 水準判定のガイドライン(案)

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スライド 1

2_(諮問用)(条文)専門職大学設置基準案

大学院看護学研究科教育課程及び履修方法に関する規程 ( 準拠 ) 第 1 条本規定は 人間環境大学大学院学則第 28 条 2 項に基づき 教育課程及び履修方法について定める 2 本学大学院の教育は 授業科目の授業及び学位論文の作成等に対する指導 ( 以下 研究指導 という ) によって行うものとする

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兵庫大学経済情報学部履修規程改正案

07国立大学法人岐阜大学における授業料その他の費用及び収納規程

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2018年度(平成30年度)兵庫県立大学入学者選抜方法等 一般入試(後期日程)

2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) について 静岡大学 本学は,2021 年度入学者選抜 (2020 年度実施 ) より [ 註に明記したものは, その前年度より ], 志願者のみなさんの能力をこれまで以上に多面的に評価することを目的として, 課す教科 科目等を以下のとおりに変更いた

5. 政治経済学部 ( 政治行政学科 経済経営学科 ) (1) 学部学科の特色政治経済学部は 政治 経済の各分野を広く俯瞰し 各分野における豊かな専門的知識 理論に裏打ちされた実学的 実践的視点を育成する ことを教育の目標としており 政治 経済の各分野を広く見渡す視点 そして 実践につながる知識理論

国際商経学部推薦入試 ( グローバルビジネスコース ) 学科 募集人員国際商経学科 ( グローバルビジネスコース ) 20 名 出願期間平成 30 年 11 月 1 日 ( 木 )~ 平成 30 年 11 月 7 日 ( 水 ) 入学考査日平成 30 年 11 月 25 日 ( 日 ) 合格発表日平

研修プログラム関係 Q_ 副分野の研修は 30 時間程度となっています これは 30 時間を超える必要があるという意味でし ょうか A_ 時間は目安です 各プログラムで十分な研修効果が上がることを前提に 研修を計画してください Q_ 研修プログラムの実施状況について 協会への報告が求められるのでしょ

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登録審査機関の審査ポイント

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普及指導員資格試験に関するよくある質問 Q&A 平成 28 年 5 月 6 日版 注 ) この Q&A では 農業改良助長法 ( 昭和 23 年法律第 165 号 ) を 法 農業改良 助長法の一部を改正する法律 ( 平成 16 年法律第 53 号 ) を 16 年改正法 農業改良助 長法施行規則

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1-(2) 推薦入試 ⅠB( ) 募集人員 3 名 3 名 2 名 3 名 次の (1)~ (3) のすべてを満たす者で, 学業成績及び人物が優秀で, かつ健康状態が良好であり, 特に学校長が責任を持って推薦できるものとします ただし, 各学校長が推薦できる人数は 1 学科につき 2 名まで (4

試験の区分国語外国語数学地歴, 公民理科その他合計 書類審査 TOEFL ibt 面接 口頭試問 大学入試センター試験 注 2 1 大学入試センター試験の 外国語 で 英語 を選択した者の 英語 の成績は, 筆記試

3. 一般入試における大学入試センター試験の利用教科 科目及び個別学力検査等の出題教科 科目について 教科 科目名等大学入試センター試験の利用教科 科目名個別学力検査等 ( 前期日程 ) 個別学力検査等 ( 後期日程 ) 学部 学科 課程等教科科目名等 注 教科科目名等教科科目名等国語 国語 人間形

論文投稿前審査 学位論文審査の手順 論文投稿前審査 ( 予備審査 ) 名 学務課医歯学大学院係 学務課医歯学大学院係 論文の教授会 3 での受理可否について 医歯学大学院係から学位申請者へ結果をお知らせしますので 学位論文申請時にメール等の連絡先をお知らせください 医歯学大学院係へメールで送るかファ

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として採用するものとする 第 2 条の3 前条に定めるほか 職員就業規則第 11 条第 1 項により退職 ( 以下 定年退職という ) した者であって 退職後引き続き研究所以外の機関 ( 以下 再就職先 という ) において勤務する者 ( 定年退職後 任期付職員就業規則または契約職員就業規則の適用を

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ディプロマ ポリシー カリキュラム ポリシー 経営学部 経営学科 経営学部経営学科では 厳格な成績評価にもとづいて履修規程に定められた科目区分ごとの卒業必要単位数およびコース別の履修要件等をすべて満たしたうえで 総計 1 単位以上を修得し さらに経営 流通 マーケティング 情報システム 国際経営など

第三条大学校の名称及び位置は 次のとおりとする 名称位置 千葉県生涯大学校京葉学園千葉市 千葉県生涯大学校東葛飾学園千葉県生涯大学校東総学園千葉県生涯大学校外房学園千葉県生涯大学校南房学園 松戸市 流山市銚子市 香取郡神崎町茂原市 勝浦市館山市 木更津市 一部改正 平成四年条例七三号 六年四一号 一

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必修科目については全科目を修得しなければならない 選択科目については所定科目をそれぞれ履修して, 成績の評価を受けなければならない また (3) に示す 生産デザイン工学 プログラムに定める必修科目と選択科目についても同様である 最終的に各専攻で表 1の単位数以上を修得しなければならない 表 1 専

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1) 学階の種類 勧学 司教 輔教 助教 得業 文学部本願寺派学階課程 2) 昇階の定年 ( 学階規程第 9 条第 1 項関係 ) 得業から助教への昇階 3 年 助教から輔教への昇階 4 年 輔教から司教への昇階 7 年 3) 学階試験 予試真宗学または仏教学に関する論文と口述試問 本試真宗学及び仏

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7. 大学入試センター試験を課す推薦入試 実施学部教育学部 募集人員 10 名 出願資格 要件 次の各号のいずれかに該当する者で 当学部の アドミッション ポリシー にあるように 広い視野と深い洞察力 考察力 論理的思考力 表現力 実践力を有し 人間の成長発達と教育をめぐる課題に深い関心をいだき 教

【参考資料1】大学通信教育に関する基礎資料3

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修士課程 博士課程の関係について 資料 1-2 中央教育審議会大学分科会大学院部会 ( 第 45 回 ) H21.6.23 論点 我が国の大学院の仕組みは 5 年一貫制の博士課程 前期 後期 の区分制の博士課程 修士課程 専門職大学院等の多様な課程がある中 特に 修士課程の位置づけに関し 博士前期課程との関係の整理 専門職大学院との関係の整理 修士課程の修了要件の整理 博士課程後期との接続に関する整理等が必要 1 修士課程とは何か ( その人材育成目的をどうするのか ) 修士の教育目的について 博士課程前期の教育目的との区別が明確ではない (= それどころか設置基準上 博士前期課程は修士課程とみなす規定がある ) 上に 専門職大学院ができたことによって その教育目的が曖昧になってきている これら多様な大学院の課程がある中 修士課程の存在意義や人材育成目的をどのように整理すべきか 博士課程前期に関する教育目的が設置基準上明確ではないが 博士課程前期の教育目的をどうするのか 修士課程は 幅広い分野に活躍しうる高度職業人養成なのか 博士課程の準備過程なのか 専門職大学院が担う専門職人材養成以外の部分を担う高度専門職業人養成の課程なのか 2 修士課程と博士課程との関係 ( 特に博士課程後期への接続 ) をどう考えるか 通常 区分制博士課程の場合 博士前期課程修了時に修士論文等を実施している一方 一貫制博士課程の場合は 博士 から に上がる際に修士論文等は課されていない その一方 一貫制博士課程で博士号を取れない場合には 学士号のみとなってしまうおそれがあり 曖昧な仕組みとなっている ( 大学によっては 一貫制博士課程でありながらも修士の修了要件を満たしていれば修士の学位を出しているところもある ) この柔軟性がないことが 区分制博士課程に比べ 一貫制博士課程が圧倒的に少ない一因になっていると考えられる 3 修士課程の修了要件及び博士課程の修了要件をどう考えるのか 修士の修了要件では 1 二年以上の在学 ( 優秀な学生は一年以上 ) 230 単位以上の修得の他 3 修士論文又は特定課題の研究成果及び試験への合格 ( 平成 18 年 3 月の院設置基準の改正で 特定課題の研究成果及び試験の合格が追加 ) が課されている 一方 博士の修了要件は 15 年以上の在学 ( 優秀な学生は 以上 ) 230 単位以上の修得の他 3 博士論文の審査及び試験に合格することが必要である 区分制博士課程の場合 前期課程を修士とみなす規定があることもあり 修士論文の作成を求めているのが通例となっている一方 一貫制博士課程では一部の大学で修士論文の作成を課しているところもあるが 基本は博士論文のみであり 同じ博士課程の中でも取扱いが明確ではない 修士論文が教育上果たす役割は非常に重要であるが 例えば 当該修士課程が高度職業人養成を目的としている場合 人材育成目的に応じて 専門職大学院のような仕組みとか 米国の大学院のように 各年次において定期的に適性試験を実施するような仕組みが考えられるのではないか 4 修士課程 博士課程ごとのさらなる機能別分化の検討が必要ではないか 各大学において 各学問分野 学位レベル毎に 修得することが期待される知識 技術体系や資質能力を明示することが必要 それとともに 研究科 専攻ごとに適正な規模を検討することが必要 例えば マクロで見て ある学問分野が重要であることと ミクロで見て 各大学において当該学問分野が重要であるかどうかということは別次元の問題 ( マクロで見てA 学問が大事だから この大学においてもA 学問の研究が必要だ というのは論理的ではない ) 無理な研究科 専攻の規模は 結果的に当該大学院の質の低下を招くとともに 学生のためにならないのではないか 1

日本の大学院教育 大学院は修士課程 博士課程から成り 博士課程は 一貫制のものと区分制のものがある 修士課程は 広い視野に立って精深な学識を授け 専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする 博士課程は 専攻分野について 研究者として自立して研究活動を行い 又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする ( なお 博士前期課程及び後期課程に特定した教育目的に関する記述はない ) 課程 年数 取得要件 その他 修士課程 標準修業年限 以上の在学 30 単位以上の修得 必要な研究指導を受けた上 当該修士課程の目的に応じ 当該大学院の行う修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験の合格 博士課程 標準修業年限 5 年 前期 後期 の課程に区分する博士課程 区分を設けない博士課程 5 年以上の在学 30 単位以上の修得 必要な研究指導を受けた上 当該大学院の行う博士論文の審査及び試験の合格 < 論文博士 > 大学院に在籍しなくても 博士論文の審査に合格し かつ博士課程を修了した者と同等以上の学力を有することを確認された場合 < 博士前期課程を修士課程と見なすこと > 大学院設置基準第 4 条第 4 項において 区分制博士課程の前期を修士として見なす規定はある一方 一貫制の 間に関しては 特段の規定はない (= あくまで博士課程の 一貫制博士課程が圧倒的に少ない一因か ) 2

日本の大学院教育システム < 学部教育 > < 大学院教育 > 学部数合計 :2079 国立 :371 公立 :167 私立 :1541 ( 特徴 ) 課程の仕組みや関係性が複雑 学位とその後のキャリアとが必ずしも密接に関連しているわけではない 一貫制博士課程が圧倒的に少ない ( 区分制博士課程の 1/20 程度 ) 一貫制博士課程の仕組みが 区分制博士課程に比べ柔軟ではないことが一因か 卒業 研究科数合計 :461 国立 :98 公立 :39 私立 :324 修士課程 修士修了 入学選抜 5 年 区分制博士課程 研究科数合計 :1070 国立 :280 公立 :101 私立 :689 5 年 一貫制博士課程 研究科数合計 :63 国立 :15 公立 :1 私立 :47 博士修了 就職就職就職 民間企業研究補助職 その他 研究 開発職 大学 研究機関 3

( 参考 ) アメリカの大学院教育 大学院 (graduate school) の組織は各大学によって異なるが 多くの大学では 制度的に学部から独立した教育研究組織として設置されている 大学院は修士課程 博士課程からなり M.A. M.S. 及び Ph.D. の取得を目指した学問研究を重視するもの ( 経営学修士 (M.B.A) や工学博士 (D.Eng) 医学博士 (M.D.) 等の専門学位の取得を目指した大学院レベルの第一職業専門学位課程とは区別される ) 課程 年数 取得要件 取得までの段階 修士課程 学士号取得後 通常 1~の課程 ほとんどの大学で論文作成が必要 所定の単位の取得や 特定の試験に合格することでこれに代えられる場合もある 博士課程 一般に学士号取得後 3~5 年の課程 教育課程の履修の他 博士論文の審査合格が学位授与の条件 修士号の取得を博士課程の入学要件に定めているプログラムは少ないが 博士課程に入学後 博士号取得までに 課程の修了要件の一環として修士号を条件とするプログラムもある 所定の科目の履修を終えた後 博士論文の作成能力の有無を判断するため予備試験 (preliminary examination) あるいは資格試験 (qualifying examination) を課す これは研究領域全般にわたる事項に関し 筆記 口頭あるいは両者の併用によって行われる この試験によって博士論文の執筆能力があると判断されたものが論文の執筆を許される 論文作成後 論文で扱った領域に関する最終試験 ( 口頭試問 ) が行われ この最終試験に合格したものに博士号が授与 4

( 参考 ) アメリカの大学院教育システム ( 理工系 ) < 学部教育 > 1 ダブル Major の取得 進路変更の容易化 進学する上で 学部成績を重視 ( 特徴 ) 課程の仕組みや関係性がシンプル 学位とその後のキャリアとが密接に関連 2 意欲ある学生を伸ばすシステム ( 若い時期から研究室訪問 論文作成 ) < 大学院教育 > 卒業 経済的サポートなし 修士コース 修了 入学選抜 3GRE TOEFL 4エッセイ+ 推薦書の選抜形式 5 外部の大学からの学生の優先 適性試験 6コアコースの履修 7 自己の研究のプレゼンテーション 8プロポーザル訓練 9キューム ( 抜き打ち式筆記試験 ) 修士 博士一貫コース TAサポート RAサポート ( 研究報酬 ) 5 年修了 就職就職就職 民間企業研究補助職 その他研究 開発職研究機関 管委員提出資料から抜粋 5

修士課程の標準修業年限 入学資格及び修了要件に関する現行制度 修士課程の目的 ( 大学院設置基準第 3 条 ) 第 3 条修士課程は 広い視野に立つて精深な学識を授け 専攻分野における研究能力又はこれに加えて高度の専門性が求められる職業を担うための卓越した能力を培うことを目的とする 修士課程の標準修業年限 ( 大学院設置基準第 3 条 ) 第 3 条 1 ( 略 ) 2 修士課程の標準修業年限は 二年とする ただし 教育研究上の必要があると認められる場合には 研究科 専攻又は学生の履修上の区分に応じ その標準修業年限は 二年を超えるものとすることができる 3 前項の規定にかかわらず 修士課程においては 主として実務の経験を有する者に対して教育を行う場合であつて 教育研究上の必要があり かつ 昼間と併せて夜間その他特定の時間又は時期において授業又は研究指導を行う等の適切な方法により教育上支障を生じないときは 研究科 専攻又は学生の履修上の区分に応じ 標準修業年限を一年以上二年未満の期間とすることができる 修士課程の入学資格 ( 学校教育法第 102 条 ) 第百二条大学院に入学することのできる者は 第八十三条の大学を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところにより これと同等以上の学力があると認められた者とする ただし 研究科の教育研究上必要がある場合においては 当該研究科に係る入学資格を 修士の学位若しくは第百四条第一項に規定する文部科学大臣の定める学位を有する者又は文部科学大臣の定めるところにより これと同等以上の学力があると認められた者とすることができる ( 文部科学大臣の定めるところは 外国において修士の学位又は専門職学位に相当する学位を授与された者や 大学院において個別の入学資格審査により修士の学位又は専門職学位を有する者と同等以上の学力があると認めた者で 二十四歳に達した者等 ) 2 前項本文の規定にかかわらず 大学院を置く大学は 文部科学大臣の定めるところにより 第八十三条の大学に文部科学大臣の定める年数以上在学した者 ( これに準ずる者として文部科学大臣が定める者を含む ) であつて 当該大学院を置く大学の定める単位を優秀な成績で修得したと認めるものを 当該大学院に入学させることができる ( 大学院への飛び入学 ) 修士課程の修了要件 ( 大学院設置基準第 16 条 ) 第十六条修士課程の修了の要件は 大学院に二年 ( 二年以外の標準修業年限を定める研究科 専攻又は学生の履修上の区分にあつては 当該標準修業年限 ) 以上在学し 三十単位以上を修得し かつ 必要な研究指導を受けた上 当該修士課程の目的に応じ 当該大学院の行う修士論文又は特定の課題についての研究の成果の審査及び試験に合格することとする ただし 在学期間に関しては 優れた業績を上げた者については 大学院に一年以上在学すれば足りるものとする 6

博士課程の標準修業年限 入学資格及び修了要件に関する現行制度 博士課程の目的 ( 大学院設置基準第 4 条 ) 第四条博士課程は 専攻分野について 研究者として自立して研究活動を行い 又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする 博士課程の標準修業年限 ( 大学院設置基準第 4 条 ) 第四条 1 ( 略 ) 2 博士課程の標準修業年限は 五年とする ただし 教育研究上の必要があると認められる場合には 研究科 専攻又は学生の履修上の区分に応じ その標準修業年限は 五年を超えるものとすることができる 3 博士課程は これを前期二年及び後期三年の課程に区分し 又はこの区分を設けないものとする ただし 博士課程を前期及び後期の課程に区分する場合において 教育研究上の必要があると認められるときは 研究科 専攻又は学生の履修上の区分に応じ 前期の課程については二年を 後期の課程については三年を超えるものとすることができる 4 前期二年及び後期三年の課程に区分する博士課程においては その前期二年の課程は これを修士課程として取り扱うものとする 前項ただし書の規定により二年を超えるものとした前期の課程についても 同様とする 5 第二項及び第三項の規定にかかわらず 教育研究上必要がある場合においては 第三項に規定する後期三年の課程のみの博士課程を置くことができる この場合において 当該課程の標準修業年限は 三年とする ただし 教育研究上の必要があると認められる場合には 研究科 専攻又は学生の履修上の区分に応じ その標準修業年限は 三年を超えるものとすることができる 博士課程の入学資格 ( 学校教育法第 102 条 ) 第百二条大学院に入学することのできる者は 第八十三条の大学を卒業した者又は文部科学大臣の定めるところにより これと同等以上の学力があると認められた者とする ただし 研究科の教育研究上必要がある場合においては 当該研究科に係る入学資格を 修士の学位若しくは第百四条第一項に規定する文部科学大臣の定める学位を有する者又は文部科学大臣の定めるところにより これと同等以上の学力があると認められた者とすることができる ( 文部科学大臣の定めるところは 外国において修士の学位又は専門職学位に相当する学位を授与された者や 大学院において個別の入学資格審査により修士の学位又は専門職学位を有する者と同等以上の学力があると認めた者で 二十四歳に達した者等 ) 2 前項本文の規定にかかわらず 大学院を置く大学は 文部科学大臣の定めるところにより 第八十三条の大学に文部科学大臣の定める年数以上在学した者 ( これに準ずる者として文部科学大臣が定める者を含む ) であつて 当該大学院を置く大学の定める単位を優秀な成績で修得したと認めるものを 当該大学院に入学させることができる ( 大学院への飛び入学 ) 博士課程の修了要件 ( 大学院設置基準第 17 条 ) 第十七条博士課程の修了の要件は 大学院に五年 ( 五年を超える標準修業年限を定める研究科 専攻又は学生の履修上の区分にあつては 当該標準修業年限とし 修士課程 ( 第三条第三項の規定により標準修業年限を一年以上二年未満とした修士課程を除く 以下この項において同じ ) に二年 ( 二年を超える標準修業年限を定める研究科 専攻又は学生の履修上の区分にあつては 当該標準修業年限 以下この条本文において同じ ) 以上在学し 当該課程を修了した者にあつては 当該課程における二年の在学期間を含む ) 以上在学し 三十単位以上を修得し かつ 必要な研究指導を受けた上 当該大学院の行う博士論文の審査及び試験に合格することとする ただし 在学期間に関しては 優れた研究業績を上げた者については 大学院に三年 ( 修士課程に二年以上在学し 当該課程を修了した者にあつては 当該課程における二年の在学期間を含む ) 以上在学すれば足りるものとする 7