肘関節の解剖 手首で避けるべき場所 採血ポイント 採血禁止ポイント 肘正中静脈が採血には最も適しているが 深層には上腕動静脈や正中神経があり 静脈を貫通する手技はさけた方が良い 手背の解剖 ( 文献 12 より引用改変 ) 採血に適した血管 : 肘正中皮静脈 橈骨正中皮静脈避けるべき血管 : 尺側正

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要望番号 ;Ⅱ 未承認薬 適応外薬の要望 ( 別添様式 1) 1. 要望内容に関連する事項 要望 者 ( 該当するものにチェックする ) 優先順位 学会 ( 学会名 ; 日本ペインクリニック学会 ) 患者団体 ( 患者団体名 ; ) 個人 ( 氏名 ; ) 2 位 ( 全 4 要望中 )

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アセスメン EV( 即時性 ) EV( 遅延性 ) 静脈の炎症 フレア反応 ト 痛み 激しい痛みや灼熱感 通常 48 時間以 静脈に沿っ なし が数分から数時間以内に生じる 通常 薬剤投与中に刺入部周囲に起こる 内に発現する て硬結や痛みがある 発赤 針刺入部周囲に発赤が生じる 必ずしも EV が生

それでは具体的なカテーテル感染予防対策について説明します CVC 挿入時の感染対策 (1)CVC 挿入経路まずはどこからカテーテルを挿入すべきか です 感染率を考慮した場合 鎖骨下穿刺法が推奨されています 内頚静脈穿刺や大腿静脈穿刺に比べて カテーテル感染の発生頻度が低いことが証明されています ただ

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syndrome と呼んだ 4) 典型的な神経所見から診断が比較的容易な症例もあるが 軽症例から重症例まで神経所見は多彩であり 臨床症状からだけでは診断に苦慮する症例も少なくない 3) 親指から薬指半分までの手のひらのシビレや痛みで特に夜間や手を使用した後に悪化する しびれは手を振ると改善するようで

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を優先する場合もあります レントゲン検査や細胞診は 麻酔をかけずに実施でき 検査結果も当日わかりますので 初診時に実施しますが 組織生検は麻酔が必要なことと 検査結果が出るまで数日を要すること 骨腫瘍の場合には正確性に欠けることなどから 治療方針の決定に必要がない場合には省略されることも多い検査です

1. ストーマ外来 の問い合わせ窓口 1 ストーマ外来が設定されている ( はい / ) 上記外来の名称 対象となるストーマの種類 7 ストーマ外来の説明が掲載されているページのと は 手入力せずにホームページからコピーしてください 他施設でがんの診療を受けている または 診療を受けていた患者さんを

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より詳細な情報を望まれる場合は 担当の医師または薬剤師におたずねください また 患者向医薬品ガイド 医療専門家向けの 添付文書情報 が医薬品医療機器総合機構のホームページに掲載されています

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Transcription:

採血時の末梢神経損傷 事例 54 歳女性 高血圧 糖尿病のために一般内科に通院している 採血室にて 右正中肘静脈より 静脈穿刺をされたところ 前腕に強い放散痛を感じた A. 基本的事項 徴候採血時の放散痛 痺れ ひびいた しびれた びりびりした痛み との訴えが多い 肉眼的な異常所見は認められないことが多い 遅発性 ( 数週間以降 ) に症状を呈する場合があることも念頭に置く Complex Regional Pain Syndrome : CPRS 慢性疼痛 ( 灼熱感 ) 痛覚過敏 発赤 腫脹 発汗など 対処方法 1 放散痛 痺れが生じた場合にはすぐに針を抜く 同一部位からの採血を避ける 2 痺れなどの感覚障害 運動障害の程度について評価する 3 穿刺針で神経を刺激した可能性について 患者に明確に説明する 4 通常は一過性の症状として時間とともに消失するが 上肢の知覚障害 運動障害 冷感などが持続した場合は再受診するように勧める 予防策皮神経と血管の走行は個体差があるため 完全に回避することは不可能である 1 穿刺部周囲の解剖を十分に理解し 静脈の選択と手技を適切に行うこと 2 針抜去時にも注意する 不必要に太い針での穿刺は避けること 3 穿刺前に 患者に痺れ等を自覚したら教えるように伝えておくこと 4 穿刺前に 患者に痺れ等を自覚したら教えるように伝えておくこと 1

肘関節の解剖 手首で避けるべき場所 採血ポイント 採血禁止ポイント 肘正中静脈が採血には最も適しているが 深層には上腕動静脈や正中神経があり 静脈を貫通する手技はさけた方が良い 手背の解剖 ( 文献 12 より引用改変 ) 採血に適した血管 : 肘正中皮静脈 橈骨正中皮静脈避けるべき血管 : 尺側正中皮静脈 ( 直下を正中神経本幹が走行している ) 手関節部の橈骨茎状突起より中枢側 12cm 以内の前腕 ( 橈側皮静脈には橈骨神経の皮枝が密に絡まっている ) 穿刺手技 : 針先で血管を探らず あたらない場合は刺入し直す 抜去時も注意する 血腫形成による神経損傷が起きるため 止血確認は医療従事者が行う 2

B. 解説発症機序神経障害 注射針による神経炎 部分断裂による神経腫 神経周膜の部分損傷により神経線維がヘルニアとなって突出する Perineural window など CPRS 原因ははっきりとわかっていない 末梢における侵害受容ニューロンの興奮性の変化 脊髄後角における侵害受容性後角ニューロンの可塑性変化や疼痛抑制系の機能的変化などの関与があるといわれている CPRS の定義 * 臨床の現場での名称は混乱している 1946 年 :Evans が RSD(Reflex Sympathetic Dystrophy: 反射性交感神経性萎縮症 ) という名称を用いた 1) 1994 年 :IASP の慢性痛分類 CRPS の提唱 2) CPRS typeⅠ:rds CPRS typeⅡ: カウザルギー 2004 年 : 国際 RSD/CPRS 研究財団から標準的治療ガイドライン 2005 年 :IASP から CPRS の新しい診断基準 * 従来 CRPS type II では 神経損傷の存在が診断基準に入っていたが 神経損傷 の有無によって症状や徴候に差がないことから type I II の区別も撤廃されて いる 1 2 3 4 感覚異常 : 自発痛 痛覚過敏血管運動異常 : 血管拡張 血管収縮 皮膚温の左右差 皮膚色の変化浮腫 発汗異常 : 浮腫 多汗 / 発汗低下運動異常 委縮性変化 : 筋力低下 振戦 ジストニア 協調運動障害 爪 / 髪 の変化 皮膚の委縮 関節拘縮 軟部組織変化臨床的診断基準 :symptom( 自覚症状 ) としては4 項目のいずれか3 項目以上 sign( 他覚的症状 ) としては4 項目のいずれか2 項目以上を充たすこと 感度 sensitivity:0.85 特異度 specificity:0.69 研究目的の診断基準 :symptom( 自覚症状 ) としては4 項目の全てに1つ以上 sign( 他覚的症状 ) としては4 項目のいずれか2 項目以上を充たすこと 感度 sensitivity:0.70 特異度 specificity:0.94 (1) 発症頻度 静脈穿刺に伴う神経損傷 3) : 6,300 人に 1 回 ( 軽症を含める ) 3

回復期間が一カ月以上 20,500 人に 1 回永久損傷 150 万回に 1 回 4) 肘正中静脈からの献血時の神経損傷 ( 日本赤十字社平成 19 年度 ) 神経損傷 :0.5%(298 人 うち通院 86 人 31 日以上通院 6 人 ) 神経障害 0.3%(185 人 うち通院 58 人 31 日以上通院 4 人 ) (2) 起きやすい状況 損傷が生じやすい神経 : 肘窩での正中神経 尺側前腕皮神経 外側前腕皮神経 手首での橈骨神経浅枝 手背での背側知覚神経 5) 6) * 手首の橈側皮静脈穿刺時は茎状突起から10~12cm 中枢側で行うべきである * 静脈ルートの確保時は 何度も穿刺したり深く穿刺しない また 神経に与える損傷の度 合いから考えると太い針で穿刺することは避けたほうがよい 6) * 静脈穿刺時のみならず カテーテル抜去時における神経損傷を生じた症例が報告されてい る 7) 利点 欠点 肘窩皮静脈 採血にはよい血管 同じ部位からの頻回採血は血管を硬くする 1 肘正中皮静脈 深部には正中神経あり 2 橈側正中皮静脈 外側前腕皮神経が伴走 3 尺側正中皮静脈 上腕動脈穿刺に注意 橈側皮静脈 4 上腕 血管確保にはよい 太いラインを確保できる 5 前腕上肢の動きを許容できる手関節付近は橈骨神経浅枝が 必ず交差している (8) より引用改変 ) (3) 推奨する対応と手技の医学的根拠 採血部位 : 第一選択 : 肘窩部の正中皮静脈 第二選択 : 橈側正中皮静脈 4

万一の神経損傷を考慮し 非利き手側から採取する 怒張する表在血管より採取を心掛ける 静脈は貫かず 血管の周囲を針先で探らない 医療紛争となる例があり 1 静脈の選択と手技が適切であったか否か 2 患者の痛みの訴えに対する対応が適切であったか が大切である (4) 治療法 通常は一過性の症状として時間経過とともに改善することが多い しかし 難治性のこともあり 症状が遷延する場合には早期に専門機関 ( ペイン クリニック等 ) への受診が必要となる 治療法としては 3 薬物療法抗痙攣薬 : ガバペンチン カルバマゼピン クロナゼパム三環系抗うつ薬 : アミトリプチン クロミプラミン イミプラミン非ステロイド性消炎鎮痛剤四環系抗うつ薬 : マレイン酸セチプチリン SSRI SNRI 抗不安薬 : エチゾラムクロチアゼパムアルプラゾラムスルピリドノイロトロピン R 4 神経ブロック法 ( 交感神経ブロック ) 硬膜外ブロック外来 :1 回法 2~4 回 / 週 1% メピバカインまたはリドカインを5~6mL/ 回入院 : 持続または間歇注入法 0.2% ブピバカイン 4~5mL/ 回 2~4 回 / 日星状神経節ブロック胸 腰部交感神経節ブロック 5 理学療法 機能訓練 6 外科的療法脊髄神経根入口部破壊術 5

胸腔鏡下交感神経節切除術 末梢神経生体内再生治療 7 電気刺激療法 ( 脊髄刺激法 ) 等がある 9) 画一化された治療法はなく 症状に応じ専門家の意見を聞く必要がある カプサイシンクリーム カルシトニン等の治療法も注目されている 参考文献 1) Evans JA: Reflex sympathetic dystrophy. Surg Gynecol Obstet. 1946;82:36-44. 2) Merskey H, Bogduk N(eds.): Task Force on Taxonomy, 2nd ed. Classification of chronic pain:descriptions of Pain Terms, IASP Press, Seattle, 1994, p.40-43 3) Newman BH,Waxman DA: Blood donation-related neurologic needle injury : evaluation of 2 years worth of data from a large blood center. Transfusion. 1996 Mar;36(3):213-5. 4) 厚生労働省 : 平成 20 年版血液事業報告献血者の健康被害. 厚生労働省. 東京.2009.p15-16. 5) 甲田賢一郎, 田上恵 : 血管確保関連の合併症. 竹田清. OPE NURSHING 2006 秋季増刊. メディカ出版. 東京.2006.241-246. 6) 福田秀樹, 河本昌志 : 静脈ルート確保について. 臨床麻酔.2007.31.1187-1188. 7) 藤野能久, 福井弥己郎, 野坂修一, 松本富吉 : カテーテル抜去時に発生した橈骨神経知覚枝障害の1 症例. 麻酔. 2004.53.1032-1034. 8) 向井直人ほか : 手術 集中治療部部長 :PART4 血管のアセスメントと評価に関する項目. 宮坂勝之. Expert Nurse 6 月臨時創刊号 2004. 照林社. 東京. p36-37, 9) 山本一嗣塩谷正谷 : 複合性局所疼痛症候群. 大瀬戸清茂. ペインクリニック診断 治療ガイド.2005. 日本医事新報社. 東京.p70-79. (5) 必読参考文献 1 鈴木明広ほか : 末梢静脈穿刺. 岩崎寛. 麻酔科診療プラクティス 14 麻酔偶発症 合併症. 文光堂. 東京. 2004. p.12-13. 2 菅野敬之 : 神経障害. 繁田正毅. カラー写真でよくわかる! 注射 採血法. 羊土社. 東 京. 6

2007. p.169-170. 3 加藤実 : 静脈穿刺時の末梢神経障害. ペインクリニック別冊秋号. 真興交易医書出版部. 東京. 2009. p.324-329. 7