平成 25 年 7 月号 No.90(1) 第 90 号 公益財団法人北海道医療団 発行公益財団法人北海道医療団帯広第一病院地域医療連携室 080-0014 帯広市西 4 条南 15 丁目 17 番地 3 帯広第一病院 URL:http://www.zhi.or.jp e-mail:renkei@zhi.or.jp TEL 0120-558-091( 連携室直通 ) 0155-25-3121( 病院代表 ) FAX 0155-27-0248( 連携室専用 ) 今号の内容 ~ 太陽光発電装置導入 ~ 1 階ロビーに太陽光発電モニターを設置しております 現在の発電量がリアルタイムで確認できます 腹腔鏡外科手術実績報告外科科長山並秀章 (2) 国際胃癌学会に参加して外科副部長林啓一 / 新しい連携室スタッフを紹介致します (3) 平成 24 年度麻酔科ペインクリニック実績報告麻酔科科長佐々木英輝 / 休診案内 (4) 地域医療連携システム試験稼働開始地域医療連携課係長林栄一 (5) 震災対策を目的とした太陽光発電装置の導入について法人事務局長 ( 兼 ) 事務長番場規真 (6)
(2)No.90 腹腔鏡外科手術実績報告 平成 25 年 7 月号 外科科長山並秀章 いつも大変お世話になっております 当科の最近の腹腔鏡下手術の現状についてご報告致します まず 腹腔鏡手術の疾患ごとの適応ですが 胆石症はほぼ全例で 昨年は 100 例以上の腹腔鏡手術に対 し 開腹手術は 5 例のみでした 結腸癌 上部直腸癌は多臓器浸潤がなくリンパ節転移が高度でない進行癌 までを 下部直腸癌は深達度 MP までで側方転移が疑われない症例を腹腔鏡手術の適応としています 胃切 除術はガイドライン通りに SM, N0 の早期胃癌までに限定しております 昨年からは整容性の観点から鼠径ヘルニアに対しても 症例を選んで腹腔鏡手術を始めております 昨 年は 5 件でしたが 今年は 6 月までで 9 件となっており 技術的にも安定してきたところです 全体的にみて昨年は一昨年と比べ ほぼ横ばいの件数でしたが 今年は 6 月までの半年で 100 件を越え ており 一昨年を上回るペースとなっています これも 皆様からのご紹介のおかげと感謝しております 4 月から外科科長は阿部から山並に変わりましたが 今まで同様 腹腔鏡手術を積極的に行っていく方 針でおります これからも御指導 御鞭撻のほど よろしくお願い致します 2011 年から 2013 年腹腔鏡外科手術実績 ( 術 式 ) 2011 年 2012 年 2013 年 腹腔鏡補助下幽門側胃切除術 5 例 7 例 5 例 腹腔鏡補助下胃全摘 0 例 0 例 2 例 腹腔鏡補助下噴門胃切除術 0 例 1 例 1 例 腹腔鏡補助下胃局所切除 0 例 5 例 2 例 腹腔鏡下大腸切除術 23 例 30 例 32 例 腹腔鏡下直腸切除術 7 例 12 例 11 例 腹腔鏡下胆摘摘出術 106 例 120 例 109 例 単孔式腹腔鏡下胆嚢摘出術 3 例 1 例 8 例 腹腔鏡下虫垂切除術 3 例 5 例 7 例 単孔式腹腔鏡下虫垂切除術 0 例 3 例 3 例 腹腔鏡下ヘルニア根治術 0 例 0 例 5 例 合計 147 例 184 例 185 例
(3)No.90 平成 25 年 7 月号 国際胃癌学会に参加して 外科副部長林啓一 2013 年 6 月 イタリアのヴェローナで行われた国際胃癌学会に研修医の吉町先生 知念先生を連れて参加し 私も含め 3 演題を発表してきました 胃癌の治療は世界的にも日本がリードしており 当院での内視鏡診断 治療 外科治療も世界トップクラスである事を確信できました また 研修医にも国際学会で英語で発表するという貴重な経験を与えられました これからも 最良の治療を地域の皆様に安全に提供し 患者さんの満足度を高められるように精進していきたいと思います 新しい連携室スタッフを紹介致します 地域医療連携課 ( 事務員 ) 小澤未来 地域の先生方におかれましては益々のご健勝の事とお喜び申し上げます 日頃より大変お世話になっております この度 7 月 8 日より地域医療連携課の一員となりました事務の小澤と申します 私は 今年短大を卒業して 3 ヵ月間医事課健康推進室で勤務し この度異動になりました 新しい部署におきましても 気持ちを新たに 全力を尽くしたいと思っております 現在 スタッフの方に業務を教わりながら 1 日でも早くお役にたてるよう 努力しております 笑顔で前進 をモットーに 微力ではありますが 先生方に安心してご利用頂けるよう 誠心誠意業務に励みますので ご支援 ご指導の程宜しくお願い致します
平成 25 年 7 月号 No.90(4) 平成 24 年度麻酔科ペインクリニック実績報告 麻酔科科長佐々木英輝 2012 年 4 月 ~2013 年 3 月手技実績報告をさせていただきます同データはホームページでも公開しております 腰部交感神経節ブロック 49 件 神経根ブロック ( 局所麻酔薬 ) 神経根ブロック ( 高周波熱凝固法 ) 膝関節枝ブロック ( 高周波熱凝固法 ) 椎間関節ブロック ( 頸部 胸部 腰部 ) 32 件 7 件 3 件 2 件脊髄神経後枝内側枝ブロック ( 高周波熱凝固法 ) 腕神経叢ブロック 2硬膜外造影検査 5 件 硬膜外ブロック ( 頸部 胸部 腰部 仙骨部 ) 硬膜外チュービング硬膜外洗浄経皮髄核摘出術ヘルニア腫瘤加圧術 椎間板ブロック ( 局所麻酔薬 ) 椎間板造影検査後頭神経ブロック 1740 件 2 件 2 件 142 件 仙腸関節ブロック ( 局所麻酔薬 ) 6 件 星状神経節ブロック 47 肩甲上神経ブロック 3 三叉神経ブロック ( おとがい 眼窩上 眼窩下 ) 肩甲上神経ブロック ( 高周波熱凝固法 ) 93 件 9 件 トリガーポイントブロック 1188 件 腸骨鼠経神経ブロック 1 大腰筋筋交感ブロック 7 件 浅頸神経叢ブロック 深頸神経叢ブロック 3 件 関節腔内注射 1659 件 腱鞘内注射 9 件 上腕二頭筋長頭筋腱鞘内注射 ボトックス注射 硬膜外刺激電極挿入術 局所静脈内交感神経ブロック 肋間神経ブロック ( 局所麻酔薬 ) 2 件 合計 5533 件 休診のお知らせ 8 月 15 日 ( 木 ) は開設記念日につき外来診療は休診とさせていただきます
平成 25 年 7 月号 No.90(5) 地域医療連携システム試験稼働開始 地域医療連携課係長林栄一 昨年より 帯広 十勝両医師会 保健所 管内の主要病院で構成されている 十勝医療連携検討協議会 で協議されていた 地域医療連携システム ( 十勝メディカルネットワーク 通称 : はれ晴れネット ) が 試験稼働を開始致します この事業は 平成 23 年の地域医療再生補助金で採択された地域医療連携事業として行われるもので 本年 9 月より ( 予定 ) 市内 6 病院 ( 厚生 協会 北斗 国立 開西 第一 ) が公開型となり 参照型となる診療所及び病院に 薬の処方内容 血液等の検査データ X 線や CT MRI 内視鏡等の画像を 専用のインターネット回線を通じ公開できるものです 公開型の病院は システムの構築を3つのグループに分けて行われ 当院は帯広厚生病院 帯広協会病院とともに第 1グループとして準備を開始し 既に院内のネットワーク環境は整備されました また当法人の帯広西病院 音更病院についても参照型の病院として参加を表明しており 早い段階での稼働開始を目指しています これまで十勝医療連携検討協議会ワーキンググループにて 主に病院間の運用面についての協議を進め 運用の大枠も固まり 細かな連携パターンについても 公開型病院の連携室担当者が集まり確認を行いました まもなく試験運用開始を迎えますが 当院が第 1グループとしてシステムを構築できたことから 実患者での検証 また運用を行う中での経過報告 課題等について 協議会及びワーキンググループにフィードバックできればと考えます システムの活用により さらなる病診 病病連携が図れるよう 当院としても取り組んでいきたいと考えております ~ 十勝圏医療情報共有 ネットワークのイメージ ~ 将圏来域は内そ病の院他にのも 北斗病院 開西病院 帯広病院 国立病院機構 帯広第一病院 帯広協会病院 帯広厚生病院 高器度をな備医え療た体 6 制 機病院 公開型施設 ネ専ッ用ト化回し線たで暗号化通信 インターネットデータセンター 参照型施設 地域の病院 医院診療所 MRI や CT などの画像情報処方 注射などの診療情報を共有
(6)No.90 震災対策を目的とした太陽光発電装置の導入について 平成 25 年 7 月号 法人事務局長 ( 兼 ) 事務長番場 規真 東日本大震災を教訓に 多くの企業では事業継続計画 (BCP) の重要性が再認識され 特に震災による傷病者の受け入れが求められる医療機関では 電子カルテやライフラインのバックアップ体制構築 医薬品 医療材料 食糧の備蓄等 医療継続のためのBCP 整備が必要とされております そのような状況の中 昨年 11 月 27 日に道内太平洋側では吹き荒れた初冬の嵐で 胆振管内を中心とした大規模停電が発生 市立室蘭総合病院や日鋼記念病院等 地域の中核病院が外来診療を休止する事態となりました 現在 帯広第一病院では地下水膜ろ過システムの導入により 市水をバックアップとして使用する体制が整備されており 電力については2 機の自家発電装置を最上階に配備 24 時間体制で1 週間稼働可能な重油の備蓄も行っております しかし 震災等による大規模停電が発生した場合 これら自家発電装置により病棟や手術室等の医療系で50% 廊下の照明や事務室等の生活系で20% の電力は確保できますが 診察や各種検査に多大な影響を及ぼすことが予想され 更に本年 2 月に導入した電子カルテによって 施設内の電力需要は益々高まるため BCPの観点からも大規模停電に備えたバックアップ体制の構築が求められておりました 国は再生可能エネルギー措置法に基づき 昨年 7 月 1 日より再生可能エネルギーの固定買い取り制度を開始させたことから 当法人において今後 20 年の施設利用を見込む帯広第一病院 帯広西病院 介護老人保健施設とかちの各施設屋上に太陽光発電装置を配備した場合 売電による投資シミュレーションを行った結果 約 13 年での投資回収が可能となりました また 震災等による大規模停電が発生した場合には 自家発電した電力を売電せず施設内で使用することも可能であるため 照明等の確保により一定水準の医療や介護の継続が可能であると考え 震災対策を目的とした太陽光発電装置を上記 3 施設屋上に建設することにいたしました なお 多くの再生可能エネルギーは 天候や季節 時間帯によって変動するため 蓄電貯蔵システムの確立が必要と言えます 蓄電にはリチウムイオン電池の大容量化 高密度化が既に実現していますが 市場価格は高くナトリウム硫黄電池やニッケル水素電池等も含め 開発と普及 市場価格が下がると予想される3 年以内の設置を目指し これらについても今後導入を検討したいと考えております 地域医療連携室より 今月号でご紹介ありましたが 地域医療連携システムがいよいよ試験稼働致します 当院は公開型として 帯広厚生病院 帯広協会病院とともに第一グループとして準備を進めております システムの目的は 患者様の同意のもと 公開型医療機関での診療情報が閲覧 共有できることで重複した検査 薬剤投与を防ぐことができ 病院 診療所が一体となり 切れ目のない連携した医療の提供が可能となります 具体的な運用面等に関しましても広報誌を通し今後発信させていただきます ( 小野遥 ) 地域医療連携室 連携室直通電話 0120-558-091 連携室専用 FAX 0155-27-0248 連携室専用 e-mail renkei@zhi.or.jp 担当スタッフ 林栄一 (MSW 係長 ) 山下 希 (MSW) 佐々木遥香 (MSW) 大熊三紀子 ( 事務員 ) 小野遥 ( 事務員 ) 小澤未来 ( 事務員 )