新しい地方公会計制度 これまで南阿蘇村では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 南阿蘇村がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなか

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最上町バランスシートを読むにあたって

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平成 28 年度鳥栖地区広域市町村圏組合財務書類 ( 統一的な基準 )

Ⅰ 平成 24 年度高鍋町財務書類の公表について 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデル

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01_表紙

益城町平成 28 年度決算の財務書類 新しい地方公会計制度 これまで益城町では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 益城町がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表な

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資産の部 道路 小 中学校など公共施設の現在価値のほか 他団体に対する出資金や預金など これまで積み上げてきた金額 負債の部 借入金の残高 退職手当の引当金など 将来の世代が負担しなければならない金額 純資産の部 資産のうち税金などによって形成され これまでの世代が負担した金額 公共資産 自治体が所

千葉県のバランスシート等の財務書類について

平成 26 年度 佐賀市財務諸類の公表について Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示された 基準モデ

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平成 25 年度 佐賀市財務諸類の公表公表についてについて Ⅰ 平成 18 年 6 月に成立した 簡素で効率的な政府を実現するための行政改革の推進に関する法律 を契機に 地方の資産 債務改革の一環として 新地方公会計制度の整備 が位置づけられました これにより 新地方公会計制度研究会報告書 で示され

(Microsoft Word - 27\214\366\225\\\210\304.docx)

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平成 2 4 年度 佐賀市財務書類 基準モデル 平成 26 年 3 月佐賀市総務部財政課

目 次 1. 単式簿記と複式簿記 1 2. 現金主義会計と発生主義会計 2 3. 地方公共団体と民間企業の会計 3 4. 統一的な基準による財務書類の概要 4 5. 統一的な基準における仕訳の考え方 6 6. 統一的な基準の勘定科目 7 7. 統一的な基準による財務書類作成の流れ 8 8. 統一的な

普通会計行政コスト計算書 自至 平成 28 年 4 月 1 日平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 経常費用 7,434,734 業務費用 4,078,883 人件費 1,265,527 職員給与費 1,095,503 賞与等引当金繰入額 85,290 退職手当引当金

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東京二十三区清掃一部事務組合 平成 28 年度財務書類の分析 統一的な基準

平成 28 年度 武雄市財務書類 ( 統一的な基準 )

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平成 28 年度 北名古屋市財務報告書 統一的な基準による財務書類 4 表 北名古屋市

PowerPoint プレゼンテーション

○ 何のために財務書類を作成するか

財務の概要 (2012 年度決算の状況 ) 1. 資金収支計算書の概要 資金収支計算書は 当該会計年度の教育研究活動に対応するすべての資金の収入 支出の内容を明らかにし かつ 当該会計年度における支払資金の収入 支出の顛末を明らかにするものです 資金収支計算書 2012 年 4 月 1 日 ~201

H28 一般会計等財務書類本表・注記

○ 何のために財務書類を作成するか

[ 資産の部 ] [ 負債の部 ] 1 公共資産 1 固定負債 (1) 有形固定資産 (1) 地方債 13,451,327 1 生活インフラ 国土保全 12,25,617 (2) 長期未払金 2 教育 7,134,832 1 物件の購入等 3 福祉 1,65,858 2 債務保証又は損失補償 4 環

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計算書類等

科目 期別 損益計算書 平成 29 年 3 月期自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 平成 30 年 3 月期自平成 29 年 4 月 1 日至平成 30 年 3 月 31 日 ( 単位 : 百万円 ) 営業収益 35,918 39,599 収入保証料 35,765 3

連結貸借対照表 ( 単位 : 百万円 ) 当連結会計年度 ( 平成 29 年 3 月 31 日 ) 資産の部 流動資産 現金及び預金 7,156 受取手形及び売掛金 11,478 商品及び製品 49,208 仕掛品 590 原材料及び貯蔵品 1,329 繰延税金資産 4,270 その他 8,476

連結行政コスト計算書自平成 28 年 4 月 1 日至平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 経常費用 45,72,817 業務費用 14,215,812 人件費 5,581,755 職員給与費 3,873,112 賞与等引当金繰入額 28,57 退職手当引当金繰入額

Microsoft Word - 公益法人会計の仕訳

第 1 部平成 28 年度決算にみる中野区の財政 平成 28 年度普通会計決算の概要 ( 歳入 歳出 ) 歳入歳出 実質収支の推移 歳入歳出実質収支 ( 実質収支 ) 1,4 1,2 1, ,324 1,333 1,23 1,265 1,95 1,43 1,52 1,89 1,14

資金収支計算書 平成 30 年度の収支状況を資金収支計算書の流れでみると 収入額は平成 31 年度新入生の入学時納付金の前受金等を含め 195 億 5,975 万 4 千円となり 前年度より繰越された 40 億 5,576 万 3 千円を加えると 収入合計は 236 億 1,551 万 7 千円とな

国家公務員共済組合連合会 民間企業仮定貸借対照表 旧令長期経理 平成 26 年 3 月 31 日現在 ( 単位 : 円 ) 科目 金額 ( 資産の部 ) Ⅰ 流動資産 現金 預金 311,585,825 未収金 8,790,209 貸倒引当金 7,091,757 1,698,452 流動資産合計 3

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『学校法人会計の目的と企業会計との違い』

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平成 29 年度連結計算書類 計算書類 ( 平成 29 年 4 月 1 日から平成 30 年 3 月 31 日まで ) 連結計算書類 連結財政状態計算書 53 連結損益計算書 54 連結包括利益計算書 ( ご参考 ) 55 連結持分変動計算書 56 計算書類 貸借対照表 57 損益計算書 58 株主

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旭川市の財務報告書

平成14年度 バランスシート

第4期電子公告(東京)

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塩尻市連結行政コスト計算書自平成 28 年 4 月 1 日 至平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 経常費用 47,638,423 業務費用 22,189,619 人件費 6,966,495 職員給与費 4,877,735 賞与等引当金繰入額 326,579 退職手当

決算書目次 1 収支計算書 (1) 収支計算書総括表 1 (2) 一般会計収支計算書 2 (3) 基金特別会計収支計算書 4 2 正味財産増減計算書 (1) 正味財産増減計算書総括表 6 (2) 一般会計正味財産増減計算書 7 (3) 基金特別会計正味財産増減計算書 8 3 賃借対照表 (1) 賃借

目 次 本 編 Ⅰ はじめに 1 1 統一的な基準による財務書類について 1 2 作成基準日 2 3 対象となる会計 ( 団体 ) の範囲 2 Ⅱ 財務書類 3 1 財務 4 表の内容及び相互関係 3 2 貸借対照表 4 3 行政コスト計算書 7 4 純資産変動計算書 9 5 資金収支計算書 11

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塩尻市全体行政コスト計算書自平成 28 年 4 月 1 日 至平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 千円 ) 科目 金額 経常費用 38,741,474 業務費用 18,383,132 人件費 5,623,903 職員給与費 3,713,819 賞与等引当金繰入額 293,175 退職手当

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平成 27 年度岩国市下水道事業決算の要領 下水道事業の経営成績と財政状態をお知らせするため 平成 27 年度決算の要領を公表します 1. 業務量 下水道区域の拡大により 処理人口は 260 人増加し 年間有収水量は 52,674 m3増加しました 区分 平成 27 年度 平成 26 年度 処 理

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H27年度財務書類説明資料(総務委員会).xlsx

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学校法人加計学園平成 28 年度財務の概要 貸借対照表 ( 表 1) 資産の部 科 目 平成 29 年 3 月 31 日 ( 単位 : 円 ) 本年度末前年度末増減 固 定 資 産 有 形 固 定 資 産 土 地 建 物 その他の有形固定資産 特 定 資 産 そ の 他 の 固 定 資 産 流動資産

Microsoft Word - 5第Ⅰ部第1章

法人単位貸借対照表 平成 29 年 3 月 31 日現在 第三号第一様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 法人名 : 社会福祉法人水巻みなみ保育所 資産の部当年度末前年度末 増減 負債の部当年度末前年度末 流動資産 23,113,482 23,430, ,370 流動負債 5,252,27

目 次 高山市財務諸表について 1 一般会計等財務諸表貸借対照表 6 行政コスト計算書 8 純資産変動計算書 10 資金収支計算書 12 全体財務諸表貸借対照表 14 行政コスト計算書 15 純資産変動計算書 16 資金収支計算書 17 連結財務諸表貸借対照表 18 行政コスト計算書 19 純資産変

. 資産評価及び固定資産台帳整備の手引き () 評価基準問番号質問回答関連箇所 原則として 全ての項目についてエクセル形式等の編集可能なデータ形式で公表することとします ただし HP 上で公表する際に データ容量の都合上 全ての項目を編集可能なデータ形式で公表することが困難である場合には 未利用資産

~ わかりやすい決算報告をめざして ~ 市ではさまざまな事業を行っています どのような事業を行うのか 資金調達はどうするか どのように支出するかを 歳入 歳出 という形でお金で表し とりまとめた計画が 予算書 です その予算に沿って事業を行った一年間の結果を報告したものが 決算書 です 決算書 には

財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

( 資産の部 ) ( 負債の部 ) Ⅰ 特定資産の部 1. 流動負債 366,211,036 1 年内返済予定 1. 流動資産 580,621,275 特定社債 302,000,000 信託預金 580,621,275 事業未払金 2,363, 固定資産 6,029,788,716 未払

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財務諸表に対する注記 1. 継続事業の前提に関する注記 継続事業の前提に重要な疑義を抱かせる事象又は状況はない 2. 重要な会計方針 (1) 有価証券の評価基準及び評価方法 満期保有目的の債券 償却原価法 ( 定額法 ) によっている なお 取得差額が少額であり重要性が乏しい銘柄については 償却原価

NO 連結精算表科目 & 連結開示 前連結会計 当連結会計 増減差額 科目 借 年度 年度 借方 方 連結借対照表 千円 千円 千円 千円 開 38 社債 20,000,000 5,000,000 開 39 長期借入金 16,500,000 16,071,500 開 40 リース債務 632,000

①別紙様式第13号 貸借対照表


営業報告書

貸借対照表内訳表 第三号第二様式 ( 第二十七条第四項関係 ) 平成 30 年 3 月 31 日現在 勘定科目 社会福祉事業 公益事業 収益事業 合計 内部取引消去 法人合計 資産の部流動資産 178,500,670 7,595, ,095, ,095,778 現金預

平成22年度連結決算財務諸表(PDF)

野村アセットマネジメント株式会社 平成30年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

12 70, , , , , , , , , , , , , ,0

社会福祉法人心愛会 貸借対照表平成 26 年 3 月 31 日現在 第 5 号様式 社会福祉法人心愛会 ( 単位 : 円 ) 資 産 の 部 負 債 の 部 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 勘 定 科 目 当年度末 前年度末 増 減 流動資産 915,233, ,793,73

法人単位事業活動計算書 当年度決算 (A) 前年度決算 (B) 増減 (A)-(B) サービス活動増減の部収益会費収益 4,402,000 4,559, ,000 寄附金収益 764, ,846 37,643 経常経費補助金収益 25,283,623 25,257,870 2

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Taro-27文章バージョン

Microsoft Word - 学校法人会計の仕訳.docx

37☆【様式2】景観園芸学校_修正181211★

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Microsoft Word 【公表】HP_T-BS・PL-H30年度

平成31年3月期 第2四半期決算短信〔日本基準〕(非連結)

科目当年度前年度増減 [ 負債の部 ] 流動負債未払金 3,44,15,654 3,486,316,11-46,3,357 給付金未払金 3,137,757,265 3,192,611,196-54,853,931 年金未払金 287,13, ,91,778 7,228,646 その他未

野村アセットマネジメント株式会社 2019年3月期 個別財務諸表の概要 (PDF)

第6期決算公告

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株 主 各 位                          平成19年6月1日

3. その他 (1) 期中における重要な子会社の異動 ( 連結範囲の変更を伴う特定子会社の異動 ) 無 (2) 会計方針の変更 会計上の見積りの変更 修正再表示 1 会計基準等の改正に伴う会計方針の変更 無 2 1 以外の会計方針の変更 無 3 会計上の見積りの変更 無 4 修正再表示 無 (3)

分析メ1モ.xls

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つばめ保育園サービス区分貸借対照表 平成 27 年 3 月 31 日現在 資 産 の 部 負 債 の 部 当年前年当年前年増減度末度末度末度末 流動資産 35,328,927 流動負債 8,366,092 現金預金 31,069,025 事業未払金 2,777,912 現 金 0 その他の未払金 6

Transcription:

平成 28 年度 財務書類の公表 - 1 -

新しい地方公会計制度 これまで南阿蘇村では 総務省方式改訂モデル ( 以後 改訂モデルと言います ) の財務書類を作成してきました 南阿蘇村がこれまで積み上げてきた資産と この先返済する必要がある負債 すでに支払いが終わっている純資産などの情報を表示した貸借対照表など 今までの決算書では把握できなかった情報を 新たな切り口から見ることができました この改訂モデルの作成方式に代わり 平成 28 年度決算からは 統一的な基準に基づく財務書類 ( 以後統一モデル財務書類と言います ) の作成方式が導入されます 統一モデル財務書類は 原則として平成 27 年度から平成 29 年度までの3 年間を準備期間とし 全ての地方公共団体において作成するように要請されています ( 平成 27 年 1 月 23 日付総務大臣通知 統一的な基準による地方公会計の整備促進について ) 南阿蘇村はこの要請に基づき 平成 28 年度決算より 統一モデル財務書類の4 表 ( 貸借対照表 行政コスト計算書 純資産変動計算書 資金収支計算書 ) を作成しましたので その報告を行います 制度の詳細については 総務省のホームページをご覧ください http://www.soumu.go.jp/iken/kokaikei/index.html これまでの財務書類との違い 平成 27 年度決算まで作成してきた改訂モデル財務書類と 今年度作成した統一モデル財務書類は 発 生主義 複式簿記 という点で共通しています 大きく異なる点としては 資産の計上方法が挙げられ ます これまでの改訂モデル財務書類では 資産の整備に支出された金額 ( 一般会計ではこれを普通建設事業費と呼びます ) の分だけ資産があるものとみなして 普通建設事業費の積み上げを行って資産の残高として計算していました 一方 これから作成する統一モデル財務書類は 対象となる決算の時点 ( 今回は平成 28 年度決算のため 平成 29 年 3 月 31 日時点となります ) で南阿蘇村として実際に保有している資産について棚卸を行い 評価して計上しています 財務書類とは 予算書や決算書など今までの公会計とは別に南阿蘇村の財務状況を表す新たな取り組みとして次の財務書類を作成しました (1) 資産や負債の状況などを表す 貸借対照表 (2) 人件費や減価償却費などの経費を表す 行政コスト計算書 (3) 純資産の一年間の変動内容を表す 純資産変動計算書 (4) 資金収支の状況を性質別に3つの区分に表す 資金収支計算書 以上の 4 表を表したものが財務書類と呼ばれています - 2 -

貸借対照表 (BS) 貸借対照表 ( バランスシート ) は 平成 29 年 3 月 31 日時点で南阿蘇村が保有している資産と その資産を取得する ために使ったお金の調達方法をあらわしています 現金の収支に注目する従来の決算書では把握することができなかっ た 南阿蘇村の財産や負債など これまでの資産形成の結果を知ることができます 科目 金額 科目 金額 資産の部 負債の部 固定資産 24,94,44 固定負債 12,349,799 有形固定資産 21,137,696 地方債 11,661,318 事業用資産 11,484,856 長期未払金 インフラ資産 9,637,681 退職手当引当金 687,599 物品 15,158 損失補償等引当金 882 無形固定資産 投資の資産 2,956,349 流動負債 874,926 流動資産 3,627,691 1 年内償還予定地方債 773,52 現金預金 2,485,21 未払金 未収金 15,363 未払費用 短期貸付金 2,772 前受金 基金 99,865 前受収益 棚卸資産 賞与等引当金 87,872 預り金 14,2 徴収不能引当金 1,51 負債合計 13,224,726 純資産の部 固定資産等形成分余剰分 ( 不足分 ) 25,87,681 1,59,671 純資産合計 14,497,1 資産合計 27,721,736 負債及び純資産合計 27,721,736 一般会計等財務書類貸借対照表 ( 単位 : 千円 ) 有形固定資産 無形固定資産道路や学校など 自治体が保有する公共施設の総額投資等特定の目的で積立てた基金や出資金の総額流動資産現金預金や現金化しやすい未収金等の総額負債地方債の残高や退職手当引当金などの総額将来世代が負担する金額純資産道路や学校等の整備の財源として受けた国や県からの補助金や地方税などの総額これまでの世代が負担してきた金額 貸借対照表を住民一人当たりの家計簿に置き換えると 所有している土地や建物 車など 約 194 万円 有価証券や定期預金等 約 27 万円 現金や普通預金等 約 33 万円 1% 9% 8% 7% 6% 5% 4% 3% 2% 1% % 約 254 万円 76.2% 1.7% 13. 固定負債純資産 借方 流動負債 44.5% 3.2% 52.3% 貸方 有形固定資産 + 無形固定資産 約 254 万円の支払い方法 負債 = 将来支払わなければならないお金 ( ローンの残高等 ) 固定負債 長期的に返済しなければならない借金約 113 万円 流動負債 来年に返す予定の借金 約 8 万円 純資産 = すでに支払ったお金土地や建物の購入のために 親からの援助金や自己資金等 約 133 万円 投資等 流動資産 人口 (1912 人 ) は H27 年度国勢調査の確定値から住民基本台帳把握の増減を加味したデータを使用しています ( 熊本県 HP 参照 ) 有形固定資産減価償却率 68.79% ( 減価償却累計額 38,61,449 千円 有形固定資産合計額 56,129,326 千円 ) 償却資産の取得価額に対する減価償却累計額の割合を求めることで 施設の老朽化具合を示す指標です 有形固定資産減価償却率が高いほど建替えや改修などのコストがかかる時期が近いことを示します - 3 -

行政コスト計算書 (PL) 行政サービスを提供する際に発生する支出のうち 資産の取得 ( 土地や建物の購入 ) に関わらない支出と 行政 サービスの対価として得られた収入を計上しています 経常費用が経常収益を上回っていますが これは行政コスト 計算書上の収入に 行政サービスの直接的な収入のみを計上しているためです 科目金額経常費用 11,53,122 業務費用 7,362,19 人件費 1,492,415 物件費等 5,762,884 の業務費用 16,81 移転費用 4,168,13 補助金等 2,778,346 社会保障給付 817,539 他会計への繰出金 569,542 2,586 経常収益 1,245,192 使用料及び手数料 43,869 1,21,323 純経常行政コスト 1,284,93 臨時損失 1,521,154 臨時利益 純行政コスト 11,86,84 一般会計等財務書類行政コスト計算書 ( 単位 : 千円 ) 人件費 主に人にかかるコストです 職員給与のほかに 賞与等引当金や 退職手当引当金の繰入額が計上されています 物件費 主に物にかかるコストです 物件費のほかに 施設の維持補修費 や減価償却費が計上されています の業務費用 支払利息 貸付金 保険料等が計上されています 移転費用 移転費用には 社会保障給付や他会計への繰出金 補助金等が計 上されています 経常収益 行政サービスの直接対価である使用料や手数料 財産貸付収入 現金利子 雑入等などが計上されています 1 年間の行政コストを 4 万円の家計に換算すると 家計の支出項目 出費額 ( 千円 ) 構成比率 食費 488 12.2% 外食費 32.8% 水道光熱費 衣服費 旅費等 1,612 4.3% 家の修理費 68 1.7% 減価償却費 32 8.% 医療費 284 7.1% お祝金 お見舞金等 964 24.1% 子供への仕送り 196 4.9% 借金の金利 24.6% 雑費 12.3% 合計 4, 1.% - 4 -

純資産変動計算書 (NW) 貸借対照表の純資産の部の増加と減少を計上し 純資産が 1 年間でどのように変動したのかを示しています 純資産の増加要因には 行政サービスの対価として支払われる以外の収入 ( 税収や国 県からの補助金等 ) があ り 減少要因には 行政コスト計算書で算出される純行政コストが計上されています 科目合計固定資産余剰分等形成分 ( 不足分 ) 前年度末純資産残高 14,79,459 24,947,561 1,157,12 純行政コスト ( ) 11,86,84 11,86,84 財源 11,512,635 11,512,635 税収等 7,571,121 7,571,121 国県等補助金 3,941,514 3,941,514 本年度差額 293,449 293,449 固定資産等の変動 ( 内部変動 ) 14,12 14,12 有形固定資産等の増加 1,155,952 1,155,952 有形固定資産等の減少 923,498 923,498 貸付金 基金等の増加 745,788 745,788 貸付金 基金等の減少 838,122 838,122 資産評価差額 無償所管換等 本年度純資産変動額 293,449 14,12 433,569 本年度末純資産残高 14,497,1 25,87,681 1,59,671 一般会計等財務書類純資産変動計算書 ( 単位 : 千円 ) 純資産が昨年度よりも増加した場合は 負債の増加より資産の増加のほうが多かったことを示しています 逆に純資産が減少した場合は 行政コストが多くかかっていたり 資産の増加より負債の増加が多かったことを示しています 資金収支計算書 (CF) 貸借対照表の現金が1 年間でどのように変化したのかを示しています 現金の使いみちにより 業務活動 投資活動 財務活動 3つの区分に分け どのような行政活動にいくら使ったのかが分かります 業務活動収支行政サービスを行う中で 毎年継続的に収入 支出される金額が集計されています 人件費や物件費が含まれます 投資活動収支学校 道路や公共施設等の資産に関わる投資活動収支や貸付金や基金の収入 支出の金額が集計されています 財務活動収支地方債等の借入 償還等の金額が集計されています 科目 業務活動収支 業務支出業務収入臨時支出臨時収入業務活動収支 投資活動収支 投資活動支出投資活動収入投資活動収支 財務活動収支 財務活動支出財務活動収入財務活動収支 2,473,75 本年度資金収支額 1,48,549 前年度末資金残高 1,62,65 本年度末資金残高 2,471,199 前年度末歳計外現金残高本年度歳計外現金増減額本年度末歳計外現金残高本年度末現金預金残高 金額 1,598,19 12,16,734 1,517,859 1,48 7,754 1,857,836 8,435 1,57,42 82,329 3,294,34 15,488 1,487 14,2 2,485,21 一般会計等財務書類資金収支計算書 ( 単位 : 千円 ) - 5 -