まずはウォーミングアップ 材料技術戦略論 うちの研究室の来年度の研究テーマ さてどうするか? 鈴木 : 無機系エネルギー 環境材料研究室を立ち上げて7 年目か 来年度で学生は7 期目やし 戦略的に見て うちのラボ どういうテーマがいいんかな~ あけみ : 先生 この前授業で言ってたじゃないですか こんなときこそ 技術マップですよ いつやるんですか? 今でしょ 2017 数理物質科学研究科物性 分子工学専攻准教授鈴木義和 suzuki@ims.tsukuba.ac.jp Yoshikazu SUZUKI 1 Yoshikazu SUZUKI 2 うーん じゃ まずは現状分析か! 鈴木 : じゃ まずは現状分析やな 技術テーマの 棚卸し せんといかんな あけみ : さっそく マップにしてみます?? 鈴木 : うーん 修士以上だと 2017 年度の夏時点では 結構 偏ってんな~ あけみ : 環境応用 がちょっと手薄になってません? あけみ : あの 先生 私 入ってないんですけど 鈴木 : まあ バーチャルキャラやからな でもモデルはおるで ( 笑 ) 環境応用 排ガス浄化多孔体 ( 宮尾さん ) 環境浄化光触媒 ( 大林さん ) デバイス ペロブスカイト太陽電池 ( 奥本君 四井さん 上井君 ) エネルギー応用 スーパーキャパシタ ( 深井君 ) 2017 年度 現状分析 あけみ : 図にしてみると 良く分かりますね でも ちょっとバラケすぎじゃないですか? 鈴木 : うーん 確かに 評価装置が揃ってきたところをもう少し重点化して 戦略を練り直してみるか 戦力分散すると ( 学会とかで ) 各個撃破されるからね あけみ : そうですね ヤン提督も言ってます まず 敵に対して少なくとも6 倍の兵力を揃え 補給と整備を完全に行い 司令官の意思をあやまたず伝達すること と 鈴木 : つまり もう少しテーマを絞れと あけみ : それに ユリアン君も言ってます 4ヶ所 ( エネルギー 環境 デバイス 材料 ) 全てを別々に攻撃するのは 時間と手間の無駄です と 鈴木 : 確かに なるべく楽をして勝つ か おっと これはヤン提督の台詞やな あけみ : そうです それに適材適所が大事ですよ A( アー ) にはA B( ベー ) にはB です 鈴木 : 今度は オーベルシュタインやな 自分 どんだけ銀英伝好きなん?? あけみ : でも どうして先生も元ネタ知ってるんですか?? 原料 新素材 高温耐熱材料 ( 川田さん 蒲田さん ) こうして 新年度を待たず さっそくテーマの見直し ( 陣形の立て直し ) を行い 鈴木ラボは再出発します 筑波の歴史がまた 1 ページ あけみ : あと 女子多いですね 鈴木 : たぶん 気のせいやと思う 3 Yoshikazu SUZUKI Yoshikazu SUZUKI @2017 年 10 月 このお話はフィクションです ( 笑 ) 4
技術マップ 技術戦略マップと技術ロードマップ 技術マップの実例 : 富士通特機コンポーネント株式会社 技術マップ現状 ( あるいはある時点で ) の技術を図として整理したもの 2 つの軸で 2 次元に描く場合が多いが 印の大きさを変えるなどして 擬似的に 3 次元情報を表すことも可能 技術戦略マップ 今後 このような技術開発が必要 今後 このような技術開発を行っていく といった技術戦略を図示したもの 次の技術ロードマップと区別されずに使われることも多いが こちらはより 作成者の意図を反映したものになっている 技術ロードマップ 2020 年 2030 年 あるいは 2100 年といった近未来に向けて技術が進展していく ( あるいは進展すべき ) 様子を予想した図 線表で表される場合が多く 多くの場合は横軸に年 ( 年度 ) を用いる 技術戦略マップ同様に 客観的にこうなるであろう という予測に加え こうあって欲しい こうあるべきだ という作成者の恣意的な観点も入ることが多い 実用化の目星が立たない技術については とりあえず 50 年後あたりに置いておく という手法がしばしばとられ 将来この技術を実現するために今この研究が必要なんです といった予算獲得に使われる Yoshikazu SUZUKI 軸にとらわれず ビジュアルで強みと業種を表示 出典 : http://jp.fujitsu.com/group/tsl/tcl/ 5 Yoshikazu SUZUKI 6 技術マップの実例 : LIB 用正極材料の技術マップ 技術マップの実例 : 重量あたりの材料 デバイスの値段 出典 http://unit.aist.go.jp/ubiqen/gab/theme.html Yoshikazu SUZUKI 7 資料ご提供 : 元 ファインセラミックス技術研究組合安藤様 Yoshikazu SUZUKI 8
技術マップの実例 : 産総研の技術シーズ集 ( ライフサイエンス分野 ) 技術マップの実例 : 日立工機株式会社 具体的な製品を中心に据えることで 文字だけの場合に比べてイメージしやすくなっている 出典 : http://unit.aist.go.jp/hri/information/seeds/h25tech-seeds/seeds_map.html Yoshikazu SUZUKI 9 出典 : http://www.hitachi-koki.co.jp/himac/tech/no1/no1.html Yoshikazu SUZUKI 10 技術マップの実例 : MHI プラントエンジニアリング株式会社 技術マップの実例 : LIB 用負極材料の技術マップ 対応可能技術マップ 表の形式にすることで より詳細に どの分野が強いかが分かる 出典 : http://www.mhipec.co.jp/business_guide/nagasaki_marine_space.html Yoshikazu SUZUKI 11 出典 http://unit.aist.go.jp/ubiqen/gab/theme.html Yoshikazu SUZUKI 12
技術ロードマップの実例 : シリコン ( 応用物理学会 ) 技術ロードマップの実例 : プラズマ プロセス技術 ( 応用物理学会 ) 出典 : http://www.jsap.or.jp/jsap75/academic/arm_01.jpg Yoshikazu SUZUKI 13 出典 :http://www.jsap.or.jp/jsap75/academic_10.htmlyoshikazu SUZUKI 14 技術ロードマップの実例 : テラヘルツ エレクトロニクス ( 応用物理学会 ) 技術ロードマップの実例 : フォトニクス ( 応用物理学会 ) 出典 : http://www.jsap.or.jp/jsap75/academic/arm_03.jpg Yoshikazu SUZUKI 15 Yoshikazu SUZUKI 16
技術ロードマップの実例 : ワイドバンドギャップ半導体 ( 応用物理学会 ) 技術ロードマップの実例 : 磁性スピンエレクトロニクス ( 応用物理学会 ) 出典 : http://www.jsap.or.jp/jsap75/academic_11.html Yoshikazu SUZUKI 17 Yoshikazu SUZUKI 18 技術ロードマップの実例 : バイオエレクトロニクス ( 応用物理学会 ) 技術ロードマップの実例 : 超伝導技術 ( 応用物理学会 ) 出典 : http://www.jsap.or.jp/jsap75/academic_12.html Yoshikazu SUZUKI 19 Yoshikazu SUZUKI 20
技術ロードマップの実例 : 次世代自動車用蓄電池 演習 (2a) 技術マップを作ってみる ( 初級編 ) 皆さんは 就職先の企業でグループ研修に参加することになりました まずは 自分の企業がどんな技術を持っているか ライバル企業がどんな技術を持っているか を把握する必要があります 仮想企業を題材にして 技術マップ を作成してみてください 業種は問いません 具体的な企業をイメージするとやりやすいと思いますが 実名は出さず 仮想企業とする方がやりやすいと思います 前後左右の人とディスカッションして下さい 席の移動も可です 早くできた人は さらに その仮想企業の2050 年までの技術ロードマップを作成してください Yoshikazu SUZUKI 21 Yoshikazu SUZUKI 22 演習 (2b) 技術マッププレゼンテーション ( 中級編 ) 技術マップを使って 皆さんの企業 / 団体 ( 仮想でOK) のプレゼンテーションをします プレゼン相手は ( 役員を含めた ) 上司です まずは 自社の 強み を中心に語ってください ただし ほめるだけではダメです ( 自分が入った企業 / 団体をけなさないように注意しつつ ) 今後 どの分野を強化していくべきかを熱く語ってください 技術マップについては 黒板を使って簡潔に板書して下さい スピーチ担当者 1 名 と 板書担当者 2~3 名 あたりが適当です できれば スピーチと板書を同時進行してください この演習では 2 軸の簡単なマップをお勧めしますが それ以外でもOKです Yoshikazu SUZUKI 23