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(イ係)

最高裁○○第000100号

被告に対し, 著作権侵害の不法行為に基づく損害賠償として損害額の内金 800 万円及びこれに対する不法行為の後の日又は不法行為の日である平成 26 年 1 月 日から支払済みまで年 % の割合による遅延損害金の支払を求めた事案である 1 判断の基礎となる事実 ( 当事者間に争いのない事実又は後掲の各

次のように補正するほかは, 原判決の事実及び理由中の第 2に記載のとおりであるから, これを引用する 1 原判決 3 頁 20 行目の次に行を改めて次のように加える 原審は, 控訴人の請求をいずれも理由がないとして棄却した これに対し, 控訴人が控訴をした 2 原判決 11 頁 5 行目から6 行目

事実 ) ⑴ 当事者原告は, 昭和 9 年 4 月から昭和 63 年 6 月までの間, 被告に雇用されていた ⑵ 本件特許 被告は, 次の内容により特定される本件特許の出願人であり, 特許権者であった ( 甲 1ないし4, 弁論の全趣旨 ) 特許番号特許第 号登録日平成 11 年 1

平成  年 月 日判決言渡し 同日判決原本領収 裁判所書記官

求めるなどしている事案である 2 原審の確定した事実関係の概要等は, 次のとおりである (1) 上告人は, 不動産賃貸業等を目的とする株式会社であり, 被上告会社は, 総合コンサルティング業等を目的とする会社である 被上告人 Y 3 は, 平成 19 年当時, パソコンの解体業務の受託等を目的とする

平成 30 年 10 月 26 日判決言渡同日原本領収裁判所書記官 平成 30 年 ( ワ ) 第 号発信者情報開示請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 9 月 28 日 判 決 5 原告 X 同訴訟代理人弁護士 上 岡 弘 明 被 告 G M O ペパボ株式会社 同訴訟代理人弁護士

年 10 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 被控訴人 Y1 は, 控訴人に対し,100 万円及びこれに対する平成 24 年 1 0 月 18 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 4 被控訴人有限会社シーエムシー リサーチ ( 以下 被控訴人リサーチ

原告は 昭和 58 年度分以降の年分の所得税について 当時の所轄税務署長である保士ヶ谷税務署長から 所得税法 143 条所定の青色の申告書により提出することの承認を受けた (2) 原告は 平成 15 年分から平成 17 年分の所得税の確定申告において 不動産所得金額の計算上 収入金額に比して多額の借

最高裁○○第000100号

滞納処分によって財産の差押えを受け 被告がその売却代金等の配当を受けたことについて 本件各申告の一部は錯誤に基づく無効なものであり これを前提としてされた滞納処分も無効であるから 被告は法律上の原因なく配当を受けているとして 不当利得返還請求権に基づき 前記第 1の請求記載の各金員の支払を求めている

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平成 28 年 4 月 21 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 27 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 28 年 2 月 25 日 判 決 原告株式会社 C A 同訴訟代理人弁護士 竹 村 公 利 佐 藤 裕 紀 岡 本 順 一 石 塚 司 塚 松 卓

上陸不許可処分取消し請求事件 平成21年7月24日 事件番号:平成21(行ウ)123 東京地方裁判所 民事第38部

審査請求書の記載に当たっては 別紙 審査請求書の書き方 を参照してください 付表 1 号様式 ( 次葉 ) 正本原処分に係る異議申立ての状況 9 異議申立てをした場合 ( 該当する番号を で囲む ) 10 異議申立てをしていない場合 ( 該当する番号を で囲む ) 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求

税金の時効 税務では 時効のことを更正 決定処分の期間制限 = 除斥期間 といいます その概要は 以下の通りです 1. 国税側の除斥期間 ( 通則法 70) 1 期限内申告書を提出している場合の所得税 相続税 消費税 税額の増額更正 決定処分の可能期間 : 法定申告期限から 3 年 2 無申告の場合

き一 修正申告 1 から同 ( 四 ) まで又は同 2 から同 ( 四 ) までの事由が生じた場合には 当該居住者 ( その相続人を含む ) は それぞれ次の 及び に定める日から4 月以内に 当該譲渡の日の属する年分の所得税についての修正申告書を提出し かつ 当該期限内に当該申告書の提出により納付

算税賦課決定 (5) 平成 20 年 1 月 1 日から同年 3 月 31 日までの課税期間分の消費税及び地方消費税の更正のうち還付消費税額 6736 万 8671 円を下回る部分及び還付地方消費税額 1684 万 2167 円を下回る部分並びに過少申告加算税賦課決定 (6) 平成 20 年 4 月

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平成 27 年 2 月までに, 第 1 審原告に対し, 労働者災害補償保険法 ( 以下 労災保険法 という ) に基づく給付 ( 以下 労災保険給付 という ) として, 療養補償給付, 休業補償給付及び障害補償給付を行った このことから, 本件事故に係る第 1 審原告の第 1 審被告に対する自賠法

情報の開示を求める事案である 1 前提となる事実 ( 当事者間に争いのない事実並びに後掲の証拠及び弁論の全趣旨により容易に認められる事実 ) 当事者 ア原告は, 国内及び海外向けのモバイルゲームサービスの提供等を業とす る株式会社である ( 甲 1の2) イ被告は, 電気通信事業を営む株式会社である

( 事案の全体像は複数当事者による複数事件で ついての慰謝料 30 万円 あり非常に複雑であるため 仮差押えに関する部 3 本件損害賠償請求訴訟の弁護士報酬 分を抜粋した なお 仮差押えの被保全債権の額 70 万円 は 1 億円程度と思われるが 担保の額は不明であ を認容した る ) なお 仮差押え

の補正書 において, 審査請求の趣旨を この開示請求は本人の給与のみずましにかかわる書面である為 としているが, 原処分を取り消し, 本件対象保有個人情報の開示を求めている審査請求として, 以下, 原処分の妥当性について検討する 2 原処分の妥当性について (1) 給与所得の源泉徴収票について給与所

期分本税 831 万 1900 円の合計 以下 本件租税債権 という ) (3) 東京国税局国税徴収官 B( 以下 B 徴収官 という ) は 同局特別国税徴収官 C( 以下 C 特官 という ) の決定に基づき 平成 20 年 3 月 6 日 原告がA 証券に対して有していた本件証拠金の返還請求権

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Microsoft Word - ◎簡易版HP0604.doc

平成 29 年 2 月 20 日判決言渡同日原本交付裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 29 年 2 月 7 日 判 決 原 告 マイクロソフトコーポレーション 同訴訟代理人弁護士 村 本 武 志 同 櫛 田 博 之 被 告 P1 主 文

取っていないため課税されるべき所得はなく 川越税務署長が平成 24 年 8 月 24 日付けで原告に対して行った平成 19 年分 平成 22 年分及び平成 23 年分の所得税の各決定処分 ( 以下 本件決定処分 という ) 並びに平成 22 年分及び平成 23 年分の無申告加算説の各賦課決定処分 (

録された保有個人情報 ( 本件対象保有個人情報 ) の開示を求めるものである 処分庁は, 平成 28 年 12 月 6 日付け特定記号 431により, 本件対象保有個人情報のうち,1 死亡した者の納める税金又は還付される税金 欄,2 相続人等の代表者の指定 欄並びに3 開示請求者以外の 相続人等に関

7 平成 28 年 10 月 3 日 処分庁は 法第 73 条の2 第 1 項及び条例第 43 条第 1 項の規定により 本件不動産の取得について審査請求人に対し 本件処分を行った 8 平成 28 年 11 月 25 日 審査請求人は 審査庁に対し 本件処分の取消しを求める審査請求を行った 第 4

正 審査請求書 ( 次葉 ) 審査請求人 ( 氏名 名称 ) 11 審査請求の趣旨 原処分 ( 再調査の決定を経ている場合にあっては 当該決定後の処分 ) の取消し又は変更を求める範囲等について 該当する番号を で囲んでください なお 次の番号 2 の 一部取消し 又は 3 の その他 を求める場合

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1 審査会の結論 平成 28 年度市民税 県民税の賦課決定処分 に係る審査請求は棄却する べきであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要南区長 ( 以下 処分庁 という ) は 地方税法 ( 昭和 25 年法律第 226 号 以下 法 という ) 第 24 条及び第 294 条並びに横浜市市税

被告は,A 大学 C 学部英語専攻の学生である (2) 本件投稿等被告は, 大学 2 年生として受講していた平成 26 年 4 月 14 日の 言語学の基礎 の初回講義 ( 以下 本件講義 という ) において, 原告が 阪神タイガースがリーグ優勝した場合は, 恩赦を発令する また日本シリーズを制覇

平成  年(オ)第  号

並びにそのコンサルタント業務等を営む株式会社である ⑵ 株式会社 CAは, 別紙著作物目録記載 1ないし3の映像作品 ( 以下 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の製作に発意と責任を有する映画製作者 ( 著作権法 2 条 1 項 号 ) であるところ, 本件各著作物の著

〔問 1〕 抵当権に関する次の記述のうち,民法の規定によれば,誤っているものはどれか

税務訴訟資料第 267 号 -70( 順号 13019) 大阪高等裁判所平成 年 ( ) 第 号更正をすべき理由がない旨の通知処分取消請求控訴事件国側当事者 国 ( 富田林税務署長 ) 平成 29 年 5 月 11 日棄却 上告受理申立て ( 第一審 大阪地方裁判所 平成 年 ( ) 第 号 平成

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は, 亡 AとBとの間の子である 原告は, 所得税法 16 条 2 項の規定により, その営む事業に係る事業場の所在地である渋谷区を納税地としている イ亡 Aは, 平成 年 月 日に死亡し, 原告は, 渋谷区 α 番地 1ほか所在の区分所有建物及

平成 27 年度 特定行政書士法定研修 考査問題 解答と解説 本解答と解説は 正式に公表されたものではなく 作成者が独自に作成したものであり 内容の信頼性については保証しない 以下の事項に全て該当 遵守する場合にのみ 利用を許可する 東京都行政書士会葛飾支部会員であること 営利目的でないこと 内容を

た損害賠償金 2 0 万円及びこれに対する遅延損害金 6 3 万 9 円の合計 3 3 万 9 6 円 ( 以下 本件損害賠償金 J という ) を支払 った エなお, 明和地所は, 平成 2 0 年 5 月 1 6 日, 国立市に対し, 本件損害賠償 金と同額の 3 3 万 9 6 円の寄附 (

〔問 1〕 A所有の土地が,AからB,BからCへと売り渡され,移転登記も完了している

(4) 今月下旬に所得税法施行令を改正するとともに 法令解釈通達を発遣し 上記のとおり 保険年金 に係る所得税の取扱いを変更いたします 取扱い変更後 所得税の還付の手続きが可能となります なお 納税者の方々には 次の点にご注意いただく必要があります 所得税が納めすぎとなっていた場合の還付手続きには

2006 年度 民事執行 保全法講義 第 4 回 関西大学法学部教授栗田隆

7 という ) が定める場合に該当しないとして却下処分 ( 以下 本件処分 という ) を受けたため, 被控訴人に対し, 厚年法施行令 3 条の12の7が上記改定請求の期間を第 1 号改定者及び第 2 号改定者の一方が死亡した日から起算して1 月以内に限定しているのは, 厚年法 78 条の12による

改正された事項 ( 平成 23 年 12 月 2 日公布 施行 ) 増税 減税 1. 復興増税 企業関係 法人税額の 10% を 3 年間上乗せ 法人税の臨時増税 復興特別法人税の創設 1 復興特別法人税の内容 a. 納税義務者は? 法人 ( 収益事業を行うなどの人格のない社団等及び法人課税信託の引

に含まれるノウハウ コンセプト アイディアその他の知的財産権は すべて乙に帰属するに同意する 2 乙は 本契約第 5 条の秘密保持契約および第 6 条の競業避止義務に違反しない限度で 本件成果物 自他およびこれに含まれるノウハウ コンセプトまたはアイディア等を 甲以外の第三者に対する本件業務と同一ま

 

4 処分行政庁が平成 25 年 3 月 5 日付けでした控訴人に対する平成 20 年 10 月 1 日から平成 21 年 9 月 30 日までの事業年度の法人税の再更正処分のうち翌期へ繰り越す欠損金 4 億 万 6054 円を下回る部分を取り消す 5 処分行政庁が平成 25 年 3 月

(2) B 社に係る破産事件等東京地方裁判所は, 平成 21 年 2 月 24 日,B 社を再生債務者として, 再生手続開始の決定をした しかし, 東京地方裁判所は, 同年 3 月 24 日,B 社の事業継続を不可能とする事実が明らかになったとして, 再生手続廃止の決定をするとともに, 再生手続廃止

である旨の証券取引等監視委員会の指導を受け, 過年度の会計処理の訂正をした 本件は, 本件事業年度の法人税について, 控訴人が, 上記のとおり, その前提とした会計処理を訂正したことにより, 同年度の法人税の確定申告 ( 以下 本件確定申告 という ) に係る確定申告書の提出により納付すべき税額が過

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1 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されている不動産については, 当該価格により当該不動産に係る不動産取得税の課税標準となるべき価格を決定するものとする旨を定め, 同条 2 項で, 道府県知事は, 固定資産課税台帳に固定資産の価格が登録されていない不動産又は当該固定資産

式会社 (A) の債務に係る保証債務及び清算人を務める株式会社 (B) の債務の履行にそれぞれ充てた控訴人が 上記各債務の履行に伴って生じた求償権を一部行使することができなくなったとして これに相当する金額につき 譲渡所得の金額の計算上なかったものとみなす所得税法 ( 法 )64 条 2 項の規定を

わらず, 平成 24 年 2 月 28 日, 前記 B 税務署において, 同税務署長に対し, 財務省令で定める電子情報処理組織を使用して行う方法により, 所得金額が104 万 4158 円で, これに対する法人税額が18 万 7500 円である旨の虚偽の法人税確定申告をし, そのまま法定納期限を徒過

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平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税務上の措置 ( 手続 )FAQ 平成 30 年 7 月広島国税局 平成 30 年 7 月豪雨により被害を受けられた方の税制上の措置 ( 手続 ) 等につきまして 照会の 多い事例を取りまとめましたので 参考としてください 目次 Ⅰ 災害にあった場

政令で定める障害の程度に該当するものであるときは, その者の請求に基づき, 公害健康被害認定審査会の意見を聴いて, その障害の程度に応じた支給をする旨を定めている (2) 公健法 13 条 1 項は, 補償給付を受けることができる者に対し, 同一の事由について, 損害の塡補がされた場合 ( 同法 1

処分済み

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し

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(2) 訴訟費用は 被告らの負担とする 2 被告国 (1) 本案前の答弁ア原告の被告国に対する訴えを却下する イ上記訴えに係る訴訟費用は 原告の負担とする (2) 被告国は 本案について 原告の被告国に対する請求を棄却する旨の裁判を求めるものと解する 3 被告 Y1 市 (1) 本案前の答弁ア原告の

という ) 開始に係る各相続税 ( 以下 本件各相続税 という ) の申告をしたところ, 処分行政庁から本件各相続税の各更正及びこれらに係る重加算税の各賦課決定を受け, 裁決行政庁からこれらに係る原告らの審査請求を却下する旨の各裁決を受けたのに対し, 上記各更正のうち原告らが主張する納付すべき税額を

1 前提となる事実等 ( 証拠の摘示のない事実は, 争いのない事実又は弁論の全趣旨から容易に認められる事実である ) (1) 当事者原告は, X1 の名称を使用してウエブサイトの制作請負を行っている者であり, 被告は, 不動産業を主な業務としている特例有限会社である (2) 原告によるプログラムの制

事案である 3 仲裁合意本件では 申立人の申立書において仲裁合意の内容の記載があり 被申立人は答弁書においてこれを争わなかったので 本件についての書面による仲裁合意が存在する なお 被申立人は審問期日においても本仲裁に応じる旨の答弁をした 4 当事者の主張 (1) 申立人の主張申立人は 請求を基礎づ

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平成 31 年 1 月 29 日判決言渡平成 30 年 ( ネ ) 第 号商標権侵害行為差止等請求控訴事件 ( 原審東京地方裁判所平成 29 年 ( ワ ) 第 号 ) 口頭弁論終結日平成 30 年 12 月 5 日 判 決 控訴人 ジー エス エフ ケー シ ー ピー株式会

金の各金額に応じて按分した本件還付加算金に対応する金額 ( 以下 前訴弁護士費用按分額 という ) は必要経費に当たると主張して, 本件通知処分 ( 原告主張の総所得金額及び納付すべき税額を超える部分 ) の取消しを求める事案である 1 関係法令の定め (1) 所得税法の定めア雑所得 ( ア ) 雑

 

相続税の大増税に備える! 不動産による最新節税対策

2 当事者の主張 (1) 申立人の主張の要旨 申立人は 請求を基礎づける理由として 以下のとおり主張した 1 処分の根拠等申立人は次のとおりお願い書ないし提案書を提出し 又は口頭での告発を行った ア.2018 年 3 月 23 日に被申立人資格審査担当副会長及び資格審査委員長あてに 会長の経歴詐称等

1 繰越控除適用事業年度の申告書提出の時点で判定して 連続して 提出していることが要件である その時点で提出されていない事業年度があれば事後的に提出しても要件は満たさない 2 確定申告書を提出 とは白色申告でも可 4. 欠損金の繰越控除期間に誤りはないか青色欠損金の繰越期間は 最近でも図表 1 のよ

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土地建物等の譲渡(一般の譲渡)編

 

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原告が著作権を有し又はその肖像が写った写真を複製するなどして不特定多数に送信したものであるから, 同行為により原告の著作権 ( 複製権及び公衆送信権 ) 及び肖像権が侵害されたことは明らかであると主張して, 特定電気通信役務提供者の損害賠償責任の制限及び発信者情報の開示に関する法律 ( 以下 プ ロ

応して 本件著作物 1 などといい, 併せて 本件各著作物 という ) の著作権者であると主張する原告が, 氏名不詳者 ( 後述する本件各動画の番号に対応して, 本件投稿者 1 などといい, 併せて 本件各投稿者 という ) が被告の提供するインターネット接続サービスを経由してインターネット上のウェ

0 月 22 日現在, 通帳紛失の総合口座記号番号 特定番号 A-B~C 担保定額貯金 4 件 ( 特定金額 A): 平成 15 年 1 月 ~ 平成 16 年 3 月 : 特定郵便局 A 預入が証明されている 調査結果の回答書 の原本の写しの請求と, 特定年月日 Aの 改姓届 ( 開示請求者本人

土地建物等の譲渡(一般の譲渡)編

事実及び理由第 1 控訴の趣旨 1 原判決を取り消す 2 被控訴人は 控訴人に対し 427 万 5200 円及びこれに対する平成 4 年 8 月 7 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 3 訴訟費用は 第 1 2 審とも 被控訴人の負担とする 4 仮執行宣言第 2 事案の概要等 1

土地建物等の譲渡(マイホームの売却による譲渡損)編

( 相続時精算課税適用者の死亡後に特定贈与者が死亡した場合 ) (6) 相続時精算課税適用者 ( 相続税法第 21 条の9 第 5 項に規定する 相続時精算課税適用者 をいう 以下 (6) において同じ ) の死亡後に当該相続時精算課税適用者に係る特定贈与者 ( 同条第 5 項に規定する 特定贈与者

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土地建物等の譲渡(一般の譲渡)編

1 審査会の結論 平成 29 年度市民税 県民税税額変更処分 に係る審査請求は棄却するべ きであるとの審査庁の判断は妥当である 2 事案概要緑区長 ( 以下 処分庁 という ) は 平成 29 年 6 月 1 日 審査請求人に対して 平成 29 年度市民税 県民税賦課決定処分 ( 以下 先行処分 と

なお, 基本事件被告に対し, 訴状や上記移送決定の送達はされていない 2 関係法令の定め (1) 道路法ア道路管理者は, 他の工事又は他の行為により必要を生じた道路に関する工事又は道路の維持の費用については, その必要を生じた限度において, 他の工事又は他の行為につき費用を負担する者にその全部又は一

う ) を事業所得の金額の計算上必要経費に算入して所得税額を算出して確定申告をし また 平成 22 年 1 月 1 日から同年 12 月 31 日までの課税期間 ( 以下 平成 22 年課税期間 という ) の消費税及び地方消費税 ( 以下 消費税等 という ) について 本件広告宣伝費に係る消費税

⑵ 過誤納金還付金が各税法の定めに基づいて発生するのに対して 過誤納金は 法律上 国税として納付すべき原因がないのに納付された金額で 国の一種の不当利得に係る返還金である なお この過誤納金は 次の二つに分かれる イ過納金過納金は 納付時には納付すべき確定した国税があったが 減額更正や不服審査の裁決

資産をめぐる税務 問答式 シリーズ相続と贈与に関する税務 相続税の申告と納付 共同相続人に行方不明の者がいる場合の遺産分割及び行方不明者の相続税の申告 質問 平成 29 年 1 月 母が死亡しました 相続人は長男である私を含め兄弟 4 人ですが 兄弟のなかに行方不明の者 ( 以下 Sといいます )

査請求人 ) が 平成 5 年分所得税確定申告書 ( 以下 本件請求保有個人情報 1 という ) の開示を求めるものである 処分庁は, 本件開示請求に対し, 本件請求保有個人情報 1は文書保存期間 (7 年 ) が満了し, 既に廃棄しているとして, 平成 27 年 12 月 2 2 日付け特定記号第

(1) 本件は, 歯科医師らによる自主学習グループであり, WDSC の表示を使用して歯科治療技術の勉強会を主催する活動等を行っている法人格なき社団である控訴人が, 被控訴人が企画, 編集した本件雑誌中に掲載された本件各記事において WDSC の表示を一審被告 A( 以下, 一審被告 A という )

平成 30 年 3 月 29 日判決言渡同日原本受領裁判所書記官 平成 28 年 ( ワ ) 第 号損害賠償請求事件 口頭弁論終結日平成 30 年 3 月 9 日 判 決 5 原告株式会社フィールドアロー 同訴訟代理人弁護士 青 山 友 和 被 告 ソ メ ヤ 株 式 会 社 同訴訟代理

1を原告 Aの負担とし, 原告 A 以外の原告らに生じた各費用の5 分の4と被告に生じた費用の3 分の2を被告の負担とし, その余を原告 A 以外の原告らの負担とする 4 この判決は, 第 1 項 ~に限り, 仮に執行することができる 事実及び理由 第 1 請求 被告は, 原告 A に対し,158

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4 訴訟費用は, 第 1,2 審とも被控訴人の負担とする 事実及び理由第 1 控訴の趣旨主文と同旨第 2 事案の概要 1 本件は, 競馬の勝馬投票券 ( 以下 馬券 という ) の的中による払戻金に係る所得を得ていた控訴人が, 平成 17 年から平成 21 年までの各年分の所得税に係る申告期限後の確

海外財産の相続 : 事例研究 ~ 米国の財産の相続手続き ( 第 4 回 ) 三輪壮一氏三菱 UFJ 信託銀行株式会社リテール受託業務部海外相続相談グループ米国税理士 これまで 海外に財産を保有する場合の 海外相続リスク の存在 特にプロベイト手続き等の相続手続きの煩雑さについて 米国の例を基に説明

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判決平成 14 年 9 月 19 日神戸地方裁判所平成 13 年 ( ワ ) 第 1073 号税理士報酬請求事件主文一被告は原告に対し, 金 367 万 0050 円及びこれに対する平成 13 年 4 月 9 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 二原告のその余の請求を棄却する 三訴訟費用は, これを6 分し, その1を原告の負担とし, その余は被告の負担とする 四この判決は, 原告勝訴部分に限り, 仮に執行することができる 事実及び争点第一申立一被告は原告に対し, 金 434 万 6250 円及び内金 412 万 5000 円に対する平成 13 年 4 月 9 日から支払済みまで年 5 分の割合による金員を支払え 二仮執行の宣言第二主張一請求原因 1 原告は税理士であるが, 平成 10 年 12 月 6 日, 有馬温泉の旅館 甲 で, 被告から, 妻乙の相続に関する税務申告, 被告の相続に関する税務申告及び被告の相続物件の譲渡に係る税務申告の代理及び税務書類の作成について依頼を受け, 原告はこれを承諾した ( 以下, 本件委任契約 という ) その際, 報酬については, 税理士報酬規定に基づいて計算し, 一括請求するとの合意が成立した 2 原告は, 次のとおり, 本件委任契約に基づき被告より受任した税務事務の処理をした (1) 乙の相続税修正申告書申告日平成 11 年 2 月 8 日提出先神戸税務署内容相続財産分割による修正申告申告額 3 億 1966 万 4267 円税額 2 億 1078 万 3000 円 (2) 被告, 丙の相続税確定申告書申告日平成 11 年 12 月 15 日提出先西宮税務署内容相続財産分割による申告申告額 7 億 5880 万 0597 円税額 0 円 (3) 被告の譲渡所得確定申告書申告日平成 11 年 12 月 24 日提出先西宮税務署内容 a 市 b 区 c 町字 de 番 fの宅地に係る譲渡所得税の申告申告額 1 億 8000 万円税額 3920 万 3000 円 (4) 被告の譲渡所得確定申告書申告日平成 11 年 12 月 24 日提出先西宮税務署内容前記 de 番 fの宅地残分交換による申告申告額 1 億 1000 万円税額 0 円 (5) 乙の譲渡所得確定申告書申告日平成 12 年 3 月 15 日提出先西宮税務署内容平成 9 年分本件土地残分の申告申告額 2000 万円税額 352 万 4000 円 (6) 被告の譲渡所得確定申告書申告日平成 12 年 3 月 15 日提出先西宮税務署内容宅地交換後の譲渡 (g 市 h 町 ) に係る譲渡所得税の申告申告額 1 億 1000 万円

税額 2024 万 8000 円 (7) 被告の譲渡所得修正申告書申告日平成 12 年 6 月 23 日提出先西宮税務署内容山林譲渡分の追加申告申告額 2 億 5000 万円税額 4750 万円 3 本件委任契約に係る税務事務に対する報酬は,2(1) については, 修正申告であって, 原申告の際の資料を利用できることを考慮して税理士報酬規定により計算した報酬額の5 割とし, 他は同規定により計算した報酬額の8 割として計算するのが相当である そうすると, 以下のとおり, 合計 442 万 5000 円となり, 消費税 22 万 1250 円を加えると, 合計 464 万 6250 円となる 2(1) につき 82 万 5000 円同 (2) につき 204 万円同 (3) につき 36 万 4000 円同 (4) につき 36 万 4000 円同 (5) につき 10 万 4000 円同 (6) につき 36 万 4000 円同 (7) につき 36 万 4000 円合計 442 万 5000 円 4 被告は原告に対し, 平成 11 年 10 月 22 日, 報酬内金 30 万円を支払ったが, その余の支払をしないので, 原告は被告に対し, 平成 13 年 4 月 8 日に到達した催告書により, 報酬残金の支払を催告した 二請求原因に対する認否 1 請求原因 1の有馬温泉 甲 での原告と被告の会食の事実は認める このときは, 税理士報酬については後日改めて話をすることとなった 税理士報酬規定に基づくとの合意をしたことは否認する 後日, 原告と被告が会食した際, 原告は, 報酬は, 高くても100 万円位までにしてあげようと, 被告に約束した 2 請求原因 4の30 万円の支払及び催告書の受領は認める 30 万円は, 税理士報酬 100 万円の30% を着手金として支払うよう原告からいわれて, 支払ったものである 三抗弁 1 西宮税務署長は, 平成 12 年 8 月 10 日, 被告に対し, 平成 10 年度所得税の更正及び加算税の賦課決定 ( 以下, 本件更正処分 という ) をし, その頃, 新たに納付すべき本税 475 万円及び無申告加算税 71 万 2500 円と通知した 2 本件更正処分は, 乙が受領していた金銭について被告の所得とみなしたものであるが, 誤っており, 異議申立をすれば, 取り消されたはずのものである 3 被告は原告に対し, 本件更正処分の頃, これに対する異議申立をすることを依頼したが, 原告は正当な理由なくこれを拒否した 4 そこで, 被告は原告に対し, 原告代理人が平成 14 年 3 月 5 日に受領した準備書面により,546 万 2500 円の損害賠償請求権でもって, 本訴請求債権と対当額で相殺する旨の意思表示をした 四抗弁に対する認否抗弁 3の事実は否認する 原告は, 本件更正処分に係る通知を見たこともないし, 異議申立手続を被告から依頼されたこともない 第三争点一報酬合意の内容及び報酬額二本件更正処分に対する異議申立依頼の有無理由一報酬合意の内容及び報酬額 1 弁論の全趣旨によれば, 被告は, 税理士である原告との間で本件委任契約を締結したこと及び同契約に基づく税務事務を原告がその主張するとおりに処理したことについて, 明らかに争わないと認められるので, これを自白したものとみなす 但し, 証拠 ( 甲 4ないし10) と弁論の全趣旨によれば, 原告が本件委任契約に基づき被告より受任した税務事務の処理は, 正確には, 次のとおりであると認

められる (1) 乙の相続税修正申告書 申告日 平成 11 年 2 月 8 日 提出先 神戸税務署 内 容 相続財産分割による修正申告 遺産の総額 4 億 9572 万 6114 円 税 額 2 億 1078 万 3000 円 (2) 被告の相続税申告書 申告日 平成 11 年 12 月 15 日 内 容 相続財産分割による申告 遺産の総額 7 億 5880 万 0597 円 税 額 0 円 (3) 被告の平成 10 年分所得税確定申告書 ( 分離課税用 ) 申告日 平成 11 年 12 月 24 日 内容 a 市 b 区 c 町字 de 番 fの宅地に係る譲渡所得税及び同所 166 番 2,3の宅地に係る譲渡所得税の申告 取引金額 1 億 8000 万円と1 億 1000 万円 税 額 3920 万 3000 円 (4) 乙の平成 9 年分所得税確定申告書 ( 分離課税用 ) 申告日 平成 12 年 3 月 15 日 申告 内 容 a 市 b 区 c 町字 de 番 fの宅地の一部に係る譲渡所得税の 取引金額 2000 万円 税 額 352 万 4000 円 (5) 被告の平成 11 年分所得税確定申告書 ( 分離課税用 ) 申告日 平成 12 年 3 月 15 日 内 容 g 市 i,h 町の土地に係る譲渡所得税の申告 取引金額 1 億 1000 万円 税 額 2024 万 8000 円 (6) 被告の平成 11 年分所得税修正申告書 申告日 平成 12 年 6 月 23 日 内 容 山林譲渡分の追加申告 修正申告額 3 億 4100 万円 税 額 4750 万円 2 原告本人, 被告本人 ( 但し, 後記採用しない部分を除く ) と弁論の全趣旨に よれば, 原告は知人の丁司法書士の紹介により, 平成 10 年 9 月に, 有馬温泉の旅 館 甲 で初めて被告と会い, その場で, 本件委任契約に係る委任事務の依頼を受 けたこと, その際被告は資料も持参しておらず, 個別の委任事務の詳細は原告にも 不明であったこと, 原告は被告に対し, 報酬については税理士報酬規定に従うこと になる旨話したところ, 被告は格別これに異議を唱えなかったことが認められる 被告本人 ( 乙 6を含む ) は, 平成 11 年 1,2 月頃, 新神戸の 戊 で原告 と2 度目に会った際, 原告から, 報酬について, そんなに高くならない 100 万円位でやってあげる と言われたと供述するが, 原告本人は否定している上, 被告本人によってもこの段階で全ての必要資料が原告に示されていなかったのであ るから, 原告としても委任された税務事務の全体像が明らかではなく, 具体的報酬 額の話ができる段階ではなかったと認められることに照らすと, 被告本人の供述は 採用できない 3( 報酬額 ) (1) 本件委任契約に係る委任事務中, 税務代理 ( 税理士法 2 条 1 項 1 号 ) 及び 税務書類作成 ( 同項 2 号 ) に係る最高限度の報酬について, 本件当時に適用される べき税理士報酬規定 ( 甲 11, 原告本人 ) によれば, 以下のとおりとなることが認 められる 1 前記 1(1) については, 税務代理につき110 万円, 書類作成につき55

万円, 同 (2) については, 税務代理につき 170 万円, 書類作成につき 85 万円, 同 (4) については, 税務代理につき 10 万円, 書類作成につき 3 万円, 同 (5) については, 税務代理につき 35 万円, 書類作成につき 10 万 5000 円 2 税理士報酬規定 5 条は, 報酬は, 報酬の種類に基づき, 税目ごとに受任 1 件として算定すると規定し, 同 14 条は, 所得税の税務代理における分離課税譲渡所得事案の報酬は,5 条の規定にかかわらず, 受任 1 件に含めず算定し, その他の所得税に係る税務代理報酬との合計額を受けることができる旨規定している しかし, 前記 1(3) の確定申告は, 同一年度の複数の譲渡所得について, 1 通の申告書 ( 甲 6,7) によりなされたものであるところ, このような場合に, 上記 14 条の規定により, 原告が請求原因 3 で主張するように,2 個 ( 請求原因 2(3) と (4)) に分けて報酬を算定することを許す趣旨ではないと解される よって, 前記 1(3) の報酬は, 取引金額 2 億 9000 万円として算定すると, 税務代理につき 35 万円, 書類作成につき 10 万 5000 円となる 3 税理士報酬規定 13 条は, 委嘱を受けた税務代理には, 当該申告に係る修正申告に関する業務を含むものとし, 重ねて報酬を受けることはできない旨規定している 前記 1(6) の申告は, 同 (5) の申告の修正申告であり, 上記規定により, 原告は重ねて税務代理に係る報酬を請求することはできないと解される よって, 1(6) に係る報酬は, 書類作成に関する 10 万 5000 円 ( 原告の請求から, この分についての請求額は 10 万 5000 円の 8 割であると考えられるので, 原告の求める範囲内のこの額とする ) のみとなる (2) 上記 (1) の報酬は最高限度の額であるところ, 原告は, 前記 1(1) については, 修正申告であり, 原申告の際の資料を利用できることを考慮して 5 割の請求とし, その余については,8 割の請求をしている そして, 原告本人によれば, このような税理士報酬の請求は, 原告は一般に行っていたというのであり, この請求額算定方法は相当な範囲内にあると認めることができる したがって, 前記 1(1) につき合計 82 万 5000 円, 同 (2) につき合計 2 04 万円, 同 (3) につき合計 36 万 4000 円, 同 (4) につき合計 10 万 4000 円, 同 (5) につき合計 36 万 4000 円, 同 (6) につき 8 万 4000 円となり, その総額は 378 万 1000 円となり, 消費税を含めると, 総額 397 万 0050 円となる 4 被告が原告に対し, 税理士報酬として 30 万円を支払済みであること及び原告が被告に対し, 平成 13 年 4 月 8 日に到達した書面で報酬残金の支払を催告したことは, 当事者間に争いがない 二本件更正処分に対する異議申立依頼の有無 1 被告本人 ( 乙 6 を含む ) は, 本件更正処分に係る更正通知を受けた平成 12 年 8 月 10 日頃, 原告に電話をして相談をしたが, 原告から, どうせ払う気がないのだから, 放置しておこうと言われたこと, 被告もこの更正に係る税金を支払う気がなかったので, それ以上何も言わず, 原告に更正通知の写しを送ることもしなかったと供述している 以上の被告の供述によっても, 被告が原告に対し, 明確に本件更正処分に対する異議申立手続の代理等を委任しようとしたことは認められないし, 原告本人は, 更正通知が届いたことは被告から聞いたこと, 被告に見せてくれるよう言ったが, その後被告からはこの点について連絡等はなかったことを供述しており, この供述に照らすと, 被告の異議申立の依頼に対し原告が正当な理由なくこれを拒否した事実は認められないというべきである 2 本件更正処分が, 異議申立に基づき取り消されたはずであることについて, 被告は的確な立証をしていない 3 以上によれば, 被告の抗弁は理由がない 三結論よって, 原告の請求は, 金 367 万 0050 円及びこれに対する平成 13 年 4 月 9 日から支払済みまで民法所定の年 5 分の割合による遅延損害金の支払を求める限度で理由があり, その余は理由がない 神戸地方裁判所第 5 民事部 裁判官前坂光雄