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浮上した主要テーマの検討の恩恵を受けている GBP 執行委員会のほか GBP メンバーとオブザーバーからも関連する専門家を加え ワーキンググループを拡大することにも注力した 本改訂は 幅広いグリーンボンドのステークホルダー コミュニティからのフィードバックを反映し 最近の市場発展に関して更新することも目的としている 2017 年改訂版は 引き続き同じ 4 つの核となる要素 ( 調達資金の使途 プロジェクトの評価と選定のプロセス 調達資金の管理 レポーティング ) の枠組みを維持している 2017 年改訂版は引き続き GBP に沿った推奨テンプレートとリソースセンター (www.icmagroup.org/resourcecentre) にて取得可能である外部評価の内容を利用することの重要性について強調している 2017 年改訂版は 2016 年版と比較して限られた変更であるものの GBP のこれまでの成果を反映している 2017 年版 GBP には 新たな前書きが含まれる 調達資金の使途 セクションにおけるグリーンプロジェクト区分は 更新され補完された また 新たな文言は導入されたイノベーション ( 最近のソブリン グリーンボンドに関するものを含む ) について反映することを意図している また プロジェクトの評価と選定のプロセス と 調達資金の管理 に関しては 発行体によるコミュニケーションに関する勧告を明確化している さらに 2017 年の更新と併せて 持続可能な水および廃水関連プロジェクトのための推奨メトリックを含む インパクト レポーティング ( 影響評価報告 ) に関する追加ガイダンスが提供されている グリーンボンドの定義グリーンボンドとは 調達資金の全てが 新規又は既存の適格なグリーンプロジェクト ( 対象プロジェクトは 1. 調達資金の使途 参照) の一部又は全部の初期投資又はリファイナンスのみに充当され かつ GBP の 4 つの核となる要素に適合している様々な種類の債券である 市場には様々な種類のグリーンボンドが存在する これについては付録 I で説明している ある一定のグリーンプロジェクトは 社会面での便益を兼ね備えるケースがあり グリーンボンドとしての調達資金使途の位置付けは 対象プロジェクトの主な目的に基づいて発行体が決めるべきものである ( グリーンプロジェクト及びソーシャルプロジェクトの双方を対象とするボンドは サステナビリティボンド とされ 当該債券に対するガイダンスは 別途 サステナビリティボンド ガイドライン において示されている) 重要なのは グリーンボンドは GBP の 4 つの核となる要素と適合しない債券と代替可能と考えるべきでない ということである グリーンボンド原則グリーンボンド原則 (GBP) は 自主的な手続きに係るガイドラインであり グリーンボンドを発行するための手引きを示すことによって 透明性と情報開示を推奨し グリーンボンド市場の秩序だった発展を促進するものである GBP は市場に広く使われることを目指している すなわち 信頼性のあるグリーンボンドの立ち上げに必要な主要な要素に関するガイダンスを発行体に提供し グリーンボンドへの投資による環境への影響を評価するために必要な情報の 2

入手可能性を高めることにより投資家を支援し グリーンボンド取引を促進するうえで期待される情報開示がなされるよう市場を方向づけることにより引受金融機関を支援する GBP は 投資家や銀行 投資銀行 引受金融機関 募集代理機関その他の関係機関が 発行されるグリーンボンドの特徴を理解するために活用できるよう 発行体に対して明確なプロセスと情報開示を推奨する GBP は 発行体がステークホルダーに対して開示 報告する情報には 透明性 正確性及び誠実性が求められることを強調する GBP は 次の 4 つの核となる要素で構成される 1. 調達資金の使途 2. プロジェクトの評価と選定のプロセス 3. 調達資金の管理 4. レポーティング 1. 調達資金の使途グリーンボンドにおいて肝要なのは その調達資金がグリーンプロジェクト (R&D のような 関連的支出や付随的支出を含む ) のために使われることであり そのことは 証券に係る法的書類に適切に記載されるべきである 調達資金使途先となる全てのグリーンプロジェクトは明確な環境面での便益を有すべきであり その効果は発行体によって評価され 可能な場合は 定量的に示されるべきである 調達資金の全部あるいは一部がリファイナンスのために使われる場合 又はその可能性がある場合 発行体は 初期投資に使う分とリファイナンスに使う分の推定比率を示し また 必要に応じて どの投資又はプロジェクトポートフォリオがリファイナンスの対象になるかを明らかにするとともに 該当する場合は リファイナンス対象となるプロジェクトの対象期間 (Look-back period) を示すことが推奨される GBP は 気候変動や自然資源の枯渇 生物多様性の減少 大気 水質 土壌汚染といった主要な環境問題に対処することを意図するグリーンプロジェクトのための 複数の幅広い事業区分を明確に認めている 以下のリストは グリーンボンド市場により支持または支持されるであろう 最も一般的に利用されている種類のプロジェクトを示し捕捉している グリーンプロジェクトは複数の事業区分に関連する場合がある 対象となるグリーンプロジェクト事業区分としては以下が挙げられる 順不同 またこれらに限定されるものではない 再生可能エネルギー ( 発電 送電 装置 商品を含む ) エネルギー効率 ( 新築 リフォーム済建物 エネルギー貯蔵 地域暖房 スマートグリッド 装置 商品など ) 汚染防止および管理 ( 廃水処理 大気排出の削減 温室効果ガス管理 土壌浄化 廃棄物の発生抑制 廃棄物の削減 廃棄物のリサイクルおよび省エネ 省排出型の廃棄物発電 廃棄物および再生産による付加価値商品 関連する環境モニタリングを含む ) 3

生物自然資源および土地利用に係る環境持続型管理 ( 環境持続型農業 環境持続型畜産 生物学的穀物管理または点滴灌漑といった環境スマートファーム 環境持続型漁業 水産養殖業 植林や森林再生といった環境持続型林業 自然景観の保全及び復元を含む ) 陸上および水生生物の多様性の保全 ( 沿岸 海洋 河川流域環境の保護を含む ) クリーン輸送 ( 電気自動車 ハイブリッド自動車 公共交通 鉄道 非電動式輸送 マルチモーダル輸送 クリーンエネルギー車両と有害物質の排出削減のためのインフラなど ) 持続可能な水資源および廃水管理 ( 清潔な水や飲料水の確保のための持続可能なインフラ 廃水処理 持続可能な都市排水システム 河川改修やその他方法による洪水緩和対策を含む ) 気候変動への適応 ( 気候観測および早期警戒システムといった情報サポートシステムを含む ) 高環境効率商品 環境適応商品 環境に配慮した生産技術およびプロセス ( エコラベルや環境認証 資源効率的な包装および配送といった環境配慮型商品の開発および導入 ) 地域 国または国際的に認知された標準や認証を受けたグリーンビルディング GBP の目的は どのグリーンテクノロジーや基準 主張や宣言が 持続可能な環境的便益にとって最適であるかといった立場をとることではないが 発行体やステークホルダーはリソースセンター (www.icmagroup.org/resourcecentre) 内のリンクを通じて事例を参照できる さらに 様々なグリーンソリューションや環境活動の質について 独自の分析やアドバイス ガイダンスを提供する数多くの機関が存在する グリーンおよびグリーンプロジェクトの定義は セクターや地理によっても異なる 2. プロジェクトの評価と選定のプロセスグリーンボンドの発行体は 以下の点を投資家に対して明確に伝えるべきである 環境面での持続可能性に係る目標 発行体が 対象となるプロジェクトが前途の適格なグリーンプロジェクトの事業区分に含まれると判断するプロセス 適格性についてのクライテリア ( プロジェクトが有する潜在的に重大な環境的 社会的リスクを特定し 制御するために適用される排除クライテリアやその他のプロセスを含む ) 発行体は 上記の情報を 発行体の環境的面での持続可能性に関する包括的な目標 戦略 政策及びプロセスの文脈の中に位置づけることが望ましい また 発行体は プロジェクトの選定にあたり参照する環境的基準又は認証についても 情報開示することを奨励される GBP は高い水準の透明性を推奨する また 発行体におけるプロジェクトの評価及び選定のプロセスは 外部機関による評価によって補完されることが望ましい ( 外部評価 参照) 4

3. 調達資金の管理グリーンボンドによって調達される資金に係る手取金の全部 あるいは手取金と同等の金額は サブアカウントで管理され サブ ポートフォリオに組み入れ 又はその他の適切な方法により追跡されるべきである また 当該手取金の全部は グリーンプロジェクトに係る発行体の投融資業務に関連する正式な内部プロセスの中で 発行体によって証明されるべきである グリーンボンドが償還されるまでの間 追跡されている調達資金の残高は 一定期間ごとに 当該期間中に実施された適格プロジェクトへの充当額と一致するよう 調整されるべきである 発行体は 未充当資金の残高についても 想定される一時的な運用方法を投資家に知らせるべきである GBP は高い水準の透明性の確保を推奨する また グリーンボンドで調達される資金の内部追跡管理方法と その資金の充当状況について検証するため 発行体による調達資金の管理は 監査人又はその他の第三者機関の活用によって補完されることが望ましい ( 外部評価 参照 ) 4. レポーティング発行体は 全ての調達資金が充当されるまで またその後においても状況の変化があった場合は必要に応じて 毎年更新される調達資金の使途に係る入手可能な最新の情報を作成し 保存すべきである この情報には グリーンボンドで調達した資金が充当されている各プロジェクトのリスト 各プロジェクトの概要 充当された資金の額及び期待される効果が含まれるべきである 守秘義務契約や競争上の配慮 又は対象プロジェクトの数が多すぎるといった理由により提供できる詳細な情報の量が限られる場合 GBP は提供する情報を総合的に 又は集計したポートフォリオ単位 ( 例えば 一定の事業区分への充当割合など ) で開示することを推奨する 期待される効果を伝達するうえでは 透明性が特に重要である そのために GBP は 定性的なパフォーマンス指標を使用すること 及び 可能な場合には定量的なパフォーマンス指標 ( 例えば エネルギー容量 電力発電量 温室効果ガス排出削減量 回避量 クリーン電力の利用者数 使用水量削減 必要車両数の削減等 ) を前提となる主要な方法論や仮定の開示と併せて使用することを推奨する 実現した効果をモニタリングできる場合 発行体は モニタリングした効果を定期的な報告に含めることが推奨される なお エネルギー効率 再生可能エネルギー 水資源および廃水プロジェクトに関するインパクトレポーティング ( 影響評価報告 ) について調和のとれた枠組みを目指す自主的ガイドラインも存在している ( リソースセンター www.icmagroup.org/resourcecentre 内のガイダンス書類を参照のこと ) ガイドラインには 発行体自らの状況に応じて適応できる プロジェクトおよびポートフォリオレベルでのインパクトレポーティングの様式のためのテンプレート ( 雛形 ) が含まれる GBP は 他者が適応でき かつニーズを満たすインパクトレポーティングのための追加リファレンスを設けることを助長するために 更なるイニシアチブを推奨している グリーンボンドやグリーンボンドプログラムの主な特徴を反映し GBP の 4 つの核となる要素に適合する主要な特徴を説明する概要を活用することは 市場参加者に対する有用な情報提供 5

となり得る その目的のため テンプレートは www.icmagroup.org/resourcecentre で入手でき また 記入されたものは 市場情報としてオンラインで公開できる ( 以下 リソースセンター を参照のこと ) 外部評価発行体は 発行するグリーンボンドが前述の GBP の主要な要素に適合していることを確認するために 外部機関による評価を活用することを推奨される グリーンボンドのプロセス構築において 発行体が外部からのインプットを得るための方法は多様であり 市場に供給されうる評価も そのレベルや種類は様々である そうしたガイダンスや外部機関による評価には以下のものが含まれる 1. コンサルタント レビュー : 発行体は グリーンボンド フレームワークの策定やレビュー等に関して 環境面での持続可能性やグリーンボンドの発行に関する他の分野において 一般に認められた専門性を有するコンサルタントや機関から アドバイスを受けることができる セカンド オピニオン はこの区分に属する 2. 検証 : 発行体は グリーンボンドやそれに関連するグリーンボンド フレームワーク 又は原資産について 監査機関等の資格を有する機関から独立した検証を受けることができる 認証と違い 検証は 発行体が作成した内部基準や要求との適合性に焦点を当てることがある 原資産の環境面での持続可能性に係る特徴についての評価を検証と称し 外部クライテリアを参照することがある 3. 認証 : 発行体は グリーンボンドやそれに関連するグリーンボンド フレームワーク または調達資金の使途について 外部のグリーンアセスメント基準への適合性に係る認証を受けることができる アセスメント基準はクライテリアを定義したもので この基準に適合しているかを 資格を有する第三者機関や認証機関が確認する 4. 格付け : 発行体は グリーンボンドやそれに関連するグリーンボンド フレームワークについて 専門的な調査機関や格付機関の資格を有する第三者機関の格付けを受けることができる グリーンボンドの格付けは 発行体の ESG 格付けからは切り離されたもので 個別の証券やグリーンボンドのフレームワークやプログラムを対象とするのが一般的である 外部機関による評価は 発行体のグリーンボンドやそれに関連するグリーンボンド フレームワークの特定の点のみを対象とする部分的なものもあれば GBP の 4 つの核となる要素全てに適合しているかを評価する網羅的なものもある GBP は 外部機関による評価の結果又は少なくともその要約が www.icmagroup.org/ resourcecentre で入手できるテンプレート ( 雛形 ) を用いる等の方法で 公表されることを推奨する このテンプレート ( 雛形 ) に記入されたものは 市場情報としてオンラインで公開できる ( 以下 リソースセンター の項目を参照のこと ) GBP は評価を付与する外部機関に対し いかなる場合においても 自らの実績と適切な専門性を公表し 実施されたレビューの範囲を明確に示すことを推奨する 6

GBP は 外部機関による評価のタイミングが 調達資金の充当先の特性によって異なり得ることや ビジネス上の秘密保持の観点から評価の公開が制限される得ることを 考慮に入れている リソースセンター前述において利用を勧めたテンプレート ( 雛形 ) や GBP に関するその他の資料は リソースセンター (www.icmagroup.org/resourcecentre) で入手できる このリンクでの案内で入手したテンプレートに記入した内容は リソースセンターにおいて市場情報としてオンラインで公開できる 7

付録 I グリーンボンドの種類現在 グリーンボンドには 4 つの種類がある ( 市場の発展に伴い新しい種類が生まれる可能性があり その場合は GBP の年次改定版で組み込まれる Standard Green Use of Proceeds Bond( 標準的グリーンボンド ):GBP に適合する発行体への遡及性を有する標準的な債券 Green Revenue Bond( グリーンレベニュー債 ): 発行体への遡及性を有しない GBP に適合する債券で 債券の信用の源泉は 対象となるグリーンプロジェクトからの事業収入や使用料 税金などの将来に見込まれるキャッシュフローであり 債券により調達された資金の使途は 信用の源泉との関係の有無を問わないグリーンプロジェクトとなる Green Project Bond( グリーンプロジェクト債 ): 一つまたは複数のグリーンプロジェクトに係る GBP に適合するプロジェクトボンドで 発行体への潜在的な遡及性の有無に関わらず 投資家は当該プロジェクトのリスクに直接晒される Green Securitized Bond( グリーン証券化債 ): 一つまたは複数の具体的なグリーンプロジェクトを裏付け資産とする GBP に適合する債券で カバードボンドや ABS MBS その他の仕組商品を含むが これらに限定されるものではない 投資家にとっての一義的な償還原資は一般的に裏付け資産からのキャッシュフローとなる このタイプの債券には 例として屋根型太陽光発電資産や省エネ設備の ABS が含まれる 注記 : 環境面での持続可能活動を主としてまたはそれのみに取り組む機関により発行された ピュアプレイ と呼ばれることのある 環境 気候またはその他テーマ化された ( ただし GBP の核となる要素に則っていない ) 債券市場があることも認識されている その場合には 投資家に対し適宜注意喚起をする必要があり グリーンボンド と称することで GBP の特徴を暗に示すことがないように注意すべきである これらの機関は 既存の環境 気候またはその他テーマ化された既存の債券について 可能な限り GBP のベストプラクティス ( 例えばレポーティング要件について ) に適合させることが望ましく また 将来の発行については GBP に適合させることが望ましい 免責条項 グリーンボンド原則は 自主的な手続きに関するガイドラインであり グリーンボンドやその他の証券の売買の勧誘やいかなる形の助言 ( 税務 法務 環境 会計 規制 ) を提供するものでもない グリーンボンド原則は 公的にも私的にも いかなる当事者に対しても権利義務関係を形成するものではない 発行体は GBP に依存することなく 自主的かつ自らの判断で GBP を採択し 実施するのであり グリーンボンド発行の判断につき自ら責任を負う 発行体が発行するグリーンボンドに係る約束や調達資金の使途を遵守しない場合 グリーンボンドの引受機関は責任 8

を負わない もし 該当する法律や規則 規制と GBP に示されたガイドラインが相反する場 合は 関連する各国法 規則 規制が優先される * * * Japanese language translation courtesy of SMBC Nikko Capital Markets Limited and review by Clifford Chance Law Office. 9