2016 年版自動車の軽量化, モジュール化による自動車部品の変化と将来性 総合技研株式会社
目 次 Ⅰ. 総括編 ( 1) 1. 軽量化部品について ( 1) 2. 軽量化部品の参入メーカー一覧表 ( 3) 3. 軽量化部品の市場規模推移 ( 4) 4. 各自動車部品における軽量化比率推移 ( 10) 5. 各カーメーカーにおける軽量化部品の採用動向 ( 16) 6. 各部品メーカーにおける軽量化部品の採用動向 ( 21) 7. モジュール化部品について ( 27) 8. モジュール化部品の参入メーカー一覧表 ( 29) 9. モジュール化部品の市場規模推移 ( 30) 10. 各カーメーカーにおけるモジュール化部品の採用動向 ( 32) 11. 各部品メーカーにおけるモジュール化部品の採用動向 ( 34) 12. 軽量化部品 モジュール化部品の今後の方向性 ( 41) Ⅱ. 軽量化部品編 ( 43) 1. 軽量化部品について ( 43) 2. 部位別採用動向 ( 43) 1) エンジン系軽量化部品 ( 43) 2) ボディ系軽量化部品 ( 44) 3) シャシー系軽量化部品 ( 44) 4) エレクトロニカル系軽量化部品 ( 46) 5) 生産工法による軽量化 ( 48) 6) 軽量化ボディ ( 49) 7) 構造合理化による軽量化 ( 51) 3. 各部品メーカーにおける取り扱い軽量化部品について ( 53) 4. 軽量化部品の市場規模推移 ( 54) 1) シリンダーヘッド ( 54) 2) シリンダーヘッドカバー ( 55) 3) シリンダーブロック ( 57) 4) クランクシャフト ( 58) 5) インテークマニホールド ( 59) 6) エキゾーストマニホールド ( 60) 7) オイルパン ( 61) 8) 燃料タンク ( 62) 9) スロットルボディ ( 63) 10) デリバリパイプ ( 64)
11) クラッチハウジング ( 65) 12) クラッチペダル ( 66) 13) プロペラシャフト ( 67) 14) ディファレンシャルキャリア ( 68) 15) ホイール ( 69) 16) ディスクブレーキキャリパー ( 70) 17) サンルーフ ( 72) 18) ワイヤーハーネス ( 73) 5. 軽量化による重量の変化 ( 75) 6. アルミ化 マグネシウム化 樹脂化 ハイテン材の動向 ( 93) (1) アルミ化の動向 ( 93) 1) 自動車 1 台当たりのアルミニウム使用量推移 (2025 年予測 ) ( 93) 2) 自動車におけるアルミニウムの使用部位 ( 93) 3) 各カーメーカーにおけるアルミニウムの採用状況 ( 93) 4) 各部品におけるアルミニウムの採用状況 ( 94) (2) マグネシウム化の動向 ( 95) 1) 自動車 1 台当たりのマグネシウム使用量推移 (2025 年予測 ) ( 95) 2) 自動車におけるマグネシウムの使用部位 ( 95) 3) 各カーメーカーにおけるマグネシウムの採用状況 ( 95) (3) 樹脂化の動向 ( 96) 1) 自動車におけるプラスチック材料の使用量推移 (2025 年予測 ) ( 96) 2) 自動車における樹脂の使用部位 ( 96) 3) 各カーメーカーにおける樹脂の採用状況 ( 96) 4) 各部品における樹脂の採用状況 ( 98) (4) ハイテン材の動向 ( 99) 7. 軽量化部品の今後の方向性 (102) Ⅲ. モジュール化部品編 (105) 1. モジュール化部品について (105) 2. 部位別採用動向 (106) 1) エンジン系モジュール (106) 2) ボディ系モジュール (108) 3) シャシー系モジュール (110) 4) エレクトロニカル系モジュール (111) 3. 各カーメーカーにおけるモジュール化動向 (112) 4. 各部品メーカーにおける取り扱いモジュール化部品一覧表 (120) 5. 各部品メーカーにおけるモジュール化部品について (121) 1) 各部品メーカーのモジュール化部品の特長 (121) 2) 各部品メーカーにおける取り組み状況 (126)
6. 各カーメーカーにおける主要モジュール化部品の調達先一覧表 (130) 7. モジュール化部品の市場規模推移 (131) 1) フューエルポンプモジュール (131) 2)ABS (133) 3)ESC (135) 4) アクセルペダルモジュール (136) 5) 吸気モジュール (137) 6) バックドアモジュール (138) 7) 成形天井モジュール (139) 8) エンジン冷却モジュール (140) 8. モジュール化部品の今後の方向性 (141)
Ⅰ. 総括編 3 2. 軽量化部品の参入メーカー一覧表軽量化部品部品メーカー樹脂製インテークマニホールト 樹脂製シリンタ ーヘット カハ ー樹脂製燃料タンク樹脂製サンルーフアルミハーネスアルミ製フ ロヘ ラシャフト CFRP フ ロヘ ラシャフトアルミキャリハ ー ESC アイシン精機 アドヴィックス 愛三工業 曙ブレーキ工業 イナシ ー オートモーティフ システムス FTS カウテックス ジャパン コンティネンタル オートモーティブ 坂本工業 新興工業 住友電装 ダイキョーニシカワ 太平洋工業 デンソー トヨタ紡織 東京濾器 豊田自動織機 日信工業 日立オートモティブシステムズ 広島アルミニウム工業 ブレンボ ボッシュ マーレフィルターシステムズ マン ウント フンメル ミクニ 八千代工業 ROKI
Ⅰ. 総括編 13) プロペラシャフト 軽量フ ロヘ ラシャフト (7.0%) 軽量フ ロヘ ラシャフト (12.0%) 2015 年 2025 年 軽量プロペラシャフトとしては CFRPプロペラシャフト ( カーボンペラ ) とアルミプロペラシャフトが挙げられる CFRP プロペラシャフトは 三菱自動車のパジェロやホンダのレジェンドなどに採用実績がある アルミプロペラシャフトは 日産がNV350キャラバンに採用している CFRPプロペラシャフトは 5~6kgの軽量化効果があり スチールから軽量プロペラシャフトへの移行が進んでいく可能性もある 14) ディファレンシャルキャリア アルミ製テ ィファレンシャルキャリア (87.0%) アルミ製テ ィファレンシャルキャリア (91.0%) 2015 年 2025 年 ディファレンシャルキャリアの素材としては 鋳鉄, アルミ両方あるものの 時代の流れとして他の自動車部品と同様にアルミ化が進んでいく方向となっている 15) ホイール アルミホイール (50.8%) スチールホイール (49.2%) アルミホイール (52.0%) スチールホイール (48.0%) 2015 年 14 2025 年 スチールホイール, アルミホイールとも軽量化開発が進んでいく方向であり 今後もほぼ半々の比率で推移していくものと予測される
Ⅱ. 軽量化部品編 Ⅱ. 軽量化部品編 1. 軽量化部品について 軽量化部品は 車両重量削減による燃費向上効果として 各カーメーカーにおいて採用が拡大 しており アルミ, 樹脂部品への移行が今後更に進展していく方向となっている 軽量化部品の自動車における採用部位としては エンジン系軽量化部品, ボディ系軽量化部品, シャシー系軽量化部品, エレクトロニカル系軽量化部品などが挙げられる 部位 軽量化部品 エンジン系軽量化部品 シリンダーヘッド クランクシャフト オイルパン シリンダーヘッドカバー インテークマニホールド 燃料タンク シリンダーブロック エキゾーストマニホールド スロットルボディ デリバリパイプ ボディ系軽量化部品 ホイール サンルーフ ワイヤーハーネス シャシー系軽量化部品 クラッチハウジング クラッチペダル プロペラシャフト ディファレンシャルキャリア ディスクブレーキキャリパー エレクトロニカル系軽量化部品 ESC HIDヘッドランプ AFS 燃料電池スタック 2. 部位別採用動向 1) エンジン系軽量化部品シリンダーヘッドシリンダーブロック エンジン系軽量化部品 シリンダーヘッドカバー インテークマニホールド燃料タンク エンジン系軽量化部品としては シリンダーヘッド, シリンダーブロック, シリンダーヘッドカバー, インテークマニホールド, 燃料タンクなどが挙げられる シリンダーヘッド, シリンダーブロックに関しては 軽量化ということで鋳鉄製からアルミダイカスト製への移行が進展している シリンダーヘッドカバー, インテークマニホールド, 燃料タンクについては 樹脂製への移行が進展している 43
Ⅱ. 軽量化部品編 6. アルミ化, マグネシウム化, 樹脂化, ハイテン材の動向 (1) アルミ化の動向 1) 自動車 1 台当たりのアルミニウム使用量推移 (2025 年予測 ) 項目 年 自動車 1 台当たりのアルミニウム使用量 2013 2014 2015 2016 ( 見込 ) ( 単位 :kg,%) 2020 2025 165 168 170 173 185 200 伸長率 100.0 101.8 103.0 104.8 112.1 121.2 アルミニウム合金は 鉄と比較して比重が約 1/3と小さい 熱伝導が高い 耐食性が良いなどの特長が挙げられる 自動車 1 台当たりのアルミニウム使用量は 2015 年 170kg 2025 年では20 0kgの使用量と予測される 新技術として エンジンでは 高い熱疲労強度が求められるディーゼルエンジン用シリンダーヘッドの材料に 新塊アルミニウム合金と同等の熱疲労強度を有する再生塊合金が開発されている 銅とマグネシウムの添加量を最適化することにより 同等の強度となっている シャシー部品では ナックルに鋳造品が ロアアーム, アッパーアームには鍛造品が主に採用されている 軽量化のため 鍛造材には強度と耐食性に優れる 6000 系合金を引張強さ400MPaまで高強度化した合金が採用されている 2) 自動車におけるアルミニウムの使用部位 自動車における アルミニウムの 使用部位 エンジン系 シリンダーヘッド シリンダーブロック タイミングチェーンカバー ピストン ボディ系 アルミハーネス アルミホイール シャシー系 アルミキャリパー デファレンシャルキャリヤアッセンブリー クラッチハウジング 3) 各カーメーカーにおけるアルミニウムの採用状況 <トヨタ> トヨタエスティマの 2AZ-FEエンジンのシリンダーヘッドは熱伝導性に優れたアルミ合金製を採用している 部品点数の削減及び肉厚の薄型化により 軽量化を図っている < 三菱自動車 > 三菱自動車では アウトランダー, アイ, デリカD:5, ギャランフォルティスなど シリンダーブロックの材質はアルミダイキャスト製となっている 三菱自動車では 201 93
Ⅲ. モジュール化部品編 2) ボディ系モジュール ボディ系モジュール コックピットモジュールドアモジュールバックドアモジュールリフトゲートモジュールルーフモジュール成形天井モジュール ボディ系モジュールとしては コックピットモジュール, ドアモジュール, バックドアモジ ュール, リフトゲートモジュール, ルーフモジュール, 成形天井モジュールなどが挙げられ る 1コックピットモジュール カルソニックカンセイのコックピットモジュールは メーター,HVAC ユニット, 電子電装部品 ( 集中スイッチ ), インストルメントパネル,BCM,CPM 用ハーネス, 他 CPM 構成部品をモジュール化したものである 効果 締結点数 35% 削減 初期品質安定性約 30% アップ 構成部品点数 18% 削減 また インパネモジュールは モジュール工法による生産工法が取られている ビルドアップ工法 ( 従来 ) 従来は インストルメントパネルなどの部品は ボデーへ部品を1つ1つ組み付けていくビルドアップ工法を採用していた モジュール工法 インストルメントパネルに関して 関連意匠部品 ラジオやメータなどの電装部品 エアコンユニットやダクトなどのエアコン部品をサブラインで機能統合モジュール ( インパネモジュール ) に組み立てる インパネモジュールをメインラインにて ボデーに搭載する 効果 部品の手元化による組み付け工数の削減 ボデー乗り込み回数の削減 メインライン組み付け工数の削減 作業姿勢の改善 108
Ⅲ. モジュール化部品編 6) バックドアモジュール 1 市場規模推移 ( 万個 ) 150 従来部品 モシ ュール化部品 100 50 0 2014 2015 2016 ( 見込 ) 2020 2025 ( 年 項目 従来部品 年 2014 2015 2016 ( 見込 ) ( 単位 : 千個,%) 2020 2025 268 268 261 248 238 伸長率 100.0 100.0 97.4 92.5 88.8 モシ ュール化部品 63 67 69 75 80 伸長率 100.0 106.3 109.5 119.0 127.0 合計 331 335 330 323 318 伸長率 100.0 101.2 99.7 97.6 96.1 現状 バックドアモジュールは 日産がエクストレイルに樹脂バックドアモジュールを採用し マツダがプレマシーに樹脂リフトゲートモジュールを採用している 主な特徴は 軽量化と低コスト化である 今後 内製の鋼板製を採用するか 外注の樹脂製にするかは 各カーメーカーの考え方次第となっている 138
Ⅲ. モジュール化部品編 また 鉄の別体では メッキなどの作業が必要であるが 樹脂製ではこの様な作業が不要となっている 樹脂と鉄( 鋼板製 ) の比較では 鉄の方が安価であるものの 樹脂製バックドアモジュールの場合 リヤスポイラー, フィニッシャーなどの付属部品もモジュール化されており トータルの納入コストとしては メリットがある ( 安価になる ) ということである 今後 更に樹脂バックドアモジュールが採用拡大するか否かは 各カーメーカーの考え方次第となっており 鉄の内製 ( 鋼板製バックドアモジュール ) は カーメーカーの仕事であり 内製の鋼板製にするか外注の樹脂製にするかは 各カーメーカーのメリット, デメリットによる考察によるところが大きくなっている 5) ドアモジュール従来ドアインナーパネルの開口部分の樹脂の板ガラスのレールウインドレギュレーターモーターハーネス類スピーカー モジュール化部品 ( ドアモジュール ) ドアインナーパネルの 開口部分の樹脂の板 ガラスのレール ウインドレギュレーター モーター ハーネス類 スピーカー 効果 軽量化 ( マツダCX-5の場合 フロント19% リア 25% 低減 ) コスト削減 ( マツダCX-5の場合 材料費 27% 削減 成形加工費 20% 削減 ) ドアモジュールは ドアインナーパネルの開口部分の樹脂の板 ガラスのレール, ウインドレギュレーター, モーター, ハーネス類, スピーカーなどをモジュール化したものである 主な効果は 軽量化とコスト削減であり マツダの CX-5の場合 19~25% の軽量化 20~27% のコスト削減となっている 144
2016 年版自動車の軽量化, モジュール化による 自動車部品の変化と将来性 価格 :98,000 円 ( 消費税別 ) 発刊日 :2016 年 2 月 25 日 発刊者 : 総合技研株式会社 本社 : 450-0003 禁無断転載 自動車業界研究グループ 名古屋市中村区名駅南 1-28-19 TEL FAX E-MAIL 名南クリヤマビル (052)565-0935 (052)565-0934 aam53300@nyc.odn.ne.jp