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明治時代の建築法規

耐震診断 耐震改修に関する設計に係る業務報酬基準案について寄せられたご意見と国土交通省の考え方 20 名の個人 団体から合計 66 件の意見をいただきました とりまとめの都合上 内容を適宜要約させていただいております 本業務報酬基準案と直接の関係がないため掲載しなかったご意見についても 今後の施策の

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名前 第 1 日目 建築基準法 2 用途規制 1. 建築物の敷地が工業地域と工業専用地域にわたる場合において 当該敷地の過半が工業地域内であると きは 共同住宅を建築することができる 2. 第一種低層住居専用地域内においては 高等学校を建築することができるが 高等専門学校を建築する ことはできない

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大阪市再開発地区計画にかかる

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京都市民間社会福祉施設耐震診断助成事業補助金交付要綱(案)

面する側にあっては2メートル以上 精華台みずき通り線に面する側及び精華大通り線に面する区域にあっては5メートル以上 精華台地区計画により別に定める側にあっては10 メートル以上後退しなければならない 3 前 2 項の規定は 守衛室その他これに類するもので 延べ面積が50 平方メートル以下かつ地階を除

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指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

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承認第03号-都市計画税条例の一部改正(専決処分)【確定】

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別添

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上記工事が行われ 認定長期優良宅に該当することとなった場合長期優良宅建築等計画の認定主体長期優良宅建築等計画の認定番号 第 号 長期優良宅建築等計画の認定年月日 平成 年 月 日 上記の工事が租税特別措置法若しくは租税特別措置法施行令に規定する工事に該当すること又は上記の工事が地方税法若しくは地方税

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札幌市総合設計制度許可取扱要綱


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建築物に付属する門・塀の確認申請手続きについて

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調布都市計画深大寺通り沿道観光関連産業保護育成地区の概要

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(3) 中規模改修工事費 建設年代別にm2単価を設定する 大規模改修後及び改築後は 水準別にm2単価を設定し 冷房設備ありの場合は別途m2単価を設定して加算する 表 中規模改修工事費 大規模改修前 大規模改修後 改築後 中規模改修建設年代改築後改築後大規模改修後円 / m2従来改築一般施

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Transcription:

業務報酬基準の見直しについて 1. 業務報酬基準とは 建築士法第 25 条において 国土交通大臣は 中央建築士審査会の同意を得て 建築士事務所の開設者がその業務に関して請求することのできる報酬の基準を定め これを勧告することができることとされています 業務報酬基準は この規定に基づき 建築主と建築士事務所が設計 工事監理等の業務の契約を行う際の業務報酬の算定方法等を示したものです 2. 業務報酬基準の見直しの経緯 構造計算書偽装問題を踏まえ 平成 18 年 8 月に取りまとめられた社会資本整備審議会答申において 業務報酬基準 ( 昭和 54 年建設省告示第 1206 号 ) の見直しが指摘されました その後 社会資本整備審議会建築分科会基本制度部会に新たに設けられた 業務報酬基準 工事監理小委員会 において 平成 19 年 12 月に見直しの方向が取りまとめられ これを踏まえ実態調査を実施し 平成 21 年 1 月 7 日に新しい業務報酬基準 ( 平成 21 年国土交通省告示第 15 号 ) が定められました 3. 新しい業務報酬基準の構成 新しい業務報酬基準は従来の業務報酬基準と同様に 第一 ~ 第三の実費加算方式に関する項と第四の略算方法に関する項で構成されています 略算方法に関し 別添三の略算表については 1 建築物の類型が4 類型から15 類型へ詳細化されるとともに 2 標準業務量について 構造 設備等の専門分野別の表示の追加 工事費ベースから床面積ベースの表示への変更 人 日から人 時間への単位の変更等の見直しが行われています - 1 -

新しい業務報酬基準案の構成 第一業務報酬の算定方法 設計 工事監理 建築工事契約に関する事務又は建築工事の指導監督の業務に関する報酬は 第二の業務経費 第三の技術料等経費及び消費税に相当する額を合算する方法により算定することを標準とする 第二業務経費 業務経費 = 直接人件費 + 特別経費 + 直接経費 + 間接経費第三技術料等経費第四直接人件費等に関する略算方法による算定 直接人件費又は直接経費及び間接経費の額の算定についての略算方法 ( 下記 イ ロ ) を提示 イ ) 直接人件費 ( 別添一の標準業務に対応 ) 建築物の類型 ( 別添二 ) に応じた標準業務人 時間数 ( 別添三 ) に人件費単価を乗じて算定 ロ ) 直接経費及び間接経費の合計額 直接人件費の額に 1.0 を標準とする倍数を乗じて算定 別添一標準業務 (*) * 設計又は工事監理に必要な情報が提示されている場合に 一般的な設計受託契約又は工事監理受託契約に基づいて その債務を履行するために行う業務別添二建築物の類型別の用途等一覧別添三略算表 (*) * 建築物の類型別に 標準業務に応じた標準業務人 時間数を提示 別添四標準業務に付随する標準外の業務 赤字部分については大幅な見直しを実施 黒字部分 ( 基本的な枠組み ) については従来どおり 4. 業務報酬基準を活用する際の留意点 1 業務報酬基準は実費加算方式が基本 ( 第一 ~ 第三関係 ) 業務報酬基準は 業務経費 ( 直接人件費 特別経費 直接経費 間接経費 ) と技術料等経費を加算する実費加算方式を標準としています ただし 当事者間の契約に基づいて 個別の事情に応じた業務報酬の算定を行うことを妨げるものではありません なお この基準は建築物の設計 工事監理 建築工事契約に関する事務又は建築工事の指導監督の業務を対象としており 建築物に関する調査又は鑑定 建築物の建築に関する法令又は条例に基づく手続の代理などは対象外です また 個別の業務内容に対応して経費を算定することができる一般的な業務を前提としており いわゆる標準設計による場合 複数の建築物について同一の設計図書を用いる場合 設計内容が特に芸術的性格が強い場合 極めて特殊な構造方法等を採用する場合などこの算定方法が必ずしもなじまない場合においては 他の合理的な算定方法によることが適切です - 2 -

2 直接人件費 直接経費 間接経費の算定においては略算方法を用いることが可能 ( 第四関係 ) 業務経費のうち 直接人件費 直接経費及び間接経費の算定においては 略算方法を用いることができます これは 建築士が行う標準的な業務を実施した場合に必要となる標準的な業務量 (= 業務人 時間数 ) を用いて報酬を算定する方法です ( 特別経費や技術料等経費は いずれも個別事例において定められるべきものであることから 略算方法は示していません ) 標準業務量は 標準業務のみを行った場合の業務量を示しているので 標準業務に含まれない追加的な業務を附随して実施する場合には 当該業務に対応した業務量を付加することとなります また 標準業務のうち一部のみを行う場合は行わない業務に対応した業務量を減じることになります 略算方法を用いる場合には 標準業務内容等を参考として 各建築士事務所ごとに 直接人件費の算定については業務内容及び業務人 時間数表を 直接経費及び間接経費の算定についてはその合計と直接人件費との割合を あらかじめ定めておく等の措置をとることが適切です なお 略算方法においては 実態調査に基づいて標準業務量を設定しているため 建築物の規模が著しく大きい又は小さい場合 ( 床面積の合計が別添三の最小値未満又は最高値超である場合 ) は 略算方法によることはできません また 略算方法は 単一用途の建築物を新築する場合の業務量を示したものであるため 建築物の増改築 修繕 模様替え又は設計変更の場合 複合建築物 ( 複数の類型が混在する建築物 ) の場合は 別途適切な方法により算定する必要があります 3 標準業務は調査 企画等の業務が別途実施されていることが前提 ( 別添一関係 ) 標準業務は 設計又は工事監理に必要な情報が提示されている場合に 一般的な設計受託契約又は工事監理受託契約に基づいて その債務を履行するために行う業務です 従って 標準業務は 建築物の敷地の選定に係る企画業務 資金計画等の事業計画の策定に係る企画業務 土質や埋蔵文化財に係る調査業務など設計に必要な情報を得るための調査 企画等に係る業務が 別途実施されていることを前提としています - 3 -

4 構造 設備の難易度が高い場合は標準業務量に倍数を乗じて調整 ( 別添三関係 ) 略算方法による場合 構造 設備の難易度による補正に留意が必要となります 総合 ( 統括と意匠 ) の難易度については 原則として 建築物の15 類型毎に 第一類 ( 標準的なもの ) と第二類 ( 複雑な設計等を必要とするもの ) に分けられ 標準業務量に差が設けられています 一方 構造と設備については 第一類と第二類の標準業務量に差がありません これは 構造の業務量については建築物の形状や敷地特性に 設備の業務量については導入する設備の機能水準に応じて補正をすることが適切と判断されたことによります 具体的には 構造については1.2~1.4 設備については1.4を標準とする倍数を標準業務量に乗じる ( 難易度補正する ) こととされており 個々の業務内容に応じて 倍数を乗じることとしています 5 告示に示されている標準外の業務は限定的 ( 別添四関係 ) 告示 ( 別添四 ) に示されている標準外の業務は 標準業務に附随するものを例示したものです このほかに 成果図書以外の資料 ( 別添一及び別添四に掲げるものを除く法令手続のための資料 竣工図等 ) の作成 風洞実験等の実施 第三者への説明など 建築主から特に依頼された業務を標準業務に附随して行う場合も標準外の業務に含まれます これら業務については 個別の事例において 契約前に当事者間の協議を行い 適切な合意を得た上で その業務内容や報酬額について 契約等として明らかにしておくことが適切です また 契約後に当初想定されなかった業務を建築主から依頼された場合にあっても 速やかに当事者間の協議を行い 予め適切な合意を得た上で その業務内容や報酬額について明らかにしておくことが適切です - 4 -

5. 略算表を活用した業務報酬の算定イメージ 例えば 以下のような建築物に係る業務報酬の算定イメージは次のとおりです 建築物の概要 敷地 整形 平坦な敷地 用途 本社ビル 延べ面積 10,000 m2 構造種別 RC 造 階数 地上 7 階地下 1 階 構造 平面及び立面が不整形 設備 一般的な水準 業務報酬の算定の流れ 標準業務量の算定 本社ビルは業務施設第 2 類に相当するので 別表第 4の2を用いる また この事例では平面及び立面が不整形である ( 建築物の形状が特殊である ) ため 構造の難易度による業務量の補正を行い標準業務量を算定する ( 具体的には 別表第 4の2の業務人 時間数に 1.3 を乗じ 構造に係る標準業務量を算定する ) 総業務量の算定 ( 標準外業務の業務量の付加 ) 標準業務に附随して標準外の業務を実施する場合は 標準業務量に標準外の業務に対応する業務量を付加し 総業務量を算定する 直接人件費の算定 総業務量に人件費の単価を乗じ 直接人件費を算定する 直接人件費 直接経費及び間接経費の合計の算定 直接人件費に 1.0 を乗じ 直接人件費 直接経費及び間接経費の合計を算定する 業務報酬の算定 直接人件費 直接経費及び間接経費の合計に特別経費及び技術料等経費を加え 業務報酬を算定する 標準業務量の算定 設計 工事監理等 総合 7,400 2,100 構造 2,000 1.3=2,600 370 1.3=481 設備 2,400 830 小計 12,400 3,411 合計 15,811 < 略算表 ( 別表第 4 の 2( 業務施設 ( 第 2 類 ))> ( 単位人 時間 ) 床面積の合計 500 m2 750 m2 1,000 m2 1,500 m2 2,000 m2 3,000 m2 5,000 m2 7,500 m2 10,000 m2 15,000 m2 20,000 m2 ( 一 ) 設計 ( 二 ) 工事監理等 総合 2,000 2,400 2,700 3,300 3,700 4,400 5,500 6,500 7,400 8,800 10,000 構造 460 560 640 790 910 1,100 1,400 1,700 2,000 2,500 2,800 設備 340 450 540 700 850 1,100 1,500 2,000 2,400 3,100 3,800 総合 890 1,000 1,100 1,200 1,300 1,500 1,700 2,000 2,100 2,400 2,600 構造 160 180 190 220 240 260 310 340 370 420 460 設備 83 110 140 190 240 330 490 660 830 1,100 1,400 業務報酬の算定 1 直接人件費 + 直接経費 + 間接経費 =(15,811 人 時間 +A 人 時間 ) 単価 B 円 / 人 時間 2.0 2 特別経費 (1) 直接人件費 (2) 直接経費 業務報酬 = * 右記に消費税額を加える必要がある 標準業務量 15,811 人 時間標準外業務量 人件費単価 B 円 / 人 時間 + (3) 間接経費 + 3 技術料等経費 ( 実施する場合 ) A 人 時間 - 5 -