時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前

Similar documents
厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付の支払の遅延に係る加算金の支給に関する法律

二いて 同法第二十八条の規定により記録した事項の訂正がなされた上でこの法律の施行の日(以下 施行日 という )以後に当該保険給付を受ける権利に係る裁定が行われた場合においては その裁定による当該記録した事項の訂正に係る保険給付を受ける権利に基づき支払うものとされる保険給付(当該裁定前に生じた保険給付

Taro-(確定版) H31.1第22回厚年特例法国会報告.jtd

Microsoft Word - T2-11-1_紙上Live_生計維持_13分_

- 2 - り 又は知り得る状態であったと認められる場合には この限りでない 2~7 略 (保険料を控除した事実に係る判断)第一条の二前条第一項に規定する機関は 厚生年金保険制度及び国民年金制度により生活の安定が図られる国民の立場に立って同項に規定する事実がある者が不利益を被ることがないようにする観

170214_【社労士会】事務連絡(期間短縮省令)

国民年金法による改定率の改定等に関する政令

<4D F736F F D AD97DF88C DC58F4994C52E646F63>

により容易に認められる事実 ) (1) 当事者等ア原告は,Aの子である イ Aは, 大正 年 月 日生まれの男性であり, 厚生年金保険の被保険者であったが, 平成 年 月 日, 死亡した ( 甲 1) (2) 老齢通算年金の受給 Aは, 昭和 年 月に60 歳に達し, 国民年金の納付済期間である18

強制加入被保険者(法7) ケース1

●国民年金法等の一部を改正する法律案

強制加入被保険者(法7) ケース1

●政府管掌年金事業等の運営の改善のための国民年金法等の一部を改正する法律案

柔軟で弾力的な給付設計について

●生活保護法等の一部を改正する法律案

問 28 高年齢雇用継続給付との調整難度 A 70 問 29 特例老齢年金難度 B 72 問 30 経過的加算難度 B 74 問 31 老齢厚生年金の支給の繰下げ難度 B 76 問 32 老齢厚生年金の支給の繰上げ難度 B 80 問 歳以後の在職老齢年金難度 A 84 問 34 障害厚生

48

260401【厚生局宛て】施行通知

<4D F736F F D F955C8E CC093788A7A934B F A7A8CB88A7A944692E88FD8816A>

伊丹市市民福祉金条例の一部を改正する条例(平成12年  伊丹市条例第  号)

年発 第 1 号平成 2 9 年 3 月 1 7 日 日本年金機構理事長 殿 厚生労働省年金局長 ( 公印省略 ) 公的年金制度の持続可能性の向上を図るための国民年金法等の一部を改正する法律の一部の施行に伴う関係政令の整備及び経過措置に関する政令 の公布について 公的年金制度の持続可

達したときに消滅する旨を定めている ( 附則 10 条 ) (3) ア法 43 条 1 項は, 老齢厚生年金の額は, 被保険者であった全期間の平均標準報酬額の所定の割合に相当する額に被保険者期間の月数を乗じて算出された額とする旨を定めているところ, 男子であって昭和 16 年 4 月 2 日から同

【資料8】振替加算の総点検とその対応について

資料1 短時間労働者への私学共済の適用拡大について

 

0 表紙

第 50 号 2016 年 10 月 4 日 企業年金業務室 短時間労働者に対する厚生年金の適用拡大及び厚生年金の標準報酬月額の下限拡大に伴う厚生年金基金への影響について 平成 28 年 9 月 30 日付で厚生労働省年金局から発出された通知 公的年金制度の財政基盤及び最低保障機能

第 1 号被保険者 資格取得の届出の受理 種別変更の届出の受理 資格喪失の承認申請 ( 任意脱退 ) の受理 資格喪失届出の受理 資格喪失の申出 第 1 号被保険者 任意加入被保険者 付加保険料の納付の申出の受理 付加保険料の納付しないことの申出の受理 に申請 届出または申出をした場合 被保険者 世


Microsoft Word ①概要(整備令)

                       

( 別添 2) ( 別添 2) 平成 14 年 9 月 27 日保発第 号の別添 2 組合管掌健康保険一括適用取扱要領 組合管掌健康保険一括適用取扱要領 ( 準則 ) 第 1 健康保険法 ( 以下 法 という ) 第 34 条第 1 項の規定による厚生労働大臣の承認 ( 以下 一括適

強制加入被保険者(法7) ケース1

独立行政法人教職員支援機構法

控訴人は, 控訴人にも上記の退職改定をした上で平成 22 年 3 月分の特別老齢厚生年金を支給すべきであったと主張したが, 被控訴人は, 退職改定の要件として, 被保険者資格を喪失した日から起算して1か月を経過した時点で受給権者であることが必要であるところ, 控訴人は, 同年 月 日に65 歳に達し


Taro-(番号入り)案文・理由

1 2

退職後の医療保険制度共済組合の年金制度退職後の健診/宿泊施設の利用済組合貸付金/私的年金退職手当/財形貯蓄/児童手当個人型確定拠出年金22 共イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けるこ

被用者年金一元化法

年管発 0331 第 1 号 平成 29 年 3 月 31 日 日本年金機構理事長殿 厚生労働省大臣官房年金管理審議官 ( 公印省略 ) 国民年金の保険料を追納する場合に納付すべき額を定める件等について 国民年金の保険料を追納する場合に納付すべき額を定める件 ( 平成 29 年厚生労働省告示第 12

強制加入被保険者(法7) ケース1

T3-08-2_遺族基礎年金(2)_

あっせん文(国民健康保険における限度額適用・標準負担額減額認定証 の申請に係る被保険者の負担軽減)

表 2 イ特別支給の老齢厚生年金老齢厚生年金は本来 65 歳から支給されるものです しかし 一定の要件を満たせば 65 歳未満でも 特別支給の老齢厚生年金 を受けることができます 支給要件 a 組合員期間が1 年以上あること b 組合員期間等が25 年以上あること (P.23の表 1 参照 ) c

指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準 ( 平成 12 年厚生省告示第 20 号 ) 介護保険法第 46 条第 2 項及び第 58 条第 2 項の規定に基づき 指定居宅介護支援に要する費用の額の算定に関する基準を次のように定め 平成 12 年 4 月 1 日から適用する 一指定居宅介護支

日付なしT2-01-2_紙上Live_ダイジェスト版(2)_①_(10分)_

(2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職 再就職 老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 ( 一部又は全額支給停止 ) 3 年金決定請求 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありますの

別紙 1 地方厚生 ( 支 ) 局保険年金 ( 企業年金 ) 課長殿 年企発 0422 第 1 号 平成 28 年 4 月 22 日 厚生労働省年金局 企業年金国民年金基金課長 ( 公印省略 ) 平成 28 年熊本地震に係る厚生年金基金及び国民年金基金の事務処理に関する 指導等について 今般 熊本県

被用者年金一元化法による追加費用削減について 昨年 8 月に社会保障 税一体改革関連法の一つとして被用者年金一元化法が成立 一元化法では 追加費用財源の恩給期間にかかる給付について 以下の配慮措置を設けた上で 負担に見合った水準まで一律に 27% 減額することとし 本年 8 月まで ( 公布から 1

目次 問 1 労使合意による適用拡大とはどのようなものか 問 2 労使合意に必要となる働いている方々の 2 分の 1 以上の同意とは具体的にどのようなものか 問 3 事業主の合意は必要か 問 4 短時間労働者が 1 名でも社会保険の加入を希望した場合 合意に向けての労使の協議は必ず行う必要があるのか

一公職の候補者となる労働者の雇用の継続の確保のための立候補休暇に関する法律案目次第一章総則 ( 第一条 第二条 ) 第二章立候補休暇 ( 第三条 第六条 ) 第三章雑則 ( 第七条 第九条 ) 附則第一章総則 ( 目的 ) 第一条この法律は 立候補休暇の制度を設けることにより 公職の候補者となる労働

第八条理事は 理事長の定めるところにより 理事長を補佐して機構の業務を掌理する 2 通則法第十九条第二項の個別法で定める役員は 理事とする ただし 理事が置かれていないときは 監事とする 3 前項ただし書の場合において 通則法第十九条第二項の規定により理事長の職務を代理し又はその職務を行う監事は そ

Microsoft Word - T2-04-1_紙上Live_被保険者期間と届出_(13分)_

2 政府は 必要があると認めるときは 予算で定める金額の範囲内において 機構に追加して出資することができる 3 機構は 前項の規定による政府の出資があったときは その出資額により資本金を増加するものとする 第二章役員及び職員 ( 役員 ) 第六条機構に 役員として その長である理事長及び監事二人を置

(頭紙)公布通知

< F2D E7B8D7392CA926D81698B6388F5944E8BE08AD6>

Microsoft Word - 概要

< F31322D335F81798ED0984A8E6D817A944E8BE08D8E959E814593BE>

<4D F736F F D20388C8E82A982E7944E8BE08EF38B8B8E918A698AFA8AD482A982AA925A8F6B82C982C882E882DC82B72E646F6378>

厚生局受付番号 : 近畿 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 近畿 ( 国 ) 第 号 平成 3 年 4 月から平成 7 年 3 月までの請求期間については 国民年金保険料を納付した期間 に訂正することを認めることはできない 生年月日 : 昭和 27 年生住所 :

飛島村居宅介護 ( 介護予防 ) 住宅改修に係る事業者の登録及び住宅改 修費受領委任払い制度取扱要綱 ( 趣旨 ) 第 1 条 この要綱は 介護保険法 ( 平成 9 年法律第 123 号 以下 法 と いう ) 第 45 条第 1 項に規定する居宅介護住宅改修又は同法第 57 条第 1 項に規定する

52 (2) 再就職後 年金受給権が発生した場合正規職員無職一般企業 無職 共済組合員 A 厚生年金 B ( 一般厚生年金 ) 退職再就職老齢厚生年金支給開始年齢 1 年金待機者登録 2 公的年金加入 3 年金決定請求 ( 一部又は全額支給停止 ) 1 退職した際は 年金の受給権発生まで期間がありま

第 3 条条例第 3 条第 2 項第 2 号の所得割の額 ( 以下 所得割の額 という ) の算定は 次の各号に掲げる場合に応じ 当該各号に定める方法により行うものとする (1) 地方税法第 314 条の7 並びに附則第 5 条の4 第 6 項及び第 5 条の4の2 第 6 項の規定による控除をされ

標準例6

Microsoft Word - 概要

社会保障に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定の実施に伴う厚生年金保険法等の特例等に関する法律案《概要》

個人情報の保護に関する規程(案)

万八千六百円 ) 3 現に機関登録を受けている者が他の機関登録を受けようとする場合における法第十四条第一項の政令で定める額は 前二項の規定にかかわらず 同条第一項の農林水産省令で定める各区分について 当該各区分が次の各号に掲げる区分のいずれに該当するかに応じ当該各号に定める額とする 一法第二条第二項

04 件数表280205(東京)

き県が負担する負担金の額 ( 当該負担金の額が他の法令の規定により軽減される場合にあつては, その軽減されることとなる額を控除した額 以下 県負担額 という ) から当該事業に要する費用の額 ( 加算額がある場合にあつては, 加算額を控除して得た額 ) に100 分の25 以内で規則で定める割合を乗

健康保険料と国民健康保険料の二重払いの解消(概要)

労働法令のポイント に賞与が分割して支払われた場合は 分割した分をまとめて 1 回としてカウントし また 臨時的に当該年に限り 4 回以上支払われたことが明らかな賞与については 支払い回数にカウントしない ( 賞与 として取り扱われ に該当しない ) ものとされている 本来 賞与 として取り扱われる

3 老齢厚生年金に係る年金額誤りの概要について 平成 16 年 8 月 6 日公表 概要 老齢厚生年金の受給権発生月に厚生年金保険の資格喪失及び同日付の資格取得があった場合でかつ当該日に賞与が支給された場合の年金額計算のプログラム誤り ( 社会保険業務センターの指示誤り ) のため 未払い 過払いが

業務 とあるが, 当該支払の一時差止めに係る決定を除く と, されている すなわち, 決定に係る業務は, 事業管理課長である ウその決定に係る文書及びデータは存在する 事業管理課長の決定により, 年金機構は, 障害者の年金給付を一時差し止めるための電算処理をしている事実がある そして, その事実から

茨城厚生年金事案 2029 第 1 委員会の結論総務大臣から平成 24 年 10 月 10 日付けで行われた申立人の年金記録に係る苦情のあっせんについては 同日後に新たな事実が判明したことから 当該あっせんによらず 申立人のA 社における資格喪失日に係る記録を昭和 41 年 9 月 5 日に訂正し

< F2D D89DB92B792CA926D816E906B8DD095DB8CAF>

監 事 監 査 規 程

入院時生活療養費の見直し内容について(厚生労働省保険局保険課:H29.4.7)

厚生局受付番号 : 近畿 ( 受 ) 第 号 厚生局事案番号 : 近畿 ( 厚 ) 第 号 第 1 結論請求者のA 社における平成 26 年 8 月 25 日及び同年 12 月 25 日の標準賞与額を 150 万円に訂正することが必要である 平成 26 年 8 月 2

国民年金

Microsoft Word - T2-06-1_紙上Live_老齢(1)_①支給要件(9分)_

< F2D93C192E894F A8893AE91A E7B8D7397DF>

第14章 国民年金 

六十五歳以上七十歳未七十歳以上 三 九三〇円一五 二九一円 三 九三〇円一三 二八四円 附則 1 この告示は 平成四年四月一日から施行し この告示の施行の日 ( 以下 施行日 という ) 以後の期間に係る年金たる補償に係る平均給与額及び施行日以後に支給すべき事由が生じた休業補償に係る平均給与額につい

2 社会保障協定のねらい 社会保障協定とは 国際間の人的移動の活発化に伴う年金等における課題の解決 協定発効前 二重負担の課題 在ルクセンブルク日本企業勤務の日本人 厚生年金保険料の徴収 ルクセンブルク年金保険料の徴収 年金受給資格の確保の課題 ルクセンブルク年金の最低加入期間である10 年を満たさ

05_(資料2)170619夜年管審後ver.>マイナンバー概要

二頁第三条第三項中 国家公安委員会 を 前項に定めるもののほか 国家公安委員会 に改め 同項を同条第五項とし 同条第二項の次に次の二項を加える 3国家公安委員会は 毎年 犯罪による収益の移転に係る手口その他の犯罪による収益の移転の状況に関する調査及び分析を行った上で 特定事業者その他の事業者が行う取

Microsoft Word 答申件数表.docx

< F2D D8791CC817995D28F578CE B38CEB94BD8966>

1

PowerPoint プレゼンテーション

件数表(神奈川)

スーパー答練 解説

02【通知案】年管管発 第号(周知・機構宛)

記録問題における減額ケース等の取扱い

5 仙台市債権管理条例 ( 中間案 ) の内容 (1) 目的 市の債権管理に関する事務処理について必要な事項を定めることにより その管理の適正化を図ることを目的とします 債権が発生してから消滅するまでの一連の事務処理について整理し 債権管理に必要 な事項を定めることにより その適正化を図ることを目的

2 厚年基金付加支給利率を定める告示 解散する厚生年金基金から中退共へ資産を移換した場合 掛金納付月数へ通算するとともに 掛金納付月数へ通算されなかった残余の額については 予定運用利回り ( 年 1%) に厚生労働大臣が定める利率を加えた利率を乗じて得た額をとして支給することとしており 本告示で当該

特定個人情報保護評価書 ( 基礎項目評価書 ) 評価書番号評価書名 9 国民年金に関する事務基礎項目評価書 個人のプライバシー等の権利利益の保護の宣言 羽島市は 国民年金に関する事務における特定個人情報ファイルの取扱いにあたり 特定個人情報ファイルの取扱いが個人のプライバシー等の権利利益に影響を及ぼ

150130【物価2.7%版】プレス案(年金+0.9%)

Transcription:

時効特例給付について 参考資料 1

時効特例給付制度の概要 制度の概要 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成 19 年 7 月 6 日施行 ) に基づき 年金記録の訂正がなされた上で年金が裁定された場合には 5 年で時効消滅する部分について 時効特例給付として給付を行うこととされた 法施行前は 年金を受ける権利は 5 年を経過すると その部分の年金を受ける権利は自動的に時効消滅することとされていた 事務処理 年金事務所において 年金受給権者等からの相談 照会を受け 年金記録の調査 訂正を行い 確認した上で必要な書類の提出を受けて 再裁定及び時効特例給付の審査 支払いの事務を本部で行っている 処理件数の約 50% は システムで機械的に処理 調査委員会が調査対象とした 10 ケースに該当する処理件数 ( 約 87,500 件 ) は 時効特例給付全体の 2.82% 処理件数 ( 単位 : 千件 ) 19 年度 (7 月 ~) 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 (~10 月 ) 計 29 376 1,114 866 397 320 3,101 平成 22 年 1 月日本年金機構発足 発足前は社会保険庁社会保険業務センターにおいて事務処理 ( 参考 ) 具体例 1 60 歳から年金を受給していた方で 71 歳で追加すべき年金記録が見つかった場合 後で判明 当初 60 歳 66 歳 71 歳 5 年を超える分は 時効消滅 増額分は5 年間分をさかのぼって支払 全額を 当初から支払 支払 具体例 2 72 歳の時に年金記録が見つかり 年金の受給資格があることが分かった場合 65 歳 67 歳 72 歳 時効消滅 5 年間分はさかのぼって支払全額を支払 受給権発生の年齢は 個人により異なる この部分も全期間さかのぼって支払 1

時効特例給付の支給決定額 支給決定額 ( 単位 : 億円 ) 19 年度 (7 月 ~) 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 24 年度 (~10 月 ) 計 ( 注 ) 遅延加算金を含む 213 1,950 6,771 6,479 2,156 948 18,518 ( 参考 ) 公的年金受給者年金総額 ( 単位 : 億円 ) 19 年度 20 年度 21 年度 22 年度 23 年度 474,395 488,658 502,554 511,332 522,229 2

時効特例給付に関する経過について 平成 19 年 2 月約 5 千万件の未統合記録の存在が明らかとなる ( 衆議院調査事務局予備的調査報告 ) 平成 19 年 5 月平成 22 年 1 月平成 22 年 2 月平成 23 年 4 月平成 24 年 1 月 ~ 平成 25 年 1 月 厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律案 を国会提出 ( 議員提案 )(5 月 29 日衆議院提出 6 月 30 日参議院可決 成立 7 月 6 日公布 施行 ) 社会保険庁廃止 日本年金機構設立 及び厚生労働省年金局を改組 総務省に年金業務監視委員会を設置 日本年金機構に支払部再裁定 時効特例室を設置 支払部再裁定 時効特例室の職員が問題提起 (7 月以降 理事長への声 への投稿 法令等違反通報制度 による通報 ) 日本年金機構に 時効特例給付の業務実態等に関する調査委員会 を設置 (3 月 31 日付けで報告書をとりまとめ ) 3

厚生年金保険の保険給付及び国民年金の給付に係る時効の特例等に関する法律 ( 平成十九年七月六日法律第百十一号 ) ( 厚生年金保険法による保険給付に係る時効の特例 ) 第一条厚生労働大臣は この法律の施行の日 ( 以下 施行日 という ) において厚生年金保険法 ( 昭和二十九年法律第百十五号 ) による保険給付 ( これに相当する給付を含む 以下この条並びに附則第二条及び第四条において同じ ) を受ける権利を有する者又は施行日前において当該権利を有していた者 ( 同法第三十七条の規定により未支給の保険給付の支給を請求する権利を有する者を含む ) について 同法第二十八条の規定により記録した事項の訂正がなされた上で当該保険給付を受ける権利に係る裁定 ( 裁定の訂正を含む 以下この条において同じ ) が行われた場合においては その裁定による当該記録した事項の訂正に係る保険給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる保険給付の支給を受ける権利について当該裁定の日までに消滅時効が完成した場合においても 当該権利に基づく保険給付を支払うものとする ( 国民年金法による給付に係る時効の特例 ) 第二条厚生労働大臣は 施行日において国民年金法 ( 昭和三十四年法律第百四十一号 ) による給付 ( これに相当する給付を含む 以下この条並びに附則第二条及び第六条において同じ ) を受ける権利を有する者又は施行日前において当該権利を有していた者 ( 同法第十九条の規定により未支給の年金の支給を請求する権利を有する者を含む ) について 同法第十四条の規定により記録した事項の訂正がなされた上で当該給付を受ける権利に係る裁定 ( 裁定の訂正を含む 以下この条において同じ ) が行われた場合においては その裁定による当該記録した事項の訂正に係る給付を受ける権利に基づき支払期月ごとに又は一時金として支払うものとされる給付の支給を受ける権利について当該裁定の日までに消滅時効が完成した場合においても 当該権利に基づく給付を支払うものとする ( 基礎年金の国庫負担等に係る読替え ) 第三条前二条 ( 附則第二条において準用する場合を含む ) の規定を適用する場合における国民年金法第八十五条第一項及び厚生年金保険法第八十条第一項の規定 ( 他の法令のこれらに相当する規定を含む ) の適用に関し必要な読替えは 政令で定める ( 政府の責務 ) 第四条政府は 年金個人情報 ( 厚生年金保険法第二十八条に規定する原簿又は国民年金法第十四条に規定する国民年金原簿に記録された個人情報その他政府が管掌する厚生年金保険事業又は国民年金事業の運営に当たって厚生労働省及び日本年金機構が保有する個人情報をいう ) について 厚生年金保険又は国民年金の被保険者 受給権者その他の関係者の協力を得つつ 正確な内容とするよう万全の措置を講ずるものとする ( 実施命令 ) 第五条この法律の実施のための手続その他その執行について必要な細則は 厚生労働省令で定める 附則抄 ( 施行期日 ) 第一条この法律は 公布の日から施行する ( 時効の特例に関する経過措置 ) 第二条第一条及び第二条の規定は 施行日前に厚生年金保険法第二十八条又は国民年金法第十四条の規定により記録した事項の訂正がなされた場合における当該訂正に係る保険給付又は給付について準用する 第三条から第八条まで ( 略 ) 4

時効特例法の対象となる記録訂正等について 1 時効特例法の対象となる 記録訂正 1 法の対象となる 記録訂正 とは 厚生年金保険法第 28 条又は国民年金法第 14 条の規定により記録した事項の訂正がなされた上で保険給付又は給付を受ける権利に係る裁定 ( 裁定の訂正を含む ) が行われたもの 2 法が対象としているのは 裁定 ( 裁定の訂正を含む ) に結びつくもの 年金の受給要件や年金額に影響を与える 記録訂正 であり 被保険者期間等の追加や保険料の納付状況の訂正などが含まれる 2 法施行日前に 記録訂正 がなされた場合の保険給付等の取扱い法施行日前に既に厚生年金保険法第 28 条又は国民年金法第 14 条の規定により記録した事項の訂正がなされていた場合も時効特例給付が支給される ( 法附則第 2 条で 準用する とされている ) 具体的には 法施行日 ( 平成 19 年 7 月 6 日 ) 前に裁定された年金に時効消滅した部分があり かつ 当該裁定が 記録訂正がなされた上で裁定されたもの であると判断される場合は 時効特例給付の支給対象となる 3 裁定請求が受給権発生から 5 年以上経過後に行われた 請求遅延 との区分時効特例法は 年金記録問題に対する包括的な対応の一環として 記録訂正に伴う年金の増額分のうち 5 年で時効消滅する部分について受給権発生までさかのぼって支払うこととするもの このような法の趣旨から 単に裁定請求の遅れにより時効消滅した部分については 法の対象とはならない このため この両者を区別する必要がある 4 記録訂正に伴い増額される年金と減額される年金がある場合の減額分の取扱い 法は 厚生年金 国民年金及びこれに相当する給付を含めて 記録訂正に係る受給権に基づく支払を行うこととしており この 受給権 は 記録訂正により年金が増額される部分と減額される部分の両方が一体的に生じる場合には その増額分から減額分を差し引いた額の受給権と解している 記録訂正が複数あった場合は 増減が一体的に生じるものか否かを区別する必要がある 5

報告書で指摘された具体例 ( いわゆる 請求遅れ のケース ) 平成 23 年 7 月に厚生年金期間 C 判明による再裁定を行った その際 受給している旧厚生年金保険法の老齢年金に 消滅時効によ り支給されていない期間があったため確認したところ 厚生年金期間 A B に係る年金手帳番号の重複取消 ( 記録訂正 ) により初めて 受給資格要件が確認されたものであるが 記録訂正から裁定請求までに相当期間が空いているケース 記録訂正 23.7 事案処理の考え方 旧厚生年金保険法の老齢年金の既裁定者について 記録訂正と訂正後の記録に基づく裁定請求に時間差がある場合 運用上 記録訂正から1 年以内に裁定請求が行われた場合は時効特例法の対象とし 記録訂正から1 年を経過した後に裁定請求が行われた場合は単なる請求遅延として時効特例法の対象外とする取扱いとしている 時効特例法の運用に当たっては 大量かつ多様な事案を迅速に処理する必要があり 一定の基準 (1 年経過 ) を設けた上で 因果 関係を判断する運用としている ただし 基準を画一的に適用するのは不適当であり 個々の事情を勘案し 個別に因果関係が確認 できる場合には 1 年を経過していても記録訂正と裁定請求に因果関係が認められる場合もある 6