いずれも 日常の何気ない場面で転倒事故が起きています 家電の位置を変えたり カーペットがめくれないように固定したり 床に物を置かないなど 自分の動線を整理 工夫することで 転倒のリスクを減らすことができます 暮らしの点検高齢者の転倒予防というとすぐに住宅改修を検討しがちですが 住宅改修をする前に 暮

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銀和株式会社在宅ケア事業

事前申請から支給決定までの流れ ケアマネージャーに相談 2 ケアマネージャー ( 要支援の方は地域包括支援センター ) に相談をして改修内容を決めます 住宅改修が必要な理由書 を書いてもらいます 住宅の所有者が本人でない場合は 所有者の承諾が必要です ( 所有者が家族の場合は不要 ) 3 工事見積依

介護保険の住宅改修とは 介護を必要とする方が 住み慣れた自宅で持てる能力に応じ自立した生活ができるようにする ために 介護保険のサービスとして住宅の小規模改修を支援するものです 住宅改修の要件 対象者 介護保険の要介護認定で 要支援 1 2 要介護 1~5と認定された人です 認定結果待ちの間に改修を

高齢者の家庭における生活環境整備することを目的として住宅改修をした場合、助成金を受けることができます

大田市版Q&A住宅改修.xls

老高発 0713 第 1 号 平成 30 年 7 月 13 日 各都道府県介護保険主管部 ( 局 ) 長殿 厚生労働省老健局高齢者支援課長 ( 公印省略 ) 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について の一部改正について 今般 居宅介護住宅改修費及び介護予防住宅改修費の支給について (

目次 1. 介護保険制度における住宅改修費支給制度について 2 2. 手続きの流れ 3 3. 支給対象要件 5 4. 支給限度基準額 6 5. 支払方法 7 6. 住宅改修費支給制度の対象となる改修の内容 8 7. 現地確認について 12 1

別紙 1-2 移乗介助 ロボット技術を用いて介助者による抱え上げ動作のパワーアシストを行う非装着型の機器 移乗開始から終了まで 介助者が一人で使用することができる ベッドと車いすの間の移乗に用いることができる ( ベッドと車いすの間の移乗における使い勝手は ステージゲート審査での評価対象となる点に留

設計内容説明書 ( バリアフリー性 : 等級 3 対応 ) 専用部分 ( 第二面 ) 手すり 通路及び出入口の幅員 ( 日常生活空間 ) 寝室 便所及び浴室 ( 日常生活空間 ) 廊下階段 ( 開放されている側 ) 転落防止 手すり子 通路 出入口 ( バルコニー勝手口を除く ) 浴室 便所 特定寝

事業案内 障害のある方や高齢者の自立生活や社会参加を支援します 自分らしい生活を送るために必要な福祉用具や住宅改修などの相談 支援を行います 具体的な技術支援を必要とされる方には リハビリテーションセンターの専門職が医療 保健 福祉関係機関と連携して相談 支援に対応します 相談内容 身体状況の確認日

大阪府福祉のまちづくり条例ガイドライン平成 29 年 12 月 4-1 障がい者等の便所内の動作例 杖使用者 ( 片マヒ ) 脳血管障がいなどにより 身体の片側の機能がマヒしている場合 姿勢保持のために体を預けられる手すりが有効です 1 便器に近づき 手すりのそばに杖を置きます POINT 便器の前

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補助の対象者 ( 申請者 ) 市内に自らが所有し 居住する住宅を改修する方 現在はまだ居住していないけれど 市内に所有している住宅を改修して居住する方 市税の滞納がない方に限ります 補助の対象となる住宅 バリアフリー改修工事の場合 一戸建ての住宅 併用住宅 ( 住宅部分 ) 長屋 共同住宅 ( 専有

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介護保険住宅改修 ご利用の手引き 刈谷市 平成 30 年 8 月

介護保険 住宅改修費の支給 住宅改修費の支給 とは 在宅の要介護 要支援者の方のお住まいに手すりを取り付けたり 床を滑りにくい材料に変更するといった小規模な改修をしたときに 改修費用の 9 割分 ~7 割分が支給される介護保険の制度です 支給方法 名古屋市では 住宅改修費の支給を以下の 2 つの方法

はじめに 住み慣れた住まいで暮らせるために 今の家に住み続けたい 住み慣れた地域で暮らしたい という高齢者の願いに応えるために 継続して暮らせる住まいづくりが求められています 相談員やケアマネジャーの役割が重要 高齢者からの住まいの改善の相談に対応する 地域包括支援センターの相談員 ( 以下 相談員

住宅改修が必要な理由書 作成について 住宅改修が必要な理由書 の作成の流れ理由書は 手順に従って作成しながら住宅改修のプランを検討するために収集すべき必要な情報が何かがわかるように構成されています 理由書作成にあたっては 住宅改修後の暮らし方を明確にすることから始まり 生活活動 動作レベルの具体的状

浴室の改修

留意点 1. 利用者 家族の生活状況と生活上の希望について 総合的に把握する P1-1: 利用者の身体状況 利用者の状況は 日常的に接していない者には見えにくい場合もあります 健康 疾病 日常生活動作等については利用者の了解のもと 主治医やリハビ 福祉用具との関係から どういった改修がお リテーショ

平成 30 年度版帯広市 住みなれた住宅で 安心して過ごしたい 介護保険では 住宅の改修 ( 対象箇所 ) にかかった費用の 9 割 ~7 割分 ( 原則 1 人 20 万円の限度額内 ) についての払い戻しが受けられます 1 住宅改修費の支給とは 対象となる方 要支援 要介護の認定を受けた方 入院

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23.04住宅改修Q&A.xls

調査の実施背景 介護保険制度が 2000 年に創設されてから 10 年余りが過ぎました 同制度は 家族介護をあてにせずに在宅介護ができる支援体制を整えることを目的として発足されたものですが 実際には 介護の担い手としての家族の負担 ( 経済的 身体的 精神的負担 ) は小さくありません 今後 ますま


Microsoft Word - Focus12月(的場).doc

福祉用具貸与 介護予防福祉用具貸与 心身機能が低下した高齢者に 日常生活の自立を助ける用具をレンタルします 自 宅 に 住 ん で 自 宅 で 受 け る サ ー ビ ス ( 生活環境を整える ) 貸与品目 福祉用具購入費の支給 住宅改修費の支給 手すり スロープ 歩行器 歩行補助杖 車いす ( 付


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ホームの概要 名 称住宅型有料老人ホーム桜美苑岩木 所在地弘前市大字駒越字村元 開設日平成 24 年 11 月 5 日定員 35 名 ( 個室 35 室 ) 電話番号 空室確認 ( 吉本 ) 運営法人から入居を考えている方へのメッセージ

パー ( 以下 リフォームヘルパー という ) の助言を受けなければならない (1) 住宅改良工事計画書及び工事図面 (2) 工事見積書 (3) 前条第 2 項の規定による業者の承諾書 (4) 改良前の住宅状況を示す写真 (5) 給付を受けようとする者が その世帯を事実上主宰し 生計維持の中軸となる

問診票-1ol

(3) 貴事業所の併設サービス (MA) 福祉用具事業所の併設サービスについて 最も多いのは 住宅改修 (80.0%) 次いで 居宅介護支援 (25.0%) であった 0% 50% 100% 1 住宅改修 居宅介護支援 訪問介護 訪問看護

(3) 貴事業所の併設サービス (MA) 住宅改修事業所の併設サービスについて 最も多いのは その他 (37.3%) 福祉用具貸与 特定福祉用具販売 3.4 % 1 福祉用具貸与 特定福祉用具販売 その他 全体 % その他

内装パック表紙

わが家のバリアフリーリフォームを行うにあたって 加齢や障害に対応するための住宅リフォームの場合 住む人の身体状態によって設備や器具の取り付け位置が各々違うため この手引きでは具体的な取付け寸法などは ( 共通の場合を除いて ) 記載していません 専門家 ( 医療 保健関係者 建築関係者など ) と相

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031010 乳牛疾病の早期発見応急処置予防対策 酪総研

飾区介護保険 住宅改修の手引き 住宅改修事業者向け 飾区介護保険課管理係 平成 30 年 3 月作成

75 ロールカーテンや停電時の非常降下スイッチ いたずら防止のキースイッチ など安全面には細心の注意を払っています 平らな場所があれば設置のた めの基礎工事は必要ありません 直進進入 次の各部の寸法をご確認ください ①地面から出入り口までの高さ 65cm 以下 ②出入り口の開口寸法 72cm 以上

各論第 3 章介護保険 保健福祉サービスの充実

1

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1. 介護保険住宅改修の概要 介護保険住宅改修制度とは 介護保険制度では, 要介護状態区分が要支援 1~2 又は要介護 1~5の認定を受けた方が, 在宅において自立した日常生活を営むためや, 介護者の負担を軽減するために住宅改修費の支給対象となる住宅改修 ( 対象となる工事についてはP6 参照 )

Microsoft Word - t2gika1.doc

このような現状を踏まえると これからの介護予防は 機能回復訓練などの高齢者本人へのアプローチだけではなく 生活環境の調整や 地域の中に生きがい 役割を持って生活できるような居場所と出番づくりなど 高齢者本人を取り巻く環境へのアプローチも含めた バランスのとれたアプローチが重要である このような効果的

ガイドライン分割5

で何らかのガスを使用している方にお聞きします 居室内 ( 台所 洗面所以外の部屋 のガス栓 ( ガスコンセントを含む の設置状況について 次の中から一つ選んでください ガス栓を設置していて 一年間を通してガス機器を接続して使用している 6 ガス栓を設置していて ガス機器を使用

B-1 多機能トイレ 2 便房の きさ 図 Ⅰ- 42 図 Ⅰ- 44 多機能トイレは 原則としてトイレ内の出入口付近に設け 車いすで回転できるスペース ( 直径 150cm の円が内接できる程度 ) を確保する 便房の広さは 内法寸法 200cm 200cm 以上を標準とする 建築物の規模により十

介護保険住宅改修の概要 介護保険住宅改修費支給制度とは 要介護 ( 支援 ) 状態になった方が 可能な限り 居住する住宅でその能力に応じ自立した生活を営むことができるよう 必要な住宅改修を行った際の費用の一部が支給される介護給付です 利用者が暮らしやすい住環境を整えるためには 利用者の心身の状況 日

1. 介護保険住宅改修の概要 介護保険住宅改修制度とは 介護保険制度では, 要介護状態区分が要支援 1~2 又は要介護 1~5の認定を受けた方が, 在宅において自立した日常生活を営むためや, 介護者の負担を軽減するために住宅改修費の支給対象となる住宅改修 ( 対象となる工事についてはP6~P8 参照

H25 港南区区民意識調査

50青木歯科医院

まちの新しい介護保険について 1. 制度のしくみについて 東温市 ( 保険者 ) 制度を運営し 介護サービスを整備します 要介護認定を行います 保険料を徴収し 保険証を交付します 東温市地域包括支援センター ( 東温市社会福祉協議会内 ) ~ 高齢者への総合的な支援 ( 包括的支援事業 )~ 介護予

「節電対策パンフレット」(家庭向け)

居宅介護(介護予防)住宅改修費支給申請の手引

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第1回東京都区西部災害リハビリテーション研修会


はじめに 本書の特徴と使い方 本格的な基本テキスト 容易に内容が分かるように平易な文章で要点を整理し また多くのイラスト 表 写真などを載せてヴィジュアルなものにした 用語 メモ 太字 はじめに 本書の特徴と使い方 3

平成17年度社会福祉法人多花楽会事業計画(案)

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利用者基本情報 基本情報 作成担当者 : 相談日年月日 ( ) 来 所 電話 その他 ( ) 初回 再来 ( 前 / ) 本人の現況在宅 入院又は入所中 ( ) フリガナ 本人氏名 男 女 M T S 年月日生 ( ) 歳 Tel ( ) 住 所 Fax ( ) 日常生活 障害高齢者の日常生活自立度

手順( 流れ ) についてサービス事業者 利 用者 本 人 介護福祉課 ( 保険者 ) 1 介護福祉課に相談 書類を取り寄せます 居宅サービス計画作成( 自己作成 ) 届出書 ( 様式 1) を提出します 2 居宅サービス計画作成( 自己作成 ) 届出書 を収受します 5サービス提供票等を受け取った

滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更 居室の畳敷からフローリング ビニール系床材等への変更 浴室の床材の滑りにくいものへの変更 通路面の滑りにくい舗装材への変更等の工事 引き戸等への扉の取替え 開き戸を引き戸や折戸 アコーディオンカーテン等に取替えのほか 扉の撤去 ドアノブの

住宅改修 27 トップ 印刷ページ Q&A 基 準 種 別 3 運 営 3 運 営 項目 質問 領収証 領収証は写しでもよいか 回答 QA発出時期 文書番号等 申請時にその場で領収証の原本を提示してもらうこ 事務連 とにより確認ができれば 写しでも差し支えない 絡 介護保険最新情 報 介護報酬等に係

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住宅改修_2017.indb

Microsoft Word - 「ハンドル形電動車椅子安全利用に関する知識・技能についての教育・訓練の基本項目」について.docx


スライド 1

国土技術政策総合研究所資料 研究資料

はじめに 福祉機器は 市場の拡大とともにさまざまな種類の機器が発売され それとともに事故も増えています 福祉機器を安全に使用するには 自分にあう適切な福祉機器を選ぶとともに 正しい使用方法を守っていく必要があります 本会では福祉機器を利用するための基本的な情報や知識を広めるとともに より理解を深めて

満足度調査 単純集計結果

住宅リフォームの注意点と支援制度

- 目次 - 1. 基本構想策定の趣旨と役割 1 2. 交通バリアフリー法 2 3. 焼津市移動円滑化基本構想策定体制及び上位計画との関連 4 4. 重点整備地区及び特定経路について 6 5. 地区別の現状把握 整備の目標 心のバリアフリー 24 参考資料 1. 人口と高齢者

58サタケ歯科クリニック

ド ベッドの だから んなに さし ド ント ン ンド ent ント ド ド ベッドの だから んなに さし の に れ ベッドが の を さしく ます す の も くします ベッド に く 起きあがり 立ちあがりなどの動作を助けます ベッド の き がり がりな の を します ベッドから き が

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平成21年度 介護サービス事業者における事故発生状況

国土技術政策総合研究所資料 研究資料

事業内容

居宅介護支援事業者向け説明会

24 7 団地の修繕 改良UR 都市機構では 主に昭和 40 年代から 50 年代前半に管理開始した賃貸住宅について 居住水準の向上に資することを目的として お住まいの方からのお申し込みに基づき 浴室 設備の改良 ( シャワー付ふろがま 大型浴槽 ( シャワー付 ) の設置 ) を行っています なお

平成 30 年度エコ & バリアフリー住宅改修 助成制度の概要 対 象 区民 マンション管理組合 賃貸住宅個人オーナー 助成金額 上限 20 万円 上限 100 万円 工事費用全体 ( 消費税抜き ) の 10% を助成 申込期間 平成 30 年 4 月 2 日 ( 月 )~ 平成 31 年 2 月

2-5 住宅の設備

10. 我が国の医療保険制度について誤っているのはどれか. 1. 国民皆保険制度である. 2. 診療報酬上の 1 点は 10 円に相当する. 3.DPC は医療費の定額払い制度である. 4. 請求した診療報酬がすべて認められるわけではない. 5. リハビリテーションに関しては混合診療が認められ 15

PowerPoint Presentation

Q7 賃貸マンションの中にあるオーナー所有部分は 対象になりますか? 申請者 ( オーナー ) が居住の用に供している部分を住宅として区分して登記してい A7 る場合は 対象となります 別途 平面図等確認できるものを 提出してもらいます 対象工事等について Q8 どのようなトイレ改修が対象ですか?

介護保険制度改正の全体図 2 総合事業のあり方の検討における基本的な考え方本市における総合事業のあり方を検討するに当たりましては 現在 予防給付として介護保険サービスを受けている対象者の状況や 本市におけるボランティア NPO 等の社会資源の状況などを踏まえるとともに 以下の事項に留意しながら検討を

Microsoft Word - 参考資料1 福祉用具・住宅改修に関する法令上の規程について

総企第237号

別紙 1 整備基準チェックリスト 太枠の中を記入してください 施設の名称主要用途 施設の所在地 記入者の氏名電話番号 整備適用の別 整備箇所整備基準設計概要 1アプローチ (1) 道路から建物入口まで歩行者通路を設ける (2) 歩行者通路と自動車通行路は原則分離 (3) 通路に段差を設けない ( 段

外部評価地域かかわりシート 1 〇外部評価 ( 地域かかわりシート 1) は A~F までの 6 項目となります〇項目 A については 事業所自己評価 をお読みいただき 適当と思われる箇所に を記入ください わかりにくい場合は 運営推進会議当日に事業者から説明がありますので 空欄のまま持参し 当日記

公共的トイレのアクセシビリティ評価ツール『まちなかトイレチェックカードセット』 : 車いす利用者のフィールドチェック活動支援を目指して

満足感が得られないお風呂掃除は、「もうやりたくない家事」No.1 負担を減らすために有効なモノは?


Transcription:

高齢者のための 住宅改修のポ イ ン ト 最新の高齢社会白書によると 高齢者の 8 割は 現在の住宅に満足しており 体が弱っても自宅に住み続けたいと思っていると報告されています 住みなれた我が家でできる限り暮らし続けたいとの思いは 多くの方の願いではないでしょうか しかし 高齢者の在宅生活を脅かすリスクのひとつに 転倒事故があります 転倒事故というと 屋外と思いがちですが 高齢者の場合は家庭内での事故が圧倒的に多い状況です 事故の最も多い場所は 居室 次が 階段 そして 台所 玄関 洗面所 風呂場 となっています このように 住宅内にはさまざまな危険が潜んでいます いつまでも住みなれた我が家で安全に暮らし続けるために 高齢者にとって暮らしやすい住宅について知っておくべきポイントをご紹介します

いずれも 日常の何気ない場面で転倒事故が起きています 家電の位置を変えたり カーペットがめくれないように固定したり 床に物を置かないなど 自分の動線を整理 工夫することで 転倒のリスクを減らすことができます 暮らしの点検高齢者の転倒予防というとすぐに住宅改修を検討しがちですが 住宅改修をする前に 暮らしの中の危険な箇所の点検が大切です また どれだけバリアフリー化しても 暮らし方が変わらなければ 転倒のリスクを減らすことはできません 転倒事故が最も多い居室を例に 危険な箇所を点検してみましょう 転倒を引き起こしやすい原因は 一般的には段差が挙げられますが 転倒の原因となる環境はそれだけではありません 以下の点から住宅を点検してみてください いくつかの原因が重なると 更に転倒事故の危険が高まりますので 重複する場所については 安全のために住宅改修も検討しましょう 大きな段差よりも 実際には 3 cm程度の小さな段差で転倒事故が起こっています 長年の生活であたりまえになっているため 見落とされがちですが 年齢が増すほどすり足になるため 小さな段差でも指をぶつけたり つまずいて転倒しやすくなります 想定される場所 居室の敷居 トイレ 浴室の入口など畳をフローリングに変える改修は一般的に行われていますが 滑りやすいものや 硬くて転倒するとけがしやすい場合があります スリッパや靴下のまま歩くと さらに危険が増します また 浴室の床はお湯を使うのでさらに滑りやすくなり 水はけも含めた点検が必要です 想定される場所 台所や廊下など板貼りの部屋 浴室など段差を見落としやすい暗がりの点検が必要です 日中でも 照度や照明の数が不足しがちな廊下や階段では暗がりが多くみられます 照明の数が少ないと 歩く向きによって自分の陰で足元が暗くなることもあります 特に夕暮れ時には注意が必要です また 見分けがつきにくい色合いの段差の場合には 暗がりと同じように転倒の危険性が増します 想定される場所 玄関 廊下 階段 トイレ 階段の一段目など住まいの点検カーペットなどのふちこたつ布団暗い照明床に置きっぱなしの新聞など床の滑りやすさ段差コード類暗がり 色合い

手すりを 取り付ける時のポイント 手すりは よく考えて取り付けましょう 安易に付けると 使わない手すり 邪魔な手すり になってしまいます 手すりを取り付けるときは次の点を考慮しましょう 1 2 3 4 5 本人の日常生活の状況をよく確認する 壁や扉などの汚れは 本人が普段手をつくところの目安になる 握力や手の大きさによって 太さや形の検討が必要 太さは 32mm~34mmが一般的だが 握って力の入り具合を確認する 手すりを取り付ける場所や高さについては リハビリテーション専門職やケアマネジャー等に相談する 横手すりを取り付ける場合の手すりの高さ 杖を支えに歩いている人は 手すりをしっかり握る必要があるので 杖の長さが手すりの高さの基準になる 杖を使わない人は 手すりを握るよりも 手すりに手を添わせて歩くので やや高めになる 取り付けた手すりが しっかり固定されているかを必ず確認する 場所別住宅改修のポイント 玄関 高齢者にとって こわい 危ない 玄関は 外出を控え閉じこもりにつながりか ねません 玄関の改修は 1 上がりかまちなどの段差昇降の安全 2 靴の脱ぎ履き の安全を中心に検討します 段差昇降の安全 靴の脱ぎ履き 杖歩行 車いすなど 本人の移動能力に合わせたものを検討する 手すりを取り付ける 踏み台を置く スロープ 段差解消機など 座位で行う方法を検討する 椅子を置く 折り畳みベンチを設置するなど 玄関から道路までの間に段差がある場合は スロープや手すり等の検討が必要です

廊下 廊下は 転倒予防を中心に 1 各部屋と廊下の段差解消 2 手すりの取り付け 3 照明の工夫を検討します 各部屋と廊下の段差 廊下の床を全面的にかさ上げすることで解消できる 費用面などで全面かさ上げができない場合は 段差部分にスロープ板を取り付ける その場合 2~3cm の段差までは有効だが 段差が 5 cm以上になると かえって角度が急になり危険になりやすい 照明の工夫 暗がりをなくす工夫をする 足元灯の取り付けも有効 スロープ板急な角度のスロープ板に足をのせるとバランスを崩しやすいので危険 トイレ トイレの改修では 1 寝室からトイレまでの動線 2 トイレ内での移動動作 3 排泄の姿勢 4 排泄後の始末 5 便器からの立ち上がりに分けて それぞれの 動作を安全に自立して出来るように環境を検討します 杖歩行 車いすなど本人の移動能力 介護者が必要か どのような介助が必要かなどによって 望ましいトイレの環境は変わります 特に本人の入院中に大がかりな改修を行う際には リハビリ テーション専門職などにも相談しましょう トイレの場所 出来るだけ居間や寝室の近くが望ましい また トイレまでの移動経路は日中と夜間で異なりやすい 両方とも確認する トイレの入り口 段差がある場合 出来れば段差の解消をする 車いすで自立を目指す場合 引き戸など扉の変更やドアノブの変更も検討する 手すりを取り付ける場合 トイレまでの移動 トイレ内の移動 排泄姿勢 便器からの立ち上がり 便器洗浄 手洗いなど一連の動作を確認し 壁固定 床固定 折り上げ式手すりなどを検討 工事ができない場合は介護保険レンタル手すりや電動式腰掛便座も検討する トイレのスペース 排泄後の始末 温水洗浄便座を検討 また 予算に余裕があれば自動照明 便器フタの自動開閉 自動洗浄機能なども検討する 立ち上がりには 便器の前方に 50cm 以上のスペースが必要 和式便器を洋式便器にする場合 前方のスペースが確保できるかどうかの確認が必要

浴室 浴室は 滑りやすく転倒の危険が多いところです 入浴動作を 1 浴室内の移動 2 浴槽の出入り 3 浴槽内の立ちしゃがみ 4 洗い場での洗体 に分けて 本人と介護者の能力で行いやすい安全な方法を検討します 手すりを取り付ける場合 浴室の出入りや浴槽の 出入り 洗体など入浴の 一連の動作の確認をす る 浴槽の高さ 高齢者の場合 浴槽の出 入りしやすい浴槽は 深 さ 50cm 程度の和洋折衷 式 また 洗い場から浴槽 の縁までの高さは 40cm が目安 浴槽の出入りを 座って行う方法も提案す る 洗い場の材質 滑りにくく水はけがよいものを選ぶ 温度 寒い浴室はとても危険 脱衣場 浴室内の暖房も検討をする 扉 引き戸が望ましいが難しい場合は折れ戸に 内開き戸は 倒れた人に当たり開けにくい 浴室入口の段差 少ないことが望ましい 段差が無くても洗い場は滑りやすいので 手すりの検討をする 介護が大変な動作 危険な動作は 入浴方法の見直しを! 階段 階段は 上り下りの途中で足を滑らせないように 1 手すりの取付け 2 滑り止めの工夫 3 照明器具について検討します 手すりを付ける場合 切れ目のない 1 本の連続した手すりにする 階段の最上段と最下段では 安全に最後の一歩が踏み出せる位置まで 手すりを長めにつける 手すりの高さは 階段の先端で測る 滑り止め 段の先端だけでなく 足の踏み面全体にノンスリップ加工をするなど検討する 照明 新しく取り付けることが難しい場合は 市販の足元灯をおくことなどを検討する 階段を危険と判断した場合は 寝室を 1 階にする検討も! 監修 : 橋本美芽 ( 首都大学東京健康福祉学部准教授 )

住宅改修に関する助成制度 高齢者の日常生活の自立を助けるために 手すりをつける 段差を解消するなどの 住宅改修に対しては 介護保険での住宅改修費支給や板橋区の高齢者住宅設備改修費 助成事業があります いずれも事前に申請が必要になります 条件と限度額 一部負担金があります 使える制度 介護保険住宅改修費支給 板橋区高齢者住宅設備改修費助成事業 浴槽の取替え 車いすに対応の流し または 洗面台の取替え 相談窓口 使える制度 相談窓口 担当のケアマネジャーにご相談ください ケアマネジャーがいない方は お住まいの担当の おとしより相談センターにご相談ください 板橋区高齢者住宅設備改修費助成事業 手すりの取付け 引き戸等への扉の取替え 段差解消 すべりの防止及び移動の円滑化等のための床材取替え 洋式便器等への便器の取替え 浴槽の取替え お住まいの担当のおとしより相談センターに ご相談ください 板橋区おとしより保健福祉センター 174-0063 東京都板橋区前野町4丁目16番1号 TEL 03 5970 1120 FAX 03 5392 2060